説明

クーポン管理装置、及びクーポン管理方法

【課題】ユーザの利益を損なわせることなく、ポイント発行元の利益の圧迫を抑制し、かつ発行済みのポイントの残数が確実に削減されるシステムを提供する。
【解決手段】クーポン管理装置は、クーポンとポイント削減条件とを関連付けて保持するクーポン保持部と、ポイントの保有者からのクーポン要求に応じたポイント発行元からのクーポン発行要求に応答して、クーポンをクーポン保持部から取得し、保有者に提供するクーポン提供部と、クーポンの提供に対応して、提供されたクーポンに関連付けられたポイント削減条件に基づく、保有者の保有ポイントの数の削減をポイント数保持部に指示するポイント削減指示部と、保有ポイントの削減数に関連付けてクーポン発行元への報奨金額を保持する報奨金額保持部と、保有ポイントの数の削減に対応して、保有ポイントの削減数に関連付けられたクーポン発行元への報奨金額を決定する金額決定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポン管理装置、及びクーポン管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品もしくはサービスの購買金額に応じて、あるいはアンケートの回答に対する謝礼として、ユーザに対してポイントが発行され、ユーザの保有ポイントの数に応じて商品もしくはサービスの割引が行われる、あるいは商品もしくはサービスとの交換が行われるポイント発行サービスが知られている。このようなポイント発行サービスが広く利用されることにより、年々ポイント発行数は増加している。特許文献1には、店舗毎にポイントを管理するポイント処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−210121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポイントの発行数が増加すると、ポイントの消費に伴いポイント発行元の利益が圧迫される場合もある。一方、ユーザは、例えば商品等の交換に必要なポイント数を保有していないことなどが原因で、ポイントの有効期限が切れてしまい、ポイントが失効してしまう場合もある。そこで、ユーザの利益を損なわせることなく、ポイント発行元の利益の圧迫を抑制し、かつ発行済みのポイントの残数が確実に削減されるシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るクーポン管理装置は、クーポン発行元から提供されたクーポンと予め定められたポイント削減条件とを関連付けて保持するクーポン保持部と、ポイント発行元から発行されたポイントの保有者からのクーポン要求に応じたポイント発行元からのクーポン発行要求に応答して、クーポン発行要求に示されるクーポンをクーポン保持部から取得し、保有者に提供するクーポン提供部と、クーポンの提供に対応して、提供されたクーポンに関連付けられたポイント削減条件に基づく、保有者に関連付けてポイント数保持部が保持する保有者の保有ポイントの数の削減を、ポイント数保持部に指示するポイント削減指示部と、保有ポイントの削減数に関連付けて、クーポン発行元への報奨金額を保持する報奨金額保持部と、保有ポイントの数の削減に対応して、保有ポイントの削減数に関連付けられたクーポン発行元への報奨金額を決定する金額決定部と、を備える。
【0006】
上記のクーポン管理装置の一つの態様では、保有ポイントの削減数に関連付けて、ポイント発行元への請求金額を保持する請求金額保持部をさらに備え、金額決定部は、保有ポイントの数の削減に対応して、保有ポイントの削減数に関連付けられたポイント発行元への請求金額をさらに決定してもよい。
【0007】
上記のクーポン管理装置の一つの態様では、クーポン提供部によるクーポンの提供数が増加するほど、クーポンに対応する保有ポイントの削減数が増加するように、ポイント削減条件を変更するポイント削減条件変更部をさらに備えてもよい。
【0008】
上記のクーポン管理装置の一つの態様では、クーポン保持部は、保有者の属性ごとにポイント削減条件とクーポンとを関連付けて保持し、ポイント削減指示部は、クーポン発行要求に示される保有者の属性に関連付けられたポイント削減条件に基づき、ポイント数保持部が保持する保有者の前記保有ポイントの数の削減を指示してもよい。
【0009】
