説明

グラフデータ編集方法及び情報表示端末装置

【目的】 表示しようとする銘柄の値動き及び売買高に応じて表示の都度表示スケールを設定し、グラフの表示エリアを有効に使って株価等の値動きや売買高の変動状況を分かり易くグラフ表示することができるグラフデータ編集方法及び情報表示端末装置を提供する。
【構成】 データ編集手段23eが、複数日分の日足データの最高値と最安値から最高値タイトル、センター値タイトル、最安値タイトルを特定し、最高値タイトルと最安値タイトルをグラフ表示の最大値と最小値とするスケールでローソク足の日足チャートグラフデータを編集すると共に、複数日分の日足データの売買高の最大値から売買高タイトルを特定し、売買高タイトルをグラフ表示の最大値とするスケールで売買高を日毎の棒グラフデータを編集するグラフデータ編集方法及び情報表示端末装置である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、株式相場等のディーリング業務用データを受信して、株価等をグラフ表示させるグラフデータ編集方法及び情報表示端末装置に係り、特に、選択された表示銘柄の値動き及び出来高に応じて、その都度表示スケールを設定し、グラフの表示エリアを有効に使って、株価や出来高の変動状況を分かりやすくグラフ表示することができるグラフデータ編集方法及び情報表示端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】株価等の情報を伝達する情報伝達システムとしては、図15に示すようなものがあった。図15は、情報伝達システムのシステム構成ブロック図である。図15に示すように、情報伝達システムは、全国の証券取引所で刻々と変化する株価や、各種ニュース等の情報をコンピュータ処理するコンピュータセンタ1と、コンピュータセンタ1での処理結果を各地の利用者へ配信する通信回線3と、利用者の近傍に配置され、配信された株価等の情報を通知する情報表示端末装置2′と、通信回線3の途中にあってコンピュータセンタ1から受信したデータを中継するとともに入力回線の信号を複数の出力回線に分岐する分岐装置4とから構成されている。
【0003】上記情報伝達システムにおいて用いられる従来の情報表示端末装置2′について、図16を用いて説明する。図16は、従来の情報表示端末装置2′の構成ブロック図である。従来の情報表示端末装置2′としては、コンピュータセンタ1から送られてくる株価情報等の取引情報を受信する受信手段21と、情報を表示する表示部22と、受信手段21で受信した取引情報を編集して表示部22へ送り出す制御部23′と、表示する銘柄のコード入力等を行うキーボード24とから構成されるものがあった。
【0004】上記構成の従来の情報表示端末装置2′では、受信手段21で受信された株価情報等の取引情報を制御部23′が編集加工して、表示部22において表示するようになっていた。
【0005】ここで、上記従来の情報表示端末装置2′における表示例について図17を用いて説明する。図17R>7は、従来の情報表示端末装置における表示例の説明図である。株価等の値動きを示す表示方法としては、1日の取引における値動きを4本値、つまり1日の始値、高値、安値、引値に基づいたローソク足で表し、このローソク足を、縦軸を価格、横軸を日付とする座標上にプロットした日足チャートグラフ(以下、単に「日足チャート」とする)で表示する方法がある。また、出来高(売買高)の推移を示すには、縦軸を売買高、横軸を日付として、1日毎の出来高を棒グラフで表した日足売買高棒グラフがあった。
【0006】従来の情報表示端末装置2′における表示では、図17に示すように、株価の値動きを表す日足チャートと、売買高の推移を表す日足売買高棒グラフとを1画面上で表示させた日足グラフがあった。従来の日足グラフでは、横軸の日付を共通として、画面の上部に日足チャートを、画面の下部に日足売買高棒グラフを表示させ、一定期間(ここでは20日間)の株価及び出来高の推移を表示するようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の情報表示端末装置では、表示させる日足グラフのスケールが定型となっているため、株価等の値動きや売買高が小さい場合には、グラフ上での変化が小さくなって、変動状況が分かりにくいという問題点があった。
【0008】本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、表示しようとする銘柄の値動き及び売買高に応じて表示の都度表示スケールを設定し、グラフの表示エリアを有効に使って株価や出来高の変動状況を分かりやすくグラフ表示することができるグラフデータ編集方法及び情報表示端末装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、グラフデータ編集方法において、通信回線を介して伝送される証券・金融の取引情報を受信して蓄積し、複数日分の取引情報の値動きの最高値と最安値からグラフ表示の縦方向に対する中心となるセンター値を算出して最高値タイトル、センター値タイトル及び最安値タイトルを特定し、前記最高値タイトル及び前記最安値タイトルをグラフ表示の最大値と最小値として、前記複数日分の取引情報における日毎の値動きを始値、高値、安値、引値の4本値によるローソク足の日足チャートで表示するグラフデータを前記各タイトルが付加された形態で編集することを特徴としている。
