クレープ生地,クレープ菓子,クレープ生地の製造方法およびクレープ生地製造装置
【課題】大きさを小さくすることができるクレープ生地およびクレープ菓子、クレープ生地の製造方法ならびにクレープ生地製造装置を提供する。
【解決手段】凹状の雌部を有する焼き型の雌部にクレープ生地用材料を流し込んだのち、凸状の雄部を有する押し型を用い、焼き型の雌部と、押し型の雄部とを勘合させて焼くことにより形成されたクレープ生地1である。また、このクレープ生地の凹部に具材を配置したクレープ菓子である。これにより、クレープ生地1を容易に製造することができると共に、小さくすることもできる。
【解決手段】凹状の雌部を有する焼き型の雌部にクレープ生地用材料を流し込んだのち、凸状の雄部を有する押し型を用い、焼き型の雌部と、押し型の雄部とを勘合させて焼くことにより形成されたクレープ生地1である。また、このクレープ生地の凹部に具材を配置したクレープ菓子である。これにより、クレープ生地1を容易に製造することができると共に、小さくすることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレープ生地およびその製造方法,クレープ生地製造装置,ならびにクレープ菓子に関する。
【背景技術】
【0002】
クレープ菓子は、通常、小麦粉,牛乳あるいは卵などを含むクレープ生地用材料を、鉄板などで円くかつ平たく焼いた後、生クレームなどの具材を挟み込んで折り畳んだり、あるいは円錐状に巻くことにより形成する。このようなクレープ菓子としては、例えば、特許文献1に提案されているものがある。
【特許文献1】実用新案登録3087625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなクレープ菓子では、クレープ生地を焼く際に、ある程度の技術を必要すると共に、一度にたくさんの生地を製造することは困難であった。
【0004】
また、具材を挟んだりするので、クレープ生地の大きさを大きくする必要があり、例えば、女性や子供にとっては、ボリュームが多すぎるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、大きさを小さくすることができるクレープ生地およびクレープ菓子、クレープ生地の製造方法ならびにクレープ生地製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のクレープ生地は、凹状に形成されたものである。
【0007】
本発明のクレープ菓子は、凹状に形成されたクレープ生地の凹部に、具材を備えたものである。
【0008】
本発明のクレープ生地の製造方法は、凹状の雌部を有する焼き型の雌部にクレープ生地用材料を流し込んだのち、凸状の雄部を有する押し型を用い、焼き型の雌部と、押し型の雄部とを勘合させて焼くことにより、凹状のクレープ生地を形成するものである。
【0009】
本発明のクレープ生地の製造装置は、少なくとも1つの凹状の雌部を有する焼き型と、少なくとも1つの凸状の雄部を有する押し型とを備え、焼き型と押し型とは、一部において連結しており、押し型は、焼き型との連結部分を軸に反転して、雌部と雄部とが勘合するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のクレープ生地およびクレープ菓子によれば、凹状に形成するようにしたので、具材を内部に入れることができると共に、小さくすることもできる。また、具材の配置により美観を良くすることもできる。
【0011】
また、凹状に形成された本体部と、本体部の開口端部に、本体部の開口端部よりも厚みが厚くなるように形成された肉厚部とを有するようにすれば、食べる際に持ちやすくすることができる。
【0012】
本発明のクレープ生地の製造方法によれば、凹状の雌部を有する焼き型の雌部にクレープ生地用材料を流し込んだのち、焼き型の雌部と、押し型の凸部とを勘合させて焼くようにしたので、本発明のクレープ生地を容易に製造することができる。
【0013】
本発明のクレープ生地製造装置によれば、焼き型と押し型とを、一部において連結させ、押し型を、焼き型との連結部分を軸に反転させて、雌部と雄部とが勘合するようにしたので、本発明のクレープ生地を容易に製造することができる。また、複数の雄部および雌部を有するようにすれば、一度に複数のクレープ生地を製造することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1(A)は、本発明の一実施の形態に係るクレープ生地1の斜視図であり、図1(B)は、クレープ生地1の断面図である。このクレープ生地1は、小麦粉,牛乳あるいは卵などを含むクレープ生地用材料を薄く延ばして焼いたものであり、凹状に形成されている。これにより、凹部に具材を入れることができるようになっている。また、具材の量を調整しやすいので、大きさを小さくすることもできる。更に、具材に対するクレープ生地の割合を容易に調整することができるので、従来のクレープ菓子とは異なる食感を得ることができる。加えて、具材を視認することができるので、具材の配置により美観を良くすることもできる。