上記のクーポン管理装置の一つの態様では、クーポン保持部は、クーポンが提供される期間ごとにポイント削減条件とクーポンとを関連付けて保持し、ポイント削減指示部は、クーポンの提供される時点に対応する期間に関連付けられたポイント削減条件に基づき、ポイント数保持部が保持する保有者の保有ポイントの数の削減を指示してもよい。
【0010】
上記のクーポン管理装置の一つの態様では、予め定められた期間におけるクーポンの提供数が予め定められた基準数を満たさないクーポンが存在する場合、当該クーポンをクーポン保持部から削除するクーポン削除部をさらに備えてもよい。
【0011】
上記のクーポン管理装置の一つの態様では、クーポン保持部は、保有者に提供可能なクーポンを保有者の属性に関連付けて保持し、クーポン提供部は、クーポン発行要求に応答して、クーポン要求を行った保有者の属性に関連付けられた提供可能なクーポンを提供してもよい。
【0012】
上記のクーポン管理装置の一つの態様では、クーポンに対応する同一の商品もしくはサービスに対してクーポン発行元から頒布されるクーポンとは異なる他のクーポンに関するクーポン情報を取得するクーポン情報取得部と、クーポンに関するクーポン情報と他のクーポンに関するクーポン情報とを予め定められた条件に基づき比較することで、クーポンもしくは他のクーポンのいずれかの価値が高いかを評価するクーポン評価部とをさらに備え、クーポン保持部は、評価による価値が他のクーポンより高いクーポンを保持してもよい。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ポイント削減システムの全体構成を示す図である。
【図2】クーポン発行から請求金額及び報奨金額の決定までの処理フローの一例を示す遷移図である。
【図3】クーポン管理装置の機能ブロックを示す図である。
【図4】クーポン保持部が保持するクーポンとポイント削減条件とを関連付けた情報の一例を示す図である。
【図5】変形例に係るクーポン管理装置の機能ブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、本実施形態に係るポイント削減システムの全体構成を示す。ポイント削減システムは、ネットワーク40を介して接続されたポイント発行装置10、クーポン発行装置20、ユーザ端末30、及びクーポン管理装置100を含む。
【0017】
ポイント発行装置10は、商品あるいはサービスの購買金額に応じて、あるいはアンケートの回答に対する謝礼として、ユーザに対してポイントを発行する。ポイント発行装置10は、ユーザに関連付けてユーザの保有ポイントの数を保持するポイント数保持部12を備える。ポイント発行装置10は、ユーザにポイントが発行されたことに対応して、ポイント数保持部12が保持するユーザの保有ポイントの数を更新する。また、ポイント発行装置10は、ユーザがポイントを利用することに対応して、ポイント数保持部12が保持するユーザの保有ポイントの数を更新する。
【0018】
クーポン発行装置20は、商品あるいはサービスの割引券あるいは引換券、施設の優待券など指定されたオンラインショップ、店舗あるいは施設などでユーザが利用可能なクーポンの発行を行う。クーポン発行装置20は、発行されたクーポンをクーポン管理装置100に提供する。
【0019】
クーポン管理装置100は、クーポン発行装置20により発行されたクーポンを管理する。クーポン管理装置100は、ユーザ端末30からのクーポン要求に応じて、クーポンをユーザ端末30に提供する。クーポン管理装置100は、クーポン発行装置20により発行されたクーポンがユーザに提供されることに対応して、ポイント発行装置10に対してユーザに対するポイントの削減を指示する。また、クーポンがユーザに提供されたことによりポイントが削減された場合、クーポン管理装置100は、ポイント削減に伴うサービス料としてポイント発行元に対して請求すべき請求金額を決定する。さらに、クーポン管理装置100は、ポイント削減に伴う報奨金としてクーポン発行元に提供すべき報奨金額を決定する。
【0020】
ユーザ端末30は、ポイントを保有するユーザがポイントを利用してクーポンを発行してもらう場合に使用される。ユーザ端末30は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)などネットワーク40に接続可能な通信端末でもよい。
【0021】
