説明

グラフトポリマーポリオールの濾過方法

グラフトポリオール分散液を濾過するための、インデックス濾過方法が開示されている。この方法は、経済的な手段で大量のグラフトポリオール分散液を迅速に濾過することを可能にする。この方法は高度に自動化することが可能である。結果物である濾過されたグラフトポリオール分散液は、主に25ミクロンの粒子又はより小さい粒子を有し、そして変化させた条件下で少なくとも9週間安定であった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してポリオール分散液の濾過のための方法に関し、及び特に、グラフトポリオール分散液の濾過のためのインデックス濾過方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グラフトポリオールは、通常、ポリエーテルポリオール中のビニルポリマーの分散体として定義されており、そして一般に特許文献1(米国.Reissue、No.Re.33291)に開示されているように、ポリマーポリオールとして公知である。グラフトポリオールの形成は、通常、マクロマーとして知られている誘導不飽和(induced unsaturation)を有するポリエーテルポリオール、及びエチレン不飽和のモノマー又はエチレン不飽和のモノマーの混合物を、担体ポリオール、反応調整剤、及び遊離基重合開始剤存在下で現場(in situ)重合させることを含む。グラフトポリオール分散液の微視的な試験は、グラフトポリオール分散液が多くの好ましい小粒子を含んでいることを明らかにし、これら好ましい微視的な粒子は、一般に直径で0.1〜2.5ミクロンの範囲の粒子径を有している。しかしながら、グラフトポリオール分散液は、一般に直径で0.04〜100.0ミクロンの範囲の粒子も含む。非常に大きい粒子は望ましくない。グラフトポリオールは、フォームに有利な特性を与えるので、ポリウレタンのフォーム製造装置に非常に有用である。これらの望ましい特徴の多くは、グラフトポリオール分散液に見られる所望の粒子径の粒子によるものである。
【0003】
グラフトポリオール分散液の不利な点の一つは、グラフトポリオール分散液を製造する過程で、大きな粒子及び粒子の大きな凝集がしばしば形成されることであり、両者は、これらグラフトポリマーからフォームを製造するのに用いられる、一般的なポリウレタンのフォーム製造装置において大きな不具合の原因となると考えられている。この問題は、ポリウレタンのフォーム(foam)のために、二酸化炭素を発砲剤として使用する時に特に重要になる。二酸化炭素のフォーム製造装置の発砲ヘッドは、一般的な水吹き込み、アセトン吹き込み、塩素化フルオロカーボンフォーム製造発砲装置の発砲ヘッドよりも許容誤差が小さい。塩素化フルオロカーボン発砲剤が、環境的に与えるダメージ(米国合衆国においてフルオロカーボン発砲剤を禁止する環境上の規則が規定されるという結果になっている)が、最近重要になってきているので、この二酸化炭素発砲装置は特に有用である。
【0004】
大きな粒子、及びグラフトポリオール粒子の大きな凝集により、フォーム製造装置に与える不具合を緩和するために、通常、グラフトポリオールをフォーム製造装置で使用する前にグラフトポリオールを予備濾過する。フォーム製造装置で使用する前の一般的な処置において、グラフトポリオールには、少なくともいくつかの濾過工程が必要であると経験上考えられている。グラフトポリオールは、分配(distribution)してフォームを製造するために、貯蔵タンクからタンカートラック又は鉄道車両に移す時にしばしば濾過される。グラフトポリオールが鉄道車両又はタンカートラックから、フォーム製造所の設備におろされる時に、第2の濾過がしばしば実施される。グラフトポリオールがフォーム製造装置に入る時に、第3の濾過がしばしば実施される。グラフトポリオールについて、大部分の二酸化炭素吹き込みフォーム製造装置において良好に実施するために、グラフトポリオールを付加時間だけ、一般には4時間余分に、フィルタを詰まらせることなしに、二酸化炭素フォーム製造装置の予備濾過(pre-filter)に通すことが必要である。これらのフィルタは、通常、Hennecke−Bayer製、及びBeamech machines製のNovaflexが約100ミクロンの孔径を有し、及びCannon−Viking,machines製のCardioが150ミクロンの孔径を有している。一般に、予備濾過は、この予備濾過の全域の圧力降下が約70psigに達した時に切り替えられる(switch)が、フォームの製造において、これら予備濾過の回数を可能な限り少なくすることが好ましい。
【0005】
グラフトポリオールの濾過には、いくつかの困難があるが、この困難は部分的にはグラフトポリオールの粒子の特性のためである。第一に、グラフトポリオール分散液から、必要以上に大きい粒子だけを除去する必要があるが、しかし、上述した小さい粒径の粒子は、有益な特性を提供するので、望ましい小さい粒子径の粒子は除去する必要がない。濾過されたグラフトポリオール分散液は、より小さい粒子径の粒子の除去を最小限にして、主に25ミクロン以上の粒径を有する粒子を除去することが最も好ましい。第2に、分散液中の担体ポリオールは、その特性により粘性(viscous)があり、そしてグラフトポリオール粒子がグラフトポリオール分散液をより粘ちょうにする。グラフトポリオール分散液は非常に粘着性(sticky)を有するものでもある。第3に、グラフトポリオール粒子は、粘性を減少させるために用いられる濾過温度で変形可能になる傾向を有し、このため、圧力下でグラフトポリオール粒子が変形可能になり、グラフトポリオール粒子が一般的なフィルタ媒体を急速にふさぐか、あるいは、たとえ粒子径が孔径よりも大きい場合であっても、粒子が規定された孔径の一般的なフィルタ媒体を通過する。本発明において、二酸化炭素発砲装置の予備濾過(上述したように、通常、100〜150ミクロンの範囲の孔径を有している)における詰まりを最小にするためには、最大平均径が、約15〜75ミクロンの範囲の流れ孔を有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を使用することが好ましく、平均径が15〜50ミクロンの範囲の流れ孔を有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を使用することが最も好ましく、及び発砲ヘッド(foam head)において連続した操作を確実にするのに十分であることが見出された。本明細書及び請求項に使用されている平均流れ孔径は、フィルタの全領域の半分を試料のない状態(sample free)とするために開放することが必要な最小の孔の直径として定義されている。このための試験は、ASTM Method F−316に規定されている。