説明

グルコース決定と組み合わせた光刺激方法および装置

【課題】サンプル部位被分析物濃度決定より前に処理するまたは前処理するために光刺激を使用する方法および装置が提供すること。
【解決手段】サンプル部位被分析物濃度決定より前に処理するまたは前処理するために光刺激を使用する方法および装置が提供される。より詳細には、少なくとも1つのサンプル部位でまたは近傍で、サンプリングと関連する誤差を減少することになる、サンプル部位の灌流を強化するために、光刺激が使用される。サンプル部位の灌流を増加すると、ターゲットの被分析物の体積パーセンテージが増加し、および/または血液または組織構成成分濃度が、動脈、静脈、または指先のような、さらに十分に潅流される身体区画または部位における、対応するサンプル構成成分をさらに正確におよび/または精度良くトラッキングすることを可能にする。一実施例において、光刺激を受けた部位の分析は、被分析物濃度を、さらに容易に、正確に、または精度良く決定するために、グルコースアナライザと併用して使用され、かつ別のサンプリングされない身体部分または区画の被分析物濃度の決定を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、生物医学的な方法および装置に関する。より詳細には、本発明は、分析用の組織サンプル部位を準備することに関する。さらに、より詳細には、本発明は、体液区画間のグルコース濃度の灌流を強化するために、グルコースサンプリングおよび/またはグルコース分析技術と組み合わせたフォトニック刺激の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病
糖尿病は、細胞へのグルコース取り込みを容易にするホルモンであるインスリンの不適当な生成および消費に結果としてなる慢性疾患である。糖尿病の正確な原因は、知られていないが、遺伝的要因、環境要因、および肥満が関係していると思われる。糖尿病患者は、3つの主要なカテゴリ:心臓血管の心疾患、網膜症、および神経障害において、リスクが高い。糖尿病の合併症は、以下を含む:心疾患と発作、高血圧、腎疾患、神経障害(神経疾患および切断)、網膜症、糖尿病性ケトアシドーシス、皮膚病、歯周病、インポテンツ、および胎児性合併症。糖尿病は、世界中で死および身体障害の主要な原因である。しかも、糖尿病は、さらに耐糖能障害、および高インスリン血症、または低血糖症も含むグルコース代謝障害のグループ内の単に1つにすぎない。
【0003】
(糖尿病罹患率および傾向)
糖尿病は、常に一般的な疾患である。世界保健機構(WHO)は、糖尿病が世界中で現在1億5400万の人々を悩ませていると推定している。糖尿病を患う5400万人は先進諸国に住んでいる。WHOは、糖尿病を患う人々の数が2025年までに3億人に増えると推定している。米国において、1,570万人、または人口の5.9%は、糖尿病であると推定される。米国内で、糖尿病と診断された成人の罹患率は、1999年に、6パーセントまで増加し、および1990年と1998年の間、33パーセント上昇した。このことは、アメリカでは、毎年、新患が約80万いることに対応する。米国の経済のみに対する推定された全コストは、1年につき900億ドルを超える。非特許文献1を、参照されたい。
【0004】
(糖尿病の検出および管理)
糖尿病の診断は、伝統的に、専門家用のセッティングにおいて行われる。これらの診断は、しばしば、約1時間から4時間の範囲の期間にわたる1回以上のグルコース決定が、グルコースまたは食事負荷試験の後で、行われる。診断試験は、複数の侵襲性または最小の侵襲性技術により、行われる。非侵襲性の技術が、この目的のために、さらに開発されている。
【0005】
一旦診断されると、長期の臨床的な研究は、糖尿病に関係する合併症の発症が、血液グルコース濃度の適切なコントロールにより、著しく減少することを示している。非特許文献2を参照されたい。インスリン非依存性糖尿病患者のグルコース濃度の長期のコントロールもまた、糖尿病に関係する合併症を減らすことが示された。非特許文献3および非特許文献4を、参照されたい。より最近、研究は、前糖尿病患者の検査およびコントロールが糖尿病に関係する合併症の発症を大幅に遅らせることを示した。
【0006】
グルコース測定の歴史、アプローチ、およびテクノロジ
糖尿病の治療は、いくつかの段階を通して進展した。インスリン治療と在宅でのグルコース決定との組み合わされた発展は、糖尿病患者寿命において、根本的な改善をもたらした。自宅でのグルコース決定は、複数の段階を通して、進展した。グルコースのための尿検査は、より正確であるが多少痛みを伴う、侵襲性の指を刺す(fingerstick)グルコース決定にとって代わられた。代替部位グルコース濃度決定の開発は、痛み面を多少緩和したが、バイオハザード問題は、継続しており、かつ十分に潅流される指先および十分に潅流されない代替部位間のグルコース濃度の時間的および空間的な差の点で難しさを持ち込んだかもしれない。現在の研究は、グルコース濃度決定と関連する痛みおよび流体のバイオハザード問題を全体として解消するであろう、非侵襲性のテクノロジの開発に集中している。最終的に、人工膵臓の実現となるであろう、グルコース濃度決定およびインスリン放出の両方を組み込んだ、埋め込み型またはフルループ(full-loop)システムにおいて、かなり進展がなされた。
【0007】
血液グルコース濃度決定は、4つの主なタイプに分類される:従来の侵襲性、代替侵襲性、非侵襲性、および埋め込み型。これらモードの測定の幅広い使用および文献内での多少曖昧な専門用語の使用ゆえに、本明細書内での用法を明らかにするために、各モードの測定に対する専門用語の詳細な要約は、ここに、提供される。
【0008】
医療分野において、侵襲性は、しばしば、手術のことを指す。これは、本明細書における侵襲性の定義ではない。グルコース濃度決定分野において、侵襲性は、非侵襲性に対して定義された言葉である。非侵襲性は、グルコース測定を実行するために、いかなる生物学的なサンプルまたは流体をも身体から取らない方法である。次に、侵襲性は、生物学的なサンプルが身体から集められることを意味する。侵襲性のグルコース濃度決定は、さらに、2つのグループに分けられる。第一は、従来の侵襲性の方法である。血液サンプルは、身体から、詳細には、動脈、静脈、または指先またはつま先の毛細血管床から集められる。第二は、血液、間質液、または生物学的な流体サンプルが、動脈、静脈、または指先またはつま先の毛細血管床以外の領域から抜き取られる、代替侵襲性の方法である。これらの言葉のさらなる説明は、このセクションの残りの部分で提供される。
【0009】
(従来の侵襲性のグルコース決定)
従来の(classic)侵襲性のグルコース決定には、3つの主なカテゴリがある。最初の2つの方法論は、動脈または静脈から、それぞれ針で抜き取られた血液を使用する。三番目の方法論は、指先またはつま先からランセットによって得られた毛細血管血液を使用する。過去の20年にわたって、このことは、自宅で、職場で、または公のセッティングでの血液グルコースの自己監視のための最も一般的な方法になった。
【0010】
共通のテクノロジが、静脈からの採血および指を刺すアプローチにより集められた血液を分析するために、使用される。グルコース濃度分析は、比色および酵素グルコース分析のような技術を含む。最も一般的な酵素ベースのグルコースアナライザは、グルコースと酸素の反応に触媒作用を及ぼしグルコノラクトンと過酸化水素を形成する、グルコースオキシターゼを使用する(以下の式(1)を参照)。グルコース濃度決定は、サンプルpHの変化を使用する、または過酸化水素の形成を使用する、サンプル内の酸素の減少に基づく技術を含む。複数の比色および電気酵素技術は、さらに、開始試薬として反応生成物を使用する。例えば、過酸化水素は、白金の存在下で反応し、水素イオン、酸素、および電流を形成し、その何れかをグルコース濃度を決定するために間接的に使用する。以下の式(2)を参照されたい。

【0011】
TheraSense(登録商標)FreeStyle(TM)のような複数の代替部位方法論が、血液サンプルを指先またはつま先以外の領域から集めることに留意されたい。上記の比色または酵素分析のような類似の化学分析を有するにもかかわらず、サンプルが指先またはつま先から抜き取られるのでなければ、これらのテクノロジは、本明細書において、従来の侵襲性のグルコースメータと称されない。さらに明らかにするために、指先または足指からなるサンプル部位からランセットによって血液を集めるために使用されるTheraSense(登録商標)FreeStyle(TM)Meterは、従来の侵襲性のグルコースアナライザである。
【0012】
代替侵襲性のグルコース決定
グルコース濃度を決定する、いくつかの代替侵襲性の方法がある。
【0013】
代替侵襲性のグルコース濃度アナライザの第一のグループは、従来の侵襲性のグルコース濃度アナライザと複数の類似点を有する。1つの類似点は、血液サンプルがランセットを用いて得られることである。この形の代替侵襲性のグルコース決定は、分析用に静脈のまたは動脈血を集めることを使用せず、毛細血管血液サンプル集めることを使用する。第二の類似点は、血液サンプルが、上記比色および酵素分析に類似する化学分析を使用して、分析されることである。主要な差は、代替侵襲性のグルコース決定において、血液サンプルが指先またはつま先から集められないことである。例えば、TheraSense(登録商標)FreeStyle(TM)Meterと名付けられたパッケージによって、前腕から血液を集めかつ分析するために使用できる。これは、ランセット採血の位置による、代替侵襲性のグルコース決定である。ランセットによる血液採血に基づくこの第一のグループの代替侵襲性の方法において、代替侵襲性と従来の侵襲性のグルコース決定との間の主要な差は、身体からの血液取得の位置である。さらなる差は、ランセットの規模、ランセットの進入の深さ、タイミング問題、得られる血液の体積、および酸素の分圧、標高、および温度のような環境要因のような要因を含む。この形の代替侵襲性のグルコース決定は、手のひら領域、親指の付け根、前腕、上腕、頭、耳たぶ、胴、腹の領域、腿、ふくらはぎ、および足の裏領域から集められたサンプルを有する。
【0014】
代替侵襲性のグルコースアナライザの第二のグループは、それらのサンプル取得モードにより、区別される。このグループのグルコースアナライザは、生物学的なサンプルを身体から得るまたはその後の分析用に、ランセットを使用せずにサンプルを収集するために皮膚の表面に変更を加えるという一般的な特徴を有する。例えば、グルコース濃度アナライザをベースとするレーザ細孔処理は、皮膚の表面に小さな穴を作るために、フォトンのバーストまたはストリームを使用するであろう。基本的には間質液のサンプルが、結果として生じる穴に集まる。グルコースに対するサンプルのその後の分析は、サンプルが作られた穴から実際に取り除かれるか否かにかかわらず、代替侵襲性のグルコース濃度分析構成する。第二の一般的な特徴は、デバイスおよびアルゴリズムが、サンプルからグルコース濃度を決定するために、使用される。本明細書において、代替侵襲性という言葉は、間質液、全部の血液、間質液と全部の血液との混合液、および選択的にサンプルされた間質液のような生物学的サンプルを分析する技術を含む。選択的にサンプルされた間質液の具体例は、結果として生じるサンプル内に、移動性の大小の構成成分が、完全には代表されていない集められた流体を含む。この第二のグループの代替侵襲性のグルコースアナライザにために、サンプリング部位は、手、指先、手のひら領域、親指の付け根、前腕、上腕、頭、耳たぶ、目、胸、胴、腹の領域、腿、ふくらはぎ、足、足の裏領域、およびつま先を含む。レーザ細孔処理、通電、および吸引を含む複数の方法論が、代替の侵襲性の測定用のサンプル収集のために存在する。最も一般的なものが、ここで、要約される:
A.レーザ細孔処理:これらのシステムにおいて、1つ以上の波長のフォトン
が、皮膚に当てられ、皮膚バリアに小さな穴を作る。このことは、小さな
体積の間質液が複数のサンプリング技術に利用可能になることを可能
にする。
B.通電:これらのシステムにおいて、少量の電流が皮膚に流され、間質液
が皮膚を通り抜けることを可能にする。
C.吸引:これらのシステムにおいて、局部的な真空が皮膚の表面のローカ
ルなエリアに適用される。間質液が、皮膚を通り抜け、かつ集められる。
【0015】
これらの技術の全てにおいて、分析されるサンプルは、間質液である。しかしながら、幾つかの技術は、血液を採血するというやり方で、皮膚に適用される。例えば、レーザ細孔処理方法は、生物学的な流体小滴をもたらす。本明細書において、ランセットを使用せずに指先またはつま先で皮膚から生物学的サンプルを抜き取る任意の技術は、代替侵襲性の技術と称される。さらに、代替侵襲性のシステムが、各々、間質液が集められている異なるサブセットになる異なるサンプリングアプローチを有することは、認識される。例えば、より小さい、より拡散しやすい、エレメントが優先的にサンプルされる間、大きなたんぱく質は、皮膚内で遅れるであろう。このことにより、サンプルは、変化している被分析物および妨害物(interferent)濃度で集められる。別の具体例は、全部の血液と間質液との混合液を集めることである。これらの技術は、オプションとして、組み合わせて使用される。例えば、ヨーロッパでのSoft-Tact、SoftSenseは、ランセットスティックが後に続く吸引を皮膚に適用する。サンプリングにおける差にもかかわらず、これらの技術は、間質液をサンプリングする代替侵襲性の技術と称される。
【0016】
時として、文献は、代替侵襲性の技術を、代替部位グルコース決定または最小侵襲性の技術と称する。最小侵襲性の呼称は、サンプルが集めされる方法に由来する。本明細書において、血液または間質液をたとえ1/4マイクロリットルでも抜き取る、代替部位グルコース濃度決定は、先に定義したように代替侵襲性のグルコース濃度決定技術であると考慮される。代替侵襲性の技術の具体例は、指先またはつま先をサンプリングしない時のTheraSense(登録商標)FreeStyle(TM)、Cygnus(登録商標)GlucoWatch(TM)、One Touch(登録商標)Ultra(TM)、および等価のテクノロジを含む。
【0017】
代替侵襲性の技術によって集められた生物学的サンプルは、広範囲のテクノロジを介して、分析される。これらのテクノロジの最も一般的なものが、以下のように要約される:
A.従来:ある変更を加えて、間質液サンプルは、血清、血漿、または全部の
血液中のグルコース濃度を決定するために使用されるテクノロジのほ
とんどによって分析される。これらは、電気化学的、電気酵素、および
比色アプローチを含む。例えば、上記の酵素および比色アプローチは、
また、間質液サンプル中のグルコース濃度を決定するためにも使用され
る。
B.分光光度法:分光光度的テクノロジに基づく、生物学的サンプル中のグ
ルコース濃度を決定するための複数のアプローチが、開発された。これ
らの技術は、以下を含む:ラマンおよび蛍光、並びに紫外から赤外まで
の光[紫外(200 〜 400 nm)、可視(400 〜700 nm)、近赤外(700 〜 2500
nmまたは14,286 〜 4000 cm-1)、および赤外 (2500 〜 14,285 nmまたは
4000 〜 700 cm-1)]を使用する技術。
【0018】
本明細書において、侵襲性のグルコース濃度アナライザは、従来の侵襲性のグルコースアナライザ種および代替侵襲性のグルコースアナライザ種の両方の類である。
【0019】
(非侵襲性のグルコース決定)
グルコース濃度決定のための複数の非侵襲性のアプローチが存在する。これらのアプローチは、広範囲に変化するが、少なくとも2つの共通のステップを有する。第一に、装置は、生物学的なサンプルを獲得することなく、身体からの読みを得るために使用される。第二に、アルゴリズムは、この読みをグルコース決定に変換するために使用される。
【0020】
非侵襲性のグルコース濃度アナライザの1つの種は、スペクトルに基づくものである。一般的に、非侵襲性の装置は、信号またはスペクトルを身体から得るために或る形態の分光学を使用する。使用される分光技術は、ラマン、蛍光、並びに紫外から赤外までの光[紫外 (200〜400 nm)、可視 (400〜700 nm)近赤外 (700 〜 2500 nmまたは14,286 〜 4000 cm-1)、および赤外 (2500 〜 14,285 nmまたは4000〜700 cm-1)]を使用する技術を含むが、それらに限定されるわけではない。拡散反射モードにおける非侵襲性のグルコース決定のための特定の範囲は、約 1100 〜 2500 nmまたはその範囲内で変動する。非特許文献5を参照されたい。これらの技術が、分析されるサンプルが原位置の人体の一部であり、人体から得られた生物学的なサンプルではないという点で、先に記載された伝統的な侵襲性および代替侵襲性の技術とは異なることを留意することは重要である。
【0021】
一般的に、3つのモードの1つ以上が非侵襲性の走査を集めるために使用される:透過度(transmittance)、透過屈曲(transflectance)、および拡散反射(diffuse reflectance)。例えば、集められた光、スペクトル、または信号は、指先のような身体の領域を透過した、拡散反射された、または透過屈曲された光である。ここでの透過屈曲された(Transflected)は、入射ポントまたはエリア(拡散反射)ではなく、かつサンプルの反対側(透過度)ではなく、むしろ透過されたおよび拡散反射された収集エリア間の身体のあるポントでの信号の収集のことを指す。例えば、透過屈曲された光とは、1つの領域内の指先または前腕に入り、かつ使用された波長に依存して、典型的には0.2〜5 mmまたはさらに離れた別の領域に存在する。例えば、水吸光度極大点である1450または1950 nm の近くの光のような身体によって強く吸収される光は、小さな放射状の開き後に集められなければならない、および水吸光度極小点である1300、1600、または2250 nm 近くの光のようなあまり吸収されない光は、入射フォトンから、より大きな放射状のまたは透過屈曲された距離で集められることができる。
