説明

クレンジング用組成物

【課題】ファンデーション等の洗浄性に優れるため1回の洗浄で十分なさっぱり感が得られ、かつ皮膚刺激性が低く洗浄後の潤い感が得られやすいクレンジング用組成物を提供する。
【解決手段】液状油(A)と、ノニオン性界面活性剤(B1)、アシル基の炭素数が6〜
30であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(a)と1,2−ジオール(b)とを反応させて
得られるノニオン性界面活性剤(B2)及びアニオン性界面活性剤(C)からなる群から
選ばれる1種以上とを含有してなるクレンジング用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクレンジング用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、耐水性ファンデーション、落ちにくい口紅及びアイメイク等が流行しており、これらの洗浄性に優れたクレンジング用組成物が急速に普及している。
上記クレンジング用組成物としては、液状油と特定のノニオン性界面活性剤を含有してなるもの(特許文献1)、液状油と特定のアニオン性界面活性剤を含有してなるもの(特許文献2)、液状油と特定のノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を含有してなるもの(特許文献3)等が提案されている。しかしながら、特許文献1の油性クレンジング用組成物は、皮膚刺激性は低いがファンデーション等の洗浄性が低いため洗浄後のさっぱり感が得られにくいという課題があり、特許文献2の油性クレンジング用組成物は、ファンデーション等の洗浄性は高いが、皮膚刺激性が強く洗浄後の潤い感が得られにくいという課題があった。一方、特許文献3の油性クレンジング用組成物は、ある程度の洗浄性と低皮膚刺激性を両立させるものではあるが、十分満足できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−230895号公報
【特許文献2】特開2007−230897号公報
【特許文献3】特開2007−230899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ファンデーション等の洗浄性に優れるため1回の洗浄で十分なさっぱり感が得られ、かつ皮膚刺激性が低く洗浄後の潤い感が得られやすいクレンジング用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、液状油(A)と、一般式(1)で表されるノニオン性界面活性剤(B1)、アシル基の炭素数が6〜30であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(a)と一般式(2)で表される1,2−ジオール(b)とを反応させて得られるノニオン性界面活性剤(B2)、及び一般式(3)で表されるアニオン性界面活性剤(C)からなる群から選ばれる1種以上とを含有してなるクレンジング用組成物;前記クレンジング用組成物を水に乳化させることを特徴とするクレンジング用組成物の製造方法;である。
【化1】

式中、R1は炭素数6〜30の炭化水素基;R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数6〜30の炭化水素基又は炭素数6〜30のアシル基;AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基;m+nは0〜100の数である。
【化2】

式中、R4は炭素数6〜30の炭化水素基;AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基;p+qは0〜100の数である。
【化3】

式中、R5は炭素数6〜30の炭化水素基;AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基;r及びsは、それぞれ独立に0〜100の数;Xは−R6COOM、−SOM、−R7SO3M及び−PO2OMで表される基からなる群から選ばれる1種であり、Mは水素原子、アルカリ金属カチオン、アンモニウムイオン、アミンカチオン、4級アンモニウムカチオン及び塩基性アミノ酸カチオンからなる群から選ばれる1種以上;R6及びR7は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキレン基である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のクレンジング用組成物は、ファンデーション等の洗浄性に優れるため1回の洗浄で十分なさっぱり感が得られ、かつ皮膚刺激性が低く洗浄後の潤い感が得られやすいといった効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明における液状油(A)は、25℃において液状の油性成分であり、実質的に水に不溶である。液状油(A)としては、炭化水素、高級アルコール、高級脂肪酸、合成エステル油、シリコーン油及び植物油等が挙げられる。
【0008】
炭化水素としては、常温で非揮発性の液状炭化水素である流動パラフィン及びスクワラン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、炭素数10〜24の高級アルコールが挙げられ、具体的にはイソステアリルアルコール及び2−オクチルドデカノール等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、炭素数10〜24の高級脂肪酸が挙げられ、具体的にはオレイン酸及びイソステアリン酸等が挙げられる。
