説明

グラビア印刷機及びグラビア印刷機の版胴の交換方法

【課題】版胴の交換時間を短縮することにより、生産性や経済性などを向上させることができるグラビア印刷機及びグラビア印刷機の版胴の交換方法の提供を目的とする。
【解決手段】印刷機1は、印刷ユニット2が、駆動側支持軸21、従動側支持軸25、位相検出手段28、印刷機用制御部によって制御され、従動側支持軸25を回転させる位相調整手段27を有し、版胴20を交換する際、印刷機用制御部が、位相調整手段27を制御し、入力した位相検出信号にもとづいて、駆動側支持軸21及び従動側支持軸25に支持された新たに取り付けられた版胴20の位相を、見当用所定位相に合わせる構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラビア印刷機及びグラビア印刷機の版胴の交換方法に関し、特に、版胴の交換時間を短縮することにより、生産性や経済性などを向上させることができるグラビア印刷機及びグラビア印刷機の版胴の交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グラビア印刷(凹版印刷の一種)は、樹脂製シートなどへの印刷に広く用いられている。
また、グラビア印刷を行うグラビア印刷機は、通常、複数の印刷ユニットを備えており、各印刷ユニットは、版の絵柄となる部分に凹部の形成された版胴を有しており、その凹部にインキを塗布して印刷する。
したがって、複数の版胴を使用する様々な方式のグラビア印刷機は、印刷の版を換える際、版胴を交換する必要があり、版胴を効率よく交換することが要望されている。
【0003】
上記の要望に応えるために、様々な技術が提案されている。
たとえば、特許文献1には、印刷用版胴の両側部が左右一対の支持軸によって挟持され、これら支持軸の回転駆動によって回転する版胴の版面に原紙が供給されて印刷が行われるように構成された印刷機の初期位相設定装置の技術が開示されている。
この印刷機は、上記版胴の一側部と支持軸の先端部とに相対応する位置合わせ部、支持軸側の位置合わせ部が所定の位相に位置していることを検出する位相検出手段、上記支持軸の初期基準位相を設定するために支持軸を回転させる位相設定用駆動機構、及び、上記位相設定用駆動機構の駆動を制御する版胴位相設定制御装置を備えている。
この版胴位相設定制御装置は、印刷開始前の版胴が支持軸に挟持されていないとき、上記位相検出手段の検出結果に基づいて上記支持軸を基準位相に設定するように、また、一対の支持軸に版胴が支持された後、これらを固有の所定角度だけ回転させ、版胴が印刷開始位相に設定されるように、上記位相設定用駆動機構の駆動を制御することを特徴とする。
【0004】
また、特許文献2には、グラビア輪転機の版胴交換着脱方法の技術が開示されている。
この技術は、伝動側支承装置が、キーを介して、シャフトレス版胴を支承する構成としてあり、キーの位相を定位相停止装置で予め設定した位相に停止した状態で、使用していたシャフトレス版胴を取り外し、予め設定した位相に停止したキーに合わせて、シャフトレス版胴を新たに取り付ける方法としてある。
【0005】
また、特許文献3には、本体側版胴及び円筒側版胴からなる分割版胴が使用されている印刷機の見当合せ装置の技術が開示されている。
この技術では、各本体側版胴に、幅方向見当調整装置及び単独駆動モータが設けられており、また、各円筒側版胴に、幅方向見当調整装置及び単独駆動モータが設けられている。
なお、複数の版胴を使用するグラビア印刷機は、様々な構成を有している。そこで、本発明に関連する従来のグラビア印刷機について、図面を参照して説明する。
【0006】
(従来例)
従来例にかかるグラビア印刷機を、図1を用いて説明する。ただし、図1において、()内の符号が、従来例にかかるグラビア印刷機に対応する。
図1において、グラビア印刷機101(適宜、印刷機101と略称する。)は、複数の印刷ユニット102、該複数の印刷ユニット102の版胴120を同期駆動する駆動シャフト3(通常、このシャフトは、一本である。)、及び、駆動モータ(図示せず)、並びに、コンペンセータ修正方式の自動見当合わせ装置4などを備えている。この印刷機101は、樹脂製シートなどのウェブ10に、カラー印刷を施すことができる。
なお、印刷機101は、図示してないが、通常、ウェブ巻出手段、プレヒータ、インフィードローラ、ダンサーローラ、ターンバー装置、アウトフィードローラ、欠点検出装置、静止画像装置、ウェブ巻取手段、印刷機用制御部などをさらに備えている。
【0007】
(印刷ユニット)
各印刷ユニット102は、駆動側支持軸21及び従動側支持軸125が、版胴120を支持しており、各駆動側支持軸21が、駆動シャフト3によって同期した状態で回転する。なお、駆動側支持軸21は、キー211を介して版胴120を支持しているので、各版胴120は、駆動シャフト3によって同期した状態で回転する。
また、各版胴120は、版の絵柄となる部分に凹部が形成されている。版胴120が回転すると、インキタンク202のインキに浸かり、ブレード(図示せず)により余分なインキが除去され、凹部にインキをつめた状態で、圧胴201によりウェブ10が押し当てられ、ウェブ10に印刷が施される。
