説明

グルカゴン様ペプチド(GLP)−1化合物またはメラノコルチン4受容体(MC4)アゴニストペプチドの経口デリバリーのための化合物、方法および製剤

【課題】GLP−1化合物またはMC4アゴニストペプチドの経口デリバリーに有用な新規化合物、方法および製剤を提供する。
【解決手段】化学式I


I;(式中、R1およびR2はそれぞれ独立してH、OH、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、CF3、ハロまたはNR44'であり、R3はH、C1−C6アルキルであり、R4はH、COR6、SO27、またはC1−C6アルキルであり、R4'はHまたはC1−C6アルキルであり、R6はHまたはC1−C6アルキルであり、Xは、任意でC1−C4アルキルに置換される五員芳香族複素環であり、ここで前記複素環はN、SおよびOから選択された少なくとも2つまたは3つのヘテロ原子を含み、ここで少なくともひとつのヘテロ原子はNでなくてはならず、nは2、3、4、5、6または7である)で示される化合物、またはその医薬的な塩である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
活性物質デリバリーのための従来の手段は、多くの場合、生物学的、化学的、および物理的な制約により極度に制限されている。通常、これらの制約は投与が行われる環境、デリバリーの標的、または標的自身によって課される。生物学的または科学的な活性物質は、特にこれらの制約に対し脆弱である。生物学的に活性または科学的に活性の薬剤および治療薬の動物へのデリバリーにおいて、物理的および科学的な制約は身体により課される。物理的制約の例は、標的に到達する前に通過する必要のある皮膚および様々な内臓膜であり、科学的制約の例は、pH値の違い、脂質二重層および分解酵素を含むが、これに限定されるものではない。
【0002】
これらの制約は、経口デリバリーシステムの設計において特に重大である。多くの生物学的または科学的活性物質は、胃腸(GI)管における様々なpH値、強力な消化酵素、活性物質不浸透性の胃腸膜など、生物学的、科学的および物理的制約がなければ、動物への投与の選択経路になるであろう。多数の物質のうち、一般的に経口投与に適していないのは、例えばカルシトニン、インスリン、多糖類、および特にヘパリン、ヘパリノイド、抗生物質、その他有機物質を含むがこれらに限定されないムコ多糖類のような生物学的または科学的に活性のペプチドである。これらの物質は胃腸管内において酸加水分解、酵素または同種のものによって、急速に効力を失うか、あるいは破壊される。
【背景技術】
【0003】
脆弱な薬剤を経口で投与するための従来の方法は、人為的に腸壁の浸透性を高めることを、賦形剤またはエンハンサー(例えばレゾルシールおよびポリオキシエチレンオレイルエーテルやn−ヘキサデシクロポリエチレンエーテルなどの非イオン界面活性剤)の共同投与に、加えて酵素分解を抑制することを酵素阻害剤(例えば膵臓トリプシン阻害剤、フルオロリン酸ジイソプロピル)の共同投与に依存してきた。
【0004】
リポソームもまたインスリンおよびヘパリンのための薬物デリバリーシステムであると説明されてきた。例えば、米国特許番号4239754、パテル(Patel)他(1976年)、FEBSレター(FEBS Letters)、62巻、60ページ、およびハシモト(Hashimoto)他(1970年)、日本内分泌学誌(Endocrinology Japan)、26巻、337ページを参照のこと。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような薬物デリバリーシステムの広範囲での利用は、次のような理由により妨げられる。(1)当該システムは有毒な量の賦形剤、エンハンサーまたは阻害剤を必要とする。(2)適合する低分子量負荷、すなわち活性物質の入手が困難である。(3)安定性の乏しさと不十分な保管期限を示す。(4)当該システムは製造が困難である。(5)当該システムは活性物質(負荷)の保護をしない。(6)当該システムは活性物質を不利に作り変える。または(7)当該システムは活性物質の吸収を許可または促進しない。
【0006】
最近になり、混合アミノ酸(プロテイノイド)の人工ポリマーのミクロスフィアが薬物をデリバリーするために使用されるようになった。例えば、米国特許番号4,925,673はその調製と使用の方法とも薬物含有プロテノイドミクロスフィア担体についても記載している。これらのプロテノイドミクロスフィアは多くの活性物質のデリバリーに有用である。
【0007】
デリバリー物質分子は、米国特許番号5541155、5693338、5976569、5643957、5955503、6100298、5650386、5866536、5965121、5989539、6001347、6071510、5820881および6242495においても開示されている。また、WO02/02509、WO01/51454、WO01/44199、WO01/32130、WO00/59863、WO00/50386、WO00/47188およびWO00/40203を参照のこと。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は化学式I
【化1】

I;
(式中、
1およびR2はそれぞれ独立してH、OH、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、CF3、ハロまたはNR44'であり、
3はH、C1−C6アルキルであり、
4はH、COR6、SO27、またはC1−C6アルキルであり、
4'はHまたはC1−C6アルキルであり、
3はH、C1−C6アルキルであり、
6はHまたはC1−C6アルキルであり、
Xは、任意でC1−C4アルキルに置換される五員芳香族複素環であり、ここで前記複素環はN、SおよびOから選択された少なくとも2つまたは3つのヘテロ原子を含み、ここで少なくともひとつのヘテロ原子はNでなくてはならず、
nは2、3、4、5、6または7である)
で示される化合物、またはその医薬的な塩である。
【0009】
本発明はさらに化学式Iの化合物に関し、ここでR3はHである。当該化合物については化学式IIの化合物として後に記述する。
【0010】
本発明は化学式IIの化合物またはその医薬的な塩、および医薬的な担体を含む医薬組成物にも関する。
【0011】
本発明は化学式IIの化合物またはその医薬的な塩、およびGLP−1化合物を含む医薬組成物にも関する。
【0012】
本発明は化学式IIの化合物またはその医薬的な塩、およびMC4アゴニストペプチドを含む医薬組成物にも関する。
【0013】
発明の詳述
以下、「化学式Iの化合物」または「化学式IIの化合物」とは、その医薬的な塩を含む。
【0014】
本発明の目的のために、ここで開示および請求するとおり、次の用語を以下のように定義する。
【0015】
「ハロ」という用語はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨウ素を示す。「C1−C6アルキル」という用語は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等、1つから6つの炭素原子を持つ直鎖型、分岐型または環状型炭化水素部分を意味する。シクロブチルメチレンのような部分はC1−C6アルキルグループの範囲にも含まれる。「C1−C4アルキル」という用語は、具体的にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルおよびシクロブチルを示す。「C1−C6アルコキシ」グループは、酸素結合によって結合したC1−C6アルコキシ部分である。
【0016】
「医薬/医薬的な」という用語は、形容詞として使用される場合、被治療患者に対し実質的に有害ではないことを意味する。
【0017】
「患者」という用語は、ヒトおよびコンパニオンアニマル(イヌ、ネコ、ウマ等)のようなヒト以外の動物を含む。治療における好適な患者はヒトである。
【0018】
「GLP−1化合物」という用語は、ここで使用される場合、1つ以上の自然発生的なGLP−1ポリペプチド(GLP−1(7−37)OHおよびGLP−1(7−36)NH2)、GLP−1断片、GLP−1アナログ、自然発生的なGLP−1ポリペプチド、GLP−1断片またはGLP−1アナログのGLP−1誘導体、およびGLP−1受容体と結合して信号変換経路を開始し、参照することにより本出願に含まれるPCT出願公開番号WO03/072195(出願番号PCT/US03/03111)に記載のように、インスリン分泌促進作用を行う能力を有するエキセンディン−3とエキセンディン−4を示す。
【0019】
「MC4アゴニストペプチド」という用語は、ここで使用される場合、PCT特許出願番号PCT/US04/16625(2004年6月17日出願)において開示されている医薬的に有用なペプチド(そこで開示されているような化学式I、IIおよびIIIのペプチド)を示す。
【0020】
化学式IIの化合物は、前記化合物が活性物質と混合され複合組成物を形成する場合、活性物質、すなわちGLP−1化合物またはMC4アゴニストペプチドの経口バイオアベイラビリティ上昇に有用である。前記複合は本発明の一実施例である。本発明の組成物は化学式IIの化合物を含み、これはデリバリー物質(化学式II化合物)およびGLP−1またはMC4アゴニストペプチドである。
【0021】
本発明は特に、そうしなければ活性物質が目標ゾーン(すなわちデリバリー組成物の活性物質が開放される領域)に到達する前に遭遇する状況により、およびそれが投与される動物の体内において、破壊されるかまたは効果を下げられるGLP−1またはMC4アゴニストペプチド(活性物質)のデリバリーに好都合である。当該複合物は化学式IIの化合物を1つ以上含み(1つが好ましく、また最も一般的である)、活性物質は前記活性物質の選択された生体系へのデリバリーにおいて、また上昇または改良された活性物質のバイオアベイラビリティにおいて、デリバリー物質を用いない活性物質投与と比較して有用性を持つ。ある期間にわたって多くの活性物質をデリバリーすることにより、または特定期間(例えばより迅速もしくは遅延デリバリーのため)あるいはある期間(例えば持続性デリバリー)における活性物質のデリバリーにおいて、デリバリーは改良されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のある一部の化合物は特に興味深く好ましい。以下の一覧は好ましい化合物のいくつかのグループを示したものである。一覧の各記載物は、好ましい化合物の追加グループを作成するために他の一覧掲載物と組み合わせ可能であることがわかるであろう。
nは2、3、4、または5であり、
1およびR2はそれぞれ独立にH、OH、OCH3、CH3、CF3、ClまたはBrであり、
1およびR2はそれぞれ独立にH、OH、OCH3、CH3、またはCF3であり、
1およびR2はそれぞれ独立にH、OH、OCH3またはNH2であり、
3はHであり、
4はHであり、
4はCOR6であってR6はCH3であり、
4はSO27であってR7はCH3であり、
4'はHであり、
7はC1−C6アルキルであり、
Xは
【化2】

であって、アリール置換基は4位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は5位の炭素原子に付着している。
Xは
【化3】

であって、アリール置換基は2位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は1位の炭素原子に付着している。
Xは
【化4】

であって、アリール置換基は3位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は1位の炭素原子に付着している。
Xは
【化5】

であって、アリール置換基は3位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は5位の炭素原子に付着している。
Xは
【化6】

であって、アリール置換基は3位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は4位の炭素原子に付着している。
Xは
【化7】

であって、アリール置換基は5位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は3位の炭素原子に付着している。
Xは
【化8】

であって、フェニル置換基が4位の炭素原子に付着し、およびアルカン酸鎖が2位の炭素原子に付着した5位の炭素原子でメチルと任意的に置換する。
Xは
【化9】

であって、フェニル置換基が2位の炭素原子に付着し、およびアルカン酸鎖が5位の炭素原子に付着した4位の炭素原子でメチルと任意的に置換する。
Xは
【化10】

であって、アリール置換基は2位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は5位の炭素原子に付着している。
Xは
【化11】

であって、アリール置換基は4位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は2位の炭素原子に付着している。
Xは
【化12】

であって、アリール置換基は5位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は2位の炭素原子に付着している。
Xは
【化13】

であって、アリール置換基は4位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は2位の炭素原子に付着している。
Xは
【化14】

であって、アリール置換基は5位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は2位の炭素原子に付着している。
Xは
【化15】

であって、アリール置換基は2位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は4位の炭素原子に付着している。
Xは
【化16】

であって、1位の窒素原子でメチルと任意的に置換する。
Xは
【化17】

である。
Xは
【化18】

であって、アリール置換基は4位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は1位の炭素原子に付着している。
Xは
【化19】

であって、アリール置換基は5位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は1位の炭素原子に付着している。
Xは
【化20】

であって、アリール置換基は3位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は5位の炭素原子に付着している。
Xは
【化21】

であって、アリール置換基は5位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は3位の炭素原子に付着している。
Xは
【化22】

であって、アリール置換基は5位の炭素原子に付着しており、アルカン酸は2位の炭素原子に付着している。
【実施例】
【0023】
調製および実施例
すべての非水系反応は、別段の定めのない限り、窒素の乾燥大気下で実施される。商用の試薬および無水溶媒は業者から配送後直ちに使用され、これらの成分をさらに精製または乾燥させる試みは実施されない。減圧下における溶媒の除去は、テフロン(登録商標)加工のKNF製真空ポンプを使用しおよそ28mmHgの圧力で、ブッチ(Buchi)製ロータリーエバポレータを用いて実現される。薄層クロマトグラフィーは1”×3”アナルテック(Analtech)製02521番、ワットマン(Whatman)製MK6F番、またはEMサイエンス(EM Science)(メルク(Merck))製5719−2番蛍光指示薬付シリカゲルプレートを用いて実行される。TLCプレートの可視化は短波紫外線または10%リンモリブデン酸を用い、エタノールまたはヨウ素蒸気内で行われる。フラッシュカラムクロマトグラフィーはキーゼルゲル(Kieselgel)(シリカゲル60を使用して行われる。プロトンNMRスペクトルはブルカー(Bruker)製AC300MHz核磁気共鳴装置で得られ、テトラメチルシランを内部基準として使用したppmδ値で報告される。融点はエレクトロサーマル(Electrothermal)融点観測装置を使用して得られ、訂正されない。CI質量分光分析は島津製QP−5000GC/直接噴射による質量分析計(メタン)で実行される。API質量分光分析は電子スプレーイオン化(ESI)法または大気圧化学イオン化(APCI)法を使用して、フィネガン(Finnegan)製LCQイオントラップ(IonTrap)またはPESciexAPI150EX質量分析計で実行される。HPLC分析はウォーターズ(Waters)製シンメトリー(Symmetry)C18、5um、WAT046980、3.9×150mmカラムを使用して行われる。溶出系は、20分で90:10(H2O中に0.1%TFA)/(CH3CN中に0.1%TFA)から10:90(H2O中に0.1%TFA)/(CH3CN中に0.1%TFA)になる勾配溶離、続いて10分間の10:90(H2O中に0.1%TFA)/(CH3CN中に0.1%TFA)定組成溶離、続いて10分間の90:10(H2O中に0.1%TFA)/(CH3CN中に0.1%TFA)の定組成溶離から構成される。流量は1ml/分である。紫外検出は214nmと254nmの両方で実施される。
【0024】
調製1
オクタン二酸メチルエステル2−オキソ−2−フェニルエチルエステル
【化23】

水(10ml)中の重炭酸ナトリウム溶液(2.12g、25.2mmol)をメタノール(50ml)中のスペリン酸モノメチルエステル(4.75g、25.2mmol)室温で加え、30分間撹拌する。減圧下で溶媒を除去し、残留物をアセトン(150ml)中の2−ブロモアセトフェノン溶液(5.0g、25.1mmol)に窒素下、室温で加える。混合物を10時間加熱還流後、減圧下で溶媒を除去する。残留物をジエチルエーテル(300ml)で希釈し、20分間撹拌し、シリカゲルショートカラムで濾過し、ジエチルエーテル(20×50ml)で洗浄する。減圧下で溶媒を除去すると、オクタン二酸メチルエステル−2−オキソ−2−フェニルエチルエステル(6.9g、90%)が得られる。
【0025】
実施例1
7−(4−フェニルオキサゾール−2−イル)ヘプタン酸メチルエステル
【化24】

オクタン二酸メチルエステル2−オキソ−2−フェニルエチルエステル(6.93g、22.6mmol)、アセトアミド(6.75g、114mmol)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(3.0mL、23.7mmol)の混合物を135−140℃、窒素下で4時間加熱する。混合物を冷却し、飽和NaHCO3溶液(100mL)で希釈し、酢酸エチル(250mL)で抽出する。有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液(塩水)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル(85:15)で溶出し、残留物を精製すると7−(4−フェニルオキサゾール−2−イル)ヘプタン酸メチルエステル(5.7g、88%)が得られる。
【0026】
実施例2
7−(4−フェニルオキサゾール−2−イル)ヘプタン酸
水(30mL)中の水酸化ナトリウム溶液(1.60g、40.0mmol)を、メタノール(40mL)中の7−(4−フェニルオキサゾール−2−イル)ヘプタン酸メチルエステル(5.75g、20.0mmol)溶液に室温で加え、混合物を40℃で2時間加熱する。1N HClで混合物のpH値を2に調整し、酢酸エチル(600mL)で抽出する。有機抽出物を塩水(3x150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。残留物をヘキサン/酢酸エチルで粉砕し、濾過により固形物を収集すると7−(4−フェニルオキサゾール−2−イル)ヘプタン酸(5.01g、91%)が得られる:APCIマススペクトル m/z272[C1619NO3−H]-
【0027】
実施例2の調製と同様の処理過程で、下記の表1に記載された化学式II(a)の化合物、実施例3−30の調製を行う。
【化25】

II(a)
表1: 化学式II(a)の化合物
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【0028】
調製2
(6−ブロモヘキシルオキシ)−ターシャリー−ブチルジメチルシラン
【化26】

