説明

グリコシル加水分解酵素を含む洗濯洗剤組成物

本発明はグリコシル加水分解酵素を含む洗濯洗剤組成物に関連する。本発明の組成物は更にポリマーも含み、このポリマーは、グリコシル加水分解酵素と組み合わせて使用したときに、布地洗浄性能を損なうことなしに、表面活性剤システムの圧密化の達成が可能になる。好ましくは、本発明の組成物は、2種類のポリマー、グリコシル加水分解酵素及び洗浄性界面活性剤の組み合わせを含み、好ましくは洗浄性界面活性剤の濃度は低い。
最も好ましくは、本発明の洗濯洗剤組成物は次のものを含む、(i)キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシル加水分解酵素であって、GHファミリー5、12、44、又は74の中から選択されるグリコシル加水分解酵素、(ii)洗浄性界面活性剤、(iii)両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマー、(iv)次のものを含むランダムグラフトコポリマー、(a)不飽和C〜Cカルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位ユニット、アルコキシ単位、無水マレイン酸、飽和ポリアルコール(例えば、グリセロールなど)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性主鎖、並びに、(b)C〜C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C〜Cモノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC〜Cアルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖、並びに、(v)次の一般構造:ビス((CO)(CO)n)(CH)−N−C2x−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)(式中、nは20〜30であり、かつxは3〜8である)を有する化合物、又はこの硫酸化若しくはスルホン化変異体。最も好ましくは、この組成物は液体の形態である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグリコシル加水分解酵素を含む洗濯洗剤組成物に関連する。本発明の組成物は更にポリマーも含み、このポリマーは、グリコシル加水分解酵素と組み合わせて使用したときに、布地洗浄性能を損なうことなしに、表面活性剤システムの圧密化の達成が可能になる。好ましくは、本発明の組成物は、2種類のポリマー、グリコシル加水分解酵素及び洗浄性界面活性剤の組み合わせを含み、好ましくは洗浄性界面活性剤の濃度は低い。
【0002】
最も好ましくは、本発明の洗濯洗剤組成物は次のものを含む、(i)キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシル加水分解酵素であって、GHファミリー5、12、44、又は74の中から選択されるグリコシル加水分解酵素、(ii)洗浄性界面活性剤、(iii)両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマー、(iv)次のものを含むランダムグラフトコポリマー、(a)不飽和C〜Cカルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位ユニット、アルコキシ単位、無水マレイン酸、飽和ポリアルコール(例えば、グリセロールなど)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性主鎖、並びに、(b)C〜C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C〜Cモノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC〜Cアルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖、並びに、(v)次の一般構造、ビス((CO)(CO)n)(CH)−N−C2x−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)(式中、nは20〜30であり、かつxは3〜8である)を有する化合物、又はこの硫酸化若しくはスルホン化変異体。最も好ましくは、この組成物は液体の形態である。
【背景技術】
【0003】
洗剤製造メーカーは、自社の洗濯洗剤製品の性能を向上させるために、洗濯洗剤製品に酵素を組み込んでいる。このような洗濯洗剤組成物の例は、国際特許第WO98/50513号、同第WO99/09126号、同第WO99/09127号、同第WO00/42157号、同第WO00/42146号、及び同第WO01/62885号に記述されている。
【0004】
触媒性の洗剤成分である酵素は、既存の非触媒性洗剤成分に代わって、洗濯洗剤製品に好んで組み込まれている。洗剤製造メーカーは、最適の酵素活性性能を達成し、他の洗剤成分洗濯洗剤製品の量の削減並びに洗濯洗剤製品の圧密を可能にするような、洗濯洗剤製品の配合を追求している。本発明以前、特に液体洗濯洗剤組成物において、界面活性剤量の圧密を可能にする触媒技術、特に酵素システムに対する、長きにわたる切実なニーズがあった。このような圧密の液体洗濯製品は、環境プロファイルの改善、並びに製造、輸送及び店頭保管における効率改善を呈する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許第WO98/50513号
【特許文献2】国際特許第WO99/09126号
【特許文献3】国際特許第WO99/09127号
【特許文献4】国際特許第WO00/42157号
【特許文献5】国際特許第WO00/42146号
【特許文献6】国際特許第WO01/62885号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、特定のグリコシル加水分解酵素を洗濯洗剤組成物、特に、液体洗濯洗剤組成物(特定の具体的なポリマー系を更に含む)に組み込むことにより、洗濯洗剤製品メーカーが、洗濯洗剤組成物における洗浄性界面活性剤の量を低減することが可能になることを見出した。これらのグリコシル加水分解酵素は、キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有する。更に、これらのグリコシル加水分解酵素はGHファミリー5、12、44又は74の中から選択される。グリコシル加水分解酵素(GH)ファミリーの定義は、Biochem J.1991,v280,309〜316により更に詳しく記述されている。
【0007】
理論に束縛されるものではないが、発明者らは、これらのグリコシル加水分解酵素の幅広い基質特異性により、洗濯プロセスで複数の利益が得られると考える。発明者らは、特定のポリマー系が汚れ除去及び汚れ懸濁の特性を呈し、これにより特定のグリコシル加水分解酵素の布地表面へのアクセスが改善されると考える。加えて、発明者らは、特定のポリマー系が特定のグリコシル加水分解酵素の安定性を向上させると考える。
【0008】
本発明者らは、これら特定のグリコシル加水分解酵素が、非晶質セルロース及び残留キシログルカンなどの主要な汚れ結合部位の布地表面を生物学的に研磨(biopolish)し、より開いた繊維孔構造をもたらすと考える。このメカニズムにより、良好な木綿の汚れ除去性能、木綿の汚れ放出性能、及び白さ維持性能がもたらされると考えられる。この繊維の形態に対する影響は、洗濯洗剤組成物内に存在する場合、増白剤及び色調テクノロジーの視覚的効果を改善すると考えられる。セルロース及びキシログルカンに対するこれら酵素の複数の活性は、セルロース活性のみを有する従来の酵素に比べ、全体的な汚れ放出/除去の達成効果の強靱さにも貢献し得る。
【0009】
本発明者らは、これらのグリコシル加水分解酵素が特定のポリマー系と組み合わせて配合されたときに、これらグリコシル加水分解酵素の木綿汚れ放出特性、白さ維持特性、及び汚れ洗浄性能において、顕著な改善を観察した。更に、これらグリコシル加水分解酵素は、特定のポリマー系と組み合わせて配合すると、液体洗濯洗剤組成物内で良好な安定性特性を示す。この特定のポリマー系については下記に詳しく記述されるが、好ましくはこのポリマー系は少なくとも、2種類のポリマーを含む二元ポリマー系であり、更に好ましくは3種類のポリマーを含む三元ポリマー系である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、請求項の定義と共に、洗濯洗剤組成物及び布地を洗濯するための方法に関連する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
洗濯洗剤組成物
本発明の洗濯洗剤組成物は、(i)キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシル加水分解酵素であって、GHファミリー5、12、44、又は74の中から選択されるグリコシル加水分解酵素と、(ii)特定の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーと、(iii)洗浄性界面活性剤、好ましくは低濃度の洗浄性界面活性剤と、を含む。グリコシル加水分解酵素については、下記に詳しく記述される。特定の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーについては、下記に詳しく記述される。洗浄性界面活性剤については、下記に詳しく記述される。好ましくは、この組成物は、次の一般構造:ビス((CO)(CO)n)(CH)−N−C2x−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)(式中、nは20〜30であり、かつxは3〜8である)を有する化合物、又はこの硫酸化若しくはスルホン化変異体を含む。
【0012】
この洗濯洗剤組成物は、固体、液体、ゲル、又はこれらの任意の組み合わせなど、任意の形態であり得る。組成物は、錠剤又は、多区画小袋などの小袋の形態であってもよい。この組成物は、自由流動性粉末の形態であってもよく、例えば、凝集体、スプレードライ粉末、カプセル、押出成形品、針状、ヌードル状、フレーク状、又はこれらの任意の組み合わせなどであり得る。しかしながら、最も好ましくは、この組成物は液体の形態である。加えて、この組成物は等方性又は異方性のいずれかの形態である。好ましくは、この組成物、又は少なくともその一部分は、層状相である。
【0013】
この組成物は好ましくは、低濃度の水を含み、例えば、0.01重量%〜5重量%、好ましくは〜4重量%、又は〜3重量%、又は〜2重量%、又は〜1重量%にもなる。これは特に、組成物が小袋の形態である場合、典型的には少なくとも部分的に、好ましくは完全に、水溶性フィルム内に封止されている場合に望ましい。水溶性フィルムは好ましくはポリビニルアルコールを含む。
【0014】
この組成物は、硬化ヒマシ油などの構造剤を含み得る。本発明の組成物に特に有用な、1つの好適な構造剤のタイプは、非高分子の(従来のアルコキシル化を除く)結晶性ヒドロキシ官能材質である。これらの構造剤は典型的に、液体マトリックス全体に、互いに連結した糸状の分子間ネットワークを形成し、典型的にはそのマトリックス内でその場で結晶化する。好ましい構造剤は、結晶性のヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステル、又は脂肪酸ろうである。好ましい構造剤は典型的に、次の式を有するものから選択される。
【化1】

