説明

グルタチオン産生促進剤

【課題】天然抽出物を含有するグルタチオン産生促進剤を提供する。
【解決手段】グルタチオン産生促進剤に、ブッチャーブルーム、クスノハガシワ、ヒマラヤンラズベリー、ローズマリー、ジュウヤク、カンゾウ、ガイヨウ、オウレン、アルニカ、ウーロン茶、クジン、オウバク、センブリ、ワイルドタイム、ラベンダー、オタネニンジン、イチョウ、月桃、スターフルーツ、ローヤルゼリー、オウゴン、アロエフェロックス、酵母、ジオウ、シャクヤク、セイヨウノコギリソウ、ソウハクヒ、インチンコウ、マロニエ、ホップ及びエンメイソウからなる群より選ばれる1種又は2種以上の天然物からの抽出物を有効成分として含有せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルタチオン産生促進剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸からなるトリペプチドであり、細胞内の主要なシステイン残基を有する化合物である。このグルタチオンは、細胞内においてラジカルの捕捉、酸化還元による細胞機能の調節、解毒機構への関与及び各種酵素のSH供与体等としての役割を果たすことが知られている。
【0003】
このような役割を果たすグルタチオンの細胞内濃度が低下すると、紫外線曝露による細胞傷害、炎症、黒色化、シミ又はソバカスの生成、急性又は慢性アルコール肝障害、肝臓病、慢性腎不全、喫煙等が要因の肺疾患、特発性肺線維症、白内障、虚血性心疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、胃潰瘍、成人呼吸器障害症候群、免疫不全、骨髄形成不全、後天性免疫不全症候群、潜伏性ウイルス感染症、生理学的な加齢に伴う老化現象、及び癌化等の病状が引き起こされることが知られている。このようなグルタチオンの細胞内濃度の低下によって引き起こされる病状の治療には、従来、細胞内グルタチオン濃度の低下した細胞にグルタチオンを取り込ませることを目的として、グルタチオンを含有するグルタチオン製剤が用いられていた(特許文献1参照)。しかしながら、グルタチオン製剤の経口摂取による治療は、治療対象部位によっては思うような効果が期待できず、また、グルタチオン製剤の静注による治療は、経口摂取による治療より効果は期待できるものの、痛みを伴うこと、通院が必要なこと等の問題を抱えていた。
【0004】
したがって、生体内細胞におけるグルタチオンの産生を促進することにより細胞内グルタチオン濃度を上昇させることができれば、加齢により衰える酸化ストレスに対する防御能を高めるとともに、紫外線の照射による酸化ストレスに対する傷害を抑制することにつながり、皮膚の老化、シミ等の色素沈着症の予防、治療又は改善が期待できるとともに、グルタチオンの欠乏によって起こる各種臓器の機能低下や種々の疾患の予防又は治療が期待できると考えられる。このような考えに基づき、グルタチオン産生促進作用を有するものとして、ビルベリー抽出物及びウォルナット抽出物(特許文献2参照)、クチナシ属植物の抽出物(特許文献3参照)等が知られている。
【0005】
また、グルタチオンには、活性酸素種を除去する作用を有する還元型グルタチオンと還元型グルタチオンと活性酸素種との反応により生産される酸化型グルタチオンとが含まれており、近年、この酸化型グルタチオンが、神経細胞の興奮を抑制し、睡眠を促進する睡眠促進物質であることが確認されている。そのため、グルタチオンの産生を促進し、還元型グルタチオンのみならず、酸化型グルタチオンの細胞内濃度をも上昇させることができれば、不眠症等の睡眠障害の予防、治療又は改善に有効であると考えられている。このような考えに基づき、従来、酸化型グルタチオンを有効成分とする催眠剤が知られている(特許文献4参照)。
【特許文献1】国際公開2003/032966号パンフレット
【特許文献2】特開2006−241062号公報
【特許文献3】特開2006−347934号公報
【特許文献4】特開平4−9336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、安全性の高い天然物の中からグルタチオン産生促進作用を有するものを見出し、それを有効成分とするグルタチオン産生促進剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のグルタチオン産生促進剤は、ブッチャーブルーム抽出物、クスノハガシワ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ローズマリー抽出物、ジュウヤク抽出物、カンゾウ抽出物、ガイヨウ抽出物、オウレン抽出物、アルニカ抽出物、ウーロン茶抽出物、クジン抽出物、オウバク抽出物、センブリ抽出物、ワイルドタイム抽出物、ラベンダー抽出物、オタネニンジン抽出物、イチョウ抽出物、月桃抽出物、スターフルーツ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オウゴン抽出物、アロエフェロックス抽出物、酵母抽出物、ジオウ抽出物、シャクヤク抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