クロマトグラフィーカラムの保守を行うための方法

【課題】工業規模のクロマトグラフィーで使用されるクロマトグラフィーカラムの保守を行うための方法を提供する。
【解決手段】クロマトグラフィーカラムの保守方法で使用するための取扱い装置であって、上記保守方法が、カラム部品を支持し、持ち上げ、運搬し、操作するための取扱い装置の使用により、ベッド支持体228、分配板231、ノズル272、Oリング及び他のカラム部品のクリーニング及び交換のような上記カラムの保守を行うための安全な方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業規模のクロマトグラフィーで使用されるクロマトグラフィーカラムの保守を行うための方法に関する。特に本発明は、カラム部品を支持し、持ち上げ、運搬し、操作するための取扱い装置の使用により、ベッド支持体、分配板、Oリング及び他のカラム部品のクリーニング及び交換のような上記カラムの保守を行うための安全な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クロマトグラフィーカラムは、プロセス液体を精製すると共に、プロセス液体から興味の対象となる物質を分離するために工業プロセスで使用されることがある。典型的な例には、ファインケミカルズ及び医薬品並びに生物学的生成物の大規模な分取精製がある。
【0003】
工業規模のクロマトグラフィーカラムは、通例、緩衝液及び分離すべき物質をチューブのキャビティ内に配置されたベッド媒体に供給するための液体入口を上端に含むと共に、物質及び緩衝液を捕集するための液体捕集装置を下端に含む中空の軸方向に直立した管状ハウジングを含んでいる。緩衝液及び/又は分離すべき物質並びに精製浸出液を通すための微粒子状のクロマトグラフィー媒体又はベッドは、液体入口と液体捕集装置との間に配置されている。
【0004】
通例、管状ハウジングの上端にアダプターアセンブリが取り付けられ、下端に底板アセンブリが取り付けられていて、後者は下部フランジにボルト留めされている。これらのアセンブリの各々は、通例、強固な受け板及び分配板を含み、分配板はさらにベッド支持体を支持している。ベッド支持体は、微粒子状媒体のベッドを保持しながらクロマトグラフィーベッドの空隙に対するプロセス液体の流入及び流出を許すメッシュ、スクリーン、フィルター、焼結体又は他の流体透過性媒体保持材料の層である。ベッド高さ及びベッド圧縮度の調整及び制御を可能にするため、通例、アダプターアセンブリはカラムチューブの内部で位置するピストン又は滑動アダプターの形態に作られている。通例はノズルを通してカラムにベッド媒体を装入した後、カラムをチューブの底部に向けて移動させることで媒体ベッドを圧縮又は加圧できる。一般に、底板アセンブリはカラムチューブの下部フランジにボルト留めされた固定構造体であるが、場合によっては、移動可能な滑動ピストン又はアダプターの形態を有していてもよい。
【0005】
底板アセンブリの受け板は一般にカラムの支持体として働き、それ自体は底板アセンブリの下方に突出する出口配管用の隙間を与える脚又は他のスタンド機構上に支持されている。
【0006】
かかるカラムが弁、シール、メッシュ/スクリーン、分配装置などの内部部品の保守又はクリーニングを要求する場合、上端部/アダプターアセンブリをカラムチューブから引き離して持ち上げ、またカラムチューブを下端部/底板アセンブリから引き離して持ち上げるためには、これらのアセンブリが3トンを超える重量を有することがあるので強力な吊上げ装置(例えば、クレーン又はホイスト)が必要である。これらの部品を持ち上げれば、内部カラム部品へのアクセスが可能となるが、保守に先立ってこれらの部品の一部を取り外す必要がある場合が多い。これらの部品は非常に重い場合がある(例えば、ベッド支持体は100kgを超えることがある。)ので、手動による取外し及び再装着は、それを物理的に支持しかつ操作しなければならない作業員に安全上のリスクを及ぼす可能性がある。
【0007】
内部保守を実施するためにカラムを分解する目的で強力な頭上吊上げ装置を使用することは、本質的に極めて望ましくない。重い装置を頭上に吊り上げて技術者がその下方にさらされる場合、作業員の安全は明らかに問題となる。さらに、精密部品の損傷を回避するため、カラム及びそれの底板アセンブリ/アダプターアセンブリを互いに分離する際にこれらを軸方向に沿って整列した状態に保つための心合せ構造物が必要となる。その上、強力吊上げ装置の使用の必要性はかかるカラムのハウジングに制約をもたらすと共に、ホイスト又はクレーンを収容するのに十分な頭上空間及び支持が必要となる。さらに、生物医薬品製造のために使用するGMP施設(かかる施設は「クリーンルーム」としても知られる)内にかかるホイスト又はクレーンが存在することは、それの運転及び保守中に塵埃のような粒状物質を放出するので極めて望ましくない。
【0008】
米国特許第6,736,974号は、カラムと一体をなす油圧装置により、アダプターアセンブリをカラムチューブの上方に持ち上げること及び/又はカラムチューブを底板アセンブリの上方に持ち上げることが可能なカラムを提供することで上記問題のいくつかを解決している。
【0009】
しかし、米国特許第6,736,974号に記載された装置は、設計上の理由からそれに付随する大きな欠点を有している。米国特許第6,736,974号の図4及び5並びにこの文書の第4段63〜66行目の記載からわかる通り、カラムの内部から分配板(31)及び/又はベッド支持体/メッシュ(28/60)を取り外すためには、作業員はこれらの構成部品を固定している固定ナット(30)にアクセスして取り外すためにドラム(18)の中心部内で作業しなければならない。工業用カラムは通例約200〜約2000ミリメートルの範囲内の直径を有するので、これは作業員がナットを外すために懸垂荷重又は支持荷重の下方で作業しなければならないことを意味する。これは、特に作業員の腕又は頭が懸垂荷重又は支持荷重の下方にさらされる場合、明らかに作業員に対して大きな安全上のリスクを及ぼす。
【0010】
さらに、カラムチューブ/シリンダー又はアダプターアセンブリをそれぞれ底板アセンブリ又はチューブから持ち上げた後、カラムからの重いベッド支持体又は分配板の取外しは、油圧駆動ピストン又は安全棒を通り抜けるためにベッド支持体又は分配板を一定の角度に傾けて行うしかない。これは、例えば図3、4及び5からわかるように、いずれか2つの安全棒(69)間又はいずれか2つの油圧ピストン(36)間の距離がベッド支持体/メッシュ(28/60)又は分配板(31)の直径より小さいことから明らかである。同じ問題は、底板又はアダプターのベッド支持体(図示されていない)についても存在するであろう。100kgを超える重量を有することがあるこれらの内部部品の取外しでは、作業員によるかなりの人的処理が要求されると共に、作業員が懸垂されたカラム又はアダプターアセンブリの下方にさらされることが避けられない。もう一度言うが、これは作業員にとって大きな安全上のリスクを意味する。
