クレープ生地を伸ばすための器具及び方法
【課題】職人芸的な作業を必要とせずに、略円形状でかつ均一な厚みを有する薄いクレープ生地を、短時間で容易に形成させることができ、かつ、低コストで簡易な構造を有する、クレープ生地を伸ばすための器具を提供する。
【解決手段】クレープ生地を伸ばすための器具1は、調理面2上でクレープ生地を薄く伸ばすための長尺のヘラ部18と、ヘラ部18を回転させるための回転用軸体15を備えている。ヘラ部18は、回転用軸体15に対して、接触しているかもしくは間隔を空けて、交差している。ヘラ部18は、回転軸14を中心として鉛直方向に揺動可能であり、また、少なくとも回転用軸体15の近傍において、調理面2との間に空隙が形成されるように配設されている。
【解決手段】クレープ生地を伸ばすための器具1は、調理面2上でクレープ生地を薄く伸ばすための長尺のヘラ部18と、ヘラ部18を回転させるための回転用軸体15を備えている。ヘラ部18は、回転用軸体15に対して、接触しているかもしくは間隔を空けて、交差している。ヘラ部18は、回転軸14を中心として鉛直方向に揺動可能であり、また、少なくとも回転用軸体15の近傍において、調理面2との間に空隙が形成されるように配設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレープ生地を略円形状に薄く伸ばすための器具及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレープ菓子の製造販売店において、クレープ生地を略円形状に薄く伸ばす方法として、クレープ生地を鉄板の中央付近に供給した後、調理者が、トンボと称されるクレープ用のヘラのみを用いて、クレープ生地を伸ばす方法が知られている。
しかし、略円形状でかつ均一な厚みを有する薄いクレープ生地を、手際良く短時間で形成させるためには、トンボの使い方についての熟練が必要であった。
一方、クレープ菓子の製造販売店のチェーン化などに伴い、トンボの使い方について熟練していなくても、クレープ生地を略円形状に薄く伸ばす作業を、短時間にかつ容易に行なうことのできる手段が、求められている。
このような手段の一例として、ホットプレートと、該ホットプレートの加熱手段と、該ホットプレート上の中心から偏心した位置において公転しながら自転する生地引延し用ヘラと、該生地引延し用ヘラをホットプレート上に振り込ませる手段とから構成されることを特徴とするクレープ生地の引延し装置が、提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−308744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のクレープ生地の引延し装置を用いれば、職人芸的な作業を必要とせずに、クレープを手焼き風に能率良く焼き上げることができる。
しかし、上述のクレープ生地の引延し装置は、複雑な機構を有する機械であるため、トンボを用いる場合に比べて、設備費等のコストの面で不利であり、また、メンテナンスの負担も大きい。
そこで、本発明は、職人芸的な作業を必要とせずに、略円形状でかつ均一な厚みを有する薄いクレープ生地を、短時間で容易に形成させることができ、かつ、低コストで簡易な構造を有する、クレープ生地を伸ばすための器具、並びに、該器具を用いたクレープ生地を伸ばすための方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の簡易な構造を有する器具を用いれば、職人芸的な作業を必要とせずに、熟練者でなくても、略円形状でかつ均一な厚みを有する薄いクレープ生地を、短時間で容易に形成させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] 調理面上でクレープ生地を薄く伸ばすための長尺のヘラ部と、上記調理面上に載置して上記ヘラ部を回転させるための回転用軸体とを備えており、かつ、上記ヘラ部が、上記回転用軸体に対して、接触しているかもしくは間隔を空けて、交差していることを特徴とするクレープ生地を伸ばすための器具。
[2] 上記ヘラ部が、上記回転用軸体が位置する側に一端を有しかつ上記回転用軸体から離間した側に他端を有する、クレープ生地を伸ばすための長尺の腕部と、該腕部の上記他端から略垂直に折曲して円弧状に延びる、クレープ生地の輪郭を形成するためのガイド部とからなる、前記[1]に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
[3] 上記ヘラ部は、少なくとも上記回転用軸体の近傍の部分において、上記調理面との間に空隙が形成されるように配設されている、前記[1]又は[2]に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
[4] 上記回転用軸体の近傍にて水平方向に軸線が延びるように配設された回転軸を備えており、かつ、上記ヘラ部が、上記回転軸を中心として鉛直方向に揺動可能に配設されている、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