、インチンコウ抽出物、マロニエ抽出物、ホップ抽出物及びエンメイソウ抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ブッチャーブルーム抽出物、クスノハガシワ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ローズマリー抽出物、ジュウヤク抽出物、カンゾウ抽出物、ガイヨウ抽出物、オウレン抽出物、アルニカ抽出物、ウーロン茶抽出物、クジン抽出物、オウバク抽出物、センブリ抽出物、ワイルドタイム抽出物、ラベンダー抽出物、オタネニンジン抽出物、イチョウ抽出物、月桃抽出物、スターフルーツ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オウゴン抽出物、アロエフェロックス抽出物、酵母抽出物、ジオウ抽出物、シャクヤク抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、インチンコウ抽出物、マロニエ抽出物、ホップ抽出物及びエンメイソウ抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分として含有し、安全性に優れたグルタチオン産生促進剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について説明する。
〔グルタチオン産生促進剤〕
本発明のグルタチオン産生促進剤は、ブッチャーブルーム抽出物、クスノハガシワ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ローズマリー抽出物、ジュウヤク抽出物、カンゾウ抽出物、ガイヨウ抽出物、オウレン抽出物、アルニカ抽出物、ウーロン茶抽出物、クジン抽出物、オウバク抽出物、センブリ抽出物、ワイルドタイム抽出物、ラベンダー抽出物、オタネニンジン抽出物、イチョウ抽出物、月桃抽出物、スターフルーツ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オウゴン抽出物、アロエフェロックス抽出物、酵母抽出物、ジオウ抽出物、シャクヤク抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、インチンコウ抽出物、マロニエ抽出物、ホップ抽出物及びエンメイソウ抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分として含有する。
【0010】
ここで本発明において「抽出物」には、ブッチャーブルーム、クスノハガシワ、ヒマラヤンラズベリー、ローズマリー、ジュウヤク、カンゾウ、ガイヨウ、オウレン、アルニカ、ウーロン茶、クジン、オウバク、センブリ、ワイルドタイム、ラベンダー、オタネニンジン、イチョウ、月桃、スターフルーツ、ローヤルゼリー、オウゴン、アロエフェロックス、酵母、ジオウ、シャクヤク、セイヨウノコギリソウ、ソウハクヒ、インチンコウ、マロニエ、ホップ及びエンメイソウからなる群より選ばれる1種又は2種以上の天然物を抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
【0011】
本発明において使用する抽出原料は、ブッチャーブルーム、クスノハガシワ、ヒマラヤンラズベリー、ローズマリー、ジュウヤク、カンゾウ、ガイヨウ、オウレン、アルニカ、ウーロン茶、クジン、オウバク、センブリ、ワイルドタイム、ラベンダー、オタネニンジン、イチョウ、月桃、スターフルーツ、ローヤルゼリー、オウゴン、アロエフェロックス、酵母、ジオウ、シャクヤク、セイヨウノコギリソウ、ソウハクヒ、インチンコウ、マロニエ、ホップ又はエンメイソウである。
【0012】
ブッチャーブルーム(学名:Ruscus aculeatus L.)は、地中海沿岸の南欧、北アフリカ等に分布しているユリ科ナギイカダ属に属する多年生の常緑低木であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るブッチャーブルームの構成部位としては、例えば、葉部、花部、樹皮部、枝部、根茎部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは根茎部である。
【0013】
クスノハガシワ(学名:Mallotus philippinensis Mueller-Argoviensis,中国名:呂宋楸毛(ルソンシュウモウ))は、広東、広西、湖南、雲南、四川、浙江、福建、江西、台湾等に分布しているトウダイグサ科アカメガシワ属に属する常緑小高木であって、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るクスノハガシワの構成部位としては、例えば、葉部、花部、根部、樹皮部、枝部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは樹皮部である。
【0014】