ジメチルホルムアミド(DMF)(70mL)中のターシャリー−ブチルジメチルシリル塩化物(5.0g、33.1mmol)溶液をDMF(80mL)中の6−ブロモヘキサノール(5.0g、27.6mmol)およびイミダゾール(4.7g、69mmol)溶液に0℃、窒素保護下で15分間以上滴下添加し、混合物をさらに3.5時間攪拌する。水(400ml)で残留物を希釈し、酢酸エチル(3x150ml)で抽出する。結合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチル/ヘキサン(1:19)で溶出し、粗成物を精製すると(6−ブロモヘキシルオキシ)−ターシャリー−ブチルジメチルシラン(8.05g、98%)が得られる。
【0029】
調製3
7−[4−(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタナール
【化27】

アセトン(100mL)中のチオアセトアミド(2.65g、34.9mmol)溶液をアセトン(100mL)中の2−ブロモ−4’−メトキシアセトンフェノン(8.0g、34.9mmol)溶液に窒素下、室温で滴下添加する。混合物を12時間攪拌する。濾過により固形物を収集し、冷たいアセトン(30mL)で洗浄するとチオアセチミド酸2−(4−メトキシフェニル)−2−臭化水素酸オキソエチルエステル(10.25g、96%)が得られる。
【0030】
メタノール(80mL)中のチオアセチミド酸2−(4−メトキシフェニル)−2−臭化水素酸オキソエチルエステル(10.0g、32.9mmol)および塩化亜鉛(II)(4.50g、33.0mmol)の混合物を窒素保護下、6.5時間加熱還流する。混合物を冷却し、飽和NaHCO3(300mL)溶液でゆっくり希釈し、塩化メチレン(400mLx2)で抽出する。結合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル(9:1)で溶出し、粗成物を精製すると4−(4−メトキシフェニル)−2−メチルチアゾール(6.24g、92%)が得られる:APCIマススペクトル m/z206[C1111NOS+H]+
【0031】
ターシャリー−ブチルリチウム(ヘキサン中26.35mmol、15.5mL、1.7M)溶液を脱気無水テトラヒドロフラン(THF)(100mL)中の4−(4−メトキシフェニル)−2−メチルチアゾール(6.15g、29.9mmol)溶液に−78℃、窒素下で滴下添加し、溶液を45分間攪拌する。この溶液に、(6−ブロモヘキシルオキシ)−ターシャリー−ブチルジメチルシラン(7.20g、24.4mmol)溶液を5分間以上加え、混合物を2時間攪拌する。混合物を0℃に温め、NH4Cl(200mL)および塩水(250mL)で希釈し、塩化メチレン(3x150mL)で抽出する。結合した有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル(5:1)で溶出し、粗成物を精製すると2−[7−(ターシャリー−ブチルジメチルシラニルオキシ)ヘプチル−4−(4−メトキシフェニル)チアゾール(6.27g、50%)が得られる。
【0032】
1Nテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(THF中25.0mmol、25mL、1M溶液)溶液を無水THF(50mL)中の2−[7−(ターシャリー−ブチルジメチルシラニルオキシ)ヘプチル]−4−(4−メトキシフェニル)チアゾール(6.27g、14.9mmol)溶液に10分間以上0℃、窒素下で滴下添加した後、室温で3時間攪拌する。塩水(150ml)で残留物を希釈し、酢酸エチル(100x3ml)で抽出する。結合した有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチル/ヘキサン(1:2)で溶出し、粗成物を精製すると7−[4−(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン−1−オール(4.07g、89%)が得られる:APCIマススペクトル m/z306[C1723NO2S+H]+
【0033】
無水ジメチルスルホキシド(0.25mL、3.52mmol)を塩化メチレン(10mL)中の塩化オキサリル(393mg、3.10mmol)溶液に2分間以上−78℃、窒素下で滴下添加し、混合物を20分間攪拌する。塩化メチレン(10mL)中の7−[4−(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン−1−オール(0.609g、1.99mmol)溶液を5分間滴下添加した後、混合物を30分間攪拌する。混合物にトリエチルアミン(1.0mL、7.2mmol)を加え、攪拌して反応混合物を40分間室温に温める。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、塩水(3x30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去すると7−[4−(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタナール(0.6g、99%)が得られる:APCIマススペクトル m/z304[C1721NO2S+H]+
【0034】
実施例31
7−[4−(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン酸
【化28】

2−メチル−2−ブテン(7.0mL)および次亜塩素酸ナトリウム(2.51g、27.75mmol)をターシャリー−ブタノール(60mL)および水(12mL)中の7−[4−(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタナール(4.02g、13.25mmol)およびリン酸二水素カリウム(3.10g、22.78mmol)溶液に室温で加える。混合物を40分間攪拌し、酢酸エチル(500mL)で希釈して塩水(3x200mL)で洗浄する。結合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いメタノール/塩化メチレン(1:19)で溶出し、残留物を精製してヘキサン/塩化メチレンで粉砕すると7−[4−(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン酸(3.91g、88%)が得られる:APCIマススペクトル m/z320[C1721NO3S+H]+
【0035】
実施例31の調製と同様の処理過程で、下記の表2に記載された化学式II(b)の化合物、実施例32および33の調製を行う。
【化29】

II(b)
表2: 化学式II(b)の化合物
【表2】

【0036】
調製4
7−(2−オキソ−2−フェニルエチレンカルバモイル)ヘプタン酸メチルエステル
【化30】

1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)(8.5g、44.3mL)をTHF(200mL)中の2−アミノ−1−フェニルエタノール(5.0g、36.4mmol)、スベリン酸モノメチルエステル(6.85g、36.4mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、5.0g、37.0mmol)溶液に窒素下、室温で加える。混合物を12時間攪拌する。混合物を酢酸エチル(600mL)で希釈し、1N HCl(2x150mL)、塩水(2x150mL)、NaHCO3(2x150mL)および塩水(150mL)溶液で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去すると7−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチレンカルバモイル)ヘプタン酸メチルエステル(10.3g、91%)が得られ、精製を行わずに以下のステップに使用される。
【0037】
デス・マーティン(Dess−Martin)ペルヨージナン(16.5g、38.7mmol)を塩化メチレン(360mL)中の7−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチレンカルバモイル)ヘプタン酸メチルエステル(10.2g、33.3mmol)溶液を0℃、窒素下で加え、攪拌し、混合物を4時間室温に温める。混合物をセライトで濾過し、酢酸エチル(3x100mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル(60:40)で溶出し、残留物を精製すると7−(2−オキソ−2−フェニルエチレンカルバモイル)ヘプタン酸メチルエステル(7.33g、72%)が得られる。
【0038】
実施例34
7−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ヘプタン酸メチルエステル
【化31】

塩化メチレン中の7−(2−オキソ−2−フェニルエチレンカルバモイル)ヘプタン酸メチルエステル(7.05g、23.1mmol)および四臭化炭素(11.3g、34.3mmol)溶液を塩化メチレン(500mL)中のトリフェニルホスフィン(9.0g、34.3mmol)およびDMAP(5.51g、45.1mmol)の混合物に窒素下、室温で40分間以上加える。混合物を30分間攪拌し、追加のトリフェニルホスフィン(2.6g、9.92mmol)および四臭化炭素(3.35g、10.1mmol)を加える。混合物をさらに20分間攪拌し、セライトで濾過して酢酸エチル(3x100mL)で洗浄する。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル(70:30)で溶出し、残留物を精製すると7−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ヘプタン酸メチルエステル(2.75g、41%)が得られる。
【0039】
実施例35
7−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ヘプタン酸
水(30mL)中の水酸化ナトリウム(1.80g、45.0mmol)溶液をメタノール(30mL)中の7−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ヘプタン酸メチルエステル(9.0g、31.3mmol)溶液に室温で加え、混合物を4時間攪拌する。1N HClで混合物のpH値を2に調整し、酢酸エチル(500mL)で抽出する。結合した有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。残留物を酢酸エチル/ヘキサンから結晶化すると7−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ヘプタン酸(7.3g、85%)が得られる:APCIマススペクトル m/z272[C1619NO3−H]-
【0040】
実施例35の調製と同様の処理過程で、下記の表3に記載された化学式II(c)の化合物、実施例36−41の調製を行う。
【化32】

II(c)
表3: 化学式II(c)の化合物
【表3】

【0041】
調製5
7−[2−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)−2−オキソエチルカルバモイル]ヘプタン酸メチルエステル
【化33】

2−ヨードプロパン(63.3mL、633mmol)をDMF(1000mL)中の1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(90.0g、528mmol)および炭酸カリウム(109.46g、792mmol)懸濁液に窒素下、室温で滴下添加し、混合物を80℃で22時間加熱する。混合物を冷却、濾過し、溶媒を減圧下で除去する。残留物を酢酸エチル(1L)で希釈し、水(300mL)および塩水(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去すると1−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)エタノン(104.78g、93%)が得られる。
【0042】
臭化銅(II)(199g、891mmol)を酢酸エチル(500mL)およびクロロホルム(500mL)中の1−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)エタノン(94.74g、446mmol)溶液に窒素下、室温で徐々に加える。混合物を4.5時間加熱還流する。混合物を冷却し、セリートプラグで真空濾過し、酢酸エチル(1L)で洗浄する。溶媒を減圧下で除去すると2−ブロモ−1−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)エタノン(128.46g、98%)が得られる。
【0043】
ヘキサメチレンテトラミン(36.14g、258mmol)をクロロホルム(400mL)中の2−ブロモ−1−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)エタノン(75.17g、258mmol)溶液に窒素下、室温で加え、2日間攪拌する。濾過により固形物を収集し、ジエチルエーテルで洗浄して、減圧下、一晩乾燥させる。固形物をメタノール(350mL)で懸濁し、0℃に冷却して濃縮HCl(113ml、1365mmol)でゆっくり処理する。混合物を室温に温め、40時間攪拌した後、さらに4時間、混合物を55℃に加熱する。濾過により固形物を除去し、濾過液を減圧下で除去する。固形物をジエチルエーテルで粉砕する。結果として生じる物質を濾過により収集すると2−アミノ−1−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)エタノン塩酸塩が得られ、精製を行わずに次のステップに使用される。
【0044】
ジイソプロピルエチルアミン(99ml、568mmol)を塩化メチレン(800mL)中のEDC HCl(38.01g、198mmol)、HOBt(19.19g、142mmol)およびオクタン二酸モノメチルエステル(53.44g、1.42mmol)に0℃、窒素下で加える。混合物を室温に温め、1時間攪拌する。2−アミノ−1−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)エタノン塩酸塩(53.44g、142mmol)を混合物に加え、18時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、水(100mL)および塩水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル(4:6−0:10)で溶出し、残留物を精製すると7−[2−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)−2−オキソエチルカルバモイル]ヘプタン酸メチルエステル(3ステップ以上で23.87g、23%)が得られる。
【0045】
実施例42
7−[5−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン酸メチルエステル
【化34】

ローソン(Lawesson)試薬(31.03g、77mmol)をTHF(550mL)中の7−[2−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)−2−オキソエチルカルバモイル]ヘプタン酸メチルエステル(21.80g、55mmol)溶液に窒素下、室温で加える。混合物を3時間加熱還流する。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチル/ヘキサン(1:3)で溶出し、残留物を精製すると7−[5−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン酸メチルエステル(9.96g、46%)が得られる。
【0046】
実施例43
7−[5−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン酸メチルエステル
臭化アルミニウム(III)(6.67g、50mmol)を塩化メチレン(300mL)中の7−[5−(5−クロロ−2−イソプロポキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン酸メチルエステル(9.90g、25mmol)溶液に0℃、窒素下で徐々に加える。混合物をゆっくり室温に温め、さらに30分間攪拌する。混合物を0℃に冷却し、飽和硫酸ナトリウムNa2SO4水溶液(150ml)で処理し、1時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、水(100mL)および塩水(100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチル/ヘキサン(1:3−1:1)で溶出し、残留物を精製すると7−[5−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン酸メチルエステル(5.67g、64%)が得られる。
【0047】
実施例44
7−[5−(5−クロロ−2−フェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン酸
水(50mL)中の水酸化ナトリウム(2.60g、65mmol)溶液をメタノール(100mL)中の7−[5−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン酸メチルエステル(5.76g、16mmol)溶液に0℃、窒素下で加え、混合物を室温に温め、合計1.5時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(200mL)で希釈し、0℃に冷却して1 N HClでpH1に酸性化する。濾過により沈殿物を収集すると7−[5−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル]ヘプタン酸(5.21g、95%)が得られる:APCIマススペクトル m/z338[C1618ClNO3S−H]-
【0048】
実施例44の調製と同様の処理過程で、下記の表4に記載された化学式II(d)の化合物、実施例45−47の調製を行う。
【化35】

II(d)
表4: 化学式II(d)の化合物
【表4】

【0049】
調製6
7−[2−(2−メトキシフェニル)−2−オキソエチルカルバモイル]ヘプタン酸メチルエステル
【化36】

トリエチルアミン(8.1g、79.9mmol)を塩化メチレン(600mL)中の2−アミノ−1−(2−メトキシフェニル)エタノン塩酸塩(13.6g、67.4mmol)およびオクタン二酸モノメチルエステル(14.0g、74.2mmol)溶液を0℃、窒素下で滴下添加した後、EDC HCl(15.5g、81.0mmol)を加える。混合物を4時間攪拌し、さらに18時間攪拌しながら室温に温める。混合物を酢酸エチル(1.2L)で希釈し、水(300mL)、1N HCl(300mL)、塩水(300mL)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(300mL)および塩水(300mL)で連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去すると7−[2−(2−メトキシフェニル)−2−オキソエチルカルバモイル]ヘプタン酸メチルエステル(20.0g、88%)が得られ、さらなる精製を行わずに次のステップで使用される。
【0050】
実施例48
7−[5−(2−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]ヘプタン酸メチルエステル
【化37】

酢酸(300mL)中の酢酸アンモニウム(16.5g、214mmol)および7−[2−(2−メトキシフェニル)−2−オキソエチルカルバモイル]ヘプタン酸メチルエステル(14.2g、42.3mmol)混合物を窒素下で15時間加熱還流する。溶媒を減圧下で除去する。残留物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でpH8に調節する。水層を追加の酢酸エチル(200mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで結合した有機抽出物を乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチルで溶出し、残留物を精製すると7−[5−(2−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]ヘプタン酸メチルエステル(5.86g、44%)が得られる:APCIマススペクトル m/z317[C182423+H]+
【0051】
実施例49
7−[5−(2−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]ヘプタン酸
水(40mL)中の水酸化ナトリウム(1.85g、46mmol)溶液をメタノール(30mL)中の7−[5−(2−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]ヘプタン酸メチルエステル(5.84g、18.5mmol)溶液に窒素下、室温で加え、混合物を40℃で4.5時間加熱する。混合物を冷却し、1N HCl(46mL)で処理し、30分間加熱還流する。沈殿物を収集し、水(3x30mL)で洗浄して、減圧下で12時間乾燥させる。固形物を塩化メチレン(50mL)で40分間粉砕還流し、濾過により収集して7−[5−(2−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]ヘプタン酸(4.27g、77%)が得られる:APCIマススペクトル m/z301[C172223−H]-
【0052】
実施例49の調製と同様の処理過程で、下記の表5に記載された化学式II(e)の化合物、実施例50−55の調製を行う。
【化38】

II(e)
表5: 化学式II(e)の化合物
【表5】

【0053】
調製7
チオ安息香酸ヒドラジド
【化39】

メタノール(100mL)中のチオベンゾイルスルファニル酢酸(5.5g、26.0mmol)溶液を塩化チオニル(52mL)溶液に窒素下、室温で加え、混合物を12時間加熱還流する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、飽和NaHCO3(200mL)および塩水(200mL)溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去するとチオベンゾイルスルファニル酢酸メチルエステル(5.7g、97%)が得られる。
【0054】
エタノール(30mL)中のチオベンゾイルスルファニル酢酸メチルエステル(1.9g、8.4mmol)溶液を無水ヒドラジン(1mL)溶液に窒素下、室温で加え、2時間攪拌する。次に、水(20mL)を加え、溶媒を減圧下で除去する。残留物を酢酸エチル(300mL)に溶解し、水(200mL)および塩水(200mL)溶液で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去するとチオ安息香酸ヒドラジド(1.2g、94%)が得られる。
【0055】
調製8
7−(エトキシカルボニミドイルヘプタン酸エチルエステル塩酸塩)
【化40】

シアン化ナトリウム(12.5g、255mmol)およびテトラ−n−ヨウ化ブチルアンモニウム(10g、27.0mmol)をDMSO(300mL)中の7−ブロモヘプタン酸メチルエステル(25g、105mmol)溶液に窒素下、室温で徐々に加え、混合物を50℃で4時間加熱する。水(200mL)で残留物を希釈し、酢酸エチル(2x200mL)で抽出する。結合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去すると7−シアノヘプタン酸エチルエステル(18.2g、94%)が得られる。
【0056】
塩化水素ガスをエタノール(24mL、40mmol)およびジエチルエーテル(100mL)中の7−シアノヘプタン酸エチルエステル(3.7g、20.0mmol)溶液に0℃で15分間気泡させる。溶媒を減圧下で除去すると7−エトキシカルボニミドイルヘプタン酸エチルエステル(5.4g、>99%)が得られ、さらなる精製を行わずに使用される。
【0057】
実施例56
7−(5−フェニル[1,3,4]チアジアゾール)ヘプタン酸エチルエステル
【化41】

