説明

クレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ

【課題】 巻き上げリミット用の重錘を利用した簡単な機構で高精度かつリアルタイムに吊り荷の振れ角を検出することができるクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサを提供すること。
【解決手段】過巻き検出リミットスイッチ用の重錘11に設けたMEMS慣性センサ12をワイヤロープRの振れに追従させ、2本の非自転性ワイヤ13で鉛直軸4周りの回転を拘束しておき、クレーン起伏中心軸と平行な起伏軸2周りとこれと直交する水平な回転軸3周りの2軸の角度または角速度をMEMS慣性センサ12により、制御器での変換の必要をなくして、リアルタイムで精度良く検出するとともに、重錘11を利用することで装置をコンパクトにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クレーンの吊り荷の振れ角度検出センサに関し、ジブクレーンなどの吊り荷の振れ止め制御に必要なワイヤロープの振れ角度を巻き上げリミット用の重錘を利用してコンパクトで高精度、リアルタイムで検出できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来から建築現場や港湾に設置されるクレーンなどでは、吊り荷の振れ止め制御を行って振れを抑えた状態でクレーン作業が行われており、吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープの振れ角度の検出装置を用いて吊り荷の振れ角度を検出し、検出角度に基づいて振れ止め制御が行われている。
【0003】
従来の振れ角度検出装置としては、種々の形式ものが提案されているが、例えば特許文献1には、クレーンのジブの先端部にジンバル機構を介して直交する2軸回りに回動可能な検出ロッドを支持し、この検出ロッドの下端部に押えローラ機構を設けて吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープを挟持し、ワイヤロープの振れに検出ロッドが追従するようにしておき、この検出ロッドの直交する2軸回り(起伏軸、旋回軸)の回転角を検出する角度検出手段を設け、検出角度に基づいて制御器で演算して吊り荷の振れ角度を求めるようにしている。
これにより、押えローラ機構でワイヤロープを挟圧してワイヤロープの撚りの影響を抑えて検出ロッドをワイヤロープの振れに追従させ、精度良く振れ角度を検出するとともに、可動部分を最小限とし、装置をコンパクトにするとともに、摩擦抵抗の影響を抑えて高精度に振れ角度を検出するようにしている。
【0004】
また、特許文献2には、クレーンからワイヤロープを介して吊り下げられたフックの胴体部の側面に、吊り荷の振れ角を計測するための振れ角センサとして光ファイバージャイロを設けるようにし、フックの振れ角を計測して吊り荷の振れ止め制御を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−159106号公報
【特許文献2】特開平08−143272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、この特許文献1のロープ振れ角検出装置では、振れの変位を検出し、後段の制御器にて角度に変換しなければならないため制御器での負担が大きく、高度の演算処理能力をもつ制御器としなければならず、しかも振れの変位を精度よく検出するためには、ワイヤロープの高さ方向に、ある一定以上の長さとした検出ロッドが必要となるとともに、装置が大型化するという問題がある。
また、光ファイバージャイロセンサを用いる場合には、組み込みのためにスペースが必要であり、組み込みに制約があるという問題がある。
【0007】
この発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたもので、制御器での変換の必要がなく、検出ロッドなどの設置のための高さ方向などの組み込みの制約がなく巻き上げリミット用の重錘を利用した簡単な機構で高精度かつリアルタイムに吊り荷の振れ角を検出することができるクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来技術が有する課題を解決するため、この発明の請求項1記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサは、クレーンの吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープが挿通される過巻き検出リミットスイッチ用の重錘に、クレーン起伏中心軸と平行な起伏軸周りとこれと直交する水平な回転軸周りの2軸の角度または角速度を検出するMEMS慣性センサによる姿勢センサを設けて構成したことを特徴とするものである。
【0009】
この発明の請求項2記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサは、請求項1記載の構成に加え、前記重錘のワイヤロープ挿通部に、ワイヤロープを挟むローラガイドを設けて構成したことを特徴とするものである。
【0010】
この発明の請求項3記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサは、請求項1記載の構成に加え、前記重錘に、ワイヤロープが挿通されるロープガイドを重錘と一体または別体に設けて構成したことを特徴とするものである。
【0011】