ヒマラヤンラズベリー(学名:Rubus ellipticus Smith,中国名:切頭懸鉤子,別名:オニイチゴ,キミノヒマラヤキイチゴ)は、ヒマラヤから東南アジア、中国東南部で自生し又は栽培されているバラ科キイチゴ属に属する常緑低木であり、これらの地域から容易に入手することができる。ヒマラヤンラズベリーの新鮮な果実は香りがあり、食用にされている。抽出原料として使用し得るヒマラヤンラズベリーの構成部位としては、例えば、葉部、幹部、地上部、花部、果実部、種子部、根部、全草又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは根部である。
【0015】
ローズマリー(学名:Rosmarinus officinalis L.)は、ヨーロッパ、日本等に分布しているシソ科マンネンロウ属に属する常緑低木であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得る構成部位としては、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは葉部である。
【0016】
ジュウヤク(学名:Houttuynia cordata Thunberg)は、日本の陰湿地に多く野生するドクダミ科ドクダミ属に属する多年生草本であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るジュウヤクの構成部位としては、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根茎部又はこれらの部位の混合物が挙げられるが、好ましくは地上部である。
【0017】
カンゾウは、マメ科カンゾウ属に属し、古代より薬用又は甘味料の原料として利用されている有用植物である。特にカンゾウの根部であるカンゾウ根には、グリチルリチン、その他の有用成分が含有されていることが確認されている。抽出原料として使用するカンゾウの種類は特に限定されるものではなく、例えば、Glychyrrhiza glabra、Glychyrrhiza inflata、Glychyrrhiza uralensis、Glychyrrhiza aspera、Glychyrrhiza eurycarpa、Glychyrrhiza pallidiflora、Glychyrrhiza yunnanensis、Glychyrrhiza lepidota、Glychyrrhiza echinata、Glychyrrhiza acanthocarpa等を抽出原料として使用することができる。また、抽出原料として使用し得るカンゾウの構成部位としては、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根部、根茎部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは葉部、根部、又は根茎部である。
【0018】
ガイヨウ(生薬名)は、日本全土に分布しているキク科ヨモギ属に属する多年生草本であるヨモギ(学名:Artemisia priceps Pampanini)の葉部であり、これらの地域から容易に入手することができる。ガイヨウは、従来、婦人科領域の止血、流産防止、寒証の腹痛の予防等に使用されている。
【0019】
オウレン(学名:Coptis japonica Makino)は、北海道,本州,四国の山地等に分布しているキンポウゲ科オウレン属に属する多年草の植物であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るオウレンの構成部位としては、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根茎部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは根茎部である。
【0020】
アルニカ(学名:Arnica montana L.)は、ヨーロッパから南ロシアまでの山岳地方の酸性土壌の牧草地に生育するヒナギク(daisy)に似たキク科ウサギギク属に属する多年草であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るアルニカの構成部位としては、例えば、幹部、地上部、花部、根部、全草等が挙げられるが、好ましくは花部である。ここで、「花」とは、一般に種子植物の有性生殖にかかわる器官の総体をいい、葉の変形である花葉と、茎の変形である花軸とから構成され、花葉には、萼、花弁、オシベ、心皮等の器官が含まれる。本発明において抽出原料として使用し得る「花部」には、種子植物の有性生殖にかかわる器官の総体の他、その一部、例えば、花葉、花被(萼と花冠)、花冠、花弁等も含まれる。
【0021】
ウーロン茶とは、チャ(学名:Camellia sinensis)の葉部を半発酵させたものをいう。チャ(Camellia sinensis)は、中国、インド、日本等に分布しているツバキ科ツバキ属に属する常緑小低木であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0022】
クジン(生薬名)は、日本、韓国、中国各地に分布しているマメ科クララ属に属する多年生草本であるクララ(学名:Sophora flavescenes Aiton)の根部であり、これらの地域から容易に入手することができる。クジンは、従来、健胃、利尿、解熱、鎮痛薬等として使用されている。