【0011】
米国特許第6,736,974号に記載されているように、重いベッド支持体又は分配板を物理的に取り外す仕事は作業員が行わなければならないが、この仕事を助けるために何らかの吊上げ手段を使用することは開示されていない。油圧ピストン及び安全棒の構成、並びにベッド支持体及び/又は分配板をカラムから抜き取る際に支持構造物を避けるためこれらの部品を傾ける必要があることは、手動によるこれらの抜取り及び再装着を困難で潜在的に危険な仕事にする。
【0012】
国際公開第2005/056156号(Euroflow(UK)Limited)もまた、クレーン又はホイストを必要とすることなく保守のためにアクセスできるカラムを開示している。かかるカラムは、油圧駆動シリンダーによりチューブ及び底板アセンブリを分離して底板アセンブリの保守又はサービスを行うためのアクセススペースを両者間に設けることができるように設計されている。アダプターアセンブリのピストンをカラムチューブ内で前進させることにより、保守のためにそれをカラムチューブの開放端(即ち、チューブと底板アセンブリとの間のスペース)に露出させることができる。
【0013】
しかし、この文書(例えば、図19及び20並びに23頁の関連説明)から明らかな通り、ベッド支持体/メッシュを所定位置に保持する留めねじを外すためのアクセスは、チューブと底板アセンブリとの間のスペースによって可能となる。ベッド支持体/メッシュの取外しに際しては、留めねじを外した状態で作業員が懸垂荷重にさらされることが避けられない。さらに、保守アクセスのためのいずれか2つの駆動シリンダー間の距離はベッド支持体の直径より小さく(例えば、図7を参照されたい)、これはメッシュ又はベッド支持体の取外し及び再装着に際して作業員がそれを手作業で傾けることを必要とする。もう一度言うが、カラム部品の取外し又は再装着に際して取扱い装置を使用することは言及されていない。このように、カラムの保守は、重いカラム部品を物理的に支持しかつ操作する際に作業員に対して安全上のリスクを及ぼす可能性がある。
【0014】
同一出願人によって提出された、「クロマトグラフィーカラム及び保守方法」と称する米国特許出願第11/763477号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)は、上記問題のいくつかを解決するクロマトグラフィーカラムを記載している。
【特許文献1】米国特許第6,736,974号公報
【特許文献2】国際公開第2005/056156号公報
【非特許文献1】米国特許出願第11/763477号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、懸垂荷重下での作業の必要なしに重いカラム部品の取扱い、操作及び輸送を容易にし、それによって作業員の過失及び負傷のリスクを低減させる装置を提供することにより、クロマトグラフィーカラムのために利用し得る保守方法を改良することに対するニーズが存在している。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記その他のニーズを認識して対処するものである。本発明の第1の態様では、クロマトグラフィーカラムの保守を行うための方法であって、
a)液体入口に連結された移動相通路を有するノズルを含む分散装置と、アダプターアセンブリを備えたチューブであって、前記アダプターアセンブリは運転モードにおいて前記チューブのキャビティ内で移動可能であると共に、アダプターアセンブリは着脱自在の固定手段によって互いに結合された分配板及びベッド支持体を含むチューブと、分散装置に対向する捕集装置と、1以上のシールとを含むクロマトグラフィーカラムを用意する段階、
b)アダプターアセンブリをチューブから取り外す段階、
c)アダプターアセンブリをチューブの上方に持ち上げてこれらの間にアクセス用の隙間を設ける段階、
d)固定手段を解除してベッド支持体を分配板から解放する段階、
e)取扱い装置を用いてベッド支持体をカラムから取り外す段階、
f)カラム及び/又はベッド支持体及び/又は前記1以上のシールの保守を行う段階、
g)前記取扱い装置を用いてベッド支持体をカラムに戻し、ベッド支持体を分配板に結合する段階、並びに
h)アダプターアセンブリをチューブ内の運転位置に降下させ、アダプターアセンブリをチューブに再連結する段階
を含んでなる方法が提供される。
【0017】
一態様では、本方法はさらに、取扱い装置を用いて分配板をカラムから取り外し、カラム及び/又は前記分配板の保守を行う段階を含む。
【0018】
一態様では、本方法はさらに、段階d)前に取扱い装置を用いて前記ノズルをカラムから取り外し、段階g)後に取扱い装置を用いてノズルをカラムに戻す段階を含む。
【0019】
好ましくは、取扱い装置は、支柱を有すると共に、前記支柱から突出してその上にベッド支持体又は分配板又はノズルを支持するための1以上のアームを含むカートの形態を有する。好ましくは、アームは支柱から伸長可能である。さらに好ましくは、アームは支柱上で鉛直方向に移動できる。
【0020】
一態様では、段階c)でアダプターアセンブリを持ち上げること及び/又は段階h)でアダプターアセンブリを降下させることは、オーバーヘッドホイスト又はクレーンによって実施される。
【0021】
別の態様では、段階c)でアダプターアセンブリを持ち上げること及び/又は段階h)でアダプターアセンブリを降下させることは、カラムに取り付けられ又はカラムと一体をなす1以上のシリンダーからなる駆動装置によって実施される。
【0022】
任意には、本方法はさらに、取扱い装置を用いて前記1以上のシリンダーをカラムから取り外す段階を含む。
【0023】
好ましくは、ベッド支持体をカラムから取り外す段階及び/又は取扱い装置を用いてベッド支持体をカラムに戻す段階は、ベッド支持体を実質的に傾けることなしに実施される。これは、作業員が懸垂荷重の下方にさらされることを低減すると共に、ベッド支持体の機械的取扱いを容易にする。本明細書中で使用する「実質的に傾けることなしに」という用語は、「水平面に対して5°以下の角度で傾けること」を意味する。
【0024】
任意には、ベッド支持体をカラムから取り外す段階及び/又は取扱い装置を用いてベッド支持体をカラムに戻す段階は、ベッド支持体を水平面に対して5°を超える角度で傾けることで実施される。これは、いずれか2つの駆動シリンダー間の距離がベッド支持体の直径より小さい場合に必要となることがある。
【0025】
本発明の第2の態様では、クロマトグラフィーカラムの保守を行うための方法であって、
