説明

グルカゴン受容体アンタゴニスト化合物、この化合物を含む組成物及び使用方法

グルカゴン受容体アンタゴニスト化合物が開示される。この化合物は、2型糖尿病及び関連する病状の治療に有用である。医薬組成物及び治療方法も含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルカゴン受容体アンタゴニスト化合物、この化合物を含む組成物、
2型糖尿病及び関連病状に関する種々の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、多数の原因因子から誘導される疾病プロセスであり、空腹状態における、又は経口グルコース耐性試験中にグルコースを投与した後の、血漿グルコースの濃度上昇(高血糖)を特徴とする。真性糖尿病(例えば、空腹状態での血糖値>126mg/dL)は、増加した、そして早期の罹病率及び死亡率に関連し、ならびに脂質、リポ蛋白及びアポリポ蛋白代謝の変化を含む様々な代謝状態に直接又は間接的に関係している。
【0003】
インシュリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)を患っている患者(糖尿病患者の約95%)は、コレステロール及びトリグリセリドなどの血清脂質の濃度上昇を示すことが多く、また、LDLコレステロール濃度が高く、HDLコレステロール濃度が低い劣った血中脂質プロフィールを有する。従って、2型糖尿病に罹患している者は、冠動脈性心疾患、卒中、末梢血管疾患、高血圧(例えば、安静状態での血圧>130/80mmHg)、腎障害、神経障害及び網膜症をはじめとする大血管及び微小血管合併症を発現するリスクが上昇した状態にある。
【0004】
2型糖尿病を患っている患者は、特徴的に、非糖尿病患者と比較して上昇した血漿インシュリン濃度を示す。これらの患者は、主なインシュリン感受性組織(筋肉、肝臓及び脂肪組織)におけるグルコース及び脂質代謝のインシュリン刺激に対する耐性を発現している。従って、2型糖尿病は、この疾病の自然な進行の少なくとも初期には、主としてインシュリン生産の減少ではなくインシュリン抵抗性を特徴とし、この結果、筋肉におけるグルコースの吸収、酸化及び貯蔵が不十分となり、脂肪組織における脂肪溶解の抑制が不適切となり、肝臓によるグルコース生産及び分泌が過剰となる。インシュリンに対する感受性低下の正味の作用は、血漿グルコースの適切な低下を伴わない高い血中インシュリン循環濃度(高血糖)である。高インシュリン血症は、高血圧発現のリスク因子であり、血管疾患の一因でもあり得る。
【0005】
グルカゴンは、肝臓糖新生の阻害に関するインシュリンの作用を減弱する主調節ホルモンとしての役割を果たし、通常、血糖値の低下に応答してランゲルハンス島のアルファ細胞により分泌される。このホルモンは、cAMP媒介事象を通して糖原分解及び糖新生減少を誘発する肝臓細胞内の特異的受容体に結合する。これらの応答により、グルコースが産生されて(例えば、肝臓グルコース生産)、血糖値を重大な低下から保護することにより正常血糖の維持を助長する。循環インシュリンレベルの上昇に加えて、2型糖尿病では、血漿グルカゴン濃度が上昇し、肝臓グルコース生産速度が上昇する。グルカゴン受容体のアンタゴニストは、肝臓におけるインシュリン応答性を改善し、糖新生及びグリコーゲン分解速度を低下させ、及び肝臓グルコース分泌速度を低下させ、結果として血漿グルコース濃度を低下させる点で有用である。
【発明の開示】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、式I
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、環Aは、6〜10員環のアリール基、又は1〜4個のヘテロ原子を含み、ヘテロ原子のうちの0〜4個はN原子であり、0〜1個はO又はS原子である5〜10員環のヘテロアリール若しくは部分芳香族ヘテロシクリル基を表し、
2個のR及び2個のR基が存在し、水素を表すか、又は1個又は2個のR及びR基は、以下の(a)、(b)及び(c)から選択され:
(a)ハロ、OH、CO、SO、CN、NO、C(O)NR又はNR
(b)C1−10アルキル、C(O)C1−10アルキル、OC1−6アルキル、C2−6アルケニルであって、アルキル部分が(1)1〜5個のハロ基又はパーハロ、及び1〜2個のOH基で置換されてもよく;
(c)6〜10員環のアリール、O−アリール又はS−アリール基、又は0〜4個の窒素及び0〜1個のO又はS原子を含む、5〜10員環のHAR、O−HAR又はS−HAR基であって、該基は、前記(a)及び(b)から選択される1〜3個の置換で置換されてもよく、
又は2個のR基が一緒になって、5〜6個の原子を含む炭素環を形成するメチレン又はエチレン架橋を表すか、又は1〜3個のハロ基、及び1〜2個のCN、SO、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ,ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ基で置換されてもよい縮環フェニル環を表し;
基はHを表すか、又は上記(a)〜(c)から選択され、
4個のR基は下記を表し:
1)0〜1個のR基は、アリール、HAR、−(CH1−4アリール、−(CH1−4HAR、−X−アリール、−X−HAR、−X−C1−4アルキル−アリール及びX−C1−4アルキル−HARからなる群から選択され、XはO、S、S(O)又はS(O)を表し;
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は1〜4個のハロ原子、及びOH、CN、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、OC1−6ハロアルキル、NO、SO、C2−6アルケニル、OC2−6アルケニル、NR及びHARから選択される1〜2個のメンバーで置換されてもよく;
2)0〜3個のR基は、OH、CN、オキソ、NO、SO、NR、C1−10アルキル、ハロC1−10アルキル、OC1−10アルキル、OC1−10ハロアルキル、C2−10アルケニル、OC2−6アルケニル及びハロC2−4アルケニルから選択され、そして
3)残りのR基はH又はハロ原子であり;
はH又はC1−6アルキルであり、
は、C1−10アルキル、アリール又はアリール−C1−4アルキルからなる群から選択されるメンバーを表し;
及びRは、それぞれ独立してH又はC1−6アルキルを表し;
nは0〜5の整数を表し;
pは0、1又は2であり;
は、CHCHCO、CHCH(OH)CO又は5−テトラゾリルを表し;そして
はHであるか、又はハロ、CN、NO、OH、C1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシからなる群から選択される)で表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
【0009】
(発明の詳細な記載)
本発明は、特に指定しない限り、以下に定義する用語を用いて本明細書で詳細に説明される。
【0010】
「アルキル」、ならびに接頭語「アルク(alk)」を有する他の基、例えばアルコキシ、アルカノイル等は、示された数の炭素原子を含む、直鎖状、分枝状、又は環状、又はこれらの組み合わせであってもよい炭素鎖を意味する。数の指定がない場合、直鎖状又は分枝状アルキル基については炭素原子数1〜10を意図する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−及びt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が含まれる。シクロアルキルは、アルキルのサブセットであり、原子数の指定がない場合には、縮環している1から3個の炭素環を形成できるように、炭素原子数3〜10を意図する。シクロアルキルの具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカヒドロナフチル等を含む。
【0011】
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、直鎖状又は分枝状、又はこれらの組み合わせであってもよい炭素鎖を意味する。アルケニルの具体例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル等を含む。
【0012】
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、直鎖状又は分枝状、又はこれらの組み合わせであってもよい炭素鎖を意味する。アルキニルの具体例としては、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニル等を含む。
【0013】
「アリール」(Ar)は、6〜12個の炭素原子を含む単環式及び二環式芳香族環を意味する。アリールの具体例としては、フェニル、ナフチル、インデニル等を含む。「アリール」には、アリール基と縮環している単環式の環も包含する。具体例としては、テトラヒドロナフチル、インダニル等が挙げられる。
【0014】
「ヘテロアリール」(HAR)は、O、S及びNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する単環式又は二環式芳香族環又は環構造を意味し、各環は、5〜6個の原子を含む。具体例としては、ピロリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリル、イソキノリル等を含む。ヘテロアリールは、非芳香族又は部分芳香族であるヘテロシクリルと縮環している芳香族ヘテロシクリル基、及びシクロアルキル環と縮環している芳香族ヘテロシクリル基も包含する。ヘテロアリールは、例えばピリジニウムのような荷電形の基をも包含する。
【0015】
「ヘテロシクリル」(Hetcy)は、N、S及びOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む単環式及び二環式飽和環、及び環構造を意味し、前記環のそれぞれが、3〜10個の原子を有し、この場合の結合点は、炭素原子又は窒素原子であり得る。「ヘテロシクリル」の具体例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジル、ベンズオキサジニル、テトラヒドロヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロインドリル等を含む。この用語は、芳香族ではない部分不飽和単環式環、例えば、窒素により結合された2−若しくは4−ピリドン又はN−置換−(1H,3H)−ピリミジン−2,4−ジオン(N−置換ウラシル)も包含する。更に、ヘテロシクリルは、例えばピペリジニウムのような荷電形の部分も包含する。
【0016】
「ハロゲン」(Halo)は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を包含する。
【0017】
本発明の一態様は、式I:
【0018】
【化2】

【0019】
(式中、環Aは、6〜10員環のアリール基、又は1〜4個のヘテロ原子を含み、ヘテロ原子のうちの0〜4個はN原子であり、0〜1個はO又はS原子である5〜10員環のヘテロアリール若しくは部分芳香族ヘテロシクリル基を表し、
2個のR及び2個のR基が存在し、水素を表すか、又は1個又は2個のR及びR基は、以下の(a)、(b)及び(c)から選択され:
(a)ハロ、OH、CO、SO、CN、NO、C(O)NR又はNR
(b)C1−10アルキル、C(O)C1−10アルキル、OC1−6アルキル、C2−6アルケニルであって、アルキル部分が(1)1〜5個のハロ基又はパーハロ、及び1〜2個のOH基で置換されてもよく;
(c)6〜10員環のアリール、O−アリール又はS−アリール基、又は0〜4個の窒素及び0〜1個のO又はS原子を含む5〜10員環のHAR、O−HAR又はS−HAR基であって、該基は、前記(a)及び(b)から選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく、
又は2個のR基が一緒になって、5〜6個の原子を含む炭素環を形成するメチレン又はエチレン架橋を表すか、又は1〜3個のハロ基、及び1〜2個のCN、SO、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ,ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ基で置換されてもよい縮環フェニル環を表し;
基はHを表すか、又は上記(a)〜(c)から選択され、
4個のR基は下記を表し:
1)0〜1個のR基は、アリール、HAR、−(CH1−4アリール、−(CH1−4HAR、−X−アリール、−X−HAR、−X−C1−4アルキル−アリール及びX−C1−4アルキル−HARからなる群から選択され、XはO、S、S(O)又はS(O)を表し;
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は1〜4個のハロ原子、及びOH、CN、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、OC1−6ハロアルキル、NO、SO、C2−6アルケニル、OC2−6アルケニル、NR及びHARから選択される1〜2個のメンバーで置換されてもよく;
2)0〜3個のR基は、OH、CN、オキソ、NO、SO、NR、C1−10アルキル、ハロC1−10アルキル、OC1−10アルキル、OC1−10ハロアルキル、C2−10アルケニル、OC2−6アルケニル及びハロC2−4アルケニルから選択され、そして
3)残りのR基はH又はハロ原子であり;
はH又はC1−6アルキルであり、
は、C1−10アルキル、アリール又はアリール−C1−4アルキルからなる群から選択されるメンバーを表し;
及びRは、それぞれ独立してH又はC1−6アルキルを表し;
nは0〜5の整数を表し;
pは0、1又は2であり;
は、CHCHCO、CHCH(OH)CO又は5−テトラゾリルを表し;そして
はHであるか、又はハロ、CN、NO、OH、C1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシからなる群から選択される)で表される化合物に関する。
【0020】
興味のある本発明の他の態様は、環Aが、フェニル、ナフチル及びテトラヒドロナフチルから選択されるアリール基を表すか、1〜2個のヘテロ原子を含み、そのうち0〜1個がO原子、0〜2個がN原子である6〜10員環の芳香族ヘテロアリール又は部分芳香族ヘテロシクリルであるHAR基を表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0021】
特に、興味のある他の態様は、環Aが
【0022】
【化3】

【0023】
からなる群から選択されるメンバーを表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0024】
特に、興味のある態様は、環Aが
【0025】
【化4】

【0026】
からなる群から選択されるメンバーを表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩もしくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0027】
興味のある本発明の他の態様は、nが1、2及び3から選択される整数を表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0028】
特に、興味のある本発明の他の態様は、nが1及び2から選択される整数を表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0029】
特に、興味のある本発明の他の態様は、nが2を表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0030】
興味のある本発明の他の態様は、R及びR基が水素であり、又はR及びR基の1〜2個は独立してハロ;OH;1〜3個のハロ基で置換されてもよいC1−6アルキル;CN;NR;SO;C2−4アルケニル、及び6〜10員環のアリール基からなる群から選択され、
又はR基は一緒になって−CH−又は−CHCH−基を表すか、又は、置換されていないか又は1〜3個の置換基(置換基のうち3個以下がハロ基であり、2個以下がC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、C1−3アルコキシ又はハロC1−3アルコキシ基である)で置換されている縮環フェニル環を表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0031】
特に、興味のある本発明の他の態様は、R基が水素;ハロ;1〜3個のハロ基で置換されてもよいC1−4アルキル;CN又はNRを表し;R基がHを表し、又は一緒になって−CH−を表すか、又は、置換されていないか又は1から3個の置換基(置換基のうち3個以下がハロ基であり、2個以下がC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、C1−3アルコキシ又はハロC1−3アルコキシ基である)で置換されている縮環フェニル環を表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0032】
特に、興味のある本発明の他の態様は、R基が水素;ハロ;CH又はCFを表し、R基がHを表し、又は一緒になって−CH−又は縮環フェニル環を表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0033】
興味のある本発明の他の態様は、Rが、
【0034】
【化5】

【0035】
から選択される、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0036】
特に、興味のある本発明の他の態様は、Rが、
【0037】
【化6】

【0038】
を表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0039】
興味のある本発明の他の態様は、RがHを表す、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0040】
興味のある本発明の他の態様は、それぞれのRが下記から選択される、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
1)0〜1個のR基が、アリール、HAR、−CH−アリール、−CH−HAR、−O−アリール、−O−HAR、−O−CH−アリール及び−O−CH−HARからなる群から選択され;
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は1〜2個のハロ原子、及びCN、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3ハロアルキル、NO、S(O)、C2−6アルケニル、NH、NMe及びHARから選択される1〜2個のメンバーで置換されていてもよく;
2)0〜3個のR基は、CN、オキソ、NO、S(O)1−8アルキル、NH、NMe、C1−7アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−7アルキル、OC1−3ハロアルキル及びC2−6アルケニルから選択され;そして
3)残りのR基はH又はハロ原子である。
本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0041】
特に、興味のある本発明の態様は、それぞれのRが下記から選択される、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
1)0〜1個のR基が、アリール、HAR、−CH−アリール、−CH−HAR、−O−アリール、−O−HAR、−O−CH−アリール及び−O−CH−HARからなる群から選択され;
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は1〜2個のハロ原子、及びCN、C1−4アルキル、OC1−6アルキル、S(O)1−6アルキル、ハロメチル、ハロメトキシ、NO、NMe及びピラゾリルから選択される1〜2個のメンバーで置換されていてもよく;
2)0〜1個のR基は、CN、オキソ、NO、SOCH、NMe、C1−7アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−7アルキル、OC1−3ハロアルキル及びC2−6アルケニルから選択され;そして
3)残りのR基はH又はハロ原子である。
本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0042】
特に、興味のある本発明の態様は、それぞれのRが下記から選択される、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
1)0〜1個のR基が、アリールであり、該アリールが、フェニル、ナフチル及びテトラヒドロナフチルから選択され;ピリジル、キノリニル、ピリミジニル、イソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール及びベンゾイミダゾリルから選択されるHAR;ベンジルから選択される−CH−アリール;フェニルオキシから選択される−O−アリール;ピリジルオキシ、ベンゾチアゾルオキシ及びキノリニルオキシから選択される−O−HAR;ベンジルオキシから選択される−O−CH−アリール、又はピリジルメトキシ、フラニルメトキシ、ベンゾチアゾールメトキシ及びキノリニルメトキシから選択される−O−CH−HARであり、
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は1〜2個のハロ原子、及びCN、C1−4アルキル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、NO、NMeから選択される1個のメンバーで置換されてもよく;
2)0〜1個のR基は、C1−7アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−7アルキル及びOC1−3ハロアルキルから選択され;そして
3)残りのR基はH又はハロ原子である。
本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0043】
興味のある本発明の他の態様は、環Aが、フェニル、ナフチル及びテトラヒドロナフチルから選択されるアリール基、1〜2個のヘテロ原子を含み、ヘテロ原子のうちの0〜1個はO原子であり、0〜2個はN原子である6〜10員環の芳香族ヘテロアリール又は部分芳香族ヘテロシクリルであるHAR基、を表し;
nは1、2及び3から選択される整数を表し、
及びR基は水素を表すか、又はR及びR基の1〜2個が、ハロ;OH;1〜3個のハロ置換基で置換されてもよいC1−6アルキル;CN;NR;SO、C2−4アルケニル、及び6〜10員環のアリール基からなる群から独立して選択され、
又はR基は一緒になって−CH−又は−CHCH−基を表し、又は、置換されていないか又は1〜3個の置換基(置換基のうち3個以下がハロ基であり、2個以下がC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、C1−3アルコキシ又はハロC1−3アルコキシ基である)で置換された縮環フェニル環であり、

