説明

グリース及び転がり軸受

【課題】転がり軸受の電食の発生を防止する。
【解決手段】基油としてポリグリコール油及びエステル油のいずれか又は組合せたものをグリース全体の40質量%以上含有し、増ちょう剤は金属石けんであり、体積抵抗率が5×1010Ωcm以下のグリースを転がり軸受1に封入する。これにより電食が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道輪及び転動体に生じる電食を防止することができるグリース及び転がり軸受に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からインバータ制御回路を有するモータに転がり軸受を使用する場合には、インバータ回路から高周波の漏れ電流が生じ、この電流が回転中の軸受の軌道輪と転動体との接触部分に流れ、潤滑油膜を通してスパークし、転走面が局部的に溶融し凹凸となる電食現象が発生しやすいという問題が知られている。
その対策として、特許文献1では、軸受に通電ブラシを取り付け、漏れ電流を軸受外部の通電ブラシに優先的に通電させ、軸受内に電流が流れるのを防止することで、電食の発生を防止している。
【特許文献1】登録実用新案第2582960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に示す軸受は事務機用であり、通常事務機用軸受の回転速度は毎分数十〜数百回転程度であるため、特許文献1に示すような対策で対応できる。しかしながら、インバータ制御回路を有する家電機器用モータ(ファンモータ、クリーナモータ、洗濯機モータ)、クリーンルーム用ファンモータ、換気扇用モータ、給湯器用モータ等は、通常毎分数百〜数千回転程度であるため、特許文献1に示す軸受では安定した除電が困難であった。また、さらに重要な機能として軸受トルクが小さいことが求められることから、軸受自体の構成を変えることなく、グリースの機能により電食防止を実現することが望まれる。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、電食を防止可能なグリース及びこれを用いた転がり軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1によるグリースは、基油と増ちょう剤と添加剤とからなるグリースにおいて、前記基油として、ポリグリコール油及びエステル油のいずれか又は組合せたものをグリース全体の40質量%以上含有し、増ちょう剤は金属石けんであり、グリース全体の体積抵抗率が5×1010Ωcm以下であることを特徴とする。
このように体積抵抗率の小さいグリースを用いると、軸受内部を電流が通過する際に、内外輪及び転動体間の電位差を減じ、体積抵抗率の大きいグリースに比べて電流の接触点への集中を抑制できるので、電食の発生を抑制できる。
【0005】
本発明の請求項2による転がり軸受は、外周に軌道面を有する内輪と、該内輪の軌道面に対向する軌道面を有し前記内輪の外周側に配置された外輪と、前記両軌道面の間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備え、前記軌道面がグリースにより潤滑される転がり軸受において、前記グリースは、基油と増ちょう剤と添加剤とからなり、前記基油として、ポリグリコール油及びエステル油のいずれか又は組合せたものをグリース全体の40質量%以上含有し、増ちょう剤は、金属石けんであり、グリース全体の体積抵抗率が5×1010Ωcm以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のグリースによれば、電食の発生を抑制できる。また、本発明のグリースを用いた転がり軸受は、電食の発生が抑制されるので耐久性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る転がり軸受及びグリースの実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[転がり軸受について]
図1は、本発明に係る転がり軸受の一実施形態である転がり軸受の構造を示す部分縦断面図である。
図1の転がり軸受は、内輪11と、外輪12と、内輪11及び外輪12の間に転動自在に配置された複数の玉13と、内輪11及び外輪12の間に複数の玉13を保持する保持器14と、外輪12の両端部の内周面に取り付けられたシールド15,15と、を備える。このシールド15は内輪11及び外輪12の間に介在され、内輪11の外周面と外輪12の内周面との間の開口部分をほぼ覆っている。
【0008】
また、内輪11及び外輪12の間に形成され玉13が配された空隙部(以下、軸受空間と呼ぶこともある。)内には、グリース16が封入されており、シールド15により軸受内部に密封されている。なお、シールド15は本発明において必須の構成ではなく、例えばシールド15の代わりにゴムシールなどでグリースを封入するようにしてもよい。また、軸受の形状等も図1に示すものに限定されない。
【0009】
次に、上記転がり軸受に封入されるグリース16について説明する。
[グリースについて]
グリース16は、基油と、増ちょう剤と、添加剤と、からなる。
[基油について]
基油としては、ポリグリコール油及びエステル油のいずれか又はこれらを組合せたものをグリース全体の40質量%以上使用する。これらの基油は、電気的極性を有するため体積抵抗率が小さいので好ましい。これらの基油がグリース全体の40質量%未満であると、グリース全体の体積抵抗率が大きくなるので、含有量は40質量%以上とする。
