説明

グリシジルオキシブチルアクリレートの製造方法

【課題】新規な(メタ)アクリレートの提供。
【解決手段】式(2)又は式(3)の化合物の含有量が0.5重量%以下である式(1)で示される(メタ)アクリレート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ基末端(メタ)アクリレートに関し、詳しくは、塗料などの原料として有用な高純度エポキシ基末端(メタ)アクリレートに関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ基末端(メタ)アクリレートは、例えば、次の様にして製造することが出来る。先ず、アルカリ化合物を使用した、ジオール化合物とエピハロヒドリンとの直接脱ハロゲン付加反応により、エポキシ基を有する化合物である、ジオール化合物のモノグリシジルエーテルを合成する。次いで、アクリロイル基を有する化合物、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと反応させてエステル交換する(特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−99968号公報
【0003】
上記の付加反応においては、反応条件により未反応のジオール化合物が残存する。また、ジオール化合物の両末端にエピハロヒドリンが付加したビス(グリシジルオキシ)アルカンが副生する。
【0004】
ところで、上記の様な化合物を含有するヒドロキシアルカングリシジルエーテルを使用し、(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応を行うと、ジオール化合物は、両末端がエステル交換してジ(メタ)アクリレートに変換し、目的物であるエポキシ基含有(メタ)アクリレート中に混入する。同様に、ビス(グリシジルオキシ)アルカンは、エポキシ基末端(メタ)アクリレート中にそのまま残存して混入する。
【0005】
例えば、1,4−ブタンジオール(以下14BDと略記する)とエピハロヒドリンの付加反応により合成したヒドロキシブチルモノグリシジルエーテル(以下14BDMGEと略記する)とアクリル酸エステルとのエステル交換反応により、グリシジルオキシブチルアクリレート(以下、原料名に因み4HBAGEと略記する)を製造することが出来るが、4HBAGE製品中に、前述の様な未反応のジオール化合物、1,4−ブタンジアクリレート(以下BDAと略記する)及びビス(グリシジルオキシ)ブタン(以下14BDDGEと略記する)が混入すると考えられる他、14BDDGEの二量体やエピハロヒドリンに由来する化合物も混入していると考えられる。
【0006】
ところで、前述の先行技術においては、エポキシ基末端(メタ)アクリレートの精製や上記混入物の影響に関して言及されていない。しかしながら、先行技術の方法で製造されたエポキシ基末端(メタ)アクリレートを使用して塗料などを製造すると、耐候性が低く、樹脂物性が著しく低下した塗料になるという問題点があった。具体的には、目的とする主成分のエポキシ基末端(メタ)アクリレートに、架橋剤としての、カルボン酸や酸無水物を添加して反応させる際、前記の不純物により、架橋効率の低下や分子量の低下(重合性の変化)が起こり、所望の物性が得られなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、原料として使用した場合、最終目的物の目標物性である架橋効率や分子量が得られなかったり、耐候性低下などの不具合を惹起することのない、新規なエポキシ基末端(メタ)アクリレートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、エポキシ基末端(メタ)アクリレート中に数多く混入している化合物の中でも、ある特定化合物の含有量を一定量以下に制限することにより、純度が高いだけでなく、最終目的物の耐候性などの物性が改善されるとの知見を得、本発明の完成に至った。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は、下記一般式(2)で示される化合物または下記一般式(3)で示される化合物の含有量が0.5重量%以下であることを特徴とする下記一般式(1)で示されるエポキシ基末端(メタ)アクリレートに存する。
