説明

グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤としてのピロロピリジン−2−カルボン酸ヒドラジド化合物

式(I):


の化合物またはその医薬的に許容される塩は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤であり、糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、高インスリン血症、高脂血症、高血圧、アテローム性動脈硬化症、または例えば心筋虚血のような組織虚血の予防または治療的処置、あるいは心臓保護剤または異常細胞増殖阻害剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(背景技術)
本発明は、ピロロピリジン−2−カルボン酸ヒドラジド化合物に関する。特に、本発明は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤であるピロロピリジン−2−カルボン酸ヒドラジド化合物に関する。
【0002】
食事、運動、血糖降下剤、およびインスリンを含む臨床的に適用される処方が有効であるにもかかわらず、インスリン依存性I型糖尿病およびインスリン非依存性II型糖尿病は、治療困難が続いている。治療は、患者に依存しており、それ故、新規な血糖降下剤、とりわけ副作用がより少なくてより許容性のある血糖降下剤の継続的なニーズがある。
【0003】
肝臓およびいくらかの他の器官は、グリコーゲンを分解することによるか、または小分子前駆体からグルコースを合成することによって、グルコースを産生する(それにより血糖レベルを上昇させる)。グリコーゲンの分解は、酵素であるグリコーゲンホスホリラーゼによって触媒される。従って、グリコーゲンホスホリラーゼ(「GP」)を阻害することは、糖尿病患者において、上昇した血糖レベルを低下しうる。
【0004】
同様に、高血圧、および例えばアテローム性動脈硬化症、脂質血症、高脂血症および高コレステロール血症のようなその関連の病状は、上昇したインスリンレベル(高インスリン血症)と関連しており、異常な血糖レベルに導きうる。さらに、心筋虚血を生じうる。当該疾患は、グリコーゲンホスホリラーゼを阻害する化合物を含む血糖降下剤で治療されうる。従って、グリコーゲンホスホリラーゼ(例えば、米国特許第6297269号を参照されたい)を阻害する化合物は、糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、高インスリン血症、高脂血症、アテローム性動脈硬化症または心筋虚血の治療に有用であることが認められる。それでもなお、グリコーゲンホスホリラーゼを阻害する他の新規な化合物を得ることが望まれている。
【0005】
R. Kurukulasuriya, J.T. Link, et al, Current Medicinal Chem., 10:99-121(2003) は、「肝グルコース産生の薬理学的阻害のための展望」を記載する。 R. Kurukulasuriya, J.T. Link, et al., Current Medicinal Chem., 10:123-153(2003) は、「肝グルコース産生の薬理学的阻害に対する可能な薬剤標的および発展」を記載する。
【0006】
米国特許第6297269号および欧州特許EP0832066は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤としての置換N−(インドール−2−カルボニル)アミド化合物および誘導体を記載する。米国特許第6107329号および第6277877号は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤としての置換N−(インドール−2−カルボニル)グリシンアミド化合物および誘導体を記載する。米国特許第6399601号は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤としての二環性ピロリルアミド化合物を記載する。国際特許出願第WO03/037864は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤としてインドール誘導体を記載する。欧州特許出願EP0978276およびEP1136071は、ヒトグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤およびそれらの使用を記載する。国際特許公開WO01/68055は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を記載する。米国特許第5952322号は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を用いる非心虚血組織損傷を軽減する方法を記載する。
【0007】
欧州特許出願EP1177791は、例えば癌および過剰増殖性障害の治療のような異常細胞増殖を阻害するために、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の使用を記載する。
【0008】
国際特許公開WO04/104001(本出願の優先日後に公開された)は、グリコーゲンホスホリラーゼのピロロピリジン−2−カルボン酸アミド阻害剤を開示する。
【0009】
国際特許公開WO04/113345(本出願の優先日後に公開された)は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤としての縮合ピロール化合物を開示する。
【0010】
国際特許公開WO01/55146は、アリールアミジン化合物を記載する。国際特許公開WO01/62775は、抗不整脈ペプチド化合物を記載する。国際特許出願WO01/96346は、三環性化合物を記載する。国際特許出願WO02/16314は、置換ポリアミン化合物を記載する。国際特許公開WO02/20475は、セリンプロテアーゼ活性化阻害剤を記載する。国際特許公開WO02/40469は、ボンベシンレセプターアンタゴニストを記載する。国際特許公開WO02/46159は、グアニジンおよびアミジン誘導体を記載する。国際特許公開WO00/69815は、ウレイド置換環状アミン誘導体を記載する。
【0011】
国際特許公開WO00/43384は、芳香族ヘテロ環状化合物を記載する。国際特許公開WO02/26697およびWO00/76970は、芳香族誘導体を記載する。国際特許公開WO01/32622は、インドール化合物を記載する。欧州特許出願EP1101759は、フェニルアゾール化合物を記載する。欧州特許出願EP1179341は、環状アミノ化合物を記載する。米国特許第6037325号は、置換ヘテロ環状化合物を記載する。米国特許第5672582号は、4−置換シクロヘキシルアミン誘導体を記載する。欧州特許出願EP1201239は、環状アミンCCR3アンタゴニストを記載する。国際特許公開WO98/25617は、置換アリールピペラジン化合物を記載する。米国特許第5756810号は、3−ニトロベンゾエート化合物の調製を記載する。
【0012】
米国特許第5710153号は、テトラゾール化合物を記載する。米国特許第6174887号および第6420561号は、アミド化合物を記載する。S.P. Hiremath et al. Acta Ciencia Indica, XVIII:397(1992) は、インドリルチオセミカルバジド化合物およびセミカルバジド化合物の合成および生物活性を記載する。国際特許公開WO96/36595は、3,4−ジ置換フェニルスルホンアミドを記載する。米国特許第5618825号は、コンビナトリアルスルホンアミドライブラリーを記載する。欧州特許出願EP0810221は、酸素含有ヘテロ環誘導体を記載する。欧州特許出願第0345990号は、ポリペプチド化合物を記載する。欧州特許出願第0254545号は、ジアミン化合物を記載する。
【0013】
国際特許公開WO97/31016は、SH2介在性プロセスの阻害剤を記載する。米国特許第6034067号は、セリンプロテアーゼ阻害剤を記載する。国際特許公開WO97/17985および米国特許第6107309号は、血液制御化合物を記載する。米国特許第6432921号は、トロンビン阻害剤を記載する。英国特許出願GB2292149は、プロインターロイキン1β変換酵素のペプチド阻害剤を記載する。米国特許第5821241号は、フィブリノーゲンレセプターアンタゴニストを記載する。
【0014】
国際特許公開WO01/02424は、ペプチドボロン酸化合物を記載する。米国特許第6001811号、第5869455号および第5618792号は、オキサジアゾール、チアジアゾールおよびトリアゾールペプトイド化合物を記載する。米国特許第5885967号、第6090787号および第6124277号は、トロンビン阻害ペプチド誘導体を記載する。米国特許第6455529号は、接着レセプターアンタゴニストを記載する。米国特許第6410684号は、セリンプロテアーゼ阻害剤を記載する。
【0015】
国際特許公開WO01/94310は、ビスヘテロ環状アルカロイドを記載する。米国特許出願番号20030004162A1、欧州特許出願EP0846464および国際特許公開WO96/39384は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を記載する。国際特許公開WO97/28798は、ピロリジン誘導体を記載する。米国特許第5346907号は、アミノ酸アナログを記載する。
【0016】
(発明の概要)
式(I):
【化1】

の化合物またはその医薬的に許容される塩は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤であり、糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、高インスリン血症、高脂血症、高血圧、アテローム性動脈硬化症、または例えば心筋虚血のような組織虚血の予防または治療的処置、あるいは心臓保護剤または異常細胞増殖阻害剤として有用である。
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明は、式(I):
【化2】

