説明

グリセリンからジクロロプロパノールを調製する方法

【課題】 出発物質の高い転化率、生成物の高い収率および反応システムの高い選択性によって特徴づけられた、1,3−ジクロロ−2−プロパノールおよび/または2,3−ジクロロ−l−プロパノールの混合物の連続的な調製方法の提供。
【解決手段】 1,3−ジクロロ−2−プロパノールおよび2,3−ジクロロ−1−プロパノールの製造方法であって、カルボン酸の触媒を使用してグリセリンおよび/またはモノクロロプロパンジオール類をガス状塩化水素により塩化水素化することを含み、該塩化水素化は、少なくとも1つの連続式反応器内で大気圧または昇圧下で行われ、該反応器の下流の蒸留装置内で減圧下で反応生成水を連続的に除去し、反応器への液体フィードは少なくとも50重量%のグリセリンおよび/またはモノクロロプロパンジオール類を含む、製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エピクロルヒドリンの生産技術、および化学工学の分野に関する。エピクロルヒドリンは、エポキシ樹脂、合成エラストマー、製紙産業用サイズ剤などの生産のための重要な原料である。
【背景技術】
【0002】
エピクロルヒドリンの工業的製造法は、ほとんど世界的に使用され、それは次のものを含む:高温でのラジカル置換でのプロペンの塩素化による塩化アリルの調製;塩化アリルへの次亜塩素酸の付加によるジクロロプロパノールの調製;アルカリ水溶液でのジクロロプロパノールの脱塩化水素による、エピクロルヒドリンの製造。
【0003】
この技術の基本的特徴は、とりわけ以下の通りである:出発プロピレンに基づいて約73%の比較的普通の合成全収率;塩素に基づいて約38%の低い合成収率; エネルギーの高いユニット消費;エピクロルヒドリン1tあたり約35m/tの大きな廃水のユニット体積、大きな汚染AOX(吸収可能な有機ハロゲン化物)、DIS(溶解された無機塩類)およびCOD(化学的酸素要求量);およびプロセスでの危険なプロペンおよび蒸発された塩素の使用。
【0004】
昭和電工の技術(たとえば、米国特許第5,011,980号、米国特許第5,227,541号、米国特許第4,634、784号)は以下を含む。酢酸でのプロパンのパラジウム触媒酸化による、アリルアセテートの調製;アリルアセテートのcatex触媒での加水分解による、アリルアルコールの調製; アリルアルコールの接触塩素化によるジクロロプロパノールの調製;およびジクロロプロパノールのアルカリ性脱塩化水素化によるエピクロルヒドリンの製造。この方法は、世界的に小さな割合で行われている。
【0005】
両方のケースで、基礎的な出発物質は、プロペン、塩素およびアルカリ(例えば水酸化カルシウム、または水酸化ナトリウム)である。
【0006】
従って、経済的な理由、環境上の理由および安全性の理由のために、新しい合成ルートが世界的に求められている。数年間、チタニウムシリケートに基づく触媒を使用して、過酸化水素または有機のヒドロペルオキシドにより塩化アリルをエピクロルヒドリンに直接接触酸化するプロセスを管理する試みがなされてきた(例えば米国特許第5,466,835、米国特許第6,187,935、米国特許第6,288,248あるいは米国特許第6,103,915)。しかし、今日まで商業的な利用はなされなかった。
【0007】
さらに可能な1つの合成ルートが、20世紀の始めから知られている;その原理は、Boehringer、C.F.およびSohne、Waldhof b.Mannheimへの1906年のドイツ特許、No.197308のグリセリンとガス形成性塩−酸からのモノ−およびジクロロヒドリンの製造、による無水塩酸によるグリセリンの触媒的塩化水素化による。
【0008】
この原理は、グリセリンと塩化水素を、触媒としてのカルボン酸の存在下で反応させ、1,3−ジクロロ−2−プロパノールおよび水を生成する反応である。前述の反応は、約100℃の温度で、液相で行なわれる。圧力は大気圧または、反応混合物中へのガス状HC1の溶解度を増加させるために加圧下であることができる。
【0009】
均質の酢酸触媒の最適の濃度は約1−2重量%である。より高い濃度では、望ましくない副生成物がより多く形成され、収率を低下させる。酢酸に加えて、特許は他のカルボン酸、プロピオン酸がテストされたことを述べる。水を分離していないバッチでの公表された収率は、対照の再計算で約75%である。収率を増加させて、かつ塩化水素ロスを低減するための、基本的な問題は、ジクロロプロパノールが生成する方向へ平衡をシフトさせるための、反応水の除去である。