【0015】
好ましい結晶性ヒドロキシル含有構造化剤の具体的な例には、ヒマシ油及びその誘導体が挙げられる。特に好ましいものは、硬化ヒマシ油及び硬化キャスター蝋等の硬化ヒマシ油誘導体である。市販のヒマシ油系結晶性ヒドロキシル含有構造剤には、Rheox,Inc.(現Elementis)製のチキシン(THIXCIN)が挙げられる。
【0016】
この組成物は更に、好ましくは、酸性構成成分を中和するためのアルカノールアミンを含む。好適なアルカノールアミンの例には、トリエタノールアミン及びモノエタノールアミンがある。これは、組成物がホウ酸又はその誘導体(例えば、ボロン酸)などのプロテアーゼ安定剤を含む場合に、特に好ましい。好適なボロン酸誘導体の例には、次の式のフェニルボロン酸誘導体がある。
【化2】

式中、Rは、水素、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及び置換C〜Cアルケニルからなる群から選択される。
【0017】
きわめて好ましいプロテアーゼ安定剤は、4−ホルミルフェニルボロン酸である。プロテアーゼ安定剤として好適な、更に好ましいボロン酸誘導体は、米国特許第4,963,655号、同第5,159,060号、国際特許第WO95/12655号、同第WO95/29223号、同第WO92/19707号、同第WO94/04653号、同第WO94/04654号、米国特許第5,442,100号、同第5,488,157号、及び同第5,472,628号に記述されている。
【0018】
この組成物は、可逆性ペプチドプロテアーゼ抑制剤を含んでもよい。好ましくは、可逆的ペプチドプロテアーゼ抑制剤はトリペプチド酵素抑制剤である。好適なトリペプチド酵素抑制剤の代表的な非限定例としては、
【化3】

