説明

グラフィックシーンを変更する方法及び装置

【課題】 任意のグラフィックシーンを簡単に遠隔的に修正できるようにする。
【解決手段】 端末のスクリーン上に表示されるグラフィックシーンを変更する方法であ
って、グラフィックシーンはグラフィックオブジェクトの集合からなっており、グラフィ
ックオブジェクトは、グラフィックシーンに対応してスクリーン上に表示すべき画像を構
成するよう前記端末において使用されるものであり、グラフィックオブジェクトのそれぞ
れはフィールドにより定義されており、前記方法は、グラフィックシーンを修正するため
のデータ信号を伝送するステップを含み、該データ信号は、グラフィックシーンの更新た
めのフレームを含み、該フレームは、新たなグラフィックシーンによって既存のグラフィ
ックシーンを置換する置換指令を含むことを特徴とする方法及び装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばマルチメディアターミナル上での、動画化されたグラフィックシーン
の再生に関する。詳細には、本発明は、動画化されたシーンの修正に関し、例えば、遠隔
サーバによりターミナル上に再生されたグラフィックシーンのポイント変化を、遠隔指令
により実行することに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、グラフィックシーンとは、時間及び空間内でのグラフィックオブジ
ェクト、ビデオ及び画像のレイアウトのことである。このようなグラフィックシーンは、
2次元又は3次元であり、様々なタイプのグラフィック要素を含む。
【0003】
本発明は、グラフィックシーン又はグラフィックシーンを形成する要素の構造を修正す
ることが必要である全ての場合に適用できる。
【0004】
従って、本発明は、多くの高度マルチメディア用途において使用できる。特に、本発明
は、次のことに、好都合に適用される。
− メッセージが、グラフィックの形で交換される高度ディジタルテレビジョン及び通信
サービス。例えば、従来のディジタルビデオに重畳することにより、ビデオ会議をセット
アップするために、ビデオの形でメッセージを付加することが可能である。宣伝メッセー
ジ又はロゴを、既存のシーンに付加することも可能である。
− あるシーンのポイント修正が、遠隔操作でできるマルチユーザ用途。例えば、1つ以
上のターミナル上にグラフィックの形で、新たな"メッセージ"を付加することを考慮する
ことが可能である。あるオブジェクトを置換することが可能であり、シーン全体を置換す
ることも可能である。
− 2D又は3Dグラフィックオブジェクトを使用しての、マルチメディアのコンサルテ
ーションサービス。
【0005】
グラフィックシーンの描写フォーマットは、公知である。ISO/IEC DIS 14
772−1標準は、VRML2.0フォーマットを説明している。MPEG−4標準化群
も、VRML2.0により啓発されたBIFS(Binary Format for Scene)と称される
シーン描写フォーマットを定めている。BIFSフォーマットは、特に"The MPEG-4 Syst
ems Verification Model"(ISO/IEC JTC1/SC29/WG 11−N169
3,MPEG 97,1997年4月)に紹介されている。
【0006】
このシーン描写フォーマットは、1つのシーンの様々なグラフィックオブジェクトの間
の空間・時間関係を描写することを目的とするものである。これを行うために、表示する
ことを希望する全てのグラフィック要素を表わす、ある特定の数のノードすなわちオブジ
ェクトを定義する。これらのノードのそれぞれは、これらのノードの特徴を表示する事前
定義されたフィールドを含む。
【0007】
すなわち、BIFSフォーマットにより、マルチパス描写すなわちスクリプトの形での
シーン構造の伝送が可能となる。
【0008】
この技術の欠点は、グラフィックシーンの動画を提供する場合には、グラフィックシー
ンを遠隔修正することが可能でないことにある。例えば、新オブジェクトを付加すること
、グラフィックシーンからのオブジェクトを除去すること、別のオブジェクトをグラフィ
ックシーンに付加することなどは、可能でない。これらの機能は、しかし、必要であり、
特に、前述の用途では必要である。
【0009】
(http://www.sgi.comのサーバ上にある)“外部オーサリングインターフェース”(Ex
ternal Authoring Interface)と称されるフォーマットが公知であり、"Java(登録
商標)"言語で標準化されたインターフェースを使用して、シーンのパラメータを修正す
ることが提案されている。
【0010】
MPEG−4群により描写されるVRML及びBIFSフォーマット内で"ROUTE"
と称される、イベントの経過のためのメカニズムである、フィールドの間の接続により、
シーン内の変化を予めプログラミングすることも可能である。"ROUTE"により、第1
のフィールドの値が変化する場合には、"ROUTE"により第1のフィールドに接続され