【0044】
【化7】

【0045】
から選択され、
はHを表し、そして
それぞれのRは下記から選択される、式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
1)0〜1個のR基は、アリール、HAR、−CH−アリール、−CH−HAR、−O−アリール、−O−HAR、−O−CH−アリール及び−O−CH−HARからなる群から選択され、
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は、1〜2個のハロ原子、及びCN、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3ハロアルキル、NO、SO、C2−6アルケニル、NH、NMe及びHARから選択される1〜2個のメンバーで置換されてもよく;
2)0〜3個のR基は、CN、オキソ、NO、S(O)1−8アルキル、NH、NMe、C1−7アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−7アルキル、OC1−3ハロアルキル及びC2−6アルケニルから選択され;そして
3)残りのR基はH又はハロ原子である。
本発明のこの側面の中で、すべての他の変数は、式Iに関して当初定義した通りである。
【0046】
本発明の範囲内の化合物の具体例は、本明細書に記載された表中にある。表中に記載された化合物の医薬として許容される塩及び溶媒和物は同様に本発明に包含される。
【0047】
興味のある本発明の他の態様は、式Iに関して前述した化合物、及び医薬として許容される担体を組み合わせた医薬組成物に関する。
【0048】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における2型糖尿病の治療方法であって、式Iに関して前述した化合物を、2型糖尿病を治療するのに有効な量で患者に投与することを含む方法に関する。
【0049】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における2型糖尿病の発症の遅延方法であって、式Iに関して前述した化合物を、2型糖尿病の発症を遅延させるのに有効な量で患者に投与することを含む方法に関する。
【0050】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における高血糖症、糖尿病又はインシュリン抵抗性の治療方法であって、式Iに関して前述した化合物を、高血糖症、糖尿病又はインシュリン抵抗性を治療するのに有効な量で患者に投与することを含む方法に関する。
【0051】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における非インシュリン依存性糖尿病の治療方法であって、抗糖尿病に有効な量の式Iに関して前述した化合物を、患者に投与することを含む方法に関する。
【0052】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における肥満症の治療方法であって、式Iに関して前述した化合物を、肥満症の治療に有効な量で患者に投与することを含む方法に関する。
【0053】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者におけるX症候群の治療方法であって、式Iに関して前述した化合物を、X症候群の治療に有効な量で患者に投与することを含む方法に関する。
【0054】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における脂肪代謝異常、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール症、低HDL及び高LDLからなる群から選択される脂質障害の治療方法であって、式Iに関して前述した化合物を、脂質障害の治療に有効な量で患者に投与することを含む方法に関する。
【0055】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法であって、式Iに関して前述した化合物を、アテローム性動脈硬化症の治療に有効な量で患者に投与することを含む方法に関する。
【0056】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)、インシュリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂肪代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、及びインシュリン抵抗性が構成要素である他の病状及び疾患からなる群から選択される病状の治療方法であって、式1に関して記載された化合物を、前記病状の治療に有効な量で患者に投与することを含む方法に関する。
【0057】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)、インシュリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂肪代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、及びインシュリン抵抗性が構成要素である他の病状及び疾患からなる群から選択される病状の発症の遅延方法であって、式Iに関して前述した化合物を、前記病状の発症を遅延するのに有効な量で患者に投与することを含む方法に関する。
【0058】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)、インシュリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂肪代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、及びインシュリン抵抗性が構成要素である他の病状及び疾患からなる群から選択される病状の発現の危険性の減少方法であって、前述した式Iの化合物を、下記病状の発現の危険性を減少するのに有効な量で患者に投与することを含む方法に関する。
【0059】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)、インシュリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂肪代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、及びインシュリン抵抗性が構成要素である他の病状及び疾患からなる群から選択される病状の治療方法であって、
前述した式Iの化合物の有効量と、以下の群から選択される化合物、(a)2004年3月2日に登録された米国特許第6,699,871B1号に開示された化合物のようなDP−IV阻害剤、参照することにより本明細書に組み込まれる;(b)(i)PPARアゴニスト及び(ii)ビグアニド類から成る群より選択されるインシュリン増感剤;(c)インシュリン及びインシュリン模倣薬;(d)スルホニル尿素及び他のインシュリン分泌促進薬;(e)アルファグルコシダーゼ阻害剤;(f)他のグルカゴン受容体アンタゴニスト;(g)GLP−1、GLP−1模倣薬、及びGLP−1受容体アゴニスト;(h)GIP、GIP模倣薬、及びGIP受容体アゴニスト;(i)PACAP、PACAP模倣薬、及びPACAP受容体3アゴニスト;(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)金属イオン封鎖剤;(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸及びその塩、(iv)PPARアルファアゴニスト、(v)PPARアルファ/ガンマ二重アゴニスト、(vi)コレステロール吸収阻害剤、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、(viii)抗酸化剤、及び(ix)LXRモジュレータからなる群から選択されるコレステロール低下薬;(k)PPARデルタアゴニスト;(l)抗肥満化合物;(m)回腸胆汁酸輸送体阻害剤;(n)グルココルチコイドを除く抗炎症薬;(o)プロテインチロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、及び(p)リモナバント、及び2003年9月25日に公開されたWO03/077847A2、及び2005年1月6日に公開されたWO05/000809に開示された化合物等のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト、参照することにより本明細書に組み込まれる、とを前記患者に投与することを含み、
前記化合物が、前記状態を治療するために有効な量で前記患者に投与される方法に関する。
【0060】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂肪代謝異常からなる群から選択される病状の治療方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを患者に投与することを含む方法に関する。
【0061】
特に、興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂肪代謝異常からなる群から選択される病状の治療方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを患者に投与することを含み、前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンである方法に関する。
【0062】
特に、興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂肪代謝異常からなる群から選択される病状の治療方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを患者に投与することを含み、前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522及びリバスタチンからなる群から選択されるスタチンである方法に関する。
【0063】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするほ乳類患者における高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症、脂肪代謝異常及びそれらの続発症からなる群から選択される病状の発現の危険性を減少させる方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを投与することを含む方法に関する。
【0064】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発症の遅延又は発現の危険性の減少方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを患者に投与することを含む方法に関する。
【0065】
特に、興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発症の遅延又は発現の危険性の減少方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを患者に投与することを含み、前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンである方法に関する。
【0066】
特に、興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発症の遅延又は発現の危険性の減少方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを患者に投与することを含み、前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522及びリバスタチンからなる群から選択されるスタチンである方法に関する。
【0067】
特に、興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発症の遅延又は発現の危険性の減少方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とを患者に投与することを含み、前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がシンバスタチンである方法に関する。
【0068】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発症の遅延又は発現の危険性の減少方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、コレステロール吸収阻害剤とを患者に投与することを含む方法に関する。特に、興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発症の遅延又は発現の危険性の減少方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、コレステロール吸収阻害剤とを患者に投与することを含み、前記コレステロール吸収阻害剤がエゼチミブである方法に関する。
【0069】
興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするヒト患者における前述した他の疾患及び病状の発症の遅延又は発現の危険性の減少方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、コレステロール吸収阻害剤とを患者に投与することを含む方法に関する。
【0070】
特に興味のある本発明の他の態様は、治療を必要とするヒト患者における前述した他の疾患及び病状の発症の遅延又は発現の危険性の減少方法であって、治療に有効な量の前述した式Iの化合物と、コレステロール吸収阻害剤とを患者に投与することを含み、前記コレステロール吸収阻害剤がエゼチミブである方法に関する。
【0071】
興味のある本発明の他の態様は、(1)前述した式Iで表される化合物;(2)以下の群から選択される化合物、(a)2004年3月2日に登録された米国特許第6,699,871B1号に開示された化合物のようなDPP−IV阻害剤、参照することにより本明細書に組み込まれる;(b)(i)PPARアゴニスト及び(ii)ビグアニド類からなる群から選択されるインシュリン増感剤;(c)インシュリン及びインシュリン模倣薬;(d)スルホニル尿素及び他のインシュリン分泌促進薬;(e)アルファグルコシダーゼ阻害剤;(f)他のグルカゴン受容体アンタゴニスト;(g)GLP−1、GLP−1模倣薬、及びGLP−1受容体アゴニスト;(h)GIP、GIP模倣薬、及びGIP受容体アゴニスト;(i)PACAP、PACAP模倣薬、及びPACAP受容体3アゴニスト;(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)金属イオン封鎖剤;(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸及びその塩、(iv)PPARアルファアゴニスト、(v)PPARアルファ/ガンマ二重アゴニスト、(vi)コレステロール吸収抑制剤、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、(viii)抗酸化剤、及び(ix)LXRモジュレータからなる群から選択されるコレステロール低下薬;(k)PPARデルタアゴニスト;(l)抗肥満化合物;(m)回腸胆汁酸輸送体阻害剤;(n)グルココルチコイドを除く抗炎症薬;(o)プロテインチロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、及び(p)リモナバント、及び2003年9月25日に公開されたWO03/077847A2、及び2005年1月6日に公開されたWO05/000809に開示された化合物等のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト;及び(3)医薬として許容される担体、
を含む医薬組成物に関する。
【0072】
興味のある本発明の一つの医薬組成物は、本明細書に開示される式Iで表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物と、
【0073】
【表1】

【0074】
からなる群から選択されるDPP−IV阻害剤、又はそれらの医薬として許容される塩若しくは溶媒和物と、医薬として許容される担体とを組み合わせて含む。
【0075】
特に興味のある他の医薬組成物は、本明細書に開示される式Iで表される化合物又はその医薬として許容される塩又は溶媒和物と、CB1受容体アンタゴニスト/インバースアゴニストと、医薬として許容される担体とを組み合わせて含む。本明細書に開示される本発明において特に興味のあるCB1アンタゴニスト/インバースアゴニストには、リモナバント、以下の2003年9月25日に公開されたWO03/077847A2に開示された:
(1)N−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2−フェニルプロピル]−2−(4−クロロフェニルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(2)N−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2−フェニルプロピル]−2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(3)N−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2−(3−ピリジル)プロピル]−2−(4−クロロフェニルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(4)N−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2−フェニルプロピル]−2−(3,5−ジフルオロフェニルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(5)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−フェニル−1−メチルプロピル]−2−(3,5−ジクロロフェニルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(6)N−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2−フェニルプロピル]−2−(3−クロロフェニルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(7)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(8)N−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2−フェニル−プロピル]−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(9)N−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2−フェニルプロピル]−2−(6−メチル−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(10)N−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2−フェニルプロピル]−2−(フェニルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(11)N−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2−フェニルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチルピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(12)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ピリジル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(13)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(14)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−3−ピリジル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(15)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(5−メチル−3−ピリジル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(16)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(5−シアノ−3−ピリジル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(17)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−メチルフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(18)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−フェニル−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(19)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−フェニル−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリミジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(20)N−[3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2−(チオフェン−3−イル)プロピル]−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(21)N−[3−(5−クロロ−2−ピリジル)−2−フェニル−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(22)N−[3−(4−メチル−フェニル)−1−メチル−2−フェニルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−フェニルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(23)N−[3−(4−フルオロ−フェニル)−2−(3−シアノ−フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(24)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(1−インドリル)−1−メチル)プロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−オキシピリジン−2−イル)−2−メチルプロパンアミド;
(25)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(7−アザインドール−N−イル)−1−メチル)プロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(26)N−[3−(4−クロロ−フェニル)−2−(1−インドリニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(27)N−[3−(4−クロロ−フェニル)−2−(N−メチル−アニリノ)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(28)N−[3−(4−メトキシ−フェニル)−2−(3−シアノ−フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(29)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(6−トリフルオロメチル−4−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(30)N−[2−(3−シアノフェニル)−1,4−ジメチルペンチル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(31)N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(1−オキシド−5−シアノ−3−ピリジル]−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(32)N−[2−(3−シアノフェニル)−3−シクロブチル−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(33)N−[2−(3−シアノフェニル)−1−メチル−ヘプチル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(34)N−[2−(3−シアノフェニル)−3−シクロペンチル−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(35)N−[2−(3−シアノフェニル)−3−シクロヘキシル−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
及び、2005年1月6日に公開されたWO05/000809に開示された以下の
3−{1−[ビス(4−クロロフェニル)メチル]アゼチジン−3−イリデン}−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンニトリル、
1−{1−[1−(4−クロロフェニル)ペンチル]アゼチジン−3−イル}−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロパン−2−オール
3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、
3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、
3−((4−クロロフェニル){3−[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、
3−((1S)−1−{1−[(S)−(3−シアノフェニル)(4−シアノフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、
3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、及び
5−((4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル)チオフェン−3−カルボニトリル、
及びそれらの医薬として許容される塩及び溶媒和物、並びに医薬として許容される担体を組み合わせて含むものが含まれる。
【0076】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iで表される化合物の多くが、1個以上の不斉中心を含有し、従ってラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして発生する。本発明は、純粋な形態及び混合物での本化合物のこのような異性体形全てを包含する。
【0077】
本明細書に開示される化合物の一部は、オレフィン性二重結合を含み、特に他の指示がなければ、E及びZの幾何異性体を含むことを意味する。
【0078】
本明細書に記載される化合物の一部は、異なる水素結合点が存在することがあり、これらは互変異性体と呼ばれる。このような例は、ケト−エノール互変異性体として知られている、ケトン及びそのエノール体である。個々の互変異性体及びこれらの混合物は、式Iで表される化合物に包含される。
【0079】
塩及び溶媒和物
式Iで表される化合物の塩及び溶媒和物は、本発明に包含される。「医薬として許容される塩」なる用語は、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む、医薬として許容され実質的に非毒性の塩基又は酸から調製される塩、並びに医薬として許容される塩に転化され得る塩を意味する。無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩等が含まれる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が、特に好ましい。医薬として許容される非毒性の有機塩基から誘導される塩には、一級、二級及び三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の塩が含まれる。
【0080】
本発明の化合物が塩基性である場合には、塩は、無機及び有機酸を含む医薬として許容される非毒性の酸から調製することができる。このような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。
【0081】
クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0082】
本明細書で用いられる溶媒和物は、水等の溶媒と会合した状態の、式Iで表される化合物又はその塩を意味する。代表的な具体例には、水和物、半水和物、三水和物等が含まれる。
【0083】
式Iで表される化合物への言及は、医薬として許容される塩及び溶媒和物を含むことが意図される。
【0084】
本発明は、グルカゴン受容体を拮抗することによりグルカゴンの活性を阻害し、それによってグルコース生成及びグリコーゲン分解の速度、及び血漿中のグルコース濃度を低下させる方法に関する。
【0085】
式Iで表される化合物は、式Iで表される化合物を担体材料と組み合わせて医薬を提供することを含む、グルコースレベル上昇に伴うほ乳動物における疾病状態の予防的又は治療的処置のための医薬の製造に用いることができる。
【0086】
用量範囲
式Iで表される化合物の予防的又は治療的用量は、当然に治療すべき症状の性質又は重症度、選択される特定の化合物及びその投与経路によって変わる。個々の患者の年齢、体重及び反応によっても変わる。一般に、1日の用量は、1回量又は分割量で、体重1kgあたり約0.001mg〜約100mg、好ましくは1kgあたり約0.01mg〜約50mg、更に好ましくは1kgあたり約0.1〜10mgの範囲内にある。場合によっては、これらの範囲外の投与量を使用する必要があることもある。用語「有効量」、「抗糖尿病有効量」及び使用すべき化合物の量を扱う本出願全体を通して出現する他の用語は、熟練した医師により決定されるような提供される投与量範囲を意味し、これは、これらの範囲外の任意の必要変量を考慮に入れている。
【0087】
成人についての式Iで表される化合物及びその医薬として許容される塩及び溶媒和物の代表的な投与量は、1回量又は分割量で、1日あたり約0.1mg〜約1.0g、好ましくは約1mg〜約500mgの範囲である。式Iで表される化合物と併用される化合物の代表的な投与量は公知であり、すなわち、この決定は、本明細書に提供する説明を考慮に入れて、当業者の技術水準の範囲内にある。
【0088】
静脈内又は経口投与を用いる場合、代表的な投与量範囲は、1日あたり体重1kg当たり式Iで表される化合物の約0.001mg〜約100mg(好ましくは0.01mg〜約10mg)、更に好ましくは、1日あたり体重1kgあたり式Iで表される化合物の約0.1mg〜約10mgである。
【0089】
他の薬剤と併用して用いる場合、グルカゴンアンタゴニストについて前述した用量は、他の薬物についての通常の用量と同様である。例えば、米国特許第6,699,871B1に開示されたようなDPP−IV阻害剤が含まれる場合、DPP−IV阻害剤は、必要に応じて1回量又は分割量で、約1.0mg〜約1000mg、好ましくは約2.5mg〜約250mg、特には約50mg又は約100mgの範囲の投与量を用いることができる。同様に、グルカゴン受容体アンタゴニストがCB1アンタゴニスト/インバースアゴニストと併用して用いられる場合、CB1アンタゴニスト/インバースアゴニストは、必要に応じて1回量又は分割量で、約0.1mg〜約1000mg、特には約1.0mg〜約100mg、特には約1.0mg〜約10mgの範囲の投与量を用いることができる。CB1アンタゴニスト/インバースアゴニストの具体的投与量には、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg及び10mgが含まれる。
【0090】
医薬組成物
前述したように、医薬組成物は、式Iで表される化合物又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物、及び医薬として許容される担体を含む。「組成物」なる用語は、活性成分、及び担体を構成する不活性成分(医薬として許容される賦形剤)を含む製品、及び任意の2種以上の前記成分の組み合わせ、複合又は凝集から、又は1種以上の前記成分の解離から、又は前記成分間の他のタイプの反応又は相互作用から、直接又は間接的に得られる任意の製品を含む。好ましくは、組成物は、医薬として許容される担体との組み合わせで、2型糖尿病の治療、予防又は発症の遅延に有効な量の式Iで表される化合物を含む。
【0091】
本発明の化合物の有効投与量をほ乳動物、特にヒトに提供するために、任意の適切な投与経路を用いることができる。例えば、経口投与、直腸内投与、局所的投与、非経口投与、経眼投与、経肺投与、経鼻投与等を用いることができる。剤形の具体例には、錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアゾール等が含まれるが、経口錠剤が好ましい。
【0092】
経口組成物を調製する場合、任意の通常の製薬用媒体、例えば、経口液体(例えば、懸濁液、エリキシル及び溶液)の場合には、例えば水、グリコール、油、アルコール、着香剤、保存剤、着色剤等;又は経口固体(例えば、粉末、カプセル及び錠剤)の場合には、担体(例えば、デンプン)、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を用いることができる。固体経口製剤が好ましい。投与が簡単なため、錠剤及びカプセルが、最も有利な経口投薬剤形の代表である。所望される場合には、錠剤を標準的な水性又は非水系技法によってコーティングすることができる。
【0093】
前述した一般的な剤形に加え、式Iで表される化合物は、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第3,630,200号及び第4,008,719号に記載されているような制御放出手段及び/又は送達装置により投与することもできる。
【0094】
経口投与に適する本発明の医薬組成物は、それぞれが所定量の活性成分を含有する個別単位、例えばカプセル、カシェ剤又は錠剤として、粉末又は顆粒として、又は水性液、非水系液体中の溶液又は懸濁液、水中油型乳剤又は油中水型乳液として提供することができる。このような組成物は、任意の許容される製薬プロセスにより調製することができる。このような方法の全てが、活性成分(複数を含む)と担体成分とを併せる段階を含む。一般に、組成物は、活性成分(複数を含む)を液体又は微粉砕固体担体成分と均質に混合し、次いで、必要な場合にはこのブレンドを処理して所望の製品形態にすることによって製造することができる。例えば、錠剤は、圧縮又は成形によって製造することができる。圧縮錠剤は、場合によっては1種以上の賦形剤、例えば結合剤、滑沢剤、希釈剤、界面活性剤及び分散剤と、混合されてもよい活性物質(複数を含む)を含有する、易流動性粉末又は顆粒を圧縮することにより製造することができる。成形錠剤は、不活性液体で湿潤させた粉末化合物の混合物を成形することにより製造することができる。望ましくは、各錠剤は、例えば、約0.1mg〜約1.0gの活性成分を含み、各カシェ剤又はカプセルは、約0.1〜約500mgの活性成分を含む。
【0095】
下記は、式Iで表される化合物を含む医薬剤形の例である:
【0096】
【表2】

