説明

グルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体、それを含有する医薬組成物およびその製造中間体

【課題】優れたヒトSGLT2活性阻害作用を有し、糖尿病、肥満症等の予防又は治療剤として有用なグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体の製造中間体を提供する。
【解決手段】一般式


(R11は水素原子又はヒドロキシ低級アルキル基であり、R12は低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルコキシ基、ヒドロキシ低級アルキルチオ基等である)で表されるベンジルフェノール誘導体をその製造中間体としてグルコピラノシルオキシベンゼン誘導体を容易に製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品として有用なグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体またはその薬理学的に許容される塩、それを含有する医薬組成物およびその製造中間体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は食生活の変化や運動不足を背景とした生活習慣病の一つである。それ故、糖尿病患者には食事療法や運動療法が実施されているが、充分なコントロールや継続的実施が困難な場合、薬物療法が併用されている。現在、糖尿病治療剤としては、ビグアナイド薬、スルホニルウレア薬やインスリン抵抗性改善薬などが使用されている。しかしながら、ビグアナイド薬には乳酸アシドーシス、スルホニルウレア薬には低血糖、インスリン抵抗性改善薬には浮腫などの副作用が認められることがある上、肥満化を促進させることが懸念されている。そのため、このような問題を解消すべく新しい作用機序による糖尿病治療剤の開発が嘱望されている。
【0003】
近年、腎臓において過剰な糖の再吸収を阻害することで尿糖の排泄を促進させて血糖値を低下させる、新しいタイプの糖尿病治療薬の研究開発が推進されている(J.Clin.Invest.,Vol.79,pp.1510−1515(1987))。また、腎臓の近位尿細管のS1領域にSGLT2(ナトリウム依存性グルコース輸送体2)が存在し、このSGLT2が糸球体ろ過された糖の再吸収に主として関与していることが報告されている(J.Clin.Invest.,Vol.93,pp.397−404(1994))。それ故、ヒトSGLT2を阻害することにより腎臓での過剰な糖の再吸収を抑制し、尿から過剰な糖を排泄させて血糖値を正常化することができる。従って、強力なヒトSGLT2活性阻害作用を有し、新しい作用機序による糖尿病治療薬の早期開発が待望される。しかも、このような尿糖排泄促進剤は過剰な血糖を尿から排泄するため、体内での糖の蓄積が減少することから、肥満化の防止効果も期待できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、ヒトSGLT2活性阻害作用を有する化合物を見出すべく鋭意検討した結果、下記一般式(I)で表されるグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体が、下記の如く優れたヒトSGLT2阻害活性を示すという知見を得、本発明を成すに至った。
本発明は、ヒトSGLT2活性阻害作用を有し、腎臓での糖の再吸収を抑制し過剰な糖を尿中に排泄させることにより血糖低下作用を発揮する、下記のグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体またはその薬理学的に許容される塩、それを含有する医薬組成物およびその製造中間体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明は、一般式
【化1】

(式中のR1 は水素原子またはヒドロキシ低級アルキル基であり、R2 は低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルコキシ基、ヒドロキシ低級アルキルチオ基、低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ基または低級アルコキシ低級アルキルチオ基である)で表されるグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体またはその薬理学的に許容される塩に関するものである。
【0006】
本発明は、前記一般式(I)で表されるグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物に関するものである。
【0007】
本発明は、前記一般式(I)で表されるグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を投与することによる高血糖に起因する疾患の予防又は治療方法。
【0008】
また、本発明は、高血糖に起因する疾患の予防又は治療用の製剤を製造するための、前記一般式(I)で表されるグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用に関するものである。
【0009】
更には、本発明は、一般式
【化2】

(式中のR11は水素原子または保護基を有するヒドロキシ低級アルキル基であり、R12は低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、保護基を有するヒドロキシ低級アルキル基、保護基を有するヒドロキシ低級アルコキシ基、保護基を有するヒドロキシ低級アルキルチオ基、低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ基または低級アルコキシ低級アルキルチオ基であり、但し、R11が水素原子である場合はR12がメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基またはメトキシ基ではない)で表されるベンジルフェノール誘導体またはその塩に関するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の前記一般式(I)で表されるグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体は、優れたヒトSGLT2活性阻害作用を有している。本発明により糖尿病、糖尿病性合併症、肥満症などの予防または治療剤を提供することができる。また、本発明の前記一般式(II)で表される化合物は、前記一般式(I)で表される化合物を製造する際の中間体として重要であり、この化合物を経由することにより本発明の前記一般式(I)で表される化合物を容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において、低級アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルキル基をいい、低級アルコキシ基とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルコキシ基をいい、低級アルキルチオ基とは、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルキルチオ基をいう。ヒドロキシ低級アルキル基とは、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、1−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、4−ヒドロキシペンチル基、3−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシペンチル基、1−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、5−ヒドロキシヘキシル基、4−ヒドロキシヘキシル基、3−ヒドロキシヘキシル基、2−ヒドロキシヘキシル基、1−ヒドロキシヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のヒドロキシアルキル基をいい、ヒドロキシ低級アルコキシ基とは、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、2−ヒドロキシプロポキシ基、2−ヒドロキシ−1−メチルエトキシ基、4−ヒドロキシブトキシ基、3−ヒドロキシブトキシ基、2−ヒドロキシブトキシ基、5−ヒドロキシペンチルオキシ基、4−ヒドロキシペンチルオキシ基、3−ヒドロキシペンチルオキシ基、2−ヒドロキシペンチルオキシ基、6−ヒドロキシヘキシルオキシ基、5−ヒドロキシヘキシルオキシ基、4−ヒドロキシヘキシルオキシ基、3−ヒドロキシヘキシルオキシ基、2−ヒドロキシヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のヒドロキシアルコキシ基をいい、ヒドロキシ低級アルキルチオ基とは、ヒドロキシメチルチオ基、2−ヒドロキシエチルチオ基、1−ヒドロキシエチルチオ基、3−ヒドロキシプロピルチオ基、2−ヒドロキシプロピルチオ基、1−ヒドロキシプロピルチオ基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルチオ基、4−ヒドロキシブチルチオ基、3−ヒドロキシブチルチオ基、2−ヒドロキシブチルチオ基、1−ヒドロキシブチルチオ基、5−ヒドロキシペンチルチオ基、4−ヒドロキシペンチルチオ基、3−ヒドロキシペンチルチオ基、2−ヒドロキシペンチルチオ基、1−ヒドロキシペンチルチオ基、6−ヒドロキシヘキシルチオ基、5−ヒドロキシヘキシルチオ基、4−ヒドロキシヘキシルチオ基、3−ヒドロキシヘキシルチオ基、2−ヒドロキシヘキシルチオ基、1−ヒドロキシヘキシルチオ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のヒドロキシアルキルチオ基をいう。低級アルコキシ低級アルキル基とは、上記低級アルキル基でO−アルキル化された上記ヒドロキシ低級アルキル基をいい、低級アルコキシ低級アルコキシ基とは、上記低級アルキル基でO−アルキル化された上記ヒドロキシ低級アルコキシ基をいい、低級アルコキシ低級アルキルチオ基とは、上記低級アルキル基でO−アルキル化された上記ヒドロキシ低級アルキルチオ基をいう。