[式中、
1、X2、X3およびX4のうち一つは、Nであり、それ以外は、Cであり;
Yは、−C(O)−、−S(O)2−、または−C(NH)−であり;
Zは、C1-4アルキレン、酸素、−(CH2mO−、−O(CH2m−、−NR−、−(CH2mNR−、−NR(CH2m−、−(CH2mS(O)2−、または結合であり;
mは、1、2、3、または4であり;
Rは、C0-4アルキル、C0-4アルキルアリール、またはC0-4アルキルヘテロアリールであり;
1およびR1'は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C0-4アルキル、C1-4アルコキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エテニル、またはエチニルであり;
2は、C0-4アルキル、COOR6、COR6、C1-4アルコキシC1-4アルキル−、ヒドロキシC1-4アルキル−、シクロアルキルC0-4アルキル−、アリールC0-4アルキル−、またはヘテロアリールC0-4アルキル−であり、該アリールまたはヘテロアリール環のいずれかが1〜2個の独立したハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、−N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、−SO21-4アルキル、−SO2N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、ヒドロキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチル置換基で適宜置換され;
3は、水素、−COOC0-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、アリールC1-4アルキルチオ−、−C0-4アルキルアリール、−C0-4アルキルヘテロアリール、−C0-4アルキルシクロアルキル、または−C0-4アルキルヘテロシクリルであり、環のいずれも1〜3個の独立したハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、−C0-4アルキルNHC(O)O(C1-4アルキル)、−C0-4アルキルNR78、−C(O)R9、C1-4アルコキシC0-4アルキル−、−COOC0-4アルキル、−C0-4アルキルNHC(O)R9、−C0-4アルキルC(O)N(R102、−C1-4アルコキシC1-4アルコキシ、ヒドロキシC0-4アルキル−、−NHSO210、−SO2(C1-4アルキル)、−SO2NR1112、5〜6員環ヘテロシクリル、フェニルC0-2アルコキシ、またはフェニルC0-2アルキル置換基で適宜置換され、フェニルが1〜2個の独立したハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、−N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、−SO21-4アルキル、−SO2N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、ヒドロキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチル置換基で適宜置換されるか、または該ヘテロシクリル基の1つの炭素上の2つの結合は、オキソ(=O)置換基を適宜形成することができるか;または
3は、−NR4(−C0-4アルキルR5)であり;
4は、C0-3アルキル、−C2-3アルキル−NR78、ヒドロキシC0-4アルキル−で適宜置換されさらにヒドロキシで適宜置換されたC3-6シクロアルキル、C1-2アルコキシC2-4アルキル−、またはC1-2アルキル−S(O)n−C2-3アルキル−であり;
nは、0、1、または2であり;
5は、水素、ヒドロキシC2-3アルキル−、C1-2アルコキシC0-4アルキル-、あるいはアリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;
ヘテロ環窒素を含有するR5環は、C1-4アルキル、ベンジル、ベンゾイル、C1-4アルキル−C(O)−、−SO21-4アルキル、−SO2N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、C1-4アルコキシカルボニル、またはアリール(C1-4アルコキシ)カルボニルで該環の窒素上で適宜モノ置換され;該R5環がハロゲン、シアノ、C1-4アルキル−C(O)−、C1-4アルキルSO2−、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ、−N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、ヒドロキシC0-4アルキル−、またはC0-4アルキルカルバモイル−で該環の炭素上で適宜モノ置換されるが、但し、四級化された窒素は含まないか;あるいは
ヘテロシクリル基の環の1つの炭素上の2個の結合がオキソ(=O)置換基を適宜形成することができ;
6は、C1-4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
7およびR8は、独立して、C0-4アルキル、C3-6シクロアルキル、またはCO(C1-4アルキル)であり;
9は、C1-4アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
10は、C0-4アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;および
11およびR12は、独立して、C0-4アルキルであるか、またはそれらが結合する窒素と一緒になって、4〜6員ヘテロ環を形成してもよいが;但し、
−Y−Z−R3基に、窒素−酸素、窒素−窒素、酸素−酸素または窒素−ハロゲン結合は存在しない]
の化合物、またはその医薬的に許容される塩に関する。
【0018】
式(I)の化合物の分子量は、好ましくは800以下であり、より好ましくは600以下である。
【0019】
3が、好ましくはNである。
【0020】
Yが、好ましくは−C(O)−または−S(O)2−である。
【0021】
Zが、好ましくはC1-4アルキレン、酸素、−(CH2mO−、−NR−または結合である。より好ましくは、Zが結合である。
【0022】
Rが、好ましくはC0-4アルキルである。
【0023】
1およびR1'が、好ましくはそれぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはシアノである。より好ましくは、R1およびR1'のうち一つが水素であり、それ以外は、例えばクロロのようなハロゲンである。より好ましくは、R1およびR1'のうち一つが水素であり、それ以外が5−クロロである。
【0024】
2が、好ましくはC0-4アルキルである。より好ましくはR2が水素である。
【0025】
3が、好ましくは水素、−NR4(−C0-4アルキルR5)、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、環のいずれも、式(I)に関して上記の通り適宜置換される。
【0026】
4が、好ましくは水素である。
【0027】
記載されうる本発明の具体的な化合物は、実施例に含まれる化合物およびその医薬的に許容される塩である。
【0028】
各変数記号については、一般的に各変数記号について別途上に記載されているが一方、本発明の好ましい化合物には、式(I)のいくつかまたはそれぞれの変数記号がそれぞれの変数記号について、好ましい、より好ましい、最も好ましい、とりわけまたは特に記載した群から選択されている化合物が含まれる。従って、本発明は、好ましい、より好ましい、最も好ましい、とりわけおよび特に記載された群のすべての組合せを含むことを意図する。
【0029】
本明細書で用いられているように、指示しない限り、「アルキル」、ならびに例えば、アルコキシ、アルケニル、アルキニル等のような接頭語「アルク(alk)」を有する他の基は、直鎖または分枝鎖あるいはその組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキル基の具体例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなどを含む。「アルケニル」、「アルキニル」および他の類似の用語は、少なくとも一つの不飽和炭素−炭素結合を有する炭素鎖を含む。
【0030】
本明細書において用いられているように、例えば、「C0-4アルキル」は、0〜4個の炭素、すなわち直鎖または分枝鎖配置の0、1、2、3、または4個の炭素を有するアルキルを意味する。アルキルが末端基である場合、炭素を持たないアルキルは、水素である。アルキルが架橋する(結合する)基である場合、炭素を持たないアルキルは、直接結合である。
【0031】
用語「シクロアルキル」とは、ヘテロ原子を含まない炭素環を意味し、一環、二環、および三環性の飽和炭素環、ならびに縮合および架橋体を含む。該縮環体には、ベンゾ縮合炭素環のような縮環体を形成するために、例えばベンゼン環のような部分的または完全に不飽和である一環を含むことができる。シクロアルキルは、スピロ縮環体のような縮環体を含む。シクロアルキルおよび炭素環の具体例は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびデカヒドロナフタレンのようなC3-8シクロアルキル、アダマンタン、インダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等のようなC3-10シクロアルキルを含む。
【0032】
用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を含む。
【0033】
用語「アリール」とは、化学者に周知である。好ましいアリール基は、フェニルおよびナフチルであり、とりわけフェニルである。
【0034】
用語「ヘテロアリール」とは、化学者に周知である。該用語は、酸素および硫黄が隣接しない酸素、硫黄および窒素から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5または6員ヘテロアリール環を含む。該ヘテロアリール環の具体例は、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、およびトリアジニルである。
【0035】
用語「ヘテロアリール」とは、ベンゾ縮環ヘテロアリールを形成するために、例えばベンゼン環のような部分的または完全に不飽和である縮合した炭素環体を有するヘテロアリール環を含む。例えば、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン等である。
【0036】
他に指示しない限り、用語「ヘテロ環」および「ヘテロシクリル」とは、同義であり、酸素、硫黄、および窒素から選択される1または2個のヘテロ原子を含む4〜8員の飽和または部分的に飽和した環を含む。硫黄および酸素ヘテロ原子は、お互い直接結合しない。環内の窒素ヘテロ原子のいずれも、C1-4アルキルで適宜置換されうる。ヘテロ環の具体例は、アゼチジン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オキセパン、オキソカン、チエタン、チアゾリジン、オキサゾリジン、オキサゼチジン、ピラゾリジン、イソキサゾリジン、イソチアゾリジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、チエパン、チオカン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、アゼパン、アゾカン、[1,3]ジオキサン、オキサゾリジン、ピペラジン、ホモピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン等を含む。ヘテロ環の他の具体例は、含硫黄環の酸化形態を含む。従って、テトラヒドロチオフェン−1−オキシド、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、チオモルホリン−1−オキシド、チオモルホリン−1,1−ジオキシド、テトラヒドロチオピラン−1−オキシド、テトラヒドロチオピラン−1,1−ジオキシド、チアゾリジン−1−オキシド、およびチアゾリジン−1,1−ジオキシドもまた、ヘテロ環であるとみなす。用語「ヘテロ環」とは、縮環体も含み、ベンゾ縮合ヘテロ環を形成するために、例えばベンゼン環のような部分的または完全に不飽和である炭素環を含むことができる。例えば、3,4−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン等である。
【0037】
本明細書に記載される化合物は、1またはそれ以上の不斉中心を含んでもよく、従って、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じうる。本発明は、すべての可能なジアステレオマーおよびそれらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋な分割したエナンチオマー、すべての可能な位置異性体、およびその医薬的に許容される塩を含む。上記の式(I)は、いくつかの位置で明確な立体化学を示していない。本発明は、式(I)のすべての立体異性体およびその医薬的に許容される塩を含む。さらに、立体異性体の混合物および単離された特定の立体異性体も含まれる。該化合物を調製するために使用される合成手順の過程の間、または当該技術分野で公知のラセミ化またはエピマー化の手順を用いる場合、かかる手順の生成物は、立体異性体の混合物であり得る。
【0038】
式(I)の化合物の互変異性体が存在する場合、本発明は、特に記載または指示する場合を除いて、可能な互変異性体のいずれか、およびその医薬的に許容される塩、ならびにその混合物を含む。
【0039】
式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩が、溶媒和物または多形の形態で存在する場合、本発明は、いずれの可能な溶媒和物および多形形態も含む。溶媒和物を形成する溶媒のタイプは、溶媒が薬理学的に許容される限り、特に制限されない。例えば、水、エタノール、プロパノール、アセトン等が使用され得る。
【0040】
用語「医薬的に許容される塩」とは、医薬的に許容される無毒な塩基または酸から調製される塩を意味する。本発明化合物が酸性である場合、その対応する塩が無機塩基および有機塩基を含む医薬的に許容される無毒な塩基から容易に調製されうる。かかる無機塩基から生じる塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(1価および2価)、鉄(1価)、鉄(2価)、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を含む。とりわけ好ましくは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。医薬的に許容される無毒の有機塩基から生じる塩は、1級、2級、および3級アミン、ならびに環状アミンおよび天然起源および合成された置換アミンのような置換アミン化合物の塩を含む。塩が形成されうる他の医薬的に許容される無毒の有機塩基は、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N’,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミンレジン、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等を含む。
【0041】
本発明化合物が塩基性である場合、その対応する塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容される無毒の酸から容易に調製されうる。該酸は、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモイン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等を含む。
【0042】
式(I)の化合物は、医薬用途を意図するので、それらが、好ましくは実質的に純粋な形態で提供され、例えば、少なくとも60%純度、より適するのは少なくとも75%純度、とりわけ少なくとも98%純度(%は、重量に対する重量に基づく)である。
【0043】
式(I)の化合物は、R1、R1'、R2、R3、X1、X2、X3、X4、YおよびZが、式(I)について上で定義されるとおりである下記のスキーム1に概説されるように調製されうる。
【化3】

