説明

グリップカバー

【課題】
スポーツ用プレー道具のグリップ部を内部に収容しても、プレイヤーによるグリップ部に対するグリップ状態を外部から確認できるグリップカバーを提供する。
【解決手段】
グリップカバーは、プレイヤーの両手の各々とスポーツ用プレー道具のグリップ部とを個別に挿入可能な少なくとも3箇所に形成された開口部と、プレー道具のグリップ部をプレイヤーの両手で握ることができる広さを有する内部空間部と、少なくとも一部に形成した透明又は半透明部であって、前記グリップ部におけるプレイヤーの両手によるグリップ状態を外部から確認できる位置に形成された透明又は半透明部とを備え、透明又は半透明部を含めて防水性素材で形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ用プレー道具を用いてプレーするスポーツプレーヤー、特にゴルファーに最適な、複数個の開口部と、内部空間部とを備え、防水性素材で形成されたグリップカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルファーが、冬季等の寒い時又は梅雨等の降雨時にプレーをする場合、手にグローブを嵌めてゴルフクラブのグリップ部を握っても、寒さに耐え難いことが多く、また、降雨時はグローブが濡れてゴルフクラブのグリップ部が雨で滑ってしまうことがある。
【0003】
この問題を解消するため、下記の特許文献1には、防水性シート及び布地によって筒状に構成され、両端又はその一方に伸縮性に富むゴム等によって輪を設けた、ゴルフグローブ濡れ防止カバーが開示されている。しかしながら、このゴルフグローブ濡れ防止カバー内にゴルフクラブのグリップ部を収容すると、ゴルファーは、グリップ部に対する両手による握り状態、すなわち、グリップ状態を外部から確認できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−21087号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ゴルフクラブ等のスポーツ用プレー道具を用いてプレーするスポーツを行う際に、ゴルフクラブ等のスポーツ用プレー道具のグリップ部を内部に収容しても、グリップ部に対するプレイヤーのグリップ状態を外部から確認できるグリップカバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、プレイヤーの両手の各々とスポーツ用プレー道具、例えば、ゴルフクラブのグリップ部とを個別に挿入可能な少なくとも3箇所に形成された開口部と、スポーツ用プレー道具のグリップ部をプレイヤーの両手で握ることができる広さを有する内部空間部と、少なくとも一部に形成した透明又は半透明部であって、前記グリップ部におけるプレイヤーの両手によるグリップ状態を外部から確認できる位置に形成された透明又は半透明部とを備えたグリップカバーであって、透明又は半透明部を含めて防水性素材で形成されたグリップカバーを提供する。
【0007】
本発明によるグリップカバーにおいて、前記開口部の少なくとも1個は、雨水又は寒気が侵入し難いように大きさを縮めることができる構造を有することが好ましい。こうすると、この構造を有する開口部を通じて雨水が内部空間部に入り込み難くなる。
【0008】
本発明によるグリップカバーにおいて、前記開口部の周囲は、伸縮性に富むように構成されることが好ましい。本発明によるグリップカバーにおいて、前記開口部の周囲は、弾性ゴムが縫い込まれることが好ましい。
【0009】
本発明によるグリップカバーにおいて、前記開口部の少なくとも1個は、少なくとも一対の面ファスナーを備えることが好ましい。
【0010】
本発明によるグリップカバーにおいて、前記開口部の少なくとも1個は、少なくとも一対のスナップボタンを備えることが好ましい。
【0011】
本発明によるグリップカバーにおいて、前記開口部の少なくとも1個は、スライドファスナーを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるグリップカバーによれば、冬季等の寒い時又は梅雨等の降雨時に、内部空間においてスポーツ用プレー道具のグリップ部、例えば、ゴルフクラブのグリップ部をプレイヤーが握ったまま、プレー道具をスイングすることができるので、寒気又は雨水による滑りを気にすることなくプレーができる。プレイヤーによるグリップ部のグリップ状態は、透明又は半透明部を通じて外部から確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1実施形態によるグリップカバーをゴルフクラブに使用する場合の使用状態を示す斜視図である。
【図2】上記グリップカバーの正面図である。
【図3】上記グリップカバーの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい1実施形態に係るグリップカバーを、添付図面を参照しながら、詳しく説明する。説明の簡明化のため、本発明によるグリップカバーをゴルフクラブのグリップ部に使用する場合について説明する。
【0015】
本発明によるグリップカバー10は、図2に示す正面図及び図3に示す背面図から明らかなように、平面図として見ると、概ね二等辺三角形状を有しているが、図1に示すように、全体として袋状に形成される。グリップカバー10は、概ね二等辺三角形状の頂点部の一つ(図2に示す実施形態では、下端部)に、ゴルフクラブのグリップ部を挿入可能な第1開口部11を備える。また、グリップカバー10は、他の頂点部の一つ(図3に示す実施形態では、左上端部)に、ゴルファーの右手を挿入可能な第2開口部12を備える。さらに、グリップカバー10は、残りの頂点部(図示の実施形態では、右上端部)に、ゴルファーの左手を挿入可能な第3開口部13を備える。