及びこれらの混合物が挙げられる。
【0019】
可逆性ペプチドプロテアーゼ抑制剤は、任意の好適な方法で調製してもよい。可逆性ペプチドプロテアーゼ抑制剤の製造に好適なプロセスの非限定的な具体例は、米国特許第6,165,966号に見出すことができる。
【0020】
一実施形態では、組成物が、組成物の約0.00001重量%〜約5重量%、具体的には約0.00001重量%〜約3重量%、より具体的には約0.00001重量%〜約1重量%の可逆的ペプチドプロテアーゼ抑制剤を含む。
【0021】
この組成物は、好ましくは溶媒を含む。この溶媒は典型的には水、又は有機溶媒、又はこれらの混合物である。好ましくはこの溶媒は水と有機溶媒の混合物である。この組成物が単位用量小袋の形態である場合は、好ましくはこの組成物は有機溶媒を含み、10重量%未満、又は5重量%未満、又は4重量%未満、又は3重量%未満の遊離水を含み、及び無水であってもよく、典型的には、故意に加えられた遊離水を含まない。遊離水は典型的にはカール・フィッシャー滴定を使用して測定される。選択洗剤組成物2gを、室温で20分間、乾燥メタノール50mLで抽出し、このメタノール1mLをカールフィッシャー滴定によって分析する。
【0022】
この組成物は、0重量%超〜8重量%、好ましくは0重量%超〜5重量%、最も好ましくは0重量%超〜3重量%の有機溶媒を含み得る。好適な溶媒としてはC〜C14のエーテル及びジエーテル、グリコール、又はアルコキシル化グリコール、C〜C16グリコールエーテル、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化直鎖C〜Cアルコール、直鎖C〜Cアルコール、アミン、C〜C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0023】
好ましい溶媒は、メトキシオクタデカノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、ベンジルアルコール、2−エチルブタノール及び/又は2−メチルブタノール、1−メチルプロポキシエタノール及び/又は2−メチルブトキシエタノール、直鎖C〜Cアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブチルジグリコールエーテル(BDGE)、ブチルトリグリコールエーテル、第三級アミルアルコール、グリセロール、イソプロパノールなど)、及びこれらの混合物から選択される。本明細書で使用できる特に好ましい溶媒は、ブトキシプロポキシプロパノール、ブチルジグリコールエーテル、ベンジルアルコール、ブトキシプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エタノール、メタノール、イソプロパノール、及びこれらの混合物である。他の好適な溶媒には、プロピレングリコール及びジエチレングリコール、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
固体洗濯洗剤組成物
本発明の一実施形態では、この組成物は固体洗濯洗剤組成物であり、好ましくは固体洗濯粉末洗剤組成物である。
【0025】
この組成物は好ましくは、0重量%〜10重量%、又は5重量%ものゼオライトビルダーを含む。この組成物はまた、好ましくは、0重量%〜10重量%、又は5重量%ものリン酸塩ビルダーを含む。
【0026】
この組成物は典型的に、アニオン性洗浄界面活性剤を含み、好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を含み、好ましくは共界面活性剤と組み合わせて含まれる。好ましい共界面活性剤は、平均1〜10、好ましくは平均1〜3のエトキシル化度を有するアルキルエトキシル化硫酸塩、及び/又は、平均1〜10、好ましくは平均1〜3のエトキシル化度を有するエトキシル化アルコールである。
【0027】
この組成物は好ましくはキレート剤を含み、好ましくはこの組成物は0.3重量%〜2.0重量%のキレート剤を含む。好適なキレート剤はエチレンジアミン−N,N’−二コハク酸(EDDS)である。
【0028】
この組成物は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、スルホエチルセルロース、スルホプロピルセルロース、セルロースサルフェート、リン酸化セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロース、スルホエチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、スルホエチルエチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルエチルセルロース、カルボキシメチルメチルヒドロキシプロピルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルドデシルセルロース、カルボキシメチルドデコイルセルロース、カルボキシメチルシアノエチルセルロース、及びスルホエチルシアノエチルセルロースのナトリウム又はカリウム塩などの、セルロースポリマーを含み得る。このセルロースは、例えば、メチル及びヒドロキシエチルセルロースなどの2つ以上の異なる置換基によって置換された、置換セルロースであり得る。
【0029】
この組成物は、例えば、Repel−o−Tex(商標)などの汚れ分散ポリマーを含み得る。他の好適な汚れ分散ポリマーは、アニオン性汚れ分散ポリマーである。好適な汚れ分散ポリマーの詳細は、国際特許第WO05123835A1号、同第WO07079850A1号及び同第WO08110318A2号に記述されている。
【0030】
この組成物は、スプレードライ粉末を含み得る。このスプレードライ粉末は、ケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩を含み得る。
【0031】
グリコシル加水分解酵素
グリコシル加水分解酵素は、キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有し、グリコシル加水分解酵素は、GHファミリー5、12、44又は74の中から選択される。
【0032】
キシログルカンに対する酵素活性は、下記に詳しく記述される。非晶質セルロース基質に対する酵素活性は、下記に詳しく記述される。
【0033】
グリコシル加水分解酵素は好ましくは、グリコシル加水分解酵素ファミリー44に属する。グリコシル加水分解酵素(GH)ファミリーの定義は、Biochem J.1991,v280,309〜316により詳しく記述されている。
【0034】
グリコシル加水分解酵素は好ましくは、少なくとも70%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、配列No.1と同一の配列を有する。