【0010】
米国特許第2,144,612は、種種の不活性な、水非混和性の溶剤、たとえば、ジ−n−ブチルエーテル、二塩化エチレン、二塩化プロピレンあるいはクロロベンゾールの使用により、反応水を酸性の留出物として除去し、適当な反応温度での反応水の十分な除去の問題を解決しようとした。特許では、少量の残留物が形成され、反応は容易に完了まで行うことができ、反応生成物として得られるグリセロール−ジクロロヒドリン溶液は実質的に水を含まず、分離が困難な酸性水溶液中のグリセロール−ジクロロヒドリンのロスは最小限にされると述べている。さらに、グリセリン投入量に基づいて5%の範囲内の触媒のより高い含量が言及される。
【0011】
米国特許第2,198,600は、酸性留出液からのジクロロプロパノールの精製と回収の問題を、ジクロロプロパノールの適当な有機溶媒、好ましくはジ−n−ブチルエーテルを使用した抽出により解決しようとした。
【0012】
それぞれの特許に記述された、上記の言及された方法はすべて、非連続のバッチプロセスとして開発された。
【0013】
工業的規模では、そのような方法は、塩化水素の大きなロス、数時間から数十時間のオーダーの長い滞留時間を要するいつくかのバッチ反応プロセスの必要性、およびそれによる装置サイズに対する高い要求、原料および製品のロジスティクス、廃棄物流れの公衆衛生、労働者の衛生問題などのため、実現可能ではなかった。さらに、工業規模において受容可能な適当な結果のために必要とされる顕著な量の不活性溶剤の使用は、反応器の容積の顕著な増大と、溶剤の取り扱い、処理および回収などのための多くの追加の装置を必要とする。
【0014】
これらの理由のため、出発物質の高い転化率、生成物の高い収率および反応システムの高い選択性によって特徴づけられた、1,3−ジクロロ−2−プロパノールおよび/または2,3−ジクロロ−l−プロパノールの混合物の連続的な調製方法が開発された。
【0015】
発明の開示
本発明は1,3−ジクロロ−2−プロパノールおよび2,3−ジクロロ−1−プロパノールのジクロロプロパノール類を、カルボン酸の触媒を使用してグリセリンおよび/またはモノクロロプロパンジオール類のガス状塩化水素での塩化水素化により調製する方法に関し、ここで該塩化水素化は、70−140℃の範囲の反応温度で、少なくとも1つの連続反応ゾーン内で行われ、反応水を連続的に除去し、液体フィードは少なくとも50重量%のグリセリンおよび/またはモノクロロプロパンジオールを含む。
【0016】
この方法は、産業上受容可能な収率に達するために溶剤のような追加の化合物を必要としない。生成物の混合物は、ジクロロプロパノールとは別にさらに反応水、および少量の触媒酢酸および未反応の塩化水素を含んでいる。この生成物の混合物は、エピクロルヒドリン合成の次の反応工程の処理、たとえばアルカリ性での脱塩化水素処理のために何の処理をすることなく好ましく使用されることができる。
【0017】
好ましくは、液体フィードは80−100重量%のグリセリンを含んでいる。また、カルボン酸触媒は好ましくは酢酸である。
反応温度は好ましくは100−110℃である。
【0018】
塩化水素化は、連続的に操作されるワンステップ循環反応器中で、あるいは液化ガスタイプの連続的なフロー反応器のカスケード中で実行することができる。
出発物質グリセリンのジクロロプロパノール生成物への好ましい転化を達成するために、触媒の存在とは別に、好ましくは減圧蒸留によって、化学平衡の理由のため反応環境から反応水を除去することがさらに必要である。
【0019】
循環反応器の場合には、原料のグリセリン、塩化水素および酢酸触媒は、反応器自身の上流の外部循環に供給することができ、ジクロロプロパノール生成物と反応水の一次採取のために、蒸留装置が循環中に配置されることができる。好ましくは蒸留カラムは減圧下で操作される。反応混合物の残部も、循環から二次的に採取することができ、ジクロロプロパノール生成物およびモノクロロプロパンジオールの反応中間体を回収した後、それらは反応系に戻され、望まれない生成物の混合物を含んでいる残留物はさらに処理される。減圧蒸留により回収は有利に実行することができる。そこでは望まれない高い沸点の廃棄生成物は蒸留残留物として残される。
【0020】
反応器循環量とグリセリン投入量の間の比率、二次採取量とグリセリン投入量の間の比率、反応器温度、反応器循環中の連続的な一次蒸留での減圧値などのような、循環反応器のパラメータのセットのバランスを保つことによって、プロセスおよびその収率の最適化を達成することができる。
【0021】
