説明

グルコシターゼ阻害剤およびその合成方法

グリコシダーゼ阻害剤として潜在的に有用である、サラシノール、その立体異性体、および類似体、同族体、ならびにそれらのその他誘導体を合成するための方法。本発明の化合物は、一般式(I)または(II)を有すればよい。その合成スキームは、環状硫酸エステルを、ヘテロ原子(X)を含む5員環糖と反応させることを含む。ヘテロ原子は、好ましくは、硫黄、セレニウム、または窒素からなる。環状硫酸エステルおよび環糖試薬は、D−グルコース、L−グルコース、D−キシロースおよびL−キシロースなどの炭水化物前駆体から容易に調製できる。目標化合物は、5員環糖のヘテロ原子の求核的攻撃により環状硫酸エステルを開環して調製される。得られる複素環化合物は、ヘテロ原子陽イオンと硫酸陰イオンから構成される安定な内部塩構造を有する。本合成スキームにより、副反応を制限して、適度から良好な収率で目標化合物の各種立体異性体が得られる。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表される化合物、ならびにそれらの立体異性体および医薬として許容される塩のうちから選択される非天然化合物であって、
【化1】

上記式中、Xは、S、SeおよびNHのうちから選択され、R1、R2、R3、R4およびR5は、同一であるかまたは異なり、かつH、OH、SH、NH2、ハロゲン、ならびにシクロプロパン、エポキシド、アジリジンおよびエピスルフィドのうちから選択される化合物の構成成分のうちから選択され、R6は、H、および任意で置換された直鎖、分枝鎖ま
たは環状の飽和または不飽和炭化水素基のうちから選択される、非天然化合物。
【請求項2】
XがSまたはSeであり、R3がアルジトール側鎖である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
以下の化合物から選択される、請求項2に記載の化合物。
【化2】

【請求項4】
以下の化合物から選択される、サラシノール類似体。
【化3】

【請求項5】
5およびR6が共にポリヒドロキシル化脂肪族鎖を構成する、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
以下の化合物から選択される、請求項5に記載の化合物。
【化4】

【請求項7】
スキーム7、8、9、10、10a、10bおよび10cのいずれか1つに規定の合成方法で製造されたサラシノール。
【請求項8】
スキーム11、12、12a、12b、12c、12d、12eおよび12fのいずれか1つに規定の合成方法で製造されたブリントール。
【請求項9】
有効量のサラシノールおよびブリントールと、医薬として許容される担体とを含有する医薬。
【請求項10】
6がアルジトール側鎖である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
6が5〜10個の炭素を含むポリヒドロキシル化非環式鎖である、請求項1に記載の
化合物。
【請求項12】
前記鎖が5個または6個の炭素を含む、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
X=Sであり、かつ前記化合物がサラシノールの鎖伸長同族体である、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
1、R2、R3、R4およびR5がOHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が1,4−ジデオキシ−1,4−[[2R,3R,4R,5S−2,4,5,6−テトラヒドロキシ−3−(スルホオキシ)ヘキシル]エピスルホニウムイリデン]−D−アラビニトールである、請求項11に記載の化合物。
【請求項16】
(a)一般式(III)
【化5】

を有し、上式中、R1およびR2はHであるかまたは保護基からなり、R3はHおよび任
意で置換された直鎖、分枝鎖または環状の飽和または不飽和炭化水素基およびそれらの保護誘導体のうちから選択される、環状硫酸エステルを準備する工程と、
(b)一般式(IV)
【化6】

の5員複素環化合物であり、上式中、XはS、Se、およびNHのうちから選択され、R4、R5およびR6はOHおよび保護されたヒドロキシル基のうちから選択される、5員
複素環化合物を準備する工程と、
(c)前記環状硫酸エステルを前記5員複素環化合物と反応させて、正に帯電したヘテロ原子Xおよび負に帯電した硫酸対イオンからなる内部塩構造を有する中間体化合物を生成する工程と、
(d)前記中間体化合物から任意の保護基を除去する工程と
を含む、請求項1に記載の化合物(I)の合成方法。
【請求項17】
前記環状硫酸エステルと前記複素環化合物との反応が極性溶媒中で実施される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記極性溶媒がヘキサフルオロイソプロパノールを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記環状硫酸エステルがD−グルコースから誘導される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記環状硫酸エステルがベンジリデンで保護された環状硫酸エステルである、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
1個または複数のベンジリデン保護基が、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS)触媒の存在下において、前記ベンジリデンで保護された環状硫酸エステルに導入される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複素環化合物の前記保護されたヒドロキシル基がp−メトキシベンジルである、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記複素環化合物がp−メトキシベンジルで保護された1,4−アンヒドロ−4−セレノ−D−アラビニトールである、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記保護基の除去が前記中間体化合物の水素化分解により実施される、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記保護基の除去が酸加水分解により実施される、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記酸加水分解がトリフルオロ酢酸を用いて実施される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記複素環化合物がL−キシロースから誘導される、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記中間体化合物がスルホニウム−硫酸二糖類似体からなる、請求項16に記載の方法。
【請求項29】
前記中間体化合物が、グルコース、ガラクトース、アラビノースおよびキシロースのうちから選択される単糖のスルホニウム硫酸誘導体である、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記中間体化合物を水素化ホウ素ナトリウムで還元して目標化合物(I)を得る工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
グルコシダーゼ酵素の活性を阻害するための、請求項1に記載の化合物(I)の使用。
【請求項32】
前記グリコシダーゼ酵素が、腸マルターゼ−グルコアミラーゼおよび膵臓α−アミラーゼのうちから選択される、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
腸マルターゼ−グルコアミラーゼの活性を阻害するための、ブリントールの使用。
【請求項34】
有効量の請求項1に記載の化合物と、医薬として許容される担体とを含有する医薬組成物。
【請求項35】
請求項1に記載の化合物の治療有効量を患者に投与する工程を含む、患者の炭水化物代謝障害を治療する方法。
【請求項36】
前記炭水化物代謝障害がインシュリン非依存性糖尿病である、請求項35に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2009−528299(P2009−528299A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556624(P2008−556624)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000330
【国際公開番号】WO2007/098597
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(500065646)サイモン フレーザー ユニバーシティー (4)
【氏名又は名称原語表記】Simon Fraser University
【Fターム(参考)】