【0012】
水酸基の保護基とは、ベンジル基、メトキシメチル基、アセチル基等の一般的な有機合成反応において用いられる水酸基の保護基をいう。
【0013】
置換基R1においては、好ましくは水素原子または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、置換基R2においては、好ましくは低級アルキル基、低級アルコキシ基またはヒドロキシ低級アルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
【0014】
前記一般式(I)で表される本発明の化合物は、例えば、本発明の一般式(II)で表されるベンジルフェノール誘導体を用いて、以下の方法に従い製造することができる。
【化3】

(式中のR11は水素原子または保護基を有するヒドロキシ低級アルキル基であり、R12は低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、保護基を有するヒドロキシ低級アルキル基、保護基を有するヒドロキシ低級アルコキシ基、保護基を有するヒドロキシ低級アルキルチオ基、低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ基または低級アルコキシ低級アルキルチオ基であり、Xはトリクロロアセトイミドイルオキシ基、アセトキシ基、臭素原子、フッ素原子等の脱離基であり、R1 およびR2 は前記と同じ意味をもつ)
【0015】
工程1
前記一般式(II)で表されるベンジルフェノール誘導体またはその塩を2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−O−トリクロロアセトイミドイル−α−D−グルコピラノース、1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルフルオリド等の前記一般式(III)で表される糖供与体を用いて、不活性溶媒中、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銀、塩化第二すず、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルなどの活性化剤の存在下に配糖化させることにより前記一般式(IV)で表される配糖体を製造することができる。用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、トルエン、アセトニトリル、ニトロメタン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、クロロホルム、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常−30℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。
【0016】
工程2
前記一般式(IV)で表される配糖体をアルカリ加水分解させて水酸基の保護基を除去することにより本発明の化合物(I)を製造することができる。用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができ、塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどを使用することができる。処理温度は通常0℃〜還流温度であり、処理時間は使用する原料物質や溶媒、処理温度などにより異なるが、通常30分間〜6時間である。尚、水酸基の保護基の種類に応じて処理方法を常法に従い適宜変更または追加して実施することもできる。
【0017】
前記製造方法において出発物質として用いられる本発明の前記一般式(II)で表される化合物およびその塩は、例えば、以下の方法に従い製造することができる。
【化4】

(式中のMは水素原子または水酸基の保護基であり、R4 は水素原子、保護基を有するヒドロキシ低級アルキル基または低級アルコキシカルボニル基であり、YおよびZはどちらか一方がMgBr、MgCl、MgIまたはリチウム原子であり、他方がホルミル基であり、R11およびR12は前記と同じ意味をもつ)
【0018】
工程A
前記一般式(V)で表されるベンズアルデヒド誘導体と前記一般式(VI)で表されるグリニャール試薬またはリチウム試薬若しくは前記一般式(V)で表されるグリニャール試薬またはリチウム試薬と前記一般式(VI)で表されるベンズアルデヒド誘導体を、不活性溶媒中、縮合させることにより前記一般式(VII)で表される化合物を製造することができる。用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。
【0019】
工程B
前記一般式(VII)で表される化合物を、不活性溶媒中、Dess−Martin試薬を用いて酸化することにより前記一般式(VIII)で表される化合物を製造することができる。用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1時間〜1日間である。
【0020】
工程C
前記一般式(VIII)で表される化合物の保護基Mを常法に従い除去した後、(1)不活性溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン等の塩基の存在下、クロロギ酸メチルと縮合し、(2)得られた炭酸エステル誘導体を水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて還元することにより、本発明の前記一般式(II)の化合物を製造することができる。反応(1)において、用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。反応(2)において、用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランと水との混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1時間〜1日間である。尚、R4 が低級アルコキシカルボニル基である場合は、不活性溶媒中、水素化リチウムアルミニウム等の還元剤を用いてヒドロキシメチル基に還元した後、常法に従い水酸基を保護することにより本発明の前記一般式(II)の化合物に誘導することができる。還元時に用いられる溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。また、本発明の前記一般式(II)の化合物は、常法に従いナトリウム塩、カリウム塩等の塩に変換することができる。
【0021】
工程D
前記一般式(VII)で表される化合物を、不活性溶媒中、塩酸等の酸の存在下または非存在下、パラジウム炭素粉末等のパラジウム系触媒を用いて接触還元した後、必要に応じて保護基を常法に従い除去や導入することにより本発明の前記一般式(II)の化合物を製造することができる。接触還元において用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸、イソプロパノール、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。尚、R4 が低級アルコキシカルボニル基である場合は、不活性溶媒中、水素化リチウムアルミニウム等の還元剤を用いてヒドロキシメチル基に還元した後、常法に従い水酸基を保護することにより本発明の前記一般式(II)の化合物に誘導することができる。還元時に用いられる溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。また、本発明の前記一般式(II)の化合物は、常法に従いナトリウム塩、カリウム塩等の塩に変換することができる。
【0022】
前記製造方法において得られる本発明の化合物は、慣用の分離手段である分別再結晶法、クロマトグラフィーを用いた精製法、溶媒抽出法、固相抽出法等により単離精製することができる。
【0023】
本発明の前記一般式(I)で表されるグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体は、常法により、その薬理学的に許容される塩とすることができる。このような塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩基との塩を挙げることができる。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物には、水和物やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
【0024】
本発明の前記一般式(I)で表される化合物およびその薬理学的に許容される塩は、優れたヒトSGLT2活性阻害作用を有しており、糖尿病、糖尿病性合併症、肥満症などの予防または治療剤として非常に有用である。例えば、下記のヒトSGLT2活性阻害作用測定試験において、本発明の化合物は強力なヒトSGLT2活性阻害作用を発揮した。
【0025】
本発明の医薬品組成物を実際の治療に用いる場合、用法に応じ種々の剤型のものが使用される。このような剤型としては例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、液剤、軟膏剤、坐剤、貼付剤などを挙げることができ、経口または非経口的に投与される。
