説明

クローラ装置およびクローラロボット

【課題】 砂地や泥地等の軟弱地面での走行性を高めたクローラ装置およびクローラロボットを提供する。
【解決手段】
クローラロボットは、ボデイ10と、このボデイ10の左右に設けられた一対または複数対のクローラ20を備えている。各クローラ20は、外周に多数の接地ラグ26を設けてなる無端状ベルト23を有する。伸縮可能な弾性材料からなる無端状のカバー30が、接地ラグ26の先端縁に接するようにしてベルト23の全周にわたり引っ張り状態で着脱可能に掛けられ、接地ラグ26を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂地や泥地等の軟弱地面を走行するのに適したクローラ装置およびクローラロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、左右にクローラを備えたロボットは公知である。各クローラは前後のホイール間に無端状のベルトを掛け渡すことにより構成されている。このベルトは、ベルト本体と、このベルト本体の外周に設けられた多数の接地ラグとを有している。
特許文献2は、湿地作業用のクローラ式作業機械を開示している。この作業機械のクローラの無端状ベルトは、接地ラグとなる多数の突出したシューを備えている。
特許文献3は、クローラ式海底ケーブル敷設機を開示している。この敷設機のクローラの無端状ベルトは、多数の平板式シューを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−168661号公報
【特許文献2】特開2003−137147号公報
【特許文献3】特開平7−231528号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のクローラロボットは、接地ラグの地面に対するグリップ作用により整地のみならず不整地での走行にも適しており、さらに接地ラグを高くし、必要に応じてラグ形状を工夫すれば高い段差を乗り越えることもできる。しかし、砂地や泥地等の軟弱地面での走行には適さない。上記接地ラグが砂や泥を掘り、深く入り込んで走行不能になってしまうからである。また、海底探査等を行う場合には、たとえ海底の砂地や泥地を走行可能であったとしても、走行の際に接地ラグにより細かい砂や堆積物をまき上げてしまい、視界不良をきたす。
特許文献2の作業機械は発泡体により浮力を得るようになっているが、そのクローラは特許文献1と同様の不都合を生じる。
特許文献3の敷設機は、平板状のシューを用いるため、障害物に遭遇した時、シューが滑って障害物を良好に乗り越えられない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、クローラ装置において、外周に多数の接地ラグを設けてなる無端状ベルトを有するクローラと、上記接地ラグの先端縁に接するようにしてベルトの全周にわたって掛けられ、上記接地ラグを覆う周方向に伸縮可能な無端状のカバーと、を備えたことを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、クローラ装置が砂地等の軟弱な地面を走行する際に、接地ラグはカバーで覆われているので地面を掘ることがなく、安定して走行することができる。また、海底探査等に用いる場合には、接地ラグで砂や堆積物をまき上げることがない。
また、クローラ装置が障害物に遭遇した時、カバーが局所的に伸びるため支障とならずに接地ラグを障害物に引っ掛けることができ、これにより、障害物を乗り越えることができる。
【0007】
好ましくは、上記カバーは、上記接地ラグの先端縁に接するカバー本体と、このカバー本体の幅方向両側縁部から内周側に突出するように全周にわたって設けられた一対の係止部とを有し、これら係止部が上記接地ラグの幅方向両側面に当たる。
これによれば、上記カバーが横ずれして上記クローラから外れるのを防止することができる。
【0008】
好ましくは、上記カバーの係止部と上記ベルト本体の側縁との間に間隙が形成されており、この間隙を介して、上記接地ラグ間の空間が外部に連なる。
これによれば、上記接地ラグ間の空間から上記間隙を介して砂出しや泥出しを良好に行うことができる。
【0009】