【0016】
クレープ生地1は、全体にわたってほぼ同じような厚みであってもよいが、例えば図1に示したように、凹状に形成された本体部1aと、本体部1aの開口端部に、本体部1aの開口端部よりも厚みが厚くなるように形成された肉厚部1bとを有していることが好ましい。肉厚部1bは、本体部1aの開口端部よりも少なくとも外側に向かって拡張されることにより厚みが厚くなっていることが好ましい。食べる際に持ちやすくすることができるからである。
【0017】
クレープ生地1の大きさは、具材の種類や大きさ、あるいは量などにより適宜調整することができるが、食べやすさなどを考えると、本体部1aの幅(外径)Wは、例えば35mm以上50mm以下であり、高さHは、例えば25mm以上35mm以下であることが好ましい。
【0018】
また、クレープ生地1の厚みは、適宜調整することができるが、本体部1aの厚みTは1.5mm以上2.5mm以下であることが好ましい。厚みが薄すぎると、破損したり、あるいはクレープ生地1の食感の印象が小さくなってしまう場合があり、厚みが厚すぎると、クレープ生地1の食感の印象が大きくなり過ぎてしまう場合があるからである。
【0019】
なお、図1(A),(B)では、クレープ生地1の断面形状がU字形のものを示したが、例えば図2(A)〜(C)に示したように、V字形,コの字形あるいは台形などの他の形状であってもよい。
【0020】
図3は、クレープ菓子2の斜視図であり、クレープ生地1の凹部に、具材3を入れたものである。具材3としては、例えば、生クリーム,カスタードクリームあるいはチョコレートクリームなどのクリーム類、あん,チョコレート,チョコチップあるいはアイスクリームなどの菓子類、ジャム類、ペースト類、バナナ,いちご,キウイ,チェリー,ブルーベリーあるいはレーズンなどの果物類、ツナなどの魚介類、レタスなどの野菜類が挙げられる。これらの具材3は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよく、適度な大きさにして用いてもよい。例えば、生クリームに果物のジャムやペーストを混ぜて用いるようにすれば、見た目も美しく、味も楽しむことができるので好ましい。
【0021】
これらのクレープ生地1およびクレープ菓子2は、例えば、次のようなクレープ生地製造装置4を用いて製造することができる。
【0022】
図4は、そのクレープ生地製造装置4の斜視図である。このクレープ生地製造装置4は、焼き型5と、押し型6とを有しており、焼き型5と押し型6とは、連結部7を介して連結している。また、焼き型5には、凹状の雌部5aが形成されており、押し型6には、凸状の雄部6aが形成されている。なお、図4では、雌部5aと雄部6aとが複数ずつ形成されているが、各一つずつでもよく、複数ずつ形成する場合にはその数はいくつでもよい。例えば、図4では2列×8個ずつ形成されているが、列は1列でも3列以上でもよく、1列における数もいくつでもよく、列ごとに数が異なっていてもよい。
【0023】
焼き型5および押し型6は、例えば、それぞれ持ち手8,9を備えており、例えば、焼き型5および押し型6を、連結部7を軸にして反転させることができるようになっている。
【0024】
図5は、図4に示したクレープ生地製造装置4のI−I線に沿った断面構成を表すものである。また、図6は、押し型6を、連結部7を軸にして反転させ、雌部5aと雄部6aとを勘合させた状態を表したものである。
【0025】
焼き型5における雌部5aの内径W1および深さD1は、製造するクレープ生地1の大きさに合わせて適宜調整することができるが、例えば、内径W1は、35mm以上50mm以下であり、深さD1は、25mm以上35mm以下であることが好ましい。また、雌部5aの上端部には、クレープ生地1の肉厚部1bに対応して、内径W1を拡大した拡張部5bが設けられていることが好ましい。
【0026】
押し型6における雄部6aは、焼き型5における雌部5aと勘合するような形状であればよい。また、雄部6aの外径W2および高さH2は、雌部5aの大きさに合わせて適宜調整することができるが、例えば、外径W2は、30mm以上47mm以下であり、高さH2は、22.5mm以上33.5mm以下であることが好ましい。
【0027】
雌部5aと雄部6aとを勘合させた状態においては、雌部5aと雄部6aとの間には隙間が生じている。この隙間の大きさは、特に限定されないが、例えば、雌部5aと雄部6aとの距離L1で、1.5mm以上2.5mm以下であることが好ましく、拡張部5bと雄部6aとの距離L2で、2mm以上5mm以下であることが好ましい。
【0028】
焼き型5および押し型6の材質は、例えば鉄,アルミニウム合金,ステンレスなどが挙げられる。
