説明

クレンジング料

【課題】使用性が良く、使用時にゲル化せず、肌へののび、汚れとのなじみ性が良く、クレンジング力に優れ、洗浄後にさっぱりとした感触を付与することができ、さらには保存安定性に優れるクレンジング料の提供。
【解決手段】下記(a)〜(d)成分からなるクレンジング料。
(a)炭素数8〜20の炭化水素油を15〜35質量%
(b)HLB12〜16のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を15〜35質量%
(c)HLB14〜18のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を25〜45質量%
(d)式(1)で示されるポリエーテル化合物を10〜30質量%
RO−(C2H4O)m(C3H6O)n−H ・・・式(1)
(式中、Rは炭素数2〜6のアルキル基を表わし、mおよびnは5〜20の整数を表わす。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイクアップ化粧料や紫外線防止化粧料などの化粧料及び皮脂などの汚れを除去する皮膚用のクレンジング料に関し、さらに詳しくは、使用性が良く、使用時にゲル化せず、肌へののび、汚れとのなじみ性が良く、メイクアップ化粧料や紫外線防止化粧料などの化粧料及び皮脂などの汚れに対するクレンジング力に優れ、洗浄後にさっぱりとした感触を付与することができ、さらには保存安定性に優れるクレンジング料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイライナーなどのメイクアップ化粧料において、化粧持ち効果を向上させたものが多数開発されており、これに伴って、メイク落とし効果の強いクレンジング料の開発が要求されている。
【0003】
従来、肌上の化粧料や汚れを除去するためのクレンジング料には、水性成分を主成分とし、必要に応じて界面活性剤を配合した水性クレンジング料、水性成分、油性成分並びに界面活性剤を配合した乳化クレンジング料、油性成分を主成分として、必要に応じて界面活性剤を配合した油性クレンジング料などがあって、それぞれの使用性に応じて利用されている。
【0004】
一般に、肌上の化粧料や汚れを除去する能力は、油性クレンジング料、乳化クレンジング料、水性クレンジング料の順に優れており、特に油性クレンジング料は、油性ファンデーションや日焼け止め料といった強固な化粧膜を落とすことができることから、広く一般に使用されている。油性クレンジング料は、油性成分を含有するので、油汚れとのなじみが良く、クレンジング効果に優れる反面、洗い流し後に油性成分が肌に残存してべたつき感を生じ、さっぱりした使用感を得るのが困難であるという欠点を有していた。
さらに、通常油性クレンジング料は液状であることから、使用中にたれ落ちが生じるなど、使用性にも問題があった。
【0005】
これらの問題点の改善を目的として、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステルとがしばしば油性クレンジング料に用いられている。例えばポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを含有する1相型透明皮膚洗浄料(特許文献1)や、ゲル化剤とポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルとを含有するクレンジング用化粧料(特許文献2)が開示されているが、いずれも使用時ののびや汚れとのなじみ易さの点で十分でなかった。
【0006】
さらに、25℃で液状の炭化水素油、25℃で液状のエステル油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を含有するクレンジング料(特許文献3)、25℃で液状の油性成分、ソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、エチレンオキシドの平均付加モル数が20〜100であるポリオキシエチレンソルビトールを、1〜5モル当量の脂肪酸によりエステル化させた非イオン性界面活性剤を含有するクレンジング料(特許文献4)が開示されている。
しかしながら、これらの組成物は洗浄後に油性成分が残存し、肌のさっぱり感が不充分な場合があった。また、肌が濡れている状態で使用した場合、ゲル化し、汚れや化粧料へのなじみが悪化し、クレンジング力が大きく低下するという問題があった。さらにはゲル化により使用中の摩擦が大きく、肌に負担となる場合があるという欠点を有していた。
【0007】
このように、使用性が良く、使用時にゲル化せず、肌へののび、汚れとのなじみ性が良く、クレンジング力に優れ、洗浄後にさっぱりとした感触を付与することができ、さらには保存安定性に優れるクレンジング料は、これまで提供されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−92359号公報
【特許文献2】特開2001−19619号公報
【特許文献3】特開2003−286134号公報