【0023】
オウバク(生薬名)は、北海道、本州、四国、九州等に分布しているミカン科キハダ属に属する落葉高木であるキハダ(学名:Phellodendron amurense Ruprecht)の樹皮部であり、これらの地域から容易に入手することができる。オウバクは、従来、消炎性収斂剤として、下半身の炎症や充血、黄疸、下痢等の症状に使用されている。
【0024】
センブリ(学名:Swertia japonica Makino)は、日本全土等に分布しているリンドウ科センブリ属に属する2年草であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るセンブリの構成部位としては、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根部又は全草等が挙げられるが、好ましくは全草である。
【0025】
ワイルドタイム(学名:Thymus serpyllum L.)は、アフガニスタンから中国、ヒマラヤ及び日本等に分布しているシソ科イブキジャコウソウ属に属する多年生の植物であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るワイルドタイムの構成部位としては、例えば、葉部、枝部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは地上部である。
【0026】
ラベンダー(学名:Lavandula vera De Candlle)は、ヨーロッパ西部、大西洋諸島等に分布しているシソ科ラベンダー属に属する多年生小低木であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るラベンダーの構成部位としては、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部、根部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは花部である。
【0027】
オタネニンジン(学名:Panax ginseng C.A. Meyer,別名:高麗人参,朝鮮人参)は、中国、日本の東北地方等で栽培されているウコギ科トチバニンジン属に属する多年生草本であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るオタネニンジンの構成部位としては、例えば、葉部、茎部、花部、根部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは根部である。
【0028】
イチョウ(学名:Ginkgo biloba L.)は、北海道、本州、四国、九州等に自生するイチョウ科イチョウ属に属する落葉高木であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用するイチョウの構成部位としては、葉部、花部、根部、樹皮部、枝部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは葉部である。
【0029】
月桃(学名:Alpinia speciosa (Wendl.) K. Schum.)は、ショウガ科ハナミョウガ属に属する多年生常緑草本であり、九州南部からインドにまで分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。月桃は、沖縄ではサンニンと呼ばれ、琉球王朝以来の伝統菓子であるムーチーに利用されるほか、ハーブとしても利用されている。抽出原料として使用し得る部位としては、例えば、葉部、幹部、地上部、花部、果実部、種子部、根部、全草又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは葉部である。
【0030】
スターフルーツ(学名:Averrhoa carambola L.,別名:五斂子)は、カタバミ科ゴレンシ属に属し、新鮮な果実は食用にされる。スターフルーツは、沖縄、中国東南部や雲南その他熱帯各地で栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るスターフルーツの構成部位としては、例えば、葉部、幹部、地上部、花部、果実部、種子部、根部、全草又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは葉部である。
【0031】
ローヤルゼリーは、ヨーロッパ、アフリカ等に分布しているミツバチ科ミツバチ属に属するヨーロッパミツバチ(学名:Apis melifera L.,別名:セイヨウミツバチ)又はトウヨウミツバチ(学名:Apis indeca Radoszkowski)のうちの若い働き蜂の咽頭腺からの分泌物であり、女王蜂となる幼虫や成虫となった女王蜂に給餌されるものである。
【0032】
オウゴン(生薬名)は、中国北部から東北部、モンゴル等に分布しているシソ科タツナミソウ属に属する多年草であるコガネバナ(学名:Scutellaria baicalensis Georgi)の根部であり、これらの地域から容易に入手することができる。オウゴンは、従来、健胃薬、抗アレルギー剤等として使用されている。
