クローラ式走行装置
【課題】 左右のトラックフレームに設けた脚体をセンターフレームの支持筒部に左右移動自在に支持し、脚体の上壁に設けた左右移動規制用の係合溝の一部が、トラックフレームを左右方向外方へ移動させた際の移動限界で、支持部材の端部に設けた補強部材から左右方向外方にはみ出すと共に、このはみ出し部分を上方から覆う覆い部を備えたクローラ式走行装置において、コストダウンを図ると共に、覆い部を支持筒部の上壁に一体形成した場合における該覆い部に作用する負荷モーメントを小さくする。
【解決手段】 覆い部53を支持筒部32の上壁20から一体的に延出させて形成し、該覆い部53の補強部材52から左右方向外方への延出長さLを、少なくとも係合溝43の前後において、脚体41の上壁41aの前後方向中央側から該上壁41aの前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成する。
【解決手段】 覆い部53を支持筒部32の上壁20から一体的に延出させて形成し、該覆い部53の補強部材52から左右方向外方への延出長さLを、少なくとも係合溝43の前後において、脚体41の上壁41aの前後方向中央側から該上壁41aの前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の作業機の走行部に採用されるクローラ式走行装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バックホーは、走行装置上に旋回台を上下方向の軸心回りに回動自在に設けてなる。このバックホーの走行部としてクローラ式走行装置が採用されており、このクローラ式走行装置として、センターフレームの左右両側に配置されたトラックフレームの左右間隔を変更可能とした図16,17に示す可変脚型のクローラ式走行装置が特許文献1にて開示されている。
【0003】
前記センターフレーム18は基板20と該基板20の下方に位置していて縦板24で基板20に連結された下板23とを有する。
左右各トラックフレーム36には、前端側に設けたアイドラ38と、後端側に設けた油圧駆動式の走行モータMによって駆動されるスプロケット37と、これらアイドラ38とスプロケット37との間に配置された転輪と、前記アイドラ38,スプロケット37,転輪にわたって巻き掛けられていてスプロケット37によって周方向に駆動されるクローラベルト40とが設けられている。
【0004】
また、左右各トラックフレーム36には、前後一対の脚体41が左右方向内方に突出状として設けられている。
センターフレーム18の前後には支持筒部32が設けられ、各支持筒部32は、左右方向の軸心を有すると共にセンターフレーム18の左右方向にわたって設けられ且つ左右両側が開放状とされている。
【0005】
前記支持筒部32は、センターフレーム18の基板20の下面に、側面視上方開口状のコ字形に形成されたフレーム22を固着することで形成され、センターフレーム18の基板20が支持筒部32の上壁とされている。
左右各トラックフレーム36の各脚体41は、前記支持筒部32に左右方向移動自在に挿入されて支持されていて、左右のトラックフレーム36を左右移動させることによりトラックフレーム36の左右間隔が変更可能とされている。
【0006】
左右のトラックフレーム36の後側の脚体41は、走行モータMの圧油給排部74とセンターフレーム18の中央部に配置したスイベルジョイント30との間に配設される油圧ホースHを通すために、左右方向の軸心を有する断面矩形状の単一の筒体から構成されており、該左右の後側脚体41は同芯状となるようにセンターフレーム18の支持筒部32に挿入されている。
【0007】
図18に示すように、前記各後側の脚体41の上壁41aの前後方向中央側には左右方向に長い係合溝43が形成され、支持筒部32の上壁(センターフレーム18の基板20)には、前記係合溝43に挿入されていて脚体41を左右移動させた際に前記係合溝43の端部が接当することにより脚体41の移動を規制するストッパ44が設けられている。
前記支持筒部32の脚体41挿入口側には、支持筒部32の上壁上面(基板20の上面)に重ね合わされて固定された補強部材52が設けられている。
【0008】
前記クローラ式走行装置2にあっては、前側の脚体41は長尺の筒体と短尺の筒体からなり、長尺の筒体に係合溝43が形成されていることから、図17に示すように、トラックフレーム36の左右間隔を最小に縮めたときに、前側の脚体41においては左右の係合溝43は中央側でオーバーラップするようになっているが、後側の脚体41は単一の筒体によって構成されていて、トラックフレーム36の左右間隔を最小に縮めたときに左右の脚体41は突き合わせ状となることから、後側の脚体41にあっては、図18に示すように、トラックフレーム36を左右方向外方へ移動させた際における移動限界で係合溝43の一部が支持筒部32から左右方向外方にはみ出すようになっている。
【0009】
この従来のクローラ式走行装置2にあっては、トラックフレーム36を左右方向外方側の移動限界に移動させた際における係合溝43の前記はみ出し部分を上方から覆う覆い部53を、支持筒部32の上壁の脚体41挿入口側の端部に固着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−191555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記従来のクローラ式走行装置2にあっては、覆い部53が支持筒部32とは別部品であるので、コストアップの要因となっている。
コストダウンを図るために、前記覆い部53を支持筒部32の上壁に一体成形することが考えられているが、覆い部53を支持筒部32の上壁に一体形成した場合、覆い部53が脚体41の上壁上面に接当することとなるが、この場合、地面からアイドラ38,転輪等→トラックフレーム36→脚体41を経て覆い部53に荷重が加わるので覆い部53の強度が問題となる。
【0012】
掘削作業時や走行時において、地面からトラックフレーム36に作用する荷重(反力)は脚体41から前記覆い部53に作用するが、この覆い部53に作用する脚体41からの荷重は覆い部53全体に均等に作用するのではなく、脚体41の上壁の前後端部(脚体41の上部の前後の角部)に接当する部分に集中するので、覆い部53の前後端部において、補強部材52の左右方向外方側の端部を基準としたモーメントが大きい。
【0013】
一方、支持筒部32の上壁の板厚を覆い部53の強度に合わせて厚くすることは、コスト面及び重量面から好ましくない。
したがって、覆い部53を支持筒部32の上壁に一体形成する場合、脚体41から覆い部53に作用する荷重による負荷モーメントを軽減(小さく)することが重要課題となる。
本発明は、コストダウンを図ると共に、覆い部を支持筒部の上壁に一体形成した場合における該覆い部に作用する負荷モーメントを小さくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、センターフレームの左右両側にクローラベルトを支持するトラックフレームを配置し、左右各トラックフレームに脚体を左右方向内方に突出状に設け、この脚体は上下壁と該上下壁を連結する前後壁とで断面矩形状に形成され且つ左右方向の軸心を有する単一の筒体からなり、センターフレームに設けた左右方向の軸心を有する支持筒部に左右のトラックフレームの脚体を同芯状となるように且つ左右方向移動自在に挿入して支持し、各脚体の上壁の前後方向中央側に左右方向に長い係合溝を形成し、この係合溝に挿入されていて脚体を左右移動させた際に前記係合溝の端部が接当することにより脚体の移動を規制するストッパを前記支持筒部の上壁に設け、前記支持筒部の脚体挿入口側に前記支持筒部の上壁上面に重ね合わされて固定された補強部材を設け、前記トラックフレームを左右方向外方へ移動させた際の移動限界で、前記係合溝の一部が前記補強部材から左右方向外方にはみ出すと共に、はみ出し部分を上方から覆う覆い部を備えたクローラ式走行装置において、
前記覆い部を前記支持筒部の上壁から一体的に延出させて形成し、且つ該覆い部の前記補強部材から左右方向外方への延出長さを、少なくとも係合溝の前後において、脚体の上壁の前後方向中央側から該上壁の前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成したことを特徴とする。
【0015】
また、前記覆い部を、該覆い部の補強部材から左右方向外方への延出長さが、脚体の上壁の前後方向中央から該上壁の前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成するのがよい。
また、前記覆い部を円弧状に形成するのがよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、トラックフレームを左右方向外方側の移動限界に移動させた際における係合溝のはみ出し部分を上方から覆う覆い部を、支持筒部の上壁から一体的に延出させて形成することにより、コストダウンを図ることができる。
また、覆い部の補強部材から左右方向外方への延出長さを、少なくとも係合溝の前後において、脚体の上壁の前後方向中央側から該上壁の前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成することにより、覆い部の、脚体上壁の前後端部との接当部分が、補強部材に近づくこととなるので、脚体から覆い部に作用する荷重による負荷モーメントを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】クローラ式走行装置のフレームの平面一部断面図である。
【図2】バックホーの側面図である。
【図3】クローラ式走行装置の全体平面図である。
【図4】センターフレームの基板の平面図である。
【図5】センターフレームに右側のトラックフレームを組み付けた状態の左側面図である。