ている第2のフィールドも、同一の値をとるように接続関係(connection)を定義するこ
とができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、これらの2つの方法は、次の重大な欠陥を有する。
− "外部API"が、"Java(登録商標)"言語内でのアプリケーションを使用して
、VRMLシーンを修正するのに使用される。この"Java(登録商標)"アプリケーシ
ョンは、サーバからダウンロードできる。しかしながら、この方法は、次の欠点を有する

− "Java(登録商標)"のあるクラスをダウンロードすることは、伝送コストが高
い。
− このモードは、このメカニズムを実施するいずれのターミナルも、バーチャル"Ja
va(登録商標)"マシーンを含むことを仮定している。従って、ターミナルへの要求が
厳しい。
− さらに、双方の方法とも、シーンの修正パラメータが元々知られていると仮定して
いる。明らかに、このことは、通信用途内での動画の使用の間にはあてはまらない。
【0012】
MPEG−4システムは、シーン更新フォーマットの第1のバージョンを開発している
ものであるが、完全でもなく、最適化されてもいない。
【0013】
アリカワ氏により説明されているD−VRMLなどのさらに別の技術も、知られている
。しかし、それらは、前もって存在するオリジナルシーンを修正することに限定されたま
まであり、限られた数の用途を可能にするだけである(これは、以下においてより明らか
になり、この問題の認識は、それ自体、本発明の一部である)。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、特に、従来の技術についてのこれらの欠点を除去することにある。
【0015】
より詳細には、本発明の1つの目的は、ディジタル信号、及び、それを使用するための
方法及び装置を提供することにあり、これにより、簡単な遠隔修正を行うことが可能とな
り、いかなるタイプのグラフィックシーンにおいても伝送コストが低くなる。
【0016】
すなわち、本発明の主要な目的は、次の基準のうちの少なくとも1つを満足する、グラ
フィックシーンの遠隔修正のための技術を提供することにある。
− データを編集及び解釈する際の単純性。
− 小さいメモリ消費量及び伝送リソースの小さい消費量。
− 任意のタイプのオブジェクト及び任意のタイプのグラフィックシーンを修正する能
力。
− 任意の様式での、すなわち、事前定義されていないやり方で、オブジェクトすなわ
ちノードを修正する可能性。
【0017】
本発明の別の目的は、簡単で安価なマルチメディアターミナル、すなわち、大規模な計
算手段も、大規模なデータメモリ手段も、必要としないターミナルの形成を可能にする技
術を提供することにある。
【0018】
本発明の1つのさらなる目的は、低いビット伝送速度のネットワークで機能できる技術
を提供することにある。
【0019】
本発明の別の1つの目的は、VRML及びMPEG−4標準に共通して適用可能である
技術を提供することにある。
【0020】
これらの目的、及び、以下において明らかになる目的は、少なくとも1つのスクリーン
上に表示を行うことが可能である画像構成手段のための、グラフィックシーンを修正する
ためのデータ信号であって、グラフィックシーンを更新するためのフレームを含んでおり
、フレームのうちのいくつかは、新グラフィックシーンによる既存グラフィックシーンの
置換のための指令を含むデータ信号により達成される。
【0021】
従って、本発明によれば、更新指令は、別のシーンにより、ある1つのシーンを完全に
置換することを可能にする新たな指令を含む。これは、動画に関する全く新しいアプロー
チに基づくものである。すなわち、当業者は、これまで、シーンが進む際、常に単一のシ
ーン(オリジナルシーン)のみを、そのシーンの中の要素を変更することにより、変化さ
せればよいと常に考えてきていた。
【0022】
本発明によれば、ただ1つのシーンが存在するだけであると考えなくてもいい、高いレ
ベルを達成するものである。本発明は、単一の操作により、当該シーン全体を変化させる
ことを可能にすることを提案するものである。これにより、特に、従来考慮されなかった
新規の用途であって、例えば、ディジタルテレビジョンによる放送、(例えばインターネ
ット上での)"マルチキャスト"として知られている技術、及び"プッシュ型"サービスと称
されるサービスなどの、従来の技術では不可能な新規の用途が提供される。
【0023】
例えば、本発明は、例えばフィールドなどの"ビデオ"シーンを、ユーザからの要求を待
つことなく、"インタアクティブコマーシャル"へと一時的に置換することを可能にする。
【0024】
好都合には、前記フレームのうちのいくつかは、
− 前記グラフィックシーンの要素を挿入する指令と、
− 前記グラフィックシーンの要素を修正する指令と、
− 前記グラフィックシーンの要素を除去する指令と
を含む群に属する指令のうちの少なくとも1つをも含んでおり、前記構成手段は、前記