【0097】
併用療法
前に記載したように、式Iで表される化合物は、2型糖尿病及び式Iで表される化合物が有用である本明細書に記載の他の疾病及び疾患の治療/予防/発症の遅延に用いられる他の薬物と併用することができる。他の薬物は、一般に用いられる経路及び量で、式Iで表される化合物と同時に、又は逐次的に投与することができる。式Iで表される化合物を1種以上の他の薬物と同時に用いる場合、式Iで表される化合物に加えてこのような他の薬物を含む併用医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物は、式Iで表される化合物に加えて、1種以上の他の活性成分を別途含有するものを含む。式Iで表される化合物と併用され、別々に又は同一の医薬組成物中で投与される、他の活性成分の例には、(a)ビグアニド類(例えば、ブホルミン、メトホルミン、フェノホルミン)、(b)PPARアゴニスト(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、(c)インスリン、(d)ソマトスタチン、(d)アルファ−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、ボグリボース、ミグリトール、アカルボース)、(f)2004年3月2日に登録された米国特許第6,699,871B1に開示されたようなDPP−IV阻害剤、(g)LXRモジュレータ、ならびに(h)インスリン分泌促進薬(例えば、アセトへキサミド、カルブタミド、クロロプロパミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメルピリド、グリピジド、グリキジン、グリソキセピド、グリブリド、グリヘキサミド、グリピナミド、フェンブタミド、トラザミド、トルブタミド、トルシクラミド、ナテグリニド及びレパグリニド)、及びリモナバント及び2003年9月25日に公開されたWO03/077847A2、及び2005年1月6日に公開されたWO05/000809に開示された化合物のようなCB1阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0098】
式Iで表される化合物の第二活性成分に対する重量比は、幅広い範囲の中で変えることができ、また、各活性成分の有効用量に依存する。一般に、それぞれの有効用量が用いられるであろう。従って、例えば、式Iで表される化合物をPPARアゴニストと併用する場合は、式Iで表される化合物のPPARアゴニストに対する重量比は、約1000:1〜約1:1000、好ましくは約200:1〜約1:200の範囲であろう。式Iで表される化合物と他の活性成分の併用も一般には上述の範囲内であろうが、それぞれのケースでは、それぞれの活性成分の有効用量を使用すべきである。
【0099】
併用製品については、式Iで表される化合物を任意の他の活性成分と併せ、次いで、担体成分に添加してもよいし、又は混合の順序を変えてもよい。
【0100】
併用医薬組成物の具体例には、(1)式Iで表される化合物、(2)以下の群から選択される化合物、(a)DPP−IV阻害剤;(b)(i)PPARアゴニスト、及び(ii)ビグアニド類からなる群から選択されるインシュリン増感剤;(c)インシュリン及びインシュリン模倣薬;(d)スルホニル尿素及び他のインシュリン分泌促進薬;(e)a−グルコシダーゼ阻害剤;(f)CB1受容体アンタゴニスト/インバースアゴニスト;(g)GLP−1、GLP−1模倣薬、及びGLP−1受容体アゴニスト;(h)GIP、GIP模倣薬、及びGIP受容体アゴニスト;(i)PACAP、PACAP模倣薬、及びPACAP受容体3アゴニスト;(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)金属イオン封鎖剤;(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はその塩、(iv)PPARアルファアゴニスト、(v)PPARアルファ/ガンマ二重アゴニスト、(vi)コレステロール吸収抑制剤、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、(viii)抗酸化剤、及び(ix)LXRモジュレータ、からなる群から選択されるコレステロール低下薬;(k)PPARデルタアゴニスト;(l)抗肥満化合物;(m)回腸胆汁酸輸送体阻害剤;(n)グルココルチコイド以外の抗炎症薬;及び(o)プロテインチロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;(p)CB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト、ならびに(3)医薬適合性の担体が含まれる。
【0101】
式Iで表される化合物は、下記に提供する一般的なスキームに従って合成することができ、R〜R、R、R、R及びAは前記のように定義される。合成スキームの全体を通して、特に示されない限り略語は下記の意味で用いられる。
【0102】
【表3】

【0103】
本発明の一実施態様においては、式Iで表される化合物は、アルキル4−[(アリール)シクロアルキル]ベンゾエート及びアルキル4−[(ヘテロアリール)シクロアルキル]ベンゾエート中間体5から製造することができ、ここでRはC1−4アルキル基を表す。このような化合物5は、当業者によって種々の方法により製造することができる。
【0104】
【化8】

【0105】
ARが4−ヒドロキシフェニル基である場合の一つの工程をスキーム1に示す。濃HCl(水溶液)又はp−トルエンスルホン酸のような酸の存在下、環状ケトンとフェノールとの反応によりジフェノールを与える(J.March,Advanced Organic Chemistry,4th ed.;Wiley:New York,1992;p.548)。例えば、スキーム1に示すようにベンジルエーテルとしてのフェノール性基の1つのモノ保護は、DMFのような溶媒及びKCO又はCsCOのような塩基中、ジフェノール等と等量の臭化ベンジルとの室温又は高温での1〜16時間の反応により実施することができる。モノ保護された生成物3aは、必要に応じて、未反応の出発材料及びビスベンジル化生成物から分離してもよい。次いで、残りのフェノール性基は、ピリジンのような塩基の存在下、DCMのような非プロトン性溶媒中でトリフルオロメタンスルホン酸無水物と低温において0.5〜16時間反応することにより、トリフルオロメタンスルホン酸塩4aに変換される。MeOH又はBuOHのようなアルコール性溶媒中、Pd(OAc)のような金属触媒、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンのようなリガンド、及びDIEAのような塩基の存在下、CO雰囲気下、高温で1〜24時間トリフルオロメタンスルホン酸塩を反応し、対応するアルコールエステル5aを与える。所望であれば、例えば、水素雰囲気下、パラジウムカーボン触媒を用いた1〜24時間の水素化によりベンジル基を除去し、フェノールエステル5bを得ることができる。
【0106】
【化9】

【0107】
他のアプローチにおいては、フェノールエステル5bは、スキーム2に示すようにビス−フェノールから得ることができる。従って、ピリジンのような塩基の存在下、DCMのような非プロトン性溶媒中、を、低温で0.5〜16時間等量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応しモノトリフルオロメタンスルホン酸塩へ変換し、それに続きスキーム1に記載するようなトリフルオロメタンスルホン酸塩のカルボニル化によりフェノール性エステル5bを与える。
【0108】
【化10】

【0109】
安息香酸エステルはスキーム3に示すようにして製造することができる。低温で、THFのような非プロトン性溶媒中、アリール又はヘテロアリールハライド(RA−X(X=Br、I)にn−ブチルリチウムのようなアルキルリチウムのヘキサン中の溶液を添加し、それに続き、得られたアリールリチウム又はヘテロアリールリチウム種(RA−Liと環状ケトンとの反応により、対応するアルコールを与える。通常、高温でのp−トルエンスルホン酸のような酸の存在下でアルコールとフェノールとの0.5〜16時間の反応によりフェノール中間体を与える。あるケースにおいては、アルキル化を起こすためにトリフルオロメタンスルホン酸のような非常に強い酸を用いるべきである(D.Klumpp et al,J.Org.Chem.1999,64,6702)。スキーム1に記載したように(上記参照)、フェノールのトリフルオロメタンスルホン酸塩への変換、それに続くアルコール溶媒ROH中でのカルボニル化は、対応するエステル中間体を与える。
【0110】
【化11】

【0111】
エステル中間体は、当業者に公知の方法を用いて、容易に最終生成物Iに変換することができる。スキーム4に示すように、エステルのけん化は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール又は同様の溶媒の混合物のような極性溶媒中で水酸化リチウム又はナトリウム水溶液のような塩基を用いて実施することができる。次いで、酸を、適切なアミンHNRclと1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、又はベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリスピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)のようなカップリング試薬、及び塩基、通常は、ジイソプロピルエチルアミンを用いて、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又は塩化メチレンのような溶媒中、室温又はわずかに加温して0.5〜48時間処理し反応させる。Ra=−CHCHCO又は−CHCH(OH)COであり、R=C1−6アルキルである化合物Iについて、エステルは、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール又は同様の溶媒の混合物のような極性溶媒中、室温又は加温して水酸化リチウム又はナトリウムのような塩基との処理によって容易に切断され、カルボン酸(R=H)を与える。更に、Rがtert−ブチル基である場合は、トリルフルオロ酢酸と、通常、塩化メチレンとの1:1混合物であるが、室温で0.5〜8時間の処理により、都合よく除去される。
【0112】
【化12】

【0113】
当業者に公知であるが、全てのスキームにおいて、生成物I及び全ての合成中間体は、再結晶、粉砕、分取用薄層クロマトグラフィー、W.C.Still et al,J.Org.Chem.,1978,43,2923に開示されたようなシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー又は逆相HPLCによって、望ましくない副生成物、試薬及び溶媒から精製することができる。HPLCによって精製された化合物は、対応する塩として分離することができる。
【0114】
更に、本発明の具体的な化合物においては、前又は後の中間体、又は最終の化合物Iは、シス/トランスジアステレオマーを含むエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物を含んでもよい。当業者に公知であるが、このようなエナンチオマー及びジアステレオマーは、結晶化、ホモキラル固定相を用いたクロマトグラフィー、ジアステレオマーの場合には順相及び逆相クロマトグラフィー、を含む種々の方法によって分離することができる。
【0115】
あるケースにおいては、生成物I、最後から2番目のエステル、安息香酸エステル及びスキームに記載された反応物からの他の中間体は更に修飾される。これらの操作には、当業者に通常に公知である置換、還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解が含まれるが、これらに限定されない。説明の目的として、下記スキームに示す変換はAR=4−ヒドロキシフェニルについて示す;これは本発明を限定することを意図しないが、他のヒドロキシル化芳香族及びヘテロ芳香族基、並びにハロゲン化アリール及びハロゲン化ヘテロアリールのような他のAR基は下記と同様に変換することができる。
【0116】
スキーム5に示すように、5bのような中間体の芳香族又はヘテロ芳香族ヒドロキシル基A−OHは、DMFのような溶媒及びKCO又はCsCOのような塩基中、室温又は高温で、ハロゲン化アルキル又はハロゲン化ベンジルRiiX(X=Cl、Br又はI)によって容易にアルキル化され、対応するエーテル5cが得られる。これらのエーテルは、トリフェニルホスフィンのようなホスフィン、及びDIADのようなアゾジカルボニルの存在下、DCM又はTHFのような極性溶媒中、芳香族ヒドロキシル基A−OHと対応するアルキル又はベンジルアルコールRiiOHとの反応を含む光延反応により容易に製造することもできる(O.Mitsunobu,Synthesis 1981,p.1)。次いで、エーテル5cは、エステルのけん化によりスキーム4(上記参照)に記載されたように酸8aを与え、次いで、スキーム5に示すように、酸を所望のアミン、例えばβ−アラニンtert−ブチルエステルとカップリングし、化合物Ibを得るように最終生成物Iに処理される。所望であれば、前述したようにして(上記参照)エステルを除去し、カルボン酸Icを得ることができる。スキーム5にも示すように、反応の順番は反対であってもよく、エステル5bは最初にスキーム4(上記参照)に概要を述べた工程を用いてアミドIaに変換され、次いでフェノール性基をアルキル化してエーテル中間体Ibを得る。所望であればtert−ブチル基を除去してカルボン酸Icを得る。
【0117】
【化13】

【0118】
スキーム6に示すように、フェノールエステル5bはDCMのような極性溶媒中、ピリジンのような塩基の存在下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応することにより、アリールトリフルオロメタスルホン酸塩5dに変換し得る。アリールトリフルオロメタンスルホン酸塩は、当業者に公知の工程を用いて更に化学的処理を実施し得る。例えばトルエンのような溶媒中、酢酸パラジウムのような触媒、トリ−o−トリホスフィンのようなリガンド及び炭酸セシウムのような塩基の存在下、5dとアリール−、ヘテロアリール−、アルキル−又はアルケニルボロン酸Riii−B(OH)との高温で0.5〜16時間の反応により、対応する炭素連結化合物5eを与える(A.Suzuki,J.Organomet.Chem.1999,576,147)。5dのようなアリールトリフルオロメタンスルホン酸塩は、アミン、アミド、アルコール、フェノール、チオール及び窒素性複素環化合物を含む種々のヘテロ原子化合物と縮合して、対応するヘテロ原子連結種を与える(S.Ley and A.Thomas,Angew.Chem.Int.Ed.2003,42,5400)。例えば、スキーム6にも示すように、トルエンのような非プロトン性溶媒中、Pd(OAc)のような触媒、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニルのようなリガンド、及びナトリウムtert−ブトキシドのような塩基の存在下、アリールトリフレート5dと、アルキル又はアリールアミンHNRivとの高温での反応によりアニリン化合物5fを与える(J.Org.Chem.2000,65,1158)。全ての中間体5e5f9d及び9eは、スキーム4(上記参照)に記載したように最終生成物Iに変換されうる。アミド化合物1aは、DCMのような極性溶媒中、ピリジンのような塩基の存在下で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物との低温での反応によりトリフルオロメタンスルホン酸塩中間体に変換されうる。次いで、トリフルオロメタンスルホン酸塩は同様に修飾され、対応する生成物1d及び1eを与える。
【0119】
【化14】

【0120】
ヒドロキシ芳香族基A−OHも容易にハロゲン化されうる。例えば、スキーム7に示すように、フェノール5bと、N−ハロスクシンイミド(ハロ=Cl、Br、I)のようなハロゲン化試薬との反応により、モノハロゲン化中間体5g〜i、及びビスハロゲン化中間体5j〜lを与えうる。更に、ニートのSOCl中で5bを50℃、16時間処理することによりビスクロリド5jを与える(Org.Synth.1955,p.267)が、CaCOのような塩基の存在下、MeOH/DCMの混合溶媒中、5bと1当量のベンジルトリメチルアンモニウムジクロライドとの室温で1〜16時間の反応により、主にモノヨウ化物5iを与える(Heterocycles,2002,56,465)。次いで、フェノール性基はスキーム5(上記参照)に記載されたようにアルキル化され、又はX=Clの場合、フェノールはトリフルオロメタンスルホン酸塩に変換され、更にスキーム6(上記参照)に概要を述べたように修飾される。
【0121】
スキーム7にも記載するように、ブロモフェノール5h及びヨードフェノール5iは、当業者により縮環ヘテロシクリルを与え得るように更に変換され得る。例えばCuI及びPdCl(PhP)のような触媒、DIEAのような塩基を含むDMFのような溶媒中、ヨードフェノール5iと末端アルキル又はアリールアルキンHCCRviとの反応により、2−置換ベンゾフラン5mを与える(Synthesis,1986,p.749)。DMF中、Zn(CN)及びPddba、及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンのようなリガンドの存在下、CO雰囲気下で、5iとアルキンRviiCCRviiiとの高温での反応によりクマリン5nを与える(J.Organomet.Chem.2003,p.687)。このようにして5bから得られる中間体を、次にスキーム4(上記参照)に記載されたように最終生成物Iに変換し得る。
【0122】
【化15】

【0123】
一般的な実験:化学反応はLC−MSにより監視し、反応生成物の純度及び確認は以下の条件のうちの1種を用いたLC−MSによりアッセイした。
方法A:カラム:Waters Xterra C18(3.0×50mm)、勾配:10〜100%CHCN(0.05%TFAを含む)/HO(0.06%TFAを含む)、1mL/分で3.75分間。
方法B:カラム:MetaChem Polaris(4.6×50mm)、勾配:5〜95%CHCN/HO、(いずれも0.05%TFAを含む)、2.5mL/分で2.5分間。
方法C:カラム:Waters Xterra C18(3.0×50mm)、勾配:10〜98%CHCN(0.05%TFAを含む)/HO(0.06%TFAを含む)、1.5mL/分3.25分間。
方法D:カラム:Waters Xterra C18(3.0×50mm)、勾配:10〜98%CHCN(0.05%TFAを含む)/HO(0.06%TFAを含む)、1.5mL/分で1.25分間。
方法E:カラム:Waters Xterra C18(3.0×50mm)、勾配:10〜100%MeCN(0.05%ギ酸を含む)/HO(0.06%ギ酸を含む)、1mL/分で3.75分間。
【0124】
分取用HPLCはYMC−Pack Pro C18カラム(150×20mm i.d.)又はKromasil 100−10 C8カラム(100×30mm i.d.)のいずれかにより、4mL/分の初期速度で1.35分間、次いで20mL/分で10.6分間実施した。分析の最初の部分の間に用いられる勾配を記載し、全ての分析においては100%有機溶媒により20mL/分、0.5分間を続ける。
【0125】
シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーは、実験の項に記載された勾配を用いてUV検出器を備えたBiotage Horizon又はBiotage SP−1装置を用いてプレパックシリカゲルカラムを用いて実施した。
【0126】
以下の実施例は、本発明を更に十分に理解されるように提供される。それらは、多少なりとも本発明を限定するとして解釈すべきでない。
【0127】
【化16】

【0128】
工程A:4,4’−シクロブタン−1,1−ジイルジフェノール
濃HCl(7mL)中で、シクロブタノン(1.2g,17ミリモル)及びフェノール(4.8g,51ミリモル)を40℃で72時間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、フィルターケーキをEtOAcに溶解し、飽和NaHCO(水溶液)及び食塩水で洗浄した。有機層を濃縮して固体を得て、これをEtOAc/CHClから再結晶し標題化合物を得た。LCMS(ESI,陰イオン):m/z=239[MH];479[2MH]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.10(d,J=8.6Hz,4H),6.70(d,J=8.6Hz,4H),2.65(t,J=7.5Hz,4H),1.93(quint,J=7.5Hz,2H).
【0129】
工程B:4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロブチル]フェニルトリフルオロメタンスルホネート
DCMに懸濁した前の工程由来の標題化合物(3.88g,16.2ミリモル)に、ピリジン(3.9mL,49ミリモル)を加えた。氷水浴中で混合物を冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.7mL,16ミリモル)を注射器を通してゆっくりと加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物に2N HClを加えることによって反応を停止し、EtOAcで抽出し、減圧下、有機層を濃縮した。粗残渣を、25%〜66%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を無色の油状物質として得た。LCMS(ESI,陰イオン):m/z=371[M−H]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.45(d,J=8.9Hz,2H),7.25(d,J=8.7Hz,2H),7.16(d,J=8.7Hz,2H),2.65(t,J=7.5Hz,4H),1.93(quint,J=7.5Hz,2H).
【0130】
工程C:メチル4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロブチル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(4.5g,12ミリモル)のMeOH(8mL)中の溶液に、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(1.5g,1.8ミリモル)及びDIEA(8.3mL,48ミリモル)を加えた。混合物をCO雰囲気下(バルーン)、50℃で16時間撹拌した。得られた混合物をガラス製漏斗を通し、ろ液を濃縮し、12%〜80%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を固体として得た。LCMS(ESI,陰イオン):m/z=281.0[M−H]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.91(d,J=8,5Hz,2H),7.39(d,J=8.5Hz,2H),7.15(d,J=8.5Hz,2H),3.86(s,3H),2.77−2.66(m,4H),2.00−1.87(m,2H).
【0131】
【化17】

【0132】
メチル4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンチル]ベンゾエート
中間体1の合成のために用いた方法と同じ方法を用いて標題化合物を製造した。LCMS(ESI,陰イオン):m/z=295.2[M−H]
【0133】
【化18】

【0134】
メチル4−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]ベンゾエート
中間体1の合成のために用いた方法と同じ方法を用いて標題化合物を製造した。LCMS(ESI,陰イオン):m/z=343.1[M−H]
【0135】
【化19】

【0136】
メチル4−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル]ベンゾエート
中間体1の合成のために用いた方法と同じ方法を用いて標題化合物を製造した。LCMS(ESI,陰イオン):m/z=357.2[M−H]
【0137】
【化20】