【0022】
非侵襲性の技術は、指先に限定されない。非侵襲性の測定に供される身体の他の領域または体積は、以下を含む:手、指、手のひら領域、親指の付け根、手首の裏、前腕、その前腕の手掌の側、その前腕の背面の側、上腕、頭、耳たぶ、目、舌、胸、胴、腹の領域、腿、ふくらはぎ、足、足の裏領域、および足指。非侵襲性の技術が分光学に基づく必要はないことに留意することは、重要である。例えば、バイオインピーダンス(bioimpedence)メーターは、非侵襲性のデバイスであると考慮される。本明細書において、皮膚を貫通することなくかつ生物学的なサンプルを集めることなく、身体からグルコースを読取る任意のデバイスは、非侵襲性のグルコースアナライザと称される。本明細書の目的のために、X線および磁気共鳴画像(MRI)は、非侵襲性のテクノロジの領域において定義されると考慮されない。
【0023】
(グルコース決定用埋め込み型センサ)
グルコース決定のために身体にグルコースセンサを埋め込むための複数のアプローチが存在する。これらの埋め込み型は、さらなる分析のためにサンプルを集めるために使用される、或いは、直接または間接的にサンプルの読みを得るために、使用される。2つのカテゴリの埋め込み型グルコースアナライザが存在する:短期と長期。
【0024】
本明細書において、デバイスの一部が3時間より多くかつ1ヵ月より短い期間の間、皮膚を貫通する場合、デバイスまたは収集装置は、長期の埋め込み型に対して、少なくとも、短期埋め込み型と称される。例えば、間質液グルコース濃度を表すグルコース量について、サンプルを夜通し集めるために皮下に配置され、取り除かれかつ分析されるウイック(wick)は、短期埋め込み型と称される。同様に、3時間より長い期間の間皮膚の下に配置される、直接または間接的にグルコース濃度を読取るバイオセンサまたは電極は、少なくとも短期埋め込み型デバイスと称される。逆に、ランセット、通電、レーザ細孔処理、または吸引のような技術に基づく上記のデバイスは、それらがその3時間および皮膚の進入の両方のパラメータを満たさないので、従来の侵襲性または代替侵襲性の技術と称される。本明細書において、長期の埋め込み型は、それらが皮膚を貫通しかつ1カ月以上の期間使用されなければならないという基準を有することにより、短期埋め込み型と区別される。長期の埋め込み型は、1年以上、身体内にあることか可能である。
【0025】
埋め込み型グルコース濃度アナライザは、広範囲に変化するが、少なくとも3つの共通のステップを含む。第一に、少なくともデバイスの一部は、皮膚を貫通する。さらに一般的には、デバイス全体が、身体に埋め込まれる。第二に、その装置は、身体のサンプルまたは身体内のグルコース濃度に直接または間接的に関する信号の何れかを得るために、使用される。埋め込み型デバイスがサンプルを集める場合、そのサンプルに関する読みまたは測定は、身体から除去された後、集められる。これに代えて、デバイスによる読みは、身体の外へ伝達される、或いは身体内にある間にインスリン放出のような目的のために使用される。第三に、アルゴリズムは、信号をグルコース濃度に直接または間接的に関係する読みに変換するために使用される。埋め込み型アナライザは、動脈血、静脈血、毛細血管血液、間質液、および選択的にサンプルされた間質液を含む様々な身体流体または組織の1つ以上をサンプルする。また、埋め込み型アナライザは、集める皮膚組織、脳髄液、臓器組織から、または動脈または静脈からグルコース情報を集めることができる。例えば、埋め込み型グルコースアナライザは、腹腔で、動脈で、筋肉で、または肝臓または脳のような臓器で経皮的に配置される。埋め込み型グルコースセンサは、人工膵臓の1つのコンポーネントである。
【0026】
埋め込み型グルコースモニタの具体例は、以下の通りである。CGMS (Continuous Glucose Monitoring System) の1つの具体例は、オープンフロー微小灌流に基づくグルコースモニタのグループである。非特許文献6を参照されたい。別の具体例は、バイオセンサおよび電流測定センサを有する、埋め込まれたセンサを使用する。非特許文献7を参照されたい。
【0027】
グルコース分布
前腕のような代替部位のグルコース濃度が指先のような従来のサンプル部位のものとは異なることを示す複数の報告が存在する。この分野は、本明細書にその全体を参照として組み込まれている特許文献1に先に記載されている。
【0028】
多くの論文は、代替部位グルコース濃度が手掌での採血グルコース決定に等価であることを主張している。複数の具体例は、このセクションで要約されている。
【0029】
Abbott LaboratoriesのSzutsは、腕と指先との間でグルコース濃度における測定可能な生理学的な差が決定されるが、これらの差がそれらが測定されたこれら被験者においてさえ臨床的に意味をなさないことが分かったと結論した。非特許文献8を参照されたい。
【0030】
Roche Diagnostics Corporationの Leeは、食後2時間の試験をしている患者が、彼らの前腕と指先グルコース濃度間に小さな差を見つけるであろうと結論した。非特許文献9を参照されたい。
【0031】
TheraSense.Inc.のMcGarraughは、指先とは離れた代替部位メーターおよび指先上の従来のグルコースアナライザを使用した患者に対するHbA1C測定において、意味のある差がないと結論した。非特許文献10を参照されたい。このことは、痛みおよび試験の頻度のような多くの追加の要因がその研究に影響を及ぼすだろうが、前腕および指先のグルコース濃度は同じであるという、間接的な指摘である。
【0032】
Amira Medical のPeled は、前腕からの血液サンプルのグルコース濃度のモニタリングが、定常状態血糖条件を予想する時、適切である、および掌サンプルが全ての血糖状態の下で指先グルコース濃度決定と近い相関を生じたことを結論した。非特許文献11を参照されたい。
【0033】
静注により注入された速く作用するインスリンを使用する研究に基づいて、Koschinskyは、高血糖症および低血糖症発見の危険な遅延を回避するために、腕でのそのモニタリングを、血液グルコース濃度の進行中の迅速変化が除外可能である状況に制限すべきであることを提案した。非特許文献12および非特許文献13を参照されたい。この研究における静脈内インスリンの使用は、観察される差に影響を与える生理学的な極値を作るとして批判された。非特許文献14 を参照されたい。
【0034】
(平衡化アプローチ)
グルコース濃度が、指先または代替位置から集められた時、ほとんど同じであるという複数の報告が存在する一方、複数のサンプリングアプローチは、サンプリングの直前に値を平衡させるために、サンプル部位で局在化された灌流を増加するように勧めている。これらのアプローチのいくつかは、以下に要約される:
1.圧力:1つのサンプリング方法論は、サンプルをランセットを介して獲得す
る前に局在化された灌流を増加するために、サンプリング部位をこする、
または圧力を加えることを要求する。この具体例は、TheraSenseの
FreeStyle 血液グルコース濃度アナライザである。非特許文献15および非
特許文献16を参照されたい。
2.加熱:局在化されたサンプル部位に加えられる熱は、脈管系と皮膚組織間
の濃度を等しくするためのメカニズムとして、提案された。加熱は、毛細
血管を広げるために使用され、さらなる血液の流れを可能にし、静脈と毛
細血管グルコース濃度の均一化に至る。これに代えて、ニコチン酸、メチ
ルニコチンアミド、ミノキシジル、ニトログリセリン、ヒスタミン、カプ
サイシン、またはメントールのような血管拡張剤は、局所的な血流を増加
するために、使用可能である。特許文献11を参照されたい。
3.真空:サンプル収集より前にサンプリング部位で、および周辺で皮膚に局
部的な真空を適用することも、また使用された。皮膚の局在化された変形
は、表在性の毛細血管がより完全に充満することを可能にする。非特許文
献17を参照されたい。例えば、Abbottは、彼等の一体型のデバイス内で皮
膚を3.5 mm 引張り上げる真空デバイスを1/2気圧で使用する。Abbottは、
代替部位と指先間のグルコース濃度を等しくする増加された灌流内で、こ
の変形結果を継続する。非特許文献18を参照されたい。
【0035】
(較正)
グルコースアナライザは、較正を必要とする。このことは、従来の侵襲性、代替侵襲性、非侵襲性、および埋め込み型アナライザのような全てのタイプのグルコース濃度アナライザに対して当てはまる。非侵襲性のグルコース濃度アナライザと関連する1つの事実は、それらが事実上二次的である、すなわち、それらは、血液グルコース濃度を直接測定しない。このことは、一次的な方法が、血液グルコース濃度を適切に測定するために、これらのデバイスを較正することが必要とされることを意味する。較正の多くの方法が存在する。
【0036】
非侵襲性のグルコースメータの較正
1つの非侵襲性のテクノロジ、近赤外分光学は、グルコース濃度の速くかつ無痛の非侵襲性の測定の可能性を提供する。このアプローチは、近赤外(NIR)電磁放射、波長範囲 750 - 2500 nmの光を用いた身体のスポットの照射を含む。光は、組織の構成成分とのその相互作用に従って、一部分は吸収され、散乱される。サンプリングされる実際の組織体積は、そこから光がスペクトロメータ検出システムに透過屈曲されまたは拡散透過される、照射された組織の部分である。近赤外分光学を用いた場合、生体内の(in-vivo)近赤外測定と実際の血液グルコース濃度間の数学的関係は、開発される必要がある。このことは、YSI、HemoCue、または任意の適切かつ正確な従来の侵襲性の参照デバイスのような測定ツールを使用して直接獲得される血液グルコース濃度と対応する生体内のNIR測定の収集を通して達成される。
【0037】
分光光学法ベースのアナライザのために、数学的関係を発展させるために使用されるいくつかの一変量および多変量の方法がある。しかしながら、解かれている基本式は、Beer-Lambert Lawとして公知である。この法則は、吸光度/反射率の大きさの測定が、以下の式 (3)のように、測定されている被分析物の濃度に比例することを述べる。


【0038】
ここでA は、所定の波長の光での吸光度/反射率の測定、e は、同じ所定の波長での対象となる分子と関連するモル吸光率、b は、光が進む距離、およびCは、対象となる分子(グルコース)の濃度である。
【0039】
計量化学の較正技術は、測定されたスペクトルから1つ以上の数理モデルを含む信号処理および較正の様々な方法を通してグルコースに関する信号を抽出する。このモデルは、指先毛細血管血液または静脈血の分析を基に、較正セットおよび参照血液グルコース濃度の関連セットとして公知な、スペクトル測定の典型的なセットに基づいて、較正プロセスを通して開発される。較正においてサンプルスペクトルに対する典型的な参照グルコース濃度ベクトルを必要とする、共通の多変量アプローチは、PLS (partial least squares)およびPCR (principal component regression)を含む。較正の多くの追加の形は、周知の技術である。
【0040】
あらゆる方法が誤差を有するので、血液グルコース濃度を測定するために使用される、開発された数学的関係を通して広がる誤差を最小にするために、主要なデバイスが可能な限り正確であることは、有益である。U.S. FDAが認可した任意の血液グルコースモニタが使用されるであろうことは直感的に分かる一方、二次的方法の正確な検証のために、5%未満の精度を有するモニタが望ましい。較正されているデバイスの誤差が増加する可能性があるにもかかわらず、10% のような増加した誤差を有するメーターは、許容可能である。
【0041】
上記のことが良く理解されているにもかかわらず、見落とされる1つの観点は、二次的方法が、一次的な方法と比較した時、それらがばらつきのない、正確な測定を提供しているという一定の検証を必要とすることである。このことは、血液グルコース濃度を直接チェックし、かつこれらの濃度を所定の二次的方法と比較する方法が開発されなければならにことを意味する。このようなモニタリングは、品質保証および品質管理プログラムに明示される。較正に対する調整であるバイアス調整が、しばしば、較正に対してなされる。幾つかのケースにおいて、最も適切な較正は、これらの二次的方法に基づいて、選択される。時には、このアプローチは、妥当性検証として公知である。
【0042】
代替部位グルコース濃度と従来の部位グルコース濃度の間の差は、サンプリングと関連する誤差を代替部位グルコースアナライザに持ち込む。
【0043】
(計測装置)
近赤外アナライザを使用する非侵襲性のグルコース濃度測定は、一般に、近赤外電磁放射(波長範囲 700 〜2500 nmの光)を用いた身体の小さな領域の照射を含む。光は、サンプルを出て、検出器に導かれるより前に、組織の構成成分とのその相互作用に従って、一部分は吸収され、一部分は散乱される。検出された光は、水、脂肪、たんぱく質、およびグルコースを含む身体組織の成分と入射光との公知の相互作用に対応する定量的情報を含む。
【0044】
非侵襲性のグルコースアナライザは、放射源から検出器への1つ以上のビームパスを有する。黒体放射源、タングステンハロゲン光源、1つ以上のLED、または1つ以上のレーザダイオードを含む複数の光源が、利用できる。多波長スペクトロメータに対して、波長選択デバイスが、使用される、または一連の光学フィルタが波長選択のために使用される。波長選択デバイスは、1つ以上の回折格子、プリズム、および波長選択フィルタを含む。これに代えて、何れのLEDまたはダイオードが光るかを変化させるような放射源のバリエーションが、波長選択のために使用される。検出器は、1つ以上の単一エレメント検出器または検出器の1つ以上のアレイまたはバンドルの形である。検出器は、InGaAs、PbS、PbSe、Si、MCT、等を含む。検出器は、さらにInGaAs、PbS、PbSe、Si、MCT、等のアレイを含む。ファイバオプティクス、レンズ、および鏡のような光収集光学部品は、光をサンプルを経由して放射源から検出器に導くために、スペクトロメータ内で様々な構成で、共通して使用される。
【0045】
(皮膚の動力学的特性)
皮膚組織の動力学的特性は、非侵襲性のグルコース濃度決定の重要かつ大きく無視された観点である。所定の測定部位において、皮膚組織は、ターゲットの被分析物濃度および他の干渉する種の濃度における変化を除いて、しばしば、静的なままであると仮定される。しかしながら、組織の生理学的な状態および流体分布のバリエーションは、組織層および区画の光学的特性に、相対的に短い期間にわたって、非常に影響を与える。
【0046】
多くの要因は、皮膚の物理的および化学的状態に影響を及ぼす。これらは、環境および生理学的な要因を含む。このような要因の長いリストが、生成される可能性があるが、少なくとも体温、環境温度、摂食、ドラッグまたは医薬品摂取、およびサンプリング部位へ加えられた圧力を含む。身体の一部への影響は、身体の多くの他の位置に影響を与える。例えば、消化路への摂食は、体内の区画間の水の動きになる。別の具体例は、血圧または毛細血管の拡張を変化させるカフェインまたは刺激物の摂取である。
【0047】
非侵襲性のグルコース濃度決定
非侵襲性のグルコーステクノロジに関する複数の報告が存在する。これらのいくつかは、非侵襲性のグルコース濃度決定のために必要とされる一般の計測装置構成に関する。他のものは、サンプリングテクノロジに言及する。本発明に最も関係するものは、ここで、簡単にレビューされる:
上記概説したように、正確かつ精度の良い非侵襲性のグルコースアナライザの必要性を実証している複数の研究がある。
【0048】
特許文献2は、血液グルコース濃度を決定するために、多変量解析と併用してデータ前処理を使用する、非侵襲性のグルコース濃度決定アナライザを記載する。
【0049】
(一般の計測装置)
特許文献3は、血液ストリーム内または近傍のグルコース濃度を決定するために、光を身体内に導き、減衰された後方散乱された光を検出し、および集められた信号を利用するための装置を記載する。
【0050】
特許文献4は、光を患者の身体内に導き、透過されたまたは後方散乱された光を集め、および選択された近赤外波長帯域からグルコースを決定するための方法および装置を記載する。波長は、1000 〜 2700 nmの少なくとも1つの追加の参照信号と共に、1560〜1590、1750〜1780、2085〜 2115、および 2255 〜 2285 nm を含む。
【0051】
特許文献5は、多変量モデルと併用して赤外分光学を使用してグルコースのような生物学的な被分析物の濃度を測定するための方法および装置を記載する。多変量モデルは、複数の公知の生物学的な流体サンプルから構成される。
【0052】
特許文献6 は、多色光、波長選別デバイス、およびアレイ検出器を利用して、生きている被験者内で被分析物濃度を決定するための非侵襲性のデバイスおよび方法を記載する。装置は、外部光をブロックするための手段付きの指先を受け入れるように形作られたレセプタを使用する。
【0053】