【0026】
これらの医薬品組成物は、その剤型に応じ調剤学上使用される手法により適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤などの医薬品添加物と適宜混合または希釈・溶解し、常法に従い調剤することにより製造することができる。
【0027】
本発明の医薬品組成物を実際の治療に用いる場合、その有効成分である前記一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩の投与量は患者の年齢、性別、体重、疾患および治療の程度等により適宜決定されるが、経口投与の場合成人1日当たり概ね0.1〜1000mgの範囲で、非経口投与の場合は、成人1日当たり概ね0.01〜300mgの範囲で、一回または数回に分けて適宜投与することができる。
【実施例】
【0028】
本発明の内容を以下の参考例、実施例および試験例でさらに詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
【0029】
参考例1
4−(3−ベンジルオキシプロピル)ブロモベンゼン
水素化ナトリウム(60%、0.97g)、3−(4−ブロモフェニル)−1−プロパノール(1.0g)及びベンジルブロミド(0.69mL)のベンゼン(24mL)懸濁液を、加熱還流下7時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(40mL)、飽和食塩水(40mL)にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)にて精製し、4−(3−ベンジルオキシプロピル)ブロモベンゼン(1.4g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.85-2.00 (2H, m), 2.60-2.75 (2H, m), 3.47 (2H, t, J=6.2Hz), 4.50 (2H, s), 7.00-7.10 (2H, m), 7.20-7.45 (7H, m)
【0030】
参考例2
4−(4−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ安息香酸メチル
アルゴン雰囲気下1−ブロモ−4−エチルベンゼン(0.41mL)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、−78℃にて1.45mol/Lのtert−ブチルリチウムn−ペンタン溶液(2.3mL)を加えた。−78℃にて10分間撹拌後、反応混合物に4−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.18g)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加えた。氷冷下45分間撹拌後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、ジフェニルメタノール体(0.27g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(0.27g)をメタノール(5mL)に溶解し、濃塩酸(0.08mL)および10%パラジウムカーボン粉末(54mg)を加えた。水素雰囲気下室温にて18時間撹拌した後、触媒をろ去し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、4−(4−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.20g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.22 (3H, t, J=7.6Hz), 2.62 (2H, q, J=7.6Hz), 3.89 (3H, s), 4.00 (2H, s), 5.01 (1H, s), 7.05-7.25 (5H, m), 7.47 (1H, d, J=1.6Hz), 7.56 (1H, dd,J=1.6, 7.8Hz)
【0031】
参考例3
3−ヒドロキシ−4−(4−プロポキシベンジル)安息香酸メチル
アルゴン雰囲気下1−アリルオキシ−4−ブロモベンゼン(3.1g)のテトラヒドロフラン(70mL)溶液に、−78℃にて1.45mol/Lのtert−ブチルリチウムn−ペンタン溶液(11mL)を加えた。−78℃にて5分間撹拌後、反応混合物に4−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.89g)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を加えた。氷冷下30分間撹拌後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、ジフェニルメタノール体(0.99g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(0.99g)をメタノール(10mL)に溶解し、10%パラジウムカーボン粉末(0.30g)を加えた。水素雰囲気下室温にて24時間撹拌した後、触媒をろ去し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、3−ヒドロキシ−4−(4−プロポキシベンジル)安息香酸メチル(0.50g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.02 (3H, t, J=7.4Hz), 1.70-1.85 (2H, m), 3.80-3.95 (5H, m), 3.97 (2H, s), 4.99 (1H, s), 6.75-6.90 (2H, m), 7.05-7.20 (3H, m), 7.47 (1H, d, J=1.5Hz), 7.56 (1H, dd, J=1.5, 7.8Hz)
【0032】
参考例4
3−ヒドロキシ−4−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕安息香酸メチル
アルゴン雰囲気下2−(4−ブロモフェニル)エチルアルコール(1.7g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、−78℃にて1.45mol/Lのtert−ブチルリチウムn−ペンタン溶液(12.6mL)を加えた。−78℃にて10分間撹拌後、反応混合物に4−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.50g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を加えた。氷冷下30分間撹拌後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/3)で精製し、ジフェニルメタノール体(0.28g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(0.28g)をメタノール(5mL)に溶解し、10%パラジウムカーボン粉末(0.14g)を加えた。水素雰囲気下室温にて14時間撹拌した後、触媒をろ去し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、3−ヒドロキシ−4−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕安息香酸メチル(0.26g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.37 (1H, t, J=5.9Hz), 2.84 (2H, t, J=6.5Hz), 3.75-3.95 (5H, m), 4.01 (2H, s), 5.10 (1H, s), 7.05-7.25 (5H, m), 7.47 (1H, d, J=1.6Hz), 7.56 (1H, dd, J=1.6, 7.8Hz)
【0033】
参考例5
2−(4−イソブチルベンジル)フェノール
2−ベンジルオキシブロモベンゼン(0.20g)、金属マグネシウム(0.026g)、触媒量のヨウ素及びテトラヒドロフラン(1mL)よりグリニャール試薬を調製した。得られたグリニャール試薬を4−イソブチルベンズアルデヒド(0.16g)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に加え、室温にて30分間撹拌した。反応混合物をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で精製し、ジフェニルメタノール体(0.23g)を得た。得られたジフェニルメタノール体をエタノール(3mL)及び濃塩酸(0.1mL)に溶解し、触媒量の10%パラジウムカーボン粉末を加え、水素雰囲気下室温にて一晩撹拌した。触媒をろ去し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/ヘキサン=1/1)にて精製し2−(4−イソブチルベンジル)フェノール(0.10g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
0.89 (6H, d, J=6.6Hz), 1.75-1.90 (1H, m), 2.43 (2H, d, J=7.2Hz), 3.97 (2H, s), 4.66 (1H, s), 6.75-6.85 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.00-7.20 (6H, m)
【0034】
参考例6
2−(4−イソプロポキシベンジル)フェノール