エタノール(35mL)中のチオ安息香酸ヒドラジド(1.2g、7.90mmol)および7−エトキシカルボニミドイルヘプタン酸エチルエステル(2.9g、11.0mmol)溶液を窒素下で3時間加熱還流する。溶媒を減圧下で除去する。残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、水(200mL)および塩水(200mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出し、残留物を精製すると7−(5−フェニル[1,3,4]チアジアゾール)ヘプタン酸エチルエステル(1.15g、45%)が得られる。
【0058】
実施例57
7−(5−フェニル[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)ヘプタン酸
水(50mL)の水酸化カリウム(1.2g、23mmol)溶液をTHF(30mL)およびメタノール(30mL)中の7−(5−フェニル[1,3,4]チアジアゾール)ヘプタン酸エチルエステル(3.4g、11mmol)溶液に窒素下、室温で加え、混合物を3時間加熱還流する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(200ml)で希釈し、酢酸エチル(200ml)で洗浄する。濃縮HClを用いて水層のpH値を3に調整し、酢酸エチル(3x200ml)で抽出する。結合した有機抽出物を塩水(200ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去すると7−(5−フェニル[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)ヘプタン酸(2.9g、93%)が得られる。APCIマススペクトル m/z289[C151822S−H]-
【0059】
実施例57の調製と同様の処理過程で、下記の表6に記載された化学式II(f)の化合物、実施例58−61の調製を行う。
【化42】

II(f)
表6: 化学式II(f)の化合物
【表6】

【0060】
調製9
8−アミノ−8−(ベンゾイルヒドラゾノ)オクタン酸エチルエチルエステル
【化43】

トリエチルアミン(5.6mL、40mmol)をエタノール(110mL)中の7−エトキシカルボンイミドイルヘプタン酸エチルエステル(11.0g、41mmol)および安息香酸ヒドラジド(5.5mL、40mmol)溶液に窒素下、室温で加え、混合物を12時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、飽和NaHCO3(200mL)および塩水(200mL)溶液で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去すると8−アミノ−8−(ベンゾイルヒドラゾノ)オクタン酸エチルエステル(8.3mL、64%)が得られる。
【0061】
実施例62
7−(5−フェニル−4H−[1,3,4]トリアゾール−3−イル)ヘプタン酸エチルエステル
【化44】

o−キシレン(400mL)中の8−アミノ−8−(ベンゾイルヒドラゾノ)オクタン酸エチルエステル(4.2g、26mmol)を窒素下で5時間加熱還流した後、溶媒を減圧下で除去する。残留物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、飽和NaHCO3(200mL)および塩水(200mL)溶液で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いメタノール/塩化メチレン(1:9)で溶出し、残留物を精製すると7−(5−フェニル−4H−[1,3,4]トリアゾール−3−イル)ヘプタン酸エチルエステル(2.2g、58%)が得られる。
【0062】
実施例63
7−(5−フェニル−4H−[1,3,4]トリアゾール−3−イル)ヘプタン酸
水(70mL)中の酸化カリウム(1.8g、32mmol)をTHF(50mL)中の7−(5−フェニル−4H−[1,3,4]トリアゾール−3−イル)ヘプタン酸エチルエステル(4.9g、16mmol)に窒素下、室温で加え、混合物を3時間加熱還流する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(500ml)で希釈し、酢酸エチル(200ml)で洗浄する。濃縮HClを用いて水層のpH値を3に調整し、酢酸エチル(3x200ml)で抽出する。結合した有機抽出物を塩水(200ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去すると7−(5−フェニル−4H−[1,3,4]トリアゾール−3−イル)ヘプタン酸(4.4g、99%)が得られる。APCIマススペクトル m/z273[C151932-
【0063】
実施例63の調製と同様の処理過程で、下記の表7に記載された化学式II(g)の化合物、実施例64−68の調製を行う。
【化45】

II(g)
表7: 化学式II(g)の化合物
【表7】

【0064】
調製10
N−ヒドロキシ−2−メトキシベンズアミジン
【化46】

水酸化カリウム(30.3g、225mmol)をエタノール(500mL)中の2−メトキシベンゾニトリル(25.0g、187mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(15.77g、225mmol)溶液に窒素下、室温で加え、混合物を12時間加熱還流する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル/ヘキサン(1:9、300mL)で粉砕し、真空濾過によって収集するとN−ヒドロキシ−2−メトキシベンズアミジン(24.0g、91%)が得られる。
【0065】
実施例69
5−[3−(2−メトキシフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化47】

5−クロロカルボニルペンタノン酸メチルエステル(15.30g、86mmol)をピリジン(40mL)中のN−ヒドロキシ−2−メトキシベンズアミジン(12.0g、71mmol)溶液に窒素下、混合物の緩やかな還流を維持する速度で加える。次に、混合物を4時間加熱還流する。水(300mL)で残留物を希釈し、酢酸エチル(3x200ml)で抽出する。結合した有機抽出物を塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチル/ヘキサン(1:19)で溶出し、残留物を精製すると5−[3−(2−メトキシフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル])ペンタン酸メチルエステル(12.8g、55%)が得られる。
【0066】
実施例70
5−[3−(2−メトキシフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]ペンタン酸
2N水酸化ナトリウム(20ml)をメタノール(100ml)中の5−[3−(2−メトキシフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル])ペンタン酸メチルエステル(4.00g、13mmol)に窒素下、室温で加え、混合物を3時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL)で洗浄する。水層を2N HClでpH1に調整し、固形物を真空濾過により収集すると5−[3−(2−メトキシフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]ペンタン酸(3.65g、99%)が得られる。APCIマススペクトル m/z275[C141624−H]-
【0067】
実施例40の調製と同様の処理過程で、下記の表8に記載された化学式II(h)の化合物、実施例71−73の調製を行う。
【化48】

II(h)
表8: 化学式II(a)の化合物
【表8】

【0068】
調製11
4−(2−イソプロポキシ−フェニル)−1H−イミダゾール
【化49】

テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(500mg)をジオキサン(250mL)および2M炭酸ナトリウム溶液(10.81g、102mmol)中の4−ブロモ−1H−イミダゾール(5.0g、34mmol)および2−イソプロポキシフェニルボロン酸(9.19g、51mmol)脱気懸濁液に窒素下、室温で加え、混合物を21時間加熱還流する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、セライトのプラグで濾過する。濾過物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲル(20g)で処理し、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチルで溶出し、残留物を精製すると4−(2−イソプロポキシフェニル)−1H−イミダゾール(5.01g、73%)の粗成物が得られ、さらなる精製を行わずに次のステップに使用される。
【0069】
実施例74
8−[4−(2−イソプロポキシフェニル)イミダゾール−1−イル]オクタン酸メチルエステル
【化50】

水素化ナトリウム(1.82g、38mmol)をTHF(125mL)中の4−(2−イソプロポキシフェニル)−1H−イミダゾール(5.01g、25mmol)懸濁液に0℃、窒素下で加え、混合物を室温に温め、1時間攪拌する。混合物を0℃に冷却し、8−ブロモオクタン酸メチルエステル(5.98g、25mmol)およびテトラ−n−ヨウ化ブチルアンモニウム(0.55g、1.5mmol)を加え、混合物を室温に温めて8時間攪拌する。混合物を水(20mL)で希釈し、溶媒を減圧下で除去する。残留物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、水(100mL)および塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去すると8−[4−(2−イソプロポキシフェニル)イミダゾール−1−イル]オクタン酸メチルエステル(5.16g、57%)が得られ、さらなる精製を行うことなく次のステップに使用される。
【0070】
実施例75
8−[4−(2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール−1−イル]オクタン酸メチルエステル
塩化アルミニウム(III)(3.84g、29mmol)を塩化メチレン(150mL)中の8−[4−(2−イソプロポキシフェニル)イミダゾール−1−イル]オクタン酸メチルエステル(5.16g、14mmol)に0℃、窒素下で加える。混合物を室温に温め、6時間攪拌する。混合物を飽和硫酸ナトリウム水溶液(50mL)で希釈し、溶媒を減圧下で除去する。残留物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチル/ヘキサン(2:8−3:7)で溶出し、残留物を精製すると8−[4−(2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール−1−イル]オクタン酸メチルエステル(2.63g、57%)が得られる。
【0071】
実施例76
8−[4−(2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール−1−イル]オクタン酸
水(20mL)中の水酸化ナトリウム(1.32g、33mmol)をメタノール(50mL)中の8−[4−(2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール−1−イル]オクタン酸メチルエステル(2.60g、8mmol)懸濁液に0℃、窒素下で加え、混合物を室温に温め、8時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(200mL)で希釈し、0℃に冷却し、1N HClでpH1に酸性化する。沈殿物を収集すると8−[4−(2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール−1−イル]オクタン酸(1.70g、68%)が得られる。APCIマススペクトル m/z301[C172223−H]-
【0072】
実施例76の調製と同様の処理過程で、下記の表9に記載された化学式II(i)の化合物、実施例77および78の調製を行う。
【化51】

II(i)
表9: 化学式II(i)の化合物
【表9】

【0073】
実施例79
7−[3−(2−ヒドロキシフェニル)ピラゾール−1−イル]ヘプタン酸エチルエステル
【化52】

水素化ナトリウム(ミネラルオイル中1.50g、31mmol、60%懸濁液)をDMF(75mL)中の2−(1H−ピラゾール−3−イル)フェノール(5.0g、31mmol)および7−ブロモヘプタン酸エチルエステル(7.4g、31mmol)懸濁液に窒素下、室温で加え、混合物を75℃で16時間加熱する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル(9:1)で溶出し、残留物を精製すると7−[3−(2−ヒドロキシフェニル)ピラゾール−1−イル]ヘプタン酸エチルエステル(4.73g、48%)が得られる。
【0074】
実施例80
7−[3−(2−メトキシフェニル)ピラゾール−1−イル]ヘプタン酸エチルエステル
水素化ナトリウム(ミネラルオイル中900mg、18mmol、60%懸濁液)をTHF(70mL)中の7−[3−(2−ヒドロキシフェニル)ピラゾール−1−イル]ヘプタン酸エチルエステル(4.73g、15mmol)およびヨードメタン(1.1mL、18mmol)懸濁液に窒素下、0℃で加え、混合物を室温に温めて12時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(150mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル(9:1)で溶出し、残留物を精製すると7−[3−(2−メトキシフェニル)ピラゾール−1−イル]ヘプタン酸エチルエステル(3.75g、76%)が得られる。
【0075】
実施例81
7−[3−(2−メトキシフェニル)ピラゾール−1−イル]ヘプタン酸
2N水酸化ナトリウム(20mL)をメタノール(40mL)中の7−[3−(2−メトキシフェニル)ピラゾール−1−イル]ヘプタン酸エチルエステル(3.75g、11.4mmol)に窒素下、室温で加え、混合物を8時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(100mL)で希釈し、1N HClでpH3に酸性化し、酢酸エチル(200mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去すると7−[3−(2−メトキシフェニル)ピラゾール−1−イル]ヘプタン酸(3.06g、89%)が得られる。APCIマススペクトル m/z303[C172223+H]+
【0076】
実施例81の調製と同様の処理過程で、下記の表10に記載された化学式II(j)の化合物、実施例82−87の調製を行う。
【化53】

II(j)
表10: 化学式II(j)の化合物
【表10−1】

【表10−2】

【0077】
実施例88
8−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)オクタン酸メチルエステル
【化54】

水素化ナトリウム(1.3g、42mmol)をDMF(250mL)中の2−フェニル−1H−イミダゾール(5.0g、35mmol)、8−ブロモオクタン酸メチルエステル(8.22g、35mmol)、炭酸カリウム(5.75g、42mmol)、およびテトラ−n−ヨウ化ブチルアンモニウム(0.77g、2mmol)の混合物に窒素下、0℃で加える。混合物を75℃に加熱し、21時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物をクロロホルム(200mL)で溶解し、水(100mL)および塩水(100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行いメタノール/塩化メチレン(1:9)で溶出し、残留物を精製すると8−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)オクタン酸メチルエステル(4.90g、47%)が得られる。
【0078】
実施例89
8−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)オクタン酸
水(50mL)中の水酸化ナトリウム(6.0g、150mmol)をメタノール(100mL)中の8−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)オクタン酸メチルエステル(7.60g、25mmol)懸濁液に窒素下、0℃で加える。混合物を室温に温め、合計8時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(300mL)で希釈し、0℃に冷却し、1N HClでpH1に酸性化する。沈殿物を収集し、ヘキサンで粉砕すると8−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)オクタン酸(4.22g、52%)が得られる。APCIマススペクトル m/z285[C172222−H]-
【0079】
調製12
2−メトキシN−ヒドロキシベンゼンカルボキシイミドイル塩化物
【化55】

水(150mL)中の水酸化ナトリウム(8.50g、220mmol)をエタノール(150mL)および水(150mL)中のo−アニスアルデヒド(25.0g、180mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(15.4g、220mmol)に室温で加え、混合物を3時間攪拌する。混合物を1N HCl溶液でpH6に酸性化し、真空濾過により固形物を収集すると2−メトキシベンズアルデヒドオキシム(32.0g、99%)が得られる。
【0080】
N−クロロスクシンイミド(8.30g、65mmol)をDMF(100mL)中の2−メトキシオキシベンズアルデヒドオキシム(10.0g、65mmol)に窒素下、室温で徐々に加える。混合物を50℃で5時間加熱する。混合物を氷水(300mL)に入れ、真空濾過により固形物を収集すると2−メトキシN−ヒドロキシベンゼンカルボキシイミドイル塩化物(9.80g、81%)が得られる。
【0081】
実施例90
7−[3−(2−メトキシフェニル)イソオキサゾール−5−イル]ヘプタン酸メチルエステル
【化56】

トリエチルアミン(8.08g、80mmol)をTHF(100mL)中の2−メトキシN−塩化ヒドロキシベンゼンカルボキシイミドイル(8.0g、40mmol)およびメチル7−オキシチノエート(10.50g、50mmol)溶液に室温で加え、混合物を24時間攪拌する。水(500ml)で残留物を希釈し、酢酸エチル(3x200ml)で抽出する。結合した有機抽出物を水(100mL)および塩水(100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチル/ヘキサン(1:9)で溶出し、残留物を精製すると7−[3−(2−メトキシフェニル)イソオキサゾール−5−イル]ヘプタン酸メチルエステル(7.80g、55%)が得られる。
【0082】
実施例91
7−[3−(2−メトキシフェニル)イソオキサゾール−5−イル]ヘプタン酸
2 N水酸化ナトリウム(15mL)をメタノール(50mL)中の7−[3−(2−メトキシオキシフェニル)イソオキサゾール−5−イル]ヘプタン酸メチルエステル(2.89g、8mmol)に窒素下、室温で加え、3時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(100ml)で希釈し、酢酸エチル(100ml)で洗浄する。飽和NaHCO3溶媒を用いてpH値を1に調整し、酢酸エチル(3x100ml)で抽出する。結合した有機抽出物を水(100mL)および塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去すると7−[3−(2−メトキシフェニル)イソオキサゾール−5−イル]ヘプタン酸(2.41g、98%)が得られる。APCIマススペクトル m/z302[C1721ClNO4−H]-
【0083】
実施例91の調製と同様の処理過程で、下記の表11に記載された化学式II(k)の化合物、実施例92−98の調製を行う。
【化57】

II(k)
表11: 化学式II(k)の化合物
【表11】

【0084】
調製13
3−[3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)イソオキサゾール−4−イル]プロパン−1−オール
【化58】

N−クロロスクシンイミド(8.6g、65mmol)をDMF(250mL)中のアニスアルデヒドオキシム(10.0g、65mmol)に窒素下、室温で徐々に加え、50℃で6時間加熱する。混合物を氷水(800mL)に入れ、真空濾過により固形物を収集すると5−クロロ−2−塩化メトキシベンゼンカルボキシイミドイル(13.6g、92%)が得られる。
【0085】
トリエチルアミン(10.1mL、100mmol)をTHF(150mL)中の5−クロロ−2−塩化メトキシベンゼンカルボキシイミドイル(10.9g、50mmol)およびジヒドロピラン(4.2g、50mmol)溶液に室温で加え、混合物を48時間攪拌する。水(500ml)で残留物を希釈し、酢酸エチル(3x200ml)で抽出する。結合した有機抽出物を塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去すると3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d]イソオキサゾール(12.9g、>99%)が得られ、精製を行わずに次のステップに使用される。
【0086】
12N HCl(200mL)中の3−(5−クロロ−2メトキシフェニル)−3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4H−ピラノ[3,2−d]イソオキサゾール(12.9g、44mmol)溶液を50℃で24時間加熱した後、混合物を水(300mL)で希釈し、酢酸エチル(3x200mL)で抽出する。結合した有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチル/ヘキサン(1:1)で溶出し、残留物を精製すると3−[3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)イソオキサゾール−4−イル]プロパン−1−オール(8.0g、68%)が得られる。
【0087】
実施例99
3−[3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)イソオキサゾール−5−イル]プロピオン酸
【化59】

