説明

グルタミニルシクラーゼの阻害剤

本発明は、グルタミニルシクラーゼ(QC, EC 2.3.2.5)の阻害剤としての新規複素環誘導体に関する。QCは、アンモニアの遊離下でのN-末端グルタミン残基のピログルタミン酸(5-オキソ-プロリル、pGlu*)への分子内環化、及び水の遊離下でのN-末端グルタミン酸残基のピログルタミン酸への分子内環化を触媒する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
全互変異性体及び立体異性体を含む、式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは多形体:
【化1】

(式中、
R1は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、-C1-6チオアルキル、-SOC1-4アルキル、-SO2C1-4アルキル、C1-6アルコキシ-、-O-C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルキル、-SO2C3-8シクロアルキル、-SOC3-6シクロアルキル、C3-6アルケニルオキシ-、C3-6アルキニルオキシ-、-C(O)C1-6アルキル、-C(O)OC1-6アルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、ニトロ、ハロゲン、シアノ、-C(O)OH、-NHC1-4アルキル、-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル)、-C(O)N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル)、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-4アルキル)、及び-C(O)NH(C3-10シクロアルキル)から選択される1個以上の基により任意に置換されたヘテロアリール基を表し;
かつ、上記のカルボシクリル基のいずれも、C1-4アルキル、オキソ、ハロゲン、及びC1-4アルコキシから選択される1個以上の基により任意に置換されてもよく;
Yは、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアゾール-オン、又はトリアゾール-チオンから選択される5員ヘテロアリール基を表し;
Xは、-(CH2)m-R2、-(CH2)n-S-R2、-(CH2)p-O-R2、又は-(CH2)p-SO2-R2から選択されるリンカーを表し;
mは、1〜4から選択される整数を表し;
nは、1又は2から選択される整数を表し;
pは、0〜2から選択される整数を表し;
R2は、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、又はヘテロシクリルを表し;
上記のアリール基及びヘテロアリール基のいずれも、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、-C1-6チオアルキル、-SOC1-4アルキル、-SO2C1-4アルキル、C1-6アルコキシ-、-O-C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルキル、-SO2C3-8シクロアルキル、-SOC3-6シクロアルキル、C3-6アルケニルオキシ-、C3-6アルキニルオキシ-、-C(O)C1-6アルキル、-C(O)OC1-6アルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、ニトロ、ハロゲン、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、-C(O)OH、-NH2、-NHC1-4アルキル、-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル)、-C(O)N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル)、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-4アルキル)、及び-C(O)NH(C3-10シクロアルキル)から選択される1個以上の基により任意に置換されてもよく;
かつ、上記のカルボシクリル基及びヘテロシクリル基のいずれも、C1-4アルキル、オキソ、ハロゲン、及びC1-4アルコキシから選択される1個以上の基により任意に置換されてもよく;
或いは、Yがオキサジアゾリルを表しXがCH2を表す場合に、R2がフェノキシにより置換されたフェニル以外の基を表すように、R2は、フェニルにより置換されたフェニル、単環式ヘテロアリール基により置換されたフェニル、フェノキシにより置換されたフェニル、ヘテロシクリルにより置換されたフェニル、-O-C1-4アルキル-ヘテロシクリルにより置換されたフェニル、ベンジルオキシにより置換されたフェニル、カルボシクリルに縮合したフェニル、又はヘテロシクリルに縮合したフェニルを表し;
上記のフェニル基、ベンジルオキシ基、及びヘテロアリール基のいずれも、C1-4アルキル、ハロゲン、及びC1-4アルコキシから選択される1個以上の基により任意に置換されてもよく、かつ、上記のカルボシクリル基及びヘテロシクリル基のいずれも、メチル、フェニル、オキソ、ハロゲン、及びC1-4アルコキシから選択される1個以上の基により任意に置換されてもよく;
但し、式(I)の化合物が、
6-(5-(2,3-ジメトキシフェネチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン;
6-(5-(4-(メチルチオ)フェネチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン;又は
6-(5-(2-クロロ-3-メトキシフェネチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン以外の化合物であることを条件とする)。
【請求項2】
R1が5員ヘテロアリール環に縮合したフェニル環を表し、R1が該フェニル環により式(I)の核に結合している、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1が下記式を表す、請求項1記載の化合物:
【化2】