【0010】
ポリグリコール油としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール(プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体など)が挙げられる。ポリオキシアルキレングリコール油は、グリコール油は、各種単量体の重合比率を変えることで水溶性や油溶性に調整できる。これらは単独でも複数種を併用してもよい。
【0011】
エステル油としては、例えば、二塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られるジエステル油、芳香族エステル油、一塩基酸と多価アルコールとの反応から得られるネオペンチル型ポリオールエステル油、リン酸エステル(リン酸トリクレジルなど)を好適に挙げることができる。これらは単独でも複数種を併用してもよい。以下に、それぞれの好ましい具体例を開示する。
【0012】
ジエステル油としては、ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)、ジブチルセバケート(DBS)、ジオクチルセバケート(DOS)、メチル・アセチルリシノレート(MAR−N)などが挙げられる。
芳香族エステル油としては、トリオクチルトリメリテート(TOTM)、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテートなどが挙げられる。
【0013】
ネオペンチル型ポリオールエステルは、炭素数5〜12好ましくは5〜9のネオペンチル型ポリオールと、炭素数4〜18好ましくは6〜12の有機酸との反応によって作られる。
ネオペンチル型ポリオールは、ネオペンチル構造を有する多価アルコールであり、例えば、2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジオール(すなわち、ネオペンチルグリコール(NPG))、2−エチル−2−ブチル−プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチル−プロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−ブチル−プロパン−1,3−ジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン(TMP)、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール(PE)を使用でき、好ましくはNPG、2−メチル−2−ブチループロパン−1,3−ジオール、TMP、PEであり、特に好ましくはNPG、TMP、PEである。
【0014】
また、有機酸としては、例えばn−ブタン酸、i−酪酸、n−ペンタン酸、1−吉草酸、n−ヘキサン酸、2−エチルブタン酸、i−ヘキサン酸、ヘキサヒドロ安息香酸、n−へプタン酸、i−へプタン酸、メチルヘキサヒドロ安息香酸、n−オクタン酸、ジメチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、2,4,4−トリメチルペンタン酸、i−オクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、n−ノナン酸、i−ノナン酸、i−デカン酸、i−ウンデカン酸、2−ブチルオクタン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸等が使用でき、好ましくはn−ヘプタン酸、n−オクタン酸、ジメチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸である。
これら有機酸及びネオペンチル型ポリオールからのネオペンチル型ポリオールエステルの合成は、従来から知られている方法、例えば、酸性触媒の存在下で脱水縮合する方法によって行うことができる。
【0015】
ネオペンチル型ポリオールエステルとしては、例えば、NPGとヘプタン酸とのジエステル化合物、NPGと2−エチルブタン酸とのジエステル化合物、NPGとヘキサン酸及びヘプタン酸の混合物とのジエステル化合物、TMPとペンタン酸とのトリエステル化合物、TMPとヘキサン酸とのトリエステル化合物、TMPとブタン酸及びオクタデカン酸の混合物とのトリエステル化合物、TMPとヘキサン酸、ヘプタン酸及びオクタン酸の混合物とのトリエステル化合物、PEとペンタン酸とのテトラエステル化合物、PEと炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状カルボン酸2種以上の混合物とのテトラエステル化合物等が挙げられる。また、NPG、TMP及びPE以外のネオペンチル型ポリオール(すなわち2−メチル−2−プロピル−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールヘキサンなど)と、上記有機酸の単体又は混合物と、のエステル化合物等が挙げられる。なお、分子内電気的極性を保つためには基油は炭化水素鎖長が比較的短く、分子量が小さい方が好ましい。
【0016】
[増ちょう剤について]