【0008】
(駆動側支持軸)
従来例にかかるグラビア印刷機101の駆動側支持軸などは、後述するグラビア印刷機1の駆動側支持軸などと同様であるので、図2を用いて、グラビア印刷機101の駆動側支持軸などを説明する。
図2において、駆動側支持軸21は、クラッチ23を介して駆動シャフト3と連結され、版胴120に対して往復移動可能であり、版胴120の駆動側端部に対して位相を決めた状態(キー211を介して)で版胴120を支持する。
駆動側支持軸21は、従動側の先端部が、截頭円錐形状であり、截頭円錐形状のテーパ面にキー211が固定されている。また、中央部が、すべりキー212を介してスリーブ213に嵌入されている。さらに、駆動側の先端部が、ベアリングを介してエアシリンダ214のロッドと連結されている。また、スリーブ213は、平歯車22が固定されており、ベアリングを介して駆動側ケーシング210に取り付けられている。なお、駆動側ケーシング210は、駆動側のフレーム203に螺着されており、また、実際は、分割されているが、一体的に図示してある。
上記の構成により、駆動側支持軸21は、平歯車22にトルクが伝達されると、スリーブ213とともに回転し、この回転に支障なく、エアシリンダ214により軸心方向に往復移動し、版胴120を押圧した状態で支持する。
【0009】
伝達スリーブ221は、ほぼ円筒状であり、従動側の先端部に、平歯車22と噛み合う平歯車が形成され、中央部が、ベアリングを介して駆動側ケーシング210に取り付けられており、駆動側の先端部に、クラッチ23の従動側円板232が固定されている。
また、伝達軸24は、従動側の先端部に、駆動シャフト3のかさ歯車31と噛み合うかさ歯車242が形成され、中央部が、伝達スリーブ221に貫入した状態で、ベアリングを介して伝達スリーブ221に取り付けられており、クラッチ23の駆動側円板231が、軸心方向に往復移動可能かつ伝達軸24とともに回転するように取り付けられており、駆動側の先端部が、ベアリングを介して駆動側ケーシング210に取り付けられている。さらに、駆動側円板231を往復移動させる環状のシリンダ241が取り付けられている。このシリンダ241は、伝達軸24が貫入しており、基部が駆動側ケーシング210に固定されるとともに、ベアリングを介して伝達軸24と連結されており、移動部がベアリングを介して駆動側円板231と連結されている。これにより、シリンダ241は、伝達軸24とともに回転せず、かつ、回転している駆動側円板231を往復移動させることができる。
上記の構成により、伝達軸24は、駆動シャフト3が回転すると回転する。この状態で、クラッチ23がオフのとき、伝達スリーブ221は回転せず、また、クラッチ23がオンのとき、伝達スリーブ221は伝達軸24とともに回転し、平歯車22にトルクを伝達する。
【0010】
(従動側支持軸)
図5は、従来例にかかるグラビア印刷機の従動側支持軸を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
図5において、従動側支持軸125は、軸方向位置調整手段26によって版胴120に対して往復移動可能であり、版胴120の従動側端部に対して位相を決めない状態で、版胴120を支持する。
従動側支持軸125は、駆動側の先端部が、截頭円錐形状であり、中央部が、すべりキー252を介してスリーブ253に嵌入されており、従動側の先端部が、ベアリングを介して軸方向位置調整手段26の軸受ハウジング265と連結されている。また、スリーブ253は、ベアリングを介して従動側ケーシング1250に取り付けられている。なお、従動側ケーシング1250は、従動側のフレーム203に螺着されており、また、実際は、分割されているが、一体的に図示してある。
【0011】
軸方向位置調整手段26は、モータ261、平歯車262、平歯車263、ねじ棒264、軸受ハウジング265及びすべりキー266などを有している。モータ261は、従動側ケーシング1250に螺着されており、軸端に平歯車262が固定されている。平歯車263は、中央に雌ねじが切られており、ベアリングを介して従動側ケーシング1250に取り付けられており、平歯車262と噛み合っている。ねじ棒264は、平歯車263の雌ねじと螺合しており、駆動側の先端部に、軸受ハウジング265が固定されている。軸受ハウジング265は、ベアリングを介して、従動側支持軸125の従動側の端部と連結され、また、すべりキー266を介して従動側ケーシング1250と連結されている。この軸方向位置調整手段26は、印刷ユニット102に設けられており、従動側支持軸125を軸心方向に移動させることができるので、版胴120の軸心方向の位置合わせを行うことができる。
上記の構成により、従動側支持軸125は、駆動側支持軸21によって版胴120にトルクが伝達されると、版胴120とともに回転し、版胴120を支持し、さらに、この回転に支障なく、軸方向位置調整手段26により軸心方向に往復移動する。
【0012】
(自動見当合わせ装置)
