説明

グリセロールモノアルキルエーテルの貯蔵安定組成物

【課題】グリセロールモノアルキルエーテルを含む良好な長期貯蔵安定性を有する組成物の提供。
【解決手段】下記式の1以上のグリセロールモノアルキルエーテル。R−O−CH−CHOH−CHOH(式中、Rは枝分れしたまたは枝分れしていないCからC18までのアルキル基であり、この部位でこのアルキル基を1以上のヒドロキシル基及び/又はCからCまでのアルコキシル基によって置換することができ、及び/又は、アルキル鎖に4つまでの酸素原子を割り込ませることができる)及びホスホコリンおよびホスホコリン誘導体の同時存在を除いた1つの酸化防止剤、又は2以上の酸化防止剤を含有する組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明はグリセロールモノアルキルエーテルを含む組成物に関するものであり、化粧品および医薬品、並びに工業製品の使用方法に関するものである。
【0002】
これらの組成物は特に良好な長期貯蔵安定性を有するとともに、少なくとも一つのグリセロールモノアルキルエーテルおよび少なくとも一つの安定剤として抗酸化防止剤を含む。
【0003】
二つの置換異性体グリセロールモノアルキルエーテル(2−アルコキシ−1,3−プロパンジオールおよび3−アルコキシ−1,2−プロパンジオール)のうち、本発明は特に3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールに関するものである。
【0004】
本発明はさらに濃縮物(concentrates)および使用液(working solutions)に関するものである。本発明による組成物、すなわち、特に濃縮物および使用液が医薬品および化粧品および工業製品に加えられる。
【0005】
グリセロールモノアルキルエーテルは化粧品および医薬品の添加物として使用され、多面的作用を有する。すなわち、例えば生理学的には適合性有機溶剤として使用される。特に3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオール(Sensiva(登録商標)SC50)は防臭有効成分として、化粧品および医薬品中のスキンケア添加物としてここ数年ますます使用されている。ここでは、グリセロールモノアルキルエーテルは前記製品または工業製品に添加されるが、通常濃縮形態で純粋なグリセロールモノアルキルエーテルとして添加する。
【0006】
製造、貯蔵および使用の間、グリセロールモノアルキルエーテル、その濃縮物およびその希釈溶液(使用液)は消費者の化粧品および医薬品の品質に対する要望が高まっていることからも高い要件を求められる。グリセロールモノアルキルエーテルは化学的におおむね安定であり、外気諸作用に対して安定である。それらは多くの場合無色、ほとんどが無香性の液体であり、その良好な化学的安定性のために、ほとんどの化粧品および医薬品成分と高い適合性を示す。なぜならグリセロールモノアルキルエーテルは天然に存在するからだ。またさらに物質の種類として合成的に調合されたものであっても特に最終製品中での使用が望ましいのは、それらが化粧品および医薬品の製造業者、並びにエンドユーザーに広く受け入れられているからである。
【0007】
DE4140474A1は確かなグリセロールモノアルキルエーテルの使用、特にスキンケア添加物としての使用について説明している。これは化粧品、医薬品および準化粧品部門の製品のためであり、高い化学的安定性を強調している。
【0008】
EP0599433A1はグリセロールモノアルキルエーテルがにおいの原因となるグラム陽性菌に対して有効性を示すことを開示している。これに関連して、グリセロールモノアルキルエーテルの特殊な低芳香を防臭する特性および低過酸化物特性が特に好ましい。
【0009】
EP0593897A1は水溶性ホスホコリン製剤でグリセロールモノアルキルエーテル、すなわち3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールおよび2−アルコキシ−1,3−プロパンジオールは生理学的には適合性有機溶剤として使用されることを開示している。その中で開示されている医薬品は酸化防止剤の存在下においてさえも貯蔵安定性がない。EP0593897A1によれば、安定性は緩衝液の添加によって向上する。
【0010】
我々はここで貯蔵安定性、特に長期にわたる貯蔵安定性(数ヶ月から数年を越える)は、グリセロールモノアルキルエーテルを含む製剤の過酸化物含有量に関しては、不満足であることを発見した。すなわち、例えば化粧品製造業者はグリセロールモノアルキルエーテルと配合成分との間の不適合、または最終製品の質的変化が確立してしまうことに不満をもつ。このような質的損失の原因は特に過酸化物の形成によるものである。過酸化物は時間および貯蔵に依存して製剤中に発生する。貯蔵製剤中の過酸化物含有量は比較的大きく変動し、予測できない(過酸化物価(peroxide number)のカオス的展開、実施例1表1中の実験AおよびA(Alu)参照)。さらに低分子量の望まれない分解産物の出現が化学分析によって検出される。
【0011】
グリセロールモノアルキルエーテルを含む従来製剤の不利益は、濃縮および希釈グリセロールモノアルキルエーテル溶液、または最終製品で生じる。前記不利益を要約すると以下のようになる。
【0012】
1.化粧品および医薬品、特にスキンケア組成物中の過酸化物は、特定の素因をもつ人の肌に使用されたとき、マロルカアクネ(Mallorca acne)(軽い皮膚病)の臨床的徴候を示すことがある。
【0013】
2.貯蔵された前駆物質または製品または貯蔵されたグリセロールモノアルキルエーテルの芳香の変化が生じる。
【0014】
3.化粧品中に存在する天然脂肪および油の酸化による化粧品の芳香の変化が生じる。
【0015】
4.グリセロールモノアルキルエーテルを含む灰色になったオイルインウォーター(oil-in-water)エマルションが、化粧品および医薬品成分と貯蔵混合物との不適合性の結果として生じる。
【0016】
5.低分子量の分解産物が化学分析によって検出される。
【0017】