【特許文献4】特開2003−286133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、使用性が良く、使用時にゲル化せず、肌へののび、汚れとのなじみ性が良く、クレンジング力に優れ、洗浄後にさっぱりとした感触を付与することができ、さらには保存安定性に優れるクレンジング料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究を行った結果、炭化水素油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、及び特定のポリエーテル化合物を含有させることによって、上記目的にかなったクレンジング料が得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明は、下記(a)〜(d)成分からなるクレンジング料である。
(a)炭素数8〜20の炭化水素油を15〜35質量%
(b)HLB12〜16のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を15〜35質量%
(c)HLB14〜18のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を25〜45質量%
(d)式(1)で示されるポリエーテル化合物を10〜30質量%
RO−(C2H4O)m(C3H6O)n−H ・・・式(1)
(式中、Rは炭素数2〜6のアルキル基を表わし、mおよびnは5〜20の整数を表わす。)
【発明の効果】
【0012】
本発明のクレンジング料は、使用性が良く、使用時にゲル化せず、肌へののび、汚れとのなじみ性が良く、クレンジング力に優れ、洗浄後にさっぱりとした感触を付与することができ、さらには保存安定性に優れるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のクレンジング料は、下記の(a)炭化水素油、(b)ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、(d)特定のポリエーテル化合物からなる。以下、各成分について説明する。
【0014】
〔(a)炭化水素油〕
本発明に用いる(a)成分は、炭素数8〜20の炭化水素油である。すなわち、炭素数が8〜20の炭化水素化合物であり、直鎖、分岐または環状の構造であっても、飽和または不飽和結合を有していても良く、石油や植物精油の構成成分のテルペン類として天然に存在するもののほか、人工的に合成したものも使用可能である。例えばデカン、ウンデカン、ドデカン、イソドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、デセンなどの正パラフィンや炭素鎖に分岐を有するイソパラフィン、スクワランやスクワレンなどが挙げられる。特に、肌へののび、汚れとのなじみ性、クレンジング力および保存安定性の点から、正パラフィン、イソパラフィン、スクワランのうち25℃での粘度が100mPa・s以下の化合物の使用が好ましい。(a)成分は単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0015】
〔(b)ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤〕
本発明に用いる(b)成分は、HLB12〜16のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤であり、グリセリンと脂肪酸をエステル化反応させた後、エチレンオキシドを付加する方法、もしくは、グリセリンにエチレンオキシドを付加した後、脂肪酸を付加する方法により得られる化合物である。いずれの製法で得られた化合物も用いることができる。このように得られる(b)成分は、通常、モノ体、ジ体、トリ体の各エステルの混合物であり、一般的に用いられる市販品として、日油株式会社製:ユニグリMK−207、cognis製:CETIOL HE〔いずれも、ポリオキシエチレン(7モル)ヤシ油脂肪酸グリセリン〕を例示できる。
【0016】
本発明に用いる(b)成分を構成する脂肪酸は、炭素数が8〜24の飽和あるいは不飽和脂肪酸であり、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの単一脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の動植物油由来の混合脂肪酸などを用いることができる。好ましい脂肪酸の炭素数は10〜18である。
グリセリン1モルに対するエチレンオキシドの平均付加モル数は5〜100であることが好ましく、さらに好ましくは5〜80、特に好ましくは7〜50である。
【0017】
本発明に用いる(b)成分のHLB値は12〜16であり、好ましくは12〜14である。HLB値が12未満の場合は、親水性が低くなるため水との相溶性が悪くなりさっぱりとした洗い上がりになり難いことがある。また16を超える場合は、保存安定性が悪くなるばかりでなく、親油性が低くなるため油性汚れとのなじみが悪くなり、洗浄性が低下することがある。
【0018】
なお、ここで述べるHLB値とは、Griffin(W.C.Griffin:J.Soc.Cosmetic Chemists,33,1180(1960))により、下記計算式によって求められる。
HLB=20(1−S/A)
(ただし、S: エステルのけん化価、A:脂肪酸の中和価)
【0019】
本発明に用いる(b)成分として、具体的には、ポリオキシエチレン(7モル)ヤシ油脂肪酸グリセリン(HLB値=13.0)、ポリオキシエチレン(12モル)ラウリン酸グリセリン(HLB値=15.0)、ポリオキシエチレン(20モル)オレイン酸グリセリン(HLB値=15.4)などが挙げられる。これらは(b)成分として単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0020】