【0035】
本発明の目的のため、2つのアミノ酸配列の間の類似性は、EMBOSSパッケージのNeedleプログラム(好ましくはバージョン3.0.0以降)に実装されている(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends in Genetics 16:276〜277)、Needleman−Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443〜453)を用いて決定される。使用される所望によるパラメータは、ギャップ開始ペナルティが10、ギャップ伸長ペナルティが0.5、EBLOSUM62(EMBOSSバージョンBLOSUM62)置換マトリックスである。「最長同一(longest identity)」と標識されたNeedle出力(−nobriefオプションを使用して得られる)が、同一性パーセントとして使用され、次のように計算される。(同一残基×100)/(アライメント長さ−アライメント中のギャップの合計数)。
【0036】
好適なグリコシル加水分解酵素は、Paenibacillus polyxyma(野生型)から得られた、国際特許第WO01/062903号に記載されているXYG1006などの、GHファミリー44グリコシル加水分解酵素又は及びその変異型、Bacillus licheniformis(野生型)から得られた、国際特許第WO99/02663号に記載されている配列番号:1などの、GHファミリー12グリコシル加水分解酵素又はその変異型;Bacillus agaradhaerens(野生型)から得られたGHファミリー5グリコシル加水分解酵素又はその変異型、Paenibacillus(野生型)から得られた、国際特許第WO01/064853号に記載されているXYG1034及びXYG1022などの、GHファミリー5グリコシル加水分解酵素又はその変異型;Jonesia sp.(野生型)から得られた、国際特許第WO2002/077242号に記載されているXYG1020などの、GHファミリー74グリコシル加水分解酵素、並びに、Trichoderma Reesei(野生型)から得られた、国際特許第WO03/089598号に記載されている配列番号2に詳しく記載されている酵素などの、GHファミリー74グリコシル加水分解酵素又はその変異型、からなる群から選択される。
【0037】
好ましいグリコシル加水分解酵素は、Paenibacillus polyxyma(野生型)から得られたXYG1006などのGHファミリー44グリコシル加水分解酵素からなる群から選択されるか、又はその変異型である。
【0038】
キシログルカン基質に対する酵素活性
pH7.5において下記のアッセイに従い、純粋な酵素が50000XyloU/gを超える特異的活性を有している場合、その酵素はキシログルカンに対して活性を有していると見なされる。
【0039】
キシログルカナーゼ活性は、Megazyme(アイルランド)から入手したAZCL−キシログルカンを基質(青色基質)として使用して測定する。
【0040】
1.5mLのエッペンドルフ管(各0.75mL)内に、20℃で攪拌しながらpH7.5の0.1Mリン酸塩緩衝液中に青色基質の0.2%溶液を懸濁させ、50マイクロリットルの酵素溶液を加え、1200rpmで混合しながら40℃で20分間、エッペンドルフサーモミキサーでインキュベートする。インキュベーション後、この着色した溶液を、14,000rpmで4分間遠心分離にかけて固体と分離し、分光光度計を用いて、1cmキュベット内の上清の吸光度を600nmで測定した。XyloU単位は、600nmにおいて1cmキュベット内で0.24の吸光度をもたらす酵素の量として定義される。
【0041】
XyloU活性の計算には、0.1〜0.8の吸光度値のみが使用される。吸光度値の測定値がこの範囲外となった場合、これに応じて最初の酵素濃度の最適化を行うべきである。
【0042】
非晶質セルロース基質に対する酵素活性
pH7.5において下記のアッセイに従い、純粋な酵素が20000EBG/gを超える特異的活性を有している場合、その酵素は非晶質セルロースに対して活性を有していると見なされる。緩衝剤として用いる化学物質及び基質は、少なくとも試薬等級の市販製品であった。
【0043】
エンドグルカナーゼ活性アッセイの材料:
0.1Mリン酸塩緩衝液、pH7.5
Cellazyme C錠剤(アイルランドのMegazyme Internationalより入手)。
ガラスマイクロファイバーフィルター、GF/C、直径9cm(Whatmanより入手)。
【0044】
方法:
試験管中で、1mLのpH7.5緩衝液と5mLの脱イオン水を混合する。
【0045】
100マイクロリットルの酵素試料(又は酵素試料を既知の重量:重量希釈率で希釈したもの)を加える。各試験管にCellazyme C錠剤を1錠加え、試験管にキャップをして、ボルテックスミキサーで10秒間混合する。この試験管を、温度40℃のサーモスタット付き水浴に入れる。15分後、30分後及び45分後に、試験管を転倒混和することにより試験管の内容物を混合し、水浴に戻す。60分後、試験管の内容物を転倒混和し、次にGF/Cフィルターで濾過する。この濾液をきれいな試験管に回収する。
【0046】
分光光度計を用い、吸光度(Aenz)を590nmで測定する。ブランク値Awaterは、100マイクロリットルの酵素試料の代わりに100μLの水を加えることにより決定される。
Adelta=Aenz−Awaterを計算する。
Adeltaは<0.5でなければならない。これより高い値が得られた場合は、異なる酵素希釈率で繰り返す。
【0047】
DFO.1を決定する(DFO.1はAdelta=0.1を得るのに必要な希釈率である)。
【0048】
単位の定義:1エンドβグルカナーゼ活性単位(1EBG)は、上述のアッセイ条件において、Adelta=0.10を得る酵素量である。よって例えば、所定の酵素試料を、希釈率100で希釈後にAdelta=0.10を得た場合、その酵素試料は100EBG/gの活性を有する。
【0049】
両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマー
本発明の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように親水性と疎水性の特性が釣り合っている任意のアルコキシル化ポリマーを示す。本発明の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーの具体的な実施形態は、コア構造と、そのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基と、を含む。
【0050】
コア構造は、式(I)、(II)、(III)及び(IV):
【化4】