【0010】
【化1】

(上記式中、Yは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、原料として使用した場合、最終目的物の目標物性が得られなかったり、耐候性低下などの不具合を惹起することのない、新規なエポキシ基末端(メタ)アクリレートを提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を4HBAGE製造を例として詳細に説明する。本発明の4HBAGEの特徴は、BDA(前記一般式(2)においてY=4で表される化合物)又は14BDDGE(前記一般式(3)においてY=4で表される化合物)の含有量が一定の範囲以下に制限されている点にある。BDAの含有量は、0.5重量%以下、好ましくは0.3重量%以下であり、14BDDGEの含有量は、0.5重量%以下、好ましくは0.3重量%以下である。上記の含有量を超える場合は本発明の目的を達成することが出来ない。
【0013】
BDAの含有量が本発明で規定する範囲より大きい場合に最終目的物が目標の物性を達成することが出来ない理由は次の様に推定される。すなわち、BDAが多いと、両末端のアクリレートがポリマー主鎖と反応し、その部分での架橋を妨げ架橋密度が低下し、その結果、樹脂物性に悪影響を及ぼすと考えられる。
【0014】
また、14BDDGEの含有量が本発明で規定する範囲より大きい場合に最終目的物が目標物性を達成することが出来ない理由は次の様に推定される。すなわち、アクリレート基が存在しないため、ポリマー主鎖と反応せず、重合を妨げ重合度が下がり、分子量が小さくなる。その結果、同様に樹脂物性に悪影響を及ぼすと考えられる。
【0015】
特に、近年、4HBAGEは、表面コート用原料として使用が多く、この際にはより厳しい物性を求められる。
【0016】
本発明で採用される、4HBAGEの製造方法は、主として、14BDMGE合成反応、同化合物の分離工程、4HBAGE合成反応、同化合物の分離工程からなる。以下に、4HBAGEの製造方法について上記の各工程毎に説明する
【0017】
(14BDMGEの合成反応)
14BDMGEは、公知の方法、例えば特開平8−99968号公報に記載されている方法で合成することが出来る。一般的には、アルカリ化合物を使用し、ジオール化合物(14BD)とエピハロヒドリンとを直接脱ハロゲン付加反応させる。
【0018】
ここで、反応に供する14BDとエピハロヒドリンの比率(モル比)は通常1:1.5〜2:1の範囲である。14BDに対するエピハロヒドリンのモル比が上記の範囲より大きいと、14BDDGEの生成が多くなり、逆に、上記の範囲より小さいと、未反応14BDが多量に存在し、何れの場合も目的物である14BDMGEの収量が低下し、好ましくない。
【0019】
(14BDMGEの分離工程)
14BDMGEの分離は、不純物の除去を安定的に且つ効率的に行うため、合成反応後液から水存在下の非水溶性有機溶媒による抽出が好適である。本発明での抽出は、回分式または連続式の何れでも可能であるが、工業的な優位性を考えれば、例えばカールカラム式(住友重機工業(株)製)による連続抽出が好ましい。
【0020】
以下にカールカラムによる連続抽出方法を説明するが、目的成分である14BDMGEの抽出率を高く保ち、かつ、二種の不純物、14BD(次工程の合成時にBDAに変化する)及び14BDDGEを効率的に除去するため、抽出は二段階に分けて行う。
【0021】