[5] 上記回転用軸体を直立させるための固定用部材であって、自らは回転することなく定位置に固定して配設するための固定用部材と、該固定用部材を着脱可能に固定して支持しかつ上記調理面上に載置するためのベースフレームとを備えている、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
[6] 前記[5]に記載のクレープ生地を伸ばすための器具を用いた、クレープ生地を伸ばすための方法であって、(a)調理面上に上記ベースフレームを載置した後、上記ベースフレームに上記固定用部材を固定することによって、上記回転用軸体を直立させる器具取り付け工程と、(b)上記調理面上にクレープ生地を供給する生地供給工程と、(c)上記回転用軸体を回転させることによって、上記ヘラ部を回転させ、上記クレープ生地を略円形状に薄く伸ばす生地伸ばし工程と、を含むことを特徴とするクレープ生地を伸ばすための方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の器具を用いれば、職人芸的な作業を必要とせずに、熟練者でなくても、略円形状(円形に近い形状)でかつ均一な厚みを有する薄いクレープ生地を、短時間で容易に形成させることができる。
また、本発明の器具は、簡易な構造を有しかつ動力源を必要としないため、低コストでかつ容易に作製することができ、調理作業時の取扱いが容易であり、さらにはメンテナンスの負担も小さい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のクレープ生地を伸ばすための器具の一例を部分的に示す正面図である。
【図2】図1に示す器具の中のベースフレームを除く部分を示す右側面図である。
【図3】本発明のクレープ生地を伸ばすための器具を用いて、クレープ生地を伸ばしている状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明のクレープ生地を伸ばすための器具の一例を説明する。
図1〜図3中、本発明のクレープ生地を伸ばすための器具1は、調理面2の上に載置されている。調理面2は、例えば、加熱可能な鉄板の上面であり、平坦な面に形成されている。
調理面2の上には、図1及び図3に示すように、本発明の器具1の構成部品であるベースフレーム3が、載置されている。ベースフレーム3は、図3に示すように、水平方向の断面が円弧状である一対の垂直板部4,4と、一対の垂直板部4,4の上端の間に架け渡すように形成された水平板部5とから構成されている。一対の垂直板部4,4間の距離は、略円形状に伸ばした後のクレープ生地の直径よりも大きい。垂直板部4の幅は、ベースフレーム3を調理面2上に載置したときの安定性を高めるために、水平板部5の幅よりも大きく定められている。
なお、水平板部5の幅が大きい場合には、垂直板部4の幅は、水平板部5の幅と同じでもよい。また、垂直板部4,4を、図3のものに代えて、円筒状のもの(つまり、2つの円弧状のものでなく、1つの円形状のもの)として形成してもよい。
水平板部5は、図3に示すように、一対の垂直板部4,4の上端から内方に向かって適宜の距離だけ直線状に形成された一対の直線部分と、該一対の直線部分の内方に形成されたC字形の湾曲部分とからなる。
【0009】
ベースフレーム3の水平板部5の直線部分とC字形の湾曲部分との2つの交差領域の各々には、円柱状の突起部6(図1参照;図中に点線で示す。)が形成されており、突起部6と嵌合可能な円柱状の溝部8を有する固定用部材7を上方から載置することによって、固定用部材7がベースフレーム3上に固定されている。
固定用部材7の中央には、貫通孔7a(図1参照;図中に点線で示す。)が形成されており、この貫通孔7aに対して上下に摺動可能に円柱状部9が挿通されている。円柱状部9の上部には、調理者が把持して操作するためのハンドル10が固定されている。
なお、固定用部材7に対するハンドル10の向きは、特に限定されず、任意である。図1及び図2に示す例では、ハンドル10は、固定用部材7の長手方向と同じ方向に延びるように固定されている。図3に示す例では、ハンドル10は、固定用部材7の長手方向に対して垂直の方向に延びるように固定されている。
円柱状部9には、鉛直方向に適宜の空隙(遊び)を介して固定用部材7を挟み込むように、一対の環状部11,12が固着されている。環状部11,12は、固定用部材7が円柱状部9に沿って大きく移動するのを防止するためのものであり、省略することもできる。
【0010】
円柱状部9の下端には、回転軸支持体13が固定されている。回転軸支持体13は、軸線が水平方向に延びる回転軸14を、回転軸14が回転可能に支持するとともに、当該回転軸支持体13の下方に延びる回転用軸体15を固定するためのものである。回転用軸体15は、小径の円柱状に形成されている。ただし、回転用軸体の下端部分は、略円錐状に形成されている。
なお、以上説明した各部のうち、円柱状部9、ハンドル10、環状部11,12、回転軸支持体13及び回転用軸体15は、互いに固定されて一体的に形成されている。固定用部材7は、円柱状部9の周面に対して、鉛直方向に所定の距離(遊び寸法)だけ移動可能にかつ水平方向に回転可能に配設されている。回転軸14は、回転軸支持体13の貫通孔の内周面に対して、回転可能に配設されている。