の繰り返し単位を縮合形態で含むポリアルキレンイミン構造
(式中、#は、各場合において、窒素原子と式(I)、(II)、(III)又は(IV)の2つの隣接する繰り返し単位のA基の遊離結合部位との間の結合の半分を示し、は、各場合において、アルコキシレート基のうちの1つに対する結合の半分を示し、Aは、直鎖又は分枝鎖のC〜C−アルキレンから独立して選択され、ポリアルキレンイミン構造は、式(I)の1繰り返し単位、式(II)のx繰り返し単位、式(III)のy繰り返し単位及び式(IV)のy+1繰り返し単位からなり、x及びyは、各場合において、0〜約150の範囲の値を有し、ポリアルキレンイミンコア構造の平均重量平均分子量Mwは、約60〜約10,000g/molの範囲の値である)を含んでもよい。
【0051】
あるいは、コア構造は、式(I.a)及び/又は(I.b)のN−(ヒドロキシアルキル)アミンから選択される少なくとも1つの化合物の縮合生成物のポリアルカノールアミン構造
【化5】

(式中、Aは、C〜C−アルキレンから独立して選択され、R、R1*、R、R2*、R、R3*、R、R4*、R及びR5*は、水素、アルキル、シクロアルキル又はアリールから独立して選択され、後者3つの言及されたラジカルは所望により置換されてもよく、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル又はアリールから選択され、後者3つの言及されたラジカルは所望により置換されてもよい)のいずれかを含んでもよい。
【0052】
コア構造に結合した複数のアルキレンオキシ基は、式(V)のアルキレンオキシ単位
【化6】

