説明

グリース組成物

【課題】高温下でも状態変化が少なく、酸化安定性に優れたグリース組成物の提供。
【解決手段】全体を100重量部として、基油60〜95重量部、ウレア系増ちょう剤3〜25重量部およびヒンダードアミン系酸化防止剤0.05〜5重量部を混合してなるグリース組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリース組成物に関する。より詳細には、熱安定性や酸化安定性を有するグリース組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
グリース潤滑剤としては、一般に、基油に鉱油や各種の合成油を用い、増ちょう剤にカルシウム石けん、リチウム石けん、カルシウム複合石けん、カルシウムスルホネート系、リチウム複合石けん、アルミニウム複合石けん、クレイ、シリカゲル、ウレア化合物、ナトリウムテレフタラメート、フッ素樹脂などを使用したものが使われている。
【0003】
近年、機械の小型化、軽量化または高速化に伴い、またメンテナンスフリー化の浸透により、高温で長時間使用できる熱安定性に優れたグリース潤滑剤が求められている。一般的に、グリース潤滑剤の熱安定性は、使用する基油の種類や粘度にも影響されるが、グリース構造の核とも言える増ちょう剤の種類やその含有量によって大きく支配される。
【0004】
例えば、ウレア系増ちょう剤を使用したウレアグリースは熱安定性や酸化安定性に優れ、金属石けん系増ちょう剤を使用したグリースに比べて、ウレアグリースを封入した軸受は高温で長い寿命を示すことが知られている。しかしながら、これらのウレアグリースの優れた熱安定性や酸化安定性は、多くの場合、酸化防止剤は含まれているが、主としてウレア系増ちょう剤に起因するものである。ウレアグリースの熱安定性や酸化安定性を更に向上させるために、特許文献1〜3のように酸化防止剤の選択によって検討されている。例えば、特許文献1では、ジウレア化合物を増ちょう剤としたウレアグリースに対して亜リン酸エステルとヒンダードアミンの組合せが検討されている。特許文献2では、ジウレア化合物を増ちょう剤としたウレアグリースに対してα−ナフチルアミン類とジフェニルアミン類の組合せが検討されている。特許文献3では、ウレアグリースに対して、アラルキルジフェニルアミンとヒンダードフェノールの組合せが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−77244号公報
【特許文献2】特開2004−359809号公報
【特許文献3】国際公開2007−037322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、基油にウレア系増ちょう剤を加えたウレアグリースに適した酸化防止剤を配合することにより、高温でも硬化や液状化などの状態変化が少なく、酸化安定性により優れたグリース組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる状況の下、発明者が鋭意検討した結果、ウレアグリースにヒンダードアミン系酸化防止剤と、任意にさらにヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加することによって、当該課題を解決することができることを見出した。
【0008】
より詳細には、本発明は、以下の本発明(1)〜(6)よりなる。
(1) 全体を100重量部として、基油60〜95重量部、ウレア系増ちょう剤3〜25重量部およびヒンダードアミン系酸化防止剤0.05〜5重量部を混合してなるグリース組成物。
【0009】
(2) さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤0.05〜5重量部を混合してなる前項(1)記載のグリース組成物。
【0010】
(3) 前記ヒンダードアミン系酸化防止剤がテトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびデカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニルエステルからなる群より選択される1種以上である前項(1)または(2)記載のグリース組成物。
【0011】
(4) 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤がオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)からなる群より選択される1種以上である前項(1)〜(3)のいずれか一項記載のグリース組成物。
【0012】
(5) 前記ウレア系増ちょう剤がアルキルジウレア化合物である前項(1)〜(4)のいずれか一項記載のグリース組成物。
【0013】
(6) さらに第三リン酸カルシウム0.5〜30重量部を混合してなる前項(1)〜(5)のいずれか一項記載のグリース組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明のグリース組成物は、高温下での優れた熱安定性と酸化安定性を有するので、高温域を含む広範囲の温度において潤滑剤として機能を果たすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は、このような特定の用途に何ら限定されるものではなく、任意の用途において幅広く適用できることは言うまでもない。本発明のグリース組成物は、「基油」、「増ちょう剤」および「酸化防止剤」を含有する。以下、グリース組成物に含まれる各成分、グリース組成物における各成分の量(配合量)、グリース組成物の製造方法、グリース組成物の性状、グリース組成物の用途を順に説明する。