【0011】
回転軸支持体13の側方に延びている回転軸14の突出部分の下面には、図2に示すように、固定具(例えば、ボルト)19によって、位置調整部材(例えば、1個以上のワッシャー)16を介してヘラ把持部17が固定されている。ヘラ把持部17は、固定具(例えば、ボルト)20によって、ヘラ部18を把持するためのものである。ヘラ部18は、図1及び図3に示すように、回転用軸体13が位置する側(換言すると、調理面2の中心付近)に一端を有しかつ回転用軸体13から離間した側(換言すると、調理面2の縁に近い地点)に他端を有する、クレープ生地を伸ばすための腕部(平板状の垂直板体)21と、腕部21の他端から略垂直に折曲して円弧状に延びる、クレープ生地の輪郭を形成するためのガイド部(曲板状の垂直板体)22とからなる。なお、ここでの「垂直板体」の語は、調理面2に対して垂直の方向(鉛直の方向)に板体が延びていることから名付けたものである。
【0012】
ヘラ部18は、回転用軸体15に対して、接触しているか、または図2に示すように間隔を空けて、交差するように配設されている。つまり、図1中、回転用軸体15からヘラ部18に垂線を引いた場合の当該垂線を、回転用軸体15の側に延長した地点から、回転用軸体15及びヘラ部18を見た場合に、回転用軸体15の左右の両方に、ヘラ部18の部分が見えるとともに、図2に示すように、回転用軸体15とヘラ部18は、接触しているかもしくは空隙(図2参照)を介在させるように、位置関係が定められている。なお、回転用軸体15とヘラ部18が接触している場合、ヘラ部18は、回転軸14を中心として揺動することができるように、回転用軸体15に対して摺動可能に配設されていることが必要である。
ここで、図1中、回転用軸体15の左方に見えるヘラ部18の部分の長さ(つまり、回転用軸体15からヘラ部18に垂線を引いた場合の交点から左方の長さ)は、略円形状にクレープを伸ばした場合における当該クレープの半径とほぼ同じ(例えば、12〜20cm)である。また、図1中、回転用軸体15の右方に見えるヘラ部18の部分の長さ(つまり、回転用軸体15からヘラ部18に垂線を引いた場合の交点から右方の長さ)は、クレープの生地を均一な厚みとなるようにかつ略円形状の全体に薄く伸ばす観点から、好ましくは5〜40mm、より好ましくは10〜30mm、特に好ましくは15〜25mmである。
本発明において、回転用軸体15の軸線から、ヘラ部18の回転用軸体15に対向する面までの距離(図2中、符号Aで示す。)は、クレープの生地を均一な厚みとなるようにかつ略円形状の全体に薄く伸ばす観点から、好ましくは10mm以下、より好ましくは7mm以下、特に好ましくは4mm以下である。該距離の下限値は、回転用軸体15とヘラ部18が接触する距離である。
なお、ヘラ部18を回転用軸体15に対して交差させずに、例えば、回転用軸体15を省略し、ヘラ部18の端部をヘラ部18の回転時の支点(回転中心)とした場合には、クレープの生地を略円形状の全体に伸ばすことができず、略円形状の中心付近に生地のない部分が形成されるなどの不都合がある。
【0013】
ヘラ部18は、少なくとも回転用軸体15の近傍の部分において、調理面2との間に空隙が形成されるように配設されている。
例えば、図1中、回転用軸体15からヘラ部18に垂線を引いた場合の交点の下方に位置するヘラ部18の下端における、ヘラ部18と調理面2の間の空隙の高さ(図2中、符号Bで示す。)は、クレープの生地を均一な厚みとなるように薄く伸ばす観点から、好ましくは0.1〜5mm、より好ましくは0.5〜4mm、特に好ましくは1〜3mmである。
なお、図1に示すように、ヘラ部18の回転用軸体15側の端部は、下側の角の部分が切り欠きを有するように形成されている。この切り欠きの寸法は、例えば、水平方向に5〜20mm、鉛直方向(高さ方向)に2〜5mmである。このように切り欠きを有することによって、クレープの焼き上がりの際にクレープの生地が削り取られるのを確実に防ぐことができる。
図1中、ガイド部22の下端は、腕部21の下端よりも適宜の距離だけ下方に位置している。つまり、ガイド部22との境界付近の腕部21の下端も、調理面2に対して空隙を形成している。ここでの空隙の高さは、クレープの生地を均一な厚みとなるように薄く伸ばす観点から、好ましくは0.1〜3mm、より好ましくは0.2〜2mm、特に好ましくは0.3〜1mmである。
本発明においては、ガイド部22の下端の位置と、腕部21の下端の位置を同一面上に定めてもよい。この場合においても、ヘラ部18が回転軸14を中心に鉛直方向に揺動可能に配設されていることから、ヘラ部18は、回転用軸体15の近傍の部分において、調理面2との間に空隙を形成することができる。このため、クレープの生地を場所によって過不足がないように伸ばすことができる。
【0014】
本発明のクレープ生地を伸ばすための器具1は、取り扱う上では、ベースフレーム3と、ベースフレーム3以外の部分とからなる。
また、前記ベースフレーム3以外の部分は、ハンドル10、円柱状部9、環状部11,12、回転軸支持体13及び回転用軸体15を備えた本体部分と、該本体部分の周りに固定せずに取り付けられた固定用部材7と、前記本体部分に対して全体が揺動可能に取り付けられた、回転軸14及び回転軸14に連なる各部(位置調整部材16、ヘラ把持部17、固定具19,20及びヘラ部18)からなる揺動部分とからなる。