合成エステル油としては、炭素数10〜24の高級脂肪酸のアルキル(アルキル基の炭素数1〜18)エステル(ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル及び2−エチルヘキサン酸セチル等)、多価カルボン酸のアルキルエステル(リンゴ酸ジイソステアリル等)、並びに多価アルコールのカルボン酸エステル[トリ(2−エチルヘキサン酸)グリセリル及びジネオペンタン酸トリプロピレンポリグリコール等]が挙げられる。
シリコーン油としては、メチルポリシロキサン及びメチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
植物油としては、紅花油、サンフラワー油、ローズマリー油、ホホバ油、マカダミアナッツ油、オリーブ油、ツバキ油及びヒマシ油等が挙げられる。
なお、これらの液状油(A)は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0009】
本発明におけるノニオン性界面活性剤(B1)は、一般式(1)で表されるノニオン性界面活性剤である。一般式(1)におけるRは炭素数6〜30の炭化水素基であり、炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基等が挙げられる。Rにおける炭素数6〜30の脂肪族炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基(n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソへプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−イコシル基、n−ドコシル基及び3,5,7−トリメチルオクチル基等)及び直鎖又は分岐のアルケニル基(1−ヘキセニル基、2−メチル−1−ペンテニル基、1−デセニル基、3−エチル−2−オクテニル基、6−ドデセニル基及びオレイル基等)等が挙げられる。
における炭素数6〜30の脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基(シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基等)、アルキルシクロヘキシル基(プロピルシクロヘキシル基及びオクチルシクロヘキシル基等)、シクロアルキルアルキル基(シクロヘキシルブチル基及びシクロヘキシルオクチル基等)及びシクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル基及び2−シクロヘプテニル基等)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは炭素数6〜30の脂肪族炭化水素基であり、更に好ましいのは炭素数8〜20の脂肪族炭化水素基であり、特に好ましいのは炭素数8〜16の脂肪族炭化水素基である。Rの炭素数が6未満及び30を超えると、洗浄性が低下するため好ましくない。
【0010】
一般式(1)におけるR2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数6〜30の炭化水素基又は炭素数6〜30のアシル基である。炭素数6〜30の炭化水素基としては、Rと同様の基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。炭素数6〜30のアシル基としては、炭素数が5〜29の炭化水素基を有するアシル基が挙げられる。
炭素数が5〜29の炭化水素基としては、炭素数が5〜29の脂肪族炭化水素基、炭素数が5〜29の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
炭素数が5〜29の脂肪族炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基(n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、アイコシル基、ドコシル基及び3,5,7−トリメチルオクチル基等)及び直鎖又は分岐のアルケニル基(1−ヘキセニル基、1−デセニル基、6−ドデセニル基及びオレイル基等)等が挙げられる。
炭素数が5〜29の脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基(シクロヘキシル基等)、アルキルシクロヘキシル基(プロピルシクロヘキシル基及びオクチルシクロヘキシル基等)、シクロアルキルアルキル基(シクロヘキシルブチル基及びシクロヘキシルオクチル基等)及びシクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル基)等が挙げられる。
【0011】
炭素数が5〜29の炭化水素基のうち好ましいのは、炭素数5〜29の脂肪族炭化水素基であり、更に好ましいのは炭素数7〜19の脂肪族炭化水素基であり、特に好ましいのは炭素数7〜15の脂肪族炭化水素基である。炭化水素基の炭素数が5未満及び29を超えると、洗浄性が低下するため好ましくない。
【0012】
一般式(1)におけるAOは、炭素数2〜6のオキシアルキレン基である。炭素数2〜6のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、1,2−オキシプロピレン基、1,3−オキシプロピレン基、1,2−オキシブチレン基、1,4−オキシブチレン基及び1,6−オキシへキシレン基等が挙げられる。炭素数2〜6のオキシアルキレン基は、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用している場合は、ブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。これらのうち、洗浄性の観点から好ましいのは、オキシエチレン基、1,2−オキシプロピレン基及びこれらの併用である。
【0013】