(式中、Bは結合を表し、R14及びR15は独立にH又はC1-2アルキルを表す)。
【請求項4】
R1が下記式を表す、請求項3記載の化合物:
【化3】


【請求項5】
Yが、トリアゾリル又はチアジアゾリルなどの、トリアゾリル、オキサジアゾリル、又はチアジアゾリルを表す、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
Xが、-(CH2)m-R2又は-(CH2)p-S-R2などの、-(CH2)m-R2、-(CH2)p-S-R2、-(CH2)p-O-R2、又は-(CH2)p-SO2-R2から選択されるリンカーを表す、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
mが1〜3から選択される整数を表す、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
mが1又は2から選択される整数を表す、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
nが1を表す、請求項6記載の化合物。
【請求項10】
pが1を表す、請求項6記載の化合物。
【請求項11】
R2が、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、フェノキシにより置換されたフェニル、又はヘテロシクリルに縮合したフェニルを表し;該アリール、ヘテロアリール、フェニル、ヘテロシクリル、及びカルボシクリルが任意に置換されている、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
R2が、アリール、ヘテロアリール、フェノキシにより置換されたフェニル、又はヘテロシクリルに縮合したフェニルを表し;該アリール、ヘテロアリール、フェニル、及びヘテロシクリルが任意に置換されている、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
R2が任意に置換されたアリール又はフェノキシにより置換されたフェニルを表す、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
R2が、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、-C1-6チオアルキル、ハロC1-6アルキル、ハロC1-6アルコキシ、又はハロゲンから選択された1個以上の基により任意に置換されたフェニルを表す、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
R2が、メチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、塩素、又はフッ素から選択された1個以上の基により任意に置換されたフェニルを表す、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
R2が、ピリジル、例えばピリジン-4-イルなどの、任意に置換されたヘテロアリールを表す、請求項12記載の化合物。
【請求項17】
R2が、4-フェノキシにより置換されたフェニルなどの、任意に置換されたフェノキシにより置換された、任意に置換されたフェニルを表す、請求項12記載の化合物。
【請求項18】
R2が、ベンゾ-1,3-ジオキソラニル、4-メトキシ(ベンゾ-1,3-ジオキソラニル)、6-メトキシ(ベンゾ-1,3-ジオキソラニル)、2,2-ジフルオロ(ベンゾ-1,3-ジオキソラニル)、又はベンゾ-1,4-ジオキサニル、例えば、ベンゾ-1,3-ジオキソラニルなどの、任意に置換されたヘテロシクリルに縮合した任意に置換されたフェニルを表す、請求項12記載の化合物。
【請求項19】
全互変異性体及び立体異性体を含む、実施例1〜89のいずれか一項記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは多形体。
【請求項20】
医薬として使用するための請求項1〜19記載の化合物。
【請求項21】
請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物を、任意に1種以上の治療上許容し得る希釈剤又は担体と組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項22】
神経保護薬、抗パーキンソン病薬、アミロイドタンパク質沈着阻害剤、βアミロイド合成阻害剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、及び抗多発性硬化症薬からなる群から選択される少なくとも1種の化合物をさらに含む、請求項21記載の医薬組成物。
【請求項23】
PEP-阻害剤、LiCl、DP IV又はDP IV様酵素の阻害剤の阻害剤、アセチルコリンエステラーゼ(ACE)阻害剤、PIMTエンハンサー、βセクレターゼの阻害剤、γセクレターゼの阻害剤、中性エンドペプチダーゼの阻害剤、ホスホジエステラーゼ-4(PDE-4)の阻害剤、TNFα阻害剤、ムスカリン性M1受容体アンタゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、σ-1受容体阻害剤、ヒスタミンH3アンタゴニスト、免疫調節薬、免疫抑制薬、又はアンテグレン(ナタリズマブ)、Neurelan(ファムプリジン-SR)、カンパス(アレムツズマブ)、IR 208、NBI 5788/MSP 771(チプリモチド)、パクリタキセル、Anergix.MS(AG 284)、SH636、ディフェリン(CD 271, アダパレン)、BAY 361677(インターロイキン-4)、マトリックス-メタロプロテイナーゼ-阻害剤、インターフェロン-τ(トロホブラスチン)、及びSAIK-MSからなる群から選択される薬剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物をさらに含む、請求項21又は22記載の医薬組成物。
【請求項24】
ケネディ病、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない十二指腸癌、結腸直腸癌、ゾリンジャー・エリソン症候群、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない胃癌、病原性精神病的病態、統合失調症、不妊、新生物、炎症性宿主反応、癌、悪性転移、メラノーマ、乾癬、液性及び細胞仲介性免疫応答障害、内皮内の白血球接着及び遊走プロセス、摂食障害、睡眠-覚醒障害、エネルギー代謝の恒常性制御障害、自律神経機能障害、ホルモン平衡障害又は体液の調節障害、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、及び慢性炎症性脱髄性多発性神経根症からなる群から選択される疾病の治療において使用するための、請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物又は請求項21〜23のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項25】
軽度認知障害、アルツハイマー病、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、ダウン症候群における神経変性、及びハンチントン病からなる群から選択される疾病の治療において使用するための、請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物又は請求項21〜23のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項26】
関節リウマチ、アテローム性動脈硬化、膵炎、及び再狭窄からなる群から選択される疾病の治療において使用するための、請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物又は請求項21〜23のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項27】
ケネディ病、潰瘍疾患、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない十二指腸癌、結腸直腸癌、ゾリンジャー・エリソン症候群、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない胃癌、病原性精神病的病態、統合失調症、不妊、新生物、炎症性宿主反応、癌、悪性転移、メラノーマ、乾癬、液性及び細胞仲介性免疫応答障害、内皮内の白血球接着及び遊走プロセス、摂食障害、睡眠-覚醒障害、エネルギー代謝の恒常性制御障害、自律神経機能障害、ホルモン平衡障害又は体液の調節障害、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、及び慢性炎症性脱髄性多発性神経根症からなる群から選択される疾病の治療又は予防の方法であって、対象に、有効量の請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物又は請求項21〜23のいずれか一項記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項28】
軽度認知障害、アルツハイマー病、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、ダウン症候群における神経変性、及びハンチントン病からなる群から選択される疾病の治療又は予防の方法であって、対象に、有効量の請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物又は請求項21〜23のいずれか一項記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項29】
関節リウマチ、アテローム性動脈硬化、膵炎、及び再狭窄からなる群から選択される疾病の治療又は予防の方法であって、対象に、有効量の請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物又は請求項21〜23のいずれか一項記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項30】
下記を含む、請求項1〜19のいずれか一項記載の式(I)の化合物の製造方法:
(a)式(II)の化合物:
【化4】