本発明において、ベースフレーム3及び固定用部材7は、省略することができる。ただし、ベースフレーム3及び固定用部材7を備えることによって、クレープ生地を伸ばす作業をより容易に行なうことができる。
【0015】
次に、本発明のクレープ生地を伸ばすための方法について説明する。
本発明のクレープ生地を伸ばすための方法は、前記のクレープ生地を伸ばすための器具を用いた方法であって、(a)調理面2にベースフレーム3を載置した後、ベースフレーム3に固定用部材7を固定することによって、回転用軸体15を直立させる器具取り付け工程と、(b)調理面2上にクレープ生地23を供給する生地供給工程(図3参照)と、(c)ハンドル10を回して回転用軸体15を回転させることによって、ヘラ部18を図3中の矢印で示す方向に回転させ、クレープ生地23を略円形状に薄く伸ばす生地伸ばし工程と、を含むものである。
本発明の方法によれば、ガイド部22の軌跡の内方に、クレープ生地を、略円形状でかつ均一な厚みを有するように薄く伸ばすことができる。
【実施例】
【0016】
[実施例1]
図1〜図3に示す器具を用いて、クレープ生地を伸ばす調理作業の経験を有しない者が、クレープ生地を伸ばす作業を行った。なお、図1中、回転用軸体15に対して左方に見えるヘラ部18の部分の長さは、15cmであり、回転用軸体15に対して右方に見えるヘラ部18の部分の長さは、2cmであった。ガイド部22の下端は、ガイド部22との境界付近の腕部21の下端よりも0.5mm下方に位置していた。また、図2中の符号Aの寸法は3mm、符号Bの寸法は2mmであった。回転用軸体15の直径は1mmであった。
その結果、クレープ生地を、略円形状でかつ均一な厚みを有するように薄く伸ばすことができた。また、作業時間も、トンボを用いる熟練者が作業を行なう場合と同程度に短いものであった。
[実施例2]
回転用軸体15とヘラ部18が接触しており、図2中の符号Aの寸法が1mm以下であること以外は実施例1と同様の構造を有する器具を用いて、クレープ生地を伸ばす調理作業の経験を有しない者が、クレープ生地を伸ばす作業を行った。
その結果、クレープ生地を、略円形状でかつ均一な厚みを有するように薄く伸ばすことができた。また、作業時間も、トンボを用いる熟練者が作業を行なう場合と同程度に短いものであった。
【符号の説明】
【0017】
1 クレープ生地を伸ばすための器具
2 調理面(鉄板の上面)
3 ベースフレーム
4 垂直板部
5 水平板部
6 突起部
7 固定用部材
7a 貫通孔
8 溝部
9 円柱状部
10 ハンドル
11,12 環状部
13 回転軸支持体
14 回転軸
15 回転用軸体
16 位置調整部材
17 ヘラ把持部
18 ヘラ部
19,20 固定具
21 腕部(平板状の垂直板体)
22 ガイド部(円弧状の垂直板体)
23 クレープ生地
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレープ生地を略円形状に薄く伸ばすための器具及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレープ菓子の製造販売店において、クレープ生地を略円形状に薄く伸ばす方法として、クレープ生地を鉄板の中央付近に供給した後、調理者が、トンボと称されるクレープ用のヘラのみを用いて、クレープ生地を伸ばす方法が知られている。
しかし、略円形状でかつ均一な厚みを有する薄いクレープ生地を、手際良く短時間で形成させるためには、トンボの使い方についての熟練が必要であった。
一方、クレープ菓子の製造販売店のチェーン化などに伴い、トンボの使い方について熟練していなくても、クレープ生地を略円形状に薄く伸ばす作業を、短時間にかつ容易に行なうことのできる手段が、求められている。
このような手段の一例として、ホットプレートと、該ホットプレートの加熱手段と、該ホットプレート上の中心から偏心した位置において公転しながら自転する生地引延し用ヘラと、該生地引延し用ヘラをホットプレート上に振り込ませる手段とから構成されることを特徴とするクレープ生地の引延し装置が、提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−308744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のクレープ生地の引延し装置を用いれば、職人芸的な作業を必要とせずに、クレープを手焼き風に能率良く焼き上げることができる。
しかし、上述のクレープ生地の引延し装置は、複雑な機構を有する機械であるため、トンボを用いる場合に比べて、設備費等のコストの面で不利であり、また、メンテナンスの負担も大きい。