【0016】
≪グリース組成物(成分)≫
[基油]
本発明のグリース組成物に用いられる基油には、通常の潤滑油に使用される鉱油、合成油、動植物油、これらの混合油を適宜使用することができ、その動粘度は100℃において約2〜40mm2/s程度のものが好ましい。特に、API(American Petroleum Institute;米国石油協会)基油カテゴリーでグループ1、グループ2、グループ3、グループ4などに属する基油を、単独または混合物として使用することができる。
【0017】
グループ1基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、溶剤精製、水素化精製、脱ろうなどの精製手段を適宜組み合わせて適用することにより得られるパラフィン系鉱油がある。グループ2基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、水素化分解、脱ろうなどの精製手段を適宜組み合わせて適用することにより得られたパラフィン系鉱油がある。ガルフ社法などの水素化精製法により精製されたグループ2基油は、全イオウ分が10ppm未満、アロマ分が5%以下であり、本発明において好適に用いることができる。グループ3基油およびグループ2プラス基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、高度水素化精製により製造されるパラフィン系鉱油や、脱ろうプロセスにて生成されるワックスをイソパラフィンに変換・脱ろうするISODEWAXプロセスにより精製された基油や、モービルWAX異性化プロセスにより精製された基油があり、これらも本発明において好適に用いることができる。
【0018】
合成油としては、例えば、ポリオレフィン、セバシン酸ジオクチルのような二塩基酸のジエステル、ポリオールエステル、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、エステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールエステル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ポリフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、含フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル、フッ素化ポリオレフィンなど)、シリコーンなどが挙げられる。上記ポリオレフィンには、各種オレフィンの重合物またはこれらの水素化物が含まれる。オレフィンとしては任意のものが用いられるが、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、炭素数5以上のα−オレフィンなどが挙げられる。ポリオレフィンの製造にあたっては、上記オレフィンの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。特にポリα−オレフィン(PAO)と呼ばれているポリオレフィンが好適であり、これはグループ4基油である。
【0019】
天然ガスの液体燃料化技術のフィッシャートロプッシュ法により合成されたGTL(ガストゥリキッド)は、原油から精製された鉱油基油と比較して、硫黄分や芳香族分が極めて低く、パラフィン構成比率が極めて高いため、酸化安定性に優れ、蒸発損失も非常に小さいため、本発明の基油として好適に用いることができる。
【0020】
[増ちょう剤]
本発明において使用される増ちょう剤としては特に制限されないが、高温での酸化安定性やベアリング寿命の観点および機械部品の損傷防止効果の観点からウレア系増ちょう剤を必須成分として含有し、任意成分として第三リン酸カルシウム、石けん系増ちょう剤、ベントン、シリカゲルなどを含有していてもよい。これら増ちょう剤は、グリース組成物の滴点が200℃以上、より好ましくは250℃以上となるものが好ましい。グリース組成物の滴点が250℃以上であれば、潤滑上の問題、例えば、高温での軟化やそれに伴う漏洩、焼付けなどが生じる可能性を抑えられるからである。
【0021】
本発明に使用するウレア系増ちょう剤は尿素結合を含むすべての増ちょう剤をいい、この尿素結合は一般にイソシアネートとアミンを反応させることにより得られる。ウレア系増ちょう剤としては、例えば、モノウレア、モノウレアモノウレタンなどのモノウレア系化合物、ジウレア、ジウレアモノウレタン、ジウレアジウレタンなどのジウレア系化合物、トリウレア、トリウレアモノウレタン、トリウレアジウレタン、トリウレアトリウレタン、テトラウレア、テトラウレアモノウレタン、テトラウレアジウレタン、テトラウレアトリウレタン、テトラウレアテトラウレタンなどのポリウレア系化合物などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0022】
