説明

クロワッサン生地及びその成形方法並びに装置

【課題】両端を結着したクロワッサン生地及びクロワッサン生地の両端側を、搬送コンベアの上面に接触させつつ折曲げて両端部の成形/又は結着を行うことのできるクロワッサン生地の成形方法及び装置を提供する。
【解決手段】搬送コンベア5の上方位置に上下動自在かつ搬送コンベア5の搬送方向へ移動自在に備えた押えピン75によって前記クロワッサン生地3の長手方向の中央部であって搬送方向の前側を押えた状態にあるときに、前記搬送コンベア5の上方位置に上下動自在かつ前記押えピン75よりも搬送方向へ速く移動可能で互に接近離反自在な押圧部材99によって前記クロワッサン生地3の長手方向の両側を前記押えピン75を中心として折曲げ、前記クロワッサン生地3の両端部側を押圧して成形/又は結着するとき下方向への分力を作用させつつ両端部側の成形/又は結着を行い、その後に前記押圧部材99を上昇すると共に前記押えピン75を前記クロワッサン生地から上方向へ抜き取るときに、前記押えピン75の周面からエアーを噴出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結着した両端部が焼成後に開くことのないクロワッサン生地及び中央部が太く、両端部側が次第に細くなるように予め直線上に巻上げたクロワッサン生地の両端部を互に接近させて成形/又は結着する方法並びに装置に係り、さらに詳細には、全ての角部の角度が鋭角を呈するほぼ二等辺三角形であって、底辺に近接して備えた空間部と結着した先端部との間の全長に亘って圧着又は圧接してあるクロワッサン生地及び前記クロワッサン生地の両端部側を互に接近させるときに、両端部側が上方向へ逃げることを防止して両端部の成形/又は結着を行うことのできるクロワッサン生地の成形方法並びに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中央部が太く、両端部側が次第に細くなるように予め直線状に巻上げられたクロワッサン生地の両端部を互に接近させて成形/又は結着する方法は、次のように行われている。すなわち、搬送コンベアの搬送方向に対してクロワッサン生地の長手方向が直交するように、当該搬送コンベア上へクロワッサン生地を供給載置する。そして、前記搬送コンベアによるクロワッサン生地の搬送時に、クロワッサン生地の長手方向の中央部で搬送方向の前側を押えピンによって押える。
【0003】
上述のように、押えピンによってクロワッサン生地を押えた状態にあるときに、互に近接離反自在に備えられた一対の押圧部材によって、前記押えピンを中心として前記クロワッサン生地の両端側を互に接近するように折曲げる。そして、前記押圧部材によってクロワッサン生地の両端部を押圧して結着するものである(特許文献1,2,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6622617号明細書
【特許文献2】特公平3−38816号公報
【特許文献3】米国特許第4961697号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記各特許文献1〜3においては、クロワッサン生地の両端側を互に接近するように折曲げるとき、クロワッサン生地の両端側が常に水平に移動変形することを前提としている。しかし、両端側を折曲げる前のクロワッサン生地は、中央部が太く両端部側が次第に細くなる形状であるから、クロワッサン生地の特性によっては、クロワッサン生地を搬送する搬送コンベアの上面から両端部が離れた状態にあることがある。また、場合によっては、クロワッサン生地の一端側が搬送ベルトの上面に接触し、他端部が上方に離れた状態に傾斜していることがある。
【0006】
したがって、クロワッサン生地の両端部を結着するときに、ときとして、両端部が上下に多少ずれることがあり、製品形状の外観向上の安定性に欠けることがある。
【0007】
また、前述のごとき従来の成形方法によって製造されたクロワッサン生地は、結着した両端部が焼成後に開く(離れる)ことがあり、製品形状の安定性向上の上において問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、予め直線状に巻上げたクロワッサン生地の両端部側を互に接近するように折曲げて、前記両端部側の先端部を互に結着したクロワッサン生地であって、全体的形状が、全ての角部の角度が鋭角を呈するほぼ二等辺三角形状であり、前記両端部側は、底辺に近接して備えた空間部と前記結着した先端部との間において全長に亘って圧着又は圧接してあることを特徴とするものである。
【0009】
また、前記クロワッサン生地において、前記空間部と前記結着した先端部との間において全長に亘って圧着又は圧接した前記両端部側は、互に接近するように折曲げて圧着又は圧接するときに、先端部側へ延展してあることを特徴とするものである。
【0010】
また、予め直線状に巻上げたクロワッサン生地を、当該クロワッサン生地の長手方向に対して直交する方向へ搬送コンベアによって搬送しつつ、当該クロワッサン生地の両端部側を互に接近させて成形/又は結着するクロワッサン生地の成形方法であって、前記搬送コンベアの上方位置に上下動自在かつ搬送コンベアの搬送方向へ移動自在に備えた押えピンによって前記クロワッサン生地の長手方向の中央部であって搬送方向の前側を押えた状態にあるときに、前記搬送コンベアの上方位置に上下動自在かつ前記押えピンよりも搬送方向へ速く移動可能で互に接近離反自在な押圧部材によって前記クロワッサン生地の長手方向の両側を前記押えピンを中心として折曲げ、前記クロワッサン生地の両端部側を押圧して成形/又は結着するとき下方向への分力を作用させつつ両端部側の成形/又は結着を行い、その後に前記押圧部材を上昇すると共に前記押えピンを前記クロワッサン生地から上方向へ抜き取ることを特徴とするものである。