〔(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤〕
本発明に用いる(c)成分は、HLB14〜18のソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤であり、ソルビタンと脂肪酸をエステル反応させて得られる化合物である。このように得られる(c)成分は、通常、モノ体、ジ体、トリ体、テトラ体の各エステルの混合物であり、一般的に用いられる市販品として、日油株式会社製:NOFABLE ESO−8520(ポリオキシエチレン(20モル)オレイン酸ソルビタン)・ウィルサーフTF−60(ポリオキシエチレン(20モル)ステアリン酸ソルビタン)を例示できる。
【0021】
本発明に用いる(c)成分を構成する脂肪酸は、炭素数が8〜24の飽和あるいは不飽和脂肪酸であり、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの単一脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の動植物油由来の混合脂肪酸などを用いることができる。好ましい脂肪酸の炭素数としては10〜18である。
【0022】
本発明に用いる(c)成分のHLB値は14〜18であり、好ましくは14〜16である。HLB値が14未満の場合は、親水性が低くなるため水との相溶性が悪くなりさっぱりとした洗い上がりになり難いことがある。また18を超える場合は、保存安定性が悪くなるばかりでなく、親油性が低くなるため油性汚れとのなじみが悪くなり、洗浄性が低下することがある。また、使用時に水と混合しゲル化することで、伸びが悪くなり、摩擦が大きく、肌に負担となる場合がある。
【0023】
本発明に用いる(c)成分として、具体的には、ポリオキシエチレン(20モル)ラウリン酸ソルビタンエステル(HLB値=16.7)、ポリオキシエチレン(20モル)パルミチン酸ソルビタン(HLB値=16.0)、ポリオキシエチレン(20モル)オレイン酸ソルビタン(HLB値=15.7)、ポリオキシエチレン(20モル)ステアリン酸ソルビタン(HLB値=15.7)などが挙げられる。これらは(c)成分として単独で、あるいは2種以上を組み合せて使用することができる。
【0024】
〔(d)ポリエーテル化合物〕
本発明に用いる(d)成分のポリエーテル化合物は、下記式(1)で示される化合物である。
【0025】
RO−(C2H4O)m(C3H6O)n−H ・・・式(1)
式中、Rは炭素数2〜6のアルキル基を表わし、mおよびnは5〜20の整数を表わす。
【0026】
(d)成分は、1価アルコールにエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)を共重合させたEO・PO共重合体である。共重合の形式は、ブロック共重合、グラフト共重合、ランダム共重合など、任意であるが、メイク汚れへのなじみや伸びの良さの点でランダム共重合体が好適である。
【0027】
式(1)中、Rは炭素数2〜6のアルキル基を示し、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくはブチル基である。Rの炭素数が1では、洗浄後の肌に乾燥やカサつきを感じる場合がある。炭素数7以上では親水性が低下し、洗い流し後のさっぱり感が低下する傾向にある。
【0028】
式(1)中、mはEOの付加モル数を表し、nはPOの付加モル数を表す。mが5未満では、親水性が低下し、肌のべたつき感があり、すすぎ性が悪くなることがある。mが20を超えると、クレンジング効果が弱くなり、さらに使用時ののびが悪くなり、肌のべたつき感が生じることがある。nが5未満では、クレンジング効果が弱くなることがあり、nが20を超えると、肌のべたつき感があり、すすぎ性が悪くなることがある。
mとnの比率は、使用性、洗浄後の感触、使用時ののびの点で、m/nが0.7〜1.4の範囲にあることがで好適である。
【0029】
本発明に用いる(a)成分は、組成物(クレンジング料)全量中に15〜35質量%であり、好ましくは20〜35質量%、更に好ましくは20〜30質量%である。15質量%未満では使用時ののび、汚れとのなじみ性、クレンジング力が悪化することがあり、35質量%を超えると洗浄後の感触と保存安定性が悪くなることがある。
【0030】
本発明に用いる(b)成分は、組成物全量中に15〜35質量%であり、好ましくは20〜35質量%、更に好ましくは20〜30質量%である。15質量%未満では使用時ののび、クレンジング力が悪くなることがあり、35質量%を超えると使用後の感触が悪くなることがある。
【0031】
本発明に用いる(c)成分は、組成物全量中に25〜45質量%であり、好ましくは25〜40質量%、更に好ましくは30〜40質量%である。25質量%未満では、汚れとのなじみ性、クレンジング力およびが洗浄後の感触が悪くなることがあり、45質量%を超えると使用時にゲル化し、のびが悪くなり、汚れとのなじみ性が悪化することがある。
【0032】
本発明に用いる(d)成分は、組成物全量中に10〜30質量%であり、好ましくは10〜25質量%、更に好ましくは15〜20質量%である。10質量%未満では、使用時にゲル化し、のびが悪くなり、汚れとのなじみ性が悪化することがあり、30質量%を超えるとクレンジング力が悪くなる。
【0033】