自動見当合わせ装置4は、コンペンセータ修正方式の自動見当合わせ装置であり、コンペンセータ41、該コンペンセータ41を昇降させる昇降手段(図示せず)、ウェブマークを検出するスキャニングヘッド42、及び、該スキャニングヘッド42からの検出信号を入力し、昇降手段を制御する見当合わせ用制御部(図示せず)などを有している。この自動見当合わせ装置4は、通常、上流側から二段目以降の印刷ユニット102に取り付けられている。
また、図示してないが、上記の昇降手段は、通常、サーボモータなどの位置制御可能なモータやボールねじなどを有しており、コンペンセータ用移動手段として機能する。また、スキャニングヘッド42は、通常、光源、凸レンズ、光電管などを有しており、光源から照射された光は、凸レンズを介して、ウェブ10に照射され、ウェブ10に印刷された二つのウェブマークからの反射光を光電管が検出する。
【0013】
たとえば、図1(a)の右側に示す自動見当合わせ装置4は、スキャニングヘッド42がウェブ10の二つのウェブマーク(一つは、左側の版胴120により印刷されたウェブマーク11であり、もう一つは右側の版胴120により印刷されたウェブマーク12である(図7参照)。)を検出し、この検出信号を見当合わせ用制御部に出力する。なお、ウェブマーク11、12は、通常、各版胴120により印刷される絵柄(図示せず)の外側に印刷される。
【0014】
次に、自動見当合わせ装置4の動作について説明する。
まず、以下の場合を想定する(図7参照)。すなわち、右側(下流側)の版胴120の絵柄の位相が、左側(上流側)の版胴120の絵柄の位相と一致する状態で、版胴120が取り付けられ、このとき、左側の版胴120により印刷されたウェブマーク11と右側の版胴120により印刷されたウェブマーク12は、所定の間隔(例えば20mm)だけ離れている。右側のスキャニングヘッド42の検出位置において、ウェブマーク11を検出基準としてウェブマーク12はスキャニングヘッド42の微調整範囲(二本の破線で挟まれた距離Wの範囲)の中央(ポイントY)に位置している。なお、スキャニングヘッド42は、ウェブマーク11の検出信号及びウェブマーク12の検出信号を見当合わせ用制御部に出力する。
【0015】
ここで、右側(下流側)の版胴120の絵柄の位相が、左側(上流側)の版胴120の絵柄の位相とずれた場合を想定すると、そのずれはウェブマーク11とウェブマーク12の間隔の変化に反映され、スキャニングヘッド42の検出位置においてウェブマーク12はポイントYからずれる。ずれた位置がスキャニングヘッド42の微調整範囲内であれば、検出信号を入力した見当合わせ用制御部は、位置制御可能なモータを制御し、コンペンセータ41を昇降させ、ウェブマーク12がポイントYに位置するように調整する。これにより、ポイントXからポイントXまでのウェブ10の長さLが、版胴120の円周(=πD(なお、Dは、版胴120の直径。))の整数倍となる(すなわち、L=nπD(なお、nは、自然数。))。
なお、上記の説明では、ウェブマーク11(上流側の印刷ユニットで印刷されたウェブマーク)を検出基準として、ウェブマーク12(見当合わせ対象の印刷ユニットで印刷されたウェブマーク)の検出位置から印刷のずれを判断しているが、逆に、ウェブマーク12を検出基準としてウェブマーク11の検出位置から印刷のずれを判断してもよい。印刷位置も、図示における上下が反対でもよい。
このようにして、左側の版胴120により印刷された絵柄に対し、右側の版胴120により印刷される絵柄を一致させることができる。すなわち、上流側から二段目以降の印刷ユニット102が、この動作を順番に行うことにより、印刷機101は、複数の絵柄を一致させることができる。
また、左側の版胴120とは、左に隣接する印刷ユニット102の版胴120に限らず、たとえば最上流に位置する一段目の印刷ユニット102の版胴120でもよい。すなわち、下流の各印刷ユニット102において印刷ずれ検出の比較対象とされるウェブマーク11を、一段目の印刷ユニット102でまとめて印刷しておくこともできる。
【0016】
次に、上記構成の印刷機101の版胴120の交換方法について、図面を参照して説明する。
図6は、従来例にかかるグラビア印刷機の版胴の交換方法を説明するための概略フローチャート図を示している。
図6において、ウェブ10に印刷を行っている印刷機101は、駆動モータが停止する(ステップS101)。この際、版胴120の位相を考慮することなく、駆動モータを停止させる。
【0017】
次に、オペレータが、印刷ユニット102のクラッチ23をオフとする(ステップS102)。
続いて、使用していた版胴120を取り外し、新たに使用する版胴120を、駆動側支持軸21及び従動側支持軸125が支持するように取り付け、版胴120を交換する(ステップS103)。
この際、駆動側支持軸21は、各印刷ユニット102の版胴120の位相が揃った状態(適宜、見当用所定位相と呼称する。)で停止しているので、キー211の位相をずらさないように注意しながら新しい版胴120のキー溝を合わせて取り付ける。