特許文献7は、近赤外におけるマルチスペクトル分析を使用する生体の血液被分析物の決定のための方法および装置を記載する。複数の互いに異なる非オーバーラップ領域の波長が、サンプル表面に入射し、拡散反射された放射が、集められ、および被分析物濃度が、計量化学の技術を介して決定される。
【0054】
(温度)
非特許文献19は、近赤外ベースのグルコース濃度決定に関する温度の悪影響を記載する。生理学的な構成成分は、大きさおよび位置に関して、局在化された温度に感度が高くかつその感度が、非侵襲性のグルコース決定に影響を及ぼす、近赤外吸収スペクトルを有する。
【0055】
(ガイド)
特許文献8 は、1つ以上のペルフルオロ化合物のカップリング流体を記載する。そこにおいて、或る量のカップリング流体が光学プローブと測定部位のインターフェースに配置される。ペルフルオロ化合物は、クロロフルオロカーボン類と関連する毒性を持たない。Blankは、また、非侵襲性のグルコース濃度決定における正確さおよび精度を高めることになるサンプリングされた部位の位置の精度を増すために、非侵襲性のグルコースアナライザと併用したガイドの使用を教示する。このガイドは、サンプリングの精度を増すために、一日の一部、一日、または複数日の期間のようなサンプリング期間全体を通じて、使用される。
【0056】
(中央平均化)
特許文献9および特許文献10は、非侵襲性のグルコース濃度アナライザと組み合わせて使用される平均を記載する。ガイド実施例は、中央平均化への代替アプローチとして、オプションとして使用される。
【0057】
(平衡化)
従来のグルコース濃度決定と代替部位グルコース濃度決定との間に差(または差の無いこと)を記載している複数の報告が存在する。一部は、可能性がある差を非侵襲性のグルコース較正およびメンテナンスに影響を及ぼすとして認識した。
【0058】
従来と代替部位間のグルコース濃度の差は、本明細書にその全体を参照として組み込まれてる、特許文献1に存在する。
【0059】
In-light Solution (以前の Rio Grande Medical Technologies)は、間質液の濃度と血管内のグルコース濃度との平衡化を速めるために、熱、ルブリクタント(rubrifractants)の使用、またはニコチン酸、メチルニコチンアミド、ミノキシジル、ニトログリセリン、ヒスタミン、メントール、カプサイシン、および それらの混合のような、局部の薬理学的または血管拡張剤の適用を報告した。特許文献11および特許文献12を参照されたい。
【0060】
(一酸化窒素)
一酸化窒素(NO)は、血管拡張を引き起こすために、使用されてきた。一酸化窒素は、循環調節において重要な内因性の血管拡張因子としてふるまうフリーラジカルガスである。一酸化窒素は、生物学的なイベントのカスケードを通して、動脈、静脈、およびリンパ腺に沿って並ぶ平滑筋細胞の弛緩になる血管拡張を開始し、かつ継続する。非特許文献20を参照されたい。多少複雑であるが、NOにより引き起こされる生物学的なイベントのシーケンスが、以下に概説される:
ステップ1.ヘモグロビン内のニトロソチオールからまたは内皮細胞から放出
されるNOガスは、小さな血管に沿って並ぶ平滑筋細胞に拡散する。
ステップ2.一旦、平滑筋細胞内に入ると、NOは、グアニル酸シクラーゼ(GC)
と称される、酵素にカップリングし、かつこのカップリングは、GC活性化と
なる。
ステップ3.活性化されたGCは、グアノシン三リン酸(GTP)と称される別の化
合物から2つのリン酸基を切断することができる。このことは、ミオシンと
称される平滑筋収縮たんぱく質を含むたんぱく質をリン酸化するために(リ
ン酸エステル化は、リン酸基の追加である)使用される、環状グアノシン一
リン酸(cGMP)の形成となる。
ステップ4.一旦、リン酸化されると、平滑筋細胞ミオシンは、弛緩し、当初
NOにされされた血管の拡張をもたらす。
【0061】
事実上、一酸化窒素は、動脈、静脈、およびリンパ管の平滑筋を弛緩することが公知である信号伝達分子である。これらの血管筋肉が弛緩する時、それらは、拡張し、このことは、減少した抵抗による増加した循環をもたらす。非特許文献21を参照されたい。
【0062】
光刺激
一酸化窒素は、赤血球のような細胞に貯蔵されている。Dr. R. F. Furchgott は、白色光が組織に当たり血流が増した時、一酸化窒素が急激に放出されることに留意した。光がいくつかの異なる波長から構成されるので、その後の調査研究は、NO生成または放出を引き起こし、従って血管拡張を刺激する点で、何れがより良いであろうかを決定するために、個々の波長の有益効果を調べた。可視光に関する研究の後には、紫外および近赤外のような非可視光の単色光の放射源を用いた実験が続いた。Anodyne Therapy System(TM)は、ヘモグロビン、あるいは赤血球内の他のヘムたんぱく質からのNOの局所的な放出を達成するために、近赤外光を使用する。Anodyne Therapy System(TM)は、NO放出を刺激するために、890 nmの単色光の光を使用し(Carnegie、suprを参照。)、および890 nm 光の刺激を使用している他のデバイスが、報告された。非特許文献22を参照されたい。
【0063】
光刺激による一酸化窒素の放出は、疼痛仲介(pain mediation)、創傷治癒および組織回復のような使用のために、および潰瘍、目、腎臓、心臓、および腸と関連する循環に関する問題の医療への意味で循環を増加するために提案された。しかしながら、このテクノロジは、非侵襲性のグルコース濃度決定と組み合わせた使用のために提案されなかった。特許文献13参照されたい。さらに、光刺激の使用を用いた参照グルコース濃度差の最小化は、提案されなかった。最終的に、現在まで、非侵襲性のグルコース濃度決定のため個々のまたは医療専門家の使用に、いかなるFDAデバイスも認可されなかった。
【0064】
【特許文献1】米国特許出願第 10/377,916号
【特許文献2】米国特許第 5,379,764号 R. Barnes, J. Brasch, D. Purdy, W. Lougheed, Non-invasive determination of analyte concentration in body of mammals, (January 10, 1995)
【特許文献3】英国特許出願第 2,033,575号、P. Rolfe, Investigating substances in a patient's bloodstream, (August 24, 1979)
【特許文献4】米国特許第4,655,225号 、C. Dahne, D. Gross, Spectrophotometric method and apparatus for the non-invasive, (April 7, 1987)
【特許文献5】米国特許第4,975,581号、 M. Robinson, K. Ward, R. Eaton, D. Haaland, Method and apparatus for determining the similarity of a biological analyte from a model constructed from known biological fluids, (December 4, 1990)
【特許文献6】米国特許番号第 5,361,758号、J. Hall, T. Cadell, Method and device for measuring concentration levels of blood constituents non-invasively, (November 8, 1994)
【特許文献7】米国特許第6,040,578号 、S. Malin, G Khalil, Method and apparatus for multi-spectral analysis of organic blood analytes in noninvasive infrared spectroscopy, (March 21, 2000)
【特許文献8】米国特許第6,415,167号、T. Blank, G. Acosta, M. Mattu, S. Monfre, Fiber optic probe guide placement guide, (July 2, 2002)
【特許文献9】米国特許第6,157,041号、E. Thomas and R. Rowe, Methods and apparatus for tailoring spectroscopic calibration models, (December 5, 2000)
【特許文献10】米国特許第6,528,809号、E. Thomas and R. Rowe, Methods and apparatus for tailoring spectroscopic calibration models, (March 4, 2003)
【特許文献11】米国特許第6,240,306 号、M. Rohrscheib, C. Gardner, M. Robinson, Method and Apparatus for Non-invasive blood analyte measurement with Fluid Compartment Equilibration, (May 29, 2001)
【特許文献12】米国特許第6,152,876号、M. Robinson, R. Messerschmidt, Method for Non-Invasive Blood Analyte Measurement with Improved Optical Interface, (Nov. 28, 2000)
【特許文献13】米国特許第 5,358,503 号、D. Bertwell, J. Markham, Photo-thermal Therapeutic Device and Method, (Oct. 25, 1994)
【特許文献14】米国特許出願第10/366,085号
【特許文献15】PCT 出願番号第 PCT/US03/07065号
【特許文献16】U.S. Provisional Number 60/448,840
【特許文献17】米国特許第 10/349,573号 (filed January 22, 2003)
【特許文献18】米国特許第6,212,424号
【特許文献19】米国特許第5,630,413号
【特許文献20】米国特許第5,792,050号
【特許文献21】米国特許第6,061,581号
【特許文献22】米国特許第6,073,037号
【特許文献23】米国特許出願第 10/170,921号
【特許文献24】米国特許仮出願第60/472,613号
【非特許文献1】Diabetes Statistics, National Institutes of Health, Publication No. 98-3926, Bethesda, MD (November 1997)
【非特許文献2】The Diabetes Control and Complications Trial Research Group, The effect of intensive treatment of diabetes on the development and progression of long-term complications in insulin-dependent diabetes mellitus, N Eng J of Med, 329:977-86 (1993)
【非特許文献3】U.K. Prospective Diabetes Study (UKPDS) Group, Intensive blood-glucose control with sulphonylureas or insulin compared with conventional treatment and risk of complications in patients with type 2 diabetes, Lancet, 352:837-853 (1998)
【非特許文献4】Y. Ohkubo, H. Kishikawa, E. Araki, T. Miyata, S. Isami, S. Motoyoshi, Y. Kojima, N. Furuyoshi, M. Shichizi, Intensive insulin therapy prevents the progression of diabetic microvascular complications in Japanese patients with non-insulin-dependent diabetes mellitus: a randomized prospective 6-year study, Diabetes Res Clin Pract, 28:103-117 (1995)
【非特許文献5】K. Hazen, Glucose Determination in Biological Matrices Using Near-Infrared Spectroscopy, doctoral dissertation, University of Iowa, 1995
【非特許文献6】Z. Trajanowski, G. Brunner, L. Schaupp, M. Ellmerer, P. Wach, T. Pieber, P. Kotanko, F. Skrabai, Open-Flow Microperfusion of Subcutaneous Adipose Tissue for ON-Line Continuous Ex Vivo Measurement of Glucose Concentration, Diabetes Care, 20, 1997, 1114-1120
【非特許文献7】Z. Trajanowski, P. Wach, R. Gfrerer, Portable Device for Continuous Fractionated Blood Sampling and Continuous ex vivo Blood Glucose Monitoring, Biosensors and Bioelectronics, 11, 1996, 479-487
【非特許文献8】E. Szuts, P. Lock, K. Malomo, A. Anagnostopoulos, Blood Glucose Concentrations of Arm and Finger During Dynamic Glucose Conditions, Diabetes Technology & Therapeutics, 4, 3-11 (2002)
【非特許文献9】D. Lee, S. Weinert, E. Miller, A Study of Forearm Versus Finger Stick Glucose Monitoring, Diabetes Technology & Therapeutics, 4, 13-23 (2002)
【非特許文献10】N. Bennion, N. Christensen, G. McGarraugh, Alternate Site Glucose Testing: A Crossover Design, Diabetes Technology &Therapeutics, 4, 25-33 (2002)
【非特許文献11】N. Peled, D. Wong, S. Gwalani, Comparison of Glucose Levels in Capillary Blood Samples from a Variety of Body Sites, Diabetes Technology & Therapeutics, 4, 35-44 (2002)
【非特許文献12】K. Jungheim, T. Koschinsky, Glucose Monitoring at the Arm, Diabetes Care, 25, 956-960 (2002)
【非特許文献13】K. Jungheim, T. Koschinsky, Risky Delay of Hypoglycemia Detection by Glucose Monitoring at the Arm, Diabetes Care, 24, 1303-1304 (2001)
【非特許文献14】G. McGarraugh, Response to Jungheim and Koschinsky, Diabetes Care, 24, 1304-1306 (2001)
【非特許文献15】G. McGarraugh, S. Schwartz, R. Weinstein, Glucose Measurements Using Blood Extracted from the Forearm and the Finger, TheraSense, Inc., ART01022 Rev. C, 2001
【非特許文献16】G. McGarraugh, D. Price, S. Schwartz, R. Weinstein, Physiological Influences on Off-Finger Glucose Testing, Diabetes Technology & Therapeutics, 3, 367-376 (2001)
【非特許文献17】T. Ryan, A Study of the Epidermal Capillary Unit in Psoriasis, Dermatologica, 138, 459-472 (1969)