【0044】
スキーム1によれば、式(I)の化合物は、適当な式(II)のピロロピリジン−2−カルボン酸のYがC(O)である式(III)の適当なヒドラジドとのカップリングによって調製されうる。式(II)の化合物は、下記のスキーム7に記載される合成によって得られうる。式(III)の化合物は、一般的に市販品として入手可能であるか、または公知技術によってすぐに調製される。
【0045】
典型的に、式(II)の化合物を、適当なカップリング剤の存在下、式(III)の化合物と結合する。適当なカップリング剤の具体例は、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩/ヒドロキシベンゾトリアゾール(EDCI/HOBt)、1,1−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド/ヒドロキシベンゾトリアゾール(DCC/HOBt)、O−(lH−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(R. Knorr et al., Tetrahedron Lett, 1989, 30, 1927-1930)およびポリマー担持カルボジイミド−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(典型的な手順について、例えば、Argonaut Technical Note 501 available from Argonaut Technologies, Inc., Foster City, California を参照されたい)である。
【0046】
カップリングは、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)またはトリエチルアミンのような三級アミンの存在下、約0℃〜約45℃の温度で約1〜72時間、不活性溶媒、好ましくは非プロトン性溶媒中で実施される。具体的な溶媒は、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはその混合液を含む。これらのカップリング剤の使用および適当な溶媒および温度の選択は、当業者に公知であるか、または文献から容易に決定されうる。カルボン酸のカップリングに有用なこれらおよび他の具体的な条件は、Houben-Weyl, VoI XV, part II, E. Wunsch, Ed., G. Thieme Verlag, 1974, Stuttgart, and M. Bodansky, Principles of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, Berlin, 1984、and The Peptides, Analysis, Synthesis and Biology (Ed., E. Gross and J. Meienhofer), VoIs 1-5, Academic Press NY 1979-1983. に記載される。
【0047】
YがC(O)である式(I)の化合物も、式(IV)の適当なヒドラジドの式(V)の適当なカルボン酸とのカップリングによって、スキーム2に従って調製されうる。適当なカップリング剤および条件の具体例は、上述の通りである。式(IV)の化合物は、下記のスキーム9に記載される合成によって得られうる。式(V)の化合物は、市販品として入手可能であるか、または公知技術によって容易に調製されうる。
【化4】

【0048】
YがC(O)または−SO2−である式(I)の化合物は、ピリジン中室温、または別法として、例えば、1,4−ジオキサンまたはTHFのような溶媒中、室温で、ジイソプロピルエチルアミンのような三級アミン塩基の存在下、式(IV)の適当なヒドラジドを式(VI)の適当な酸クロリドまたはスルホニルクロリドと混合することによりスキーム3に従って調製され得る。式(VI)の酸クロリドまたはスルホニルクロリドは、市販品として入手可能であるか、または公知技術で容易に調製されうる。
【化5】

【0049】
YがC(O)であり、ZがNHである式(I)の化合物は、1,4−ジオキサンまたはトルエンのような溶媒中、例えば、ジイソプロピルエチルアミンのような三級アミンの存在下、還流条件で式(IV)の適当なヒドラジドを式(VII)の適当なイソシアネートと加熱することにより、スキーム4に従って調製されうる。
【化6】

【0050】
YがC(O)であり、Zが酸素である式(I)の化合物は、ジクロロメタンのような溶媒中、例えば、トリエチルアミンのような三級アミン塩基の存在下、式(IV)の適当なヒドラジドを式(VIII)の適当なクロロホルメートと混合することにより、スキーム5に従って調製されうる。
【化7】

【0051】
YがC(NH)である式(I)の化合物は、エタノールまたはジメチルホルムアミドのような溶媒中、式(IV)の適当なヒドラジドを式(XV)の適当なチオイミデートと混合することにより、スキーム6に従って調製されうる。
【化8】