【0033】
アロエフェロックス(学名:Aloe ferox. Miller)は、アフリカ南部等に分布しているアロエ科アロエ属に属する多肉植物であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るアロエフェロックスの構成部位としては、例えば、葉部、根部、花部、種子部等が挙げられるが、好ましくは葉部である。
【0034】
酵母は、直径5〜10μm程度の球形又は楕円形の単細胞生物である真菌類の総称であり、糖類を分解してアルコール発酵を行う性質を有する。抽出原料である酵母としては、パン酵母、ビール酵母、日本酒酵母(清酒酵母)、ブドウ酒酵母(ワイン酵母)等のサッカロマイセス(Saccharomyces)属に属する酵母(学名:Saccharomyces cerevisiae)等が挙げられ、これらの酵母の自己消化によって得られる消化液、当該消化液の濃縮物又は乾燥物を抽出原料として使用するのが好ましい。
【0035】
ジオウ(生薬名)は、中国原産のゴマノハグサ科アカヤジオウ属に属する多年草であるアカヤジオウ(学名:Rehmannia glutinosa)の根部であり、これらの地域から容易に入手することができる。ジオウは、従来、補血、強壮、止血等を目的として使用されている。
【0036】
シャクヤク(学名:Paeonia lactiflora)は、中国、シベリア等のアジア大陸北東部等に分布しているボタン科ボタン属に属する多年草であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るシャクヤクの構成部位としては、例えば、花部、根部、葉部、枝部等が挙げられるが、好ましくは根部である。
【0037】
セイヨウノコギリソウ(学名:Achillea millefolium)は、ヨーロッパからインド、シベリア、ヒマラヤ等に分布しているキク科ノコギリソウ属に属する多年草であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るセイヨウノコギリソウの構成部位としては、例えば、葉部、幹部、地上部、根部、花部、全草等が挙げられるが、好ましくは全草である。
【0038】
ソウハクヒ(生薬名)は、中国等に分布している落葉高木であるクワ科クワ属に属するマグワ(学名:Morus alba L.)の根皮部であり、これらの地域から容易に入手することができる。ソウハクヒは、従来、消炎、利尿、解熱、鎮痛薬等として使用されている。
【0039】
インチンコウ(生薬名)は、北海道、本州、四国、九州等に分布している多年草であるキク科ヨモギ属に属するカワラヨモギ(学名:Artemisia capillaris)の花部であり、これらの地域から容易に入手することができる。インチンコウは、従来、黄疸の治療、強壮薬等として使用されている。
【0040】
マロニエ(学名:Aesculus hippocastanum,別名:セイヨウトチノキ)は、ヨーロッパから北米に広く植栽されているトチノキ科トチノキ属に属する落葉高木であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るマロニエの構成部位としては、例えば、葉部、根部、樹皮部、種子部等が挙げられるが、好ましくは種子部である。
【0041】
ホップ(学名:Humulus lupulus)は、ヨーロッパ、北米等で広く栽培されているアサ科カラハナソウ属に属する多年草であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るホップの構成部位としては、例えば、葉部、根部、花部、茎部、雌花穂部等が挙げられるが、好ましくは雌花穂部である。
【0042】
エンメイソウ(生薬名)は、北海道から四国、九州にかけて分布している多年草であるシソ科ヤマハッカ属に属するヒキオコシ(学名:Isodon japonica)の全草であり、これらの地域から容易に入手することができる。エンメイソウは、従来、苦味健胃剤、胃痙攣解消剤、消化不良解消剤等として使用されている。
【0043】
上記抽出原料からの抽出物に含有されるグルタチオン産生促進作用を有する物質の詳細は不明であるが、天然物の抽出に一般に使用されている抽出方法によって、上記抽出原料からグルタチオン産生促進作用を有する抽出物を得ることができる。
【0044】
例えば、上記抽出原料を必要に応じて乾燥した後、そのまま又は粗砕機を使用して粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより、グルタチオン産生促進作用を有する抽出物を得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を使用して行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、上記抽出原料の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0045】