【0010】上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、請求項1記載のグラフデータ編集方法において、複数日分の取引情報の日毎の売買高の最大値から売買高タイトルを特定し、前記売買高タイトルをグラフ表示の最大値として、前記複数日分の取引情報における日毎の売買高を日毎の棒グラフで表示するグラフデータを前記売買高タイトルが付加された形態で編集することを特徴としている。
【0011】上記従来例の問題点を解決するための請求項3記載の発明は、情報表示端末装置において、証券・金融の取引情報を受信する受信手段と、グラフ表示を行う表示手段と、前記受信した取引情報を複数日分蓄積し、前記複数日分の値動きの最高値と最安値からグラフ表示の縦方向に対する中心となるセンター値を算出して最高値タイトル、センター値タイトル及び最安値タイトルを特定し、前記最高値タイトル及び前記最安値タイトルをグラフ表示の最大値と最小値として、前記複数日分の取引情報における日毎の値動きを始値、高値、安値、引値の4本値によるローソク足の日足チャートで前記表示手段に表示するグラフデータを前記各タイトルが付加された形態で編集すると共に、前記複数日分の取引情報の日毎の売買高の最大値から売買高タイトルを特定し、前記売買高タイトルをグラフ表示の最大値として、前記複数日分の取引情報における日毎の売買高を日毎の棒グラフで前記表示手段に表示するグラフデータを前記売買高タイトルが付加された形態で編集する制御手段とを有することを特徴としている。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明によれば、複数日分の取引情報の値動きの最高値と最安値から最高値タイトル、センター値タイトル、最安値タイトルを特定し、最高値タイトルと最安値タイトルをグラフ表示の最大値と最小値として、取引情報の日毎の値動きを4本値によるローソク足の日足チャートで表示するグラフデータを前記各タイトルが付加された形態で編集するグラフデータ編集方法としているので、複数日分の取引情報の値動きを日足チャートの表示範囲全体に各タイトルを付加して表示させることができ、グラフ表示を見易くできる。
【0013】請求項2記載の発明によれば、複数日分の取引情報の日毎の売買高の最大値から売買高タイトルを特定し、売買高タイトルをグラフ表示の最大値として、日毎の売買高を日毎の棒グラフで表示するグラフデータを前記売買高タイトルが付加された形態で編集するグラフデータ編集方法としているので、複数日分の取引情報の売買高を棒グラフの表示範囲全体にタイトルを付加して表示させることができ、グラフ表示を見易くできる。
【0014】請求項3記載の発明によれば、制御手段で、複数日分の取引情報の値動きの最高値と最安値から最高値タイトル、センター値タイトル、最安値タイトルを特定し、最高値タイトルと最安値タイトルをグラフ表示の最大値と最小値として、取引情報の日毎の値動きを4本値によるローソク足の日足チャートで表示手段に表示するグラフデータを各タイトルが付加された形態で編集すると共に、複数日分の取引情報の日毎の売買高の最大値から売買高タイトルを特定し、売買高タイトルをグラフ表示の最大値として、日毎の売買高を日毎の棒グラフで表示手段に表示するグラフデータを売買高タイトルが付加された形態で編集する情報表示端末装置としているので、複数日分の取引情報の値動きを日足チャートの表示範囲全体に各タイトルを付加して表示させることができ、更に複数日分の取引情報の売買高を棒グラフの表示範囲全体にタイトルを付加して表示させることができ、グラフ表示を見易くできる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例のグラフデータ編集方法及び情報表示端末装置は、選択された表示銘柄及び表示対象期間中の最高値、最安値、及び出来高に基づいて、独自の表示スケールを設定し、設定したスケールに従って日足グラフを作成することにより、銘柄の値動きや出来高の変化を分かり易くグラフ表示するものである。
【0016】図1は、本発明の一実施例に係る情報表示端末装置の構成ブロック図である。本実施例の情報表示端末装置は、図15に示した情報伝達システムにおいて用いられるものであり、基本的な構成は図16に示した従来の情報表示端末装置と同様で、図1に示すように、コンピュータセンタ1からの取引情報を受信する受信手段21と、情報を表示する表示部22と、データを編集して表示部22へ出力する制御部23と、表示する銘柄のコード入力等を行うキーボード24とから構成されている。ここで、受信手段21、表示部22及びキーボード24は従来と同様のものであり、制御部23内部の構成及び動作が従来とは異なっている。尚、請求項3における受信手段が受信手段21に相当し、表示手段が表示部22に相当し、制御手段が制御部23に相当している。