【図6】クローラ式走行装置の後部左側の平面一部断面図である。
【図7】クローラ式走行装置の後部左側の背面断面図である。
【図8】左側トラックフレームの後部の左右方向内方側から見た斜視図である。
【図9】側面カバーの斜視図である。
【図10】クローラ式走行装置の後部左側の左側面図である。
【図11】取付プレートの後方側から見たトラックフレームの背面図である。
【図12】メインフレームの後方側から見たトラックフレームの背面図である。
【図13】図3のX部の拡大図である。
【図14】後側脚体の挿入部分の平面図である。
【図15】他の形態の覆い部の平面図である。
【図16】従来のクローラ式走行装置の全体平面図である。
【図17】従来のクローラ式走行装置の一部の平面一部断面図である。
【図18】従来のクローラ式走行装置の脚体挿入部分の平面図及び背面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1は本発明に係るクローラ式走行装置2を採用した作業機(旋回作業機)として例示するバックホーである。
このバックホー1は、クローラ式走行装置2上に旋回ベアリング3を介して旋回台4を上下方向の旋回軸心回りに回動自在に設け、該旋回台4上に、運転席及び操縦装置を収容したキャビン5、エンジン、ラジエータ、燃料タンク、作動油タンク、油圧ポンプ、油圧機器を制御する制御弁を集約してなるコントロールバルブ及びボンネット7等を設け、前記旋回台4の前部に、ブーム8、アーム9、バケット10等を備えた掘削作業装置11を備え、クローラ式走行装置2の前部にドーザ装置12を備えている。
【0019】
旋回台4の前部には、該旋回台4に設けられた支持ブラケット13に上下方向の軸心回りに左右揺動自在に支持されたスイングブラケット14が設けられ、このスイングブラケット14にブーム8と該ブーム8を揺動動作させるブームシリンダ15の各基端部が枢支され、前記ブーム8の先端側にアーム9が枢支されると共に該アーム9をアームシリンダ16で揺動可能とし、アーム9の先端側にバケット10が枢支されると共に該バケット10をバケットシリンダ17で掬い及びダンプ動作可能にしている。
【0020】
なお、以下の説明において、左右方向外方Aとは、クローラ式走行装置2の左右方向の中央から左右方向の端部に向かう方向をいい、左右方向内方Bとは、クローラ式走行装置2の左右方向の端部から左右方向の中央に向かう方向をいう(図1参照)。
前記クローラ式走行装置2は、センターフレーム18と、このセンターフレーム18の左右両側にそれぞれ配置されたクローラ走行体19とから主構成されており、左右の各クローラ走行体19がセンターフレーム18に左右方向移動自在に支持されていて、左右クローラ走行体19の左右方向の間隔が拡縮可能(変更可能)とされた可変脚型に構成されている。
【0021】
前記センターフレーム18は、図1、図3〜5に示すように、基板20と、この基板20上に固定されたベアリング支持台21と、基板20の前端側及び後端側のそれぞれの下面側に設けられた支持フレーム22と、基板20の左右両側の下方に配置されていて前後の支持フレーム22の左端側及び右端側の下面同士を連結する下板23と、前後支持フレーム22間で且つ基板20の左右両側に配置されていて基板20と下板23と連結する縦板24とを有する。
【0022】
ベアリング支持台21は、基板20の上面に固定した上下方向の軸芯を有する支持筒25と、この支持筒25の上端に固定された取付板26とを有し、前記取付板26上に支持筒25と同芯状に配置された前記旋回ベアリング3のインナーレースが取付固定され、この旋回ベアリング3のアウターレースは旋回台4の底部に固定されており、これによって、旋回台4がベアリング支持台21に上下方向の旋回軸心回りに回転自在に支持されている。
【0023】
ベアリング支持台21の取付板26には旋回軸心を中心とする円形状の開口27が形成され、この開口27の下方側の前記基板20にも開口28が形成されており、支持筒25の中心側(センターフレーム18の中心側)には、クローラ式走行装置2側に設けられた油圧機器(油圧駆動式の走行モータM、ドーザ装置12のブレードを上下動させる油圧シリンダ、左右クローラ走行体19を拡縮駆動させる油圧シリンダからなる拡縮駆動体29)と旋回台4側のコントロールバルブとの間の圧油の流通を図るためのスイベルジョイント30が設けられている。
【0024】
スイベルジョイント30の底部は、基板20の開口28を挿通して、該基板20の下面側に取り付けられたステーに取付固定され、スイベルジョイント30の上部は、ベアリング支持台21の取付板26の開口27を挿通すると共に、旋回台4の底部に設けた開口を貫通して旋回台4内に挿入されている。
前記支持フレーム22は前後壁22a,22bと、該前後壁22a,22bの下端同士を連結する下壁22cとを備えていて、板材を折曲することによって側面視上方開口状のコ字形に形成されており、前後壁22a,22bの上端が基板20の下面に接当していると共に、該前後壁22a,22bの上端側が溶接によって基板20に固定されている。
【0025】
この支持フレーム22と前記基板20の前後方向の端部側とで、センターフレーム18の前後に、後述する脚体41を挿通して支持する支持筒部32が形成されている。
すなわち、この支持筒部32は、センターフレーム18の基板20を上壁とすると共に、左右方向の軸心を有する四角筒状に形成され、且つ左右両端が開口状とされていて該開口が脚体41の挿入口とされている。
【0026】
前記左右の各クローラ走行体19は、トラックフレーム36に、前記走行モータM(ホイールモータ)によって駆動される駆動輪37(スプロケット)、アイドラ38及び複数の転輪39を設けると共に前記駆動輪37、アイドラ38及び転輪39にわたって巻き付けられていてトラックフレーム36を上下及び前後から取り囲むように設けられた無端帯状のクローラベルト40を備え、走行モータMによって駆動輪37を回転駆動することにより該駆動輪37からクローラベルト40に駆動力が伝達されて該クローラベルト40が周方向に循環回走し、これにより前後方向に走行するよう構成されている。
【0027】
本実施形態では、走行モータMはトラックフレーム36の後端側に設けられ、駆動輪37は走行モータMに左右方向の軸芯回りに回転駆動可能に取り付けられ、アイドラ38はトラックフレーム36の前端側に左右方向の軸芯回りに回転自在で且つ前後方向に移動可能に支持されており、該アイドラ38が図示省略の緊張装置の付勢力によって前方側に付勢されることでクローラベルト40に張りが付与されるよう構成されている。
【0028】
転輪39は、駆動輪37とアイドラ38との間に前後方向に間隔をおいて3つ設けられ、トラックフレーム36の下部に左右方向の軸芯回りに回転自在に支持されている。
なお、左右の各クローラ走行体19は、前後方向で向きが逆向きとなっていてもよい。
各トラックフレーム36には、左右方向内方Bに突出する前後一対の脚体41が設けられ、前側の脚体41が前側の支持筒部32に左右方向外方Aから左右方向移動自在に挿入されていると共に、後側の脚体41が後側の支持筒部32に左右方向外方Aから左右方向移動自在に挿入されていて、前側の左右脚体41同士と、後側の左右脚体41同士とが左右方向で対向状とされている。
【0029】
また、前後の支持筒部32間で且つ左右のトラックフレーム36間には、スイベルジョイント30の下方側に位置する前記拡縮駆動体29が左右方向に沿って設けられ、この拡縮駆動体29のシリンダチューブのボトム側が一方のトラックフレーム36に連結され、拡縮駆動体29のピストンロッドの先端側が他方のトラックフレーム36に連結されており、拡縮駆動体29を伸縮させることにより、トラックフレーム36が左右方向に移動して左右クローラ走行体19の間隔が拡縮されるよう構成されている。
【0030】
前記各脚体41は、上壁41aと、下壁41bと、これら上下壁41a,41bの前端部同士を連結する前壁41cと、上下壁41a,41bの後端部同士を連結する後壁41dとから左右方向の軸心を有する単一の四角筒状(断面矩形の筒状)に形成されている。
各脚体41は、左右方向外方A側の端部がトラックフレーム36に溶接固定された取着板42に溶接固定されている。
【0031】
各脚体41の上壁41aの前後方向中央側で且つ左右方向中央部から左右方向内方B寄りには、左右方向に長い長孔からなる係合溝43が上下方向に貫通形成されている。
また、図1、図7に示すように、センターフレーム18の基板20(支持筒部32の上壁)には、前記係合溝43に挿入されて、脚体41を左右移動させた際に前記係合溝43の端部が接当することにより脚体41の移動を規制するストッパ44が設けられている。
【0032】
このストッパ44は、基板20に形成された取付孔45に位置決め固定されたナット部材46に螺合されるネジ部47と、係合溝43を挿通する円柱状の規制部48とを備えている。
図4に示すように、基板20の後端の左右の角部には、後方及び左右方向外方Aに開放状とされた段付き状の切欠き49が形成され、基板20後部の、前記各段付き状切欠き49の前方側には、左右方向外方A側から凹設されたコ字状の切欠き50が形成され、これら切欠き49,50によって基板20の後部左右両側に舌片状壁部51が形成されている。
【0033】
図14に示すように、この舌片状壁部51の前端51aは、前記支持フレーム22の前壁22aの上端の前後中途部に接当しており、該舌片状壁部51の後端51bは、前記支持フレーム22の後壁22bの上端の前後中途部に接当している(したがって、この舌片状壁部51は後側の支持筒部32の上壁の一部を構成するものである)。
また、基板20の前端の左右の角部には、前方及び左右方向外方Aに開放状とされた段付き状の切欠き49が形成され、基板20前部の、前記各段付き状切欠き49の後方側には、左右方向外方A側から凹設されたコ字状の切欠き50が形成され、これら切欠き49,50によって、基板20の前部左右両側に舌片状壁部51が形成されている。
