説明

クレーンバケット

【課題】クレーンで吊り上げられることにより傾動して内容物を排出するクレーンバケットにおいて、バケット上部の開口部を必要最小限の大きさとすることにより、バケット内に排出された物の飛び出しや飛散を防止するとともに、バケットへの排出時の騒音を低減する。
【解決手段】内容物を収容するバケット本体2と、クレーンにより吊支され、クレーンの上昇に伴ってバケット本体2の吊り上げ動作及び/又は傾動動作を行う吊支アーム3と、バケット本体2の開口部2aを開閉する蓋体4と、一端が第1の回転軸Pで蓋体4に回動可能に連結され、他端がリンク機構7を介して吊支アーム3に連結される連結部材6と、連結部材6に当接可能な当接面5bを有し、第1の回転軸Pで連結部材6及び蓋体4に回動可能に連結されるとともに、第2の回動軸Qでバケット本体2に回動可能に連結されるカム5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンで吊り上げられることにより傾動して内容物を排出するクレーンバケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、製鉄所内において、鋼板等の帯状金属の先端と後端のオフゲージ等の不良部をシャーで切断したスクラップや、工事に使用された配線などのゴミを回収した後に外部へ払い出すためのバケットが使用されている(例えば、特許文献1を参照)。このようなバケットのうち、クレーンによる吊り上げ動作により傾動して、バケット内の内容物(スクラップやゴミなど)を排出するクレーンバケットがある。このようなクレーンバケットでは、クレーン操作のみでバケットを傾転させ、内容物を払い出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−211741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなクレーンバケットにおいては、バケットが傾転した際に内容物を排出するために、バケットの上部が開放された構造となっているため、バケット内に排出された物(スクラップやゴミなど)が、バケットの内面に衝突する際の衝撃でバケット外に飛び出すおそれがある、という問題があった。
【0005】
また、バケット内部に水などの液体が溜まるような環境でバケットが使用される場合には、バケット内の液体が飛散するおそれがある、という問題もあった。
【0006】
さらに、スクラップ等の硬質な物がバケット内に排出される場合には、バケット内面に排出物がバケットの内面に衝突する際の衝突音が、バケット上部の開口部から直接バケット外に漏れるため、製鉄所内の騒音が大きくなる、という問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、クレーンで吊り上げられることにより傾動して内容物を排出するクレーンバケットにおいて、バケット上部の開口部を必要最小限の大きさとすることにより、バケット内に排出された物の飛び出しや飛散を防止するとともに、バケットへの排出時の騒音を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、バケット本体の開口部に取り付けた蓋体をクレーン操作のみで開閉可能な機構を設けることにより、バケット上部の開口部を必要最小限の大きさにすることができ、これにより、バケット内に排出された物の飛び出しや飛散を防止するとともに、バケットへの排出時の騒音を低減することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1) クレーンで吊り上げられることにより傾動して内容物を排出するクレーンバケットであって、前記内容物を収容するバケット本体と、前記クレーンにより吊支され、前記クレーンの上昇に伴って前記バケット本体の吊り上げ動作及び/又は傾動動作を行う吊支アームと、前記バケット本体の開口部を開閉する蓋体と、一端が第1の回転軸で前記蓋体に回動可能に連結され、他端がリンク機構を介して前記吊支アームに連結される連結部材と、前記連結部材に当接可能な当接面を有し、前記第1の回転軸で前記連結部材及び前記蓋体に回動可能に連結されるとともに、第2の回動軸で前記バケット本体に回動可能に連結されるカムと、を備え、前記吊支アームの前記クレーンによる吊り上げ動作に伴い、前記リンク機構が前記連結部材を前記第1の回転軸を中心に一の方向に回動させることにより前記当接面に当接させ、前記当接面に当接した前記連結部材がさらに前記一の方向に回動する動作に連動して、前記カムが前記第2の回転軸を中心に前記一の方向に回動し、前記カムが前記一の方向に回動する動作に連動して、前記蓋体により前記開口部の開放動作が行われることを特徴とする、クレーンバケット。
(2) 前記吊支アームと前記リンク機構、及び、前記リンク機構と前記連結部材は、それぞれ、回動可能に連結されていることを特徴とする、(1)に記載のクレーンバケット。
(3) 前記バケット本体には、第1のピンが設けられており、前記吊支アームには、前記第1のピンと掛合して前記バケット本体を掛止する掛止部を有する掛止突起が設けられていることを特徴とする、(1)または(2)に記載のクレーンバケット。
