クレーンゲーム機
【課題】 管理者による作業負担を増大させることなく、簡単な構造によってプレーヤが複数の景品を取得できるようにすると共に、特定の景品をプレーヤに対してアピールできるようにする。
【解決手段】 クレーンゲーム機10は、クレーンアーム18と、筐体内に設けられた、景品を載置するための景品フィールド16と、景品を筐体外に払い出すための景品取出口21と連通された景品落とし口20と、景品落とし口20の上方に設けられた、支点機構により支持されて両端が上下するように構成されたシーソー板19とを設けている。
【解決手段】 クレーンゲーム機10は、クレーンアーム18と、筐体内に設けられた、景品を載置するための景品フィールド16と、景品を筐体外に払い出すための景品取出口21と連通された景品落とし口20と、景品落とし口20の上方に設けられた、支点機構により支持されて両端が上下するように構成されたシーソー板19とを設けている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品を取得することができるクレーンゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム機は、ケース内に多数収容されたキャラクタ商品の人形やぬいぐるみなどの景品を、ボタンやジョイスティックなどの操作によりクレーンアームを制御して取得するゲームである。クレーンゲーム機の景品が載置された景品フィールドには、ケース外部と連通された景品払い出し口が設けられており、クレーンアームによって把持させた景品を景品落とし口の上方まで移動させ、その位置で落下させることにより景品を受け取ることができる。
【0003】
一般のクレーンゲーム機は、クレーンアームによって景品を把持させるため、1回のクレーンアームの動作によって基本的に1つの景品しか取得することができない。プレーヤにゲームへの興味を持ってもらうためには、複数の景品を取得できるようにしたり、人気のある景品や高価な景品など特定の景品を取得できるようにすることが有効である。
【0004】
従来では、ゲーム機の管理者によって景品落とし口の周辺に景品を山積みしておくことにより、この山積みされている景品をクレーンアームによって崩すことにより複数の景品を取得することを可能にしたり、あるいはジャックポット景品を払い出す機構を設けるなどしている。例えば、特許文献1に記載された景品取得ゲーム機は、ジャックポット用の複数の景品を載置できる景品ホルダーを設け、この景品ホルダーをスライドさせて景品落とし口に移動させることにより、景品ホルダーに載置された複数の景品をまとめて取得できるようにしている。
【0005】
また、特定の景品については、他の一般の景品と混在して景品フィールドに載置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−271792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来では、複数の景品をプレーヤがまとめて取得できるようにするためには、管理者が特別な形態によって景品を積み上げる作業をしたり、ジャックポット景品を払い出す機構などの特別な構成をゲーム機に実装しなければならなかった。
【0008】
また、特定の景品については、他の景品と同様にクレーンアームを操作して取得できるようにしているだけであり、プレーヤに対してよりアピールできるようにすることが望まれていた。
【0009】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、管理者による作業負担を増大させることなく、簡単な構造によってプレーヤが複数の景品を取得できるようにすると共に、特定の景品をプレーヤに対してアピールできるクレーンゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、クレーンアームと、前記クレーンアームの動作を制御するアーム制御手段と、筐体内に設けられた、景品を載置するための景品フィールドと、前記景品を筐体外に払い出すための景品取り出し口と連通された景品落とし口と、前記景品落とし口の上方に設けられた、支点機構により支持されて両端が上下するように構成されたシーソー板とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、管理者による作業負担を増大させることなく、簡単な構造によってプレーヤが複数の景品を取得できるようになると共に、特定の景品をプレーヤに対してアピールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態におけるクレーンゲーム機の外観構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態におけるクレーンゲーム機の機能構成を示すブロック図。
【図3】シーソー板の配置を説明するための図。
【図4】シーソー板の配置を説明するための図。
【図5】シーソー板の支点機構の詳細な構成を示す図。
【図6】回転軸部材の内部に設けられた制動機能の一例を示す図。
【図7】回転軸部材の内部に設けられた制動機能の一例を示す図。
【図8】シーソー板に景品が載置された状態の一例を示す図。
【図9】クレーンアームからシーソー板に景品が落下される場合の一連の様子を示す図。
【図10】クレーンアームからシーソー板に景品が落下される場合の一連の様子を示す図。
【図11】シーソー板を支持する支点機構の周辺構造を示す斜視図。
【図12】シーソー板に景品が載置された状態の一例を示す図。
【図13】支点機構の内部の詳細な構成を示す図。
【図14】支点機構に対して調整作業をしている状態の一例を示す図。
【図15】調整作業により変化するバネの状態の一例を示す図。
【図16】調整作業により変化するバネの状態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるクレーンゲーム機10の外観構成を示す斜視図である。図1に示すように、クレーンゲーム機10は、上部筐体12と下部筐体13とから構成されている。上部筐体12は、前面と側面の一部がアクリル板などの透明板15に覆われており、透明板15を通じて筐体内部の景品フィールド16が視認できるようになっている。透明板15は、例えば正面側が開閉可能に構成されており、景品フィールド16への景品の入れ替えや補充、あるいは後述するシーソー板19上に景品を載置する場合等に開放することができる。また、透明板15を取り外し可能としても良い。
【0014】
本実施形態におけるクレーンゲーム機10は、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、景品フィールド16が仕切板14によって左右2つに区分されている。仕切板14により区分された2つの景品フィールド16に、それぞれ景品を積載することができる。また、クレーンゲーム機10の前面側(プレーヤ側)には、横長に景品落とし口20が設けられている。本実施形態におけるクレーンゲーム機10では、筐体のほぼ横幅全体に渡って景品落とし口20が設けられ、左側半分が左側でプレイするプレーヤ用、右側半分が右側でプレイするプレーヤ用の景品落とし口20として使用される。景品フィールド16上の景品落とし口20との境界近傍には、景品落とし口ガード22が設けられている。景品落とし口ガード22は、景品フィールド16に積載された景品を、景品落とし口20に落下しないように支える。
【0015】
左右の景品フィールド16の上方には、それぞれ、プレーヤ操作によって動作が制御されるクレーンアーム18が、クレーンアーム18を動作させる機構部を介して装着されている。
【0016】
下部筐体13の正面側には、景品取出口21やプレーヤによって操作が行われるコンパネ部23が設けられている。景品取出口21は、筐体内(景品フィールド)から景品を外部に取り出すためのもので、筐体内に設けられた景品落とし口20と連通している。クレーンアーム18を動作させることにより景品が景品落とし口20に落下されることにより、景品取出口21から景品を取り出すことができる。
【0017】
コンパネ部23には、クレーンアーム18を操作するためのジョイスティック24やボタン25、コイン投入口26、表示装置27(例えば7セグ表示器)等が設けられている。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカが設けられている(図示せず)。