(式中、は、各場合において、式(I)、(II)又は(IV)の繰り返し単位の窒素原子に対する結合の半分を示し、Aは、各場合において、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン及び1,2−イソブチレンから独立して選択され、Aは、1,2−プロピレンであり、Rは、各場合において、水素及びC〜C−アルキルから独立して選択され、mは0〜約2の範囲の平均値を有し、nは約20〜約50の範囲の平均値を有し、pは約10〜約50の範囲の平均値を有する)から独立して選択される。
【0053】
両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーの特定の実施形態は、内側ポリエチレンオキシドブロックと外側ポリプロピレンオキシドブロックとを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンから選択されてもよく、エトキシル化度及びプロポキシル化度は特定の制限値を上回りも下回りもしない。本発明によるアルコキシル化ポリアルキレンイミンの特定の実施形態は、ポリエチレンブロックのポリプロピレンブロックに対する比率(n/p)の最小値が約0.6であり、最大値が約1.5(x+2y+1)1/2である。約0.8〜約1.2(x+2y+1)1/2のn/p比率を有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンは、特に有益な特性を有することが判明している。
【0054】
本発明によるアルコキシル化ポリアルキレンイミンは第一級、第二級及び第三級アミン窒素原子からなる主鎖を有し、これらの窒素原子はアルキレンラジカルAにより互いに結合し、ランダムに配列される。ポリアルキレンイミン主鎖の主鎖及び側鎖を開始又は終止し、その残りの水素原子が引き続いてアルキレンオキシ単位により置換される第一級アミノ部分は、それぞれ式(I)又は(IV)の繰り返し単位と呼ばれる。残りの水素原子が引き続いてアルキレンオキシ単位により置換される第二級アミノ部分は、式(II)の繰り返し単位と呼ばれる。主鎖と側鎖に分岐する第三級アミノ部分は、式(III)の繰り返し単位と呼ばれる。
【0055】
環化がポリアルキレンイミン主鎖の形成時に生じ得るので、環状アミノ部分が主鎖内に僅かな程度まで存在することも可能である。環状アミノ部分を含有するこのようなポリアルキレンイミンは、無論、非環状第一級及び第二級アミノ部分からなるものと同様にアルコキシル化される。
【0056】
窒素原子及びA基からなるポリアルキレンイミン主鎖は、約60〜約10,000g/モル、好ましくは約100〜約8,000g/モル、より好ましくは約500〜約6,000g/モルの平均分子量Mwを有する。
【0057】
和(x+2y+1)は、1つの個々のポリアルキレンイミン主鎖内に存在するアルキレンイミン単位の総数に相当し、それゆえにポリアルキレンイミン主鎖の分子量に直接関わる。しかしながら、指定で与えられた値は、混合物中に存在する全てのポリアルキレンイミンの数平均に関わる。和(x+2y+2)は、1つの個々のポリアルキレンイミン主鎖内に存在するアミノ基の総数に相当する。
【0058】
アミノ窒素原子に接続するラジカルAは、1,2−エチレン、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、1,2−イソブチレン、1,2−ペンタンジイル、1,2−ヘキサンジイル又はヘキサメチレンなどの、同一又は異なる、直鎖又は分枝鎖C〜C−アルキレンラジカルであり得る。好ましい分枝状アルキレンは、1,2−プロピレンである。好ましい直鎖アルキレンは、エチレン及びヘキサメチレンである。より好ましいアルキレンは、1,2−エチレンである。
【0059】
ポリアルキレンイミン主鎖の第一級及び第二級アミノ基の水素原子は、式(V)のアルキレンオキシ単位により置換される。
【化7】