増ちょう剤としては、脂肪酸の金属塩である金属石けん又は金属複合石けんを用いる。脂肪酸として、12−ヒドロキシステアリン酸、牛脂系脂肪酸であるステアリン酸などを挙げることができる。金属源として、カルシウムやバリウムなどを含むアルカリ土類金属、リチウムやナトリウムなどを含むアルカリ金属、アルミニウムなどの金属水酸化物を用いることができる。これらの中で、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムが望ましい。ステアリン酸リチウム石けんは耐フレッチング性、耐摩耗性を向上促進する。また、リチウム複合石けんは、グリースの滴点が高く耐熱性に優れるので好ましい。
増ちょう剤の含有量は、適切なグリースちょう度を得るために特に制約がないが、2〜25質量%程度である。
【0017】
[添加剤について]
グリースには、その効果を阻害しない範囲で、導電性付与剤、酸化防止剤、防錆剤、油性剤、摩耗防止剤などを適宜添加することができる。特に、室温において粘性液体であるものはグリースを軸受に封入した際軸受の音響、振動に影響を与えないので好ましい。また、導電性を高めるためには添加剤として分子内極性を有するものを用いることが好ましい。なお、添加剤はグリースの各種機能を高めることができるが、アウトガスに影響することがあるので、その他添加剤の総量はグリース全体の15質量%未満が好ましい。
【0018】
(導電性付与剤)
導電性付与剤は、グリース中の電気配向性を高め、グリースの導電率を高めるものであり、例えば、界面活性剤、導電性ポリマー、導電性カーボンブラック、金属系導電性付与剤を加えることが有効である。
界面活性剤には、スルホン酸型界面活性剤(例えばアルコールサルフェート、アルコールエトキシサルフェート、アルコールエーテルサルフェート、芳香族エーテルサルフェート)、リン酸エステル型界面活性剤(例えば芳香族リン酸エステル、脂肪族リン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、イミダゾリン型界面活性剤などが挙げられる。
【0019】
導電性ポリマーとしては、例えばポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンが挙げられるほか、金属イオンとポリアルキレングリコールポリマーの組み合わせなどがあげられる。
導電性カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどを挙げることができる。市販されている導電性カーボンブラックは、おおむね平均一次粒子径が200nmを下回っているため、用途や使用条件にもよるものの異物とはみなされない範囲である。好ましくは、中空構造(ポーラスな構造)を有しさらに適度なチェーン構造を有しているものや、表面を親油処理しているものがよい。親油性があるため過度な油分離や硬化を抑制できる。
【0020】
金属系導電性付与剤としては、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、亜鉛、ステンレス、ニッケル等の粉末又は繊維が好ましい。ただし、粒子長径が2μmを超えると異物とみなされ、軸受回転時のノイズが大きくなるので好ましくない。2μm以下の金属微粒子を加えることによって、導電性を高めることができるほか、転動面が微粒子に研磨されることで摩耗による酸化被膜や、電食による凹凸の損傷をミクロ的に平滑化できるため、さらに長時間安定した機能を保つことができる。
(酸化防止剤)
グリースの酸化を防ぐ為に酸化防止剤を使用することができる。酸化防止剤としては、例えば、アミン系化合物、フェノール系化合物、亜鉛ジチオカーバメートを挙げることができる。
【0021】
(防錆剤及び油性剤)
先に例示した界面活性剤と重複するが、油性剤として、例えば、脂肪酸(オレイン酸やステアリン酸等)、脂肪酸アルコール(オレイルアルコール等)、脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンステアリン酸エステル等)、リン酸エステル(トリクレジルフォスフェート、ラウリル酸エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸等)を使用することができる。
【0022】
防錆剤として、例えば、金属系防錆剤、無灰系防錆剤が挙げられる。金属系防錆剤としては、例えば(石油)スルホン酸金属塩(バリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、リチウム塩など)のような油溶性スルホネートや、フェネート、サリシレート、ホスホネートが挙げられる。無灰系防錆剤では、例えば、コハク酸イミド、ベンジルアミン、コハク酸エステル、コハク酸ハーフエステル、ポリメタクリレート、ポリブテン、ポリカルボン酸アンモニウム塩が挙げられる。
【0023】
(摩耗防止剤)
摩耗防止剤は、対荷重性能を高める為必要に応じて適宜加える事ができる。例えば、ジチオカルバミン酸金属塩(亜鉛塩、モリブデン塩、テルル塩、アンチモン塩、セレン塩、鉄塩、銅塩当など)やこれらの組み合わせ、ジチオリン酸金属塩(亜鉛塩、モリブデン塩、アンチモン塩など)、その他の有機金属化合物(オクチル酸鉄、ナフテン酸銅、ジブチルスズサルファイド、フェネート、ホスフェートなど)も必要に応じて使用できる。
【0024】
[ちょう度について]