過塩素酸ナトリウム(2.0g、22mmol)および漂白液(1mL)を3−[3−(5−クロロ−2メトキシフェニル)イソオキサゾール−4−イル]プロパン−1−オール(3.0g、11mmol)、アセトニトリル(30mL)中の2,2,6,6,−テトラメチルピペリジノオキシ(50mg)、および飽和リン酸カリウム溶液(30mL)の混合物に35℃でゆっくり加え、混合物を12時間攪拌する。混合物のpHを2N NaOH溶液でpH8に調整し、飽和亜硫酸ナトリウム溶液(40mL)を加える。混合物をターシャリー−ブチルメチルエーテル(2x20mL)で洗浄し、1N HClでpH1に調整し、酢酸エチル(3x100mL)で抽出する。結合した有機抽出物を塩水(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去すると3−[3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)イソオキサゾール−5−イル]プロピオン酸(2.65g、85%)が得られる。APCIマススペクトル m/z280[C1312ClNO4−H]-
【0088】
実施例99の調製と同様の処理過程で、下記の表12に記載された化学式II(l)の化合物、実施例100および102の調製を行う。
【化60】

II(l)
表12: 化学式II(l)の化合物
【表12】

【0089】
調製14
【化61】

炭酸ナトリウム(4.5g、42mmol)を市販の5−シアノペンタン酸エチル(5.0g、35mmol)およびエタノール(100mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(2.9g、42mmol)溶液に窒素下、室温で加え、混合物を5.5時間加熱還流する。混合物をセライトで濾過し、溶媒を減圧下で除去すると、粗成物メチル5−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)吉草酸(5.3g、87%産出)が得られ、さらなる精製は行われない。
【0090】
実施例103
メチル5−[5−(2−メトキシフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]吉草酸
【化62】

2−メトキシベンゾイルクロライド(5.20g、35mmol)をピリジン(50mL)中のメチル5−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)吉草酸溶液(5.3g、34mmol)に窒素下で加え、0℃で6時間加熱する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチルで希釈し、1N HClで洗浄する。結合した有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で溶出し、残留物を精製するとメチル5−[5−(2−メトキシフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]吉草酸(2ステップ以上で3.4g、33%)が得られる。
1H NMR(CDC13)δ1.7−1.85(m、2H)、1.85−2.00(m、2H)、2.35(t、2H)、2.95(t、2H)、3.65(s、3H)、3.95(s、3H)、7.00(m、2H)、7.45(t、1H)、8.00(d、1H)。
【0091】
実施例104
5−[5−(2−メトキシフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]ペンタン酸
2N水酸化ナトリウム(20mL)溶液をメタノール(50mL)中のメチル5−[5−(2−メトキシフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]吉草酸に窒素下、室温で加え、3.5時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL)で洗浄する。水層を1N HClでpH1に調整し、固形物を真空濾過により収集すると5−[5−(2−メトキシフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル])ペンタン酸(2.2g、72%)が得られる。APCI MS m/z 275[C141624−H]-
【0092】
実施例105
5−[5−(2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]ペンタン酸
三フッ化ホウ素(4.9mL、51.7mmol)を塩化メチレン(70mL)中の攪拌した5−[5−(2−メトキシフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]吉草酸溶液(3.0g、10.3mmol)に0℃、窒素下で滴下添加する。室温で温め、5時間攪拌する。混合物を0℃に冷却し、メタノール(20mL)を滴下添加し、室温で温める。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い酢酸エチル/酢酸エチル(1:9)で溶出し、残留物を精製すると5−[5−(2−ヒドロキシフェニル)[1、2、4]オキサジアゾール−3−イル]吉草酸が得られ、さらなる精製を行わずに使用される。水(15mL)中の水酸化ナトリウム(800mg、20mmol)溶液をメタノール(30mL)中のメチル5−[5−(2−メトキシフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル](2.6g、9.4mmol)吉草酸に室温で加え、2時間攪拌する。1N HClで混合物のpH値を2に調整し、酢酸エチル(2x150mL)で抽出する。結合した有機抽出物を水(3x150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去する。残留物をヘキサン/酢酸エチルで粉砕し、真空濾過によって固形物を収集すると、表題の化合物(2ステップ以上で2.4mg、89%)が得られる。APCI MS m/z261[C131424−H]-
【0093】
調製15
5−[2−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−エチルカルバモイル]ペンタン酸メチルエステル
水素化ナトリウム(2.14g、32.92mmol)をDMSO75mL中の2−ブロモ−2’−メトキシアセトフェノン(5.01g、21.87mmol)溶液に加える。室温で混合物を18時間攪拌し、250mlの水で希釈する。エーテル(3x)で混合物を抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させる。乾燥剤を濾過し、真空で濃縮すると、2−アジド−1−(2−メトキシフェニル)エタノン3.54gが得られる。
【0094】
1328mlのMeOHおよび9mlの濃縮HClで2−アジド−1−(2−メトキシ−フェニル)エタノン(3.54g、18.5mmol)を溶解する。943gの10%Pd/Cを加え、反応混合物をH2の60psiに、室温で5時間露出する。触媒をセライトのパッドで濾過し、濾過液を真空で濃縮すると、塩酸塩として3.74gの2−アミノ−1−(2−メトキシフェニル)エタノンが得られる。
【0095】
1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.57g、18.62mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(463.8g、3.79mmol)およびアシビン酸モノメチルエステル(42.97g、18.55mmol)を100mlのCH2Cl2中で溶解し、室温で45分間攪拌させる。2−アミノ−1−(2−メトキシ−フェニル)エタノン(3.74g、18.55mmol)およびトリエチルアミン(3.75g、37.1mmol)を反応混合物に加え、室温で22時間攪拌させる。反応物を200mLのCH2Cl2で希釈し、1N HCl(2x)、飽和NaHCO3水(2x)および塩水(1x)で洗浄する。有機層をMgSO4で乾燥させる。乾燥剤を濾過し、真空で濃縮すると、4.57gの表題物(80%)が得られる。マススペクトルm/z=308.1.1(M+H)。
【0096】
実施例106
5−[5−(2−メトキシフェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化63】

5−[2−(2−メトキシ−フェニル)−2−オキソ−エチルカルバモイル]ペンタン酸メチルエステル(4.57g、14.87mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(3.56g、29.14mmol)を150mlのCH2Cl2中で溶解し、反応混合物を氷浴で冷却する。トリフェルホスフィンジブロミド(12.32g、1.96mmol)を反応物に15分以上、徐々に加える。反応物を室温で育て、12時間攪拌させる。反応物を水および塩水(2x)で洗浄する。有機層をMgSO4で乾燥させる。乾燥剤を濾過し、真空で濃縮すると、粗成残留物が得られる。シリカゲルのクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル混合物で溶出し、残留物を精製すると、2.47gの表題物(57%)が得られる。マススペクトル:m/z=290.1(M+H)。
【0097】
実施例107
5−[5−(2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル)]ペンタン酸
5−[5−(2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.47g、8.54mmol)を40mlのジオキサン中で溶解し、20mlの水中のLiOH溶液(1.0344g、43.19mmol)を加える反応物を室温で21時間攪拌させる。反応物を5N HClで酸性化し、反応混合物を真空で濃縮し、ジオキサンを除去する。EtOAc(3x)で水溶性残留物を抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させる。乾燥剤を濾過し、真空で濃縮すると、粗成残留物が得られる。EtOAc/へクサンで残留物を再結晶し、1.7692gの表題物(75%)を得る。マススペクトル:m/z=276.1(M+H)。
【0098】
調製16
5−[2−(5−クロロ−メトキシ−フェニル)−2−オキソ−エチルカルバモイル]ペンタン酸メチルエステル
5’−クロロ−2’−ヒドロキシアセトフェノン(15.3594g、90.03mmol)を無水アセトニトリル100mL中の圧力容器内で溶解する。K2CO3(13.7541g、99.52mmol)およびMeI(25.56mL、108.06mmol)を容器に加える。容器を密閉し、反応混合物を85℃に18時間加熱する。反応物を冷却し、真空で濃縮する。残留物をEt2Oと水に分配する。有機層を2N NaOH(2x)で洗浄する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させる。乾燥剤を濾過し、真空で濃縮し、13.15gの1−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)エタノン(79%)が得られる。
【0099】
CuBr2(29.44g、131.81mmol)をEtOAc(150mL)で懸濁し、加熱還流する。1−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)エタノン(13.15g、71.23mmol)を100mLのCHCl3で溶解し、反応物に滴下添加する。4時間後、反応物を濾過し、固形物を除去する。濾過液を真空で濃縮し、残留物をEtOAcで溶解する。有機層を飽和NaHCO3水および水で洗浄する。有機層をMgSO4で乾燥させる。乾燥剤を濾過し、真空で濃縮すると、17.07gの2−ブロモ−1−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)エタノンが得られる。
【0100】
2−ブロモ−1−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)エタノン(17.07g、64.78mmol)を150mLのCHCl3で溶解し、ヘキサメチレンテトラミン(9.09g、64.84mmol)を反応化合物に添加する。反応物を室温で23時間攪拌させる。濾過により固形物を収集し、固形物をEt2Oで洗浄する。固形物を100mLのMeOHでスラリーし、50mLの濃縮HClを滴下添加する。反応物を室温で加熱還流し、23時間攪拌させる。反応物を室温で冷却し、固形物を濾過する。濾過液をMeOHでスラリーし、再度濾過により固形物を収集する。濾過液を濃縮し、10.99gの2−アミノ−1−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)エタノン塩酸塩が得られる。
【0101】
1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(8.0362g、41.92mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(1.0525g、8.62mmol)およびアシビン酸モノメチルエステル(6.71g、41.90mmol)を100mLのCH2Cl2中で溶解し、室温で45分間攪拌させる。2−アミノ−1−(5−クロロ−メトキシ−フェニル)エタノン塩酸塩(10.99g、46.55mmol)およびトリエチルアミン(9.42g、93.1mmol)を反応混合物に加え、室温で21時間攪拌させる。反応物を200mLのCH2Cl2で希釈し、1N HCl(2x)、飽和NaHCO3水(2x)および塩水(1x)で洗浄する。有機層をMgSO4で乾燥させる。乾燥剤を濾過し、真空で濃縮すると、9.39gの表題粗成物が得られる。マススペクトル:m/z=342.1(M+H)。
【0102】
実施例108
5−[5−(5−クロロ−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化64】

5−[2−(5−クロロ−メトキシ−フェニル)−2−オキソ−エチルカルバモイル]ペンタン酸メチルエステル(9.39g、27.47mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(6.54g、53.53mmol)を250mlのCH2Cl2中で溶解し、反応混合物を氷浴で冷却する。トリフェルホスフィンジブロミド(22.54g、53.40mmol)を反応物に15分以上徐々に加える。反応物を室温で育て、17時間攪拌させる。反応物を水(1x)および塩水(2x)で洗浄する。有機層をMgSO4で乾燥させる。乾燥剤を濾過し、真空で濃縮すると、粗成残留物が得られる。シリカゲルのクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル混合物で溶出し、残留物を精製すると、4.38gの表題物(49%)が得られる。マススペクトルm/z=324.1(M+H)。
【0103】
実施例109
5−[5−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
5−[5−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(4.174g、12.89mmol)を50mlのCH2Cl2中で溶解し、溶液を−78℃で冷却する。三フッ化ホウ素(CH2Cl2中の1M溶液の48.9mL)を反応物に徐々に加え、室温で温めて、27時間攪拌する。反応物を−78℃で冷却し、100mLのMeOHを反応混合物に徐々にクエンチする。反応物を室温で温め、19時間攪拌する。反応混合物を真空で濃縮する。残留物をCH2Cl2で希釈し、飽和NaHCO3水溶液および塩水で洗浄する。有機層をMgSO4で乾燥させる。乾燥剤を濾過し、真空で濃縮すると、粗成残留物が得られる。シリカゲルのクロマトグラフィーを行いヘキサン/酢酸エチル混合物で溶出し、残留物を精製すると、3.26gの表題物(82%)が得られる。マススペクトルm/z=310.09(M+H)。
【0104】
実施例110
5−[5−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸
5−[5−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(3.26g、10.52mmol)を50mLのジオキサン中で溶解し、25mLの水中のLiOH溶液(1.2671g、50.91mmol)を加える。反応物を室温で18時間攪拌させる。反応物を5N HClで酸性化し、反応混合物を真空で濃縮し、ジオキサンを除去する。EtOAc(3x)で水溶性残留物を抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させる。乾燥剤を濾過し、真空で濃縮すると、粗成残留物が得られる。残留物を冷たいEtOAcで粉砕する。濾過により生成物を収集し、表題物の1.8837g(60%)を得る。マススペクトル:m/z=296.1(M+H)。
【0105】
実施例111
5−[4−(2−メトキシ−フェニル)チアゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化65】

気体アンモニアをガス分散チューブで急速に攪拌したメチルアジピン酸クロリド(17.0mL、100.0mmol)0℃溶液にジオキサン(200mL、無水)で30分気泡させる。室温で温める。1時間後、固形塩化アンモニウムを濾過し、母液で濃縮し、20gの白い固形物が得られる。20%i−PrOH/CHCl3を物質に加え、MgSO4で乾燥させ濃縮し、5−カルバモイル−ペンタン酸メチルエステル(15.09g、95%)が得られる。
【0106】
THF(200mL、無水)を5−カルバモイル−ペンタン酸メチルエステル(11.94g、75.0mmol)および五流化リン(16.67g、37.5mmol)を含む密封容器に加える。N2を注入し、密閉し、75分超音波分解する。固体物を分裂し、密封して窒素ガス(N2)下の室温で50時間攪拌する。濃縮し、沸騰したCHCl3および濾過ホット(x3)で粉砕する。結合した母液を濃縮し、14.5gの黄色残留物が得られる。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い0−60%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると5−チオカルバモイル−ペンタン酸メチルエステル(7.72g、59%)が得られる。
【0107】
THF(125mL、無水)を5−チオカルバモイル−ペンタン酸メチルエステル(7.25g、41.4mmol)および2−ブロモ−2’−メトキシアセトフェノン(9.48g、41.4mmol)を含む密封容器に加える。N2を注入し、密閉し、80℃で一晩加熱する。室温で冷却し、EtOAcを加え、NaHCO3水溶液および塩水で洗浄し、EtOAcで各水槽を逆抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させ濃縮し、18gの紫色残留物が得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−20%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(9.7g、77%)が得られる。TLC(30%EtOAc/ヘキサン)R=0.38。MS(IS)306(M+1)+
【0108】
実施例112
5−[4−(2−メトキシ−フェニル)チアゾール−2−イル]ペンタン酸
水(60mL)中のLiOH・H2O(2.62g、62.5mmol)溶液をジオキサン(120mL)中の5−[4−(2−メトキシ−フェニル)チアゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(3.82g、12.5mmol)溶液に加え、室温で攪拌する。1時間後、5N HCl溶液でpH1に酸性化し、濃縮し、ジオキサンの大部分を除去する。20%i−PrOH/CHCl3と1N HC1水溶液に分配し、層を分離させる。20%i−PrOH/CHCl3で水層から逆抽出し、結合された有機層をMgSO4で乾燥させ濃縮すると、3gのピンク色の油が得られる。EtOAcから再結晶させ、表題の化合物(2.52g、69%)を得る。MS(IS)292(M+1)+
【0109】
実施例113
5−[4−(2−メトキシ−フェニル)チアゾール−2−イル]ペンタン酸
5−[4−(2−メトキシ−フェニル)チアゾール−2−イル]ペンタン酸(3.20g、10.5mmol)を酢酸(50ml、氷)中で溶解し、HBr(50mL,48%水溶液)を加え、窒素ガス(N2)下で6時間加熱還流する。追加のHBr(20mL、48%水溶液)を加え、窒素ガス(N2)下で一晩加熱還流する。5N NaOH溶液でpH4に調整し、EtOAc(x2)で抽出し、MgSO4で乾燥させ、濃縮すると、2.64gの薄茶色の固形物が得られる。EtOAc/ヘキサンから再結晶させ、表題の化合物(2.14g、74%)を得る。MS(IS)278(M+1)+
【0110】
調製17
2−ブロモ−1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)エタノン
【化66】

EtOAc(40mL)中の銅(II)臭気化合物(16.79g、75.2mmol)懸濁液を窒素ガス(N2)で加熱還流する。CHCl3(40mL)中の2’ヒドロキシ−4’−メトキシアセトフェノン(7.48g、45.0mmol)溶液を懸濁液に3分間以上滴下添加する。乾燥管をコンデンサー上に取り付け、6時間還流する。室温に冷却し、窒素ガス(N2)下で一晩撹拌する。混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAcおよびCHCl3で洗い流し、母液で濃縮すると12.75グラムの緑色の油状固形物が得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0〜20%EtOAc/ヘキサンで溶出すると、残留物を精製すると精製していない(およそ75%純度)の表題の化合物(8.5g、77%)が得られる。
【0111】
実施例114
5−[4−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)チアゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化67】