公称25ミクロンの孔径を通って濾過される物質が、100〜150ミクロンのより大きい孔を有するフィルタ媒体を実際にふさぐという現象は、より粗い媒体の孔の全域にわたって、橋かけ状態(bridge)となるか、又は塊を形成する傾向があることによるものであり、大きな粒子、粒子の大きな凝集、及び粒子の粘着性によって促進されると考えられている。濾過媒体をふさぐという結果になる橋かけ現象は、よく知られた公知の現象であり、濾過に関する多くの参照文献に記載されている。更に、粗いスクリーンにおける、この閉塞(ふさぎ)傾向は、濾過媒体の孔よりも大きく、濾過媒体を変形して通過する粒子、及び粒子の凝集によっても促進され得る。過去において、グラフトポリオールのための濾過方法は、直列に並んだスクリーンフィルタ、バグフィルタ、及びカートリッジフィルタを含んでいた。しかしながら、上述の理由により、これらの方法の全ては、一般にグラフトポリオールの分散液において、非実用的であるという欠点を有している。これらは、グラフトポリオールによって、むしろ速くつまる傾向があり、濾過装置を止めて、ふさがったフィルタを除去し、又はフィルタから障害物を取り除き、又はフィルタを交換し、そして濾過装置を再度組み立てるのは困難であり、時間がかかるものである。一般に、このようなフィルタの閉塞(ふさぎ)を回避するために、これらは、最も粗い部分を取り去る最初の段階、次に物質の他のより細かい量(cut)を除去する第2の微細段階を有する段階に段階化される。この段階化は、全般的にフィルタ媒体の交換頻度を減少させるが、しかし、大半の領域において交換の必要のあるものとなる。ある場合では、グラフトポリマーを濾過するのに、自己洗浄型のフィルタが使用されることもあり得る。これら、Ronningen−Petter,Inc製等の自己洗浄型のフィルタは、ワイパーを有しており、ワイパーは、円筒状の濾過スクリーンを連続的に掃除し、閉塞を回避するものであり、そして、フィルタは、補足されて蓄積した物質を定期的に取り除く。通常、これらの装置は、二酸化炭素吹き込みフォーム製造装置に適当な生成物を提供するために、十分に微細なスクリーンを使用しない。これらの装置が微細なスクリーンを有している場合、それらは、低いスループット、粒子を変形させ媒体を通過させる高い圧力降下を有するようになり、そして、ふさがれるスクリーンを頻繁に洗浄する必要がしばしば生じる。多くのグラフトポリオールにとって、それらは事実上、非実用的である。
【0006】
【特許文献1】U.S.再発行、No.Re.33291
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した不具合のため、グラフトポリオールを適当な寸法(粒径)に迅速に濾過すること、装置の有意なスループット、フィルタ媒体の容易な交換、及び、濾過されたグラフトポリオール分散液の長期間にわたる安定性を許容するグラフトポリオールの濾過方法を開発することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の概要
第1の実施の形態では、本発明は、以下の、第1の貯臓器及び第2の貯臓器を有するインデックス濾過装置を設け、厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設け、第1の貯臓器とフィルタ媒体の間に、液漏防止シールを形成し、第1の貯臓器にグラフトポリオール分散液を導入し、グラフトポリオール分散液が第1の貯蔵器からフィルタ媒体を通過した後、グラフトポリオール分散液を第2の貯臓器に受け、及び、厚さ方向濾過フィルタ媒体の使用した第1の部分を、第1の貯臓器及び第2の貯臓器の間から移動させ、そして厚さ方向濾過フィルタ媒体のきれいな第2の部分を、第1の貯臓器及び第2の貯臓器の間に位置させる、工程を含む、グラフトポリオールのインデックス濾過方法である。
【0009】
第2の実施の形態では、本発明は、以下の、第1の貯臓器及び第2の貯臓器を有するインデックス濾過装置を設け、15〜75ミクロンの平均流れ孔径を有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設け、第1及の貯臓器とフィルタ媒体の間に、液漏防止シールを形成し、第1の貯臓器にグラフトポリオール分散液を導入し、グラフトポリオール分散液を、フィルタ媒体を通過させ、そして、グラフトポリオール分散液が第1の貯蔵器から、フィルタ媒体を通った後に、グラフトポリオール分散液を第2の貯臓器に受け、厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分を、第1の貯臓器及び第2の貯臓器の間から移動させ、そして厚さ方向濾過フィルタ媒体の第2の部分を、第1の貯臓器及び第2の貯臓器の間に位置させる、工程を含む、グラフトポリオールのインデックス濾過方法である。本発明は、濾過媒体の厚さ方向濾過方式を活用するので、厚さ方向濾過機構を経た最も小さい孔径よりも小さい粒子のいくらかも除去する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のこれら及び他の特徴及び有利な点は、好ましい実施の形態の詳細な記載により、当業者にとってより明確になる。詳細な説明に伴う図面は以下に説明されている。
【0011】
図面の簡単な説明
図1は、本発明に従うインデックス濾過装置の概略断面図である。
【0012】
好ましい実施の形態の詳細な説明
本発明は、インデックス濾過装置を単一段階で使用したグラフトポリオールを濾過する方法を包含する。一般的なインデックス濾過装置では、フィルタ媒体の一部が機械装置(通常、動力化したベルト又はローラであるが、)により濾過領域全体の位置に移動される。インデックス濾過装置は、一般に、第1の貯蔵器及び第2の貯蔵器を含み、フィルタ媒体がこの2個の貯蔵器の間に配置されている。濾過媒体が定位置におかれると、第1の貯蔵器はフィルタ媒体に対してシールされ、フィルタ媒体を有する液漏防止シールが形成される。一般に、第2の貯蔵器を覆う穿孔板もフィルタ媒体に対してシールされ、フィルタ媒体と液漏防止シールが形成されるが、しかしこれは必ずしも必要なことではない。濾過されるべきグラフトポリオール分散液は、次に第1の貯蔵器に導入され、そして、駆動力(driving force)として液体水位(liquid head)を用いて、分散液をフィルタ媒体を通過させる。一般には、フィルタ媒体が閉塞(plug)を開始し、これにより濾過の速度が遅くなったために、フィルタ媒体を通過する通過速度が、第1の貯蔵器への供給速度よりも遅くなる時に、第1の貯蔵器を分散液で満たし始める。このことが発生する前に、使用者が分散液を第1の貯蔵器に導入し続けることができる時間の長さは、分散液とフィルタ媒体に依存して変わる。この分散液を導入する期間は、非常に短時間にすることが可能であり、あるいは、分散液の粘性が過度に高くなく、そして濾過性が良好であれば、長い時間作動させることが可能である。第1の貯蔵器が満たされるに従い、気体が分散液上で圧縮されるので、装置に加わる圧力は上昇を開始する。