説明

グリコシド誘導体の製造方法

【課題】
本発明は、無保護糖を出発原料とし、これにフェノール誘導体を作用させることによるフェニルグリコシド誘導体の新規な製造方法に関するものである。フェニルグリコシド誘導体は、酵素活性測定基質、診断薬、有用合成中間体として注目されており、工業化可能で、且つ、安価でより簡便な製造方法が強く求められている。
【解決手段】
そこで、本発明者は、出発原料の無保護糖から1段階で対応するフェニルグリコシド誘導体を得る製造方法に関し、光延(Mitsunobu)試薬を活用することにより、1段階の脱水縮合反応により、フェニルグリコシド誘導体を得るものである。本プロセスによれば、従来のようなヒドロキシ基の保護ならびに脱保護は全く必要としない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
核酸、タンパク質に続く第三の鎖として、糖鎖が注目されている。特に、糖鎖高分子材料の開発は、バイオインダストリーの発展にとって必要不可欠なものである。本発明は糖鎖工学において極めて重要な鍵化合物であるフェニルグリコシド誘導体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、糖鎖工学の分野において、フェニルグリコシド誘導体が糖供与体、酵素基質、診断薬として注目されており、工業化可能で、且つ、安価でより簡便なフェニルグリコシド誘導体の製造方法が強く求められている。
【0003】
フェニルグリコシド誘導体は、酵素活性測定基質、診断薬、有用合成中間体として注目されている。
【0004】
一般に、糖鎖は複数のヒドロキシ基を有するため、糖鎖高分子材料の合成には、保護・脱保護が必要である。また、機能性部位の導入するためには、臭化グリコシルなどの活性な合成中間体を経由することが必須であった。このため、実用化可能な糖鎖高分子材料を製造するプロセスは少なくとも3〜4ステップからなる煩雑なものとなっている。
【0005】
具体例を図1に示すが、従来、ヒドロキシ基を保護し、アノマー位炭素を臭素原子などで活性化した後、フェニル部分を導入し、最後に脱保護を行うという、4工程の反応を経てフェニルグリコシド誘導体を製造する方法が用いられている。しかし、当該方法は、ヒドロキシ基の保護及び脱保護が必要であり、アノマー炭素原子の活性化に臭化水素を必要とする。また、ニトロフェノールの導入には銀塩などの重金属試薬を必要とし、ニトロフェニルグリコシドを効率よく得るには、煩雑な精製技術が必要である。
【0006】
このような技術は、例えば特許文献1や非特許文献1〜5に開示されている。特許文献1には、糖のすべてのヒドロキシ基を酢酸エステルとした誘導体に、塩化メチレン中、塩化スズ(IV)の存在下、p-ニトロフェノールを反応させる方法が記載されている。しかし、プロセスが長くなれば、当然中間体の精製に多量の有機溶媒が必要となり、環境面からも問題点が残されていた。例えばこの特許文献1の方法では、フリーの糖をまず対応する酢酸エステルに誘導する必要があること、有害な有機溶媒を用いる必要があること、強ルイス酸として塩化スズ(IV)を用いる必要があること、等の問題点がある。
【0007】
非特許文献1に開示された方法は、糖酢酸エステルを三塩化リンで対応する臭化物とした後、銀塩の存在下、p-ニトロフェノールを反応させる方法であるが、保護基、有害な有機溶媒、重金属を用いるという欠点がある。 非特許文献3に開示された方法は、糖酢酸エステルを臭化トリメチルシリルで対応する臭化物とした後、銀塩の存在下、p-ニトロフェノールを反応させる方法であるが、同様に保護基、有害な有機溶媒、重金属を用いる必要がある。
【0008】
また、非特許文献2,4,5に開示された方法は、糖酢酸エステルを、プロトン酸、あるいはルイス酸の存在下、p-ニトロフェノールで処理する方法であるが、この場合も、ヒドロキシ基の保護が必要であり、塩化メチレンやベンゼンなどの有害な有機溶媒を使用する必要がある。
このように、従来のフェニルグリコシド誘導体の製造方法は、工程が複雑であること、有害な有機溶媒を用いること、重金属を用いることなど工業化における課題を持っている。
【特許文献1】特開平5−301885号公報
【非特許文献1】Chemical & Pharmaceutical Bulltin, 38(1), 13-18 (1990).
【非特許文献2】ZhurnalObshchei Khimii, 56(1),181-187 (1986).
【非特許文献3】Farmaco,56(4), 319-324 (2001).
【非特許文献4】Russian Journal ofGeneral Chemistry (Translation of ZhurnalObshchei Khimii), 72(5),806-811 (2002).
【非特許文献5】Journal ofCarbohydrate Chemistry, 20(6), 503-506 (2001).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような従来の問題点を解決するために、一段階でフェニルグリコシド誘導体を製造し、保護基の導入や除去を伴わない為効率が良く、溶媒や重金属使用において安全な製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、下記一般式(1)で示される無保護糖と、フェノール誘導体とを反応させる一工程のみで、下記一般式(2)で示されるフェニルグリコシド誘導体が得られるフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
【0011】
一般式(1):
【0012】
【化1】