次に、クラッチ23をオンにする(ステップS104)。これが、一つの印刷ユニット102における版胴120の交換であり、この交換は、通常、上流側の版胴120から順に行われる(ステップS105)。
【0018】
なお、新たに取り付けられる版胴120の直径が、取り外された版胴120の直径と異なる場合であっても、オペレータが自動見当合わせ装置4に新しい版胴120の直径を入力すれば、各コンペンセータ41が自動的にL=nπDとなる距離を計算して移動する。
【0019】
次に、オペレータは、駆動モータを作動させ(ステップS106)、印刷機101は、上流側の印刷ユニット102の自動見当合わせ装置4が自動見当合わせを行い、順に各印刷ユニット102の自動見当合わせ装置4が自動見当合わせを行い(ステップS107)、印刷機101は、定常運転となり(ステップS108)、版胴120の交換が終了する。
なお、印刷機101は、定常運転中も、自動見当合わせ装置4が自動見当合わせを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開平6−320715号公報
【特許文献2】特開平1−242250号公報
【特許文献3】特開平11−254654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、上述した印刷機101は、スキャニングヘッド42の微調整範囲(二本の破線で挟まれた距離Wの範囲)が約±5mmであり(距離W≒10mm)、オペレータが、各版胴120の位相を、予め定められた見当用所定位相に合わせることができない場合があった。たとえば、図7(b)に示すように、ウェブマーク12´がスキャニングヘッド42の微調整範囲から外れてしまい、自動見当合わせ装置4が作動しない場合があった。このような場合、オペレータは、試し刷りされるウェブ10を観察しながら、どの印刷ユニット102でどの程度微調整範囲から外れたかを特定し、該当する印刷ユニット102の自動見当合わせ装置4のコンペンセータ41の基準位置(この基準位置を中心に自動微調整される)を調整する。
すなわち、版胴120の位相を、予め定められた見当用所定位相に合わせることができないと、版胴120の交換時間(機種切替えの時間)が長くなり、生産性を向上させることができないといった問題があった。また、自動見当合わせ中に走行するウェブ10(製品とならないウェブ10)が増大し、経済性などを向上させることができないといった問題があった。
【0022】
なお、特許文献1の技術は、見当合わせにコンペンセータ方式を採用せず、各印刷ユニットの版胴を印刷開始位相に設定するもので、本発明の印刷機とは基本的な構成が異なっている。また、特許文献2の技術は、版胴を自動的に交換する技術であり、本発明の印刷機とは、基本的な構成が異なっている。さらに、特許文献3の技術は、各印刷ユニットが駆動モータを備えており、本発明の印刷機とは、基本的な構成が異なっている。したがって、特許文献1〜3の技術は、本発明に関連する技術ではあるものの、上記の課題を解決することはできない技術であった。
【0023】
本発明は、以上のような問題などを解決するために提案されたものであり、版胴の交換時間を短縮することにより、生産性や経済性などを向上させることができるグラビア印刷機及びグラビア印刷機の版胴の交換方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成するため、本発明のグラビア印刷機は、複数の印刷ユニット、該複数の印刷ユニットの版胴を同期駆動する駆動シャフト、及び、駆動モータ、並びに、コンペンセータ修正方式の自動見当合わせ装置を備えており、印刷ユニットが、クラッチを介して駆動シャフトと連結され、版胴に対して往復移動可能であり、版胴の駆動側端部に対して位相を決めた状態で版胴を支持する駆動側支持軸と、版胴に対して往復移動可能であり、版胴の従動側端部に対して位相を決めた状態で版胴を支持する従動側支持軸と、駆動側支持軸及び従動側支持軸に支持された版胴の位相、あるいは、該位相と対応する位相を検出し、位相検出信号を印刷機用制御部に出力する位相検出手段と、印刷機用制御部によって制御され、従動側支持軸を回転させる位相調整手段とを有し、版胴を交換する際、印刷機用制御部が、位相調整手段を制御し、入力した位相検出信号にもとづいて、駆動側支持軸及び従動側支持軸に支持された新たに取り付けられた版胴の位相を、見当用所定位相に合わせる構成としてある。
【0025】
また、本発明のグラビア印刷機の版胴の交換方法は、駆動側支持軸、従動側支持軸、版胴の位相あるいは該位相と対応する位相を検出し、位相検出信号を印刷機用制御部に出力する位相検出手段、及び、印刷機用制御部によって制御され、従動側支持軸を回転させる位相調整手段を有する複数の印刷ユニットと、該複数の印刷ユニットの版胴を同期駆動する駆動シャフト及び駆動モータと、コンペンセータ修正方式の自動見当合わせ装置とを備えたグラビア印刷機の版胴の交換方法であり、使用していた版胴の位相を停止用所定位相に合わせるように、駆動モータを停止させ、使用していた版胴を取り外し、駆動側支持軸と前記駆動シャフトとの連結を解除し、次に使用する版胴を取り付け、位相調整手段が、従動側支持軸に新たに取り付けられた版胴の位相を、位相検出信号にもとづいて見当用所定位相に合わせ、駆動側支持軸と駆動シャフトを連結させる方法としてある。