ジウレア系化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンとの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、フェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクカデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネートなどが挙げられ、モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン、アニリン、p−クロロアニリン、ベンジルアミン、m−キシリジン、p−トルイジン、o−トルイジン、シクロヘキシルアミン、フルフリルアミンなどが挙げられる。
【0023】
ポリウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとジアミンおよびモノアミンとの反応で得られる。ジイソシアネートとモノアミンは、ジウレア化合物の生成に用いられるものと同様のものが挙げられ、ジアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミンなどが挙げられる。さらにウレア結合に加えウレタン結合を含む化合物としては、イソシアネートにアルコールを反応させることによって得ることができる。アルコールとしては、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシンアルコールなどが挙げられる。なお、原料の取り扱いや製造のしやすさから、ジイソシアネートとアルキルモノアミンとの反応で得られるアルキルジウレアが好ましい。
【0024】
(他の増ちょう剤)
本発明のグリース組成物には、上記のウレア系増ちょう剤とともに他の増ちょう剤を併用することができる。こうした他の増ちょう剤としては、第三リン酸カルシウム、アルカリ金属石けん、アルカリ金属複合石けん、アルカリ土類金属石けん、アルカリ土類複合石けん、アルカリ金属スルホネート、アルカリ土類金属スルホネート、その他の金属石けん、テレフタラメート金属塩、クレイ、シリカエアロゲルなどのシリカ(酸化ケイ素)、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を併せて使用することができる。また、これら以外にも液状物質に粘ちょう効果を付与できるものはいずれも使用することができる。
【0025】
上記第三リン酸カルシウムとしては、Ca(POを使用することができるが、一般的には〔Ca(PO・Ca(OH)で表わされるヒドロキシアパタイト組成の化学構造を有しているものを用いることができる。粒径サイズについては、通常、平均粒径が約100μm以下であれば使用でき、好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下である。本発明において含有量を表示する場合には〔Ca(PO・Ca(OH)に基づいた質量で表示するものとする。また、アルカリ金属石けんあるいはアルカリ土類金属石けんは、一般に、脂肪酸とアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属の反応によって得られるものが挙げられるが、この脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサン酸などがある。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、また、アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。これらのアルカリ金属石けんとしては、リチウム石けん、リチウム複合石けん、ナトリウム石けん、ナトリウム複合石けん、カリウム石けん、カリウム複合石けんなどがあり、また、アルカリ土類金属石けんとしては、カルシウム石けん、カルシウム複合石けん、マグネシウム石けん、マグネシウム複合石けん、バリウム石けん、バリウム複合石けんなどが挙げられる。さらに、その他の金属石けんとしては、アルミニウム石けん、アルミニウム複合石けんなどが挙げられる。
【0026】
複合石けんは、上記の如き脂肪酸の金属石けんに第二の酸の金属塩を複合的に含んだものである。例えば、リチウム複合石けんは、脂肪酸のリチウム塩の他に第二の酸の金属塩を含むものが挙げられ、具体的には、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとアゼライン酸リチウムを配合したものなどが挙げられる。アルミニウム複合石けんは、具体的にはアルミニウムステアレートベンゾエートなどが挙げられる。上記テレフタラメート金属塩としては、ナトリウムテレフタラメート、リチウムテレフタラメートなどが挙げられ、好ましくはナトリウムテレフタラメートが用いられる。
【0027】
[酸化防止剤]
本発明のグリース組成物には、酸化に対する安定化を目的として、酸化防止剤が含まれる。酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤が必須成分として用いられ、さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤を併用するのがより好ましい。