a)液体入口に連結された移動相通路を有するノズルを含む分散装置と、アダプターアセンブリ及び底板アセンブリを備えたチューブであって、前記アダプターアセンブリは運転モードにおいて前記チューブのキャビティ内で移動可能であると共に、底板アセンブリは着脱自在の固定手段によって互いに結合された分配板及びベッド支持体を含むチューブと、分散装置に対向する捕集装置と、1以上のシールとを含むクロマトグラフィーカラムを用意する段階、
b)チューブを底板アセンブリから解放する段階、
c)チューブ及びアダプターアセンブリを底板アセンブリの上方に持ち上げてこれらの間にアクセス用の隙間を設ける段階、
d)固定手段を解除してベッド支持体を分配板から解放する段階、
e)取扱い装置を用いてベッド支持体をカラムから取り外す段階、
f)カラム及び/又はベッド支持体及び/又は前記1以上のシールの保守を行う段階、
g)前記取扱い装置を用いてベッド支持体をカラムに戻し、ベッド支持体を分配板に結合する段階、並びに
h)チューブ及びアダプターアセンブリを降下させ、チューブを底板アセンブリに再連結する段階
を含んでなる方法が提供される。
【0026】
一態様では、本方法はさらに、取扱い装置を用いて分配板をカラムから取り外し、カラム及び/又は前記分配板の保守を行う段階を含む。
【0027】
好ましくは、取扱い装置は、支柱を有すると共に、前記支柱から突出してそれからベッド支持体又は分配板を吊り下げるための1以上のアームを含むカートの形態を有する。好ましくは、アームは支柱から伸長可能である。さらに好ましくは、アームは支柱上で鉛直方向に移動できる。
【0028】
一態様では、段階c)でチューブ及びアダプターアセンブリを持ち上げること及び/又は段階h)でチューブ及びアダプターアセンブリを降下させることは、オーバーヘッドホイスト又はクレーンによって実施される。
【0029】
別の態様では、段階c)でチューブ及びアダプターアセンブリを持ち上げること及び/又は段階h)でチューブ及びアダプターアセンブリを降下させることは、カラムに取り付けられ又はカラムと一体をなす1以上のシリンダーからなる駆動装置によって実施される。
【0030】
任意には、本方法はさらに、取扱い装置を用いて前記1以上のシリンダーをカラムから取り外す段階を含む。
【0031】
好ましくは、ベッド支持体をカラムから取り外す段階及び/又は取扱い装置を用いてベッド支持体をカラムに戻す段階は、ベッド支持体を実質的に傾けることなしに実施される。これは、作業員が懸垂荷重の下方にさらされることを低減すると共に、ベッド支持体の機械的取扱いを容易にする。本明細書中で使用する「実質的に傾けることなしに」という用語は、「水平面に対して5°以下の角度で傾けること」を意味する。
【0032】
任意には、ベッド支持体をカラムから取り外す段階及び/又は取扱い装置を用いてベッド支持体をカラムに戻す段階は、ベッド支持体を水平面に対して5°を超える角度で傾けることで実施される。これは、いずれか2つの駆動シリンダー間の距離がベッド支持体の直径より小さい場合に必要となることがある。
【0033】
本発明の第3の態様では、前述のようなクロマトグラフィーカラムの保守方法で使用するための取扱い装置であって、車輪及び支柱を備えたフレームと、前記支柱から突出してその上にクロマトグラフィーカラム部品を支持し又は吊り下げるための1以上のアームとを含んでなり、前記1以上のアームは機械的手段により支柱の軸線に沿って鉛直方向に移動できると共に、1以上のアームは前記カラム部品を固定するための取付け手段を有する取扱い装置が提供される。
【0034】
一態様では、クロマトグラフィーカラム部品は、ベッド支持体、分配板、ノズル及び駆動シリンダーからなる群から選択される。
【0035】
別の態様では、取付け手段は、前記カラム部品の固定手段を受け止めるため1以上のアームの表面上に設けられた隆起要素である。好ましくは、隆起要素は1以上のアームの中央に位置するか、或いは1以上のアームの交点に位置している。さらに好ましくは、隆起要素は、アームへのカラム部品の取付けを容易にするために円錐形をなしている。
【0036】
別の態様では、取付け手段は、カラム部品の固定手段を受け止めるための取付具からなる。
【0037】
さらに別の態様では、1以上のアームはさらに、その上にカラム部品を載せるためのパッドを含む。これはカラム部品の損傷を防止する。好ましくは、1以上のアームは伸長可能である。
【0038】
さらに別の態様では、1以上のアームは着脱可能であると共に、様々なカラム部品の取付けを可能にするために様々なアームと交換できる。
【0039】
一態様では、支柱の軸線に沿って1以上のアームを鉛直方向に移動させるための機械的手段は滑車又はジャッキからなる。好ましくは、支柱の軸線に沿って1以上のアームを鉛直方向に移動させるための機械的手段は、電気的手段、空気圧手段又は油圧手段によって動力供給される。
【0040】
別の態様では、取扱い装置の操縦性を向上させるため、車輪は独立に回転できる。好ましくは、車輪は独立にロックできる。好ましくは、車輪は(例えば、各車輪に取り付けたジャッキ装置により)独立にレベル調整できる。レベル調整可能な車輪は、傾斜した床を有するクリーンルームのような平坦でない表面上における取扱い装置の容易かつ円滑な操作を可能にする。さらに好ましくは、車輪は電気的手段によって動力供給される。
【0041】
特に好ましい態様では、カラムが駆動シリンダーを有すると共に、いずれか2つのシリンダー間の距離がベッド支持体又は分配板の直径より小さい場合にベッド支持体又は分配板の取外しを容易にするため、1以上のアームは支柱の軸線の回りで回転又は旋回できる。
【0042】
本発明の特徴及び利点は、添付の図面に関連して以下の説明を考察することで明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明は、クロマトグラフィーカラムの保守を行うための方法及び装置に関する。本発明は、アダプターアセンブリを持ち上げ及び/又は降下させるため、並びにチューブ及びアダプターアセンブリを持ち上げ及び/又は降下させるために駆動装置を使用するクロマトグラフィーカラムに関して説明される。本発明は、これらの部品をオーバーヘッドホイスト又はクレーンで持ち上げ及び/又は降下させるクロマトグラフィーカラムに関しても等しく説明できることはもちろんである。図1は、当技術分野で公知でありかつ米国特許第6,736,974号に記載されているカラム10を示しているが、これはホイスト又はクレーンの必要なしにクロマトグラフィーカラム内部の保守を可能にする。カラム10は、上部に分散装置14を有し、下部に捕集装置16を有する細長い中空の円筒形ハウジング(又はチューブ)12を含んでいる。分散装置14は、下端又は内端(即ち、カラム内部の端部)に形成された上部円筒形プランジャーヘッド又はアダプター20を有する円筒形ドラム18を含んでいる。アダプター20は、通常、図1の第1の動作位置に示されているようなチューブ12の上方部分の内部に配置されている。アダプター20は、図1に示される駆動装置(例えば、油圧装置)で移動させることができる。アダプター20の移動は、カラム内に最適高さの充填媒体ベッドを得るためにクロマトグラフィー媒体を圧縮することを可能にする。分散装置14と捕集装置16との間及び/又はアダプター20と底板64との間には、キャビティ22が形成されている。