一般式(1)におけるm+nは、0〜100の数であり、好ましくは1〜50、更に好ましくは1〜30である。m+nが100を超えると、洗浄性が低下するため好ましくない。なお、m及びnは、炭素数2〜6のオキシアルキレン基の平均付加モル数を表しているため、m+nは、整数であるとは限らず小数の場合もある。
m+nは、液体クロマトグラフィーによって、下記の条件で測定することができる。
機 種:LC−10ADVP[(株)島津製作所製]
カラム:μ−Porasil(Waters)
移動相:2容量%イソプロピルアルコール/ブチルクロライド〜
32容量%イソプロピルアルコール/ブチルクロライド
までグラディエント
検出器:UV(240nm)
温 度:40℃
【0014】
ノニオン性界面活性剤(B1)の具体例としては、1,2−ジヒドロキシ−n−オクタンのエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)2モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−デカンのEO10モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのEO7モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO5モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO2モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO5モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO10モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO15モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO14モル/PO1モルランダム付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−オクタデカンのEO2モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−ドコサンのEO2モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−トリアコンタンのEO2モル付加物、1,2−ジヒドロキシ−n−オクタンのEO2モル付加物のモノn−オクタデシルエーテル、1,2−ジヒドロキシ−n−デカンのEO10モル付加物のジn−オクタデシルエーテル、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのEO7モル付加物のジn−オクタロイロキシエーテル及び1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO5モル付加物のジn−オクタデシロイロキシエーテル等が挙げられる。
【0015】
本発明におけるノニオン性界面活性剤(B2)は、アシル基の炭素数が6〜30であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(a)と、一般式(2)で表される1,2−ジオール(b)とを反応させて得られたものである。
アシル基の炭素数が6〜30であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(a)は、酸性アミノ酸の窒素原子に結合した水素の一つを炭素数が6〜30のアシル基で置換したものであり、炭素数が6〜30のアシル基としては、一般式(1)におけるR2及びR3と同様の基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
【0016】
前記アシル基の炭素数が6〜30であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(a)としては、例えば天然アミノ酸(L−アスパラギン酸及びL−グルタミン酸等)及び天然アミノ酸を修飾したアミノ酸(N−メチル−L−アスパラギン酸、N−メチル−D−アスパラギン酸及びN−エチル−D−グルタミン酸等)が挙げられる。なお、(a)は単独で用いてもよいし、炭素数が異なる2種以上を併用してもよい。
【0017】
N−長鎖アシル酸性アミノ酸(a)のうち、洗浄性の観点から好ましいのは一般式(4)で表される化合物である。
【0018】
【化4】

式中、R8は炭素数5〜29の脂肪族又は脂環式炭化水素基、tは0又は1の整数であ
る。
【0019】
8で表される炭素数5〜29の脂肪族又は脂環式炭化水素基としては、上記の炭素数
5〜29の脂肪族又は脂環式炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
【0020】
一般式(4)においてtが0の場合の酸性アミノ酸残基としては、L−アスパラギン酸残基、tが1の場合の酸性アミノ酸残基としては、L−グルタミン酸残基が挙げられる。
【0021】
本発明における1,2−ジオール(b)は、一般式(2)で表される化合物である。一般式(2)におけるR4は炭素数6〜30の炭化水素基であり、一般式(1)におけるR1と同様の基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基であり、一般式(1)におけるAOと同様の基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
p+qは0〜100の数であり、好ましい範囲は一般式(1)におけるm+nと同様である。なお、p及びqは、炭素数2〜6のオキシアルキレン基の平均付加モル数を表しているため、p+qは整数であるとは限らず小数の場合もある。
【0022】