【0028】
(ヒンダードアミン系酸化防止剤)
本発明におけるヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニルエステルなどが挙げられる。
【0029】
(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
本発明におけるヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)などが挙げられる。
【0030】
[任意の添加剤]
(他の酸化防止剤)
前記のヒンダードアミン系酸化防止剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤とともに、その他の酸化防止剤(ジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸塩系、無灰ジチオカーバメート、ベンズイミダゾール系、亜リン酸系および有機チオ酸系など)を併用することができる。ジチオカルバミン酸塩系としては、ニッケルジブチルジチオカーバメート、亜鉛ジメチルジチオカーバメート、亜鉛ジエチルジチオカーバメートなどが挙げられる。ベンズイミダゾール系としては、2−メルカプトベンズイミダゾールなどがある。亜リン酸系としては、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリオクタデシルホスファイトなどが挙げられる。有機チオ酸系としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネートなどが挙げられる。上記の酸化防止剤は、単独で、または複数を組み合わせて用いることができる。
【0031】
(その他の添加剤)
本発明のグリース組成物には、上述の成分のほか、任意の防錆剤、極圧剤、金属不活性剤、金属系清浄剤、非金属系清浄剤、消泡剤、増粘剤、着色剤、撥水剤などの添加剤を加えてもよい。防錆剤として、例えば、金属系スルホネート、コハク酸エステルなどを挙げることができる。金属系清浄剤として、例えば、金属スルホネート、金属サリチレート、金属フィネートなどを挙げることができる。非金属系清浄剤として、例えば、コハク酸イミドなどを挙げることができる。金属不活性化剤として、例えば、ベンゾトリアゾール、チアジアゾールなどを挙げることができる。消泡剤として、例えば、メチルシリコーン、ジメチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレートなどを挙げることができる。
【0032】
≪グリース組成物(各成分の配合量)≫
次に、本発明に係るグリース組成物における配合量を説明する。
[基油]
基油の配合量としては、グリース組成物全体を100重量部として、好ましくは60〜95重量部であり、より好ましくは70〜90重量部である。
【0033】
[増ちょう剤]
(ウレア系増ちょう剤)
ウレア系増ちょう剤の配合量は、グリース組成物全体を100重量部として、好ましくは3〜25重量部、より好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは8〜18重量部である。配合量が少なすぎると増ちょう効果が少なくグリース状とならず、配合量が多すぎるとグリースは硬くなりすぎて十分な潤滑効果が得られない。
【0034】
(他の増ちょう剤)
その他各種増ちょう剤(第三リン酸カルシウム、石けん系増ちょう剤、ベントン、シリカゲルなど)を必要に応じて添加してもよく、添加する場合、グリース組成物全体を100重量部としてそれぞれ好ましくは0.05〜30重量部、より好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部配合することができる。
【0035】
(増ちょう剤の合計量)
ウレア系増ちょう剤を単独でも、または、他の増ちょう剤と組み合わせて使用することができるが、両者の総量がグリース組成物全体を100重量部として好ましくは3〜40重量部、より好ましくは5〜20重量部になるように使用するのが好ましい。
【0036】
[酸化防止剤]
(ヒンダードアミン系酸化防止剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤)
ヒンダードアミン系酸化剤の配合量は、グリース組成物全体を100重量部として好ましくは0.05〜5.0重量部、より好ましくは0.1〜4.0重量部、さらに好ましくは0.2〜2.0重量部使用するのが好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードアミン系酸化防止剤に加えて用いられていてもよく、グリース組成物全体を100重量部として好ましくは0.05〜5.0重量部、より好ましくは0.07〜2.5重量部、さらに好ましくは0.08〜2.25重量部用いられる。ヒンダードアミン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤をともに用いる場合の合計配合量は、グリース組成物全体を100重量部として、好ましくは0.1〜8.0重量部、より好ましくは0.15〜6.0重量部、さらに好ましくは0.20〜4.0重量部が使用される。ヒンダードアミン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤の両者を配合する場合には、例えば、好ましくはヒンダードアミン系酸化防止剤:ヒンダードフェノール系酸化防止剤=5:1〜1:5、より好ましくは3:1〜1:3、さらに好ましくは4:1〜1:1の任意の重量比で用いることができる。