【0017】本実施例の情報表示端末装置の特徴部分である制御部23は、取引情報を格納する取引情報テーブル23aと、受信手段21からの情報を逐次取引情報テーブル23aに書き込むデータ記憶手段23bと、1日の取引終了後に取引情報テーブル23aから日足データを読み取って日足データテーブル23cに格納する記憶更新手段23dと、日足データを格納する日足データテーブル23cと、キーボード24からの日足グラフ表示指示入力により日足データの編集を行い、スケールを設定してグラフデータを作成するデータ編集手段23eと、グラフデータを格納するグラフデータ記憶部23fと、グラフデータ記憶部23fからグラフデータを読み取って表示部22へ出力する表示制御手段23gとから構成されている。
【0018】次に、本実施例の情報表示端末装置の制御部23内部の各部について、図1及び図2を用いて具体的に説明する。図2(a)は、株式の取引情報テーブル23aの模式説明図であり、図2(b)は、株式の日足データテーブル23cの模式説明図である。取引情報テーブル23aは、図2(a)に示すように、特定種別の銘柄毎に最新の取引情報を格納しておくテーブルで、具体的には取引の日時と、その日の始値と、高値と、安値と、現在値と、その時点までの売買高とを格納するものである。本実施例では、データ記憶手段23bが、受信手段21から受け取った取引情報に基づいて、逐次、取引情報テーブル23aの該銘柄における取引情報を更新するようにしている。また、ここでは、取引情報テーブル23aとして株式の例を示したが、株式以外のCB、WB、WT等についても株式と同様の形式のテーブルが設けられている。
【0019】また、日足データテーブル23cは、図2(b)に示すように、日足グラフを作成するのに必要なデータ(日足データ)を格納するテーブルであり、具体的には銘柄毎のテーブルに日付と、その日の始値と、引値と、高値と、安値と、売買高とを日足データとして蓄積して格納している。尚、日足データテーブル23cは、記憶更新手段23dによって1日の取引終了時にその日の日足データが格納されるようになっている。
【0020】そして、グラフデータ記憶部23fは、表示しようとする銘柄の銘柄名や日足チャートのスケール情報やグラフデータ、そして日足売買高棒グラフのスケール情報やグラフデータ等の表示データを格納する部分である。
【0021】次に、データ記憶手段23bは、受信手段21から送出される取引情報を受け取り、該取引情報の銘柄で取引情報テーブル23aを参照して、対応する取引情報を更新する手段である。
【0022】そして、記憶更新手段23dは、1日の取引が終了すると起動され、取引情報テーブル23aから銘柄毎に取引情報を読み取って、該銘柄に対応する日足データテーブル23cのエリアに、日付と日足データを書き込む手段である。具体的には、取引情報テーブル23aから始値、高値、安値、売買高のデータを読み取って、日足データテーブル23cの始値、高値、安値、売買高エリアに書き込み、更に取引終了時点で取引情報テーブル23aに格納されている「現在値」がその日の「引値」に相当するので、取引情報テーブル23aの「現在値」を日足データテーブル23cの「引値」に格納するようになっている。
【0023】尚、図2(b)では、株式の例について示しているが、株式以外のCB、WB、WT等についても同様に、種別に対応した取引情報テーブル23aから取引終了時点のデータを読み取って、対応する日足データテーブル23cに格納するものである。
【0024】また、データ編集手段23eは、キーボード24から日足グラフを表示する種別及び銘柄が入力されると、日足データテーブル23cから当該銘柄に対応する表示対象日数分の日足データを読み込み、読み込んだ日足データに基づいて日足グラフ(日足チャート及び日足売買高棒グラフ)のスケールを設定し、そのスケールに従ってグラフデータを編集作成し、グラフデータ記憶部23fに出力する手段である。
【0025】具体的には、本実施例では表示対象日数を20日としており、データ編集手段23eは、まず、指定された銘柄の過去20日分の日足データから、その間の最高値及び最安値を判定し、該最高値及び最安値から日足チャートの最高値タイトルと、最安値タイトル及びセンター値タイトルを算出する。最高値タイトル、センター値タイトル、最安値タイトルは、20日間の株価等の値動きの変動幅を、グラフの縦方向の表示エリアを一杯に使って分かりやすく表示させるためのスケールを設定するものであり、株価等の最高値、平均値、最安値の目安となる数値である。そして、データ編集手段23eは、算出した各タイトルによって決定されるスケールに基づいて株価の推移を示す日足チャートのグラフデータを編集作成して、グラフデータ記憶部23fに出力する。
【0026】また、データ編集手段23eは、過去20日間の期間の売買高のデータから最大値を判定し、その最大値からそ期間の最大売買高の目安となる売買高タイトルを算出し、売買高タイトルで決定されるスケールにより、売買高の推移を示す日足売買高棒グラフのグラフデータを編集作成して、グラフデータ記憶部23fに出力する。そして、データ編集手段23eは、作成した日足チャートと日足売買高棒グラフのグラフデータを日足グラフデータとしてグラフデータ記憶部23fに格納し終わると、表示制御手段23eに表示指示を出力するようになっている。