6.上記不利益は毒性学の専門家の意見にもつながるもので、この意見によれば貯蔵グリセロールモノアルキルエーテルを使用して調合した化粧品および医薬品にとってかなり好ましくないものである。
【0018】
7.混合物、例えばグリセロールモノアルキルエーテル濃縮物はプラスチック容器中で通常貯蔵される。貯蔵の間、プラスチック容器の永久変形が観察される。
【0019】
これはネックイン効果と呼ばれる。深刻なネックイン効果を伴う容器はもはや安全に積み重ねることができない。
【0020】
8.化粧品および医薬品製造業者による貯蔵されたグリセロールモノアルキルエーテルの通常の品質制御は、技術的に困難であり、グリセロールモノアルキルエーテルの長期にわたる貯蔵はつねに避けることができず、使用に適さなくなったグリセロールモノアルキルエーテルの処分量だけ費用がかさむ。
【0021】
従って、本発明の目的は1以上のグリセロールモノアルキルエーテルを含む組成物を提供するにあたり、本発明はこれらの組成物のために貯蔵安定性、特に長期間にわたる貯蔵安定性を有するようになり、実際条件の下で貯蔵可能で安定している組成物を提供することである。好ましくは、上記不利益は60ヶ月までの間生じるべきではない。せめて12ヶ月から36ヶ月、例えば12ヶ月または24ヶ月までの貯蔵期間に生じるべきではない。本発明の更なる目的はグリセロールモノアルキルエーテルの長期安定性のために使用できる安定剤を提供することである。このような安定剤は、低混合率でグリセロールモノアルキルエーテル、またはグリセロールモノアルキルエーテルを含む製剤に加えたものであり、特に高い過酸化物価であってもこれらの製剤が分解することを防止する。
【0022】
これらの目的は本発明によって達成される。請求項1によれば、安定組成物は以下の組合せを含むという点で特徴をもつ。
【0023】
a)1以上のグリセロールモノアルキルエーテルを含む。この一般的化学式は、
R−O−CH−CHOH−CHOH
化学式中のRは枝分れしたまたは枝分れしていないCからC18までのアルキル基であり、この部位でこのアルキル基を1以上のヒドロキシル基及び/又はCからCまでのアルコキシル基によって置換することができ、及び/又は、アルキル鎖に4つまでの酸素原子を割り込ませることができる。
【0024】
b)安定剤としての1つの酸化防止剤、又は2以上の酸化防止剤を含む。
【0025】
これに関連して、ホスホコリン及び/又はホスホコリン誘導体、特にアルキルホスホコリンの同時存在は、本発明による組成物においては除外される。
【0026】
本発明は特に3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールに関するものである。本発明によるグリセロールモノアルキルエーテルはラセミ体(D,L)が存在するので、D体、L体といった鏡像異性体に富んだ混合体、または片方の鏡像異性体のみのものがある。
【0027】
一つの実施例では、アルキル鎖に4つのまでの酸素原子を割り込ませるので、これはアルコール類によって導入される。アルコール類としてはアルコールまたはジオールから近づきやすく、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとの反応による。別の実施例では、アルキル基は炭化水素基である。
【0028】
ここで、グリセロールモノアルキルエーテルのアルキル基Rのアルキル鎖は、アルキレンオキシ基、例えばエチレンオキシ及び/又はプロピレンオキシ基を含む。
【0029】
アルキル基は好ましくは6から12までの炭素原子を含み、特に好ましくは6から10までの炭素原子、特に8炭素原子を含み、例えば、好ましいアルキル基は8炭素原子である炭化水素基、特に2−エチルヘキシル基である。従って、特に好ましいグリセロールモノアルキルエーテルは3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオールである。これはSchulke&Mayr社の商標名Sensiva(登録商標)SC50として販売されている。
【0030】
本発明によるグリセロールモノアルキルエーテルのための安定剤としての機能を果たす酸化防止剤としては、アセチルシステイン、3−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−p−クレゾール、ターシャリー−ブチルヒドロキノン、カフェー酸、クロロゲン酸、システイン、システインハイドロクロライド、デシルメルカプトメチルイミダゾール、ジアミルヒドロキノン、ジ−ターシャリー−ブチルヒドロキノン、ジセチルチオジプロピオネート、ジガロイルトリオレート(digalloyl trioleate)、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、二ナトリウムルチニルジサルフェート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ドデシルガレート(dodecyl gallate)、エリソルビン酸、エチルフェルレート(ethyl ferulate)
、フェルラ酸、ヒドロキノン、p−ヒドロキシアニソール、ヒドロキシルアミン、ハイドロクロライド、ヒドロキシルアミンサルフェート、イソオクチルチオグリコレート、コウジ酸、マデカッシコシド(madecassicoside)、メトキシ−PEG−7−ルチニルスクシネート、ノルジヒドログアイアレチン酸、オクチルガレート、フェニルチオグリコール酸、フロログルシノール(phloroglucinol)、プロピルガレート、ロスマリン酸(rosmarinic acid)、ルチン、ナトリウムエリソルベート(sodium erythorbate)、ナトリウムチオグリコレート、ソルビチルフルフラール(sorbityl furfural)、チオジグリコール、チオジグリコールアミド、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、トコフェレース−5(tocophereth-5)、トコフェレース−10、トコフェレース−12、