【0138】
方法1
工程A:4,4’−[4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサン−1,1−ジイル]ジフェノール
4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノン(1.13g,6.8ミリモル)及びフェノール(2.01g,21.4ミリモル)の3mLの濃HCl(水溶液)中の溶液を40℃で18時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO水溶液をゆっくりと加えた。有機層を集め、水層をEtOAcで抽出した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。残渣を、カラム容量の10倍の0%〜40%EtOAc/ヘキサン、次いでカラム容量の5倍の40%〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を白色固体として得た。LCMS(ESI,陰イオン):m/z=335.1[M−1]HNMR(500MHz,CDOD)δ7.17(d,J=8.7Hz,2H),6.96(d,J=8.7Hz,2H),6.76(d,J=8.7Hz,2H),6.60(d,J=9Hz,2H),2.69(d,J=13Hz,2H),2.24(m,1H),1.91(t,2H),1.84(br d,2H),1.49(q,2H).
【0139】
工程B:4−[1−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]フェノール
前の工程由来の標題化合物(988mg,2.9ミリモル)の6mLのDMF中の溶液にCsCO(945mg,2.9ミリモル)、次いで、臭化ベンジル(0.35mL,2.9ミリモル)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌し、EtOAc及び飽和NaHCO水溶液で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回抽出した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。残渣を、カラム容量の10倍の0%〜35%EtOAc/ヘキサン、次いでカラム容量の5倍の35%〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を泡状の白色固体として得た。LC−MS(ESI):m/z=449.18[M+23]
【0140】
工程C:4−[1−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]フェニルトリフルオロメタンスルホネート
前の工程由来の標題化合物(432mg,1ミリモル)及びピリジン(0.40mL,5ミリモル)の5mLのDCM中の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.34mL,2ミリモル)を滴下して加えた。反応物を室温に16時間静置し、次いでDCMで希釈し、2N HClに注ぎ入れた。有機層を集め、水層をDCMで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。残渣を、カラム容量の10倍の0%〜30%EtOAc/ヘキサン、次いで、カラム容量の5倍の30%〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を黄色の油状物質として得た。LC−MS(ESI):559.09[M+1]
【0141】
工程D:メチル4−[1−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(194mg,0.35ミリモル)、酢酸パラジウム(II)(11mg,0.05ミリモル)、及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(58mg,0.1ミリモル)の2.5mLのMeOH中の溶液に、DIEA(0.24mL,1.4ミリモル)を加えた。フラスコを、CO雰囲気下(バルーン)、50℃で16時間加熱した。減圧下に溶媒を除去し、得られた残渣を、カラム容量の10倍の0%〜15%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を泡状の白色固体として得た。LC−MS(ESI):m/z=469.19[M+1]
【0142】
工程E:メチル4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート,異性体A及びB
前の反応由来の標題化合物(50mg,0.1ミリモル)の2.5mLのMeOH及び2mLのEtOAc中の溶液に、触媒量の20%の水酸化パラジウムカーボンを加えた。水素雰囲気下(バルーン)、反応物を5.5時間撹拌した。反応物をセライトでろ過し、フィルターケーキをEtOAc及びMeOHで洗浄した。一緒にしたろ液及び洗浄液を減圧下に濃縮し、生成物を白色固体として得た。
【0143】
シス及びトランス異性体は、10%EtOH/ヘプタンを用いて溶出するChiralCel OJカラムによるHPLCにより、早く移動する化合物として溶出する異性体A、遅く移動する化合物として異性体Bとして分離した。H NMR 2D NOE分析に基づき、異性体Aは、トリフルオロメチル及び4−ヒドロキシフェニル基をシス配置として有すると特定され、異性体Bは、トリフルオロメチル及び4−ヒドロキシフェニル基をトランス配置として有すると特定された。
異性体A:LC−MS(ESI):m/z=379.26[M+1]HNMR(500MHz,CDOD)δ7.84(d,J=8.5Hz,2H),7.31(d,J=8.5Hz,2H),7.21(d,J=8.9Hz,2H),6.79(d,J=8.7Hz,2H),3.85(s,3H),2.79(d,J=12.8Hz,2H),2.28(m,1H),1.96(t,2H),1.88(d,2H),1.52(q,2H).
異性体B:LC−MS(ESI):m/z=379.27[M+1]HNMR(500MHz,CDOD)δ7.98(d,J=8.4Hz,2H),7.52(d,J=8.5Hz,2H),7.01(d,J=8.7Hz,2H),6.63(d,J=8.7Hz,2H),3.89(s,3H),2.86(d,J=13.5H,2H),2.29(m,1H),2.001.89(重複 t,d,4H),1.42(q,2H).
【0144】
方法2
工程A:4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]フェニルトリフルオロメタンスルホネート
方法1、工程Aの中間体5の標題化合物(1.1g,3.2ミリモル)の5mLのDCM中の溶液にピリジン(0.39mL,4.8ミリモル)を加えた。0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.55mL,3.2ミリモル)を滴下して加えた。添加後、反応混合物を室温で2時間撹拌し、DCMで希釈し、2N HClに注ぎ入れた。有機層を集め、水層をDCMで2回洗浄した。一緒にした有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣を、カラム容量の10倍の0%〜40%EtOAc/ヘキサン、及びカラム容量の5倍の40%〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、早く移動する生成物として異性体A、及び遅く移動する生成物として異性体Bを得た。ビス−トリフレート生成物も分離した。
異性体A:LC−MS(ESI):m/z=468.06[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.33(d,J=8.9Hz,2H),7.21(d,J=8.7Hz,2H),7.17(d,J=9Hz,2H),6.80(d,J=8.7Hz,2H),2.77(d,J=12.8Hz,2H),2.28(m,1H),1.96(t,2H),1.89(br d,2H),1.52(q,2H).
異性体B:HNMR(500MHz,CDOD):δ7.53(d,J=8.9Hz,2H),7.31(d,J=8.9Hz,2H),7.00(d,J=8.7Hz,2H),6.65(d,J=8.7Hz,2H),2.80(d,J=13.3Hz,2H),2.28(m,1H),1.97(t,2H),1.90(br d,2H),1.41(q,2H).ビス−トリフレート:LC−MS(ESI):m/z=617.23.[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.63(d,J=8.9Hz,2H),7.40(重複 d,d,4H),7.26(d,J=9.0Hz,2H),2.91(br d,J=13Hz,2H),2.36(m,1H),2.06(t,2H),1.97(br d,2H),1.46(q,2H).
【0145】
工程B:メチル4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート,異性体B
7mLのMeOH中、前の反応由来の異性体B(1.1g,2.4ミリモル)に、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(259mg,0.35ミリモル)及びDIEA(1.7mL,9.6ミリモル)を加えた。反応物をCO雰囲気下(バルーン)、60℃で一晩撹拌した。反応混合物をセライトでろ過し、フィルターケーキをMeOHで洗浄した。一緒にしたろ液及び洗浄液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をカラム容量の10倍の0%〜40%EtOAc/ヘキサン、及びカラム容量の5倍の40%〜100%EtOAc/ヘキサンを用いて溶出するシリカゲルにより精製し、標題化合物を白色固体として得た。標題化合物のLCMS及びNMRデータは、方法1を用いて製造した中間体5の異性体Bと一致した。
【0146】
【化21】

【0147】
メチル4−[4−tert−ブチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]ベンゾエート
方法1、中間体5について記載した方法と同様の方法を用いて、4−tert−ブチルシクロヘキサノンから標題化合物を製造した。LC−MS(ESI):m/z=367.3[M+1]
【0148】
【化22】

【0149】
工程A:メチル4−(2−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)ベンゾエート
無水THF(200mL)に溶解した4−ヨードベンゾエート(23.1g,0.0882ミリモル)の溶液を−47℃に冷却した。塩化イソプロピルマグネシウム(THF中2.0M溶液、48mL,0.097モル)をゆっくりと溶液に加えた。反応混合物を−47℃で1時間撹拌し、−47℃で、予め冷却したノルカンファー(11.6g,0.105モル)のTHF(100mL)中の溶液にカニューレで挿入した。次いで、反応混合物を−40℃で一晩撹拌し、次いで−20℃に加温した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。EtOAcを用いて3回抽出した。一緒にした有機部分を水及び食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶出液として0%〜30%EtOAc/ヘキサンの勾配溶出)により精製し、標題化合物を得た。
【0150】
工程B:メチル4[2−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]ベンゾエート
フェノール(7.80g,82.8ミリモル)及びp−トルエンスルホン酸(2.48g,13.0ミリモル)の混合物を、無水トルエン(160mL)中、ディーンスターク装置を備えた二つ口フラスコ中で10分間還流した。前の反応由来の標題化合物(10.2g,41.4ミリモル)のトルエン(40mL)中の溶液を、追加の漏斗を用いて10分かけて系に加えた。得られた混合物を14時間還流し、室温まで冷却した。反応物をEtOAcで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1N)、水、及び食塩水で連続的に洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出:0%〜20%EtOAc/ヘキサン)により精製し、標題化合物を得た。
【0151】
工程C:メチル4[2−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]ベンゾエートの光学分割
前の反応の標題化合物を分取用キラルHPLC(Chiralpak ADカラム,溶出液として15%EtOH/ヘプタン)によりエナンチオマー成分に分割した:
エナンチオマーA,(+)CD偏向、分析用Chiralpak AD カラム(4.6×250mm;10ミクロン、流速1mL/分、λ=220nm UV検出)による保持時間=9.18分。
エナンチオマーB,(−)CD偏向、分析用Chiralpak AD カラム(4.6×250mm;10ミクロン、流速1mL/分、λ=220nm UV検出)による保持時間=14.95分。
エナンチオマーB:HNMR(500MHz,CDCl):δ9.15(s,1H);7.80(d,J=8.5Hz,2H);7.43(d,J=8.5Hz,2H);7.14(d,J=8.7Hz,2H);6.61(d,J=8.7Hz,2H);3.79(s,3H);3.29(s,1H);2.18−2.34(重複 m,3H);1.51(d,J=9.4Hz,1H);1.44(m,2H);1.29(d,J=9.1Hz,1H);1.05(m,2H).
【0152】
エナンチオマーA及びBの絶対的立体化学配置は、X−線結晶解析により確立し、エナンチオマーAは1S,2S,4Rであり、エナンチオマーBは1R,2R,4Sと特定された。
【0153】
【化23】

【0154】
工程A:1−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノール,異性体A及びB
2−メトキシ−6−ブロモナフタレン(1.52g,6.40ミリモル)の冷却した(−78℃)のTHF(40mL)中の無水溶液に、n−BuLi(ヘキサン中、2.5M溶液、6.9mL,6.9ミリモル)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下に−78℃で15分間撹拌し、反応混合物に4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノン(0.88g,5.3ミリモル)をゆっくりと加えた。反応浴を室温にまで加温し、飽和NHCl(水溶液)で反応混合物の反応を停止した。得られた混合物をEtOAc/ヘキサンで抽出した。有機層を減圧下に濃縮し、粗残渣を、勾配溶出(0%〜20%EtOAc/ヘキサン、150mL:20%〜35%EtOAc/ヘキサン、204mL;35%〜75%EtOAc/ヘキサン、381mL)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、早く溶出する生成物として異性体A、及び遅く溶出する生成物として異性体Bを得た。
異性体A:HNMR(500MHz,CDCl):δ7.89(s,1H),7.80(t,J=9.4Hz,2H),7.64(d,J=8.7,1H),7.21(d,J=8.9,1H),7.17(s,1H),3.96(s,3H),2.64−2.52(m,2H),2.37−2.24(m,1H),2.15−2.02(m,2H),1.91−1.80(m,2H),1.69−1.51(m,2H).
異性体B:HNMR(500MHz,CDCl):δ7.89(s,1H),7.80(t,J=9.4Hz,2H),7.64(d,J=8.7Hz,1H),7.21(d,J=8.9Hz,1H),7.17(s,1H),3.96(s,3H),2.64−2.52(m,2H),2.37−2.24(m,1H),2.15−2.02(m,2H),1.91−1.80(m,2H),1.69−1.51(m,2H).
【0155】
工程B:4−[1−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]フェノール,異性体A及びB
前の工程由来の異性体A(200mg,0.61ミリモル)及びフェノール(200mg,2.12ミリモル)を4mLのガラス瓶中で合わせて、溶解するまで加熱した。次いで、パラ−トルエンスルホン酸無水物(80mg,0.42ミリモル)を加え、混合物を105℃で30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、飽和NaHCO(水溶液)で希釈した。シス及びトランス生成物異性体の約1:1混合物を含む、得られたスラリーをEtOAcで抽出した。有機層を減圧下に濃縮し、残渣を20%〜25%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、早く溶出する生成物として異性体A、及び遅く溶出する生成物として異性体Bを得た。
異性体A:LCMS(ESI):m/z=401.3[M+H]HNMR(500MHz,CDCl):δ7.69(d,J=8.92,1H),7.60(d,J=8.7Hz,2H),7.30−7.23(m,3H),7.13−7.07(m,2H),6.84(d,J=8.7,1H),3.90(s,3H),2.87(d,J=13.2,2H),2.30−2.18(m,1H),2.08−1.92(m,4H),1.64−1.52(m,2H).
異性体B:LCMS(ESI):m/z=401.3[M+H]HNMR(500MHz,CDCl):δ7.81(d,J=1.6Hz,1H),7.78(d,J=8.9Hz,1H),7.72(d,J=8.7Hz,1H),7.35(d,J=8.7Hz,1H),7.20(d,J=8.9Hz,1H),7.15(d,J=2.3Hz,1H),7.09(d,J=8.9,2H),6.72(d,J=8.9Hz,2H),3.97(s,3H),2.89(d,J=13.3,2H),2.27−2.16(m,1H),2.07−1.93(m,4H),1.74−1.54(m,2H).
【0156】
工程C:ブチル4−[1−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の反応由来の異性体A(498mg,1.24ミリモル)の無水CHCl(14mL)中の溶液に、ピリジン(0.15mL,1.86ミリモル)、次いで、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.38g,4.89ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌し、水で反応を停止し、得られた混合物をEtOAc/ヘキサンで抽出した。有機層を1N HClで洗浄し、次いで短いシリカプラグに通した。ろ液を濃縮して乾燥し、粗製のトリフレートを固体として得た。トリフレートをn−ブタノール(8mL)に溶解し、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(86mg,0.12ミリモル)及びDIEA(0.61mL,3.5ミリモル)を加えた。反応混合物を、CO雰囲気下(バルーン)、90℃で1時間撹拌した。得られた混合物を濃縮し、25%〜65%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を固体として得た。
LCMS(ESI):m/z=485.4[M+H]HNMR(500MHz,CDCl):δ7.90(d,J=8.7Hz,2H),7.80(d,J=1.6Hz,1H),7.76(d,J=8.9Hz,1H),7.70(d,J=8.7Hz,1H),7.33−7.27(m,3H),7.19(dd,J=8.9,2.5Hz,1H),7.13(d,J=2.3Hz,1H),4.29(t,J=6.5Hz,2H),3.94(s,3H),2.93(d,J=13.0Hz,2H),2.28−2.15(m,1H),2.10−1.94(m,4H),1.78−1.57(m,4H),1.52−1.41(m,2H),0.96(t,J=7.60Hz,3H).
【0157】
工程D:ブチル4−[1−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(460mg,0.95ミリモル)の冷却した(0℃)無水CHCl(10mL)中の溶液に、窒素雰囲気下、注射器によってBBr(CHCl中、1.0M溶液、3mL、3.0ミリモル)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した。水で反応を停止し、得られた混合物をEtOAc/ヘキサンで抽出した。有機層を減圧下に濃縮し、標題化合物を固体として得た。LC−MS(ESI):m/z=471.3[M+H]HNMR(500MHz,CDCl):δ8.05(d,J=8.5Hz,2H),7.73−7.53(m,3H),7.51(d,J=8.5Hz,2H),7.23−7.06(m,3H),4.35(t,J=6.6Hz,2H),2.95(d,J=12.4Hz,2H),2.30−2.16(m,1H),2.15−1.88(m,4H),1.84−1.69(m,2H),1.68−1.42(m,4H),1.01(t,J=7.32Hz,3H).
【0158】
【化24】

【0159】
工程A:1−(2−メトキシキノリン−6−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノール
2−メトキシ−6−ブロモキノリン(1.16g,4.89ミリモル)の冷却した(−78℃)無水THF溶液に、n−BuLi(ヘキサン中、2.5M溶液、2.05mL、5.13ミリモル)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下、−78℃で15分間撹拌し、4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノン(0.81g,4.89ミリモル)を反応物にゆっくりと加えた。添加を完了した後、反応浴を室温にまで加温した。反応混合物を飽和NHCl(水溶液)で反応停止し、EtOAc/ヘキサンで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮し、得られた残渣を、勾配溶出(0%〜20%EtOAc/ヘキサン、150mL;20%〜35%EtOAc/ヘキサン、204mL、35%〜75%EtOAc/ヘキサン、381mL)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、早く移動する異性体として異性体A、及び遅く移動する異性体として異性体Bを得た。
異性体A:LCMS(ESI):m/z=326.1[M+H]HNMR(500MHz,CDCl):δ7.99(d,J=8.9Hz,1H),7.87(d,J=8.7Hz,1H),7.83(d,J=2.1Hz,1H),7.75(dd,J=8.7,2.1Hz,1H),6.93(d,J=8.7Hz,1H),4.10(s,3H),2.21−2.12(m,1H),2.05−1.91(m,8H).
異性体B:LCMS(ESI):m/z=326.2[M+H]HNMR(500MHz,CDCl):δ7.99(d,J=8.7Hz,1H),7.89(d,J=8.7Hz,1H),7.82−7.76(m,2H),6.94(d,J=8.7Hz,1H),4.10(s,3H),2.58−2.49(m,2H),2.36−2.24(m,1H),2.13−2.03(m,2H),1.89−1.78(m,2H),1.67−1.57(m,2H).
【0160】
工程B:4−[1−(2−メトキシキノリン−6−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]フェノール,異性体A
トリフルオロメタンスルホン酸(3mL)に溶解したフェノール(0.46g,4.9ミリモル)に、前の工程由来の異性体A(1.06g,3.26ミリモル)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、氷/水浴に移し、飽和NaHCO水溶液をゆっくり加えることにより反応を停止した。2種の生成物の異性体を含む得られた混合物をEtOAcで抽出した。有機層を減圧下に濃縮し固体残渣を得て、トルエン/DCM(1:3v/v)で粉砕した。スラリーをガラス製漏斗を通してろ過し、フィルターケーキをDCM(2回)及びトルエン(2回)で洗浄した。より強力なグルカゴン受容体アンタゴニストである異性体Aはフィルターケーキ中に残留するが、異性体Bはろ液中に通過する。異性体AをEtOAcに溶解し、1N HCl(水溶液)及び食塩水で洗浄した。有機層を濃縮し、標題の異性体Aを白色固体として得た。LCMS(ESI):m/z402.2[M+H]
【0161】
工程C:ブチル4−[1−(2−メトキシキノリン−6−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の異性体A(800mg,1.99ミリモル)の無水CHCl(10mL)中の溶液に、ピリジン(0.24mL,3.0ミリモル)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.40mL,2.4ミリモル)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、水で反応を停止し、EtOAc/ヘキサンで抽出した。一緒にした有機層をHO(2回)、次いで食塩水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、短いシリカプラグを通過させた。溶出液を濃縮して乾燥し、粗製のトリフレートを得た。トリフレートの一部(875mg,1.64ミリモル)をn−ブタノール(12mL)に溶解し、PdCl(dppf)ジクロロメタン付加物(120mg,0.1ミリモル)及びDIEA(0.86mL,3ミリモル)を加えた。得られたスラリーを、CO雰囲気化(バルーン)、90℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、16%〜50%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。LCMS(ESI):m/z=486.2[M+H]HNMR(500MHz,CDCl):δ8.07(d,J=8.5Hz,2H),7.92(d,J=8.9Hz,1H),7.74(d,J=8.9Hz,1H),7.54−7.49(m,3H),7.44(dd,J=8.9,2.3Hz,1H),6.91(d,J=8.9Hz,1H),4.36(t,J=6.6Hz,2H),4.07(s,3H),2.95(d,J=13.4Hz,2H),2.3−2.19(m,1H),2.15−1.97(m,4H),1.79(quint,J=6.6Hz,2H),1.66−1.47(m,4H),1.02(t,J=7.3Hz,3H).
【0162】
工程D:ブチル4−[1−(2−ヒドロキシオキシキノリン−6−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(490mg,1.0ミリモル)の無水ジクロロエタン(5mL)中の撹拌溶液に、ヨウ化トリメチルシリル(0.82mL,5.7ミリモル)をゆっくりと加えた。混合物を65℃で3.5時間撹拌し、次いで、反応混合物を減圧下に濃縮した。残渣を、減圧下に最初にトルエン(20mL)から、次いで、2−プロパノール(6mL)及びトルエン(10mL)の混合物から再濃縮し、標題化合物を得た。LC−MS(ESI):m/z=472.2[M+1]HNMR(500MHz,CDCl):δ8.08(d,J=8.2Hz,3H),7.63−7.50(m,3H),7.49(d,J=8.2Hz,2H),6.94(d,J=9.4Hz,1H),4.36(t,J=6.6Hz,2H),2.92(d,J=13.0Hz,2H),2.31−2.18(m,1H),2.15−1.97(m,4H),1.83−1.71(m,2H),1.65−1.46(m,4H),1.01(t,J=7.3Hz,3H).
【0163】
【化25】