(1)第一段目抽出では、水相へ14BDMGEと14BDを抽出し、有機溶媒相へ14BDDGEを抽出除去する。そして、第二段目抽出では第一段目水相から有機溶媒相へ14BDMGEのみを抽出し、14BDと分離する。ここで、第一段目と第二段目の目的を逆にすることも可能である。すなわち、(2):第一段目有機相に14BDMGEも14BDDGEと共に抽出し、14BDと分離し、第二段目水相に、14BDMGEを抽出し、14BDDGEと分離する。この際の非水溶性有機溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N−ヘキサン、N−ヘプタン等の鎖状飽和炭化水素類などが挙げられる。これらの中では、第一段目、第二段目ともにトルエンが好ましい。
【0022】
(1)の抽出法について詳細に説明する。第一段目は、前出の14BDMGE合成反応液に、水およびトルエンを添加し抽出を行う。すなわち、カールカラム式連続抽出においては、水および14BDMGE含有反応粗液をカラム塔上部から、トルエンをカラム塔下部からそれぞれ連続添加する。そして、上相(トルエン相)へ14BDDGEを抽出除去し、下相(水相)に14BDMGEと14BDを抽出する。ここで、トルエン相へ14BDMGEも少量抽出されるが、その量を抑える目的で、添加する水にメタノールを加える方法も有効である。
【0023】
カラム内の適正温度は、抽出効率および使用する溶剤の沸点と水の凝固点による制約もあるが、通常10〜60℃程度である。水・メタノール及びトルエンの使用量は次の通りである。すなわち、水・メタノール混合液の使用量は、14BDMGEに対して質量比で
0.5〜20倍量である。メタノール濃度は、水に対して0〜60重量%である。メタノールがこれよりも多いと分離性が悪化する。また、トルエンの使用量は、14BDMGEに対して質量比で1〜20倍量である。トルエンがこれより少ないと14BDMGEに引きずられる形で14BDDGEが水(及びメタノール)相に混入し、抽出効率が低下する。また、トルエンが上記範囲より多いと製造コストの悪化原因となる。
【0024】
第二段目は、第一段目の水相に、トルエンを添加して抽出を行う。すなわち、第一段目水相をカラム塔上部から、トルエンをカラム塔下部からそれぞれ連続添加する。そして、上相(トルエン相)に14BDMGEを抽出し、下相(水相)へ14BDを抽出除去する。トルエンの使用量は、第一段目水相にある14BDMGEに対して質量比で1〜30倍量である。トルエンの使用量がこれより少ないと14BDに引きずられる形で14BDMGEが水(及びメタノール)相に混入し、抽出効率が低下する。また、トルエンの使用量が上記範囲より多いと製造コストの悪化原因となる。
【0025】
トルエン相からの14BDMGEの取得は、トルエンを減圧留去などの方法により除去することによって行う。これにより、14BDDGE及び14BD含有量が低減された14BDMGEを得ることが出来る。回収されたトルエンは、再び、抽出除去に使用できる。
【0026】
14BDDGE、14BD、BDA及びそれ以外の不純物含有量を削減する方法として、一般的には蒸留法が考えられるが、これらの化合物の沸点は、目的物である14BDMGE又は4HBAGEと近接しており、蒸留だけでの分離、いわゆる精留は困難である。また、前記の目的物は、熱的に不安定であり精留が困難である。
【0027】
(4HBAGE合成反応)
アクリル酸エステルと14BDMGEとのエステル交換反応が好適に使用される。エステル交換反応は、炭化水素系有機溶媒などによる共沸により、生成するアルコールを系外に留去しながら行う。この際、アクリル酸エステルの重合防止の観点から、重合禁止剤を共存させることが好ましい。有機溶媒は、反応の初期からの一括仕込み、逐次添加などの方法により反応系内に導入される。また、大過剰のアクリル酸エステルを使用し、アクリル酸エステルとの共沸によってアルコールを反応系外に除去することも可能である。
【0028】
(4HBAGEの分離工程)
有機溶媒での簡単な抽出により、4HBAGEを含む有機溶媒相を得た後、これを蒸留し、有機溶媒を留出させると、BDA及び14BDDGEの含有量が低減された4HBAGEを製品として得ることが出来る。また、前記の「14BDMGE分離工程」で記載した抽出を「4HBAGE分離工程」で実施することも可能である。