(式中R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、H,OH、NHCOR(Rは、H及び(CHn−CH(n=0〜5))、及びY−R(YはO又はNH又はSであり、Rは単糖又はオリゴ糖の残基である)から選択される。
【0013】
但し、RとRの少なくとも一方、RとRの少なくとも一方、及びRとRの少なくとも一方はHである。)
一般式(2):
【0014】
【化2】

(式中R、R、R、R、R、R、及びRは前記と同様である。R10
11及びR12は、それぞれ独立に、H、NO2、NH
、OH, F, Cl, I, CHO、COOH、アルキル基及びアルケニル基等から選択され、フェノール誘導体として存在可能な化合物。)
また、本発明によれば、前記のフェニルグリコシド誘導体の製造方法において、一般式(3)で示されるアゾジカルボキシレート及び一般式(4)で示されるトリアルキルホスフィン(PR1516)からなる脱水縮合剤(光延試薬)を使用することを特徴とするフェニルグリコシド誘導体製造方法を提供する。
一般式(3):
【0015】
【化3】

(式中、R13及びR14は、OEt、ピペリジン(N(CH)、ジメチルアミノ(N(CH)、ベンジルオキシ(OCH)、イソプロポキシ(OCH(CH)から選択される。)
一般式(4):
【0016】
【化4】