グリースちょう度は特に限定しないがNLGIでNo.1〜4程度が好ましい。より好ましくはNo.2〜No.3程度が好ましい。グリースが硬過ぎると、トルクの安定性に支障が生じたり、グリースの転走面(転動面及び転動体表面)への補給性が悪くなったりする。一方、やわらか過ぎるとグリース漏洩を引き起こしやすくなり好ましくない。
【実施例】
【0025】
以下に、本発明の効果を確認するための試験を行ったので説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
まず、試験対象となるグリースを次のようにして作製した。
各基油に増ちょう剤(12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及び12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム)を分散、加熱溶解させ、バットにあけ急冷させた。そして、添加剤、又は基油に溶解させた添加剤をバットに加えて混合撹拌し、3段ロールミルで仕上げた。比較例1のジウレアグリースは、シクロヘキシルアミンとインシアネート(MDI:4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート)を基油中で反応させ、さらに所定量の添加剤を加えた後、3段ロールミルで仕上げた。表中に記載していないが全ての実施例及び比較例にアミン系酸化防止剤1質量%、防錆剤として亜鉛スルホネート1質量%を添加してある。
【0026】
次に、上記のようにして作製した試験対象のグリースを、図2に示すような特開2004−92750号公報に記載の試験装置と同じ試験装置の試験軸受1に封入した(軸受空間容積の25%分)。試験軸受1は、軸受鋼(SUJ2)を使用した玉軸受(呼び番号608ZZ)であり、外輪がスリーブ6Aに固定され、内輪がモータ24の回転軸21に取り付けられ回転可能にされている。これと共に、試験軸受1はモータ24の駆動に伴いインバータ25からの漏れ電流が流れるように配置されている。なお、図2中、符号22は回転軸21支持用の軸受22であり、符号23は回転軸21を繋ぐ継ぎ手である。また、回転軸21は一端で接地している。
【0027】
そして、試験軸受1を室温条件下、アキシアル荷重27.4N、回転速度1800min-1で所定時間回転させて試験を行い、回転前後のアンデロン値をアンデロン装置(音響測定装置)を用いて測定した。試験は各試験対象のグリースにつき3回ずつ行い、試験前から試験後のアンデロン値の上昇が1未満のものを「○」、1以上のものを「×」として作表した。さらに、試験後、アンデロン値の上昇が1以上であったもの及び実施例9について、試験軸受1を分解し、軌道輪の転動体(玉)走行跡を光学顕微鏡で観察した。走行跡の程度で、ほとんど跡がなかったものを「○」、薄い走行跡が確認されたものを「△」、変色した明確な走行跡が確認されたものを「×」として、表に記載した。
試験結果及び各試験対象のグリースの組成を表1〜表3に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
【表3】

【0031】
試験結果は、表1に示すように、本発明に係るグリースを用いた全ての実施例1〜16において「○」であり、グリースの体積抵抗率が5×1010以下であると電食防止効果を示すことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施形態に係るグリースを示す断面図である。
【図2】試験装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0033】
1 軸受、11 内輪、12 外輪、13 玉、14 保持器、15 シールド、16 グリース、6A スリーブ、24 モータ、21 回転軸、24 モータ、25 インバータ、22 軸受(試験装置の回転軸支持用)、23 継ぎ手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基油と増ちょう剤と添加剤とからなるグリースにおいて、
前記基油として、ポリグリコール油及びエステル油のいずれか又は組合せたものをグリース全体の40質量%以上含有し、
増ちょう剤は金属石けんであり、
グリース全体の体積抵抗率が5×1010Ωcm以下であることを特徴とするグリース。
【請求項2】
外周に軌道面を有する内輪と、該内輪の軌道面に対向する軌道面を有し前記内輪の外周側に配置された外輪と、前記両軌道面の間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備え、前記軌道面がグリースにより潤滑される転がり軸受において、
前記グリースは、基油と増ちょう剤と添加剤とからなり、
前記基油として、ポリグリコール油及びエステル油のいずれか又は組合せたものをグリース全体の40質量%以上含有し、
増ちょう剤は、金属石けんであり、
グリース全体の体積抵抗率が5×1010Ωcm以下であることを特徴とする転がり軸受。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−161884(P2007−161884A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360264(P2005−360264)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】