本実施形態に係るポイント削減システムでは、クーポン発行装置20により発行されたクーポンがユーザに提供されることに対応して、ポイント発行装置10により発行されたユーザに対するポイントが削減される。また、クーポンがユーザに提供されたことによりポイントが削減された場合、ポイント削減に伴うサービス料としてポイント発行元に対して請求される請求金額がクーポン管理装置100により決定される。さらに、ポイント削減に伴う報奨金としてクーポン発行元に提供される報奨金額がクーポン管理装置100により決定される。
【0022】
本実施形態に係るポイント削減システムでは、ポイントの削減に貢献したクーポンを発行したクーポン発行元に対して報奨金が提供される。つまり、クーポン発行元はクーポンの発行数が増えるごとに利益が増加する。よって、ユーザによりメリットのあるクーポンがクーポン発行元から提供されやすくなる。また、ユーザにメリットのあるクーポンが数多く提供されることで、クーポンの発行数が増加し、ユーザの保有ポイントが確実に消費される。
【0023】
クーポンが利用される場合に消費されるポイント数は、ポイント発行元により提供される商品もしくはサービスに対してユーザがポイントを使用する場合に消費される最小ポイント数より小さく設定してもよい。加えて、ポイント削減に伴うポイント発行元への請求金額は、ポイント発行元により提供される商品もしくはサービスに対してユーザがポイントを使用する場合にユーザに還元される金額より低く設定してもよい。このように設定することで、ポイント発行元は、ユーザが自身の商品もしくはサービスに対してポイントを使用する場合に比べて、ユーザがクーポンにポイントを使用する場合のほうが支出を抑えられる。一方、ユーザは、ポイントの数が少ない場合でも、クーポンに交換することができるので、ポイントを有効に活用できる。つまり、ユーザの所有ポイントが、ポイント発行元が定めた商品もしくはサービスに対して使用可能な最小ポイント数に満たない場合にも、ユーザは確実に所有ポイントを消費できる。したがって、本実施形態に係るポイント削減システムによれば、ユーザの利益を損なわせることなく、ポイント発行元の利益の圧迫を抑制し、かつ発行済みのポイントの残数が確実に削減される。
【0024】
図2は、ポイント削減システムにおけるクーポン発行から請求金額及び報奨金額の決定までの処理フローの一例を示す遷移図である。
【0025】
まず、クーポン発行装置20が、ユーザに提供可能なクーポンを発行する(S10)。ここで、クーポンは、商品あるいはサービスの割引券などユーザが商品を購入あるいはサービスを利用する場合に提示することで、予め定められたメリットを受けることができるチケットでもよい。また、クーポンは、ユーザの保有ポイントの利用に伴い発行される。したがって、例えば、店頭あるいはインターネットを介して無料で頒布される無料クーポンよりも、ユーザにとってメリットが大きいほうがよい。例えば、クーポンは、無料クーポンによりユーザが受けられる割引率より高い割引率を受けられるものでもよい。
【0026】
クーポン管理装置100は、クーポン発行装置20により発行されたクーポンを保持する。クーポン管理装置100は、クーポンに対して例えば予め定められたポイント削減条件を関連付けて保持する。ここで、ポイント削減条件とは、クーポンを発行するのに必要なポイント数を示してもよい。また、ポイント削減条件においてポイント数を示す場合、そのポイント数は、ポイント発行元が予め定めたポイント交換に必要な最小ポイント数よりも小さくてもよい。これにより、例えば、ユーザの保有ポイントの数が、ポイント発行元により定められた最小ポイント数に満たない数の場合でも、そのユーザは、その保有ポイントを利用してクーポンを発行してもらうことができる。
【0027】
また、クーポン管理装置100は、ユーザに提供可能なクーポンに関する情報を示すクーポン情報をポイント発行装置10に提供する(S12)。クーポン情報には、例えば、利用可能な店舗名、対象の商品あるいはサービスの内容、及び割引率が示される。また、クーポン情報には、利用可能なユーザの属性、利用可能期間、クーポンの発行可能期間などが示されてもよい。ここで、ユーザの属性とは、例えば年齢、性別、未婚・既婚、年収などの情報を示してよい。
【0028】
ポイント発行装置10は、ユーザ端末30からクーポン情報要求を受け取った場合(S14)、提供可能なクーポン情報をユーザ端末30に提供する(S16)。ユーザ端末30は、提供されたクーポン情報からユーザにより選択されたクーポンを示すクーポン要求をポイント発行装置10に送る(S18)。ここで、クーポン発行装置20が、クーポンの提供対象とすべきユーザの属性を予め設定してもよい。この場合、ポイント発行装置10は、クーポン情報要求を送ったユーザに対応するユーザの属性が設定されたクーポンに関するクーポン情報を、提供可能なクーポン情報としてユーザ端末30に提供してもよい。
