説明

グリル

【課題】引出部に汁受皿が載置されているか否かの情報に基づいてグリルの運転を制御できるようにして、性能を向上し得るグリルを提供する。
【解決手段】グリル庫7と、焼き網を載置自在な汁受皿15を載置自在に有する引出部Hと、グリル庫7内を加熱する加熱手段3と、その加熱手段3の作動を制御する加熱制御手段とを備え、引出部Hが、グリル庫7内に収納される収納位置とグリル庫7の前方に引き出される引出位置とに出退移動自在に設けられたグリルGであって、引出部Hに汁受皿15が載置されているか否かを検知する汁受皿検知手段Sと、その汁受皿検知手段Sの検知情報に基づいて、他の作動手段の作動を制御する作動制御手段とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリル庫と、焼き網を載置自在な汁受皿を載置自在に有する引出部と、前記グリル庫内を加熱する加熱手段と、その加熱手段の作動を制御する加熱制御手段とを備え、前記引出部が、前記グリル庫内に収納される収納位置と前記グリル庫の前方に引き出される引出位置とに出退移動自在に設けられたグリルに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるグリルは、引出部の汁受皿に載置した焼き網に被加熱物を載置し、その引出部をグリル庫内に収納して、加熱手段により被加熱物を加熱調理するものである。
そして、汁受皿が引出部に載置自在なように構成されて、焼き網及び汁受皿を引出部から取り外して洗浄することができるようになっている。通常は、焼き網も汁受皿に載置自在に構成されて、汁受皿と焼き網とを分離した状態で洗浄することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
つまり、使用者は、被加熱物の加熱調理が終了すると、引出部をグリル庫内から引出位置にまで引き出して、焼き網及び汁受皿を引出部から取り外して洗浄することになる。
【0003】
このようなグリルでは、一般には、加熱手段が加熱作動しているか否かを検知するセンサ等が設けられて、それらのセンサからの情報に基づいて、加熱手段の作動の制御や各種情報を報知する報知手段の作動の制御等を行って、グリルの運転を制御するように構成されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】2007−190193号公報
【特許文献2】2000−193248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のグリルでは、グリルの運転を制御するための情報として、引出部に汁受皿が載置されているか否かの情報が用いられていないので、グリルの性能を向上する上で改善の余地があった。
例えば、使用者が、汁受皿を載置しないままで引出部をグリル庫内に収納しても、引出部に汁受皿が載置されていないことを使用者に明確に認識させることができなかった。従って、例えば、引出部に汁受皿が載置されていないにも拘わらず加熱手段が加熱作動されるといった不適切なグリルの使用を、的確に防止することができなかった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、引出部に汁受皿が載置されているか否かの情報に基づいてグリルの運転を制御できるようにして、性能を向上し得るグリルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のグリルは、グリル庫と、焼き網を載置自在な汁受皿を載置自在に有する引出部と、前記グリル庫内を加熱する加熱手段と、その加熱手段の作動を制御する加熱制御手段とを備え、前記引出部が、前記グリル庫内に収納される収納位置と前記グリル庫の前方に引き出される引出位置とに出退移動自在に設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記引出部に前記汁受皿が載置されているか否かを検知する汁受皿検知手段と、
その汁受皿検知手段の検知情報に基づいて、他の作動手段の作動を制御する作動制御手段とが設けられている点にある。
【0008】
即ち、汁受皿検知手段にて、引出部に汁受皿が載置されているか否かが検知され、作動制御手段は、その汁受皿検知手段の検知情報に基づいて、加熱手段や各種情報を報知する報知手段等の他の作動手段の作動を制御する。
例えば、汁受皿が載置されない状態で引出部が収納位置に収納された場合は、作動制御手段により、報知手段を作動させる等の制御を実行するように構成することにより、引出部に汁受皿が載置されていないことを使用者に明確に認識させることができる。
従って、引出部に汁受皿が載置されているか否かの情報に基づいてグリルの運転を制御できるようにして、性能を向上し得るグリルを提供することができるようになった。
【0009】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記作動制御手段が、
前記汁受皿検知手段の検知情報に基づいて、前記引出部に前記汁受皿が載置されている状態から載置されていない状態になった後に再び載置されている状態となる汁受皿再載置状態を判定するように構成され、並びに、
前記加熱制御手段により前記加熱手段の加熱作動が停止された後に電源スイッチがオフにされ、次にオンにされたときは、前記加熱制御手段により前記加熱手段の加熱作動が停止されてから前記電源スイッチがオンにされるまでの間に、前記汁受皿検知手段の検知情報に基づいて前記汁受皿再載置状態を少なくとも一度判定したときと一度も判定しなかったときとで、報知作動状態を異ならせるべく、前記他の作動手段としての報知手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0010】
即ち、汁受皿検知手段の検知情報が、引出部に汁受皿が載置されている状態から載置されていない状態になった後に再び載置されている状態に変化すると、作動制御手段は、汁受皿再載置状態であると判定する。
そして、作動制御手段は、加熱制御手段により加熱手段の加熱作動が停止された後に電源スイッチがオフにされ、次にオンにされたときは、加熱制御手段により加熱手段の加熱作動が停止されてから電源スイッチがオンにされるまでの間に、汁受皿再載置状態を少なくとも一度判定したときと一度も判定しなかったときとで、報知作動状態を異ならせるべく、他の作動手段としての報知手段の作動を制御する。
【0011】
かかるグリルでは、加熱手段の加熱作動を可能にする等のために、電源スイッチが設けられている。そして、このグリルは、引出部の汁受皿に載置した焼き網に被加熱物を載置し、その引出部をグリル庫内に収納して、加熱手段の加熱作動を開始し、被加熱物の加熱調理が終了すると、手動又は自動で指令される加熱停止指令に基づいて加熱制御手段により加熱手段の加熱作動が停止される態様で使用される。通常、使用者が、このようにグリルを使用するときは、電源スイッチをオンにし、このようなグリルの使用が終了すると、電源スイッチをオフにする。又、このようなグリルの使用の後、汁受皿及び焼き網を洗浄するときは、必ず、汁受皿を引出部から取り外して洗浄し、洗浄が終わると、汁受皿を引出部に載置することになる。
つまり、汁受皿検知手段の検知情報が、引出部に汁受皿が載置されている状態から載置されていない状態になった後に再び載置されている状態に変化するということは、汁受皿が引出部から取り外された後、再度、引出部に載置されたことを意味し、汁受皿及び焼き網が洗浄されたものであると想定される。
【0012】
そして、使用者がグリルを使用するために電源スイッチをオンにすると、前回のグリルの使用を終了してから、今回、電源スイッチをオンにするまでの間に、少なくとも一度、汁受皿を引出部から取り外してから、再度、引出部に載置した場合と、一度も汁受皿を引出部から取り外さなかった場合とで、換言すれば、汁受皿を洗浄した場合と洗浄しなかった場合とで、報知手段の報知作動状態が異なる。
このような報知手段の報知作動状態の違いにより、使用者は、前回のグリルの使用を終了した後、今回グリルを使用するまでの間に、汁受皿を洗浄したか否かを明確に認識することができる。
【0013】