【0052】
式(II)の化合物は、スキーム7に従って調製されうる。式(X)の化合物は、ジエチルエーテルのような溶媒中、カリウムエトキシドまたはDBUのような塩基存在下、式(IX)のオルトメチルニトロ化合物のシュウ酸エステルとの縮合によって調製されうる。式(XI)の化合物は、エタノール中、約70℃で鉄粉および塩化アンモニウムのような還元条件、またはおよそ20℃でパラジウム触媒を用いるエタノール中での水素化によって、式(X)の化合物から調製される。式(XI)の化合物は、標準的な条件下、アルカリ水溶液を用いるエステル加水分解により、式(II)のピロロピリジン−2−カルボン酸を得る。
【化9】

【0053】
この3工程法は、ライサート(Reissert)インドール合成 (Reissert, Chemische Berichte 1897, 30, 1030) に類似する。この手順を達成するための条件およびそれに含まれる参照は、Kermack et al., J. Chem, Soc, 1921, 119, 1602; Cannon et al., J. Med. Chem. 1981, 24, 238; and Julian et al., in Heterocyclic compounds, VoI 3 (Wiley, New York, NY, 1962, R.C. Elderfield, Ed. p 18) に記載される。
【0054】
別法として、X2が窒素である式(XI)の化合物は、スキーム8に示されるとおり調製されうる。
【化10】

【0055】
THFのような適当な溶媒中、n−ブチルリチウムのような有機リチウムによる式(XVI)の化合物の脱プロトン化、続くヨウ化メチルのクエンチによって、式(XVII)の化合物が得られる。かかる化合物は、さらにTHFのような適当な溶媒中、tert−ブチルリチウムを用いる脱プロトン化、続いてシュウ酸ジエチルでクエンチ、次に塩酸還流下で中間体を加熱することにより、式(XI)の化合物が得られる。
【0056】
さらに、式(II)の化合物の調製についての詳細は、WO04/104001および本明細書中の実施例に見出される。
【0057】
式(XIII)の化合物は、PGが、例えばBocのような保護基である式(II)のカルボン酸の式(XII)とのヒドラジンのカップリングによって、スキーム9に記載されるように調製されうる。適当なカップリング剤および条件の具体例は、スキーム1について上述の通りである。次いで、式(IV)の化合物は、およそ25℃の温度で、ジクロロメタン中、例えばトリフルオロ酢酸を用いる酸性条件下で、例えば、PGがBocのような保護基の除去によって調製されうる。式(II)の化合物は、上記の通り製造されるか(スキーム7)、または市販品として入手可能である。式(XII)の化合物は、市販品として入手可能であるか、または公知技術で容易に調製されうる。
【0058】
別法として、R2が水素である式(IV)の化合物は、エタノールのような溶媒中、還流下、3〜24時間、式(XI)のエチルエステル化合物をR2が水素である式(XIV)の化合物と加熱することにより調製されうる(スキーム9)。
【化11】

【0059】
さらに、式(I)の化合物の調製についての詳細は、実施例に見出される。
【0060】
式(I)の化合物は、一つずつ、または少なくとも2、例えば5〜1000個の化合物およびより好ましくは10〜100個の式(I)の化合物からなる化合物ライブラリーで調製されうる。化合物ライブラリーは、当業者に公知の手順を用いるコンビナトリアル「スプリットアンドミックス」法、あるいは溶液または固相化学のどちらかを用いる多段階パラレル合成によって調製されうる。
【0061】
式(I)の化合物の合成中、例えば、ヒドロキシ、カルボキシおよびアミノ基のような中間体化合物中の不安定な官能基は、保護してもよい。式(II)および(IV)の化合物は、例えば、アリールメチル、アシル、アルコキシカルボニル、スルホニルまたはシリル基で1位を保護してもよい。該保護基は、式(I)の化合物の合成段階のいずれかで除去してもよく、または式(I)の最終化合物に存在していてもよい。種々の不安定な官能基を保護しうる方法および生じた保護誘導体を開裂するための方法の総説的な議論は、例えば、Protective Groups in Organic Chemistry, T.W. Greene and P.G.M. Wuts, (1991) Wiley-Interscience, New York, 2nd edition にある。
【0062】
上で定義されるようないずれの新規な中間体もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0063】
本発明は、式(IV):
【化12】