【0029】
本実施の形態のクレープ生地1およびクレープ菓子2は、例えば、上述したクレープ生地製造装置4を用いて、次のようにして製造することができる。
【0030】
まず、図7に示したように、熱したクレープ生地製造装置4の雌部5aの内部に適量のクレープ生地用材料10を流し込む。その際、クレープ生地製造装置4の雌部5aには、予め油を塗っておいてもよい。また、クレープ生地用材料10としては、例えば、小麦粉と、バターと、水と、必要に応じてバニラエッセンス,砂糖あるいは牛乳とを混合したものを用いることができる。
【0031】
次いで、図8に示したように、押し型6を反転させて、雄部6aを雌部5aに勘合させる。その際、クレープ生地用材料10は、雌部5aと雄部6aとの隙間を満たす。続いて、クレープ生地用材料10を焼き固め、クレープ生地1を作成する。
【0032】
続いて、図9に示すように、雄部6aを雌部5aから離すようにして、押し型6を連結部7を軸にして反転させる。なお、図10に示すように、焼き型5と押し型6とを半回転させて上下を入れ変えたのち、図11に示すように、雄部6aから雌部5aを離すようにして、焼き型5を反転させてもよい。次いで、クレープ生地製造装置4からクレープ生地1を取り出し、例えば、図12に示したように、クレープ菓子2の受け皿11に配置したのち、クレープ生地1の内部に具材3を配置する。これにより、クレープ菓子2が完成する。なお、図12では、受け皿11にクレープ菓子2を8個並べているが、いくつでもよい。
【0033】
このように、本実施の形態に係るクレープ生地1およびクレープ菓子2によれば、凹状に形成するようにしたので、具材3を内部に入れることができると共に、小さくすることもでき、更に具材の配置により美観を良くすることもできる。
【0034】
特に、凹状に形成された本体部1aと、本体部1aの開口端部に、本体部1aの開口端部よりも厚みが厚くなるように形成された肉厚部1bとを有するようにすれば、食べる際に持ちやすくすることができる。
【0035】
また、本実施の形態に係るクレープ生地1の製造方法によれば、凹状の雌部6aにクレープ生地用材料10を流し込んだのち、焼き型5における雌部5aと、押し型6における雄部6aとを勘合させて焼くようにしたので、本実施の形態に係るクレープ生地1を容易に製造することができる。
【0036】
更に、本実施の形態に係るクレープ生地製造装置4によれば、焼き型5と押し型6とを、連結部7において連結させ、押し型6を、焼き型5との連結部7を軸に反転させ、雌部5aと雄部6aとを勘合させるようにしたので、本実施の形態に係るクレープ生地1を容易に製造することができる。また、複数の雄部6aおよび雌部5aを有するようにすれば、一度に複数のクレープ生地を製造することもできる。
【0037】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定される
ものではなく、種々変形可能である。例えば、クレープ生地製造装置10は、図13に示すように、一対の焼き型5と押し型6とを、複数備えていてもよいし、加熱手段12を備えていてもよい。加熱手段12としては、例えば、ガスを供給源とするものであってもよいし、電気を供給源とするものであってもよい。なお、図13では、一対の焼き型5と押し型6とを2個備えているが、3個以上備えていてもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、クレープ生地製造装置4を用いてクレープ生地1を製造する場合について説明したが、例えば、図14に示すように、凹状の雌部15aを有する焼き型15の雌部15aにクレープ生地用材料を流し込んだのち、凸状の雄部16aを有する押し型16を、焼き型15の上方から、雌部15aと雄部16aとが勘合するように配置してクレープ生地用材料を焼き固めることにより、凹状のクレープ生地を形成するようにしてもよい。その際、雌部15aの内径,深さ,および雄部16aの外径,高さは、例えば、それぞれ雌部5の内径,深さ,および雌部6aの外径,高さと同様であり、また、焼き型15および押し型16の材質は、例えば、焼き型5および押し型6の材質と同様である。また、雌部15aと雄部16aとを勘合させた状態においては、雌部15aと雄部16aとの間の隙間の大きさを、例えば、雌部15aと雄部16aとの距離で、1.5mm以上2.5mm以下とすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
新しい菓子の分野に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のクレープ生地の一例を表す斜視図(A)および断面図(B)である。
【図2】本発明のクレープ生地の他の一例を表す断面図である。
【図3】本発明のクレープ菓子の一例を表す斜視図である。
【図4】本発明のクレープ生地製造装置の一例を表す斜視図である。