この圧力増加は装置によって検知され、そして第1の貯蔵器への供給が自動的に停止される。その時点で、付加的な圧力が第1の貯蔵器に残留する分散液に付与され、これにより、分散液をフィルタ媒体を通過させて第2の貯蔵器内に集める。一般に、加圧は、空気又は窒素を活用し、1平方インチ当たり20〜150ポンドの圧力(psi)で行われる。濾過されるべき分散液の大部分がフィルタ媒体を通過すると、「ブレークスルー」すなわち、第1の貯蔵器から分散液がなくなってしまうことによる急速な減圧が起こる。ブレークスルーの次に、インデックス濾過装置は、乾燥時間サイクル(drying time cycle)に入り、このサイクルでは、可能な限り多量の分散液をフィルタ媒体を通過させるために、気体の圧力を上昇することがある。乾燥サイクルの後、付加された気体圧力が停止され、そして、通気孔バルブ(vent valve)を開けることにより過剰の圧力が開放される。第1の貯蔵器がフィルタ媒体から取り外され、そしてフィルタ媒体が移動され、又はスライドされ(index)、フィルタ媒体のきれいな未使用の部分が、第1の貯蔵器と第2の貯蔵器との間に供給され、そして濾過サイクルが繰り返される。濾過の間、濾過媒体がふさがれ、そして、分散液がフィルタ媒体上に捕捉される場合、ブレークスルーは起こらない。気体圧力は、その最大圧力のままであり、そして、それ以上は気体は入らない。長い乾燥サイクル時間と称される期間が経過すると、一般に、この装置はこのこと(ふさがれたこと)を検知し、そして、通気孔バルブが通気管上で開けられる。過剰の分散液は、通気管を経て第1の貯蔵器から排出され、そして後の再循環のためにチャンバーに集められる。時として、インデックス濾過装置は、巻き取りローラ上にスクレーパーを含むが、このスクレーパーは、使用済みのフィルタ媒体のためのもので、フィルタ媒体の表面上の、濾過されなかった分散液の一部を、この装置を通って再循環させるために回収するものである。グラフトポリオール分散液を用いる場合のように、回収した分散液が高価であり、分散液が明確な粘性を有する場合、これは重要である。この回収した分散液が必要以上に大きい(oversize)粒子を多く含むので、インデックス濾過装置で再度濾過する前に、一般に一定の方法で、粗く(coarsely)濾過することが必要であり、又は、この回収した分散液を、非二酸化炭素吹き込みのフォーム製造(foaming application)で扱う必要がある。一般的なインデックス濾過装置(index filtration system)は、高度に自動化されており、分散液の濾過性が変化した時に、供給量及び乾燥サイクルを自動的に調整することがしばしば可能であり、迅速なサイクルタイムを有し、そして特に本発明に有用である。
【0013】
本発明に従うインデックス圧力濾過装置を簡単に表した概略断面図が、図1の符号10で概略的に示されている。装置10は、封水表面23を有する第1の貯蔵器20、及び第2の貯蔵器22を含んでいる。任意に、第2の貯蔵器は、穿孔板27を有する。フィルタ媒体制御装置(assembly)は概略的に符号24で示されている。制御装置24は、一般に、きれいなフィルタ媒体の供給源26を通常ロールの状態で含んでいる。制御装置24は、きれいなフィルタ媒体28を第1の貯蔵器20と第2の貯蔵器22との間に供給し、そして、存在する場合、板27によって支持されている。制御装置24は、符号30で概略的に示されている、使用済フィルタ媒体収集器を含んでいる。一般にフィルタ媒体28は、モーター駆動ベルトによって、又は使用済フィルタ媒体の収集器30に備えられたモーターによって運ばれる。ベルト(図示せず)が使用される場合、通常、使用済フィルタ媒体34は、ゆっくり収集容器に落とされる。一般には、使用済フィルタ媒体収集器30に備えられたモーターが使用され、収集器30は、制御装置24が使用済媒体34を蓄積するのに使用するローラ32を含んでいる。使用済フィルタ媒体収集器30は、任意にスクレーパー装置36も含んでいても良く、このスクレーパー装置36は、使用済フィルタ媒体34に対して傾いており、第3の貯蔵器38に集めるために、濾過されなかったグラフトポリオール分散液を使用済フィルタ媒体34の表面からこすり取るものである。一般的な制御装置24において、きれいなフィルタ媒体28の迅速なスライドを提供する、少なくとも一個のモーター(図示せず)によって、きれいなフィルタ媒体の供給源26及び使用済フィルタ媒体収集器30が、装置10において操作される。使用済フィルタ媒体34を収集するための各方法が本発明に適当であるが、しかし、ベルト装置が使用された場合、使用済フィルタ媒体34は、その表面から分散液を回収するために、かぎとりが実施(scrape)されることはない。
【0014】
引込ライン44は、バルブ46を通って、第1の貯蔵器20に濾過されるべきグラフトポリオールを供給する。ガス引込管48は、バルブ50を通って引込ライン44に結合されており、加圧した気体を供給する。装置10は更に、回収又は通気管52を含んでおり、通気管52は、未濾過のグラフトポリオール分散液を回収するためのもので、第1の貯蔵器20の底部に非常に近接しており、通気口バルブ54及びポンプ60を通って引込ライン44に結合されている。第3の貯蔵器38は、管40を通って、他の収集トーチ(torch)(図示せず)に結合されている。これは、その過程で濾過され(course filter)、そして装置10に送られるようにすることが可能であり、又はより需要の低い他のフォーム製造装置で使用することが可能である。第1の貯蔵器は、フィルタ媒体28がつまりつつある時に圧力の増加を検知する、圧力変換器62を含む。
【0015】
更に装置10は、第1の貯蔵器20を第2の貯蔵器に対し、矢印21で示したように動かすための、貯蔵器制御機構25を含む。制御機構25は、公知の種々の機構のいずれをも含むことができ、第1の貯蔵器20を上昇又は下降させるための気体式の機構、第1の貯蔵器20を上昇又は下降させるための水力学的機構、又は、第1の貯蔵器20を上昇又は下降させるためのギア機構を含む。このような装置は広範囲で使用できる。
【0016】
図1に示された設計は、第1と第2の貯蔵器20、22が互いに対して動かないようにする変更が可能である。むしろ、通常、液体で満たされたシールが2個の貯蔵器の間に配置され、そして、加圧されて、フィルタ媒体28と第1の貯蔵器20との間にシールを形成することが好ましい。シールが減圧される場合フィルタ媒体28の張力は開放され、フィルタ媒体28は自由に動き、そして動力化したロール又はベルトによってスライドされ得る。これら種々の選択枝を有する(alternative)インデックス圧力濾過装置は、Filtra Syatems Company Hills、Michigan,米国製のものが入手できる。
【0017】