アシル基の炭素数が6〜30であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(a)と一般式(2)で表される1,2−ジオール(b)との反応は、例えば触媒として無機酸(硫酸、塩酸、硝酸及びリン酸等)又は有機酸(p−トルエンスルホン酸等)を使用して、80〜150℃で加熱撹拌して系外に水分を除去しながら行うことができる。反応に際して、トルエン等の溶剤を使用して反応させてもよい。また、エステル化反応終了後は、必要により触媒除去、脱溶剤及び脱色等を行って精製してもよい。
【0023】
前記(a)と前記(b)の反応モル比[(a):(b)]は、洗浄性の観点から、1:0.55〜1:1.82であることが好ましい。
【0024】
(a)と(b)を反応させて得られるノニオン性界面活性剤(B2)には、モノエステル、ジエステル又はポリエステルの1種又は2種以上が含まれるが、(B2)における重量平均分子量1,000〜5,000の成分の含有率が、(B2)の重量に基づいて好ましくは20〜100重量%であり、更に好ましくは30〜90重量%、特に好ましくは40〜80重量%であることが洗浄性の観点から好ましい。
【0025】
本発明におけるノニオン性界面活性剤(B2)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。測定条件の一例を以下に示す。
<GPCの測定条件>
カラム:TSK gel SuperH4000
TSK gel SuperH3000
TSK gel SuperH2000
[いずれも東ソー(株)製]
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/分
試料濃度:0.25重量%
注入量:10μl
標準:ポリオキシエチレングリコール[東ソー(株)製、TSK STANDARD POLYETHYLENEOXIDE]
機器名:Alliance[日本ウォーターズ(株)製]
【0026】
本発明におけるノニオン性界面活性剤(B2)は、25℃で、通常は固状、ペースト状又は液状であり、取り扱いのしやすさの観点から、好ましいのは液状である。
【0027】
本発明におけるアニオン性界面活性剤(C)は、一般式(3)で表されるアニオン性界面活性剤である。一般式(3)におけるR5は炭素数6〜30の炭化水素基であり、一般式(1)におけるRと同様の基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(3)におけるAOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基であり、一般式(1)におけるAOと同様の基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(3)におけるr及びsは、それぞれ独立に0〜100の数であり、好ましくは1〜50、更に好ましくは1〜30である。r及びsが100を超えると、洗浄性が低下するため好ましくない。なお、r及びsは、炭素数2〜6のオキシアルキレン基の平均付加モル数を表しているため、r+sは、整数であるとは限らず小数の場合もある。
【0028】
一般式(3)におけるXは、−R6COOM、−SOM、−R7SO3M及び−PO2OMで表される基からなる群から選ばれる1種であり、Mは水素原子、アルカリ金属カチオン、アンモニウムイオン、アミンカチオン、4級アンモニウムカチオン及び塩基性アミノ酸カチオンからなる群から選ばれる1種以上、R6及びR7は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキレン基である。
アルカリ金属カチオンを構成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム及びカリウム等が挙げられる。
アミンカチオンを構成するアミンとしては、1〜3級の脂肪族アミン[炭素数1〜20の炭化水素基及び/又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するアミン(例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン及びモノプロパノールアミン等)]、脂環式アミン(シクロヘキシルアミン及びジシクロヘキシルアミン等)、芳香族アミン(アニリン及びトルイジン等)、芳香複素環アミン(ピリジン及びキノリン等)、複素環アミン(モルホリン、N−メチルモルホリン及びピペラジン等)、及びこれらの環状アミンのN位の炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体(N−ヒドロキシエチルモルホリン等)等が挙げられる。
4級アンモニウムカチオンを構成する4級アンモニウムとしては、脂肪族及び脂環族4級アンモニウム、例えばテトラ(シクロ)アルキルアンモニウム[炭素数1〜12のアルキル基(メチル、エチル、プロピルブチル、ヘキシル、オクチル及びドデシル基等)及び/又はシクロアルキル基(シクロヘキシル基等)等を有するもの]等が挙げられる。
塩基性アミノ酸カチオンを構成する塩基性アミノ酸としては、リジン及びアルギニン等が挙げられる。
【0029】
洗浄後のさっぱり感を得やすいという観点から、Mのうちの0.1〜40モル%が水素原子であることが好ましく、0.2〜20モル%が水素原子であることが更に好ましい。
【0030】
6及びR7は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキレン基であり、炭素数1〜3のア
ルキレン基としては、メチレン基、エチレン基及びn−又はイソプロピレン基が挙げられる。
【0031】
Xのうち、洗浄性の観点から好ましいのは、−R6COOM及び−SOMで表される基であり、更に好ましいのは、−R6COOMで表される基である。
【0032】