【0034】
この前側の舌片状壁部51は、前記後側の舌片状壁部51と同様に、前端51aが支持フレーム22の前壁22aの上端の前後中途部に接当しており、後端51bが支持フレーム22の後壁22bの上端の前後中途部に接当している(したがって、この前側の舌片状壁部51は前側の支持筒部32の上壁の一部を構成するものである)。
前後の支持筒部32の左右方向の端部側(脚体41挿入口側)には、支持筒部32の脚体41挿入口を補強する補強部材52が設けられている。
【0035】
この補強部材52は、図5に示すように、上部壁52aと、該上部壁52aの前端側から下方に延出された前部壁52bと、上部壁52aの後端から下方に延出された後部壁52cとを有していて、帯板材を折曲することにより側面視コ字形に形成されている。
後側の補強部材52は、前部壁52bがコ字状の切欠き50に嵌合すると共に支持フレーム22の前壁22a前面(支持筒部32の前壁前面)に重合して溶接固定され、後部壁52cが後端側の切欠き49に嵌合すると共に支持フレーム22の後壁22b後面(支持筒部32の後壁後面)に重合して溶接固定され、上部壁52aが前記舌片状壁部51(支持筒部32の上壁)の上面に重合して溶接固定されている。
【0036】
また、前側の補強部材52は、前部壁52bが前端側の切欠き49に嵌合すると共に支持フレーム22の前壁22a前面(支持筒部32の前壁前面)に重合して溶接固定され、後部壁52cがコ字状の切欠き50に嵌合すると共に支持フレーム22の後壁22b後面(支持筒部32の後壁後面)に重合して溶接固定され、上部壁52aが前記舌片状壁部51(支持筒部32の上壁)の上面に重合して溶接固定されている。
【0037】
なお、補強部材52の前部壁52b及び後部壁52cの左右幅は嵌合する(対応する)切欠き49,50の左右幅に略一致しており、また、支持フレーム22は補強部材52から左右方向外方Aに若干突出している。また、左右方向で同じ側にある前後の補強部材52は前記縦板24で連結されている。
一方、このクローラ式走行装置2にあっては、図14に示すように、トラックフレーム36を左右方向外方Aへ移動させた際の移動限界で、前記係合溝43の一部が前記補強部材52の上部壁52aから左右方向外方Aにはみ出すように形成されている。
【0038】
また、前記舌片状壁部51の左右方向外方A側は、前記補強部材52の上部壁52aから左右方向外方Aに突出しており、この舌片状壁部51の補強部材52から突出した部分によって、前記トラックフレーム36を左右方向外方Aへ移動させた際の移動限界での係合溝43の前記はみ出し部分を上方から覆っている。
この舌片状壁部51の補強部材52から左右方向外方Aに突出した部分が、このトラックフレーム36を左右方向外方A側の移動限界に移動させた際における係合溝43の前記はみ出し部分を上方から覆う覆い部53とされており、該覆い部53は、支持筒部32の上壁から一体的に延出させて形成されている。
【0039】
この覆い部53は、平面視左右方向外方Aに凸となる円弧形状に形成されている(換言すると、覆い部53の縁部の形状が、脚体41の上壁41aの前後方向中央から該上壁41aの前後方向の端部に行くに従って左右方向内方Bに移行する円弧状とされている)。
したがって、この覆い部53の補強部材52から左右方向外方Aへの延出長さLは、脚体41の前後方向中央部(係合溝43形成部分)で最大とされ、脚体41の上壁41aの前後方向中央側から該上壁41aの前後方向端部に行くに従って漸次小となる。
【0040】
また、覆い部53の前端及び後端は、補強部材52の上部壁52aの左右方向外方A側の端部と左右方向に関して同位置に位置してる。
覆い部53が脚体41の上面に接当するものにあっては、掘削作業時や走行時において、地面からトラックフレーム36に作用する荷重(反力)は脚体41から前記覆い部53に作用するが、この覆い部53に作用する脚体41からの荷重は覆い部53全体に均等に作用するのではなく、脚体41の上壁41aの前後の端部側(脚体41の上部の前後の角部)に接当する部分に集中するので、覆い部53の前後端部において、補強部材52の左右方向外方A側の端部を基準としたモーメントが働く。
【0041】
そして、覆い部53が、図14の仮想線で示すように、舌片状壁部51の前後幅で左右方向外方Aに延出されていると、脚体41の前後方向の端部側での補強部材52からの突出長さLa(モーメントの腕)が長く、脚体41から覆い部53に作用する負荷モーメントが大きい。
これに対し、本実施形態では、覆い部53の補強部材52からの延出長さLは脚体41の上壁41aの前後方向中央から該上壁41aの前後方向端部に行くに従って漸次小となっていることから、脚体41の前後方向の端部側での補強部材52からの突出長さLbが短く、図14の仮想線で示すものに比べて、脚体41から覆い部53に作用する負荷モーメントがかなり小さい。
【0042】
これによって、覆い部53の強度を確保することができる。
また、覆い部53の縁部が、脚体41の前後部分において前後方向に対して斜めになっているので、脚体41からの荷重に対する応力を分散させることができる。
また、特に、本実施形態にあっては、覆い部53が、補強部材52からの延出長さLが脚体41の前後方向中央部で最大となる、平面視左右方向外方Aに凸の円弧状であるので、脚体41を左右方向内方Bに移動させてトラックフレーム36の左右間隔を縮める際において、脚体41上にのった土砂を覆い部53の縁部によって前後両側に案内して脚体41の前後から下方に落とすという機能も有する(効果を奏する)。
【0043】
図14に示す形態の覆い部53にあっては、脚体41の前後方向中央から端部にかけて全体的に補強部材52からの延出長さLが漸次小となっているが、脚体41から覆い部53に作用する荷重は脚体41の前後部分において集中するので、図15に示すように、覆い部53は、補強部材52からの延出長さLが、係合溝43の前後において脚体41の前後方向中央側から前後方向端部に行くに従って漸次小となり、脚体41の前後方向中央側においては不変(同じ長さ)となる台形状に形成してもよい(少なくとも係合溝43の前後において、補強部材52からの延出長さLが脚体41の前後方向中央側から前後方向端部に行くに従って漸次小となっていればよい)。
【0044】
また、縁部の形状も、図14に示す形態のように円弧状でなくても、図15に示す形態のように、直線状であってもよい。
また、覆い部53は、補強部材52からの延出長さLが係合溝43の形成部分で最大となる略三角形状に形成されていてもよい。
前記後側の支持筒部32(支持フレーム22)の前壁22aの左右方向中央側には、センターフレーム18の左右方向の中央から左右に振り分け状に配置された左右一対のホース挿通穴56が貫通形成されている。
【0045】
左右の各ホース挿通穴56は、図7に示すように、横長の長円状に形成され、開口縁部に沿って油圧ホースHを保護する保護部材が設けられている。
前記後側の脚体41の前壁41aの左右方向内方B側には、油圧ホースH挿通用の切欠開口57が貫通形成されており、該切欠開口57は左右方向内端から左右方向外方Aに向けて形成されていて、後側の脚体41の左右方向内端側の開口と連続状となっている。
【0046】
図1に示すように、前記トラックフレーム36は、センターフレーム18の左右方向外方Aに配置されたメインフレーム61と、このメインフレーム61の後端側に固定されたモータホルダ62とから主構成されている。
メインフレーム61の前後方向中央部から前側寄りに前側の脚体41が固定され、メインフレーム61の後端側に後側の脚体41が固定されている。
【0047】
メインフレーム61は、図11,12に示すように、主要構成部分が、左右一対の側壁61aと、左右側壁61aの上端同士を連結する上壁61bとからなる門型状とされている。
図6、図11に示すように、メインフレーム61の後端には取付プレート63が固定されている。
【0048】
この取付プレート63は、左右方向外方A側がメインフレーム61の後端に溶接によって固定されていて、左右方向内方B側がメインフレーム61から左右方向内方Bに突出しており、このメインフレーム61から左右方向内方Bに突出した部分にホース挿通孔64(これを第1ホース挿通孔という)が形成されている。
この第1ホース挿通孔64は取付プレート63の上部から下部にわたって形成され、該第1ホース挿通孔64の左右方向内方B側で且つ上下方向中央部には係止溝65が形成されている。
【0049】
モータホルダ62は、ホルダ本体66とカバープレート67とを備え、中空状に形成されている。
ホルダ本体66は、図6、図8に示すように、板材から形成されていて板面が左右方向を向くように配置された側壁部68と、板材からなり前記側壁部68をその上面から後面を経て下面にわたって取り囲むように形成されていて板面が側壁部68に溶接固定された周壁部69とを有する。
【0050】
このホルダ本体66の側壁部68は、後部が後方に凸となる円弧状に形成され、中途部から前部にかけては上下幅が漸次幅狭となるように上下端面が傾斜状とされている。
前記周壁部69は側壁部68から左右方向内方Bに突出するように該側壁部68に溶接固定されており、ホルダ本体66は左右方向内方Bに開口する中空状に形成されている。
ホルダ本体66は、メインフレーム61の左右方向中央部後方位置から左右方向内方B側にオフセットされて配置され、前記第1ホース挿通孔64が全体にわたってホルダ本体66内に連通するように、前端が取付プレート63の後面に溶接固定されている。
【0051】
前記カバープレート67は、ホルダ本体66の前記開口を塞ぐものであり、前端側に被係止部70を備え、この被係止部70を前記取付プレート63の前記係止溝65に後方から挿通して係止すると共に、カバープレート67の後部側を周壁部69内面に溶接固定されたステー71にボルト固定することにより、該カバープレート67がホルダ本体66に着脱自在に取り付けられている。