THF(50mL、無水)を、を5−チオカルバモイル−ペンタン酸メチルエステル(2.63g、15.0mmol)および2−ブロモ−1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)エタノン(4.90g、15.0mmol、75%純度)を含む丸底フラスコに加える。窒素ガス(N2)下で一晩加熱還流する。室温に冷却し、EtOAcを加え、飽和NaHCO3溶液、塩水で洗浄し、それぞれの水層をEtOAcで逆抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させ濃縮すると8グラムの黄色い固形物が得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0〜20%EtOAc/ヘキサンで溶出し、続いてフラッシュシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行いCHCl3で溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(2.69mg、56%)が得られる。MS(IS)322(M+1)+
【0112】
実施例115
5−[4−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)チアゾール−2−イル]ペンタン酸
水(25mL)中のLiOH H2O(1.76g,41.9mmol)溶液を、ジオキサン(50mL)中のすばやく撹拌した5−[4−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)チアゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.69g、8.4mmol)溶液に加え、室温で撹拌する。1時間後、5N HCl溶液でpH1に酸性化し、窒素ガス(N2)下、冷蔵庫内にて冷却する。濾過して固形物を除去し、氷水で洗い流す。固形物を真空オーブンで一晩乾燥させると、表題の化合物(2.50g、96%)が得られる。MS(Is)308(m+1)+
【0113】
調製18
1−エチニル−2−メトキシ−ベンゼン
【化68】

ヨードアニソール(17.55g、75.0mmol)、トリメチルシリルアセチレン(15.9mL、112.5mmol)、銅(I)ヨウ化物(0.29g、1.5mmol)、およびTHF(225mL、無水)を乾いた丸底フラスコに加える。ジイソプロピルアミン(22.1mL、157.5mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.58g、2.3mmol)を加え、混合物を窒素ガス(N2)下、室温で撹拌する。2.5時間後、反応物を水でクエンチし、EtOAc(x2)で抽出する。結合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ濃縮すると20.8グラムの黒い油が得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0〜5%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると、2−メトキシ−フェニルエチニル)トリメチルシラン(13.2mg、86%)が得られる。
【0114】
水(30mL)中の水酸化カリウム(3.66g、65.2mmol)溶液を撹拌したメタノール(275mL)中の(2−メトキシ−フェニルエチニル)トリメチルシラン(13.2mg、64.4mmol)溶液に30分間以上滴下添加し、室温で1.5時間撹拌する。濃縮し、残留物に塩水を加え、EtOAcで抽出する。有機層をMgSO4で乾燥させ濃縮すると10.5グラムの黒い油が得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0〜5%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(7.6g、89%)が得られる。
【0115】
調製19
6−ニトロ−ヘキサン酸メチルエステル
【化69】

亜硝酸銀(231.1g、150mmol)をジエチルエーテル(23.1g、150mmol)中の撹拌したエチル−ブロモ−ヘキサン酸溶液(17.7mL、100mmol)に加え、窒素下で一晩加熱還流する。セライト(登録商標)(Celite(R))のパッドで濾過し、パッドをジエチルエーテルで洗い流し、濃縮すると21グラムの黄色の油が得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0〜20%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(14.0mg、74%)が得られる。
【0116】
実施例116
5−[5−(2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル
【化70】

1,4−フェニレンジイソシアネート(14.5g、90.8mmol)をトルエン(無水、300mL)中の1−エチニル−2−メトキシ−ベンゼン(4.0g、30.3mmol)および6−ニトロ−ヘキサン酸エチルエステル(8.6g、45.4mmol)の攪拌溶液に加え、N2下で攪拌する。トリエチルアミン(12.7mL、90.8mmol)を加え、N2下で加熱還流する。2.5時間後、混合物をセライト(登録商標)のパッドで濾過し、トルエンで洗浄する。濃縮して9gのオレンジ色のオイルが得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−20%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(14.0g、74%)が得られる。
【0117】
実施例117
5−[5−(2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸
水(30mL)中のLiOH・H2O(1.83g、43.5mmol)溶液をジオキサン(60mL)中の5−[5−(2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル(2.64g、8.7mmol)の急速に攪拌した溶液に加え、室温で一晩攪拌する。1時間後、5N HCl溶液でpH1に酸性化し、濃縮してジオキサンの大部分を除去する。残留物を20%i−PrOH/CHCl3および1N HCl溶液に分離し、層を分離する。20%i−PrOH/CHCl3で水溶層から逆抽出し、結合した有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮すると2.5gの黄色オイルが得られる。EtOAc/ヘキサンから再結晶化すると表題の化合物(1.96g、82%)が得られる。MS(IS)276(M+1)+
【0118】
実施例118
5−[5−(2−ヒドロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル
【化71】

三臭化ホウ素(CH2Cl2中43mL、43mmol、1.0M溶液)をCH2Cl2(45mL)中の5−[5−(2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル)ペンタン酸エチルエステル(5.20g、17.1mmol)の0℃の攪拌溶液に滴下添加する。一晩室温に温める。三臭化ホウ素(CH2Cl2中17mL、17mmol、1.0M溶液)を加え、N2下、室温で攪拌する。4時間後、三臭化ホウ素(CH2Cl2中17mL、17mmol、1.0M溶液)を加え、N2下、室温で攪拌する。2時間後、エタノール(無水、50mL)を滴下添加して急冷する。残留物をCHCl3に溶解し、飽和NaHCO3溶液(x2)で洗浄し、MgSO4で乾燥させて濃縮すると4.7gの黄褐色の固形物が得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い3−20%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(3.96g、80%)が得られる。MS(IS)290(M+1)+
【0119】
実施例119
5−[5−(2−ヒドロキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸
水(60mL)中のLiOH・H2O(2.87g、68.4mmol)をジオキサン(120mL)中の5−[5−(2−ヒドロキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル)ペンタン酸エチルエステル(3.96g、13.7mmol)の急速に攪拌した溶液に加え、室温で一晩攪拌する。1時間後、5N HCl溶液でpH1に酸性化し、濃縮してジオキサンの大部分を除去する。水を残留物に加え、冷蔵庫に一晩置く。固形物を濾過して分離し、水で洗浄し、50℃の真空オーブンで6時間乾燥させると表題の化合物(3.11g、87%)が得られる。MS(IS)262(M+1)+
【0120】
調製20
4−クロロ−2−エチニル−1−メトキシ−ベンゼン
【化72】

4−クロロ−2−ヨード−アニソール(10.9mL、75.0mmol)、トリメチルシリルアセチレン(15.9mL、112.5mmol)、ヨウ化銅(I)(0.29g、1.5mmol)、およびTHF(無水、225mL)を乾いた丸底フラスコに加える。ジイソプロピルアミン(22.1mL、157.5mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.58g、2.3mmol)を加え、混合物をN2下、室温で一晩攪拌する。反応物を水で急冷し、EtOAc(x2)で抽出する。結合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮すると24gの黒色オイルが得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−3%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると(5−クロロ−2−メトキシ−フェニルエチニル)トリメチルシラン(13.7g、76%)が得られる。
【0121】
水(30mL)中の水酸化カリウム(3.28g、58.5mmol)溶液をメタノール(275mL)中の(5−クロロ−2−メトキシ−フェニルエチニル)トリメチルシラン(13.7g、57.4mmol)の攪拌溶液に25分間以上滴下添加し、室温で2時間攪拌する。濃縮し、塩水を残留物に加えてEtOAc(x2)で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮すると13gの黒色オイルが得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−5%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(8.98g、94%)が得られる。
【0122】
実施例120
5−[5−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル
【化73】

1,4−フェニレンジイソシアネート(8.41g、52.5mmol)をトルエン(無水、300mL)中の4−クロロ−2−エチニル−1−メトキシ−ベンゼン(4.0g、30.3mmol)および6−ニトロ−ヘキサン酸エチルエステル(8.6g、45.4mmol)の攪拌溶液に加え、N2下、室温で攪拌する。トリエチルアミン(7.3mL、52.5mmol)を加え、N2下で一晩加熱還流する。混合物をセライト(登録商標)のパッドで濾過し、トルエンで洗浄する。濃縮すると6.6gのオレンジ色のオイルが得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−40%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(4.51g、76%)が得られる。MS(IS)338(M+1)+
【0123】
実施例121
5−[5−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル
三臭化ホウ素(CH2Cl2中39mL、39mmol、1.0M溶液)をCH2Cl2(40mL)中の5−[5−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル(4.39g、13mmol)の−78℃の攪拌溶液に加える。室温に温める。2時間後、−78℃に冷却し、三臭化ホウ素(CH2Cl2中13mL、13mmol、1.0M溶液)を滴下添加し、一晩室温に温める。エタノール(無水、60mL)を滴下添加して急冷する。残留物をCHCl3に溶解し、飽和NaHCO3溶液(x2)で洗浄し、MgSO4で乾燥させて濃縮すると3.7gの黄褐色の固形物が得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−60%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(3.3g、78%)が得られる。MS(IS)324(M+1)+
【0124】
実施例122
5−[5−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸
水(30mL)中のLiOH・H2O(2.14g、51.0mmol)溶液をジオキサン(60mL)中の5−[5−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル(3.30g、10.2mmol)の急速に攪拌した溶液に加え、室温で一晩攪拌する。1時間後、5N HCl溶液でpH1に酸性化し、冷蔵庫に一晩置く。固形物を濾過して分離し、水で洗浄すると表題の化合物(2.73g、91%)が得られる。MS(IS)296(M+1)+
【0125】
実施例123
5−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化74】

メチルアジピン酸クロリド(27mL、159mmol)をジオキサン(300mL)に溶解し、陽気を室温の水浴に置く。慎重にアンモニアガス(余剰分)を気泡させ、混合物を1−2時間攪拌させる。混合物を濾過して固形物を除去する。固形物をCHCl3に懸濁させ、再度濾過する。結合した濾過物を濃縮し、真空で乾燥させると24.87g(98%)の5−カルバモイル−ペンタン酸メチルエステルが得られる。
【0126】
2−ブロモ−2’−ニトロアセトフェノン(9.6g、39.3mmol)を5−カルバモイル−ペンタノン酸エステル(12.0g、75.5mmol)を結合し、純粋な混合物を密閉容器中120−140℃で約6時間加熱する。混合物を冷却し、メタノールを加えて混合物を室温で一晩攪拌する。混合物を濾過し、残留物をaq NaHCO3およびEtOAcに分離する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮する。最初にシリカゲル(CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行い、次にシリカゲル(ヘキサン/EtOAc)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(4.65g、39%)が収集される。MS(ES):(M+1)+305.1、306.3m/z。
【0127】
5−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.5g、8.2mmol)をTHF中の5%Pd/C(300mg)およびPd/ブラック(50mg)と結合し、パール(登録商標)(Parr(R))装置において水素(init.39psi)で反応させる。還元が完了したら、混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾過物を濃縮する。残留物についてシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと2.05g(91%)の5−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステルが収集される。MS(ES):(M+1)+275.1、276.2m/z。
【0128】
実施例124
5−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸
5−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.5g、9.1mmol)をTHF(3mL)、EtOH(3mL)および1N NaOH(15mL)と結合し、加水分解が完了するまで攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を水で希釈して、aq HClでpH値を2.5−3.5に調整する。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。残留物についてシリカゲル(EtOAc)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸(2.03g、86%)が収集される。MS(ES):(M+1)+261.1m/z。
【0129】
実施例125
5−[4−(2−メタンスルホニルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化75】

5−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.18g、7.96mmol)をTHF(50mL)に溶解し、ピリジン(1.20mL、14.8mmol)を加える。塩化メタンスルホニル(余剰分)を加え、反応が完了するまで混合物を室温で攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を氷/aq NaHCO3で急冷し、EtOAcで抽出する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。残留物についてシリカゲル(EtOAc/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(2−メタンスルホニルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.8g、100%)が分離される。MS(ES):(M+1)+353.2、354.3m/z。
【0130】
実施例126
5−[4−(2−メタンスルホニルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸
5−[4−(2−メタンスルホニルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.75g、7.8mmol)をTHF(3mL)、EtOH(3mL)および1N NaOH(20mL)と結合し、加水分解が完了するまで室温で攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を水で希釈して、aq HClでpH値を3.0−3.5に調整する。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。残留物についてシリカゲル(EtOAc)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(2−メタンスルホニルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸(2.16g、82%)が収集される。MS(ES):(M+1)+339.2、340.3m/z。
【0131】
実施例127
5−[4−(2−アセチルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化76】

5−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(4.05g、14.8mmol)およびトリエチルアミン(2.26mL、16.2mmol)をTHF(40mL)に溶解し、塩化アセチル(1.16mL、16.2mmol)を加え、混合物を室温で一晩攪拌する。混合物を濃縮し、残留物をaq NaHCO3およびEtOAcに分離する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。残留物についてシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(2−アセチルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(3.51g、75%)が分離される。MS(ES):(M+1)+317.2m/z。
【0132】
実施例128
5−[4−(2−アセチルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸
5−[4−(2−アセチルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(3.26g、10.3mmol)をTHF(3mL)、EtOH(3mL)および1N NaOH(40mL)と結合し、加水分解が完了するまで室温で攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を水で希釈して、aq HClでpH値を3.5−4.0に調整する。混合物を1−2%MeOH/EtOAcで抽出し、結合した抽出物を真空で濃縮する。結果として得られた残留物についてシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(2−アセチルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル)ペンタン酸(2.76g、89%)が収集される。MS(ES):(M−1)- 301.2、302.3m/z。
【0133】
実施例129
5−[5−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸二ナトリウム酸
【化77】

水(3mL)中のNaOH(739mg、18.5mmol)溶液を水(3mL)中の5−[5−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸(2.73g、9.23mmol)懸濁液に加え、室温で攪拌する。55℃に1時間加熱し、加熱した溶液を濾過し、濃縮して50−60℃の真空オーブンに2日間置く。固形物を削り、粉砕して50−60℃の真空オーブンに一晩置くと表題の化合物(3.14g、100%)が得られる。MS(IS)296(M+1)+
【0134】
調製21
5−ニトロ−ペンタン酸メチルエステル
亜硝酸銀(29.84g、193.9mmol)をジエチルエーテル(165mL、無水)中のメチル5−ブロモ−吉草酸塩(25.22g、129.3mmol)の攪拌溶液に加え、N2下で一晩加熱還流する。セライト(登録商標)のパッドで濾過し、ジエチルエーテルでパッドを洗浄して濃縮すると21gの黄色オイルが得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−20%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると7.87gの表題化合物(38%)が得られる。
【0135】
実施例130
4−[5−(2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ブチル酸メチルエステル
【化78】

1,4−フェニレンジイソシアネート(19.22g、120.0mmol)をトルエン(無水、300mL)中の1−エチニル−2−メトキシ−ベンゼン(2204901、5.29g、40.0mmol)および5−ニトロ−ペンタン酸メチルエステル(7.91g、49.1mmol)の攪拌溶液に加え、N2下で攪拌する。トリエチルアミン(16.7mL、120.0mmol)を加え、N2下で一晩加熱還流する。混合物をセライト(登録商標)のパッドで濾過し、トルエンで洗浄する。濃縮すると12.4gの黄色オイルが得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−30%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(14.0g、74%)が得られる。MS(IS)276(M+1)+
【0136】
実施例131
4−[5−(2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ブチル酸
水(30mL)中のLiOH(0.98g、40.86mmol)溶液をジオキサン(60mL)中の4−[5−(2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ブチル酸メチルエステル(2.25g、8.17mmol)の急速に攪拌した溶液に加え、室温で一晩攪拌する。1N HCl溶液で急冷し、濃縮してジオキサンの大部分を除去する。1N NaOHをpH値4−5に調整し、EtOAc(x2)で抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮すると2.15gの黄色オイルが得られる。EtOAc/ヘキサンから再結晶化すると表題の化合物(1.67g、78%)が得られる。MS(IS)262(M+1)+
【0137】
実施例132
4−[5−(2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ブチル酸メチルエステル
【化79】

三臭化ホウ素(CH2Cl2中51.2mL、51.2mmol、1.0M溶液)をCH2Cl2(30mL)中の5−[5−(5−(2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル(2.82g、10.2mmol)の−78℃の攪拌溶液に30分間以上滴下添加する。一晩室温に温める。0℃に冷却し、メタノール(無水、60mL)を滴下添加して急冷する。室温に温め、飽和NaHCO3溶液(x2)で洗浄し、MgSO4で乾燥させて濃縮すると2.7gの黄色オイルが得られる。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い5−50%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(2.28g、85%)が得られる。MS(IS)262(M+1)+
【0138】
実施例133
5−[5−(5−(2−ヒドロキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル)ペンタン酸]
水(15mL)中のLiOH(1.04g、43.6mmol)溶液をジオキサン(120mL)中の4−[5−(2−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ブチル酸メチルエステル(2.28g、8.7mmol)の急速に攪拌した溶液に加え、室温で一晩攪拌する。1時間後、5N HCl溶液でpH1に酸性化し、濃縮してジオキサンの大部分を除去する。残留物に水を加え、冷蔵庫に一晩置く。固形物を濾過し、水で洗浄して50℃の真空オーブンで6時間乾燥させると表題の化合物(3.11g、87%)が得られる。MS(IS)262(M+1)+
【0139】
調製22
5−アジド−ペンタン酸メチルエステル
アジ化ナトリウム(12.5g、193mmol)をDMF(無水、200mL)中の急速に攪拌した5−ブロモ吉草酸塩(25.08g、129mmol)溶液に加える。N2下、室温で一晩攪拌する。水(400mL)を加え、30分間攪拌する。Et2O(x3)で抽出し、結合したEt2O層を塩水(x3)で洗浄する。有機層をMgSO4で乾燥させて濃縮すると表題の化合物(20.3g、100%)が得られる。
【0140】
実施例134および135
5−[4−(2−メトキシ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]ペンタン酸メチルエステルおよび5−[5−(2−メトキシ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化80】