例えば、このようなグリルは、トッププレートに載置された加熱用容器を加熱するコンロ用加熱手段が設けられたコンロに組み込まれる場合があり、そのような場合、使用者は、コンロ用加熱手段を使用して他の加熱調理を行いながら、グリルによる加熱調理を行う場合が多い。このような場合に、使用者は、コンロ用加熱手段による加熱調理とグリルによる加熱調理ができるだけ近いタイミングで終了するように、各加熱調理を開始する。
そこで、電源スイッチをオンにしたときに、汁受皿を洗浄していなかったことが判れば、コンロ用加熱手段による加熱調理を開始する前に、事前に汁受皿を洗浄することができるので、使い勝手が向上する。
従って、使用者がグリルを使用するために電源スイッチをオンにしたときに、汁受皿を洗浄したか否かを明確に認識することができるので、使い勝手を向上することができる。
【0014】
第3特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記作動制御手段が、
前記汁受皿検知手段の検知情報に基づいて、前記引出部に前記汁受皿が載置されている状態から載置されていない状態になった後に再び載置されている状態となる汁受皿再載置状態を判定するように構成され、並びに、
前記加熱制御手段により前記加熱手段の加熱作動が停止された後に、前記加熱手段の加熱作動を開始させるための加熱開始指令が指令手段により指令されたときは、前記加熱制御手段により前記加熱手段の加熱作動が停止されてから前記指令手段により前記加熱開始指令が指令されるまでの間に、前記汁受皿検知手段の検知情報に基づいて前記汁受皿再載置状態を少なくとも一度判定したときと一度も判定しなかったときとで、報知作動状態を異ならせるべく、前記他の作動手段としての報知手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0015】
即ち、汁受皿検知手段の検知情報が、引出部に汁受皿が載置されている状態から載置されていない状態になった後に再び載置されている状態に変化すると、作動制御手段は、汁受皿再載置状態であると判定する。
そして、作動制御手段は、加熱制御手段により加熱手段の加熱作動が停止された後に、指令手段により加熱開始指令が指令されたときは、加熱制御手段により加熱手段の加熱作動が停止されてから指令手段により加熱開始指令が指令されるまでの間に、汁受皿再載置状態を少なくとも一度判定したときと一度も判定しなかったときとで、報知作動状態を異ならせるべく、他の作動手段としての報知手段の作動を制御する。
【0016】
かかるグリルでは、加熱開始指令を指令するために、指令手段が設けられている。そして、このグリルは、引出部の汁受皿に載置した焼き網に被加熱物を載置し、その引出部をグリル庫内に収納して、指令手段により加熱開始指令を指令して加熱制御手段により加熱手段の加熱作動を開始させ、被加熱物の加熱調理が終了すると、手動又は自動で指令される加熱停止指令に基づいて加熱制御手段により加熱手段の加熱作動が停止される形態で使用される。通常、使用者が、このようにグリルを使用するときは、指令手段により加熱開始指令を指令して、加熱手段を加熱作動させる。又、このようなグリルの使用の後、汁受皿及び焼き網を洗浄するときは、必ず、汁受皿を引出部から取り外して洗浄し、洗浄が終わると、汁受皿を引出部に載置することになる。
つまり、先に、第2特徴構成についての説明で記載したように、汁受皿検知手段の検知情報が、引出部に汁受皿が載置されている状態から載置されていない状態になった後に再び載置されている状態に変化するということは、汁受皿及び焼き網が洗浄されたものであると想定される。
【0017】
そして、使用者がグリルを使用するために指令手段により加熱開始指令を指令すると、前回のグリルの使用を終了してから、今回、指令手段により加熱開始指令を指令するまでの間に、少なくとも一度、汁受皿を引出部から取り外してから、再度、引出部に載置した場合と、一度も汁受皿を引出部から取り外さなかった場合とで、換言すれば、汁受皿を洗浄した場合と洗浄しなかった場合とで、報知手段の報知作動状態が異なる。
このような報知手段の報知作動状態の違いにより、使用者は、前回のグリルの使用を終了した後、今回グリルを使用するまでの間に、汁受皿を洗浄したか否かを明確に認識することができる。
従って、使用者がグリルを使用するために指令手段により加熱開始指令を指令したときに、汁受皿を洗浄したか否かを明確に認識することができるので、使い勝手を向上することができる。
【0018】
第4特徴構成は、上記第2又は第3特徴構成に加えて、
前記引出部に、それが前記収納位置に位置するときに前記グリル庫の前部開口部を閉じるように扉が備えられ、
前記扉に、外部から光を入射可能な入光部と、その入光部から入射した光を放射する放射面とを備える導光部材が設けられ、
前記入光部が、前記引出部が前記収納位置に位置する状態で、前記前部開口部の内面部に近接し、且つ、前記引出部の出退移動方向に交差する方向から光が入射可能なように、前記導光部材に備えられ、
前記放射面が、前方側から視認可能なように、前記導光部材に備えられ、
前記引出部が前記収納位置に位置する状態で前記入光部に光を入射可能なように、発光手段が前記前部開口部に設けられて、
前記報知手段が、前記導光部材と前記発光手段とを備えて構成され、
前記作動制御手段が、前記発光手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0019】
即ち、引出部が収納位置に収納されている状態で、作動制御手段により発光手段が発光作動されると、その発光手段からの光が導光部材の入光部に入射し、その入射した光が導光部材内を進行して放射面から放射されるので、その放射面が光ることになる。
このような放射面は、入光部から入射した光を全面にわたって放射させることができる条件で広くすることが可能であり、そして、このような放射面を備えた導光部材が、放射面が前方側から視認可能なようにグリルの扉に設けられているので、その放射面が光ることにより報知される情報は、使用者にとって認識し易いものである。
又、このようなグリルが上述のようにコンロ用加熱手段が設けられたコンロに組み込まれる場合に、コンロの前面等にグリル用やコンロ用の操作部が複数設けられる場合でも、グリルの扉に設けられた導光部材の放射面が光ることにより、グリルに関する情報が報知されるので、使用者にとっては、放射面が光ることにより報知される情報がグリルに関するものであることを判別し易く、グリルに関する情報が使用者にとって認識し易い。
従って、汁受皿を洗浄したか否かの情報を使用者に認識し易いように報知することができる。
【0020】
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記汁受皿検知手段が、前記引出部側に設けられたコイルを備えて、前記汁受皿が前記引出部に載置されている状態と載置されていない状態での前記コイルのインダクタンスの変化に基づいて、前記引出部に前記汁受皿が載置されているか否かを検知するように構成されている点にある。
【0021】
即ち、汁受皿をアルミ、鉄等の金属製とするか、あるいは、汁受皿が引出部に載置されたときに、引出部側に設けられたコイルに近接するように、汁受皿に金属部分を備えさせる。すると、汁受皿が引出部に載置されている状態と載置されていない状態とで、引出部に設けられたコイルのインダクタンスが変化するので、そのインダクタンスの変化に基づいて、引出部に汁受皿が載置されているか否かを検知することができる。
そして、コイルは、導線を巻回するだけの構成であり、耐熱性に優れているので、コイルがグリル庫内の高温雰囲気に曝されても、引出部に汁受皿が載置されているか否かの検知機能が低下するのを防止することができる。
従って、引出部に汁受皿が載置されているか否かの検知機能の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】グリルを備えたガスコンロの斜視図
【図2】トッププレートを省略し、引出部を引き出した状態でのガスコンロの分解斜視図
【図3】扉を省略し、引出部を引き出した状態でのグリルの概略斜視図
【図4】グリルの要部の縦断正面図
【図5】引出部を収納した状態にてリード線の引き回し形態を示す要部の斜視図
【図6】引出部を引き出した状態にてリード線の引き回し形態を示す要部の斜視図
【図7】コイルの取付構成及びリード線の引き回し形態を示す要部の斜視図
【図8】汁受皿センサの構成及びリード線の引き回し形態を示す要部の縦断正面図