【0052】
前記走行モータMは、左右方向中途部に取付部72を備えていると共に、この取付部72の左右方向外方A側に回転ドラム73を備え、取付部72の左右方向内方B側に圧油給排部74を備えている。
走行モータMの取付部72は、ホルダ本体66の側壁部68の左右方向外方A側の面にボルト固定され、圧油給排部74はホルダ本体66の側壁部68に形成された開口75を介してモータホルダ62の内部空間に挿入されている。
【0053】
走行モータMの回転ドラム73には、メインフレーム61の左右方向中央の後方位置に配置された駆動輪37が一体回転自在に取付固定されている。
走行モータMは、プランジャ型の油圧モータと減速装置とを有しており、油圧モータの駆動力が減速装置を介して回転ドラム73に伝達されて該回転ドラム73が回転駆動されるよう構成されている。
【0054】
圧油給排部74は、油圧ホースHの接続部、カウンタバランス弁、ショックレス弁、1速・2速切換え用のスプール等を備えている。
前記スイベルジョイント30と左右各走行モータMの圧油給排部74との間には一対の油圧ホースHが配設され、この油圧ホースHの一端側はスイベルジョイント30に接続され、他端側は圧油給排部74に接続されていて、該圧油給排部74から取り入れられた油圧ポンプからの圧油を前記油圧モータに供給又は前記油圧モータからの圧油を圧油給排部74を介して作動油タンクに戻すようにしている。
【0055】
前記油圧ホースHは、スイベルジョイント30側から前記支持筒部32の前壁22aに形成されたホース挿通穴56を通って支持筒部32内に挿入されていると共に、後側の脚体41の左右方向内端側の開口及び前壁41aに形成された切欠開口57を介して後側の脚体41内に挿入されている(前記油圧ホースHは、支持筒部32内及び後側脚体41内に収容されている)。
【0056】
図1に示すように、メインフレーム61の後端側で且つ左右方向内方B側の側方には、該メインフレーム61に沿って設けられた油圧ホースHの配設経路76が設けられ、この配設経路76を通って、前記油圧ホースHが、後側脚体41の左右方向外端側の後側からモータホルダ62内へと配設されている。
図6,8,10,12,13に示すように、後側脚体41の左右方向外端側の後側には、第1ホース挿通孔64の前方側に位置するホース挿通孔77(これを第2ホース挿通孔という)が形成されている。
【0057】
後側脚体41は取付プレート63の上部側と前後方向で対応する位置に設けられ、第2ホース挿通孔77は後側脚体41の後壁41d(取付プレート63に対向する側の壁部)の上部から下壁41cの後部に亘るように形成されている。
また、第2ホース挿通孔77は左右方向外方Aに開放状に形成され、後側脚体41の左右方向外方A側の端部が溶接固定される取着板42の後下部(第2ホース挿通孔77の対応部分)は、第2ホース挿通孔77の上端から下端にわたって傾斜状に切り欠かれている(図10参照)。
【0058】
また、この第2ホース挿通孔77は、図12に示すように、後方からみて(脚体41の後壁41dに形成された部分が)、上下方向中途部から上端に行くに従って左右幅が漸次幅狭となるように形成されている。
なお、後側脚体41内の第2ホース挿通孔77の縁部には、該縁部に沿って棒材からなる保護部材78が固着されている。
【0059】
第1ホース挿通孔64と第2ホース挿通孔77との間の空間は、メインフレーム61の左右方向内方B側の側面と、第1ホース挿通孔64の上端側から第2ホース挿通孔77の上端側に至る上部プレート79と、第1ホース挿通孔64の下端側から第2ホース挿通孔77の下端側に至る下部プレート80と、前記空間を左右方向内方B側から覆う着脱自在な側面カバー81とで囲まれている。
【0060】
前記上部プレート79は後側脚体41の後壁41dと取付プレート63とメインフレーム61の左右方向内方B側の側面とに溶接固定され、該上部プレート79の左右方向内方B側には、係止部82が形成されている。
前記下部プレート80は、前部が後側脚体41の下面に重ね合わされて溶接固定され、後部側が後方に行くに従って下方に移行する傾斜状に形成され、後端が取付プレート63に溶接固定されている。
【0061】
また、下部プレート80の左右方向外端側はメインフレーム61の左右方向内方B側の側面に溶接固定されている。
前記側面カバー81は、図9及び図10に示すように、第1ホース挿通孔64と第2ホース挿通孔77との間の空間を左右方向内方B側から覆う本体壁部83と、この本体壁部83の上端に設けられていて前記上部プレート79の係止部82に下方側から挿通されて係止される被係止部84と、前記本体壁部83の下端から左右方向外方Aに向けて延出されていて前記下部プレート80の下面に接当する下壁85とを有する。
【0062】
この側面カバー81は、被係止部84を係止部82に係止すると共に下壁85を下部プレート80にボルト固定することにより着脱自在に取り付けられている。
前記油圧ホースHは、第2ホース挿通孔77から第1ホース挿通孔64へと配設されており、前記第1・2ホース挿通孔64,77、メインフレーム61の側壁61a、上部プレート79、下部プレート80及び側面カバー81によって油圧ホースHの配設経路76が形成されている。
【0063】
なお、側面カバー81に上部プレート79と下部プレート80とを一体形成して、トラックフレーム36に着脱自在に取り付けるようにしてもよい。
本実施形態において、スイベルジョイント30から走行モータMに至る油圧ホースHを配設する場合、例えば、以下の要領で行われる。
先ず、トラックフレーム36の左右間隔を十分に広げた状態で、油圧ホースHの一端側をホース挿通穴56から支持筒部32内に挿入すると共に後側脚体41の左右方向内端側の開口を介して該脚体41内に挿入していく。
【0064】
次に、トラックフレーム36の左右間隔を縮めながら油圧ホースHの一端側を左右方向外方Aへもってくるように、該油圧ホースHを押し込む。
次に、側面カバー81を取り外した状態で、油圧ホースHの一端側を第2ホース挿通孔77から第1ホース挿通孔64へと配設する。
このとき、側面カバー81を取り外すことにより、第1ホース挿通孔64と第2ホース挿通孔77との間の空間の左右方向内方B側が開放状となり、油圧ホースHの配設経路76に手等を挿入することができるので、油圧ホースHの第2ホース挿通孔77から第1ホース挿通孔64への配設を容易に行うことができる。
【0065】
前記構成のものにあっては、モータホルダ62と脚体41との間の油圧ホースHの配設を、メインフレーム61の左右方向内方B側の側方に該メインフレーム61に沿って設けた配設経路76を通して行うことにより、走行モータMの圧油給排部74と脚体41との前後方向に関する距離が短いものであっても、油圧ホースHを従来に比して大きな曲率半径で配設することができ、コンパクトなクローラ式走行装置2であっても、油圧ホースHを、モータホルダ62と脚体41との間に容易に配設することができる。
【0066】
なお、油圧ホースHのスイベルジョイント30への接続は、油圧ホースHの配設前又は配設後のいずれであってもよい。
また、油圧ホースHは、スイベルジョイント30側から走行モータM側へと配設する場合を例示したが、走行モータM側からスイベルジョイント30側へと配設するようにしてもよい。
【0067】
また、本発明のクローラ式走行装置2を採用する作業機としては、前述したバックホー1に限定されることはない。
【符号の説明】
【0068】
18 センターフレーム
20 支持筒部の上壁(基板)
32 支持筒部
36 トラックフレーム
40 クローラベルト
41 脚体
41a 上壁
41b 下壁
41c 前壁
41d 後壁
43 係合溝
44 ストッパ
52 補強部材
53 覆い部
L 延出長さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の作業機の走行部に採用されるクローラ式走行装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バックホーは、走行装置上に旋回台を上下方向の軸心回りに回動自在に設けてなる。このバックホーの走行部としてクローラ式走行装置が採用されており、このクローラ式走行装置として、センターフレームの左右両側に配置されたトラックフレームの左右間隔を変更可能とした図16,17に示す可変脚型のクローラ式走行装置が特許文献1にて開示されている。
【0003】
前記センターフレーム18は基板20と該基板20の下方に位置していて縦板24で基板20に連結された下板23とを有する。
左右各トラックフレーム36には、前端側に設けたアイドラ38と、後端側に設けた油圧駆動式の走行モータMによって駆動されるスプロケット37と、これらアイドラ38とスプロケット37との間に配置された転輪と、前記アイドラ38,スプロケット37,転輪にわたって巻き掛けられていてスプロケット37によって周方向に駆動されるクローラベルト40とが設けられている。
【0004】
また、左右各トラックフレーム36には、前後一対の脚体41が左右方向内方に突出状として設けられている。
センターフレーム18の前後には支持筒部32が設けられ、各支持筒部32は、左右方向の軸心を有すると共にセンターフレーム18の左右方向にわたって設けられ且つ左右両側が開放状とされている。
【0005】
前記支持筒部32は、センターフレーム18の基板20の下面に、側面視上方開口状のコ字形に形成されたフレーム22を固着することで形成され、センターフレーム18の基板20が支持筒部32の上壁とされている。
左右各トラックフレーム36の各脚体41は、前記支持筒部32に左右方向移動自在に挿入されて支持されていて、左右のトラックフレーム36を左右移動させることによりトラックフレーム36の左右間隔が変更可能とされている。