【0011】
また、前記クロワッサン生地の成形方法において、前記押圧部材によってクロワッサン生地の両端部側を押圧するときに、当該両端部側をより長く延展することを特徴とするものである。
【0012】
また、前記クロワッサン生地の成形方法において、前記クロワッサン生地から前記押えピンを上方向へ抜き取るときに、前記押えピンの周面からエアーを噴出することを特徴とするものである。
【0013】
また、前記クロワッサン生地の成形方法において、前記クロワッサン生地から前記押えピンを上方向へ抜き取るときに、当該押えピンとは別個に上下動自在に備えた持上げ防止部材によって前記クロワッサン生地を上方向から押えることを特徴とするものである。
【0014】
また、予め直線状に巻上げたクロワッサン生地を、当該クロワッサン生地の長手方向に対して直交する方向へ搬送する搬送コンベアによって搬送しつつ、当該クロワッサン生地の両端部側を互に接近させて成形/又は結着するクロワッサン生地の成形装置であって、前記搬送コンベアを備えた架台フレームと、当該搬送コンベアの上方位置において上下動自在かつ前記搬送コンベアの搬送方向へ移動自在に備えられた昇降フレームと、当該昇降フレームに備えられ前記クロワッサン生地の長手方向の中央部で搬送方向の前側を押えるための押えピンと、前記押えピンによってクロワッサン生地の長手方向の中央部を押えた状態にあるときに、前記押えピンを中心として前記クロワッサン生地の長手方向の両端部側を互に接近すべく押圧して両端部の成形/又は結着を行うための複数の押圧部材を前記搬送コンベアの搬送方向に対して直交する方向へ互に接近自在に支持した移動フレームを、前記昇降フレームに前記搬送コンベアの搬送方向へ移動自在に備え、前記クロワッサン生地の両端部の成形/又は結着時に下方向への分力を作用させるために、前記押圧部材に、下部側が互に離反するように傾斜した傾斜押圧部を備えていることを特徴とするものである。
【0015】
また、予め直線状に巻上げたクロワッサン生地を、当該クロワッサン生地の長手方向に対して直交する方向へ搬送する搬送コンベアによって所定位置へ搬送し、当該クロワッサン生地の両端部側を互に接近させて成形/又は結着するクロワッサン生地の成形装置であって、前記搬送コンベアを備えた架台フレームと、当該搬送コンベアの上方位置において上下動自在に備えられた昇降フレームと、当該昇降フレームに備えられ前記クロワッサン生地の長手方向の中央部で搬送方向の前側を押えるための押えピンと、前記押えピンによってクロワッサン生地の長手方向の中央部を押えた状態にあるときに、前記押えピンを中心として前記クロワッサン生地の長手方向の両端部側を互に接近すべく押圧して両端部の成形/又は結着を行うための複数の押圧部材を前記搬送コンベアの搬送方向に対して直交する方向へ互に接近自在に支持した移動フレームを、前記昇降フレームに前記搬送コンベアの搬送方向へ移動自在に備え、前記クロワッサン生地の両端部の成形/又は結着時に下方向への分力を作用させるために、前記押圧部材に、下部側が互に離反するように傾斜した傾斜押圧部を備えていることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記クロワッサン生地の成形装置において、前記押えピンは、周面からエアーを噴出可能な多孔質部材から構成してあることを特徴とするものである。
【0017】
また、前記クロワッサン生地の成形装置において、前記クロワッサン生地から前記押えピンを上方向へ抜き取るときに、前記クロワッサン生地を上方向から押えるための持上げ防止部材を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、結着した両端部が焼成後に開くことを防止でき、製品形状の安定性の向上を図ることができる。
【0019】
また、押えピンを中心としてクロワッサン生地の両端部側を、押圧部材によって折曲げるとき、上記両端部側に下方向への分力を作用させつつ折曲げ、かつ、両端部側を先端部側へ延展すると共に、圧着又は圧接して、両端部の成形/又は結着を行うものであるから、両端部側の上下方向への変動を阻止した状態において成形/又は結着することができる。したがって、クロワッサン生地の両端部の成形/又は結着を安定した状態において行うことができ、製品の外観形状が安定するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る成形装置の構成を、概念的、概略的に示す正面説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る成形装置の構成を示す平面図で、一部を省略して主要な構成部分を示した平面説明図である。
【図3】図1を右方向から見た側面図で、一部省略して主要な構成部を示した側面説明図である。
【図4】クロワッサン生地を折曲げ成形する部分の構成を示した正面説明図である。
【図5】図4に示した主要部分の構成をより詳細に示した詳細説明図である。
【図6】クロワッサン生地を折曲げる工程の説明図で、押えピンの断面形状が円形状、三角形状、台形状の場合を例示した説明図である。