そこで、本発明は、職人芸的な作業を必要とせずに、略円形状でかつ均一な厚みを有する薄いクレープ生地を、短時間で容易に形成させることができ、かつ、低コストで簡易な構造を有する、クレープ生地を伸ばすための器具、並びに、該器具を用いたクレープ生地を伸ばすための方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の簡易な構造を有する器具を用いれば、職人芸的な作業を必要とせずに、熟練者でなくても、略円形状でかつ均一な厚みを有する薄いクレープ生地を、短時間で容易に形成させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] 調理面上でクレープ生地を薄く伸ばすための長尺のヘラ部と、上記調理面上に載置して上記ヘラ部を回転させるための回転用軸体とを備えており、かつ、上記ヘラ部が、上記回転用軸体に対して、接触しているかもしくは間隔を空けて、交差していることを特徴とするクレープ生地を伸ばすための器具。
[2] 上記ヘラ部が、上記回転用軸体が位置する側に一端を有しかつ上記回転用軸体から離間した側に他端を有する、クレープ生地を伸ばすための長尺の腕部と、該腕部の上記他端から略垂直に折曲して円弧状に延びる、クレープ生地の輪郭を形成するためのガイド部とからなる、前記[1]に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
[3] 上記ヘラ部は、少なくとも上記回転用軸体の近傍の部分において、上記調理面との間に空隙が形成されるように配設されている、前記[1]又は[2]に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
[4] 上記回転用軸体の近傍にて水平方向に軸線が延びるように配設された回転軸を備えており、かつ、上記ヘラ部が、上記回転軸を中心として鉛直方向に揺動可能に配設されている、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
[5] 上記回転用軸体を直立させるための固定用部材であって、自らは回転することなく定位置に固定して配設するための固定用部材と、該固定用部材を着脱可能に固定して支持しかつ上記調理面上に載置するためのベースフレームとを備えている、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
[6] 前記[5]に記載のクレープ生地を伸ばすための器具を用いた、クレープ生地を伸ばすための方法であって、(a)調理面上に上記ベースフレームを載置した後、上記ベースフレームに上記固定用部材を固定することによって、上記回転用軸体を直立させる器具取り付け工程と、(b)上記調理面上にクレープ生地を供給する生地供給工程と、(c)上記回転用軸体を回転させることによって、上記ヘラ部を回転させ、上記クレープ生地を略円形状に薄く伸ばす生地伸ばし工程と、を含むことを特徴とするクレープ生地を伸ばすための方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の器具を用いれば、職人芸的な作業を必要とせずに、熟練者でなくても、略円形状(円形に近い形状)でかつ均一な厚みを有する薄いクレープ生地を、短時間で容易に形成させることができる。
また、本発明の器具は、簡易な構造を有しかつ動力源を必要としないため、低コストでかつ容易に作製することができ、調理作業時の取扱いが容易であり、さらにはメンテナンスの負担も小さい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のクレープ生地を伸ばすための器具の一例を部分的に示す正面図である。
【図2】図1に示す器具の中のベースフレームを除く部分を示す右側面図である。
【図3】本発明のクレープ生地を伸ばすための器具を用いて、クレープ生地を伸ばしている状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明のクレープ生地を伸ばすための器具の一例を説明する。
図1〜図3中、本発明のクレープ生地を伸ばすための器具1は、調理面2の上に載置されている。調理面2は、例えば、加熱可能な鉄板の上面であり、平坦な面に形成されている。
調理面2の上には、図1及び図3に示すように、本発明の器具1の構成部品であるベースフレーム3が、載置されている。ベースフレーム3は、図3に示すように、水平方向の断面が円弧状である一対の垂直板部4,4と、一対の垂直板部4,4の上端の間に架け渡すように形成された水平板部5とから構成されている。一対の垂直板部4,4間の距離は、略円形状に伸ばした後のクレープ生地の直径よりも大きい。垂直板部4の幅は、ベースフレーム3を調理面2上に載置したときの安定性を高めるために、水平板部5の幅よりも大きく定められている。
なお、水平板部5の幅が大きい場合には、垂直板部4の幅は、水平板部5の幅と同じでもよい。また、垂直板部4,4を、図3のものに代えて、円筒状のもの(つまり、2つの円弧状のものでなく、1つの円形状のもの)として形成してもよい。
水平板部5は、図3に示すように、一対の垂直板部4,4の上端から内方に向かって適宜の距離だけ直線状に形成された一対の直線部分と、該一対の直線部分の内方に形成されたC字形の湾曲部分とからなる。
【0009】
ベースフレーム3の水平板部5の直線部分とC字形の湾曲部分との2つの交差領域の各々には、円柱状の突起部6(図1参照;図中に点線で示す。)が形成されており、突起部6と嵌合可能な円柱状の溝部8を有する固定用部材7を上方から載置することによって、固定用部材7がベースフレーム3上に固定されている。