【0027】そして、表示制御手段23gは、編集手段23eからの表示指示で起動され、グラフデータ記憶部23fから日足グラフデータを読み取って、表示部22に出力して日足グラフを表示させるものである。
【0028】すなわち、本実施例の情報表示端末装置は、表示しようとする銘柄の過去20日間の最高値と最安値、及び売買高の最大値に基づいて、最高値タイトル、最安値タイトル、センター値タイトル、売買高タイトルの各価格タイトルを算出し、算出された価格タイトルに基づいた独自のスケールを設定し、該スケールに従って日足グラフ(日足チャートと日足売買高棒グラフ)を表示させることにより、グラフの表示エリアを有効に使ってグラフ表示を行い、株価等の値動きや、出来高の推移を見易く表示させるものである。
【0029】次に、本実施例の情報表示端末装置のデータ編集手段23eにおける動作の詳細について、図3を使って説明する。図3は、本実施例の情報表示端末装置のデータ編集手段23eの処理の流れを示すフローチャート図である。
【0030】本実施例の情報表示端末装置のデータ編集手段23eにおける処理は、まず、キーボード24から日足グラフを表示する銘柄種別(種別)と銘柄名を入力し(100)、該銘柄種別、銘柄名で特定される銘柄の日足データの読込処理を行う(102)。ここで、日足データ読込処理は、処理100で入力された銘柄種別と銘柄名で特定される銘柄で日足データテーブル23cを参照し、銘柄に対応するテーブルから表示対象日数分(本実施例では20日分)の日足データを読み込み、データ編集手段23e内部のワークエリアに格納しながら、読み込んだ日足データ中の高値の最大値(最高値)と、安値の最小値(最安値)と、売買高の最大値とを求める処理である。
【0031】次に、表示する種別が「株式」であるかどうか判断し(104)、種別が「株式」でない場合は株式以外の日足チャート価格タイトル編集処理を行い(106)、種別が「株式」である場合は株式の日足チャート価格タイトル編集処理を行う(108)。尚、株式以外の日足チャート価格タイトル編集処理と株式の日足チャート価格タイトル編集処理の詳細は後述する。
【0032】そして、処理106又は処理108終了後は、日足売買高棒グラフ価格タイトル編集処理を行い(110)、最後に日足グラフデータの作成処理を行う(112)。尚、日足売買高棒グラフ価格タイトル編集処理の詳細は後述する。
【0033】また、日足グラフデータの作成処理は、処理106の株式以外の日足チャート価格タイトル編集処理、又は処理108の株式の日足チャート価格タイトル編集処理、及び処理110の日足売買高棒グラフ価格タイトル編集処理で求めた最高値タイトル、センター値タイトル、最安値タイトル、及び売買高タイトルの値に基づいてスケールを設定し、そのスケールでローソク足グラフ及び日足売買高棒グラフのグラフデータを作成しグラフデータ記憶部23fに格納する処理である。ここで、特定の値(タイトル)に基づいてスケールを設定し、そのスケールでグラフデータを作成するような処理は、一般的な処理であるので、詳細な説明は省略する。
【0034】上記のようなるデータ編集手段23eにおける処理の結果、例えば図4のような日足グラフが表示される。図4は、本実施例の情報表示端末装置における株式の日足グラフの表示例の説明図である。本実施例の情報表示端末装置で表示する日足グラフは、図4に示すように、従来と同様に上部の日足チャート表示エリアと、下部の日足売買高棒グラフ表示エリアとから構成されている。
【0035】そして本実施例における日足グラフの特徴は、表示する日数分(図4では20日分)の日足データから、株式の日足チャート価格タイトル編集処理によって求められた最高値タイトルとセンター値タイトルと最安値タイトルとを日足チャートの左に表示している点である。そして更に、最高値タイトルと最安値タイトルが日足チャートにおける表示範囲(表示エリア)の最大値と最小値になっており、従って、株価の値動きを示す各日付のローソク足グラフが日足チャート表示エリアいっぱいに表示されることになる。
【0036】また、本実施例の日足グラフでは、日足売買高棒グラフ価格タイトル編集処理で求めた売買高タイトルを日足売買高グラフの右に表示するようにしている。尚、売買高タイトルは、売買高の最大値の上1桁を示す数値部と、残りの桁を示す単位部上位と、銘柄種別毎の基本単位を示す単位部下位とから構成され、その表示方法は、数値部(図4では「8」)を日足チャートと日足売買高グラフの境界線の右に表示し、単位部上位(図4では「十万」)と単位部下位(図4では「株」)とを漢字で日足売買高棒グラフの右に表示するようになっている。
【0037】そして更に、売買高タイトルが日足売買高棒グラフにおける表示範囲(表示エリア)の最大値になっており、従って、売買高を示す各日付の棒グラフが日足売買高棒グラフ表示エリアいっぱいに表示されることになる。
