説明

クロストーク補正係数算出方法およびクロストーク補正係数算出装置およびこれを用いた三次元表面形状測定装置

【課題】 複数波長による表面形状の測定方法およびこれを用いた装置によって測定する場合に発生するクロストーク現象のクロストーク補正係数を算出する。
【解決手段】 測定対象面の平面領域内から輝度の異なる6点以上の干渉輝度信号を取得し、前記輝度信号に干渉縞モデルとクロストークモデルとの組み合わせを適合(フィッティング)することにより、クロストーク補正係数を一括して算出するクロストーク補正係数算出方法、また、該方法を実行できる装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶パネル、プラズマディスプレーパネル、磁性体フィルム、ガラス基板あるいは金属膜などの測定対象物の表面凹凸形状を波長の異なる複数の単色光を利用して測定する方法およびこれを用いた装置によって測定する場合に発生する単色光相互のクロストーク現象のクロストーク補正係数算出方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記測定対象物にある表面凹凸形状を高速に精度良く測定することができる複数波長による表面形状の測定方法およびこれを用いた装置が提案されている。
【0003】
すなわち、分岐手段を介して測定対象面と参照面に波長の異なる単色光を同時に照射し、測定対象面と参照面の両方から反射して同一光路を戻る反射光によって生じる干渉縞を発生させる。生じる干渉縞の輝度値に基づいて、測定対象面の表面高さと表面形状を求める複数波長による表面形状の測定方法において、
光の進行方向に対して任意角度の傾斜姿勢で前記参照面を配置し、波長の異なる複数の単色光を測定対象物と参照面に同時に照射することにより発生させた干渉縞の画像を取得する第1過程と、
取得した前記画像における各画素の干渉縞の輝度値を複数波長の単色光ごとの画素単位で求める第2過程と、
干渉縞波形を求める表現式を利用して前記各画素ごとについて、各画素の輝度値と画素ごとにその近傍の複数画素の輝度値とを利用し、それらの画素における干渉縞波形の直流成分(=平均輝度)、交流振幅(=干渉変調度)、および位相が等しいと仮定し、各画素の位相を前記単色光ごとに求める第3過程と、
単色光ごとに求めた各画素の位相から測定対象物の表面高さの候補群を単色光ごとに求め、各波長の候補群から共通する高さを実高さとして求める第4の過程と、
求めた前記実高さから測定対象物の表面形状を求める第5過程とを備える波長の異なる複数の単色光による表面形状の測定方法がある。
【0004】
しかし、ここで、撮像装置として市販のカラーカメラを使用する場合、波長の異なる複数の各単色光を分離するためのカラーフィルタと全波長に同じ感度特性を持つ撮像素子を用いているので、クロストーク現象が生じる。尚、ここで云うクロストーク現象とは、カラーカメラの波長B,GおよびRの各成分のスペクトル感度(輝度)分布がオーバーラップしているために、該カラーカメラの波長B,GおよびRの各成分が各3色の個々の照明光と完全に対応していなく、例えば、カラーカメラのグリーンである530nm波長成分には、ブルーである470nm波長成分による信号も混入する現象を云う。例えば、図3に示す様に、カラーカメラのグリーンのLED光源の分光通過感度特性(中心波長530nm)によって、ブルーのLED光源(中心波長470nm)による信号もγの高さ分が混入している、したがって、当該クロストークを補正して除去する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−209404号
【特許文献2】特開H10−122834号
【特許文献3】特開2001−330417号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】北川:3波長ワンショット干渉計測、V1EW2008ビジョン技術の実利用ワークショップ講演論文集、5−10(2008.12.4−5;パシフィコ横浜)。
【0007】
【非特許文献2】北川:3波長ワンショット形状測定法、精密工学会2008年秋季大会学術講演会講演論文集、178−180(2008.9:東北大学)。
【0008】
【非特許文献3】佐藤・築根:カラー符号化を用いたレンジファインダ、電気学会システム・制御研究会、SC−00−5,23/28(2000)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のクロストーク補正係数算出法は、各波長の照明を個別に点灯して複数枚のカラー画像を得る個別点灯法が用いられていた。該方法では、該画像の各画素における各波長B,GおよびRのスペクトル感度(輝度)の測定値から、図12に示すスペクトル感度(輝度)間の相関図を得て、回帰係数を得るというものである。
【0010】
図12は、横軸を波長Bの輝度値とし、縦軸は、波長G及びRの観測輝度値G’及びR’を表わす。ここで、各波長の観測輝度値をB’,G’及びR’真の輝度値をB,G及びRとし、且つ各クロストーク現象の強度をあらわす係数を、α、β、γ、δ、ε及びζであらわした時、各クロストークモデルが、式(1)