トコフェレース−18、トコフェレース−50、トコフェルソラン(tocophersolan)、トコフェロール(特にビタミンE)およびその誘導体(特にビタミンE誘導体、つまり、ビタミンEアセテート、ビタミンEリノレート、ビタミンEニコチネートおよびビタミンEスクシネート)、o−トリルビグアニド(o-tolylbiguanide)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、デクスパンテノール(dexpanthenol)、α−ヒドロキシカルボン酸(特にグリコール酸、乳酸、マンデル酸)およびそれらの塩、p−ヒドロキシ安息香酸エステル(特にメチル、エチル、プロピルまたはブチルエステル)、ジメチロールジメチルヒダントイン、N−アシルアミノ酸、およびそれらの塩(特にN−オクタノイルグリシン(N-octanoylglycine)、リパシドC8G(Lipacide C8G))およびヒノキトール(hinokitol)がある。これらのうち、ビタミンEおよびその誘導体、3−ターシャリー−ブチル−4−
ヒドロキシアニソールおよび2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−p−クレゾールはより好ましく、そしてビタミンEおよびビタミンEアセテートはさらに好ましい。
【0031】
これに関連して、酸化防止剤が選択される。酸化防止剤は既に生理学的に有利な作用を有し、これはグリセロールモノアルキルエーテル、または先に示した作用とは無関係であり、あるいはグリセロールモノアルキルエーテルとの組合せによる相乗作用がある。
【0032】
トコフェロールは本発明による特に効果的な酸化防止剤である(実施例1の表1中の実験を参照)。さらにトコフェロールは適用に関して特に望ましい酸化防止剤であって、化粧品および医薬品中に本発明によるグリセロールモノアルキルエーテルを含む組成物の厳格な法規定および毒性試験にもかなうものである。
【0033】
トコフェロールは植物油から生じる。トコフェロールに特に富んでいる植物油として種油がある。種油は、醤油、小麦、トウモロコシ、米、綿、ムラサキウマゴヤシ(lucerne)およびナッツ、果実および野菜、例えばラズベリー、マメ科植物、ウイキョウ、パプリカおよびセロリから抽出される。
【0034】
トコフェロールの生理学的作用はフリーラジカル補足剤としてのその特性に基づく。
【0035】
従って、トコフェロールは、仮にトコフェロールが本発明による酸化防止剤として使用され、それによってまた少量がグリセロールモノアルキルエーテルを与えた製剤に入るならば、トコフェロールとしては生理学的には活性酸化防止剤として作用することができる。もちろん細胞膜およびリポタンパク質中でも作用できる。α−トコフェロール(ビタミンE、抗不妊因子)は最も生理学的に効果的であり、最もよく知られた天然トコフェノールである。
【0036】
使用されたトコフェロールは合成由来のものであるけれども、天然由来のトコフェロールも使用できる。立体的同型であるトコフェロールの鏡像異性体または鏡像異性体混合物を使用することができる。これに応じて、アセテート、スクシネート、リノレート、ニコチネートへの誘導体化のために、天然及び/又は合成由来のトコフェロールを使用することができ、立体的同型であるトコフェロール(特にα−トコフェロール)の鏡像異性体または混合物を使用することができる。
【0037】
ここで、本発明による組成物、すなわち特に濃縮物および使用液は、好ましくはアスコルビン酸およびその誘導体からフリーである(実施例1の表1中にある実験H、N、IおよびO参照)。本発明のさらに好ましい実施例では、亜硫酸、亜硫酸水素、二亜硫酸、及び/又は二硫化物の存在は除外される。
【0038】
本発明による組成物はまた、補助的及び/又は付加的及び/又は活性的成分機能を有する添加物を含むことができる。添加物として例えば、水、アルコール、例えばエタノール、プロパノール、ベンジルアルコール、フェニルアルカノール、ポリオール、例えばエチレン、グリコール、プロピレン、グリコール、グリセロール、ブタンジオール、ペンタンジオール、シリコン化合物、例えばシクロムチコン(cyclomethicones)、防腐剤、活性剤、例えばトリクロサン(triclosan)、ファルネソール(farnesol)、トリエチルシトレート、ジグリセロールカプレート、キトサン(chitosan)、モノラウリン、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、芳香剤、におい吸着剤、界面活性剤、例えば陰イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤(例えば、アルキルポリグリコシド)、両性界面活性剤、防腐剤、抗菌活性成分、ジブロモジシアノブタン、生物破壊剤、殺菌剤、殺ウイルス剤、抗炎症剤、皮膚軟化剤、保湿剤、再脂肪化活性成分、スキンケア物質、肌保護物質、香水、染料、濃化剤、緩衝剤がある。より好ましい添加物は本発明による組成物に加えることができるものであり、水及び/又はアルコール及び/又はポリオール、特に水、エタノールおよびプロピレン、グリコール、およびそれらの混合物がある。
【0039】
好ましい実施例として、酸化防止剤およびその量(特にグリセロールモノアルキルエーテルに対する重量比)を選択し、室温で1年から2年間にわたる組成物の貯蔵の後に、Merckoquant(登録商標)過酸化物試験によって5ppmより少ない過酸化物Hの含有量を示し、より好ましくは0.5ppmまたはそれより少ないppmしか示さない。本発明による当該酸化防止剤および組成物の例は実施例1に与えられ、組成物は他の前記酸化防止剤を使用することに基づき、もし望むなら、混合することができる。あるいは以下の条件で酸化防止剤およびその量を選択することができる。その条件とは室温で6月間にわたる組成物の貯蔵後に、過酸化物価が1以下である。典型的組成物が実施例2で与えられる。
【0040】
これに関連して、本発明による組成物に添加物を配合するのが好ましい。ここで添加物は、後に説明するように濃縮形態であるときには特に、緩衝液または緩衝液混合物を含まない。
【0041】