本発明におけるアニオン性界面活性剤(C)の具体例としては、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのモノエーテル酢酸ナトリウム、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのEO7モル付加物のモノエーテル酢酸ナトリウム、1,2−ジヒドロキシ−n−ヘキサデカンのEO10モル付加物のモノエーテル酢酸カリウム、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのEO7モル付加物のモノエーテル酢酸トリエタノールアミン、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのEO7モル付加物のモノ硫酸エステルナトリウム、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのEO7モル付加物のモノエチルスルホン酸ナトリウム及び1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのEO7モル付加物のモノリン酸エステルカリウム等が挙げられる。
【0033】
本発明におけるノニオン性界面活性剤(B1)、ノニオン性界面活性剤(B2)、及び
アニオン性界面活性剤(C)のうち、洗浄性の観点から好ましいのは、(B1)、(B2)、(B1)と(C)の併用及び(B2)と(C)の併用であり、更に好ましいのは、(B1)と(C)の併用及び(B2)と(C)の併用である。
【0034】
本発明のクレンジング用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料
や医薬品等に使用されるその他の成分(D)を配合することができる。
その他の成分(D)としては、1価アルコール、多価アルコール剤、カチオン性界面活
性剤、他のノニオン性界面活性剤[(B1)及び(B2)以外のもの]、他の[(C)以
外の]アニオン性界面活性、両性界面活性剤、ゲル化剤、薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、防
腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色素、香料並びに水等が挙げられる。
【0035】
1価アルコールとしては、炭素数1〜6の低級アルコールが挙げられ、好ましいのはエ
タノール及びイソプロピルアルコール等である。
【0036】
多価アルコールとしては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。
【0037】
他のノニオン性界面活性剤としては、アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤[高級アルコール(炭素数8〜14の脂肪族アルコール)、アルキルフェノール(炭素数10〜24)、高級脂肪酸(炭素数12〜24)若しくは高級アミン(炭素数8〜18)にアルキレンオキサイドを付加させたもの又は更に水酸基をアルキル化剤でアルキルエーテル化させたもの、ポリオキシアルキレングリコールに高級脂肪酸(炭素数12〜24)等を反応させたもの、又は3〜8価の多価アルコール等の水酸基含有化合物に高級脂肪酸(炭素数12〜24)を反応させて得られたエステル化物に炭素数2〜6のアルキレンオキサイドを付加させたもの、高級脂肪酸(炭素数8〜24)アミドに炭素数2〜6のアルキレンオキサイドを付加させたもの、及び多価アルコール(前記のもの)アルキル(炭素数8〜60)エーテルに炭素数2〜6のアルキレンオキサイドを付加させたもの等]、及び多価アルコール(炭素数3〜20)型非イオン界面活性剤[多価アルコール脂肪酸(炭素数8〜60)エステル、多価アルコールアルキル(炭素数8〜60)エーテル、及び脂肪酸(炭素数8〜60)アルカノールアミド等]等が挙げられる。
【0038】
他のアニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテル硫酸エステル塩[(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸塩[(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホコハク酸エステル塩[モノ又はジアルキルスルホコハク酸エステルジ又はモノナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)モノ又はジアルキルスルホコハク酸エステルジ又はモノナトリウム等]、(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、炭素数8〜24の炭化水素基を有するリン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩(ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等)、アシル化アミノ酸塩(ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等)等が挙げられる。
【0039】
カチオン性界面活性剤としては、4級アンモニウム塩型又はアミン塩型のカチオン界面活性剤等が挙げられる。4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、3級アミン類と4級化剤[ハロゲン化アルキル(メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド及びベンジルクロライド等)、ジメチル硫酸、ジメチルカーボネート及びEO等]との反応で得られる化合物等が使用でき、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド及びステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