固定用部材7の中央には、貫通孔7a(図1参照;図中に点線で示す。)が形成されており、この貫通孔7aに対して上下に摺動可能に円柱状部9が挿通されている。円柱状部9の上部には、調理者が把持して操作するためのハンドル10が固定されている。
なお、固定用部材7に対するハンドル10の向きは、特に限定されず、任意である。図1及び図2に示す例では、ハンドル10は、固定用部材7の長手方向と同じ方向に延びるように固定されている。図3に示す例では、ハンドル10は、固定用部材7の長手方向に対して垂直の方向に延びるように固定されている。
円柱状部9には、鉛直方向に適宜の空隙(遊び)を介して固定用部材7を挟み込むように、一対の環状部11,12が固着されている。環状部11,12は、固定用部材7が円柱状部9に沿って大きく移動するのを防止するためのものであり、省略することもできる。
【0010】
円柱状部9の下端には、回転軸支持体13が固定されている。回転軸支持体13は、軸線が水平方向に延びる回転軸14を、回転軸14が回転可能に支持するとともに、当該回転軸支持体13の下方に延びる回転用軸体15を固定するためのものである。回転用軸体15は、小径の円柱状に形成されている。ただし、回転用軸体の下端部分は、略円錐状に形成されている。
なお、以上説明した各部のうち、円柱状部9、ハンドル10、環状部11,12、回転軸支持体13及び回転用軸体15は、互いに固定されて一体的に形成されている。固定用部材7は、円柱状部9の周面に対して、鉛直方向に所定の距離(遊び寸法)だけ移動可能にかつ水平方向に回転可能に配設されている。回転軸14は、回転軸支持体13の貫通孔の内周面に対して、回転可能に配設されている。
【0011】
回転軸支持体13の側方に延びている回転軸14の突出部分の下面には、図2に示すように、固定具(例えば、ボルト)19によって、位置調整部材(例えば、1個以上のワッシャー)16を介してヘラ把持部17が固定されている。ヘラ把持部17は、固定具(例えば、ボルト)20によって、ヘラ部18を把持するためのものである。ヘラ部18は、図1及び図3に示すように、回転用軸体13が位置する側(換言すると、調理面2の中心付近)に一端を有しかつ回転用軸体13から離間した側(換言すると、調理面2の縁に近い地点)に他端を有する、クレープ生地を伸ばすための腕部(平板状の垂直板体)21と、腕部21の他端から略垂直に折曲して円弧状に延びる、クレープ生地の輪郭を形成するためのガイド部(曲板状の垂直板体)22とからなる。なお、ここでの「垂直板体」の語は、調理面2に対して垂直の方向(鉛直の方向)に板体が延びていることから名付けたものである。
【0012】
ヘラ部18は、回転用軸体15に対して、接触しているか、または図2に示すように間隔を空けて、交差するように配設されている。つまり、図1中、回転用軸体15からヘラ部18に垂線を引いた場合の当該垂線を、回転用軸体15の側に延長した地点から、回転用軸体15及びヘラ部18を見た場合に、回転用軸体15の左右の両方に、ヘラ部18の部分が見えるとともに、図2に示すように、回転用軸体15とヘラ部18は、接触しているかもしくは空隙(図2参照)を介在させるように、位置関係が定められている。なお、回転用軸体15とヘラ部18が接触している場合、ヘラ部18は、回転軸14を中心として揺動することができるように、回転用軸体15に対して摺動可能に配設されていることが必要である。
ここで、図1中、回転用軸体15の左方に見えるヘラ部18の部分の長さ(つまり、回転用軸体15からヘラ部18に垂線を引いた場合の交点から左方の長さ)は、略円形状にクレープを伸ばした場合における当該クレープの半径とほぼ同じ(例えば、12〜20cm)である。また、図1中、回転用軸体15の右方に見えるヘラ部18の部分の長さ(つまり、回転用軸体15からヘラ部18に垂線を引いた場合の交点から右方の長さ)は、クレープの生地を均一な厚みとなるようにかつ略円形状の全体に薄く伸ばす観点から、好ましくは5〜40mm、より好ましくは10〜30mm、特に好ましくは15〜25mmである。
本発明において、回転用軸体15の軸線から、ヘラ部18の回転用軸体15に対向する面までの距離(図2中、符号Aで示す。)は、クレープの生地を均一な厚みとなるようにかつ略円形状の全体に薄く伸ばす観点から、好ましくは10mm以下、より好ましくは7mm以下、特に好ましくは4mm以下である。該距離の下限値は、回転用軸体15とヘラ部18が接触する距離である。
なお、ヘラ部18を回転用軸体15に対して交差させずに、例えば、回転用軸体15を省略し、ヘラ部18の端部をヘラ部18の回転時の支点(回転中心)とした場合には、クレープの生地を略円形状の全体に伸ばすことができず、略円形状の中心付近に生地のない部分が形成されるなどの不都合がある。
【0013】
ヘラ部18は、少なくとも回転用軸体15の近傍の部分において、調理面2との間に空隙が形成されるように配設されている。