好ましくは、上記カバー本体に多数の穴が形成され、これら穴を介して上記接地ラグ間の空間が外部に連なる。これによれば、上記接地ラグ間の空間から上記穴を介して砂出しや泥出しを良好に行うことができる。
好ましくは、上記カバーが弾性材料からなり、上記接地ラグに引っ張り状態で着脱可能に掛けられていることを特徴とする。これによれば、カバーを接地ラグに対して容易に装着したり外したりすることができる。
【0010】
本発明の他の態様は、クローラロボットにおいて、ボデイと、このボデイの左右に設けられた上記クローラ装置とを備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のクローラロボットによれば、砂地や泥地等の軟弱地面を安定して走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるクローラロボットの平面図であり、一方のクローラをカバー装着状態で示し、他方のクローラをカバー装着前の状態で示し、当該他方のクローラから離れているカバーを自然状態より伸びた装着時の状態で断面にして示す。
【図2】同クローラロボットとカバーの分解側面図であり、カバーを自然状態より伸びた装着時の状態で示す。
【図3】同クローラロボットのカバー装着状態の側面図である。
【図4】同クローラロボットのベルトとカバーの要部を拡大して示す側断面図である。
【図5】同クローラロボットのベルトとカバーの要部を分離状態で拡大して示す正断面図である。
【図6】同クローラロボットのベルトとこのベルトの装着されたカバーの要部を拡大して示す正断面図である。
【図7】同クローラロボットが段差を乗り越えるときの状態を示す概略側面図であり、カバーの外周面をクローラの輪郭線として示す。
【図8】図7におけるA部の拡大断面図である。
【図9】同実施形態で用いられるカバーの変形例を示す図4相当図である。
【図10】同実施形態で用いられるカバーの更なる変形例を示す図4相当図である。
【図11】同実施形態で用いられるカバーの更なる変形例を示す図4相当図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係わるクローラロボットの平面図であり、全てのクローラをカバー装着状態で示す。
【図13】同第2実施形態のクローラロボットの側面図であり、カバーの外周面をクローラの輪郭線として示す。
【図14】本発明の第3実施形態をなすクローラ装置の平面図である。
【図15】同第3実施形態をなすクローラ装置の側面図であり、接地ラグの大部分を省略して示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の第1実施例に係わる軽量小型のクローラロボットについて、図1〜図8を参照しながら説明する。
最初にクローラロボットの基本構成を図1〜図3を参照しながら説明する。図1には理解を容易にするために、前後左右を矢印で示す。このクローラロボットは、前後方向に細長いボデイ10(図1にのみ示す)と、このボデイ10の左右に設けられた一対のクローラ20と、カバー30とを備えている。
【0014】
上記ボデイ10の前部にはビデオカメラ11が搭載され、後部にはグリップ12が固定されており、このグリップ12を掴んで持ち運びできるようになっている。
【0015】
上記ボデイ10にはさらに送受信機(図示しない)が搭載され、リモートコントローラ(図示しない)の送受信機との間で送信可能である。操作者は離れた場所で、ビデオカメラ11で撮影された映像を見ながらリモートコントローラの操作によりクローラロボットの走行制御を行う。尚、海底探査等水中で使用する場合は、母船と繋ぐケーブルにより送受信することで走行制御する。
なお、このボデイ10には、クローラロボットの求められる役割に応じて、ロボットアーム等の種々の付属器具やセンサーを搭載してもよい。
【0016】
上記クローラ20の各々は、左右一対の垂直をなす側板21と、これら側板21の前後端部間に回転可能に支持されたスプロケット22と、これらスプロケット22間に掛け渡されたゴム(弾性材料)製の無端状ベルト23とを有している。前後いずれかのスプロケット22はボデイ10に内蔵されたモータ(図示しない)により駆動されるようになっている。
【0017】
図5、図6に示すように、各側板21は、内側の厚板21aと外側の薄板21bとを重ね合わせて互いに固着することにより構成され、薄板21bが全周にわたって厚板21aの周縁から所定量突出している。