【0038】次に、図3のデータ編集手段23eの処理の流れを示すフローチャート図に示した処理108の株式の日足チャート価格タイトル編集処理の詳細について、図5、図6、図7を用いて説明する。図5は、本実施例の株式の日足チャート価格タイトル編集処理の制御方法を示すフローチャート図であり、図6は、価格タイトルの基準を示す説明図であり、図7は、価格タイトルの単位を示す説明図である。
【0039】株式の日足チャート価格タイトル編集処理が開始されると、データ編集手段23eは、まず、日足データ読込処理(図3の処理102)で求めた最高値、最安値からセンター値=(最高値+最安値)÷2の式を用いてセンター値を求め(200)、センター値を補正して補正センター値を求めるセンター値補正処理を行う(202)。
【0040】ここで、センター値補正処理とは、図6に示した価格タイトルの基準に従って算出したセンター値を補正するもので、株式の場合は原則として図6の項番1に相当し、センター値を呼値に基づく有効桁数に丸める処理を行うものである。呼値に基づく丸め処理とは、具体的には、図7に示すように、呼値の上3桁を有効とし、残りの桁(左から4桁目以降)がゼロ(0)でない場合は、切り上げて左から3桁目に1を加算することにより補正センター値を求める処理である。但し、算出したセンター値の左から4桁目以降がゼロ(0)の場合は、そのままセンター値を補正センター値とするものである。
【0041】具体的な例(第1の具体例)で説明すると、最高値=1,200,000、最安値=1,110,000の場合、センター値は1,155,000となる。これを補正すると、左から4桁目以降が0でないため切り上げて補正センター値を1,160,000とするものである。
【0042】次に、処理202で決定した補正センター値と、図3の処理102の日足データ読込処理で求めた最安値から、(補正センター値−最安値)+補正センター値=最高値の式で最高値を再計算し(204)、更に最高値を補正して補正最高値を求める最高値補正処理を行う(206)。
【0043】ここで、最高値補正処理とは、センター値の補正と同様に、再計算した最高値の上3桁を有効とし、残りの桁(左から4桁目以降)がゼロ(0)でない場合は、切り上げて左から3桁目に1を加算することにより補正最高値を求める処理である。但し、再計算した最高値の左から4桁目以降がゼロ(0)の場合は、そのまま再計算した最高値を補正最高値とするものである。
【0044】上記第1の具体例で引き続いて説明すると、補正センター値=1,160,000、最安値=1,110,000の場合、再計算した最高値は1,210,000となる。この値は、左から4桁目以降がゼロ(0)の場合で補正する必要がなく、このままこの値を補正最高値とするものである。また、別の具体例(第2の具体例)として、最高値=1,200,000、最安値=70の場合、センター値は600,035となる。これを補正すると、左から4桁目以降が0でないため切り上げて補正センター値が601,000となる。補正センター値と最安値から、最高値を再計算すると最高値=1,201,930となり、これを補正して、補正最高値=1,210,000となる。
【0045】次に、処理202で決定した補正センター値と、処理206で決定した補正最高値から、補正センター値−(補正最高値−補正センター値)=最安値の式で最安値を再計算し(208)、再計算した最安値がマイナスかどうか判断し(210)、再計算した最安値がマイナスでない場合は、そのまま再計算した最安値を補正最安値とし(212)、再計算した最安値がマイナスの場合は、補正最安値をゼロ(0)とし(214)、補正最高値÷2の式で補正センター値を再計算する(216)。
【0046】上記第1の具体例では、補正センター値=1,160,000、補正最高値=1,210,000から、再計算した最安値=1,110,000となり、そのまま補正最安値=1,110,000となる。一方、第2の具体例では、補正センター値=601,000、補正最高値=1,210,000となり、最安値を再計算すると、最安値=−8,000でマイナスの値であるから、補正最安値=0として、補正センター値を再計算し、補正センター値=605,000となる。
【0047】そして、処理212又は処理216終了後、補正最高値を最高値タイトルとし、補正センター値をセンター値タイトルとし、補正最安値を最安値タイトルとしてグラフデータ記憶部23fに格納し(220)、株式の日足チャートタイトル編集処理を終了する。上述したように、株式の日足チャートの価格タイトルが編集され、以降、編集された価格タイトルに基づいて日足チャートデータが作成され、最終的に表示部22に日足チャートが表示されるものである。
【0048】尚、本実施例では株式の日足チャートの価格タイトルの編集を、図6の項番1に基づいて処理したが、図6の項番2の指数先物や指数オプションや指数先物オプション等と同様に表示の有効桁を1の位として整数表示するようにしても構わない。
