説明

グリセロールを高生産する製麹方法

【課題】麹菌株のグリセロール生産能を、麹菌株の使用条件を変更することで向上させること。
【解決手段】α化した澱粉質原料の水分含量を、麹菌を当該澱粉質原料に接種してから出麹時までの期間中一貫して35重量%以上に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリセロール濃度の高い麹を製造するための方法、及びその方法により得られる麹に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、酒類の品質多様化のために原料処理法、使用酵母、使用麹菌、仕込み時の各種条件の検討が行われ、さらに上槽後の処理方法などにおいても様々な検討が試みられている。特に、製成酒の香味に大きな影響を及ぼす酵母については数多くの試みがなされており、各種変異操作によって香気成分の生成能が格段に向上した変異株が取得され、従来にない華やかな香りのする清酒や焼酎の製造が行われている。
【0003】
焼酎製造においては、もろみ中のグリセロール濃度を向上させることにより蒸留時のエステル溜出率が高まり、華やかな香りの指標とされるE/A比(酢酸イソアミルとイソアミルアルコールの比)が向上した焼酎が得られることが知られている。このため、グリセロールを高生産する酵母を変異処理によって取得し、該酵母で香味豊かな焼酎を得る試みがなされている(例えば、特許文献1及び2)。
【0004】
しかしながら、酵母と比較すると、麹菌の変異株を取得する試みは余り多くなされていない。なぜなら、麹菌が製麹中に分泌生産する非常に多くの酵素の発現制御にはいくつかの共通の因子が作用しており、変異操作を施すことでこれら因子の発現が影響を受けて酵素生産量の大幅な減少が生じたり、糖分解系酵素の生産や蛋白質分解系酵素の生産のバランスが崩れることが多いからである。さらに、清酒・焼酎などの醸造に広く利用されているアスペルギルス属の麹菌が、グリセロールを生産しないことが知られている(非特許文献1)。
【0005】
麹菌を用いる製麹条件については、特許文献3に、盛込み後15時間から30時間の間に水分を加湿補給し、麹基質の水分含量を38%〜44%にすることが記載されている。この製麹方法においては、上記の期間の後に加湿補給を行わないため、出麹時の水分含量は30%前後である。また、この文献には、グリセロールの生成については全く記載されていない。
【0006】
特許文献4には、製麹工程中の盛込み後35時間以内に麹物料に水分を添加することを特徴とする、醤油麹の製造法が記載されている。この製造方法においては、出麹時の麹物料中の水分含量は30%程度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2835814号公報
【特許文献2】特許第3337898号公報
【特許文献3】特公昭52−24596号公報
【特許文献4】特開昭49−19092号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】J.Brew.Soc.Japan,Vol.88,No.11,p895-900(1993)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
酵母に加えて麹菌もグリセロールを高生産することができれば、産業上大きな利点があるが、変異処理には功罪両面がある。つまり、目的とする形質を強化することによってその他の形質が弱化してしまい、取得した株の多くが全体の形質として実用に耐えない場合が多い。その場合、戻し交配という手法を用いて親株の優れた形質と取得した変異株の強化された形質を併せ持つ株を育種することが必要であるが、麹菌の世代時間は酵母に比べて非常に長いため、目的の形質を有する株を得るのに多大な労力を要する。
【0010】
このような理由から、麹菌の変異株を取得するのではなく、使用条件を変更することで麹菌株のグリセロール生産能を向上させることが望まれてきた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、麹を製造する方法に鋭意条件検討を重ねた結果、麹製造時のα化した澱粉質原料の水分含量を、麹菌を当該原料に接種してから出麹時までの期間中一貫して35重量%以上に維持すると、麹菌、例えばアスペルギルス属の麹菌を用いても、グリセロールを高度に生産できることを見出した。
【0012】
また、同条件下で当該期間中の澱粉質原料の最高温度を30℃以上に設定することで、更にグリセロールの生産量が上昇することも見出した。
従って、本発明は、以下のものに関する。
1.α化した澱粉質原料の水分含量を、少なくとも、麹菌を当該澱粉質原料に接種してから出麹までの期間中、35重量%以上に維持することを特徴とする、製麹方法。
2.前記期間中の前記澱粉質原料の最高温度を30℃以上として行う、1に記載の方法。
3.1又は2に記載の方法により麹を得て、当該麹を原料として用いることを含む、飲食品の製造方法。
4.1又は2に記載の方法によりアスペルギルス属麹菌を用いて製造される、グリセロール高含有麹。