【0029】
以上の方法で得られた、本発明の4HBAGEは、自動車用塗料、家電製品、情報技術関連基材などの用途、特に、これらのトップコートに使用した場合、通常品を使用した場合に比し、得られる最終製品の物性は格段に向上する。
【実施例】
【0030】
以下、本発明を実施例より更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0031】
実施例1:
4HBAGEの製造について前記の各工程毎に記載する。なお、主成分および各不純物の含有量の測定は、下記記載条件によりガスクロマトグラフィーで行った。
【0032】
【表1】

【0033】
(14BDMGE合成反応)
蒸留装置、温度計、撹拌装置を取り付けた3L四つ口フラスコに14BD:370g(4.11モル)、エピクロルヒドリン:1500g(16.21モル)、を仕込んだ。撹拌下、加温と減圧を行いながら、48重量%NaOH水溶液:360g(4.32モル)滴下を開始した。反応液温度65℃、反応圧力150mmHgにおいて、反応で生成した水とエピクロルヒドリンとの共沸が始まった。共沸した水とエピクロルヒドリンは、冷却し二相に分離した。下相にあるエピクロルヒドリンは、系内に戻しながら、水のみを留去した。その5時間後、NaOH水溶液の滴下が終了し、更に、30分に亘り、加温と減圧を継続した後、反応を終了した。副生した、NaClを除去するため、水:810gを添加し、30分撹拌し30分静置後、水相を取り出した。次に、反応液内に残存するエピクロルヒドリンを減圧除去法で回収した。この時点において、粗14BDMGE重量は540gであり、組成は、主成分の1,4BDMGE含有率:64.3重量%、原料の14BD:2.2重量%、副生成物の14BDDGE:14.1重量%であった。また、仕込み14BDに対する14BDMGEの収率は58%、純度100%換算の重量は347gであった。
【0034】
(14BDMGE分離工程)
前記の合成反応を2バッチ繰り返し、得られた粗14BDMGEの一部分:1000g(14BDMGE643g含有)に対し、水:1000g、トルエン:3000gを使用し、連続抽出塔にて、液液抽出(抽出1段目)を行い、トルエン相に14BDDGEと共にエピクロルヒドリン由来の副生物を回収し、水相に14BDMGEと14BDを回収した。
【0035】
次に、トルエン:9300gと前記水相を使用し、連続抽出塔にて、液液抽出(抽出2段目)を行い、水相に14BDを回収し、トルエン相に14BDMGEを回収した。そして、トルエン相から、減圧除去法によりトルエンを回収し、14BDMGE液:612gを得た。組成は、主成分の1,4BDMGE含有率:98.5重量%、不純物の14BD:0.1重量%以下、14BDDGE:0.1重量%以下であった。なお、抽出精製での14BDMGE回収率は95.2%(純度換算で93.8%)であった。
【0036】
(4HBAGE合成反応)
蒸留装置、温度計、撹拌装置を取り付けた3L四つ口フラスコに、前記1,4BDMG
E液:600g(4.0モル)、アクリル酸メチルエステル:516g(6.0モル)、チタンテトラ−n−ブトキシド:28g、p−メトキシフェノール:0.24g、トルエン:400g、n−ヘキサン:400gを仕込んだ。撹拌下に昇温を開始し、反応液温度73〜90℃、留出温度50〜64℃でメタノール/n−ヘキサンの共沸留出を行った。また、その間、n−ヘキサン400gを連続的に添加した。その後、8時間反応を行い、反応を終了した。
【0037】
(4HBAGEの分離工程)
前記の反応液から未反応アクリル酸メチルエステルを減圧除去法で回収した。そして、残液に、水:500g、トルエン:1000gを加え、30分間撹拌し60分静置後、分液を行った。トルエン層に4HBAGEを回収し、水相に未反応の1,4BDMGEを回収した。
【0038】
次に、ろ紙を使用した吸引濾過によりトルエン相内の微量固形物を除去した後、減圧除去法によりトルエンを回収し、目的物である4HBAGEを得た。その結果、純度99.