【0011】
で表わすので、この式を図12に当てはめる。例えば、波長Rの輝度値と波長Gの輝度値を非点灯状態で、横軸である波長Bの光量を変化させたとき、クロストークである縦軸の観測輝度値G’及びR’が、式(2)


【0012】
で表わす。以下同様に、R成分又はG成分のみを点灯することにより、α、β、δおよびζも求まる。
【0013】
しかし、上記方法では、以下の問題があった。1)各波長の照明を個別に点灯してカラー画像を得るという煩雑さがあるため、時間と手間がかかっていた。2)個別に点灯可能な照明系にしか適用できない方法であった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明では、上記課題を解決するために、第1および第7の発明では、波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明手段からの出射光を測定対象面と参照面とに同時に照射し、前記測定対象面と前記参照面の各々から反射して同一の光路を戻る反射光によって前記複数の単色光ごとに生じる干渉縞の輝度値を分光手段を備えた撮像手段によって電気的信号強度に変換し、得られた干渉縞輝度信号に基づいて、測定対象面の表面高さと表面形状を求めて三次元形状を測定する際のクロストーク補正係数算出方法において、
前記測定対象面の領域内から(m+3)点以上の干渉縞輝度信号を取得し、前記干渉縞輝度信号に、干渉縞モデルとクロストークモデルとの組み合わせを適合(フィッティング)することにより、クロストーク補正係数を一括して撮像した一枚のカラー画像から算出するクロストーク補正係数算出方法、また、該方法を実行できる装置を提供する。
【0015】
また、第2および第8の発明では、算出対象の画素の位置座標は(x、y)の2次元で表わすが、本実施例では説明を簡便化するためy座標を省略して記載した場合、座標x、波長jにおける波長の輝度値をg(x、j)、平均輝度(=直流成分)をa(j)、干渉変調度(=交流振幅)をb(j),位相をφ(j)および縞周波数をf(j)としたときの干渉縞の輝度値の表現式、すなわち干渉縞モデルが、式(3)

【0016】
で表わすときにクロストーク補正係数を一括して撮像した一枚のカラー画像をから算出する方法、また、該方法を実行できる装置を提供する。
【0017】
さらに、第3および第9の発明では、前記複数波長の波長jにおける各観測輝度値をH’(j)、真の輝度値をH(j)とし、且つ各クロストーク補正係数をαjkであらわしたとき、
該各クロストークモデルが、式(4)

【0018】
で表わす方法、また、該方法を実行できる装置を提供する。
【0019】
さらに、第4および第10の発明では、前記適合(フィッティング)が、各波長の波形パラメータである前記平均輝度a(j)、前記干渉変調度b(j)、前記位相φ(j)および前記縞周波数f(j)と前記クロストーク補正係数αjk(但し、j=1,・・・,m k=1,・・・,m)とを未知パラメータとして、クロストーク補正係数を求めるクロストーク補正係数算出方法、また、該方法を実行できる装置を提供する。
【0020】
さらには、第5および第11の発明として、前記クロストーク補正係数算出方法を用いて、各測定対象面の各波長の観測輝度値と真の輝度値との関係をあらわす式を利用して、クロストーク係数が小さいことにより係数の積の項を無視した式(5)