本発明による組成物はグリセロールモノアルキルエーテルが比較的少量の酸化防止剤で安定化されるという事実によって特徴づけられる。これに関連して、本発明による組成物(濃縮物、使用液)中のグリセロールモノアルキルエーテルと酸化防止剤の重量比(wt./wt.)は、50,000:1から1:20までの範囲にあり、好ましくは20,000:1から1:5までの範囲、より好ましくは10,000:1から1:2までの範囲にあり、例えば、9995:5または1:1.8である。
【0042】
仮に組成物が濃縮形態であるならば、そのとき濃縮物は80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に99重量%以上のグリセロールモノアルキルエーテルを含む。
【0043】
当該濃縮物は、例えば、95重量%から99.999重量%まで、好ましくは99重量%から99.99重量%まで、より好ましくは99.5重量%から99.95重量%までのグリセロールモノアルキルエーテルを含み、例えば、99.9重量%または99.95重量%のグリセロールモノアルキルエーテルを含む。
【0044】
本発明による濃縮物は添加物のない、または少なくとも添加物の少ないものが好ましく、すなわち、30重量%以下、好ましくは10重量%以下の添加物を含む。特に無水濃縮物が好ましい。特に好ましいのはグリセロールモノアルキルエーテルおよび酸化防止剤のみから成る、すなわち、添加物を含まない濃縮物で与えられることである。
【0045】
これに関連して、グリセロールモノアルキルエーテルと酸化防止剤の濃縮物中の重量率(wt./wt.)は、20,000:1から50:1まで、好ましくは10,000:1から100:1まで、より好ましくは5000:1から500:1までの範囲であり、例えば、9995:5または999:1である。
【0046】
本発明による典型的濃縮物の全てが、好ましい3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオールを含み、99.5重量%から99.95重量%までのこの好ましいグリセロールモノアルキルエーテルから成る。さらに、0.05重量%から0.5重量%までの酸化防止剤がビタミンEおよびその誘導体から成るものから選択される。これには3−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシアニソールおよび2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−p−クレゾール、好ましくはビタミンEおよびビタミンEアセテート、およびこれらの混合物がある。そして特に、3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオールおよび酸化防止剤のみから成る、すなわち前記添加物を一切含まないものがある。
【0047】
特に本発明による好ましい濃縮物としては、
a)99.95重量%の3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオール、およびビタミンEおよびビタミンE誘導体およびそれらの混合物から選択される0.05重量%の酸化防止剤、並びに、
b)99.9重量%の3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオール、およびビタミンEおよびビタミンE誘導体およびそれらの混合物から選択される0.1重量%の酸化防止剤。
【0048】
本発明による組成物、例えば濃縮物は、pHが2から4まで、好ましくは2.5から3.5まで、より好ましくは2.8から3.2までの数値を示すことを特徴とし、例えばpH3を示す。
【0049】
一方で、本発明による組成物は使用液の形態をとることも可能である。このような使用液は60重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下のグリセロールモノアルキルエーテルを含む。例えば本発明による濃縮物は適量の添加物中に溶解する、すなわち希釈することができる。本発明による使用液を作成することも可能であり、作成は相当量のグリセロールモノアルキルエーテル(例えば、3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオール)および酸化防止剤を添加することで行われる。酸化防止剤は任意の順序で一つまたは複数の添加物(例えば、水、アルコール、及び/又はポリオール)を使用する。これに関連して、グリセロールモノアルキルエーテルと酸化防止剤の重量比は、例えば使用液が濃縮物から希釈によって直接得られるときには、本発明による濃縮物のための上記記載の比率範囲をとることができる。
【0050】
その代わりに、もし望むなら、酸化防止剤の最適量(例えば、グリセロールモノアルキルエーテルと酸化防止剤の重量比)は、特定の適用ケースでは、数少ない実験手段によって当業者によって決定でき、または望ましい適用例から直接得ることができる。従って、さらに可能なグリセロールモノアルキルエーテルと使用液中の酸化防止剤との重量比(wt./wt.)は、20:1から1:20まで、好ましくは10:1から1:10まで、より好ましくは5:1から1:5までの範囲であり、例えば、2:1または1:2である。
【0051】
好ましい組成物のpHは2から4まで、好ましくは2.5から3.5まで、より好ましくは2.8から3.2までの値を示し、特にpH3を示す。仮に組成物が、例えば濃縮物として、無水物であるならば、このときのpHは、本発明によるこの特定組成物に関し、水との50%濃度混合物の組成物についてのものであり、このpHはその後通常の方法で決定する。
【0052】
本発明による組成物、すなわち特に濃縮物および使用液は、化粧品及び/又は医薬品に加えることができる。例えば、それに相当するものがすでにEP0599433A1およびDE4140474A1記載のグリセロールモノアルキルエーテルの使用方法から知られている。さらに工業製品中に本発明による組成物を使用することもできる。工業製品にはグリセロールモノアルキルエーテルを与えるべきである。工業製品中の過酸化物は望ましくないからである。例えば製剤は、染料または香料に相当する化合物、または不飽和化合物もしくは酸化に対して敏感な化合物を含む。このような製剤または工業製品としては、例えば、防臭剤、スキンケア品、日焼け止め品、ベビー用品、敏感肌のための化粧品、化粧品、例えばアフターシェーブ、天然素材に基づいたまたは部分的に基づいた化粧品、化粧品及び/又は医薬品のための安定剤、肌・手および傷のための消毒薬、防腐剤、抗菌薬洗浄ローション、ヘアトリートメント用組成物、および抗菌薬潤滑油(antimicrobial lubricants)がある。特に、防臭剤およびスキンケア品中で本発明による濃縮物および使用液を使用するのが好ましい。