【非特許文献18】R. Ng, Presentation to the FDA at the Clinical Chemistry &Clinical Toxicology Devices Panel Meeting, Gaithersburg, MD (October 29, 2001)
【非特許文献19】K. Hazen, Glucose Determination in Biological Matrices Using Near-Infrared Spectroscopy, doctoral dissertation, University of Iowa (1995)
【非特許文献20】R. Furchgott, Nitric Oxide: From Basic Research on Isolated Blood Vessels to Clinical Relevance in Diabetes", An R Acad Nac Med (Madrid), 115, 317-331 (1998)
【非特許文献21】D. Carnegie, The Use of Monochromatic Infrared Energy Therapy in Podiatry, Podiatry Management, 129-134 (Nov./Dec. 2002)
【非特許文献22】G. Noble, A. Lowe, D. Baxter, Monochromatic Infrared Irradiation (890 nm): Effect of a Multisource Array upon Conduction in the Human Median Nerve, J. of Clin. Laser Medicine and Surgery, 19, 291-295 (2001)
【非特許文献23】K. Hazen, Noninvasive Glucose Determination in Biological Matrices, Ph.D. dissertation, University of Iowa, Department of Chemistry (1995)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0065】
問題
身体は、事実上動的である。身体構成成分は、不均一な時間でかつ身体中に等しく分布されない形態において発生する入出力イベントの影響下にある。このことは、結果として或る身体構成成分を常に流動状態とする。例えば、身体内のグルコース濃度は、異なる身体区画に、等しく分布されない。循環系内でさえ、グルコースは、必ずしも均一には分布されない。代替身体部分においてその構成成分の濃度を決定することが望まれる時、構成成分濃度を決定するまたは測定するために、身体の一部がサンプリングされる場合、問題点は発生する。具体例は、指先、動脈、または静脈のグルコース濃度を決定することが望まれる時、前腕のような代替部位で測定されたグルコースである。本発明は、必要なテクノロジ、時間、金、利便性、または痛みの点で、利用しにくい他の身体部分における被分析物濃度をさらに正確にまたは精度良く決定するために、サンプリングされる領域における被分析物の濃度が使用される様に、毛細血管、組織、または皮膚層の灌流を強化するための方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0066】
サンプル部位被分析物濃度決定より前に処理するまたは前処理するために光刺激を使用する方法および装置が提供される。より詳細には、少なくとも1つのサンプル部位でまたは近傍で、サンプリングと関連する誤差を減少することになるサンプル部位の灌流を強化するために、光刺激が使用される。サンプル部位の灌流を増加すると、ターゲットの被分析物の体積パーセンテージが増加し、および/または血液または組織構成成分濃度が、動脈、静脈、または指先のような、さらに十分に潅流される身体区画または部位における、対応するサンプル構成成分をさらに正確におよび/または精度良くトラッキングすることを可能にする。一実施例において、光刺激を受けた部位の分析は、被分析物濃度を、さらに容易に、正確に、または精度良く決定するために、グルコースアナライザと併用して使用され、かつ別のサンプリングされない身体部分または区画の被分析物濃度の決定を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
本発明は、身体被分析物の相対的または絶対的な濃度決定と併用して、光刺激を使用する方法を有する。より詳細には、少なくとも1つのサンプル部位でまたは近傍での光刺激は、血液または組織の構成成分濃度が、動脈、静脈、または指先のような、さらに十分に潅流される身体区画または部位における対応するサンプル構成成分を、さらに正確におよび/または精度良くトラッキングするように、サンプル部位の灌流を強化するために使用される。光刺激を受けた部位でまたは近傍で被分析物濃度を決定するための手段は、この時、身体の十分に潅流される領域をより表す被分析物濃度を伴うサンプルまたは位置を観測する。被分析物濃度を決定するための手段は、侵襲性、最小侵襲性、または非侵襲性の方法を含む。この被分析物濃度決定手段は、直接的および間接的な方法を含む。対象となる被分析物濃度を決定するための方法および装置は、インピーダンス、クロマトグラフィ、電気化学的、または分光学的手段を含む。この被分析物は、血液のまたは血液構成成分の濃度をトラッキングする被分析物の何れかの構成成分を含む。対象となる、1つの特定の被分析物は、グルコースである。対象となる、他のサンプル構成成分は、トリグリセライドまたはコレステロールの種類のような脂肪、アルブミンまたはグロブリンのようなたんぱく質、尿素、ビリルビン、およびNa+、Ca2+、およびK+または様々なキレートのような電解質を含む。
【0068】
(被分析物分布)
外部のソースから得られ、生成され、または消費される、血液の構成成分は、身体内で、等しく分布されていない。例えば、動脈血の酸素濃度が、肺を過ぎると、肺に戻る静脈血の酸素濃度と比較して、より高くなることは、周知である。さらに低い酸素濃度が、身体の不十分に潅流される領域において、見出される。一般に、血液によりピックアップされる、またはドロップアウトされる被分析物は、その構成成分の局在化された変化の割合が、不十分に潅流される部位で循環流を再度満たしかつ均等にするよりも速いので、身体の異なる部分において、同時に異なる濃度を持つ。例えば、皮膚表面近くの血液構成成分の濃度は、循環系の十分に潅流される領域において、同じ被分析物の濃度のそれと異なる場合がある。間質液内の被分析物の濃度は、また、近くの領域の灌流に依存する。例えば、間質液内のグルコースの濃度は、糖分解に起因して、時間と共に減少する。グルコース濃度の減少は、毛細血管床からの距離と毛細血管床の灌流ヒストリとの両方に依存する。故に、近くの領域の灌流が強化される時、それは、毛細血管のおよび間質性のグルコース濃度の両方に影響を与える。局在化された部位でのサンプリングが好適である反面、身体内のこの様な被分析物の一般の濃度を測定する、または決定することは、しばしば望ましい。
【0069】
(グルコース分布)
グルコースは、水溶性の身体区画に、濃縮される。さらに、水溶性の身体区画内で、グルコースは、均一に、分布されていない。確かに、細胞内および細胞外のグルコース濃度は、異なる。さらに、血管内のグルコース濃度は、身体の異なる部分において、同時に、異なる。一般に、循環系は、メインの動脈/静脈のチャンネルを通して、血液グルコースを、急激に、移動させる。指先のような、十分に潅流される毛細血管床において、グルコース濃度は、メインの動脈および静脈の区画のそれと、大まかに、等価である。一般的に言って、動脈のグルコース濃度が静脈のグルコース濃度を超えるように、或るグルコースが、身体により消費されるにもかかわらず、グルコースの濃度は、メインの動脈/静脈の循環系において、一様である。再び、或るグルコースは、局在化されたグルコース濃度を減少させる毛細血管領域において、使用されるが、灌流割合が大きい時、グルコース濃度は、著しくは変化しない。しかしながら、身体の或る領域は、指先の領域と同じようには十分に潅流されない。一般的に言って、不十分に循環または潅流される領域は、グルコース濃度が身体のさらに十分に潅流される領域と異なる期間を有する可能性が高い。追加の差が、グルコース代謝および合成から生じる。再び、身体のグルコースの一般の濃度を、局在化された部位でテストにより、測定するまたは決定することは、しばしば望ましい。さらに代表的なサンプルを獲得するように、局在化された灌流を増加する1つの方法は、本明細書に記載される光刺激である。
【0070】
指先のような従来の侵襲性の部位と前腕のような代替侵襲性の部位間のグルコース差の詳細な説明は、本明細書にその全体を参照として組み込まれてる、特許文献1においてすでに提供されている。いくつかのキーポントが、以下に、要約される。
【0071】
従来の侵襲性のおよび代替侵襲性のグルコース決定間の差が、示される。前腕のような部位からの代替侵襲性のグルコース濃度および従来の侵襲性のフィンガースティック(fingerstick)からのグルコース濃度間の差が、少なくとも時間と位置の関数として変化することは、ここで示される。追加のパラメータは、サンプリング方法論、生理学、およびグルコースアナライザ計測装置を含む。
【0072】
例えば、身体の位置におけるグルコース濃度のバリエーションが、示される。糖尿病患者被験者は、グルコース摂動を通して追跡される。4 時間にわたって、80 mg/dL前後で、低くスタートしたグルコース濃度は、約 350 mg/dLまで増加し、かつ約 80 mg/dLに戻った。このプロフィールは、‘N’ プロフィールを生成するためのその後のインスリン注入と組み合わせた、約 75 g の液体状の炭化水素の摂取により生成された。従来の侵襲性の指先毛細血管グルコース濃度は、4-時間プロトコルを通して15 分毎に決定され、そしてオペレータが得ることが可能な程度に素早く、所定の被験者の右そして次に左前腕の手掌の側から集められたサンプルを用いた代替侵襲性の毛細血管グルコース決定が続いた。この結果が、69 個のデータポントである。
【0073】
結果として生じたグルコース濃度プロフィールは、図1に示される。前腕で測定された、代替侵襲性のグルコース濃度は、対応する指先グルコース濃度より低く実質的に減衰されていることが示される。代替侵襲性のグルコース濃度は、また、従来の侵襲性の指先グルコース濃度に対して時間のずれたプロフィールを有することが観察される。
【0074】
いくつかの結論が、このおよびすでに示されたデータから、引き出される。第一に、グルコース偏位の間にわたり、未処理の前腕および指先の毛細血管血液グルコース間に、実質的な差が、観察されることがある。第二に、血液グルコース濃度の迅速変化は、相対的な誤差がグルコース濃度に比例する一方、指先および前腕の測定された血液グルコース濃度間の差を拡大する。第三に、血液グルコース濃度の迅速な変化の間にわたり、前腕および指先間の差は、より高いパーセンテージのポントをClarke誤差グリッドのあまり望ましくない領域に生じさせる。第四に、左および右前腕の手掌側の測定された血液グルコース濃度は、ほぼ同じである。最終的に、これらの所見は、指先のそれに対して前腕への減少された灌流のメカニズムがグルコースプロフィールにおける減衰および/または時間のずれをもたらすことと一致している。
【0075】
(生理学)
上記リストされた結論は、循環生理学文献および代替侵襲性のグルコースアナライザのサンプリングアプローチと一致している。指の血流は、20°C で、33±10 mL/g/min であり、一方、足、前腕、および腹部において、その血流は、19〜22°Cで、4-6 mL/g/min であることが、報告されている。このことは、観察された、局在化された血液グルコース濃度の差と一致している。グルコース濃度が急激に変化する時、差は、局所的な組織灌流の差の結果として、局所的な血液グルコース濃度において、身体の全体にわたって現れる。例えば、手の指の血流は、代替部位におけるより大きい。このことは、指先の血液グルコース濃度が、さらに急激に、静脈血グルコース濃度と釣合うことを意味する。さらにまた、2つの部位間の局所的なグルコース濃度の差の大きさは、血液グルコース濃度の変化の割合に関連がある。逆に、定常状態グルコース条件の下で、グルコース濃度は、身体の全体にわたって一様な傾向がある。
【0076】
以下の生理学的な解釈は、これら研究から導き出される。第一に、グルコースが変化している間、腕に関する濃度は、指先のそれより時間遅れする可能性がある。第二に、指先および前腕間の、良く認識された差は、血流の割合である。第三に、指でないテスト部位の循環生理学における差は、血液グルコース濃度の差に至る。第四に、腕および指グルコース濃度は、平均して、同じであるが、その相関は、一対一でない。このことは、従来の侵襲性のグルコース濃度間の差を示唆し、かつ代替侵襲性のグルコース濃度は、空腹時の間、およびグルコース摂取後、異なる。第五に、前腕および腿グルコース濃度の指グルコース濃度に対する関係は、食事時間の近くでは、影響を受ける。60および90 分 テスト・セッション間のメーターによる前腕および腿の結果は、一貫して、対応する指の結果より低い。第六に、差は、血液グルコース変化の方向と逆の関係にある。第七に、幾つかのケースにおいて、迅速変化は、指先および前腕で測定された血液グルコース濃度の有意差を生じる。第八に、個々に対して、前腕および指血液グルコース濃度間の関係は、一致している可能性がある。しかしながら、日々の差の大きさが、変化することが見出された。最終的に、いくつかの事例において、間質液(ISF)グルコース濃度は、運動またはインスリンによるグルコース取り込みに起因してグルコース濃度が下がる場合のように、時間のずれに対して、血漿グルコース濃度を導く。局在化された灌流を増加する1つの方法は、本明細書に記載された光刺激である。
【0077】
(光の刺激(Photo-stimulation))
光の刺激は、また、光刺激、フォトニック刺激、または光またはフォトンによる刺激または励起とも称される。本明細書において、光刺激は、フォトンが、その後、増加された灌流をもたらすエージェントを放出する吸収体により吸収されることを意味するように、使用される。光刺激は、フォトニック加熱とは異なる。フォトニック加熱は、光刺激と併用して、使用可能である。
【0078】
サンプル部位でまたは近傍での光刺激は、主として、サンプル部位の灌流を強化するまたは誘導することにより、サンプル部位の灌流を強化する様に、行われる。
【0079】
(光刺激と組み合わせたグルコース決定)
フォトニック刺激は、減衰および時間のずれに関して、前腕の代替サンプリング部位および指先の従来のサンプリング部位間のグルコース濃度の差を減少するまたは解消するために、使用される。1つの研究において、複数の被験者が、炭化水素摂取とインスリン注入の組み合わせた使用により引き起こされたグルコース偏位を通して追跡された。この特定の研究において、1つの前腕部位が、890 nm の光刺激で、前処理され、一方、反対の前腕の反対に位置する部位、および指先は、未処理のままである。890 nm 刺激は、グルコース濃度データ収集直前に、30 分の間、3つの 890 nm のLEDを用いて行われた。侵襲性のグルコース濃度決定は、その後、20 分毎に、全ての3つの位置から獲得される。2つの代表的な被験者に対して、結果として生じるグルコース濃度プロフィールは、図2に示される。第一のケースにおいて、光刺激を受けた部位は、未処理の部位と比較して、指先参照グルコース濃度とのより高い相関を有することが、観察される。指先に対して、未処理の前腕において観察される減衰および時間のずれの両方が、光刺激された部位から得られたグルコースプロフィールにおいて、観察されない。このことは、光刺激を受けた部位がより十分潅流されていることを示している。第二の本具体例において、光刺激された部位の減衰および時間のずれは、未処理の部位と比較して、あまり顕著ではないことが観察される。しかしながら、或る時間のずれは、なお、最初のうち、観察される。その後、時間のずれを示した被験者のパーセンテージを減少した、より良い光カップリング技術が、使用された。
【0080】
従来の部位(指先)グルコース濃度をさらに接近してトラッキングする代替部位グルコース濃度を生ずる増加された灌流は、いくつかの理由のために重要である。医療専門家および糖尿病教育者は、一世代にわたって、動脈または指先グルコース濃度を使用する糖尿病の治療に関して訓練されてきた。大部分の文献および実際の医療行為は、従来の部位グルコース濃度決定に基づいている。身体部位間の系統的差は、医療行為が変更されるまで、これら教育者による糖尿病の治療における系統的偏りにつながるであろう。FDAが代替部位グルコース濃度決定用グルコース濃度決定方法および装置の製造、販売、および使用を許可した一方、それらは、安定したグルコース期間中のテストおよび低血糖症のタイムリーな発見のためにの代替部位グルコース決定に依存しない使用法に関して、別々のラベル付け要求を有する。大企業による、上記概説したような、サンプル部位の加熱、局所的な真空、および摩擦のような多数のグルコース濃度均一化アプローチは、均一化アプローチの重要性の更なる証拠である。さらに、従来の部位フィンガースティク参照に対する十分に潅流されるおよび/または等しくされるサンプル代替サンプリング部位の、医療用のデバイスの誤差計算は、従来の指先参照方法に対する未処理の代替部位グルコース誤差計算と比較して、より良い正確さおよび精度を有するであろう。
【0081】
(光刺激のための典型的な装置)