[式中、R1、R1'、R2、X1、X2、X3およびX4は、式(I)またはその保護誘導体について、上で定義されるとおりである]
の化合物も提供する。
【0064】
前述のとおり、式(I)の化合物は、糖尿病、とりわけII型糖尿病のような症状の治療のためのグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤として有用である。そのような使用に関して、式(I)の化合物は、一般的に医薬組成物の形態で投与される。
【0065】
本発明は、医薬的に許容される担体と組み合わせる式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩を含む、医薬組成物も含む。
【0066】
好ましくは、組成物は医薬的に許容される担体および無毒の式(I)の化合物の治療上の有効量またはその医薬的に許容される塩を含む。
【0067】
さらに本発明は、医薬的に許容される担体および無毒の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の治療上の有効量を含み、グリコーゲンホスホリラーゼを阻害することで糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、高インスリン血症、高脂血症、高血圧、アテローム性動脈硬化症、または例えば心筋虚血のような組織虚血の予防または治療的処置でもたらすか、心臓保護または異常細胞増殖の阻害による疾病治療用の医薬組成物も提供する。
【0068】
該医薬組成物は、他の治療成分または補助剤を適宜含みうる。いずれの所定の場合においても、最も適した経路は特定の宿主、および活性成分が投与される症状の性質および重症度に依存するが、該組成物は、経口、経腸、局所、および非経口(皮下、筋肉内、および静脈内を含む)投与に適する組成物を含む。該医薬組成物は、単位投与形態で容易に投与され、薬学の当該技術分野で周知の方法のいずれかによって調製されうる。
【0069】
実際には、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩は、活性成分として従来の医薬配合技術に従って、医薬担体と密接な混合で併せられる。該担体は、例えば、経口または非経口(静脈内を含む)のような投与について所望の剤形に依存して多種多様な形態を取りうる。
【0070】
それ故、医薬組成物は、所定量の活性成分をそれぞれ含むカプセル、サシェット(小袋)または錠剤のような経口投与に適した個別単位として投与することができる。さらに該組成物は、粉末として、顆粒として、溶液として、水性液体の懸濁液として、非水性液体として、油水乳濁液として、または水油乳濁液として投与することができる。上で説明された一般的な投与形態に加えて、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩は、放出制御手段および/または送達装置によっても投与され得る。該組成物は、薬学的方法のいずれかによって調製されうる。一般に、該方法は、活性成分を1またはそれ以上の必要成分を構成する担体と会合する工程を含む。一般に、該組成物は、活性成分を液体担体、またはきれいに分けた固体担体、あるいは両方と均一および密接に混合することにより調製される。次いで該生成物は、所望の形状へと容易に仕上げられ得る。
【0071】
式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩は、1またはそれ以上の他の治療活性のある化合物と組み合わせた医薬組成物内にも含まれうる。
【0072】
使用される医薬担体は、例えば、固体、液体、または気体であり得る。固体担体の具体例は、ラクトース、石膏、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸を含む。液体担体の具体例は、液糖、ピーナッツ油、オリーブ油、および水である。気体担体の具体例は、二酸化炭素および窒素を含む。
【0073】
経口投与形態のための組成物の調製において、いずれの簡便な医薬媒体も用いうる。例えば、水、グリコール、油、アルコール、香料添加剤、保存料、着色剤等は、懸濁液、エリキシルおよび溶液のような経口液体製剤を形成するために使用してもよく;一方、デンプン、砂糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等のような担体は、粉剤、カプセルおよび錠剤のような経口固体製剤を形成するために使用してもよい。それらの投与が容易なため、錠剤およびカプセルは、固体の医薬担体が用いられる好ましい経口投与単位である。錠剤は、標準的な水性または非水性技術で適宜コーティングされうる。
【0074】
本発明の組成物を含む錠剤は、適宜1またはそれ以上の補助成分または補助剤と一緒に圧縮または成形によって調製されうる。圧縮錠剤は、結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、界面活性剤または分散剤と適宜混合して、粉剤または顆粒のような流通形態において、活性成分を適当な機械で圧縮することによって調製されうる。成形した錠剤は、湿らせた粉末化した化合物と不活性な液体希釈剤の混合物を適当な機械で成形することにより製造され得る。各錠剤は、好ましくは約0.05mg〜約5gの活性成分を含み、各サシェットまたはカプセルは、好ましくは約0.05mg〜約5gの活性成分を含む。
【0075】
例えば、ヒトに経口投与することを意図した製剤は、全組成物の約5〜約95%に変更しうる適当で都合のよい量の担体材料を配合して約0.5mg〜約5gの活性剤を含みうる。単位投与形態は、一般的に約1mg〜約2gの活性成分、典型的に25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg、または1000mgを含む。
【0076】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、水中で活性化合物の溶液または懸濁液として調製されうる。適当な界面活性剤は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース等が含まれる。分散剤も、油中のグリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物で調製されうる。さらに保存剤も、微生物の有害な増殖を予防するために含まれうる。
【0077】
注射剤での使用に適した本発明の医薬組成物は、滅菌水溶液または分散剤を含む。さらに該組成物は、かかる滅菌注射溶液または分散剤の用時調製用滅菌粉末の形態であり得る。すべての場合において、最終の注射用形態は、滅菌されなければならず、容易に注射可能な有効な液体である必要がある。該医薬組成物は、製造および保存条件で安定でなければならず;従って、好ましくは菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油、および適当なそれらの混合物を含む溶媒または分散媒体であり得る。
【0078】
本発明の医薬組成物は、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、散布剤等のような局所使用に適した形態であり得る。さらに組成物は、経皮装置で使用するために適した形態でありうる。これらの製剤は、通常の処理方法によって、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を用いて調製してもよい。一例として、クリームまたは軟膏は、化合物の約5wt%〜約10wt%と共に疎水性材料および水と混合することにより調製され、所望の稠度を有するクリームまたは軟膏を生じる。
【0079】
本発明の医薬組成物は、該担体が固体である経腸投与に適した投与形態でありうる。該混合物は、単位用量の坐薬を形成するのが好ましい。適当な担体は、当該技術分野で一般的に使用されるココアバターおよび他の材料を含む。該坐薬は、組成物を軟化または溶解した担体と最初に混合し、続いて冷却し、成形することで好都合に形成してもよい。
【0080】
上記の担体成分に加えて、上記の医薬製剤は、必要に応じて、希釈剤、緩衝剤、香料添加剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑沢剤、保存剤(抗酸化剤を含む)等のような1またはそれ以上の追加の担体成分を含んでもよい。さらに他の補助剤は、指定された患者の血液と等張の製剤を与えることを含みうる。式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む組成物は、粉剤または液体濃縮形態で調製してもよい。
【0081】
一般的に、1日あたり体重の約0.01mg/kg〜約150mg/kgの投与量レベル、または1日あたり患者に約0.5mg〜約7gが上に示した症状の治療に有用である。例えば、糖尿病および高脂血症は、1日あたり体重のkgあたり化合物が約0.01〜50mg、または1日あたり患者に約0.5mg〜約3.5gの投与によって有効に治療されうる。同様に、1日あたり体重のkgあたりの化合物が約0.01〜50mg、または1日あたり患者に約0.5mg〜約3.5gの投与によって、高コレステロール血症、高インスリン血症、高脂血症、アテローム性動脈硬化症または心筋虚血は、有効に治療され、あるいは心臓保護または異常増殖阻害が達成されうる。
【0082】
しかしながら、いずれの特定の患者のための特定の投与量レベルは、年齢、体重、全体的な健康、性、食事、投与時間、投与経路、排出速度、薬物の組合せおよび治療を行う特定の疾病の重症度を含む多様な因子に依存することが理解される。
【0083】
式(I)の化合物は、グリコーゲンホスホリラーゼが作用する疾病または症状の治療に使用され得る。
【0084】
従って本発明は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の有効量を治療が必要な患者に投与するステップからなるグリコーゲンホスホリラーゼが作用する疾病または症状の治療方法も提供する。
【0085】
グリコーゲンホスホリラーゼが作用する疾病または症状は、糖尿病(I型およびII型、耐糖能障害、インスリン抵抗性、ならびに神経障害、腎症、網膜症および白内障のような糖尿病性合併症を含む)、高脂血症、高コレステロール血症、高インスリン血症、高脂血症、高血圧、アテローム性動脈硬化症、例えば心筋虚血のような組織虚血、心臓保護、および例えば、癌または過剰増殖性障害のような異常細胞増殖を含む。
【0086】
本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の有効量を治療が必要な患者に投与するステップからなる高脂血症または糖尿病、とりわけII型糖尿病の治療方法も提供する。
【0087】
本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の予防上の有効量を予防が必要な患者に投与するステップからなる前糖尿病性高脂血症または耐糖能異常を示すヒトにおける糖尿病の予防方法も提供する。
【0088】
例えばII型糖尿病のような糖尿病の治療において、本発明化合物は、他の抗糖尿病剤と適宜組み合わせて、とりわけ夜間投与に適している。
【0089】
本発明はまた、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の有効量を治療が必要な患者に投与するステップからなる高コレステロール血症、高インスリン血症、高脂血症、高血圧、アテローム性動脈硬化症または組織虚血を治療する、あるいは心臓保護を達成するか、または異常細胞増殖阻害する方法も提供する。
【0090】
本発明はまた、上記で定義されるような症状の治療において、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用も提供する。
【0091】
本発明はまた、上記で定義されるような症状の治療に対する医薬品製造における式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用も提供する。
【0092】
本発明の方法において、用語「治療」とは、治療および予防的な処置の両方を含む。
【0093】
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、1またはそれ以上の他の治療活性のある化合物を単独または組み合わせて投与され得る。他の治療活性のある化合物は、式(I)の化合物として、同様の疾病または症状、あるいは異なった疾病または症状の治療のためであり得る。該治療活性のある化合物は、同時、連続的、分けて投与され得る。
【0094】
式(I)の化合物は、例えば、インスリンおよびインスリンアナログ、スルホニル尿素およびアナログ、ビグアニド、α2アゴニスト、脂肪酸酸化阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、β−アゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、脂質低下剤、抗肥満薬、アミリンアンタゴニスト、リポキシダーゼ阻害剤、ソマトスタチンアナログ、グルコキナーゼ活性剤、グルカゴンアンタゴニスト、インスリン伝達アゴニスト、PTP1B阻害剤、糖新生阻害剤、抗脂肪分解剤、GSK阻害剤、ガラニンレセプターアゴニスト、食欲抑制剤、CCKレセプターアゴニスト、レプチン、CRFアンタゴニストまたはCRF結合蛋白質のような糖尿病の治療のための他の活性な化合物と共に投与され得る。
【0095】
式(I)の化合物はまた、甲状腺ホルモン様化合物、アルドース還元酵素阻害剤、グルココルチコイドレセプターアンタゴニスト、NHE−1阻害剤またはソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤と組み合わせても投与され得る。
【0096】
これに限らないが、本明細書に引用される特許および特許出願を含むすべての刊行物は、それぞれ個々の刊行物が充分説明されるように、本明細書に参照によって引用することを具体的および個別に示すように参照によって本明細書に引用する。
【0097】
本発明は、説明に役立つ目的のために以下の実施例を参考として記載するが、本発明の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
【0098】
実施例
材料および方法
カラムクロマトグラフィーは、SiO2(40〜63メッシュ)で行った。LCMSデータは、6分かけて220nmでUV検出する0.1%HCO2Hを含む(5%MeCN水)−MeCN溶液で溶離するウォーターズシンメトリー3.5μC18カラム(2.1×30.0mm、流量=0.8mL分-1)を用いて得られた。グラジエント情報:0.0〜1.2分:100%(5%MeCN水);1.2〜3.8分:10%(5%MeCN水)−90%MeCNまで傾斜をつけて増やし;3.8〜4.4分:10%(5%MeCN水)−90%MeCNで維持し;4.4〜5.5分:100%MeCNまで傾斜をつけて増やし;5.5〜6.0分:100%(5%MeCN水)まで戻す。マススペクトルは、陽イオンモード(ES+)でエレクトロスプレーイオン化源を用いて得られた。質量で分けられた精製は、陽イオンモード(ES+)でエレクトロスプレーイオン化源、ウォーターズ996フォトダイオードアレイ検出器(210〜390nm)、Xterra Prep MS、C18、5μ 19×50mmカラム、およびMeCN+0.1%ギ酸/H2O+5%MeCN+0.1%ギ酸の移動相を用いて、コーン電圧30Vでマイクロマス・プラットフォーム(Micromass Platform)LCで実施した。NMRスペクトルは、400MHzで操作するバリアンマーキュリー(Varian Mercury)400分光計で、または500MHzで操作するブルカー(Bruker)AMX2 500分光計で27℃にて得られた。
【0099】
略語および頭字語:
CDI:1,1−カルボニルジイミダゾール;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDCI:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩;GP:グリコーゲンホスホリラーゼ;Glc:グルコース;G6P:グルコース−6−ホスフェート;G6PDH:グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ;HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;PS:ポリマー担持;rt:室温;RT:保持時間;THF:テトラヒドロフラン。
【0100】
中間体:
製造1:6−メチル−5−ニトロ−1H−ピリジン−2−オン
【化13】