を用いて真の輝度値を求めクロストーク補正係数算出方法、また、該方法を実行できる装置を提供する。
【0021】
さらには、第6および第12の発明として、本願発明のクロストーク補正係数算出工程の原理を正弦波パターン投影による三次元表面形状測定工程に適用し、三次元表面形状を測定する方法を提供する、また、該方法を実行できる装置を提供する。
【0022】
すなわち、前記本願発明のクロストーク補正係数算出工程の原理を前記の先行文献に記載の三次元表面形状測定方法および装置の工程に適用することにより、クロストーク現象の影響を補正した状態で、三次元表面形状測定することにより、より精度の高い表面形状を得ることができるという効果が期待できる。
【0023】
また、本願発明では、照明手段に特徴があり、第13および第17の発明として、前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明工程が、白色光源と波長の異なるそれぞれの単色光のみを通過させる前記複数m個の帯域通過フィルターと、前記複数帯域通過フィルターを通過した各単色光すべてを均一に混合して出射光とする単色光混合工程とからなるクロストーク補正係数算出方法、また、該方法を実行できる装置を提供する。
【0024】
また、その他の照明手段として、第14および第18の発明として、前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明工程が、白色光源と波長の異なるすべての前記単色光のみを通過させる多波長帯域通過フィルターを用いることからなるクロストーク補正係数算出方法、また、該方法を実行できる装置を提供する。
【0025】
さらには、第15および第19の発明として、前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明工程が、波長の異なる単色光で発光する前記複数のLEDを用いることを特徴とするクロストーク補正係数算出方法、また、該方法を実行できる装置を提供する。
【0026】
さらには、第16および第20の発明として、前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明工程で、白色光源と波長の異なるすべての前記単色光のみを通過させる多波長の帯域通過フィルター、あるいは、波長の異なる単色光で発光する前記複数のLEDとを用いるとき、単色光混合工程を備えるクロストーク補正係数算出方法、また、該方法を実行できる装置を提供する。
【発明の効果】
【0027】
上記、課題を解決するための工程や手段を用いることにより、1)照明を複数波長全てを点灯した1枚のカラー画像からクロストーク補正係数が推定できる。2)前記の様に、1枚のカラー画像からクロストーク補正係数が推定できることから、推定に要する時間が大幅に短縮され、操作も容易となる。3)波長の異なる複数の単色光を出射する照明手段であれば良い。さらには、4)照明手段の光源が、測定状態と同じに全波長を点灯したままで、クロストーク補正係数を求めることができる。などの効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る表面形状測定装置の概略構成を示す図である。 [図1]−a 各白色光源からの光源を用いて、各光源別にRGBフィルタを通過しての後、混色する単色光混色手段からなる照明手段を表わす図。 [図1]−b LEDアレイから複数の単色光が混色され出射される照明手段を表わす図。
【図2】本発明に係るクロストーク補正処理を示すフローチャート。
【図3】本発明に係るカラーカメラの分光感度とLED照明中心波長。
【図4】本発明における3波長光学系による撮像画像(1μm段差の例)。
【図5】本発明の実施例1における観測輝度プロファイル。
【図6】本発明の実施例1における適合輝度プロファイル。。
【図7】本発明の実施例1におけるクロストーク補正後の輝度プロファイル。
【図8】本発明の実施例1における適合で得られた波形パラメータ。
【図9】本発明の実施例1におけるクロストーク補正前の波長Bの真の輝度値と波長Gの観測輝度値の相関図。
【図10】本発明の実施例1におけるクロストーク補正後の波長Bの真の輝度値と波長Gの観察輝度値の相関図。
【図11】本発明の実施例2における使用した6点の輝度値データ。
【図12】従来の個別点灯法によるクロストーク補正係数算出例(波長Bの照明のみを点灯した場合)。
【図13】撮像手段が備える3波長帯域通過フィルタの分光波長通過特性を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明では、表面が略平坦な測定対象物のその表面高さおよび表面形状を、干渉縞波形を求める表現式を利用して測定する表面形状測定装置を例に採って説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施例に係る表面形状測定装置の概略構成を示す図である。この表面形状測定装置は、半導体ウエハ、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、磁性体フィルム、ガラス基板あるいは金属膜などの表面に表面凹凸形状を有する測定対象物30に特定波長帯域の波長の異なる複数の単色光を同時に照射する光学系ユニット1と、光学系ユニット1を制御する制御系ユニット2と、前記測定対象物30を載置保持する保持テーブル40とを備えている。
【0031】
光学系ユニット1では、まず、前記測定対象物30の測定対象面30Sおよび参照面15に向けて同時に出力する照明装置10と、該複数の単色光を平行光にするコリメートレンズ11と、該複数の単色光を測定対象物30の方向に反射する一方、測定対象物30の方向からの光を通過させるハーフミラー13と、ハーフミラー13で反射されてきた単色光を集光する対物レンズ14と、対物レンズ14を通過してきた単色光を、参照面15へ反射させる参照光と測定対象面30Aへ通過させる測定光とに分けるとともに参照面15で反射してきた参照光と測定対象面30Sで反射した測定光とを再びまとめて干渉縞を発生させるビームスプリッタ17と、参照光と測定光とがまとめられた単色光を撮像する撮像装置19とを備えている。
【0032】