フォトニック刺激デバイスは、スタンドアロンのデバイスであるか、または、さらに複雑な装置に組み込まれるかの何れかである。様々な実施例は、以下に記載され、そこにおいて(侵襲性のグルコース決定セクションにおいて)光刺激デバイスが、単独で、または(その非侵襲性のグルコース決定セクションにおいて)より大きなデバイスの部分として、使用される。これらの具体例およびこのセクションにおける説明は、電源およびフォトニック放射源を含む一般のデバイスの具体例にすぎない。いくつかの可能な実施例と共にフォトニック-刺激放射源の一般の概観が、このセクションにおいて、続く。
【0082】
(放射源)
光刺激装置は、少なくとも電源と放射源を含む。多くの放射源が、刺激を達成するために、利用可能である。これらは、発光ダイオード(LED)、広帯域の放射源、レーザ、ダイオードレーザ、および超連続放射源(supercontinuous source)を含む。
【0083】
好適な光刺激放射源は、LEDである。放射源は、サンプル部位でまたは近傍で、灌流を強化するはずである。上記詳述されるように、890または910 nmでの刺激は、一酸化窒素の放出をもたらす。より広い波長範囲は、同じ放出を刺激するために、オプションとして使用される。文献は、対象となる励起グループが、スルフヒドリル基であることを示す。追加の文献は、ヘム・グループで調整されたデオキシヘモグロビンによる光の吸光度が一酸化窒素の放出をもたらすことを示す。故に、フォトニック刺激のより広い可能性がある範囲は、ヘモグロビンまたはそのスルフヒドリル基が吸収する全ての領域を含む。当然、一酸化窒素の放出に責任のあるエージェントの吸光度が減少するに従い、光を一酸化窒素の放出にカップリングさせる効率は、減少する。故に、カップリング分子構造のピーク吸光度の近くの波長は、好ましい。光刺激範囲は、故に、約890または910 nm、850〜950 nm以下、および好ましくは700〜1000 nmの領域のような、デオキシヘモグロビンにより吸収される波長範囲を含む。より広い範囲が、フォトニック効率を減少させて、使用される。光刺激次第、サンプル部位の強化された灌流をもたらす他の分子構造は、それら自身の特有の好ましい励起範囲を有する。フォトニック刺激プロセスが生じる時、吸光度と関連する物理的プロセスに起因する或る補助加熱が存在することは、認識されるべきである。しかしながら、本明細書に記載されるフォトニック刺激プロセスは、加熱を超えた二次的作用を刺激し、強化された灌流を誘導する。このことは、このプロセスを、他により教示されるような増加された灌流のためのサンプル部位の加熱と区別する。上記特許文献12および上記特許文献11を参照されたい。
【0084】
広帯域の光は、黒体放射源の多くの波長が、一酸化窒素放出を含まないので、光刺激を実行する好ましい方法ではない。追加の波長は、組織を加熱でき、かつ灌流を増加する毛細血管の拡張をもたらすことができる。代替実施例において述べられるように、この加熱は、多くの状況において、有利である。しかしながら、サンプル部位の必要以上の加熱は、そのコストを有する。第一に、多量の広帯域の光は、一酸化窒素放出を誘導していない。このことは、システムをより効率悪くする。例えば、より大きな放射源および/または電源が、要求される。第二に、サンプルの必要以上の加熱が、結果として、その後の分析を複雑にする非線形形態で変化する、多くの近赤外吸光度帯域になることは、周知である。
【0085】
本発明の一実施例において、広帯域の放射源が、光学フィルタと共に、使用される。光学フィルタは、1つ以上のスペクトル領域を分離するために使用される、1つ以上のロングパス、ショートパス、またはバンドパスフィルタを含む。このことは、対象となる1つ以上の波長領域がサンプル内を貫通することを可能にする。広帯域の放射源は、相対的に、安価である。サンプルにカップリングされる入射の放射および伝導熱の熱コントロールは、好ましい。
【0086】
代替放射源は、レーザおよびレーザダイオードを含む。一般的に、これらの放射源は、より大きなフラックスのフォトンを供給するために、使用される。このことは、さらに急速な刺激とその後の灌流のさらに急速な増加を可能にする。しかしながら、これらのデバイスは、一般的には、より大きくかつより高価である。故に、レーザおよびレーザダイオードは、本発明の目的を達成するが、LEDが好適である。代替放射源は、オプションとして、ファイバの内側に作られる、超連続放射源である。超連続放射源は、連続波またはパルス化されたモードで、利用される。
【0087】
放射源構成は、個々のエレメント、複数のエレメント、およびアレイを含む。例えば、好適な実施例において、単一の 910 nmのLEDが、光刺激用に、使用される。より短い照射時間が望まれる場合、2つ以上のLEDが、より大きな電力消費の代価で、励起のために使用される。3つのLEDが、以下に記載されるように、オプションとして、ガイドエレメント内に配置される。LEDのアレイは、要求される照射時間をさらに短くするために、またはより大きなエリアの刺激を強化するために、用いられる。例えば、m×n のアレイのLEDを有するパッチは、サンプルのより広い表面エリアをカバーするために、使用される、ここで、mおよびnは、整数である。
【0088】
1つ以上の範囲の波長が、照射放射源において、オプションとして、使用される。例えば、2つ以上のタイプのLEDが、放射源において、使用される。このことは、より広い範囲の波長範囲の入射フォトンまたは2つ以上の帯域の入射フォトンとなる。1つより多い吸光度特徴に基づく毛細血管の拡張をもたらす追加のメカニズムが識別される場合、両方の官能基を励起することは、有益である可能性がある。さらに、より広い範囲の所定の吸光度帯域は、波長に関して、達成される。
【0089】
照射エレメントの種の混合が、光刺激のために、使用される。例えば、LEDは、広帯域の放射源と組み合わせて、使用可能である。
【0090】
(電源)
入射フォトンを供給する放射源は、電源を必要とする。一般に、電源は、ACまたはDCである。適切な電源の選択は、特定のアプリケーションに依存し、かつ当業者には明らかである。いくつかの例証となる具体例が、続く。照明装置がポータブルである場合、バッテリ電源は、好ましい。電源を放射源にカップリングさせる小さなデバイスが、構成される。このようなデバイスは、ハンドヘルドとすること、または例えば、ガイドによりサンプル部位に交換可能に取り付けられることが可能である。例えば、要求される照射時間期間を減らすために、より大きな数の入射フォトンが望ましい場合、AC電源は、放射源にカップリング可能である。
【0091】
(カップリング光学部品)
本発明の最も簡単な実施例において、フォトンは、空気中を伝わり、サンプリング部位に到達する。これに代えて、カップリング光学部品が使用される。
【0092】
当業者は、サンプル部位へのフォトンの輸送または方向を強化するシステムがサンプル部位でフォトンのフラックスを最適化するために使用されることを認識するであろう。これを達成するための典型的なエレメントは、反射器、レンズ、拡散器、およびファイバオプティクスを含む。例えば、バック反射鏡(back reflecting mirror)は、光をサンプル上に集中させるために、タングステンハロゲン光源の背後に配置される、または集束レンズは、放射源の前で使用される。別の具体例において、光は、光ファイバを介して、サンプル部位に輸送される。拡散器は、より広いサンプリング表面を照らすために、狭い光学ビームを広げることができる。明らかに、これらおよび関連する光学エレメントは、放射源の光のサンプル部位への所望のカップリングを提供するために、組み合わせて使用される。当業者は、カップリング光学部品が任意の上記照射の放射源と共に使用されることを直ちに認識するであろう。
【0093】
(サンプルインタフェース)
フォトニック放射源のサンプルに対するインターフェースは、特定の関心事である。一実施例において、フォトンは、フリースペース・オプティクス(free space optics)を通してサンプルにカップリングされている。これに代えて、光学部品は、サンプルと接触して、配置される。各方法に利点がある。
【0094】
フリースペース・オプティクスは、本明細書では、エントリ上の空気のようなガスを通してサンプル部位内に伝わっている入射フォトンとして定義される。これに代えて、カップリング光学部品は、サンプル部位の表面が固体または液体と接触しているところで、使用される。
【0095】
サンプルインタフェースの重要な考慮事項は、ターゲットとされたサンプル部位に対する入射フォトンの正確さ、ターゲットとされたサンプル部位に対するフォトンの精度、サンプル部位上の温度の影響、およびサンプル部位上の圧力の影響である。カップリング方法のいくつかの具体例が続く。
【0096】
具体例1
LEDからのフォトンのような、入射フォトンは、空気を通して皮膚内にカップリングされる。このことは、圧力を加えることによりサンプル部位を乱すことがないという利点を有する。このことは、非侵襲性の測定のために、有益である。しかしながら、侵襲性の測定に対して、この圧力影響は、ごく小さい可能性がある。フォトンを皮膚内に空気を通してカップリングすることは、皮膚の屈折率不一致と光学的粗さに起因して、最も効率的なカップリング方法ではない。
【0097】
具体例2
入射フォトンは、光ファイバ、1つ以上のレンズまたはフラットな光学部品、および/またはカップリング流体のような光学部品を介して、サンプル部位にカップリングされる。光学部品は、間接的に皮膚と接触する。このことは、光学部品のサンプル表面上の熱効果が、サンプリング部位温度に影響を及ぼすことを意味する。このことは、許容される、またはコントロールされる。同様に、光学部品は、少なくとも、サンプリング部位を乱す可能性がある或る圧力をサンプリング部位に加える。再び、このことは、許容される、またはコントロールされる可能性がある。機械関係の当業者は、熱的に安定した材料、熱伝導性の小さいまたは非熱伝導性の材料、温度コントローラの使用、または望ましい熱コントロールを達成するために、サンプル部位と接触して質量を調整するようなコントロール技術を直ちに認識するであろう。機械関係の当業者は、質量を調整する、圧力をエリアにわたって分布させる、反対の力の使用、またはサンプルを公知のまたは予め設定された距離摂動させるような、圧力効果をコントロールするための技術を、直ちに認識するであろう。
【0098】
(位置合わせ)
サンプリング部位に対する入射フォトンの正確さおよび/または精度は、重要である。例えば、入射フォトンに起因する増加された灌流は、表面エリアおよびその関連した体積に制限される。一般に、潅流される領域のサンプリングは、望ましい。潅流される領域以外のサンプリングが望ましい実施例が、代替実施例において、以下に、記載される。灌流が強化される、サンプリングのために、多くの可能性が存在する;数例が以下に記載される。
【0099】
サンプリング灌流が強化される1つの方法は、サンプリングをフォトンが皮膚に入射されたところになるように目視で位置合わせすることによる。このことは、記憶のような複数の方法で、関節またはそばかすのような1つ以上のサンプル特徴を空間的に基準として、または測定によって、行われる。
【0100】
サンプリング灌流が強化される別の方法は、より広い照射エリアを使用することによる。例えば、拡散レンズまたは照明装置のアレイが、使用される。
【0101】
灌流が強化される、サンプリングの第3の方法は、ガイドの使用による。ガイドは、以下に詳細に記載される。一般に、ガイドは、交換可能に装置に取り付けられ、ロックおよびキーメカニズムの半分として使用される。ガイドの1つの使用は、サンプリング部位に対する入射フォトンの位置合わせおよび/または同じサンプリング部位に対するセンサまたはプロービングデバイスの位置合わせである。
【0102】
光刺激のための典型的な方法
本発明の最も簡単な実施例において、光刺激は、サンプリングより前におよび/またはサンプリングの間に行われる。
【0103】
光刺激およびサンプリングの相対的なタイミングは、アプリケーションに依存する。サンプリングに対するデューティサイクルおよびタイミングの特有の具体例は、好適かつ代替実施例において、提供される。いくつかの例証となる刺激のタイミングの具体例が続く。
【0104】
具体例3
いくつかの事例において、光刺激装置は、使用しない時、サンプル部位に光学的に取り付けられない。これらのケースにおいて、放射源は、手動で、オンにされまたは当業者に公知の自動的な作動手段によって、作動される。例えば、作動手段は、サンプリング時に加えられる圧力による、ガイド内のスイッチメカニズムによる、動きを感知することによる、または磁場の近傍による誘因を含む。一旦、作動されると、デューティサイクルは、連続または半連続である。光刺激持続時間コントロールは、予め設定された時間間隔後に、手動および自動的な作動停止を含む。光刺激期間は、一日または動作期間の開始、複数分だけサンプリング前、サンプリングの直前、およびサンプリング中を含む。
【0105】
具体例4
光刺激装置がサンプル部位に光学的に取り付けられる場合、デューティサイクルは、連続、半連続、またはユーザにより手動で作動される。例えば、LED光刺激装置は、ガイドエレメント内にあり、かつ刺激装置は、所定の時刻でオンにする、連続で照らす、デューティサイクルを有する、または手動の作動手段を有するように、プログラムされる。
【0106】
このセクションに記載されるフォトニック刺激放射源用の方法および装置の順列および組み合せが、アナライザと併用して使用される、またはアナライザに組み込まれる。上記のように、アナライザは、血液構成成分、または増加された灌流の影響により間接的に測定可能な構成成分を分析することができる。いくつかの特有の例証となる実施例は、以下に記載される。
【0107】
典型的な実施例
上記のように、本発明の好適な実施例は、グルコースサンプリングおよび/または測定技術と併用した光刺激の使用を含む。より詳細には、サンプル部位でまたは近傍での光刺激は、血液または組織のグルコースの濃度が、動脈、静脈、指先、または十分に潅流された身体部位グルコース濃度のそれをより正確にトラッキングするように、サンプル部位の灌流を強化するように、使用される。光刺激、グルコースサンプリング、およびグルコース濃度決定技術は、本明細書の中で記載されたように、行われる。グルコース濃度決定は、侵襲性、最小侵襲性、または非侵襲性である。侵襲性のグルコース決定は、好ましくは、代替部位であるが、オプションとして、従来の部位である。これらの種のいくつかの実施例は、以下に、記載される。
【0108】
本発明の好適な一実施例は、グルコース濃度の非侵襲性の決定と併用した、光刺激の使用である。より詳細には、サンプル部位でまたは近傍での光刺激は、血液または組織のグルコースの濃度が、動脈、静脈、指先、または十分に潅流された身体部位グルコース濃度のそれをより正確にトラッキングするように、サンプル部位の灌流を強化するように、使用される。
【0109】
広範囲にわたる非侵襲性のグルコース濃度アナライザは、公知の技術である。分光光学法に基づく非侵襲性のグルコースアナライザは、放射源、導光光学部品(light directing optics)、サンプル、検出手段、およびデータ分析手段を含む。フォトンベースの非侵襲性のアナライザの順列および組み合せは、周知である。特許文献7と特許文献14,特許文献15、および 特許文献16は、すでに、記載されており、本明細書にその全体を参照として組み込まれている。
【0110】
好適な実施例は、本明細書に記載されているように、本明細書に記載されているように非侵襲性のグルコースアナライザと組み合わせた光刺激を使用する。特定の実施例は、ここに、記載される。
【0111】
本発明の第一の実施例において、フォトニック-刺激装置は、非侵襲性のグルコースアナライザと組み合わせて、少なくとも一人の被験者からグルコース濃度決定を生成するために、使用される。非侵襲性のアナライザは、放射源、サンプル、導光光学部品、および少なくとも1つの検出器を含む。アナライザは、データを決定する前に処理し、かつグルコース濃度において、多変量解析を使用する。
【0112】
第二の特定の実施例において、非侵襲性のグルコース濃度アナライザは、フォトニック刺激と組み合わせて、使用される。フォトニック-刺激装置は、ガイド内にカップリングするプラグ内に一括される。好ましくは、組織サンプルの対してプラグの加えた圧力は、スプリングのような手段を通して、コントロールされる。プラグは、少なくとも1つのLEDまたは等価のものを含む。好ましくは、LEDは、約 890または910 nmに中心があり、かつバッテリ駆動である。LED は、少なくとも一日の第一のグルコース決定より前に、サンプル部位を光刺激すために、使用される。グルコースアナライザは、タングステンハロゲン光源、オプションのバック反射器、およびサンプルより前に少なくとも1つの光学フィルタを含む。光学フィルタは、熱ブロッカおよび/またはオーダーソーター(order sorter)として、使用される。好適な実施例は、入射光をサンプル上に導く、好ましくは、ガイドの使用を通して、手首関節からひじ方向へ約一インチの手首の裏に導く。フォトンは、サンプルから集められ、回折格子に導かれ、その後、少なくとも1つの検出器に導かれる。スペクトル範囲は、1100〜2500 nm、または本明細書の少なくとも1つの範囲である。前処理は、スペクトルに関して、行われる。少なくとも1つの加算平均、平滑化、n次の導関数の利用、クラスタ分析、多変量解析および中央平均化を実行する方式が、行われる。グルコース濃度は、生成される。この好適な実施例において、間接的な方法が、本明細書にその全体を参照として組み込まれている特許文献17に記載されるよう分析的信号としてオプションとして使用されるものの、グルコースの吸光度は、キーの分析的信号である。