【0164】
工程A:1−(6−メトキシピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノール
ドライアイス/アセトン浴中で冷却しながら、n−ブチルリチウム(ヘキサン中、2.5Mの溶液、3mL,7.5ミリモル)に、40mLのTHF中の5−ブロモ−2−メトキシピリジン(6.0ミリモル,0.78mL)を滴下して加えた。15分間熟成した後、4−トリフルオロメチルシクロヘキサノン(6.0ミリモル,1g)を加え、反応混合物を2時間かけてゆっくりと0℃に加温した。反応物をドライアイス/アセトン浴中で冷却し、飽和塩化アンモニウム(水溶液)、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム(水溶液)を加えることによって反応を停止した。反応混合物をヘキサン/EtOAcで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣を4:1、2:1及び1:1(v/v)のEtOAc/ヘキサンの段階的勾配を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を異性体の混合物として得た。LC−MS(ESI):m/z=276.2[M+1]
【0165】
工程B:4−[1−(6−メトキシピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]フェノール
フェノール(680mg,7.2ミリモル)の3mLのトリフルオロメタンスルホン酸中の溶液に、前の工程の標題化合物(1.15g,4.2ミリモル)を加えた。反応物はわずかに発熱し、混合物をアセトン浴中で冷却した。1.5時間後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(水溶液)に注ぎ入れ、EtOAcで2回抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣を、10%から20%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を2種の異性体の混合物として得た。LC−MS(ESI):m/z=352.3[M+1]
【0166】
工程C:ブチル4−[1−(6−メトキシピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の反応の標題化合物(1.3g,3.6ミリモル)及びピリジン(0.42mL,5.2ミリモル)に、30mLのジクロロメタン中、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.65mL,3.9ミリモル)を滴下して加えた。反応混合物を、炭酸水素ナトリウム水溶液/ヘキサン−EtOAcで分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルのプラグを通過させ、濃縮した。粗製のトリフレートを20mLのn−ブタノールに溶解し、PdCl(dppf)ジクロロメタン付加物(250mg,0.3ミリモル)及びDIEA(0.9mL,5.2ミリモル)を加えた。反応物を、CO雰囲気下(バルーン)、90℃で2時間撹拌し、反応物を濃縮した。15%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーは、標題化合物を2種の異性体の混合物として与えた。LC−MS(ESI):m/z=436.4[M+1]
【0167】
工程D:ブチル4−[1−(6−ヒドロキシピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(1.4g,3.3ミリモル)のジクロロエタン(12mL)中の溶液に、2mLのヨウ化トリメチルシリルを加えた。反応混合物を55℃で6時間加熱した。減圧下、溶媒を除去した。残渣を、最初にトルエンから、次いでトルエン/イソプロピルアルコールの混合物から濃縮した。33%〜50%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーは、早く溶出する化合物として異性体Aを、遅く溶出する化合物として異性体Bを与えた。
異性体A:HNMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)7.95(d,J=8.5Hz,2H),7.81(s,1H),7.33(d,J=8.5Hz,2H),6.73(d,J=9.2Hz,1H),4.29(t,J=6.5Hz,2H),2.65(d,J=13.0Hz,2H),2.25(m,1H),1.74(m,2H),0.98(t,J=7.4Hz,3H).
異性体B:HNMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)8.06(d,J=8.2Hz,2H),7.64(d,J=2.3Hz,1H),7.48(m,3H),6.67(d,J=9.4Hz,1H),4.33(t,J=6.6Hz,2H),2.79(d,J=13.0Hz,2H),2.25(m,1H),1.77(m,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H).
【0168】
実施例1
【0169】
【化26】

工程A:4−[1−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
方法1、工程Dの中間体5の標題化合物(11.5mg,0.02ミリモル)に、1mLのジオキサン中、0.5mLの水中のLiOH(7mg,0.3ミリモル)を加えた。反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をpH7の水性バッファー中に溶解し、EtOAcで抽出した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI):m/z=455.2[M+1]
【0170】
工程B:3−({4−[1−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパン酸
前の工程の標題化合物(5.9mg,0.012ミリモル)、β−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(5mg,0.03ミリモル)、HOBt(5mg,0.03ミリモル)及びEDC(6mg,0.03ミリモル)の0.5mLのDMF溶液中に、DIEA(0.007mL,0.04ミリモル)を加えた。反応物を45℃に1時間加熱し、EtOAc/水で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI):m/z=582.3[M+1]
【0171】
得られた残渣を、0.015mLの水及び0.6mLのトリフルオロ酢酸を含む1mLのDCMに溶解した。反応物を室温で50分間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を逆相クロマトグラフィー(35%〜100%MeCN/HO,いずれも0.1%TFAを含む)により精製し、標題化合物を立体異性体の1.6:1の混合物として得た。LC−MS(ESI):m/z=526.1[M+1]
主要な異性体:HNMR(500MHz,CDOD):δ7.65(d,J=8.4Hz,2H),7.48(d,J=7.6Hz,2H),7.39−7.29,(重複 m,3H),7.33(d,J=8.9Hz,2H),7.30(d,J=8.5Hz,2H),7.01(d,J=8.9Hz,2H),5.08(s,2H),3.59(t,2H),2.83(br d,J=13Hz,2H),2.61(t,2H),2.30(m,1H),1.99(t,2H),1.91(br d,2H),1.53(q,2H).
鏡像異性体:δ7.78(d,J=8.5Hz,2H),7.51(d,J=8.7Hz,2H),7.397.29(,重複 m,5H),7.12(d,J=8.9Hz,2H),6.84(d,J=9Hz,2H),5.01(s,2H),3.63(t,2H),2.87(br d,J=14Hz,2H),2.64(t,2H),2.30(m,1H),1.99(t,2H),1.91(br d,2H),1.48(q,2H).
【0172】
実施例2
【0173】
【化27】

工程A:メチル4−[1−{4−[(3−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
中間体5、異性体B(20mg,0.05ミリモル)の1mLのDMF中の溶液に、CsCO(58mg,0.15ミリモル)及び臭化3−フルオロベンジル(0.019mL,0.15ミリモル)を加えた。反応混合物を40℃で2時間、次いで室温で16時間撹拌した。反応物をEtOAc及び飽和NaHCO水溶液で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI):m/z=487.3[M+1]
【0174】
工程B:4−[1−{4−[(3−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
前の工程由来の標題化合物(0.05ミリモル)に、1mLのジオキサン中、LiOH(10mg,0.41ミリモル)の0.5mLの水溶液を加えた。反応物を40℃で2時間、次いで室温で16時間撹拌した。反応混合物を、pH7の水性バッファー及びEtOAcで分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮して標題化合物を白色固体として得た。LC−MS(ESI):m/z=473.3[M+1]
【0175】
工程C:3−({4−[1−{4−[(3−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパン酸
前の工程由来の標題化合物(35mg,0.05ミリモル)、β−アラニンエチルエステル塩酸塩(18mg,0.1ミリモル)、HOBt(15mg,0.1ミリモル)及びEDC(19mg,0.1ミリモル)の1mLのDMF中の溶液に、DIEA(0.026mL,0.15ミリモル)を加えた。反応混合物を40℃で2時間加熱し、次いで、EtOAc/食塩水で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮して粗エステルを得た。LC−MS(ESI):m/z=600.4[M+1]
【0176】
得られた残渣を、0.015mLの水及び0.50mLのトリフルオロ酢酸とともに0.70mLのDCMに溶解した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。減圧下に溶媒を除去し、生成物を逆相クロマトグラフィー(50〜100%MeCN/HO,いずれも0.1%TFAを含む)により精製した。凍結乾燥により、標題化合物を白色固体として得た。LC−MS(ESI):m/z=544.3[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.77(d,J=8.5Hz,2H),7.50(d,J=8.5,2H),7.35(m,1H),7.19(d,J=7.8Hz,1H),7.12(重複 d,m,3H),7.00(t,1H),6.83(d,J=8.9Hz,2H),5.02(s,2H),3.62(t,2H),2.86(d,J=13.3Hz,2H),2.63(t,2H),2.29(m,1H),1.98(t,2H),1.91(br d,2H),1.44(q,2H).
【0177】
実施例3
【0178】
【化28】

工程A:メチル4−[4−(トリフルオロメチル)−1−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)シクロヘキシル]ベンゾエート
中間体5、異性体B(120mg,0.32ミリモル)及びピリジン(0.13mL,1.6ミリモル)の2mLのDCM中の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.11mL,0.63ミリモル)を加えた。反応混合物を室温に1時間静置し、次いでDCMで希釈し、2N HClに注ぎ入れた。有機層を集め、水層をDCMで2回洗浄した。一緒にした有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮して標題化合物を黄色固体として得た。LC−MS(ESI):m/z=511.2[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ8.02(d,J=8.5Hz,2H),7.57(d,J=8.7Hz,2H),7.39(d,J=9.1Hz,2H),7.22(d,J=9Hz,2H),3.89(s,3H),2.93(d,J=13.1Hz,2H),2.33(m,1H),2.03(t,2H),1.94(br d,2H),1.45(q,2H).
【0179】
工程B:4−[1−[4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
前の工程由来の標題化合物(8mg,0.016ミリモル)、4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンボロン酸(4.8mg,0.024ミリモル)及びテトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(0)(1.8mg,0.0016ミリモル)の混合物に、0.40mLのエチレングリコールジメチルエーテル、0.20mLのエタノール及び0.20mLの2M炭酸ナトリウム(水溶液)を加えた。反応混合物を、CEM Discoverマイクロ波反応器内で、150℃で10分間加熱した。反応混合物を、DCM及び飽和NaHCO水溶液で分配した。有機層を集め、水層をDCMで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮し、次いで逆相クロマトグラフィー(65%〜100%MeCN/水、いずれも0.1%TFAを含む)により精製し、標題化合物を得た。LC−MS(ESI):m/z=509.3[M+1]
【0180】
工程C:tert−ブチル3−({4−[1−[4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパノエート
前の工程由来の標題化合物(25mg,0.05ミリモル)、β−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(24mg,0.13ミリモル)、HOBt(20mg,0.13ミリモル)及びEDC(25mg,0.13ミリモル)の1mLのDMF中の溶液に、DIEA(0.035mL,0.2ミリモル)を加えた。反応混合物を40℃で1.5時間加熱し、次いでEtOAc/食塩水で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮して、標題化合物を琥珀色の油状物質として得た。LC−MS(ESI):m/z=636.4[M+1]
【0181】
工程D:3−({4−[1−[4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパン酸
前の工程由来の標題化合物(0.05ミリモル)を0.70mLのDCM、及び0.015mLの水及び0.50mLのトリフルオロ酢酸に溶解した。反応物を室温で1時間撹拌した。反応物を減圧下に濃縮し、残渣を逆相クロマトグラフィー(60%〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)によって精製した。凍結乾燥により、標題化合物を白色固体として与えた。LC−MS(ESI):m/z=580.3[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.80(d,J=8.5Hz,2H),7.63(d,J=8.7Hz,2H),7.56(d,J=8.5Hz,2H),7.49(d,J=8.4,2H),7.327.29(重複 d,d,4H),3.62(t,2H),2.95(d,J=14Hz,2H),2.63(t,2H),2.34(m,1H),2.06(t,2H),1.95(d,2H),1.49(q,2H).
【0182】
実施例4
【0183】
【化29】

【0184】
工程A:4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
1mLのジオキサン中、中間体5、異性体B(172mg,0.45ミリモル)に、LiOH(44mg,1.8ミリモル)の0.5mLの水溶液を加えた。反応物を45℃で2時間撹拌した。反応混合物をpH7の水性バッファーに加え、EtOAcで抽出した。水層をEtOAcで2回洗浄し、一緒にした有機層を減圧下に濃縮し、標題化合物を灰色がかった白色固体として得た。LC−MS(ESI,陰イオン):m/z=363.2[M−1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.99(d,J=8.5Hz,2H),7.51(d,J=8.5Hz,2H),7.02(d,J=8.7Hz,2H),6.64(d,J=8.7Hz,2H),2.86(d,J=13.5Hz,2H),2.29(m,1H),2.001.90(重複 t,d,4H),1.44(q,2H).
【0185】
工程B:tert−ブチル3−({4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパノエート
前の工程由来の標題化合物(0.6ミリモル)、β−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(221mg,1.2ミリモル)、HOBt(184mg,1.2ミリモル)及びEDC(230mg,1.2ミリモル)の3mLのDMF中の溶液にDIEA(0.32mL,1.8ミリモル)を加えた。反応物を40℃で2時間加熱し、EtOAc/食塩水で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。カラム容量の10倍の0%〜40%EtOAc/ヘキサンの勾配で、次いで、カラム容量の5倍の40〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーは標題化合物を与えた。LC−MS(ESI):m/z=436.4[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.76(d,J=8.5Hz,2H),7.49(d,J=8.5Hz,2H),7.01(d,J=8.9Hz,2H),6.62(d,J=8.6Hz,2H),3.59(t,2H),2.84(d,J=13.5Hz,2H),2.56(t,2H),2.29(m,1H),1.961.87(重複 t,d,4H),1.44(s,9H).
【0186】
工程C:tert−ブチル3−({4−[4−(トリフルオロメチル)−1−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパノエート
前の工程由来の標題化合物(263mg,0.54ミリモル)及びピリジン(0.13mL,1.6ミリモル)の5mLのDCM中の溶液を−78℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.14mL,0.8ミリモル)を、反応混合物にゆっくりと加えた。反応混合物を室温に加温し、0.5時間撹拌し、DCMで希釈し、2N HCl(水溶液)中に注ぎ入れた。有機層を集め、水層をDCMで2回洗浄した。一緒にした有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮した。ベンゼンからの凍結乾燥は、標題化合物を灰色がかった白色固体として与えた。LC−MS(ESI):m/z=568.3[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.80(d,J=8.5Hz,2H),7.55(d,J=8.5Hz,2H),7.39(d,J=9Hz,2H),7.21(d,J=8.9Hz,2H),3.59(t,2H),2.92(d,J=13.5Hz,2H),2.56(t,2H),2.33(m,1H),2.02(t,2H),1.94(br d,2H),1.43(s,9H).
【0187】
工程D:3−({4−[1−[4’−クロロ−3’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパン酸
前の工程由来の標題化合物(15mg,0.03ミリモル)、4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(10mg,0.045ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.5mg,0.003ミリモル)の混合物に、0.50mLのエチレングリコールジメチルエーテル及び0.010mLのトリエチルアミンを加えた。反応混合物を、CEMディスカバーマイクロ波反応器中で、150℃で20分間加熱した。室温に冷却後、反応混合物をEtOAc及び飽和NaHCO水溶液で分配し、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI):m/z=654.2(M+1)。残渣を、0.015mLの水、0.50mLのトリフルオロ酢酸及び0.70mLのDCM中に溶解した。反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し、生成物を逆相クロマトグラフィー(50〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)により精製した。凍結乾燥は、標題化合物を白色固体として与えた。LC−MS(ESI):m/z=598.4[M+1]+.HNMR(500MHz,CDOD):δ7.91(s,1H),7.827.78(重複 d,d,3H),7.64(d,J=8.2Hz,1H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),7.53(d,J=8.7Hz,2H),7.37(d,J=8.6Hz,2H),3.63(t,2H),2.96(d,J=13.3Hz,2H),2.64(t,2H),2.34(m,1H),2.06(t,2H),1.96(br d,2H),1.49(q,2H).
【0188】
実施例5
【0189】
【化30】

【0190】
工程A:エチル3−({4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパノエート
実施例4、工程Aの標題化合物(43mg,0.09ミリモル)、β−アラニンエチルエステル塩酸塩(28mg,0.18ミリモル)、HOBt(28mg,0.18ミリモル)及びEDC(35mg,0.18ミリモル)の1mLのDMF中の溶液に、DIEA(0.047mL,0.27ミリモル)を加えた。反応物を50℃で1.5時間加熱し、次いでEtOAc/食塩水で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮し、標題化合物を得た。LC−MS(ESI):m/z=464.3[M+1]
【0191】
工程B:エチル3−({4−[1−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパノエート
前の工程由来の標題化合物(8.7mg,0.02ミリモル)の0.5mLのDMF中の溶液に、CsCO(17mg,0.045ミリモル)、次いで臭化4−フルオロベンジル(0.0056mL,0.045ミリモル)を加えた。反応物を40℃で1時間撹拌し、次いで室温で撹拌した。反応物をEtOAc及び飽和NaHCO水溶液で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮し、標題化合物を得た。LC−MS(ESI):m/z=572.3[M+1]
【0192】
工程C:3−({4−[1−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパン酸
前の工程由来の標題化合物(11mg,0.02ミリモル)の0.80mLのジオキサン中の溶液に、LiOH(5mg,0.2ミリモル)の0.40mLの水中の溶液を加えた。反応物を40℃で1時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。反応混合物を0.050mLのトリフルオロ酢酸で酸性化し、逆相クロマトグラフィー(50%〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)により精製した。凍結乾燥は、標題化合物を白色固体として与えた。LC−MS(ESI):m/z=544.3[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.50(d,J=8.5Hz,2H),7.40(m,2H),7.11(d,J=8.9Hz,2H),7.06(dd,J=8.8Hz,8.8Hz,2H),6.83(d,J=8.7Hz,2H),4.98(s,2H),3.62(t,2H),2.86(d,J=13.7Hz,2H),2.61(t,2H),2.29(m,1H),1.98(t,2H),1.90(br d,2H),1.44(q,2H).
【0193】
実施例6
【0194】
【化31】