照明手段である照明装置10は、一例として、図1−aに示す様に、白色光の光学部材10Dから出射する光源の前に波長B、G及びRと異なる3種類の光をそれぞれ通過するRGBフィルタ12を設け、該各単色光を混色して同じ方向に出射する光ファイバライトガイド10Fからなる照明装置10を構成する。例えば、該RGBフィルタ12は青色波長B=470nm、緑色波長G=530nm及び赤色波長R=627nmの波長の光を通過し、光ファイバライトガイド10F側へ出射しも良い。
【0033】
他の一例として、図1−bに示す様に、LED(Light Emitting Diode)アレイからなるLED光源を用い、例えば青、緑および赤の3種の単色光を混色して出射する照明装置10を用いても良い。
【0034】
また、他の一例として照明手段である照明装置10としては、図1に示す、白色光源(例えばハロゲンランプ)と、前記白色光源からの投射光から、図13に示すように、通過波長が、青色波長B=470nm、緑色波長G=560nmおよびR=627nmの3波長の単色光のみを通過させる多波長帯域通過フィルタ10Tを通して出射する照明装置10を用いても良い。従い、前記各事例の照明手段から投射される光は、上述各異なる照明装置においても、3つの異なる波長の単色光を混色させた光を照明光として用いることができる。
【0035】
ビームスプリッタ17は、対物レンズ14で集光される光を参照面15で反射させる参照光と、測定対象面30Sで反射させる測定光とに分ける。また、各面で反射して同一光路を戻る参照光と測定光とを再びまとめることによって、干渉を発生させる。
【0036】
参照面15は、表面が鏡面加工されており、参照光の進行方向に対して前後斜め傾斜姿勢で取り付けられている。この参照面15によって反射された参照光は、ビームスプリッタ17に達し、さらに、この参照光はビームスプリッタ17によって反射されるようになっている。
【0037】
なお、参照面15を参照光の進行方向に対してx−z面に垂直な軸を基軸に回転させた傾斜姿勢で取り付けることにより、参照光の到達距離および反射光が撮像装置19に到達するまでの距離が、その反射面の位置によって変化する。これは参照面15を移動して、参照面15とビームスプリッタ17との間の距離L1を変動させるのと同等の効果がある。
【0038】
撮像装置19は、測定光と参照光で発生される測定対象面30Sの干渉縞画像を撮像する。また、このとき、参照面15が傾いていることと測定対象面30Sの表面の表面凹凸形状により、撮像された測定対象面30Sの画像には干渉による輝度の空間的な変動である干渉縞が撮像される。この撮像した複数波長からなる各単色光毎の画像データは、各単色光毎に制御系ユニット2のメモリ21に分けて格納される。また、制御系ユニット2の駆動部24によって、所望する撮像箇所へ光学系ユニット1を図1中のx,y,z軸方向に移動するように構成されている。また、撮像装置19によって所定のサンプリングタイミングで測定対象面30Sの画像が撮像され、その画像データが制御系ユニット2によって順次収集される。
【0039】
本発明における撮像装置19は、異なる複数波長の単色光を分光して検出できる構成であればよく、例えば、CCD固体撮像素子19C、その他MOSイメージセンサ、CMOSイメージセンサ、光電撮像管、アバランシェ電子倍増効果撮像管、EB−CCDなどと、その前面には分光フィルタ19Fを組み合わせたものである。
【0040】
制御系ユニット2は、表面形状測定装置全体の統括的な制御や、演算手段である所定の演算処理を行うためのCPU20と、CPU20によって逐次収集された画像データや演算結果などの各種データおよびプログラムなどを記憶するメモリ21と、サンプリングタイミングや撮像エリアなどその他の設定情報を入力するマウスやキーボードなどの入力部22と、測定対象面30Sの画像などを表示するモニタ23とを備える。また、CPU20の指示に応じて、3軸駆動型のサーボモータなどの駆動機構で構成される駆動部24を用いて、光学系ユニット1を上下左右に移動する機能を備えるコンピュータシステムで構成されている。
【0041】
CPU20は、いわゆる中央演算処理装置であって、撮像装置19、メモリ21および駆動部24を制御するとともに、撮像装置19で撮像した干渉縞を含む測定対象面30Sの各単色光毎の観測値(例えば3色の場合、R’,G’,B’)の画像データに基づいて、測定対象物30の表面高さを求める演算処理を行う位相算出部25や求めた複数個の表面高さのデータから表面形状を求める画像データ作成部27を備えている。さらに、CPU20には、モニタ23と、キーボードやマウスなどの入力部22とが接続されており、操作者は、モニタ23に表示される操作画面を観察しながら、入力部22から各種の設定情報の入力を行う。また、モニタ23には、測定対象面30Sの表面画像や表面凹凸形状などが数値や画像として表示される。
【0042】
駆動部24は、所望する撮像箇所へ例えば光学系ユニット1を図1中のx,y軸方向(対象面が略平坦なので、ここではz軸方向は省略する。)に移動させる装置である。この駆動部24は、CPU20からの指示によって光学系ユニット1を本実施例の場合は、x,y方向に駆動する。例えば、図示していないが、3軸駆動型のサーボモータを備える駆動機構で構成されている。なお、本実施例では、光学系ユニット1を動作させるが、例えば測定対象物30が載置される保持テーブル40を直交3軸方向に変動させるような構成にしても良い。
【0043】
以下、本実施例の特徴部分である表面形状測定装置全体で行なわれるクロストーク補正係数算出工程および手段についてを図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0044】
なお、本実施例では、参照面15を、図1に示すように傾けた場合を例に採って説明する。この場合、撮像画像は図4に示すようになる。なお、本実施例では、説明の簡素化のために、y軸方向は目盛り120の位置と一定とし、x軸方向の移動の場合を例に採って説明する。
【0045】
また、実施例としては、クロストークモデルの説明がし易い様に、波長ごとの観測輝度値をR成分、G成分およびB成分の3色で実施した例をもって説明する。すなわち、m=3のときは、式(4)との関係は、次の通りの表現とし、