連続的フロー反応器のカスケードの場合には、カスケードのメンバーの数は1から5の範囲であることができ、好ましくは3である。原料物質のグリセリン、塩化水素および酢酸触媒は、カスケードの第1のメンバーに供給される;塩化水素、および触媒の損失のための補足は、順々に他のメンバーに供給される。反応水の蒸留は、常にカスケードのそれぞれのメンバーの間で行われる。反応水およびジクロロプロパノール生成物の一部を蒸留した後に、蒸留残留物は、カスケードの次のメンバー中で塩化水素化に供される。合計の収率を増加させるために、カスケードの最後のメンバーから反応水とジクロロプロパノールを留出した後に、蒸留残留物からジクロロプロパノールおよび反応性中間物のモノクロロプロパンジオールを回収することは望ましい。回収は減圧蒸留により好ましく行うことができる。ここで高沸点廃棄物は蒸留残留物として分離され、留出物はジクロロプロパノールおよびモノクロロプロパンジオールであり、反応器へリサイクルされ、好ましくはカスケードの第1メンバー内へリサイクルされる。
【0022】
一般に、液−ガスタイプの反応用の任意の反応器、たとえば、撹拌機反応器、バブルタワー(カラム)、液−ガス接触用の種々の充填されたカラム、エジェクター反応器などが、反応のために選択されることができる。
【0023】
ガス状の塩化水素を分散させるために、任意の分散手段、たとえば、ノズル、多孔質の板またはパイプ、細孔プレート、エジェクターなどを使用することができる。
反応器中の圧力は大気圧であることができ、または反応混合物中への塩化水素のよりよい溶解のために加圧することができる。反応器中の温度は、70から140℃の範囲、好ましくは100−110℃の範囲であることができる。
【0024】
システムの平均滞留時間の合計は、要求されるグリセリンの総転化率およびジクロロプロパノール生成物の総収率に応じて、5−40時間の範囲の中で選択することができる。
【0025】
反応水を分離するための減圧蒸留のために、蒸留用の任意の装置、たとえば、熱源を有するかまたは有しない種種の構成の蒸発装置、トレイ、構造化したパッキング、ランダムパッキングのような様々な内部構造を備えた精留塔などを使用することができる。
【0026】
回収蒸留用装置として、蒸留用の一般に公知の装置、たとえば様々なタイプの蒸発装置あるいは蒸留システムのような装置を使用することができる。
【0027】
出発物質グリセリンは、様々なグリセリン含有量および様々な種類の不純物を含む様々な品質であることができる。様々なグリセリン含有量の蒸留したグリセリンを使用することができる;90.0−99.9%の含有量が好ましい。様々なグリセリン含有量のクルードのグリセリンも使用することができる;80.0−90.0%の含有量が好ましい。
【0028】
あるいは、グリセリンフィードは、部分的にあるいは全体的に、モノクロロプロパンジオール(特に3−クロロ−1,2−プロパンジオール、および/または2−クロロ−1,3−プロパンジオール)と置き換えられることができ、任意に他の方法、たとえば、グリセリンの塩酸水溶液による塩化水素化のような他の方法によって調製されることができる。
【0029】
実施例
実施例1
本発明の開示にしたがって、次の実験が行なわれた。反応混合物の外部循環を備えた垂直のシリンダーから成る循環カラム反応器中に、97.5%のグリセリン、2%の酢酸、および0.5%の水を含有するグリセリンのフィードが、5.0kg/hの量で、反応器自身の上流で外部循環に供給された。ガス状塩化水素は、4.6kg/hの量で古典的な分散装置を介して反応器の底部に直接供給された。外部循環では、真空精留塔が反応器の下流に挿入された;ジクロロプロパノール生成物、反応水および残余の塩化水素の混合物は、9.3kg/hの量で、留出物として集められた。 蒸留残留物は反応器にポンプで戻された。反応混合物の残留部も、1.4kg/hの量で精留塔の下流循環から集められた。これはジクロロプロパノール生成物およびモノクロロプロパンジオール反応中間体を回収するため、蒸発装置中で真空蒸留に供された。これはグリセリンフィードとともに、1.2kg/hの量で反応系に戻された。望まれない生成物の混合物を含んでいる回収物からの蒸留残留物は、タンク中に廃棄物として集められた。基礎的なパラメータおよび結果は次の表に示される。
【0030】
【表1】

【0031】
実施例2