【0006】
左右のトラックフレーム36の後側の脚体41は、走行モータMの圧油給排部74とセンターフレーム18の中央部に配置したスイベルジョイント30との間に配設される油圧ホースHを通すために、左右方向の軸心を有する断面矩形状の単一の筒体から構成されており、該左右の後側脚体41は同芯状となるようにセンターフレーム18の支持筒部32に挿入されている。
【0007】
図18に示すように、前記各後側の脚体41の上壁41aの前後方向中央側には左右方向に長い係合溝43が形成され、支持筒部32の上壁(センターフレーム18の基板20)には、前記係合溝43に挿入されていて脚体41を左右移動させた際に前記係合溝43の端部が接当することにより脚体41の移動を規制するストッパ44が設けられている。
前記支持筒部32の脚体41挿入口側には、支持筒部32の上壁上面(基板20の上面)に重ね合わされて固定された補強部材52が設けられている。
【0008】
前記クローラ式走行装置2にあっては、前側の脚体41は長尺の筒体と短尺の筒体からなり、長尺の筒体に係合溝43が形成されていることから、図17に示すように、トラックフレーム36の左右間隔を最小に縮めたときに、前側の脚体41においては左右の係合溝43は中央側でオーバーラップするようになっているが、後側の脚体41は単一の筒体によって構成されていて、トラックフレーム36の左右間隔を最小に縮めたときに左右の脚体41は突き合わせ状となることから、後側の脚体41にあっては、図18に示すように、トラックフレーム36を左右方向外方へ移動させた際における移動限界で係合溝43の一部が支持筒部32から左右方向外方にはみ出すようになっている。
【0009】
この従来のクローラ式走行装置2にあっては、トラックフレーム36を左右方向外方側の移動限界に移動させた際における係合溝43の前記はみ出し部分を上方から覆う覆い部53を、支持筒部32の上壁の脚体41挿入口側の端部に固着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−191555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記従来のクローラ式走行装置2にあっては、覆い部53が支持筒部32とは別部品であるので、コストアップの要因となっている。
コストダウンを図るために、前記覆い部53を支持筒部32の上壁に一体成形することが考えられているが、覆い部53を支持筒部32の上壁に一体形成した場合、覆い部53が脚体41の上壁上面に接当することとなるが、この場合、地面からアイドラ38,転輪等→トラックフレーム36→脚体41を経て覆い部53に荷重が加わるので覆い部53の強度が問題となる。
【0012】
掘削作業時や走行時において、地面からトラックフレーム36に作用する荷重(反力)は脚体41から前記覆い部53に作用するが、この覆い部53に作用する脚体41からの荷重は覆い部53全体に均等に作用するのではなく、脚体41の上壁の前後端部(脚体41の上部の前後の角部)に接当する部分に集中するので、覆い部53の前後端部において、補強部材52の左右方向外方側の端部を基準としたモーメントが大きい。
【0013】
一方、支持筒部32の上壁の板厚を覆い部53の強度に合わせて厚くすることは、コスト面及び重量面から好ましくない。
したがって、覆い部53を支持筒部32の上壁に一体形成する場合、脚体41から覆い部53に作用する荷重による負荷モーメントを軽減(小さく)することが重要課題となる。
本発明は、コストダウンを図ると共に、覆い部を支持筒部の上壁に一体形成した場合における該覆い部に作用する負荷モーメントを小さくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、センターフレームの左右両側にクローラベルトを支持するトラックフレームを配置し、左右各トラックフレームに脚体を左右方向内方に突出状に設け、この脚体は上下壁と該上下壁を連結する前後壁とで断面矩形状に形成され且つ左右方向の軸心を有する単一の筒体からなり、センターフレームに設けた左右方向の軸心を有する支持筒部に左右のトラックフレームの脚体を同芯状となるように且つ左右方向移動自在に挿入して支持し、各脚体の上壁の前後方向中央側に左右方向に長い係合溝を形成し、この係合溝に挿入されていて脚体を左右移動させた際に前記係合溝の端部が接当することにより脚体の移動を規制するストッパを前記支持筒部の上壁に設け、前記支持筒部の脚体挿入口側に前記支持筒部の上壁上面に重ね合わされて固定された補強部材を設け、前記トラックフレームを左右方向外方へ移動させた際の移動限界で、前記係合溝の一部が前記補強部材から左右方向外方にはみ出すと共に、はみ出し部分を上方から覆う覆い部を備えたクローラ式走行装置において、
前記覆い部を前記支持筒部の上壁から一体的に延出させて形成し、且つ該覆い部の前記補強部材から左右方向外方への延出長さを、少なくとも係合溝の前後において、脚体の上壁の前後方向中央側から該上壁の前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成したことを特徴とする。
【0015】
また、前記覆い部を、該覆い部の補強部材から左右方向外方への延出長さが、脚体の上壁の前後方向中央から該上壁の前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成するのがよい。
また、前記覆い部を円弧状に形成するのがよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、トラックフレームを左右方向外方側の移動限界に移動させた際における係合溝のはみ出し部分を上方から覆う覆い部を、支持筒部の上壁から一体的に延出させて形成することにより、コストダウンを図ることができる。
また、覆い部の補強部材から左右方向外方への延出長さを、少なくとも係合溝の前後において、脚体の上壁の前後方向中央側から該上壁の前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成することにより、覆い部の、脚体上壁の前後端部との接当部分が、補強部材に近づくこととなるので、脚体から覆い部に作用する荷重による負荷モーメントを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】クローラ式走行装置のフレームの平面一部断面図である。
【図2】バックホーの側面図である。
【図3】クローラ式走行装置の全体平面図である。
【図4】センターフレームの基板の平面図である。
【図5】センターフレームに右側のトラックフレームを組み付けた状態の左側面図である。
【図6】クローラ式走行装置の後部左側の平面一部断面図である。
【図7】クローラ式走行装置の後部左側の背面断面図である。
【図8】左側トラックフレームの後部の左右方向内方側から見た斜視図である。
【図9】側面カバーの斜視図である。
【図10】クローラ式走行装置の後部左側の左側面図である。
【図11】取付プレートの後方側から見たトラックフレームの背面図である。
【図12】メインフレームの後方側から見たトラックフレームの背面図である。
【図13】図3のX部の拡大図である。
【図14】後側脚体の挿入部分の平面図である。
【図15】他の形態の覆い部の平面図である。
【図16】従来のクローラ式走行装置の全体平面図である。
【図17】従来のクローラ式走行装置の一部の平面一部断面図である。
【図18】従来のクローラ式走行装置の脚体挿入部分の平面図及び背面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1は本発明に係るクローラ式走行装置2を採用した作業機(旋回作業機)として例示するバックホーである。
このバックホー1は、クローラ式走行装置2上に旋回ベアリング3を介して旋回台4を上下方向の旋回軸心回りに回動自在に設け、該旋回台4上に、運転席及び操縦装置を収容したキャビン5、エンジン、ラジエータ、燃料タンク、作動油タンク、油圧ポンプ、油圧機器を制御する制御弁を集約してなるコントロールバルブ及びボンネット7等を設け、前記旋回台4の前部に、ブーム8、アーム9、バケット10等を備えた掘削作業装置11を備え、クローラ式走行装置2の前部にドーザ装置12を備えている。
【0019】
旋回台4の前部には、該旋回台4に設けられた支持ブラケット13に上下方向の軸心回りに左右揺動自在に支持されたスイングブラケット14が設けられ、このスイングブラケット14にブーム8と該ブーム8を揺動動作させるブームシリンダ15の各基端部が枢支され、前記ブーム8の先端側にアーム9が枢支されると共に該アーム9をアームシリンダ16で揺動可能とし、アーム9の先端側にバケット10が枢支されると共に該バケット10をバケットシリンダ17で掬い及びダンプ動作可能にしている。
【0020】
なお、以下の説明において、左右方向外方Aとは、クローラ式走行装置2の左右方向の中央から左右方向の端部に向かう方向をいい、左右方向内方Bとは、クローラ式走行装置2の左右方向の端部から左右方向の中央に向かう方向をいう(図1参照)。
前記クローラ式走行装置2は、センターフレーム18と、このセンターフレーム18の左右両側にそれぞれ配置されたクローラ走行体19とから主構成されており、左右の各クローラ走行体19がセンターフレーム18に左右方向移動自在に支持されていて、左右クローラ走行体19の左右方向の間隔が拡縮可能(変更可能)とされた可変脚型に構成されている。
【0021】
前記センターフレーム18は、図1、図3〜5に示すように、基板20と、この基板20上に固定されたベアリング支持台21と、基板20の前端側及び後端側のそれぞれの下面側に設けられた支持フレーム22と、基板20の左右両側の下方に配置されていて前後の支持フレーム22の左端側及び右端側の下面同士を連結する下板23と、前後支持フレーム22間で且つ基板20の左右両側に配置されていて基板20と下板23と連結する縦板24とを有する。