5重量%の4HBAGE695gを回収できた。不純物であるBDAは0.1重量%以下、14BDDGEは0.1重量%以下であった。
【0039】
比較例1:
実施例1と同様の方法で14BDMGE合成反応後、NaCl・エピクロルヒドリンを除去し、粗14BDMGE液を得た。次いで、ウィットマー精留管を装着した蒸留装置で粗14BDMGE液200g(14BDMGE128.6g含有)を蒸留した。圧力2mmHg、塔頂温度105℃、ボトム温度155℃の条件で、14BDMGE液101gを得た。組成は、主成分1,4BDMGE含有率:94.8重量%、不純物の14BD:2.0重量%、14BDDGE:2.2重量%であった。なお、蒸留での14BDMGE回収率は78.5%(純度換算で74.5%)であった。
【0040】
次に、蒸留により得た14BDMGE100gを使用し、実施例1と同様の方法により、4HBAGE合成反応とアクリル酸メチル除去を行った後、水:83g、トルエン:166gを加え、30分間撹拌し60分静置後、分液を行い、トルエン層に4HBAGEを回収した。ろ紙を使用した吸引濾過法により、トルエン相内の微量固形物を除去した後、減圧除去法によりトルエンを回収し、目的物である4HBAGEを得た。その結果、純度94.9%の4HBAGEが116g回収できた。不純物であるBDAは2.4重量%、14BDDGEは1.9重量%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(2)で示される化合物または下記一般式(3)で示される化合物の含有量が0.5重量%以下であることを特徴とする下記一般式(1)で示されるエポキシ基末端(メタ)アクリレート。
【化1】

(上記式中、Yは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
【請求項2】
上記一般式(2)で示される化合物および上記一般式(3)で示される化合物の含有量がそれぞれ0.5重量%以下である請求項1に記載のエポキシ基末端(メタ)アクリレート。
【請求項3】
抽出工程により精製して得られる請求項1又は2に記載のエポキシ基末端(メタ)アクリレート。
【請求項4】
アクリロイル基を有する化合物とエポキシ基を有する化合物とを反応させて得られる一
般式(1)で表されるエポキシ基末端(メタ)アクリレートであって、抽出工程により当該アクリロイル基を有する化合物および/または当該エポキシ基を有する化合物を精製した後に反応させて得られる、請求項1〜3の何れかに記載のエポキシ基末端(メタ)アクリレート。
【請求項5】
アクリロイル基を有する化合物および/またはエポキシ基を有する化合物の精製後における一般式(2)で示される化合物の含有量が0.5重量%以下である請求項4に記載のエポキシ基末端(メタ)アクリレート。
【請求項6】
アクリロイル基を有する化合物および/またはエポキシ基を有する化合物の精製後における一般式(3)で示される化合物の含有量が0.5重量%以下である請求項4に記載のエポキシ基末端(メタ)アクリレート。
【請求項7】
表面コート用原料として使用される請求項1〜6の何れかに記載のエポキシ基末端(メタ)アクリレート。
【請求項8】
上記一般式(1)中、Yが炭素数4のアルキレン基である請求項1〜7の何れかに記載のエポキシ基末端(メタ)アクリレート。
【請求項9】
アクリロイル基を有する化合物とエポキシ基を有する化合物とのエステル交換反応による請求項1に記載の一般式(1)で表されるエポキシ基末端(メタ)アクリレートの製造方法であって、エステル交換反応によって生成するアルコールを炭化水素系有機溶媒による共沸によって系外に留去しながらエステル交換反応を行うことを特徴とする前記のエポキシ基末端(メタ)アクリレートの製造方法。
【請求項10】
アクリロイル基を有する化合物とエポキシ基を有する化合物とのエステル交換反応による請求項1に記載の一般式(1)で表されるエポキシ基末端(メタ)アクリレートの製造方法であって、上記のエポキシ基を有する化合物として、ジオール化合物とエピハロヒドリンとの直接脱ハロゲン付加反応させた後、水存在下の非水溶性有機溶媒による抽出によって精製されたエポキシ基を有する化合物を使用し、そして、上記のエステル交換反応を有機溶媒の存在下に行い、エステル交換反応後に有機溶媒を蒸留によって留去してエポキシ基末端(メタ)アクリレートを回収することを特徴とする前記のエポキシ基末端(メタ)アクリレートの製造方法。

【公開番号】特開2010−222373(P2010−222373A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133353(P2010−133353)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【分割の表示】特願2004−64112(P2004−64112)の分割
【原出願日】平成16年3月8日(2004.3.8)
【出願人】(000230652)日本化成株式会社 (85)
【Fターム(参考)】