【0044】
分散装置14は、液体入口24に連結された移動相通路と共に、流入する液体をキャビティ22内に含まれる媒体ベッド上部全体に分配するための流入マニホルド26を含み得る。ベッド支持体又は流入スクリーン28が、コネクター及び/又はキャビティ22からアクセスできる内部クランプナット30でアダプター20に取り付けられている。ベッド支持体28は、クランプナット30を外すことにより、保守目的のために手動で取り外すことができる。分配板31も手動で取外し可能である(分配板デザインの説明については米国特許第6,190,560号を参照されたい。)。
【0045】
運転モードにあるアダプター20を移動させるために駆動装置が使用される。駆動装置は、1以上、好ましくは3以上の駆動シリンダー34からなっている。駆動シリンダー34は、ドラム18に連結された駆動ピストン36を移動させる。駆動ピストン36の一部には、駆動ピストン36が例えばナット42、44によって駆動ピストン36に対する特定の位置に連結アーム40を連結又は結合できるようにするためにねじ山38を設けることができる。
【0046】
図1は、駆動装置34及びピストン36により、アダプター20を円筒内のキャビティ22の頂部54から所望の距離だけ持ち上げたアダプター20の第1の保守位置を示めしている。それにより、作業員はドラム18の中心に手でアクセスし、分配板31及びベッド支持体28をアダプター20に保持するナット30の着脱を行うことができる。次いで、取扱い装置を使用しなくても、保守のために分配板31及び/又はベッド支持体28を手動で取り外すことができる。保守を行った後、これらの部品を手作業で元の位置に戻し、徒に取り付け、アダプター20を降下させて運転モードに戻し、必要ならばナット42、44を適正な運転状態に再配置する。
【0047】
通例はその外縁162がチューブ112と捕集装置116との間にあるように配置された下部ベッド支持体又はスクリーン160の取外しのような第2の保守作業を実施するため、図2に示すようにチューブ112を駆動装置で持ち上げることができる。通常はチューブ112を底板164に固定しているボルトを取り外し、図示のようにチューブ112をドラム118と共に駆動するためにナット142、144をピストン136に結合すればよい。かくして、下部ベッド支持体/スクリーン160を底板164に取り付けているナット132をゆるめ、保守のためにベッド支持体160を手動で取り外すために作業員がアクセスすることを可能にする隙間が得られる。保守が完了した後、作業員はベッド支持体160を手動で元の位置に戻し、ナット132で底板164に取り付け、逆の操作でチューブ112及びドラム118を運転位置に降下させる。
【0048】
以下に記載しないが、図1及び2に示したカラムの保守を本発明に従って実施できることはもちろんである。
【0049】
以下、図3〜16を参照しながら本発明を説明しよう。図3〜8は上部アダプターアセンブリに対するアクセスを可能にすることに関し、図9〜14は保守のために下部アセンブリに対するアクセスを可能にすることに関し、図15及び16は先行する図に示されていない他のカラム部品の運搬/持上げに際して本発明の取扱い装置を使用することに関する。
【0050】
図3は、本出願人の米国特許出願公開第11/763477号に記載されたカラムの概略分解正面図である。かかるカラムには、製薬工業に特有なGMP環境での使用に適するステンレス鋼及び他の材料のような強固で不活性な材料で作られている。カラム210は、カラムの高さ及び/又はレベルを変化させるために調整可能な足部206を有する脚204上に支持されている。脚204は、一端にある底板アセンブリ263を他端にあるアダプターアセンブリ215から隔離する円筒形ハウジング又はチューブ212を含むカラム210を支持している。チューブ212は、通例、ステンレス鋼又は他の強固で不活性な材料で作ることができる。アダプターアセンブリ215に隣接して、緩衝液又は他の好適な移動相液体或いは分離すべき化学物質/材料を導入するための移動相通路を有するノズル211及び液体入口209を含む分散装置が存在している。チューブ212は、1以上のシリンダー234を有する駆動装置によってアダプターアセンブリ215及び底板アセンブリ263に連結できる。駆動装置は、図示のような油圧装置であってもよいし、或いは空気圧手段又は電気的手段のようなその他適宜の手段で動力供給されてもよい。アダプターアセンブリ215は、例えば、カラム内で化学物質のクロマトグラフィー分離を行うために使用するクロマトグラフィー媒体のベッドを充填又は圧縮するため、運転モードにおいてチューブ212のキャビティ222内で移動可能である。アダプターアセンブリ215は、アダプターフランジ217、1以上のディスタンスピラー219、通例はステンレス鋼で作られた受け板220、液体の均等な分配を行うために多くの流路を有する板の形態を取り得る分配板231、並びにスクリーン又はメッシュ又はフィルター及び任意には封止リング(例えば229)からなるベッド支持体228を含んでいる。ベッド支持体は、不活性なプラスチック又は金属材料(例えば、ステンレス鋼)で作ることができる。分配板231及びベッド支持体228は、着脱自在の固定手段(図示せず)によって互いに結合されている。典型的な着脱自在の固定手段には、特に限定されないが、ねじ、ナット又はクランプがある。固定手段230は、受け板220の外面(即ち、キャビティ222から遠い側の面)からのみアクセスでき、したがって着脱できる。本例では、固定手段230へのアクセスを可能にするには、まずノズル211を取り外さなければならない。受け板、分配板及びベッド支持体を互いに結合するため、受け板の外面からアクセスできる追加の着脱自在の固定手段を任意に使用できる。これらの固定手段は、部品の外周に沿った対応穴に挿入されるボルトの形態を取り得る。受け板の外面からのアクセスにより、作業員がカラム内の懸垂又は支持荷重に不必要にさらされることが回避される。
【0051】