(4) 前記蓋体の開放動作を行う場合には、前記第1のピンと前記掛止部とが掛合していない状態で前記吊支アームを前記クレーンで吊り上げることを特徴とする、(3)に記載のクレーンバケット。
(5) 前記吊支アームの下端部には、前記バケット本体に設けられた第2のピンと滑合する案内孔が前記吊支アームの長手方向に沿って延設されており、前記第2のピンを前記案内孔の上端に当接させた状態で、前記吊支アームを傾動させた後に前記吊支アームを前記クレーンで吊り上げることにより、前記第1のピンと前記掛止部とが掛合していない状態とすることを特徴とする、(4)に記載のクレーンバケット。
(6) 前記バケット本体が前記内容物を収容している場合に、前記クレーンバケットの重心は、前記第2のピンの中心を通る垂線よりも、前記蓋体により開閉される前記開口部側に位置していることを特徴とする、(5)に記載のクレーンバケット。
(7) 前記バケット本体には、前記吊支アームの傾動を制止する第1の制止部材が設けられていることを特徴とする、(5)または(6)に記載のクレーンバケット。
(8) 前記バケット本体の吊り上げ動作のみを行う場合には、前記第1のピンと前記掛止部とが掛合した状態で前記吊支アームを前記クレーンで吊り上げることを特徴とする、(3)に記載のクレーンバケット。
(9) 前記バケット本体には、前記蓋体の開閉動作を補助する開閉補助部材が設けられていることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載のクレーンバケット。
(10) 前記バケット本体には、当該バケット本体の傾動を制止する第2の制止部材が設けられていることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれかに記載のクレーンバケット。
(11) 前記カムは、三角形状であり、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸は、前記三角形状のカムの3つの頂点のうち2つの頂点の位置で前記カムを軸支しており、前記当接面は、前記第1の回転軸が位置する頂点といずれの前記回転軸も位置していない頂点とを結ぶ辺に位置することを特徴とする、(1)〜(10)のいずれかに記載のクレーンバケット。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、クレーンで吊り上げられることにより傾動して内容物を排出するクレーンバケットにおいて、上記のリンク機構やカムを設けることで、バケット本体の側面に設けた内容物排出のための開口部に取り付けた蓋体をクレーン操作のみで開閉することができ、バケット上部に設けたスクラップ等の送入のための開口部を必要最小限の大きさにすることが可能となる。これにより、バケット内に排出された物の飛び出しや飛散を防止するとともに、スクラップ等のバケットへの排出時の騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るクレーンバケット内に回収された内容物を払い出すための設備の全体構成の一例を示す説明図である。
【図2】同実施形態に係るクレーンバケットの詳細な構成を示す説明図である。
【図3】同実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【図5】同実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【図6】同実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【図7】同実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【図8】同実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【図9】同実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【図10】同実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【図11】同実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【図12】同実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
(本発明の一実施形態に係るクレーンバケットを使用した設備について)
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係るクレーンバケットを使用して、バケット内に回収された内容物を払い出すための設備の一例について説明する。図1は、本実施形態に係るクレーンバケット内に回収された内容物を払い出すための設備の全体構成の一例を示す説明図である。なお、図1では、クレーンバケット内の内容物の一例としてスクラップを回収して払い出す場合を示している。
【0014】
<クレーンバケットの概略構成>