【0018】
上部筐体12内の景品フィールド16の上方には、クレーンアーム18と、クレーンアーム18を景品フィールド16の上部において、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるための機構部(図示せず)が設けられている。クレーンアーム18は、ジョイスティック24やボタン25に対するプレーヤ操作に応じて動作する機構部によってXY方向で所定の位置に移動されると、景品フィールド上の景品を把持するために下方に移動される。クレーンアーム18の先端部には、景品を把持するための2本の把持爪18a(アーム)が設けられている(なお、3本あるいは4本の把持爪18aを設けても良い)。把持爪18aは、クレーンアーム18が下降されて景品に到達した位置で、閉じる(物を把持する)ように動作が制御される。
【0019】
本実施形態におけるクレーンゲーム機10では、景品落とし口20の上方にシーソー板19が設けられている。図1に示す構成例では、筐体横方向の中央に支点が設けられ、シーソー板19の両端が上下に移動するように構成されている。すなわち、シーソー板19は、右側プレーヤ用の景品落とし口20(第1の景品落とし口)、あるいは左側プレーヤ用の景品落とし口20(第2の景品落とし口)の何れかの向きに傾斜することができる。シーソー板19には景品を載置することができる。シーソー板19は、載置された景品によって左右のバランスが取れている場合には水平状態を保っているが、例えばクレーンアーム18の操作によって景品フィールド16上から取得された景品がシーソー板19に追加されることで左右のバランスが崩れると、景品が追加された側が下がって傾斜する。この結果、シーソー板19に載置されていた景品が景品落とし口20に落下される。
【0020】
図1に示すクレーンゲーム機10では、景品落とし口20がクレーンゲーム機10の前面側(プレーヤ側)で横長に設けられ、左側半分が左側のコンパネ部23を操作しているプレーヤ用の景品落とし口20として使用され、右側半分が左側のコンパネ部23を操作しているプレーヤ用の景品落とし口20として使用される。従って、シーソー板19の支点を中央に設けることで、シーソー板19に載置されている景品を景品落とし口20の左側に落下させるか、右側に落下させるかを、左右のコンパネ部23をそれぞれ操作している2人のプレーヤ間で争うことができる。
【0021】
なお、景品落とし口20の設置位置や形状に応じて、シーソー板19の設置位置や大きさ、長さなどを任意に決定することが可能である。
【0022】
図2は、本実施形態におけるクレーンゲーム機10の機能構成を示すブロック図である。クレーンゲーム機10は、コンピュータの機能が搭載されることにより実現される。なお、図2においては、1人のプレーヤによって操作される構成部分についてのみ示している。
【0023】
図2に示すように、クレーンゲーム機10には、中央制御装置30、記憶部31、アーム制御部33、入力制御部34、出力制御部35が設けられている。
【0024】
中央制御装置30は、プロセッサやメモリ等により構成されるもので、クレーンゲーム機10全体の制御を司る。中央制御装置30は、記憶部31に記憶された各種プログラムを実行することによって各種の機能を実現する。
記憶部31は、ハードディスク装置などにより構成されるもので、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0025】
アーム制御部33は、中央制御装置30の制御のもとで、X軸モータ42、Y軸モータ43、及びZ軸モータ44、アームモータ45の駆動を制御する。アーム制御部33は、例えばプレーヤによるジョイスティック24に対する操作に応じて、X軸モータ42、Y軸モータ43、及びZ軸モータ44を選択的に駆動してクレーンアーム18を移動させ、アームモータ45を駆動して景品フィールド16に載置された景品を把持するように把持爪18aを動作させる。
【0026】
入力制御部34は、各種入力デバイスからの入力を制御するもので、ジョイスティック24、ボタン25、及びコインセンサ46からの入力を制御し、入力されたデータを中央制御装置30に通知する。コインセンサ46は、コイン投入口26から投入されたコインの通路に設置されるもので、コイン投入口26から投入されたコイン(あるいは投入されたコインの種類)を検知する。
【0027】
出力制御部35は、中央制御装置30の制御のもとで、スピーカ49からの音声出力、表示装置27による表示(残りプレイ時間、クレジット回数、各種メッセージ等)などを制御する。
【0028】
図3及び図4は、シーソー板19の配置を説明するための図である。図3は、筐体内部の景品フィールド16の上方から見た平面図、図4は斜視図である。
【0029】
図3及び図4に示すように、シーソー板19は、景品落とし口20の上方に取り付けられている。シーソー板19は、横長に構成されている景品落とし口20に沿って配置されており、景品落とし口20の横幅より短くなっている。このため、シーソー板19により覆われていない景品落とし口20の両端部の近傍(第1の景品落とし口、第2の景品落とし口)において景品を落下させることができる。
【0030】
図4に示すように、シーソー板19は、筐体横方向の中央に設けられた支点機構60により支持され、景品落とし口20の上で両端が上下するようになっている。
【0031】
図5は、シーソー板19の支点機構60の詳細な構成を示す図である。支点機構60は、例えば2つに分離して構成されており、シーソー板19の底部に固定された回転軸部材60a,60bと、回転軸部材60a,60bを回動可能に支持する支持台62a,62bによりそれぞれ構成されている。なお、図5に示す例では、支点機構60を2つに分離して、2つの回転軸部材60a,60bによりシーソー板19を支持するように構成しているが、1本の回転軸部材が支持台により取り付けられた構成であっても良い。
【0032】
回転軸部材60a,60bは、支持台62a,62bによって、それぞれ回動可能に支持されている。支持台62a,62bは、回転軸部材60a,60bの両端部の軸部分において、回動可能となるように挟み込むようにして支持している。支持台62a,62bには、外側から回転軸部材60a,60bの軸にまで貫通するネジ65が取り付けられている。ネジ65は、回転軸部材60a,60bに対する制動力を調整するために使用される。
【0033】
支持台62aを貫通するネジ65は、支持台62aに対して固定状態と開放状態を切り替えることができる。制動力の調整時にはネジ65を開放状態にすることで、ネジ65を回転可能にする。調整が終了した後のゲーム運用時には、ネジ65を固定状態にする。ネジ65を支持台62aに固定することで、ネジ65を介して回転軸部材60aの内部に設けられた制動機能により回転軸部材60aを制動する。すなわち、ネジ65による調整によってシーソー板19の傾斜し易さを変えることができる。これにより、例えばシーソー板19の左右に載置された景品の数の差が1つであっても簡単に傾斜するようにしたり、複数の差がなければ傾斜しないようにしたりできる。
【0034】
図6(A)(B)は、回転軸部材60aの内部に設けられた制動機能の一例を示す図である。なお、回転軸部材60bも回転軸部材60aと同様の構成であるものとして詳細な説明を省略する。
図6(A)(B)に示すように、回転軸部材60aは、中空になっており、ネジ65が貫通されていない側の中空内底部にバネ67の一端が取り付けられ、バネ67の他端がネジ65と係合するネジ66に取り付けられている。ネジ65を回すことによりネジ66の位置が軸方向に変化するため、バネ67の長さを変える、すなわちバネ67による引っ張り強度を調整することができる。
【0035】
図6(A)に示すように、例えば、バネ67の長さをAの状態にした場合にはバネ67の引っ張りが強いため、回転軸部材60aの回動に対して大きな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品が載置されても傾斜しにくくなる。
【0036】
一方、ネジ65を回転させることによりネジ66の位置を変えて、図6(B)に示すように、例えば、バネ67の長さがAの状態よりも短いBの状態にした場合にはバネ67の引っ張りが弱くなるため、回転軸部材60aの回動に対して小さな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品が載置されると簡単に傾斜しやすくなる。
