説明

クレンジング化粧料

【課題】使用時のなめらかさ、皮膚上での伸び、マッサージ性、すすぎ性に優れ、クレンジング効果も良く、さらに経時安定性が良好なクレンジング化粧料を提供する。
【解決手段】次の成分(A)〜(E)を含有することを特徴とするクレンジング化粧料。
(A)極性油、
(B)HLB7未満の非イオン性界面活性剤、
(C)HLB7以上の非イオン性界面活性剤、
(D)アルキル変性カルボキシビニルポリマー、及び
(E)アシルアミノ酸型界面活性剤

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレンジング化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚上の皮脂の汚れやメイクアップ化粧料を除去するためのクレンジング化粧料としては、液状油等を主成分とする油性クレンジング化粧料、また油性成分を界面活性剤により乳化し、クリーム状や乳液状にした乳化タイプのクレンジング化粧料、さらに水性成分や水溶性高分子を主成分とする水性クレンジング化粧料等が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、油性基剤を主体とするクレンジング化粧料や乳化タイプのクレンジング化粧料は、油性成分を多量に含有するため、マッサージ時のコクやリッチ感が感じられ、また油性メイクアップ化粧料などの油汚れとのなじみが良く、クレンジング効果に優れる反面、拭き取り後又は洗い流し後に油性成分が肌に残存してべたつき感を生じ、さっぱりとした使用感を得ることができないという問題があった。
【0004】
一方、水性クレンジング化粧料は、油性成分の含有量が少ないため、使用中の感触がみずみずしく、さっぱりした使用感を有するが、油性メイクアップ化粧料などに対するクレンジング効果が十分でなく、皮膚塗布時の伸びが重く、すすぎに時間がかかるという問題があった。これらの点を改良するべく、カルボキシビニルポリマーやアルキル変性カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子を配合したクレンジング化粧料が報告されている(特許文献1〜5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−87139号公報
【特許文献2】特開2002−193745号公報
【特許文献3】特開2002−255787号公報
【特許文献4】特開2002−284672号公報
【特許文献5】特開2005−145874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水溶性高分子を配合したクレンジング化粧料においても、すすぎ性やすすぎ後のさっぱり感は十分ではなかった。
従って、本発明の課題は、使用時に皮膚上でなめらかに伸び、すすぎ性及びすすぎ後のさっぱり感が得られ、さらにマッサージ性、クレンジング効果、保存安定性に優れたクレンジング化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、(A)極性油と(D)アルキル変性カルボキシビニルポリマーに加えて、(B)HLB7未満の非イオン性界面活性剤と(C)HLB7以上の非イオン性界面活性剤と(E)アシルアミノ酸型界面活性剤を組み合わせることにより、すすぎ性やすすぎ後のさっぱり感を十分実感でき、さらにマッサージ性、クレンジング効果、保存安定性にも優れたクレンジング化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(E);
(A)極性油、
(B)HLB7未満の非イオン性界面活性剤、
(C)HLB7以上の非イオン性界面活性剤、
(D)アルキル変性カルボキシビニルポリマー、及び
(E)アシルアミノ酸型界面活性剤
を含有することを特徴とするクレンジング化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のクレンジング化粧料は、使用時に皮膚上でなめらかに伸び、すすぎ性及びすすぎ後のさっぱり感が得られ、さらにマッサージ性、クレンジング効果、保存安定性に優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0011】
本発明の(A)成分である極性油は、高いクレンジング力を発揮し、また皮膚に対するべたつき感を低減する作用を有する。
本発明に用いられる(A)成分は、特に限定されないが、エステル油及び植物油が好ましい。エステル油としては、直鎖又は分岐鎖の脂肪酸と、直鎖又は分岐鎖のアルコール又は多価アルコールからなるエステルが挙げられる。このうち脂肪酸としては炭素数8〜18のものが好ましく、アルコールとしては炭素数3〜18のもの、多価アルコールとしては炭素数3〜5のものが好ましい。具体的には、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル等が挙げられる。
また植物油としては、常温で液状の植物油が好ましく、その植物の産地や種類、抽出部位や圧搾部位、抽出方法や圧搾方法等は特に限定なく使用できる。具体的には、ひまし油、マカデミアンナッツオイル、ホホバ油、オリーブ油、菜種油、椿油、大豆油、サフラワー油、綿実油、パーム核油、パーム油、メドウフォーム油、ひまわり油等が挙げられる。