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用するのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
【0046】
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0047】
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
【0048】
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90容量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40容量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して多価アルコール10〜90容量部を混合することが好ましい。
【0049】
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0050】
精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等により行うことができる。得られた抽出液はそのままでもグルタチオン産生促進剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。
【0051】
ブッチャーブルーム抽出物、クスノハガシワ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ローズマリー抽出物、ジュウヤク抽出物、カンゾウ抽出物、ガイヨウ抽出物、オウレン抽出物、アルニカ抽出物、ウーロン茶抽出物、クジン抽出物、オウバク抽出物、センブリ抽出物、ワイルドタイム抽出物、ラベンダー抽出物、オタネニンジン抽出物、イチョウ抽出物、月桃抽出物、スターフルーツ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オウゴン抽出物、アロエフェロックス抽出物、酵母抽出物、ジオウ抽出物、シャクヤク抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、インチンコウ抽出物、マロニエ抽出物、ホップ抽出物又はエンメイソウ抽出物は特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、皮膚化粧料等に配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。
【0052】
以上のようにして得られるブッチャーブルーム抽出物、クスノハガシワ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ローズマリー抽出物、ジュウヤク抽出物、カンゾウ抽出物、ガイヨウ抽出物、オウレン抽出物、アルニカ抽出物、ウーロン茶抽出物、クジン抽出物、オウバク抽出物、センブリ抽出物、ワイルドタイム抽出物、ラベンダー抽出物、オタネニンジン抽出物、イチョウ抽出物、月桃抽出物、スターフルーツ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オウゴン抽出物、アロエフェロックス抽出物、酵母抽出物、ジオウ抽出物、シャクヤク抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、インチンコウ抽出物、マロニエ抽出物、ホップ抽出物又はエンメイソウ抽出物は、グルタチオン産生促進作用を有しているため、その作用を利用してグルタチオン産生促進剤の有効成分として使用することができる。また、上記抽出物は、そのグルタチオン産生促進作用を通じて、グルタチオンの欠乏に起因する疾患(例えば、肝機能障害;慢性腎不全;特発性肺線維症、成人呼吸器障害症候群等の呼吸器系疾患;白内障;虚血性心疾患;パーキンソン病;アルツハイマー病:胃潰瘍等の消化器系疾患;癌;骨髄形成不全;後天性免疫不全症候群;潜伏性ウイルス感染症等)の予防・治療剤の有効成分としても使用することができる。さらに、上記抽出物は、グルタチオン産生促進作用を有しており、その作用を利用して酸化型グルタチオンの細胞内濃度を上昇させることができるため、不眠症等の睡眠障害の予防、治療又は改善剤の有効成分としても使用することができる。なお、本発明においては、上記抽出物のうちのいずれか1種を上記有効成分として使用してもよいし、上記抽出物より選ばれる2種以上の抽出物を混合して上記有効成分として使用してもよい。上記抽出物より選ばれる2種以上の抽出物を混合して上記有効成分として使用する場合、それらの配合比は、それらの作用の程度に応じて適宜決定すればよい。
【0053】