【図7】本発明の成形方法、成形装置によって得られた焼成前のクロワッサン生地の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照するに、本発明の実施形態に係るクロワッサン生地の成形装置1は、中央部が太く両端部側が次第に細くなるように予め直線上に巻上げたクロワッサン生地3又は同様の長尺生地を、当該クロワッサン生地(長尺生地)3の長手方向(Y軸方向:図1において紙面に垂直な方向)に対して直交する方向(X軸方向)へ水平に搬送するための搬送コンベア5を上部に備えた架台フレーム7を備えている。より詳細には、前記架台フレーム7は、複数の脚部材9を備えたベースフレーム11を備えており、このベースフレーム11上のY軸方向(前後方向)の両側には、箱状構成のフロントサイドフレーム13F,リアサイドフレーム13R(図3参照)がそれぞれ立設してある。
【0022】
そして、前記フロントサイドフレーム13Fとリアサイドフレーム13Rとの間の上部に備えたガイドプレート15、複数のガイドローラ17によって前記搬送コンベア5のコンベアベルト19が案内支承されている。また、前記フロントサイドフレーム13Fには、前記搬送コンベア5をX軸方向(左右方向)へ走行駆動するためのモータM1が備えられている。したがって、前記モータM1を回転駆動することにより、搬送コンベア5は、図1において右側から左方向へクロワッサン生地3を搬送すべく走行駆動されるものである。
【0023】
前記ベースフレーム11の上面にはベースプレート21が備えられており、このベースプレート21の前記フロントサイドフレーム13F,リアサイドフレーム13Rに近接した位置には、それぞれ左右方向(X軸方向)に長いガイドレール23が設けられている。そして、前記ガイドレール23にはスライドガイド25を介してX軸方向スライドフレーム27がX軸方向へ移動自在に支持されている。より詳細には、前記前後のスライドガイド25には、前記フロントサイドフレーム13Fとリアサイドフレーム13Rの対向面にそれぞれ形成した大きな開口部29(図1参照)を一部が貫通したベース部材31がそれぞれ備えられており、前後のベース部材31は連結部材33(図3参照)によって一体的に連結してある。
【0024】
したがって、前記ベース部材31の一部は、箱状構成の前記フロントサイドフレーム13F,リアサイドフレーム13R内に突入した態様にあるものである。そして、前記ベース部材31がフロントサイドフレーム13F,リアサイドフレーム13R内に突入した部分には、立板35がそれぞれ一体的に立設してあり、この前後の立板35には、それぞれ上下方向のガイドレール37が備えられている。
【0025】
前記X軸方向スライドフレーム27をX軸方向に往復動するために、前記ベースプレート21上には往復動駆動手段39が備えられている。より詳細には、前記ベースプレート21上のX軸方向に離隔した位置には、Y軸方向に長い回転軸41がピローブロック43を介して回転自在に支承されている。そして、前記回転軸41の一方には、当該回転軸41を正逆回転自在なサーボモータなどのごときモータM2が連動連結してある。
【0026】
さらに、前記各回転軸41にそれぞれプーリ45が備えられており、各プーリ45には、X軸方向に長いタイミングベルトなどのごときベルト47が掛回してある。そして、前記ベルト47は、連結部49(図1参照)において前記連結部材33に連結してある。すなわち、前記ベルト47は、ボルト等のごとき固定具(図示省略)によって前記連結部材33に固定したクランプ部材50と前記連結部材33との間に一体的に挟持されている。
【0027】
したがって、前記モータM2によって回転軸41を回転すると、ベルト47がX軸方向(図1において左右方向)に走行駆動されるので、前記X軸方向スライドフレーム27は一体的にX軸方向に移動することになる。なお、X軸方向スライドフレーム27をX軸方向に往復移動するための往復動駆動手段39の構成としては、前述したごとき構成に限ることなく、例えばボールネジ機構、ラック・ピニオン機構、リニアモータなどの種々の構成を採用可能なものである。
【0028】
前記X軸方向スライドフレーム27には、昇降フレーム51が上下動自在に支持されている。すなわち、昇降フレーム51は、前記前後の立板35に備えた前記ガイドレール37にスライドガイド53を介して上下方向(Z軸方向)へ移動自在に案内支持された前後の昇降プレート55を備えている。そして、前後の昇降プレート55の上部は、前記コンベアベルト19の上方位置において前後方向(Y軸方向)に延伸した左右の連結部材57によって一体的に連結してある。
【0029】
前記昇降フレーム51を上下動するために、昇降駆動手段59が備えられている。より詳細には、前記箱状のフロントサイドフレーム13F内には、サーボモータなどのごときモータM3(図1参照)が備えられている。そして、例えばタイミングプーリ及びタイミングベルトなどのごとき適宜の連動手段を介して前記モータM3に連動連結した左右の回転軸60が前後方向(Y軸方向)に長く設けられている。この回転軸60の前後両端側は前記フロントサイドフレーム13F及びリアサイドフレーム13Rに回転自在に支持されている。そして、前記回転軸60の前後両端側には、それぞれギヤ62が一体的に備えられている。
【0030】
また、前記フロントサイドフレーム13F及びリアサイドフレーム13Rに回転自在に支持された左右2本の回転軸61の前後両端側にピニオン63が一体的に備えられており、このピニオン63は、左右方向に長い昇降ガイド65(図1参照)の左右両端部に備えた上下方向のラック67に噛合してある。そして、右側の前記ピニオン63が前記モータM3に連動連結された前記ギヤ62と噛合してある。また、左側の前記ピニオン63と前記ギヤ62は、リンク機構(図示省略)などにより連動連結されている。前記昇降ガイド65は、前記フロントサイドフレーム13F,リアサイドフレーム13R内において、当該フロントサイドフレーム13F,リアサイドフレーム13Rに備えた上下方向のガイド部材(図示省略)によって上下方向に移動自在に案内支持されている。そして、前記前後の昇降ガイド65には、左右方向に長いガイド溝などのごときガイド部69が備えられており、このガイド部69には、前記前後の昇降プレート55に備えたローラなどのごとき被ガイド部材71が左右方向へ移動自在に係合してある。