まず、本実施形態に係るクレーンバケット1の概略構成について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るクレーンバケット1は、クレーン50で吊り上げられた状態で、内容物であるスクラップ1aを払い出し先である排出容器70の上方まで搬送するとともに、クレーン50の吊り上げ動作により傾動してスクラップ1aを排出容器70に排出する。このクレーンバケット1は、バケット本体2と、吊支アーム3と、を主に備える。
【0015】
吊支アーム3のアーム本体30の中間部には、フック形状の掛止突起32が設けられており、この掛止突起32の内周側(アーム本体30と対向する側)には、バケット本体2の上部に設けられた上部ピン9と掛合して、バケット本体2の上部を掛止する掛止部(図2を参照)が形成されている。また、アーム本体30の下端部には、バケット本体2の下部に設けられた下部ピン8と滑合する案内孔31が吊支アーム3のアーム本体30の長手方向に沿って延設されており、下部ピン8は案内孔31内を移動可能となっている。さらに、アーム本体30の上端部には、後述するクレーン50のクレーンフック60により引っ掛けられる環状の吊り環部33が取り付けられている。
【0016】
<クレーンの構成>
次に、本実施形態に係るクレーンバケット1の吊り上げ動作及び傾動動作を行うためのクレーン50の構成について説明する。図1に示すように、クレーン50は、いわゆる天井クレーンと呼ばれるもののうちクラブトロリ式という方式を採用したものである。具体的には、クレーン50は、クレーンガーダ51と、クラブトロリ52と、クレーンフック60と、を主に備える。
【0017】
クレーンガーダ51は、その両端部に走行車輪53が設けられており、この走行車輪53を用いて建屋の両側の壁に沿って設けられたランウェイ(走行レール54)を走行する。また、クレーンガーダ51の上面には、クラブトロリ52の横行を案内する横行レール(図示せず)が設けられている。
【0018】
クラブトロリ52は、その下部に横行車輪55を有しており、この横行車輪55を用いて上述した横行レール上を横行する。なお、ここでいう「走行」とは、図1の紙面に対して垂直な方向に沿った移動をいい、「横行」とは、図1における左右方向に沿った移動をいう。
【0019】
また、クラブトロリ52の上部には、クレーンフック60に連結されたワイヤ58を巻き上げる巻上装置が設けられている。この巻上装置は、略円柱状の巻き取りドラム56と、この巻き取りドラム56を円柱の中心軸を軸として回転させるモータ57とを有している。クラブトロリ52の下部には開口部が設けられており、巻き取りドラム56に巻かれたワイヤ58が、クラブトロリ52の下部の開口部を貫通し、クレーンフック60の上部のフックブロック61に引っ掛けられている。
【0020】
このクラブトロリ52は、モータ57を所定の方向に回転駆動させることにより、巻き取りドラム56を回転させて、ワイヤ58を巻き上げる(巻き取る)ことで、クレーンフック60を上昇させることができる。一方、クラブトロリ52は、モータ57を逆の方向に回転駆動させることにより、巻き取りドラム56からワイヤ58を巻き解くことで、クレーンフック60を下降させることができる。
【0021】
また、上述したように、本実施形態では、クレーンフック60は、吊り環部33に引っ掛けられており、これにより、クレーンバケット1を吊支する。このクレーンフック60が、吊り環部33を吊支した状態でクレーンフック60が昇降することにより、クレーンバケット1を昇降させることができる。
【0022】
なお、上述したクレーン50は、本発明におけるクレーンの構成の単なる一例であり、本発明におけるクレーンの構成は、クレーン操作によりクレーンバケットの吊り上げ動作や傾動動作が可能なものであれば、任意の構成のクレーンを採用することができる。
【0023】
<クレーン操作によるクレーンバケットの吊り上げ動作>
次に、上述した構成を有するクレーン50の操作により、クレーンバケット1のバケット本体2の吊り上げ動作のみを行う方法について説明する。バケット本体2の吊り上げ動作のみを行う場合には、まず、上部ピン9と掛止突起32の掛止部(図2等に示されている掛止部32a)を掛合させることにより、バケット本体2の上部を掛止した状態で、吊支アーム3の吊り環部33をクレーンフック60で引っ掛ける。また、下部ピン8については、下部ピン8が案内孔31内で案内孔31の下端と当接している状態とする。
【0024】
このような状態で、モータ57を駆動させて巻き取りドラム56にワイヤ58を巻き取ることにより、クレーンフック60を上昇させると、クレーン50により吊支アーム3が吊り上げられ、これにより、バケット本体部2がクレーン50で吊り上げられることとなる。また、吊支アーム3がクレーン50により上昇し始めると、下部ピン8が案内孔31内を下方へ移動し、下部ピン8が案内孔31の下端に当接する状態となる。このとき、バケット本体2は、吊支アーム3の掛合部と上部ピン9との掛合、及び、案内孔31の下端と下部ピン8との当接により、上部と下部の双方が支持された状態でクレーン50に吊り上げられることとなるので、バケット本体部2を傾動させずに吊り上げることができる。すなわち、クレーン50の操作により、クレーンバケット1のバケット本体2の吊り上げ動作のみを行うことができる。