【0018】
上記ベルト23は、無端状のベルト本体25と、その外周に形成された多数の接地ラグ26とを有している。
図5、図6に示すように、上記ベルト本体25は、一対の側板11の間隔とほぼ等しい幅を有し、両側縁を除いて均一厚さを有している。その両側縁が上記側板21の周縁部の薄板21bに若干の弾性をもって接することにより、クローラ20の内部空間を密封している。上記ベルト本体25は側板21の周縁から突出している。
【0019】
上記ベルト本体25には周方向に間隔をおいて係合穴(図示しない)が形成されており、これら係合穴にスプロケット22の外周に形成された係合突起(図示しない)が噛み合うことにより、動力の伝達が可能になっている。
【0020】
上記多数の接地ラグ26は同一高さを有するとともに、ベルト本体25の幅方向に延び、ベルト本体25と同じ幅を有している(換言すれば、接地ラグ26同士は同一幅をなしている)。これら接地ラグ26は厚さ(周方向寸法)と形状により、第1接地ラグ26xと第2接地ラグ26yの2種類に分けられる。
【0021】
図1、図2を参照しながら説明すると、上記ベルト本体25の外周は、比較的短い第1ラグ形成領域と比較的長い第2ラグ形成領域を周方向に交互に有している。第1ラグ形成領域には、第1接地ラグ26xが所定数例えば2つずつ間隔をおいて配置されており、第2ラグ形成領域には、多数の第2接地ラグ26yが間隔をおいて配置されている。
第1接地ラグ26xは厚肉でベルト周方向の曲げ剛性が高く、幅方向に真直ぐ延びている。第2接地ラグ26yは薄肉でベルト周方向の曲げ剛性が低く、く字形に折れ曲がった平面形状を有している。
【0022】
上記カバー30を装着していない状態でのクローラロボットの作用について簡単に説明する。ボデイ10に内蔵されたモータ(図示しない)により、各クローラ20が駆動されると、クローラロボットは、前進、後退、左右旋回、その場旋回を行う。走行する際、図2に示すように接地ラグ26(26x、26y)が地面100に接地する。
なお、地面100が整地、不整地のいずれであっても接地ラグ26(26x、26y)のグリップ作用により良好に走行を行うことができる。
【0023】
上記クローラロボットは接地ラグ26が高いので、段差(障害物)を乗り越えることもできる。特に本実施形態では、クローラロボットが走行して段差に突き当たったときに、薄肉の曲げ剛性の低い第2接地ラグ26yが折れ曲がり、この状態で厚肉の曲げ剛性の高い第1接地ラグ26xが段差の段鼻に引っ掛かるので、段差が高くても乗り越えることができる。
【0024】
上記クローラロボットは、整地や不整地での走行や段差のある場所での走行には好適であるが、砂地や泥地等の軟弱地面には向かない。上述した高い接地ラグ26(26x、26y)が砂や泥を堀り、深く入り込んで走行不能になってしまうからである。また、海底探査等を行う場合には、たとえ砂地からなる海底を走行可能であったとしても、走行の際に接地ラグ26(26x、26y)が細かい砂や堆積物を掻いてまき上げてしまい、視界不良をきたす。
【0025】
クローラロボットを砂地101(軟弱地面)を走行するために用いる場合には、本発明の特徴部である無端状のカバー30をクローラ20に着脱可能に装着する。各クローラ20と、このクローラ20に装着されるカバー30により、本発明のクローラ装置が構成されている。
上記カバー30は、全周にわたって均一厚さを有する細長いシート状のカバー本体31と、このカバー本体31の幅方向両側縁部の内周側に全周にわたって設けられたチューブ(係止部)32とを有している。
【0026】
上記カバー本体31およびチューブ32は、SBR等のゴム材料(伸縮可能で柔軟な弾性材料)により形成されており、互いに接着されている。なお、係止部は中実をなす無端状の紐により形成してもよいし、中実をなす係止部をチューブ本体31と一体成形してもよい。 上記カバー本体31には全周にわたって多数の穴31aが形成されている。
【0027】
上記カバー30の自然状態での周長は、多数の接地ラグ26の先端縁に外接する連続した線より短く、その線の長さの70〜90%程度である。また、カバー30の自然状態において、一対のチューブ32間の間隙は、接地ラグ26の幅とほぼ等しい。
【0028】