【0195】
工程A:メチル4−[1−[4−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
実施例3、工程Aの標題化合物(50mg,0.1ミリモル)、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(0.019mL,0.15ミリモル),2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル(1mg,0.003ミリモル)、酢酸パラジウム(II)(0.5mg,0.002ミリモル)及びナトリウムtert−ブトキシド(13mg,0.14ミリモル)の混合物に、0.30mLのトルエンを加えた。反応物を90℃で16時間撹拌し、次いでEtOAc/食塩水で分配し、数滴の2N HClで酸性化した。水層をEtOAc、次いでDCMで洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮して、標題のメチルエステル及び加水分解されたカルボン酸の混合物として生成物を得た。LC−MS(ESI):m/z=494.3[M+1]
【0196】
工程B:4−[1−[4−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
1mLのジオキサン中、前の工程由来の標題化合物(49mg,0.1ミリモル)に、LiOH(10mg,0.41ミリモル)の0.5mLの水中の溶液を加えた。反応物を40℃で撹拌した。反応混合物を、数滴のトリフルオロ酢酸を用いて酸性化し、次いでpH7の水性バッファー及びEtOAcで分配した。水層をEtOAcで2回洗浄し、一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。逆相クロマトグラフィー(55%〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)は標題化合物を与えた。LC−MS(ESI):m/z=480.3[M+1]
【0197】
工程C:3−({4−[1−[4−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパン酸
前の工程由来の標題化合物(0.1ミリモル)、β−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(36mg,0.2ミリモル)、HOBt(31mg,0.2ミリモル)及びEDC(38mg,0.2ミリモル)の1mLのDMF中の溶液に、DIEA(0.052mL,0.3ミリモル)を加えた。反応物を室温に16時間静置し、次いでEtOAc/食塩水で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI):m/z=607.3[M+1].得られた残渣を、0.015mLの水及び0.50mLのトリフルオロ酢酸と一緒に0.70mLのDCMに溶解した。反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し、生成物を逆相クロマトグラフィー(10%〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)により精製した。凍結乾燥は、標題化合物をベージュ色の固体として与えた。LC−MS(ESI):m/z=551.5[M+1]HNMR(500MHz,CDOD)δ7.79(d,J=8.4Hz,2H),7.54(d,J=8.7Hz,2H),7.18(d,J=8.7Hz,2H),7.05(d,J=8.7Hz,2H),6.96(d,J=7.8Hz,1H),6.80(t,1H),6.60(t,1H),6.54(d,J=8.5Hz,1H),3.62(t,2H),3.52(t,2H),2.91(d,J=13.7Hz,2H),2.77(t,2H),2.63(t,2H),2.32(m,1H),2.05−1.91(重複,t,d,m,6H),1.48(q,2H).
【0198】
実施例7
【0199】
【化32】

工程A:メチル4−[1−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
ゴム状セプタム及び注射針(ガス放出)を取り付けた10mLの丸底フラスコ中に、SOCl(1mL)中、中間体5、異性体B(0.26ミリモル、100mg)を入れた。得られた溶液を50℃で16時間加熱した。反応物を減圧下に濃縮し、残渣を、シリカによる分取用TLCにより15%EtOAc/ヘキサンで溶出し、標題化合物を琥珀色の固体として得た。LC−MS(ESI):m/z=447.0[M+1],449.0[M+3]
【0200】
工程B:メチル4−[1−{3,5−ジクロロ−4−[(シクロヘキシルメチル)オキシ]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(0.08ミリモル,37mg)、ブロモメチルシクロヘキサン(0.25ミリモル,0.035mL)及びCsCO(0.25ミリモル,81mg)のDMF(1mL)中のスラリーを60℃で4時撹拌した。反応混合物をDCM/食塩水で分配した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、直接次の工程で用いた。
【0201】
工程C:N−({4−[1−{3,5−ジクロロ−4−[(シクロヘキシルメチル)オキシ]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]フェニル}カルボニル)−β−アラニン
前の工程由来の標題化合物に、2mLのジオキサン中、LiOH(1ミリモル、24mg)の1mLのHO中の溶液を加えた。得られた溶液を40℃で1時間撹拌し、次いで、DCM/1N HCl(水溶液)で分配した。有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をDMF(1mL)に溶解し、β−アラニンエチルエステル塩酸塩(0.2ミリモル,31mg)、EDC(0.2ミリモル,38mg)及びHOBt(0.2ミリモル,31mg)を加え、次いでDIEA(0.3ミリモル,0.052mL)を加えた。反応混合物を40℃で2時間加熱し、次いで、DCM/食塩水で分配した。有機層を減圧下に濃縮し、得られた残渣を2mLのジオキサンに溶解した。LiOH(1ミリモル,24mg)の1mLのHO中の溶液を加え、得られた溶液を40℃で2時間撹拌した。反応物を、TFA(0.10mL)を加えることにより酸性化し、次いで逆相HPLC(60%〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)により精製した。凍結乾燥は、標題化合物を白色固体として与えた。HNMR(500MHz,d−DMSO)δ12.18(brs,1H);8.50(t,J=5.5Hz,1H);7.78(d,J=8.4Hz,2H);7.54(d,J=8.4Hz,2H);7.25(s,2H);3.68(d,J=6.2Hz,2H);3.36−3.50Hz(重複 m,4H);2.90(d,J=13.1Hz,2H);2.43(m,1H);1.89(m,2H);1.57−1.85(重複 m,8H);1.00−1.28(重複 m,7H).
【0202】
実施例8
【0203】
【化33】

工程A:メチル4−[1−(4−ヒドロキシ−3−ヨードフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
中間体5、異性体B(220mg,0.58ミリモル)及び炭酸カルシウム(58mg,0.58ミリモル)の1.5mLのMeOH及び0.5mLのDCM中の溶液に、ベンジルトリメチルアンモニウムジクロロヨーデート(202mg,0.58ミリモル)を加えた。反応物を室温で撹拌し、次いでDCM/食塩水で分配した。有機層を減圧下に濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(カラム容量の10倍の0%〜30%EtOAc/ヘキサン、次いで、カラム容量の5倍の30%〜100%EtOAc/ヘキサン)は、出発材料及び生成物を完全に分離しなかった。逆相クロマトグラフィー(0%〜60%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)による再精製は、標題化合物を白色固体として与えた。LC−MS(ESI):m/z=505.3[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ8.00(d,J=8.4Hz,2H),7.52(d,J=8.5Hz,2H),7.47(d,J=2.3,1H),7.01(dd,J=8.6,2.4Hz,1H),6.67(d,J=8.4Hz,1H),3.89(s,3H),2.83(d,J=13.3Hz,2H),2.30(m,1H),1.981.89(重複 t,d,4H),1.41(q,2H).
【0204】
工程B:メチル4−[1−[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(36mg,0.07ミリモル)、ヨウ化銅(1mg,0.005ミリモル)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)アセテート(1mg,0.001ミリモル)の0.50mLのDMF中の溶液に、4−tert−ブチルフェニルアセチレン(0.013mL,0.07ミリモル)、及びピペリジン(0.007mL,0.07ミリモル)を加えた。反応混合物を85℃で一晩加熱し、次いで、EtOAc/食塩水で分配した。水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮し、粗生成物を得て、これは更に精製することなく用いた。LC−MS(ESI):m/z=535.4[M+1]
【0205】
工程C:4−[1−[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
前の段階由来の標題化合物(0.07ミリモル)に、1mLのジオキサン中、LiOH(8mg,0.33ミリモル)の0.5mLの水中の溶液を加えた。反応物を45℃で2時間撹拌した。反応混合物をpH7の水性バッファー及びEtOAcで分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮し、標題化合物を得て、これは更に精製することなく用いた。LC−MS(ESI):m/z=521.4[M+1]
【0206】
工程D:3−({4−[1−[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパン酸
前の工程由来の標題化合物、β−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(25mg,0.14ミリモル)、HOBt(21mg,0.14ミリモル)及びEDC(27mg,0.14ミリモル)の1mLのDMF中の溶液に、DIEA(0.037mL,0.21ミリモル)を加えた。反応混合物を45℃で1時間加熱し、室温で16時間静置し、そしてEtOAc/水で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI):m/z=648.4[M+1].残渣を、0.015mLの水及び0.30mLのトリフルオロ酢酸とともに0.7mLのDCMで溶解した。反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し、生成物を逆相クロマトグラフィー(70%〜100%MeCN/HO、何れも0.1%TFAを含む)により精製した。凍結乾燥は、標題化合物を白色固体として与えた。LC−MS(ESI):m/z=592.3[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.80(d,J=8.4Hz,2H),7.77(d,J=8.5Hz,2H),7.56(d,J=8.5,2H),7.48(重複 d,d,3H),7.33(d,J=8.7Hz,1H),7.14(dd,J=8.7Hz,2.1Hz,1H),7.03(s,1H),3.62(t,2H),2.97(d,J=13.9Hz,2H),2.62(t,2H),2.33(m,1H),2.09(t,2H),1.95(br d,2H),1.50(q,2H),1.34(s,9H).
【0207】
実施例9
【0208】
【化34】

工程A:メチル4−[1−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−ヨードフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
実施例8、工程Aの標題化合物(0.08ミリモル,40mg)をSOCl(0.5mL)に溶解し、得られた溶液を50℃で45分間加熱した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残渣をDCMに溶解し、食塩水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮し、標題化合物を泡状物質として得て、これは更に精製することなく用いた。
【0209】
工程B:メチル4−[1−(7−クロロ−2−プロピル−1−ベンゾフラン−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程の標題化合物(0.08ミリモル)に、DMF(0.2mL)中、1−ペニン(0.1ミリモル,0.010mL)、CuI(0.02ミリモル,4mg)、PdCl(PhP)(0.01ミリモル,7mg)及びDIEA(0.2ミリモル,0.034mL)を加えた。反応混合物を75℃で2時間撹拌し、次いで60℃で16時間撹拌した。反応混合物をDCM/食塩水で分配した。有機層を減圧下に濃縮し、生成物を15%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカによる分取用TLCにより分離し、標題化合物を黄色の固体として得た。
【0210】
工程C:N−{4−[1−(7−クロロ−2−プロピル−1−ベンゾフラン−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}−β−アラニン
2mLのジオキサン中、前の工程由来の標題化合物に、LiOH(1ミリモル,24mg)の1mLのHO中の溶液を加えた。得られた溶液を40℃で1.5時間撹拌し、次いでDCM/1N HCl(水溶液)で分配した。有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をDMF(1mL)中に溶解し、β−アラニンエチルエステル塩酸塩(0.1ミリモル,16mg)、EDC(0.1ミリモル,19mg)及びHOBt(0.1ミリモル,16mg)を加え、次いで、DIEA(0.15ミリモル,0.026mL)を加えた。反応混合物を40℃で2時間加熱し、次いで、DCM/食塩水で分配した。有機層を減圧下に濃縮し、得られた残渣を4mLのジオキサンに溶解した。LiOH(1ミリモル,24mg)の1mLのHO中の溶液を加え、得られた溶液を40℃で1.5時間撹拌した。反応物を、TFA(0.10mL)を加えることにより酸性化し、次いで逆相HPLC(60%〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)により精製した。凍結乾燥は、標題化合物を白色固体として与えた。LC−MS(ESI):m/z=536.1[M+1]HNMR(500MHz,d−DMSO):δ7.79(d,J=8.7Hz,2H);7.53(d,J=8.7Hz,2H);7.30(d,J=1.6Hz,1H);7.04(d,J=1.6Hz,1H);6.43(s,1H);3.62(t,J=7.0Hz,2H);2.92(d,J=13.3Hz,2H);2.73t,J=7.3Hz,2H);2.63(t,J=7.0Hz,2H);2.31(m,1H);2.03(td,J=13.6Hz,3Hz,2H);1.93(m,2H);1.75(m,2H);1.46(m,2H);0.98(t,J=14.5Hz,3H).
【0211】
実施例10及び11
【0212】
【化35】

工程A:メチル4−[2−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]ベンゾエート及びメチル4−[2−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]ベンゾエート
中間体7、異性体B(1ミリモル,322mg)及びN−ブロモスクシンイミド(1.3ミリモル,231mg)をDCM(5mL)中で混合し、反応混合物を室温で16時間静置した。反応混合物をDCM中に溶解し、飽和NaHCO(水溶液)、次いで食塩水で洗浄した。出発材料、モノブロモ及びビスブロモ生成物の、得られた混合物を減圧下に濃縮し、直接次の工程に用いた。モノブロミドLC−MS(ESI):m/z=403.0[M+3],401.0[M+1];ビスブロミドLC−MS(ESI):m/z=481.0[M+3],482.9[M+5],479.0[M+1]
【0213】
工程B:メチル4−{2−[3−ブロモ−4−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル}ベンゾエート及びメチル4−{2−[3,5−ジブロモ−4−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル}ベンゾエート
DMF(5mL)中、前の工程由来の生成物に、ブロモメチルシクロヘキサン(2ミリモル,0.28mL)及びCsCO(2ミリモル,650mg)を加えた。反応混合物を50℃で16時間撹拌しながら加熱し、次いで、DCM/食塩水で分配した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。残渣を最小のDCMに溶解し、15%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカプラグを通過させた。デス−ブロモ、モノ−ブロモ及びビス−ブロモエーテルを含むろ液を濃縮し、ベージュ色の固体を得て、これは更に精製することなく用いた。
【0214】
工程C:N−(4−{2−[3−ブロモ−4−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル}ベンゾイル)−β−アラニン及びN−(4−{2−[3,5−ジブロモ−4−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル}ベンゾイル)−β−アラニン
2mLのジオキサン中、前の工程由来の混合物に、LiOH(1ミリモル,24mg)の0.5mLのHO中の溶液を加えた。得られた溶液を40℃で3時間撹拌し、次いで、DCM/1N HCl(水溶液)で分配した。有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をDMF(1mL)に溶解し、β−アラニンエチルエステル塩酸塩(0.2ミリモル,31mg),EDC(0.2ミリモル,38mg)及びHOBt(0.2ミリモル,31mg)を、次いでDIEA(0.3ミリモル,0.052mL)を加えた。得られた反応混合物を室温に16時間静置し、次いでDCM/食塩水で分配した。有機層を減圧下に濃縮し、得られた残渣を2mLのジオキサンに溶解した。LiOH(1ミリモル,24mg)の1mLのHO中の溶液を加え、得られた溶液を40℃で2時間撹拌した。反応物を、TFA(0.10mL)を加えることにより酸性化し、逆相HPLC(60%〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)により精製し、モノブロモ化された標題化合物実施例10及びビスブロモ化された標題化合物実施例11を得た。
実施例10:LCMS(ESI):m/z=556.2[M+3];554.2[M+1]HNMR(500MHz,d−DMSO):δ12.18(brs,1H);8.39(t,J=5.6Hz,1H);7.66(d,J=8.5Hz,2H);7.46(d,J=2.5Hz);7.38(d,J=8.2Hz);7.30(dd,J=8.7Hz,J=2.3Hz,1H);6.90(d,J=8.7Hz,1H);3.74(d,J=6.4Hz,2H);2.46(t,J=7.0Hz,2H);2.34(m,1H);2.25(m,2H);1.77(m,2H);1.57−1.73(重複 m,4H);1.36−1.51(重複 m,3H);1.32(d,J=9.2Hz,1H);0.06−1.28(重複 m,7H);3Hは溶媒により3.3−3.6ppmから遮蔽.
実施例11:LCMS(ESI):m/z=634.0[M+3];636.1[M+5];632.1[M+1]HNMR(500MHz,d−DMSO):δ12.20(brs,1H);8.43(t,J=5.4Hz,1H);7.69(d,J=8.2Hz,2H);7.60(s,2H);7.45(d,J=8.2Hz,2H);3.66(d,J=5.9Hz,2H);2.47(t,J=7.1Hz,2H);2.35(m,1H);2.27(m,2H)1.58−1.86(重複 m,6H);1.37−1.52(重複 m,3H);1.33(d,J=9.4Hz,1H);1.00−1.29(重複 m,7H);3Hは溶媒により3.24−3.50ppmから遮蔽.
【0215】
実施例12
【0216】
【化36】

工程A:メチル4−{2−[3−シアノ−4−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル}ベンゾエート
実施例10、工程B由来の生成物混合物(0.1ミリモル,53mg)、Zn(CN)(0.15ミリモル,18mg)、Pddba(0.01ミリモル,9mg)及びビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.024ミリモル,13mg)を、HO(0.008mL)を含むDMF(0.4mL)中で110℃で14時間加熱した。反応混合物をDCM/食塩水で分配し、有機層を0.45ミクロンのフィルターに通し、減圧下に濃縮した。粗反応混合物を次の工程に直接用いた。
【0217】
工程B:N−(4−{2−[3−シアノ−4−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル}ベンゾイル)−β−アラニン
1mLのジオキサン中、前の工程由来の生成物に、LiOH(1ミリモル,24mg)の0.5mLのHO中の溶液を加えた。得られた溶液を40℃で3時間撹拌し、次いでDCM/1N HCl(水溶液)で分配した。有機層をNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をDMF(1mL)に溶解し、β−アラニンエチルエステル塩酸塩(0.2ミリモル,31mg)、EDC(0.2ミリモル,38mg)及びHOBt(0.2ミリモル,31mg)を、次いでDIEA(0.3ミリモル,0.05mL)を加えた。反応混合物を室温で16時間静置し、次いでDCM/食塩水で分配した。有機層を減圧下に濃縮し、得られた残渣を2mLのジオキサンに溶解した。LiOH(1ミリモル,24mg)の1mLのHO中の溶液を加え、得られた溶液を40℃で2時間撹拌した。反応物をTFA(0.10mL)を加えることによって酸性化し、モノニトリル生成物を逆相HPLC(40〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)により分離した。凍結乾燥は、標題化合物を白色固体として与えた。LCMS(ESI):m/z=501.3[M+1]HNMR(500MHz,d−DMSO):δ12.18(brs,1H);8.39(t,J=5.5Hz,1H);7.70(d,J=2.5Hz,1H);7.66(d,J=8.5Hz,2H);7.56(dd,J=8.9Hz,J=2.5Hz,1H);7.40(d,J=8.4Hz,2H);7.03(d,J=9Hz,1H);3.83(d,J=6.2Hz,2H);2.45(t,J=7.1Hz,2H);2.34(s,1H);2.26(s,2H);1.57−1.78(重複 m,5H);1.46−1.55(重複 m,4H);1.31(m,1H);0.95−1.28(重複 m,7H);3.2−3.5 3Hは溶媒により遮蔽.
【0218】
実施例13
【0219】
【化37】

工程A:メチル4−[1−(2−オキソ−3,4−ジプロピル−2H−クロメン−7−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
実施例8、工程Aの標題化合物(16mg,0.03ミリモル)、塩化テトラブチルアンモニウム(8.3mg,0.03ミリモル)及び酢酸パラジウム(1mg,0.004ミリモル)の0.5mLのDMF中の溶液に、ピリジン(0.005mL,0.06ミリモル)及び4−オクチン(0.022mL,0.15ミリモル)を加えた。反応物にCOを流し、次いで、CO雰囲気下(バルーン)、115℃で一晩加熱した。反応物をEtOAc/水で分配し、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。生成物を、カラム容量の10倍の0%〜20%EtOAc/ヘキサンで、次いで、カラム容量の10倍の20%〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を白色固体として得た。LC−MS(ESI):m/z=515.5[M+1]
【0220】
工程B:4−[1−(2−オキソ−3,4−ジプロピル−2H−クロメン−7−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
1mLのジオキサン中、前の工程由来の標題化合物(6mg,0.01ミリモル)に、LiOH(5mg,0.21ミリモル)の0.5mLの水中の溶液を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、pH7の水性バッファー及びEtOAcに溶解した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮し、標題化合物を得た。LC−MS(ESI):m/z=501.4[M+1]
【0221】
工程C:3−({4−[1−(2−オキソ−3,4−ジプロピル−2H−クロメン−7−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパン酸
前の工程由来の標題化合物(0.01ミリモル)、β−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(4mg,0.02ミリモル),HOBt(3mg,0.02ミリモル)及びEDC(4mg,0.02ミリモル)の0.8mLのDMF中の溶液に、DIEA(0.005mL,0.03ミリモル)を加えた。反応物を45℃で1時間加熱し、次いで、EtOAc/水で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI):m/z=628.6[M+1]
【0222】
残渣を、0.015mLの水及び0.30mLのトリフルオロ酢酸とともに0.70mLのDCMに溶解した。反応物を室温で45分間撹拌した。溶媒を除去し、生成物を、逆相クロマトグラフィー(30%〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)により精製した。凍結乾燥は、標題化合物を白色固体として与えた。LC−MS(ESI):m/z=572.5[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.86(d,J=8.5Hz,2H),7.56(重複 d,m,3H),7.22(m,2H),3.63(t,2H),2.89(d,J=13Hz,2H),2.682.62(重複 m,4H),2.55(m,2H),2.38(m,1H),2.11(t,2H),1.96(br d,2H),1.551.46(重複 m,4H),1.40(m,2H),1.000.94(重複 m,6H).
【0223】
実施例14
【0224】
【化38】