例えば、図1中、回転用軸体15からヘラ部18に垂線を引いた場合の交点の下方に位置するヘラ部18の下端における、ヘラ部18と調理面2の間の空隙の高さ(図2中、符号Bで示す。)は、クレープの生地を均一な厚みとなるように薄く伸ばす観点から、好ましくは0.1〜5mm、より好ましくは0.5〜4mm、特に好ましくは1〜3mmである。
なお、図1に示すように、ヘラ部18の回転用軸体15側の端部は、下側の角の部分が切り欠きを有するように形成されている。この切り欠きの寸法は、例えば、水平方向に5〜20mm、鉛直方向(高さ方向)に2〜5mmである。このように切り欠きを有することによって、クレープの焼き上がりの際にクレープの生地が削り取られるのを確実に防ぐことができる。
図1中、ガイド部22の下端は、腕部21の下端よりも適宜の距離だけ下方に位置している。つまり、ガイド部22との境界付近の腕部21の下端も、調理面2に対して空隙を形成している。ここでの空隙の高さは、クレープの生地を均一な厚みとなるように薄く伸ばす観点から、好ましくは0.1〜3mm、より好ましくは0.2〜2mm、特に好ましくは0.3〜1mmである。
本発明においては、ガイド部22の下端の位置と、腕部21の下端の位置を同一面上に定めてもよい。この場合においても、ヘラ部18が回転軸14を中心に鉛直方向に揺動可能に配設されていることから、ヘラ部18は、回転用軸体15の近傍の部分において、調理面2との間に空隙を形成することができる。このため、クレープの生地を場所によって過不足がないように伸ばすことができる。
【0014】
本発明のクレープ生地を伸ばすための器具1は、取り扱う上では、ベースフレーム3と、ベースフレーム3以外の部分とからなる。
また、前記ベースフレーム3以外の部分は、ハンドル10、円柱状部9、環状部11,12、回転軸支持体13及び回転用軸体15を備えた本体部分と、該本体部分の周りに固定せずに取り付けられた固定用部材7と、前記本体部分に対して全体が揺動可能に取り付けられた、回転軸14及び回転軸14に連なる各部(位置調整部材16、ヘラ把持部17、固定具19,20及びヘラ部18)からなる揺動部分とからなる。
本発明において、ベースフレーム3及び固定用部材7は、省略することができる。ただし、ベースフレーム3及び固定用部材7を備えることによって、クレープ生地を伸ばす作業をより容易に行なうことができる。
【0015】
次に、本発明のクレープ生地を伸ばすための方法について説明する。
本発明のクレープ生地を伸ばすための方法は、前記のクレープ生地を伸ばすための器具を用いた方法であって、(a)調理面2にベースフレーム3を載置した後、ベースフレーム3に固定用部材7を固定することによって、回転用軸体15を直立させる器具取り付け工程と、(b)調理面2上にクレープ生地23を供給する生地供給工程(図3参照)と、(c)ハンドル10を回して回転用軸体15を回転させることによって、ヘラ部18を図3中の矢印で示す方向に回転させ、クレープ生地23を略円形状に薄く伸ばす生地伸ばし工程と、を含むものである。
本発明の方法によれば、ガイド部22の軌跡の内方に、クレープ生地を、略円形状でかつ均一な厚みを有するように薄く伸ばすことができる。
【実施例】
【0016】
[実施例1]
図1〜図3に示す器具を用いて、クレープ生地を伸ばす調理作業の経験を有しない者が、クレープ生地を伸ばす作業を行った。なお、図1中、回転用軸体15に対して左方に見えるヘラ部18の部分の長さは、15cmであり、回転用軸体15に対して右方に見えるヘラ部18の部分の長さは、2cmであった。ガイド部22の下端は、ガイド部22との境界付近の腕部21の下端よりも0.5mm下方に位置していた。また、図2中の符号Aの寸法は3mm、符号Bの寸法は2mmであった。回転用軸体15の直径は1mmであった。
その結果、クレープ生地を、略円形状でかつ均一な厚みを有するように薄く伸ばすことができた。また、作業時間も、トンボを用いる熟練者が作業を行なう場合と同程度に短いものであった。
[実施例2]
回転用軸体15とヘラ部18が接触しており、図2中の符号Aの寸法が1mm以下であること以外は実施例1と同様の構造を有する器具を用いて、クレープ生地を伸ばす調理作業の経験を有しない者が、クレープ生地を伸ばす作業を行った。
その結果、クレープ生地を、略円形状でかつ均一な厚みを有するように薄く伸ばすことができた。また、作業時間も、トンボを用いる熟練者が作業を行なう場合と同程度に短いものであった。
【符号の説明】
【0017】
1 クレープ生地を伸ばすための器具
2 調理面(鉄板の上面)
3 ベースフレーム
4 垂直板部
5 水平板部
6 突起部
7 固定用部材
7a 貫通孔
8 溝部
9 円柱状部
10 ハンドル
11,12 環状部
13 回転軸支持体
14 回転軸
15 回転用軸体
16 位置調整部材
17 ヘラ把持部
18 ヘラ部
19,20 固定具
21 腕部(平板状の垂直板体)
22 ガイド部(円弧状の垂直板体)
23 クレープ生地
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理面上でクレープ生地を薄く伸ばすための長尺のヘラ部と、上記調理面上に載置して上記ヘラ部を回転させるための回転用軸体とを備えており、かつ、上記ヘラ部が、上記回転用軸体に対して、接触しているかもしくは間隔を空けて、交差していることを特徴とするクレープ生地を伸ばすための器具。