【0031】
したがって、前記昇降駆動手段59のモータM3を正転、逆転の駆動を行うことにより、ギヤ62、ピニオン63、ラック67を介して昇降ガイド65が上下動される。したがって、昇降ガイド65のガイド部69に係合した被ガイド部材71を介して昇降フレーム51が上下動される。そして、前記往復動駆動手段39を駆動することにより、前記昇降フレーム51は、前記X軸方向スライドフレーム27を介して左右方向(X軸方向)に往復動されるものである。
【0032】
すなわち、前記昇降フレーム51は、前記搬送コンベア5に対して上下動されると共に、上記搬送コンベア5によって搬送されるクロワッサン生地3の搬送方向に沿って往復動され得るものである。
【0033】
前記昇降フレーム51の上部に備えた左右の前記連結部材57の間には、左右方向に長いビーム部材73が配置してあり、このビーム部材73の左右両端部は前記連結部材57に取付けてある。なお、前記ビーム部材73は、前記搬送コンベア5によって搬送されるクロワッサン生地3の列数に対応して複数備えられている。そして、前記各ビーム部材73の下面には、前記搬送コンベア5によって搬送される前記クロワッサン生地3の搬送方向の間隔に対応した間隔でもって複数(本実施形態においては3本)の押えピン75が等間隔に備えられている。
【0034】
前記押えピン75は、前記搬送コンベア5によって搬送される前記クロワッサン生地3の長手方向の中央部であって、クロワッサン生地3の搬送方向の前側(下流側)を押えるものである。前記押えピン75は、前記ビーム部材73に取付たピンホルダ77(図5参照)の下部に垂直に取付けてある。ところで、前記押えピン75は、クロワッサン生地3との粘着を防止するために、例えば焼結合金などのごとき多孔質部材から構成してある。そして、前記ピンホルダ77には、前記押えピン75に対してエアーを供給するために、エアー供給源(図示省略)に接続したエアー供給孔79が備えられている。
【0035】
したがって、前記エアー供給孔79から押えピン75にエアーを供給すると、前記押えピン75の周面からエアーが噴出されることとなり、クロワッサン生地3が前記押えピン75に粘着することを防止することができるものである。
【0036】
なお、クロワッサン生地3と押えピン75との粘着を防止するには、粘着物質が付着し難い材質、例えばポリアセタールやふっ素樹脂等によって製作することも可能である。
【0037】
前述のごとく、前記押えピン75によってクロワッサン生地3の長手方向の中央部で搬送方向の前側を押えたときに、前記押えピン75と対向して前記クロワッサン生地3の搬送方向の後側(上流側)を押える押えアーム81が前記ビーム部材73に枢軸83を介してクロワッサン生地3の搬送方向へ揺動可能に備えられている。より詳細には、前記押えアーム81は、図5に示すように、上下方向の中央部付近が前記ビーム部材73に揺動可能に支持されているものであって、前記ビーム部材73の長手方向に等間隔に備えられた複数の押えアーム81の上部は、搬送方向(X軸方向)に長い連結杆85に連結ピン87を介して枢支連結してある。
【0038】
したがって、前記連結杆85を、図4において左右方向に移動すると、当該連結杆85に上部を枢支連結した複数の押えアーム81は同一方向へ同時に揺動(回動)されるものである。
【0039】
前記連結杆85は、前記搬送コンベア5によって搬送されるクロワッサン生地3の列数、すなわち前記押えピン75の列数に対応して複数備えられている。そして、複数の連結杆85を同時に同方向へ移動するために、各連結杆85の一端部は、Y軸方向に長い揺動シャフト(往復動シャフト)89(図3,4参照)に枢支連結してある。上記揺動シャフト89のY軸方向の両端部は、前記昇降フレーム51における前記昇降プレート55に備えたY軸方向に水平な支軸91(図3参照)にX軸方向へ揺動可能に支持された揺動レバー93に支持されている。
【0040】
そして、前記往復動シャフト(揺動シャフト)89を、X軸方向へ往復動(揺動)するために、適宜一方の揺動レバー93の下端部には、前記昇降プレート55に装着したエアーシリンダなどのごとき往復動用アクチュエータ95に備えたピストンロッド等のごとき作動杆97の先端部が枢支連結してある。
【0041】
したがって、前記エアーシリンダ(往復動用アクチュエータ)95を作動して作動杆97をX軸方向に往復動すると、支軸91を支点として揺動レバー93がX軸方向に往復動されることとなる。よって、前記揺動シャフト89を介して複数の連結杆85が同時にX軸方向に往復動されることになる。したがって、各連結杆85に上端部を枢支連結した複数の押えアーム81は、X軸方向へ揺動されて、各押えアーム81の下端部でもって、押えピン75の反対側(クロワッサン生地3の搬送方向に見て上流側)においてクロワッサン生地3を押えることができるものである。
【0042】