この式では、変数は、好ましくは、以下に与えられる意味のうちの1つを有する。
【0060】
は、各場合において、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン及び1,2−イソブチレンから選択され、好ましくはAは1,2−プロピレンである。Aは1,2−プロピレンであり、Rは、各場合において、水素及びC〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルなど)から選択され、好ましくはRは水素である。添え字mは、各場合において、0〜約2の値を有し、好ましくはmは0又はおよそ1であり、より好ましくはmは0である。添え字nは、約20〜約50の範囲、好ましくは約22〜約40の範囲、より好ましくは約24〜約30の範囲の平均値を有する。添え字pは、約10〜約50の範囲、好ましくは約11〜約40の範囲、より好ましくは約12〜約30の範囲の平均値を有する。
【0061】
好ましくは、式(V)のアルキレンオキシ単位は、アルコキシレートブロックの非ランダム配列である。非ランダム配列により、[−A−O−]が1番目に付加され(すなわち、式(I)、(II)又は(III)の繰り返し単位の窒素原子に対する結合に最も近接している)、[−CH−CH−O−]が2番目に付加され、[−A−O−]が3番目に付加されることが意味される。この配向は、内側ポリエチレンオキシドブロックと外側ポリプロピレンオキシドブロックとを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを提供する。
【0062】
式(V)のこれらのアルキレンオキシ単位のかなりの部分は、エチレンオキシ単位−[CH−CH−O)]−及びプロピレンオキシ単位−[CH−CH(CH)−O]−により形成される。アルキレンオキシ単位はまた追加的に、小さな比率のプロピレンオキシ又はブチレンオキシ単位−[A−O]−を有してもよく、すなわち、水素原子で飽和したポリアルキレンイミン主鎖は、存在するNH−部分1モル当たりで最大約2モル、特に約0.5〜約1.5モル、特に約0.8〜約1.2モルの、少量のプロピレンオキシド又はブチレンオキシドと最初に反応させてもよい、すなわち、初期にアルコキシル化させてもよい。
【0063】
ポリアルキレンイミン主鎖のこの最初の修飾により、必要である場合には、アルコキシル化における反応混合物の粘性を低下させることができる。しかしながら、修飾は一般にアルコキシル化ポリアルキレンイミンの性能特性に影響せず、したがって、好ましい尺度を構成しない。
【0064】
両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、本発明の洗剤及び洗浄組成物中に、組成物の約0.05重量%〜約10重量%の範囲の濃度で存在する。本組成物の実施形態は、約0.1重量%〜約5重量%を含んでもよい。より具体的には、本実施形態は、約0.25〜約2.5%のグリース洗浄ポリマーを含んでもよい。
【0065】
洗浄性界面活性剤
前記組成物は、洗浄性界面活性剤を含む。洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、及び/又は双性イオン性であり得る。好ましくは、この洗浄性界面活性剤はアニオン性である。この組成物は好ましくは2%〜50%、より好ましくは5%〜30%、最も好ましくは7%〜20%の洗浄性界面活性剤を含む。この組成物は2%〜6%の洗浄性界面活性剤を含み得る。この組成物は好ましくは、洗濯プロセスで洗浄液中100ppm〜5,000ppmの洗浄性界面活性剤を供給するような量の、洗浄性界面活性剤を含む。これは、洗濯プロセスで10g〜125gの液体洗濯洗剤組成物を洗浄液内に投入する場合に、特に好ましい。この組成物は水と接触して、典型的に、0.5g/L〜10g/Lの洗剤組成物を含む洗浄液を形成する。
【0066】
ランダムグラフトコポリマー
ランダムグラフトコポリマーは、(i)不飽和C〜Cカルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位ユニット、アルコキシ単位、無水マレイン、飽和ポリアルコール(例えばグリセロールなど)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性主鎖、並びに、(ii)C〜C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C〜Cモノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC〜Cアルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖、を含む。
【0067】
このポリマーは好ましくは、次の一般式を有する:
【化8】

式中、X、Y及びZはH又はC1〜6アルキルから独立に選択される末端保護単位であり、各Rはメチル及びエチルから独立に選択され;各RはH及びメチルから独立に選択され;各Rは独立にC1〜4アルキルであり、並びに各Rはピロリドン及びフェニル基から独立に選択される。ポリエチレンオキシド主鎖の重量平均分子量は典型的に、約1,000g/mol〜約18,000g/mol、又は約3,000g/mol〜約13,500g/mol、又は約4,000g/mol〜約9,000g/molである。m、n、o、p及びqの値は、ペンダント基がポリマーの少なくとも50重量%、又は約50重量%〜約98重量%、又は約55重量%〜約95重量%、又は約60重量%〜約90重量%を含むように選択される。本明細書で有用なポリマーは典型的には、約1,000g/mol〜約100,000g/mol、又は好ましくは約2,500g/mol〜約45,000g/mol、又は約7,500g/mol〜約33,800g/mol、又は約10,000g/mol〜約22,500g/molの重量平均分子量を有する。
【0068】
好適なグラフトコポリマーについては、国際特許第WO07/138054号、同第WO06/108856号、及び同第WO06/113314号に詳しく記述されている。
【0069】
補助剤成分
適切な添加剤物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、追加の酵素及び酵素安定剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記開示に加えて、このような他の補助剤の適した例、及び使用量は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812号及び同第6,326,348号に見ることができる。
【0070】
本発明の第2の実施形態
本発明の第2の実施形態において、この組成物は次のものを含む。
【0071】
(i)キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシル加水分解酵素であって、GHファミリー5、12、44、又は74の中から選択されるグリコシル加水分解酵素と、(ii)次のものを含むランダムグラフトコポリマー。(a)不飽和C〜C酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位ユニット、アルコキシ単位、無水マレイン酸、飽和ポリアルコール(例えば、グリセロールなど)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性主鎖、並びに、(b)C〜C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C〜Cモノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC〜Cアルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖;並びに、(iii)洗浄性界面活性剤、好ましくは低濃度の洗浄性界面活性剤。洗浄性界面活性剤については、上記に詳しく記述されている。ランダムグラフトコポリマーについては、上記に詳しく記述されている。
【0072】
この組成物は好ましくは、両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含む。この両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーについては、上記に詳しく記述されている。
【0073】
好ましくは、この組成物は、次の一般構造、ビス((CO)(CO)n)(CH)−N−C2x−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)(式中、nは20〜30であり、かつxは3〜8である)を有する化合物、又はこの硫酸化若しくはスルホン化変異体を含む。
【0074】
好ましくは、この組成物は液体の形態である。好ましくは、このグリコシル加水分解酵素は、配列番号1と少なくとも70%同一の配列を有する。好ましくは、このグリコシル加水分解酵素は、アミノ酸配列番号1を有する。このグリコシル加水分解酵素については、上記に詳しく記述されている。この組成物は、更に追加の補助剤成分を含んでもよい。この補助剤成分については、上記に詳しく記述されている。
【実施例】
【0075】
(実施例1〜8)
フロントローディング式自動洗濯機に好適な液体洗濯洗剤組成物
【表1】