4−イソブチルベンズアルデヒドの代わりに4−イソプロポキシベンズアルデヒドを用いて、参考例5と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.31 (6H, d, J=6.1Hz), 3.93 (2H, s), 4.50 (1H, heptet, J=6.1Hz), 4.72 (1H, s), 6.75-6.85 (3H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.05-7.20 (4H, m)
【0035】
参考例7
2−(4−エトキシベンジル)フェノール
4−エトキシブロモベンゼン(1.5g)、金属マグネシウム(0.19g)、触媒量のヨウ素及びテトラヒドロフラン(2mL)からグリニャール試薬を調製した。得られたグリニャール試薬溶液に2−ベンジルオキシベンズアルデヒド(1.1g)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を滴下し、室温で30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)及び水(20mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。抽出液を水(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製し、ジフェニルメタノール体(1.7g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(1.7g)をエタノール(25mL)に溶解し、濃塩酸(0.42mL)及び触媒量の10%パラジウムカーボン粉末を加え、水素雰囲気下、室温で18時間撹拌した。触媒をろ去し、減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチル(100mL)を加え、飽和重曹水(30mL)及び飽和食塩水(30mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8/1)にて精製し、2−(4−エトキシベンジル)フェノール(0.85g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.39 (3H, t, J=7.1Hz), 3.93 (2H, s), 4.00 (2H, q, J=7.1Hz), 4.72 (1H, s), 6.75-6.85 (3H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.05-7.20 (4H, m)
【0036】
参考例8
2−〔4−(3−ベンゾイルオキシプロピル)ベンジル〕フェノール
4−(3−ベンジルオキシプロピル)ブロモベンゼン(3.2g)、金属マグネシウム(0.25g)、触媒量のヨウ素及びテトラヒドロフラン(10.5mL)よりグリニャール試薬を調製した。得られたグリニャール試薬溶液に2−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(1.1g)のテトラヒドロフラン(24mL)溶液を加え65℃で25分間撹拌した。室温に冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)及び水(20mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。抽出液を水(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製し、ジフェニルメタノール体(2.5g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(2.5g)をエタノール(42mL)に溶解し、触媒量の10%パラジウムカーボン粉末を加え、水素雰囲気下、室温で7.5時間撹拌した。触媒をろ去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/2)にて精製し、フェニルプロパノール体(1.6g)を得た。得られたフェニルプロパノール体(1.6g)を塩化メチレン(29mL)に溶解し、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.069g)、トリエチルアミン(1.0mL)及びベンゾイルクロリド(0.79mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(100mL)及び水(30mL)を加え有機層を分取した。抽出液を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)にて精製し、エステル体(2.2g)を得た。得られたエステル体(2.2g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.21g)及びメタノール(28mL)の混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製し、2−〔4−(3−ベンゾイルオキシプロピル)ベンジル〕フェノール(1.8g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
2.00-2.15 (2H, m), 2.70-2.80 (2H, m), 3.96(2H, s), 4.33 (2H, t, J=6.5Hz), 4.74 (1H, brs), 6.75-6.85 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.05-7.20 (6H, m), 7.35-7.50 (2H, m), 7.50-7.65 (1H, m), 8.00-8.10 (2H, m)
【0037】
参考例9
2−〔4−(2−ベンゾイルオキシエチル)ベンジル〕フェノール
4−(3−ベンジルオキシプロピル)ブロモベンゼンの代わりに4−(2−ベンジルオキシエチル)ブロモベンゼンを用いて、参考例8と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
3.04 (2H, t, J=7.1Hz), 3.98 (2H, s), 4.51 (2H, t, J=7.1Hz), 4.66 (1H, s), 6.75-6.85 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.05-7.25 (6H, m), 7.35-7.50 (2H, m), 7.50-7.60 (1H, m), 7.95-8.05 (2H, m)
【0038】
参考例10
5−アセトキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェノール
水素化リチウムアルミニウム(95mg)のジエチルエーテル(10mL)懸濁液に、4−(4−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.27g)のジエチルエーテル(5mL)溶液を氷冷下加えた。45分間加熱還流した後、氷冷下水(0.1mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(0.1mL)、水(0.3mL)の順に反応混合物に加えた。室温にて5分間撹拌後、混合物を0.5mol/Lの塩酸中にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、還元体(0.22g)を得た。得られた還元体(0.22g)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、酢酸ビニル(2mL)およびビス(ジブチル塩化すず)オキシド(24mg)を加え、30℃にて19時間撹拌した。反応混合物を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、5−アセトキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェノール(0.21g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.21 (3H, t, J=7.6Hz), 2.09 (3H, s), 2.61 (2H, q, J=7.6Hz), 3.95 (2H, s), 4.74 (1H, s), 5.03 (2H, s), 6.80 (1H, d, J=1.3Hz), 6.80-6.90 (1H, m),7.05-7.20 (5H, m)
【0039】
参考例11
5−アセトキシメチル−2−(4−プロポキシベンジル)フェノール
4−(4−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ安息香酸メチルの代わりに3−ヒドロキシ−4−(4−プロポキシベンジル)安息香酸メチルを用いて、参考例10と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.02 (3H, t, J=7.4Hz), 1.70-1.85 (2H, m), 2.09 (3H, s), 3.88 (2H, t, J=6.6Hz), 3.91 (2H, s), 5.02 (2H, s), 5.28 (1H, s), 6.70-6.90 (4H, m), 7.00-7.20 (3H, m)
【0040】
参考例12
2−〔4−(2−アセトキシエチル)ベンジル〕−5−アセトキシメチルフェノール
4−(4−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ安息香酸メチルの代わりに3−ヒドロキシ−4−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕安息香酸メチルを用いて、参考例10と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