【0037】
(任意の添加剤)
前記任意の添加剤は、本発明の目的と効果を有する限りにおいて、必要に応じて任意の量を用いることができる。
【0038】
≪グリース組成物の製造方法≫
本発明のグリース組成物は、一般的に行われるウレアグリースの製造方法で製造することができる。例えば、50℃に加熱した基油にイソシアネート化合物とアミン化合物を溶解し、さらに加熱・撹拌することにより基油中に増ちょう剤であるウレア化合物を生成させ、165℃まで加熱したら1時間保持し、その後、ヒンダードアミン系酸化防止剤と、任意にさらにヒンダードフェノール系酸化防止剤を加え撹拌・混合し、室温まで冷却し、三本ロールミルなどを使用して仕上げ処理を行い、所望のウレアグリースを得ることができる。
【0039】
なお、他の増ちょう剤を配合する場合、他の増ちょう剤は、基油にウレア系増ちょう剤と酸化防止剤を混合した粘ちょう物に加えることができ、また、基油に上記他の増ちょう剤を混合した粘ちょう物にウレア系増ちょう剤と酸化防止剤を加えることによって、グリース組成物を得ることができる。この場合、基油にウレア系増ちょう剤と酸化防止剤を含むグリース組成物と、基油に他の増ちょう剤を主として含む潤滑剤組成物とを、適当な割合に混合して本発明のグリース組成物とすることもできる。そして、上記のいずれの方法によっても、本発明の高温時に、熱安定性の高いグリース組成物を得ることができる。
【0040】
≪グリース組成物の性状≫
本発明のグリース組成物は、高温においてもグリースの状態が安定しており、色相の変化も極めて小さいことから、熱安定性や酸化安定性が高いものと考えられる。例えば、本発明のグリース組成物は好ましくは、以下の(1)、(2)および(3)の少なくとも1以上、より好ましくはすべてを満たす。
(1)高温加熱試験(165℃で24時間)において、不混和ちょう度と混和ちょう度の変化率が50%以下。
(2)薄膜加熱試験(150℃で100時間)において、蒸発量が25%以下、かつ、CO(カルボニル基)の吸光度増加率が35%以下。
(3)薄膜加熱試験後のグリースの状態の変化(色相変化など)が少なく良好である。
【0041】
≪グリース組成物の用途≫
本発明のグリース組成物は、用途として、一般に使用される機械、軸受、歯車などに使用可能であることはもちろん、より苛酷な荷重条件下で優れた性能を発揮することができる。例えば、自動車では、スターター、オルターネーターおよび各種アクチュエーター部のエンジン周辺、プロペラシャフト、等速ジョイント(CVJ)、ホイールベアリングおよびクラッチなどのパワートレイン、電動パワーステアリング(EPS)、制動装置、ボールジョイント、ドアヒンジ、ハンドル部、冷却ファンモーター、ブレーキのエキスパンダーなどの各種部品などの潤滑に好適に用いることができる。さらに、パワーショベル、ブルドーザー、クレーン車などの建設機械、鉄鋼産業、製紙工業、林業機械、農業機械、化学プラント、発電設備、乾燥炉、複写機、鉄道車両、シームレスパイプのネジジョイントなどの各種高温・高荷重部位に用いることも好ましい。その他の用途としては、ハードディスク軸受用、プラスチック潤滑用、カートリッジグリースなどが挙げられるが、これらの用途にも好適である。
【実施例】
【0042】
次に、本発明を実施例および比較例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例における各種性能試験法は下記の方法に従って測定した。
【0043】
(性能試験法)
1.ちょう度:JIS K 2220に示される方法に従って、不混和ちょう度と混和ちょう度の測定を行った。
【0044】
2.滴点(℃):JIS K 2220に示される方法に従って行った。
【0045】
3.高温加熱試験:(加熱前後の不混和ちょう度の変化率)%
1/2ちょう度計にて加熱前後の不混和ちょう度の変化率を測定した(165℃、24時間)。高温加熱試験:JIS K 2220の1/2ちょう度計で不混和ちょう度を測定した後、測定に使用したグリースが入ったカップを165℃の恒温槽に入れて24時間後に取り出し、25℃まで冷却して不混和ちょう度を測定した。試験結果は加熱前後の不混和ちょう度の変化率を以下の式で求めた。
不混和ちょう度変化率=(加熱試験前不混和ちょう度−加熱試験後不混和ちょう度)/(加熱試験前不混和ちょう度)×100
【0046】
4.薄膜加熱試験:JIS K 2246の湿潤試験方法に規定するSPCC鋼板 厚さ(1.0mm〜2.0mm)×縦60mm×横80mm寸法の試験片の片面の中央面積部分(50mm×70mm)に試料を1.0g±0.1g塗布し、150℃×100時間の加熱試験を行い、以下の項目を測定した。
【0047】
4.1 蒸発量:グリースを塗布したSPCC鋼鈑の加熱試験前後の重量を測定し、以下の式で蒸発量を求めた。
蒸発量(%)=(加熱試験前重量(g)−加熱試験後重量(g))/(加熱試験前重量)(g)×100
【0048】