底板アセンブリ263は、受け板264と共に、着脱自在の固定手段269によって互いに結合された分配板266及びベッド支持体268を含んでいる。ベッド支持体268は、スクリーン又はメッシュ又はフィルター及び任意には封止リング(例えば274)からなっている。ベッド支持体は、不活性なプラスチック又は金属材料(例えば、ステンレス鋼)で作ることができる。着脱自在の固定手段269は、例えば、ねじ、ナット、ボルト又はクランプであるが、他の着脱自在の固定手段も使用可能であることは容易に理解されよう。図からわかる通り、固定手段269は各部品の中心穴を通してベッド支持体268及び分配板266を固定する。固定手段269は、受け板264の外面からのみアクセスでき、したがって着脱できる。図3では、固定手段226を着脱するためのアクセスを可能にするには、まずノズル272を取り外さなければならない。分配板及びベッド支持体を互いに結合するため、受け板の外面からアクセスできる追加の着脱自在の固定手段を任意に使用できる。これらの固定手段は、部品の外周に沿った対応穴に挿入されるボルトの形態を取り得る。受け板264の外面からのアクセスにより、カラムの内部からのみアクセスが可能である場合のように作業員が懸垂荷重の下方にさらされることが回避される。
【0052】
チューブ212がクロマトグラフィー媒体で満たされている場合、カラム上での化学物質又は生物学的材料の分離は、下降流又は上昇流を用いて実施できることは言うまでもない。即ち、下降流モードでは、分離すべき化学物質又は生物学的材料を含む液体がノズル211を通して導入され、媒体ベッドを通って下向きの方向に移動し、出口ポート(図示せず)を通してカラムの底部にある捕集装置に捕集される。上昇流モードでは、分離すべき材料を含む液体が下部ノズル272を通して導入され、媒体ベッドを通って上向きに流れ、出口ポート(図示せず)を通してカラムの頂部で捕集される。明快にするため、カラムの保守又はサービスは下降流モードで説明する。
【0053】
アダプターアセンブリ215又は分配板231の保守を行うためには、アダプターフランジ217を上部カラムフランジ213aに結合しているナットを外すことでアダプターアセンブリ215をカラムチューブ212から取り外す。次に、駆動装置がシリンダー234によってアダプターアセンブリ215を持ち上げることで、保守又はサービスのためにカラムの内部にアクセスすることを可能にする。ロッキング装置270のねじ穴と整列しかつそれにねじ込まれるロッキングロッド225によってアダプターアセンブリ215を所定位置に固定する。このように固定された位置では、カラムの外面から固定手段を解除し、次いで上述のようにノズル211を取り外した後、保守用の取扱い装置(図示せず)を用いてアダプターベッド支持体及び/又は分配板をカラムから取り外すことができる。カラムの保守を実施した後(例えば、取扱い装置によってベッド支持体228を再装着した後)、上記の手順を逆に進めてカラムを再び運転状態にする。即ち、アダプターアセンブリ215をロッキングロッド225から解放し、シリンダー234によって降下させ、次いでアダプターフランジ217を上部カラムフランジ213aに結合するナットを再装着することでカラムチューブ212に再連結する。
【0054】
下部分配板266又は底板アセンブリ263の保守又はサービスは、チューブ212を底板アセンブリ263から解放し、駆動装置を用いてチューブ212及びアダプターアセンブリ215を持ち上げることで実施される。カラムチューブ212の下部フランジ213bを下部受け板264に結合しているボルトを取り外す。次に、駆動シリンダー234によってカラムチューブ212及びアダプターアセンブリ215を持ち上げる。ロッキングピン270、ブラケット236及びシリンダー234の整列した穴を通してロッキングボルトをねじ込むことにより、シリンダーブラケット236を用いてチューブ212及び上部アダプターアセンブリを底板上方の所定位置に固定する。
【0055】
次に、下部ノズル270を受け板264及び分配板266から取り外す。ノズル270をディスタンスリング235と共に取り外すことで、ナットの形態を有し得る固定手段269を解除するためのアクセスが可能となる。ナット269を受け板264の外面(即ち、キャビティ222から遠い側の面)から取り外し、かくして作業員が懸垂荷重又は支持荷重にさらされることは排除される。上述のように受け板、分配板及びベッド支持体を通して挿入されたボルトのような追加の着脱自在の固定手段が存在するならば、これらを受け板の外面から取り外さなければならない。今では、ベッド支持体268及び/又はOリングの交換又はクリーニングのような保守又はサービスのためにカラムの内部にアクセスすることができ、ベッド支持体は取扱い装置(図示せず)を用いて取り外される。カラムを運転モードに戻すためには、上記の手順を逆に進めればよい。
【0056】
図4aは、図3のカラムの概略正面図である。カラム310は脚304上に支持されており、チューブ312によってアダプターアセンブリ315から隔離された底板アセンブリ363を有している。これらの部品は、製薬工業の分野でGMP用として承認された強固で不活性な材料(例えば、ステンレス鋼)で作られている。図中では、底板アセンブリ363及びアダプターアセンブリは、3つの油圧シリンダー334の形態を有する駆動装置に連結されている。他の実施形態では、カラムの持上げ及び降下のために異なる駆動装置(例えば、圧縮空気又は電気によって動力供給されるもの)が使用できることは言うまでもない。さらに、3つのシリンダーを使用することは必須ではなく、場合によっては1つで十分である。カラム310は、カラム内に液体を導入するために上部ノズル311及び下部ノズルを有している。駆動装置を制御するための電気ユニット378も示されている。
【0057】
図4bは図4aのカラムの側断面図であって、1つの油圧シリンダー334が断面で示されている。クロマトグラフィー媒体のベッドを収容するためのキャビティ322を断面として見ることができる。カラム310に対する液体の導入及び取出しのため、上部ノズル311及び下部ノズル372の液体入口305、375及び出口306、376が示されている。シリンダー334は、(受け板364、分配板366及びベッド支持体368を含む)底板アセンブリ並びに(受け板320、分配板331及びベッド支持体328を含む)アダプターアセンブリ315に連結されている。
【0058】
図4cは図4aのカラムの上面図であって、3つの油圧シリンダー334並びに液体入口305及び出口306を備えたノズル311を示している。
【0059】
保守目的のためにアダプターアセンブリ315を持ち上げるには、アダプター315及びカラムフランジ313aを結合している上部カラムフランジ下方のナットをゆるめて取り外す。次に、駆動装置が油圧シリンダー334によってアダプターアセンブリ315を持ち上げる。ロッキングボルトがねじ穴と向かい合うまでアダプターアセンブリ315を持ち上げ、ボルトをねじ込むことでアセンブリをサービス又は保守位置に固定する(図3を参照されたい)。
【0060】
図5aは、サービス又は保守のためにカラム内部へのアクセス用の隙間427を得るため、アダプターアセンブリ415を持ち上げて所定位置に固定したところを示す正面斜視図である。カラム410は、3つの油圧シリンダー434からなる駆動装置を有している。今では、アダプターベッド支持体428、分配板431及び受け板420が目に見える。ベッド支持体428は、隙間427にアクセスすることなしに固定手段(図示せず)を解除することで分配板431から解放することができる。この過程を説明するために図4を参照すれば、まずノズル311を取り外すことで、隙間427にアクセスすることなしにベッド支持体328を分配板331に固定している保持ナット(図示せず)を取り外すためのアクセスが可能となる。固定ナットは受け板320の外面から取り外される。