【0037】
なお、バネ67は、弾性部材であるため、シーソー板19が傾斜することにより載置されていた景品が落下してしまうと元の状態に戻ろうとする。このため、シーソー板19は、景品を落下させた後、水平状態に回復する。
【0038】
こうして、シーソー板19の傾斜し易さを調整できるようにすることで、シーソー板19に載置された景品の取得し易さを管理者側で調整することができる。従って、ペイアウト率の調整に利用することができる。また、クレーンゲーム機10で取り扱われる景品には、様々なサイズや重さのものがあるので、景品フィールド16やシーソー板19に載置される景品の種類に応じて調整することができる。このため、景品に応じた適度な傾きやすさにすることで、プレーヤに対してゲームへの挑戦意欲を向上させることができる。
【0039】
なお、図6に示す構成では、バネ67を設けて制動機能を実現しているが、他の弾性部材を用いることも可能である。例えば、弾性を有するゴムやプラスチックなどを用いて、バネ67と同様に機能させても良い。また、図6に示すように、回転軸部材60aの内部に弾性部材(バネ67)を収納する構成に限るものではなく、例えばシーソー板19(あるいはシーソー板19と一体化された回転軸部材60a)と固定された支持台62aとを弾性部材により連結し、シーソー板19と支持台62aとの位置関係を規定することにより、前述と同様の作用効果が得られる。
【0040】
図7(A)(B)は、回転軸部材60aの内部に設けられた制動機能の一例を示す図である。
図7(A)(B)に示す構成では、回転軸部材60aにはネジ穴が形成されており、ネジ65が到達する位置にブレーキパッド69が設けられている。ブレーキパッド69は、ネジ65と接触することにより、その摩擦により回転軸部材60aを制動するように働く。
【0041】
従って、図7(A)に示すように、ネジ65を奥深くまでねじ込むことにより、ネジ65とブレーキパッド69との接触面が大きくなり、回転軸部材60aの回動に対して大きな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品が載置されても傾斜しにくくなる。
【0042】
一方、図7(B)に示すように、ネジ65のねじ込みを浅くすることにより、ネジ65とブレーキパッド69との接触面が小さくなり、回転軸部材60aの回動に対して小さな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品が載置されると簡単に傾斜しやすくなる。
【0043】
これにより、図6(A)(B)に示す構成と同様にして、ネジ65の調整により、シーソー板19の傾斜し易さを調整することができる。図7(A)(B)に示す構成では、シーソー板19から景品が落下した後、水平状態に回復しないが、簡単な構成により実現が可能である。
【0044】
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム機10の作用効果について説明する。
本実施形態におけるクレーンゲーム機10は、管理者によってシーソー板19に景品を載置しておく。シーソー板19に載置する景品の数は、管理者が景品の大きさ、重さ、単価等に基づいて、任意に調整することができる。
【0045】
例えば、図8に示すように、シーソー板19の左右両側にバランスを取れる(水平状態を保つ)ように予め景品が載置される。図8に示す例では、同じ種類の複数の景品70を載置しているため、左右に同じ数の景品70が同様の配置により載置されてバランスが取られている。
【0046】
プレーヤは、ゲームを実施しようとする場合、コイン投入口26からコインを投入する。中央制御装置30は、コインセンサ46によってコインが投入されたことが検知されると、ゲーム制御を開始する。
【0047】
中央制御装置30は、ジョイスティック24あるいはボタン25に対するプレーヤの操作により、クレーンアーム18の駆動が指示されると、アーム制御部33を通じてX軸モータ42とY軸モータ43を駆動して、クレーンアーム18を景品フィールド16上に水平方向に移動させる。
【0048】
景品フィールド16に載置された景品を取得しようとする場合には、目標とする景品の上までクレーンアーム18が水平移動(XY方向)される。その後、中央制御装置30は、アーム制御部33を通じてZ軸モータ44を駆動して、クレーンアーム18を景品に到達する位置まで下降させ、アームモータ45を駆動して把持爪18aにより景品を把持する(閉じる)ように動作させた後、クレーンアーム18を上方に移動させる。そして、中央制御装置30は、景品落とし口20の上方までクレーンアーム18を移動させる。この際、中央制御装置30は、まず景品落とし口20のシーソー板19が設置された上方に移動させてから、景品落とし口20に沿って移動させる。例えば、クレーンゲーム機10の右側に設けられたクレーンアーム18は、景品落とし口20のシーソー板19が設けられた左側から右側に移動される。
【0049】
中央制御装置30は、クレーンアーム18が景品落とし口20の上方を移動されている間、例えばボタン25がプレーヤによって押されると、その時点でクレーンアーム18の把持爪18aを開くように動作させる。すなわち、クレーンアーム18により景品が把持されている状態であれば、ボタン25の操作によって景品を落下させる位置をプレーヤが指定することができる。
【0050】
なお、ボタン25の操作がされなかった場合には、中央制御装置30は、景品落とし口20のシーソー板19が設けられていない位置(例えば、右側に設けられたクレーンアーム18では景品落とし口20の右端)に移動させた後、把持爪18aを開くように動作させる。すなわち、クレーンアーム18により景品が把持されている状態であれば、景品落とし口20に景品が落下して、景品取出口21から取り出すことができる。
【0051】
図9、図10は、クレーンアーム18からシーソー板19に景品72が落下される場合の一連の様子を示す図である。
例えば、図9に示すように、シーソー板19の右側にクレーンアーム18の操作によって景品72が落下されたものとする。この場合、シーソー板19の右側が重くなるため、シーソー板19が右側に傾斜する。このため、シーソー板19の左側に載置されていた複数の景品70もシーソー板19の上を滑って右側に移動する。
【0052】
この結果、シーソー板19に元から載置されていた複数の景品70と新たにクレーンアーム18によって取得された景品72とが、景品落とし口20の右側に全て落下する。これにより、クレーンゲーム機10の右側でプレイしていたプレーヤは、まとめて複数の景品70,72を獲得することができる。
【0053】
なお、シーソー板19が傾斜しにくいように調整されていた場合には、前述したように1つの景品70をシーソー板19に落下させただけでは、シーソー板19が傾斜しない。この場合、さらにクレーンアーム18の操作によって景品をシーソー板19に落とすように、プレーヤに対して挑戦意欲を掻き立てることができる。
【0054】
また、回転軸部材60aが図6に示す構成であれば、シーソー板19から景品が落下された後、シーソー板19が自動的に水平状態に回復する。そして、前述したように、クレーンアーム18により景品フィールド16において景品を把持する動作をさせた後、シーソー板19の上方を通過するように移動させるため、プレーヤの意図によらないでシーソー板19に景品が落下される場合があり、再び、シーソー板19に景品を載置した状態にすることができる。これにより、管理者がシーソー板19に景品を載置する作業を軽減することができる。
【0055】
このようにして、本実施形態におけるクレーンゲーム機10では、景品落とし口20の上方に設けられたシーソー板19の上に景品を載置できるようにしておき、クレーンアーム18により取得された景品がシーソー板19に落下された場合にシーソー板19を傾斜させて、シーソー板19に載置された複数の景品をまとめて景品落とし口20に落下させることができる。従って、管理者が特別な形態によって景品を積み上げるといった作業をすることなく、プレーヤに対してまとめて複数の景品を提供することができる。また、支点機構60によりシーソー板19が傾斜するようにした簡単な構成により実現することができる。
【0056】