と、それぞれに置き換えて説明する。
【0046】
<ステップS1> 測定データの取得
CPU20は、図示していないステッピングモータなどの駆動系を駆動させて駆動部24が光学ユニット1を測定対象物30の撮像領域に適宜移動させる。撮像位置が決定すると、光学系ユニット1の照明装置10は、図1の場合は光源10Dからの照明を多波長帯域フィルタ10Tを通じて、または図1−aに示す個々に3個のLED照明装置からの光源を3色の各単色光を通過するRGBフィルタ12を通して得られた単色光にを複数帯域での複数単色光の通過が可能な光ファイバライトガイド10Fを通じて1つに複数波長の混色された照明をコリメートレンズ11を通じて、ハーフミラー13に照射する。または、図1−bに示すLEDアレイ10Aからの3色が混色された照明を同様に、コリメートレンズ11を通じて、ハーフミラー13に照射しても良い。
【0047】
1つに混色された複数波長の単色光の出力に連動して撮像装置19が作動し、例えば、図1に示す表面凹凸形状を有する測定対象面30Sの撮像を1回行う。この撮像によって取得された測定対象面30Sの干渉縞の画像データがメモリ21に記憶される。つまり、メモリ21には、傾斜姿勢の参照面15からの参照光と測定対象面30Sで反射して戻る測定光とによって生じる干渉縞の画像データが、1つに混色された複数帯域での干渉縞画像として個別のメモリーファイルに記憶される。具体的には、記憶された干渉縞画像は、更に各単色光ごとの干渉縞の観測値が記憶され処理される。
【0048】
ここで用いた当該光学系ユニット1での撮像装置19の分光フィルタ19Fの分光感度特性と3色の単色光の分光スペクトル強度を図13に、または、3色LED照明を図3に示す。図3に於いて、カラーカメラのG波長LED(530nm)光の感度特性を視ると、B波長LED(470nm)光によるクロストーク現象による影響が最も大きいことが分かる。
【0049】
測定対象物30の測定対象面30Sの高さが同じ部分では、測定対象面30Sからの反射光の伝播距離(L2の2倍)は、測定箇所における変動が無いので、撮像装置19によって撮像される画像における干渉縞は、図4に示す3波長光学系干渉画像にある様に、参照面15の傾きの向きと角度に応じて撮像面内に空間的に規則的に現れる。この干渉縞は参照面15からの反射光の伝播距離(L1の2倍)と測定対象面30Sからの反射光の伝播距離(L2の2倍)の差がλ/2=235nm、λ/2=265nmおよびλ/2=313.5nmなるごとに1周期分現れる。一方、図4に示されるように、測定対象面30Sの高さが変動する箇所では、干渉縞が乱れた不規則な縞模様として現れる。
【0050】
<ステップS2> 観測輝度値のプロファイルを取得
次に、クロストーク現象を補正するためのクロストーク補正係数の算出に使用する観測輝度値を取得する。ここでは、図4の画像が測定対象面30Sの平面の縦方向をy軸、横方向をx軸として、画像の上方の平坦部のy軸がy=120の高さ位置の横軸x軸の中央をx=0とし、その各色の左右100画素づつの幅200画素を使用し、観測輝度値のプロファイルを取得する。各単色光(R,G,B)毎の該観測輝度値プロファイルの例をを図5に示す。
【0051】
<ステップS3> 適合輝度値のプロファイルを取得
CPU20の位相算出部25は、測定対象面30Sの算出対象の画素における位相φをその画素と当該画素に隣接する画素(本実施例ではy軸の位置がy=120の高さの位置で、x軸方向に隣接する画素)のそれぞれの干渉縞の観測輝度値を用いて予め決定した計算アルゴリズムを利用して求めて行く。具体的には、算出対象の画素および当該画素に隣接する画素における干渉縞の観測輝度値からなる干渉縞モデルとクロストークモデルとの組み合わせを適合(フィッティング)して位相を求める。
【0052】
本願の上記説明の装置を用いて、平面状の測定対象物30の測定対象面30Sに関する1枚の干渉縞画像を得る。得られた干渉縞観測輝度値がx方向に周期的に形成されている場合のx方向のライン上の観測輝度値は、次式(3)の様に表わすことができる。

