説明

グルコアミラーゼの変異体

本発明は、デンプンの加水分解中の縮合産物の合成を低下させるために改変された特性を有する、親グルコアミラーゼのコンビナトリアル変異体に関する。したがって、親グルコアミラーゼの変異体は、醸造およびグルコースシロップ生産内の使用になどのように適している。変異体をコードするDNAコンストラクトおよび宿主細胞においてグルコアミラーゼ変異体を生産するための方法もまた、開示される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2の518位〜543位のアミノ酸配列もしくは親グルコアミラーゼにおける等価な残基配列を有する相互連結ループ2’、および/または配列番号2の21位〜51位のアミノ酸配列もしくは親グルコアミラーゼにおける等価な残基配列を有するループ1、および/または配列番号2の52位〜68位のアミノ酸配列もしくは親グルコアミラーゼにおける等価な残基配列を有するヘリックス2、および/または配列番号2の396位〜420位のアミノ酸配列もしくは親グルコアミラーゼにおける等価な残基配列を有するループ11、および/または配列番号2の421位〜434位のアミノ酸配列もしくは親グルコアミラーゼにおける等価な残基配列を有するヘリックス12に対する2つ以上のアミノ酸置換を含むグルコアミラーゼ変異体の、デンプンの加水分解中の縮合産物の合成を低下させるための使用。
【請求項2】
その結晶形をしている場合に、主鎖原子の原子座標が、等価な主鎖原子のアライメント後に、TrGAの等価な主鎖原子の原子座標(WO2009/067218における表20において定義される)から0.13nm未満の平均二乗偏差を有する結晶構造を有し、リンカー領域、デンプン結合ドメイン、および触媒ドメインを有し、デンプン結合ドメインの相互連結ループ2’中にならびに/または触媒ドメインのループ1中におよび/もしくはヘリックス2中におよび/もしくはループ11中におよび/もしくはヘリックス12中に、親グルコアミラーゼのアミノ酸配列に対する2つ以上のアミノ酸置換を含む、請求項1に記載のグルコアミラーゼ変異体の、デンプンの加水分解中の縮合産物の合成を低下させるための使用。
【請求項3】
前記2つ以上のアミノ酸置換は、配列番号2の518位〜543位のアミノ酸配列を有する相互連結ループ2’、および/または配列番号2の21位〜51位のアミノ酸配列を有するループ1、および/または配列番号2の52位〜68位のアミノ酸配列を有するヘリックス2、および/または配列番号2の396位〜420位のアミノ酸配列を有するループ11、および/または配列番号2の421位〜434位のアミノ酸配列を有するヘリックス12に対するものである、請求項1〜2のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体の使用。
【請求項4】
2つ以上のアミノ酸置換は、相互連結ループ2’中の少なくとも1つのアミノ酸置換、ならびにループ1および/またはヘリックス2および/またはループ11および/またはヘリックス12中の少なくとも1つのアミノ酸置換である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体の使用。
【請求項5】
2つ以上のアミノ酸置換は、相互連結ループ2’中の1、2、3、または4つのアミノ酸置換ならびにループ1および/またはヘリックス2および/またはループ11および/またはヘリックス12中の1、2、3、または4つのアミノ酸置換である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体の使用。
【請求項6】
2つ以上のアミノ酸置換は、相互連結ループ2’中の少なくとも1つのアミノ酸置換およびループ1中の少なくとも1つのアミノ酸置換である、ならびに/または2つ以上のアミノ酸置換は、相互連結ループ2’中の少なくとも1つのアミノ酸置換およびヘリックス2中の少なくとも1つのアミノ酸置換である、または2つ以上のアミノ酸置換は、相互連結ループ2’中の少なくとも1つのアミノ酸置換およびループ11中の少なくとも1つのアミノ酸置換である、または2つ以上のアミノ酸置換は、相互連結ループ2’中の少なくとも1つのアミノ酸置換およびヘリックス12中の少なくとも1つのアミノ酸置換である、2つ以上のアミノ酸置換は、相互連結ループ2’中の少なくとも1つのアミノ酸置換、ループ1中の少なくとも1つのアミノ酸置換、およびヘリックス2中の少なくとも1つのアミノ酸置換である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体の使用。
【請求項7】
グルコアミラーゼ変異体は、相互連結ループ2’の520〜543位、530〜543位、もしくは534〜543位内に少なくとも1つのアミノ酸置換を有し、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、および/またはグルコアミラーゼ変異体は、ループ1の30〜50位、35〜48位、もしくは40〜46位のアミノ酸配列内に少なくとも1つのアミノ酸置換を有し、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、および/またはグルコアミラーゼ変異体は、ヘリックス2の50〜66位、55〜64位、もしくは58〜63位のアミノ酸配列内に少なくとも1つのアミノ酸置換を有し、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、および/またはグルコアミラーゼ変異体は、ループ11の405〜420位、410〜420位、もしくは415〜420位のアミノ酸配列内に少なくとも1つのアミノ酸置換を有し、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、および/またはグルコアミラーゼ変異体は、ヘリックス12の421〜434位、425〜434位、もしくは428〜434位のアミノ酸配列内に少なくとも1つのアミノ酸置換を有し、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体の使用。
【請求項8】
グルコアミラーゼ変異体は、539位にアミノ酸置換を有し、かつ44、61、417、および431位から選択される位置に1つまたは複数のアミノ酸置換を有し、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体の使用。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項10】