既に理解されるように、搬送コンベア5によってX軸方向へ搬送されるクロワッサン生地3における搬送方向の前側(下流側)の長手方向の中央部は押えピン75によって押えられ、後側(上流側)の中央部は、押えピン75に対向した押えアーム81によって押えられるものである。そして、前述のように、押えピン75と押えアーム81によってクロワッサン生地3の搬送方向の前後が押えられた状態にあるときに、クロワッサン生地3の長手方向の両端側を、前記押えピン75を中心として屈曲(湾曲)し、両端側の端部を成形/又は結着することにより、製品としてのクロワッサン生地3が成形されるものである。
【0043】
前記押えピン75によって長手方向の中央部前側を押えられたクロワッサン生地3の長手方向の両端側を、前記押えピン75を中心として折曲げる(湾曲)するために、クロワッサン生地3の搬送方向へ移動自在かつY軸方向(前後方向)に互に接近自在な押圧部材99(図3参照)が備えられている。より詳細には、前記押えピン75を備えた前記ビーム部材73のY軸方向の両側下方には、X軸方向(搬送方向)に長い長短一対の支持ビーム101A,101B(図2参照)が配置してある。そして、上記一対の支持ビーム101A,101Bの下部に、前記押圧部材99がそれぞれ備えられている。
【0044】
前記支持ビーム101A,101Bに備えられた各押圧部材99は、Y軸方向に対向して対をなすものであって、各押圧部材99は、図3,4に示すように、下端部が小径となるテーパローラから構成してあって水平に回転自在に備えられている。すなわち、前記押圧部材99がクロワッサン生地3の長手方向の両端側を押圧する押圧部は、テーパ面に形成してある。換言すれば、前記押圧部材99の前記押圧部は、互いの下部側が離反するように傾斜した傾斜押圧部に形成してある。
【0045】
対をなす前記各押圧部材99をX軸方向(搬送方向)へ往復動し、かつY軸方向へ互に接近離反するための構成として、次のごとき構成が採用されている。
【0046】
すなわち、昇降フレーム51におけるY軸方向の両昇降プレート55にはX軸方向のガイドレール103(図2参照)がそれぞれ備えられており、各ガイドレール103には、スライドガイド105を介してX方向スライダ107がそれぞれ移動自在に支持されている。上記各X方向スライダ107の下部にはそれぞれX軸方向のラック109が備えられており、各ラック109にはそれぞれピニオン111が噛合してある。前記ピニオン111は、Y軸方向に長い回転軸113の両端部に備えられている。
【0047】
前記回転軸113は、前記前後の立板35を上下動自在に貫通して、後側(図3の右側)の前記昇降プレート55に軸受114を介して回転自在に支持されている。そして、前記回転軸113を回転するために、前側の昇降プレート55にはサーボモータなどのごときモータM4(図1参照)が装着してあり、このモータM4の中空状の駆動軸に前記回転軸113を挿通させて軸止してある。したがって、モータM4によって回転軸113を正逆回転すると、ピニオン111、ラック109を介してX方向スライダ107がガイドレール103に沿ってX軸方向に往復動されることになる。
【0048】
前記X方向スライダ107には、X軸方向に長い支持ブラケット115(図2参照)が備えられており、当該支持ブラケット115におけるX軸方向の両端側の下面には、Y軸方向のスライドガイド部材117A,117Bがそれぞれ一対備えられている。そして、前記各スライドガイド部材117A,117Bには、Y軸方向に長い一対のスライド杆119A,119Bの両端側がY軸方向へ移動自在に支持されている。そして、X軸方向(搬送方向)の外側に位置する前記スライド杆119Aには、一対の前記支持ビームにおける長い支持ビーム101AのX軸方向の両端部が連結してあり、内側に位置する前記スライド杆119Bには、短い支持ビーム101Bの両端部が連結してある。
【0049】
したがって、前記スライド杆119A,119BをY軸方向へ互に反対に移動することにより、支持ビーム101A,101Bは、Y軸方向に互に接近離反することになる。よって、各支持ビーム101A,101Bに支持された前記各押圧部材99は、互にY軸方向に接近離反するように移動することになる。
【0050】
前記スライド杆119A,119BをY軸方向へ互に反対に移動するために、X軸方向に離れているスライド杆119A,119BはX軸方向に長い連結バー121A,121B(図1参照)によってそれぞれ一体的に連結してある。そして、各連結バー121A,121Bの両端側にそれぞれ設けたブラケット123A,123B(図2参照)の上面にはX軸方向の溝125A,125Bがそれぞれ備えられており、この溝125A,125Bには、Y軸方向へ水平に揺動可能な揺動プレート127の両端側下部に備えたローラ、ピンなどのごとき作動子129(図1参照)が相対的に移動可能に係合してある。
【0051】
前記揺動プレート127は、X軸方向に長く設けてあり、その中央部に一体的に取付けた立軸131が前記支持ブラケット115に垂直にかつ回動自在に支持されている。X軸方向に離反している各立軸131には揺動レバー133の基部がそれぞれ取付けてあり、各揺動レバー133の先端部は、リンク135(図2参照)の両端部と枢支連結してある。なお、前記各立軸131及びリンク135と各揺動レバー133との各枢支連結部を結ぶ四角形は、平行リンク機構を構成してある。そして、一方の立軸131は、前記支持ブラケット115上に装着したサーボモータ等のごときモータM5と連動連結してある。
【0052】
したがって、前記モータM5を正逆回転駆動すると、立軸131が正転、逆転されることになる。よって、図2において、前記立軸131を反時計回り方向に回動すると、ブラケット123A,123B及び連結バー121A,121Bを介して、スライド杆119Aは、図2において下方向へ移動され、スライド杆119Bは上方向へ移動される。すなわち、押圧部材99を支持した支持ビーム101A,101BはY軸方向に互に接近する方向へ移動する。そして、前記立軸131を時計回り方向に回動すると、支持ビーム101A,101Bを介して対をなす押圧部材99は互に離反する方向へ移動することになる。