【図5】図3に示したクレープ生地製造装置のI−I線に沿った断面図である。
【図6】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の説明図である。
【図7】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図8】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図9】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図10】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図11】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図12】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図13】本発明のクレープ生地製造装置の他の一例を表す斜視図である。
【図14】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1…クレープ生地、1a…本体部、1b…肉厚部、2…クレープ菓子、3…具材、4…クレープ生地製造装置、5,15…焼き型、5a,15a…雌部、5b…拡張部、6,16…押し型、6a,16a…雄部、7…連結部、8,9…持ち手、10…クレープ生地用材料、11…受け皿、12…加熱手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレープ生地およびその製造方法,クレープ生地製造装置,ならびにクレープ菓子に関する。
【背景技術】
【0002】
クレープ菓子は、通常、小麦粉,牛乳あるいは卵などを含むクレープ生地用材料を、鉄板などで円くかつ平たく焼いた後、生クレームなどの具材を挟み込んで折り畳んだり、あるいは円錐状に巻くことにより形成する。このようなクレープ菓子としては、例えば、特許文献1に提案されているものがある。
【特許文献1】実用新案登録3087625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなクレープ菓子では、クレープ生地を焼く際に、ある程度の技術を必要すると共に、一度にたくさんの生地を製造することは困難であった。
【0004】
また、具材を挟んだりするので、クレープ生地の大きさを大きくする必要があり、例えば、女性や子供にとっては、ボリュームが多すぎるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、大きさを小さくすることができるクレープ生地およびクレープ菓子、クレープ生地の製造方法ならびにクレープ生地製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のクレープ生地は、凹状に形成されたものである。
【0007】
本発明のクレープ菓子は、凹状に形成されたクレープ生地の凹部に、具材を備えたものである。
【0008】
本発明のクレープ生地の製造方法は、凹状の雌部を有する焼き型の雌部にクレープ生地用材料を流し込んだのち、凸状の雄部を有する押し型を用い、焼き型の雌部と、押し型の雄部とを勘合させて焼くことにより、凹状のクレープ生地を形成するものである。
【0009】
本発明のクレープ生地の製造装置は、少なくとも1つの凹状の雌部を有する焼き型と、少なくとも1つの凸状の雄部を有する押し型とを備え、焼き型と押し型とは、一部において連結しており、押し型は、焼き型との連結部分を軸に反転して、雌部と雄部とが勘合するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のクレープ生地およびクレープ菓子によれば、凹状に形成するようにしたので、具材を内部に入れることができると共に、小さくすることもできる。また、具材の配置により美観を良くすることもできる。
【0011】
また、凹状に形成された本体部と、本体部の開口端部に、本体部の開口端部よりも厚みが厚くなるように形成された肉厚部とを有するようにすれば、食べる際に持ちやすくすることができる。
【0012】
本発明のクレープ生地の製造方法によれば、凹状の雌部を有する焼き型の雌部にクレープ生地用材料を流し込んだのち、焼き型の雌部と、押し型の凸部とを勘合させて焼くようにしたので、本発明のクレープ生地を容易に製造することができる。
【0013】