【0049】次に、図3のデータ編集手段23eの処理の流れを示すフローチャート図に示した処理110の日足売買高棒グラフ価格タイトル編集処理の詳細について、図8、図9を用いて説明する。図8は、日足売買高棒グラフ価格タイトル編集処理の流れを示すフローチャート図であり、図9は、売買高の基本単位を示す説明図である。日足売買高棒グラフ価格タイトル編集処理は、まず、日足データ読込処理(図3の処理102)で求めた売買高の最大値の補正処理を行う(300)。ここで、売買高の最大値の補正処理とは、最大値の最上位桁を有効とし、残りの桁(左から2桁目以降)がゼロ(0)でない場合は、切り上げて最上位桁に1を加算することにより補正最大値を求める処理である。但し、売買高の最大値の左から2桁目以降がゼロ(0)の場合は、そのまま最大値を補正最大値とするものである。
【0050】次に、補正最大値の最上位桁の数字を売買高タイトルの数値部としてグラフデータ記憶部23fに格納し(302)、補正最大値の最上位桁以外を漢字で表したものを売買高タイトルの単位部上位としてグラフデータ記憶部23fに格納し(304)、表示する銘柄の種別に対応した図9に示す基本単位を単位部下部としてグラフデータ記憶部23fに格納し(306)、日足売買高棒グラフ価格タイトル編集処理を終了する。
【0051】具体的な例で説明すると、最大値=801,000の場合、左から2桁目以降がゼロ(0)でないので切り上げて補正最大値=900,000とし、売買高タイトルの数値部が「9」となり、単位部上位が「十万」となり、株式であれば単位部下部が「株」となり、日足チャートと日足売買高棒グラフとの境界線の右に「9」を表示し、日足売買高棒グラフの右に「十万株」を表示することになる。
【0052】次に、図3のデータ編集手段23eの処理の流れを示すフローチャート図に示した処理106の株式以外の日足チャート価格タイトル編集処理の詳細について、図10と図11〜図14を使って説明する。図10R>0は、本実施例の株式以外の日足チャート価格タイトル編集処理の制御方法を示すフローチャート図であり、図1111〜図14は、ローソク足の価格タイトルの求め方を説明する説明図である。
【0053】本実施例の株式以外の日足チャート価格タイトル編集処理が開始されると、データ編集手段23eは、日足データ読込処理(図3の処理102)で求めた最高値と最安値について最高値=最安値かどうか判定する(401)。最高値=最安値であれば、図11に示すように、最高値タイトルをスペースとし、センター値タイトルを最高値(又は最安値でもよい)とし、最安値タイトルをスペースとして各価格タイトルをグラフデータ記憶部23fに格納する処理を行い(402)、処理を終了する。つまり、処理402は、センターのみ価格タイトルを表示するものである。
【0054】処理401で最高値=最安値でなければ、最高値、最安値よりセンター値を求める演算を行う(403)。この演算は、センター値=(最高値+最安値)÷2の式を用いて行うものである。
【0055】次に、処理403で求めたセンター値が、図6に示す表示の有効桁数を超えたかどうか判定する(404)。有効桁数を超えるとは、例えば、CBは小数点第二位までが表示の有効桁であるので、上記演算式で演算して求めたセンター値が小数点第三位の桁を有する値となった時のことを言うものである。
【0056】そして、処理404でセンター値が有効桁数を超えなかった場合には、図12に示すように、最高値タイトルを最高値とし、センター値タイトルをセンター値とし、最安値タイトルを最安値として各価格タイトルをグラフデータ記憶部23fに格納する処理を行い(405)、処理を終了する。
【0057】また、処理404でセンター値が有効桁数を超えた場合には、センター値が有効桁数となるように値の切上げを行う(406)。そして、切上げたセンター値が最高値と等しくなったかどうか(センター値=最高値)を判定する(407)。
【0058】処理407で、センター値=最高値であれば、図13に示すように、最高値タイトルを最高値とし、センター値タイトルをスペースとし、最安値タイトルを最安値として各価格タイトルをグラフデータ記憶部23fに格納する処理を行い(408)、処理を終了する。つまり、処理408は、センターの価格タイトルは表示しないものである。
【0059】また、処理407で、センター値=最高値でなければ、センター値(処理406で切上げられたセンター値)と最安値の差分より最高値を補正する(409)。この処理409の補正は、図14に示すように、例えば、特定の期間(20日間)の「最高値=111,最安値=100」とすると、処理403でセンター値を算出すれば、「105.5」となり、処理404の判定で有効桁数を超えているため、処理406によりセンター値の切上げを行って「106」になったとする。すると、処理409では、{センター値+(センター値−最安値)}の式を用いてセンター値と最安値の差額から最高値を計算すると、「最高値=112」に補正されるものである。
【0060】そして、最高値タイトルを補正した最高値とし、センター値タイトルを切上げしたセンター値とし、最安値タイトルを最安値として各価格タイトルをグラフデータ記憶部23fに格納する処理を行い(410)、処理を終了する。上述したように、株式以外の日足チャートの価格タイトルが編集され、以降、編集された価格タイトルに基づいて日足チャートデータが作成され、最終的に表示部22に日足チャートが表示されるものである。