【図9】ガスコンロの前方側要部の斜視図
【図10】ガスコンロの前方側要部の斜視図
【図11】扉の右側面図及び縦断右側面図
【図12】扉、取手の分解斜視図
【図13】グリル用導光部材とグリル用発光部の配置形態を示す前方上側からの斜視図
【図14】グリル用導光部材とグリル用発光部の配置形態を示す後方上側からの斜視図
【図15】グリル用発光部を示すガスコンロの前方側要部の斜視図
【図16】ガスコンロの制御構成を示すブロック図
【図17】コイルのインダクタンスの周波数特性を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態をガスコンロのグリルに適用した場合について説明する。
図1及び図2に示すように、本発明に係るグリルGを備えたガスコンロは、コンロ本体1の上部に3つのコンロバーナ2が配置され、コンロ本体1の内部に、グリル庫7内を加熱する加熱手段としてのグリルバーナ3(図2参照)を備えるグリルGが配置されて、ビルトインタイプのガスコンロに構成されている。
コンロ本体1の上部後方側に、グリルバーナ3の燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口4が設けられ、コンロ本体1の上部は、トッププレート5にて覆われ、このトッププレート5の上部に、3つのコンロバーナ2の夫々に対応して、加熱用容器(鍋など)を載置する五徳6が載置支持されるように構成されている。
設置状態の図示は省略するが、コンロ本体1の内部には、マイクロコンピュータを用いてガスコンロの運転を制御するための各種制御を実行するように構成されたコントローラC(図16参照)が設けられている。
【0024】
図1及び図2に示すように、コンロ本体1の前面部の略中央は、コンロ本体1に内蔵したグリルGにおけるグリル庫7の前部開口部8にて開口されている。
コンロ本体1の前面部におけるグリル庫7の前部開口部8の左側には、グリルバーナ3を操作するためのグリル操作部40が設けられている。
図1、図2、図9及び図10に示すように、コンロ本体1の前面部におけるグリル庫7の前部開口部8の右側には、コンロバーナ2の点火、消火や火力の調整等の操作を行うコンロ操作つまみ50が3つのコンロバーナ2夫々に対応して設けられ、コンロバーナ2の火力を表示する火力表示部9が3つのコンロ操作つまみ50夫々に対応して設けられている。更に、各コンロバーナ2を操作するためのコンロ操作部51、及び、コンロバーナ2及びグリルバーナ3の点火を可能にするための電源スイッチ10も設けられている。
尚、本願はグリルGに関する発明であるので、コンロ操作つまみ50及びコンロ操作部51の説明は省略する。
【0025】
図1、図2、図9及び図10に示すように、グリル用操作部40及びコンロ操作部51は、押し操作する毎に、前倒れ状態となってパネルスイッチにて構成される操作面が露呈する開き状態と操作面が収納される閉じ状態とに切り換え自在に構成されている。
図1及び図2に示すように、グリル操作部40には、グリルバーナ3の点火及び消火を行うグリル運転スイッチ41、グリルバーナ3の火力の調整を行う火力調整スイッチ42、自動焼きモードを設定する自動焼きモードスイッチ43、及び、タイマ運転モードを設定するタイマ運転スイッチ44等が設けられている。
自動焼きモードは、グリル運転スイッチ41によるグリルバーナ3の点火後、所定の燃焼条件でグリルバーナ3を燃焼させ、被調理物の焼き調理の終了が予測されるタイミングで自動的にグリルバーナ3を消火するモードである。
タイマ運転スイッチ44は、タイマ時間を設定自在であり、タイマ運転モードは、グリル運転スイッチ41によるグリルバーナ3の点火後、火力調整スイッチ42にて設定された火力でグリルバーナ3を燃焼させ、タイマ運転スイッチ44にて設定されたタイマ時間が経過すると自動的にグリルバーナ3を消火するモードである。
【0026】
以下、グリルGについて説明を加える。
図1〜図3に示すように、このグリルGは、グリル庫7と、焼き網12を載置自在な汁受皿15を載置自在に有する引出部Hと、その引出部Hをグリル庫7内に収納される収納位置(図1参照)とグリル庫7の前方に引き出される引出位置(図2及び図3参照)とにわたって出退移動自在な状態で支持する案内手段Lと、グリル庫7内を加熱するグリルバーナ3と、コントローラC(図16参照)とを備えて構成されている。
引出部Hには、それが収納位置に位置するときにグリル庫7の前部開口部8を閉じるように扉70が着脱自在に備えられている。グリル庫7は、前部が前部開口部8にて開口された直方体形状の箱状に構成されている。
ちなみに、引出位置とは、引出部Hがその大部分がグリル庫7から引き出された状態でコンロ本体1に支持される状態である。
【0027】
図3〜図8、及び、図16に示すように、本発明では、引出部Hに汁受皿15が載置されているか否かを検知する汁受皿検知手段としての汁受皿センサSと、その汁受皿センサSの検知情報に基づいて、他の作動手段としての報知手段A(詳細は後述)の作動を制御する作動制御手段C1とが設けられている。
又、その汁受皿センサSの検知情報を作動制御手段C1に伝送するリード線35も設けられている。
図16に示すように、この実施形態では、作動制御手段C1がコントローラCを用いて構成され、3つのコンロバーナ2及びグリルバーナ3の作動を制御する加熱制御手段としての燃焼制御手段C2も、コントローラCを用いて構成されている。
【0028】
図3、図4及び図8に示すように、汁受皿センサSが、汁受皿15に備えられた被検知部Spと、引出部Hに載置されている汁受皿15の被検知部Spを検知可能なように、引出部Hに設けられた検知部Saとを備えて構成されている。
又、図4〜図6に示すように、リード線35が、収納位置と引出位置とにわたる引出部Hの移動を許容する長さを有するように構成されている。
そして、収納位置と引出位置とにわたる引出部Hの移動に伴って繰り出し繰り入れ自在な状態で、リード線35を収容するリード線収容部Rがコンロ本体1に設けられている。
【0029】
以下、グリルGの各部について、説明を加える。
グリルバーナ3は、図2、図3及び図16に示すように、グリル庫7内の上部に位置して、焼き網12に載置された被加熱物(図示省略)を上側から加熱する上側バーナ3aと、グリル庫7内の下部左右両側に離れて位置して(設置状態の図示は省略する)、焼き網12に載置された被加熱物を下側の左右両側から加熱する一対の下側バーナ3b(図16参照)とを備えて構成してある。
【0030】
図3〜図8に示すように、案内手段Lが、グリル庫7内の底部(コンロ本体1側に相当する)に固定される固定レール36bと、その固定レール36bに収納位置と引出位置とにわたって移動自在に支持され且つ引出部Hを支持する可動レールとしての中間レール36m及び先端レール36tとを備えたスライドレール36にて構成されて、一対のスライドレール36が、グリル庫7内にその左右(横幅方向に相当する)両側に振り分けて配置されている。
スライドレール36の構成は周知であるので、詳細な説明を省略して簡単に説明すると、中間レール36mが固定レール36bにその長手方向にスライド自在に支持され、先端レール36tが中間レール36mにその長手方向にスライド自在に支持されて構成されている。
【0031】
そして、図4〜図8に示すように、各スライドレール36は、その長手方向(スライド方向)をグリル庫7の前後方向に沿わせた姿勢で、グリル庫7の底部を形成するグリル底板7bに固定されたレール取付部材37に、固定レール36bを固定することにより、グリル庫7内の底部に配設される。
図3、図4及び図8に示すように、各スライドレール36におけるグリル庫7の内方側の横側方には、収縮状態のスライドレール36よりも長い長尺状の遮熱体38が、収縮状態のスライドレール36におけるグリル庫7の内方側の横側方を略全長にわたって覆うように配設されている。
【0032】
図2〜図6に示すように、引出部Hは、一対のスライドレール36夫々の先端レール36tに夫々固定される一対のアーム部材14と、それら一対のアーム部材14の前端に架け渡された扉支持板13とを備えて構成され、その扉支持板13に扉70が立ち姿勢で着脱自在に取り付けられるように構成されている。
【0033】
各アーム部材14は、スライドレール36と同等の長さを有し、スライドレール36における上方及びスライドレール36におけるグリル庫7の内方側の横側方を覆うことが可能なように、板状材を屈曲成形して構成されている。