【0053】
既に理解されるように、前記押圧部材99は、搬送コンベア5に対して上下動自在であると共に、搬送コンベア5の搬送方向へ移動自在であり、かつ対をなす押圧部材99は、Y軸方向へ互に接近離反自在なものである。
【0054】
さらに、前記成形装置1には、前記押えピン75を中心として湾曲成形したクロワッサン生地3から前記押えピン75を上方向へ抜き取るときに、前記クロワッサン生地3を上方向から押えるための持上げ防止部材137(図5参照)が備えられている。この持上げ防止部材137は、前記押えピン75を囲繞した環状又はC字形状に構成してある。そして、持上げ防止部材137は、前記ビーム部材73に備えた上下方向のガイド部材139に上下動自在に案内支持された昇降ロッド141の下端部に備えられている。この昇降ロッド141の上端部は、上下動自在に備えられて昇降ビーム部材143に取付けてある。
【0055】
前記昇降ビーム部材143は、X軸方向(搬送方向)に長く設けてあり、前記押えピン75の列数に対応して複数列備えられている。上記各昇降ビーム部材143のX軸方向の両端部は、Y軸方向に長い一対の支持ビーム145(図3参照)に取付けてある。前記一対の支持ビーム145は、Y軸方向に長く設けてあってX軸方向に離隔してある。そして、各支持ビーム145のY軸方向の両端部は、エアーシリンダのごとき上下動用アクチュエーター151におけるピストンロッドなどのごとき上下作動子153の上端に上下調節可能に備えられた支持ブロック149にノブ147にて、着脱可能に固定されている。なお、上記上下動用アクチュエータ151は、前記昇降フレーム51における前後の昇降プレート55を互いに連結した前記連結部材57にブラケット155を介して支持されている。
【0056】
したがって、前記持上げ防止部材137は、上下動用アクチュエータ151を駆動することにより、前記押えピン75とは別個に上下動自在なものである。
【0057】
以上のごとき構成において、予め直線状に巻上げたクロワッサン生地(長尺生地)3を、当該クロワッサン生地3の長手方向(Y軸方向)に対して直交する方向(X軸方向)へ搬送コンベア5によって搬送する。このとき、搬送コンベア5の上面に下端部が接触するように、又は近接するように下降されて、前記搬送コンベア5の搬送方向と同方向へほぼ同速度で移動する押えピン75が前記クロワッサン生地3の長手方向の前側中央部を押えて一体的に搬送方向へ移動するとき、クロワッサン生地3の後側中央部は押えアーム81によって押えられる。
【0058】
なお、図6に示された押えピン75は、その水平断面形状が異なる場合を例示したものであり、図6(a)は円形、図6(b)は三角形、図6(c)は台形をしており、三角形や台形の底辺を前記クロワッサン生地3の搬送方向の前側中央部を押えるように配置している。前記押えピン75の形状は、前記クロワッサン生地3の弾性の強さに応じて適宜選択可能であるが、弾性が比較的に弱い生地の場合には円形とし、弾性が比較的に強い場合には、三角形や台形など底辺の両角に鋭角を備えたものがよく、クロワッサン生地3に強い曲げを与えることができる。また、前記押えピン75は、図4に示すように、その上方側が太く、下方側が細くなるような錐台形状に形成することにより、前記クロワッサン生地3に対して、上昇されて引き抜く際に、前記クロワッサン生地3を擦ることが防止出来る。
【0059】
上述のように、クロワッサン生地3の搬送方向の前側中央部と後側中央部とを押えピン75と押えアーム81によって押えた状態にあるとき(図6(A),(B),(C)の(2)参照)、前記X方向スライダ107を前記押えピン75等の移動速度よりも相対的に速く搬送方向へ移動すると共に、対をなす押圧部材99を互に接近作動すると、クロワッサン生地3の長手方向の両端部側は、前記押えピン75を中心として次第に折曲げられることになる(図6(A),(B),(C)の(3)〜(5)参照)。
【0060】
ところで、対をなす前記押圧部材99は、クロワッサン生地3の両端部側に当接して折曲げを開始するときのY軸方向の間隔寸法はほぼ同一に保持し、前記押圧部材99の中心が押えピン75の上流側部分をX軸方向に通過する前後から、前記押圧部材99のY軸方向の間隔寸法が次第に小さくなって、クロワッサン生地3の両端部側を押圧する(図6(A),(B),(C)の(6)参照)。この際、一対の押圧部材99は、クロワッサン生地3の両端部側を圧着又は圧接すると共に、先端部側(クロワッサン生地3の両端部が折り曲げ形成により圧着された部位の方向。図6における左側方向)へ延展する作用をなすものである。そして、クロワッサン生地3の当接した両端部(先端部)をより強く押圧して結着し、結着した端部から搬送方向の下流側方向(X軸方向)へ通過する。そして、押えアーム81はクロワッサン生地3の押圧を解除する(図6(A),(B),(C)の(7)参照)。
【0061】
また、前記押圧部材99は、前記クロワッサン生地3の表面を転がるように回転自在に備えられているため、前記クロワッサン生地3の積層構造(生地と油脂の多層構造)を壊すことなく、延展することができる。
【0062】