また、2人のプレーヤが同時にプレイすることができるクレーンゲーム機10において、各プレーヤ用の景品落とし口20にシーソー板19の両端が位置するように支点機構60を配置することで、シーソー板19に載置された景品を2人のプレーヤ間で取り合うという新たな楽しみ方を提供することができる。
【0057】
次に、シーソー板19を支持する支点機構の他の構成例について説明する。
図11は、シーソー板19を支持する支点機構80の周辺構造を示す斜視図である。図11に示すように、支点機構80は、筐体横方向の中央に設けられている。シーソー板19の両端部は、左右の景品落とし口20a,20bの上方で両端が上下するようになっている。
【0058】
シーソー板19の上面部の中央には、シーソー板19の傾き強度を調整するための調整用穴81が設けられている。調整用穴81には、例えばドライバーを挿入し、支点機構80の筐体内部に設けられた調整軸を回転させることにより、シーソー板19に対する制動力、すなわち景品70が載置された時の傾き易さを調整することができる。
【0059】
シーソー板19への制動力を調整することで、図12に示すように、シーソー板19の左右に載置された景品70のバランスが僅かに崩れた場合でもシーソー板19が傾斜するようにしたり、その逆となるように変更することができる。
【0060】
図13(A)(B)(C)は、支点機構80の内部の詳細な構成を示す図である。図13(A)は側面図、図13(B)は、図13(A)(C)のA−A線による断面の正面図(プレーヤの正面から見た図)、図13(C)は、図13(A)(B)のB−B線による断面の平面図である。なお、支点機構80がクレーンゲーム機10に実装される場合には、図13(A)に示す側面側も覆われているものとする。
【0061】
筐体82の水平断面は、図13(C)に示すようにほぼ矩形状をしている。筐体82の上部には、長手方向の両端部において、シーソー板19を回動可能に結合するための軸部材84を介してシーソー板19が連結されている。シーソー板19は、軸部材84を支点にして傾斜することができる。
【0062】
筐体82の内部側面には、固定部材87を介して軸支持部材86が固定されている。軸支持部材86は、調整軸88を垂直となるように支持する。調整軸88の直上のシーソー板19には調整用穴81が設けられている。
【0063】
調整軸88は、調整用穴81から挿入されたドライバーにより回転可能となるように軸支持部材86により支持され、その頭頂部にドライバーの先端と係合される溝88a(凹部)が設けられている。
【0064】
調整軸88には、バネ調整部材90が上下方向に摺動可能となるように結合されている。バネ調整部材90は、調整軸88に係合されており、調整軸88が回転されることにより上下動する。
【0065】
バネ調整部材90には、筐体82の長手方向、すなわち軸部材84によりシーソー板19が回動する軸方向に沿って、所定の長さをもった2本のバネ止め部材92が水平に取り付けられている。各バネ止め部材92の先端部には、伸縮が可能なバネ94の一端がそれぞれ取り付けられている。
【0066】
一方、シーソー板19の底部には、軸部材84によりシーソー板19が回動する軸上に2つの連結部材98が所定の間隔をもって固定されている。連結部材98の下端近傍には、軸部材97により回動可能となるように、軸部材84によりシーソー板19が回動する軸に沿って、所定の長さをもった2本のバネ止め部材96が、それぞれ水平に取り付けられている。各バネ止め部材96の先端部には、バネ94の他端がそれぞれ取り付けられている。すなわち、バネ94は、バネ止め部材92とバネ止め部材96との間で取り付けられている。
【0067】
バネ止め部材96は、連結部材98を介してシーソー板19に取り付けられているため、シーソー板19との間隔は固定されている。一方、バネ止め部材92は、バネ調整部材90に取り付けられている。バネ調整部材90は、調整軸88が回転されることによって上下方向に移動するため、バネ調整部材90の上下方向への移動に伴ってバネ止め部材92も上下に移動する。従って、バネ止め部材92,96との間に取り付けられたバネ94は、バネ調整部材90が上下方向に移動されるのに伴って伸縮して、引っ張りの強度が変化する。
【0068】
次に、支点機構80による制動力の調整と作用効果について説明する。
支点機構80による制動力を調整する場合には、図14に示すように、シーソー板19の中央に設けられた調整用穴81からドライバー100が挿入され、ドライバー100の先端が調整軸88の溝88aに係合される。
【0069】
ここで、図15に示すように、ドライバー100によって調整軸88が例えば反時計回りに回転されると、調整軸88の回転に伴ってバネ調整部材90が下方向に移動する。これにより、バネ止め部材92,96の間に取り付けられたバネ94が引き延ばされる。
【0070】
この場合、バネ94の引っ張りが強いため、シーソー板19の回動に対して大きな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品70が載置されても傾斜しにくくなる。
【0071】
一方、図16に示すように、ドライバー100によって調整軸88が例えば時計回りに回転されると、調整軸88の回転に伴ってバネ調整部材90が上方向に移動する。これにより、バネ止め部材92,96の間に取り付けられたバネ94が縮む。
【0072】
この場合、バネ94の引っ張りが弱くなるため、シーソー板19の回動に対して小さな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品70が載置されると簡単に傾斜しやすくなる。
【0073】
このようにして、図11〜図16に示す支点機構80では、前述した図5〜図7に示す支点部材60を設けた場合と同様の作用効果に加えて、シーソー板19の上方から調整用穴81にドライバー100を挿入して制動力の調整ができるようにすることで、調整作業を容易にすることができるようになる。
【0074】
なお、支点機構80においても、弾性部材であるバネ94を用い、軸部材84によるシーソー板19が回動する軸上に2つの連結部材98が固定されているため、シーソー板19が傾斜することで載置されていた景品70が落下してしまうと、バネ94の作用によりシーソー板19を水平状態に回復させることができる。
【0075】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10…クレーンゲーム機、12…上部筐体、13…下部筐体、15…透明板、18…クレーンアーム、19…シーソー板、20…景品落とし口、21…景品取出口、22…景品落とし口ガード、23…コンパネ部、24…ジョイスティック、25…ボタン、26…コイン投入口、30…中央制御装置、33…アーム制御部、34…入力制御部、35…出力制御部、42…X軸モータ、43…Y軸モータ、44…Z軸モータ、45…アームモータ、46…コインセンサ、60,80…支点機構、62a,62b…支持台、65…ネジ、67,94…バネ、69…ブレーキパッド、70,72…景品、81…調整用穴。
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品を取得することができるクレーンゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム機は、ケース内に多数収容されたキャラクタ商品の人形やぬいぐるみなどの景品を、ボタンやジョイスティックなどの操作によりクレーンアームを制御して取得するゲームである。クレーンゲーム機の景品が載置された景品フィールドには、ケース外部と連通された景品払い出し口が設けられており、クレーンアームによって把持させた景品を景品落とし口の上方まで移動させ、その位置で落下させることにより景品を受け取ることができる。
【0003】
一般のクレーンゲーム機は、クレーンアームによって景品を把持させるため、1回のクレーンアームの動作によって基本的に1つの景品しか取得することができない。プレーヤにゲームへの興味を持ってもらうためには、複数の景品を取得できるようにしたり、人気のある景品や高価な景品など特定の景品を取得できるようにすることが有効である。
【0004】