アミン塩型カチオン界面活性剤としては、1〜3級アミン類を無機酸(塩酸、硝酸、硫酸及びヨウ化水素酸等)又は有機酸(酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸及びアルキルリン酸等)で中和することにより得られる化合物が使用でき、例えば1級アミン塩型のものとしては、脂肪族高級アミン(ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン及びロジンアミン等)の無機酸塩又は有機酸塩、低級アミン類の高級脂肪酸(ステアリン酸及びオレイン酸等)塩等が挙げられる。2級アミン塩型のものとしては、例えば脂肪族アミンのEO付加物等の無機酸塩又は有機酸塩が挙げられる。
【0040】
両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等)、アミノ酸型両性界面活性剤(β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等)等が挙げられる。
【0041】
ゲル化剤、薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色素及び香料としては、「香粧品科学」(田村健夫著 社団法人日本毛髪科学協会1976年発行)のp204〜211に記載のゲル化剤としての高分子化合物、p185〜196に記載の殺菌剤と防腐剤、p177〜183に記載の紫外線吸収剤、p199〜p203に記載の酸化防止剤、p145〜148に記載の着色料、及びp150〜176に記載の香料等が挙げられる。
【0042】
1価アルコール、多価アルコール、カチオン性界面活性剤、他のアニオン性界面活性剤、他のノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤のそれぞれの添加率は、本発明のクレンジング用組成物の重量に基づいて、好ましくは0〜30重量%であり、更に好ましくは0〜25重量%である。また、これらの合計の添加率は、好ましくは0〜40重量%である。
水の添加率は、本発明のクレンジング用組成物の重量に基づいて、好ましくは0〜40重量%であり、更に好ましくは0〜30重量%である。
ゲル化剤、薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色素及び香料のそれぞれの添加率は、本発明のクレンジング用組成物の重量に基づいて、好ましくは0〜5重量%であり、更に好ましくは0〜2重量%である。また、これらの合計の添加量は、好ましくは0〜10重量%である。
【0043】
本発明のクレンジング用組成物の剤型としては、特に限定されず、液状製剤、ゲル状製剤、エアゾール製剤及びシート含浸製剤等として使用することができるが、好ましくは液状製剤である。
【0044】
前記液状製剤としては、(1):液状油(A)と、ノニオン性界面活性剤(B1)、ノニオン性界面活性剤(B2)及びアニオン性界面活性剤(C)からなる群から選ばれる1種以上と、必要によりその他の成分(D)を均一に溶解させたもの、(2):(1)の成分を水に乳化させた乳化物、等が挙げられるが、洗い流しやすさ及び洗浄後のさっぱり感の観点から好ましいのは(2)の乳化物である。
【0045】
上記(1)の液状製剤の製造方法としては、以下の方法が挙げられる。
(I):あらかじめ、液状油(A)と、ノニオン性界面活性剤(B1)、ノニオン性界面活性剤(B2)及びアニオン性界面活性剤(C)からなる群から選ばれる1種以上とを混合して液状物を調製し、必要によりその他の成分(D)を添加して混合する方法。
(II):液状油(A)、ノニオン性界面活性剤(B1)、ノニオン性界面活性剤(B2)及びアニオン性界面活性剤(C)からなる群から選ばれる1種以上と、必要によりその他の成分(D)とを同時に混合する方法。
【0046】
上記(2)の液状製剤の製造方法としては、特に制限がなく、公知の乳化方法を使用することができるが、乳化物が長期間安定であるという観点から、以下の方法で製造するのが好ましい。
(I):(A)と、(B1)、(B2)及び(C)からなる群から選ばれる1種以上と、必要により(D)を添加した混合物を30〜70℃で均一になるまで撹拌混合する。
(II):(I)の混合物に60〜70℃の水を加え、同温度で1〜3時間撹拌混合して粗乳化物を得る。
(III):(II)で得られた粗乳化物を、乳化分散機で乳化して、クレンジング用組成物の乳化物を得る。
【0047】
前記の乳化分散機としては、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば
特に限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。これらのうち、粒子径の小さい乳化物が得られやすいという観点から好ましいのは、高圧乳化機である。
【0048】
本発明のクレンジング用組成物の剤型がゲル状製剤の場合は、水に保湿成分(上記の多価アルコール等)と他のアニオン性界面活性剤等の水溶性成分、必要によりゲル化剤を加え、20〜70℃にし、そこへ20〜70℃に温調した液状油(A)と、(B1)、(B2)及び(C)からなる群から選ばれる1種以上との混合物を徐々に添加し、ホモミキサー等の乳化分散機で乳化して得ることができる。
【0049】
本発明のクレンジング用組成物の剤型がエアゾール製剤の場合は、上記液状製剤に、エアゾール化するための揮発性成分としてジメチルエーテル等を添加することができる。
【0050】
本発明のクレンジング用組成物の剤型がシート含浸製剤としては、不織布等のシートに上記液状製剤をシートの重量に対して500重量%以下を含浸させることによって得ることができる。
【0051】
本発明のクレンジング用組成物は、メークアップ化粧料除去用の洗顔料として用いられ、その配合組成は例えば以下の通りである。
液状油(A) ・炭化水素(流動パラフィン等) 20〜70重量%
・合成エステル油(パルミチン酸オクチル等) 0〜30重量%
・その他の油分(シリコーン油、植物油等) 0.1〜30重量%