【請求項2】
上記ヘラ部が、上記回転用軸体が位置する側に一端を有しかつ上記回転用軸体から離間した側に他端を有する、クレープ生地を伸ばすための長尺の腕部と、該腕部の上記他端から略垂直に折曲して円弧状に延びる、クレープ生地の輪郭を形成するためのガイド部とからなる請求項1に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
【請求項3】
上記ヘラ部は、少なくとも上記回転用軸体の近傍の部分において、上記調理面との間に空隙が形成されるように配設されている請求項1又は2に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
【請求項4】
上記回転用軸体の近傍にて水平方向に軸線が延びるように配設された回転軸を備えており、かつ、上記ヘラ部が、上記回転軸を中心として鉛直方向に揺動可能に配設されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
【請求項5】
上記回転用軸体を直立させるための固定用部材であって、自らは回転することなく定位置に固定して配設するための固定用部材と、該固定用部材を着脱可能に固定して支持しかつ上記調理面上に載置するためのベースフレームとを備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
【請求項6】
請求項5に記載のクレープ生地を伸ばすための器具を用いた、クレープ生地を伸ばすための方法であって、
(a) 調理面上に上記ベースフレームを載置した後、上記ベースフレームに上記固定用部材を固定することによって、上記回転用軸体を直立させる器具取り付け工程と、
(b) 上記調理面上にクレープ生地を供給する生地供給工程と、
(c) 上記回転用軸体を回転させることによって、上記ヘラ部を回転させ、上記クレープ生地を略円形状に薄く伸ばす生地伸ばし工程と、
を含むことを特徴とするクレープ生地を伸ばすための方法。
【請求項1】
調理面上でクレープ生地を薄く伸ばすための長尺のヘラ部と、上記調理面上に載置して上記ヘラ部を回転させるための回転用軸体とを備えており、かつ、上記ヘラ部が、上記回転用軸体に対して、接触しているかもしくは間隔を空けて、交差していることを特徴とするクレープ生地を伸ばすための器具。
【請求項2】
上記ヘラ部が、上記回転用軸体が位置する側に一端を有しかつ上記回転用軸体から離間した側に他端を有する、クレープ生地を伸ばすための長尺の腕部と、該腕部の上記他端から略垂直に折曲して円弧状に延びる、クレープ生地の輪郭を形成するためのガイド部とからなる請求項1に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
【請求項3】
上記ヘラ部は、少なくとも上記回転用軸体の近傍の部分において、上記調理面との間に空隙が形成されるように配設されている請求項1又は2に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
【請求項4】
上記回転用軸体の近傍にて水平方向に軸線が延びるように配設された回転軸を備えており、かつ、上記ヘラ部が、上記回転軸を中心として鉛直方向に揺動可能に配設されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
【請求項5】
上記回転用軸体を直立させるための固定用部材であって、自らは回転することなく定位置に固定して配設するための固定用部材と、該固定用部材を着脱可能に固定して支持しかつ上記調理面上に載置するためのベースフレームとを備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載のクレープ生地を伸ばすための器具。
【請求項6】
請求項5に記載のクレープ生地を伸ばすための器具を用いた、クレープ生地を伸ばすための方法であって、
(a) 調理面上に上記ベースフレームを載置した後、上記ベースフレームに上記固定用部材を固定することによって、上記回転用軸体を直立させる器具取り付け工程と、
(b) 上記調理面上にクレープ生地を供給する生地供給工程と、
(c) 上記回転用軸体を回転させることによって、上記ヘラ部を回転させ、上記クレープ生地を略円形状に薄く伸ばす生地伸ばし工程と、
を含むことを特徴とするクレープ生地を伸ばすための方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2012−254033(P2012−254033A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128589(P2011−128589)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(509040949)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(509040949)
【Fターム(参考)】
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