(式中、X及びYは請求項1に定義されたとおりである)から、R1が1H-ベンゾ[d]イミダゾリルを表す式(I)の化合物を製造すること;
(b)式(III)の化合物;
【化5】

(式中、R1は請求項1に定義されたとおりである)を、式X-NH2の化合物(式中、Xは請求項1に定義されたとおりである)と反応させて、Yが1,2,4-トリアゾリルを表す式(I)の化合物を製造すること;
(c)式(IV)の化合物:
【化6】

(式中、R1は請求項1に定義されたとおりである)を、式X-NH2の化合物(式中、Xは請求項1に定義されたとおりである)と反応させて、Yが1,2,4-トリアゾリルを表す式(I)の化合物を製造すること;
(d)式(V)の化合物:
【化7】

(式中、R1は請求項1に定義されたとおりである)を、式X-COOHの化合物(式中、Xは請求項1に定義されたとおりである)と反応させて、Yが1,2,4-オキサジアゾリルを表す式(I)の化合物を製造すること;
(e)式(VI)の化合物:
【化8】

(式中、R1及びXは請求項1に定義されたとおりである)から、Yが1,3,4-チアジアゾリルを表す式(I)の化合物を製造すること;
(f)式(VII)の化合物:
【化9】

(式中、R1は請求項1に定義されたとおりである)を、式X-COOHの化合物(式中、Xは請求項1に定義されたとおりである)と反応させて、Yが1,3,4-チアジアゾリルを表す式(I)の化合物を製造すること;
(g)式(VIII)の化合物:
【化10】

(式中、R1は請求項1に定義されたとおりである)を、式X-COOHの化合物(式中、Xは請求項1に定義されたとおりである)と反応させて、Yが4H-1,2,4-トリアゾリルを表す式(I)の化合物を製造すること;
(h)式R1-COOHの化合物を式X-CO-CH2-NH2の化合物(式中、R1及びXは請求項1に定義されたとおりである)と反応させて、Yがチアゾリルを表す式(I)の化合物を製造すること;
(i)式(IX)の化合物
【化11】

(式中、R1及びXは請求項1に定義されたとおりである)から、Yが1,2,4-トリアゾール-オン又は1,2,4-トリアゾール-チオンを表す式(I)の化合物を製造すること;
(j)式(I)の化合物の相互転化;又は
(k)保護されている式(I)の化合物を脱保護すること。

【公表番号】特表2013−521260(P2013−521260A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555421(P2012−555421)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053154
【国際公開番号】WO2011/107530
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(505403119)プロビオドルグ エージー (39)
【Fターム(参考)】