更新フレームに関連して、前記シーンを更新する。
【0025】
従って、グラフィックシーンを修正するための操作は、非常に簡単になり、僅かな伝送
リソースしか必要としない。従って、この信号は、低いビット伝送速度のネットワークで
伝送でき、それらを受信するターミナル内に大規模な手段を必要としない。
【0026】
"要素"とは、特に、ノードのオブジェクト、ノードのフィールド、フィールドの値、2
つのフィールドの間の接続、及びシーン全体を意味する。
【0027】
従って、前記の要素を挿入する前記指令は、
− 新オブジェクトを挿入する指令と、
− 既存のフィールド内へ新たな値を挿入する指令と、
− 2つの既存のオブジェクトの2つのフィールドの間の新たな接続("ROUTE")を
挿入する指令と
を含む群に属する要素のうちの少なくとも1つを挿入する指令を含む。
【0028】
同様に、前記の要素を除去する指令は、
− 既存のオブジェクトを除去する指令と、
− 既存のフィールドまたは既存のフィールドの値を除去する指令と、
− 2つの既存のオブジェクトの2つのフィールドの間の既存の接続("ROUTE")を
除去する指令と
を含む群に属する要素のうちの少なくとも1つを除去するための指令を含む。
【0029】
前記の要素を置換する指令は、
− 新オブジェクトにより、既存のオブジェクトを置換する指令と、
− 新フィールドにより、オブジェクトのフィールドを置換する指令と、
− フィールドの値を置換する指令と、
− 2つの既存のオブジェクトの2つのフィールドの間の既存の接続("ROUTE")を
置換する指令と、
− グラフィックシーンを置換する指令と
を含む群に属する前記要素のうちの1つを置換するための指令を含む。
【0030】
本発明の1つの好ましい実施例では、前記指令が、
− 挿入、除去、置換及びグラフィックシーン置換のタイプのうちの少なくともいくつか
のうちの指令のタイプを指定する第1のフィールドと、
− 前記指令タイプに従って、オブジェクト、フィールド、フィールドの値及び接続の要
素のうちの当該タイプの要素を指定する第2のフィールドと、
− 関連する要素を定める第3のフィールドと
を含む。
【0031】
本発明は、このような信号の伝送方法にも関する。この方法は、特に、前記グラフィッ
クシーンを更新するためのフレームの伝送が行われる、グラフィックシーンを更新するス
テップを有し、このステップは、
− 前記グラフィックシーンの要素を挿入する指令と、
− 前記グラフィックシーンの要素を修正する指令と、
− 前記グラフィックシーンの要素を除去する指令と、
− グラフィックシーンを置換するための指令と
を含む群に属する指令のうちの少なくとも1つを有する。
【0032】
同様に、本発明は、少なくとも1つのスクリーン上に示されるグラフィックシーンの再
生のための装置に関し、この装置は、前記グラフィックシーンを更新するためのフレーム
から、前記グラフィックシーンを更新する手段を有し、この手段は、
− 前記グラフィックシーンの要素を挿入する指令と、
− 前記グラフィックシーンの要素を修正する指令と、
− 前記グラフィックシーンの要素を除去する指令と、
− 新グラフィックシーンにより、既存のグラフィックシーンを置換する指令と
を含む群に属する指令のうちの1つを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の他の特徴及び利点は、簡単で説明的であり制限的でない例として与えられた、
本発明の1つの好ましい実施例に関する以下の説明を読むと明らかになるであろう。
【0034】
図1は、例えば、MPEG−4標準に準拠しており、本発明のシーン修正のための信号
又は流れを考慮するターミナルを概略的に示す。このターミナルは、BIFS形式のデー
タの流れ12からもとのシーンを形成する手段11を有している。すなわち、ターミナル
は、グラフィックシーンをロードする。これは、オブジェクト又はノードを用いて記述さ
れている。
【0035】
BIFSシーン描写フォーマットの目的は、1つのシーンにあるいくつかのグラフィッ
クオブジェクトの間の空間・時間関係を記述することにある。これを行うために、BIF
Sフォーマットは、表示したいと望む全てのグラフィック要素(primitives)を表す、あ
る数の"ノード"を定める。
【0036】
ノードは、グラフィック要素を表すエンティティである。例えば、球、円錐、変換など
のノードを定めることができる。ノードのそれぞれは特徴付けフィールドを有し、特徴付
けフィールドはノードの宣言の直後にシーン描写内において伝送される。
【0037】
ノードのいくつかは参照されうるようになっており、単一の識別子がノードと一緒にさ
れる。フィールドのうちのいくつかは、外部から修正することが可能であると宣言されて
おり、他のいくつかは、固定値をとると宣言される。修正可能な値は、本発明の更新メカ
ニズムにより到達することが可能である。
【0038】
最後に、BIFS及びVRMLフォーマットでの描写は、また、複数の"ROUTE"と