本発明の開示にしたがって、次の実験が行なわれた。モノクロロプロパンジオール反応中間体の最終的な回収を行わない、カスケードの3つの反応器を備えた連続フロー反応器のカスケードが、引き続いてモデル化された。97.5%のグリセリン、2%の酢酸、および0.5%の水を含むグリセリンフィードが、液−ガスタイプのタワー反応器であるカスケードの第1のメンバー内に連続的に供給された。塩化水素が古典的な分散手段を介して供給された。ジクロロプロパノール、モノクロロプロパンジオールおよび他の副生成物の混合物を含んでいる生成物は、タンクへ集められた。選択された時間の連続的な反応の後、反応は中断された。反応水、ジクロロプロパノールの一部および過剰の塩化水素を蒸留回収するために、生成物はワンステップ平衡真空蒸留に供された。その後、蒸留残留物は、連続的に設計されたカスケードの次のメンバーへの供給物として使用された。留出物およびカスケードの最後のメンバーからの反応混合物は、全体のシステムの生成物であった。3メンバーのカスケードの基礎的なパラメータおよび結果は次の表に示される。
【0032】
【表2】

【0033】
実施例3
本発明の開示にしたがって、次の実験が行なわれた。反応混合物の外部循環を備えた垂直のシリンダーから成る循環カラム反応器中に、88.7%のグリセリン、2%の酢酸、および9.3%の水を含有するグリセリンフィードが、5.4kg/hの量で、反応器自身の上流で外部循環に供給された。ガス状塩化水素は、4.3kg/hの量で古典的な分散装置を介して反応器の底部に直接供給された。外部循環では、真空精留塔が反応器の下流に挿入された;ジクロロプロパノール生成物、反応水および残余の塩化水素の混合物は、9.3kg/hの量で、留出物として集められた。 蒸留残留物は反応器にポンプで戻された。反応混合物の残留部も、1.4kg/hの量で精留塔の下流循環から集められた。これはジクロロプロパノール生成物およびモノクロロプロパンジオール反応中間体を回収するため、蒸発装置中で真空蒸留に供された。これはグリセリンフィードとともに、1.1kg/hの量で反応系に戻された。望まれない生成物の混合物を含んでいる回収物からの蒸留残留物は、タンク中に廃棄物として集められた。基礎的なパラメータおよび結果は次の表に示される。
【0034】
【表3】

【0035】
実施例4
本発明の開示にしたがって、次の実験が行なわれた。反応混合物の外部循環を備えた垂直のシリンダーから成る循環カラム反応器中に、84.9%のグリセリン、2%の酢酸、および4.7%の水、および8.4%の不揮発性化合物を含有するグリセリンフィードが、5.5kg/hの量で、反応器自身の上流で外部循環に供給された。ガス状塩化水素は、4.5kg/hの量で古典的な分散装置を介して反応器の底部に直接供給された。外部循環では、真空精留塔が反応器の下流に挿入された;ジクロロプロパノール生成物、反応水および残余の塩化水素の混合物は、8.9kg/hの量で、留出物として集められた。 蒸留残留物は反応器にポンプで戻された。反応混合物の残留物も、2.0kg/hの量で精留塔の下流循環から集められた。これはジクロロプロパノール生成物およびモノクロロプロパンジオール反応中間体を回収するため、蒸発装置中で真空蒸留に供された。これはグリセリンフィードとともに、1.0kg/hの量で反応系に戻された。望まれない生成物の混合物を含んでいる回収物からの蒸留残留物は、タンク中に廃棄物として集められた。基礎的なパラメータおよび結果は次の表に示される。
【0036】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,3−ジクロロ−2−プロパノールおよび2,3−ジクロロ−1−プロパノールの製造方法であって、カルボン酸の触媒を使用してグリセリンおよび/またはモノクロロプロパンジオール類をガス状塩化水素により塩化水素化することを含み、該塩化水素化は、少なくとも1つの連続式反応器内で大気圧または昇圧下で行われ、該反応器の下流の蒸留装置内で減圧下で反応生成水を連続的に除去し、反応器への液体フィードは少なくとも50重量%のグリセリンおよび/またはモノクロロプロパンジオール類を含む、製造方法。
【請求項2】
液体フィードが80−100重量%のグリセリンおよび/またはモノクロロプロパンジオール類を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
液体フィードがモノクロロプロパンジオール類として、3−クロロ−1,2−プロパンジオールおよび/または2−クロロ−1,3−プロパンジオールを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