【0025】
<クレーン操作によるクレーンバケットの傾動動作>
次に、クレーン50の操作により、クレーンバケット1のバケット本体2を傾動させる方法について説明する。バケット本体2を傾動させる場合には、吊り上げ動作のみを行う場合と異なり、上部ピン9と吊支アーム3の掛止部とを掛合させない状態で、吊支アーム3の吊り環部33をクレーンフック60で引っ掛ける。また、下部ピン8については、吊り上げ動作のみを行う場合と同様に、下部ピン8が案内孔31内で案内孔31の上端と当接している状態とする。
【0026】
このような状態で、モータ57を駆動させて巻き取りドラム56にワイヤ58を巻き取ることにより、クレーンフック60を上昇させると、クレーン50により吊支アーム3が吊り上げられ、これにより、バケット本体部2がクレーン50で吊り上げられることとなる。また、吊支アーム3がクレーン50により上昇し始めると、下部ピン8が案内孔31内を下方へ移動し、下部ピン8が案内孔31の下端に当接する状態となる。このとき、バケット本体2は、案内孔31上端と下部ピン8との当接のみにより、下部のみが支持された状態でクレーン50に吊り上げられることとなる。また、吊支アーム3を上昇させていくと、スクラップ1a等の内容物を含めたクレーンバケット1の重心(図5の符号G1を参照)が、クレーン50による吊り上げのための力がかかる下部ピン8の中心を通る(鉛直方向の)垂線(図5の符号Wを参照)の右側(蓋体4が設けられている内容物排出用の開口部2aが位置する側)にある状態であるため、バケット本体2が内容物を排出する方向に傾動し始める。さらに、吊支アーム3の上昇を続けるにつれて傾動する角度が大きくなり、バケット本体2を傾転させることができる。すなわち、クレーン50の操作により、クレーンバケット1のバケット本体2の傾動動作を行うことができる。なお、バケット本体2の傾動動作の詳細については後述する。
【0027】
(本発明の一実施形態に係るクレーンバケットの構成について)
続いて、図2を参照しながら、本実施形態に係るクレーンバケット1の構成について詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るクレーンバケット1の詳細な構成を示す説明図である。
【0028】
図2に示すように、本実施形態に係るクレーンバケット1は、バケット本体2と、吊支アーム3と、蓋体4と、本実施形態に係るカムの一例としての三角カム5と、連結部材6と、本実施形態に係るリンク機構の一例としてのリンク7と、本実施形態に係る第2のピンの一例としての下部ピン8と、本実施形態に係る第1のピンの一例としての上部ピン9と、本実施形態に係る第1の制止部材の一例としてのビーム受け10と、本実施形態に係る開閉補助部材の一例としてのコロ11と、本実施形態に係る第2の制止部材の一例としての傾動制止ピン12と、を主に備える。
【0029】
バケット本体2は、上述したスクラップ1aやゴミなどの内容物を収容する。
【0030】
吊支アーム3は、クレーン50の上昇に伴ってバケット本体2の吊り上げ動作及び/又は傾動動作を行う。この吊支アーム3のアーム本体30の下端部には、バケット本体2の下部に設けられた下部ピン8と滑合する案内孔31が吊支アーム3のアーム本体30の長手方向に沿って延設されており、下部ピン8は案内孔31内を移動可能となっている。
【0031】
アーム本体30の中間部には、上述したように、フック形状の掛止突起32がアーム本体30の幅方向に突出して設けられている。この掛止突起32の内周側(アーム本体30と対向する側)には、バケット本体2の上部に設けられた上部ピン9と掛合して、バケット本体2の上部を掛止する掛止部32aが形成されている。また、掛止突起32の外側(アーム本体30から離隔した側)の外縁部32bは略直線上に形成されている。
【0032】
アーム本体30の上端部には、上述したクレーン50のクレーンフック60により引っ掛けられる環状の吊り環部33が取り付けられており、アーム本体30と吊り環部33の接合部付近に、ビーム部材34が設けられている。ビーム部材34は、その一側部34a(以下、「ビーム側部34a」という。)が、後述するように、バケット本体2上に固定設置されたビーム受け10のビーム受け面10aと当接することにより、吊支アーム4の傾動を制止するために設けられている。
【0033】
また、アーム本体30の一側部30a(以下、「アーム側部30a」という。)は、吊支アーム3がクレーン50で吊り上げられることによりバケット本体2が傾動し、バケット本体2の傾動角度が大きくなったときに、バケット本体2の後面側(開口部2aを前面側とした場合)に設けられた傾動制止ピン12と当接する。これにより、バケット本体2の傾動が制止される。
【0034】
蓋体4は、バケット本体2がクレーン50の吊り上げにより傾転したときに内容物を排出可能な位置、例えば、バケット本体2の一側面に設けられた内容物排出用の開口部2aを開閉する蓋である。この蓋体4は、詳しくは後述するように、クレーン50の操作のみで開口部2aの開閉が可能であり、バケット本体2が傾動するに伴い、自動的に蓋体4が開口部2aを開放するように、蓋体4の開閉機構が設けられている。このような蓋体4の開閉機構は、上述した吊支アーム3に加え、後述する三角カム5、連結部材6及びリンク7等で構成されている。