従来では、ゲーム機の管理者によって景品落とし口の周辺に景品を山積みしておくことにより、この山積みされている景品をクレーンアームによって崩すことにより複数の景品を取得することを可能にしたり、あるいはジャックポット景品を払い出す機構を設けるなどしている。例えば、特許文献1に記載された景品取得ゲーム機は、ジャックポット用の複数の景品を載置できる景品ホルダーを設け、この景品ホルダーをスライドさせて景品落とし口に移動させることにより、景品ホルダーに載置された複数の景品をまとめて取得できるようにしている。
【0005】
また、特定の景品については、他の一般の景品と混在して景品フィールドに載置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−271792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来では、複数の景品をプレーヤがまとめて取得できるようにするためには、管理者が特別な形態によって景品を積み上げる作業をしたり、ジャックポット景品を払い出す機構などの特別な構成をゲーム機に実装しなければならなかった。
【0008】
また、特定の景品については、他の景品と同様にクレーンアームを操作して取得できるようにしているだけであり、プレーヤに対してよりアピールできるようにすることが望まれていた。
【0009】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、管理者による作業負担を増大させることなく、簡単な構造によってプレーヤが複数の景品を取得できるようにすると共に、特定の景品をプレーヤに対してアピールできるクレーンゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、クレーンアームと、前記クレーンアームの動作を制御するアーム制御手段と、筐体内に設けられた、景品を載置するための景品フィールドと、前記景品を筐体外に払い出すための景品取り出し口と連通された景品落とし口と、前記景品落とし口の上方に設けられた、支点機構により支持されて両端が上下するように構成されたシーソー板とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、管理者による作業負担を増大させることなく、簡単な構造によってプレーヤが複数の景品を取得できるようになると共に、特定の景品をプレーヤに対してアピールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態におけるクレーンゲーム機の外観構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態におけるクレーンゲーム機の機能構成を示すブロック図。
【図3】シーソー板の配置を説明するための図。
【図4】シーソー板の配置を説明するための図。
【図5】シーソー板の支点機構の詳細な構成を示す図。
【図6】回転軸部材の内部に設けられた制動機能の一例を示す図。
【図7】回転軸部材の内部に設けられた制動機能の一例を示す図。
【図8】シーソー板に景品が載置された状態の一例を示す図。
【図9】クレーンアームからシーソー板に景品が落下される場合の一連の様子を示す図。
【図10】クレーンアームからシーソー板に景品が落下される場合の一連の様子を示す図。
【図11】シーソー板を支持する支点機構の周辺構造を示す斜視図。
【図12】シーソー板に景品が載置された状態の一例を示す図。
【図13】支点機構の内部の詳細な構成を示す図。
【図14】支点機構に対して調整作業をしている状態の一例を示す図。
【図15】調整作業により変化するバネの状態の一例を示す図。
【図16】調整作業により変化するバネの状態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるクレーンゲーム機10の外観構成を示す斜視図である。図1に示すように、クレーンゲーム機10は、上部筐体12と下部筐体13とから構成されている。上部筐体12は、前面と側面の一部がアクリル板などの透明板15に覆われており、透明板15を通じて筐体内部の景品フィールド16が視認できるようになっている。透明板15は、例えば正面側が開閉可能に構成されており、景品フィールド16への景品の入れ替えや補充、あるいは後述するシーソー板19上に景品を載置する場合等に開放することができる。また、透明板15を取り外し可能としても良い。
【0014】
本実施形態におけるクレーンゲーム機10は、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、景品フィールド16が仕切板14によって左右2つに区分されている。仕切板14により区分された2つの景品フィールド16に、それぞれ景品を積載することができる。また、クレーンゲーム機10の前面側(プレーヤ側)には、横長に景品落とし口20が設けられている。本実施形態におけるクレーンゲーム機10では、筐体のほぼ横幅全体に渡って景品落とし口20が設けられ、左側半分が左側でプレイするプレーヤ用、右側半分が右側でプレイするプレーヤ用の景品落とし口20として使用される。景品フィールド16上の景品落とし口20との境界近傍には、景品落とし口ガード22が設けられている。景品落とし口ガード22は、景品フィールド16に積載された景品を、景品落とし口20に落下しないように支える。
【0015】
左右の景品フィールド16の上方には、それぞれ、プレーヤ操作によって動作が制御されるクレーンアーム18が、クレーンアーム18を動作させる機構部を介して装着されている。
【0016】
下部筐体13の正面側には、景品取出口21やプレーヤによって操作が行われるコンパネ部23が設けられている。景品取出口21は、筐体内(景品フィールド)から景品を外部に取り出すためのもので、筐体内に設けられた景品落とし口20と連通している。クレーンアーム18を動作させることにより景品が景品落とし口20に落下されることにより、景品取出口21から景品を取り出すことができる。
【0017】
コンパネ部23には、クレーンアーム18を操作するためのジョイスティック24やボタン25、コイン投入口26、表示装置27(例えば7セグ表示器)等が設けられている。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカが設けられている(図示せず)。
【0018】
上部筐体12内の景品フィールド16の上方には、クレーンアーム18と、クレーンアーム18を景品フィールド16の上部において、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるための機構部(図示せず)が設けられている。クレーンアーム18は、ジョイスティック24やボタン25に対するプレーヤ操作に応じて動作する機構部によってXY方向で所定の位置に移動されると、景品フィールド上の景品を把持するために下方に移動される。クレーンアーム18の先端部には、景品を把持するための2本の把持爪18a(アーム)が設けられている(なお、3本あるいは4本の把持爪18aを設けても良い)。把持爪18aは、クレーンアーム18が下降されて景品に到達した位置で、閉じる(物を把持する)ように動作が制御される。
【0019】
本実施形態におけるクレーンゲーム機10では、景品落とし口20の上方にシーソー板19が設けられている。図1に示す構成例では、筐体横方向の中央に支点が設けられ、シーソー板19の両端が上下に移動するように構成されている。すなわち、シーソー板19は、右側プレーヤ用の景品落とし口20(第1の景品落とし口)、あるいは左側プレーヤ用の景品落とし口20(第2の景品落とし口)の何れかの向きに傾斜することができる。シーソー板19には景品を載置することができる。シーソー板19は、載置された景品によって左右のバランスが取れている場合には水平状態を保っているが、例えばクレーンアーム18の操作によって景品フィールド16上から取得された景品がシーソー板19に追加されることで左右のバランスが崩れると、景品が追加された側が下がって傾斜する。この結果、シーソー板19に載置されていた景品が景品落とし口20に落下される。
【0020】
図1に示すクレーンゲーム機10では、景品落とし口20がクレーンゲーム機10の前面側(プレーヤ側)で横長に設けられ、左側半分が左側のコンパネ部23を操作しているプレーヤ用の景品落とし口20として使用され、右側半分が左側のコンパネ部23を操作しているプレーヤ用の景品落とし口20として使用される。従って、シーソー板19の支点を中央に設けることで、シーソー板19に載置されている景品を景品落とし口20の左側に落下させるか、右側に落下させるかを、左右のコンパネ部23をそれぞれ操作している2人のプレーヤ間で争うことができる。