又、各アーム部材14には、上方に突出する突起部14tを備えられている。
そして、各アーム部材14は、スライドレール36における上方及びスライドレール36におけるグリル庫7の内方側の横側方を覆う状態で、各スライドレール36の先端レール36tにビス(図示省略)により固定される。
【0034】
図2及び図3に示すように、汁受皿15の左右両端夫々には、汁受皿15が適正な位置で一対のアーム部材14上に載置されたときに突起部14tを挿通可能なようにスリット15sが設けられている。
そして、汁受皿15を、その一対のスリット15s夫々に各アーム部材14の突起部14tを挿通させた状態で、一対のアーム部材14上に載置することにより、図4に示すように、汁受皿15が引出部Hに適正な位置で載置されるように構成されている。
【0035】
図3〜図8に基づいて、汁受皿センサSについて説明を加える。
この実施形態では、汁受皿センサSの検知部Saが、コイル39にて構成されている。
右側のスライドレール36の先端レール36t(可動レールに相当する)に取り付けられたアーム部材14(引出部Hにおける可動レールに支持される部分に相当する)の上面を構成する上壁部分の前方側に、検出孔14wが形成され、コイル39は、この検出孔14wに臨ませた状態で、アーム部材14の上壁部分の裏面に固定されている。
汁受皿15は、鉄板、アルミ板等の金属板にて構成され、その汁受皿15には、適正な位置で一対のアーム部材14上に載置された状態で、検出孔14wの上方に対向する部分に位置させて、コイル39に近づくように下方に突出する円形状の下向き突起部15pが形成され、この下向き突起部15pを汁受皿センサSの被検知部Spとして機能させるように構成されている。
つまり、この実施形態では、汁受皿センサSが、引出部H側に設けられたコイル39を備えて、汁受皿15が引出部Hに載置されている状態と載置されていない状態でのコイル39のインダクタンスの変化に基づいて、引出部Hに汁受皿15が載置されているか否かを検知するように構成されていることになる。
【0036】
図3〜図6に基づいて、リード線収容部R及びリード線35の引き回し形態について説明を加える。
この実施形態では、リード線収容部Rが、筒長手方向に直交する面での断面形状が細長の矩形状となる扁平筒状収容部80にて構成され、リード線35が、弾性可撓性を有するように構成されて、扁平筒状収容部80内に湾曲状態で収容されている。
リード線35は、図示を省略するが、鋼線を用いて弾性可撓性を有するように構成されると共に、テフロン(登録商標)等の耐熱絶縁性の樹脂で被覆されている。
ちなみに、弾性可撓性とは、撓めることが可能で、撓んだ状態から直線状態に復帰する弾性を有する性質を示す。
【0037】
図3〜図6に示すように、扁平筒状収容部80は、細長の矩形状の断面における長手方向を上下方向に沿わせた姿勢で、左側のスライドレール36における横側方にスライドレール36に沿わせて設けられている。
扁平筒状収容部80は、互いに間隔を隔てた状態で対向状態に組み付けられる取付板81とカバー板82とを備えて構成されている。
取付板81は、その上下両端縁夫々に、直角に屈曲する屈曲部を備えるように構成されている。
そして、取付板81が、左側のスライドレール36の横側方に位置させて、グリル庫7の外部に設けられ、その取付板81に、その上下両端縁の屈曲部にて間隔が保持される状態で、カバー板82が組み付けられることにより、扁平筒状収容部80が、上述の如き姿勢で左側のスライドレール36の横側方に設けられる。
【0038】
図3〜図6に示すように、リード線35を案内するリード線案内管90が、概略U字状に成形され、そのリード線案内管90が、その一方の開口部をコイル39が取り付けられた右側のスライドレール36の後端に臨ませ、且つ、他方の開口部を扁平筒状収容部80の後方上端部からその内部に臨ませた状態で、グリル庫7の外部後方に配設されている。
そして、リード線35が、一端がコイル39に接続され、そのコイル39から右側のスライドレール36に沿って後方に延びて、リード線案内管90内を通り、扁平筒状収容部80内に収容される形態で引き回されている。
【0039】
図5及び図6に示すように、扁平筒状収容部80内においては、リード線案内管90を通過したリード線35が、扁平筒状収容部80の後方上端部からその扁平筒状収容部80内の上側部分を前方に延びて、その前方部分で折り返し、扁平筒状収容部80内の下側部分を後方に延びる形態に湾曲した状態で収容されている。
そして、扁平筒状収容部80の後方下端部から外部に延びるリード線35の端部が、コントローラCに接続されて、コイル39の信号がコントローラC(具体的には、作動制御手段C1)に入力されるように構成されている。
【0040】
そして、作動制御手段C1は、所定の周波数の交流電流をコイル39に流して、そのコイル39のインダクタンスを検出すると共に、そのインダクタンスをA/D変換して、そのインダクタンスのA/D変換値に基づいて、引出部Hに汁受皿15が載置されているか否かを検知するように構成されている。
図17に、コイル39に流す交流電流の周波数とインダクタンスのA/D変換値との関係を、引出部Hに汁受皿15が載置されている状態と載置されていない状態とのそれぞれについて示す。
図17に示されるように、周波数が30KHzのときに、引出部Hに汁受皿15が載置されているか否かにより、インダクタンスのA/D変換値の差が大きくなる。
そこで、この実施形態では、作動制御手段C1は、30KHzの交流電流をコイル39に流して、インダクタンスのA/D変換値が660以下のときは、引出部Hに汁受皿15が載置されていると検知し、インダクタンスのA/D変換値が660よりも大きいときは、引出部Hに汁受皿15が載置されていないと検知するように構成されている。
【0041】
次に、引出部Hの出退移動に伴うリード線35の繰り出し繰り入れ形態、及び、汁受皿センサSによる引出部Hに汁受皿15が載置されているか否かの検知形態について、説明を加える。
引出部Hが収納位置(図5参照)から引出位置(図6参照)に引き出されるのに伴って、扁平筒状収容部80内に収容されている湾曲状態のリード線35の一端側が後方に引っ張られることになり、そのようにリード線35の一端側が後方に引っ張られると、湾曲部分が後方側(リード線35の一端の引っ張り方向)に移動する形態で、リード線35の湾曲状態が扁平筒状収容部80内において変化して、リード線35が扁平筒状収容部80から繰り出される。
一方、引出部Hが引出位置(図6参照)から収納位置(図5参照)に収納されるに伴って、扁平筒状収容部80内に収容されている湾曲状態のリード線35の一端側が前方に押し込まれることになり、そのようにリード線35の一端側が前方に押し込まれると、湾曲部分が前方側(リード線35の一端の押し込み方向)に移動する形態で、リード線35の湾曲状態が扁平筒状収容部80内において変化して、リード線35が扁平筒状収容部80に繰り入れられる。
【0042】
汁受皿15を、その一対のスリット15s夫々に各アーム部材14の突起部14tを挿通させた状態で、引出部Hの一対のアーム部材14上に載置する。すると、図4及び図8に示すように、汁受皿15の下向き突起部15pがコイル39に近接して、コイル39のインダクタンスのA/D変換値が660以下になるので、引出部Hに汁受皿15が載置されていると検知される。
又、引出部Hの一対のアーム部材14上に載置されている汁受皿15を取り外すと、汁受皿15の下向き突起部15pがコイル39から離間して、コイル39のインダクタンスのA/D変換値が660よりも大きくなるので、引出部Hに汁受皿15が載置されていないと検知される。
【0043】
図9〜図12に示すように、扉70に、外部から光を入射可能な入光部16iと、その入光部16iから入射した光を放射する放射面16rとを備えるグリル用導光部材16が設けられている。
そして、入光部16iが、引出部Hが収納位置に位置する状態で、前部開口部8の内面部に近接し、且つ、引出部Hの出退移動方向(前後方向に相当する)に交差する方向から光が入射可能なように、グリル用導光部材16に備えられている。
又、放射面16rが、前方側から視認可能なように、グリル用導光部材16に備えられている。