当業者は、他のインデックス濾過装置を使用して、グラフトポリオール分散液が高度に濾過され得ることを認識するであろう。十分に高い濾過性を有するグラフトポリオール分散液では、高度に濾過された分散液を得るために、フィルタ媒体28全体に対して必要とされる圧力降下を、14.7psig未満とすることができ、この間、濾過速度は速く、及びフィルタ媒体の使用量は十分に少ない。この分散液は真空インデックス濾過装置で濾過されることが可能であり、濾過のための駆動力はフィルタ媒体28を通って吸引して真空にする力である。この種類の装置において、濾過される分散液は、フィルタ媒体の一方側の第1の貯蔵器に含まれており、そして、フィルタ媒体はフィルタ媒体の反対側の第2の貯蔵器に対してシールされる。第2の貯蔵器は真空状態にある。この実施の形態において、分散液は、真空によって第2の貯蔵器に吸引され、そして装置の系外に置かれる。フィルタ媒体が、部分的に閉塞(block)した場合、第2の貯蔵器における真空度が上昇し、装置がこの変化を検知し、そして、フィルタ媒体のスライドを始める。これら装置の有利な点は、通常、図1に示したインデックス圧力装置10よりも、費用がかからないということである。再度、特定のグラフトポリオール分散液と、真空インデックス濾過装置用のフィルタ媒体とを結合させることができるかを、当業者は決定することができる。このような真空インデックスシステムは、例えば、Henry Filter Company, Incorporated of Bowling Green, Ohio, USA 及びFiltra Systems Company of Farmington Hills, Michgan,USA製のものがある。
【0018】
装置10の操作において、この方法の第1段階として貯蔵器制御機構25は、第1の貯蔵器を第2の貯蔵器から離れるように移動させる。バルブ42、50及び54が閉められる。このフィルタ媒体制御装置24は、きれいなフィルタ媒体28を第1の貯蔵器20と第2の貯蔵器22との間に進める。使用済のフィルタ媒体収集器30は、使用済フィルタ媒体34をローラ32に集める。そして、貯蔵器制御機構25は、第1の貯蔵器20をきれいなフィルタ媒体28に対して移動させ、封水表面23に対して液漏防止シール状態にする。
【0019】
液漏防止シールは、この技術分野で公知のように、シール表面23上において水圧、空気等で膨脹させることが可能な袋(inflatable bladder)、又は他のシールによって達成される。あるいは、制御機構25は、第1の貯蔵器20がそれ自身と第2の貯蔵器22との間に、きれいなフィルタ媒体28を液体が漏れない状態にしっかりとクランプするように、充分な圧力を第1の貯蔵器20上に作用させるようにして良い。グラフトポリオール分散液が、引込ライン44及びバルブ46を通過して第1の貯蔵器20に導入した時、供給サイクルが開始し、そして分散液のレベルが上昇し始め、第1の貯蔵器20を満たす。分散液は、重力と、第1の貯蔵器20における頭隙損失による圧力増加との両方によって、フィルタ媒体28を通過して、第2の貯蔵器22に移る。第1の貯蔵器20における分散液のレベルは、フィルタ媒体28のつまりのために、やがて上昇を開始し、その結果、第1の貯蔵器20を更に満たし始める。これが発生すると、やがて第1の貯蔵器20内で、予め設定された圧力に達し、そしてバルブ46が閉まる。任意に、分散液は、事前に設定された圧力に到達するまでではなく、予め設定された時間だけ導入することが可能である。バルブ50が開かれると、ガス引込管48を通って、第1の貯蔵器20内で、気体圧力がグラフトポリオール分散液に付与される。この時点で、ガス引込管48に由来する圧力によって、グラフトポリオール分散液はきれいなフィルタ媒体28を通って、第2の貯蔵器22に移される。これは、最初の乾燥サイクルと称される。グラフトポリオールの大部分がフィルタ媒体28を通過して、第2の貯蔵器22に移った時、突然圧力が降下する「ブレークスルー」が起こる。この圧力降下は、装置10によって検知され、そして最終的な乾燥サイクルに入り、一定時間、バルブ50が開かれた状態で保持され、これにより最後に残ったグラフトポリオールを、フィルタ媒体28を通過して第2の貯蔵器22に押出す。通気口バルブ54又は回収バルブ54が開かれ、そして、第1の貯蔵器20内に残っている、いくらかの圧力が開放される。分散液がフィルタ媒体28上にある(trap)場合、すなわち、ブレークスルーが起こらない場合、それは回収管52を経て除去される。排出された物質は、分離された収集容器、又はかき取られたものが集められる貯蔵器38内に集められることが可能である。乾燥サイクルが完了した後、第1の貯蔵器20が、フィルタ媒体28との液漏れ防止連結から、一般には第1の貯蔵器20を上昇することにより移動され、そして、フィルタ媒体制御装置24によりきれいなフィルタ媒体28を、第1の貯蔵器20と第2の貯蔵器22との間の位置に合わせる(index)。使用済のフィルタ媒体34は、上述のように、使用済フィルタ媒体収集器30によって収集される。スクレーパー装置36は、第3の貯蔵器38に収集するために、未濾過のグラフトポリオールを使用済フィルタ媒体34の上部から除去する。
【0020】
適当なフィルタ媒体28の選択は、本発明の効率化のために非常に重要である。本発明の使用において、フィルタ媒体28は、表面濾過(surface filtration)又はケーキ濾過(cake filtration)とは異なる厚さ方向濾過(depth filtration)ができるように選択される。表面濾過装置において、フィルタ媒体は通常、明確に規定された一定の孔径を有し、及びしばしば単繊維の単一層織布メッシュである。表面フィルタ媒体は、孔径よりも大きい粒子を漉し取り、及び孔径よりも小さい粒子の通過のみを許容する作用をする。このような濾過媒体は、本発明におけるグラフトポリマーによってより急速に隙間を埋められ、又はふさがれると考えられる。従って、表面濾過型のフィルタ媒体は、本発明には不適当である。ケーキ濾過装置は、フィルタ媒体の表面上に粒子の塊が蓄積するものである。事実、濾過を実際に行うのは、フィルタ媒体の表面上に蓄積する粒子の塊である。
【0021】
これに対し、厚さ方向濾過が可能なフィルタ媒体28は、通常、不織布複数層物質、又はニードルフェルト物質である。本発明のためには非実用的であるが、深い砂の床が同様の原理で機能する。粒子それ自体が媒体28を通る流路又は孔よりも非常に小さくても、粒子が媒体28の厚さ(depth)内に捕捉され、捕捉された時に厚さ方向濾過が起こる。この濾過の明確な機構は複雑であり、そしてフィルタ媒体28の孔の壁と粒子との引力(attraction)、隣接した粒子間の引力、ファンデアワールス力による引力、及び他の種類の表面張力を含む。厚さ方向濾過は、充分なスループットを供給するのに充分に大きな孔を有するフィルタ媒体28を使用し、同時に、フィルタ媒体28の寸法よりも小さい粒子を孔壁に捕捉し及び分散液から除去することを可能にするものを使用する。孔径よりも大きい寸法の粒子が、フィルタ媒体28の表面上にしぼり出される。本発明のフィルタ媒体28の他の重要な構成要素は、フィルタ媒体28が、厚さ方向濾過のための充分な時間を与えるために充分な厚さを有していることである。本発明において、厚さ方向濾過フィルタ媒体28のための重要な要素は、それが15〜75ミクロン、及びより好ましくは15〜50ミクロンの平均流れ孔径、及び充分な厚さを有することである。以下に記載したように、これは、より大きい平均流れ孔径を有するより厚いフィルタ媒体28、又はより小さい平均流れ孔径を有するより薄いフィルタ媒体28によって達成される。