2.03 (3H, s), 2.09 (3H, s), 2.90 (2H, t, J=7.1Hz), 3.96 (2H, s), 4.25 (2H, t, J=7.1Hz), 4.82 (1H, s), 5.03 (2H, s), 6.80 (1H, d, J=1.5Hz), 6.87(1H, dd, J=1.5, 7.7Hz), 7.05-7.20 (5H, m)
【0041】
参考例13
2−(4−エチルチオベンジル)フェノール
1−ブロモ−4−(エチルチオ)ベンゼン(1.1g)、金属マグネシウム(0.12g)、触媒量のヨウ素及びテトラヒドロフラン(5mL)よりグリニャール試薬を調製した。得られたグリニャール試薬溶液に2−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(0.56g)のテトラヒドロフラン(12mL)溶液を加え、65℃で10分間撹拌した。室温に冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)及び水(20mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。抽出液を水(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、ジフェニルメタノール体(0.91g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(0.90g)を塩化メチレン(15mL)に溶解し、Dess−Martin試薬(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズイオドキソール−3(1H)−オン)(1.5g)を加え、25℃にて26時間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテル(75mL)及び1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(30mL)を加え激しく撹拌後、有機層を分取した。有機層を1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(30mL)、水(30mL×3回)及び飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=15/1〜9/1)にて精製し、ケトン体(0.82g)を得た。得られたケトン体(0.81g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.10g)及びメタノール(14mL)の混合物を60℃で4時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=15/1)にて精製し、脱保護体(0.69g)を得た。得られた脱保護体(0.68g)をテトラヒドロフラン(11mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.41mL)及びクロロギ酸メチル(0.22mL)を加え、25℃で1時間撹拌した。さらにトリエチルアミン(0.11mL)及びクロロギ酸メチル(0.061mL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(14mL)及び水(7mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(0.40g)を加え、25℃で7時間撹拌した。1mol/Lの塩酸(15mL)を滴下し、酢酸エチル(75mL)で抽出した。抽出液を水(20mL)、飽和重曹水(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8/1)にて精製し、2−(4−エチルチオベンジル)フェノール(0.62g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.29 (3H, t, J=7.3Hz), 2.90 (2H, q, J=7.3Hz), 3.96 (2H, s), 4.62 (1H, s), 6.75-6.80 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.05-7.20 (4H, m), 7.20-7.30 (2H, m)
【0042】
参考例14
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノール(46mg)と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−O−トリクロロアセトイミドイル−α−D−グルコピラノース(0.13g)の塩化メチレン(2mL)溶液に、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(0.033mL)を加え室温にて1時間撹拌した。反応混合物をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン)にて精製し、2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド(0.11g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.91 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.08 (3H, s), 3.77 (3H, s), 3.80-3.95 (3H, m), 4.17 (1H, dd, J=2.5, 12.2Hz), 4.29 (1H, dd, J=5.5, 12.2Hz), 5.11 (1H, d, J=7.5Hz), 5.10-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.75-6.85 (2H, m), 6.95-7.10 (5H, m), 7.10-7.25 (1H, m)
【0043】
参考例15
2−(4−メチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−(4−メチルベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.89 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.07 (3H, s), 2.30 (3H, s), 3.80-3.95 (3H, m), 4.17 (1H, dd, J=2.5, 12.3Hz), 4.28 (1H, dd, J=5.5, 12.3Hz), 5.11 (1H, d, J=7.5Hz), 5.10-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.90-7.20 (8H, m)
【0044】
参考例16
2−(4−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−(4−エチルベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.20 (3H, t, J=7.6Hz), 1.87 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.08 (3H, s), 2.60 (2H, q, J=7.6Hz), 3.80-4.00 (3H, m), 4.18 (1H, dd, J=2.3, 12.2Hz), 4.28 (1H, dd, J=5.4, 12.2Hz), 5.11 (1H, d, J=7.5Hz), 5.10-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.90-7.25 (8H, m)
【0045】
参考例17
2−(4−イソブチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−(4−イソブチルベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
0.88 (6H, d, J=6.6Hz), 1.75-1.90 (1H, m), 1.87 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.08 (3H, s), 2.42 (2H, d, J=7.2Hz), 3.80-3.95 (3H, m), 4.18 (1H, dd, J=2.4, 12.3Hz), 4.29 (1H, dd, J=5.5, 12.3Hz), 5.11 (1H, d, J=7.6Hz), 5.10-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.90-7.25 (8H, m)
【0046】
参考例18
2−(4−エトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−(4−エトキシベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.39 (3H, t, J=7.0Hz), 1.91 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.07 (3H, s), 3.80-3.95 (3H, m), 3.99 (2H, q, J=7.0Hz), 4.18 (1H, dd, J=2.5, 12.3Hz), 4.28 (1H, dd, J=5.6, 12.3Hz), 5.10 (1H, d, J=7.7Hz), 5.15-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.75-6.85 (2H, m), 6.95-7.10 (5H, m), 7.10-7.20 (1H, m)