【0053】
本発明による組成物、すなわち濃縮物および使用液の添加または混合が通常以下のように遂行される。つまり相当する化粧品及び/又は医薬品に0.05重量%から5重量%まで、好ましくは0.1重量%から1重量%まで、より好ましくは0.2重量%から0.6重量%までのグリセロールモノアルキルエーテルを与え、例えば0.3重量%または0.5重量%のグリセロールモノアルキルエーテルを与える。
【0054】
組成物、本発明による濃縮物および使用液、および化粧品及び/又は医薬品は、固体、半固体または液体、ゲル状またはエマルション状製剤としての形状を有する。
【0055】
組成物は単純混合によって調製され、例えばグリセロールモノアルキルエーテル(特にSensiva(登録商標)SC50)は最初に導入され、酸化防止剤(例えば、ビタミンEまたはビタミンE誘導体、溶解性または好ましくは純物質として)は攪拌して溶解し、適切な場合には、添加物をその中で均一に攪拌する。
【0056】
本発明によって、以下の驚くべきことが発見された。つまり組成物は一つまたは複数のグリセロールモノアルキルエーテルと安定剤としての1つの酸化防止剤または2以上の酸化防止剤の組合せを含むものであって、当該物組成物は貯蔵することができ、実際条件下、すなわち0℃から40℃までの温度条件下で数ヶ月から数年の間にわたり安定である。本発明による濃縮物の良好な取扱性は特に有用性が高い。
【0057】
本発明は以下の有用性を提供する。
【0058】
過酸化物形成は、過酸化物価を測定することによって、またはMerckoquant(登録商標)過酸化物試験分析ストリップを使用することによって検出可能であり、過酸化物形成を避け、少なくとも大幅に制限することができる。
【0059】
本発明による貯蔵組成物中の内容物、特に濃縮物の望まれない低分子量分解産物は著しく減少する。
【0060】
ネックイン効果の発生を防止できる。
【0061】
従来まではグリセロールモノアルキルエーテルを使用するときは医薬品及び/又は化粧品に対して適用することに関する困難性を排除することができなかったが、これを回避することができる。
【0062】
貯蔵中に匂いはほとんど変化しない。
【0063】
他の化粧品成分との不適合性の可能性が減少する。
【0064】
記載された本発明は化粧品及び/又は医薬品用途に対するグリセロールモノアルキルエーテルの潜在力を十分に利用することができる。
【0065】
達成される驚くべき効果は以下の実施例で説明する。
【0066】
実施例
以下の実施例において、混合物中の比率は重量%で与えられる。
【0067】
次の用語が以下の実施例において使用される。
【0068】
BHT: 2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−p−クレ ゾール, Flukaから入手
BHA: 3−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシア ニソール, Flukaから入手
アスコルビルパルミテート: 6−O−パルミトイル−L−アスコルビン酸, Flukaから入手
Sensiva(登録商標)SC 50: 3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2 −プロパンジオール
リパシドC8G: N−オクタノイルグリシン,Seppicから入手
n.c.=変化なし、d.=日数、m.=月数、w.=週数、y.=年数、
n.d.=検出不能、cl=クリア(clear)、c=無色、kr=結晶、yl=帯黄色(yellowish)、S.=検査の開始
のppm値はMerckoquant(登録商標)過酸化物試験分析用ストリップを使用して測定する。過酸化物を測定するためのこの半定量的方法は以下のように行う。
【0069】
およそ0.5gの調査すべきサンプルをテストチューブの中に入れ、同量の鉱物質除去水と共に処理する。二層を振盪によって混合し、ここにMerckoquant(登録商標)過酸化物試験分析用ストリップを一秒間浸す。湿ったストリップを液体から取り出し、過酸化物含有量を15秒後に基準目盛りを使用して読み取り記録する。過酸化物含有量が高すぎる場合は、鉱物質除去水で量を2倍にし、再度振盪等をする。振盪は読み取りが基準目盛りを使用して可能になるまで行う。得られた数値は希釈度を利用して逆算する。
【0070】
過酸化物価(PON)とは、物質1000gに存在する活性酸素のミリグラム当量中の過酸化物の量であり、以下の方法に従って測定する。
【0071】
5.00gの物質をすりガラスストッパー(ground-glass stopper)のある250ml三角フラスコ中で計量し、2容量部のクロロホルム(R)および3容量部の酢酸98%(R)を振盪した30ml混合液で溶解する。0.5ml飽和ヨウ化カリウム溶液(R)の添加に続いて、溶液は正確に1分間振盪し、続いて30mlの水で処理し、0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液でゆっくりと滴定する。滴定は連続振盪しながら黄呈色が視覚上消えるまで行う。続いて5mlのデンプン溶液(R)を添加し、激しく振盪しながら滴定を続ける。滴定は青呈色が消えるまで行う(nmlの0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液)。対照実験は同じ状態(nmlの0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液)で行う。このため、多くて0.1mlの0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液が消費される。