【0035】
また、開口部2aが形成されているバケット本体2の前面側の下端部には、鉛直断面(図2の紙面と平行な断面)が略L字状(曲線部分を有していてもよい。)の蓋ロック部材4aが設けられている。蓋ロック部材4aは、蓋体4が開口部2aを閉止している状態(以下、単に「閉止状態」という場合がある。)の場合に、蓋体4が開口部2aを開放しないように抑止しておく役割を有する。すなわち、蓋体4が開口部2aを閉止している状態では、蓋体4の下端部が蓋ロック部材4aと嵌合しており、これにより、蓋ロック部材4aは、蓋体4がヒンジ部Pを中心として(開口部2aを開放する方向に)回動することを防止する。
【0036】
三角カム5は、略三角形状のカムであり、連結部材6に当接可能な当接面5bを有する。また、三角カム5は、本実施形態に係る第1の回転軸の一例としてのヒンジ部Pで連結部材6及び蓋体4に回動可能に連結されるとともに、本実施形態に係る第2の回動軸の一例としてのヒンジ部Qでバケット本体2に回動可能に連結される。本実施形態では、ヒンジ部Pは、蓋体4の上端部に設けられており、ヒンジ部Qは、バケット本体2の上部の開口部2a寄りの箇所に設けられている。
【0037】
また、ヒンジ部P及びヒンジ部Qは、三角カム5の3つの頂点のうち2つの頂点の位置で三角カム5を軸支している。また、当接面5bは、ヒンジ部Pが位置する頂点といずれのヒンジ部等の回転軸が位置していない頂点とを結ぶ辺に位置している。このような構成を採用することにより、クレーン50の操作のみによる蓋体4の自動開閉を実現することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、カムの一例として三角カムを例に挙げているが、本発明におけるカムの形状は、略三角形状のものに限られず、連結部材6と当接する当接面を有し、かつ、一の回転軸により蓋体4及び連結部材6と回動可能に連結され、他の回転軸によりバケット本体2の回動可能に連結されているものであれば、いかなる形状でもよい。すなわち、本発明におけるカムの形状としては、例えば、L字状や扇形など、当接面と2つの回転軸を含むものであればよい。
【0039】
連結部材6は、略棒状の部材であり、一端がヒンジ部Pで蓋体4及び三角カム5に回動可能に連結され、他端がリンク7を介して吊支アーム3に連結される。本実施形態では、連結部材6の他端が、ヒンジ部6aにより棒状のリンク7の一端と回動可能に連結されており、リンク7の他端は、ヒンジ部7aにより吊支アーム3のアーム本体30の上端部付近に回動可能に連結されている。
【0040】
また、連結部材6には、三角カム5の当接面5bと当接して、当接面5bを押圧する押圧部6bが設けられている。すなわち、連結部材6がヒンジ部Pを中心として三角カム5側に回動(図2では反時計回りに回動)して、連結部材6が当接面5bに当接した後に、さらに同じ方向に連結部材6が回動すると、押圧部6bが当接面5bを押圧し、これにより、三角カム5がヒンジ部Qを中心として連結部材6と同じ方向(図2では反時計回り方向)に回動する。この三角カム5の回動により、蓋体4が開口部2aの開口面に沿って上方に移動する。
【0041】
なお、連結部材6は、例えば、横断面(長手方向に垂直な断面)が略H型の形状をしており、2本の直線部分に直行する1本の直線部分が押圧部6bとして構成されている。
【0042】
コロ11は、蓋体の開閉動作を補助する部材である。また、コロ11は、例えば、略円柱状の形状を有しており、バケット本体2の開口部2aの上部(開口部2aが形成されているバケット本体2の前面側の上端部)に回転可能に設置されている。このコロ11は、三角カム5の回動により蓋体4が上方に移動し、蓋体4の下端部が蓋ロック部材4aから外れ、かつ、蓋体4の上端部がコロ11に接触した後に、三角カム5と同じ方向(図2では反時計回り方向)に回転することにより、蓋体4がコロ11に乗ってバケット本体2の上面側へ移動することを補助する役割を有する。
【0043】
傾動制止ピン12は、バケット本体2の後面側に設けられ、バケット本体2の傾動を制止する。この傾動制止ピン12は、吊支アーム3がクレーン50で吊り上げられることによりバケット本体2が傾動し、バケット本体2の傾動角度が大きくなったときに、上述したアーム側部30aと当接する。このとき、傾動制止ピン12はバケット本体12に固定設置されているので、傾動制止ピン12がバケット本体2の傾動を制止するストッパの役割を有することで、バケット本体2の傾動が制止される。
【0044】
以上のような構成を有するクレーンバケット1において、バケット本体2の傾動動作とともに蓋体4の開放動作を行う場合には、バケット本体2の吊り上げ動作のみ(バケット本体2の搬送動作を含む。)を行う場合とは異なり、上部ピン9と吊支アーム3の掛止部とを掛合させない状態で、クレーン50によりクレーンバケット1を吊り上げる必要がある。このように、上部ピン9と吊支アーム3の掛止部とを掛合させない状態で、クレーン50によりクレーンバケット1を吊り上げるためには、下部ピン8を吊支アーム3の案内孔31の上端に当接させた状態で吊支アーム3を傾動させた後に、吊支アーム3をクレーン50で吊り上げればよい。このとき、内容物を含めたクレーンバケット1の重心が、下部ピン8の中心を通る垂線よりも、内容物排出用の開口部2aが位置する側に位置する状態であるため、バケット本体2が内容物を排出する方向に傾動し始める。