【0053】
ここで、xがx方向の算出対象の画素の位置座標であり、座標xにおける波長jの輝度値g(x,j)、平均輝度(直流成分)a(j)、干渉変調度(交流振幅)b(j)、位相φ(j)、縞周波数f(j)とした。なお、算出対象の画素の位置座標は(x、y)の2次元で表わすが、本実施例では説明を簡素化するためにy座標を省略して記載する。
【0054】
<ステップS4> 輝度信号に干渉縞モデルとクロストークモデルを組み併せて適合
座標x=xに於ける各波長B、GおよびR毎の輝度値(理論式(モデル式))B(x)、G(x)およびR(x)は、以下の式(6)にて表わす。

【0055】
一方、クロストーク現象の影響を受けて観測輝度値は、観測輝度値が入力光量に比例する限り、クロストークモデルとして次式(7)の線形モデルで表わすことができる。

【0056】
ここで、B’、G’およびR’は観測輝度値、B、GおよびRは真の輝度値、α、β、γ、δ、εおよびζは、クロストーク現象の強度をあらわす係数、すなわちクロストーク補正係数である。また当該行列表現を、クロストーク補正係数行列とし、次式(8)で表わす。


【0057】
式(6)と式(7)より、座標x=xにおける観測輝度値B’、G’およびR’は、次式(9)でモデル化される。

【0058】

<ステップS5> 適合後のクロストーク現象の強度を表わす係数を取得。
【0059】
よって、次式を評価関数とする最小自乗問題を解くことにより、クロストーク補正係数式(10)を得ることができる。

【0060】
ここで、nはデータ数、B、GおよびR(i=1〜n)は観測輝度値、B’(x)、G’(x)およびR’(x)(i=1〜n)は、式(8)で表わすモデルの輝度値である。また、未知パラメータは、各波長の波長パラメータa(j)、b(j)、φ(j)、f(j)(j=B,G,R)と、クロストーク補正係数α,β,γ,δ,ε及びζの合計は18個である。
【0061】
当該18個の未知パラメータの問題を解くためには、最小限18個の観測値が必要であるが、1点の画素信号がB,GおよびRの3個の輝度値を含むことから,最小必要点数は6個あれば成立する。
【0062】
同様の考え方により、波長数が4波長の場合は、波形パラメータ数が16個、クロストーク補正係数が12個、合計未知パラメータ数が28個となり、1点の画素信号が4個の輝度値を含むことから、必要点数は7点あれば成立する。
【0063】
さらに、一般化して、波長数がmの場合を考えると、波形パラメータ数が(4×m)個、クロストーク補正係数が(m−m)個、合計未知パラメータ数が(m+3m)個となる。1点の画素信号がm個の輝度値を含むから、必要点数は(m+3)点になる。
【0064】
上記の最小自乗適合は、非線形連立方程式あるいは非線形最小自乗問題になるが、当該解法には、最急降下法などがあり、多くの市販ソフトウエアー・パッケージに内蔵されている。例えば、マイクロソフト社製エクセルには、ソルバー(登録商標)という名前の関数が内蔵されており、以下に記載の実施例においても、当該ソフトウエアを利用して求めることができる。
【0065】
一旦、クロストーク補正係数が算出されれば、式(7)を利用して、観測輝度値から真値を求めることができる。この場合は、連立1次方程式になるが、通常、クロストーク補正係数のほとんどが数%と小さいので、該クロストーク補正係数の積の項を無視することができ、以下に式(11)で示す単純な式によりクロストーク補正係数を算出することができる。

B=B’−αG’−βR’
G=−γB’+G’−δR’ (11)
R=−εB’−ζG’+R’


【実施例1】
【0066】
次に、上記記載のクロストーク補正係数算出工程を用いて、実際に、該クロストーク補正係数を求めた。図1に示す光学系1の撮像系は、照明装置10として市販の3色LED照明装置(メーカ:CCS、形式:HLV−3M−RGB−3W)及び撮像装置19としてカラーカメラ(メーカ:Bastler、形式:sca640−70gc)により構成される。LEDのピーク波長は、それぞれ、470nm,530nm,および627nmである。
【0067】
図3は、使用したカラーカメラの各3種の単色光毎の分光感度特性を示す。該単色光毎の3個の照明装置10を同時に点灯して、撮像装置19のカラーカメラで撮像し、図4に示す3波長光学系による干渉縞画像を撮像した。
【0068】
クロストーク補正係数の算出に使用する観測輝度プロファイルとして、図4に示した3波長光学系による撮像画像の干渉縞画像のy=120の高さの位置の上方平坦部のx方向中央部200画素を使用した。表示を分かり易くするために、ゼロ次縞位置と推定される画素をx軸の原点(x=0)とした。ここで、得られた観測輝度値プロファイルを図5に示す。
【0069】
当該観測輝度値を使用して、式(9)の非線形最小自乗問題をエクセルのソフトであるソルバー(登録商標)を用いて解いた。結果として得られた適合輝度プロファイルを図6に、また、クロストーク現象の補正後の輝度プロファイルを図7に示す。また、得られた各波長j=B、GおよびRの各波形パラメータa(j),b(j),φ(j),f(j)を表型式で図8に、クロストーク補正係数α、β、γ、δ、εおよびζの値を式(12)に示す。当該結果は、従来の個別点打法の結果と良く一致している。