5.α化した澱粉質原料の水分含量を、少なくとも、麹菌を当該澱粉質原料に接種してから出麹までの期間中、35重量%以上に維持することを特徴とする、麹中のグリセロール含量を向上させるための方法。
【発明の効果】
【0013】
麹製造中の水分含量(及び場合により温度)を管理するという簡便な操作により、グリセロール高含有の麹を得ることができる。そして、この麹を用いて焼酎製造を行なうと、華やかな香りの指標とされるE/A比(酢酸イソアミルとイソアミルアルコールの比)が向上した焼酎を得ることができる。この方法は、麹菌の変異処理に伴う多くの欠点、例えば、麹菌の特定の形質が弱化し得るという欠点や、所望の麹菌の取得までに長時間を要するという欠点を有さず、しかも多くの種類の麹菌に適用できるため、非常に有用である。
【0014】
また、アスペルギルス属の麹菌は、グリセロールを生産できなかった例が報告されているため、本発明は、特に、アスペルギルス属の麹菌を用いる製麹、中でもアスペルギルス属の麹菌だけを用いる製麹に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、製麹中の澱粉質原料中の水分含量の挙動を示すグラフである。
【図2】図2は、製麹中の澱粉質原料中のグリセロール生成量の挙動を示すグラフである。
【図3】図3は、製麹中の澱粉質原料中の水分含量の挙動を示すグラフである。
【図4】図4は、製麹中の澱粉質原料中のグリセロール生成量の挙動を示すグラフである。
【図5】図5は、製麹中の澱粉質原料中のグリセロール生成量の挙動を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の麹の製造方法は、麹菌を澱粉質原料に接種してから出麹時までの期間中における澱粉質原料の水分含量の調節範囲と、最高温度の調節範囲以外は、通常行なわれる麹の製造方法と同様の操作で同様の条件で実施することができる。
【0017】
先ず、α化した澱粉質原料を準備する。澱粉質原料は特に限定されず、例えば、米、麦、小麦、大麦、ライ麦、稗、そば、とうもろこし、栗、こうりゃん、甘薯、ばれいしょ、さといも、にんにく、大豆等の澱粉源を用いることができる。いずれかの澱粉源の澱粉を、蒸きょうなどの常法によりα化して用いる。澱粉質原料として米や麦等の穀類を用いる場合、その精白歩合は特に限定されない。
【0018】
次に、α化澱粉質原料に麹菌を接種し、麹菌の培養を行なう。用いられる麹菌は、焼酎、清酒等の醸造に用いられるものであれば特に限定されない。それには、例えば、一般的な焼酎用の麹菌であるAspergillus kawachii、Aspergillus awamori、Aspergillus usamii、Aspergillus niger、Aspergillus saitoiやAspergillus oryzae、Aspergillus sojae、Aspergillus tamariiのようなアスペルギルス属の麹菌が含まれる。当該澱粉質原料に対する麹菌の接種量には特に制限はないが、通常は原料1kgあたり100mg程度である。
【0019】
培養は、常法により当該澱粉質原料を、麹菌を培養可能な温度及び湿度に保持することによって行なう。典型的な培養温度は、25〜40℃であり、典型的な培養湿度は、50〜100%である。麹中の酵素活性が所望のレベルに達成される限り、麹生成完了までの時間は特に限定されないが、典型的には、菌の接種から40〜50時間程度である。
【0020】
通常、培養工程は、温度及び湿度が管理された容器又は室内で行なわれる。そのような容器又は室内に当該澱粉質原料を移送する引き込み作業の後、麹菌を接種して培養を進め、求める酵素活性や有機酸等の成分を備えるのに充分な時間が経過した後に麹を容器又は室内から出す、出麹作業を行う。本発明においては、α化澱粉質原料の水分含量を、麹菌を当該原料に接種してから出麹時までの期間中一貫して35重量%以上に維持する。水分含量の上限は、培養可能な値であれば特に限定されないが、通常、50重量%程度までである。水分含量を所望の範囲に調節するためには、例えば、澱粉質原料中の水分含量を予め高く設定してもよいし、上記期間の途中で水分を追加しても良い。例えば、澱粉質原料中の水分含量を予め高く設定するためには、澱粉質原料の水への浸漬の時間の調節や、蒸きょう条件の調節などの手段を用いることができ、水分を追加するためには、澱粉質原料への水の噴霧又は添加、澱粉質原料の水中への浸漬などの手段を用いることができる。尚、水分含量の測定法は、公知のいずれのものを用いてもよいが、典型的には、赤外線水分計を用いる。
【0021】
また、本発明においては、上記の期間における澱粉質原料の最高温度を、好ましくは30℃以上、より好ましくは34℃以上、さらにより好ましくは38℃以上、さらに好ましくは42℃以上とする。最高温度の上限値は、培養可能な値であれば特に限定されないが、麹菌の耐熱性を考慮すると、典型的には、45℃以下である。最高温度の調節は、常法に従って行なうことができる。
【0022】