【0012】
これらの(A)成分のうち、クレンジング力及び感触の点からエステル油が好ましく、炭素数8〜18の脂肪酸と、炭素数3〜18のアルコールからなるエステルがより好ましく、イソノナン酸イソノニル又はイソノナン酸イソトリデシルが特に好ましい。
【0013】
本発明における(A)成分の好ましい含有量は、クレンジング化粧料全量に対して10〜60質量%(以下、単に%として示す)であり、さらに好ましくは20〜50%である。この範囲内であれば、クレンジング効果、マッサージ性、そして使用後の感触に優れる。
【0014】
本発明の(B)成分であるHLB7未満の非イオン性界面活性剤は、クレンジング化粧料の安定性を高め、また、優れたクレンジング効果を付与する。特に油汚れに対するクレンジング効果が高く、本発明では(C)成分であるHLB7以上の非イオン性界面活性剤と組み合わせて配合することで、クレンジング効果を相乗的に向上させることができる。
【0015】
本発明に用いられる(B)成分は、特に限定されないが、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油誘導体、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられ、これらは必要に応じて、一種又は二種以上を適宜選択して組み合わせて用いることができる。これらの中でもHLB3〜6の非イオン性界面活性剤が好ましく、さらにHLB3.5〜5の非イオン性界面活性剤がより好ましい。また、(B)成分の種類では、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルがより好ましい。これらの中でも、HLB3.5以上、5未満である、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルがさらに好ましく用いられる。
【0016】
本発明における(B)成分の好ましい含有量は、クレンジング化粧料の全量に対して0.01〜10%であり、さらに好ましくは0.1〜5%である。この範囲内であれば、クレンジング効果、及び保存安定性に優れたクレンジング化粧料が得られる。
【0017】
本発明の(C)成分であるHLB7以上の非イオン性界面活性剤は、優れたクレンジング効果を付与し、クレンジング剤を水に流れやすくして使用後のべたつきを低減する作用を有する。特に油汚れ以外の水系成分などに対するクレンジング効果が高く、本発明では(B)成分であるHLB7未満の非イオン性界面活性剤と組み合わせて配合することで、クレンジング効果を相乗的に向上させることができる。
【0018】
本発明に用いられる(C)成分は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられ、これらは必要に応じて、一種又は二種以上適宜選択して組み合わせて用いることができる。これらの中でも、HLB10〜20の非イオン性界面活性剤が好ましく、さらにHLB15〜20の非イオン性界面活性剤がより好ましい。また、(C)成分の種類では、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。これらの中でも、HLB15以上、20未満である、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがさらに好ましく用いられる。
【0019】
本発明における(C)成分の好ましい含有量は、クレンジング化粧料の全量に対して0.01〜20%であり、さらに好ましくは0.1〜10%である。この範囲内であれば、クレンジング効果、及び使用後の使用感に優れたクレンジング化粧料が得られる。
【0020】
本発明の(D)成分であるアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、使用時のなめらかさ、皮膚上での伸び及びマッサージ性を付与し、またクレンジング化粧料の安定性を高める作用を有する。
本発明に用いられる(D)成分は、アクリル酸とメタクリル酸アルキルの共重合体であり、例えば、PEMULEN TR−1、PEMULEN TR−2、Carbopol 1382(全てB.F.Goodrich社製)等が挙げられる。
【0021】
本発明における(D)成分の好ましい含有量は、クレンジング化粧料の全量に対して0.05〜1%であり、さらに好ましくは0.1〜0.5%である。この範囲内であれば、保存安定性、マッサージ性の他、すすぎ性及びすすぎ後の感触等の使用感に優れる。
【0022】
また本発明における(D)成分は、アルカリ剤を用いて全部又は一部を中和し、増粘させて用いられるものである。中和するアルカリ剤としては、通常化粧料に配合可能なアルカリ剤であれば特に限定はされず、例えば炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等のアミノヒドロキシメチルプロパンジオール、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール、L−アルギニン、L−リジン、L−ヒスチジン等を使用することができる。本発明では、感触の良さや保存安定性の良さから、特にトリエタノールアミン、アミノヒドロキシメチルプロパンジオール、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオールが好ましい。