称される特別のエンティティを含む。"ROUTE"は、シーン描写言語において、あるシ
ーンの2つのノードの2つのフィールドの間のイベント経路を特定することを可能にする
宣言である。
【0039】
本発明では、これらのノードのうちのいくつかは、修正可能なノードとして宣言され、
これらのノードは、将来、修正することが可能である。これは、VRML内の"DEF"メ
カニズム、及びMPEG−4システム内の同様のメカニズムにより表現できる。
【0040】
一旦、このシーンが、ユーザの要求によりロードされる(インタアクティブモード)か
、又は、自動的にある時点でロードされる(受動モードや"プッシュモード"とも称される
)と、"BIFS更新"と称される更新フレーム13を、必要な場合には、シーンの1つ以
上の要素を修正するためにロードすることができる。
【0041】
修正は、デコーダ14により提供されるが、デコーダ14は、フレーム13を受け取り
、相応する指令を実施する。
【0042】
従って、ユーザに見せる(16)ことが可能である動画画像15が得られる。必要な場
合には、適当なインターフェースを用いてこれに介入(17)できる。この介入は、必要
な場合には、新たな更新を生じさせる。
【0043】
それぞれの更新指令は、次の4つの基本形を有することが可能である。
・ フィールドの挿入。
・ フィールドの修正。
・ フィールドの除去。
・ シーン全体の置換。
【0044】
それぞれの基本的指令は、単一ノード、ベクトルもしくは単一フィールド、又は1つの
"ROUTE"に適用できる。第4の指令は、1つのシーンの完全な置換のために供給され
る。本発明では重要であるこの指令は、より詳細に以下に説明される。
【0045】
従って、次の更新指令が供給される。
挿入指令:
− いくつかのノードの既存のファミリー中へ新しいノードを挿入する("グループ化ノ
ード")。新ノード"NodeId"を挿入しなければならない"グループ化ノード"タイプ
のノードの識別子が供給される。次いで、新ノードを挿入するための3つの選択が、存在
するからである。すなわち、新ノードは、"グループ化ノード"の"チルドレン(children
)"フィールドの終端に挿入されるか、もしくは始端に挿入されるか、又は、そのインデ
ックスIndexによりマーキングされたある特定の位置に挿入される。最後に、挿入す
べき新ノードの値が伝送される。
− マルチプルフィールド内に新たな値を挿入する。修正すべきノードの識別子"Id"
、"fieldNb"によりマーキングされた、この修正が関与するフィールドのインデッ
クスが、供給される。次いで、新たな値を挿入するための3つの選択がなされる。すなわ
ち、新たな値は、マルチプルフィールドの終端かもしくは始端か、又は、そのインデック
スIndexによりマーキングされたある特定の位置に挿入される。最後に、挿入すべき
値が、伝送される。この値は、任意のタイプのための新ノード又は新たな値であることが
可能である。
− 新たな"ROUTE"を挿入する。この"ROUTE"は、"id1"によりマーキング
された開始ノードと、"field1"と呼ばれるフィールドと、所属の識別子"id2"に
よりマーキングされたノードと、このノード内の修正されるべき"field2"との詳細
により特定される。
【0046】
除去指令:
− ノードは、その識別子"id"を提供することにより除去できる。
− インデックス値("idxValue")とも称されるマルチプルフィールドの特定
の値を除去することも可能である。これを行うためには、前述のように、修正すべきノー
ドの識別子idと、"fieldNb"によりマーキングされた更新が関与するフィールド
とが、供給される。最後に、そのインデックスIndexによりマーキングされているか
、又は、それが、マルチプルフィールドの第1のものである事実によりマーキングされて
いるか、又は、それが、マルチプルフィールドの最後のものである事実によりマーキング
されているある1つの位置が伝送される。
− 最後に、1つの"ROUTE"が、その識別子"RouteId"を指示することによ
り除去され得る。
【0047】
値置換指令:
− ノードの識別子"Id"を供給し、次いで、ノードの新たな値を供給することにより
、ノードを置換できる。
− 所与のノードの特定のフィールドは、置換できる。これを行うために、修正される
べきノードの識別子"Id"と、"fieldNb"によりマーキングされた修正に関与する
フィールドとが、それぞれ供給されなければならない。このフィールド自身が、新ノード
、マルチプル値フィールド又は単一値フィールドであることもある。
− マルチプルフィールドの特定の値を更新することも可能である。これを行うために
、更新された"Id"となるべき、ノードの識別子"Id"と、"fieldNb"によりマー
キングされた修正も関与するフィールドとをそれぞれ伝送し、最後に、そのインデックス
"Index"によりマーキングされているか、又は、それが、マルチプルフィールドの第
1のものである事実によりマーキングされているか、又は、それが、マルチプルフィール