4.2 赤外線吸収分析による吸光度:加熱試験前後のグリースについて赤外線吸収分析で、1710cm-1(CO:カルボニル基の吸収)と720cm-1
(ウレアグリース特有の基準となる吸光位置)の吸光度を測定した。吸光度の計算は以下の式を使用した。
・1710cm-1の吸光度=logI/I
(I:1800〜2000 cm-1の最大透過率、I:1710cm-1の透過率)
・720cm-1の吸光度=log I/I
(I:750〜850cm-1の最大透過率、I:720cm-1の透過率)
【0049】
次に、以下の式で加熱試験前の吸光度比(A)および加熱試験後の吸光度比(B)を求めた。
A(加熱試験前のグリースの吸光度比)=(1710cm-1の吸光度)/(720cm-1の吸光度)
B(加熱試験後のグリースの吸光度比)=(1710cm-1の吸光度)/(720cm-1の吸光度)
【0050】
さらに、グリースの酸化劣化の程度を示す吸光度増加率を「吸光度増加率:(B−A)/A×100」の式より求めた。
【0051】
4.3 グリースの目視観察:加熱試験後のグリースの状態を、色相変化を中心に目視観察した。表中、◎は非常に良好(色相変化がほとんどない)、○は良好(僅かに色相変化が認められる)、×は不適(大きく色相変化が認められる)を表す。
【0052】
(本組成物に用いられた原料)
本実施例および比較例で用いた原料は以下の通りである。
○増ちょう剤原料
増ちょう剤A:ジウレア系増ちょう剤(MDI、C8/C12=30/70、アルキルジウレア)
MDI(4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート):三井化学(株)コスモネートPH
C8(カプリリルアミン):花王(株)ファーミン08D
C12(ラウリルアミン):花王(株)ファーミン20D
増ちょう剤B:太平化学産業(株)第三リン酸カルシウム
【0053】
○基油
基油A:溶剤脱ろう精製により得られたパラフィン系鉱油で、グループ1に属するものであり、100℃動粘度が11.25mm2/s、粘度指数が97のものである。
基油B:ポリα−オレフィンで、グループ4に属するものであり、100℃動粘度が6.34 mm2/s 、粘度指数が136のものである。
基油C:高度水素化精製により製造されたパラフィン系鉱油で、グループ3に属するものであり、100℃動粘度が7.603mm2/s、粘度指数が128のものである。
基油D:フィッシャートロプシュ法により合成されたGTL(ガストゥリキッド)で、グループ3に属するものであり、100℃動粘度が7.77mm2/s、40℃動粘度が43.88mm2/s @、粘度指数が148のものである。
【0054】
○酸化防止剤
酸化防止剤A:テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(商品名:ADEKA AIN−570、ヒンダードアミン系酸化防止剤)
酸化防止剤B:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:ADEKA AIN−100、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
酸化防止剤C:ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX L101、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
酸化防止剤D:2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(商品名:Irganox 565、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
酸化防止剤E:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:Irganox1330、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
酸化防止剤F:p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(商品名:Vanlube81、芳香族アミン系酸化防止剤)
酸化防止剤G:スチレン化ジフェニルアミン(商品名:ステアラ−LAS、芳香族アミン系酸化防止剤)
【0055】
実施例および比較例組成物の製造方法
(1)実施例1〜3、8〜10および比較例1〜4(ウレア増ちょう剤量:14%)
基油A688g中で4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート(MDI)(16.52g、0.066モル)とカプリリルアミン(17.08g、0.132モル)とを約50℃で反応後、次いでMDI(31.60g、0.126モル)とラウリルアミン(46.80g、0.253モル)とを反応させ、約165℃まで加熱を行い、攪拌しながら1時間保持した。その後、表1に記載の実施例および比較例の処方に従って酸化防止剤を添加混合し、室温まで放冷後、3本ロールミルで仕上げ処理を行い、標記のグリースを得た。
【0056】
(2)実施例4〜7(ウレア増ちょう剤量:16%)