【0029】
ポイント発行装置10は、クーポン要求に対応して、クーポン管理装置100に対して、選択されたクーポンを示すクーポン発行要求を送る(S20)。クーポン管理装置100は、クーポン発行要求に対応して、クーポン発行要求に示されるクーポンをユーザ端末30に提供する(S22)。なお、クーポン管理装置100は、例えば、指定されたユーザの電子メールアドレスにクーポンを添付して送信することで、クーポンをユーザに提供してもよい。また、クーポン管理装置100は、指定されたユーザの電子メールアドレスにクーポンが発行されたことを示すメッセージを送信するとともに、ユーザにより指定された宛先にクーポンが同封された郵便を郵送するように管理者に通知を行ってもよい。
【0030】
クーポン管理装置100は、クーポンの提供がされたことに対応して、クーポンの提供が完了したことを示すクーポン完了通知をポイント発行装置10に送る(S24)。クーポン提供完了通知には、例えば、ユーザの識別情報、提供されたクーポンの識別情報、クーポンの提供に伴い削減すべきポイントの数を示すポイント削減数などが示される。
【0031】
ポイント発行装置10は、クーポン提供完了通知を受けて、その通知に示されるユーザに関連付けて、ポイント数保持部12が保持する保有ポイントを、その通知に示されるポイント削減数だけ削減する(S26)。
【0032】
クーポン管理装置100は、クーポン提供完了通知を送った後、クーポンの提供に伴い発生するポイント発行元への請求金額、及びクーポン発行元への報奨金額を決定する(S28)。クーポン管理装置100は、決定された請求金額を示す請求金額情報をポイント発行装置10に提示する(S30)。さらに、クーポン管理装置100は、決定された報奨金額を示す報奨金額情報をクーポン発行装置20に提示する(S32)。なお、クーポン管理装置100は、請求金額もしくは報奨金額をポイントが削減される毎に提示してもよいが、例えば月次単位で請求金額もしくは報奨金額を集計し、集計された請求金額もしくは報奨金額を月単位で提示してもよい。
【0033】
図3は、クーポン管理装置100の機能ブロックを示す。クーポン管理装置100は、クーポン保持部110、クーポン提供部120、ポイント削減指示部130、金額決定部140、請求金額保持部150、及び報奨金額保持部152を備える。
【0034】
クーポン保持部110は、クーポン発行装置20から提供されるクーポンを、そのクーポンがユーザに提供されることで削減されるポイント数の条件を示すポイント削減条件と関連付けて保持する。クーポン提供部120は、ポイント発行装置10からのクーポン発行要求に対応して、クーポン保持部110からクーポンを取得し、ユーザ端末30に提供する。
【0035】
ポイント削減指示部130は、クーポン提供部120がクーポンをユーザ端末30に提供したことに対応して、提供されたクーポンに関連付けられたポイント削減条件をクーポン保持部110を参照することで決定する。さらに、ポイント削減指示部130は、決定されたポイント削減条件に基づき求められるポイントの削減数と、ポイント削減対象のユーザとを示す削減指示をポイント発行装置10に送る。
【0036】
金額決定部140は、削減指示が送られたことに対応して、請求金額保持部150を参照して、ポイント発行元への請求金額を決定する。また、金額決定部140は、削減指示が送られたことに対応して、報奨金額保持部152を参照して、クーポン発行元への報奨金額を決定する。請求金額保持部150は、例えば、ポイント削減数に関連付けて請求金額を保持する。報奨金額保持部152は、例えば、ポイント削減数に関連付けて報奨金額を保持する。
【0037】
図4は、クーポン保持部110が保持するクーポンとポイント削減条件とを関連付けた情報の一例を示す。クーポン識別情報102は、クーポン発行装置20により提供されたクーポン毎に付与されるクーポンを一意に特定するための識別情報を示す。ポイント削減条件104は、ポイント削減条件として、ユーザ属性106毎のポイント削減数を示す。なお、クーポン保持部110は、クーポンをクーポン識別情報と関連付けて保持してもよい。
【0038】