【発明の効果】
【0026】
本発明のグラビア印刷機及びグラビア印刷機の版胴の交換方法によれば、版胴の交換時間を短縮することにより、生産性や経済性などを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかるグラビア印刷機の要部の概略図であり、(a)は側面方向の断面図を示しており、(b)は平面方向の断面図を示している。
【図2】図2は、本発明の実施形態にかかるグラビア印刷機の駆動側支持軸を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
【図3】図3は、本発明の実施形態にかかるグラビア印刷機の従動側支持軸を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
【図4】図4は、本発明の実施形態にかかるグラビア印刷機の版胴の交換方法を説明するための概略フローチャート図を示している。
【図5】図5は、従来例にかかるグラビア印刷機の従動側支持軸を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
【図6】図6は、従来例にかかるグラビア印刷機の版胴の交換方法を説明するための概略フローチャート図を示している。
【図7】図7は、本発明の課題を説明するための要部の概略図であり、(a)は側面方向の拡大矢視図を示しており、(b)はA−A矢視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[印刷機及び印刷機の版胴の交換方法の実施形態]
図1は、本発明の実施形態にかかるグラビア印刷機の要部の概略図であり、(a)は側面方向の断面図を示しており、(b)は平面方向の断面図を示している。
また、図2は、本発明の実施形態にかかるグラビア印刷機の駆動側支持軸を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
また、図3は、本発明の実施形態にかかるグラビア印刷機の従動側支持軸を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
図1〜3において、本実施形態のグラビア印刷機1(適宜、印刷機1と略称する。)は、上述した従来例の印刷機101と比べると、印刷ユニット2が、従動側支持軸125の代わりに従動側支持軸25を備えている点、位相調整手段27を備えている点、位相検出手段28を備えている点、及び、版胴120の代わりに版胴20が使用される点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、印刷機101とほぼ同様としてある。
したがって、図1〜3において、従来例の印刷機101と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0029】
(従動側支持軸)
図3に示すように、従動側支持軸25は、軸方向位置調整手段26によって版胴20に対して往復移動可能であり、版胴20の従動側端部に対して位相を決めた状態(キー251を介して)で版胴20を支持する。
従動側支持軸25は、駆動側の先端部が、截頭円錐形状であり、截頭円錐形状のテーパ面にキー251が固定されている。中央部が、すべりキー252を介してスリーブ253に嵌入されている。さらに、従動側の先端部が、ベアリングを介して軸方向位置調整手段26の軸受ハウジング265と連結されている。また、スリーブ253は、平歯車273が固定されており、ベアリングを介して従動側ケーシング250に取り付けられている。
上記の構成により、従動側支持軸25は、駆動モータが回転し、クラッチ23がオンであり、駆動側支持軸21によって版胴20にトルクが伝達されるとき、後述する位相調整手段27のモータ271内のクラッチがオフとなっているので、支障なく版胴20とともに回転し、版胴20を支持する。また、駆動モータが停止し、クラッチ23がオフであるとき、モータ271内のクラッチをオンとすることにより、位相調整手段27によって、支障なく版胴20とともに回転し、版胴20を支持する。さらに、これらの回転に支障なく、軸方向位置調整手段26により軸心方向に往復移動する。
【0030】
ここで、従動側支持軸25は、版胴20に対して位相を決めるために、キー251(通常、キー251は、キー211と同じ位相である。)が取り付けられており、このようにすると、構造を単純化でき、製造原価のコストダウンを図ることができる。
なお、従動側ケーシング250は、従動側のフレーム203に螺着されており、また、実際は、分割されているが、一体的に図示してある。また、従動側ケーシング250は、従動側ケーシング1250と比べると、位相調整手段27のモータ271や平歯車273に対応する構造としてある点などが相違し、他の構造は、従動側ケーシング1250とほぼ同様としてある。