【0022】
広範囲にわたる多様なグラフトポリオールと共に使用することが有用と分かっている、一連のフィルタ媒体28は、Crystal Filtration Company製 Crystal 2220である。フィルタ媒体28、Crystal 2220は、不織布の、ウェットレイド、多層媒体28であり、ポリエステルの上部層、97%のセルロースと、紙パルプと混合された粉砕ファイバーガラスである、3%のマイクロガラスの中部層、及びポリエステルの底部層を含む。グラフトポリオールが最初に通過する上部層は、中位の孔径を有しており、一方、中部層は最も狭い寸法の孔径を有している。底部層は、大きな寸法の孔を有しており、濾過れたグラフトポリオールが迅速に通過する。フィルタ媒体28は、約0.06インチの厚さを有し、フィルタ媒体28には平均寸法が約25ミクロンの流れ孔が与えられているのか好ましい。Crystal製のフィルタ媒体28の他の類は、Crystal3195s及びCrystal3220sシリーズ等のニードルドフエルトを含む。これらニードルドフエルトは約0.25インチの厚さを有し、及び42〜49ミクロンの平均流れ孔径を有している。他の有用なフィルタ媒体は、流れ孔の平均寸法が約18ミクロンの、Crystal510である。流れ孔の平均寸法は、フィルタ媒体28にとって重要な基準寸法であるが、しかし選択される唯一の基準ではない。上述のように、流れ孔の平均径は、18〜49ミクロンな範囲で変更可能であり、そして更に、フィルタ媒体の厚さが、本発明に要求される厚さ方向濾過を提供するのに充分との条件で、グラフトポリオールの適当な濾過が得られる。厚さが適当であれば、流れ孔径が75ミクロンかそれ以上であっても、本発明に使用されて良いと考えられ、特に、フォーム製造装置の事前フィルタがより大きい孔径を有している場合には、そうである。充分な厚さ方向濾過を提供するために、フィルタ媒体28は0.04〜0.3インチの厚さを有していることが好ましい。
【0023】
本発明は、第1の貯蔵器20内において、フィルタ媒体28上にグラフトポリオール分散液が導入される温度に他の重要な側面がある。グラフトポリオール分散液の粘性は、非常に高いものであり得、そして、温度上昇によって粘性が低下する。これは、いくつかの方法で実施することが可能であり、この方法は、グラフトポリオール分散液を第1の貯蔵器20内に入れる前に及び/又は第1の貯蔵器も加熱する前に、グラフトポリオール分散液を事前加熱することを含む。本発明のために、濾過される過程にあるグラフトポリオール分散液の温度が25〜98℃の範囲であることが有利である。濾過されるグラフトポリオール分散液の温度が50〜80℃の範囲であることがより好ましい。インデックス圧力濾過装置において、ガス引込管48を通って、第1の貯蔵器20に付与される圧力は、20〜150psiの範囲で良く、より好ましくは、20〜80psi、及び最も好ましくは、20〜50psiである。上述したインデックス真空濾過装置において、通常、真空圧力は、20psi以下であることは明らかである。
【0024】
厚さ方向濾過を提供する他の多くのフィルタ媒体28も、本発明での使用に適当である。当業者に公知であるように、推奨されたフィルタ媒体28の妥当性は、実験用の不連続式フィルタ装置で迅速に評価されることが可能である。重要な変数は、単位面積当たりの濾過速度、フィルタ媒体がつまる前に処理された分散液の量、及び濾液の最終的な品質を含む。品質は通常、標準のフォーム配合で混合した時の、約100ミクロンの孔径を有するスクリーンがつまる、その傾向として測定される。標準のフォーム配合は、通常、以下の成分、グラフトポリオール分散液、通常のポリオール、触媒、界面活性剤、及び活性剤を含む。フォームを製造するために、配合(recipe)は、少なくとも1種のポリイソシアネート及び二酸化炭素発砲剤と混合される。
【0025】
実施例1
BASF製の市販のPluracol(登録商標)1442グラフトポリオールのトラック一台分の量(truckload)がタンカートラックに集められた。Pluracol(登録商標)1442は、ヒドロオキシルで重合が二次停止された(secondary hydroxyl-terminated)、約43%のコポリマー化されたスチレン及びアクリロニトリルの固体を有する、グラフトポリエーテルトリオールである。タンカートラックにおけるPluracol(登録商標)1442の温度は、蒸気コイルを使用して、52〜54℃の温度に加熱された。タンカートラックの出口は、インデックス濾過装置10の引込ライン44に結合された。引込ライン44及びタンカートラックへの結合は、ウォータージャケットにしたホースで適当な温度に維持された。インデックス濾過装置10は、2.4平方フィートの濾過面積を提供する、20インチ×17.25インチの濾過領域を有した。濾過装置10は、Crystal Filtration Company製のCrystal3195sフィルタ媒体28を使用した。フィルタ媒体28は、3/16インチの厚さを有し、そして、フィルタ媒体28が濾過されたグラフトポリオールに、くずれおちることを防止するために、フィルタ媒体28の底部側は焼かれた。このフィルタ媒体28は、ポリエステル100%のニードルドフエルトである。1インデックスサイクル当たり、11ガロンのグラフトポリオール分散液が、1分間当たり7ガロンの速度で第1の貯蔵器20内に導入された。グラフトポリオール分散液は、供給が停止されてから約1分間の期間、ガス引込管48に由来する40psiの空気圧力でフィルタ媒体28を押されて通過し、そして、第2の貯蔵器22内に集められた。上述のように、フィルタ媒体28を乾燥させるために、2分間の乾燥サイクルが使用され、そして、ガス引込管48を通る気体圧力は40psiに維持された。使用済みのフィルタ媒体34は、スクレーパー装置36で貯蔵器38内にかぎとられ、そして、回収されたグラフトポリオール分散液は、上述のように、その後の(future)処理に供される。ブレークスルーが発生しない場合、フィルタ媒体28に捕らえられた分散液は、その後の濾過に供される。濾過装置10は、1時間当たり1100ポンドのグラフトポリオール分散液を濾過することが可能であり、そして、タンカートラックの全量が約37時間で濾過された。使用済みフィルタ媒体34において、Pluracol(登録商標)1442の生産損失(yield loss)は、1.6%であった。標準のフォーム配合を有する、本発明に従って濾過されたPluracol(登録商標)1442を使用した場合、フォーム製造器上での150ミクロンの予備濾過が40時間にわたり、ふさがれることなく実施され、これに対し50ミクロン×500ミクロンの楔状(wedge)ワイヤースクリーンを有するRonningen−Petter、自己清浄フィルタの従来の方法で濾過されたPluracol(登録商標)1442は、約1〜2時間でつまりが発生した。