ユーザ属性106は、クーポンを提供可能なユーザの属性が示される。ここで、クーポンを提供可能なユーザの属性は、上記の通り、例えば、クーポン発行装置20がクーポンを提供する場合、クーポン発行元により指定されてもよい。つまり、クーポン発行元が、例えば商品の購入をしてもらいたい対象ユーザに対応するユーザ属性、あるいはサービスを受けてもらいたい対象ユーザに対応するユーザ属性を指定して、クーポン管理装置100にクーポンを発行してもよい。また、クーポンを提供可能なユーザの属性としては、ユーザに対するクーポンの発行履歴、ユーザがインターネットを通じて閲覧したホームページの閲覧履歴あるいは検索履歴を示してもよい。つまり、クーポン発行元は、クーポンを提供可能なユーザを、基準回数以上クーポンを利用しているユーザ、あるいは、クーポン発行元に関連する商品もしくはサービスに関連するホームページを閲覧しているユーザ、クーポン発行元に関連する商品もしくはサービスに関連するキーワードで検索を行っているユーザに限定して指定してもよい。なお、クーポン発行元は、ユーザ属性106を指定しなくてもよく、すべてのユーザをクーポンを提供可能なユーザとして指定しても構わない。
【0039】
提供期間108は、クーポンを提供可能な期間を示す。提供可能な期間は、クーポン発行装置20がクーポンを提供する場合に、クーポン発行元により指定されてもよい。提供期間108は、提供可能な日程を示してもよいし、提供可能な時間帯を示してもよい。また、提供期間に応じてクーポンを利用するのに必要なポイント数を変更してもよい。
【0040】
図5は、本実施形態の変形例に係るクーポン管理装置100の機能ブロックを示す。なお、図5において、図1に示す機能ブロックと同一の機能ブロックについて同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0041】
ポイント削減条件変更部160は、クーポン提供部120からクーポンの提供履歴の情報を取得して、クーポンの提供数が増加するほど、クーポンを発行するのに必要なポイント数が増加するように、クーポン保持部110が保持するクーポン削減条件を変更する。ポイント削減条件変更部160は、例えば、クーポン提供数毎にクーポン削減数が示された変更条件情報を予め保持しておく。ポイント削減条件変更部160は、クーポンの提供履歴の情報を参照して、クーポンの提供数を確認し、クーポンの提供数に応じたポイント削減数を特定する。さらに、ポイント削減条件変更部160は、そのクーポンに対するクーポン削減条件が特定された削減数となるようにクーポン保持部110が保持するクーポン削減条件を変更する。クーポンの提供数が多いほど、多くのユーザにとってメリットのあるクーポンの場合が多い。よって、そのクーポンの価値は高いものと推定される。つまり、そのクーポンを利用するのに必要なポイント数が大きくてもユーザがそのクーポンを選択する可能性がある。そこで、クーポンの提供数が多いほどポイント削減数を増加させてもよい。ポイント削減数が増加すれば、クーポン発行元への報奨金額は増加する。したがって、クーポンの提供数が多いほどポイント削減数を増加させることで、魅力あるクーポンをより多くクーポン発行元から提供してもらえる。
【0042】
クーポン削除部170は、クーポン提供部120からクーポンの提供履歴の情報を取得して、予め定められた期間において、ユーザへの提供数が予め定められた基準数に達していないクーポンが存在する場合には、そのクーポンを削除するようにクーポン保持部110に指示する。クーポン保持部110は、削除指示を受けて、そのクーポンを削除する。なお、クーポン保持部110は、削除指示を受けた場合、クーポンを削除せずに、提供対象外を示すフラグなどをそのクーポンに付加して、保持したままでも構わない。これにより、予め定められた期間におけるユーザへの提供数が少ないクーポンはユーザには提示されない。よって、ユーザは、魅力のあるクーポンを検索しやすくなる。
【0043】
クーポン情報取得部180は、クーポン保持部110に保持されたクーポンと同一の商品あるいはサービスに対する無料クーポンを提供するサイトを検索し、無料クーポンに関するクーポン情報を収集する。無料クーポンに関するクーポン情報は、例えば、無料クーポンによりユーザに提供される商品あるいはサービスの割引率もしくは割引額などユーザに還元される予め定められた金額でもよい。
【0044】