本発明のグルタチオン産生促進剤は、ブッチャーブルーム抽出物、クスノハガシワ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ローズマリー抽出物、ジュウヤク抽出物、カンゾウ抽出物、ガイヨウ抽出物、オウレン抽出物、アルニカ抽出物、ウーロン茶抽出物、クジン抽出物、オウバク抽出物、センブリ抽出物、ワイルドタイム抽出物、ラベンダー抽出物、オタネニンジン抽出物、イチョウ抽出物、月桃抽出物、スターフルーツ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オウゴン抽出物、アロエフェロックス抽出物、酵母抽出物、ジオウ抽出物、シャクヤク抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、インチンコウ抽出物、マロニエ抽出物、ホップ抽出物及びエンメイソウ抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の抽出物のみからなるものであってもよいし、上記抽出物を製剤化したものであってもよい。
【0054】
ブッチャーブルーム抽出物、クスノハガシワ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ローズマリー抽出物、ジュウヤク抽出物、カンゾウ抽出物、ガイヨウ抽出物、オウレン抽出物、アルニカ抽出物、ウーロン茶抽出物、クジン抽出物、オウバク抽出物、センブリ抽出物、ワイルドタイム抽出物、ラベンダー抽出物、オタネニンジン抽出物、イチョウ抽出物、月桃抽出物、スターフルーツ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オウゴン抽出物、アロエフェロックス抽出物、酵母抽出物、ジオウ抽出物、シャクヤク抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、インチンコウ抽出物、マロニエ抽出物、ホップ抽出物及びエンメイソウ抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の抽出物は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を使用して、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を使用することができる。また、上記抽出物は、他の組成物(例えば、皮膚化粧料等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
【0055】
なお、本発明のグルタチオン産生促進剤は、必要に応じて、グルタチオン産生促進作用を有する他の天然抽出物を配合して有効成分として使用することができる。
【0056】
本発明のグルタチオン産生促進剤の投与方法としては、一般に経皮投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本発明のグルタチオン産生促進剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
【0057】
本発明のグルタチオン産生促進剤は、ブッチャーブルーム抽出物、クスノハガシワ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ローズマリー抽出物、ジュウヤク抽出物、カンゾウ抽出物、ガイヨウ抽出物、オウレン抽出物、アルニカ抽出物、ウーロン茶抽出物、クジン抽出物、オウバク抽出物、センブリ抽出物、ワイルドタイム抽出物、ラベンダー抽出物、オタネニンジン抽出物、イチョウ抽出物、月桃抽出物、スターフルーツ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オウゴン抽出物、アロエフェロックス抽出物、酵母抽出物、ジオウ抽出物、シャクヤク抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、インチンコウ抽出物、マロニエ抽出物、ホップ抽出物及びエンメイソウ抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の抽出物が有するグルタチオン産生促進作用を通じて、加齢により衰える酸化ストレスに対する防御能を高め、紫外線の照射による酸化ストレスに対する傷害を抑制することができるため、皮膚の老化、シミ等の色素沈着症を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明のグルタチオン産生促進剤は、これらの用途以外にもグルタチオン産生促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に使用することができる。
【0058】
また、本発明のグルタチオン産生促進剤は、上記抽出物が有するグルタチオン産生促進作用を通じて、グルタチオンの欠乏に起因する疾患(例えば、肝機能障害;慢性腎不全;特発性肺線維症、成人呼吸器障害症候群等の呼吸器系疾患;白内障;虚血性心疾患;パーキンソン病;アルツハイマー病:胃潰瘍等の消化器系疾患;癌;骨髄形成不全;後天性免疫不全症候群;潜伏性ウイルス感染症等)を予防・治療することができるとともに、酸化型グルタチオンの細胞内濃度を上昇させることができるため、不眠症等の睡眠障害を予防、治療又は改善することができる。
【0059】
なお、本発明のグルタチオン産生促進剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【実施例】
【0060】