【0026】
実施例2
BASF Corporation製のPluracol(登録商標)1543のタンカートラック1台分の量が製造された。Pluracol(登録商標)1543は、ヒドロオキシルで重合が二次停止された(secondary hydroxyl-terminated)、約44%のコポリマー化されたスチレン及びアクリロニトリルの固体を含む、グラフトポリエーテルトリオールである。タンカートラックが、実施例1で述べたように濾過装置10に結合されたが、インデックス濾過装置10が7平方フィートの濾過面積を有した点で異なる。使用されたフィルタ媒体28は、Crystal Filtration Company製のCrystal 2220と称される、薄い3層構造のものである。このフィルタ媒体28は、不織布、薄い3層構造、米国特許No.4925560に記載されたものに類似するウェットレイド紙である。フィルタ媒体28は、100%ポリエステルの上部層、97%のセルロース及び3%の(パルプが混合された、粉砕されたファイバーガラスである、)マイクロガラスの中部層、ポリエステルの底部層を含む。Crystal 2220フィルタ媒体2220は、平均寸法が約25ミクロンの流れ孔、及び0.06インチの厚さを有する。Pluracol(登録商標)1543は、1分当たり22ガロンの速度で、第1の貯蔵器に導入され、及び1インデックスサイクル当たり15ガロンが使用された。Pluracol(登録商標)1543の温度は65℃であった。乾燥サイクルは、約2.5分であり、そして、Pluracol(登録商標)1543は、1時間当たり2450ポンドの速度で処理可能であり、1タンカートラックの合計処理時間は、18.3時間であった。濾過されたPluracol(登録商標)1543は、標準のフォーム製造処方を使用して、Henneckeフォーム製造装置でフォームが製造され、そして、フォーム製造工程の間、フォーム製造装置はつまらなかったが、これは、上述の50ミクロン×500ミクロンの楔状ワイヤースクリーンを有するRonningen−Petter、自己清浄フィルタで濾過されたPluracol(登録商標)1543が約15分でつまるのと異なるものであった。
【0027】
実施例3
BASF Corporation製のPluracol(登録商標)2130のタンカートラック1台分の量が製造された。Pluracol(登録商標)2130は、ヒドロオキシルで重合が一次停止された(primary hydroxyl-terminated)、約31%のコポリマー化されたスチレン及びアクリロニトリルの固体を含む、グラフトポリエーテルトリオール分散液を含む。Pluracol(登録商標)2130は、上述の実施例2に述べられたように、濾過装置10に導入された。使用されたフィルタ媒体28は、実施例1におけるものと同様であった。濾過装置10は、1分当たりの充填速度が24ガロンで、1インデックス当たり95ガロンを濾過するように設定され、そして、Pluracol(登録商標)2130を第1の貯蔵器20に供給する温度は、約75℃であった。乾燥サイクルは40秒続いた。Pluracol(登録商標)2130は、1時間当たり12700ポンドの速度で濾過されることが可能であった。
【0028】
上述した装置10及び実施例1、2、及び3で述べた、フィルタ媒体28の使用にあたり、装置10は、広範囲に渡る種々のグラフトポリオール分散液を濾過するのに使用可能である。実験室スケールの濾過の研究において、上述の装置10を使用して支障なく濾過することが可能なグラフトポリオール分散液は、以下のBASF Corporation 製造物:Pluracol(登録商標)1543;Pluracol(登録商標)2145;Pluracol(登録商標)2130;Pluracol(登録商標)2115;Pluracol(登録商標)1528;Pluracol(登録商標)973;Pluracol(登録商標)1218;Pluracol(登録商標)1525;Pluracol(登録商標)1442;Pluracol(登録商標)1524;及びPluracol(登録商標)1365を含むことが明らかになった。
【0029】
装置10を使用した濾過の後の、濾過されたグラフトポリマーの安定性が2通りの方法で調査された。第1の試験では、濾過されたグラフトポリオールの試料は、9週間室温で保管され、1週間ごとに試料が取られた。各試料は、試料がその濾過特性を保持しているか測定するために評価された。試料の量に制限があるため、濾過性の評価は、60℃の温度で分散液が28ミクロンの孔径のスクリーンを、40psig下でスクリーンがふさがれる前に通過する量を測定することにより決定された。実験上の誤差範囲内で、濾過性は9週間にわたり変化がなかった。温度の変動状態をシミュレートする第2の試験では、試料はオートクレーブ内に位置され、そして試料が6時間の期間にわたって77℃に加熱され及び43℃に冷却される、6時間サイクルに置かれ、そして、このサイクルが9週間繰り返された。試料は、各サイクルの加熱部の間、50rpmの速度でかきまわされた。両方の例において、濾過されたグラフトポリオールは、28ミクロンの孔径のスクリーンを通過させるために60℃に加熱された時、その性能が変化することなく、9週間にわたって安定であった。上述の発明は、関連する規則上の基準に従って記載されたものであり、従って記載は制限するものではなく、本質的に例示的なものである。当業者にとって、開示された実施の形態の変更と修正は明確なものであり、そして本発明の範囲内のものである。従って、本発明の権利範囲は、特許請求の範囲を研究することによってのみ決定される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に従うインデックス濾過装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0031】
10 インデックス圧力濾過装置
20 第1の貯蔵器
22 第2の貯蔵器
24 制御装置
26 きれいなフィルタ媒体の供給源
28 きれいなフィルタ媒体
30 使用済フィルタ媒体収集器
32 ローラ
34 使用済フィルタ媒体
36 スクレーパー装置
38 第3の貯蔵器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の、
a)第1の貯臓器及び第2の貯臓器を有するインデックス濾過装置を設け、
b)厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設け、第1の貯臓器とフィルタ媒体の間に、液漏防止シールを形成し、