【0113】
具体例5
別の特定の実施例において、非侵襲性のグルコースアナライザは、フォトニック刺激と組み合わせて、使用される。フォトニック-刺激装置は、ガイド内にカップリングするプラグに一体化される。プラグは、少なくとも一日の第一のグルコース決定より前に、サンプル部位を光刺激すために、使用される、単一エレメントのバッテリ無しの890 nm LEDを含む。グルコースアナライザは、5ワット未満のタングステンハロゲン光源、バック反射器、およびサンプルより前に少なくとも2つの光学フィルタを含む。光学フィルタの少なくとも1つは、熱ブロッカおよびオーダーソーターとして、使用される。サンプルモジュールは、好ましくは、最小の圧力をサンプル部位に加える。好適な実施例は、入射光をサンプル上に導く、好ましくは、ガイドの使用を通して、手首の裏に導く。拡散反射されたフォトンは、サンプルから少なくとも1つの光ファイバに集められ、回折格子に、その後、アレイ検出器に導かれる。スペクトル範囲は、1150〜1800 nmであり、その範囲内で変動する。前処理は、スペクトルに関して行われる。少なくとも1つの加算平均、平滑化、n次の導関数の利用、クラスタ分析、多変量解析および中央平均化を実行する方式が、行われる。グルコース濃度は、生成される。
【0114】
最後のパラグラフに記載される実施例の、非侵襲性のグルコース装置を使用したグルコース濃度予測は、図3に示される。このグルコース濃度プロフィールは、単一被験者のそれである。グルコース上昇は、炭化水素摂取により誘発され、広いグルコース濃度テスト範囲を作る。インスリンは、補助相関の代わりにグルコース信号に関するモデルの予測力をテストするために、グルコース濃度を下げるために、使用された。炭化水素は、グルコースおよび補助干渉間の残っている相関を壊すことによりさらにモデルをテストするために、その後、摂取される。非侵襲性のグルコース濃度決定は、従来の指先グルコース濃度決定および処理されていない前腕上の部位から代替部位グルコース濃度決定であったように、約20〜25 分毎に、行われる。明らかに、非侵襲性のグルコース濃度予測は、参照グルコース濃度をトラッキングする。注目すべきことに、光刺激された部位からの予測されたグルコース濃度は、代替部位前腕参照グルコース濃度よりさらに正確におよび精度良く、指先参照グルコース濃度をトラッキングする。
【0115】
図3からの非侵襲性のグルコース濃度予測および指先参照グルコース濃度は、図4において、従来の Clarke 誤差グリッドを用いてオーバーレイされた濃度相関プロットとして、プロットされる。Clarke 誤差 グリッドにおいて、‘A’および‘B’ 領域内の全てのポントは、臨床的に許容可能であり、‘A’ 領域内のポントは20 パーセント未満の誤差を有する。許容可能であるデータに対する粗基準(crude guide)は、‘A’または‘B’ 領域に分類されるポントの95%である。本研究において、100%の値が‘A’ 領域に分類された。予測の標準誤差は、14.6 mg/dL、r は、0.98、およびF-値は、27.17である。
【0116】
具体例6
フォトニック刺激を有するまたは有さない、非侵襲性のグルコース濃度予測の別の具体例が、提供される。Sensys Medical パイロットグルコースアナライザは、本研究で、使用された。タングステンハロゲン光源、バック反射器、シリコンウインドウ、ガイド、ガイドに嵌め込まれたプラグ、サンプル(前腕)、単一光ファイバ含む、パイロットアナライザは、集められた拡散反射された光、スリット、回折格子、および検出器のアレイに対して使用される。アナライザに重要なことは、ノイズレベルに対する結果として生じる信号、安定性、および使用される特有のエレメントに対するアナライザの解像度である。
【0117】
ガイドは、フォトニック-刺激装置アタッチメントで、構成される。この場合、3つの 890 nmの LEDは、ガイド内に、使用され、およびサンプル部位表面から約 1 mmに配置される。合計6人の被験者は、本研究に、参加した。各被験者は、所定のテスト日に、任意の非侵襲性のグルコーススペクトルの収集より前に、30 分の間、サンプリング部位にわたって一方の腕にフォトニック刺激を用いておよび反対の腕には用いずに、処理された。この具体例において、光刺激は、第一の非侵襲性のグルコース濃度決定より前にのみに、行われ、かつその後の非侵襲性または侵襲性のグルコース濃度決定より前に繰り返されない。各被験者は、次に、約4 時間の間続くグルコース偏位を通して、追跡される。参照グルコース濃度決定は、20 分毎に、指先および前腕から、侵襲性のグルコース濃度アナライザを用いて、集められた。さらに、非侵襲性のスペクトルは、20 分毎に、未処理およびフォトニックに処理されたサンプル部位からのサンプルを代表する各前腕から、集められた。被験者の半分は、彼等の左腕がフォトニック刺激を用いて、処理され、かつ半分は、彼等の右腕が処理された。
【0118】
6人の被験者の各々に対して、非侵襲性のスペクトルは、較正モデルを用いて、分析される。モデルは、スペクトル前処理ルーチン、外れ値分析モジュール、および多変量解析モジュールを含む。スペクトル範囲は、1200 〜1800 nmである。6人の個人の各々の未処理のサンプル部位から集められた非侵襲性のスペクトルから結果として生じるグルコース予測は、それらの対応する侵襲性の参照グルコース濃度決定と共にオーバーレイされる、図5。2 から 5の被験者に対して、非侵襲性のアナライザを使用した予測されたグルコース濃度は、明らかに、参照グルコース濃度に対して、それらの全体のグルコース範囲において、減衰される。1 から 4の被験者および6の被験者は、明らかに、参照グルコース濃度から時間が遅れる予測されたグルコースプロフィールを有する。このことは、十分に潅流されないサンプリング部位でグルコース濃度を有すること一致し、かつ指先のような十分に潅流される参照グルコース領域に対して、減衰される、および/または時間が遅れるグルコースプロフィールになる。
【0119】
6人の個人の各々の処理されたサンプル部位から集められた非侵襲性のスペクトルからの、結果として生じるグルコース濃度予測は、それらの対応する侵襲性の参照グルコース決定と共に、オーバーレイされる、図6。1〜 3、5および6の被験者に対して、非侵襲性のアナライザを使用した、予測されたグルコース濃度は、参照グルコース濃度を、接近して、トラッキングする。被験者 4 は、最初のうち、トラッキングし、後で、それらに対応する参照グルコース濃度に対して、減衰する、予測されたグルコース濃度プロフィールを有する。これらの結果は、サンプリング部位の光刺激処置が指先および前腕サンプル部位間のグルコース濃度を等しくすることに一致している。さらに、この均一化は、全 4 時間テスト期間にわたって、被験者の一人を除く全員に存続した。
【0120】
光刺激は、上記研究において観察され、十分に潅流されないサンプル部位および十分に潅流される参照部位間のグルコース濃度の平衡化をもたらす。再び、その光刺激は、2つの身体区画においてグルコース濃度の平衡化を導いた血管拡張をもたらす。非侵襲性のグルコース濃度モデルは、その時、参照グルコース濃度と相関するグルコース濃度を実際に有した領域をサンプリングする非侵襲性のアナライザにより、より正確にグルコース濃度を予測することができる。
【0121】
上記研究において、光刺激は、30 分 間、3つの LEDを用いて、毎日の期間の開始で、行われる。結果として生じる血管拡張は、数時間の期間の間、サンプリング部位の増加された灌流となる。追加のデータは、単一のLEDが同じ血管拡張結果をもたらすことを示す。故に、1つのLEDは、非侵襲性のグルコースアナライザがさらに正確なグルコース濃度を予測する程度に、グルコース濃度を等しくするのに十分である。オプションとして、光刺激は、周期的に、一日の開始ちょうどではなく、一日のような、所定のテスト期間を通して、行われる。例えば、光刺激は、一日の第一のサンプル前に、その日の各サンプルと共に、またはその日の間の周期的間隔で、使用される。各間隔の刺激の持続時間は、一定のまたは可変の何れかの時間期間である。例えば、その日の第一の光刺激持続時間は、サンプル部位のその後の処置より長いことが好ましい。
【0122】
代替実施例
本発明の代替実施例は、代替侵襲性のまたは従来の侵襲性のグルコース濃度決定とも組み合わせた光刺激の使用を含む。
【0123】
本発明は、代替侵襲性のグルコース決定のサンプリングおよび/または測定技術と組み合わせて、灌流を誘発するために、光刺激の使用を含むことが好ましい。しかしながら、技術は、彼等の手足に不十分な循環を有する糖尿病患者のような被験者における従来のサンプリング部位に対して有益である。
【0124】
背景のセクションで述べたように、複数のアプローチは、代替侵襲性のグルコースアナライザを用いた分析より前に、代替サンプリング部位でグルコース濃度を等しくしようとするために、使用される。これらのプレサンプリング技術は、加熱、摩擦、および負圧による引張りを含んでいた。本発明は、本明細書において、これらの技術の任意に対して、代替の光刺激を含む。
【0125】
本明細書内に記載された光刺激は、代替侵襲性のグルコースサンプリングおよび決定技術と組み合わせた使用を含む。いくつかの特有の実施例が、続く。これらの特有の実施例が、類の種であることが意図され、かつさらに大きな技術の例証となることに留意されたい。
【0126】
具体例7
ハンドヘルドの光刺激装置は、代替侵襲性のサンプリングおよび/または分析技術と併用して、使用される。
【0127】
ハンドヘルドのデバイス用の光刺激放射源は、本明細書の他のところで記載されている通りである。例えば、1つ以上の 890 nm LEDは、サンプルに供給されるフォトンを提供するために、バッテリにより電源が供給される。その後、フォトンは、吸収されサンプル部位の増加された灌流をもたらす。電源、放射源、およびオプションの光学部品は、ハンドヘルドの照明装置に一体化される。デバイスは、オプションとして、デバイスをオンまたはオフにする手段を含む。デバイスは、代替侵襲性のグルコース決定より前におよび/または間に光刺激するために、使用される。
【0128】
ハンドヘルドのデバイスの代替実施例において、他の光刺激放射源は、本明細書に記載されている様に、使用される。例えば、放射源は、1つ以上のLED、広帯域の放射源、ロングパス、ショートパス、またはバンドパス光学部品とカップリングされる広帯域の放射源、レーザ、およびダイオードレーザを含む。
【0129】
具体例8
侵襲性のグルコース決定は、光刺激の使用と組み合わせられる。光刺激装置は、ガイドに組み込まれる、またはロックおよびキーのガイドメカニズムの半分として作られる。例えば、1つ以上の 910 nm LEDは、1つ以上のバッテリと共にプラグに組み込まれる。プラグは、ガイドに、交換可能に取り付けられる。ガイド自体は、サンプリング部位にまたは近傍に、交換可能に取り付けられる。
【0130】
光刺激装置は、光刺激装置が非侵襲性のグルコースアナライザにカップリングされた、実施例において記載されるオプションである。例えば、光刺激装置は、連続して動作し、ユーザにより作動されるように、予め設定されたデューティサイクルを有し、作動されたモーションであり、またはサンプリング部位近傍に配置される時、磁場のような手段により作動されるように、構成される。
【0131】
光刺激装置およびその使用方法の考慮事項は、電力消費、サイズ、コスト、安定性、サンプル部位に対する位置合わせの正確さ、サンプル部位に対する位置合わせの精度、および寿命を含む。
【0132】
上記のように、光刺激装置は、オプションとして、1つ以上の放射源エレメントまたは放射源のアレイを有する。光刺激装置は、フリースペース、移動する、または 固定された光学部品により、サンプル部位にカップリングされる。
【0133】
光刺激は、サンプリング部位でまたは近傍で、行われる。故に、光刺激が、サンプリングが行われる時と異なる時間期間で行われる場合、サンプリングが光刺激部位でまたは近傍で生じるように、位置決定手段を有することは、重要である。非侵襲性の実施例において記載される手段は、本明細書において、適応可能であろう。例えば、位置決定手段は、直接的な測定、記憶、サンプル特徴に対する距離を含む、またはサンプル特徴に対する相対的な距離が、使用される。さらに、交換可能に取り付けられるガイドは、以下に記載されるように、使用可能である。侵襲性または半侵襲性のグルコース決定の場合、そのガイドが、長時間にわたって、サンプリング部位に残される必要はないことは、留意されるべきである。それは、ガイドを置き、そのガイドと関連した位置で光刺激し、刺激された位置でサンプリングし、およびそのガイドを取り除くのに十分である。一般的に、非侵襲性のグルコース決定において、ガイドは、一連のグルコース濃度決定の間、残されるであろう。
【0134】
好ましいサンプリング部位は、前腕、手首エリア、上腕、胴、腿、および耳を含む。光刺激は、オプションとして、指先、親指の付け根、足の裏領域、またはつま先のような位置での従来のグルコース分析より前に、使用される。このことは、血液の従来のサンプリングが困難である、循環問題を有する糖尿病患者に対して、有益である。増加された灌流は、集められおよび/または使用される十分な血液体積のために、より小さいランセットおよびより短い進入深さを可能にする。
【0135】
非侵襲性の実施例におけるように、光刺激は、各サンプリング期間より前に、連続して、デューティサイクルを用いて、手動でコントロールされる形態で、セットタイマを用いて、または部位の近傍で自動的な作動により、使用される。
【0136】
侵襲性のグルコース濃度決定方法と組み合わせた光刺激の使用は、複数の利点を有する。第一に、この組み合せは、従来の指先グルコース濃度決定と比較した時、さらに正確なグルコース濃度決定を可能にする。第二に、減少された遅延時間は、侵襲性のメーターを低血糖症の決定においてさらに有効にする。第三に、減衰の減少は、血糖上昇時において、グルコースの極値のさらに正確な決定を可能にする。第四に、光刺激は、グルコース濃度が急激に変化している、例えば、2 mg/dL/minを超えている間、グルコース濃度分析を可能にする。
【0137】
(加熱)
光刺激は、加熱、摩擦、および局部的な真空による引張りのような、本明細書において記載された平衡化技術を置き換えることを意図される。しかしながら、これらの技術と組み合わせて光刺激を使用する利点があることは、認識される。
【0138】
光刺激は、サンプル部位の灌流を強化するために、加熱と併用して使用される。この組み合わされた灌流強化は、次に、上記好適な実施例において記載されたよう非侵襲性または代替侵襲性の技術が続く。
【0139】
いくつかの放射源は、非侵襲性と代替部位サンプリング方法論両方に対して、グルコース分析より前のサンプリング部位加熱の利点を教示した。サンプリング部位を加熱するいくつかの利点は、局在化された循環を強化する毛細血管の拡張とスペクトルバリエーションを最小にするサンプリング部位の温度の安定化を含む。フォトニック刺激と組み合わせて使用される加熱は、フォトニック刺激および加熱の利点となる。加熱は、放射または伝導である場合がある。例えば、サンプリングされる部位の近傍に配置される加熱エレメントは、加熱を提供する。この加熱エレメントは、オプションとして、フィードバックセンサによってコントロールされる。 非特許文献23を参照されたい。さらに、加熱は、フォトンの吸光度を介して、行われる。以下に記載されるように、異なる波長の光は、波長の関数としてフォトンの進入深さに起因する、サンプル部位の異なる層を優先的に加熱するために、使用される。
【0140】
多くの放射源は、広帯域の放射性放射源、フィルタによって1つ以上のスペクトル領域に制限された広帯域の放射源、グロー・バー(glowbar)、LED、レーザダイオード、およびレーザを含むフォトニック加熱を提供するために、使用される。例えば、タングステンハロゲン光源は、光を1つ以上の領域を有するサンプル部位に送るために、1つ以上のロングパス、ショートパス、またはバンドパスフィルタとカップリングされる。
【0141】
好ましくは、吸光度を介して異なる組織層を加熱することは、可能である。このことは、他のサンプル深さでの必要以上の加熱と関連する干渉無しに、好ましいサンプリング深さでの加熱に起因する毛細血管の拡張をもたらすことが可能である。このことは、照らされた部位の散乱および吸光度係数に基づいて、いくつかの波長がさらに身体内に貫通する時、可能である。故に、入射光の波長の適切な選択は、優先的に、吸収されおよびしたがって、異なる皮膚深さを異なる効率で加熱する。例えば、中赤外 (2500〜14,258 nmまたは4000〜 700 cm-1) 光は、これらの波長範囲内の水の強い吸光度に起因して、皮膚表面の最初の数ミクロン内で、吸収される。組み合せ帯域光(2000 〜2500 nm)は、優先的に、皮膚内で、吸収され、結果として、より深い深さの約 1-2 mmでの加熱となる。第一のオーバートーン (1450〜1950)、第二のオーバートーン (1100〜 1450)は、優先的に、それぞれ水の吸光度に起因する、深さ1 〜 5および深さ4 〜 10 mm で吸収する。治療用ウインドウ光(window light)は、貫通し、およびより深い深さで、加熱するが、サンプルの散乱特性により、大きく影響を与えられる。可視光は、大きく散乱され、結果として広範囲の深さでの加熱となる。波長の1つの適切な範囲または複数の範囲の選択は、1つ以上の深さでの優先的な加熱をもたらすことが可能である。
【0142】
(差の測定)