ドの最後のものである事実によりマーキングされている位置を伝送する。次いで、フィー
ルドの新たな値が伝送される。
− 最後に、その識別子を伝送し、次いで、先行のパラグラフ内で特定されているよう
に新たな"ROUTE"を伝送することにより、"ROUTE"を更新できる。
【0048】
シーン置換指令:
最後に、単にトータルなシーンの新たな値を与えることにより、シーン全体を置換でき
る。
【0049】
従って、フレーム"BIFS更新"13は、図2の概念図に従って構成できる。フレーム
"BIFS更新"13は、更新指令21と、後続の"継続"インジケータ22とを有し、この
継続インジケータ22は、フレーム内に従うべきさらなる指令が存在しない場合には(例
えば)値"0"を有し、(本例において)そうでない場合には値"1"を有する。
【0050】
基本指令の構文は、例えば、図3に示されているものでありうる。
【0051】
第1のレベル31において、特定のコードが、例えば以下のような4つのタイプの指令
に関連する。
0: 挿入(挿入する)。
1: 除去(除去する)。
2: 置換(置換する)。
3: シーン置換(シーンを置換する)。
【0052】
第2のレベル32において、特定のコードが、関与するそれぞれのタイプの要素に与え
られている。
【0053】
従って、挿入又はクリアのために、以下のものが存在する。
0: オブジェクト(ノード)の挿入。
1: フィールド内への値の挿入(idxValue)。
2: "ROUTE"の挿入。
【0054】
置換のために、以下のものが存在する。
− 0:オブジェクト(ノード)の置換。
− 1: フィールドの置換(FieldValue)。
− 2: フィールドのパラメータの置換(idxValue)。
− 3: "ROUTE"の置換。
【0055】
最後に、第2のレベル33において、当該のそれぞれの要素の正確なパラメータが、ク
リアされる。従って、前述のように、以下のものが指示される。
− オブジェクトの挿入:前述の構造にしたがう、オブジェクトのための新識別子とフ
ィールドのリスト。
− パラメータの挿入: 以下の形での、ノードの識別子(nodeld)及びフィール
ドの識別子(fieldNb)、及び挿入のための位置。
− コード: 0: 開始(第1の値)。
1: 値のインデックス。
2: 終了(最終値)。
−"ROUTE"の挿入: ソースノードの識別子(id1)、ソースノードのフィール
ドの識別子(field1)、目的地ノードの識別子(id2)、目的地ノードのフィー
ルドの識別子(field2)。
− パラメータのクリアリング: ノードの識別子、フィールド、除去のインデックス及
び場合に応じてロケーション。
− オブジェクトの置換: オブジェクトの識別子、オブジェクトの新たな値。
− フィールドの置換: ノード及びフィールドの識別子、フィールドの新たな値。
− パラメータの置換: ノード及びフィールドの識別子、パラメータのインデックス
、新たな値。
− "ROUTE"の置換: "ROUTE"の識別子、ソースノード及びソースフィールド
の識別子、目的地ノード又は目的地フィールドの識別子。
− シーンの置換: 新シーンの値。
【0056】
提案される構造により、2bitのみで第1のレベル31を復号化し、2bitのみで
第2のレベル32を復号化することが可能となることに注意されたい。
【0057】
図4は、本発明による、提案される更新技術の第1の例を示す。初期化すると、ユーザ
41及び42は、アプリケーションサーバ43上で、それらのマルチメディアターミナル
44及び45を介して、互いに接続される。サーバ43は、彼らに、例えばバーチャルシ
ョップを示す。
【0058】
更新サーバ46は、この接続を通報され、これにより、次いで、最新のプロモーション
に関する情報を与えるために、"付加されたオブジェクト"の形で、グラフィック宣伝メッ
セージを伝送できる。付加されたオブジェクトは、次いで、ターミナル上に示されている
シーン内に現れる。同様に、(例えば、販売から引っ込められたオブジェクトに従って)
オブジェクトを除去するか、又は、シーンのいかなる要素でも更新することが可能である

【0059】
図5は、本発明の別の用途、すなわちインタアクティブ授業を示す。この遠隔授業用途
のユーザは、シーンデコーダ52により再生された、ユーザのCD−ROM51から初期
シーンをロードする。
【0060】
次に、ネットワークに接続されている教師又は他の学生により、テーブル53内の新デ
ータが、本発明による"BIFS更新"表示を使用してコースを示すために、現れる。これ
らの新データは、"更新"フローデコーダ54により復号化される。
【0061】
シーン修正データフローの例が、以下に詳細に説明される。この例では、ユーザがオブ
ジェクトをクリックすると、初期時点において動画化された立方体が表示される。そして
、ユーザは1つの球を挿入する。すると、位置の補間(インターポレイション)が変化し
て、この補間が球に対応するものに変更される。最後に、立方体がこのシーンから除去さ
れる。
【0062】