本発明のクレンジング料は、上記の有効成分の他に、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、(b)及び(c)成分以外の非イオン性界面活性剤、防腐剤、殺菌剤、湿潤剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、紫外線吸収剤、増粘剤、香料などを、本発明の効果を損なわない範囲で、使用することができる。
【0034】
本発明のクレンジング料は、(a)〜(d)の各成分を任意の順序で配合して調製することができ、攪拌機付きの混合槽で製造することができる。例えば、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分を所定の混合比になるように仕込み、均一になるまで撹拌することにより得ることができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例および比較例によって本発明を更に詳細に説明する。本発明のクレンジング料の例として、表1、2に示すクレンジング料(皮膚洗浄剤)を調製し、下記の方法により評価を行なった。結果を表1、2に示す。なお、表中の含有量は質量%を示す。
【0036】
(1)使用性
20名の女性を(26才〜43才)をパネラーとし、クレンジング料を手にとって使用した時の使い易さについて、下記のように判定した。
2点:使用時に何の問題も無く、使い易いと感じた場合。
1点:使用時に若干タレ等を生じ、やや使い難いと感じた場合。
0点:使用時にタレ等を生じ、使い難いと感じた場合。
【0037】
20名の合計点を求め、下記の基準で評価して、表1、2中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ0点の判定をしたパネラーがいない:使用性に非常に優れる化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:使用性に優れる化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:使用性にやや劣る化粧料である。
×:合計点が20点未満:使用性に劣る化粧料である。
【0038】
(2)使用時ののびI
メイクをした20名の女性(26才〜43才)をパネラーとし、顔面が乾いた状態でクレンジング料を使用した時ののびについて、下記のように判定した。
2点:使用時ののびが良く、軽い感触であると感じた場合。
1点:使用時ののびがやや悪く、やや重い感触であると感じた場合。
0点:使用時ののびが悪く、重い感触であると感じた場合。
【0039】
20名の合計点を求め、下記の基準で評価して、表1、2中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ0点の判定をしたパネラーがいない:使用時ののびが非常に良い化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:使用時ののびが良い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:使用時ののびがやや悪い化粧料である。
×:合計点が20点未満:使用時ののびが悪い化粧料である。
【0040】
(3)使用時ののびII
メイクをした20名の女性(26才〜43才)をパネラーとし、顔面を一度水ですすいだ後、水分が残った状態でクレンジング料を使用した時ののびについて、下記のように判定した。
2点:使用時ののびが良く、軽い感触であると感じた場合。
1点:使用時ののびがやや悪く、やや重い感触であると感じた場合。
0点:使用時ののびが悪く、重い感触であると感じた場合。
【0041】
20名の合計点を求め、下記の基準で評価して、表1、2中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ0点の判定をしたパネラーがいない:使用時ののびが非常に良い化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:使用時ののびが良い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:使用時ののびがやや悪い化粧料である。
×:合計点が20点未満:使用時ののびが悪い化粧料である。
【0042】
(4)汚れとのなじみ性
メイクをした20名の女性(26才〜43才)をパネラーとし、クレンジング料を使用した時の汚れとのなじみ性について下記のように判定した。
2点:塗布後速やかにメイク汚れとなじんだと感じた場合。
1点:ややメイク汚れとのなじみが悪いと感じた場合。
0点:明らかにメイク汚れとのなじみが悪いと感じた場合。
【0043】
20名の合計点を求め、下記の基準で評価して、表1、2中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ0点の判定をしたパネラーがいない:メイク汚れとのなじみが非常に良い化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:メイク汚れとのなじみが良い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:メイク汚れとのなじみがやや悪い化粧料である。
×:合計点が20点未満:メイク汚れとのなじみが悪い化粧料である。
【0044】
(5)クレンジング力
メイクをした20名の女性(26才〜43才)をパネラーとし、クレンジング料を使用した時の洗浄性について下記のように判定した。
2点:十分メイク汚れが落ちたと感じた場合。
1点:ややメイク汚れの落ちが悪いと感じた場合。
0点:明らかにメイク汚れの落ちが悪いと感じた場合。