【0031】
(位相調整手段)
位相調整手段27は、モータ271、平歯車272及び平歯車273などを有している。モータ271は、内部にクラッチを有しており、従動側ケーシング250に螺着されており、軸端に平歯車272が固定されている。平歯車273は、上述したように、スリーブ253に固定されており、平歯車272と噛み合っている。この位相調整手段27は、モータ271が印刷機用制御部によって制御され、従動側支持軸25を位置制御可能に回転させる。
また、このような位相調整手段は、機能上、駆動側支持軸に設けることも考えられるが、駆動側には既に駆動シャフト3や伝達軸24などが存在するため、取付強度やメンテナンス性を考慮して従動側支持軸に設けている。
【0032】
(位相検出手段)
位相検出手段28は、光センサとしてあり、従動側ケーシング250に取り付けられ、従動側支持軸25のマークの位相を検出し、位相検出信号を印刷機用制御部に出力する。
本実施形態では、上記のマークとして、従動側支持軸25に凹部254を形成し、該凹部254の平坦部からの反射光を光センサで検出する。これにより、構造を単純化でき、製造原価のコストダウンを図ることができる。
ここで、上記のマーク(凹部254)の位相は、キー251の位相に対応しており(本実施形態では、90°進んでいる。)、また、版胴20のウェブマーク用の凹部(図示せず)の位相は、キー251が嵌入されるキー溝の位相と対応している。したがって、印刷機用制御部は、入力した位相検出信号により、駆動側支持軸21及び従動側支持軸25に支持された版胴20の位相を算出し、算出した位相を用いてもよい。
なお、本実施形態では、位相検出手段28が、従動側支持軸25に形成されたマークの位相を検出しているが、これに限定されるものではなく、たとえば、版胴20や駆動側支持軸21のマークを検出してもよい。
【0033】
(印刷機用制御部)
本実施形態の印刷機用制御部(図示せず)は、コンピュータなどの情報処理装置である。
この印刷機用制御部は、版胴20を交換する際、位相調整手段27を制御し、位相検出手段28から入力した位相検出信号にもとづいて、駆動側支持軸21及び従動側支持軸25に支持された新たに取り付けられた版胴20の位相を、見当用所定位相に合わせる。
なお、新たに取り付けられた版胴20の位相を、見当用所定位相に合わせる際、クラッチ23はオフであり、モータ271の内部のクラッチはオンである。
【0034】
ここで、好ましくは、印刷機用制御部は、版胴20版胴を交換するために駆動モータを停止させる際、使用していた版胴20の位相を停止用所定位相に合わせるように各版胴20を同期駆動する駆動シャフト3の位相を検出して、駆動モータを停止させるとよい。なお、停止用所定位相とは、駆動モータを停止する際の、予め定められた版胴20の位相であり、通常、キー211が上方に位置する位相(あるいは、上方から45°回転した位相)である。
このようにすると、版胴20を取り外しやすい状態、あるいは、駆動側支持軸21や従動側支持軸25を清掃しやすい状態で、版胴20を停止させることができ、作業性や生産性などを向上させることができる。
なお、印刷機用制御部は、駆動シャフト3の位相検出にもとづいて、駆動モータを制御しているが、これに限定されるものではなく、たとえば、位相検出手段28からの位相検出信号にもとづいて、駆動モータを制御してもよい。
【0035】
(版胴)
版胴20は、ほぼ円筒状であり、駆動側の端部に、キー211が嵌入されるキー溝が形成され、従動側の端部に、キー251が嵌入されるキー溝が形成されている。また、表面(外周面)に、絵柄用の凹部及びウェブマーク用の凹部が形成されている。
ここで、好ましくは、駆動側のキー溝と従動側のキー溝の位相が同じであるとよい。このようにすると、管理労力を低減したり、作業性を向上させることができる。
なお、絵柄用の凹部及びウェブマーク用の凹部は、キー溝で規定される版胴20の位相と対応する所定関係の位相に、たとえば、各版胴20の位相を一致させた際に、絵柄用の凹部どうしは同じ位相に、ウェブマーク用の凹部は一定間隔ずつずれた位相に形成される。
【0036】
次に、上記構成の印刷機1の動作やグラビア印刷機の版胴の交換方法の交換方法などについて、図面を参照して説明する。
また、本発明は、グラビア印刷機の版胴の交換方法の発明としても有効であり、本実施形態のグラビア印刷機の版胴の交換方法は、上述した印刷機1を用いて、版胴20を交換する方法としてある。
図4は、本発明の実施形態にかかるグラビア印刷機の版胴の交換方法を説明するための概略フローチャート図を示している。
図4において、ウェブ10に印刷を行っている印刷機1は、使用していた版胴20の位相を停止用所定位相に合わせるように、駆動モータが停止する(ステップS1)。
すなわち、印刷機1は、印刷機用制御部が、駆動シャフト3の位相検出手段(図示せず)からの信号にもとづいて、使用していた版胴20の位相を停止用所定位相に合わせるように、駆動モータを停止させる。このようにすると、版胴20を取り外しやすい状態、あるいは、駆動側支持軸21や従動側支持軸25を清掃しやすい状態で、版胴20を停止させることができ、作業性や生産性などを向上させることができる。