【0061】本実施例のグラフデータ編集方法及び情報表示端末装置によれば、制御部2のデータ編集手段23eが過去20日分の最高値と最安値、及び売買高の最大値に基づいて、最高値タイトル、最安値タイトル、センター値タイトル、売買高タイトルの各価格タイトルを算出してスケールを設定し、該スケールに従って日足チャートと日足売買高棒グラフから成る日足グラフデータを作成するようにしているので、表示する銘柄の値動きや売買高に合わせた独自のスケールで日足グラフを表示させることができ、表示エリア全体を有効に使って、株価等の値動きや売買高の推移を見易く表示させることができる効果がある。
【0062】特に、本実施例の株式の日足チャートの価格タイトル編集処理によれば、株価の最高値と最安値とから各価格タイトルを算出する際に、呼値に基づいて各値(最高値、センター値、最安値)の上位3桁を有効桁として補正しながら各タイトルを求め表示し、更にその価格タイトルに基づくスケールで日足チャートを表示するので、価格タイトルから値動きの大まかな傾向を一目で認識しやすく、更に株価等の値動きを表示エリア全体を有効に使って見易く表示させることができる効果がある。
【0063】また、本実施例の日足売買高棒グラフ価格タイトル編集処理によれば、売買高の最大値を上1桁に切り上げて補正し、補正最大値の上1桁を示す数値部と、残りの桁及び基本単位とを示す単位部とで売買高タイトルを表示し、更にその売買高タイトルに基づくスケールで日足売買高棒グラフを表示するので、売買高タイトルから売買高最大値の大まかな傾向を一目で認識しやすく、更に売買高の推移を表示エリア全体を有効に使って見易く表示させることができる効果がある。
【0064】本実施例の株式以外の日足チャートの価格タイトル編集処理によれば、特定期間の価格の変動を日足チャートのグラフ一杯の表示となるように価格タイトルを編集するようにしているので、情報表示端末装置の画面内で株価以外の価格の動向を容易に認識できる効果がある。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、複数日分の取引情報の値動きの最高値と最安値から最高値タイトル、センター値タイトル、最安値タイトルを特定し、最高値タイトルと最安値タイトルをグラフ表示の最大値と最小値として、取引情報の日毎の値動きを4本値によるローソク足の日足チャートで表示するグラフデータを各タイトルが付加された形態で編集するグラフデータ編集方法としているので、複数日分の取引情報の値動きを日足チャートの表示範囲全体に各タイトルを付加して表示させることができ、グラフ表示を見易くでき、複数日分の取引情報の値動きを容易に把握できる効果がある。
【0066】請求項2記載の発明によれば、複数日分の取引情報の日毎の売買高の最大値から売買高タイトルを特定し、売買高タイトルをグラフ表示の最大値とし、日毎の売買高を日毎の棒グラフで表示するグラフデータを売買高タイトルが付加された形態で編集するとグラフデータ編集方法としているので、複数日分の取引情報の売買高を棒グラフの表示範囲全体にタイトルを付加して表示させることができ、グラフ表示を見易くでき、複数日分の取引情報の売買高を容易に把握できる効果がある。
【0067】請求項3記載の発明によれば、制御手段で、複数日分の取引情報の値動きの最高値と最安値から最高値タイトル、センター値タイトル、最安値タイトルを特定し、最高値タイトルと最安値タイトルをグラフ表示の最大値と最小値として、取引情報の日毎の値動きを4本値によるローソク足の日足チャートで前記表示手段に表示するグラフデータを前記各タイトルが付加された形態で編集すると共に、複数日分の取引情報の日毎の売買高の最大値から売買高タイトルを特定し、売買高タイトルをグラフ表示の最大値として、日毎の売買高を日毎の棒グラフで表示手段に表示するグラフデータを売買高タイトルが付加された形態で編集する情報表示端末装置としているので、複数日分の取引情報の値動きを日足チャートの表示範囲全体に各タイトルを付加して表示させることができ、更に複数日分の取引情報の売買高を棒グラフの表示範囲全体にタイトルを付加して表示させることができ、グラフ表示を見易くでき、複数日分の取引情報の値動き及び売買高を容易に把握できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る情報表示端末装置の構成ブロック図である。
【図2】(a)は、取引情報テーブル23aの模式説明図であり、(b)は、株式の日足データテーブル23cの模式説明図である。
【図3】本実施例の情報表示端末装置のデータ編集手段23eの処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】本実施例の情報表示端末装置における株式の日足グラフの表示例の説明図である。
【図5】本実施例の株式の日足チャート価格タイトル編集処理の制御方法を示すフローチャート図である。
【図6】価格タイトルの基準を示す説明図である。
【図7】価格タイトルの単位を示す説明図である。
【図8】日足売買高棒グラフ価格タイトル編集処理の流れを示すフローチャート図である。
【図9】売買高の基本単位を示す説明図である。