以下、試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の試験例に何ら制限されるものではない。なお、本試験例においては、試料として表1に示す製品の凍結乾燥品を使用した(試料1〜32)。
【0061】
【表1】

【0062】
〔試験例1〕グルタチオン産生促進作用試験
表1に示す各抽出物(試料1〜32)について、以下のようにしてグルタチオン産生促進作用を試験した。
【0063】
ヒト正常皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有α−MEMを使用して培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10cells/mLの細胞密度になるように10%FBS含有α−MEMで希釈した後、48ウェルプレートに1ウェル当たり200μLずつ播種し、一晩培養した。
【0064】
培養後、1%FBS含有D−MEMで溶解した試料(試料1〜36)を各ウェルに200μL添加し、24時間培養した。培養終了後、各ウェルから培地を抜き、400μLのPBS(−)にて洗浄後、150μLのM−PER(PIERCE社製)を使用して細胞を溶解した。
【0065】
このうちの100μLを使用して総グルタチオンの定量を行った。すなわち、96ウェルプレートに溶解した細胞抽出液100μL、0.5mMエチレンジアミン四酢酸含有0.1Mのリン酸緩衝液50μL、2mMのNADPH25μL及びグルタチオンレダクターゼ25μL(終濃度17.5unit/mL)を加え37℃で10分間加温した後、10mMの5,5'-dithiobis(2-nitrobenzoic acid)25μLを加え、5分後までの波長412nmにおける吸光度を測定し、ΔOD/minを求めた。総グルタチオン濃度は、酸化型グルタチオン(和光純薬社製)にグルタチオンレダクターゼを加えて還元型グルタチオンとし、当該還元型グルタチオンを使用して作成した検量線を基に算出した。得られた値を総タンパク量当たりのグルタチオン量に補正した後、下記式に基づいてグルタチオン産生促進率(%)を算出した。
【0066】
グルタチオン産生促進率(%)=B/A×100
式中、Aは「試料無添加時の細胞中における総タンパク量当たりのグルタチオン量(対照)」を表し、Bは「試料添加時の細胞中における総タンパク量当たりのグルタチオン量」を表す。
結果を表2に示す。
【0067】
【表2】

【0068】
表2に示すように、ブッチャーブルーム、クスノハガシワ、ヒマラヤンラズベリー、ローズマリー、ジュウヤク、カンゾウ、ガイヨウ、オウレン、アルニカ、ウーロン茶、クジン、オウバク、センブリ、ワイルドタイム、ラベンダー、オタネニンジン、イチョウ、月桃、スターフルーツ、ローヤルゼリー、オウゴン、アロエフェロックス、酵母、ジオウ、シャクヤク、セイヨウノコギリソウ、ソウハクヒ、インチンコウ、マロニエ、ホップ又はエンメイソウからの抽出物は、いずれも優れたグルタチオン産生促進作用を有することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のグルタチオン産生促進剤は、皮膚の老化、シミ、紫外線の照射による酸化ストレスに対する傷害、グルタチオンの欠乏に起因する疾患(例えば、肝機能障害;慢性腎不全;特発性肺線維症、成人呼吸器障害症候群等の呼吸器系疾患;白内障;虚血性心疾患;パーキンソン病;アルツハイマー病:胃潰瘍等の消化器系疾患;癌;骨髄形成不全;後天性免疫不全症候群;潜伏性ウイルス感染症等)、酸化型グルタチオンの欠乏に起因する不眠症等の睡眠障害等の予防、治療又は改善に大きく貢献できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブッチャーブルーム抽出物、クスノハガシワ抽出物、ヒマラヤンラズベリー抽出物、ローズマリー抽出物、ジュウヤク抽出物、カンゾウ抽出物、ガイヨウ抽出物、オウレン抽出物、アルニカ抽出物、ウーロン茶抽出物、クジン抽出物、オウバク抽出物、センブリ抽出物、ワイルドタイム抽出物、ラベンダー抽出物、オタネニンジン抽出物、イチョウ抽出物、月桃抽出物、スターフルーツ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オウゴン抽出物、アロエフェロックス抽出物、酵母抽出物、ジオウ抽出物、シャクヤク抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、インチンコウ抽出物、マロニエ抽出物、ホップ抽出物及びエンメイソウ抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分として含有することを特徴とするグルタチオン産生促進剤。

【公開番号】特開2009−132662(P2009−132662A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311547(P2007−311547)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(591082421)丸善製薬株式会社 (239)
【Fターム(参考)】