工程A:メチル4−[1−{2−[(1E)−プロパ−1−エン−1−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−6−イル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
0.5mLのDMF中、実施例8、工程Aの標題化合物(27mg,0.05ミリモル)に、酢酸パラジウム(1.2mg,0.005ミリモル)、塩化リチウム(4.2mg,0.1ミリモル)、DIEA(0.070mL,0.4ミリモル)、及び1,4−ヘキサジエン(0.046mL,0.4ミリモル)を加えた。反応物を95℃で16時間撹拌し、次いで、EtOAc/水で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。生成物を、カラム容量の10倍の0%〜30%EtOAc/ヘキサンの勾配で、次いでカラム容量の5倍の30%〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を黄色の油状物質として得た。LC−MS(ESI):m/z=459.2[M+1]
【0225】
工程B:メチル4−[1−(2−プロピル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−6−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
1mLのEtOAc中、前の工程由来の標題化合物(7.5mg,0.016ミリモル)に、触媒量の20%の水酸化パラジウムカーボンを加えた。反応物をH雰囲気下(バルーン)、室温で5.5時間撹拌した。溶液をセライトでろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、標題化合物を得て、これは更に精製することなく用いた。LC−MS(ESI):m/z=461.2[M+1]
【0226】
工程C:4−[1−(2−プロピル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−6−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
1mLのジオキサン中、前の工程由来の標題化合物(0.016ミリモル)に、LiOH(10mg,0.4ミリモル)の0.5mLの水中の溶液を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をpH7の水性バッファー及びEtOAcで分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI,陰イオン):m/z=445.3[M−1]
【0227】
工程D:3−({4−[1−(2−プロピル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−6−イル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパン酸
前の工程由来の標題化合物(0.016ミリモル)、β−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(6mg,0.03ミリモル)、HOBt(5mg,0.03ミリモル)及びEDC(6mg,0.03ミリモル)の0.5mLのDMF中の溶液にDIEA(0.008mL,0.05ミリモル)を加えた。反応物を40℃で1時間加熱し、次いで、EtOAc/水で分配した。有機層を集め、水層をEtOAcで2回洗浄した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI):m/z=574.4[M+1].残渣を、0.015mLの水及び0.30mLのトリフルオロ酢酸と一緒に0.70mLのDCMに溶解した。反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し、生成物を逆相クロマトグラフィー(30%〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFAを含む)により精製した。凍結乾燥は、標題化合物を白色固体として与えた。LC−MS(ESI):m/z=518.3[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.49(d,J=8.5Hz,2H),6.87(重複 d,d,2H),6.55(d,J=8.7Hz,1H),3.89(m,1H),3.62(t,2H),2.84(br d,2H),2.732.62(重複 m,d),2.27(m,1H),1.981.88(重複 m),1.671.39(重複 m),0.95(t,2H).
【0228】
実施例15
【0229】
【化39】

工程A:ジメチル4,4’−[4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサン−1,1−ジイル]ジベンゾエート
標題化合物を、中間体5、方法2、工程Bに記載されたのと類似の条件を用いて、中間体5、方法2、工程A由来のビストリフレート生成物から製造した。LC−MS(ESI):m/z=421.3[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ8.02(d,J=8.5Hz,2H),7.89(d,J=8.7Hz,2H),7.58(d,J=8.5Hz,2H),7.37(d,J=8.7Hz,2H),3.90(s,3H),3.86(s,3H),2.96(br d,J=13.2Hz,2H),2.35(m,1H),2.05(t,2H),1.96(br d,2H),1.48(q,2H).
【0230】
工程B:4−[1−[4−(メトキシカルボニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
前の工程由来の標題化合物(630mg,1.5ミリモル)に、9.5mLの1,4−ジオキサン及び5mLの水中で、LiOH(49mg,2ミリモル)を一部ずつ加えた。反応混合物を40℃で2時間加熱し、2N HCl(水溶液)を用いて酸性化し、EtOAcで2回抽出した。有機層を減圧下に濃縮し、得られた残渣を、シリカゲル(ジクロロメタン中、15%MeOH)による分取用薄層クロマトグラフィーにより分離し、標題化合物を得た。LC−MS(ESI,陰イオン):m/z=405.2[M−1]
【0231】
工程C:メチル4−[1−{4−[1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(40mg,0.1ミリモル)及び0.5mLのPOClに、1−N−メチル−4−トリフルオロメチル−1,2−フェニレンジアミン(23mg,0.12ミリモル)を加えた。得られた混合物を80℃で2.5時間加熱した。別途フェニレンジアミン30mg(0.16ミリモル)を導入し、反応混合物を80℃で更に1時間加熱した。反応物を減圧下に濃縮し、残渣を逆相HPLC(10%〜100%MeCN/HO、それぞれ0.05%(v/v)のTFAを含む)で精製し、標題化合物を異性体の混合物として得た。LC−MS(ESI):m/z=561.3[M+1]
【0232】
工程D:N−{4−[1−{4−[1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]フェニル}−4(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}−β−アラニン
前の工程由来の標題化合物(30mg,0.054ミリモル)に、0.5mLの1,4−ジオキサン及び0.25mLの水中、LiOH(17mg,0.7ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、1N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層を濃縮し、酸を得た。LC−MS(ESI):m/z=547.3[M+1]
【0233】
粗製の酸を、0.5mLのDMF中、EDC(21mg,0.1ミリモル)、HOBt(17mg,0.12ミリモル)、β−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(20mg,0.11ミリモル)及びDIEA(0.033mL,0.2ミリモル)で、室温で2.5時間処理した。反応混合物を水及びEtOAcで分配した。有機層を水で洗浄し、濃縮し、残渣を0.25mLのTFA及び0.5mLのジクロロメタンの混合物に溶解した。約4時間後、溶媒を除去し、残渣を逆相HPLC(30%〜100%MeCN/HO、それぞれ0.05%(v/v)のTFAを含む)により精製し、標題化合物を2つの異性体混合物として得た。LC−MS(ESI):m/z=618.2[M+1]
【0234】
実施例16
【0235】
【化40】

工程A:メチル4−[1−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
中間体5、異性体B(228mg,0.6ミリモル)に、14mLのアセトニトリル及び5mLのジクロロメタンの混合物中、硝酸セリウムアンモニウム(509mg,0.93ミリモル)を加えた。20分後、反応混合物をヘキサン−EtOAc−DCM及び重硫酸ナトリウム水溶液で分配した。有機層を、20%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。HNMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)10.41(s,1H),8.03(d,J=8.5Hz,2H),7.98(d,J=2.3Hz,1H),7.46(d,J=8.5Hz,2H),7.37(dd,J=8.9,2.5Hz,1H),7.03(d,J=8.9Hz,1H),3.90(s,3H),2.86(d,J=14.2Hz,2H),2.23(m,1H).
【0236】
工程B:メチル4−[1−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(124mg,0.29ミリモル)を、1.4mLのDMF及び0.14mLの水中、塩化スズ二水和物(335mg,1.5ミリモル)で処理した。反応物を、TLCによって反応の完了が示されるまで50℃で加熱した。反応混合物を約50mLの1:1(v/v)のヘキサン:EtOAc及び10mLの炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈した。得られたスラリーをろ過し、ろ液をEtOAc/食塩水で分配した。有機層を、33%〜50%EtOAc/ヘキサン勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。HNMR(500MHz,アセトン−d):δ(ppm)7.98(d,J=8.2Hz,2H),7.58(d,J=8.6Hz,2H),6.60(m,2H),6.39(dd,J=8.2,2.3Hz,1H),3.88(s,3H).
【0237】
工程C:メチル4−[1−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(19mg,0.05ミリモル)、4−トリフルオロメトキシベンゾイルクロライド(0.016mL,0.1ミリモル)及びトリエチルアミン(0.023mL,0.17ミリモル)の0.5mLのジクロロメタン中の溶液を15分間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、残渣を0.5mLのMeOHに溶解し、40℃で1時間加熱した。溶媒を減圧下に除去し、得られた残渣にp−トルエンスルホン酸水和物(37mg,0.2ミリモル)及びトルエン(2mL)を加えた。反応混合物を120℃で50分間加熱し、EtOAc及び炭酸水素ナトリウム水溶液で分配した。有機層を濃縮し、標題化合物を得て、これは更に精製することなく用いた。LC−MS(ESI):m/z=564.3[M+1]
【0238】
工程D:N−{4−[1−[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}−β−アラニン
前の工程由来の標題化合物を、1mLの1,4−ジオキサン中、0.5mLの1N NaOH(水溶液)と50℃で1時間15分処理した。混合物を、希HClを加えることによって酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をDMF(1mL)に溶解し、EDC(40mg,0.2ミリモル)、HOBt(40mg,0.2ミリモル)、β−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(40mg,0.2ミリモル)及びDIEA(0.06mL,0.4ミリモル)により50℃で25分間処理した。反応混合物を水及びEtOAcで分配した。有機層を濃縮し、残渣を、0.5mLのTFA及び1mLのジクロロメタンの混合物に溶解した。2時間後、溶媒を除去し、残渣を逆相HPLC(45%〜100%MeCN/HO、それぞれ0.05%(v/v)のTFAを含む)により精製し、標題化合物を得た。LC−MS(ESI):m/z=621.3[M+1]HNMR(500MHz,アセトン−d):δ(ppm)8.34(d,J=8.9Hz,2H),7.91(d,J=8.5Hz,2H),7.82(t,J=5.4Hz,1H),7.69(d,J=1.8Hz,1H),7.64(d,J=8.5Hz,2H),7.56(m,3H),7.34(dd,J=8.7,2.0Hz,1H),3.64(m,2H),3.08(d,J=13.3Hz,2H),2.65(t,J=6.9Hz,2H),2.46(m,1H),2.16(m,2H),1.99(m,2H),1.52(m,2H).
【0239】
実施例17
【0240】
【化41】

工程A:メチル4−[1−{4−[(4−フルオロフェニル)エチニル]−3−ニトロフェニル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
実施例16、工程Aの標題化合物(24mg,0.057ミリモル)に、DCM(1mL)中、それぞれ0.03mLのピリジン及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物を加えた。1時間後、水性の処理により粗トリフレートを与えた。粗トリフレートの一部(22mg)をTHF(0.6mL)に溶解し、次いで、Pd(OAc)(2.7mg,0.01ミリモル)、PPh(7.6mg,0.03ミリモル)、1−エチニル−4−フルオロベンゼン(18mg,0.15ミリモル)及びトリエチルアミン(0.3mL)を加えた。得られた混合物を70℃で2.5時間加熱した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルによる分取用TLC(12%EtOAc/ヘキサン)により精製し、標題化合物を得た。HNMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)8.07(d,J=8.5Hz,2H),7.96(d,J=2.1Hz,1H),7.33(dd,J=8.5,2.1Hz,1H),7.07(m,2H),3.93(s,3H),2.88(d,J=12.1Hz,2H),2.21(m,1H),1.53(m,2H).
【0241】
工程B:メチル4−[1−{3−アミノ−4−[(4−フルオロフェニル)エチニル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(17mg,0.034ミリモル)に、0.3mLのDMF及び0.03mLの水中、塩化すず(II)二水和物(34mg,0.15ミリモル)を加えた。反応物を40℃で1時間加熱した。反応混合物を、1/1(v/v)のヘキサン/EtOAc混合物及び炭酸水素ナトリウム水溶液で分配した。有機層をろ過し、減圧下に濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルによる分取用TLC(33%EtOAc/ヘキサン)により精製し、標題化合物を得た。HNMR(500MHz,DMF−d):δ(ppm)7.98(d,J=8.5Hz,2H),7.63(m,4H),7.21(m,2H),7.15(d,J=8.2Hz,1H),6.73(d,J=1.8Hz,1H),6.54(dd,J=8.2,1.8Hz,1H),3.88(s,3H),3.67(m,2H),1.38(m,2H).
【0242】
工程C:メチル4−[1−[2−(4−フルオロフェニル)−1H−インドール−6−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(10mg,0.02ミリモル)及びPdCl(1.1mg,0.006ミリモル)を、1mLのアセトニトリル中で1時間加熱した。溶媒の除去により、粗生成物を得て、これは更に精製することなく次の工程に繰り越した。HNMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)8.56(s,1H),8.03(d,J=8.5Hz,2H),7.66(m,2H),7.54(d,J=8.7Hz,2H),7.48(d,J=8.4Hz,1H),7.27(s,1H),7.17(m,2H),7.00(dd,J=8.5,1.6Hz,1H),6.71(s,1H),3.91(s,3H),2.96(d,J=13.3Hz,2H),2.27(m,1H),1.55(m,2H).
【0243】
工程D:N−{4−[1−[2−(4−フルオロフェニル)−1H−インドール−6−イル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}−β−アラニン
前の工程由来の標題化合物を、1mLの1,4−ジオキサン及び0.5mLの1N NaOH中で、50℃で3.5時間、けん化した。反応混合物を、希HClを加えることにより酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をDMF(1mL)に溶解し、EDC(40mg,0.2ミリモル)、HOBt(40mg,0.2ミリモル)、β−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(40mg,0.2ミリモル)及びDIEA(0.6mL,0.4ミリモル)と、50℃で25分間処理した。反応混合物を水及びEtOAcで分配した。有機層を濃縮し、残渣を、0.5mLのTFA及び1mLのジクロロメタンの混合物に溶解した。2時間後、溶媒を除去し、残渣を逆相HPLC(45%〜100%MeCN/HO、それぞれ0.05%(v/v)のTFAを含む)により精製し、標題化合物を得た。HNMR(500MHz,アセトン−d):δ(ppm)10.54(s,1H),7.89(d,J=8.5Hz,2H),7.85(m,3H),7.59(d,J=8.5Hz,2H),7.42(d,J=8.5Hz,1H),7.20(m,2H),7.14(s,1H),7.03(dd,J=8.5,1.6Hz,1H),6.76(d,J=1.8Hz,1H),3.65(m,2H),2.96(d,J=13.7Hz,2H),2.66(t,J=6.9Hz,2H),2.44(m,1H),2.16(m,2H),1.95(m,2H),1.50(m,2H).
【0244】
実施例18、異性体A及びB
【0245】
【化42】

工程A:4−(トリフルオロメチル)−1−[7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−イル]シクロヘキサノール
2−メトキシ−6−ブロモキノリン(300mg,1.09ミリモル)の冷却した(−78℃)無水THF溶液に、BuLi(ヘキサン中、2.5M溶液、0.46mL、1.14ミリモル)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下、−78℃で15分間撹拌し、次いで、4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノン(180mg,1.14ミリモル)をゆっくりと加えた。加えた後、ドライアイス/アセトン浴を室温に加温した。反応混合物を、飽和NHCl溶液を用いて反応停止し、EtOAc/ヘキサンで抽出した。有機層を減圧下に濃縮した。粗残渣を、勾配溶出(0%〜20%EtOAc/ヘキサン、60mL:20%〜35%EtOAc/ヘキサン、100mL:35%〜75%EtOAc/ヘキサン、246mL)を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。LCMS(ESI):m/z=364.2[M+1]
【0246】
工程B:4−{4−(トリフルオロメチル)−1−[7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−イル]シクロヘキシル}フェノール
トリフルオロメタンスルホン酸(0.60mL)に溶解したフェノール(52mg,0.55ミリモル)に、前の工程由来の標題化合物(134mg,0.37ミリモル)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、飽和NaHCO水溶液をゆっくりと加えることにより反応を停止した。得られた混合物をEtOAcで抽出した。有機層を濃縮し、残渣を、0%〜60%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を異性体の混合物として得た。LCMS(ESI):m/z=440.3[M+1]
【0247】
工程C:ブチル4−{4−(トリフルオロメチル)−1−[7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−イル]シクロヘキシル}ベンゾエート
前の工程由来の標題化合物(80mg,0.18ミリモル)のCHCl(2mL)の無水溶液に、ピリジン(0.022mL,0.27ミリモル)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.037mL,0.22ミリモル)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、水で反応を停止し、粗生成物をEtOAc/ヘキサンで抽出した。有機層をHO(2回)及び食塩水で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥し、短いシリカプラグを通した。ろ液を濃縮して乾燥させた。粗トリフレートをn−ブタノール(1.5mL)に溶解し、スラリーに、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(14mg,0.018ミリモル)、及びDIEA(0.10mL,0.57ミリモル)を加えた。反応混合物をCO雰囲気下(バルーン)、90℃で1時間撹拌した。得られた混合物を濃縮し、16%〜50%EtOAC/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を異性体の混合物として得た。LCMS(ESI):m/z=524.3[M+1]
【0248】
工程D:N−(4−{4−(トリフルオロメチル)−1−[7−(トリフルオロメチル)キノリン−3−イル]シクロヘキシル}ベンゾイル)−β−アラニン,異性体A及びB
ジオキサン(0.4mL)及びMeOH(0.4mL)の混合物に溶解した前の工程由来の標題化合物(25mg,0.05)に、NaOH(3N溶液、0.4mL)を加えた。混合物を60℃で1時間撹拌し、室温まで冷却し、1N HCl水溶液で酸性化した。水層をEtOAcで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下に濃縮した。LCMS(ESI):m/z=468.1[M+1]
【0249】
前述のようにして得られた粗カルボン酸に、EDC(20mg,0.10ミリモル)、HOBt(16mg,0.10ミリモル)及びβ−アラニンtert−ブチルエステル塩酸塩(19mg,0.10ミリモル)を加えた。一緒にした固体を、DMF(0.80mL)に溶解し、DIEA(0.028mL,0.16ミリモル)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加えることにより反応を停止し、水層をEtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下に濃縮した。次いで、粗残渣をCHCl(0.2mL)に溶解し、TFA(0.2mL)を加えた。30分後、混合物を減圧下に濃縮した。逆相HPLC(30%〜100%CHCN/HO、それぞれ0.05%(v/v)のTFAを含む)による精製は、早く溶出する生成物として異性体A、及び遅く溶出する生成物として異性体Bの標題化合物を与えた。
異性体A:LCMS(ESI):m/z=539.2[M+H]HNMR(500MHz,d−アセトン):δ9.08(s,1H),8.77(s,1H),8.37(s,1H),8.31(d,J=8.5Hz,1H),7.89(d,J=8.5Hz,1H),7.82(d,J=8.7Hz,2H),7.78−7.73(broad,1H),7.49(d,J=6.9Hz,2H),3.64−3.58(m,2H),3.24(d,J=13.5Hz,2H),2.63(t,J=6.9Hz,2H),2.60−2.48(m,1H),2.27(d,J=13.9Hz,2H),2.11−2.05(m,2H),1.59(quart,J=12.1Hz,2H).
異性体B:LCMS(ESI):m/z=539.2[M+H]HNMR(500MHz,d−アセトン):δ8.99(s,1H),8.43(s,1H),8.33(s,1H),8.22(d,J=8.5Hz,1H),7.95(d,J=8.8Hz,2H),7.78−7.73(m,2H),7.74(d,J=8.7Hz,2H),3.71−3.62(m,2H),3.22(d,J=13.3Hz,2H),2.68(t,J=6.8Hz,2H),2.60−2.48(m,1H),2.29(d,J=13.9Hz,2H),2.12−2.02(m,2H),1.60(quart,J=12.1Hz,2H).
【0250】
実施例19
【0251】
【化43】