(式中、R15及びR16は、エチル,フェニル,n-ブチル,シクロヘキシル、n-ヘキシル、n-オクチル、2-ピリジル、4-ジメチルアミノフェニルから選択される。)
また、本発明によれば、前記製造方法で製造されたことを特徴とするフェニルグリコシド誘導体を提供する。
【0017】
また、本発明によれば、前記の無保護糖のRにおける単糖及びオリゴ糖の構成糖が、アミノ糖、糖酸又はそれらの誘導体である事を特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
【0018】
また、本発明によれば、前記還元末端の糖残基が上記一般式(1)として記載されている単糖の構造である二糖又はオリゴ糖である事を特徴とする請求項1,2,4内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
【0019】
また、本発明によれば、前記の無保護糖のRにおける単糖が、D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、N−アセチルーD−グルコサミン、N−アセチルーD−ガラクトサミン、N−アセチルーD−マンノサミン及びそれらの誘導体である事を特徴とする請求項1,2,4,5の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
【0020】
また、本発明によれば、前記の無保護糖のRにおけるオリゴ糖が、(1)セロビオース、キトビオースに代表される同じ単糖が重合しているオリゴ糖や、(2)D−グルコース及びN−アセチルーD−グルコサミンから選択されるヘキソースと、D−ガラクトース及びD−グルクロン酸から選択されるヘキソースとからなる二糖単位の繰り返し構造を基本骨格とする誘導体、(3)N−結合型糖タンパク質を構成するオリゴ糖及び(4)それらの誘導体である事を特徴とする請求項1,2,4乃至6の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
【0021】
また、本発明によれば、前記の無保護糖が、下記(1)〜(13)の1つであることを特徴とする請求項1,2,4乃至7の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
(1) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(2) R:OH,R:H,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(3) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:OH,R:H,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(4) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(5) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:OH,R:H,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(6) R:NHCOCH,R:H,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(7) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−グルコース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(8) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:O―α―D−グルコース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(9) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−ガラクトース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(10) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−ガラクトース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(11) R:H,R:NHCOCH,R:O―β―D−ガラクトース,R:H,R:OH,R:H,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(12) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―N−アセチルーD−グルコサミン,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(13) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−マンノース(3位及び6位がαマンノシル化),R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
【0022】
また、本発明によれば、前記のフェノール誘導体が、下記(14)〜(16)の1つであることを特徴とする請求項1,2,4乃至8の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
(14) R10:H,R11:H,R12:NOであるフェニルグリコシド誘導体。
(15) R10:H,R11:NO、R12:Hであるフェニルグリコシド誘導体。
(16) R10:NO,R11:H、R12:Hであるフェニルグリコシド誘導体。
【0023】
また、本発明によれば、前記のアゾジカルボキシレートが、下記(17)〜(21)の1つである事を特徴とする請求項2,4乃至9記載の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
(17) R13:OEt、R14:OEtである一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(18) R13:OCH、R14:OCHである一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(19) R13:OCH(CH、R14:OCH(CHである一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(20) R13:ピペリジン(N(CH)、R14:ピペリジン(N(CH)である一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(21) R13:ジメチルアミノ(N(CH)、R14:ジメチルアミノ(N(CH)である一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
また、
本発明によれば、前記のトリアルキルホスフィンが、下記(22)〜(30)の1つである事を特徴とする請求項2,4乃至10記載の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
(22) R15:シクロヘキシル、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(23) R15:Et、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(24) R15:4-ジメチルアミノフェニル、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(25) R15:フェニル、R16:2-ピリジルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(26) R15:n-ブチル、R16:n-ブチルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(27) R15:シクロヘキシル、R16:シクロヘキシルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(28) R15:n-ヘキシル、R16:n-ヘキシルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(29) R15:n-オクチル、R16:n-オクチルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(30) R15:フェニル、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
【0024】
また、本発明によれば、前記の反応溶媒が、アセトニトリル(CHCN),ジメチルスルホキシド(DMSO),N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),テトラヒドロフラン(THF),トルエン、イオン性液体の内の1つであることを特徴とする請求項1,2,4乃至11の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
【0025】
また、本発明によれば、前記の反応条件が、無保護糖とフェノール誘導体のモルヒ比を1:1〜1:1.5、無保護糖と光延試薬のモルヒ比を1:1〜1:1.3、反応温度を温室〜溶媒の沸点、反応時間を1〜4時間の内一つあるいは複数を選び設定することを特徴とする請求項1,2,4乃至12の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
【0026】
また、本発明によれば、前記の無保護糖とフェノール誘導体との反応をアルゴンあるいは窒素雰囲気下にて行うことを特徴とする請求項1,2,4乃至13の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明は一段階でフェニルグリコシド誘導体を製造できる為、本発明によれば、保護基の導入や除去を伴わず効率が良く、溶媒や重金属使用において安全な製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
従来のフェニルグリコシド誘導体製造方法は、まず糖鎖のヒドロキシ基の保護作業を行った後、導入反応、結合反応、脱保護を行う工程を経るものである。それに対し本発明は、上記保護、脱保護工程がなく、反応工程においても脱水縮合工程のみの1工程で工程を完了できるものである。
【0030】
本発明の製造方法においては、無保護糖とフェノール誘導体を脱水縮合しフェニルグリコシド誘導体を得る。ここで、無保護糖は、式1で表されるものであり、フェニルグリコシド誘導体は式2で表されるものである。式1、式2共に一般式で表わしてある。
一般式(1):
【0031】
【化5】

一般式(2):
【0032】
【化6】

また、脱水縮合剤としては、光延試薬を用いる。光延試薬は式3で表されるアゾジカルボキシレート及び式4で表されるトリフェニルホスフィンからなる脱水縮合剤で、式3および式4は一般式で表してある。
【0033】
一般式(3):
【0034】
【化7】