標記化合物をBaumgartenおよびSu., (J. Am. Chem. Soc, 1952, 74, 3828)の方法に従い調製した。 δH (d6 DMSO): 2.62 (3H, s), 6.28 (1H, d), 8.10 (1H, d)
【0101】
製造2:2−クロロ−6−メチル−4−ニトロピリジン
【化14】

6−メチル−5−ニトロ−1H−ピリジン−2−オン(製造1、3.53g,22.9mmol)のオキシ塩化リン(20mL)懸濁液を、3時間、115℃まで加熱し、次いで室温まで冷却させた。オキシ塩化リンを減圧除去し、残渣を氷水(100mL)に注いだ。該混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液の添加によってクエンチし、次いで水溶液混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧濃縮して標記化合物を得た。δH (CDCl3): 2.86 (3H, s), 7.36 (1H, d), 8.27 (1H, d).
【0102】
製造3:3−(2−クロロ−5−ニトロピリジウム−6−イル)−2−オキソプロピオン酸エチルエステル
【化15】

カリウムエトキシド(134mg,1.59mmol)のジエチルエーテル(5mL)およびエタノール(1mL)溶液に、シュウ酸ジエチル(218μL,1.59mmol)を一度に加え、生じた溶液を室温で30分間攪拌した。2−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリジン(製造2、250mg,1.45mmol)をジエチルエーテル(2mL)懸濁液として加え、続けて室温で17時間攪拌した。該混合物をシンター(sinter)で濾過し、冷ジエチルエーテルで洗浄した。回収した沈殿物を氷酢酸で溶解し、次いで乾固するまで減圧下でエバポレートし、標記化合物を得た。δH (CDCl3): 1.40 (3H, t), 4.38 (2H, q), 7.33 (1H, d), 7.37 (1H, s), 8.40 (1H, d).
【0103】
製造4:5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
【化16】

3−(2−クロロ−5−ニトロピリジン−6−イル)−2−オキソプロピオン酸エチルエステル(製造3、1.53g,5.6mmol)のTHF(65mL)およびエタノール(30mL)溶液に、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加え、該懸濁液を室温で激しく攪拌した。鉄粉(1.95g,34.8mmol)を何回かに分けて加え、混合物を2時間加熱還流し、次いで冷却しセライトプラグで濾過し、温THFで洗浄した。該混合液を減圧濃縮し、水懸濁液を得て、シンターで濾過し、水で洗浄した。湿った固体をメタノールで洗浄し、乾燥した。残渣をシリカゲルに吸着し、酢酸エチル/ヘキサン(1:19)で溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製し、標記化合物を得た。δH (CD3OD): 1.42 (3H, t), 4.42 (2H, q), 7.15 (1H, s), 7.30 (1H, d), 7.89 (1H, d); m/z (ES+) = 225.03 [M+H]+, RT = 3.32分。
【0104】
製造5:5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸
【化17】

攪拌した5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(製造4、151mg,0.67mmol)のエタノール(10mL)溶液に、水酸化ナトリウム(0.35mL,2M)を加え、攪拌した該溶液を70℃で2時間加熱した。該反応混合物を室温まで冷却させ、16時間静置した。pHを氷酢酸の添加により、4まで調整し、溶媒を減圧除去し、白色固体を得て、ジクロロメタンで懸濁し、シンターで濾過し、さらにジクロロメタンで洗浄した。次いで濾過ケークを酢酸エチル(3×30mL)で洗浄し、乾燥し、標記化合物を得た。δH (CD3OD): 6.97 (1H, s), 7.17 (1H, d), 7.83 (1H, d); m/z (ES+) = 197 [M+H]+; RT = 2.82分。
【0105】
製造6:3−(2−クロロ−5−ニトロピリジン−4−イル)−2−オキソプロピオン酸エチルエステル
【化18】

アルゴン雰囲気下、カリウムエトキシド(1.46g,17.4mmol)のジエチルエーテル(80mL)およびエタノール(10mL)溶液に、シュウ酸ジエチル(2.4mL,17.4mmol)を加え、該混合液を室温で30分間攪拌した。2−クロロ−4−メチル−5−ニトロピリジン(3.0g,17.4mmol)のジエチルエーテル(20mL)溶液を加え、深緑色の沈殿形成が生じた。該反応液を室温で15時間攪拌し、0℃まで冷却し、濾過し、冷ジエチルエーテルで洗浄し、深緑色の固体を得た。該固体を水(200mL)で溶解し、酢酸でpH4まで酸性にし、沈殿を得た。該固体を濾過で回収し、乾燥し、標記化合物を得た。m/z (ES+) = 273 [M+H]+.
【0106】
製造7:5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
【化19】

3−(2−クロロ−5−ニトロピリジン−4−イル)−2−オキソプロピオン酸エチルエステル(製造6、3.0g,11.0mmol)をエタノール(100mL)およびTHF(50mL)で溶解した。鉄粉(3.7g,66.0mmol)および飽和塩化アンモニウム溶液(50mL)を加え、該混合液を2時間加熱還流した。該混合物を冷却し、セライト濾過し、酢酸エチルで数回洗浄した。該有機層を合わせて、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧濃縮し、標記化合物を得た。δH (CD3OD): 1.42 (3H, t), 4.44 (2H, q), 7.15 (1H, s), 7.70 (1H, s), 8.59 (1H, s); m/z (ES+) = 225 [M+H]+.
【0107】
製造8:5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸
【化20】

5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(製造7、1.78g,7.9mmol)のエタノール(70mL)溶液に、水酸化ナトリウム溶液(5.2mL,2M,10.3mmol)を加え、該混合物を2時間加熱還流した。溶媒を減圧除去し、固体を水(150mL)で溶解し、酢酸でpH4まで酸性にし、濾過で単離した固体として標記化合物を与えた。δH (CD3OD): 7.13 (1H, s), 7.68 (1H, s), 8.58 (1H, s); m/z (ES+) = 197 [M+H]+.
【0108】
製造9:テトラヒドロピラン−4−カルボン酸
【化21】

本化合物は、Spiegler and Goetz, Ger. Offen. (1987) DE 3536956 Al の方法に従って、メチルエステルの加水分解により調製した。
【0109】
製造10:5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ヒドラジド
【化22】