代替実施例において、光刺激に関して差の測定が行われる。より詳細には、時間的および/または空間的差の測定が、行われる。差の測定は、分光学おいて、ノイズレベルに対する信号を強化するために、または状態の差を決定するために、しばしば行われる。
【0143】
時間的差の測定は、光刺激の前、間、および/または後に、分析を実行することにより行われる。一般的に、ベースラインの読みが、行われる。例えば、非侵襲性のスペクトルが、得られる。光刺激は、次に、行われる。第二の非侵襲性のスペクトルは、次に、得られる。多くの計量化学のアプローチは、次に、この2つのスペクトルを使用する。一般的に、これらの技術は、バックグラウンド情報を取り除くための、またはノイズレベルに対する被分析物信号を強化するための、減算または割合決定である。例えば、ノイズレベルに対する、グルコース、酸素、または尿素の信号は、強化される。これに代えて、差の測定は、サンプル部位上の光刺激の影響を決定するために、使用される。
【0144】
空間的差の測定は、2つの部位で分析を実行することにより、行われる。一方の部位は、光刺激により、処理され、かつ他方の部位は、未処理のままにされる。一般的に、両方の分析は、同時に、或いは数秒または数分以内のような近い時間で、行われる。例えば、ベースラインの読みは、未処理の部位で、行われる、かつサンプリングの読みは、処理された部位で、行われる。例えば、分光学において、参照スペクトルは、未処理の部位で、集められ、かつサンプルスペクトルは、処理された部位で、集められる。追加の計量化学のアプローチが、使用可能であるにもかかわらず、一般的に、これらのスペクトルは、一方の別のものから減算され、かつノイズレベルに対する被分析物の信号を強化するために、比率で表される。例えば、ノイズレベルに対する、グルコース、酸化レベル、または尿素の信号は、強化可能である。
【0145】
(代替被分析物決定)
代替実施例において、光刺激は、非侵襲性の尿素、コレステロール、血液ガス、酸素、またはpH決定と組み合わせて、使用される。尿素濃度およびpHの非侵襲性の決定は、本文献に、開示されている。本明細書および本文献に記載される、グルコース濃度決定のために使用される非侵襲性の技術は、使用可能である。尿素、血液ガス、コレステロール、およびpHのための波長領域は、開示されている。特許文献18;特許文献19;特許文献20;特許文献21;および特許文献22参照されたい。
【0146】
(ロックおよびキーエレメント)
本発明の多くの実施例において、ガイドが使用される。以下の説明は、ガイド、ガイド配置、およびガイド使用を記載する。本明細書に記載されるロックおよびキー(ガイド)のメカニズムの実施例および方法は、上記実施例に適応可能である。
【0147】
(ロック(ガイド))
ガイドは、サンプル部位に、交換可能に取り付け可能である。このガイドは、ロックおよびキーメカニズムの半分である。すなわち、アタッチメントは、交換可能に、ガイドに取り付けられる、またはガイドに挿入される。複数のガイド(ロック)構成が存在し、かつ複数のアタッチメント(キー)が存在する。これらの多くは、すでに、本明細書にその全体を参照として全て組み込まれている、特許文献8;特許文献23; および特許文献24に記載されている。本明細書に記載されている、光刺激装置実施例は、任意の上記のガイドエレメントに取り付ける。さらに、いくつかの関連するガイド構成は、本明細書に、記載される。
【0148】
ガイドの形をサンプル部位の構造にマッチングさせることが、その後の光学サンプリングの精度を増加させることは、確認されている。例えば、腕サンプリング部位は、円周または曲率半径に関して、個人の間で変化する。腕サンプリング部位のケースに対して、腕が痩せているほど、最適のガイドの曲率半径がより小さい。曲率半径6.0インチ、4.5 インチ、および3.0インチのオプティカルフラットを有するガイドが、使用されている。サンプル部位でのガイド表面は、平らとすることが可能である。従って、ガイドの一実施例は、前腕のようなサンプルとインターフェースする、面によりサンプル部位近傍で平らとなるように改良された円筒の外側面の形を有する表面を有することになる。
【0149】
ガイドエレメントの中心的な特徴は、すなわち、ロックおよびキーの組み合せの半分を構成することである。すなわち、ロックおよびキーエレメントの他方の半分を復元可能な位置に復元可能にガイドする表面が存在する。この場合、ロックエレメントは、ガイド内にあるが、これに代えて、それは、アタッチメント内にある。この場合、ロックエレメントは、各々が丸みのある形を有する、2つの対抗する面を有する略矩形の、ガイド内の穴である。矩形の形は、回転位置合わせを制限する。ガイドは、回転自由度を有さないことが好ましいであろう。例えば、図示されたガイドは、180 度のみ回転可能である。この回転自由度は、丸い両端部の一方を平らにすることにより、解消可能であろう。多くのロックエレメント形は、すでに、使用されている。具体例は、実質的に、好ましくは、回転自由度を防ぎながら、復元可能なポジショニングを提供する、任意の幾何学的に形作られた穴または(必ずしも穴でない)任意の形含む。示された特定のガイドエレメントにおいて、オプションの追加の穴またはくぼみ(divot)は、描かれる。これらの機能は、主として、重さを減少し、サンプリング部位上のひげマーク(sink mark)のような表面異常を最小にすること、およびガイドのねじり自由度を制限しながら、強さを維持することである。これらのガイド上に描かれた追加のオプションのコンポーネントは、磁石である。磁石は、接触力をコントロールし、および/またはロックおよびキーメカニズムの位置合わせにおいて、補助するために、使用される。描かれたガイドにおいて、オプションの対抗する棒磁石は、また、プラグ内に配置される。その対の磁石の、その対の半分は、シートメタルまたはステンレス鋼のような金属材料であることが可能であろう。このことは、コストおよび/または重さを減少するために、行われる。
【0150】
ガイドは、バンド、ストラップ、ベルクロを含む複数の手段を用いて、または優先的に、両面接着剤を用いて、サンプリング部位に取り付けられる。一般に、接着剤は、サンプリング部位に、確実に配置され、次に、ガイドは、目視で、接着剤に位置合わせされる。このシーケンスは、サンプリング部位からの接着剤の分離イベントを減少する。オプションとして、接着剤は、ガイドに取り付けられ、そして、その対が、ユニットとして、サンプリング部位に接触するように、配置される。このことは、接着剤に対するガイドの位置合わせを容易にする。ガイドおよび接着剤は、サンプリング部位に、半永久的におよび除去可能に、取り付けられる。ガイドは、一般的には、同じ場所に、目覚めている一日のようなサンプリング期間の残りの間、または4または8時間のようなデータ収集期間の長さの間、残される。
【0151】
オプションの中間層またはガイド拡張は、ガイドおよびサンプリング部位に取り付けた両面接着剤の間に、使用される。事実上、これは、酢酸塩のような半可撓性材料である。この材料は、ある可撓性により、サンプル部位の皮膚が伸びることを可能にする。このことは、被験者の動きによる過渡サンプリングを減少する。逆に、トルゴール(turgor)が不十分な被験者において、その皮膚は、あまりにも、伸張しすぎるので、プラスチックフィルムのようなより硬いインサートが、オプションとして、使用される。
【0152】
ガイドは、優先的に、ポリカーボネートまたはポリウレタンのような、熱可塑性物質から形成される。しかしながら、多くの材料は、当業者に明らかであろう。ガイドが、サンプリング部位(時には、中間接着剤)と接触しているので、ガイドの熱特性は、重要となる。一般的に、ガイドは、サンプリング部位温度勾配を減少するように、非熱伝導性である。しかしながら、幾つかのケースにおいて、熱がサンプル部位にまたはサンプル部位から流れる時、望ましいような熱的伝導性のガイドが、優先的に選択される。ガイド材料は、生体適合性であるべきである。
【0153】
ガイドは、オプションとして、フッ化ポリマー、フルオロ化合物、フルオリナート、FC-40、FC-70、または等価物のような媒体にマッチングする屈折率の使用を通して、サンプリング部位に光学的にカップリングされる。
【0154】
(キー(アタッチメント))
ガイドロックおよびキーメカニズムの他方の半分は、本明細書において、ガイドエレメントに対するアタッチメントと称される。プラグ、フォトニック-刺激装置、および小型化された放射源を含む、いくつかのアタッチメントは、すでに記載された。各アタッチメントのキー特徴は、それらが、各々、ガイドエレメントと併用して使用されるロックおよびキーメカニズムの第二の半分を有することである。再び、これは、ガイドに関するアタッチメントの復元可能なポジショニングの助けになる。特に、任意の曲率のガイドは、4つのアタッチメントの何れかと共に、使用可能である。
【0155】
ガイド内に配置されるフォトニック-刺激装置の追加の実施例は、ここに、提供される。フォトニック-刺激装置アタッチメントは、ガイドにカップリングされて、図7に示される。図示されたこの実施例において、ガイド 70 は、プラグ 71にカップリングされる。プラグは、回路基板と共に、3つの LEDを含む。電源は、補助バッテリまたは電源パックを介して供給される。電源は、プラグに一体化される。この具体例において、磁石は、ガイドおよびプラグ間の、故に、LEDを含むプラグおよびサンプル部位間の復元可能な位置合わせを容易にするために使用される。
【0156】
フォトニック-刺激装置アタッチメントは、プラグの多くの利点または特性をもたらす。フォトニック-刺激装置アタッチメントは、オプションとして、吸蔵によるサンプリング部位の水和、物理的摂動からサンプリング部位の保護、汚染からサンプリング部位の保護、ガイドの位置合わせ、および腕時計、指輪、またはグラフィカルシンボルのような美的外観を可能にすることの、少なくとも1つを達成するために、プラグとして使用される。
【0157】
しかしながら、フォトニック-刺激装置の主要な機能は、本明細書に記載されている様に、局在化された灌流を増加することである。異なる身体区画におけるグルコース濃度の差および非侵襲性のグルコース較正、メンテナンス、および予測に対するこの差の重要性は、本明細書にその全体を参照として組み込まれている特許文献1に詳細に示される。
【0158】
好適な実施例において、フォトニック-刺激装置は、図示されるように、ガイドに嵌め込まれたアタッチメントに組み込まれる。代替実施例において、LEDは、アタッチメントがガイド内に配置される時、自動的に、オンにされる。この場合、ガイド内の銅インサートは、アタッチメントの金属ピンとの接触を完成する。バッテリは、フォトニック-刺激装置ガイド内に配置される。オプションで、アタッチメントは、放射源を手動で電源オン/オフにするためのボタンまたはスイッチを備えて、構成される。オプションで、LEDに対する電源は、以下に記載されるように、小型化された放射源アタッチメントのために、ベースのモジュールからアタッチメントまで供給される。
【0159】
別の実施例において、迅速な交換および復元可能な配置のために、様々なガイドおよび様々なアタッチメントのロックおよびキーメカニズムの共通性が存在する;例えば、プラグ、フォトニック-刺激装置、およびサンプル部位に対する小型化された放射源。さらに、そのことは、フォトニック-刺激装置または小型化された放射源アタッチメントが、参照ガイドに対して、素早くおよび復元可能に位置合わせされることを可能とする。
【0160】
(グルコース均一化のための光刺激)
複数のオプションのエレメントは、間接的なグルコース決定のために、サンプリング精度を増加するために、および正味の被分析物信号を増加するために、サンプリングモジュールおよび/またはガイドに組み込まれる。これらのオプションのエレメントは、好ましくは、以下に記載されるベースのモジュールおよび接続ケーブルを通して、電力が供給されるが、これに代えて、バッテリで動作させられる。均一化アプローチは、フォトニック刺激、超音波前処理、機械的刺激、および加熱を含む。特に、サンプリングされる部位および動脈または指先の毛細血管床のような十分に-潅流される領域間のグルコース濃度の平衡化は、要求されない。2つの領域間のグルコース濃度の差の最小化は、その後のグルコース濃度決定の助けとなる。
【0161】
ガイドは、オプションとして、毛細血管拡張を誘発するために公知である、約890 nmのフォトニック刺激を提供する、LEDを含む。この技術は、毛細血管血液グルコース濃度のそれらと代替部位グルコース濃度の平衡化の助けとなるように、使用される。血管拡張およびそのことによる代替部位に対する血流割合を増加することにより、質量移動速度および組織における血液グルコース濃度差に関するそれらの効果の制限する性質が、最小にされる。結果として生じる効果は、指および代替部位血液グルコース濃度間の差を減少することである。好適な実施例は、腕ガイド内へのアレイセットに、(公称)890 nm のLEDを使用する。腕ガイド内に埋め込まれる制御電子装置、リモートである。このLEDは、また、それらが組織インターフェースで先端部を感知するプローブ内に設置される、連続のモニタリングアプリケーションにおいても、使用可能である。励起刺激のために要求される期間に起因して、890 nm のLEDは、通信バンドルが使用されない時、LED が電源を有するように、好ましくは、ガイド内で、充電式バッテリにより電力が供給される。
【0162】
ガイドは、オプションとして、超音波エネルギーをサンプル部位内に供給することができる装置を含む。再び、この技術は、灌流および/または血流刺激することにより、毛細血管血液グルコース濃度と代替部位グルコース濃度の平衡化の助けとなるように、使用される。
【0163】
ガイドは、オプションとして、スペクトルデータ取得より前にサンプリングされる部位の機械的な刺激を提供する装置を含む。1つの具体例は、連続のまたはデューティサイクル形態で、皮膚表面に対して約5〜 50μmの距離の、パルスとは異なる出力の圧電性変調器である。
【0164】
ガイドは、オプションとして、ストリップヒータまたはエネルギー伝達パッドのような、加熱および/または冷却エレメントを含む。加熱は、グルコース区画平衡化の1つのメカニズムである。これらのエレメントは、ターゲット温度をマッチングする、血液の局所的な灌流を操作する、発汗を回避する、および/または様々な組織区画間の流体の分布に変更を加えることにより、使用される。
【0165】
具体例9
フォトニック刺激は、従来のフィンガースティクグルコース決定のそれに対する好適なサンプリング部位でのグルコース濃度に関する効果のために研究される。本研究の目的は、毛細血管ベースの指先グルコース濃度および前腕測定部位でのグルコース濃度間の時間のずれを減少するまたは解消することである。
【0166】
本研究においてテストされた各被験者に対して、侵襲性のスティックメータを使用するグルコース測定は、グルコース偏位の間、20 分 毎に、2つの反対に位置する前腕部位から、および従来の指先部位から、得られた。一方の前腕部位は、890 nm の光刺激を用いて、前処理された。光刺激を受けた部位は、未処理の部位と比較して、指先参照グルコース濃度と、より大きな相関を有することが観察される。光刺激を受けた部位は、未処理の部位より少ない時間のずれ、およびより少ない減衰を有する。このことは、光刺激を受けた部位がより良くに潅流されていることを示す。
【0167】
フォトニック-刺激装置は、FDA認可済みのデバイスが、光刺激のためにその波長を使用して、認可されたので、好ましくは、約 890 nm の光を使用する。しかしながら、認可されたデバイスは、単色光の波長刺激に基づいている。報告されたメカニズムが、光エネルギーがヘモグロビンにより吸収されることで、開始されるので、より広い範囲のフォトン波長は、同じ効果を生じる。例えば、利用可能である励起の波長は、ヘモグロビンが吸収する波長を含む。近赤外 (700 〜 2500 nm)範囲内で、変化する波長は、主として、異なるレベルでの水に起因して、身体内で、吸収される。故に、組織内の異なる深さで光を集中させる、波長選択は、使用可能であろう。例えば、 1100 〜1300、1500 〜 1800、2100〜 2300、および 1400 〜 1450 nm からの光は、それぞれ、約 10、3、1、および 0.5 mm水の中に貫通する。これらの領域の範囲内の1つ以上の波長は、使用される。これに代えて、複数の波長の使用は、広帯域の放射源と組み合わせたロングパス、ショートパス、またはバンドパスフィルタを用いて、達成される。
【0168】
この実施例において、フォトニック-刺激装置は、図8に示されるように、ガイドに嵌め込まれたアタッチメントに組み込まれる。このデバイスの図において、LEDは、アタッチメントがガイド内に配置される時、自動的に、オンにされる。この場合、ガイド内の銅インサートは、アタッチメントの金属ピンとの接触を完成する。バッテリは、フォトニック-刺激装置ガイド内に配置される。オプションで、アタッチメントは、放射源を手動で電源オン/オフにするためのボタンまたはスイッチを備えて、構成される。オプションで、LEDに対する電源は、以下に記載されるように、小型化された放射源アタッチメントのために、ベースのモジュールからアタッチメントまで供給される。
【0169】