一般式(4):
【0035】
【化8】

上記一般式(1)で示される無保護糖は、当該物質の起源、由来によって限定されず、天然多糖の分解によって得られるもの、遺伝子工学的に動物細胞、微生物などにより合成されたものを用いることが可能である。
【0036】
次に、式1について説明を行う。
、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、H,OH、NHCOR(Rは、H及び(CHn−CH(n=0〜5))、及びY−R(YはO又はNH又はSであり、Rは単糖又はオリゴ糖の残基である)から選択可能である。但し、RとRの少なくとも一方、RとRの少なくとも一方、及びRとRの少なくとも一方はHである。
【0037】
上記残基について更に詳しく述べる。
の単糖又はオリゴ糖の残基は、通常には、単糖の1位又はオリゴ糖の還元末端の1位で残基となっているものである。単糖及びオリゴ糖の構成糖は、アミノ糖、糖酸又はそれらの誘導体であってもよい。
【0038】
単糖としては、D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、N−アセチルーD−グルコサミン、N−アセチルーD−ガラクトサミン、N−アセチルーD−マンノサミン及びそれらの誘導体が好ましく、オリゴ糖としては、(1)セロビオース、キトビオースに代表される同じ単糖が重合しているオリゴ糖や、(2)D−グルコース及びN−アセチルーD−グルコサミンから選択されるヘキソースと、D−ガラクトース及びD−グルクロン酸から選択されるヘキソースとからなる二糖単位の繰り返し構造を基本骨格とする誘導体、(3)N−結合型糖タンパク質を構成するオリゴ糖及び(4)それらの誘導体が好ましい。
【0039】
つまり、還元末端の糖残基が上記一般式(1)として記載されている単糖の構造である二糖又はオリゴ糖も本発明の製造方法に用いることができる。
【0040】
なお、上記の誘導体とは、単糖又はオリゴ糖の構成糖のNH基やOH基をアセチル化したものや、OH基をメチル化したもの、OH基を硫酸化したものが挙げられる。又、本発明において、オリゴ糖とは通常の意味でのオリゴ糖であり、通常2〜20糖である。
次に無保護糖、フェノール誘導体の好ましい例について説明を行う。
【0041】
本発明に用いる無保護糖の好ましい例としては、下記が挙げられる。
(1) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(2) R:OH,R:H,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(3) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:OH,R:H,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(4) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(5) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:OH,R:H,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(6) R:NHCOCH,R:H,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(7) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−グルコース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(8) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:O―α―D−グルコース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(9) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−ガラクトース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(10) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−ガラクトース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(11) R:H,R:NHCOCH,R:O―β―D−ガラクトース,R:H,R:OH,R:H,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(12)R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―N−アセチルーD−グルコサミン,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(13) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−マンノース(3位及び6位がαマンノシル化),R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
【0042】
本発明に用いられるニトロフェノールの好ましい例としては、下記が挙げられる。
(14) R10:H,R11:H,R12:NOであるニトロフェノール。
(15) R10:H,R11:NO、R12:Hであるニトロフェノール。
(16) R10:NO、R11:H,R12:Hであるニトロフェノール。
【0043】
また、本発明の製造方法に用いられる一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレートの好ましい例としては、下記が挙げられる。
(17) R13:OEt、R14:OEtである一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(18) R13:OCH、R14:OCHである一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(19) R13:OCH(CH、R14:OCH(CHである一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(20) R13:ピペリジン(N(CH)、R14:ピペリジン(N(CH)である一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(21) R13:ジメチルアミノ(N(CH)、R14:ジメチルアミノ(N(CH)である一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
【0044】
また、本発明の製造方法に用いられる一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィンの好ましい例としては、下記が挙げられる。