c)第1の貯臓器にグラフトポリオール分散液を導入し、
d)グラフトポリオール分散液を、フィルタ媒体を通過させて第2の貯臓器に移し、及び
e)厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分を、第1の貯臓器と第2の貯臓器の間から移動させ、そして厚さ方向濾過フィルタ媒体の第2の部分を、第1の貯臓器及び第2の貯臓器の間に位置させる、
工程を含む、グラフトポリオールのインデックス濾過方法。
【請求項2】
工程b)が、第1の貯蔵器と第2の貯蔵器の間のフィルタ媒体を加圧し、液漏防止シールを形成する段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
グラフトポリオール分散液が、フィルタ媒体を通過させて第2の貯臓器に流すために第1の貯臓器に存在している間、グラフトポリオール分散液に圧力を付与する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の貯蔵器において、グラフトポリオール分散液に、1平方インチ当たり20〜150ポンドの圧力を付与する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1の貯蔵器において、グラフトポリオール分散液に、1平方インチ当たり20〜80ポンドの圧力を付与する請求項3に記載の方法。
【請求項6】
第1の貯蔵器において、グラフトポリオール分散液に、1平方インチ当たり20〜50ポンドの圧力を付与する請求項3に記載の方法。
【請求項7】
工程c)が、第1の貯臓器に導入する間、25〜98℃の温度でグラフトポリオール溶液を供給する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程c)が、第1の貯臓器に導入する間、摂氏50〜80℃の温度で、グラフトポリオール溶液を供給する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程b)が、97%のセルロース及び3%のマイクロガラスの層を含む厚さ方向濾過フィルタ媒体を、第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
工程b)が、ポリエステルの層と97%のセルロース及び3%のマイクロガラスの層とを含む厚さ方向濾過フィルタ媒体を、第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
工程b)が、ポリエステルの第1の層、第1の層に隣接する97%のセルロース及び3%のマイクロガラスを含む第2の層、及び第2の層に隣接する第3の層を含む厚さ方向濾過フィルタ媒体を、第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含み、且つ第3の層が第1の層の孔径よりも大きい孔径を有し、及び第1の層が第2の層の孔径よりも大きい孔径を有している請求項9に記載の方法。
【請求項12】
工程b)が、ニードルドフエルトを含む厚さ方向濾過フィルタ媒体を、第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
工程b)が、焼いた面を有するニードルドフエルトを含む厚さ方向濾過フィルタ媒体を、第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程b)が、15〜75ミクロンの平均流れ孔径を有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
工程b)が、15〜50ミクロンの平均流れ孔径を有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
工程b)が、0.04インチ〜0.3インチの厚さを有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
工程b)が、0.06インチ〜0.15インチの厚さを有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
工程e)が、第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間から、厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分が移動する時に、厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分からグラフトポリオール分散液を除去する段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
除去したグラフトポリオール分散液を集め、そして集めたグラフトポリオール分散液を第1の貯蔵器に充填する段階を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
工程a)が、圧力インデックス濾過装置を設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項21】
工程a)が、真空インデックス濾過装置を備えることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項22】
以下の、
a)第1の貯臓器及び第2の貯臓器を有するインデックス濾過装置を設け、
b)15〜75ミクロンの平均流れ孔径を有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯臓器と第2の貯蔵器の間に設け、第1の貯臓器とフィルタ媒体の間に、液漏防止シールを形成し、
c)第1の貯臓器にグラフトポリオール分散液を導入し、
d)グラフトポリオール分散液を、フィルタ媒体を通過させて第2の貯臓器に移し、及び
e)厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分を、第1の貯臓器と第2の貯臓器の間から移動させ、そして厚さ方向濾過フィルタ媒体の第2の部分を、第1の貯臓器及び第2の貯臓器の間に位置させる、
工程を含む、グラフトポリオールのインデックス濾過方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の、
a)第1の貯器及び第2の貯器を有するインデックス濾過装置を設け、
b)厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分を第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設け、第1の貯器とフィルタ媒体の間に、液漏防止シールを形成し、
c)第1の貯器にグラフトポリオール分散液を導入し、
d)グラフトポリオール分散液を、フィルタ媒体を通過させて第2の貯器に移し、及び