【0045】
また、バケット本体2には、この吊支アーム3の傾動を制止するためにビーム受け10が設けられている。このビーム受け10は、上述したように、ビーム部材34の一側部34aと当接するのであるが、ビーム受け10のビーム受け面10aをビーム部材34の一側部34aと当接させた後に、吊支アーム3を鉛直上方に吊り上げたとき、掛止突起32の外縁部32bが上部ピン9と当接させることができるような形状で設けられる。
【0046】
なお、図2は、バケット本体2の側面(開口部2aを前面とした場合)から見た状態が示されており、以上説明した吊支アーム3、三角カム5、連結部材6、リンク7、下部ピン8、上部ピン9、傾動制止ピン12等は、図2の紙面の裏側に相当する側のバケット本体2の側面にも設けられている。すなわち、吊支アーム3、三角カム5、連結部材6、リンク7、下部ピン8、上部ピン9、傾動制止ピン12等は、バケット本体2の両側面に設けられている。
【0047】
(本発明の一実施形態に係るクレーンバケットの動作について)
続いて、図3〜図12を参照しながら、以上説明した構成を有する本実施形態に係るクレーンバケットの動作について説明する。図3〜図12は、本実施形態に係るクレーンバケットの動作状態を示す説明図である。
【0048】
まず、本実施形態に係るクレーンバケット1の動作の概略を説明すると、本実施形態に係るクレーンバケット1では、吊支アーム3のクレーン50による吊り上げ動作に伴い、リンク7が、連結部材6をヒンジ部Pを中心として一の方向(図3〜図12では反時計回り方向)に回動させることにより、連結部材6の押圧部6bを三角カム5の当接面5bに当接させる。次いで、当接面5bに当接した連結部材6がさらに上記一の方向に回動する動作に連動して、三角カム5がヒンジ部Qを中心として上記一の方向に回動する。すると、三角カム5が一の方向に回動する動作に連動して、蓋体4によりバケット本体2の開口部2aの開放動作が行われる。以下、図3〜図12を適宜参照しながら、本実施形態に係るクレーンバケット1における蓋体4による開口部2aの開放動作について詳細に説明する。
【0049】
<蓋体による開口部の開放動作>
初めに、図3に示すように、クレーン50により吊支アーム3を下降させ、下部ピン8が案内溝31に当接する状態とする。このとき、上部ピン9は掛止部32aとは離隔しており掛合していない。この状態で、クレーン50のクレーンフック60を下降させながらクラブトロリ52を水平方向(図3の例では水平方向左向き)に移動させることにより、図3の矢印Aに示すように、下部ピン8を中心として吊支アーム3を傾動させる。
【0050】
吊支アーム3が傾動し、図4に示すように、ビーム部材34のビーム側部34aがビーム受け10のビーム受け面10aに接触すると、ビーム受け10が吊支アーム3の傾動を制止するストッパの役割を果たし、吊支アーム3の傾動が制止される。この状態で、滑車52を停止させたままクレーンフック60を上昇させることにより、図4の矢印Bに示すように、吊支アーム3を鉛直上向きに吊り上げる。
【0051】
すると、吊支アーム3が傾動制止時の傾きを維持したまま鉛直上方に吊り上げられる。このとき、図5に示すように、内容物を含めたクレーンバケット1の重心G1が、下部ピン8の中心を通る垂線Wよりも、内容物排出用の開口部2aが設けられている側に位置する状態となっている。なお、図5では、下部ピン8が案内孔31の下端に当接したときに、ちょうど上部ピン9が掛止突起32の外縁部32bと当接する状態となっているが、重心G1が垂線Wよりも開口部2a側にあれば、上部ピン9と外縁部32bとは当接していなくてもよい。また、このとき、吊支アーム3の上昇に伴い、リンク7がバケット本体2の前面側(図5では右側)に移動し、これにより、リンク7とヒンジ部6aで連結された連結部材6が、三角カム5から離反する方向(図5では時計回り方向)に回動する。この状態で、図5の矢印Bに示すように、吊支アーム3をさらに鉛直上向きに吊り上げる。
【0052】
すると、上述したように、重心G1が垂線Wよりも開口部2a側にあるため、バケット本体2が内容物を排出する方向に傾動を開始し、図6に示すように、バケット本体2の後面側が上昇した状態となる。この状態で、図6の矢印Bに示すように、吊支アーム3をさらに鉛直上向きに吊り上げる。
【0053】