(22) R15:シクロヘキシル、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(23) R15:Et、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(24) R15:4-ジメチルアミノフェニル、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(25) R15:フェニル、R16:2-ピリジルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(26) R15:n-ブチル、R16:n-ブチルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(27) R15:シクロヘキシル、R16:シクロヘキシルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(28) R15:n-ヘキシル、R16:n-ヘキシルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(29) R15:n-オクチル、R16:n-オクチルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(30) R15:フェニル、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
【実施例1】
【0045】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
アルゴン雰囲気下、4.5 g (25 mmol)のD―グルコース、104 g (75 mmol)のp-ニトロフェノール, 10 mL (50 mmol)のジエチルアゾジカルボキシレート,13.1g (50 mmol)のトリフェニルホスフィンのアセトニトリル(50 mL)溶液を、室温で5時間反応させた。薄層クロマトグラフィーにより反応終了を確認後、反応液にトルエンを滴下していき、生じた沈殿をグラスフェルターにより濾別し、p-ニトロフェニルD−グルコピラノシド 3.7g (収率50%)を得た。
【実施例2】
【0046】
アルゴン雰囲気下、4.5 g (25 mmol)のD―マンノース、104 g (75 mmol)のp-ニトロフェノール, 10 mL (50 mmol)のジエチルアゾジカルボキシレート,13.1g (50 mmol)のトリフェニルホスフィンのアセトニトリル(50 mL)溶液を、室温で5時間反応させることにより、p-ニトロフェニルD−マンノピラノシド(収率63%)を得た。収率は反応混合物のHNMR測定により決定した。
【実施例3】
【0047】
アルゴン雰囲気下、4.5 g (25 mmol)のD―ガラクトース、104 g (75 mmol)のp-ニトロフェノール, 10 mL (50 mmol)のジエチルアゾジカルボキシレート,13.1g (50 mmol)のトリフェニルホスフィンのアセトニトリル(50 mL)溶液を、室温で5時間反応させることにより、p-ニトロフェニルD−ガラクトピラノシド(収率69%)を得た。収率は反応混合物のHNMR測定により決定した。
【実施例4】
【0048】
アルゴン雰囲気下、5.5g (25 mmol)のN-アセチル-D-グルコサミン、104 g (75 mmol)のp-ニトロフェノール, 10 mL (50 mmol)のジエチルアゾジカルボキシレート,13.1g (50 mmol)のトリフェニルホスフィンのアセトニトリル(50 mL)溶液を、室温で5時間反応させることにより、p-ニトロフェニルN-アセチル-D-グルコサミニド収率28%)を得た。収率は反応混合物のHNMR測定により決定した。
【実施例5】
【0049】
アルゴン雰囲気下、8.6 g (25 mmol)のラクトース、104 g (75 mmol)のp-ニトロフェノール, 10 mL (50 mmol)のジエチルアゾジカルボキシレート,13.1g (50 mmol)のトリフェニルホスフィンのアセトニトリル(50 mL)溶液を、室温で5時間反応させることにより、p-ニトロフェニルラクトシド(収率52%)を得た。収率は反応混合物のHNMR測定により決定した。
以上本発明の内容と、実施例を述べたが、本発明は上記に限る事はなく、下記条件にも実施可能である。
【0050】
一般式(1)で示される無保護糖とフェノール誘導体との反応条件については、本発明に用いられる無保護糖とフェノール誘導体が、光延試薬を縮合剤として反応し、フェニルグリコシド誘導体が生成すれば、特に限定されることはなく、当業者が適宜設定することができる。
【0051】
反応の溶媒としては、用いる無保護糖、フェノール誘導体及び光延試薬と反応せず、用いる無保護糖、フェノール誘導体及び光延試薬を溶解することができれば特に限定されないが、アセトニトリル(CHCN),ジメチルスルホキシド(DMSO),N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),テトラヒドロフラン(THF),トルエン、イオン性液体等が好ましく、アセトニトリル、DMSO, DMFがより好ましく、中でもアセトニトリルが特に好ましい。
【0052】
フェノール誘導体の使用量、光延試薬の使用量、反応温度及び反応時間などの反応条件は、用いる無保護糖種類により適宜設定されるが、当該無保護糖とフェノール誘導体のモル比は、好ましくは1:1〜1:1.5、より好ましくは1:2〜1:3であり、当該無保護糖と光延試薬のモル比は、好ましくは1:1、より好ましくは1:2〜1:3であり、反応温度は、好ましくは室温〜溶媒の沸点、より好ましくは25〜50℃であり、反応時間としては、1〜24時間が好ましい。なお、使用する溶媒の沸点にて反応を行う場合は、還流冷却器などの利用が可能である。
【0053】
反応条件の設定の際には、反応の終了を確認することが好ましく、反応の終了を確認する方法の具体例としては、薄層クロマトグラフィーが挙げられる。
【0054】
一般式(1)で示される無保護糖とフェノール誘導体との反応は、水との反応を避けるため、アルゴンや窒素など、水を含まない気体の雰囲気下において、行うことが好ましい。また、反応溶液中に、水酸化カルシウムや硫酸マグネシウムなどの乾燥剤を用いることも可能である。
【0055】
反応終了液から目的物質であるフェニルグリコシド誘導体を精製する方法としては、通常行われている精製方法を適宜選択し用いることが可能であるが、例えば、反応終了液からトルエンによる再沈殿により精製する方法が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の効果・技術的優位性は糖鎖工学において極めて重要な鍵化合物であるフェニルグリコシド誘導体を無保護糖から1段階で直接合成できる点にある。工業上の優位性においては、本発明による方法を用いれば、環境への付加を低減できる上に、従来法に比べ低コストでフェニルグリコシド誘導体を合成することができる。
【0057】
実際の利用上においては、本発明の製造方法により得られるフェニルグルコシド誘導体は、無置換あるいは置換フェニル基の脱離能を利用した糖供与体としての利用が考えられる。特に、本発明が寄与するニトロフェニルグリコシド誘導体は、反応前は溶液が透明であるが、グリコシド結合が加水分解されると高感度で黄色に発色することであり、この性質を利用した各種糖質加水分解酵素活性の定量的な検出分析に重要なものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来のフェニルグリコシド誘導体を製造する方法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示される無保護糖と、フェノール誘導体とを反応させることを特徴とする下記一般式(2)で示されるフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
一般式(1):
【化1】