この例は、VRMLフォーマットで与えられているが、そのバイナリーバージョンにお
けるBIFSに容易に転写できる。オリジナルシーンは、以下により与えられる。
DEFT Transform[
translation 0 0-5
children[
DEFTOUCH TouchSensor[ ]
Shape[
appearance Appearance[
material DEFM Material[
]
geometry DEFCUBE Cube[
size 1 1 1
]
]
]
]
DEFTIME TimeSensor
DEFINTER CoorinateInterplator
[
key [0.0,1.0]
keyValue [-505,50-5]
]
ROUTETOUCH.touch Time TO TIME.startTime
ROUTETIME.fraction TO INTER.key Value
ROUTEINTER.value changed TO T.translation
【0063】
次いで、ユーザスキャンが、シーンを以下のように修正する。
.オブジェクト(球)を付加する:
0 挿入指令
0 "グループ化"ノード内のオブジェクトが挿入される
T オブジェクトTが付加される
2 このオブジェクトが終端に付加される
DEF T2 Transform{ 球を含む新ノードは
translation 10 10 0 変換付加される
children[
Shape{
geometry 球{ }



."ROUTE"の修正
2 値置換指令
4 ROUTEの置換
2 ルート2が、置換される(ファイル内の第3番目)
INTER ノード"inter"にルートする
3 フィールド番号3(変化された値)
T2 変換T2
7 Transformノードの翻訳
【0064】
従って、動画化が、この時点で、新たな挿入球へと向けられる。
.オブジェクト(立方体)の除去
1 除去指令
2 ノードの除去
CUBE 立方体がシーンから除去される。
【0065】
前述のように、本発明の本質的な新規性は、別のシーンによる、現時点のシーンの置換
のための指令の使用と、このような指令の必要性の発見とにあり、単一シーン上でとられ
たアクションのみを考慮している従来の方法と異なるものである。
【0066】
簡単化された用途では、さらに、このシーン置換指令は、使用されるただ1つのもので
あることに留意されたい。
【0067】
本発明の技術("BIFS更新" )を用いることにより、(テレビジョンチャネル内へ
のように)任意の時点でシーン修正フロー内へ接続できる。次いで、シーン置換指令はア
クセスポイントとなり、アクセスポイントは、フローに対してランダムである(このこと
は、ビデオ内の"イントラ"フレームのそれに比較できる)。
【0068】
この置換指令により、例えば、ディジタルテレビジョンのための放送用途、"インター
ネット"上の"マルチキャスト"技術、及び、特に、"プッシュ型"サービスと称されるサー
ビスなどの公知の技術に関連して、非常に広範囲な用途に関連して、本発明の信号を使用
できる。本発明は"プル型"タイプサービスなどに適用可能である。
【0069】
図6は、宣伝放送に関連する1つの例である。BIFSシーンの形で描写された新たな
インタアクティブコマーシャルのシーン62により、ビデオシーン61(フィルム)を一
時的に置換することが望まれている。
【0070】
シーン置換指令RS63により、新たなシーンをユーザに強制的に(ユーザ側でのいか
なるアクションも無しに)示すことができる。新たなシーン置換指令RS64により、ビ
デオシーン(又は新しいシーン)に戻ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明を実施する一般的原理を示す図である。
【図2】本発明による更新フレームの構造を概略的に示す図である。
【図3】図2のフレームの基本的指令の意味を詳細に示す図である。
【図4】本発明に係る技術を使用する第1の例を示す図である。
【図5】本発明に係る技術を使用する第2の例を示す図である。
【図6】本発明のシーン置換指令を使用する例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末のスクリーン上に表示されるグラフィックシーンを変更する方法であって、グラフ
ィックシーンはグラフィックオブジェクトの集合からなっており、グラフィックオブジェ
クトは、グラフィックシーンに対応してスクリーン上に表示すべき画像を構成するよう前
記端末において使用されるものであり、グラフィックオブジェクトのそれぞれはフィール
ドにより定義されており、
前記方法は、グラフィックシーンを修正するためのデータ信号を伝送するステップを含
み、
該データ信号は、グラフィックシーンの更新ためのフレームを含み、該フレームは、新
たなグラフィックシーンによって既存のグラフィックシーンを置換する置換指令を含むこ
とを特徴とする方法。
【請求項2】
端末のスクリーン上に表示されるグラフィックシーンを変更する方法であって、グラフ