【0023】
また、本発明に用いられる上記中和剤の含有量は、最終生成物のpHが4〜9になるように調整するのが好ましく、さらに好ましくはpH6〜8である。
【0024】
本発明の(E)成分であるアシルアミノ酸型界面活性剤は、優れたすすぎ性を付与する作用を有する。
【0025】
本発明に用いられる(E)成分は、炭素数10〜22のアシル基を有するN−アシルアミノ酸又はN−アシルアミノ酸類の塩であり、アシル基部分の炭素鎖は直鎖又は分岐鎖であってもよく、また飽和であっても不飽和であってもよい。好ましいアミノ酸及びアミノ酸類残基としては、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、タウリン、サルコシン(N−メチルグリシン)が挙げられる。またこれらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩やトリエタノールアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられる。
具体的には、例えば、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N−ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N−オレオイルグルタミン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ジナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N−ラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミン、N−ミリストイルアスパラギン酸ナトリウム、N−ミリストイルアスパラギン酸トリエタノールアミン、N−アシル(ヤシ油脂肪酸)アスパラギン酸トリエタノールアミン等のN−アシルアスパラギン酸塩、N−ラウロイルグリシンナトリウム、N−ラウロイルグリシントリエタノールアミン、N−ミリストイルグリシンナトリウム、N−ミリストイルグリシントリエタノールアミン、N−アシル(ヤシ油脂肪酸)グリシンカリウム等のN−アシルグリシン塩、その他N−アシルメチルタウリン塩、N−アシルメチルアラニン塩、N−アシルサルコシン塩等が挙げられるが、これらの中でもN−アシルグルタミン酸塩が特に好ましい。かかるN−アシルグルタミン酸塩は、市販されているものを利用することができ、例えば、アミソフトHS−11P、アミソフトLK−11、アミソフトLS−11、アミソフトLT−12、アミソフトCT−12(全て味の素社製)等が挙げられる。
【0026】
本発明における(E)成分の好ましい含有量は、クレンジング化粧料の全量に対して0.05〜2%であり、さらに好ましくは0.1〜1%である。この範囲内であれば、すすぎ性と、さっぱりしすぎない適度なさっぱり感の両立ができた使用感が得られ好ましい。
【0027】
本発明のクレンジング化粧料には、さらに(F)成分として水溶性両親媒性物質を配合することができる。(F)成分を配合することにより、さらに優れたクレンジング効果を付与し、また使用時のなめらかな感触及び適度なマッサージ性を増大することができる。
【0028】
本発明に用いられる(F)成分とは、同じ分子内に親油性部分と親水性部分の両方を有し、かつ25℃で水に溶解する物質を示すものである。
本発明の(F)成分は、通常化粧品に使用されるものであれば特に限定されず、いずれのものも使用することができるが、例えば、下記(a)〜(c)等のグリセリン誘導体構造をもつものが挙げられる。
【0029】
(a)下記一般式(1)で表されるポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセロール。
【0030】
【化1】

【0031】
(式中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基を示し、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示し、s及びtはそれぞれPO及びEOの平均付加モル数であって、sとtとの合計(s+t)は1〜30の値であり、POとEOとの質量比(PO/EO)は1/5〜5/1であって、BOは炭素数4のオキシアルキレン基を示し、uはBOの平均付加モル数であって、1〜5の値である)
【0032】
(b)下記一般式(2)で表されるジグリセリン誘導体。
【0033】
【化2】

【0034】
(式中、R1は、−[CH2CH(CH3)O]nH又は水素原子を示し、nは4〜20の整数である)
【0035】
(c)炭素数2〜36の直鎖、分岐鎖、若しくは環状構造を含むジカルボン酸1種又は2種以上と、水酸基価から算出した平均重合度が2〜15のポリグリセリン1種又は2種以上のオリゴマーエステル。
上記オリゴマーエステル中の好ましいカルボン酸としては、炭素数2〜22の直鎖、分岐鎖、若しくは環状構造を含むジカルボン酸であり、且つオリゴマーエステルにおける平均炭素数が6〜19となるものである。