(式中R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、H,OH、NHCOR(Rは、H及び(CHn−CH(n=0〜5))、及びY−R(YはO又はNH又はSであり、Rは単糖又はオリゴ糖の残基である)から選択される。但し、RとRの少なくとも一方、RとRの少なくとも一方、及びRとRの少なくとも一方はHである。)
一般式(2):
【化2】


(式中R、R、R、R、R、R、及びRは前記と同様である。R10
11及びR12は、それぞれ独立に、H、NO2、NH
、OH, F, Cl, I, CHO、COOH、アルキル基及びアルケニル基等から選択され、フェノール誘導体として存在可能な化合物。)
【請求項2】
請求項1に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法において、一般式(3)で示されるアゾジカルボキシレート及び一般式(4)で示されるトリアルキルホスフィン(PR1516)からなる脱水縮合剤(光延試薬)を使用することを特徴とするフェニルグリコシド誘導体製造方法。
一般式(3):
【化3】



(式中、R13及びR14は、OEt、ピペリジン(N(CH)、ジメチルアミノ(N(CH)、ベンジルオキシ(OCH)、イソプロポキシ(OCH(CH)から選択される。)
一般式(4):
【化4】


(式中、R15及びR16は、エチル,フェニル,n-ブチル,シクロヘキシル、n-ヘキシル、n-オクチル、2-ピリジル、4-ジメチルアミノフェニルから選択される。)
【請求項3】
請求項2に記載された製造方法で製造されたことを特徴とするフェニルグリコシド誘導体。
【請求項4】
請求項1記載の無保護糖のRにおける単糖及びオリゴ糖の構成糖が、アミノ糖、糖酸又はそれらの誘導体である事を特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
【請求項5】
還元末端の糖残基が上記一般式(1)として記載されている単糖の構造である二糖又はオリゴ糖である事を特徴とする請求項1,2,4内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
【請求項6】
請求項1記載の無保護糖のRにおける単糖が、D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、N−アセチルーD−グルコサミン、N−アセチルーD−ガラクトサミン、N−アセチルーD−マンノサミン及びそれらの誘導体である事を特徴とする請求項1,2,4,5の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の無保護糖のRにおけるオリゴ糖が、(1)セロビオース、キトビオースに代表される同じ単糖が重合しているオリゴ糖や、(2)D−グルコース及びN−アセチルーD−グルコサミンから選択されるヘキソースと、D−ガラクトース及びD−グルクロン酸から選択されるヘキソースとからなる二糖単位の繰り返し構造を基本骨格とする誘導体、(3)N−結合型糖タンパク質を構成するオリゴ糖及び(4)それらの誘導体である事を特徴とする請求項1,2,4乃至6の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
【請求項8】
請求項1記載の無保護糖が、下記(1)〜(13)の1つであることを特徴とする請求項1,2,4乃至7の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
(1) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(2) R:OH,R:H,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(3) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:OH,R:H,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(4) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(5) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:OH,R:H,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(6) R:NHCOCH,R:H,R:OH,R:H,R:H,R:OH,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(7) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−グルコース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(8) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:O―α―D−グルコース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(9) R:H,R:OH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−ガラクトース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(10) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−ガラクトース,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(11) R:H,R:NHCOCH,R:O―β―D−ガラクトース,R:H,R:OH,R:H,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(12) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―N−アセチルーD−グルコサミン,R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