前述のように、クロワッサン生地3の両端部の成形/又は結着が行われ、押えアーム81が押圧を解除すると、押えピン75が上昇されてクロワッサン生地3から上方向へ抜き取るときに、押えピン75の周面からエアーを噴出しつつ抜き取ることになる。そして、前記押えピン75が上昇を開始するのとほぼ同時に、又は押えピン75の上昇開始から少し遅れて持上げ防止部材137が下降されて、クロワッサン生地3が持上げられることを防止するものである。
【0063】
したがって、クロワッサン生地3が押えピン75と一体的に持上げられるようなことがないと共に、押圧ピン75とクロワッサン生地3との粘着が防止されるものである。よって、クロワッサン生地3が押えピン75によって擦られることを防止でき、クロワッサン生地3の表面に擦り等の損傷を付与するようなことがないものである。また、クロワッサン生地3が持上げられることがないことにより、搬送コンベア5上においてのクロワッサン生地3の定位置が安定するものである。
【0064】
前述のごとく押えピン75がクロワッサン生地3から上方向へ抜き取られるとき、前記押圧部材99も一体的に上昇されるものである。そして、前記押えピン75及び押圧部材99は、初期の位置へ復帰されるものである。
【0065】
ところで、前記押圧部材99は、下端部が小径のテーパローラから構成してあるので、前述のごとく、クロワッサン生地3の両端側部を、押えピン75を中心として折曲げるとき、クロワッサン生地3の両端部側には下方向への分力が作用する。したがって、先端部側が次第に細くなっているクロワッサン生地3の両端部側がコンベアベルト19の上面から上方に離れた状態にある両端部側の折曲げを行う場合であっても、両端部側をコンベアベルト19の上面に接触させて、すなわち両端部側が上下に変動することを防止できるものである。
【0066】
すなわち、クロワッサン生地3の両端部側を、搬送コンベア5におけるコンベアベルト19の上面に常に接触させた状態でもって安定した折曲げ成形を行うことができ、両端部側の結着を外観よく行うことができるものである。
【0067】
さて、前述のごとき方法によって得られた焼成前のクロワッサン生地3は、平面視したとき、図7に示すごとき構成である。なお、図7に示されたクロワッサン生地3は、水平断面形状が台形の押えピン75を用いて成形されたものを例示している。このクロワッサン生地3は、両端部側3A,3Bの先端部(両端部)3C,3Dを互に強固に結着した構成であって、全体的形状は、図7に示すように、三角形の全ての角部が鋭角を呈するほぼ二等辺三角形状である。そして、三角形の底辺側部分3Eと前記両端部側3A,3Bとの間には、前記押えピン75を抜いた空間部3Fが形成してある。そして、この空間部3Fと結着した前記先端部3C,D3との間の両端部側3A,3Bは全長に亘って圧着又は圧接してある。
【0068】
前記クロワッサン生地3において、前記底辺側部分3Eと前記両端部側3A,3Bとの接続部分3Gは、前記押えピン75を中心として鋭角に強く折曲げられた部分である。そして、この接続部分3Gから前記先端部3C,3Dに至る前記両端部側3A,3Bは、一対の前記押圧部材99によって挟圧されて前記先端部3C,3D側に向かって(図7矢印参照)延びるように延展作用を受けた部分である。したがって、前記接続部分3Gは、前記両端部側3A,3Bが前記押圧部材99によって前記押えピン75に沿うように折り曲げられ、さらに、挟圧されて一定方向に延展されることにより鋭角に強く折り曲げられる。特に、前記押えピン75の水平断面形状が台形や三角形などその底辺の両端の角が鋭角の場合には、それらの角に接した付近の前記クロワッサン生地3の屈曲部3Hはより強い曲げ作用を受けることとなる。。
【0069】
よって、前記クロワッサン生地3を焼成したときに、全体が膨張しても、前記接続部分3Gにおいての戻り作用が弱く、予め強固に結着した先端部3C,3Dは結着した状態にあって開く(離れる)ようなことはないものである。
【0070】
なお、本発明は、前述したごとき実施形態のみに限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、その他の形態でもって実施可能である。すなわち、前述の説明においては、クロワッサン生地3を搬送しつつ両端部側を互に接近させて成形/又は結着する場合について説明した。しかし、クロワッサン生地を所定位置へ搬送し、この所定位置において前記両端部側の成形/又は結着することも可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 成形装置
3 クロワッサン生地(長尺生地)
5 搬送コンベア
7 架台フレーム
11 ベースフレーム
27 X軸方向スライドフレーム
35 立板
51 昇降フレーム
55 昇降プレート
63,111 ピニオン
65 昇降ガイド
67,109 ラック
73 ビーム部材
75 押えピン
79 エアー供給孔
81 押えアーム
89 揺動シャフト(往復動シャフト)
93,133 揺動レバー
99 押圧部材
101A,101B,145 支持ビーム
107 X方向スライダ
119A,119B スライド杆
125A,125B 溝
127 揺動プレート
129 作動子
135 リンク
137 持上げ防止部材
141 昇降ロッド
143 昇降ビーム部材
151 上下動用アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め直線状に巻上げたクロワッサン生地の両端部側を互に接近するように折曲げて、前記両端部側の先端部を互に結着したクロワッサン生地であって、全体的形状が、全ての角部の角度が鋭角を呈するほぼ二等辺三角形状であり、前記両端部側は、底辺に近接して備えた空間部と前記結着した先端部との間において全長に亘って圧着又は圧接してあることを特徴とするクロワッサン生地。