ちなみに、入光部16iは、グリル用導光部材16における前面視での周部の一部、即ち、前面視において、例えば、右向きの側面、左向きの側面、上面及び下面等に備えられる。
又、図13〜図15にも示すように、引出部Hが収納位置に位置する状態で入光部16iに光を入射可能なように、発光手段としてのグリル用発光部17が前部開口部8に設けられている。
そして、報知手段Aが、グリル用導光部材16とグリル用発光部17とを備えて構成され、作動制御手段C1が、グリル用発光部17の作動を制御するように構成されている。
【0044】
尚、図9は、引出部Hが引出位置の手前の位置までグリル庫7から引き出された状態であり、グリル用導光部材16の放射面16rが光っていない状態を示し、図10は、引出部Hが収納位置に収納された状態であり、グリル用導光部材16の放射面16rが光っている状態を示す。
又、図11の(a)は、扉70の右側面図であり、(b)は、扉70の横幅方向略中央での縦断右側面図である。
又、図13は、グリル用導光部材16とグリル用発光部17との配置形態を示す前方上側から見た斜視図であり、図14は、グリル用導光部材16とグリル用発光部17との配置形態を示す後方上側から見た斜視図である。
【0045】
次に、扉70について説明を加える。
図9〜図12に示すように、扉70は、前部開口部8を閉じる扉本体71と、その扉本体71の前面の上方側に装着されるガラス板72と、その扉本体71の前面の下方側に装着される扉化粧板73とを備えて構成されている。
扉本体71の上方側には、横長の窓71wが形成され、ガラス板72には、扉本体71の窓71wに合わせて、横長状の透明部分が備えられている。
又、扉化粧板73には、後述するグリル用導光部材16を挿通させるためのスリット73sが水平方向に沿わせて形成されている。
【0046】
次に、取手60及びグリル用導光部材16について説明を加える。
図9〜図12に示すように、グリル用導光部材16は、全体的には、取手60の横幅方向全長にわたる細長状に構成されている。
具体的には、図13及び図14にも示すように、グリル用導光部材16は、頂点を対向させて横幅方向に並ぶ一対の四角錐状部16wと、その一対の四角錐状部16wから板面が水平方向に沿う状態で前方に張り出す細長板状の板状放射部16pとを有する形状に、透光性を有する材料(例えば、ポリカーボネイト等の樹脂材料)にて成形されている。
【0047】
グリル用導光部材16の板状放射部16pは、平面視の形状が弧状の縁部を前向きにした概ね弓形状であり、その前面が上向きの傾斜状(換言すれば、斜め上前方向き)に形成されて、斜め上前方向きの放射面16rに構成されている。
グリル用導光部材16の一対の四角錐状部16w夫々は、前後方向に沿う横断面形状が矩形状であり、その矩形状の底面がグリル用導光部材16の横幅方向に直交する横向き状に構成され、その横向きの底面(グリル用導光部材16の右向きの側面、左向きの側面に相当する)を入光部16iとして機能させるように構成されている。
【0048】
図9〜図12に示すように、取手60は細長状に構成されて、その細長状の取手60が、長手方向を横向きにした姿勢で、扉70にその横幅方向の全長にわたるように備えられている。
この取手60は、扉70の横幅方向全長にわたる細長状に構成されて、扉本体71と扉化粧板73との間に配設されるカバー体61と、扉化粧板73の前方に配設される取手体62とを備えて構成されている。
カバー体61には、グリル用導光部材16の一対の四角錐状部16wを嵌め込み可能なように前面に開口する一対の四角錐状凹部61d(図12参照)が、夫々の扉70の横幅方向の端部を開口させた状態で形成されている。このカバー体61は、遮光性を有する材料(例えば、樹脂や金属)にて、一対の四角錐状凹部61dの内面が光の反射が可能な反射面となるように形成されている。
取手体62は、平面視の形状が弧状の縁部を前向きにした概ね弓形状であり、その取手体62には、前後方向に貫通して、グリル用導光部材16の板状放射部16pを挿通可能なスリット62sが形成されている。このスリット62sの前方の開口は、取手体62の上面の前方側の部分に弧状の縁部の略全長に沿って形成されている。この取手体62も、遮光性を有する材料にて、スリット62sの内面が反射面となるように形成されている。
【0049】
そして、カバー体61を扉本体71の前面に配設し、グリル用導光部材16を、その一対の四角錐状部16wをカバー体61の一対の四角錐状凹部61dに嵌め込んだ状態でカバー体61の前方に装着し、続いて、扉化粧板73を、そのスリット73sにグリル用導光部材16の板状放射部16pを挿通させた状態でカバー体61の前方に配設し、更に、取手体62を、そのスリット62sにグリル用導光部材16の板状放射部16pを挿通させた状態で扉化粧板73の前方に配設した状態で、カバー体61、グリル用導光部材16、扉化粧板73及び取手体62を一体的に組み付けて、図示しないボルト等により扉本体71に固定することにより、扉70に取手60が取り付けられると共に、その取手60にグリル用導光部材16が一体的に組み付けられる。
【0050】
このようにグリル用導光部材16が取手60に組み付けられた状態では、グリル用導光部材16の各入光部16i(各四角錐状部16wの底面に相当する)は、各カバー体61の四角錐状凹部61dの横外向き開口によって、取手60の横側部から露出する状態となり、グリル用導光部材16の長手方向に沿う方向(即ち、前後方向に直交する方向)から光の入射が可能になっている。
【0051】
図9〜図11に示すように、このようにグリル用導光部材16が取手60に一体的に組み付けられた状態では、グリル用導光部材16の放射面16rが、取手60の上面の前端部において、その前端縁の略全長にわたって沿う弧状にて斜め上前方向きに露出されることになる。
そして、グリル用導光部材16の各四角錐状部16wの底面の入光部16iに入射した光は、各四角錐状部16wの内部で散乱し且つカバー体61の各四角錐状凹部61dの内面で反射しながら各四角錐状部16wの頂点に向かって進むと共に、板状放射部16pの内部で散乱し且つ取手体62のスリット62sの内面で反射しながら板状放射部16pの先端に向けて進むことになるので、一対の入光部16iから入射した光を長尺弧状の放射面16rの全面から均等に放射させることができ、図10に示すように、長尺弧状の放射面16rを全面にわたって均等に光らせることができる。
【0052】
図2、図12及び図15に示すように、グリル用発光部17は、グリル庫7の前部開口部8における左右の内面を形成する一対の開口側板18夫々に、引出部Hが収納位置に位置する状態でグリル用導光部材16の各入光部16iに対向するように取り付けられている。
図12〜図15に示すように、各グリル用発光部17は、発光に指向性を有する白色発光体17wと橙色発光体17oとにより構成されて、発光色を白色と橙色とに切り換え自在に構成されている。ちなみに、白色発光体17w及び橙色発光体17oは、夫々、LEDランプにて構成されている。
各グリル用発光部17の白色発光体17w及び橙色発光体17o夫々は、その発光方向をグリル庫7の前部開口部8の内側向きの水平方向に向けて設けられている。
【0053】
そして、上述のように、扉70に取手60が取り付けられると共に、その取手60にグリル用導光部材16が一体的に組み付けられることにより、細長状の取手60が、長手方向を横向きにした姿勢で、扉70にその横幅方向の全長又は略全長にわたるように備えられ、グリル用導光部材16が、取手60の横幅方向の略全長にわたって放射面16rを露出させた形態で、取手60に一体的に組み付けられることになる。尚、この実施形態では、放射面16rを露出させる向きが、斜め上前方向きに設定されている。
又、入光部16iが、グリル用導光部材16の長手方向の両端に振り分けて一対備えられ、グリル用発光部17が、一対の入光部16iに対応して一対設けられていることになる。
【0054】
更に、図5及び図6に示すように、グリルGには、引出部Hが収納位置に位置しているか否かを検知する扉開閉検出スイッチ27が設けられている。
この扉開閉検出スイッチ27は、平面視で、グリル庫7の後方における右側方に設けられている。又、引出部Hの右側のアーム部材14の後端(引出部Hの後部の右角部に相当する位置)には、引出部Hの出退移動に伴って扉開閉検出スイッチ27をオンオフ操作する押圧部材28が設けられている。