【0072】
過酸化物価は以下のように計算される。
【0073】
PON={10(n−n)}/m
ここで「m」とは物質の初期グラム重量である。
【0074】
本方法はDAB 9-Kommentar[ドイツ薬局方9−注釈書](K. Hartke, E. Mutschler, Editor, Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH Stuttgart, 9th edition 1986)により詳細に説明される。
【0075】
実施例1
3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオールを様々な物質と混合し、当該組成物の安定性を室温貯蔵した青色ポリエチレンボトル中で試験した。(サンプルA(Alu)はアルミニウム容器中で貯蔵された。)次にサンプルを調製し、Hのppm値およびpH値を通常の間隔で測定した。
【0076】
無水溶液のpH値は、鉱物質除去水中の各無水溶液の50%濃度スラリーが示す値であって、Merck(登録商標)インジケータストリップを使用して測定する。
【0077】
各実験の結果を表1に示す。これに関連して、例えば“2−5”のようなHのppm値の表示は、参考スケール上の値が二つの数値の間にある、例えば2から5の間の数値であることを意味する。
【表1−1】

【0078】

【0079】

【表1−2】

【0080】

【0081】

【0082】
表1に記載された本実験はすなわち、BHT、BHA、ビタミンEおよびデクスパンテノールがグリセロールモノアルキルエーテルを長期間にわたって安定化することを証明する。そして特に過酸化物の出現は、Merckoquant(登録商標)過酸化物試験によって測定されるので、回避され、結果としてネックイン効果は前記酸化防止剤が使用される時にはもはや観察されない。このサンプルpH値は2ヶ月後の計測値を参照すると明らかに変化していない。
【0083】
本発明による0.05重量%の酸化防止剤BHT、BHA、ビタミンEおよびデクスパンテノールさえも、実施例のように使用されると、安定効果を示すということは注目に値する。
【0084】
これとは対照的にアスコルビルパルミテート(ascorbyl palmitate)はグリセロールモノアルキルエーテルを安定化しない(実験HおよびI参照)。また、ビタミンEよるグリセロールモノアルキルエーテルの安定化を阻害する(実験NおよびO参照)。安定効果の欠如、または不安定化は、貯蔵期間がちょうど8週間を経過した後に顕著に表れる。従って、本発明による組成物(濃縮物、使用液)としては、アスコルビン酸またはアスコルビン酸誘導体およびその塩を含有しないものが好ましい。
【0085】
実施例2
Sensiva(登録商標)SC50およびリパシドC8G塩による組成物の過酸化物価をSensiva(登録商標)SC50および他の塩による混合物の安定性と比較した。サンプルSensiva(登録商標)SC50は少量の過酸化物をすでに有し、これを含む各実験結果を表2に示す。
【表2】

【0086】

【0087】
結果:
リパシドC8Gナトリウム塩の存在下では、過酸化物価は時間経過とともに減少し、同時にネックイン効果が回避される。この効果は、硫酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウム溶液を使用しても達成し得ない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下に記載したa)およびb)の組合せを含むことを特徴とする組成物。
a)1以上のグリセロールモノアルキルエーテルであって、一般式、R−O−CH−CHOH−CHOH
で示すものであって、化学式中のRは枝分れしたまたは枝分れしていないCからC18までのアルキル基であり、この部位でこのアルキル基を1以上のヒドロキシル基及び/又はCからCまでのアルコキシル基によって置換することができ、及び/又は、アルキル鎖に4つまでの酸素原子を割り込ませることができるグリセロールモノアルキルエーテル。
b)1つの酸化防止剤、又は2以上の酸化防止剤であって、酸化防止剤はアセチルシステイン、3−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−p−クレゾール、ターシャリー−ブチルヒドロキノン、カフェー酸、クロロゲン酸、システイン、システインハイドロクロライド、デシルメルカプトメチルイミダゾール、ジアミルヒドロキノン、ジ−ターシャリー−ブチルヒドロキノン、ジセチルチオジプロピオネート、ジガロイルトリオレート(digalloyl trioleate)、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、二ナトリウムルチニルジサルフェート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ドデシルガレート(dodecyl gallate)、エリソルビン酸、エチルフェルレート(ethyl ferulate)、フェルラ酸、ヒドロキノン、p−ヒドロキシアニソール、ヒドロキシルアミン、ハイドロクロライド、ヒドロキシルアミンサルフェート、イソオクチルチオグリコレート、コウジ酸、マデカッシコシド(madecassicoside)、メトキシ−PEG−7−ルチニルスクシネート、ノルジヒドログアイアレチン酸、オクチルガレート、フェニルチオグリコール酸、フロログルシノール(phloroglucinol)、プロピルガレート、ロスマリン酸(rosmarinic acid)、ルチン、ナトリウムエリソルベート(sodium erythorbate)、ナトリウムチオグリコレート、ソルビチルフルフラール(sorbityl