本発明に従って麹菌の培養を行なうと、グリセロールが高度に生成され、澱粉質原料及び麹中のグリセロール含量が高まる。本発明の方法により得られる麹中のグリセロールの含量は、1gの麹に対して10mg以上、好ましくは15mg以上、より好ましくは、20mg以上である。グリセロールの含量は、公知のいずれかの方法により測定することができる。典型的には、Fキットグリセロール((株)J.K.インターナショナル社)のような測定キットを用いて測定する。
【0023】
本発明の方法により得られる麹は、当業者に公知の手法により、通常の麹の利用方法に準じて使用することが出来る。例えば、焼酎、清酒、しょうゆ、みそ、みりんなどの醸造飲食品の原料として、そのまま、又は乾燥物、抽出エキス、抽出エキス濃縮物、抽出エキス粉末等の加工品の形態で、配合することが出来る。さらに、本発明の麹は他の飲食品に配合しても良い。麦を原料とした麹は、パン様の香ばしい特有の芳香を有し、これを原料として用いることで、そのような芳香を製品に与えることが出来る。本発明の、麹を原料として用いた飲食品としては、例えば、各種焼酎(麦焼酎等)、豆腐乳、豆腐よう、麹等を用いたタンパク質素材(肉類、卵類、魚介類、豆腐等)の漬物、肉類加工品、魚介類加工品、蒲鉾、菓子類、各種健康食品、栄養補助食品、各種加工品(乾燥物、抽出エキス、抽出エキス濃縮物、抽出エキス粉末等)などが挙げられるがこれらに限定されない。
【実施例】
【0024】
本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
以下の各実施例は、1kgスケールの蓋麹法により試験的に製麹を実施したものである。
【0025】
[実施例1]
実施例1は、グリセロールの高度生成を目指して、製麹初期のα化澱粉質原料(蒸し麦)の水分含量を上昇させた例である。
【0026】
以下の方法により製麹を行った。
精白歩合65%の大麦1kgに常法により洗麦・浸漬・水切りをした後、40分間の蒸きょうを行い、約32℃までに放冷し、水分含量(W/W)が35%(比較例1)及び45%(実施例1)の2種類の蒸し麦を得た。蒸きょう後の水分含量が、これらの目的値になるように浸漬時間を設定した。これらの蒸し麦に、大麦1kg当たり100mgの種麹(Aspergillus kawachii:Bioc社製の焼酎用K型菌)を接種し、均一に混合して麹蓋に盛り込み、麹菌の培養を行い、麦麹を得た。麹菌の培養中、麹の温度は32℃から上昇し、15時間で最高品温約38℃に達し、24時間までその品温を維持した後、24時間以降は約36℃であった。50時間で出麹をした。
【0027】
上記の蒸し麦中の経時的な水分含量挙動、グリセロールの生成量の挙動を図1、2に示す。また、出麹時の各麹のα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、酸性カルボキシペプチダーゼ(以下ACPaseと記載)の各酵素の活性を調べた。その結果を表1に示す。
【0028】
水分含量は、蒸し麦を5g測りとり、105℃・30分の条件で赤外線水分計(Kett610、株式会社ケット科学研究所)を用いて測定した。蒸し麦中に含まれるグリセロールの測定のために、蒸し麦5gに10mM酢酸緩衝液(pH5.0)25mlを加え、室温で3時間ときどきふりまぜながらグリセロールを浸出させた後、ろ紙でろ過を行い、抽出液を得た。その抽出液中のグリセロール濃度をFキットグリセロール((株)J.K.インターナショナル社)を用いて測定し、その結果に基づいて蒸し麦中に含まれるグリセロール量(mg/g)を算出した。麹中に含まれる上記の各酵素の活性の測定のために、麦麹5gに10mM酢酸緩衝液(pH5.0)25mlを加え、室温で3時間ときどきふりまぜながら各酵素を浸出させた後、ろ紙でろ過を行い、抽出液を得た。その抽出液中の上記の各酵素の活性を、キッコーマン醸造分析キット(キッコーマン(株))を用いて測定し、麹中に含まれる酵素の活性(U/ml)を求めた。
【0029】
【表1】

【0030】
図1、2に示されているように、初期の水分含量を高くすることにより、麹菌の接種から出麹時まで蒸し麦の水分含量を高く(35重量%以上に)維持することができた。また、製麹中のグリセロールの生成量は、顕著に増加した。尚、実施例1の出麹の各酵素の活性は、比較例1と比較して遜色のないレベルであった。このことは、本発明により得られた麹が、麹として十分な品質を有していることを示す。
【0031】
[実施例2]
実施例2は、グリセロールの高度の生成を目指して、製麹中の一定時間経過後に水分を追加して、α化澱粉質原料である蒸し麦の水分含量を特定の範囲に維持した例である。
【0032】
蒸し麦の水分含量の調節法以外は、実施例1と同様の方法にて製麹を行った。水分含量を特定の範囲に維持する方法は、以下の通り行った。製麹初期の水分含量を約35重量%又は40重量%に設定し、製麹の進行に伴い、漸次水分含量が減少したサンプルをそれぞれ比較例1、2とした。これに対して、本実施例では、24時間以降の蒸し麦の水分含量を、蒸し麦に必要分の水分を霧吹きにより噴霧し、蒸し麦をかき混ぜながら均一に水分を行き渡らせることにより、35重量%以上に維持して培養を行った(実施例2)。