上記カバー30は伸ばされた状態でクローラ20に装着される。この装着状態で、カバー本体31は、全接地ラグ26の先端縁に接し、これら接地ラグ26を覆う。ただし、カバー本体31と接地ラグ26は固着関係にないので、周方向に若干量の相対変位が可能である。
上記カバー30は周方向に伸ばされるため、幅方向に縮もうとする。そのため、一対のチューブ32は弾性をもって接地ラグ26の先部の幅方向両側面に当たる。
【0029】
上記のようにカバー30を装着した状態でクローラロボットが砂地101を走行する場合、接地ラグ26がカバー30で覆われているので、砂地101を掘ることなく、安定して走行することができる。また、海底探査等に用いる場合、接地ラグ26が砂を掻かないので、微小の砂や堆積物が舞い上がり視界を遮るような不都合を防止できる。
【0030】
また、一対のチューブ30が接地ラグ26の両側面に当たっているので、その場旋回時のようにカバー30にねじれ力が付与されても、カバー30が横ずれしてクローラ20から外れるのを防止できる。
【0031】
図6に最も良く示すように、上記カバー30のチューブ32の寸法(接地ラグ26の高さ方向の寸法)が、接地ラグ26の高さより小さいので、上記ベルト本体25の幅方向両側縁と上記チューブ32との間に間隙Dが形成されており、この間隙Dを介して、接地ラグ26間の空間Sが外部に連なっている。その結果、この空間Sから間隙Dを介して砂出しを良好に行うことができる。
また、上記空間Sからカバー本体31の多数の穴31aを介しても、砂出しを行うことができる。
【0032】
なお、接地ラグ26の先端縁間の間隔は、ベルト23がスプロケット22を回り込んで湾曲する際には、スプロケット22間で真直状態にある時よりも広がるが、上述したようにカバー30と接地ラグ26とが周方向に相対変位可能であることから、接地ラグ26の変形やカバー30の伸縮を抑制することができる。
【0033】
上記クローラロボットは、カバー30の装着状態であっても、カバー30が支障にならずに図7、図8に示すように高い段差102(障害物)を乗り越えることができる。なぜなら、カバー30は伸縮性および柔軟性を有しており、第2接地ラグ26yが段差102に当たって折れ曲がる際にこれに倣って変形し、そのため、第1接地ラグ26xが段差102の段鼻102aにカバー30を介して引っ掛かるからである。
【0034】
前述したようにクローラロボットは、整地、不整地走行の際にはカバー30無しで走行し、砂地走行の場合にはカバー30を装着することにより、異なる地面状況での走行に兼用することができる。
なお、カバー30装着状態のクローラロボットを、砂地等の軟弱地面走行のためだけに用いてもよい。この場合、接地ラグ26を有する通常のクローラロボットの基本構造をそのまま利用できるので、生産コストを低減することができる。
【0035】
上記第1実施形態において、カバー本体31は全周にわたって均一厚さを有しているが、図9に示すように、カバー本体31の内周面に多数の突起31xを略均等に散点状に設け、カバー本体21の内周面と接地ラグ26の先端面との間に砂が逃げる隙間を確保し砂排出性を向上させてもよい。
【0036】
また、図10に示すように、カバー本体31の内周面に、カバー30の周方向に連続した1つまたは複数の突起31yを設け、カバー30の周方向への引っ張り力に対する強度アップと砂排出性向上を図るようにしてもよい。
【0037】
さらに、図11に示すように、カバー本体31の内周面に間隔をおいて幅方向に延びる突起31zを設け、この突起31zが接地ラグ26に引っ掛かることにより、カバー30とクローラベルト23の相対すべりを防ぎ、駆動力損失を低減するようにしてもよい。
【0038】
次に、図12、図13を参照しながら、本発明の第2実施形態に係わるクローラロボットについて説明する。このクローラロボットは、フリッパー型と称されるものであり、ボデイ10の前端側に左右一対のクローラ20を設け、後端側にも左右一対のクローラ20を設けている。前側のクローラ20は、左右方向に水平に延びる回動軸線L1を中心として回動されるようになっており、後側のクローラ20も、回動軸線L1と平行な回動軸線L2を中心として回動されるようになっている。
各クローラ20には、第1実施形態と同様にカバー30が装着されている。
【0039】