【0070】
また、補正による効果を確認するために、クロストーク補正前の波長Bにおける輝度値と観測輝度値G’の相関を図9に示すようにプロットし、クロストーク補正後の波長Bにおける輝度値と観測輝度値G’の相関をプロットし図10に示した。当該図の比較により、クロストーク補正後を示す図10では両者間のクロストーク現象の影響が無くなっていることが確認できた。
【実施例2】
【0071】
次に、実施例2として、最小画素数6画素の輝度値から、クロストーク補正係数を算出した例を示す。使用した6画素の観測輝度値データを図11に示す。また、適合により得られたクロストーク補正係数を式(13)に示す。

【0072】
当該実施例2の結果を見ると、x=+100から−100点の計200点を用いた実施例1の結果を示す式(12)と良く類似しており、実施例2のように、たとえ6点の輝度値からでもクロストーク補正係数を得ることができることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によれば、測定対象物の測定対象面の表面凹凸形状を波長の異なる複数の単色光を利用して測定する複数波長による表面形状の測定方法およびこれを用いた装置によって測定する場合に、発生するクロストーク現象のクロストーク補正係数算出において、従来用いられていた個別点灯法と比べ、本願発明の照明を全点灯する全点灯法を用いて、一括して撮像した1枚のカラー画像から推定できることにより、効率良くクロストーク補正係数を算出し、クロストーク補正をすることにより、測定対象物の表面形状の高効率且つ精度良い測定に活用できる。
【0074】
また、本願発明の多波長照明装置としては、白色照明から各波長の単色光を取り出し、複数帯域での光の通過が可能である多波長帯域通過フィルタを用いて、白色光源1台で波長混色光を光ファイバーライトガイドを透過し取得する方式の照明装置が好適である。この場合各色を単色で個別に点灯することができないので、従来法によるクロストーク補正には適用できないことから、図13に示した当該発明に好適な多波長帯域通過フィルタの分光波長特性により、本願発明の多波長照明装置が、実施する上で有用であることがわかる。
【0075】
さらに、前記本願発明のクロストーク補正係数算出工程の原理を前記の先行文献に記載の三次元表面形状測定方法および装置の工程に適用することにより、クロストーク現象の影響を補正した状態で、三次元表面形状測定することにより、より精度の高い表面形状を得ることができるという効果が期待できる。
【符号の説明】
【0076】
1 光学系ユニット
2 制御系ユニット
10 照明装置
10D 光学部材
10T 多波長帯域通過フィルタ
10F 光ファイバライトガイド
10A LEDアレイ
101 照明装置
102 照明装置
11 コリメートレンズ
12 RGBフィルタ
13 ハーフミラー
14 対物レンズ
15 参照面
17 ビームスプリッタ
18 結像レンズ
19 撮像装置
19C CCD固体撮像素子
19F 分光フィルタ
20 CPU
21 メモリ
22 入力部
23 モニタ
24 駆動部
25 位相算出部
27 画像データ作成部
30 測定対象物
30S 測定対象面
40 保持テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明手段からの出射光を測定対象面と参照面とに同時に照射し、前記測定対象面と前記参照面の各々から反射して同一の光路を戻る反射光によって前記複数の単色光ごとに生じる干渉縞輝度値を分光手段を備えた撮像手段によって、電気的信号強度に変換し、得られた干渉縞輝度信号に基づいて、測定対象面の表面高さと表面形状を求めて三次元形状を測定する際のクロストーク補正係数算出方法において、
前記測定対象面の領域内から(m+3)点以上の干渉縞輝度信号を取得し、前記干渉縞輝度信号に、干渉縞モデルとクロストークモデルとの組み合わせを適合(フィッティング)することにより、クロストーク補正係数を一括して算出することを特徴とするクロストーク補正係数算出方法。
【請求項2】
座標x、波長jにおける輝度値をg(x、j)、平均輝度(=直流成分)をa(j)、干渉変調度(=交流振幅)をb(j)、位相をφ(j)および縞周波数をf(j)としたときの、前記干渉縞の輝度値の表現式が、



で表わして、クロストーク補正係数を一括して算出できる算出工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載のクロストーク補正係数算出方法。
【請求項3】
前記複数波長の波長jにおける各観測輝度値をH’(j)、真の輝度値をH(j)とし、且つ各クロストーク補正係数をαjkであらわしたとき、
該各クロストークモデルが、