【0047】
参考例19
2−(4−イソプロポキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−(4−イソプロポキシベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.30 (6H, d, J=6.0Hz), 1.90 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.08 (3H, s), 3.80-3.90 (3H, m), 4.18 (1H, dd, J=2.3, 12.3Hz), 4.28 (1H, dd, J=5.5, 12.3Hz), 4.48 (1H, heptet, J=6.0Hz), 5.10 (1H, d, J=7.7Hz), 5.10-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.70-6.85 (2H, m), 6.90-7.10 (5H, m), 7.10-7.20 (1H, m)
【0048】
参考例20
5−アセトキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに5−アセトキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.20 (3H, t, J=7.6Hz), 1.88 (3H, s), 2.02 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.07 (3H, s), 2.09 (3H, s), 2.60 (2H, q, J=7.6Hz), 3.80-3.95 (3H, m), 4.20 (1H, dd, J=2.4, 12.3Hz), 4.27 (1H, dd, J=5.3, 12.3Hz), 5.00-5.10 (2H, m), 5.13 (1H, d, J=7.4Hz), 5.15-5.40 (3H, m), 6.95-7.15 (7H, m)
【0049】
参考例21
5−アセトキシメチル−2−(4−プロポキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに5−アセトキシメチル−2−(4−プロポキシベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.01 (3H, t, J=7.4Hz), 1.70-1.85 (2H, m), 1.92 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.07 (3H, s), 2.09 (3H, s), 3.80-3.95 (5H, m), 4.20 (1H, dd, J=2.4, 12.3Hz), 4.27 (1H, dd, J=5.3, 12.3Hz), 5.00-5.10 (2H, m), 5.12 (1H, d, J=7.4Hz), 5.15-5.40 (3H, m), 6.75-6.85 (2H, m), 6.95-7.10 (5H, m)
【0050】
参考例22
2−〔4−(2−アセトキシエチル)ベンジル〕−5−アセトキシメチルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−〔4−(2−アセトキシエチル)ベンジル〕−5−アセトキシメチルフェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.89 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.07 (3H, s), 2.09 (3H, s), 2.88 (2H, t, J=7.1Hz), 3.85-3.95 (3H, m), 4.15-4.35 (4H, m), 5.00-5.10 (2H, m), 5.13 (1H, d, J=7.5Hz), 5.15-5.40 (3H, m), 6.95-7.15(7H, m)
【0051】
実施例1
2−(4−メトキシベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド(0.11g)のメタノール(4mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.12mL)を加え、室温にて30分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=10/1)で精製し、2−(4−メトキシベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド(65mg)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
3.35-3.55 (4H, m), 3.69 (1H, dd, J=5.1, 12.1Hz), 3.73 (3H, s), 3.80-4.00 (2H, m), 4.03 (1H, d, J=15.1Hz), 4.91 (1H, d, J=7.4Hz), 6.75-6.85 (2H,m), 6.85-6.95 (1H, m), 6.95-7.10 (1H, m), 7.10-7.20 (4H, m)
【0052】
実施例2
2−(4−メチルベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−(4−メチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
2.27 (3H, s), 3.35-3.55 (4H, m), 3.69 (1H, dd, J=5.2, 12.0Hz), 3.80-3.90 (1H, m), 3.94 (1H, d, J=15.0Hz), 4.05 (1H, d, J=15.0Hz), 4.85-4.95 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 6.95-7.20 (7H, m)
【0053】
実施例3
2−(4−エチルベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−(4−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.15-1.25 (3H, m), 2.50-2.65 (2H, m), 3.35-3.55 (4H, m), 3.65-3.75 (1H,m), 3.80-4.00 (2H, m), 4.06 (1H, d, J=14.9Hz), 4.85-5.00 (1H, m), 6.85-7.00 (1H, m), 7.00-7.20 (7H, m)
【0054】
実施例4
2−(4−イソブチルベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−(4−イソブチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
0.80-0.95 (6H, m), 1.70-1.90 (1H, m), 2.41 (2H, d, J=7.1Hz), 3.30-3.55 (4H, m), 3.60-3.75 (1H, m), 3.80-3.95 (1H, m), 3.95 (1H, d, J=15.0Hz), 4.06 (1H, d, J=15.0Hz), 4.85-4.95 (1H, m), 6.80-7.20 (8H, m)
【0055】
実施例5
2−(4−エトキシベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−(4−エトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.35 (3H, t, J=6.8Hz), 3.35-3.55 (4H, m), 3.60-3.75 (1H, m), 3.80-4.10 (5H, m), 4.90 (1H, d, J=7.1Hz), 6.70-6.85 (2H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.00-7.20 (5H, m)
【0056】
実施例6
2−(4−イソプロポキシベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−(4−イソプロポキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.27 (6H, d, J=6.0Hz), 3.35-3.55 (4H, m), 3.69 (1H, dd, J=5.4, 12.1Hz),3.88 (1H, dd, J=2.0, 12.1Hz), 3.91 (1H, d, J=15.0Hz), 4.02 (1H, d, J=15.0Hz), 4.51 (1H, heptet, J=6.0Hz), 4.91 (1H, d, J=7.7Hz), 6.70-6.85 (2H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.00-7.10 (1H, m), 7.10-7.20 (4H, m)
【0057】
実施例7