1−エチニル−2−メトキシ−ベンゼン(2204901、5.29g、40.0mmol)、5−アジド−ペンタン酸メチルエステル(9.43g、60.0mmol)、およびトルエン(無水、120mL)を乾いたフラスコに加え、N2下、一晩加熱還流する。濃縮し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−50%EtOAc/ヘキサン、次に0−25%EtOAc/トルエンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物A(2.85g)およびB(2.99g)が合わせて50%の収率で得られる。NOESY実験でAの構造を確認した。MS(IS)290(M+1)+
【0141】
実施例136
5−[4−(2−ヒドロキシ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]ペンタン酸
【化81】

5−[4−(2−メトキシ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.40g、8.29mmol)、臭化水素酸(50mL、水中48%)、および酢酸(氷、25mL)を結合し、N2下で4時間加熱還流する。臭化水素酸(25mL、水中48%)および酢酸(氷、25mL)を加え、N2下で一晩加熱還流を続ける。室温に冷却し、濾過により固形物を分離して50℃の真空オーブンで一晩乾燥させると表題の化合物(1.45g、67%)が得られる。MS(IS)260(M−1)-
【0142】
実施例137
5−[5−(2−メトキシ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]ペンタン酸
【化82】

5−[5−(2−メトキシ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.99g、10.3mmol)、臭化水素酸(50mL、水中48%)、および酢酸(氷、50mL)を結合し、N2下で3時間加熱還流する。臭化水素酸(20mL、水中48%)を加え、N2下で一晩加熱還流を続ける。室温に冷却し、5N NaOH溶液でpH4に塩基性化する。EtOAc(x3)で水層から抽出し、結合した有機層を塩水で洗浄し、結合した有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮すると2.6gの黄色オイルが得られる。濃縮後SiO2を吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い3−5%MeOH/CH2Cl2で溶出し、残留物を精製する。Et2Oを加え、濃縮(x5)して溶媒を除去すると表題の化合物(2.16g、80%)が得られる。MS(IS)262(M+1)+
【0143】
実施例138
5−[5−(2−メトキシ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]ペンタン酸二ナトリウム塩
水(3mL)中のNaOH(0.66g、16.53mmol)溶液を5−[5−(2−メトキシ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]ペンタン酸(2.16g、8.27mmol)の懸濁液に加え、50℃に1時間加熱する。濃縮し、50℃の真空オーブンで一晩加熱する。Et2Oを加え、濾過により固形物を分離する。固形物を50℃の真空オーブンで一晩乾燥させると(固形物は極めて湿りやすいため)表題の化合物(2.0g、79%)が得られる。MS(IS)262(M+1)+
【0144】
調製23
N−(2−エチニル−フェニル)アセトアミド
ヨウ化銅(I)(0.38g、2.0mmol)を乾いた丸底フラスコに入ったTHF(無水、300mL)中の2−ヨード−アニリン(21.9g、100.0mmol)およびトリメチルシリルアセチレン(21.2mL、150.0mmol)の攪拌溶液に加える。ジイソプロピルアミン(29.4mL、210.0mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.11g、3.0mmol)を加え、混合物をN2下、室温で攪拌する。5時間後、反応物を水で急冷し、EtOAc(x3)で抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮すると27.5gの黒色オイルが得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−10%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると2−トリメチルシラニルエチニル−フェニルアミン(17.7g、93%)が得られる。MS(IS)190(M+1)+
【0145】
無水酢酸(2.6mL、27.5mmol)をピリジン(100mL)中の2−トリメチルシラニルエチニル−フェニルアミン(2238853、4.73g、25.0mmol)の0℃の攪拌溶液にN2下、滴下添加する。一晩室温に温める。濃縮し、残留物をEtOAcおよび1N HClに分離し、層を分ける。EtOAcで水層から抽出し、結合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮する。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−15%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製するとN−(2−トリメチルシラニルエチニル−フェニル)アセトアミド(4.67g、81%)が得られる。MS(IS)231.9(M+1)+
【0146】
水(100mL)中の水酸化カリウム(1.62g、28.8mmol)溶液をメタノール(50mL)中のN−(2−トリメチルシラニルエチニル−フェニル)アセトアミド(4.44g、19.2mmol)の急速に攪拌した溶液に加え、室温で4時間攪拌する。濃縮し、残留物に塩水を加え、EtOAc(x3)で抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮し、CHCl3を加えて濃縮すると2.82gの薄黄色の固形物が得られる。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−30%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(2.56g、84%)が得られる。MS(IS)160(M+1)+
【0147】
実施例139
5−[5−(2−アセチルアミノ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル
【化83】

1,4−フェニレンジイソシアネート(5.15g、32.2mmol)をトルエン(無水、200mL)中のN−(2−エチニル−フェニル)アセトアミド(2.56g、16.1mmol)および6−ニトロ−ヘキサン酸エチルエステル(4.56g、24.1mmol)の攪拌溶液に加え、N2下で攪拌する。トリエチルアミン(4.5mL、32.2mmol)を加え、N2下で一晩加熱還流する。混合物をセライト(登録商標)のパッドで濾過し、トルエンで洗浄する。濃縮すると6.2gの黄色オイルが得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−60%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(4.02g、76%)が得られる。NOESYにより正しい位置異性体が確認される。MS(IS)331(M+1)+
【0148】
実施例140
5−[5−(2−アセチルアミノ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸
2N HCl溶液(100mL、水中)を5−[5−(2−アセチルアミノ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル(4.02g、12.2mmol)に加え、N2下で一晩加熱還流する。室温に冷却し、濃縮すると表題の化合物(3.46g、収率96%)が得られる。MS(IS)259(M−1)-
【0149】
調製24
5{5−[4−メトキシ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシメトキシ)フェニル]イソオキサゾール−3−イル}ペンタン酸エチルエステル
【化84】

CHCl3(700mL)中のヨード(25.4g、100mmol)の純粋な懸濁液を3−メトキシフェノール(10.8mL、100mmol)、トリフルオロ酢酸銀(22.1g、100mmol)、およびCHCl3(100mL)の攪拌混合物にN2下、室温で2時間滴下添加する。N2下室温で60分間攪拌した後、混合物をセライト(登録商標)で濾過し、パッドをCHCl3で洗浄する。溶液を0.1N Na224水溶液、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、CHCl3で水溶液から逆抽出する。結合した有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮すると26.6gの茶色オイルが得られる。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い、CHCl3で溶出して残留物を精製すると2−ヨード−5−メトキシ−フェノール(18.4g、74%)が得られる。MS(IS)249(M−1)-
【0150】
ヨウ化銅(I)(0.28g、1.5mmol)を乾いた丸底フラスコに入ったTHF(無水、225mL)中の2−ヨード−5−メトキシ−フェノール(18.4g、73.6mmol)およびトリメチルシリルアセチレン(15.6mL、110.4mmol)の攪拌溶液に加える。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.55g、2.2mmol)およびジイソプロピルアミン(21.7mL、154.5mmol)を加え、混合物をN2下、室温で一晩攪拌する。反応物を水で急冷し、EtOAc(x3)で抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮すると29gの黒色オイルが得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−15%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると5−メトキシ−2トリメチルシラニルエチニル−フェノール(11.5g、71%)が得られる。MS(IS)221(M+1)+
【0151】
ジイソプロピルアミン(11.0mL、78.3mmol)をCH2Cl2中の5−メトキシ−2−トリメチルシラニルエチニル−フェノール(11.5g、52.2mmol)の急速に攪拌した溶液にN2下、室温で加える。2−(トリメチルシリル)エトキシメチル塩化物(13.9mL、78.3mmol)を5分間以上滴下添加し、N2下、室温で一晩攪拌する。1N HCl水溶液で酸性化し、水を加え、層を分ける。CH2Cl2(x2)で水層から抽出し、結合した有機層をMgSO4で乾燥させ濃縮する。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い、0−5%EtOAc/ヘキサンで溶出して残留物を精製すると4−メトキシ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシメトキシ)−1−トリメチルシラニルエチニル−ベンゼン(13.5g、74%)が得られる。MS(IS)351(M+1)+
【0152】
水(20mL)中の水酸化カリウム(2.3g、40.4mmol)をメタノール(200mL)中の4−メトキシ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシメトキシ)−1−トリメチルシラニルエチニル−ベンゼン(13.5g、38.5mmol)の急速に攪拌した溶液に加え、室温で1時間攪拌する。濃縮し、残留物に塩水を加え、EtOAc(x2)で抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させ濃縮すると11.7gの茶色のオイルが得られる。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い、0−10%EtOAc/ヘキサンで溶出して残留物を精製すると[2−(2−エチニル−5−メトキシ−フェノキシメトキシ)エチル]トリメチル−シラン(10.0g、93%)が得られる。MS(IS)279(M+1)+
【0153】
1,4−フェニレンジイソシアネート(6.41g、40.0mmol)をトルエン(無水、150mL)中の[2−(2−エチニル−5−メトキシ−フェノキシメトキシ)エチル]トリメチル−シラン(5.57g、20.0mmol)および6−ニトロ−ヘキサン酸エチルエステル(7.56g、40.0mmol)の攪拌溶液に加え、N2下で攪拌する。トリエチルアミン(5.6mL、40.0mmol)を加え、N2下で加熱還流する。2時間後、追加のトルエン(無水、150mL)を加え、一晩還流を続ける。混合物をセライト(登録商標)のパッドで濾過し、トルエンで洗浄する。濃縮すると8.7gの黄色オイルが得られる。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い0−20%EtOAc/ヘキサン、次に0−30%EtOAc/ヘキサンで溶出し、残留物を精製すると表題の化合物(5.20g、58%)が得られる。NOESYにより正しい位置異性体が確認される。MS(IS)450(M+1)+
【0154】
実施例141
5−[5−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル
【化85】

メタノール(50mL)中のHCl(濃縮、10mL)溶液をTHF(75mL)およびメタノール(75mL)中の5−[5−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル(4.68g、10.4mmol)に加える。N2下、室温で攪拌する。反応物を飽和NaHCO3で急冷し、EtOAc(x3)で抽出する。結合した有機層をMgSO4で乾燥させ濃縮する。SiO2に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行い、5−100%EtOAc/ヘキサンで溶出して残留物を精製すると表題の化合物(2.25g、71%)が得られる。MS(IS)306(M+1)+
【0155】
実施例142
5−[5−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸
【化86】

水(15mL)中のLiOH(0.96g、40.0mmol)溶液をジオキサン(25mL)中の5−[5−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)イソオキサゾール−3−イル]ペンタン酸エチルエステル(2.45g、8.0mmol)の急速に攪拌した溶液に加え、室温で2時間攪拌する。5N HCl溶液でpH1に酸性化すると白色の沈殿物が得られる。室温に冷まし、水を加える。固形物を濾過し、水で洗浄し、50℃の真空オーブンで3時間乾燥させると表題の化合物(1.86g、80%)が得られる。MS(IS)292(M+1)+
【0156】
実施例143
5−[4−(2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸二ナトリウム塩
【化87】

水(5mL)中のNaOH(1.15g、28.75mmol)溶液を水(30mL)中の5−[4−(2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸(例6の化合物、3.76g、14.38mmol)の懸濁液に加え、室温で攪拌する。50℃に1時間加熱し、加熱した溶液を濾過し、濃縮して50−60℃の真空オーブンに一晩置く。固形物を削り、粉砕して、50−60℃の真空オーブンに60時間置くと表題の化合物(4.39g、100%)が得られる。MS(IS)260(M−1)-
【0157】
実施例144
5−{4−[2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)フェニル]オキサゾール−2−イル}ペンタン酸メチルエステル
【化88】

5−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(1.4g、5.1mmol)をEt2O(25mL)に溶解し、TEA(0.71mL、5.1mmol)を加える。混合物を氷浴で冷却し、トリフルオロ酢酸無水物(0.72mL、5.1mmol)を加え、反応が完了するまで混合物を0℃で攪拌する。混合物をaq NaHCO3で急冷し、EtOAcで抽出する。結合した抽出物をNa3SO4で乾燥させ、濃縮する。残留物についてシリカゲル(CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−{4−[2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)フェニル]オキサゾール−2−イル}ペンタン酸メチルエステル(1.69g、89%)が分離される。MS(ES):(M+1)+ 371.1、372.3m/z。
【0158】
実施例145
5−(4−{2−[メチル−2,2,2−トリフルオロ−アセチル]アミノ}フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
5−{4−[2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)フェニル]オキサゾール−2−イル}ペンタン酸メチルエステル(1.6g、4.3mmol)をTHF(25mL)に溶解し、窒素下、室温で攪拌する。少量の水素化ナトリウム(60%、0.17g、4.3mmol)を加え、脱プロトン化が完了するまで混合物を攪拌する。次に、ヨードメタン(0.54mL、8.7mmol)を追加し、反応が完了するまで50−60℃で加熱する。混合物を濃縮し、残留物を水およびEtOAcに分離する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮する。残留物についてシリカゲル(3%EtOAc/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−(4−{2−[メチル−2,2,2−トリフルオロ−アセチル]アミノ}フェニル)オキサゾール−2−イル)ペンタン酸メチルエステル(1.63g、98%)が分離される。MS(ES):(M+1)+ 385.1、386.3m/z。
【0159】
実施例146
5−[4−(2−メチルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸
【化89】

5−(4−{2−[メチル−2,2,2−トリフルオロ−アセチル]アミノ}フェニル)オキサゾール−2−イル)ペンタン酸メチルエステル(2.38g、6.2mmol)をTHF(2mL)、EtOH(4mL)および2N NaOH(12mL)と結合し、加水分解が完了するまで攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を水で希釈して、aq HClでpH値を4.0に調整する。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。残留物についてシリカゲル(3%EtOAc/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(2−メチルアミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸(1.63g、96%)が得られる。MS(ES):(M+1)+275.1m/z。
【0160】
調製25
4−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸メチルエステル
【化90】

メチル(4−クロロホルミル)ブチラート(20mL、144mmol)をジオキサン(250mL)に溶解し、容器を室温の水浴に置く。慎重にアンモニアガス(過剰分)を気泡させ、混合物を1−2時間攪拌する。混合物を濾過して固形物を除去する。固形物をCHCl3で懸濁し、再度濾過する。結合した濾過物を濃縮し、真空で乾燥させると19.7g(94%)の4−カルバモイル−ブチル酸メチルエステルが得られる。MS(ES):(M+Na)+ 168.1m/z。
【0161】
2−ブロモ−2’−ニトロアセトフェノン(10.4g、42.6mmol)を4−カルバモイル−ブチル酸メチルエステル(12.2g、84.1mmol)と結合し、純粋な混合物を密閉容器に入れて120−150℃で約4−6時間加熱する。混合物を冷却し、メタノールを入れた丸底フラスコに移し、濃縮する。残留物を水およびEtOAcに分離する。結合したEtOAc抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。最初にシリカゲル(EtOAc/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行い、次にシリカゲル(ヘキサン/EtOAc)のクロマトグラフィーを行うと4−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸メチルエステル(3.05g、25%)が収集される。MS(ES):(M+1)+ 291.1、292.2m/z。
【0162】
実施例147
4−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸メチルエステル
【化91】

4−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸メチルエステル(3.0g、10.3mmol)をTHF(150mL)中のPd/C(5%、450mg)およびPd/ブラック(50mg)と結合し、パール(登録商標)装置において水素と反応させる(init.40psi)。反応が完了したら、混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾過物を濃縮する。乾燥すると4−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸メチルエステル(2.36g、88%)粗成物が収集される。MS(ES):(M+1)+261.2m/z。
【0163】
実施例149
4−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸
4−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸メチルエステル(2.36g、9.1mmol)をTHF(3mL)、EtOH(3mL)および2N NaOH(20mL)と結合し、加水分解が完了するまで攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を水で希釈して、aq HClでpH値を3.5−4.0に調整する。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。残留物についてシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと4−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸(1.63g、73%)が収集される。MS(ES):(M+1)+247.1m/z。
【0164】
調製26
6−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ヘキサン酸エチルエステル
【化92】

4−カルバモイル−ブチル酸メチルエステルの調製に関して記載された手順と同様の方法を使用すると、ジオキサン(150mL)中の6−(クロロホルミル)ヘキサン酸エチルエステル(10.7g、55.4mmol)およびアンモニアガスから6−カルバモイル−ヘキサン酸エチルエステル(9.23g、96%)が得られる。MS(ES):(M+1)+174.1m/z。
【0165】
4−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸メチルエステルの調製に関して記載された手順と同様の方法を使用して、2−ブロモ−2’−ニトロアセトフェノン(8.9g、36.5mmol)を6−カルバモイル−ヘキサン酸エチルエステル(9.1g、48.7mmol)と反応させると6−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ヘキサン酸エチルエステル(3.19g、26%)が得られる。MS(ES):(M+1)+333.2、334.4m/z。
【0166】
実施例150
6−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ヘキサン酸エチルエステル
【化93】