この発明の請求項4記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記重錘に、一端が間隔をあけてクレーン先端部に取り付けられる自転を防止し得る非自転性ワイヤの他端部を取り付けて構成したことを特徴とするものである。
【0012】
この発明の請求項5記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサは、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、前記重錘を2個で構成し、クレーンの2本のワイヤロープにそれぞれを挿通するとともに、2つの重錘を連結する連結部に前記姿勢センサを設けて構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の請求項1記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサによれば、クレーンの吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープが挿通される過巻き検出リミットスイッチ用の重錘に、クレーン起伏中心軸と平行な起伏軸周りとこれと直交する水平な回転軸周りの2軸の角度または角速度を検出するMEMS慣性センサによる姿勢センサを設けて構成したので、過巻き検出リミットスイッチ用の重錘に設けたMEMS慣性センサをワイヤロープの振れに追従させることができ、クレーン起伏中心軸と平行な起伏軸周りとこれと直交する水平な回転軸周りの2軸の角度または角速度をMEMS慣性センサにより、制御器での変換の必要をなくして、リアルタイムで精度良く検出することができるとともに、重錘を利用することで装置をコンパクトにすることができる。
これにより、リアルタイムで得られる振れ角度を用いることで、高精度に吊り荷の振れ止め制御を行なうことができる。
【0014】
この発明の請求項2記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサによれば、前記重錘のワイヤロープ挿通部に、ワイヤロープを挟むローラガイドを設けて構成したので、ローラガイドでワイヤロープを挟むようにすることで、重錘とワイヤロープとの間の遊びを少なくし、一層高精度にワイヤロープの振れ角度を検出することができる。
【0015】
この発明の請求項3記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサによれば、前記重錘に、ワイヤロープが挿通されるロープガイドを重錘と一体または別体に設けて構成したので、ロープガイドと重錘とを一体として小径の挿通穴を備えた高さの高い肉厚のロープガイドとしたり、重錘の上端部に突き出して別体として設けたロープガイドによってもワイヤロープとの遊びをなくすことができ、こうすることでも一層高精度にワイヤロープの振れ角度を検出することができる。
【0016】
この発明の請求項4記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサによれば、前記重錘に、一端が間隔をあけてクレーン先端部に取り付けられる自転(鉛直軸周りの回転)を防止し得る非自転性ワイヤの他端部を取り付けて構成したので、非自転性ワイヤで重錘の自転(鉛直軸周りの回転)を拘束することで、一層高精度にワイヤロープの振れ角度を検出することができる。
【0017】
この発明の請求項5記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサによれば、前記重錘を2個で構成し、クレーンの2本のワイヤロープにそれぞれを挿通するとともに、2つの重錘を連結する連結部に前記姿勢センサを設けて構成したので、大型クレーンの2本のワイヤロープの振れ角度を検出することで、一層高精度にワイヤロープの振れ角度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明のクレーンの振れ角度検出センサの一実施の形態にかかるクレーンに取り付けた状態の概略正面図および概略左側面図である。
【図2】この発明のクレーンの振れ角度検出センサの一実施の形態にかかる概略斜視図である。
【図3】この発明のクレーンの振れ角度検出センサの一実施の形態にかかる分解状態の概略斜視図である。
【図4】この発明のクレーンの振れ角度検出センサの他の一実施の形態にかかるローラガイドを備えた縦断面図および平面図である。
【図5】この発明のクレーンの振れ角度検出センサのさらに他の一実施の形態にかかるロープガイドを備えた概略斜視図およびロープガイド兼用重錘の概略斜視図である。
【図6】この発明のクレーンの振れ角度検出センサの他の一実施の形態にかかる概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
このクレーンの振れ角度検出センサ10は、クレーンのフックの過巻き検出リミットスイッチ用の重錘11に姿勢センサとしてMEMS慣性センサ12を取り付け、例えば重錘11の自転(鉛直軸周りの回転)を防止するため2本の非自転性ワイヤ13、13でワイヤロープR周りの重錘11の自転を拘束しておくことで、ワイヤロープRの振れからクレーンのジブの起伏中心軸と平行な起伏軸2周りと、これと直交する水平な回転軸3周りの角度または角速度を吊り荷用のワイヤロープRに挿通した重錘11のMEMS慣性センサ12によりリアルタイムで精度良く検出するもので、制御器での変換の必要をなくすとともに、検出精度を確保するための長い吊り下げロッドを必要とせず、装置をコンパクトにする。
これにより、リアルタイムで得られる振れ角度を用いることで、高精度に吊り荷の振れ止め制御を行なうことができる。
【0020】