界面活性剤 ・ノニオン性界面活性剤(B1)、(B2) 5〜20重量%
・アニオン性界面活性剤(C) 5〜20重量%
・その他の界面活性剤 0.1〜5重量%
保湿成分(多価アルコール等) 0.1〜30重量%
香料 0.1〜2重量%
色素 0.1〜2重量%
防腐剤 0.1〜2重量%
水 0.1〜2重量%
【実施例】
【0052】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下において、部及び%は、特記しない限りそれぞれ重量部及び重量%を示す。
【0053】
<製造例1>
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、脱水装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカン202部(1モル部)、水酸化カリウム0.1部を投入し、窒素置換後密閉し、減圧下(−0.097MPa)、120℃で1時間脱水を行った。次いで撹拌下150℃で、圧力が0.5MPa以下になるように調整しながらEO308部(7モル部)を5時間かけて滴下後、同温度で2時間熟成した。90℃に冷却後、反応物に吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]3部を投入し、同温度で水酸化カリウムを吸着処理後、吸着処理剤をろ過し、ノニオン性界面活性剤(B1−1)を得た[(B1−1)は、一般式(1)におけるRがn−デシル基、AOがオキシエチレン基、m+nが7.0であるノニオン性界面活性剤]。
【0054】
<製造例2>
撹拌機、温度計、加熱冷却装置及び脱水装置を備えた反応容器に、1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカン152部(0.75モル部)、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸333部(1モル部)及びp−トルエンスルホン酸2部を投入し、135℃に昇温後、同温度で水分を除去しながら10時間エステル化反応させ、ノニオン性界面活性剤(B2−1)を得た。
【0055】
<比較製造例1>
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、脱水装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、炭
素数16〜20の分岐アルコール「アイソフォール18T」(サソールオレフィンズ ア
ンド サーファクタンツ社製)276部(1モル部)及びナトリウムメチラート28%メ
タノール溶液8部を投入し、混合した後、窒素置換後密閉し、減圧下(−0.097MP
a)、120℃で2時間脱メタノールを行った。次いで150℃に昇温後、撹拌下同温度
で、圧力が0.5MPa以下になるように調整しながらEO220部(5モル部)を3時
間かけて滴下後同温度で2時間熟成した。90℃に冷却後、反応物に吸着処理剤「キョー
ワード600」[協和化学工業(株)製]3部を投入し、同温度でナトリウムメチラート
を吸着処理後、吸着処理剤をろ過し、炭素数16〜20の分岐アルコールのEO5モル付
加物(X−1)を得た。
【0056】
<実施例1〜4、比較例1、2>
表1に記載した部数のクレンジング用組成物のうち、液状油(A)と水を除く各原料を、カイ型撹拌羽根付き撹拌機及び温度調節機能を備えた混合槽に投入し、45〜50℃で均一になるまで撹拌混合した。次いで液状油(A)を加え、55〜65℃に温調して1時間撹拌混合した後、60〜70℃の水を加え、1時間撹拌混合して粗乳化物を得た。得られた粗乳化物を高圧乳化機「APVガウリン」(ガウリン社製)で処理(乳化圧力:0〜0.5MPa、乳化温度:35〜45℃)し、剤型が乳化物であるクレンジング用組成物(実施例1〜4、比較例1、2)を作製した。
【0057】
表1に記載のクレンジング用組成物の各原料は以下の通りである。
(A−1):流動パラフィン
(A−2):オクタン酸セチル
(C−1):1,2−ジヒドロキシ−n−ドデカンのモノエーテル酢酸ナトリウム「ビューライト SHAA」[有効成分:29%、三洋化成工業(株)製]
(D−1):ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル「イオネット DS−4000」[三洋化成工業(株)製]
(X−2):ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム「ビューライト LCA」[有効成分:92%、三洋化成工業(株)製]
【0058】
実施例1〜4、比較例1、2のクレンジング用組成物について、皮膚刺激性、洗い流し
易さ、洗浄後のさっぱり感、洗浄後の潤い感及び洗浄性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0059】
<皮膚刺激性の評価方法>
実施例1〜4、比較例1、2のクレンジング用組成物について、男女各5名による人パッチテスト(クローズド、60時間、上腕内側)を行い、以下の評価基準で評価し、男女各5名の合計点で皮膚刺激性を評価した。合計点が高いほど皮膚刺激性が低いことを表す。
[評価基準]
反応(紅斑)無し:3点
ごく軽度の紅斑:2点
明瞭な紅斑:1点
強度の紅斑:0点
【0060】
<洗い流し易さ、洗浄後のさっぱり感及び洗浄後の潤い感の評価方法>
20名のパネルがファンデーションを顔全体に塗布し約30分間乾燥させた後、実施例1〜4、比較例1、2のクレンジング用組成物それぞれ3mLを手にとり、指を使って顔全体に伸ばしてファンデーションとよくなじませた後、約35℃のお湯で洗い流した。このときの洗い流し易さ、洗浄後のさっぱり感及び洗浄後の潤い感を以下の評価基準で評価し、20名の平均点で評価した。それぞれ、平均点が高いほど良好であることを表す。
[洗い流し易さ、洗浄後のさっぱり感及び洗浄後の潤い感の評価基準]
非常に良い:5点
良い:4点