クーポン評価部190は、クーポン情報取得部180により取得された無料クーポンに関するクーポン情報と、当該無料クーポンと同一の商品あるいはサービスに関するクーポン保持部110が保持するクーポンのクーポン情報とを比較し、クーポン保持部110が保持するクーポンのほうが、価値が高いか否かを判定する。より具体的には、クーポン評価部190は、例えば、無料クーポンの割引率あるいは割引額と、クーポンの割引率あるいは割引額とを比較し、クーポンの割引率あるいは割引額のほうが無料クーポンの割引率あるいは割引額より高い場合に、クーポン保持部110が保持するクーポンのほうが価値が高いと判定する。一方、クーポン評価部190は、クーポンの割引率あるいは割引額が無料クーポンの割引率あるいは割引額以下の場合には、クーポン保持部110が保持するクーポンのほうが、価値が低いと判定し、そのクーポンを削除するようにクーポン削除部170に削除指示する。クーポン削除部170は、削除指示を受けて、そのクーポンを削除するようにクーポン保持部110に指示する。無料で頒布される無料クーポンよりも割引率あるいは割引額が低いクーポンは、ユーザにとってメリットは少なく、魅力のあるクーポンではない場合が多い。よって、無料で頒布される無料クーポンよりも割引率あるいは割引額が低いクーポンを削除することにより、ユーザは、魅力のあるクーポンを検索しやすくなる。また、ユーザは、ユーザ自身で無料クーポンとクーポンとの比較をしなくても済む。
【0045】
なお、本実施形態に係るクーポン管理装置100は、上述のクーポンの提供に関わる各種処理を行うプログラムをインストールし、このプログラムをコンピュータに実行させることで、構成してもよい。つまり、コンピュータにクーポンの提供に関わる各種処理を行うプログラムを実行させることにより、クーポン保持部110、クーポン提供部120、ポイント削減指示部130、金額決定部140、請求金額保持部150、報奨金額保持部152、ポイント削減条件変更部160、クーポン削除部170、クーポン情報取得部180、及びクーポン評価部190としてコンピュータを機能させることで、クーポン管理装置100を構成してもよい。
【0046】
コンピュータはCPU、ROM、RAM、EEPROM(登録商標)等の各種メモリ、通信バス及びインタフェースを有し、予めファームウェアとしてROMに格納された処理プログラムをCPUが読み出して順次実行することで、クーポン管理装置100として機能する。
【0047】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0048】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0049】
10 ポイント発行装置
12 ポイント数保持部
20 クーポン発行装置
30 ユーザ端末
40 ネットワーク
100 クーポン管理装置
110 クーポン保持部
120 クーポン提供部
130 ポイント削減指示部
140 金額決定部
150 請求金額保持部
152 報奨金額保持部
160 ポイント削減条件変更部
170 クーポン削除部
180 クーポン情報取得部
190 クーポン評価部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クーポン発行元から提供されたクーポンと予め定められたポイント削減条件とを関連付けて保持するクーポン保持部と、
ポイント発行元から発行されたポイントの保有者からのクーポン要求に応じた前記ポイント発行元からのクーポン発行要求に応答して、前記クーポン発行要求に示されるクーポンを前記クーポン保持部から取得し、前記保有者に提供するクーポン提供部と、
前記クーポンの提供に対応して、提供された前記クーポンに関連付けられた前記ポイント削減条件に基づく、前記保有者に関連付けてポイント数保持部が保持する前記保有者の保有ポイントの数の削減を、前記ポイント数保持部に指示するポイント削減指示部と、
前記保有ポイントの削減数に関連付けて、前記クーポン発行元への報奨金額を保持する報奨金額保持部と、
前記保有ポイントの数の削減に対応して、前記保有ポイントの削減数に関連付けられた前記クーポン発行元への報奨金額を決定する金額決定部と、
を備えるクーポン管理装置。
【請求項2】
前記保有ポイントの削減数に関連付けて、前記ポイント発行元への請求金額を保持する請求金額保持部をさらに備え、
前記金額決定部は、前記保有ポイントの数の削減に対応して、前記保有ポイントの削減数に関連付けられた前記ポイント発行元への請求金額をさらに決定する