次に、図14、図15を参照しながら、本発明の第3実施形態に係わるクローラ装置について説明する。この実施形態で用いられるカバー30’は、比較的太い繊維ないしはワイヤ38(線状体)を図示のように斜めに織るとともに、クローラ20の幅方向に対峙する一対の無端状の紐39をくぐらせることにより構成されている。織られた繊維38の幅方向中央の大部分によりカバー本体31’が構成され、織られた繊維38の幅方向両側部分と紐39により、接地ラグ26の両側面に接する係止部32’が構成される。繊維38間の隙間が、第1実施形態と同様の砂出し用の穴30a’として提供される。なお、図15では、理解を容易にするために繊維38の織りを実際より粗くして示す。
【0040】
上記紐39はゴム等の弾性材料で形成される。繊維38は弾性材料ではなく、通常の高強度の樹脂からなるが、その織り方により、カバー本体31’、係止部32’は、周方向に伸縮可能であり、クローラロボットが障害物に遭遇した時、第1実施形態と同様の機能を発揮することができる。
【0041】
上記第3実施形態において、繊維38を編むことによりカバー30’を周方向に伸縮可能に構成してもよい。
上記第3実施形態において、紐39も樹脂等の非弾性材料で形成することができる。この場合、紐39は装着前は無端状ではなく、両端を有している。そして、織られた又は編まれた繊維38を接地ラグに被せた後に、紐39の両端を結ぶ。
紐39は省いてもよい。
繊維38と紐39を弾性材料で形成してもよい。
【0042】
本発明は、上記実施例に制約されず、種々の態様を採用することができる。例えば、接地ラグは幅方向に分割されていてもよい。また、接地ラグは全て同形状であってもよい。
カバーは、カバー本体と係止部を一体にU字形に成形したものであってもよい。
一対の係止部はクローラの一対の側板の外面に接するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のクローラロボットは、砂地等の軟弱地面の走行のために用いることができる。
【符号の説明】
【0044】
10 ボデイ
20 クローラ
23 ベルト
25 ベルト本体
26 接地ラグ
30,30’ カバー
31,31’ カバー本体
31a,31a 穴
32 チューブ(係止部)
32’ 係止部
D カバー本体と係止部との間の間隙
S 接地ラグ間の空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に多数の接地ラグを設けてなる無端状ベルトを有するクローラと、
上記接地ラグの先端縁に接するようにしてベルトの全周にわたって掛けられ、上記接地ラグを覆う周方向に伸縮可能な無端状のカバーと、
を備えたことを特徴とするクローラ装置。
【請求項2】
上記カバーは、上記接地ラグの先端縁に接するカバー本体と、このカバー本体の幅方向両側縁部から内周側に突出するように全周にわたって設けられた一対の係止部とを有し、これら係止部が上記接地ラグの幅方向両側面に当たることを特徴とする請求項1に記載のクローラ装置。
【請求項3】
上記カバーの係止部と上記ベルト本体の側縁との間に間隙が形成されており、この間隙を介して、上記接地ラグ間の空間が外部に連なることを特徴とする請求項1または2に記載のクローラ装置。
【請求項4】
上記カバー本体に多数の穴が形成され、これら穴を介して上記接地ラグ間の空間が外部に連なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクローラ装置。
【請求項5】
上記カバーが弾性材料からなり、上記接地ラグに引っ張り状態で着脱可能に掛けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクローラ装置。
【請求項6】
ボデイと、このボデイの左右に設けられた請求項1〜5のいずれかに記載のクローラ装置とを備えたクローラロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−93483(P2011−93483A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251607(P2009−251607)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000110251)トピー工業株式会社 (255)