【請求項2】
請求項1に記載のクロワッサン生地において、前記空間部と前記結着した先端部との間において全長に亘って圧着又は圧接した前記両端部側は、互に接近するように折曲げて圧着又は圧接するときに、先端部側へ延展してあることを特徴とするクロワッサン生地。
【請求項3】
予め直線状に巻上げたクロワッサン生地を、当該クロワッサン生地の長手方向に対して直交する方向へ搬送コンベアによって搬送しつつ、当該クロワッサン生地の両端部側を互に接近させて成形/又は結着するクロワッサン生地の成形方法であって、前記搬送コンベアの上方位置に上下動自在かつ搬送コンベアの搬送方向へ移動自在に備えた押えピンによって前記クロワッサン生地の長手方向の中央部であって搬送方向の前側を押えた状態にあるときに、前記搬送コンベアの上方位置に上下動自在かつ前記押えピンよりも搬送方向へ速く移動可能で互に接近離反自在な押圧部材によって前記クロワッサン生地の長手方向の両側を前記押えピンを中心として折曲げ、前記クロワッサン生地の両端部側を押圧して成形/又は結着するとき下方向への分力を作用させつつ両端部側の成形/又は結着を行い、その後に前記押圧部材を上昇すると共に前記押えピンを前記クロワッサン生地から上方向へ抜き取ることを特徴とするクロワッサン生地の成形方法。
【請求項4】
請求項3に記載のクロワッサン生地の成形方法において、前記押圧部材によってクロワッサン生地の両端部側を押圧するときに、当該両端部側をより長く延展することを特徴とするクロワッサン生地の成形方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のクロワッサン生地の成形方法において、前記クロワッサン生地から前記押えピンを上方向へ抜き取るときに、前記押えピンの周面からエアーを噴出することを特徴とするクロワッサン生地の成形方法。
【請求項6】
請求項3,4又は5に記載のクロワッサン生地の成形方法において、前記クロワッサン生地から前記押えピンを上方向へ抜き取るときに、当該押えピンとは別個に上下動自在に備えた持上げ防止部材によって前記クロワッサン生地を上方向から押えることを特徴とするクロワッサン生地の成形方法。
【請求項7】
予め直線状に巻上げたクロワッサン生地を、当該クロワッサン生地の長手方向に対して直交する方向へ搬送する搬送コンベアによって搬送しつつ、当該クロワッサン生地の両端部側を互に接近させて成形/又は結着するクロワッサン生地の成形装置であって、前記搬送コンベアを備えた架台フレームと、当該搬送コンベアの上方位置において上下動自在かつ前記搬送コンベアの搬送方向へ移動自在に備えられた昇降フレームと、当該昇降フレームに備えられ前記クロワッサン生地の長手方向の中央部で搬送方向の前側を押えるための押えピンと、前記押えピンによってクロワッサン生地の長手方向の中央部を押えた状態にあるときに、前記押えピンを中心として前記クロワッサン生地の長手方向の両端部側を互に接近すべく押圧して両端部の成形/又は結着を行うための複数の押圧部材を前記搬送コンベアの搬送方向に対して直交する方向へ互に接近自在に支持した移動フレームを、前記昇降フレームに前記搬送コンベアの搬送方向へ移動自在に備え、前記クロワッサン生地の両端部の成形/又は結着時に下方向への分力を作用させるために、前記押圧部材に、下部側が互に離反するように傾斜した傾斜押圧部を備えていることを特徴とするクロワッサン生地の成形装置。
【請求項8】
予め直線状に巻上げたクロワッサン生地を、当該クロワッサン生地の長手方向に対して直交する方向へ搬送する搬送コンベアによって所定位置へ搬送し、当該クロワッサン生地の両端部側を互に接近させて成形/又は結着するクロワッサン生地の成形装置であって、前記搬送コンベアを備えた架台フレームと、当該搬送コンベアの上方位置において上下動自在に備えられた昇降フレームと、当該昇降フレームに備えられ前記クロワッサン生地の長手方向の中央部で搬送方向の前側を押えるための押えピンと、前記押えピンによってクロワッサン生地の長手方向の中央部を押えた状態にあるときに、前記押えピンを中心として前記クロワッサン生地の長手方向の両端部側を互に接近すべく押圧して両端部の成形/又は結着を行うための複数の押圧部材を前記搬送コンベアの搬送方向に対して直交する方向へ互に接近自在に支持した移動フレームを、前記昇降フレームに前記搬送コンベアの搬送方向へ移動自在に備え、前記クロワッサン生地の両端部の成形/又は結着時に下方向への分力を作用させるために、前記押圧部材に、下部側が互に離反するように傾斜した傾斜押圧部を備えていることを特徴とするクロワッサン生地の成形装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のクロワッサン生地の成形装置において、前記押えピンは、周面からエアーを噴出可能な多孔質部材から構成してあることを特徴とするクロワッサン生地の成形装置。
【請求項10】
請求項7,8又は9に記載のクロワッサン生地の成形装置において、前記クロワッサン生地から前記押えピンを上方向へ抜き取るときに、前記クロワッサン生地を上方向から押えるための持上げ防止部材を備えていることを特徴とするクロワッサン生地の成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−44886(P2012−44886A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187993(P2010−187993)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】