普通:3点
悪い:2点
非常に悪い:1点
【0061】
<洗浄性の評価方法>
前腕部にメイク(リップカラー赤、50mg/4cm)を均一に塗布し、5分間室温で乾燥させた。その後、実施例1〜4、比較例1、2のクレンジング用組成物それぞれ1.0gを、指を用いて通常のメイク落とし行為と同様に塗布部全体に約30秒間なじませ、その後35℃の水道水でこすらずに洗い流し、乾燥後のメイク残存率を求め、洗浄性を以下の評価基準で評価した。なお、メイク残存率は分光測色計「Spectro Photometer SD5000」[日本電色(株)製]を用いて、リップカラー塗布前後、クレンジング用組成物使用後の前腕部の色を測定し、下式から洗浄性を求めた。
洗浄性(%)=100−[(E2−E0)/(E1−E0)}×100
0:リップカラー塗布前の前腕部の色
1:リップカラー塗布後の前腕部の色
2:クレンジング用組成物使用後の前腕部の色
【0062】
【表1】

【0063】
表1の結果から明らかなように、本発明のクレンジング組成物(実施例1〜4)は、従
来のクレンジング組成物(比較例1、2)に比較して、いずれの評価項目においても優れている。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明のクレンジング組成物は、潤い感があるにもかかわらずべたつきがなく、かつ、
皮膚刺激性が少なく、しかも水で容易に洗い流せることから、ファンデーションや口紅等
のメークアップ化粧料除去用洗顔料として好適に使用でき、また、マッサージ用、シェー
ビング用、エモリエント用等にも使用できる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状油(A)と、一般式(1)で表されるノニオン性界面活性剤(B1)、アシル基の炭素数が6〜30であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸(a)と一般式(2)で表される1,2−ジオール(b)とを反応させて得られるノニオン性界面活性剤(B2)、及び一般式(3)で表されるアニオン性界面活性剤(C)からなる群から選ばれる1種以上とを含有してなるクレンジング用組成物。
【化1】

[式中、R1は炭素数6〜30の炭化水素基;R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数6〜30の炭化水素基又は炭素数6〜30のアシル基;AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基;m+nは0〜100の数である。]
【化2】

[式中、R4は炭素数6〜30の炭化水素基;AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基;p+qは0〜100の数である。]
【化3】

[式中、R5は炭素数6〜30の炭化水素基;AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基;r及びsは、それぞれ独立に0〜100の数;Xは−R6COOM、−SOM、−R7SO3M及び−PO2OMで表される基からなる群から選ばれる1種であり、Mは水素原子、アルカリ金属カチオン、アンモニウムイオン、アミンカチオン、4級アンモニウムカチオン及び塩基性アミノ酸カチオンからなる群から選ばれる1種以上;R6及びR7は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキレン基である。]
【請求項2】
前記N−長鎖アシル酸性アミノ酸(a)が一般式(4)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸である請求項1記載のクレンジング用組成物。
【化4】

[式中、R8は炭素数5〜29の炭化水素基、tは1又は2の整数である。]
【請求項3】
前記1,2−ジオール(b)のRが炭素数6〜16の直鎖状アルキル基である請求項1又は2記載のクレンジング用組成物。
【請求項4】
前記N−長鎖アシル酸性アミノ酸(a)と前記1,2−ジオール(b)の反応モル比[(a):(b)]が1:0.55〜1:1.82である請求項1〜3のいずれかに記載のクレンジング用組成物。
【請求項5】
一般式(3)におけるAOがオキシエチレン基であり、Xが−COOMで表される基である請求項1〜4のいずれかに記載のクレンジング用組成物。
【請求項6】
一般式(1)におけるMのうち、0.1〜40モル%が水素原子であり、60〜99.9モル%がアルカリ金属カチオン、アンモニウムイオン、アミンカチオン、4級アンモニウムカチオン及び塩基性アミノ酸カチオンからなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜5のいずれかに記載のクレンジング用組成物。
【請求項7】
更に、1価アルコール、多価アルコール、カチオン性界面活性剤、他のノニオン性界面活性剤、他のアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ゲル化剤、薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色素、香料及び水からなる群から選ばれる1種以上の成分を含有してなる請求項1〜6のいずれかに記載のクレンジング用組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のクレンジング用組成物を水に乳化させることを特徴とするクレンジング用組成物の製造方法。



【公開番号】特開2011−246404(P2011−246404A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122170(P2010−122170)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】