本発明のクレープ生地製造装置によれば、焼き型と押し型とを、一部において連結させ、押し型を、焼き型との連結部分を軸に反転させて、雌部と雄部とが勘合するようにしたので、本発明のクレープ生地を容易に製造することができる。また、複数の雄部および雌部を有するようにすれば、一度に複数のクレープ生地を製造することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1(A)は、本発明の一実施の形態に係るクレープ生地1の斜視図であり、図1(B)は、クレープ生地1の断面図である。このクレープ生地1は、小麦粉,牛乳あるいは卵などを含むクレープ生地用材料を薄く延ばして焼いたものであり、凹状に形成されている。これにより、凹部に具材を入れることができるようになっている。また、具材の量を調整しやすいので、大きさを小さくすることもできる。更に、具材に対するクレープ生地の割合を容易に調整することができるので、従来のクレープ菓子とは異なる食感を得ることができる。加えて、具材を視認することができるので、具材の配置により美観を良くすることもできる。
【0016】
クレープ生地1は、全体にわたってほぼ同じような厚みであってもよいが、例えば図1に示したように、凹状に形成された本体部1aと、本体部1aの開口端部に、本体部1aの開口端部よりも厚みが厚くなるように形成された肉厚部1bとを有していることが好ましい。肉厚部1bは、本体部1aの開口端部よりも少なくとも外側に向かって拡張されることにより厚みが厚くなっていることが好ましい。食べる際に持ちやすくすることができるからである。
【0017】
クレープ生地1の大きさは、具材の種類や大きさ、あるいは量などにより適宜調整することができるが、食べやすさなどを考えると、本体部1aの幅(外径)Wは、例えば35mm以上50mm以下であり、高さHは、例えば25mm以上35mm以下であることが好ましい。
【0018】
また、クレープ生地1の厚みは、適宜調整することができるが、本体部1aの厚みTは1.5mm以上2.5mm以下であることが好ましい。厚みが薄すぎると、破損したり、あるいはクレープ生地1の食感の印象が小さくなってしまう場合があり、厚みが厚すぎると、クレープ生地1の食感の印象が大きくなり過ぎてしまう場合があるからである。
【0019】
なお、図1(A),(B)では、クレープ生地1の断面形状がU字形のものを示したが、例えば図2(A)〜(C)に示したように、V字形,コの字形あるいは台形などの他の形状であってもよい。
【0020】
図3は、クレープ菓子2の斜視図であり、クレープ生地1の凹部に、具材3を入れたものである。具材3としては、例えば、生クリーム,カスタードクリームあるいはチョコレートクリームなどのクリーム類、あん,チョコレート,チョコチップあるいはアイスクリームなどの菓子類、ジャム類、ペースト類、バナナ,いちご,キウイ,チェリー,ブルーベリーあるいはレーズンなどの果物類、ツナなどの魚介類、レタスなどの野菜類が挙げられる。これらの具材3は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよく、適度な大きさにして用いてもよい。例えば、生クリームに果物のジャムやペーストを混ぜて用いるようにすれば、見た目も美しく、味も楽しむことができるので好ましい。
【0021】
これらのクレープ生地1およびクレープ菓子2は、例えば、次のようなクレープ生地製造装置4を用いて製造することができる。
【0022】
図4は、そのクレープ生地製造装置4の斜視図である。このクレープ生地製造装置4は、焼き型5と、押し型6とを有しており、焼き型5と押し型6とは、連結部7を介して連結している。また、焼き型5には、凹状の雌部5aが形成されており、押し型6には、凸状の雄部6aが形成されている。なお、図4では、雌部5aと雄部6aとが複数ずつ形成されているが、各一つずつでもよく、複数ずつ形成する場合にはその数はいくつでもよい。例えば、図4では2列×8個ずつ形成されているが、列は1列でも3列以上でもよく、1列における数もいくつでもよく、列ごとに数が異なっていてもよい。
【0023】
焼き型5および押し型6は、例えば、それぞれ持ち手8,9を備えており、例えば、焼き型5および押し型6を、連結部7を軸にして反転させることができるようになっている。
【0024】
図5は、図4に示したクレープ生地製造装置4のI−I線に沿った断面構成を表すものである。また、図6は、押し型6を、連結部7を軸にして反転させ、雌部5aと雄部6aとを勘合させた状態を表したものである。
【0025】
焼き型5における雌部5aの内径W1および深さD1は、製造するクレープ生地1の大きさに合わせて適宜調整することができるが、例えば、内径W1は、35mm以上50mm以下であり、深さD1は、25mm以上35mm以下であることが好ましい。また、雌部5aの上端部には、クレープ生地1の肉厚部1bに対応して、内径W1を拡大した拡張部5bが設けられていることが好ましい。
【0026】
押し型6における雄部6aは、焼き型5における雌部5aと勘合するような形状であればよい。また、雄部6aの外径W2および高さH2は、雌部5aの大きさに合わせて適宜調整することができるが、例えば、外径W2は、30mm以上47mm以下であり、高さH2は、22.5mm以上33.5mm以下であることが好ましい。