5−ヒドロキシメチル−2−(4−プロポキシベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに5−アセトキシメチル−2−(4−プロポキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.02 (3H, t, J=7.4Hz), 1.70-1.85 (2H, m), 3.30-3.55 (4H, m), 3.65-3.75 (1H, m), 3.80-3.95 (4H, m), 4.00 (1H, d, J=15.0Hz), 4.54 (2H, s), 4.93 (1H, d, J=7.4Hz), 6.70-6.85 (2H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.02 (1H, d, J=7.7Hz), 7.05-7.20 (3H, m)
【0058】
実施例8
2−(4−エチルベンジル)−5−ヒドロキシメチルフェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに5−アセトキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.19 (3H, t, J=7.6Hz), 2.57 (2H, q, J=7.6Hz), 3.30-3.55 (4H, m), 3.65-3.75 (1H, m), 3.85-4.00 (2H, m), 4.04 (1H, d, J=15.0Hz), 4.54 (2H, s), 4.93 (1H, d, J=7.4Hz), 6.85-6.95 (1H, m), 7.02 (1H, d, J=7.7Hz), 7.06 (2H,d, J=8.1Hz), 7.10-7.20 (3H, m)
【0059】
実施例9
2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕−5−ヒドロキシメチルフェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−〔4−(2−アセトキシエチル)ベンジル〕−5−アセトキシメチルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
2.76 (2H, t, J=7.1Hz), 3.30-3.55 (4H, m), 3.60-3.75 (3H, m), 3.85-4.00 (2H, m), 4.05 (1H, d, J=14.6Hz), 4.54 (2H, s), 4.92 (1H, d, J=7.2Hz), 6.85-6.95 (1H, m), 7.03 (1H, d, J=7.9Hz), 7.09 (2H, d, J=7.8Hz), 7.10-7.20(3H, m)
【0060】
実施例10
2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕フェニル β−D−グルコピラノシド
2−〔4−(2−ベンゾイルオキシエチル)ベンジル〕フェノール(0.49g)及び1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース(1.7g)のトルエン(5.2mL)及び塩化メチレン(2.2mL)溶液に、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(0.56mL)を加え、25℃で8時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(70mL)と飽和重曹水(25mL)を加え、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をメタノール(5mL)及びテトラヒドロフラン(2.5mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.14mL)を加え、25℃で12.5時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(75mL)と水(20mL)を加え、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をメタノール(7.5mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.085mL)を加え、25℃で5時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=4/1)にて精製した。溶媒を減圧下留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて、析出物をろ取した。得られた固体をジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥し、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕フェニル β−D−グルコピラノシド(0.47g)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
2.76 (2H, t, J=7.1Hz), 3.35-3.55 (4H, m), 3.65-3.75 (3H, m), 3.88 (1H, dd, J=1.8, 11.8Hz), 3.95 (1H, d, J=15.2Hz), 4.07 (1H, d, J=15.2Hz), 4.90(1H, d, J=7.4Hz), 6.85-6.95 (1H, m), 7.00-7.20 (7H, m)
【0061】
実施例11
2−〔4−(3−ヒドロキシプロピル)ベンジル〕フェニル β−D−グルコピラノシド
2−〔4−(2−ベンゾイルオキシエチル)ベンジル〕フェノールの代わりに2−〔4−(3−ベンゾイルオキシプロピル)ベンジル〕フェノールを用いて、実施例10と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.70-1.85 (2H, m), 2.55-2.65 (2H, m), 3.30-3.60 (6H, m), 3.69 (1H, dd, J=5.2, 11.9Hz), 3.88 (1H, dd, J=2.0, 11.9Hz), 3.95 (1H, d, J=15.1Hz), 4.06 (1H, d, J=15.1Hz), 4.90 (1H, d, J=7.3Hz), 6.85-6.95 (1H, m), 7.00-7.20(7H, m)
【0062】
実施例12
2−(4−エチルチオベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−エチルチオベンジル)フェノール(0.51g)及び1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース(2.4g)のトルエン(6.3mL)及び塩化メチレン(2.7mL)溶液に、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(0.78mL)を加え、室温で9時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(70mL)と飽和重曹水(25mL)を加え有機層を分取した。有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をメタノール(10.5mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.08mL)を加え、25℃で18時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(75mL)と水(20mL)を加え、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=10/1)にて精製した。溶媒を減圧下留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて、析出物をろ取した。得られた無色の固体をジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥し、2−(4−エチルチオベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド(0.51g)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.24 (3H, t, J=7.3Hz), 2.88 (2H, q, J=7.3Hz), 3.35-3.55 (4H, m), 3.69 (1H, dd, J=5.0, 12.2Hz), 3.88 (1H, dd, J=2.0, 12.2Hz), 3.95 (1H, d, J=15.1Hz), 4.08 (1H, d, J=15.1Hz), 4.91 (1H, d, J=7.3Hz), 6.85-7.00 (1H, m), 7.00-7.10 (1H, m), 7.10-7.30 (6H, m)
【0063】
試験例1
ヒトSGLT2活性阻害作用確認試験
1)ヒトSGLT2発現プラスミドベクターの作製