すると、吊支アーム3がさらに上昇し、図7に示すように、バケット本体2の後面側が持ち上げられるため、バケット本体2の傾動の傾きがさらに大きくなる。また、吊支アーム3の上昇により、リンク7が、ヒンジ部7aで連結された吊支アーム3の動きに伴って引っ張られて、リンク7が、バケット本体2の後面側に移動する。このリンク7の移動に伴い、リンク7とヒンジ部6aで連結された連結部材6が、三角カム5に接近するように移動し、図7に示すように、連結部材6の押圧部6bと当接面5bとが当接する状態となる。この状態で、図7の矢印Bに示すように、吊支アーム3をさらに鉛直上向きに吊り上げると、図7の矢印Cに示すように、三角カム5の当接面5bが連結部材6の押圧部6bに押圧され、三角カム5が、ヒンジ部Qを中心として、連結部材6の回動方向と同じ方向に回動を開始する。また、三角カム5とヒンジ部Pにより連結されている蓋体4も、三角カム5の回動に連動して、図7の矢印Dで示す方向に向かって移動を開始する。
【0054】
さらに吊支アーム3が鉛直方向(矢印Bの方向)に上昇すると、図8に示すように、バケット本体2の傾動の傾きがさらに大きくなるとともに、連結部材6と一体となって矢印Cの方向に回動する三角カム5に連動して、矢印Dの方向に移動している蓋体4の下端部が、蓋ロック部材4aから外れる。この状態で、図8の矢印Bに示すように、吊支アーム3をさらに鉛直上向きに吊り上げると、三角カム5が、連結部材6と一体となってさらに矢印Cの方向に回動し、蓋体4がさらに矢印Dの方向に移動する。
【0055】
その結果、蓋体4がある程度の距離を移動すると、ヒンジ部Pの位置が上昇するととともに、バケット本体2の後面側に移動するため、図9に示すように、三角カム5とヒンジ部Pで連結されている蓋体4には、その下端部をバケット本体2の前面側に移動させるような力が加わる。そして、この状態では、蓋体4の下端部は蓋ロック部材4aからは外れているため、蓋体4の下端部は、矢印Eの方向に向かって移動し始める。
【0056】
図9の状態から、矢印Bに示すように、吊支アーム3をさらに鉛直上向きに吊り上げると、図10に示すように、バケット本体2の傾動の傾きがさらに大きくなるとともに、吊支アーム3の上昇に伴い、リンク7がバケット本体2の後面側の方向(図10の矢印Fの方向)に引っ張られて移動し、これにより、三角カム5と連結部材6とが一体となって矢印Cの方向にさらに回動する。また、この三角カム5と連結部材6の回動に連動して、蓋体4の位置も上昇し、図10に示すように、蓋体4の内面側(開口部2aと対向する側)の面がコロ11の上に乗る。
【0057】
図10の状態から、矢印Bに示すように、吊支アーム3をさらに鉛直上向きに吊り上げると、図11に示すように、バケット本体2の傾動の傾きがさらに大きくなるとともに、吊支アーム3の上昇に伴い、三角カム5と連結部材6とが一体となってさらに回動する。さらに、この三角カム5と連結部材6の回動に連動して、蓋体4もコロ11上に乗ったままヒンジ部Pに引っ張られて移動する。この際、蓋体4の移動は、コロ11により補助されて円滑に行われる。
【0058】
ただし、図11に示すように、リンク7と連結部材6が略一直線上になった後は、連結部材6はそれ以上回動することができない一方で、三角カム5はヒンジ部Qを中心としてさらに回動を続けるため、連結部材6の押圧部6bと三角カム5の当接面5bとが離反する。また、吊支アーム3が上昇を続けると、吊支アーム3のアーム側部30aが傾動制止ピン12に当接する。これにより、バケット本体2の吊支アーム3に対する傾きが固定される。
【0059】
図11の状態から、矢印Bに示すように、吊支アーム3をさらに鉛直上向きに吊り上げると、図12に示すように、バケット本体2と吊支アーム3との位置関係を維持したまま、吊支アーム3の吊り上げ方向の直線上に、内容物を排出した後のクレーンバケット1の重心G2が位置するまで、バケット本体2と吊支アーム3が一体的に傾動して図12の状態となる。このとき、蓋体4は、開口部2aを完全に開口した状態となっているので、バケット本体2内の内容物がクレーンバケット1の下方の排出容器等に排出される。
【0060】
このように、クレーン50の操作のみで、具体的には、クレーン50により吊支アーム3を鉛直方向に吊り上げる操作のみで、自動的に、バケット本体2を傾動させながら、同時に蓋体4の開放動作を行うことができる。
【0061】
<蓋体による開口部の閉止動作>
次に、蓋体4によりバケット本体部2の開口部2aの閉止動作を行う場合には、以上図3〜図12を用いて説明した開放動作の逆の動作を行うことにより、蓋体4がバケット本体2に設けられた蓋ロック部材4aと嵌合して、バケット本体部2の開口部2aを閉止することができる。
【0062】
<作用効果について>
以上説明したように、本実施形態に係るクレーンバケット1の構成によれば、バケット本体2の開口部2aに取り付けた蓋体4をクレーン50の操作のみで開閉することができ、バケット本体2の上部の開口部(図示せず)を必要最小限の大きさにすることが可能となる。これにより、バケット本体2内に排出された物の飛び出しや飛散を防止するとともに、スクラップ等のバケット本体2内への排出時の騒音を低減することができる。
【0063】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0064】
1 クレーンバケット
2 バケット本体
2a 開口部
3 吊支アーム
4 蓋体
4a 蓋ロック部材
5 三角カム
5b 当接面
6 連結部材
6a ヒンジ部
6b 押圧部
7 リンク
7a ヒンジ部
8 下部ピン