ルート1
N’−(tert−ブチルオキシカルボニル)−5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ヒドラジド(実施例25、930mg,2.99mmol)をジクロロメタンおよびトリフルオロ酢酸(1:1,20mL)の混合液で懸濁した。2時間後、該混合液を減圧濃縮し、油状残渣を水(200mL)に溶解した。該水層を酢酸エチル(2×50mL)で洗浄し、減圧濃縮し、そのトリフルオロ酢酸塩として、標記化合物を得た。δH (d6 DMSO) 7.36 (1H, s), 7.83 (1H, s), 8.66 (1H, s), 9.3-10.8 (3H, br s), 11.8-12.2 (1H, br s), 12.6 (1H, s); m/z (ES+) = 211 [M+H]+; RT = 0.42分。
ルート2
5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(製造7、880mg,3.91mmol)のエタノール(30mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(4.0mL,78.22mmol)を加えた。生じた溶液を90℃で5時間還流した。該反応混合物を室温まで冷却し、沈殿を濾過し、乾燥し、標記化合物を得た。m/z (ES+) = 211 [M+H]+; RT = 1.65分。
【0110】
実施例1
5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸 N’−(チオフェン−2−イルアミノカルボニル)ヒドラジド
【化23】

DIPEA(53μL,0.31mmol)およびチエニルイソシアネート(40μL,0.32mmol)を、5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ヒドラジド・トリフルオロ酢酸塩(製造10−ルート1、101mg,0.31mmol)のトルエンおよび1,4−ジオキサン(10mL,1:1)混合懸濁液に加えた。混合物を100℃で12時間攪拌後、該反応液を室温まで冷却させ、溶媒を除去した。残留油状残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/アセトン:2/1)で精製し、標記化合物を得た。δH (CDCl3): 6.60 (1H, d), 6.78 (1H, m), 6.84 (1H, 3d), 7.26 (1H, d), 7.82 (1H, s), 8.61 (2H, m), 9.97 (1H, s); m/z (ES+) = 336 [M+H]+; RT = 2.97分。
【0111】
実施例2
チオフェン−3−カルボン酸 N’−(5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボニル)ヒドラジド
【化24】

5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ヒドラジド・トリフルオロ酢酸塩(製造10−ルート1、0.110g,0.34mmol)のDMF(3mL)溶液に、DIPEA(170.0μL,1.02mmol)を加えた。攪拌した溶液に、HOBt(0.046g,0.34mmol)、EDCI(0.078g,0.41mmol)、DIPEA(120.0μL,0.68mmol)およびチオフェン−3−カルボン酸(0.044g,0.34mmol)を加えた。該反応混合物を室温で16時間攪拌し、次いで減圧濃縮し油状物を得た。酢酸エチルの該油状物への添加において、固体が沈殿した。該固体を濾過し、乾燥し、標記化合物を得た。m/z (ES+) = 321 [M+H]+;RT = 2.84分。
【0112】
実施例2に概説した適当なカルボン酸と5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ヒドラジドとのカップリングを用いて、以下の表1に記載される化合物も調製するために用いた。
表1

【0113】
実施例7
ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸 N’−(5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボニル)ヒドラジド
【化25】

5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ヒドラジド(製造10−ルート2,0.100g,0.48mmol)のDMF(4mL)溶液に、HOBt(0.064g,0.48mmol)、EDCI(0.110g,0.58mmol)、DIPEA(200μL,0.96mmol)およびピペロニル酸(0.079g,0.48mmol)を加えた。該反応混合物を室温で16時間攪拌した。該反応混合物を水(75mL)に注ぎ、酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和塩化ナトリウム(75mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧濃縮し、固体を得た。得られた固体をメタノールからの再結晶により精製し、標記化合物を得た。m/z (ES+) = 359 [M+H]+; RT = 2.92分。
【0114】
実施例7に概説した適当なカルボン酸の上の5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ヒドラジドとのカップリングを用いて、以下の表2に記載される化合物も調製した。
表2

【0115】
実施例15
ピリジン−3−カルボン酸 N’−(5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボニル)ヒドラジド
【化26】

ニコチン酸ヒドラジド(35mg,0.25mmol)のDMF(5mL)溶液に、トリエチルアミン(88μL,0.64mmol)、5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸(製造8、50mg,0.25mmol)、HOBt(34mg,0.25mmol)およびEDCI(50mg,0.28mmol)を加えた。該混合物を室温で16時間攪拌させた。溶媒を減圧除去し、残渣を水(100mL)および酢酸エチル(100mL)で分離した。該有機層を乾燥(MgSO4)し、減圧濃縮し、油状物を得て、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,9/1)で精製し、標記化合物を得た。m/z (ES+) = 316 [M+H]+; RT = 2.62分。
【0116】
実施例16
5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸 N’−フェニルアセチルヒドラジド
【化27】

5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸(製造8、50mg,0.25mmol)のDMF(10mL)溶液に、DIPEA(89μL,0.51mmol)、HOBt(34mg,0.25mmol)、EDCI(63mg,0.33mmol)およびフェニル酢酸ヒドラジド(38mg,0.25mmol)を加え、該混合物を室温で72時間攪拌した。該反応混合物を水(50mL)および酢酸エチル(3×30mL)で分離した。有機層を合わせて食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧濃縮した。該粗物質をメタノール/ジクロロメタン(1:19)で溶離するシリカゲルクロマトグラフで処理し、標記化合物を得た。m/z (ES+) = 329 [M+H]+; RT = 3.07分。
【0117】
実施例16に概説した適当なヒドラジドの5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸とのカップリングを用いて、以下の表3に記載される化合物も調製した。
表3

【0118】
実施例24
3,4−ジクロロ安息香酸 N’−(5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボニル)ヒドラジド
【化28】

5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸(製造5、20.0mg,0.10mmol)のDMF(5mL)溶液に、3,4−ジクロロ安息香酸ヒドラジド(23mg,0.11mmol)、DIPEA(19.5μL,0.11mmol)およびHOBt(14.0mg,0.10mmol)を加えた。生じた溶液を5分間攪拌し、EDCI(23mg,1.20mmol)を加えた。該反応混合物を室温で16時間攪拌し、次いで疎水性フリットで水(10mL)およびジクロロメタン(20mL)にて分離した。該水層をさらに別のジクロロメタン(30mL)で1回抽出し、有機層を合わせて減圧濃縮した。酢酸エチル/ジクロロメタンで生じた残渣のトリチュレートにより、標記化合物を得た。δH (d6 DMSO): 12.25 (1H, s), 10.83 (2H, d), 8.17 (1H, s), 7.55-7.97 (3H, m), 7.38 (1H, s), 7.26 (1H, d); m/z (ES+) = 383 [M+H]+; RT = 3.37分。
【0119】
実施例25
5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸 N’−(tert−ブチルオキシカルボニル)ヒドラジド
【化29】