4−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸の調製に関して記載された手順と同様の方法を使用して、6−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ヘキサン酸エチルエステル(3.1g、9.3mmol)を還元すると6−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ヘキサン酸エチルエステル(2.8g、99%)の粗成物が得られる。MS(ES):(M+1)+303.3m/z。
【0167】
実施例151
6−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ヘキサン酸
【化94】

4−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸の調製に関して記載された手順と同様の方法を使用して、6−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ヘキサン酸エチルエステル(2.7g、8.9mmol)を加水分解すると6−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ヘキサン酸(2.03g、83%)が得られる。MS(ES):(M+1)+274.9m/z。
【0168】
調製27
3−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]プロピオン酸メチルエステル
【化95】

4−カルバモイル−ブチル酸メチルエステルの調製に関して記載された手順と同様の方法を使用すると、ジオキサン(250mL)中のメチル−4−クロロ−4−オキソフブチラート(25mL、204.5mmol)およびアンモニアガスからスクシナミン酸メチルエステル(24.5g、91%)が得られる。MS(ES):(M+Na)+154.1m/z。
【0169】
4−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸メチルエステルの調製に関して記載された手順と同様の方法を使用して、2−ブロモ−2’−ニトロアセトフェノン(15.43g、63.2mmol)をスクシナミン酸メチルエステル(14.4g、110mmol)と反応させると3−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]プロピオン酸メチルエステル(6.24g、36%)が得られる。MS(ES):(M+1)+277.1m/z。
【0170】
実施例152
3−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]プロピオン酸メチルエステル
【化96】

4−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸の調製に関して記載された手順と同様の方法を使用して、3−[4−(2−ニトロ−フェニル)オキサゾール−2−イル]プロピオン酸メチルエステル(6.2g、9.3mmol)をEtOAcで還元すると、シリカゲル(THF/ヘキサン)のクロマトグラフィーを行った後、3−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]プロピオン酸メチルエステル(2.9g、52%)が得られる。MS(ES):(M+1)+247.3m/z。
【0171】
実施例153
3−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]プロピオン酸
4−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ブチル酸の調製に関して記載された手順と同様の方法を使用して、3−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]−プロピオン酸メチルエステル(4.8g、19.5mmol)を加水分解すると、シリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行った後、3−[4−(2−アミノ−フェニル)オキサゾール−2−イル]プロピオン酸(3.84g、85%)が得られる。MS(ES):(M+1)+233.1m/z。
【0172】
調製28
2−ブロモ−1−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)エタノン
【化97】

5’−クロロ−2’−ヒドロキシアセトフェノン(17.0g、100mmol)を炭酸カリウム(15.1g、109mmol)およびDMF中のヨードメタン(12.5mL、200mmol)と結合し、密閉容器に入れて室温で一晩攪拌する。DMFを除去し、残留物を水およびEtOAcに分離する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。結果として得られる残留物についてシリカゲル(EtOAc/ヘキサン)のクロマトグラフィーを行うと1−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)エタノン(17.1g、93%)が得られる。MS(ES):(M+1)+185.1、187.1m/z。
【0173】
1−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)エタノン(8.5g、46.2mmol)をCHCl3(40mL)に溶解し、混合物をEtOAc(150mL)中のCuBr2(20.6g、92.4mmol)の温めたスラリーに加える。結果として得られる混合物を約3時間加熱還流する。混合物を冷却、濾過し、結果として得られる濾過物を濃縮する。結果として得られる残留物について、シリカゲル(CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと2−ブロモ−1−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)エタノン(12.0g、99%)が得られる。MS(ES):(M+1)+185.1、187.1m/z。
【0174】
実施例154
5−[4−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化98】

2−ブロモ−1−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)エタノン(12.0g、46mmol)を5−カルバモイル−ペンタン酸メチルエステル(12.7g、79.9mmol)を結合し、純粋な混合物を密閉容器に入れて120−140℃で約6時間加熱する。混合物を冷却し、メタノールを加えて混合物を室温で一晩攪拌する。混合物を濃縮し、残留物をNaHCO3およびEtOAcに分離する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。シリカゲル(CHCl3)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(5.5g、37%)が得られる。MS(ES):(M+1)+324.1、326.1m/z。
【0175】
実施例155
5−[4−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸
5−[4−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(0.32g、1.0mmol)をCH2Cl2(2mL)に窒素下、室温で溶解する。三臭化ホウ素(CH2Cl2中1M、3mL)を加え、反応が完了するまで室温で攪拌する。混合物を水で急冷し、EtOAcで抽出する。結合した抽出物をNa2SO4で抽出して濃縮する。結果として得られる残留物について、シリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸(0.27g、91%)が分離される。MS(ES):(M+1)+296.1、298.1m/z。
【0176】
実施例156
5−[4−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸二ナトリウム塩
5−[4−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸(2.71g、9.2mmol)をTHF(10mL)、MeOH(10mL)および1N NaOH(18.4mL)と結合し、室温で2時間攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を真空下、40−50℃で一晩乾燥させると5−[4−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸二ナトリウム塩(3.0g、96%)が収集される。MS(ES):(M+1)+296.1、298.1m/z。
【0177】
調製29
2−ブロモ−1−(2−メトキシ−フェニル)プロパン−1−オン
【化99】

ヒドロキシプロピオフェノン(4.55mL、33.3mmol)を炭酸セシウム(11g、33.7mmol)およびアセトン(100mL)中のヨードメタン(4.1mL、65.8mmol)を結合し、密閉容器に入れて反応が完了するまで室温で攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を水およびEtOAcに分離する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。結果として得られる残留物についてシリカゲル(EtOAc/ヘキサン)のクロマトグラフィーを行うと1−(2−メトキシ−フェニル)プロパン−1−オン(5.01g、93%)が分離される。MS(ES):(M+1)+165.1m/z。
【0178】
1−(2−メトキシ−フェニル)プロパン−1−オン(5.0g、30.5mmol)をCHCl3(25mL)に溶解し、この混合物をEtOAc(75mL)中のCuBr2(13.6g、60.1mmol)の温めたスラリーに加える。結果として得られる混合物を約3時間加熱還流する。混合物を冷却、濾過して結果として得られる濾過物を濃縮する。結果として得られる残留物についてシリカゲル(CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと2−ブロモ−1−(2−メトキシ−フェニル)プロパン−1−オン(7.32g、99%)が分離される。MS(ES):(M+1)+243.0、245.0m/z。
【0179】
実施例157
5−[4−(2−メトキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化100】

2−ブロモ−1−(2−メトキシ−フェニル)プロパン−1−オン(7.25g、29.8mmol)を5−カルバモイル−ペンタン酸メチルエステル(9.5g、60.5mmol)と結合し、純粋な混合物を密閉容器に入れて140−150℃で約4時間加熱する。混合物を冷却し、メタノールを使用してフラスコに移して濃縮する。残留物を水およびEtOAcに分離する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。シリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(2−メトキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(3.63g、40%)が収集される。MS(ES):(M+1)+304.2m/z。
【0180】
実施例158
5−[4−(2−ヒドロキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル
5−[4−(2−メトキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(3.5g、11.5mmol)をCH2Cl2(50mL)に窒素下、室温で溶解する。三臭化ホウソ(CH2Cl2中1M、29mL)を加え、反応が完了するまで室温で攪拌する。混合物を氷/水で急冷し、CH2Cl2で抽出する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。結果として得られるシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(2−ヒドロキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.61g、78%)が収集される。MS(ES):(M+1)+290.2m/z。
【0181】
実施例159
5−[4−(2−ヒドロキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−2−イル]ペンタン酸
5−[4−(2−ヒドロキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.9g、10.0mmol)をTHF(3mL)、EtOH(3mL)および2N NaOH(20mL)と結合し、加水分解が完了するまで攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を水で希釈し、aq HClでpH値を2.0−3.0に調整する。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。残留物についてシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−[4−(2−ヒドロキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−2−イル]ペンタン酸(2.14g、78%)が収集される。MS(ES):(M+1)+276.2m/z。
【0182】
調製30
7−ブロモ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルおよび5−ブロモ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステル
【化101】

5−アセチル吉草酸(16.0g、111.1mmol)をMeOH(200mL)に溶解し、混合物を約50℃に温める。臭素(5.7mL、111.1mmol)を加え、混合物を3時間加熱還流する。混合物を濃縮し、結果として得られるオイルをEt2Oに溶解する。有機溶液を水および水溶NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。濃縮すると7−ブロモ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルおよび5−ブロモ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステル(25.3g、96%)の混合物が得られる。
【0183】
調製31
2−メトキシ−チオベンズアミド
【化102】

2−メトキシ−チオベンズアミド(10.0g、66.2mmol)を五硫化リン(10.1g、22.7mmol)およびTHF(200mmol)と結合し、密閉容器に入れて室温で30分間攪拌する。混合物を超音波で1時間分解した後、混合物を室温で静置する。固形物からTHF溶液を別の容器に移して濃縮する。結果として得られる残留物についてシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと2−メトキシ−チオベンズアミド(7.05g、64%)が得られる。
【0184】
実施例160
5−[2−(2−メトキシ−フェニル)チアゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化103】

2−メトキシ−チオベンズアミド(3.5g、21mmol)をTHF(100mL)中の調製30(5.6g、23.7mmol)に記載の臭化混合物と結合し、混合物を約3時間加熱還流する。混合物を真空で濃縮する。残留物をEtOAcに溶解し、水およびNaHCO3水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。溶液を濃縮し、残留物についてシリカゲル(EtOAc/ヘキサン)のクロマトグラフィーを行うと5−[2−(2−メトキシ−フェニル)チアゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル(4.4g、69%)が収集される。MS(ES):(M+1)+306.2、307.2m/z。
【0185】
実施例161
5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)チアゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル
5−[2−(2−メトキシ−フェニル)チアゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル(3.3g、10.8mmol)をCH2Cl2(30mL)に窒素下、室温で溶解する。三臭化ホウ素(CH2Cl2中1M、27mL)を加え、反応が完了するまで室温で攪拌する。混合物をメタノールで急冷し、氷/水を加えてCH2Cl2で抽出する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。結果として得られる残留物についてシリカゲル(EtOAc/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)チアゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.2g、70%)が分離される。MS(ES):(M+1)+292.1m/z。
【0186】
実施例162
5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)チアゾール−4−イル]ペンタン酸
5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)チアゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.2g、7.6mmol)をTHF(2.5mL)、EtOH(2.5mL)および2N NaOH(14mL)と結合し、加水分解が完了するまで攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を水で希釈して、水性HClを使用してpH値を2.0−3.0に調整する。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。残留物についてシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)チアゾール−4−イル]ペンタン酸(1.5g、72%)が収集される。MS(ES):(M+1)+278.1m/z。
【0187】
調製32
2−メトキシ−安息香酸6−メトキシカルボニル−2−オキソ−ヘキシルエステルおよび2−メトキシ−安息香酸1−アセチル−4−メトキシカルボニル−ブチルエステルの混合物
【化104】

o−アニス酸(7.0g、46mmol)を水(50mL)中のNa2CO3と結合し、完全に溶液になるまで50℃で加熱する。次に、EtOH(100mL)中の調製30(10.91g、46mmol)に記載の臭化混合物を加え、混合物を約5時間加熱還流する。混合物を冷却して一晩攪拌した後、混合物を濃縮し、水を加えてEtOAcで抽出する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させる。溶液を濃縮し、残留物についてシリカゲル(EtOAc/ヘキサン)のクロマトグラフィーを行うと2−メトキシ−安息香酸6−メトキシカルボニル−2−オキソ−ヘキシルエステルおよび2−メトキシ−安息香酸1−アセチル−4−メトキシカルボニル−ブチルエステルの混合物(13.0g、92%)が収集される。MS(ES):(M+1)+309.1m/z。
【0188】
実施例163および164
5−[2−(2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル
4−[2−(2−メトキシ−フェニル)−4−メチル−オキサゾール−5−イル]ブチル酸メチルエステル
【化105】

調製32(15g、48.7mmol)に記載の混合物をHOAc(40mL)中の酢酸アンモニウム(11.25g、146mmol)と結合し、混合物を120−140℃で約5時間加熱する。混合物を冷却し、MeOHから一度、ヘキサンから一度濃縮する。残留物を水で希釈し、EtOAcを抽出する。結合した抽出物を3X水性NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。溶液を濃縮し、残留物についてシリカゲル(EtOAc/ヘキサン)のクロマトグラフィーを行うと5−[2−(2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル(1.0g、7%)、MS(ES):(M+1)+ 290.1m/zおよび4−[2−(2−メトキシ−フェニル)−4−メチル−オキサゾール−5−イル]ブチル酸メチルエステル(3.9g、28%)、MS(ES):(M+1)+290.1m/zが分離される。
【0189】
実施例165
4−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−4−メチル−オキサゾール−5−イル]ブチル酸メチルエステル
【化106】

4−[2−(2−メトキシ−フェニル)−4−メチル−オキサゾール−5−イル]ブチル酸メチルエステル(2.1g、7.3mmol)をCH2Cl2(20mL)に窒素下、室温で溶解する。三臭化ホウ素(CH2Cl2中1M、21.8mL)を加え、反応が完了するまで室温で攪拌する。混合物をメタノールで急冷し、水を加えてCH2Cl2で抽出する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させて濃縮する。結果として得られる残留物についてシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと4−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−4−メチル−オキサゾール−5−イル]ブチル酸メチルエステル(1.55g、77%)が分離される。MS(ES):(M+1)+276.1、277.2m/z。
【0190】
実施例166
4−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−4−メチル−オキサゾール−5−イル]ブチル酸
実施例162に記載の方法と同様の方法を使用して、4−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−4−メチル−オキサゾール−5−イル]ブチル酸メチルエステル(2.75g、10mmol)を加水分解すると精製後2.31gの4−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−4−メチル−オキサゾール−5−イル]ブチル酸(88%)が得られる。MS(ES):(M+1)+262.0、263.2m/z。
【0191】
実施例167
5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化107】

実施例165に記載の方法と同様の方法を使用すると、CH2Cl2中の5−[2−(2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル(1.65g、5.7mmol)および三臭化ホウ素(CH2Cl2中の1.0M、17.2mL)から5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル(0.76g、48%)が得られる。MS(ES):(M+1)+276.1、277.2m/z。
【0192】
実施例168
5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−4−イル]ペンタン酸
実施例162に記載の方法と同様の方法を使用して、5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−4−イル]ペンタン酸メチルエステル(1.45g、5.3mmol)を加水分解すると精製後5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−4−イル]ペンタン酸(1.19g、86%)が得られる。MS(ES):(M+1)+262.1。
【0193】
調製33
7−(2−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルおよび5−(2−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルの混合物
【化108】

ジ−t−ブチルイミノジカルボン酸(3.67g、16.9mmol)をDMF(25mL)に窒素下、室温で溶解し、NaH(60%、0.75g、18.6mmol)を加える。混合物を脱プロトン化が完了するまで攪拌し、調製30に記載の臭化混合物(4.0g、16.9mmol)を加え、混合物を約50℃で一晩加熱する。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。結合した抽出物を水および塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。濃縮し、残留物についてシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと7−ジ−ターシャリー−ブトキシカルボニルアミノ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルおよび5−ターシャリー−ブトキシカルボニルアミノ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステル(5.6g、89%)の混合物が得られる。MS(ES):(M+NH4+391.2m/z。
【0194】
7−ターシャリー−ブトキシカルボニルアミノ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルおよび5−ターシャリー−ブトキシカルボニルアミノ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルの混合物(7.5g、20mmol)をEt2O/HClで処理し、結果として得られる混合物を室温で一晩攪拌する。真空で濃縮および乾燥すると7−アミノ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルおよび5−アミノ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステル塩酸塩の混合物(4.1g、97%)が得られる。MS(ES):(M+1)+174.1m/z。
【0195】
7−アミノ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルおよび5−アミノ−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステル塩酸塩の混合物(2.36g、11.3mmol)をDMF中のo−アニス酸(1.71g、11.3mmol)、1−(ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.16g、11.3mmol)、1−(ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(11.3mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.88mL、33.8mmol)と結合し、24−48時間攪拌する。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。結合した抽出物を塩水で洗浄し、Na2SO4を乾燥させた後濃縮する。残留物についてシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーを行うと7−(2−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルおよび5−(2−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−6−オキソ−ヘプタン酸メチルエステルの混合物(3.45g、99%)が分離される。MS(ES):(M+1)+308.1m/z。
【0196】
実施例169
5−[2−(2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−5−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化109】