代替実施例において、小型化された放射源アタッチメントは、ガイドにカップリングされて、図9 に示されている。小型化された放射源アタッチメントは、プラグの多くの利点または特性をまもらす。小型化された放射源アタッチメントは、吸蔵によるサンプリング部位の水和、物理的摂動からサンプリング部位の保護、汚染からサンプリング部位の保護、ガイドの位置合わせ、および腕時計、指輪、またはグラフィカルシンボルのような美的外観を可能にすることの、少なくとも1つを達成する、プラグとして、使用される。しかしながら、小型化された放射源アタッチメントの主要な機能は、非侵襲性のグルコースアナライザの皮膚までおよび/または皮膚から放射源エレメントおよびガイド光学部品を提供することである。非侵襲性のグルコースアナライザの部分としてガイドにカップリングされた小型化された放射源アタッチメントは、本明細書にその全体を参照として組み込まれている、特許文献15に、詳細にわたって記載される。これに代えて、サンプリングモジュールからベースのモジュールへ通信バンドルを通した電源は、フォトニック刺激放射源に電力を供給するために、使用される。オプションとして、小型化された放射源アタッチメントは、フォトニック刺激のために、使用される。
【0170】
参照ガイドは、オプションとして、上記の小型化された光放射源アタッチメントに合わせていくつかのポイントで取り付けられる。この構成において、ガイド/アタッチメントのロックおよびキーの側面は、小型化された放射源に対して参照材料を光学的に位置合わせするために、使用される。上記の様々なガイドおよび様々なアタッチメントのロックおよびキーメカニズムの共通性は、プラグ、フォトニック-刺激装置、およびサンプル部位に対する小型化された放射源の迅速な交換および復元可能な配置を可能にする。さらに、その設計は、フォトニック-刺激装置または小型化された放射源アタッチメントが、参照ガイドに対して、素早くおよび復元可能に位置合わせされることを可能とする。このことは、例えば、小型化された放射源が、参照からサンプル部位に、素早く移動されることを可能とする。当業者が認識するであろうように、このことは、単一ビーム強度スペクトルの吸光度への変換のような目的のために参照(波長および/または強度)スペクトルを集めるために、および較正を継続する、または変更するために、重要である。
【0171】
代替実施例において、光刺激は、侵襲性のグルコース濃度決定を強化するために、使用される。より詳細には、本明細書に記載される光刺激は、前腕、上腕、腿、および皮膚のような代替部位身体区画において、局在化された血流を増加するために、使用される。
【0172】
代替部位の位置で行われた、侵襲性のおよび半侵襲性のグルコース決定は、しばしば、従来のフィンガースティックグルコース濃度と異なるグルコース濃度になる。例えば、被験者が炭化水素を摂取する場合、それらのグルコース濃度は、時間の関数として、最初に、増加し、次に、減少する。最初のうち、増加し、その後、減少する、代替部位で観察されるグルコース濃度プロフィールは、従来の指を刺すグルコース濃度決定に対して、しばしば、減衰し、および/または遅れる。侵襲性のまたは半侵襲性の決定より前に代替部位での光刺激の使用は、領域が、動脈、静脈、および指先のような従来の測定部位を循環している血液にさらによく似ている血液で、潅流されることを可能にする。サンプリングされるエリアの状態の変化は、侵襲性のまたは最小侵襲性の技術が、従来のサンプリング部位にさらによく似ている、組織および/または血液に作用を及ぼすことを可能にする。故に、観察されたグルコース濃度は、従来のグルコース決定のそれらを、さらに近接してトラッキングする。上記具体例において、減衰および/または時間のずれは、減少される。
【0173】
特に、光刺激は、光刺激を受けた体積でまたは近傍で、組織/血液の状態を変更する。故に、たんぱく質、脂肪、イオン、尿素、およびグルコースのような血液構成成分は、全て、身体の実際の濃度をさらに近接してトラッキングするであろう。故に、光刺激は、他の血液/組織サンプリング技術に関するサンプリング技術に影響を与える。特定の具体例は、非侵襲性の尿素決定である。
【0174】
本発明は、好適な実施例に関して本明細書に記載されているが、当業者は、他のアプリケーションが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載したアプリケーションに代えることができることは、容易に理解できるであろう。したがって、添付の請求の範囲によってしか制限されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】指先参照プロフィールに対する、前腕グルコース濃度プロフィールにおける減衰および時間のずれを示すグラフである。
【図2】本発明による、光刺激を受けないサンプル部位と比較して、光刺激を受けた部位と参照指先サンプル部位間のグルコース濃度プロフィールにおける改善された相関を示すグラフである。
【図3】本発明による、光刺激を受けた部位で行われた非侵襲性のグルコース濃度決定が、さらに高い正確さで、毛細血管血液グルコース濃度に対する代替部位血液グルコース濃度を予測することを示すグラフである。
【図4】本発明による、毛細血管グルコース参照濃度に対する、光刺激を受けた部位からの非侵襲性のグルコース濃度予測を示すグラフである。
【図5】6人の被験者に対する、指先参照グルコース濃度に対する、非侵襲性のグルコース濃度アナライザを使用した未処理の部位からの予測を示すグラフである。
【図6】本発明による、6人の被験者に対する、指先参照グルコース濃度に対する、非侵襲性のグルコース濃度アナライザを使用した処理された部位からの予測を示すグラフである。
【図7】本発明による、ガイドにカップリングされたLEDプラグアタッチメントを示す線図である。
【図8】本発明による、半径4.5インチの曲率ガイドを有するプラグにカップリングされた、LEDアタッチメントを示す線図である。
【図9】本発明による、半径6.0インチの曲率ガイドにカップリングされた小型化された放射源アタッチメントを示す線図である。
【符号の説明】
【0176】
70 ガイド
71 プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該サンプル部位の灌流を強化するために、少なくとも1つのサンプル部位でまたは近傍で第一波長で光刺激を使用するステップであって、サンプル構成成分が、さらに十分に潅流される身体領域における対応する血液または組織 構成成分濃度を、さらに正確におよび/または精度良くトラッキングするステップと;
当該第一波長とは異なる第二波長で行われた測定に基づいて被分析物濃度を決定し、当該測定が当該光刺激を受けた部位でまたは近傍で行われるステップとを
有する身体被分析物の濃度を決定する方法。
【請求項2】
当該サンプル部位が、人の前腕、手首エリア、上腕、胴、腿、および耳の何れかを有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該決定するステップが、侵襲性、最小侵襲性、および非侵襲性の何れかである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
当該決定するステップが、直接的および間接的の何れかである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
当該決定するステップが、インピーダンス、クロマトグラフィ、電気化学的、および分光学的技術の何れかに基づく請求項1に記載の方法。
【請求項6】
当該被分析物が、血液のまたは血液構成成分の前記濃度をトラッキングする被分析物の構成成分の何れかを有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
当該被分析物が、グルコース、トリグリセライドまたはコレステロールの種類のような脂肪、アルブミンまたはグロブリンのようなたんぱく質、尿素、ビリルビン、およびNa+、Ca2+、およびK+または様々なキレートのような電解質の何れかを有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
当該第一波長の範囲が700 〜1000 nmである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
当該第二波長の範囲が1100 〜2500 nmである請求項1に記載の方法。
【請求項10】
身体被分析物の濃度決定に続く、サンプル部位でまたは近傍でのフォトニック刺激のための装置であって:
サンプル構成成分が、さらに十分に潅流される身体領域における対応する血液または組織構成成分濃度を、さらに正確におよび/または精度良くトラッキングする、当該サンプル部位でまたは近傍で灌流を強化するための第一波長で作動するフォトニック放射源と;
当該第一波長とは異なる第二波長で行われた測定に基づいて被分析物濃度を決定し、当該測定が当該光刺激を受けた部位でまたは近傍で行われる手段とを有する装置。
【請求項11】
当該フォトニック放射源が、LED、広帯域の放射源、レーザ、ダイオードレーザ、および超連続放射源の何れかを1つ以上有する請求項10に記載の装置。
【請求項12】
当該放射源が、約 890および910 nmの何れかで刺激を提供する請求項10に記載の装置。
【請求項13】
当該放射源が、カップリングする分子構造のピーク吸光度近傍の波長で刺激を提供する請求項10に記載の装置。
【請求項14】
当該放射源が、強化された灌流を誘発するために、加熱を超えた二次的作用を刺激する請求項10に記載の装置。
【請求項15】
当該放射源が、少なくとも1つ光学フィルタと共に使用される広帯域の放射源を有し;
当該光学フィルタが、1つ以上の スペクトル領域を分離する、1つ以上のロングパス、ショートパス、またはバンドパスフィルタを有する請求項10に記載の装置。
【請求項16】
当該放射源が、個々のエレメントの何れかとして、複数のエレメントとして、またはアレイとして構成される請求項10に記載の装置。
【請求項17】
当該放射源が、1つより多い範囲の波長を提供する請求項10に記載の装置。
【請求項18】
当該放射源が、照射エレメントの種の混合を有する請求項10に記載の装置。
【請求項19】
反射器、レンズ、拡散器、およびファイバオプティクスの何れかの単独または組み合せを有する、当該サンプル部位でフォトンの前記フラックスを最適化するための1つ以上のカップリング光学部品をさらに有する請求項10に記載の装置。
【請求項20】
当該サンプル部位に対して当該フォトニック放射源間のインターフェースをさらに有する請求項10に記載の装置。
【請求項21】
当該インターフェースが、フリースペース・オプティクスおよびカップリング光学部品の何れかを有する請求項20に記載の装置。
【請求項22】
当該第二波長の範囲が1100 〜2500 nmである請求項10に記載の装置。
【請求項23】
当該サンプリング部位に対する、当該フォトニック放射源からの入射フォトンの位置合わせおよび/または当該サンプリング部位に対する、センサまたはプロービングデバイスの位置合わせのための、交換可能に取り付けられる、ロックおよびキーメカニズムの半分として使用される装置を有するガイドをさらに有する請求項10に記載の装置。
【請求項24】
当該フォトニック放射源が、当該サンプル部位に光学的に取り付けられ、かつ当該フォトニック放射源デューティサイクルが、連続、半連続、またはユーザにより作動される手動の何れかである請求項10に記載の装置。
【請求項25】
グルコースのサンプリングおよび/または測定技術と併用した光刺激のための装置であって:
血液または組織グルコースの濃度が、動脈、静脈、指先、または十分に潅流された身体部位グルコース濃度の何れかのそれを、さらに正確にトラッキングする、当該サンプル部位の灌流を強化するためのサンプル部位でまたは近傍での第一波長での光刺激のためのフォトニック放射源と;
第一波長とは異なる第二波長で行われた測定に基づく侵襲性および非侵襲性の技術の何れかによるグルコース決定のための手段とを有する装置。
【請求項26】
グルコース決定のための当該手段が、放射源、サンプル、導光光学部品、少なくとも1つの検出器、データを前処理するための手段、およびグルコース濃度決定のための多変量解析を使用する手段を有する、非侵襲性のアナライザを有する請求項25に記載の装置。
【請求項27】
当該フォトニック放射源が、ガイド内にカップリングするプラグに一体化されるフォトニック-刺激装置を有する請求項25に記載の装置。
【請求項28】
当該プラグが、少なくとも一日の第一のグルコース決定より前に当該サンプル部位を光刺激するために使用される少なくとも1つ のバッテリ無しの890 nm LEDを有する請求項24に記載の装置。
【請求項29】
当該非侵襲性のアナライザが、
タングステンハロゲン光源、
オプションのバック反射器、および当該サンプル部位より前に少なくとも1つの光学フィルタ、熱ブロッカとしておよび/またはオーダーソーターとして、使用される当該光学フィルタを有する請求項26に記載の装置。
【請求項30】
当該フォトニック放射源が、侵襲性のサンプリングおよび/または分析技術と併用した使用のためのハンドヘルドの光刺激装置を有する請求項25に記載の装置。
【請求項31】
当該サンプリング部位が、前腕、手首エリア、上腕、胴、腿、および耳の何れかを有する請求項25に記載の装置。
【請求項32】
光刺激が、従来のグルコース濃度分析より前に使用され、かつ当該従来の分析が、指先、親指の付け根、足の裏領域、またはつま先の何れかを有する位置である請求項25に記載の装置。
【請求項33】
当該サンプル部位の灌流を強化するために、光刺激と併用して使用のヒータを、さらに有する請求項25に記載の装置。
【請求項34】
当該ヒータが、広帯域の放射性放射源、フィルタによって1つ以上のスペクトル領域に制限された広帯域の放射源、グロー・バー、LED、レーザダイオード、およびレーザの何れかを有する請求項33に記載の装置。
【請求項35】
当該ヒータが、光を1つ以上の領域を有する当該サンプル部位に送るために、1つ以上のロングパス、ショートパス、またはバンドパスフィルタとカップリングされるタングステンハロゲン光源を有する請求項34に記載の装置。
【請求項36】
当該ヒータが、吸光度を介して異なる組織層を加熱するために、構成された請求項34に記載の装置。
【請求項37】
グルコース決定のための当該手段が、時間的および/または空間的差の測定の何れかを有する差の測定を実行するための手段を有する請求項25に記載の装置。
【請求項38】
時間的差の測定が、光刺激の前、間、および/または後に、分析を実行することにより行われる請求項37に記載の装置。
【請求項39】
差の測定が、当該サンプル部位上の光刺激の影響を決定するために、使用される請求項37に記載の装置。
【請求項40】
空間的差の測定が、2つの部位で分析を実行することにより行われ、第一の部位が、光刺激により処理され、かつ第二の部位が、未処理のままにされ、両方の分析が、同時に、または近い時間で、行われる請求項37に記載の装置。
【請求項41】
当該第一波長の範囲が700 〜1000 nmである請求項25に記載の装置。
【請求項42】
当該第二波長の範囲が1100 〜2500 nmである請求項25に記載の装置。
【請求項43】
被分析物サンプリングおよび/または測定技術と併用した、光刺激用の装置であって:
当該被分析物の血液または組織濃度が、動脈、静脈、指先、または十分に潅流された身体部位被分析物濃度の何れかのそれをより正確にトラッキングする、当該サンプル部位の灌流を強化するためのサンプル部位でまたは近傍での第一波長での光刺激のためのフォトニック放射源;および第一波長とは異なる第二波長で行われた測定に基づく被分析物決定のための手段を有する装置。
【請求項44】
被分析物決定用の当該手段が、非侵襲性のグルコース、尿素、コレステロール、血液ガス、酸素、またはpH決定の何れかのための手段を有する請求項43に記載の装置。
【請求項45】
当該フォトニック放射源と関連し、かつ当該サンプル部位に交換可能に取り付けられるロックおよびキーメカニズムをさらに有する請求項43に記載の装置。
【請求項46】
当該ロックおよび当該キーの少なくとも1つが、当該サンプル部位の前記構造に合わせて外形を作られる請求項45に記載の装置。
【請求項47】
当該ロックおよびキーメカニズムが、プラグにカップリングされたガイドを有し、当該プラグが、複数のLEDを有する請求項45に記載の装置。
【請求項48】
当該ロックおよびキーメカニズムが、当該ガイドおよび当該プラグ間の復元可能な位置合わせをもたらす1つ以上の磁石を有する請求項47に記載の装置。
【請求項49】
当該プラグが当該ガイド内に配置される時、当該LEDが、自動的にオンにされる請求項47に記載の装置。
【請求項50】
被分析物決定用の当該手段が、侵襲性の技術を有する請求項43に記載の装置。
【請求項51】
被分析物決定用の当該手段が、非侵襲性の技術を有する請求項43に記載の装置。
【請求項52】
被分析物決定用の当該手段が、最小侵襲性の技術を有する請求項43に記載の装置。
【請求項53】
当該第一波長の範囲が700 〜1000 nmである請求項43に記載の装置。
【請求項54】
当該第二波長の範囲が1100 〜2500 nmである請求項43に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2007−516014(P2007−516014A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533281(P2006−533281)
【出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/015980
【国際公開番号】WO2004/106889
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(503016164)センシス メディカル インク (9)
【Fターム(参考)】