このクレーンの振れ角度検出センサ10では、吊り荷の過巻き検出リミットスイッチ用の中心部にワイヤロープRの挿通穴11aが形成された円筒状の重錘11に、センサ取付ブラケット14が取り付けられる。このセンサ取付ブラケット14は重錘11の上面に当てる上面板14aおよび2つの側面に当てる直交する2つの側面板14b,14cの3つの面板を備えており、上面板14aにコ字状の開口部が形成され、開口部両側の取付穴を介して重錘11を貫通する2本のボルト15でセンサ取付ブラケット14が固定される。
【0021】
センサ取付ブラケット14の側面板14bに姿勢センサとしてのMEMS(micro electro mechanical systems)慣性センサ12が取り付けられ、センサカバー16がシールゴムを介して取り付けられて全体が覆われており、センサカバー16の底部に配線類の取出穴が形成され、配線類を取り出せるようにしてある。
【0022】
このようなセンサ取付ブラケット14を取り付けた重錘11には、上下にワイヤガイドプレート17,18が2枚ずつ取り付けられる。
上部ワイヤガイドプレート17は、略矩形の板状とされ、U字状の開口部17aの奥側にワイヤロープRの外径よりわずかに大径の半円部17bが形成されて構成され、開口部17aの両側の取付穴を介して重錘11を貫通する2本のボルト15で2枚の上部ワイヤガイドプレート17が固定される。
下部ワイヤガイドプレート18は、略円形の板状とされ、U字状の開口部18aの奥側にワイヤロープRの外径よりわずかに大径の半円部18bが形成されて構成され、開口部18aの両側の取付穴を介して重錘11を貫通する2本のボルト15で2枚の下部ワイヤガイドプレート18が固定される。
これら上部ワイヤガイドプレート17および下部ワイヤガイドプレート18によって重錘11の中心部のワイヤロープRの挿通穴11aが大きくとも半円部17b,18bによってワイヤロープRとの隙間(遊び)が小さくなり、ワイヤロープRの振れが精度良く重錘11に伝達されることになる。
【0023】
下部ワイヤガイドプレート18の下側には、クッションゴム19が取り付けられ、フックが当る場合の衝撃を緩和するようにしてあり、中心部に貫通穴19aが形成された略円板状とされ、一箇所にスリット19bが形成されてワイヤロープRを挿通できるとともに、貫通穴19aの両側の取付穴を介して重錘11を貫通する2本のボルト15で取り付けられるが、ボルト15の頭部が突き出さないように座ぐりが設けてある。
【0024】
このように構成したクレーンの振れ角度検出センサ10では、重錘11の上方から吊り荷を巻上げ下げするワイヤロープRが、2枚の上部ガイドプレート17の開口部17aおよびセンサ取付ブラケット14の開口部を介して挿通穴11aに挿通され、さらに2枚の下部ガイドプレート18の開口部18aおよびクッションゴム19の貫通穴19aを経てフックに至るように配索される。
そして、ワイヤロープRが挿通された重錘11の上部に2本の非自転性ワイヤ13,13が連結され、上端部がクレーン1のジブの先端部の点検用歩道部分などの固定部分に間隔をあけて取り付けてある。
これにより、重錘11は、鉛直軸4軸周りの回動は規制されるようになり、重錘11は、クレーンの起伏中心軸と平行な起伏軸2およびこれと直交する水平な回転軸3を中心に振れ動くことができるようになる。
【0025】
したがって、重錘11のセンサ取付ブラケット14の側面板14bに取り付けたMEMS(micro electro mechanical systems)慣性センサ12で、クレーンの起伏中心軸と平行な起伏軸2およびこれと直交する水平な回転軸3を中心とする直交する2軸の振れ角度または角速度を検出することができ、このMEMS慣性センサ12の検出信号が図示しない振れ止め制御装置に入力されることで、吊り荷の振れ止め制御を簡単に行うことができる。
【0026】
このクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ10によれば、過巻き検出リミットスイッチ用の重錘11に設けたMEMS慣性センサ12をワイヤロープRの振れに追従させることができ、クレーン起伏中心軸と平行な起伏軸2周りとこれと直交する水平な回転軸3周りの2軸の角度または角速度をMEMS慣性センサ12により、制御器での変換の必要をなくして、リアルタイムで精度良く検出することができ、重錘11を利用することで装置をコンパクトにすることができる。
【0027】
また、これまでのクレーンの振れ角度検出装置では、例えば精度を0.1±0.01degや分解能0.01degを確保するためには、センサ部分を吊り下げる検出ロッドを一定以上の長さにしなければならず、吊りワイヤロープの長さを40mとした場合、吊り荷の振れ幅(両振幅)1mを上記分解能で正確に計測するためには、検出ロッドを2m以上にする必要があることが検証されていることに比較し、重錘11を利用する場合には、制約がなく、通常の重錘の位置で良く、装置をコンパクトにすることができる。
【0028】
また、このクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ10によれば、非自転性ワイヤ13,13で重錘11の自転(鉛直軸周りの回転)を拘束することで、一層高精度にワイヤロープRの振れ角度を検出することができる。
【0029】
次に、このクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサの他の実施の形態について説明する。
このクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ10Aでは、吊り荷用のワイヤロープRと重錘11の挿通穴11aとの間の隙間(遊び)があると、ワイヤロープRの振れ角の検出精度に大きく影響するため、重錘11の挿通穴11aの内側にローラガイド21が設けてあり、円周方向に120度の間隔の3箇所で、上下方向の3箇所に設けてある。