【0027】
雌部5aと雄部6aとを勘合させた状態においては、雌部5aと雄部6aとの間には隙間が生じている。この隙間の大きさは、特に限定されないが、例えば、雌部5aと雄部6aとの距離L1で、1.5mm以上2.5mm以下であることが好ましく、拡張部5bと雄部6aとの距離L2で、2mm以上5mm以下であることが好ましい。
【0028】
焼き型5および押し型6の材質は、例えば鉄,アルミニウム合金,ステンレスなどが挙げられる。
【0029】
本実施の形態のクレープ生地1およびクレープ菓子2は、例えば、上述したクレープ生地製造装置4を用いて、次のようにして製造することができる。
【0030】
まず、図7に示したように、熱したクレープ生地製造装置4の雌部5aの内部に適量のクレープ生地用材料10を流し込む。その際、クレープ生地製造装置4の雌部5aには、予め油を塗っておいてもよい。また、クレープ生地用材料10としては、例えば、小麦粉と、バターと、水と、必要に応じてバニラエッセンス,砂糖あるいは牛乳とを混合したものを用いることができる。
【0031】
次いで、図8に示したように、押し型6を反転させて、雄部6aを雌部5aに勘合させる。その際、クレープ生地用材料10は、雌部5aと雄部6aとの隙間を満たす。続いて、クレープ生地用材料10を焼き固め、クレープ生地1を作成する。
【0032】
続いて、図9に示すように、雄部6aを雌部5aから離すようにして、押し型6を連結部7を軸にして反転させる。なお、図10に示すように、焼き型5と押し型6とを半回転させて上下を入れ変えたのち、図11に示すように、雄部6aから雌部5aを離すようにして、焼き型5を反転させてもよい。次いで、クレープ生地製造装置4からクレープ生地1を取り出し、例えば、図12に示したように、クレープ菓子2の受け皿11に配置したのち、クレープ生地1の内部に具材3を配置する。これにより、クレープ菓子2が完成する。なお、図12では、受け皿11にクレープ菓子2を8個並べているが、いくつでもよい。
【0033】
このように、本実施の形態に係るクレープ生地1およびクレープ菓子2によれば、凹状に形成するようにしたので、具材3を内部に入れることができると共に、小さくすることもでき、更に具材の配置により美観を良くすることもできる。
【0034】
特に、凹状に形成された本体部1aと、本体部1aの開口端部に、本体部1aの開口端部よりも厚みが厚くなるように形成された肉厚部1bとを有するようにすれば、食べる際に持ちやすくすることができる。
【0035】
また、本実施の形態に係るクレープ生地1の製造方法によれば、凹状の雌部6aにクレープ生地用材料10を流し込んだのち、焼き型5における雌部5aと、押し型6における雄部6aとを勘合させて焼くようにしたので、本実施の形態に係るクレープ生地1を容易に製造することができる。
【0036】
更に、本実施の形態に係るクレープ生地製造装置4によれば、焼き型5と押し型6とを、連結部7において連結させ、押し型6を、焼き型5との連結部7を軸に反転させ、雌部5aと雄部6aとを勘合させるようにしたので、本実施の形態に係るクレープ生地1を容易に製造することができる。また、複数の雄部6aおよび雌部5aを有するようにすれば、一度に複数のクレープ生地を製造することもできる。
【0037】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定される
ものではなく、種々変形可能である。例えば、クレープ生地製造装置10は、図13に示すように、一対の焼き型5と押し型6とを、複数備えていてもよいし、加熱手段12を備えていてもよい。加熱手段12としては、例えば、ガスを供給源とするものであってもよいし、電気を供給源とするものであってもよい。なお、図13では、一対の焼き型5と押し型6とを2個備えているが、3個以上備えていてもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、クレープ生地製造装置4を用いてクレープ生地1を製造する場合について説明したが、例えば、図14に示すように、凹状の雌部15aを有する焼き型15の雌部15aにクレープ生地用材料を流し込んだのち、凸状の雄部16aを有する押し型16を、焼き型15の上方から、雌部15aと雄部16aとが勘合するように配置してクレープ生地用材料を焼き固めることにより、凹状のクレープ生地を形成するようにしてもよい。その際、雌部15aの内径,深さ,および雄部16aの外径,高さは、例えば、それぞれ雌部5の内径,深さ,および雌部6aの外径,高さと同様であり、また、焼き型15および押し型16の材質は、例えば、焼き型5および押し型6の材質と同様である。また、雌部15aと雄部16aとを勘合させた状態においては、雌部15aと雄部16aとの間の隙間の大きさを、例えば、雌部15aと雄部16aとの距離で、1.5mm以上2.5mm以下とすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