工程A:メチル4−(4−(トリフルオロメチル)−1−{4−[(トリメチルシリル)エチニル]フェニル}シクロヘキシル)ベンゾエート
実施例2、工程A由来の標題化合物(200mg,0.39ミリモル)の1.2mLのDMF中の溶液に、トリメチルシリルアセチレン(0.085mL,0.59ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(83mg,0.12ミリモル)及びトリエチルアミン(0.27mL,2.0ミリモル)を加えた。混合物を、N雰囲気下、70℃で1時間撹拌し、次いで減圧下に濃縮した。残渣を、0%〜20%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。LC−MS(ESI):m/z=459.4[M+1]
【0252】
工程B:4−[1−(4−エチニルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]安息香酸
前の工程由来の標題化合物(55mg,0.12ミリモル)を、1,4−ジオキサン(2mL)及びLiOH(1N溶液、0.9mL)の混合物に溶解した。混合物を40℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去した。残渣を2N HCl(2mL)で酸性化し、得られた混合物を酢酸エチル(3×2mL)で抽出した。一緒にした有機層を減圧下に濃縮し、生成物を褐色の固体として得た。LC−MS(ESI,陰イオン):m/z=371.2[M−1]
【0253】
工程C:tert−ブチル3−({4−[1−(4−エチニルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパノエート
前の工程由来の標題化合物(44mg,0.118ミリモル)のDMF(1mL)中の溶液に、β−アラニン−tert−ブチルエステル塩酸塩(64mg,0.35ミリモル)、HOBt(54mg,0.35ミリモル)、EDC(91mg,0.47ミリモル)及びDIEA(0.31mL,1.8ミリモル)を加えた。混合物を40℃で2時間加熱した。反応混合物を2mLの酢酸エチルで希釈し、2mLの食塩水で洗浄した。水層を酢酸エチル(2×2mL)で抽出した。有機層を一緒にし、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧下に除去し、標題化合物を、0%〜50%EtOAc/ヘキサン、次いで50%〜80%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いたシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。LC−MS(ESI):m/z=444.4[M−tert−Bu+1]
【0254】
工程D:tert−ブチル3−({4−[1−[4−(7−クロロ−5−フルオロ−1−ベンゾフラン−2−イル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンゾイル}アミノ)プロパノエート
前の工程由来の標題化合物(25mg,0.05ミリモル)のDMF(0.5mL)中の溶液に、2−クロロ−4−フルオロ−6−ヨードフェノール(27mg,0.1ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(7mg,0.2ミリモル)、ヨウ化銅(I)(1mg,0.1ミリモル)及びトリエチルアミン(0.035mL,0.25ミリモル)を加えた。反応混合物を減圧下で脱気し、N雰囲気下、70℃で2時間加熱し、室温で16時間静置した。45%〜100%MeCN/HO(いずれも0.1%TFAを含む)の勾配を用いた逆相HPLC精製により、標題化合物を得た。LC−MS(ESI):m/z=588.1[M−tert−Bu+1]
【0255】
工程E:3−[({4−[1−[4−(7−クロロ−5−フルオロ−1−ベンゾフラン−2−イル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]フェニル}カルボニル)アミノ]プロパン酸
前の工程由来の標題化合物(4.9mg,0.0076ミリモル)を、2%HOを含むDCM中の50%(v/v)TFA溶液に溶解した。反応混合物を室温で45分間静置した。溶媒を減圧下に除去し、残渣を、逆相HPLC(45%〜100%MeCN/HO、いずれも0.1%TFA含む)により精製した。LC−MS(ESI):m/z=588.1[M+1]HNMR(500MHz,CDOD):δ(ppm)7.82(d,J=8.5Hz,2H),7.77(d,J=8.5Hz,2H),7.57(d,J=8.1Hz,2H),7.38(d,J=8.5Hz,2H),7.26(dd,J=8.6,2.5Hz,1H),7.19(s,1H),7.13(dd,J=8.9,2.3Hz,1H),3.63(t,3H),2.95(d,J=13.3Hz,2H),2.63(t,2H),2.34(m,1H),2.09−1.93(重複 m,5H),1.48(m,3H)
【0256】
以下の表における化合物を、実施例1〜19について記載された方法と同様の方法を用いて中間体I−11から調製した。
【0257】
【表4】

【0258】
【表5】

【0259】
【表6】

【0260】
【表7】

【0261】
【表8】

【0262】
【表9】

【0263】
【表10】

【0264】
【表11】

【0265】
【表12】

【0266】
【表13】

【0267】
【表14】

【0268】
【表15】

【0269】
【表16】

【0270】
【表17】

【0271】
【表18】

【0272】
【表19】

【0273】
【表20】

【0274】
【表21】

【0275】
【表22】

【0276】
【表23】

【0277】
【表24】

【0278】
【表25】

【0279】
【表26】

【0280】
【表27】

【0281】
【表28】

【0282】
【表29】

【0283】
【表30】

【0284】
【表31】

【0285】
【表32】

【0286】
【表33】

【0287】
【表34】

【0288】
【表35】

【0289】
【表36】

【0290】
【表37】

【0291】
【表38】

【0292】
【表39】

【0293】
【表40】

【0294】
生物学的アッセイ
グルカゴンの結合を阻害する本発明の化合物の能力、ならびに2型糖尿病及び関連する病状の治療又は予防におけるこれらの有用性は、以下の試験管内アッセイにより証明することができる。
【0295】
グルカゴン受容体結合アッセイ
クローン化ヒトグルカゴン受容体を発現する安定なCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞株を記載されているとおりに維持した(Chicchi et al.J Biol Chem 272,7765−9(1997);Cascieri et al.J Biol Chem 274,8694−7(1999))。化合物の拮抗的結合親和性を判定するために、これらの細胞からの0.002mgの細胞膜を、50mMのTris−HCl(pH7.5)、5mM MgCl、2mM EDTA、12%グリセロール及び0.200mgのWGA被覆PVT SPAビーズ(Amersham)を含有するバッファ中、125I−グルカゴン(New England Nuclear, MA)、+/−化合物又は0.001MM非ラベル化グルカゴンと一緒にインキュベートした。室温で4〜12時間インキュベートした後、細胞膜に結合した放射活性を放射線放射検出カウンタ(Wallac−Microbetaラベル化)で判定した。GraphPadからのソフトウェアプログラムPrismを使用して、データを分析した。一部位競合(single site competition)を想定する非線形回帰分析を用いてIC50値を計算した。本発明の化合物のIC50値は、約1nMの低い値から約500nMの高い値の範囲内にあり、従って、グルカゴンアンタゴニストとしての効果を有する。
【0296】
グルカゴン誘発細胞内cAMP形成の阻害
ヒトグルカゴンレセプターを発現する指数増殖性CHO細胞を、酵素不含有解離用媒体(Speciality Media)を用いて採集し、低速でペレットにし、Flash Plate cAMP kit(New England Nuclear,SMP0004A)に含まれているCell Stimulation Bufferに再び浮遊させた。アデニル酸シクラーゼアッセイを製造業者の説明書に従って準備した。簡単に言うと、化合物をDMSO中でストックから希釈し、5%の最終DMSO中濃度で細胞に添加した。前記の通りに準備した細胞を、抗cAMP抗体(NEN)でコーティングしたフラッシュプレートの中で、化合物又はDMSO対照の存在下、30分間、プレインキュベートし、次いで、更に30分間、グルカゴン(250pM)で誘発した。この細胞誘発は、溶解バッファーを含有する検出用バッファー及び125I標識cAMPトレーサ(NEN)を同量で添加することにより、停止させた。室温で3時間インキュベートした後、結合した放射活性を液体シンチレーションカウンタ(TopCount−Pakard Instruments)で測定した。ベースの活性(100%阻害)は、DMSO対照を用いて決定し、一方、0%阻害は、250pMのグルカゴンによって生じたcAMPのピコモル量で定義した。
【0297】
本発明の特定の実施態様を詳細に説明したが、多数の他の実施態様が本発明の範囲に入ることが意図される。従って、本特許請求の範囲は、本明細書に記載の特定の実施態様に限定されない。本明細書に引用したすべての特許、特許出願及び出版物は、参考文献として本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(式中、環Aは、6〜10員環のアリール基、又は1〜4個のヘテロ原子を含み、ヘテロ原子のうちの0〜4個はN原子であり、0〜1個はO又はS原子である5〜10員環のヘテロアリール若しくは部分芳香族ヘテロシクリル基を表し、
2個のR及び2個のR基が存在し、水素を表すか、又は1個又は2個のR及びR基は、以下の(a)、(b)及び(c)から選択され:
(a)ハロ、OH、CO、SO、CN、NO、C(O)NR又はNR
(b)C1−10アルキル、C(O)C1−10アルキル、OC1−6アルキル、C2−6アルケニルであって、アルキル部分が(1)1〜5個のハロ基又はパーハロ、及び1〜2個のOH基で置換されてもよく;
(c)6〜10員環のアリール、O−アリール又はS−アリール基、又は0〜4個の窒素及び0〜1個のO又はS原子を含む、5〜10員環のHAR、O−HAR又はS−HAR基であって、該基は前記(a)及び(b)から選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく、
又は2個のR基が一緒になって、5〜6個の原子を含む炭素環を形成するメチレン又はエチレン架橋を表すか、又は1〜3個のハロ基、及び1〜2個のCN、SO、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ,ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ基で置換されてもよい縮環フェニル環を表し;
基はHを表すか、又は上記(a)〜(c)から選択され、
4個のR基は下記を表し:
1)0〜1個のR基は、アリール、HAR、−(CH1−4アリール、−(CH1−4HAR、−X−アリール、−X−HAR、−X−C1−4アルキル−アリール及びX−C1−4アルキル−HARからなる群から選択され、XはO、S、S(O)又はS(O)を表し;
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は1〜4個のハロ原子、及びOH、CN、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、OC1−6ハロアルキル、NO、SO、C2−6アルケニル、OC2−6アルケニル、NR及びHARから選択される1〜2個のメンバーで置換されてもよく;
2)0〜3個のR基は、OH、CN、オキソ、NO、SO、NR、C1−10アルキル、ハロC1−10アルキル、OC1−10アルキル、OC1−10ハロアルキル、C2−10アルケニル、OC2−6アルケニル及びハロC2−4アルケニルから選択され、そして
3)残りのR基はH又はハロ原子であり;
はH又はC1−6アルキルであり、
は、C1−10アルキル、アリール又はアリール−C1−4アルキルからなる群から選択されるメンバーを表し;
及びRは、それぞれ独立してH又はC1−6アルキルを表し;
nは0〜5の整数を表し;
pは0、1又は2であり;
は、CHCHCO、CHCH(OH)CO又は5−テトラゾリルを表し;そして
はHであるか、又はハロ、CN、NO、OH、C1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシからなる群から選択される)で表される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項2】
環Aが、フェニル、ナフチル及びテトラヒドロナフチルから選択されるアリール基を表すか、1〜2個のヘテロ原子を含み、そのうち0〜1個がO原子、0〜2個がN原子である6〜10員環の芳香族ヘテロアリール又は部分芳香族ヘテロシクリルであるHAR基を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
環Aが、下記からなる群から選択されるメンバーを表す、請求項2記載の化合物。
【化2】

【請求項4】
環Aが、下記からなる群から選択されるメンバーを表す、請求項3記載の化合物。
【化3】

【請求項5】
nが、1、2及び3から選択される整数を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
nが、1及び2から選択される整数を表す、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
nが2を表す、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
及びR基が水素であり、又はR及びR基の1〜2個は独立してハロ;OH;1〜3個のハロ基で置換されてもよいC1−6アルキル;CN;NR;SO;C2−4アルケニル及び6〜10員環のアリール基からなる群から選択され、
又はR基は一緒になって−CH−又は−CHCH−基を表すか、又は置換されていないか又は1〜3個の置換基(置換基のうち3個以下がハロ基であり、2個以下がC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、C1−3アルコキシ又はハロC1−3アルコキシ基である)で置換されている縮環フェニル環を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
基が水素;ハロ;1〜3個のハロ基で置換されてもよいC1−3アルキル;CN又はNRを表し;R基がHを表し、又は一緒になって−CH−を表すか、又は置換されていないか又は1から3個の置換基(置換基のうち3個以下がハロ基であり、2個以下がC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、C1−3アルコキシ又はハロC1−3アルコキシ基である)で置換されている縮環フェニル環を表す、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
基が水素、ハロ;CH又はCFを表し、R基がHを表し、又は一緒になって−CH−又は縮環フェニル環を表す、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
が、
【化4】

から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
が、
【化5】

を表す、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
がHを表す、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
それぞれのRが下記から選択される、請求項1記載の化合物。
1)0〜1個のR基が、アリール、HAR、CH−アリール、−CH−HAR、−O−アリール、−O−HAR、−O−CH−アリール及び−O−CH−HARからなる群から選択され;
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は1〜2個のハロ原子、及びCN、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3ハロアルキル、NO、S(O)、C2−6アルケニル、NH、NMe及びHARから選択される1〜2個のメンバーで置換されていてもよく;
2)0〜3個のR基は、CN、オキソ、NO、S(O)1−8アルキル、NH、NMe、C1−7アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−7アルキル、OC1−3ハロアルキル及びC2−6アルケニルから選択され;そして
3)残りのR基はH又はハロ原子である。
【請求項15】
それぞれのRが下記から選択される、請求項14記載の化合物。
1)0〜1個のR基が、アリール、HAR、CH−アリール、−CH−HAR、−O−アリール、−O−HAR、−O−CH−アリール及び−O−CH−HARからなる群から選択され;
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は1〜2個のハロ原子、及びCN、C1−4アルキル、OC1−6アルキル、S(O)1−6アルキル、ハロメチル、ハロメトキシ、NO、NMe及びピラゾリルから選択される1〜2個のメンバーで置換されていてもよく;
2)0〜1個のR基は、CN、オキソ、NO、SOCH、NMe、C1−7アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−7アルキル、OC1−3ハロアルキル及びC2−6アルケニルから選択され;そして
3)残りのR基はH又はハロ原子である。
【請求項16】
それぞれのRが下記から選択される、請求項15記載の化合物。
1)0〜1個のR基が、アリールであり、アリールが、フェニル、ナフチル及びテトラヒドロナフチルから選択され;ピリジル、キノリニル、ピリミジニル、イソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール及びベンゾイミダゾリルから選択されるHAR;ベンジルから選択される−CH−アリール;フェニルオキシから選択される−O−アリール;ピリジルオキシ、ベンゾチアゾルオキシ及びキノリニルオキシから選択される−O−HAR;ベンジルオキシから選択される−O−CH−アリール、又はピリジルメトキシ、フラニルメトキシ、ベンゾチアゾールメトキシ及びキノリニルメトキシから選択される−O−CH−HARであり、
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は1〜2個のハロ原子、及びCN、C1−4アルキル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、NO及びNMeから選択される1個のメンバーで置換されてもよく;
2)0〜1個のR基は、C1−7アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−7アルキル及びOC1−3ハロアルキルから選択され;そして
3)残りのR基はH又はハロ原子である。
【請求項17】
環Aが、フェニル、ナフチル及びテトラヒドロナフチルから選択されるアリール基、1〜2個のヘテロ原子を含み、ヘテロ原子のうちの0〜1個はO原子であり、0〜2個はN原子である6〜10員環の芳香族ヘテロアリール又は部分芳香族ヘテロシクリルであるHAR基、を表し;
nは1、2及び3から選択される整数を表し、
及びR基は水素を表すか、又はR及びR基の1〜2個が、ハロ;OH;1〜3個のハロ基で置換されてもよいC1−6アルキル;CN;NR;SO;C2−4アルケニル、及び6〜10員環のアリール基からなる群から独立して選択され、
又はR基は一緒になって−CH−又は−CHCH−基を表し、又は置換されていないか又は1〜3個の置換基(置換基のうち3個以下がハロ基であり、2個以下がC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、C1−3アルコキシ又はハロC1−3アルコキシ基である)で置換された縮環フェニル環であり、

【化6】

から選択され、
はHを表し、
それぞれのRは下記から選択される、請求項1記載の化合物。
1)0〜1個のR基は、アリール、HAR、−CH−アリール、−CH−HAR、−O−アリール、−O−HAR、−O−CH−アリール及び−O−CH−HARからなる群から選択され、
前記アリール及びHAR基、及び上記置換基の一部は、1〜2個のハロ原子、及びCN、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3ハロアルキル、NO、SO、C2−6アルケニル、NH、NMe及びHARから選択される1〜2個のメンバーで置換されてもよく;
2)0〜3個のR基は、CN、オキソ、NO、S(O)1−8アルキル、NH、NMe、C1−7アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−7アルキル、OC1−3ハロアルキル及びC2−6アルケニルから選択され;そして
3)残りのR基はH又はハロ原子である。
【請求項18】
下記表から選択される化合物、又はその医薬として許容される塩若しくは溶媒和物。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【表35】

【表36】

【請求項19】
請求項1記載の化合物、及び医薬として許容される担体を組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項20】
治療を必要とするほ乳類患者における2型糖尿病の治療方法であって、請求項1記載の化合物を、2型糖尿病を治療するのに有効な量で患者に投与することを含む方法。
【請求項21】
遅延を必要とするほ乳類患者における2型糖尿病の発症の遅延方法であって、請求項1記載の化合物を、2型糖尿病の発症を遅延させるのに有効な量で患者に投与することを含む方法。
【請求項22】
治療を必要とするほ乳類患者における高血糖症、糖尿病又はインシュリン抵抗性の治療方法であって、有効量の請求項1記載の化合物を患者に投与することを含む方法。
【請求項23】
治療を必要とするほ乳類患者における非インシュリン依存性糖尿病の治療方法であって、抗糖尿病に有効な量の請求項1記載の化合物を患者に投与すること含む方法。
【請求項24】
治療を必要とするほ乳類患者における肥満症の治療方法であって、請求項1記載の化合物を、肥満症の治療に有効な量で患者に投与することを含む方法。
【請求項25】
治療を必要とするほ乳類患者におけるX症候群の治療方法であって、請求項1記載の化合物を、X症候群の治療に有効な量で患者に投与することを含む方法。
【請求項26】
治療を必要とするほ乳類患者における脂質代謝異常、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群から選択される脂質障害の治療方法であって、請求項1記載の化合物を、脂質障害の治療に有効な量で患者に投与することを含む方法。
【請求項27】
治療を必要とするほ乳類患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法であって、請求項1記載の化合物を、アテローム性動脈硬化症の治療に有効な量で患者に投与することを含む方法。
【請求項28】
治療を必要とするほ乳類患者における(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)、インシュリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂質代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、及びインシュリン抵抗性が構成要素である他の病状及び疾患からなる群から選択される病状の治療方法であって、請求項1記載の化合物を、前記病状の治療に有効な量で患者に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2009−530381(P2009−530381A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501489(P2009−501489)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/006806
【国際公開番号】WO2007/111864
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】