5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸(製造8、2.05g,10.4mmol)のDMF(30mL)溶液に、カルバジン酸tert−ブチル(1.38g,10.4mmol)、DIPEA(3.5mL,20.4mmol)、HOBt(1.58g,10.3mmol)およびEDCI(2.54g,13.3mmol)を連続的に加えた。生じた溶液を室温で12時間攪拌し、その後、水および飽和食塩水(1:1,200mL)を加えた。該溶液を酢酸エチル(4×50mL)で抽出し、有機層を合わせて希塩酸(1N,50mL)、希水酸化ナトリウム溶液(1N,50mL)および飽和食塩水で洗浄した。該有機層を乾燥(MgSO4)し、減圧濃縮し、固体残渣を得て、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル,1:3)で精製し、標記化合物を得た。δH (CDCl3): 1.42 (9H, s), 7.19 (1H, s), 7.78 (1H, s), 8.60 (1H, s), 9.28 (1H, br s).
【0120】
本発明化合物の生物活性は、以下のアッセイ系で試験されうる:
【0121】
インビトロGP活性
材料:
α−D−グルコース−1−ホスフェート(二ナトリウム塩)、グリコーゲン、D−グルコース、マラカイトグリーン塩酸塩、モリブデン酸アンモニウム・4水和物、BSA、HEPESおよびウサギ筋肉ホスホリラーゼα(P1261)をシグマ社から購入した。他のすべての試薬は、分析グレードを用いた。
【0122】
方法
インビトロでのグリコーゲンホスホリラーゼアッセイ:
逆方向におけるグリコーゲンホスホリラーゼ活性のアッセイは、Engersらの Can. J. Biochem., 1970, 48, 746-754 で記載された方法に基づいて開発された。ウサギ筋肉のグリコーゲンホスホリラーゼα(シグマ)を25mMのトリス/HCl中、100μg/mLの保存濃度で再構成した。そのpHをpH7.2の50mMのHepes、7.5mMグルコース、0.5mMグルコース−1−ホスフェートおよび1mg/mLのグリコーゲンを含む最終量100μLの溶液中、96ウェルプレートで測定した。30℃で30分間インキュベーションした後、グルコース−1−ホスフェートから放出される無機リン酸塩を:5mLの4NのHCl中の4.2%モリブデン酸アンモニウム、15mLの0.045%マラカイトグリーン、50μLのTween20から調製される150μLのマラカイトグリーン/モリブデン酸塩溶液の添加によって測定した。続いて30分間室温でインキュベーションし、吸収を620nmで測定した。IC50を決定するために、10μLの化合物の連続DMSO希釈液(100μM→0.004μM)をそれぞれの反応に加え、コントロールの非阻害反応液に同濃度のDMSOを同じくして加えた。次いで、用量応答曲線を化合物濃度のlog10に対する%阻害をプロットすることにより得た。IC50は、記載したアッセイ条件下で、50%阻害に達する化合物濃度として定義される。
【0123】
上記アッセイにおいてIC50を有する有効性を示した本発明化合物の実施例は、100μMよりも良い範囲の結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
1、X2、X3およびX4のうち一つは、Nであり、それ以外はCであり;
Yは、−C(O)−、−S(O)2−、または−C(NH)−であり;
Zは、C1-4アルキレン、酸素、−(CH2mO−、−O(CH2m−、−NR−、−(CH2mNR−、−NR(CH2m−、−(CH2mS(O)2−、または結合であり;
mは、1、2、3または4であり;
Rは、C0-4アルキル、C0-4アルキルアリール、またはC0-4アルキルヘテロアリールであり;
1およびR1'は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C0-4アルキル、C1-4アルコキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エテニル、またはエチニルであり;
2は、C0-4アルキル、COOR6、COR6、C1-4アルコキシC1-4アルキル−、ヒドロキシC1-4アルキル−、シクロアルキルC0-4アルキル−、アリールC0-4アルキル−、またはヘテロアリールC0-4アルキル−であり、該アリールまたはヘテロアリール環のいずれも、1〜2個の独立したハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、−N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、−SO21-4アルキル、−SO2N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、ヒドロキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチル置換基で適宜置換され;
3は、水素、−COOC0-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、アリールC1-4アルキルチオ−、−C0-4アルキルアリール、−C0-4アルキルヘテロアリール、−C0-4アルキルシクロアルキル、または−C0-4アルキルヘテロシクリルであり、該環のいずれも1〜3個の独立したハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、−C0-4アルキルNHC(O)O(C1-4アルキル)、−C0-4アルキルNR78、−C(O)R9、C1-4アルコキシC0-4アルキル−、−COOC0-4アルキル、−C0-4アルキルNHC(O)R9、−C0-4アルキルC(O)N(R102、−C1-4アルコキシC1-4アルコキシ、ヒドロキシC0-4アルキル−、−NHSO210、−SO2(C1-4アルキル)、−SO2NR1112、5〜6員ヘテロシクリル、フェニルC0-2アルコキシ、またはフェニルC0-2アルキル置換基で適宜置換され、該フェニルが1〜2個の独立したハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、−N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、−SO21-4アルキル、−SO2N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、ヒドロキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチル置換基で適宜置換されるか、または該ヘテロシクリル基の環の1つの炭素上の2個の結合がオキソ(=O)置換基を適宜形成することができるか;または
3は、−NR4(−C0-4アルキルR5)であり;
4は、C0-3アルキル、−C2-3アルキル−NR78、ヒドロキシC0-4アルキル−で適宜置換され更にヒドロキシで適宜置換されたC3-6シクロアルキル、C1-2アルコキシC2-4アルキル−、またはC1-2アルキル−S(O)n−C2-3アルキル−であり;
nは、0、1、または2であり;
5は、水素、ヒドロキシC2-3アルキル−、C1-2アルコキシC0-4アルキル−、あるいはアリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;
ヘテロ環窒素を含有するR5環は、C1-4アルキル、ベンジル、ベンゾイル、C1-4アルキル−C(O)−、−SO21-4アルキル、−SO2N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、C1-4アルコキシカルボニル、またはアリール(C1-4アルコキシ)カルボニルで該環の窒素上で適宜モノ置換され;該R5環がハロゲン、シアノ、C1-4アルキル−C(O)−、C1-4アルキル−SO2−、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ、−N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、ヒドロキシC0-4アルキル−、またはC0-4アルキルカルバモイル−で該環の炭素上で適宜モノ置換されるが、但し、四級化された窒素を含まないか;あるいは
ヘテロシクリル基の環の1つの炭素上の2個の結合が適宜オキソ(=O)置換基を形成することができ;
6は、C1-4アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
7およびR8は、独立して、C0-4アルキル、C3-6シクロアルキル、またはCO(C1-4アルキル)であり;
9は、C1-4アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;
10は、C0-4アルキル、またはC3-6シクロアルキルであり;および
11およびR12は、独立して、C0-4アルキルであるか、またはそれらが結合する窒素と一緒になって、4〜6員ヘテロ環を形成してもよいが;但し、
−Y−Z−R3基内に、窒素−酸素、窒素−窒素、酸素−酸素または窒素−ハロゲン結合は存在しない]
の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
3がNである、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
1がNである、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
Yが−C(O)−または−S(O)2−である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
Zが、C1-4アルキレン、酸素、−(CH2mO−、−NR−または結合である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
1およびR1'が、それぞれ独立して水素またはハロゲンである、請求項1〜5のいずれか一つに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
1およびR1'のうち一つが、水素であり、それ以外が5−クロロである、請求項6に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
2が水素である、請求項1〜7のいずれか一つに記載される化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
3が水素、−NR45、−NR4(−C1-4アルキルR5)、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、該環のいずれも請求項1に記載されるように適宜置換される、請求項1〜8のいずれか一つに記載される化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
実施例1〜25のいずれか一つに記載される式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩の有効量を、治療が必要な患者に投与するステップからなるグリコーゲンホスホリラーゼが作用する疾病または症状の治療方法。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩の有効量を、治療が必要な患者に投与するステップからなる、高脂血症または糖尿病の治療方法。
【請求項14】
予防上の有効量の請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を、治療が必要な患者に投与するステップからなる、前糖尿病性高脂血症または耐糖能異常を示すヒトにおける糖尿病の予防方法。
【請求項15】
有効量の請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を、治療が必要な患者に投与するステップからなる高コレステロール血症、高インスリン血症、高脂血症、高血圧、アテローム性動脈硬化症または組織虚血の治療、あるいは心臓保護の達成、または異常細胞増殖を阻害するための方法。
【請求項16】
式(IV):
【化2】

[R1、R1'、R2、X1、X2、X3およびX4は、請求項1に記載される]
の化合物、またはその保護誘導体。

【公表番号】特表2007−527904(P2007−527904A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502390(P2007−502390)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000885
【国際公開番号】WO2005/085245
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(504326837)プロシディオン・リミテッド (53)
【氏名又は名称原語表記】Prosidion Limited
【Fターム(参考)】