アミノ酸置換は、539位にあり、かつアミノ酸置換は、44位にあり、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応し、この配列は、親グルコアミラーゼに対して少なくとも80%の配列同一性を有し、44位におけるアミノ酸置換は、44Cではない、2つ以上のアミノ酸置換を含むグルコアミラーゼ変異体。
【請求項11】
アミノ酸置換は、539位にあり、かつアミノ酸置換は、44Rであり、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、請求項9〜10のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項12】
61位においてアミノ酸置換を含み、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、請求項9〜11のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項13】
グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼに対して、少なくとも85%、90%、95%、98%、または99.5%の配列同一性を有する、請求項9〜12のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項14】
グルコアミラーゼ変異体は、配列番号1、2、3、5、6、7、8、または9に対して、少なくとも85%、90%、95%、98%、または99.5%の配列同一性を有する、請求項9〜13のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項15】
グルコアミラーゼ変異体は、配列番号2に対して、少なくとも85%、90%、95%、98%、または99.5%の配列同一性を有する、請求項9〜14のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項16】
539位におけるアミノ酸置換は、539Rであり、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、請求項9〜15のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項17】
44位におけるアミノ酸置換は、44Rであり、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、請求項9〜16のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項18】
61位におけるアミノ酸置換は、61Iであり、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、請求項9〜17のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項19】
以下のアミノ酸置換:
a.D44RおよびA539R;または
b.D44R、N61I、およびA539R
を含み、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置または親グルコアミラーゼにおける等価な位置に対応する、請求項9〜18のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項20】
配列番号2から成り、以下のアミノ酸置換:
a.D44RおよびA539R;または
b.D44R、N61I、およびA539R
を有し、前記位置は、配列番号2におけるそれぞれの位置に対応する、請求項9〜19のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項21】
グルコアミラーゼ変異体は、配列番号1、2、11、385、386、387、388、389、または390のデンプン結合ドメインと、少なくとも96%、97%、98%、99%、または99.5%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを有する、請求項9〜20のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項22】
グルコアミラーゼ変異体は、配列番号1、2、3、5、6、7、8、または9の触媒ドメインと、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99.5%の配列同一性を有する触媒ドメインを有する、請求項9〜21のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項23】
親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)、フミコラ属種(Humicola spp.)、ペニシリウム属種(Penicillium spp.)、タラロミセス属種(Talaromycese spp.)、またはシゾサッカロミセス属種(Schizosaccharmyces spp.)から得られるグルコアミラーゼから選択される、請求項9〜22のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項24】
親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)またはアスペルギルス属種(Aspergillus spp.)から得られる、請求項9〜23のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項25】
グルコアミラーゼは、親グルコアミラーゼと比較して、発酵性の糖(複数可)の生産の増強を示す、請求項9〜24のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項26】
グルコアミラーゼは、親グルコアミラーゼと比較して、醸造プロセスのマッシング工程において発酵性の糖の生産の増強を示す、請求項9〜25のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項27】
グルコアミラーゼは、親グルコアミラーゼと比較して、醸造プロセスの発酵工程において発酵性の糖の生産の増強を示す、請求項9〜26のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項28】
発酵性の糖は、グルコースである、請求項27に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項29】