請求項1に記載のクーポン管理装置。
【請求項3】
前記クーポン提供部による前記クーポンの提供数が増加するほど、前記クーポンに対応する前記保有ポイントの削減数が増加するように、前記ポイント削減条件を変更するポイント削減条件変更部を
さらに備える請求項1または請求項2に記載のクーポン管理装置。
【請求項4】
前記クーポン保持部は、前記保有者の属性ごとに前記ポイント削減条件と前記クーポンとを関連付けて保持し、
前記ポイント削減指示部は、前記クーポン発行要求に示される前記保有者の属性に関連付けられた前記ポイント削減条件に基づき、前記ポイント数保持部が保持する前記保有者の前記保有ポイントの数の削減を指示する
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のクーポン管理装置。
【請求項5】
前記クーポン保持部は、前記クーポンが提供される期間ごとに前記ポイント削減条件と前記クーポンとを関連付けて保持し、
前記ポイント削減指示部は、前記クーポンの提供される時点に対応する期間に関連付けられた前記ポイント削減条件に基づき、前記ポイント数保持部が保持する前記保有者の前記保有ポイントの数の削減を指示する
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のクーポン管理装置。
【請求項6】
予め定められた期間における前記クーポンの提供数が予め定められた基準数を満たさないクーポンが存在する場合、当該クーポンを前記クーポン保持部から削除するクーポン削除部
をさらに備える請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のクーポン管理装置。
【請求項7】
前記クーポン保持部は、前記保有者に提供可能な前記クーポンを前記保有者の属性に関連付けて保持し、
前記クーポン提供部は、前記クーポン発行要求に応答して、前記クーポン要求を行った前記保有者の属性に関連付けられた提供可能な前記クーポンを提供する
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のクーポン管理装置。
【請求項8】
前記クーポンに対応する同一の商品もしくはサービスに対して前記クーポン発行元から頒布される前記クーポンとは異なる他のクーポンに関するクーポン情報を取得するクーポン情報取得部と、
前記クーポンに関するクーポン情報と前記他のクーポンに関するクーポン情報とを予め定められた条件に基づき比較することで、前記クーポンもしくは前記他のクーポンのいずれかの価値が高いかを評価するクーポン評価部と、
をさらに備え、
前記クーポン保持部は、前記評価による価値が前記他のクーポンより高い前記クーポンを保持する
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のクーポン管理装置。
【請求項9】
クーポン発行元から提供されたクーポンと予め定められたポイント削減条件とを関連付けてクーポン保持部に保持するクーポン保持工程と、
ポイント発行元から発行されたポイントの保有者からのクーポン要求に応じた前記ポイント発行元からのクーポン発行要求に応答して、前記クーポン発行要求に示されるクーポンを前記クーポン保持部から取得し、前記保有者に提供するクーポン提供工程と、
前記クーポンの提供に対応して、提供された前記クーポンに関連付けられた前記ポイント削減条件に基づく、前記保有者に関連付けてポイント数保持部が保持する前記保有者の保有ポイントの数の削減を、前記ポイント数保持部に指示するポイント削減指示工程と、
前記保有ポイントの削減数に関連付けて、前記クーポン発行元への報奨金額を保持する金額保持工程と、
前記保有ポイントの数の削減に対応して、前記保有ポイントの削減数に関連付けられた前記クーポン発行元への報奨金額を決定する報奨金額決定工程と、
を含むクーポン管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−96071(P2011−96071A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250557(P2009−250557)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(503201519)GMOリサーチ株式会社 (1)
【出願人】(397052181)GMOインターネット株式会社 (5)