【0061】
図5bは、スパナー446を用いてアダプターアセンブリの受け板420側から固定手段を取り外すところを示している。(スパナーによって隠されているが、保持ナットの形態を有する)固定手段は、アダプターベッド支持体を分配板に固定している。
【0062】
ベッド支持体428は重く、アダプターアセンブリから分離した後には、それを持ち上げるために取扱い装置を使用することが必要である。
【0063】
取扱い装置580の一実施形態を図6に示す。装置580は、脚583を有するフレーム582上に支持された支柱581を備えたトロリー又はカートの形態を有する。装置580は強固で不活性な材料で作られている。かかる材料には、特に限定されないが、製薬工業に特有なGMP環境での使用に適するステンレス鋼及び他の材料がある。伸長可能なアーム585a、585b、585cが支柱581から突出し、機械的手段又は他の手段により支柱581に対して上昇又は降下させることができる。図示された実施形態では、装置のかじ取り又は操縦のための手段を提供するハンドル584に隣接した手動ジャッキ機構(図示せず)によってアーム585a、585b、585cを上昇又は降下させる。アーム585a、585b、585cは、分配板又はベッド支持体の重量を支えると共に、これらの部品の直径まで伸長できるように設計されている。図示された実施形態は3本のアーム585a、585b、585cを有するが、本装置はそれに限定されず、他の実施形態では個々のデザインに応じて3本未満又は3本を超えるアーム(例えば、1本、2本、4本又は5本のアーム)を有し得ることは言うまでもない。各々のアーム585a、585b、585cは、カラム部品をそれに固定するための取付け手段を有している。図示された実施形態では、取付け手段は、特にカラム部品の輸送、取外し及び/又は挿入に際して、安全のため分配板及び/又はベッド支持体をアームにボルト留め又は固定するためにアーム585a、585b、585cの末端に設けられた穴587a、587b、587cの形態を有する取付具からなる。他の取付け手段が多くの様々な形態(例えば、クリップ、クランプ、ファスナーなど)を取り得ることは言うまでもない。ベッド支持体/分配板がアームに接触する際、これらの部品の損傷を受けるリスクを最小限に抑えるため、アーム585a、585b、585cにパッド(図示せず)を取り付けることもできる。ベッド支持体又は分配板の中心穴を受け止めるために設けられた(通例は円錐形の)中心隆起要素588は、これらの部品を装置580のアーム585a、585b、585c上で中央に配置するための手段を提供する。この要素は、アーム585a、585b、585cが交わる点の上側又は下側或いはその両方に設けることができる。使用に際しては、分配板及び/又はベッド支持体はアーム585a、585b、585cから吊り下げるか、或いはこれらのアーム上に支持する。旋回可能な車輪586が、取扱い装置580の容易な移動及び操縦を可能にする。図示された実施形態では、装置580の移動及びアーム585a、585b、585cの上昇/伸長は手動によるが、装置580の駆動及びアーム585の上昇/降下を行うための動力装置(例えば、電気装置、空気圧装置又は油圧装置)を組み込んだ他の実施形態も可能であることは言うまでもない。また、取扱い装置の他の実施形態(図示せず)では、アーム585b及び585cがいずれか2つのシリンダー(例えば、図5aの434)間の狭い隙間にアクセスし、カラム内のいずれか2つのシリンダー(例えば、図5aの434)間の距離より大きい直径を有するベッド支持体及び/又は分配板の取外し/挿入を行うことを可能にするため、アーム585が支柱581の回りで旋回又は回転可能であることも理解されよう。
【0064】
ベッド支持体を取り外す際の装置580の動作を図7〜9に示す。
【0065】
図7a及び図7bは図5のカラムの斜視図であって、図6の取扱い装置が1以上のアーム685上にベッド支持体628を支持するところを示している。アーム685をベッド支持体628の下方の位置まで上昇させ、ベッド支持体628の外側リムの下方にある取扱い装置680のアーム685上にパッド(図示せず)を配置することでベッド支持体のメッシュを傷つけないように注意しながら、アーム685をベッド支持体まで静かに上昇させる。アーム685が所定位置に達した後、受け板620及び分配板631を貫通してベッド支持体628の外周部にねじ込まれているねじ棒633のナットをゆるめ、ベッド支持体を取扱い装置上に取り外すことができる。棒633は、最初はスパナーを用いてゆるめ、最後は手で取り外す。図からわかる通り、棒633の取外しは隙間へのアクセスなしに受け板620の外面から実施され、したがって作業員が懸垂又は支持された頭上重量にさらされることはない。
【0066】
図8a及び図8bは、取扱い装置780上のベッド支持体728をカラム710から取り出すところを示す斜視図である。図8aでは、装置780のアーム785上に支持されたベッド支持体728が、支持体728を実質的に傾けることなしにカラム710から取り出される。次いで、装置780をカラムから遠ざけ(図8b)、ベッド支持体728のクリーニング又は交換を行うためにアーム785を降下させる。今では、必要に応じてカラムの保守又はサービスを行うことができる。例えば、ベッド支持体728のクリーニング又は交換を行うことができると共に、Oリングを交換し、及び/又は分配板731を取り外してクリーニングを行うこともできる。
【0067】
運転モードに戻すには、上記の手順を単に逆に進めればよい。ベッド支持体及び分配板をカラムに戻して受け板に固定し、ノズルを再び取り付け、アダプターアセンブリを降下させてカラムチューブにボルトで留める。
【0068】
次に、図9〜13を参照しながら下部ベッド支持体及びカラム内部へのアクセスを説明しよう。下部ベッド支持体にアクセスするためには、それを底板に結合しているボルトを外し、次いで油圧シリンダーを用いてチューブ及び上部アダプターアセンブリを持ち上げることでチューブを底板アセンブリから解放する。
【0069】
図9aは、図3〜5並びに図7及び8に関連して前記に説明したようなカラム810を示している。チューブ812を下部受け板864に結合しているカラムチューブの下部フランジ813b上のボルトをゆるめて外す。「A」で示す穴が図9aのインセットの「B」で示す穴に向かい合うまで、カラムチューブ812及びアダプターアセンブリ815を駆動装置の油圧シリンダー834で持ち上げる。次に、ロッキングボルト837をロッキングピン870、ブラケット836及びシリンダー834の整列した穴に挿入してチューブ及びアダプターアセンブリを所定位置に固定する(図9b)。チューブ812を下部受け板864に固定しているボルトを取り外した後、チューブ及びアダプターアセンブリを持ち上げたことで生じた隙間827内でカラムの保守を行うことができる。