e)厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分を、第1の貯器と第2の貯器の間から移動させ、そして厚さ方向濾過フィルタ媒体の第2の部分を、第1の貯器及び第2の貯器の間に位置させる、
工程を含む、グラフトポリオールのインデックス濾過方法。
【請求項2】
工程b)が、第1の貯蔵器と第2の貯蔵器の間のフィルタ媒体を加圧し、液漏防止シールを形成する段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
グラフトポリオール分散液が、フィルタ媒体を通過させて第2の貯器に流すために第1の貯器に存在している間、グラフトポリオール分散液に圧力を付与する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の貯蔵器において、グラフトポリオール分散液に、1平方インチ当たり20〜150ポンドの圧力を付与する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1の貯蔵器において、グラフトポリオール分散液に、1平方インチ当たり20〜80ポンドの圧力を付与する請求項3に記載の方法。
【請求項6】
第1の貯蔵器において、グラフトポリオール分散液に、1平方インチ当たり20〜50ポンドの圧力を付与する請求項3に記載の方法。
【請求項7】
工程c)が、第1の貯器に導入する間、25〜98℃の温度でグラフトポリオール溶液を供給する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程c)が、第1の貯器に導入する間、摂氏50〜80℃の温度で、グラフトポリオール溶液を供給する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程b)が、97%のセルロース及び3%のマイクロガラスの層を含む厚さ方向濾過フィルタ媒体を、第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
工程b)が、ポリエステルの層と97%のセルロース及び3%のマイクロガラスの層とを含む厚さ方向濾過フィルタ媒体を、第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
工程b)が、ポリエステルの第1の層、第1の層に隣接する97%のセルロース及び3%のマイクロガラスを含む第2の層、及び第2の層に隣接する第3の層を含む厚さ方向濾過フィルタ媒体を、第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含み、且つ第3の層が第1の層の孔径よりも大きい孔径を有し、及び第1の層が第2の層の孔径よりも大きい孔径を有している請求項9に記載の方法。
【請求項12】
工程b)が、ニードルドフエルトを含む厚さ方向濾過フィルタ媒体を、第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
工程b)が、焼いた面を有するニードルドフエルトを含む厚さ方向濾過フィルタ媒体を、第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程b)が、15〜75ミクロンの平均流れ孔径を有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
工程b)が、15〜50ミクロンの平均流れ孔径を有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
工程b)が、0.04インチ〜0.3インチの厚さを有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
工程b)が、0.06インチ〜0.15インチの厚さを有する厚さ方向濾過フィルタ媒体を第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
工程e)が、第1の貯器と第2の貯蔵器の間から、厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分が移動する時に、厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分からグラフトポリオール分散液を除去する段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
除去したグラフトポリオール分散液を集め、そして集めたグラフトポリオール分散液を第1の貯蔵器に充填する段階を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
工程a)が、圧力インデックス濾過装置を設ける段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項21】
工程a)が、真空インデックス濾過装置を備えることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項22】
以下の、
a)第1の貯器及び第2の貯器を有するインデックス濾過装置を設け、
b)15〜75ミクロンの平均流れ孔径を有する厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分を第1の貯器と第2の貯蔵器の間に設け、第1の貯器とフィルタ媒体の間に、液漏防止シールを形成し、
c)第1の貯器にグラフトポリオール分散液を導入し、
d)グラフトポリオール分散液を、フィルタ媒体を通過させて第2の貯器に移し、及び
e)厚さ方向濾過フィルタ媒体の第1の部分を、第1の貯器と第2の貯器の間から移動させ、そして厚さ方向濾過フィルタ媒体の第2の部分を、第1の貯器及び第2の貯器の間に位置させる、
工程を含む、グラフトポリオールのインデックス濾過方法。

【公表番号】特表2006−503936(P2006−503936A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545748(P2004−545748)
【出願日】平成15年6月17日(2003.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2003/006359
【国際公開番号】WO2004/037386
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(591020700)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (53)
【氏名又は名称原語表記】BASF Corporation
【住所又は居所原語表記】3000 Continental Drive−North,Mount Olive, NJ 07828−1234, U.S.A
【Fターム(参考)】