で表わすことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出方法。
【請求項4】
前記適合(フィッティング)が、各波長の波形パラメータである前記平均輝度a(j)、前記干渉変調度b(j)、前記位相φ(j)および前記縞周波数f(j)と前記クロストーク補正係数αjk(但し、j=1,・・・,m k=1,・・・,m)とを未知パラメータとしてクロストーク補正係数を求めることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出方法。
【請求項5】
前記クロストーク補正係数算出方法を用いて、各測定対象面の各波長の観測輝度値と真の輝度値との関係をあらわす式を利用して、クロストーク係数が小さいことにより係数の積の項を無視した次式

を用いて真の輝度値を求めることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出方法。
【請求項6】
前記請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の前記クロストーク補正係数算出工程の原理を正弦波パターン投影による三次元表面形状測定工程に適用し、三次元表面形状を測定することを特徴とする表面形状の測定方法。
【請求項7】
波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明手段からの出射光を測定対象面と参照面とに同時に照射し、前記測定対象面と前記参照面の各々から反射して同一の光路を戻る反射光によって前記複数の単色光ごとに生じる干渉縞の輝度値を分光手段を備えた撮像手段によって電気的信号強度に変換し、得られた干渉縞輝度信号に基づいて、測定対象面の表面高さと表面形状を求めて三次元形状を測定する際のクロストーク補正係数算出装置において、
前記測定対象面の領域内から(m+3)点以上の干渉縞輝度信号を取得し、前記干渉縞輝度信号に、干渉縞モデルとクロストークモデルとの組み合わせを適合(フィッティング)することにより、クロストーク補正係数を一括して算出できる算出手段を備えたことを特徴とするクロストーク補正係数算出装置。
【請求項8】
座標x、波長jにおける輝度値をg(x、j)、平均輝度(=直流成分)をa(j)、干渉変調度(=交流振幅)をb(j),位相をφ(j)および縞周波数をf(j)としたときの、前記干渉縞の輝度値の表現式が、


で表わすときに、クロストーク補正係数を一括して算出する算出手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載のクロストーク補正係数算出装置。
【請求項9】
前記複数波長の波長jにおける各観測輝度値をH’(j)、真の輝度値をH(j)とし、且つ各クロストーク補正係数をαjkであらわしたとき、
該各クロストークモデルが、

で表わすことを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出装置。
【請求項10】
前記適合(フィッティング)が、各波長の波形パラメータである前記平均輝度a(j)、前記干渉変調度b(j)、前記位相φ(j)および前記縞周波数f(j)と前記クロストーク補正係数αjk(但し、j=1,・・・,m k=1,・・・,m)とを未知パラメータとしてクロストーク補正係数を求める手段を備えることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出装置。
【請求項11】
前記クロストーク補正係数算出方法を用いて、各測定対象面の各波長の観測輝度値と真の輝度値との関係をあらわす式を利用して、クロストーク係数が小さいことにより係数の積の項を無視した次式

を用いて真の輝度値を求める手段を備えることを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出装置。
【請求項12】
前記請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の前記クロストーク補正係数算出手段の原理を正弦波パターン投影による三次元表面形状測定手段に適用し、三次元表面形状を測定することを特徴とする表面形状の測定装置。
【請求項13】
前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明工程が、白色光源と波長の異なるそれぞれの単色光のみを通過させる前記複数m個の帯域通過フィルターと、前記複数帯域通過フィルターを通過した各単色光すべてを均一に混合して出射光とする単色光混合工程とからなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出方法。
【請求項14】
前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明工程が、白色光源と波長の異なるすべての前記単色光のみを通過させる多波長帯域通過フィルターを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出方法。
【請求項15】
前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明工程が、波長の異なる単色光で発光する前記複数のLEDを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出方法。
【請求項16】
前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明工程で、白色光源と波長の異なるすべての前記単色光のみを通過させる多波長の帯域通過フィルター、あるいは、波長の異なる単色光で発光する前記複数のLEDとを用いるとき、単色光混合工程を備え用いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出方法。
【請求項17】
前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明手段が、白色光源と波長の異なるそれぞれの単色光のみを通過させる前記複数m個の帯域通過フィルターと、前記複数帯域通過フィルターを通過した各単色光すべてを均一に混合して出射光とする単色光混合手段とからなることを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出装置。
【請求項18】
前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明手段が、白色光源と波長の異なるすべての前記単色光のみを通過させる多波長帯域通過フィルターを用いることを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出方法。
【請求項19】
前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明手段が、波長の異なる単色光で発光する前記複数のLEDを用いることを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出装置。
【請求項20】
前記波長の異なる複数m個の単色光を出射する照明手段で、白色光源と波長の異なるすべての前記単色光のみを通過させる多波長の帯域通過フィルター、あるいは、波長の異なる単色光で発光する前記複数のLEDとを用いるとき、単色光混合手段を備え用いることを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれかに記載のクロストーク補正係数算出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−117858(P2012−117858A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266064(P2010−266064)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】