【0022】
ベアリング支持台21は、基板20の上面に固定した上下方向の軸芯を有する支持筒25と、この支持筒25の上端に固定された取付板26とを有し、前記取付板26上に支持筒25と同芯状に配置された前記旋回ベアリング3のインナーレースが取付固定され、この旋回ベアリング3のアウターレースは旋回台4の底部に固定されており、これによって、旋回台4がベアリング支持台21に上下方向の旋回軸心回りに回転自在に支持されている。
【0023】
ベアリング支持台21の取付板26には旋回軸心を中心とする円形状の開口27が形成され、この開口27の下方側の前記基板20にも開口28が形成されており、支持筒25の中心側(センターフレーム18の中心側)には、クローラ式走行装置2側に設けられた油圧機器(油圧駆動式の走行モータM、ドーザ装置12のブレードを上下動させる油圧シリンダ、左右クローラ走行体19を拡縮駆動させる油圧シリンダからなる拡縮駆動体29)と旋回台4側のコントロールバルブとの間の圧油の流通を図るためのスイベルジョイント30が設けられている。
【0024】
スイベルジョイント30の底部は、基板20の開口28を挿通して、該基板20の下面側に取り付けられたステーに取付固定され、スイベルジョイント30の上部は、ベアリング支持台21の取付板26の開口27を挿通すると共に、旋回台4の底部に設けた開口を貫通して旋回台4内に挿入されている。
前記支持フレーム22は前後壁22a,22bと、該前後壁22a,22bの下端同士を連結する下壁22cとを備えていて、板材を折曲することによって側面視上方開口状のコ字形に形成されており、前後壁22a,22bの上端が基板20の下面に接当していると共に、該前後壁22a,22bの上端側が溶接によって基板20に固定されている。
【0025】
この支持フレーム22と前記基板20の前後方向の端部側とで、センターフレーム18の前後に、後述する脚体41を挿通して支持する支持筒部32が形成されている。
すなわち、この支持筒部32は、センターフレーム18の基板20を上壁とすると共に、左右方向の軸心を有する四角筒状に形成され、且つ左右両端が開口状とされていて該開口が脚体41の挿入口とされている。
【0026】
前記左右の各クローラ走行体19は、トラックフレーム36に、前記走行モータM(ホイールモータ)によって駆動される駆動輪37(スプロケット)、アイドラ38及び複数の転輪39を設けると共に前記駆動輪37、アイドラ38及び転輪39にわたって巻き付けられていてトラックフレーム36を上下及び前後から取り囲むように設けられた無端帯状のクローラベルト40を備え、走行モータMによって駆動輪37を回転駆動することにより該駆動輪37からクローラベルト40に駆動力が伝達されて該クローラベルト40が周方向に循環回走し、これにより前後方向に走行するよう構成されている。
【0027】
本実施形態では、走行モータMはトラックフレーム36の後端側に設けられ、駆動輪37は走行モータMに左右方向の軸芯回りに回転駆動可能に取り付けられ、アイドラ38はトラックフレーム36の前端側に左右方向の軸芯回りに回転自在で且つ前後方向に移動可能に支持されており、該アイドラ38が図示省略の緊張装置の付勢力によって前方側に付勢されることでクローラベルト40に張りが付与されるよう構成されている。
【0028】
転輪39は、駆動輪37とアイドラ38との間に前後方向に間隔をおいて3つ設けられ、トラックフレーム36の下部に左右方向の軸芯回りに回転自在に支持されている。
なお、左右の各クローラ走行体19は、前後方向で向きが逆向きとなっていてもよい。
各トラックフレーム36には、左右方向内方Bに突出する前後一対の脚体41が設けられ、前側の脚体41が前側の支持筒部32に左右方向外方Aから左右方向移動自在に挿入されていると共に、後側の脚体41が後側の支持筒部32に左右方向外方Aから左右方向移動自在に挿入されていて、前側の左右脚体41同士と、後側の左右脚体41同士とが左右方向で対向状とされている。
【0029】
また、前後の支持筒部32間で且つ左右のトラックフレーム36間には、スイベルジョイント30の下方側に位置する前記拡縮駆動体29が左右方向に沿って設けられ、この拡縮駆動体29のシリンダチューブのボトム側が一方のトラックフレーム36に連結され、拡縮駆動体29のピストンロッドの先端側が他方のトラックフレーム36に連結されており、拡縮駆動体29を伸縮させることにより、トラックフレーム36が左右方向に移動して左右クローラ走行体19の間隔が拡縮されるよう構成されている。
【0030】
前記各脚体41は、上壁41aと、下壁41bと、これら上下壁41a,41bの前端部同士を連結する前壁41cと、上下壁41a,41bの後端部同士を連結する後壁41dとから左右方向の軸心を有する単一の四角筒状(断面矩形の筒状)に形成されている。
各脚体41は、左右方向外方A側の端部がトラックフレーム36に溶接固定された取着板42に溶接固定されている。
【0031】
各脚体41の上壁41aの前後方向中央側で且つ左右方向中央部から左右方向内方B寄りには、左右方向に長い長孔からなる係合溝43が上下方向に貫通形成されている。
また、図1、図7に示すように、センターフレーム18の基板20(支持筒部32の上壁)には、前記係合溝43に挿入されて、脚体41を左右移動させた際に前記係合溝43の端部が接当することにより脚体41の移動を規制するストッパ44が設けられている。
【0032】
このストッパ44は、基板20に形成された取付孔45に位置決め固定されたナット部材46に螺合されるネジ部47と、係合溝43を挿通する円柱状の規制部48とを備えている。
図4に示すように、基板20の後端の左右の角部には、後方及び左右方向外方Aに開放状とされた段付き状の切欠き49が形成され、基板20後部の、前記各段付き状切欠き49の前方側には、左右方向外方A側から凹設されたコ字状の切欠き50が形成され、これら切欠き49,50によって基板20の後部左右両側に舌片状壁部51が形成されている。
【0033】
図14に示すように、この舌片状壁部51の前端51aは、前記支持フレーム22の前壁22aの上端の前後中途部に接当しており、該舌片状壁部51の後端51bは、前記支持フレーム22の後壁22bの上端の前後中途部に接当している(したがって、この舌片状壁部51は後側の支持筒部32の上壁の一部を構成するものである)。
また、基板20の前端の左右の角部には、前方及び左右方向外方Aに開放状とされた段付き状の切欠き49が形成され、基板20前部の、前記各段付き状切欠き49の後方側には、左右方向外方A側から凹設されたコ字状の切欠き50が形成され、これら切欠き49,50によって、基板20の前部左右両側に舌片状壁部51が形成されている。
【0034】
この前側の舌片状壁部51は、前記後側の舌片状壁部51と同様に、前端51aが支持フレーム22の前壁22aの上端の前後中途部に接当しており、後端51bが支持フレーム22の後壁22bの上端の前後中途部に接当している(したがって、この前側の舌片状壁部51は前側の支持筒部32の上壁の一部を構成するものである)。
前後の支持筒部32の左右方向の端部側(脚体41挿入口側)には、支持筒部32の脚体41挿入口を補強する補強部材52が設けられている。
【0035】
この補強部材52は、図5に示すように、上部壁52aと、該上部壁52aの前端側から下方に延出された前部壁52bと、上部壁52aの後端から下方に延出された後部壁52cとを有していて、帯板材を折曲することにより側面視コ字形に形成されている。
後側の補強部材52は、前部壁52bがコ字状の切欠き50に嵌合すると共に支持フレーム22の前壁22a前面(支持筒部32の前壁前面)に重合して溶接固定され、後部壁52cが後端側の切欠き49に嵌合すると共に支持フレーム22の後壁22b後面(支持筒部32の後壁後面)に重合して溶接固定され、上部壁52aが前記舌片状壁部51(支持筒部32の上壁)の上面に重合して溶接固定されている。
【0036】
また、前側の補強部材52は、前部壁52bが前端側の切欠き49に嵌合すると共に支持フレーム22の前壁22a前面(支持筒部32の前壁前面)に重合して溶接固定され、後部壁52cがコ字状の切欠き50に嵌合すると共に支持フレーム22の後壁22b後面(支持筒部32の後壁後面)に重合して溶接固定され、上部壁52aが前記舌片状壁部51(支持筒部32の上壁)の上面に重合して溶接固定されている。
【0037】
なお、補強部材52の前部壁52b及び後部壁52cの左右幅は嵌合する(対応する)切欠き49,50の左右幅に略一致しており、また、支持フレーム22は補強部材52から左右方向外方Aに若干突出している。また、左右方向で同じ側にある前後の補強部材52は前記縦板24で連結されている。
一方、このクローラ式走行装置2にあっては、図14に示すように、トラックフレーム36を左右方向外方Aへ移動させた際の移動限界で、前記係合溝43の一部が前記補強部材52の上部壁52aから左右方向外方Aにはみ出すように形成されている。
【0038】
また、前記舌片状壁部51の左右方向外方A側は、前記補強部材52の上部壁52aから左右方向外方Aに突出しており、この舌片状壁部51の補強部材52から突出した部分によって、前記トラックフレーム36を左右方向外方Aへ移動させた際の移動限界での係合溝43の前記はみ出し部分を上方から覆っている。
この舌片状壁部51の補強部材52から左右方向外方Aに突出した部分が、このトラックフレーム36を左右方向外方A側の移動限界に移動させた際における係合溝43の前記はみ出し部分を上方から覆う覆い部53とされており、該覆い部53は、支持筒部32の上壁から一体的に延出させて形成されている。
【0039】
この覆い部53は、平面視左右方向外方Aに凸となる円弧形状に形成されている(換言すると、覆い部53の縁部の形状が、脚体41の上壁41aの前後方向中央から該上壁41aの前後方向の端部に行くに従って左右方向内方Bに移行する円弧状とされている)。