【0033】
これらの培養方法における蒸し麦中の経時的な水分含量挙動、グリセロールの生成量挙動を図3、4に示す。また、出麹時の各麹のα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、ACPaseの各酵素活性の測定結果を表2に示す。なお、水分含量、グリセロール量、各酵素の活性の測定は、実施例1の方法に準じた。
【0034】
【表2】

【0035】
図3及び4に示す通り、製麹24時間以降を含めて、麹菌の接種から出麹時までの期間中、水分含量を35重量%以上に保つこと(実施例2)により、グリセロールの生成量を顕著に増加させることができた。また、実施例2の出麹の各酵素活性は、比較例1、2と比較して遜色のないものであった。
【0036】
[実施例3]
実施例3は、グリセロールの高生成を目指して、製麹中の一定時間経過後から、α化澱粉質原料(蒸し麦)に水分を追加して水分含量を特定の範囲に維持しながら、澱粉質原料の品温を実施例2に比べて高く維持した例である。
【0037】
実施例2に記載の通りに、麹の培養と水分含量の維持を行った。ただし、本実施例では、麹菌の培養温度は、32℃から15時間で最高品温約42℃に達し、それ以後、約40〜42℃で維持した。50時間で出麹をした。
【0038】
この培養方法における蒸し麦のグリセロールの生成挙動を図5に示す。また、出麹時の各麹のα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、ACPaseの各酵素活性の測定結果を表3に示す。なお、グリセロール量、各酵素活性の測定は、実施例1の方法に準じた。
【0039】
【表3】

【0040】
図5に示す通り、実施例2(38℃)に比べて蒸し麦の最高温度を高く(42℃)保つことにより、麹中に含まれるグリセロール量を顕著に増加させることができた。また、実施例3の出麹の各酵素活性は、実施例2と比較して遜色のないものであった。
【0041】
[実施例4]
実施例4は、様々な精白歩合の大麦を用いた場合でも、製麹初期のα化澱粉質原料(蒸し麦)の水分含量を上昇させることにより、グリセロールを高生成できることを示した例である。
【0042】
実施例1に記載の通りに、精白歩合65%、80%、90%の大麦をそれぞれ水分含量が35重量%、45重量%になるように蒸し麦を作成した。得られた蒸し麦を用いて実施例1の通りに麦麹を作成し、39時間で出麹をした。
【0043】
精白歩合65%、80%、90%の大麦を水分含量35重量%に設定した蒸し麦を用いて製麹を行った場合をそれぞれ比較例3、4、5とした。一方で、精白歩合65%、80%、90%の大麦を水分含量45重量%に設定した蒸し麦を用いて製麹を行った場合をそれぞれ実施例4、5、6とした。
【0044】
これらの培養方法によって得られた麹の出麹時のグリセロール量とα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、ACPaseの各酵素の活性の測定結果を表4に示す。なお、グリセロール量、各酵素活性の測定は、実施例1の方法に準じた。
【0045】
【表4】

【0046】
表4に示す通り、同じ精白歩合の大麦を用いた例を比較した場合に、すべての精白歩合において初期の水分含量を高くすることによりグリセロールの生成量が増加した。尚、いずれの実施例においても、比較例と比較して、酵素活性は遜色なかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α化した澱粉質原料の水分含量を、少なくとも、麹菌を当該澱粉質原料に接種してから出麹までの期間中、35重量%以上に維持することを特徴とする、製麹方法。
【請求項2】
前記期間中の前記澱粉質原料の最高温度を30℃以上として行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法により麹を得て、当該麹を原料として用いることを含む、飲食品の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の方法によりアスペルギルス属麹菌を用いて製造される、グリセロール高含有麹。
【請求項5】
α化した澱粉質原料の水分含量を、少なくとも、麹菌を当該澱粉質原料に接種してから出麹までの期間中、35重量%以上に維持することを特徴とする、麹中のグリセロール含量を向上させるための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−220536(P2010−220536A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71119(P2009−71119)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(309007911)サントリーホールディングス株式会社 (307)
【Fターム(参考)】