【0076】
(実施例9〜16)
トップローディング式自動洗濯機に好適な液体洗濯洗剤組成物
【表2】

【0077】
(実施例17〜22)
下記は、布地洗濯に適した、本発明に従って製造された顆粒状洗剤組成物である。
【表3】

【0078】
(実施例23〜28)
下記は、布地洗濯に適した、本発明に従って製造された顆粒状洗剤組成物である。
【表4】

ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリビニルアセテート側鎖とを有する、ポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000で、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルの重量比は約40対60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
−NHにつき20個のエトキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
両親媒性グリース洗浄ポリマーは、−NHにつき24個のエトキシル基、及び−NHにつき16個のプロポキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。
次の構造を有する可逆性プロテアーゼ抑制剤。
【化9】

注:酵素濃度はすべて、酵素原材料の%として表わされているが、ただしキシログルカナーゼは、洗剤100g当たりの活性酵素タンパク質mg単位で示されている。XYG1006酵素は配列:1による。
【0079】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシル加水分解酵素であって、GHファミリー5、12、44又は74から選択されるグリコシル加水分解酵素と、
(ii)両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーと、
(iii)洗浄性界面活性剤と、を含む、洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記グリコシル加水分解酵素が、グリコシル加水分解酵素ファミリー44に属する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記グリコシル加水分解酵素が、配列番号1と少なくとも80%相同の配列を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が液体の形態である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物がランダムグラフトコポリマーを含み、前記ランダムグラフトコポリマーが、
(i)不飽和C1〜カルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位ユニット、アルコキシ単位、無水マレイン酸、グリセロールなどの飽和ポリアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性主鎖と、
(ii)C4〜25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C〜Cモノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖と、を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、次の一般構造:ビス((CO)(CO)n)(CH)−N−C2x−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)(式中、nは20〜30であり、かつxは3〜8である)を有する化合物、又はこの硫酸化若しくはスルホン化変異体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、次の一般構造:ビス((CO)(CO)n)(CH)−N−C2x−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)(式中、nは20〜30であり、かつxは3〜8である)を有する化合物、又はこの硫酸化若しくはスルホン化変異体を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、2重量%〜20重量%の洗浄性界面活性剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、水及び/又は有機溶媒などの溶媒、アミラーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼなどの追加の酵素、プロテアーゼ安定剤、構造剤、増白剤、汚れ分散ポリマー、汚れ除去ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの補助剤を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
(i)キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシル加水分解酵素であって、GHファミリー5、12、44又は74から選択される、グリコシル加水分解酵素と、
(ii)
(a)不飽和C1〜カルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位ユニット、アルコキシ単位、無水マレイン酸、グリセロールなどの飽和ポリアルコール類、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性主鎖と、
(b)C4〜25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C〜Cモノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖と、を含む、ランダムグラフトコポリマーと、
(iii)洗浄性界面活性剤と、を含む、洗濯洗剤組成物。
【請求項11】
前記組成物が両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が液体の形態である、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
前記グリコシル加水分解酵素が、配列番号1と少なくとも80%相同の配列を有する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、次の一般構造:ビス((CO)(CO)n)(CH)−N−C2x−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)(式中、nは20〜30であり、かつxは3〜8である)を有する化合物、又はこの硫酸化若しくはスルホン化変異体を含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、次の一般構造:ビス((CO)(CO)n)(CH)−N−C2x−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)(式中、nは20〜30であり、かつxは3〜8である)を有する化合物、又はこの硫酸化若しくはスルホン化変異体を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、2重量%〜20重量%の洗浄性界面活性剤を含む、請求項10〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、水及び/又は有機溶媒などの溶媒、アミラーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼなどの追加の酵素、プロテアーゼ安定剤、構造剤、増白剤、汚れ分散ポリマー、汚れ除去ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの補助剤を含む、請求項10〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、少なくとも部分的に水溶性フィルム内に封止されている、請求項10〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、カルシウムカチオン、ホウ酸塩、ポリオール溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される酵素安定剤を含む、請求項10〜18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
(i)請求項1〜19に記載の液体洗濯洗剤組成物を水に接触させて洗浄液を形成する工程と、
(ii)布地を前記洗浄液に接触させる工程と、
(iii)所望により前記布地を乾燥させる工程と、を含み、
工程(i)において50g以下の洗濯洗剤組成物が水に投入されて洗浄液を形成する、布地を洗濯する方法。

【公表番号】特表2011−508818(P2011−508818A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541120(P2010−541120)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2008/055468
【国際公開番号】WO2009/087523
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】