【0045】
20名の合計点を求め、下記の基準で評価して、表1、2中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ0点の判定をしたパネラーがいない:クレンジング力が非常に強い化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:クレンジング力が強い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:クレンジング力がやや弱い化粧料である。
×:合計点が20点未満:クレンジング力が弱い化粧料である。
【0046】
(6)洗浄後の感触I
メイクをした20名の女性(26才〜43才)をパネラーとし、クレンジング料を使用し、ぬるま湯で洗い流した時のすすぎ性について下記のように判定した。
2点:すすぎ時のぬめりもなく、速やかにすすぎができ、さっぱりしたと感じた場合。
1点:すすぎ時にややぬめりが残り、すすぎ後の感触がやや悪いと感じた場合。
0点:ぬめりが落ち難く、明らかにすすぎ後の感触が悪いと感じた場合。
【0047】
20名の合計点を求め、下記の基準で評価して、表1、2中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ0点の判定をしたパネラーがいない:すすぎ後の感触が非常に良い化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:すすぎ後の感触が良い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:すすぎ後の感触がやや悪い化粧料である。
×:合計点が20点未満:すすぎ後の感触が悪い化粧料である。
【0048】
(7)洗浄後の感触II
メイクをした20名の女性(26才〜43才)をパネラーとし、クレンジング料を使用した後の感触について下記のように判定した。
2点:べたつきも無く、すべすべの肌になったと感じた場合。
1点:ややべたつきがあると感じた場合。
0点:べたつきが強く、被膜感があると感じた場合。
【0049】
20名の合計点を求め、下記の基準で評価し表1中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ0点の判定をしたパネラーがいない:洗浄後の感触が非常に良い化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:洗浄後の感触が良い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:洗浄後の感触がやや悪い化粧料である。
×:合計点が20点未満:洗浄後の感触が悪い化粧料である。
【0050】
(8)経時安定性
クレンジング料を透明ガラス容器に密封して0℃、25℃、40℃で3ヶ月間保存し、その外観を観察して、下に示す3段階で評価した。
○:安定性良好(いずれの温度でも外観の変化がない。)
△:安定性やや不良(いずれかの温度において、若干おり、沈殿を生じるまたは若干着色を生じる。)
×:安定性不良(いずれかの温度において、おり、沈殿を生じるまたは分離する。もしくは着色が著しい。)
【0051】
(9)低温保存復元性
クレンジング料を透明ガラス容器に密封して−10℃で12時間保存した後に25℃で12時間放置した時の外観を観察して、下に示す3段階で評価した。
○:復元性良好(試験前後で外観や状態の変化がない。)
△:復元性やや不良(試験後に、若干おり、沈殿を生じる。もしくは状態が若干変化する。)
×:復元性不良(凝固状態もしくは分離、沈殿を生じる。)
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
表1に示すように、本発明のクレンジング料に係る実施例1〜8によれば、使用性が良く、使用時にゲル化せず、肌へののび、汚れとのなじみ性が良く、クレンジング力に優れ、洗浄後にさっぱりとした感触を付与することができ、さらには保存安定性に優れるという効果が得られる。
【0055】
一方、(a)成分や(b)成分の含有料が少ない比較例1,2、(c)成分や(d)成分の含有料が本発明の規定から外れる比較例3〜5、(a)成分と(d)成分の含有料が本発明の規定から外れる比較例6、(b)〜(d)成分を他の化合物に変更した比較例7〜13では、全ての評価において良好となるものはなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)〜(d)成分からなるクレンジング料。
(a)炭素数8〜20の炭化水素油を15〜35質量%
(b)HLB12〜16のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を15〜35質量%
(c)HLB14〜18のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を25〜45質量%
(d)式(1)で示されるポリエーテル化合物を10〜30質量%
RO−(C2H4O)m(C3H6O)n−H ・・・式(1)
(式中、Rは炭素数2〜6のアルキル基を表わし、mおよびnは5〜20の整数を表わす。)

【公開番号】特開2012−214404(P2012−214404A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80477(P2011−80477)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】