つまり、引出部Hが引き出し状態から後方に移動されて収納位置に位置されるのに伴って、押圧部材28により扉開閉検出スイッチ27の操作レバー27rを押圧して扉開閉検出スイッチ27をオンし(図5)、引出部Hが収納位置から前方に引き出されるのに伴って、押圧部材28が扉開閉検出スイッチ27の操作レバー27rから離れて、扉開閉検出スイッチ27をオフにする(図6)ように構成されている。
【0055】
次に、図16に基づいて、3つのコンロバーナ2及びグリルバーナ3へのガス供給構成について説明する。
元ガス供給路19から4系統の分岐路19bが分岐されて、3つのコンロバーナ2及びグリルバーナ3夫々に接続され、元ガス供給路19には、元電磁弁20が設けられ、各分岐路19bには、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によって燃料ガスの流量を調整して加熱量を調整するための流量制御弁21が備えられている。グリルバーナ3への分岐路19bは、2系統に分岐されて、上側バーナ3aと下側バーナ3b夫々に接続されている。
図16に示すように、3つのコンロバーナ2夫々の近傍には、点火プラグ22及び着火状態を検出する熱電対23が設けられ、グリルバーナ3の上側バーナ3a及び下側バーナ3b夫々の近傍にも、点火プラグ22及び熱電対23が設けられている。又、設置場所の図示は省略するが、グリル部Gには、グリル庫7内の温度を検出するグリル温度センサ29が設けられている。
【0056】
次に、図16に基づいて、このガスコンロの制御構成について説明する。
尚、本願はグリルGに関する発明であるので、3つのコンロバーナ2に関する制御の説明及び図示は省略して、グリルバーナ3及びグリル用発光部17に関する制御について、詳細に説明する。又、電源スイッチ10がオンされることにより各種の制御の実行が可能となるので、この電源スイッチ10の操作については、特に説明が必要でない場合は、その操作に関する記載を省略する。
【0057】
先ず、燃焼制御手段C2におけるグリルバーナ3の制御について、説明する。
燃焼制御手段C2は、自動焼きモード及びタイマ運転モードのいずれも設定されることなく、グリル運転スイッチ41によりグリルGの運転が指令されると、グリルバーナ3を点火する点火処理を実行する。この点火処理では、元電磁弁20を開弁すると共に、グリルバーナ3の火力が予め設定された点火時火力となるように流量制御弁21を制御する状態で、点火プラグ22に駆動信号を与えて点火作動させ、熱電対23により点火が確認されると点火プラグ22の駆動を停止する。
点火処理の終了後は、グリルバーナ3の火力が火力調整スイッチ42にて設定された火力になるように流量制御弁21を制御し、グリル運転スイッチ41によりグリルGの停止が指令されると、元電磁弁20及び流量制御弁21を閉弁してグリルバーナ3を消火する。
【0058】
燃焼制御手段C2は、タイマ運転スイッチ44によりタイマ運転モードが指令された状態で、グリル運転スイッチ41によりグリルGの運転が指令されると、上述のように点火処理を実行した後、グリルバーナ3の火力が火力調整スイッチ42にて設定された火力になるように流量制御弁21を制御し、タイマ運転スイッチ44にて設定されたタイマ時間が経過すると、元電磁弁20及び流量制御弁21を閉弁してグリルバーナ3を消火する。
燃焼制御手段C2は、自動焼きモードスイッチ43により自動焼きモードが指令された状態で、グリル運転スイッチ41によりグリルGの運転が指令されると、上述のように点火処理を実行した後、予め設定された燃焼条件でグリルバーナ3を燃焼させるべく流量制御弁21を制御し、被調理物の焼き調理の終了が予測されるタイミングになると、元電磁弁20及び流量制御弁21を閉弁してグリルバーナ3を消火する。
【0059】
又、燃焼制御手段C2は、自動焼きモード及びタイマ運転モードのいずれも設定されていない場合、タイマ運転スイッチ44によりタイマ運転モードが設定されている場合、並びに、自動焼きモードスイッチ43により自動焼きモードが設定されている場合のいずれの場合でも、熱電対23によりグリルバーナ3の消火が検出されると、あるいは、グリル温度センサ29の検出温度が過熱防止用設定温度以上になってグリルGの過熱が検出されると、元電磁弁20及び流量制御弁21を閉弁する。
【0060】
次に、作動制御手段C1におけるグリル用発光部17の制御について、説明する。
作動制御手段C1は、コイル39及び扉開閉検出スイッチ27夫々の検知情報により、グリル用発光部17の作動を制御するように構成されている。
コントローラCには、不揮発性メモリが備えられ、作動制御手段C1は、電源スイッチ10がオフの状態でも、コイル39のインダクタンスのA/D変換値に基づいて、引出部Hに汁受皿15が載置されているか否かを検知して、その検知結果を時系列的に不揮発性メモリに記憶させるように構成されている。
【0061】
作動制御手段C1は、コイル39のインダクタンスのA/D変換値に基づいて、引出部Hに汁受皿15が載置されていると検知する状態から載置されていないと検知する状態になった後に再び載置されていると検知する状態となると、汁受皿再載置状態であると判定する。
そして、作動制御手段C1は、燃焼制御手段C2によりグリルバーナ3が消火された後に電源スイッチ10がオフにされたときに、電源スイッチ10が次にオンにされ且つ扉開閉検出スイッチ27がオンして引出部Hが収納位置に位置している状態が検出されると、燃焼制御手段C2によりグリルバーナ3が消火されてから電源スイッチ10がオンにされるまでの間に、コイル39のインダクタンスのA/D変換値に基づいて、汁受皿再載置状態を少なくとも一度判定したときは、白色発光体17wを発光させ、汁受皿再載置状態を一度も判定しなかったときは、白色発光体17wを点滅させる。
【0062】
つまり、作動制御手段C1が、燃焼制御手段C2によりグリルバーナ3が消火された後に電源スイッチ10がオフにされ、次にオンにされたときは、燃焼制御手段C2によりグリルバーナ3が消火されてから電源スイッチ10がオンにされるまでの間に、汁受皿センサSの検知情報に基づいて汁受皿再載置状態を少なくとも一度判定したときと一度も判定しなかったときとで、報知作動状態を異ならせるべく、報知手段Aの作動を制御するように構成されていることになる。
【0063】
又、作動制御手段C1は、上述のように白色発光体17wの作動を制御して、白色発光体17wを点灯又は点滅させている状態で、扉開閉検出スイッチ27がオフして引出部Hが収納位置に位置していない状態が検出されると、点灯または点滅させている白色発光体17wを消灯する。
続いて、作動制御手段C1は、扉開閉検出スイッチ27が再びオンになると、白色発光体17wを発光させる。
【0064】
作動制御手段C1は、このように扉開閉検出スイッチ27により引出部Hが収納位置に位置している状態が検出されることに基づいて白色発光体17wを発光又は点滅させると、タイマ運転スイッチ44によりタイマ運転モードが設定されたり、自動焼きモードスイッチ43により自動焼きモードが設定されても、この白色発光体17wの発光状態を維持する。
続いて、作動制御手段C1は、自動焼きモード及びタイマ運転モードのいずれも設定されていない場合、タイマ運転スイッチ44によりタイマ運転モードが設定されている場合、並びに、自動焼きモードスイッチ43により自動焼きモードが設定されている場合のいずれの場合でも、グリル運転スイッチ41によりグリルGの運転が指令されて、点火処理が実行された後、熱電対23により点火が確認されると、白色発光体17wを消灯して、橙色発光体17oを発光させる。
【0065】
そして、作動制御手段C1は、グリル運転スイッチ41によりグリルGの停止が指令されてグリルバーナ3が消火されるのに伴って、熱電対23によりグリルバーナ3の消火が確認されると、橙色発光体17oを消灯して、白色発光体17wを発光させる。
又、作動制御手段C1は、タイマ運転モードの実行中に、タイマ運転スイッチ44にて設定されたタイマ時間が経過してグリルバーナ3が消火されるのに伴って、熱電対23によりグリルバーナ3の消火が確認されると、橙色発光体17oを消灯して、白色発光体17wを点滅させる。
又、作動制御手段C1は、自動焼きモードの実行中に、焼き調理の終了が予測されるタイミングになってグリルバーナ3が消火されるのに伴って、熱電対23によりグリルバーナ3の消火が確認されると、橙色発光体17oを消灯して、白色発光体17wを点滅させる。