【0037】
次に、版胴20を取り外した印刷ユニット2のクラッチ23をオフとする(ステップS2)。すなわち、駆動側支持軸21と駆動シャフト3との連結を解除する。
次に、オペレータが、使用していた版胴20を取り外す(ステップS3)。オペレータは、位相を意識せずに駆動側支持軸21や従動側支持軸25の清掃などを行うことができる。
続いて、次に使用する版胴20を取り付ける(ステップS4)。この際、駆動側支持軸21及び従動側支持軸25は、フリーに回転する状態にあり、新たに使用する版胴20を、駆動側支持軸21及び従動側支持軸25が支持するように容易に取り付けることができる。
【0038】
次に、オペレータは、作業していた印刷ユニット2の位相調整手段27を作動させる。位相調整手段27は、従動側支持軸25に新たに取り付けられた版胴20の位相を、位相検出手段28からの位相検出信号にもとづいて見当用所定位相に合わせる。(ステップS5)。すなわち、印刷機用制御部は、位相調整手段27を制御し、モータ271が、内部のクラッチをオンとした後、回転し、これにより、従動側支持軸25が回転する。そして、位相検出手段28が従動側支持軸25のマークを検出し、位相検出信号を印刷機用制御部に出力し、印刷機用制御部は、位相検出手段28から入力した位相検出信号にもとづいて、従動側支持軸25を回転させ、駆動側支持軸21及び従動側支持軸25に支持された新たに取り付けられた版胴20の位相を、見当用所定位相に合わせる。
【0039】
このようにすると、オペレータが、新たに取り付けられた版胴20の位相を調整しなくても済むので、後述する自動見当合わせを行うとき、ウェブマークが、スキャニングヘッド42の微調整範囲から外れるといった不具合を確実に回避することができ、また、微調整範囲のほぼ中央(ほぼ微調整を必要としない範囲(たとえば、±0.5mm以内の範囲))にウェブマークを位置させることができる。これにより、版胴20の交換時間を大幅に短縮することができ、生産性を向上させることができる。また、自動見当合わせ中に走行するウェブ10(製品とならないウェブ10)を減少させることができ、経済性などを向上させることができる。
【0040】
なお、取り外される版胴20と新たに取り付けられる版胴20の直径が同じ場合、コンペンセータ41は、版胴20が取り外される前の状態に維持される。これに対し、取り外される版胴20と新たに取り付けられる版胴20の直径が異なる場合、自動見当合わせ装置4に版胴20の直径を入力すれば、コンペンセータ41が移動し、たとえば、ポイントXからポイントXまでのウェブ10の長さLを、新たに取り付けられる版胴20の円周(=πD(なお、Dは、版胴20の直径。))の整数倍とする(すなわち、L=nπD(なお、nは、自然数。))。
また、印刷機用制御部は、版胴20の位相を見当用所定位相に合わせた後、モータ271の内部のクラッチをオフとする。ただし、これに限定されるものではなく、たとえば、クラッチ23がオンされた直後に、モータ271の内部のクラッチをオフとしてもよい。
【0041】
次に、オペレータは、新たに版胴20を取り付けた印刷ユニット2に対し、クラッチ23をオンにする(ステップS6)。すなわち、駆動側支持軸21と駆動シャフトを連結させる。
これが、一つの印刷ユニット2における版胴20の交換であり、この交換は、通常、上流側の版胴20から順に行われる(ステップS8)。
【0042】
次に、オペレータは、駆動モータを作動させ(ステップS8)、印刷機1は、上流側の印刷ユニット2の自動見当合わせ装置4が自動見当合わせを行い、順に各印刷ユニット2の自動見当合わせ装置4が自動見当合わせを行い(ステップS9)、印刷機1は、定常運転となり(ステップS10)、版胴20の交換が終了する。
ここで、印刷機1は、複数の印刷ユニット2において自動見当合わせを行うとき、各ウェブマークが、スキャニングヘッド42の微調整範囲のほぼ中央(ほぼ微調整を必要としない範囲(たとえば、±0.5mm以内の範囲))に位置しているので、版胴20の交換時間を大幅に短縮することができ、また、自動見当合わせ中に走行するウェブ10(製品とならないウェブ10)を減少させることができ、生産性や経済性などを向上させることができる。
さらに、印刷機1は、新たに取り付けられた各版胴20の位相を、精度よく、かつ、確実に制御することができるので、装置としての付加価値を向上させることができる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の印刷機1及びグラビア印刷機の版胴の交換方法によれば、版胴20の交換時間を短縮することにより、生産性や経済性などを向上させることができる。
【0044】