【図10】本実施例の株式以外の日足チャート価格タイトル編集処理の制御方法を示すフローチャート図である。
【図11】ローソク足の価格タイトルの求め方を説明する説明図である。
【図12】ローソク足の価格タイトルの求め方を説明する説明図である。
【図13】ローソク足の価格タイトルの求め方を説明する説明図である。
【図14】ローソク足の価格タイトルの求め方を説明する説明図である。
【図15】従来の情報表示端末装置を用いた情報伝達システムのシステム構成ブロック図である。
【図16】従来の情報表示端末装置の構成ブロック図である。
【図17】従来の情報表示端末装置における表示例の説明図である。
【符号の説明】
1…コンピュータセンタ、 2…情報表示端末装置、 3…通信回線、 4…分岐装置、 21…受信手段、 22…表示部、 23…制御部、 24…キーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】 通信回線を介して伝送される証券・金融の取引情報を受信して蓄積し、複数日分の取引情報の値動きの最高値と最安値からグラフ表示の縦方向に対する中心となるセンター値を算出して最高値タイトル、センター値タイトル及び最安値タイトルを特定し、前記最高値タイトル及び前記最安値タイトルをグラフ表示の最大値と最小値として、前記複数日分の取引情報における日毎の値動きを始値、高値、安値、引値の4本値によるローソク足の日足チャートで表示するグラフデータを前記各タイトルが付加された形態で編集することを特徴とするグラフデータ編集方法。
【請求項2】 複数日分の取引情報の日毎の売買高の最大値から売買高タイトルを特定し、前記売買高タイトルをグラフ表示の最大値として、前記複数日分の取引情報における日毎の売買高を日毎の棒グラフで表示するグラフデータを前記売買高タイトルが付加された形態で編集することを特徴とする請求項1記載のグラフデータ編集方法。
【請求項3】 証券・金融の取引情報を受信する受信手段と、グラフ表示を行う表示手段と、前記受信した取引情報を複数日分蓄積し、前記複数日分の値動きの最高値と最安値からグラフ表示の縦方向に対する中心となるセンター値を算出して最高値タイトル、センター値タイトル及び最安値タイトルを特定し、前記最高値タイトル及び前記最安値タイトルをグラフ表示の最大値と最小値として、前記複数日分の取引情報における日毎の値動きを始値、高値、安値、引値の4本値によるローソク足の日足チャートで前記表示手段に表示するグラフデータを前記各タイトルが付加された形態で編集すると共に、前記複数日分の取引情報の日毎の売買高の最大値から売買高タイトルを特定し、前記売買高タイトルをグラフ表示の最大値として、前記複数日分の取引情報における日毎の売買高を日毎の棒グラフで前記表示手段に表示するグラフデータを前記売買高タイトルが付加された形態で編集する制御手段とを有することを特徴とする情報表示端末装置。

【図1】
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【図4】
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【図7】
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【図11】
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【図2】
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【図6】
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【図8】
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【図12】
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【図13】
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【図3】
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【図14】
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【図15】
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【図5】
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【図9】
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【図16】
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【図17】
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【図10】
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