ィックシーンは、フィールド内のパラメータによって規定されたグラフィックオブジェク
トの集合からなっており、グラフィックオブジェクトは、スクリーン上にグラフィックシ
ーンを表示するために前記端末により用いられるものであり、
前記グラフィックシーンを変更するためのデータ信号を受信するステップであって、該
データ信号は前記グラフィックシーンを更新するためのフレームを含み、ここで、該フレ
ームは、新たなグラフィックシーンにより既存のグラフィックシーンを置換するための置
換指令を含むものであるステップと、
該置換指令に基づき、前記端末が既存のグラフィックシーンを置換して新たなグラフィ
ックシーンをスクリーン上に表示するステップと
を含んでなる方法。
【請求項3】
端末のスクリーン上に表示されるグラフィックシーンを変更する方法であって、グラフ
ィックシーンは、フィールド内のパラメータによって規定されたグラフィックオブジェク
トの集合からなり、グラフィックオブジェクトは、スクリーン上にグラフィックシーンを
表示するために該端末により用いられるものであり、
グラフィックシーンの変更を指示するためのフレームを含むデータ信号を送信するステ
ップを含んでなり、
該フレームに含まれており、既存のグラフィックシーンの置換を指令する置換指令に基
づき、前記端末が既存のグラフィックシーンを置換して新たなグラフィックシーンをスク
リーン上に表示することができる方法。
【請求項4】
端末のスクリーン上に表示されるグラフィックシーンを変更するためにデータ信号を受
信して処理する方法であって、グラフィックシーンがグラフィックオブジェクトの集合か
らなっており、グラフィックシーンのそれぞれがフィールドにより定義されており、グラ
フィックオブジェクトは、グラフィックシーンに対応して前記スクリーン上に表示すべき
画像を構成するために前記端末において使用されるものであり、
前記データ信号は、前記グラフィックシーンを更新するためのフレームを含み、ここで
、該フレームのあるものは、新たなグラフィックシーンによって既存のグラフィックシー
ンを置換する置換指令を含んでおり、
前記データ信号を受信するステップと、
前記置換指令を処理して、単一の指令の結果として、既存のグラフィックシーンを削除
して新たなグラフィックシーンの全体を表示するステップと
を含んでなる方法。
【請求項5】
前記置換指令を含むフレームが、
グラフィックシーンの要素を挿入する指令と、
グラフィックシーンの要素を修正する指令と、
グラフィックシーンの要素を除去する指令と
からなる群に属する指令のうちの少なくとも1つをも含み、 前記端末が、前記フレー
ムに関連して、グラフィックシーンを更新することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載の方法。
【請求項6】
前記要素を挿入する指令が、
新たなオブジェクトを挿入する指令と、
既存のフィールド内へ新たな値を挿入する指令と、
2つの既存のオブジェクトの2つのフィールドの間の新たな接続を挿入する指令と
からなる群に属する指令のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項5に記
載の方法。
【請求項7】
前記要素を除去する指令が、
既存のオブジェクトを除去する指令と、
既存のフィールド内の値を除去する指令と、
2つの既存のオブジェクトの2つのフィールドの間の既存の接続を除去する指令と
を含む群に属する指令のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項5又は6
に記載の方法。
【請求項8】
前記要素の置換指令が、
新たなオブジェクトにより、既存のオブジェクトを置換する指令と、
新たなフィールドにより、オブジェクトのフィールドを置換する指令と、
フィールドの値を置換する指令と、
2つの既存のオブジェクトの2つのフィールドの間の既存の接続を置換する指令と、
グラフィックシーンを置換する指令と
を含む群に属する指令のうちの1つであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに
記載の方法。
【請求項9】
前記置換指令が、
挿入、除去、置換及びグラフィックシーン置換のうちのどのタイプかを指定する第1の
フィールドと、
指定された指令のタイプに従って、オブジェクト、フィールド、ベクトルフィールドの
値及び接続という要素のうちのどの要素であるかを指定する第2のフィールドと、
当該要素を定義する第3のフィールドと
を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
スクリーン上に表示されるグラフィックシーンを変更するためのデータ信号を処理する
端末であって、グラフィックシーンはグラフィックオブジェクトの集合からなっており、
グラフィックオブジェクトのそれぞれはフィールドにより定義されており、グラフィック
オブジェクトは、グラフィックシーンに対応して前記スクリーン上に表示される画像を構
成するために前記端末において使用されるものであり、前記データ信号は、グラフィック