モノクロロプロパンジオール類が、塩酸溶液によるグリセリンの塩化水素化により得られる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
触媒が酢酸である、請求項1から4のいずれか1記載の方法。
【請求項6】
反応が70−140℃、好ましくは100−110℃で行われる、請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
蒸留により、反応生成水と、1,3−ジクロロ−2−プロパノールおよび2,3−ジクロロ−1−プロパノールのジクロロプロパノール生成物の部分的な除去が行われる、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
反応生成水と、ジクロロプロパノール類の一部の除去に続き、残りのジクロロプロパノール類およびモノクロロプロパンジオール類が蒸留残渣から回収され、反応器にリサイクルされる、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
ジクロロプロパノール類およびモノクロロプロパンジオール類が、減圧蒸留により回収される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
高沸点生成物が蒸留残渣として分離され、ジクロロプロパノール類およびモノクロロプロパンジオール類を含む留出物が、反応器にリサイクルされる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
反応が循環反応器内で行われ、ジクロロプロパノール生成物と反応生成水が、別途配置された蒸留装置内で、減圧下で採取される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
反応混合物の残りの残渣が循環から採取され、残りのジクロロプロパノール類およびモノクロロプロパンジオール類が回収され、反応器に戻される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
回収が減圧蒸留により行われる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
高沸点生成物が蒸留残渣として残され、ジクロロプロパノール類およびモノクロロプロパンジオール類が反応器にリサイクルされる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
連続的なフロー反応器のカスケード内で反応が行われ、反応生成水、およびジクロロプロパノール類生成物の一部が、反応器カスケードのそれぞれの反応器の間に配置される減圧蒸留器により採取され、蒸留残留物は反応器カスケードの次の反応器内で塩化水素化に供される、請求項1記載の方法。
【請求項16】
カスケードの最後の反応器から反応生成水およびジクロロプロパノール類の一部が蒸留により採取され、蒸留残渣は減圧蒸留に供され、高沸点生成物は蒸留残渣として分離され、残りのジクロロプロパノール類およびモノクロロプロパンジオール類は留出物として分離され、反応器にリサイクルされる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
生成物混合物が、エピクロルヒドリンの製造のために使用される、請求項1から16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
生成物混合物が、アルカリ脱塩化水素反応に供され、エピクロルヒドリンにされる、請求項1から16のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
生成物混合物が、ジクロロプロパノール類、反応生成水、少量の触媒、および未反応塩化水素を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
生成物混合物が、アルカリ脱塩化水素反応に、何の処理をすることもなく直接供される、請求項19記載の方法。

【公開番号】特開2013−6875(P2013−6875A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223739(P2012−223739)
【出願日】平成24年10月8日(2012.10.8)
【分割の表示】特願2006−524207(P2006−524207)の分割
【原出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(506066825)
【Fターム(参考)】