基油672g(各実施例の基油は表1および2に記載)中でMDI(18.88g、0.075モル)とカプリリルアミン(19.52g、0.151モル)を約50℃で反応後、次いでMDI(36.12g、0.144モル)とラウリルアミン(53.48g、0.289モル)とを反応させ、約165℃まで加熱を行い攪拌しながら1時間保持した。その後、表1に記載の実施例および比較例の処方に従って酸化防止剤を添加混合し、室温まで放冷後、3本ロールミルで仕上げ処理を行い、標記のグリースを得た。
【0057】
(3)実施例11および比較例5(ウレア増ちょう剤量:10%、CAP:5.0%)
実施例1における、酸化防止剤を加える前の基グリース400g(ウレア増ちょう剤量14.0%)を約120℃に加温した基油160gで希釈し、ウレア増ちょう剤量を10%とした。その後、第三リン酸カルシウム(CAP)をグリース全体の100重量部のうち5重量部の配合量となるように撹拌・分散させてグリースを得た。その後、表1に記載の実施例および比較例の処方に従って酸化防止剤を添加混合し、室温まで放冷後、3本ロールミルで仕上げ処理を行い、標記のグリースを得た。
【0058】
(4)比較例6
市販の鉱油系ウレアグリース(商品名:シェル スタミナ グリース RL2)を用いた。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
(実施例の考察)
1.ちょう度
混和前後のちょう度変化は、本発明のグリース組成物も、比較例のグリース組成物も、全体として小さかった。
【0063】
2.滴点
実施例のグリース組成物も、比較例のグリース組成物も、ともに250を超える滴点を示したことから、ウレアグリースの満たす基準を満たすことが分かった。
【0064】
3.高温加熱試験
実施例における加熱前後のちょう度の変化率は、50%以下であったので、熱硬化しにくく、好ましい。比較例1および6のグリース組成物は50%以下であったが、比較例2〜5のグリース組成物は50%を超えるちょう度の変化率であったので、グリースとしての高温に対する安定性が必ずしも十分ではない。
【0065】
4.薄膜加熱試験
4.1 蒸発量
実施例のグリース組成物は蒸発量が25%以下と良好であったが、比較例のグリース組成物はいずれも25%を超え、必ずしも良好とは言えなかった。
【0066】
4.2 吸光度
実施例のグリース組成物はいずれも0.300を下回る吸光度比であったが、比較例のグリース組成物はいずれも0.300を上回る吸光度比を示し、加熱後の酸化安定性における優劣が認められた。吸光度増加率は、加熱前と加熱後を比較すると、実施例のグリース組成物はいずれも35%未満であったのに対し、比較例のグリース組成物は60%を超え、加熱前後の変化が大きいことも認められた。
【0067】
4.3 グリースの目視観察
実施例のグリース組成物は外観上、いずれも非常に良好、または良好であったが、比較例のグリース組成物は、一部色相変化が大きすぎるなどグリースとして用いるのに適当ではないものもあった。
【0068】
このように基油、ウレア系増ちょう剤およびヒンダードアミン酸化防止剤を必須成分とし、さらに好ましくはヒンダードフェノール酸化防止剤を含んでなる本発明のグリース組成物は、熱硬化が少なく、蒸発量が少なく、カルボニル基特有の吸光度が小さく、さらに加熱後のグリースの色変化が少ないことから、熱安定性や酸化安定性に優れたものであるといえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体を100重量部として、基油60〜95重量部、ウレア系増ちょう剤3〜25重量部およびヒンダードアミン系酸化防止剤0.05〜5重量部を混合してなるグリース組成物。
【請求項2】
さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤0.05〜5重量部を混合してなる請求項1記載のグリース組成物。
【請求項3】
前記ヒンダードアミン系酸化防止剤がテトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびデカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニルエステルからなる群より選択される1種以上である請求項1または2のいずれか一項記載のグリース組成物。
【請求項4】
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤がオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)からなる群より選択される1種以上である請求項1〜3のいずれか一項記載のグリース組成物。
【請求項5】
前記ウレア系増ちょう剤がアルキルジウレア化合物である請求項1〜4のいずれか一項記載のグリース組成物。
【請求項6】
さらに第三リン酸カルシウム0.5〜30重量部を混合してなる請求項1〜5のいずれか一項記載のグリース組成物。

【公開番号】特開2013−28749(P2013−28749A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166821(P2011−166821)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000186913)昭和シェル石油株式会社 (322)
【Fターム(参考)】