furfural)、チオジグリコール、チオジグリコールアミド、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、トコフェレース−5(tocophereth-5)、トコフェレース−10、トコフェレース−12、トコフェレース−18、トコフェレース−50、トコフェルソラン(tocophersolan)、トコフェロール(特にビタミンE)およびその誘導体(特にビタミンE誘導体、つまり、ビタミンEアセテート、ビタミンEリノレート、ビタミンEニコチネートおよびビタミンEスクシネート)、o−トリルビグアニド(o-tolylbiguanide)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、デクスパンテノール(dexpanthenol)、α−ヒドロキシカルボン酸(特にグリコール酸、乳酸、マンデル酸)およびそれらの塩、p−ヒドロキシ安息香酸エステル(特にメチル、エチル、プロピルまたはブチルエステル)、ジメチロールジメチルヒダントイン、N−アシルアミノ酸、およびそれらの塩(特にN−オクタノイルグリシン(N-octanoylglycine))、およびヒノキトール(hinokitol)から安定剤として選択され、ホスホコリンおよびホスホコリン誘導体の同時存在を除外する酸化防止剤。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、アルキル基Rは6から12までの炭素原子を含み、好ましくは6から10までの炭素原子、特に8炭素原子を含むことを特徴とする組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の組成物であって、アルキル基Rが2−エチルヘキシルであることを特徴とする組成物。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか記載の組成物であって、酸化防止剤がビタミンEおよびその誘導体、3−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシアニソールおよび2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−p−クレゾール、好ましくはビタミンEおよびビタミンEアセテートから選択されることを特徴とする組成物。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか記載の組成物であって、さらに1以上の添加物を含み、この添加物が補助的及び/又は付加的及び/又は活性的成分機能をもつことを特徴とする組成物。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか記載の組成物であって、過酸化物価が1以下であることを特徴とする組成物。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか記載の組成物であって、緩衝液または緩衝混合液を含まないことを特徴とする組成物。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか記載の濃縮形態の組成物であって、濃縮物が80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95
重量%以上のグリセロールモノアルキルエーテルを含むことを特徴とする組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の濃縮物であって、グリセロールモノアルキルエーテルと酸化防止剤の重量比(wt./wt.)が20,000:1から50:1まで、好ましくは10,000:1から100:1まで、より好ましくは5000:1から500:1までの範囲であり、特に9995:5または999:1であることを特徴とする濃縮物。
【請求項10】
請求項8または9に記載の濃縮物であって、濃縮物が95重量%から99.999重量%まで、好ましくは99重量%から99.99重量%まで、より好ましくは99.5重量%から99.95重量%までのグリセロールモノアルキルエーテルを含み、特に99.9重量%または99.95重量%のグリセロールモノアルキルエーテルを含み、残りが酸化防止剤であることを特徴とする濃縮物。
【請求項11】
以下に記載したa)およびb)を含むことを特徴とする濃縮物。
a)99.5重量%から99.95重量%までの3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオール。
b)ビタミンEおよびその誘導体、3−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシアニソールおよび2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−p−クレゾール、好ましくはビタミンEおよびビタミンEアセテート、およびそれらの混合物から選択されている0.05重量%から0.5重量%までの酸化防止剤。
【請求項12】
請求項11に記載の濃縮物であって、99.9重量%の3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオールおよび0.1重量%の酸化防止剤を含み、酸化防止剤はビタミンEおよびその誘導体、およびそれらの混合物から選択されていることを特徴とする濃縮物。
【請求項13】
請求項11に記載の濃縮物であって、99.95重量%の3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオールおよび0.05重量%の酸化防止剤を含み、酸化防止剤はビタミンEおよびビタミンE誘導体、およびそれらの混合物から選択されていることを特徴とする濃縮物。
【請求項14】
請求項9ないし13のいずれか記載の濃縮物であって、pH値が2から4まで、好ましくは2.5から3.5まで、より好ましくは2.8から3.2までの値を示し、特にpH3を示すことを特徴とする濃縮物。
【請求項15】
請求項1ないし8のいずれか記載の使用液の形態をとる組成物であって、当該使用液が60重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下のグリセロールモノアルキルエーテルを含むことを特徴とする組成物。
【請求項16】
組成物、特に濃縮物または使用液の使用方法であって、請求項1ないし15のいずれか記載の化粧品及び/又は医薬品中での組成物の使用方法。
【請求項17】