シーンの修正のためのフレームを含み、該フレームのあるものが、新たなグラフィックシ
ーンによって既存のグラフィックシーンを置換するための置換指令を含み、
ある単一の指令の結果として、前記既存のグラフィックシーンを削除して前記新たなグ
ラフィックシーンの全体を表示するために、前記置換のために前記指令を受信して処理す
る手段を含むものである端末。
【請求項11】
端末のスクリーン上に表示されるグラフィックシーンを変更する方法であって、グラフ
ィックシーンは少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの集合からなっており、グラ
フィックオブジェクトのそれぞれはフィールドにより定義されており、グラフィックオブ
ジェクトは、グラフィックシーンに対応して前記スクリーン上に表示される画像を構成す
るために前記端末において使用されるものであり、
前記グラフィックシーンの変更を指示するためのフレームを含むデータ信号の伝送を含
み、
ここで、該フレームのあるものが、ある単一の指令をもって、既存のグラフィックシー
ンを削除して新たなグラフィックシーンの全体を供給するように、新たなグラフィックシ
ーンによって既存のグラフィックシーンを置換する置換指令を含むものである方法。
【請求項12】
端末のスクリーン上に表示されるグラフィックシーンを変更する方法であって、グラフ
ィックシーンはグラフィックオブジェクトの集合からなっており、グラフィックオブジェ
クトのそれぞれはフィールドにより定義されており、グラフィックオブジェクトは、グラ
フィックシーンに対応して前記スクリーン上に表示される画像を構成するために前記端末
において使用されるものであり、
前記グラフィックシーンの変更を指示するためのフレームを含むデータ信号の伝送を含
み、
ここで、該フレームのあるものが、新たなグラフィックシーンによって既存のグラフィ
ックシーンを置換する置換指令を含んでおり、前記端末からの要求なしに端末に該置換指
令を送ることができるものである方法。
【請求項13】
端末のスクリーン上に表示されるグラフィックシーンを変更する方法であって、グラフ
ィックシーンはグラフィックオブジェクトの集合からなっており、グラフィックオブジェ
クトのそれぞれはフィールドにより定義されており、
グラフィックオブジェクトは、グラフィックシーンに対応してスクリーン上に表示され
る画像を構成するために前記端末において使用されるものであり、
前記グラフィックシーンの変更を指示するためのフレームを含むデータ信号の伝送を含
み、
ここで、該フレームのあるものが、新たなグラフィックシーンによって既存のグラフィ
ックシーンを置換する置換指令を含んでおり、ランダムなアクセスポイントとなって、ど
の瞬間においても前記データ信号が前記端末に達することができるように、該置換指令の
少なくとも1つが既存のグラフィックシーンに対応するデータを含んでいるものである、
方法。
【請求項14】
端末のスクリーン上に表示されるグラフィックシーンを変更する方法であって、グラフ
ィックシーンはグラフィックオブジェクトの集合からなっており、グラフィックオブジェ
クトのそれぞれはフィールドにより定義されており、グラフィックオブジェクトは、グラ
フィックシーンに対応して前記スクリーン上に表示される画像を構成するために前記端末
において使用されるものであり、
前記グラフィックシーンを修正するためのデータ信号の伝送を含み、
該データ信号は、前記グラフィックシーンを更新するためのフレームを含んでおり、こ
こで、該フレームは、
前記グラフィックシーンの要素を挿入する指令と、
前記グラフィックシーンの要素を修正する指令と、
前記グラフィックシーンの要素を除去する指令と、
新たなグラフィックシーンにより既存のグラフィックシーンを置換することと、
の中から排他的に選択された指令を含むものである方法。
【請求項15】
4つのタイプの前記指令が2ビットで符号化されている請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記置換指令の少なくとも1つが、いつでも前記データ信号に端末を接続することがで
きるようにするランダムアクセスポイントとなるように、前記既存のグラフィックシーン
に対応するデータを含んでいる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−187586(P2009−187586A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125467(P2009−125467)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【分割の表示】特願2004−360540(P2004−360540)の分割
【原出願日】平成10年7月10日(1998.7.10)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【出願人】(500020450)
【Fターム(参考)】