具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,4−ジエチルペンタン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、8−エチルオクタデカン二酸、エイコサン二酸、ジメチルエイコサン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸である。
【0036】
上記(a)〜(c)は、既に市販されているものを購入して用いることができる。例えば、PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン(商品名:ウィルブライドS−753、日油社製)、ポリオキシプロピレン(9)グリセリルエーテル(商品名:SY−DP9、阪本薬品工業社製)、(エイコサン二酸/テトラデカン酸二酸)ポリグリセリル(商品名:Neosolue−Aqua、日本精化社製)等が挙げられる。この内、特に好ましいものは、PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン(商品名:ウィルブライドS−753、日油社製)である。
【0037】
本発明における(F)成分の好ましい含有量は、クレンジング化粧料の全量に対して、1〜30%であり、特に好ましくは3〜15%である。この範囲内であれば、クレンジング効果に優れ、また使用時のなめらかな感触及び適度なマッサージ性を付与することができる。
【0038】
本発明のクレンジング化粧料には、上記必須成分の他に、通常用いられる他の成分を適宜加えることができる。例えば、エデト酸塩等のキレート剤、保湿剤、極性油以外の油性成分、美白剤、血行促進剤、抗炎症剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、感触向上剤、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、動植物抽出物等を挙げることができ、これらを本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0039】
本発明のクレンジング化粧料は常法に従って製造することができる。また、使用方法としては、拭き取り使用、洗い流し使用のいずれであっても好適である。
【実施例】
【0040】
以下に、本発明に関して、実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0041】
表1に示すクレンジング化粧料を常法により調製し、使用感触評価試験、保存安定性評価試験を下記の方法にて実施した。
【0042】
<使用感触評価試験及び評価方法>
女性専門パネラー20名の顔面に市販の油性ファンデーションを塗布し、その30分後、実施例及び比較例のクレンジング化粧料約2gを用い、1分間一定の力及び速さで顔面を手でマッサージし、その後水で洗い流した。そして(1)塗付時の伸び、(2)マッサージ性、(3)クレンジング効果、(4)すすぎ性、(5)すすぎ後の感触(さっぱり感)の各項目について下記基準により評価し、その平均点にて判定した。その結果を表1に併せて示す。
5段階評価
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通
2点:やや悪い
1点:悪い
判定
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が3.5点以上、4.5点未満
△:平均点が2.5点以上、3.5点未満
×:平均点が2.5点未満
【0043】
<保存安定性評価試験>
試料を50mLの透明ガラス製容器に入れて密封し、45℃の恒温槽に3ヶ月保存し、視覚判定により下記の基準で評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
◎:外観の変化が全くなく、油浮きや分離などが観察されない。
○:ごく僅かに油浮きや分離が認められる。
△:油浮きや分離が認められる。
×:明らかに油浮きや分離が認められる。
【0044】
【表1】

【0045】
表1の結果より、本発明のクレンジング化粧料は、クレンジング効果、使用感(塗布時ののび、マッサージ性)、すすぎの早さ、すすぎ後の感触(さっぱり感)において優れたものであった。一方、本発明の構成を欠く比較例では、安定性及び使用感のいずれかの項目において劣っていた。
【0046】
下記実施例13〜15のクレンジング化粧料を常法により製造した。そして前記と同様の試験を行ったところ、クレンジング効果、使用感(塗布時ののび、マッサージ性)、すすぎ性、すすぎ後の感触(さっぱり感)に優れた特性を有しており良好であった。
【0047】
実施例13 (クレンジングクリーム)
(配合成分) (配合量%)
イソノナン酸イソノニル(A) 30.0
親油型モノステアリン酸グリセリル(HLB=4.0)(B) 1.0
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(HLB=18.0)(C) 2.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HLB=12.5)(C) 0.5
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)
(HLB=14.9)(C) 1.0