新しい菓子の分野に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のクレープ生地の一例を表す斜視図(A)および断面図(B)である。
【図2】本発明のクレープ生地の他の一例を表す断面図である。
【図3】本発明のクレープ菓子の一例を表す斜視図である。
【図4】本発明のクレープ生地製造装置の一例を表す斜視図である。
【図5】図3に示したクレープ生地製造装置のI−I線に沿った断面図である。
【図6】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の説明図である。
【図7】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図8】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図9】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図10】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図11】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図12】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【図13】本発明のクレープ生地製造装置の他の一例を表す斜視図である。
【図14】本発明のクレープ生地およびクレープ菓子の製造工程の他の説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1…クレープ生地、1a…本体部、1b…肉厚部、2…クレープ菓子、3…具材、4…クレープ生地製造装置、5,15…焼き型、5a,15a…雌部、5b…拡張部、6,16…押し型、6a,16a…雄部、7…連結部、8,9…持ち手、10…クレープ生地用材料、11…受け皿、12…加熱手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹状に形成されたクレープ生地。
【請求項2】
凹状に形成された本体部と、本体部の開口端部に、本体部の開口端部よりも厚みが厚くなるように形成された肉厚部とを有することを特徴とする請求項1記載のクレープ生地。
【請求項3】
凹状に形成されたクレープ生地の凹部に、具材を備えたことを特徴とするクレープ菓子。
【請求項4】
凹状の雌部を有する焼き型の雌部にクレープ生地用材料を流し込んだのち、凸状の雄部を有する押し型を用い、前記焼き型の雌部と、前記押し型の雄部とを勘合させて焼くことにより、凹状のクレープ生地を形成することを特徴とするクレープ生地の製造方法。
【請求項5】
少なくとも1つの凹状の雌部を有する焼き型と、少なくとも1つの凸状の雄部を有する押し型とを備え、
前記焼き型と前記押し型とは、一部において連結しており、
前記押し型は、前記焼き型との連結部分を軸に反転して、前記雌部と前記雄部とが勘合する
ことを特徴とするクレープ生地製造装置。
【請求項1】
凹状に形成されたクレープ生地。
【請求項2】
凹状に形成された本体部と、本体部の開口端部に、本体部の開口端部よりも厚みが厚くなるように形成された肉厚部とを有することを特徴とする請求項1記載のクレープ生地。
【請求項3】
凹状に形成されたクレープ生地の凹部に、具材を備えたことを特徴とするクレープ菓子。
【請求項4】
凹状の雌部を有する焼き型の雌部にクレープ生地用材料を流し込んだのち、凸状の雄部を有する押し型を用い、前記焼き型の雌部と、前記押し型の雄部とを勘合させて焼くことにより、凹状のクレープ生地を形成することを特徴とするクレープ生地の製造方法。
【請求項5】
少なくとも1つの凹状の雌部を有する焼き型と、少なくとも1つの凸状の雄部を有する押し型とを備え、
前記焼き型と前記押し型とは、一部において連結しており、
前記押し型は、前記焼き型との連結部分を軸に反転して、前記雌部と前記雄部とが勘合する
ことを特徴とするクレープ生地製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−228659(P2008−228659A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73467(P2007−73467)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(507091602)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(507091602)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]