したがって、この覆い部53の補強部材52から左右方向外方Aへの延出長さLは、脚体41の前後方向中央部(係合溝43形成部分)で最大とされ、脚体41の上壁41aの前後方向中央側から該上壁41aの前後方向端部に行くに従って漸次小となる。
【0040】
また、覆い部53の前端及び後端は、補強部材52の上部壁52aの左右方向外方A側の端部と左右方向に関して同位置に位置してる。
覆い部53が脚体41の上面に接当するものにあっては、掘削作業時や走行時において、地面からトラックフレーム36に作用する荷重(反力)は脚体41から前記覆い部53に作用するが、この覆い部53に作用する脚体41からの荷重は覆い部53全体に均等に作用するのではなく、脚体41の上壁41aの前後の端部側(脚体41の上部の前後の角部)に接当する部分に集中するので、覆い部53の前後端部において、補強部材52の左右方向外方A側の端部を基準としたモーメントが働く。
【0041】
そして、覆い部53が、図14の仮想線で示すように、舌片状壁部51の前後幅で左右方向外方Aに延出されていると、脚体41の前後方向の端部側での補強部材52からの突出長さLa(モーメントの腕)が長く、脚体41から覆い部53に作用する負荷モーメントが大きい。
これに対し、本実施形態では、覆い部53の補強部材52からの延出長さLは脚体41の上壁41aの前後方向中央から該上壁41aの前後方向端部に行くに従って漸次小となっていることから、脚体41の前後方向の端部側での補強部材52からの突出長さLbが短く、図14の仮想線で示すものに比べて、脚体41から覆い部53に作用する負荷モーメントがかなり小さい。
【0042】
これによって、覆い部53の強度を確保することができる。
また、覆い部53の縁部が、脚体41の前後部分において前後方向に対して斜めになっているので、脚体41からの荷重に対する応力を分散させることができる。
また、特に、本実施形態にあっては、覆い部53が、補強部材52からの延出長さLが脚体41の前後方向中央部で最大となる、平面視左右方向外方Aに凸の円弧状であるので、脚体41を左右方向内方Bに移動させてトラックフレーム36の左右間隔を縮める際において、脚体41上にのった土砂を覆い部53の縁部によって前後両側に案内して脚体41の前後から下方に落とすという機能も有する(効果を奏する)。
【0043】
図14に示す形態の覆い部53にあっては、脚体41の前後方向中央から端部にかけて全体的に補強部材52からの延出長さLが漸次小となっているが、脚体41から覆い部53に作用する荷重は脚体41の前後部分において集中するので、図15に示すように、覆い部53は、補強部材52からの延出長さLが、係合溝43の前後において脚体41の前後方向中央側から前後方向端部に行くに従って漸次小となり、脚体41の前後方向中央側においては不変(同じ長さ)となる台形状に形成してもよい(少なくとも係合溝43の前後において、補強部材52からの延出長さLが脚体41の前後方向中央側から前後方向端部に行くに従って漸次小となっていればよい)。
【0044】
また、縁部の形状も、図14に示す形態のように円弧状でなくても、図15に示す形態のように、直線状であってもよい。
また、覆い部53は、補強部材52からの延出長さLが係合溝43の形成部分で最大となる略三角形状に形成されていてもよい。
前記後側の支持筒部32(支持フレーム22)の前壁22aの左右方向中央側には、センターフレーム18の左右方向の中央から左右に振り分け状に配置された左右一対のホース挿通穴56が貫通形成されている。
【0045】
左右の各ホース挿通穴56は、図7に示すように、横長の長円状に形成され、開口縁部に沿って油圧ホースHを保護する保護部材が設けられている。
前記後側の脚体41の前壁41aの左右方向内方B側には、油圧ホースH挿通用の切欠開口57が貫通形成されており、該切欠開口57は左右方向内端から左右方向外方Aに向けて形成されていて、後側の脚体41の左右方向内端側の開口と連続状となっている。
【0046】
図1に示すように、前記トラックフレーム36は、センターフレーム18の左右方向外方Aに配置されたメインフレーム61と、このメインフレーム61の後端側に固定されたモータホルダ62とから主構成されている。
メインフレーム61の前後方向中央部から前側寄りに前側の脚体41が固定され、メインフレーム61の後端側に後側の脚体41が固定されている。
【0047】
メインフレーム61は、図11,12に示すように、主要構成部分が、左右一対の側壁61aと、左右側壁61aの上端同士を連結する上壁61bとからなる門型状とされている。
図6、図11に示すように、メインフレーム61の後端には取付プレート63が固定されている。
【0048】
この取付プレート63は、左右方向外方A側がメインフレーム61の後端に溶接によって固定されていて、左右方向内方B側がメインフレーム61から左右方向内方Bに突出しており、このメインフレーム61から左右方向内方Bに突出した部分にホース挿通孔64(これを第1ホース挿通孔という)が形成されている。
この第1ホース挿通孔64は取付プレート63の上部から下部にわたって形成され、該第1ホース挿通孔64の左右方向内方B側で且つ上下方向中央部には係止溝65が形成されている。
【0049】
モータホルダ62は、ホルダ本体66とカバープレート67とを備え、中空状に形成されている。
ホルダ本体66は、図6、図8に示すように、板材から形成されていて板面が左右方向を向くように配置された側壁部68と、板材からなり前記側壁部68をその上面から後面を経て下面にわたって取り囲むように形成されていて板面が側壁部68に溶接固定された周壁部69とを有する。
【0050】
このホルダ本体66の側壁部68は、後部が後方に凸となる円弧状に形成され、中途部から前部にかけては上下幅が漸次幅狭となるように上下端面が傾斜状とされている。
前記周壁部69は側壁部68から左右方向内方Bに突出するように該側壁部68に溶接固定されており、ホルダ本体66は左右方向内方Bに開口する中空状に形成されている。
ホルダ本体66は、メインフレーム61の左右方向中央部後方位置から左右方向内方B側にオフセットされて配置され、前記第1ホース挿通孔64が全体にわたってホルダ本体66内に連通するように、前端が取付プレート63の後面に溶接固定されている。
【0051】
前記カバープレート67は、ホルダ本体66の前記開口を塞ぐものであり、前端側に被係止部70を備え、この被係止部70を前記取付プレート63の前記係止溝65に後方から挿通して係止すると共に、カバープレート67の後部側を周壁部69内面に溶接固定されたステー71にボルト固定することにより、該カバープレート67がホルダ本体66に着脱自在に取り付けられている。
【0052】
前記走行モータMは、左右方向中途部に取付部72を備えていると共に、この取付部72の左右方向外方A側に回転ドラム73を備え、取付部72の左右方向内方B側に圧油給排部74を備えている。
走行モータMの取付部72は、ホルダ本体66の側壁部68の左右方向外方A側の面にボルト固定され、圧油給排部74はホルダ本体66の側壁部68に形成された開口75を介してモータホルダ62の内部空間に挿入されている。
【0053】
走行モータMの回転ドラム73には、メインフレーム61の左右方向中央の後方位置に配置された駆動輪37が一体回転自在に取付固定されている。
走行モータMは、プランジャ型の油圧モータと減速装置とを有しており、油圧モータの駆動力が減速装置を介して回転ドラム73に伝達されて該回転ドラム73が回転駆動されるよう構成されている。
【0054】
圧油給排部74は、油圧ホースHの接続部、カウンタバランス弁、ショックレス弁、1速・2速切換え用のスプール等を備えている。
前記スイベルジョイント30と左右各走行モータMの圧油給排部74との間には一対の油圧ホースHが配設され、この油圧ホースHの一端側はスイベルジョイント30に接続され、他端側は圧油給排部74に接続されていて、該圧油給排部74から取り入れられた油圧ポンプからの圧油を前記油圧モータに供給又は前記油圧モータからの圧油を圧油給排部74を介して作動油タンクに戻すようにしている。
【0055】
前記油圧ホースHは、スイベルジョイント30側から前記支持筒部32の前壁22aに形成されたホース挿通穴56を通って支持筒部32内に挿入されていると共に、後側の脚体41の左右方向内端側の開口及び前壁41aに形成された切欠開口57を介して後側の脚体41内に挿入されている(前記油圧ホースHは、支持筒部32内及び後側脚体41内に収容されている)。
【0056】
図1に示すように、メインフレーム61の後端側で且つ左右方向内方B側の側方には、該メインフレーム61に沿って設けられた油圧ホースHの配設経路76が設けられ、この配設経路76を通って、前記油圧ホースHが、後側脚体41の左右方向外端側の後側からモータホルダ62内へと配設されている。
図6,8,10,12,13に示すように、後側脚体41の左右方向外端側の後側には、第1ホース挿通孔64の前方側に位置するホース挿通孔77(これを第2ホース挿通孔という)が形成されている。
【0057】
後側脚体41は取付プレート63の上部側と前後方向で対応する位置に設けられ、第2ホース挿通孔77は後側脚体41の後壁41d(取付プレート63に対向する側の壁部)の上部から下壁41cの後部に亘るように形成されている。
また、第2ホース挿通孔77は左右方向外方Aに開放状に形成され、後側脚体41の左右方向外方A側の端部が溶接固定される取着板42の後下部(第2ホース挿通孔77の対応部分)は、第2ホース挿通孔77の上端から下端にわたって傾斜状に切り欠かれている(図10参照)。
【0058】
また、この第2ホース挿通孔77は、図12に示すように、後方からみて(脚体41の後壁41dに形成された部分が)、上下方向中途部から上端に行くに従って左右幅が漸次幅狭となるように形成されている。