以上、本発明のグラビア印刷機及びグラビア印刷機の版胴の交換方法について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るグラビア印刷機及びグラビア印刷機の版胴の交換方法は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、グラビア印刷機1は、凹版式印刷機としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、版胴を使用する印刷機であればよい。これにより、版胴を使用する様々な印刷機に、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1、101 グラビア印刷機
2、102 印刷ユニット
3 駆動シャフト
4 自動見当合わせ装置
10 ウェブ
11、12 ウェブマーク
13、14 絵柄
20、120 版胴
21 駆動側支持軸
22 平歯車
23 クラッチ
24 伝達軸
25、125 従動側支持軸
26 軸方向位置調整手段
27 位相調整手段
28 位相検出手段
31 かさ歯車
41 コンペンセータ
42 スキャニングヘッド
201 圧胴
202 インキタンク
203 フレーム
210 駆動側ケーシング
211 キー
212 すべりキー
213 スリーブ
214 エアシリンダ
221 伝達スリーブ
231 駆動側円板
232 従動側円板
241 シリンダ
242 かさ歯車
250、1250 従動側ケーシング
251 キー
252 すべりキー
253 スリーブ
254 凹部
261 モータ
262 平歯車
263 平歯車
264 ねじ棒
265 軸受ハウジング
266 すべりキー
271 モータ
272 平歯車
273 平歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷ユニット、該複数の印刷ユニットの版胴を同期駆動する駆動シャフト、及び、駆動モータ、並びに、コンペンセータ修正方式の自動見当合わせ装置を備えたグラビア印刷機において、
前記印刷ユニットが、
クラッチを介して前記駆動シャフトと連結され、前記版胴に対して往復移動可能であり、前記版胴の駆動側端部に対して位相を決めた状態で前記版胴を支持する駆動側支持軸と、
前記版胴に対して往復移動可能であり、前記版胴の従動側端部に対して位相を決めた状態で前記版胴を支持する従動側支持軸と、
前記駆動側支持軸及び従動側支持軸に支持された前記版胴の位相、あるいは、該位相と対応する位相を検出し、位相検出信号を印刷機用制御部に出力する位相検出手段と、
前記印刷機用制御部によって制御され、前記従動側支持軸を回転させる位相調整手段と
を有し、
前記版胴を交換する際、前記印刷機用制御部が、前記位相調整手段を制御し、入力した前記位相検出信号にもとづいて、前記駆動側支持軸及び従動側支持軸に支持された新たに取り付けられた前記版胴の位相を、見当用所定位相に合わせることを特徴とするグラビア印刷機。
【請求項2】
前記版胴を交換するために前記駆動モータを停止させる際、前記印刷機用制御部が、使用していた前記版胴の位相を停止用所定位相に合わせるように、前記駆動シャフトの位相を検出して前記駆動モータを停止させることを特徴とする請求項1に記載のグラビア印刷機。
【請求項3】
前記駆動側支持軸及び従動側支持軸に、前記版胴に対して位相を決めるためのキーが取り付けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載のグラビア印刷機。
【請求項4】
前記版胴の両端部に、前記キーの嵌入されるキー溝が形成され、前記両端部のキー溝どうしの位相が同じであることを特徴とする請求項3に記載のグラビア印刷機。
【請求項5】
前記位相検出手段が、光センサを有し、前記従動側支持軸に形成された平坦部からの反射光を前記光センサで検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のグラビア印刷機。
【請求項6】
駆動側支持軸、従動側支持軸、版胴の位相あるいは該位相と対応する位相を検出し、位相検出信号を印刷機用制御部に出力する位相検出手段、及び、前記印刷機用制御部によって制御され、前記従動側支持軸を回転させる位相調整手段を有する複数の印刷ユニットと、該複数の印刷ユニットの版胴を同期駆動する駆動シャフト及び駆動モータと、コンペンセータ修正方式の自動見当合わせ装置とを備えたグラビア印刷機の版胴の交換方法において、
使用していた前記版胴の位相を停止用所定位相に合わせるように、前記駆動モータを停止させ、
前記駆動側支持軸と前記駆動シャフトとの連結を解除し、
使用していた前記版胴を取り外し、
次に使用する前記版胴を取り付け、
前記位相調整手段が、前記従動側支持軸に新たに取り付けられた前記版胴の位相を、前記位相検出信号にもとづいて見当用所定位相に合わせ、
前記駆動側支持軸と前記駆動シャフトを連結させることを特徴とする印刷機の版胴の交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−240314(P2012−240314A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112839(P2011−112839)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】