セテアリルアルコール 2.0
ステアリルアルコール 0.3
マイクロワックス 2.0
ジメチコン(100cs) 0.5
グリセリン脂肪酸エステルエイコサン二酸縮合物(商品名:ノムコート
HK−G[日清オイリオ社製]) 1.0
アクリル・メタクリル酸アルキル共重合体(商品名:PEMULEN
TR−1[B.F.Goodrich社製])(D) 0.2
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム
(商品名:アミソフトHS−11P[味の素社製](E) 0.3
1,3−ブチレングリコール 7.0
エデト酸二ナトリウム 0.05
キサンタンガム 0.1
ポリオキシプロピレン(9)グリセリルエーテル
(商品名:SY−DP9[阪本薬品工業社製])(F) 5.0
2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール 0.2
クロルフェネシン 0.2
フェノキシエタノール 0.4
スクワラン 0.1
マカデミアナッツ油 0.1
ローズヒップ油 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
サリチル酸 0.01
チャ実エキス 0.01
ツバキエキス 0.01
ニンジンエキス 0.1
ジオウエキス 0.1
オリーブ葉エキス 0.1
オトギリソウエキス 0.1
メバロノラクトン 0.1
N−アセチルグルコサミン 0.1
デキストラン固定化プロテアーゼ 0.1
N−メチル−L−セリン 0.1
ディオスコレアコンポジタエキス 0.1
アボカドエキス 0.1
ラン抽出液(2) 0.1
オクラエキス 0.1
精製水 残部
【0048】
実施例14 (クレンジングクリーム)
(配合成分) (配合量%)
パルミチン酸オクチル(A) 30.0
親油型モノステアリン酸グリセリル(HLB=4.0)(B) 1.0
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(HLB=18.0)(C) 2.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HLB=12.5)(C) 0.5
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)
(HLB=14.9)(C) 1.0
セテアリルアルコール 2.0
ステアリルアルコール 0.3
マイクロワックス 2.0
ジメチコン(100cs) 0.5
トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル
(商品名:ノムコートSG[日清オイリオ社製]) 1.0
アクリル・メタクリル酸アルキル共重合体(商品名:PEMULEN
TR−1[B.F.Goodrich社製])(D) 0.2
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム
(商品名:アミソフトHS−11P[味の素社製](E) 0.3
1,3−ブチレングリコール 7.0
エデト酸二ナトリウム 0.05
キサンタンガム 0.1
PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン
(商品名:ウィルブライドS−753[日油社製])(F) 5.0
2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール 0.2
クロルフェネシン 0.2
フェノキシエタノール 0.4
エルデュウPS−203 0.1
ブドウ種子油 0.1
L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム 0.01
グリシン 0.01
L−プロリン 0.01
L−アラニン 0.004
シルク抽出液 0.1
セージエキス 0.1
カンゾウ抽出末 0.1
海藻エキス 0.1
精製水 残部
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のクレンジング化粧料は、クレンジング効果、使用感(使用時のなめらかさ、塗布時ののび、マッサージ感)、すすぎ性、すすぎ後の感触(さっぱり感)に優れたクレンジング化粧料の供給が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(E)を含有することを特徴とするクレンジング化粧料。
(A)極性油、
(B)HLB7未満の非イオン性界面活性剤、
(C)HLB7以上の非イオン性界面活性剤、
(D)アルキル変性カルボキシビニルポリマー、及び
(E)アシルアミノ酸型界面活性剤
【請求項2】
さらに(F)水溶性両親媒性物質を含有する請求項1に記載のクレンジング化粧料。
【請求項3】
成分(B)がHLB3〜6の非イオン性界面活性剤であり、成分(C)がHLB10〜20の非イオン性界面活性剤である請求項1又は2記載のクレンジング化粧料。

【公開番号】特開2011−126809(P2011−126809A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285948(P2009−285948)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】