【0021】
なお、景品落とし口20の設置位置や形状に応じて、シーソー板19の設置位置や大きさ、長さなどを任意に決定することが可能である。
【0022】
図2は、本実施形態におけるクレーンゲーム機10の機能構成を示すブロック図である。クレーンゲーム機10は、コンピュータの機能が搭載されることにより実現される。なお、図2においては、1人のプレーヤによって操作される構成部分についてのみ示している。
【0023】
図2に示すように、クレーンゲーム機10には、中央制御装置30、記憶部31、アーム制御部33、入力制御部34、出力制御部35が設けられている。
【0024】
中央制御装置30は、プロセッサやメモリ等により構成されるもので、クレーンゲーム機10全体の制御を司る。中央制御装置30は、記憶部31に記憶された各種プログラムを実行することによって各種の機能を実現する。
記憶部31は、ハードディスク装置などにより構成されるもので、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0025】
アーム制御部33は、中央制御装置30の制御のもとで、X軸モータ42、Y軸モータ43、及びZ軸モータ44、アームモータ45の駆動を制御する。アーム制御部33は、例えばプレーヤによるジョイスティック24に対する操作に応じて、X軸モータ42、Y軸モータ43、及びZ軸モータ44を選択的に駆動してクレーンアーム18を移動させ、アームモータ45を駆動して景品フィールド16に載置された景品を把持するように把持爪18aを動作させる。
【0026】
入力制御部34は、各種入力デバイスからの入力を制御するもので、ジョイスティック24、ボタン25、及びコインセンサ46からの入力を制御し、入力されたデータを中央制御装置30に通知する。コインセンサ46は、コイン投入口26から投入されたコインの通路に設置されるもので、コイン投入口26から投入されたコイン(あるいは投入されたコインの種類)を検知する。
【0027】
出力制御部35は、中央制御装置30の制御のもとで、スピーカ49からの音声出力、表示装置27による表示(残りプレイ時間、クレジット回数、各種メッセージ等)などを制御する。
【0028】
図3及び図4は、シーソー板19の配置を説明するための図である。図3は、筐体内部の景品フィールド16の上方から見た平面図、図4は斜視図である。
【0029】
図3及び図4に示すように、シーソー板19は、景品落とし口20の上方に取り付けられている。シーソー板19は、横長に構成されている景品落とし口20に沿って配置されており、景品落とし口20の横幅より短くなっている。このため、シーソー板19により覆われていない景品落とし口20の両端部の近傍(第1の景品落とし口、第2の景品落とし口)において景品を落下させることができる。
【0030】
図4に示すように、シーソー板19は、筐体横方向の中央に設けられた支点機構60により支持され、景品落とし口20の上で両端が上下するようになっている。
【0031】
図5は、シーソー板19の支点機構60の詳細な構成を示す図である。支点機構60は、例えば2つに分離して構成されており、シーソー板19の底部に固定された回転軸部材60a,60bと、回転軸部材60a,60bを回動可能に支持する支持台62a,62bによりそれぞれ構成されている。なお、図5に示す例では、支点機構60を2つに分離して、2つの回転軸部材60a,60bによりシーソー板19を支持するように構成しているが、1本の回転軸部材が支持台により取り付けられた構成であっても良い。
【0032】
回転軸部材60a,60bは、支持台62a,62bによって、それぞれ回動可能に支持されている。支持台62a,62bは、回転軸部材60a,60bの両端部の軸部分において、回動可能となるように挟み込むようにして支持している。支持台62a,62bには、外側から回転軸部材60a,60bの軸にまで貫通するネジ65が取り付けられている。ネジ65は、回転軸部材60a,60bに対する制動力を調整するために使用される。
【0033】
支持台62aを貫通するネジ65は、支持台62aに対して固定状態と開放状態を切り替えることができる。制動力の調整時にはネジ65を開放状態にすることで、ネジ65を回転可能にする。調整が終了した後のゲーム運用時には、ネジ65を固定状態にする。ネジ65を支持台62aに固定することで、ネジ65を介して回転軸部材60aの内部に設けられた制動機能により回転軸部材60aを制動する。すなわち、ネジ65による調整によってシーソー板19の傾斜し易さを変えることができる。これにより、例えばシーソー板19の左右に載置された景品の数の差が1つであっても簡単に傾斜するようにしたり、複数の差がなければ傾斜しないようにしたりできる。
【0034】
図6(A)(B)は、回転軸部材60aの内部に設けられた制動機能の一例を示す図である。なお、回転軸部材60bも回転軸部材60aと同様の構成であるものとして詳細な説明を省略する。
図6(A)(B)に示すように、回転軸部材60aは、中空になっており、ネジ65が貫通されていない側の中空内底部にバネ67の一端が取り付けられ、バネ67の他端がネジ65と係合するネジ66に取り付けられている。ネジ65を回すことによりネジ66の位置が軸方向に変化するため、バネ67の長さを変える、すなわちバネ67による引っ張り強度を調整することができる。
【0035】
図6(A)に示すように、例えば、バネ67の長さをAの状態にした場合にはバネ67の引っ張りが強いため、回転軸部材60aの回動に対して大きな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品が載置されても傾斜しにくくなる。
【0036】
一方、ネジ65を回転させることによりネジ66の位置を変えて、図6(B)に示すように、例えば、バネ67の長さがAの状態よりも短いBの状態にした場合にはバネ67の引っ張りが弱くなるため、回転軸部材60aの回動に対して小さな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品が載置されると簡単に傾斜しやすくなる。
【0037】
なお、バネ67は、弾性部材であるため、シーソー板19が傾斜することにより載置されていた景品が落下してしまうと元の状態に戻ろうとする。このため、シーソー板19は、景品を落下させた後、水平状態に回復する。
【0038】
こうして、シーソー板19の傾斜し易さを調整できるようにすることで、シーソー板19に載置された景品の取得し易さを管理者側で調整することができる。従って、ペイアウト率の調整に利用することができる。また、クレーンゲーム機10で取り扱われる景品には、様々なサイズや重さのものがあるので、景品フィールド16やシーソー板19に載置される景品の種類に応じて調整することができる。このため、景品に応じた適度な傾きやすさにすることで、プレーヤに対してゲームへの挑戦意欲を向上させることができる。
【0039】
なお、図6に示す構成では、バネ67を設けて制動機能を実現しているが、他の弾性部材を用いることも可能である。例えば、弾性を有するゴムやプラスチックなどを用いて、バネ67と同様に機能させても良い。また、図6に示すように、回転軸部材60aの内部に弾性部材(バネ67)を収納する構成に限るものではなく、例えばシーソー板19(あるいはシーソー板19と一体化された回転軸部材60a)と固定された支持台62aとを弾性部材により連結し、シーソー板19と支持台62aとの位置関係を規定することにより、前述と同様の作用効果が得られる。
【0040】
図7(A)(B)は、回転軸部材60aの内部に設けられた制動機能の一例を示す図である。
図7(A)(B)に示す構成では、回転軸部材60aにはネジ穴が形成されており、ネジ65が到達する位置にブレーキパッド69が設けられている。ブレーキパッド69は、ネジ65と接触することにより、その摩擦により回転軸部材60aを制動するように働く。
【0041】
従って、図7(A)に示すように、ネジ65を奥深くまでねじ込むことにより、ネジ65とブレーキパッド69との接触面が大きくなり、回転軸部材60aの回動に対して大きな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品が載置されても傾斜しにくくなる。