なお、後側脚体41内の第2ホース挿通孔77の縁部には、該縁部に沿って棒材からなる保護部材78が固着されている。
【0059】
第1ホース挿通孔64と第2ホース挿通孔77との間の空間は、メインフレーム61の左右方向内方B側の側面と、第1ホース挿通孔64の上端側から第2ホース挿通孔77の上端側に至る上部プレート79と、第1ホース挿通孔64の下端側から第2ホース挿通孔77の下端側に至る下部プレート80と、前記空間を左右方向内方B側から覆う着脱自在な側面カバー81とで囲まれている。
【0060】
前記上部プレート79は後側脚体41の後壁41dと取付プレート63とメインフレーム61の左右方向内方B側の側面とに溶接固定され、該上部プレート79の左右方向内方B側には、係止部82が形成されている。
前記下部プレート80は、前部が後側脚体41の下面に重ね合わされて溶接固定され、後部側が後方に行くに従って下方に移行する傾斜状に形成され、後端が取付プレート63に溶接固定されている。
【0061】
また、下部プレート80の左右方向外端側はメインフレーム61の左右方向内方B側の側面に溶接固定されている。
前記側面カバー81は、図9及び図10に示すように、第1ホース挿通孔64と第2ホース挿通孔77との間の空間を左右方向内方B側から覆う本体壁部83と、この本体壁部83の上端に設けられていて前記上部プレート79の係止部82に下方側から挿通されて係止される被係止部84と、前記本体壁部83の下端から左右方向外方Aに向けて延出されていて前記下部プレート80の下面に接当する下壁85とを有する。
【0062】
この側面カバー81は、被係止部84を係止部82に係止すると共に下壁85を下部プレート80にボルト固定することにより着脱自在に取り付けられている。
前記油圧ホースHは、第2ホース挿通孔77から第1ホース挿通孔64へと配設されており、前記第1・2ホース挿通孔64,77、メインフレーム61の側壁61a、上部プレート79、下部プレート80及び側面カバー81によって油圧ホースHの配設経路76が形成されている。
【0063】
なお、側面カバー81に上部プレート79と下部プレート80とを一体形成して、トラックフレーム36に着脱自在に取り付けるようにしてもよい。
本実施形態において、スイベルジョイント30から走行モータMに至る油圧ホースHを配設する場合、例えば、以下の要領で行われる。
先ず、トラックフレーム36の左右間隔を十分に広げた状態で、油圧ホースHの一端側をホース挿通穴56から支持筒部32内に挿入すると共に後側脚体41の左右方向内端側の開口を介して該脚体41内に挿入していく。
【0064】
次に、トラックフレーム36の左右間隔を縮めながら油圧ホースHの一端側を左右方向外方Aへもってくるように、該油圧ホースHを押し込む。
次に、側面カバー81を取り外した状態で、油圧ホースHの一端側を第2ホース挿通孔77から第1ホース挿通孔64へと配設する。
このとき、側面カバー81を取り外すことにより、第1ホース挿通孔64と第2ホース挿通孔77との間の空間の左右方向内方B側が開放状となり、油圧ホースHの配設経路76に手等を挿入することができるので、油圧ホースHの第2ホース挿通孔77から第1ホース挿通孔64への配設を容易に行うことができる。
【0065】
前記構成のものにあっては、モータホルダ62と脚体41との間の油圧ホースHの配設を、メインフレーム61の左右方向内方B側の側方に該メインフレーム61に沿って設けた配設経路76を通して行うことにより、走行モータMの圧油給排部74と脚体41との前後方向に関する距離が短いものであっても、油圧ホースHを従来に比して大きな曲率半径で配設することができ、コンパクトなクローラ式走行装置2であっても、油圧ホースHを、モータホルダ62と脚体41との間に容易に配設することができる。
【0066】
なお、油圧ホースHのスイベルジョイント30への接続は、油圧ホースHの配設前又は配設後のいずれであってもよい。
また、油圧ホースHは、スイベルジョイント30側から走行モータM側へと配設する場合を例示したが、走行モータM側からスイベルジョイント30側へと配設するようにしてもよい。
【0067】
また、本発明のクローラ式走行装置2を採用する作業機としては、前述したバックホー1に限定されることはない。
【符号の説明】
【0068】
18 センターフレーム
20 支持筒部の上壁(基板)
32 支持筒部
36 トラックフレーム
40 クローラベルト
41 脚体
41a 上壁
41b 下壁
41c 前壁
41d 後壁
43 係合溝
44 ストッパ
52 補強部材
53 覆い部
L 延出長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センターフレーム(18)の左右両側にクローラベルト(40)を支持するトラックフレーム(36)を配置し、左右各トラックフレーム(36)に脚体(41)を左右方向内方に突出状に設け、この脚体(41)は上下壁(41a,41b)と該上下壁(41a,41b)を連結する前後壁(41c,41d)とで断面矩形状に形成され且つ左右方向の軸心を有する単一の筒体からなり、センターフレーム(18)に設けた左右方向の軸心を有する支持筒部(32)に左右のトラックフレーム(36)の脚体(41)を同芯状となるように且つ左右方向移動自在に挿入して支持し、各脚体(41)の上壁(41a)の前後方向中央側に左右方向に長い係合溝(43)を形成し、この係合溝(43)に挿入されていて脚体(41)を左右移動させた際に前記係合溝(43)の端部が接当することにより脚体(41)の移動を規制するストッパ(44)を前記支持筒部(32)の上壁(20)に設け、前記支持筒部(32)の脚体(41)挿入口側に前記支持筒部(32)の上壁(20)上面に重ね合わされて固定された補強部材(52)を設け、前記トラックフレーム(36)を左右方向外方へ移動させた際の移動限界で、前記係合溝(43)の一部が前記補強部材(52)から左右方向外方にはみ出すと共に、このはみ出し部分を上方から覆う覆い部(53)を備えたクローラ式走行装置において、
前記覆い部(53)を前記支持筒部(32)の上壁(20)から一体的に延出させて形成し、且つ該覆い部(53)の前記補強部材(52)から左右方向外方への延出長さ(L)を、少なくとも係合溝(43)の前後において、脚体(41)の上壁(41a)の前後方向中央側から該上壁(41a)の前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成したことを特徴とするクローラ式走行装置。
【請求項2】
前記覆い部(53)を、該覆い部(53)の補強部材(52)から左右方向外方への延出長さ(L)が、脚体(41)の上壁(41a)の前後方向中央から該上壁(41a)の前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成したことを特徴とする請求項1に記載のクローラ式走行装置。
【請求項3】
前記覆い部(53)を円弧状に形成したことを特徴とする請求項2に記載のクローラ式走行装置。
【請求項1】
センターフレーム(18)の左右両側にクローラベルト(40)を支持するトラックフレーム(36)を配置し、左右各トラックフレーム(36)に脚体(41)を左右方向内方に突出状に設け、この脚体(41)は上下壁(41a,41b)と該上下壁(41a,41b)を連結する前後壁(41c,41d)とで断面矩形状に形成され且つ左右方向の軸心を有する単一の筒体からなり、センターフレーム(18)に設けた左右方向の軸心を有する支持筒部(32)に左右のトラックフレーム(36)の脚体(41)を同芯状となるように且つ左右方向移動自在に挿入して支持し、各脚体(41)の上壁(41a)の前後方向中央側に左右方向に長い係合溝(43)を形成し、この係合溝(43)に挿入されていて脚体(41)を左右移動させた際に前記係合溝(43)の端部が接当することにより脚体(41)の移動を規制するストッパ(44)を前記支持筒部(32)の上壁(20)に設け、前記支持筒部(32)の脚体(41)挿入口側に前記支持筒部(32)の上壁(20)上面に重ね合わされて固定された補強部材(52)を設け、前記トラックフレーム(36)を左右方向外方へ移動させた際の移動限界で、前記係合溝(43)の一部が前記補強部材(52)から左右方向外方にはみ出すと共に、このはみ出し部分を上方から覆う覆い部(53)を備えたクローラ式走行装置において、
前記覆い部(53)を前記支持筒部(32)の上壁(20)から一体的に延出させて形成し、且つ該覆い部(53)の前記補強部材(52)から左右方向外方への延出長さ(L)を、少なくとも係合溝(43)の前後において、脚体(41)の上壁(41a)の前後方向中央側から該上壁(41a)の前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成したことを特徴とするクローラ式走行装置。
【請求項2】
前記覆い部(53)を、該覆い部(53)の補強部材(52)から左右方向外方への延出長さ(L)が、脚体(41)の上壁(41a)の前後方向中央から該上壁(41a)の前後方向端部に行くに従って漸次小となるように形成したことを特徴とする請求項1に記載のクローラ式走行装置。
【請求項3】
前記覆い部(53)を円弧状に形成したことを特徴とする請求項2に記載のクローラ式走行装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−73494(P2011−73494A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224699(P2009−224699)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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