このようなローラガイド21でワイヤロープRを周囲3方向および上下3箇所から挟むようにすることで、隙間(遊び)を少なくすることができ、ワイヤロープRの振れを精度良く検出することができる。
【0030】
また、クレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ10Bでは、重錘11の挿通穴11aに比べて小径のパイプで構成したロープガイド22が重錘11の上部中心に突き出すように設けてあり、この小径のロープガイド22によっても隙間(遊び)を少なくすることができ、ワイヤロープRの振れを精度良く検出することができる。
なお、ロープガイド22自体の肉厚を厚くすることで、重錘11と兼用し、高さの高いロープガイド兼用重錘23とすることもでき、同様に、ワイヤロープRとの隙間(遊び)を少なくすることができ、ワイヤロープRの振れを精度良く検出することができる。
【0031】
さらに、クレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ10Cでは、これまでのクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ10〜10Bは吊り荷用のワイヤロープRの1本に重錘11、またはロープガイド兼用重錘23を挿通するようにしたが、ここでは、2本の吊り荷用のワイヤロープR,Rにそれぞれ重錘11,11を挿通するとともに、連結板24で2つの重錘11,11が連結してあり、連結板24に姿勢センサとしてのMEMS慣性センサ12が取り付けられ、センサカバー16で覆われている。
このようなクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ10Cによれば、大型クレーンの2本のワイヤロープR,Rの振れから振れ角度を検出することができ、1本のワイヤロープRの振れから検出する場合に比べ、一層高精度にワイヤロープR,Rの振れ角度を検出することができる。
なお、このクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ10Cに対しても、ローラガイド21やロープガイド22、ロープガイド兼用重錘23を組み合せるようにすることもでき、さらに高精度に振れ角を検出することができる。
【0032】
なお、上記実施の形態では、クレーンとしてジブクレーンを例に説明したが、これに限らず、他の形式のクレーンであっても吊り荷用のワイヤロープを用いるものであれば同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 クレーン
2 ジブの起伏中心軸と平行な起伏軸
3 起伏軸2と直交する水平回転軸
4 鉛直軸と平行な軸
R 吊り荷用のワイヤロープ
10 クレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ
11 重錘
11a 挿通穴
12 MEMS慣性センサ
13 非自転性ワイヤ
14 センサ取付ブラケット
14a 上面板
14b 側面板
14c 側面板
15 ボルト
16 センサカバー
17 上部ガイドプレート
17a 開口部
17b 半円部
18 下部ガイドプレート
18a 開口部
18b 半円部
19 クッションゴム
19a 貫通穴
19b スリット
10A クレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ
21 ローラガイド
10B クレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ
22 ロープガイド
23 ロープガイド兼用重錘
10C クレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ
24 連結板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンの吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープが挿通される過巻き検出リミットスイッチ用の重錘に、クレーン起伏中心軸と平行な起伏軸周りとこれと直交する水平な回転軸周りの2軸の角度または角速度を検出するMEMS慣性センサによる姿勢センサを設けて構成したことを特徴とするクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ。
【請求項2】
前記重錘のワイヤロープ挿通部に、ワイヤロープを挟むローラガイドを設けて構成したことを特徴とする請求項1記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ。
【請求項3】
前記重錘に、ワイヤロープが挿通されるロープガイドを重錘と一体または別体に設けて構成したことを特徴とする請求項1記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ。
【請求項4】
前記重錘に、一端が間隔をあけてクレーン先端部に取り付けられる自転を防止し得る非自転性ワイヤの他端部を取り付けて構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクレーンの吊荷の振れ角度検出センサ。
【請求項5】
前記重錘を2個で構成し、クレーンの2本のワイヤロープにそれぞれを挿通するとともに、2つの重錘を連結する連結部に前記姿勢センサを設けて構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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