グルコアミラーゼは、親グルコアミラーゼと比較して、イソマルトース合成およびデンプン加水分解活性の間の低下した比(IS/SH比)を示す、請求項9〜28のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項30】
グルコアミラーゼは、TrGAなどのような親グルコアミラーゼと比較して、5%以下で、10%以下で、または15%以下で低下した、デンプン加水分解活性の低下を示す、請求項9〜29のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項31】
グルコアミラーゼは、TrGAなどのような親グルコアミラーゼと比較して、発酵の実質的な程度の増強を示す、請求項9〜30のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項32】
グルコアミラーゼは精製されている、請求項9〜31のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
【請求項33】
請求項9〜32のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体をコードするポリヌクレオチド。
【請求項34】
請求項33に記載のポリヌクレオチドを含む、または請求項9〜32のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体を発現することができる、ベクター。
【請求項35】
請求項34に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項36】
請求項9〜32のいずれか一項に記載の変異グルコアミラーゼをコードする核酸を、染色体の中に安定して統合している宿主細胞。
【請求項37】
請求項9〜32のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体を発現することができる細胞。
【請求項38】
請求項35〜36のいずれか一項に記載の宿主細胞、または細菌細胞、菌類細胞、もしくは酵母細胞である、請求項37に記載の細胞。
【請求項39】
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reseii)などのようなトリコデルマ属種(Trichoderma spp.)である、請求項38に記載の宿主細胞。
【請求項40】
プロテアーゼ欠損および/またはキシラナーゼ欠損および/または自然グルカナーゼ欠損宿主細胞である、請求項38〜39のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項41】
請求項35〜40のいずれか一項に記載の宿主細胞または細胞を得ることと、細胞または宿主細胞からグルコアミラーゼ変異体を発現させることとを含み、グルコアミラーゼ変異体を精製することを含んでもよい、グルコアミラーゼ変異体を発現させる方法。
【請求項42】
グルコアミラーゼ変異体を精製することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
酵素組成物の調製のための、請求項9〜32のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体の使用。
【請求項44】
請求項9〜32のいずれか一項に記載の少なくとも1つのグルコアミラーゼ変異体を含む酵素組成物。
【請求項45】
請求項9〜32のいずれか一項に記載の少なくとも1つのグルコアミラーゼ変異体を含む、請求項44に記載の酵素組成物であって、デンプン加水分解組成物、糖化組成物、界面活性剤、アルコール発酵酵素組成物、および飼料の中から選択される、組成物。
【請求項46】
アミラーゼ、プルラナーゼ、およびさらなるグルコアミラーゼの中から選択される少なくとも1つのさらなる酵素を含む、請求項44〜45のいずれか一項に記載の酵素組成物。
【請求項47】
グリストからマッシュを形成することと、請求項9〜32のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体または請求項44〜46のいずれか一項に記載の酵素組成物とマッシュを接触させることとを含む、醸造用の麦芽汁を生産するための方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A−1】
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【図5A−2】
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【図5A−3】
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【図5B−1】
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【図5B−2】
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【図5C】
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【図5D−1】
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【図5D−2】
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【図5E−1】
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【図5E−2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−502211(P2013−502211A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525164(P2012−525164)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062035
【国際公開番号】WO2011/020852
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(508122275)ダニスコ・アクティーゼルスカブ (8)
【氏名又は名称原語表記】Danisco A/S
【出願人】(595163630)ダニスコ・ユーエス・インコーポレイテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】Danisco US Inc.
【Fターム(参考)】