【0070】
図10は、チューブ912を持ち上げてシリンダー934に機械的に固定して保守の準備が整った状態のカラム910を示している。まず、保持ボルトを外すことで、下部ノズル(図示せず、図3中の272を参照されたい)を受け板964から取り外す。ベッド支持体968を分配板966に結合している保持ナット(又は固定手段)をカラム910の受け板964側から解除する。追加の固定手段(例えば、ベッド支持体を分配板及び受け板に結合していて、受け板の外周に位置しているボルト(図示せず))が存在するならば、これらをカラムの受け板側から解除する。
【0071】
次に、図11a及び図11bに示すように、取扱い装置を用いてベッド支持体1068をカラムから取り出すことができる。(図6に関連して上述したような)取扱い装置1080を、アーム1085がベッド支持体108から数センチメートル上方にある位置に移動させる。ベッド支持体1068は、ベッド支持体を受け板1064にボルト留めするために使用する穴に対応した複数のねじ穴を有している。取扱い装置1080のアーム1085は、ボルトを下部ベッド支持体1068にねじ込むための穴を有している。これらの穴はベッド支持体1068の穴と整列しており、ボルトを取り付けることでベッド支持体がアーム1085に固定される。取付け後には、アーム1085を数センチメートル持ち上げ、取扱い装置1080をカラム1010から遠ざけることで、ベッド支持体1068をカラムから取り出すことができる。今では、ベッド支持体1068のクリーニングを行うと共に、必要に応じて新しいOリングと交換することができる。一般に、ベッド支持体は図12に示すようにしてカラムから取り出し、表面(例えば、トロリー又は作業台)上に降下させ、クリーニング及びサービスを容易にするために取扱い装置1180のアーム1185から解放する。同様に、分配板(図11中の1066)も取扱い装置を用いて取り外してサービスを行うことができる。
【0072】
保守又はサービスの完了後には、単に上述の過程を逆に進めることでカラムは運転モードに戻される。これは、ベッド支持体及び/又は分配板をカラム内に再装着し、これらの部品を受け板に固定し、ノズルを再び取り付け、チューブ及びアダプターアセンブリを降下させることを含む。図13は、図11のカラム1210を油圧制御ユニット1290に接続してチューブ1212を降下させ、受け板1264にボルト留めする準備が整ったところを示している。
【0073】
図14は、いずれか2つの駆動シリンダー1334間の距離がベッド支持体1368の直径より小さいカラム1310の隙間1327からベッド支持体1368を取り出すところを示している。これは、例えば、4つの駆動シリンダー1334を有する図14のカラム又は図1及び2に示したカラムの場合に当てはまる。それを行うため、取扱い装置1380のアーム1385は継手1389の回りに回転又は旋回するように設計されており、それによりベッド支持体1368を実質的に傾けることでシリンダー1334間において取り出し又は挿入することができる。
【0074】
取扱い装置はまた、カラムに対する他のカラム部品の取外し又は再配置のためにも使用できる。図15は、駆動シリンダー1434を取扱い装置1480のアーム1485に固定することで駆動シリンダー1434をカラム1410から取り外すところを示している。駆動シリンダー1434は、駆動シリンダーを受け止めるためのねじ穴の形態を有する取付け手段1487によって取扱い装置1480のアーム1485に固定される。
【0075】
ノズル1511もまた、図16に示すように、取扱い装置1580を用いてカラムから取り外し又はカラムに取り付けることができる。ノズルは取付け手段1587で取扱い装置1580のアーム1585に固定し、次いでカラムへの輸送及び/又はカラムからの持上げを行うことができる。
【0076】
本明細書中で言及されたすべての特許、公開特許及び他の参考文献の開示内容は、各々が個別かつ詳細に本明細書中に組み込まれた場合と同じく、援用によって本明細書の内容の一部をなす。以上、本発明の好ましい例示的な実施形態を記載してきたが、当業者には、本発明が記載された実施形態以外のやり方でも実施できることが容易に理解されよう。記載された実施形態は例示のみを目的として示したものであり、本発明を限定するものではない。本発明は特許請求の範囲のみによって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】当技術分野で公知のカラムの一実施形態が第1の保守位置にある状態を示す断面図である。
【図2】図1と同じ実施形態のカラムが第2の保守位置にある状態を示す断面図である。
【図3】本出願人の米国特許出願第11/763477号に記載されたカラムの概略分解正面図である。
【図4a】米国特許出願第11/763477号に記載されたカラムの概略正面図である。
【図4b】図4aのカラムの側断面図である。
【図4c】図4aのカラムの上面図である。
【図5a】アクセス用の隙間を得るためにアダプターアセンブリを持ち上げて所定位置に固定したところを示す正面斜視図である。
【図5b】受け板を分配板及びベッド支持体に固定する固定手段の取外しを示している。
【図6】本発明の方法に従ってカラムに対する分配板又はベッド支持体の取外し/挿入を行うために使用される取扱い装置の斜視図である。
【図7a】ベッド支持体を分配板及び受け板に結合する固定棒の取外しを示す図5のカラムの斜視図である。
【図7b】ベッド支持体を分配板及び受け板に結合する固定棒の取外しを示す図5のカラムの斜視図である。
【図8a】カラムからのベッド支持体の取出しを示す斜視図である。
【図8b】カラムからのベッド支持体の取出しを示す斜視図である。
【図9a】ロッキング装置を示すインセット付きカラムの斜視図である。
【図9b】底板の上方に持ち上げて所定位置にロックする過程にあるカラムチューブを示している。
【図10】カラムチューブを持ち上げて所定位置にロックして保守の準備が整った状態を示すカラムの斜視図である。
【図11a】取扱い装置を用いてカラムからベッド支持体を取り出す過程を示している。
【図11b】取扱い装置を用いてカラムからベッド支持体を取り出す過程を示している。
【図12】カラムから取り出されて保守の準備の整ったベッド支持体を示している。
【図13】カラムチューブを降下させて底板へのボルト留めを待っている図10及び11のカラムの斜視図である。
【図14】駆動シリンダー間の距離がベッド支持体の直径より小さい場合、ベッド支持体を傾けてカラムの隙間から取り出す取扱い装置を示す斜視図である。