【0066】
又、作動制御手段C1は、自動焼きモード及びタイマ運転モードのいずれも設定されていない場合、タイマ運転スイッチ44によりタイマ運転モードが設定されている場合、並びに、自動焼きモードスイッチ43により自動焼きモードが設定されている場合のいずれの場合でも、熱電対23によりグリルバーナ3の消火が検出される、あるいは、グリル温度センサ29の検出温度が過熱防止用設定温度以上になるのに伴って、橙色発光体17oを点滅させる。
更に、作動制御手段C1は、上述のように白色発光体17w及び橙色発光体17oの作動を制御して、白色発光体17w及び橙色発光体17oのいずれかを点灯又は点滅させている状態で、扉開閉検出スイッチ27がオフして引出部Hが収納位置に位置していない状態が検出されると、点灯または点滅させている白色発光体17w又は橙色発光体17oを消灯する。
【0067】
次に、使用者によるグリル操作部40の操作や引出部Hの出退操作に伴うグリル用導光部材16の放射面16rの発光状態について、説明する。尚、下記の説明において、グリル用導光部材16の放射面16rが光ったり点滅したりする状態は、図10に示されている。
このようなグリルGは、引出部Hの汁受皿15に載置した焼き網12に被加熱物を載置し、その引出部Hをグリル庫7内に収納して、グリルバーナ3の燃焼を開始し、被加熱物の加熱調理が終了すると、燃焼制御手段C2によりグリルバーナ3が消火される形態で使用される。使用者が、このようにグリルGを使用するときは、電源スイッチ10をオンにし、このようなグリルGの使用が終了すると、電源スイッチ10をオフにする。又、このようなグリルGの使用の後、汁受皿15及び焼き網12を洗浄するときは、必ず、汁受皿15を引出部Hから取り外して洗浄し、洗浄が終わると、汁受皿15を引出部Hに載置することになる。
つまり、汁受皿センサSの検知情報が、引出部Hに汁受皿15が載置されている状態から載置されていない状態になった後に再び載置されている状態に変化するということは、汁受皿15が引出部Hから取り外された後、再度、引出部Hに載置されたことを意味し、汁受皿15及び焼き網12が洗浄されたものであると想定される。
【0068】
そして、グリルバーナ3が消火されてグリルGの運転を終了した後、使用者が、少なくとも一度、汁受皿15を引出部Hから取り外してから、再度、引出部Hに載置した場合は、次に、グリルGを使用するために電源スイッチ10をオンすると、白色発光体17wが発光するので、取手60に設けられたグリル用導光部材16の放射面16rが扉70の横幅方向の略全長にわたって細長く白色に光る。
一方、グリルバーナ3が消火されてグリルGの運転を終了した後、使用者が一度も汁受皿15を引出部Hから取り外さなかった場合は、次に、グリルGを使用するために電源スイッチ10をオンすると、白色発光体17wが点滅するので、取手60に設けられたグリル用導光部材16の放射面16rが扉70の横幅方向の略全長にわたって細長く白色に点滅する。
従って、使用者は、電源スイッチ10をオンし、且つ、引出部Hをグリル庫7内に押し込み操作したときのグリル用導光部材16の放射面16rの発光状態により、前回のグリルGの使用を終了してから、今回、グリルGを使用するまでの間に、汁受皿15を洗浄したか否かを明確に認識することができる。
【0069】
尚、グリル用導光部材16の放射面16rが光ったり点滅したりする形態は、上述のように扉70の横幅方向の略全長にわたる細長い形態となるが、以下の説明では、グリル用導光部材16の放射面16rが光ったり点滅したりするときの形態の記載は省略する。
【0070】
そして、自動焼きモード及びタイマ運転モードのいずれも設定していない場合、タイマ運転スイッチ44によりタイマ運転モードを設定した場合、並びに、自動焼きモードスイッチ43により自動焼きモードを設定した場合のいずれの場合でも、使用者は、グリル運転スイッチ41によりグリルGの運転を指令すると、グリルバーナ3が点火して橙色発光体17oが発光するのに伴って、取手60に設けられたグリル用導光部材16の放射面16rが橙色に光る。これにより、使用者は、グリルバーナ3が燃焼していることを明確に認識することができる。
【0071】
又、使用者は、グリル運転スイッチ41によりグリルGの停止を指令すると、グリルバーナ3が消火して橙色発光体17oが消灯すると共に白色発光体17wが発光するのに伴って、橙色に光っていたグリル用導光部材16の放射面16rが白色に光る。これにより、使用者は、正常にグリルバーナ3が消火したことを明確に認識することができる。
又、タイマ運転モードの実行中にタイマ時間が経過してタイマ運転モードが正常に終了すると、又は、自動焼きモードの実行中に焼き調理の終了が予測されるタイミングになって自動焼きモードが正常に終了すると、グリルバーナ3が消火して橙色発光体17oが消灯すると共に白色発光体17wが点滅するのに伴って、橙色に光っていたグリル用導光部材16の放射面16rが白色で点滅する。これにより、使用者は、タイマ運転モード又は自動焼きモードが正常に終了したことを明確に認識することができる。
【0072】
又、自動焼きモード及びタイマ運転モードのいずれも設定していない場合、タイマ運転スイッチ44によりタイマ運転モードを設定している場合、並びに、自動焼きモードスイッチ43により自動焼きモードを設定している場合のいずれの場合でも、グリルバーナ3が燃焼しているときに、グリルバーナ3が立ち消えしたり、グリル庫7内の温度が異常に高くなってグリルバーナ3が消火されたりして、発光していた橙色発光体17oが点滅するのに伴って、橙色に光っていたグリル用導光部材16の放射面16rが橙色で点滅する。これにより、使用者は、グリルGの運転中に異常が起こってグリルバーナ3が消火したことを明確に認識することができる。
【0073】
更に、引出部Hが収納位置に位置していないと、取手60の放射面16rが光りも点滅もしないので、使用者は引出部Hが適正位置に収納されていないことを明確に認識することができる。
又、取手60の放射面16rが白色又は橙色のいずれかで光っている又は点滅しているときに、引出部Hを引き出すと、取手60の放射面16rの発光や点滅が停止するので、使用者は引出部Hを引き出したことを明確に認識することができる。
【0074】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 報知手段Aの具体構成は、上記の実施形態において例示した構成、即ち、グリル用導光部材16とグリル用発光部17とからなる構成に限定されるものではなく、例えば、LCD等の表示装置、LEDランプ、ブザー、あるいは、スピーカ等でも良い。
【0075】
(ロ) 汁受皿センサSの検知情報に基づくグリル用発光部17(他の作動手段に相当する)の作動の制御形態としては、上記の実施形態において例示した形態に限定されるものではない。
例えば、電源スイッチ10がオンされたときに、扉開閉検出スイッチ27により引出部Hが収納位置に位置している状態が検出されても、汁受皿センサSにより引出部Hに汁受皿15が載置されていないことが検知されている場合は、グリル用発光部17の橙色発光体17oを点滅させるように構成しても良い。
この場合は、使用者に、引出部Hに汁受皿15が載置されていないことを明確に認識させることができる。
【0076】
(ハ) 汁受皿センサSの検知情報に基づいて作動を制御する他の作動手段としては、上記の実施形態において例示したグリル用発光部17に限定されるものではなく、例えば、グリルバーナ3でも良い。この場合、例えば、扉開閉検出スイッチ27により引出部Hが収納位置に位置している状態が検出されている状態で、グリル運転スイッチ41によりグリルGの運転が指令されたときに、汁受皿センサSにより引出部Hに汁受皿15が載置されていないことが検知されている場合は、燃焼制御手段C2によるグリルバーナ3の点火を禁止するように構成する。
【0077】
(ニ) リード線収容部Rの具体的な構成は、上記の実施形態において例示した扁平筒状収容部80に限定されるものではない。例えば、リード線35を巻き取り自在で且つリード線35を巻き取る回転方向に付勢されたリールでも良い。
【0078】