調製33の混合物(2.9g、9.5mmol)をDMF(15mL)中のオキシ塩化リン(2.6mL、28.5mmol)と結合し、混合物を約90℃で1時間加熱する。混合物を冷却し、水で希釈してEtOAcで抽出する。結合した抽出物を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。溶液を濃縮し、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーを行うと5−[2−(2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−5−イル]ペンタン酸メチルエステル(0.96g、35%)が分離される。MS(ES):(M+1)+290.1m/z。
【0197】
実施例170
5−[2−(2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−5−イル]ペンタン酸
5−[2−(2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−5−イル]ペンタン酸メチルエステル(2.1g、7.3mmol)をTHF(4mL)、EtOH(4mL)および2N NaOH(15mL)と結合し、加水分解が完了するまで攪拌する。混合物を濃縮し、残留物を水で希釈して、aq HClを使用してpH値を3.0−4.0に調整する。混合物をCH2Cl2で抽出し、抽出部を真空で濃縮する。乾燥させると5−[2−(2−メトキシ−フェニル)オキサゾール−5−イル]ペンタン酸(1.8g、91%)が得られる。MS(ES):(M+1)+274.1、275.1m/z。
【0198】
実施例171
5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−5−イル]ペンタン酸
5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−5−イル]ペンタン酸(1.75g、6.4mmol)をCH2Cl2(20mL)に窒素下、室温で溶解する。三フッ化ホウ素(CH2Cl2中1M、15mL)を加え、完全に反応するまで室温で撹拌する。混合物を冷却し、水/メタノール(95/5)でクエンチし、CH2Cl2で抽出する。結合した抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮する。残留物を、再び調製14で既述の加水分解状態にする。結果として生じた残留物をシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーにかけることで、5−[2−(2−ヒドロキシ−フェニル)オキサゾール−5−イル]ペンタン酸(1.45g、87%)を遊離することができる。MS(ES):(M+1)+262.1、263.2m/z。
【0199】
調製34
2−ブロモ−1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)エタノン
【化110】

2’−(トリフルオロメチル)アセトフェノン(5.0g、26.6mmol)をCHCl3(25mL)に溶解し、この混合物を、暖めたCuBr2(11.86g、53.2mmol)スラリーをEtOAc(75mL)に加える。結果として生じた混合物を約5時間加熱し、ほぼ還流させる。混合物を冷却および濾過し、結果として生じた濾過液を濃縮する。残留物をシリカゲル(CH2Cl2)のクロマトグラフィーにかけることで、2−ブロモ−1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)エタノン(6.6g、93%)を遊離することができる。
【0200】
実施例172
5−[4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)オキサゾール2−イル]ペンタン酸メチルエステル
【化111】

2−ブロモ−1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)エタノン(6.6g、24.7mmol)を5−カルバモイル−ペンタン酸メチルエステル(7.8g、49mmol)と混合し、原混合物を密閉した試験管に入れ140〜150℃で約4.5時間加熱する。混合物を冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出する。抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮する。シリカゲル(CH2Cl2)のクロマトグラフィーで、5−[4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)オキサゾール−2−イル]ペンタン酸メチルエステル(3.47g、43%)の回収が可能になる。MS(ES):(M+1)+328.2m/z。
【0201】
実施例173
5−[3−(2−メトキシフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]ペンタン酸
5−[3−(2−メトキシフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]ペンタン酸およびメチルエステル(3.35g、9.9mmol)をTHF(3mL)、EtOH(3mL)および2N NaOH(15mL)と混合し、完全に加水分解されるまで撹拌する。混合物を濃縮し、残留物を水で希釈し、HCL溶液を用いてpH値を3.0〜4.0に調整する。混合物をEtOAcで抽出し、濃縮する前にNa2SO4で乾燥させる。残留物をシリカゲル(MeOH/CH2Cl2)のクロマトグラフィーにかけることで、5−[3−(2−メトキシフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル])ペンタン酸(2.36g、76%)の回収が可能になる。MS(ES):(M+1)+314.2m/z。
【0202】
製剤
化学式IIの化合物は塩基性および/または酸性部分(すなわちアミノおよび/またはカルボン酸)を含むことができるため、前記化合物は、「医薬的な塩のハンドブック:特性、選択、使用(Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use)」ワインハイム(Weinheim)、ニューヨーク:VHCA;ワイリーVCH(Wiley−VCH)、2002年に記載の医薬的な塩、例えば硫酸塩または塩酸塩として製剤されることができる。化学式IIの化合物は、被治療患者に投与される前に、好ましくは容量単位の形態で、すなわち個別のデリバリー媒体、例えばタブレットやカプセルの形で製剤されるのがよい。従って、本発明のさらにもう1つの実施例は、化学式IIの化合物またはその医薬的な塩、活性物質、および医薬的な担体を含む医薬組成物である。
【0203】
本医薬組成物は、周知であり容易に入手できる材料を用い、既知の手法により調製される。本発明の製剤の製造において、デリバリー物質(化学式II化合物)は活性物質と混合され、通常は担体と混合され、または担体により希釈されるか、カプセル、小袋、紙などの容器の形態をとる可能性のある担体内に包括される。担体が希釈剤として機能する場合、担体は固体、半固体、または活性材料の媒体、賦形剤、媒介物として作用する液状物質でありうる。
【0204】
バイオアッセイ手法
デリバリー物質製剤開発
GLP−1化合物の経口服用を行うには、一般にそれぞれの製剤はpH範囲を7.4から8.4に設定され、一方でMC4アゴニストペプチドを製剤とするためのpH範囲は一般的に6.8から7.2(最も一般的には7.0)が利用される。両方の場合において、標的デリバリー物質濃度は150mg/mlが代表的である。初期フィージビリティスタディが担体製剤の最終決定のために行われる。
【0205】
つまり、デリバリー物質200mgをタイプIガラスバイアルで計量し、ミリキュー(MilliQ)水1mlを加える。それぞれの混合物の溶解度を視覚的に調べ、続いて溶解度を上げるためにNaOHを追加、またはpH値を経口服用範囲まで下げるためにHClを追加する。製剤はその後ミリキュー水で150mg/mlに希釈される。このアプローチを用いて、製剤は一般に3つの範疇に分類される。水溶性、ほとんど完全な可溶性(例えば残留している少数の非溶解粒子、大変純度の高い水性懸濁液または曇った懸濁液)および非水溶性(例えば重懸濁液)である。非水溶性を示すデリバリー物質は、必要に応じ4%w/v(水性)ヒドロキシプロピルセルロース(クルーセル(登録商標)LF、ヘラクレス、ウィルミントン、DE)中で製剤される。これらの場合、50〜100mgの物質をタイプIガラスバイアル内のクルーセル(登録商標)LF中で懸濁し、濃度を200mg/mlとする。重水およびクルーセル(登録商標)LF懸濁液を使用するには、調合液を3分間氷で冷却し、続いてミゾニックス ソニケーター(登録商標)(Misonix Sonicator(R))(ウルトラソニック プロセッサ XL(3/16インチ マイクロチップ)を用い、氷上で30分間超音波処理を行って、粒径を小さくする。NaOHまたはHClでpH調整後、製剤はミリキュー(MilliQ)水またはクルーセル(登録商標)LFで150mg/mlに希釈される。
【0206】
貯蔵用活性物質溶液の製剤
ここで使用されるGLP−1化合物(例えばVal8−Glu22−GLP−1(7−37)OHおよびVal8−Glu22−I33−GLP−1(7−37)OH)およびMC4アゴニストペプチド(例えばAc−Arg−シクロ[Cys−Glu−His−D−Phe−Arg−Trp−Cys]−NH2、Ac−シクロ[hCys−His−D−Phe−Arg−Trp−Cys]−NH2、Ac−シクロ[hCys−His−D−Phe−Arg−Trp−ペニシラミン]−NH2およびN−シクロヘキサンカルボニル−シクロ[hCys−His−D−Phe−Arg−Trp−ペニシラミン]−NH2)は、PCT特許公開番号WO03/072195およびPCT特許出願番号PCT/US04/16625(6月17日出願)にそれぞれ記載されている。
【0207】
GLP−1化合物活性物質の原液は以下のように調製される。つまり、既知の量の凍結乾燥した活性物質をタイプIガラスバイアルで計量する。その後、ミリキュー(MilliQ)水を加え、最初の濃度をおよそ7〜10mg/mlとする。1N NaOHと5N NaOHで媒介物のpH値をゆっくり10.5まで上昇させることによってペプチドを完全に溶解させ、続いて室温で30分間培養する。pH8.0の1M トリス緩衝液を大量に加え、20 mM トリス最終緩衝剤で処理し、1N HClと5N HClでpH値を7.8に調整する。続いて溶媒を低タンパク結合0.22μMのシリンジフィルター(マイレクス−GV、ミリポア(Millipore)製)により濾過する。ペプチド濾過液の濃度は紫外線分光器(λmax=280nm)により測定される。その後溶媒を20mMトリス緩衝液pH7.8を使用して、およそ5.0mg/mlのストック濃度まで希釈する。活性物質溶液は、使用するまで1.0mlに等分して−70℃で保存する。
【0208】
MC4Rアゴニストペプチドの貯蔵用溶液は、以下のように調製する。つまり、既知の量の凍結乾燥した活性物質をタイプIガラスバイアルで計量する。その後、ミリキュー水を加え、最初の濃度をおよそ19〜21mg/mlとする。1N NaOHと5N NaOHでpH値を6.0まで上昇させ、続いて室温で30分間培養する。ペプチド溶液の濃度は、紫外線分光器(max=280nm、散乱光補正250nm〜410nm適用)により測定される。溶液はその後、濃度およそ20.0mg/mlのストックとして保存される。ペプチド溶液は、使用するまで4〜8℃で冷凍保存する。
【0209】
ラット経口デリバリー方法
これらの調査には、雄のスプレーグ−ドウリィ(Sprague−Dawley)(大腿部動脈にカニューレを挿入、チャールズリバー(Charles River)、ウィルミントン、MA)250〜300gのラットを用いる。ラットはひとつのステンレス鋼ケージに収容し、イーライリリーアンドカンパニー(Eli Lilly and Company)アニマルケア アンド ユース ポリシー アンド プロシージャ−(Animal Care and Use Policies & Procedures)に従って飼育する。ラットは薬剤投与前最低12時間絶食させておく(水は自由に摂取させる)。それぞれの実験(デリバリー物質+活性物質)は4個体のラットを1グループとして行う。それぞれのデリバリー物質の最終製剤は生体内投与のおよそ5〜10分前に新たに調製する。
【0210】
具体的には、デリバリー物質製剤(〜165mg/ml貯蔵物)およびGLP−1化合物活性物質溶液(〜5.0mg/ml貯蔵物)を同時に加え、デリバリー物質+活性物質の混合物を生成する。前述の各製剤の最終的な濃度は、それぞれ150mg/mlおよび0.5mg/mlである。製剤は経口胃管栄養法(PO)によって、300mg/kgの最後のデリバリー物質および1.0mg/kgの活性物質が投薬される。全身(大腿部動脈)カニューレを用い、5分、10分、20分時点の血液サンプルを各ラットから(各時点ごとに1サンプル)EDTA試験管内に1ml採集する。試験管は採集後すぐに氷上で冷却し、およそ5℃/3000rpmで15分間遠心分離機にかける。血漿を除去し、12×75mmのスナップキャップ付のポリプロピレン試験管内へ移し、直ちに−70℃にして放射線免疫アッセイ検査による分析を行うまで保存する。
【0211】
MC4アゴニストペプチド活性物質の場合は、デリバリー物質製剤(〜165mg/ml貯蔵物)およびペプチド溶液(〜20mg/ml貯蔵物)を同時に加え、デリバリー物質+活性物質の混合物を生成する。前述の各製剤の最終濃度は、それぞれ150mg/mlおよび5.0mg/mlである。製剤は経口胃管栄養法(PO)によって、300mg/kgの最後のデリバリー物質および10.0mg/kgの活性物質が投薬される。全身(大腿部動脈)カニューレを用い、5分、15分、30分、60分、90分、120分時点の血液サンプルを各ラットから(各時点ごとに1サンプル)ヘパリン試験管内に0.40ml採集する。試験管は採集後すぐに氷上で冷却し、およそ5℃/3000rpmで15分間遠心分離機にかける。血漿を除去し、96ウェルプレートに移し、直ちに−70℃にしてLC/MS/MSによる分析を行うまで保存する。
【0212】
放射線免疫アッセイ検査および薬物動態解析
ラット血漿中の免疫反応性活性物質の濃度をネイティブな(native)ペプチドおよび代謝産物を非特異的に検出する放射線免疫アッセイ検査により分析する。これらの濃度はその後、報告された薬物動態パラメータを測定するために使用される。血漿サンプルを、放射性同位元素により識別した活性物質およびウサギ多クローン性抗血清と混合し、その後4℃で一晩培養する。結合および遊離形状の免疫反応性活性物質は、ポリエチレングリコール処理した第二次抗体沈殿を使用して結合画分を沈殿することによって分離される。遠心分離により結合画分を収集後、ガンマ線測定装置にて放射能を測定する。データを加重4/5パラメータの論理的アルゴリズムで分析する。GLP−1化合物の場合、標準曲線は9.8pg/mlから10000pg/mlの範囲をとり、数量化の上限および下限はそれぞれ150pg/mlおよび4000pg/mlである。MC4アゴニストペプチドの場合、標準曲線は5.0ng/mlから5000ng/mlの範囲をとり、数量化の上限および下限はそれぞれ10ngおよび5000ng/mlである。薬物動態解析はウィンノンリン(商標)(WinNonlinTM)バージョン3.0(ファーサイトコーポレーション(Pharsight Corporation)、マウンテンビュー、CA)を用いて行われる。血漿濃度の時間データは平均±標準偏差(SD)で報告される。デリバリー物質の効率は、0分から20分で測定される血漿濃度−時間曲線下面積(AUC)として明示される。化学式II(デリバリー物質)の代表的な化合物はラット経口デリバリーアッセイにて分析され、デリバリー物質の存在下における活性物質のAUCは、活性物質の非存在下における活性物質のAUCより大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式I
【化1】

I;
(式中、
1およびR2はそれぞれ独立してH、OH、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、CF3、ハロまたはNR44'であり、
3はH、C1−C6アルキルであり、
4はH、COR5、SO26、またはC1−C6アルキルであり、
4'はHまたはC1−C6アルキルであり、
5はHまたはC1−C6アルキルであり、
6はHまたはC1−C6アルキルであり、
Xは、任意でC1−C4アルキルに置換される五員芳香族複素環であり、ここで前記複素環はN、SおよびOから選択された少なくとも2つまたは3つのヘテロ原子を含み、ここで少なくともひとつのヘテロ原子はNでなくてはならず、前記へテロ原子は1,3,4−オキサジアゾールでない場合があり、
nは2、3、4、5、6または7である)
で示される化合物、またはその医薬的な塩。
【請求項2】
1およびR2はそれぞれ独立してH、OH、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、CF3、ハロまたはNR44'であり、XはC1−C4アルキルに置換されない、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
3がHである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
化学式
【化2】

で示される、請求項1から3に記載の化合物、またはその医薬的な塩。
【請求項5】
1およびR2はそれぞれ独立してH,O(C1−C4アルキル)またはOHであり、R3はHであり、nは2、3、4または5である、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的な塩。
【請求項6】
1はOHまたはNH2から選択されて複素環Xに対しオルト位置にあり、R2はOCH3およびHから選択されて複素環Xに対しパラ位置にあり、R3はHである、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
式:
【化3】

の化合物、またはその医薬的な塩。
【請求項8】
式:
【化4】

の化合物、またはその医薬的な塩。
【請求項9】
式:
【化5】

の化合物、またはその医薬的な塩。
【請求項10】
化学式
【化6】

で示される、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的な塩。
【請求項11】
1およびR2はそれぞれ独立してH,O(C1−C4アルキル)またはOHであり、R3はHであり、nは3、4、5、6である、請求項10に記載の化合物、またはその医薬的な塩。
【請求項12】
式:
【化7】

の化合物、またはその医薬的な塩。
【請求項13】
式:
【化8】

の化合物、またはその医薬的な塩。
【請求項14】
a)請求項3、5から9、または11から13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的な塩、および
b)GLP−1化合物を含む、
医薬組成物。
【請求項15】
前記GLP−1化合物がVal8−Glu22−GLP−1(7−37)OHである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
a)請求項3、5から9、または11から13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的な塩、および
b)MC4アゴニストペプチドを含む、
医薬組成物。
【請求項17】
前記MC4アゴニストペプチドが、
Ac−Arg−シクロ[Cys−Glu−His−D−Phe−Arg−Trp−Cys]−NH2と、Ac−シクロ[hCys−His−D−Phe−Arg−Trp−Cys]−NH2と、Ac−シクロ[hCys−His−D−Phe−Arg−Trp−ペニシラミン]−NH2と、N−シクロヘキサンカルボニル−シクロ[hCys−His−D−Phe−Arg−Trp−ペニシラミン]−NH2と、
からなるグループより選択される、請求項16に記載の化合物。

【公開番号】特開2011−207886(P2011−207886A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−104435(P2011−104435)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【分割の表示】特願2006−523865(P2006−523865)の分割
【原出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(504209183)エミスフィアー テクノロジーズ インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】Emisphere Technologies,Inc.
【Fターム(参考)】