(13) R:H,R:NHCOCH,R:OH,R:H,R:H,R:O―β―D−マンノース(3位及び6位がαマンノシル化),R:OHである一般式(1)で示される無保護糖。
【請求項9】
請求項1記載のフェノール誘導体が、下記(14)〜(16)の1つであることを特徴とする請求項1,2,4乃至8の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
(14)R10:H,R11:H,R12:NOであるフェニルグリコシド誘導体。
(15)R10:H,R11:NO、R12:Hであるフェニルグリコシド誘導体。
(16) R10:NO,R11:H、R12:Hであるフェニルグリコシド誘導体。
【請求項10】
請求項2記載のアゾジカルボキシレートが、下記(17)〜(21)の1つである事を特徴とする請求項2,4乃至9記載の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
(17) R13:OEt、R14:OEtである一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(18) R13:OCH、R14:OCHである一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(19) R13:OCH(CH、R14:OCH(CHである一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(20) R13:ピペリジン(N(CH)、R14:ピペリジン(N(CH)である一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
(21) R13:ジメチルアミノ(N(CH)、R14:ジメチルアミノ(N(CH)である一般式(3)で示される光延試薬の一部を構成するアゾジカルボキシレート。
【請求項11】
請求項2記載のトリアルキルホスフィンが、下記(22)〜(30)の1つである事を特徴とする請求項2,4乃至10記載の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
(22) R15:シクロヘキシル、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(23) R15:Et、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(24) R15:4-ジメチルアミノフェニル、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(25) R15:フェニル、R16:2-ピリジルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(26) R15:n-ブチル、R16:n-ブチルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(27) R15:シクロヘキシル、R16:シクロヘキシルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(28) R15:n-ヘキシル、R16:n-ヘキシルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(29) R15:n-オクチル、R16:n-オクチルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
(30) R15:フェニル、R16:フェニルである一般式(4)で示される光延試薬の一部を構成するトリアルキルホスフィン。
【請求項12】
請求項1記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法において、反応溶媒が、アセトニトリル(CHCN),ジメチルスルホキシド(DMSO),N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),テトラヒドロフラン(THF),トルエン、イオン性液体の内の1つであることを特徴とする請求項1,2,4乃至11の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
【請求項13】
請求項1記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法において、反応条件が、無保護糖とフェノール誘導体のモルヒ比を1:1〜1:1.5、無保護糖と光延試薬のモルヒ比を1:1〜1:1.3、反応温度を温室〜溶媒の沸点、反応時間を1〜4時間の内一つあるいは複数を選び設定することを特徴とする請求項1,2,4乃至12の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。
【請求項14】
請求項1に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法において、無保護糖とフェノール誘導体との反応をアルゴンあるいは窒素雰囲気下にて行うことを特徴とする請求項1,2,4乃至13の内一に記載のフェニルグリコシド誘導体の製造方法。

【図1】
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