SUPERSCRIPT Preamplification System(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES製)を用いて、ヒト腎臓由来のtotal RNA(Ori gene製)をオリゴdTをプライマーとして逆転写し、PCR増幅用cDNAライブラリーを作製した。上記ヒト腎cDNAライブラリーを鋳型として、配列番号1及び2で示される下記のオリゴヌクレオチド0702F及び0712Rをプライマーに用い、Pfu DNA Polymerase(Stratagene社製)を用いたPCR反応によりヒトSGLT2をコードするDNA断片を増幅した。増幅されたDNA断片をクローニング用ベクターpCR−Blunt(Invitrogen製)にこのキットの標準法に従いライゲーションした。常法により大腸菌HB101コンピテントセル(東洋紡(株)製)に導入した後、形質転換株をカナマイシン50μg/mLを含むLB寒天培地で選択した。この形質転換株の1つからプラスミドDNAを抽出精製し、配列番号3及び4で示される下記のオリゴヌクレオチド、0714Fおよび0715Rをプライマーとして用い、Pfu DNA Polymerase(Stratagene社製)を用いたPCR反応によりヒトSGLT2をコードするDNA断片を増幅した。増幅されたDNA断片を制限酵素XhoI及びHindIIIで消化した後、Wizard Purification System(Promega製)により精製した。この精製したDNA断片を融合化蛋白質発現用ベクターpcDNA3.1(−)Myc/His−A(Invitrogen製)の対応する制限酵素部位に組み込んだ。常法により大腸菌HB101コンピテントセル(東洋紡(株)製)に導入した後、形質転換株をアンピシリン100μg/mLを含むLB寒天培地で選択した。この形質転換株からプラスミドDNAを抽出精製し、ベクターpcDNA3.1(−)Myc/His−Aのマルチクローニング部位に挿入されたDNA断片の塩基配列を調べた。Wellsらにより報告されたヒトSGLT2(Am.J.Physiol.,Vol.263,pp.459−465(1992))に対し、このクローンは1塩基の置換(433番目のイソロイシンをコードするATCがGTCに置換)を有していた。この結果433番目の残基のイソロイシンがバリンに置換したクローンを得た。このカルボキシ末端側最終残基のアラニンの次から配列番号5で示されるペプチドを融合化したヒトSGLT2を発現するプラスミドベクターをKL29とした。
配列番号1 ATGGAGGAGCACACAGAGGC
配列番号2 GGCATAGAAGCCCCAGAGGA
配列番号3 AACCTCGAGATGGAGGAGCACACAGAGGC
配列番号4 AACAAGCTTGGCATAGAAGCCCCAGAGGA
配列番号5 KLGPEQKLISEEDLNSAVDHHHHHH
【0064】
2)ヒトSGLT2一過性発現細胞の調製
ヒトSGLT2発現プラスミドKL29を電気穿孔法によりCOS−7細胞(RIKEN CELL BANK RCB0539)に導入した。電気穿孔法はジーンパルサーII(Bio−Rad Laboratories製)を用い、OPTI−MEM I培地(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES製)500μLに対しCOS−7細胞2×106 個とKL29 20μgを含む0.4cmキュベット内で0.290kV、975μFの条件下行った。遺伝子導入後、細胞を遠心分離により回収し細胞1キュベット分に対し1mLのOPTI−MEM I培地を加え懸濁した。この細胞懸濁液を96ウェルプレートの1ウェルあたり125μLずつ分注した。37℃、5%CO2 の条件下一晩培養した後、10%ウシ胎仔血清(三光純薬(株)製)、100units/mLペニシリンGナトリウム(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES製)、100μg/mL硫酸ストレプトマイシン(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES製)を含むDMEM培地(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES製)を1ウェルあたり125μLずつ加えた。翌日まで培養しメチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定に供した。
【0065】
3)メチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定
ヒトSGLT2一過性発現COS−7細胞の培地を除去し、1ウェルあたり前処置用緩衝液(140mM塩化コリン、2mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、10mM2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4)を200μL加え、37℃で10分間静置した。前処置用緩衝液を除去し、再度同一緩衝液を200μL加え、37℃で10分間静置した。試験化合物を含む取り込み用緩衝液(140mM塩化ナトリウム、2mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、5mMメチル−α−D−グルコピラノシド、10mM2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4)525μLに7μLのメチル−α−D−(U−14C)グルコピラノシド(Amersham Pharmacia Biotech製)を加え混合し、取り込み用緩衝液とした。対照群に試験化合物を含まない取り込み用緩衝液を調製した。また試験化合物およびナトリウム非存在下の基礎取り込み測定用に塩化ナトリウムに替えて140mMの塩化コリンを含む基礎取り込み用緩衝液を同様に調製した。前処置用緩衝液を除去し、取り込み用緩衝液を1ウェルあたり75μLずつ加え37℃で2時間静置した。取り込み用緩衝液を除去し、洗浄用緩衝液(140mM塩化コリン、2mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、10mMメチル−α−D−グルコピラノシド、10mM2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4)を1ウェルあたり200μLずつ加えすぐに除去した。この洗浄操作をさらに2回行い、0.2N水酸化ナトリウムを1ウェルあたり75μLずつ加え細胞を可溶化した。可溶化液をピコプレート(Packard製)に移し、150μLのマイクロシンチ40(Packard製)を加えマイクロプレートシンチレーションカウンター トップカウント(Packard製)にて放射活性を計測した。対照群の取り込み量から基礎取り込み量を差し引いた値を100%とし、取り込み量の50%阻害する濃度(IC50値)を濃度−阻害曲線から最小二乗法により算出した。その結果は以下の表1の通りである。
【0066】
【表1】

【0067】
試験例2
尿糖排泄促進作用確認試験
実験動物として一晩絶食したSD系ラット(SLC、雄性7週齢、180〜240g)を用いた。試験化合物10mgはエタノール300μLに懸濁または溶解させ、ポリエチレングリコール400 1.2mLおよび生理食塩水1.5mLを加えて溶解し、3.3mg/mL溶液とした。この溶解液300μLを希釈溶液2.7mL(生理食塩水:ポリエチレングリコール400:エタノール=5:4:1)に溶解し、0.33(mg/mL)の濃度の溶解液を調製した。ラットの体重を測定し、試験化合物溶液を3mL/kgの用量(1mg/kg)で尾静脈内投与した。対照群用に生理食塩水:ポリエチレングリコール400:エタノール=5:4:1のみを3mL/kgの用量で尾静脈内投与した。尾静脈内投与直後に200g/Lグルコース水溶液を10mL/kgの用量(2g/kg)で経口投与した。尾静脈内投与は26G注射針および1mLシリンジを用いて行った。経口投与はラット用ゾンデおよび2.5mLシリンジを用いて行った。1群あたりの頭数は2又は3頭とした。グルコース投与終了後から代謝ケージにて採尿を行った。採尿時間はグルコース投与後24時間とした。採尿終了後、尿量を記録し、尿中に含まれるグルコース濃度を測定した。グルコース濃度は臨床検査用キット:グルコースBテストワコー(和光純薬(株)製)にて定量した。尿量、尿中グルコース濃度および体重から24時間での体重200g当たりの尿糖排泄量を求めた。その結果は以下の表2の通りである。
【0068】
【表2】

【0069】
試験例3
急性毒性試験
雄性5週齢ICR系マウス(日本クレア製,29〜34g,1群5例)に4時間絶食後、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕フェニル β−D−グルコピラノシド(実施例10記載の化合物)に生理食塩水:ポリエチレングリコール400:エタノール=5:4:1を加えて調製した懸濁液(666mg/mL)を3mL/kg(2000mg/kg)の用量で皮下投与した。投与24時間後、死亡例は認められなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
【化1】

(式中のR11は水素原子または保護基を有するヒドロキシ低級アルキル基であり、R12は低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、保護基を有するヒドロキシ低級アルキル基、保護基を有するヒドロキシ低級アルコキシ基、保護基を有するヒドロキシ低級アルキルチオ基、低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ基または低級アルコキシ低級アルキルチオ基であり、但し、R11が水素原子である場合はR12がメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基またはメトキシ基ではない)で表されるベンジルフェノール誘導体またはその塩。

【公開番号】特開2006−143735(P2006−143735A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341089(P2005−341089)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【分割の表示】特願2001−567750(P2001−567750)の分割
【原出願日】平成13年3月15日(2001.3.15)
【出願人】(000104560)キッセイ薬品工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】