【0016】
グリップカバー10の内部空間は、内部空間内でゴルフクラブのグリップ部をゴルファーの両手で握ることができる広さを有する。
【0017】
グリップカバー10の少なくとも一部には、透明又は半透明部14が形成される。図1から明らかなように、透明又は半透明部14は、グリップカバー10の内部空間で、ゴルファーが、ゴルフクラブのグリップ部を両手で握った状態を外部から確認できる位置に形成される。透明又は半透明部14は、ゴルファーが、ゴルフクラブのグリップ部に両手で握った状態を外部から確認できる程度の透光性を有すれば十分である。透明又は半透明部14は、図1に示すように、グリップカバー10の一部、特に、内部空間に収容されるゴルフクラブのグリップ部の軸線に沿った方向に形成されていれば十分である。グリップカバー10の全体が、透明又は半透明である必要はない。
【0018】
グリップカバー10は、透明又は半透明部14を含めて、全体が、防水性素材で構成される。防水性素材の例としては、合成樹脂、防水加工を施した人工皮革、防水加工を施した天然皮革等が、挙げられる。
【0019】
グリップカバー10は、全体が、平面図として見る場合、概ね二等辺三角形状をしていることは必須ではなく、他の形状を有していてもよい。グリップカバー10の各頂点部に形成する第1乃至第3開口部は、ゴルフクラブのグリップ部、右手及び左手の挿入を妨げないように形成されていればよく、挿入前又は挿入後において、グリップ部、右手及び左手の大きさに比べて小であってもよい。図示の実施形態において、グリップカバー10の各頂点部に形成する第1乃至第3開口部の周囲には、弾性ゴムが縫い込まれていて、ゴルフクラブのグリップ部、右手及び左手を挿入する際には、各開口部を押し広げてゴルフクラブのグリップ部、右手及び左手をグリップカバー10の内部空間内に入れ易く、一方、ゴルフクラブのグリップ部、右手及び左手を挿入した後には、弾性復元力により、第1乃至第3開口部が狭くなるようにして、雨水又は寒気が侵入し難くしてある。ゴルフクラブのグリップ部、右手及び左手を第1開口部、第2開口部及び第3開口部へ容易に挿入できるとともに、雨水又は寒気が侵入し難くするには、弾性ゴムの縫込みの他に、第1乃至第3開口部のそれぞれに一対の面ファスナー、一対のスナップボタン、又は、スライドファスナーを備えるようにしてもよい。
【0020】
次に、本発明によるグリップカバー10をゴルフクラブに使用する方法の一例を、添付図面に示した実施形態を例にとって説明する。
【0021】
ゴルファーは、右手又は左手を第2開口部12又は第3開口部13からグリップカバー10の内部空間に入れる。内部空間に入れていない方の手で、ゴルフクラブのグリップ部を第1開口部11からグリップカバー10の内部空間に入れる。内部空間に入れていない方の手を第2開口部12又は第3開口部13からグリップカバー10の内部空間に入れる。両手で、ゴルフクラブのグリップ部をグリップしたまま、透明又は半透明部14を通じて、ゴルフクラブのグリップ状態を外部から確認してからゴルフクラブをスイングする。ゴルファーの両手又はその一方には、グローブを嵌めたまま、本発明によるグリップカバー10を使用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0022】
10・・・グリップカバー
11・・・第1開口部
12・・・第2開口部
13・・・第3開口部
14・・・透明又は半透明部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーの両手の各々とスポーツ用プレー道具のグリップ部とを個別に挿入可能な少なくとも3箇所に形成された開口部と、
プレー道具のグリップ部をプレイヤーの両手で握ることができる広さを有する内部空間部と、
少なくとも一部に形成した透明又は半透明部であって、前記グリップ部におけるプレイヤーの両手によるグリップ状態を外部から確認できる位置に形成された透明又は半透明部
とを備え、
透明又は半透明部を含めて防水性素材で形成されたグリップカバー。
【請求項2】
前記開口部の少なくとも1個は、雨水又は寒気が侵入し難いように大きさを縮めることができる構造を有する、請求項1に記載のグリップカバー。
【請求項3】
前記開口部の周囲は、伸縮性に富むように構成される、請求項2に記載のグリップカバー。
【請求項4】
前記開口部の周囲は、弾性ゴムが縫い込まれる、請求項3に記載のグリップカバー。
【請求項5】
前記開口部の少なくとも1個は、少なくとも一対の面ファスナーを備える、請求項2に記載のグリップカバー。
【請求項6】
前記開口部の少なくとも1個は、少なくとも一対のスナップボタンを備える、請求項2に記載のグリップカバー。
【請求項7】
前記開口部の少なくとも1個は、スライドファスナーを備える、請求項2に記載のグリップカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−183930(P2010−183930A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28000(P2009−28000)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(505348636)丸十株式会社 (1)
【Fターム(参考)】