【図15】駆動シリンダーを運搬する取扱い装置を示している。
【図16】カラムから取り外したノズルを支持する取扱い装置を示している。
【符号の説明】
【0078】
209 液体入口
210 カラム
211 ノズル
212 チューブ
215 アダプターアセンブリ
220 受け板
222 キャビティ
228 ベッド支持体
230 固定手段
231 分配板
234 シリンダー
263 底板アセンブリ
264 受け板
266 分配板
268 ベッド支持体
269 固定手段
272 ノズル
580 取扱い装置
581 支柱
582 フレーム
584 ハンドル
585 アーム
586 車輪
587 取付具
588 隆起要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロマトグラフィーカラムの保守方法で使用するための取扱い装置であって、上記保守方法が、
a)液体入口に連結された移動相通路を有するノズルを含む分散装置と、アダプターアセンブリを備えたチューブであって、前記アダプターアセンブリは運転モードにおいて前記チューブのキャビティ内で移動可能であると共に、アダプターアセンブリは着脱自在の固定手段によって互いに結合された分配板及びベッド支持体を含むチューブと、分散装置に対向する捕集装置と、1以上のシールとを含むクロマトグラフィーカラムを用意する段階、
b)アダプターアセンブリをチューブから取り外す段階、
c)アダプターアセンブリをチューブの上方に持ち上げてこれらの間にアクセス用の隙間を設ける段階、
d)固定手段を解除してベッド支持体を分配板から解放する段階、
e)取扱い装置を用いてベッド支持体をカラムから取り外す段階、
f)カラム及び/又はベッド支持体及び/又は前記1以上のシールの保守を行う段階、
g)前記取扱い装置を用いてベッド支持体をカラムに戻し、ベッド支持体を分配板に結合する段階、並びに
h)アダプターアセンブリをチューブ内の運転位置に降下させ、アダプターアセンブリをチューブに再連結する段階
を含んでいて、当該取扱い装置が、車輪及び支柱を備えたフレームと、前記支柱から突出してその上にクロマトグラフィーカラム部品を支持し又は吊り下げるための1以上のアームとを含んでなり、前記1以上のアームは機械的手段により支柱の軸線に沿って鉛直方向に移動できると共に、1以上のアームは前記カラム部品をそれに固定するための取付け手段を有する、取扱い装置。
【請求項2】
クロマトグラフィーカラム部品が、ベッド支持体、分配板、ノズル及び駆動シリンダーからなる群から選択される、請求項1記載の取扱い装置。
【請求項3】
前記取付け手段が、前記カラム部品の固定手段を受け止めるため1以上のアームの表面上に設けられた隆起要素である、請求項1又は請求項2記載の取扱い装置。
【請求項4】
前記隆起要素が1以上のアームの中央に位置するか、或いは1以上のアームの交点に位置している、請求項3記載の取扱い装置。
【請求項5】
前記取付け手段が、前記カラム部品の固定手段を受け止めるための取付具からなる、請求項1又は請求項2記載の取扱い装置。
【請求項6】
1以上のアームがさらに、その上にカラム部品を載せるためのパッドを含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の取扱い装置。
【請求項7】
1以上のアームが伸長可能である、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の取扱い装置。
【請求項8】
1以上のアームが着脱可能でありかつ様々なアームと交換できる、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の取扱い装置。
【請求項9】
支柱の軸線に沿って1以上のアームを鉛直方向に移動させるための機械的手段が滑車又はジャッキからなる、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の取扱い装置。
【請求項10】
支柱の軸線に沿って1以上のアームを鉛直方向に移動させるための機械的手段が、電気的手段、空気圧手段又は油圧手段によって動力供給される、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の取扱い装置。
【請求項11】
さらに、かじ取りを容易にするためのハンドルを含む、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の取扱い装置。
【請求項12】
車輪が独立に回転できる、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の取扱い装置。
【請求項13】
車輪が独立にロックできる、請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の取扱い装置。
【請求項14】
車輪が独立にレベル調整できる、請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の取扱い装置。
【請求項15】
車輪が電気的手段によって動力供給される、請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の取扱い装置。
【請求項16】
1以上のアームが支柱の軸線の回りで回転又は旋回できる、請求項1乃至請求項15のいずれか1項記載の取扱い装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図4c】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図8a】
image rotate

【図8b】
image rotate

【図9a】
image rotate

【図9b】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11a】
image rotate

【図11b】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−211917(P2012−211917A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−139281(P2012−139281)
【出願日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【分割の表示】特願2007−215605(P2007−215605)の分割
【原出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(597064713)ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・アクチボラグ (109)