【0042】
一方、図7(B)に示すように、ネジ65のねじ込みを浅くすることにより、ネジ65とブレーキパッド69との接触面が小さくなり、回転軸部材60aの回動に対して小さな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品が載置されると簡単に傾斜しやすくなる。
【0043】
これにより、図6(A)(B)に示す構成と同様にして、ネジ65の調整により、シーソー板19の傾斜し易さを調整することができる。図7(A)(B)に示す構成では、シーソー板19から景品が落下した後、水平状態に回復しないが、簡単な構成により実現が可能である。
【0044】
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム機10の作用効果について説明する。
本実施形態におけるクレーンゲーム機10は、管理者によってシーソー板19に景品を載置しておく。シーソー板19に載置する景品の数は、管理者が景品の大きさ、重さ、単価等に基づいて、任意に調整することができる。
【0045】
例えば、図8に示すように、シーソー板19の左右両側にバランスを取れる(水平状態を保つ)ように予め景品が載置される。図8に示す例では、同じ種類の複数の景品70を載置しているため、左右に同じ数の景品70が同様の配置により載置されてバランスが取られている。
【0046】
プレーヤは、ゲームを実施しようとする場合、コイン投入口26からコインを投入する。中央制御装置30は、コインセンサ46によってコインが投入されたことが検知されると、ゲーム制御を開始する。
【0047】
中央制御装置30は、ジョイスティック24あるいはボタン25に対するプレーヤの操作により、クレーンアーム18の駆動が指示されると、アーム制御部33を通じてX軸モータ42とY軸モータ43を駆動して、クレーンアーム18を景品フィールド16上に水平方向に移動させる。
【0048】
景品フィールド16に載置された景品を取得しようとする場合には、目標とする景品の上までクレーンアーム18が水平移動(XY方向)される。その後、中央制御装置30は、アーム制御部33を通じてZ軸モータ44を駆動して、クレーンアーム18を景品に到達する位置まで下降させ、アームモータ45を駆動して把持爪18aにより景品を把持する(閉じる)ように動作させた後、クレーンアーム18を上方に移動させる。そして、中央制御装置30は、景品落とし口20の上方までクレーンアーム18を移動させる。この際、中央制御装置30は、まず景品落とし口20のシーソー板19が設置された上方に移動させてから、景品落とし口20に沿って移動させる。例えば、クレーンゲーム機10の右側に設けられたクレーンアーム18は、景品落とし口20のシーソー板19が設けられた左側から右側に移動される。
【0049】
中央制御装置30は、クレーンアーム18が景品落とし口20の上方を移動されている間、例えばボタン25がプレーヤによって押されると、その時点でクレーンアーム18の把持爪18aを開くように動作させる。すなわち、クレーンアーム18により景品が把持されている状態であれば、ボタン25の操作によって景品を落下させる位置をプレーヤが指定することができる。
【0050】
なお、ボタン25の操作がされなかった場合には、中央制御装置30は、景品落とし口20のシーソー板19が設けられていない位置(例えば、右側に設けられたクレーンアーム18では景品落とし口20の右端)に移動させた後、把持爪18aを開くように動作させる。すなわち、クレーンアーム18により景品が把持されている状態であれば、景品落とし口20に景品が落下して、景品取出口21から取り出すことができる。
【0051】
図9、図10は、クレーンアーム18からシーソー板19に景品72が落下される場合の一連の様子を示す図である。
例えば、図9に示すように、シーソー板19の右側にクレーンアーム18の操作によって景品72が落下されたものとする。この場合、シーソー板19の右側が重くなるため、シーソー板19が右側に傾斜する。このため、シーソー板19の左側に載置されていた複数の景品70もシーソー板19の上を滑って右側に移動する。
【0052】
この結果、シーソー板19に元から載置されていた複数の景品70と新たにクレーンアーム18によって取得された景品72とが、景品落とし口20の右側に全て落下する。これにより、クレーンゲーム機10の右側でプレイしていたプレーヤは、まとめて複数の景品70,72を獲得することができる。
【0053】
なお、シーソー板19が傾斜しにくいように調整されていた場合には、前述したように1つの景品70をシーソー板19に落下させただけでは、シーソー板19が傾斜しない。この場合、さらにクレーンアーム18の操作によって景品をシーソー板19に落とすように、プレーヤに対して挑戦意欲を掻き立てることができる。
【0054】
また、回転軸部材60aが図6に示す構成であれば、シーソー板19から景品が落下された後、シーソー板19が自動的に水平状態に回復する。そして、前述したように、クレーンアーム18により景品フィールド16において景品を把持する動作をさせた後、シーソー板19の上方を通過するように移動させるため、プレーヤの意図によらないでシーソー板19に景品が落下される場合があり、再び、シーソー板19に景品を載置した状態にすることができる。これにより、管理者がシーソー板19に景品を載置する作業を軽減することができる。
【0055】
このようにして、本実施形態におけるクレーンゲーム機10では、景品落とし口20の上方に設けられたシーソー板19の上に景品を載置できるようにしておき、クレーンアーム18により取得された景品がシーソー板19に落下された場合にシーソー板19を傾斜させて、シーソー板19に載置された複数の景品をまとめて景品落とし口20に落下させることができる。従って、管理者が特別な形態によって景品を積み上げるといった作業をすることなく、プレーヤに対してまとめて複数の景品を提供することができる。また、支点機構60によりシーソー板19が傾斜するようにした簡単な構成により実現することができる。
【0056】
また、2人のプレーヤが同時にプレイすることができるクレーンゲーム機10において、各プレーヤ用の景品落とし口20にシーソー板19の両端が位置するように支点機構60を配置することで、シーソー板19に載置された景品を2人のプレーヤ間で取り合うという新たな楽しみ方を提供することができる。
【0057】
次に、シーソー板19を支持する支点機構の他の構成例について説明する。
図11は、シーソー板19を支持する支点機構80の周辺構造を示す斜視図である。図11に示すように、支点機構80は、筐体横方向の中央に設けられている。シーソー板19の両端部は、左右の景品落とし口20a,20bの上方で両端が上下するようになっている。
【0058】
シーソー板19の上面部の中央には、シーソー板19の傾き強度を調整するための調整用穴81が設けられている。調整用穴81には、例えばドライバーを挿入し、支点機構80の筐体内部に設けられた調整軸を回転させることにより、シーソー板19に対する制動力、すなわち景品70が載置された時の傾き易さを調整することができる。
【0059】
シーソー板19への制動力を調整することで、図12に示すように、シーソー板19の左右に載置された景品70のバランスが僅かに崩れた場合でもシーソー板19が傾斜するようにしたり、その逆となるように変更することができる。
【0060】
図13(A)(B)(C)は、支点機構80の内部の詳細な構成を示す図である。図13(A)は側面図、図13(B)は、図13(A)(C)のA−A線による断面の正面図(プレーヤの正面から見た図)、図13(C)は、図13(A)(B)のB−B線による断面の平面図である。なお、支点機構80がクレーンゲーム機10に実装される場合には、図13(A)に示す側面側も覆われているものとする。
【0061】
筐体82の水平断面は、図13(C)に示すようにほぼ矩形状をしている。筐体82の上部には、長手方向の両端部において、シーソー板19を回動可能に結合するための軸部材84を介してシーソー板19が連結されている。シーソー板19は、軸部材84を支点にして傾斜することができる。
【0062】
筐体82の内部側面には、固定部材87を介して軸支持部材86が固定されている。軸支持部材86は、調整軸88を垂直となるように支持する。調整軸88の直上のシーソー板19には調整用穴81が設けられている。