9 上部ピン
10 ビーム受け
11 コロ
12 傾動制止ピン
30 アーム本体
30a アーム側部
31 案内孔
32 掛止突起
32a 掛止部
32b 外縁部
33 吊り環部
34 ビーム部材
50 クレーン
51 クレーンガーダ
52 クラブトロリ
53 走行車輪
54 走行レール
55 横行車輪
56 巻き取りドラム
57 モータ
58 ワイヤ
60 クレーンフック
61 フックブロック
P ヒンジ部
Q ヒンジ部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンで吊り上げられることにより傾動して内容物を排出するクレーンバケットであって、
前記内容物を収容するバケット本体と、
前記クレーンにより吊支され、前記クレーンの上昇に伴って前記バケット本体の吊り上げ動作及び/又は傾動動作を行う吊支アームと、
前記バケット本体の開口部を開閉する蓋体と、
一端が第1の回転軸で前記蓋体に回動可能に連結され、他端がリンク機構を介して前記吊支アームに連結される連結部材と、
前記連結部材に当接可能な当接面を有し、前記第1の回転軸で前記連結部材及び前記蓋体に回動可能に連結されるとともに、第2の回動軸で前記バケット本体に回動可能に連結されるカムと、
を備え、
前記吊支アームの前記クレーンによる吊り上げ動作に伴い、前記リンク機構が前記連結部材を前記第1の回転軸を中心に一の方向に回動させることにより前記当接面に当接させ、前記当接面に当接した前記連結部材がさらに前記一の方向に回動する動作に連動して、前記カムが前記第2の回転軸を中心に前記一の方向に回動し、前記カムが前記一の方向に回動する動作に連動して、前記蓋体により前記開口部の開放動作が行われることを特徴とする、クレーンバケット。
【請求項2】
前記吊支アームと前記リンク機構、及び、前記リンク機構と前記連結部材は、それぞれ、回動可能に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載のクレーンバケット。
【請求項3】
前記バケット本体には、第1のピンが設けられており、
前記吊支アームには、前記第1のピンと掛合して前記バケット本体を掛止する掛止部を有する掛止突起が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載のクレーンバケット。
【請求項4】
前記蓋体の開放動作を行う場合には、前記第1のピンと前記掛止部とが掛合していない状態で前記吊支アームを前記クレーンで吊り上げることを特徴とする、請求項3に記載のクレーンバケット。
【請求項5】
前記吊支アームの下端部には、前記バケット本体に設けられた第2のピンと滑合する案内孔が前記吊支アームの長手方向に沿って延設されており、
前記第2のピンを前記案内孔の上端に当接させた状態で、前記吊支アームを傾動させた後に前記吊支アームを前記クレーンで吊り上げることにより、前記第1のピンと前記掛止部とが掛合していない状態とすることを特徴とする、請求項4に記載のクレーンバケット。
【請求項6】
前記バケット本体が前記内容物を収容している場合に、前記クレーンバケットの重心は、前記第2のピンの中心を通る垂線よりも、前記蓋体により開閉される前記開口部側に位置していることを特徴とする、請求項5に記載のクレーンバケット。
【請求項7】
前記バケット本体には、前記吊支アームの傾動を制止する第1の制止部材が設けられていることを特徴とする、請求項5または6に記載のクレーンバケット。
【請求項8】
前記バケット本体の吊り上げ動作のみを行う場合には、前記第1のピンと前記掛止部とが掛合した状態で前記吊支アームを前記クレーンで吊り上げることを特徴とする、請求項3に記載のクレーンバケット。
【請求項9】
前記バケット本体には、前記蓋体の開閉動作を補助する開閉補助部材が設けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のクレーンバケット。
【請求項10】
前記バケット本体には、当該バケット本体の傾動を制止する第2の制止部材が設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のクレーンバケット。
【請求項11】
前記カムは、三角形状であり、
前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸は、前記三角形状のカムの3つの頂点のうち2つの頂点の位置で前記カムを軸支しており、
前記当接面は、前記第1の回転軸が位置する頂点といずれの前記回転軸も位置していない頂点とを結ぶ辺に位置することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のクレーンバケット。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−189111(P2010−189111A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33975(P2009−33975)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】