(ホ) リード線35の引き回し形態は、上記の実施形態において説明した形態に限定されるものではない。例えば、扁平筒状収容部80の設置場所を、検知部Saを設けたスライドレール36の側方、グリル庫7の後方、又は、グリル庫7の上方等に設けても良い。
【0079】
(ヘ) 汁受皿センサSの具体的な構成は、上記の実施形態において例示した構成、即ち、検知部Saをコイル39にて構成して、そのコイル39のインダクタンスの変化に基づいて、引出部Hに汁受皿15が載置されているか否かを検知する構成に限定されるものではない。
例えば、検知部Saを磁気式や静電容量式等の近接センサにて構成しても良い。検知部Saを磁気式の近接センサで構成する場合、被検知部Spとして、磁気式の近接センサを作動させる磁石を汁受皿15に設けることになる。
あるいは、検知部Saをリミットスイッチやマイクロスイッチにて構成しても良い。この場合、被検知部Spとして、リミットスイッチやマイクロスイッチのオンオフ操作が可能なように突起部等を汁受皿15に設けることになる。
【0080】
(ト) 作動制御手段C1により汁受皿再載置状態の検知情報に基づいてグリル用発光部17の作動を制御する制御形態は、上記の実施形態において説明した制御形態に限定されるものではなく、以下の制御動作を実行するように作動制御手段C1を構成しても良い。
即ち、上記の第1実施形態と同様に、汁受皿再載置状態を判定するように構成する。
そして、燃焼制御手段C2によりグリルバーナ3が消火された後に、グリル運転スイッチ41(指令手段に相当する)によりグリルGの運転(加熱開始指令に相当する)が指令されたときに、扉開閉検出スイッチ27がオンして引出部Hが収納位置に位置している状態が検出されると、燃焼制御手段C2によりグリルバーナ3が消火されてからグリル運転スイッチ41によりグリルGの運転が指令されるまでの間に、コイル39のインダクタンスのA/D変換値に基づいて、汁受皿再載置状態を少なくとも一度判定したときは、白色発光体17wを発光させ、汁受皿再載置状態を一度も判定しなかったときは、白色発光体17wを点滅させるように構成する。
【0081】
つまり、作動制御手段C1が、燃焼制御手段C2によりグリルバーナ3が消火された後にグリル運転スイッチ41によりグリルGの運転が指令されたときは、燃焼制御手段C2によりグリルバーナ3が消火されてからグリル運転スイッチ41によりグリルGの運転が指令されるまでの間に、汁受皿センサSの検知情報に基づいて汁受皿再載置状態を少なくとも一度判定したときと一度も判定しなかったときとで、報知作動状態を異ならせるべく、報知手段Aの作動を制御するように構成されていることになる。
この場合は、使用者は、引出部Hをグリル庫7内に押し込み操作し、且つ、グリル運転スイッチ41によりグリルGの運転を指令したときのグリル用導光部材16の放射面16rの発光状態により、前回のグリルGの使用を終了してから、今回、グリルGを使用するまでの間に、汁受皿15を洗浄したか否かを明確に認識することができる。
【0082】
(チ) 上記の実施形態においては、本発明をガスコンロに内蔵されたグリルGに適用する場合について例示したが、本発明は、グリルGのみを備えたものにも適用することができる。
又、ハロゲンランプ、電気抵抗線を内蔵したシーズヒータ、又は、電磁誘導加熱(通常、「IH」と呼ばれる)を行う磁界発生コイル等の電気式加熱手段を備えたコンロに内蔵されたグリルGにも適用することができる。
この場合、グリル庫7内を加熱する加熱手段としては、上記の実施形態において例示したグリルバーナ3に代えて、シーズヒータ等の電気式加熱手段を設けることになる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上説明したように、引出部に汁受皿が載置されているか否かの情報に基づいてグリルの運転を制御できるようにして、性能を向上し得るグリルを提供することができる。
【符号の説明】
【0084】
3 グリルバーナ(加熱手段)
7 グリル庫
8 前部開口部
10 電源スイッチ
12 焼き網
15 汁受皿
16 グリル用導光部材(導光部材)
16i 入光部
16r 放射面
17 グリル用発光部(発光手段)
39 コイル
41 グリル運転スイッチ(指令手段)
70 扉
A 報知手段(他の作動手段)
C1 作動制御手段
C2 燃焼制御手段(加熱制御手段)
G グリル
H 引出部
S 汁受皿センサ(汁受皿検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリル庫と、焼き網を載置自在な汁受皿を載置自在に有する引出部と、前記グリル庫内を加熱する加熱手段と、その加熱手段の作動を制御する加熱制御手段とを備え、前記引出部が、前記グリル庫内に収納される収納位置と前記グリル庫の前方に引き出される引出位置とに出退移動自在に設けられたグリルであって、
前記引出部に前記汁受皿が載置されているか否かを検知する汁受皿検知手段と、
その汁受皿検知手段の検知情報に基づいて、他の作動手段の作動を制御する作動制御手段とが設けられているグリル。
【請求項2】
前記作動制御手段が、
前記汁受皿検知手段の検知情報に基づいて、前記引出部に前記汁受皿が載置されている状態から載置されていない状態になった後に再び載置されている状態となる汁受皿再載置状態を判定するように構成され、並びに、
前記加熱制御手段により前記加熱手段の加熱作動が停止された後に電源スイッチがオフにされ、次にオンにされたときは、前記加熱制御手段により前記加熱手段の加熱作動が停止されてから前記電源スイッチがオンにされるまでの間に、前記汁受皿検知手段の検知情報に基づいて前記汁受皿再載置状態を少なくとも一度判定したときと一度も判定しなかったときとで、報知作動状態を異ならせるべく、前記他の作動手段としての報知手段の作動を制御するように構成されている請求項1に記載のグリル。
【請求項3】
前記作動制御手段が、
前記汁受皿検知手段の検知情報に基づいて、前記引出部に前記汁受皿が載置されている状態から載置されていない状態になった後に再び載置されている状態となる汁受皿再載置状態を判定するように構成され、並びに、
前記加熱制御手段により前記加熱手段の加熱作動が停止された後に、前記加熱手段の加熱作動を開始させるための加熱開始指令が指令手段により指令されたときは、前記加熱制御手段により前記加熱手段の加熱作動が停止されてから前記指令手段により前記加熱開始指令が指令されるまでの間に、前記汁受皿検知手段の検知情報に基づいて前記汁受皿再載置状態を少なくとも一度判定したときと一度も判定しなかったときとで、報知作動状態を異ならせるべく、前記他の作動手段としての報知手段の作動を制御するように構成されている請求項1に記載のグリル。
【請求項4】
前記引出部に、それが前記収納位置に位置するときに前記グリル庫の前部開口部を閉じるように扉が備えられ、
前記扉に、外部から光を入射可能な入光部と、その入光部から入射した光を放射する放射面とを備える導光部材が設けられ、
前記入光部が、前記引出部が前記収納位置に位置する状態で、前記前部開口部の内面部に近接し、且つ、前記引出部の出退移動方向に交差する方向から光が入射可能なように、前記導光部材に備えられ、
前記放射面が、前方側から視認可能なように、前記導光部材に備えられ、
前記引出部が前記収納位置に位置する状態で前記入光部に光を入射可能なように、発光手段が前記前部開口部に設けられて、
前記報知手段が、前記導光部材と前記発光手段とを備えて構成され、
前記作動制御手段が、前記発光手段の作動を制御するように構成されている請求項2又は3に記載のグリル。
【請求項5】
前記汁受皿検知手段が、前記引出部側に設けられたコイルを備えて、前記汁受皿が前記引出部に載置されている状態と載置されていない状態での前記コイルのインダクタンスの変化に基づいて、前記引出部に前記汁受皿が載置されているか否かを検知するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のグリル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−254158(P2012−254158A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128446(P2011−128446)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】