【0063】
調整軸88は、調整用穴81から挿入されたドライバーにより回転可能となるように軸支持部材86により支持され、その頭頂部にドライバーの先端と係合される溝88a(凹部)が設けられている。
【0064】
調整軸88には、バネ調整部材90が上下方向に摺動可能となるように結合されている。バネ調整部材90は、調整軸88に係合されており、調整軸88が回転されることにより上下動する。
【0065】
バネ調整部材90には、筐体82の長手方向、すなわち軸部材84によりシーソー板19が回動する軸方向に沿って、所定の長さをもった2本のバネ止め部材92が水平に取り付けられている。各バネ止め部材92の先端部には、伸縮が可能なバネ94の一端がそれぞれ取り付けられている。
【0066】
一方、シーソー板19の底部には、軸部材84によりシーソー板19が回動する軸上に2つの連結部材98が所定の間隔をもって固定されている。連結部材98の下端近傍には、軸部材97により回動可能となるように、軸部材84によりシーソー板19が回動する軸に沿って、所定の長さをもった2本のバネ止め部材96が、それぞれ水平に取り付けられている。各バネ止め部材96の先端部には、バネ94の他端がそれぞれ取り付けられている。すなわち、バネ94は、バネ止め部材92とバネ止め部材96との間で取り付けられている。
【0067】
バネ止め部材96は、連結部材98を介してシーソー板19に取り付けられているため、シーソー板19との間隔は固定されている。一方、バネ止め部材92は、バネ調整部材90に取り付けられている。バネ調整部材90は、調整軸88が回転されることによって上下方向に移動するため、バネ調整部材90の上下方向への移動に伴ってバネ止め部材92も上下に移動する。従って、バネ止め部材92,96との間に取り付けられたバネ94は、バネ調整部材90が上下方向に移動されるのに伴って伸縮して、引っ張りの強度が変化する。
【0068】
次に、支点機構80による制動力の調整と作用効果について説明する。
支点機構80による制動力を調整する場合には、図14に示すように、シーソー板19の中央に設けられた調整用穴81からドライバー100が挿入され、ドライバー100の先端が調整軸88の溝88aに係合される。
【0069】
ここで、図15に示すように、ドライバー100によって調整軸88が例えば反時計回りに回転されると、調整軸88の回転に伴ってバネ調整部材90が下方向に移動する。これにより、バネ止め部材92,96の間に取り付けられたバネ94が引き延ばされる。
【0070】
この場合、バネ94の引っ張りが強いため、シーソー板19の回動に対して大きな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品70が載置されても傾斜しにくくなる。
【0071】
一方、図16に示すように、ドライバー100によって調整軸88が例えば時計回りに回転されると、調整軸88の回転に伴ってバネ調整部材90が上方向に移動する。これにより、バネ止め部材92,96の間に取り付けられたバネ94が縮む。
【0072】
この場合、バネ94の引っ張りが弱くなるため、シーソー板19の回動に対して小さな制動力が働く。このため、シーソー板19の上に景品70が載置されると簡単に傾斜しやすくなる。
【0073】
このようにして、図11〜図16に示す支点機構80では、前述した図5〜図7に示す支点部材60を設けた場合と同様の作用効果に加えて、シーソー板19の上方から調整用穴81にドライバー100を挿入して制動力の調整ができるようにすることで、調整作業を容易にすることができるようになる。
【0074】
なお、支点機構80においても、弾性部材であるバネ94を用い、軸部材84によるシーソー板19が回動する軸上に2つの連結部材98が固定されているため、シーソー板19が傾斜することで載置されていた景品70が落下してしまうと、バネ94の作用によりシーソー板19を水平状態に回復させることができる。
【0075】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10…クレーンゲーム機、12…上部筐体、13…下部筐体、15…透明板、18…クレーンアーム、19…シーソー板、20…景品落とし口、21…景品取出口、22…景品落とし口ガード、23…コンパネ部、24…ジョイスティック、25…ボタン、26…コイン投入口、30…中央制御装置、33…アーム制御部、34…入力制御部、35…出力制御部、42…X軸モータ、43…Y軸モータ、44…Z軸モータ、45…アームモータ、46…コインセンサ、60,80…支点機構、62a,62b…支持台、65…ネジ、67,94…バネ、69…ブレーキパッド、70,72…景品、81…調整用穴。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンアームと、
前記クレーンアームの動作を制御するアーム制御手段と、
筐体内に設けられた、景品を載置するための景品フィールドと、
前記景品を筐体外に払い出すための景品取り出し口と連通された景品落とし口と、
前記景品落とし口の上方に設けられ、支点機構により支持されて両端が上下動するように構成されたシーソー板と
を具備したことを特徴とするクレーンゲーム機。
【請求項2】
前記アーム制御手段は、前記クレーンアームアームに前記景品フィールド上において前記景品を取得する動作をさせた後、前記シーソー板の上方を移動させることを特徴とする請求項1記載のクレーンゲーム機。
【請求項3】
前記支点機構は、前記シーソー板の動きを制動する制動機構が設けられたことを特徴とする請求項1記載のクレーンゲーム機。
【請求項4】
前記制動機構は、前記シーソー板との間に弾性部材を設けて水平状態を維持し、前記シーソー板が動いた後に、前記弾性部材の弾性力により水平状態に回復するように構成されたことを特徴とする請求項3記載のクレーンゲーム機。
【請求項5】
前記弾性部材の強度を調整する調整機構が設けられたことを特徴とする請求項4記載のクレーンゲーム機。
【請求項6】
前記景品落とし口には、第1の景品落とし口と第2の景品落とし口とが設けられ、
前記シーソー板の両端が前記第1の景品落とし口と前記第2の景品落とし口の上方にそれぞれ位置するように、前記シーソー板が配置されたことを特徴とする請求項1記載のクレーンゲーム機。
【請求項1】
クレーンアームと、
前記クレーンアームの動作を制御するアーム制御手段と、
筐体内に設けられた、景品を載置するための景品フィールドと、
前記景品を筐体外に払い出すための景品取り出し口と連通された景品落とし口と、
前記景品落とし口の上方に設けられ、支点機構により支持されて両端が上下動するように構成されたシーソー板と
を具備したことを特徴とするクレーンゲーム機。
【請求項2】
前記アーム制御手段は、前記クレーンアームアームに前記景品フィールド上において前記景品を取得する動作をさせた後、前記シーソー板の上方を移動させることを特徴とする請求項1記載のクレーンゲーム機。
【請求項3】
前記支点機構は、前記シーソー板の動きを制動する制動機構が設けられたことを特徴とする請求項1記載のクレーンゲーム機。
【請求項4】
前記制動機構は、前記シーソー板との間に弾性部材を設けて水平状態を維持し、前記シーソー板が動いた後に、前記弾性部材の弾性力により水平状態に回復するように構成されたことを特徴とする請求項3記載のクレーンゲーム機。
【請求項5】
前記弾性部材の強度を調整する調整機構が設けられたことを特徴とする請求項4記載のクレーンゲーム機。
【請求項6】
前記景品落とし口には、第1の景品落とし口と第2の景品落とし口とが設けられ、
前記シーソー板の両端が前記第1の景品落とし口と前記第2の景品落とし口の上方にそれぞれ位置するように、前記シーソー板が配置されたことを特徴とする請求項1記載のクレーンゲーム機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−34918(P2012−34918A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179041(P2010−179041)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
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