請求項16に記載の使用方法であって、化粧品及び/又は医薬品は0.05重量%から5重量%まで、好ましくは0.1重量%から1重量%まで、好ましくは0.2重量%から0.6重量%まで、特に0.3重量%のグリセロールモノアルキルエーテル、好ましくは3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオールを含むことを特徴とする使用方法。
【請求項18】
酸化防止剤の使用方法であって、酸化防止剤はアセチルシステイン、3−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−p−クレゾール、ターシャリー−ブチルヒドロキノン、カフェー酸、クロロゲン酸、システイン、システインハイドロクロライド、デシルメルカプトメチルイミダゾール、ジアミルヒドロキノン、ジ−ターシャリー−ブチルヒドロキノン、ジセチルチオジプロピオネート、ジガロイルトリオレート(digalloyl trioleate)、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、二ナトリウムルチニルジサルフェート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ドデシルガレート(dodecyl gallate)、エリソルビン酸、エチルフェルレート(ethyl ferulate)、フェルラ酸、ヒドロキノン、p−ヒドロキシアニソール、ヒドロキシルアミン、ハイドロクロライド、ヒドロキシルアミンサルフェート、イソオクチルチオグリコレート、コウジ酸、マデカッシコシド(madecassicoside)、メトキシ−PEG−7−ルチニルスクシネート、ノルジヒドログアイアレチン酸、オクチルガレート、フェニルチオグリコール酸、フロログルシノール(phloroglucinol)、プロピルガレート、ロスマリン酸(rosmarinic acid)、ルチン、ナトリウムエリソルベート(sodium erythorbate)、ナトリウムチオグリコレート、ソルビチルフルフラール(sorbityl furfural)、チオジグリコール、チオジグリコールアミド、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、トコフェレース−5(tocophereth-5)、トコフェレース−10、トコフェレース−12、トコフェレース−18、トコフェレース−50、トコフェルソラン(tocophersolan)、トコフェロール(特にビタミンE)およびその誘導体(特にビタミンE誘導体、つまり、ビタミンEアセテート、ビタミンEリノレート、ビタミンEニコチネートおよびビタミンEスクシネート)、o−トリルビグアニド(o-tolylbiguanide)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、デクスパンテノール(dexpanthenol)、α−ヒドロキシカルボン酸(特にグリコール酸、乳酸、マンデル酸)およびそれらの塩、p−ヒドロキシ安息香酸エステル(特にメチル、エチル、プロピルまたはブチルエステル)、ジメチロールジメチルヒダントイン、N−アシルアミノ酸、およびそれらの塩(特にN−オクタノイルグリシン(N-octanoylglycine))およびヒノキトール(hinokitol)、およびそれらの混合体から選択され、グリセロールモノアルキルエーテルの長期安定化を図るものであって、グリセロールモノアルキルエーテルは一般式、R−O−CH−CHOH−CHOHで示すものであって、化学式中のRは枝分れしたまたは枝分れしていないCからC18までのアルキル基であり、この部位でこのアルキル基を1以上のヒドロキシル基及び/又はCからCまでのアルコキシル基によって置換することができ、及び/又は、アルキル鎖に4つまでの酸素原子を割り込ませることができ
るグリセロールモノアルキルエーテルの長期安定化のための酸化防止剤の使用方
法。
【請求項19】
請求項18に記載の使用方法であって、アルキル基Rが6から12までの炭素原子を含み、好ましくは6から10までの炭素原子、特に8炭素原子を含むことを特徴とする使用方法。
【請求項20】
請求項19に記載の使用方法であって、アルキル基が2−エチルヘキシルであることを特徴とする使用方法。
【請求項21】
請求項18ないし20のいずれか記載の使用方法であって、酸化防止剤をビタミンEおよびその誘導体、3−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシアニソールおよび2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−p−クレゾール、好ましくはビタミンEおよびビタミンEアセテートから選択することを特徴とする使用方法。
【請求項22】
請求項18ないし21のいずれか記載の使用方法であって、グリセロールモノアルキルエーテルと酸化防止剤の重量比(wt./wt.)が50,000:1から1:20まで、好ましくは20,000:1から1:5まで、より好ましくは10,000:1から1:2までの範囲であり、特に9995:1または1:1.8であることを特徴とする使用方法。
【請求項23】
請求項18ないし22のいずれか記載の使用方法であって、補助的及び/又は付加的及び/又は活性的成分機能を有する1以上のさらなる添加物がこの組合せ中に存在することを特徴とする使用方法。

【公開番号】特開2012−232981(P2012−232981A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−128851(P2012−128851)
【出願日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【分割の表示】特願2002−501398(P2002−501398)の分割
【原出願日】平成13年5月17日(2001.5.17)
【出願人】(399035504)エール・リキード・サンテ(アンテルナスィオナル) (26)
【出願人】(500308185)シユルケ ウント マイヤー ゲゼルシヤフトミツトベシユレンクテルハフツンク (1)
【Fターム(参考)】