説明

グループパフォーマンスをモニタリングするシステム及び方法

【課題】グループパフォーマンスを効果的にモニタリングするシステム及び方法を提供する。
【解決手段】ベースステーションと、ベースステーションと無線で通信するように構成された複数の個体モニター200と、複数のセンサ202であって、各センサ202は1つの個体モニター200と通信し、各々が個体とつながるように構成され、各々が個体の特徴を感知し、活動中に該特徴を示すデータを個体モニター200に送信するように構成された複数のセンサ202と、ベースステーションと無線で通信するように構成されたグループモニタリング装置とを含み、各個体モニター200は、活動中にデータをベースステーションに送信するように構成され、ベースステーションは、データを受信し、活動中にデータに基づく測定基準をグループモニタリング装置に送信するように構成され、グループモニタリング装置は、測定基準を示すものを表示するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概して活動モニタリングシステムに関し、特に、複数の個体のライブでのモニタリングを容易にする運動活動モニタリングシステムに関する。
【0002】
(背景技術)
運動は、健康的なライフスタイル及び個人の幸福を維持する上で重要である。個人が運動するための一般的な方法は、運動活動、例えばスポーツやトレーニングプログラムに参加することである。運動活動のセッションは、例えば、トレーニングセッションや、例えばサッカーの試合やバスケットボールの試合等の競争するセッションを含み得る。競争環境または協調環境において運動活動に参加する場合、参加者のパフォーマンスは、その他の個体のパフォーマンスに依存し得る。例えば、チームスポーツの状況下では、様々な運動の動き及び試みのパフォーマンスは、チームメートや対戦相手の運動の動き及び試みによって影響され得る。しばしば、トレーナー(例えばコーチ)がこのような運動活動をモニタリングしている。
【0003】
運動活動を効果的にモニターするために、トレーナーまたはその他の個人は、典型的には、例えばスポーツフィールドのサイドライン外側から運動活動を見ることにより運動活動の参加者に関する情報を集める。このように、運動活動に影響する決定を行うのに用いられる情報は、典型的には、トレーナーがサイドライン外側から観察したものによって制限される。観察を助けるアシスタントがトレーナーについている場合もあるし、複数のトレーナーが共同で作業する場合もあるが、運動活動中に個体のパフォーマンスを効果的に追跡して管理できるように複数の個体をモニタリングするのは、依然として困難である。
【発明の開示】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、グループパフォーマンスをモニタリングするシステム及び方法を提供する。1つの例示的な実施形態において、活動に従事する複数の個体をモニタリングするシステムは、ベースステーションと;該ベースステーションと無線で通信するように構成された複数の個体モニターと;複数のセンサであって、各センサは1つの個体モニターと通信し、各々が個体とつながるように構成され、各々が個体の特徴を感知し、活動中に該特徴を示すデータを個体モニターに送信するように構成された複数のセンサと;ベースステーションと無線で通信するように構成されたグループモニタリング装置と、を含み、各個体モニターは、活動中にデータをベースステーションに送信するように構成され、ベースステーションは、データを受信し、活動中にデータに基づく測定基準(metrics)をグループモニタリング装置に送信するように構成され、グループモニタリング装置は、測定基準を示すものを表示するように構成される。
【0005】
別の例示的な実施形態において、活動場所において活動に従事する複数の個体をモニタリングするシステムは、ベースステーションと;該ベースステーションと無線で通信するように構成された複数の個体モニターと;複数のセンサであって、各センサは1つの個体モニターと通信し、各々が個体とつながるように構成され、各々が個体の特徴を感知するように構成された複数のセンサと;ベースステーションと無線で通信するように構成されたグループモニタリング装置と、を含む。
【0006】
別の例示的な実施形態において、活動場所において活動に従事する複数の個体をモニタリングするシステムは、ベースステーションと;該ベースステーションと無線で通信するように構成された複数の個体モニターであって、複数の個体モニターの各々が、関連する個体モニターの位置を決定するように構成された位置センサを含む、複数の個体モニターと;ベースステーションと通信するように構成され、偏差信号を検出し、受信した位置データの訂正信号を計算するように更に構成される基準センサと、を含む。
【0007】
別の例示的な実施形態において、位置センサの位置を決定する方法は、第1位置センサにおいて第1位置信号を受信する工程と;基準センサにおいて偏差信号を受信する工程と;偏差信号を用いて訂正信号を決定する工程と;基準センサから第1位置センサへ訂正信号を送信する工程と;第1位置信号及び訂正信号を用いて第1位置センサの位置を決定する工程と、を含む。
【0008】
別の例示的な実施形態において、運動活動に従事する複数の個体のモニタリングを促進する方法は、第1個体及び第2個体の運動活動中に第1個体の特徴を示す第1データを第1個体モニタリング装置において受信する工程であって、第1個体モニタリング装置は第1個体につながれている、工程と;運動活動中に第2個体の特徴を示す第2データを第2個体モニタリング装置において受信する工程であって、第2個体モニタリング装置は第2個体につながれている、工程と;運動活動中に第1データ及び第2データをベースステーションに無線で送信する工程と;ベースステーションにおいて、第1個体の測定基準及び第2個体の測定基準をそれぞれ第1データ及び第2データに基づいて決定する工程と;運動活動中に、第1個体の測定基準及び第2個体の測定基準をグループモニタリング装置に無線で送信する工程と;測定基準を示すものをグループモニタリング装置に表示する工程と、を含み、グループモニタリング装置はベースステーションに対してポータブルである。
【0009】
別の例示的な実施形態において、活動場所において活動に従事する複数の個体をモニタリングするシステムは、ポータブルなベースステーションと;該ベースステーションと通信するように構成された複数の個体モニターであって、各個体モニターがベースステーションに対してポータブルである、複数の個体モニターと;複数のセンサであって、各センサは1つの個体モニターと通信し、各々が個体とつながるように構成され、各々が個体の特徴を感知し、活動中に該特徴を示すデータを個体モニターに送信するように構成された複数のセンサと;ベースステーションと通信し、ベースステーションに対してポータブルであるグループモニタリング装置と、を含み、各個体モニターは、活動中にデータをベースステーションに送信するように構成され、ベースステーションは、データを受信し、活動中にデータに基づく測定基準をグループモニタリング装置に送信するように構成され、グループモニタリング装置は、測定基準を示すものを表示するように構成され、ベースステーションは活動場所に対してポータブルである。
【0010】
添付の図面は、組み込まれて本明細書の一部をなすが、本発明を説明し、また、記述と共に本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成及び使用することを可能にするのに役立つ。図面において、同じ参照番号、文字や表現は、同一または機能的に類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の例示的な実施形態に従ったモニタリングシステムを示す。
【0012】
【図2】図2は、本発明の例示的な実施形態に従った個体モニター及び関連するコンポーネントを示す。
【0013】
【図3】図3は、本発明の例示的な実施形態に従った例示的なグループモニタリング装置を示す。
【0014】
【図4】図4は、本発明の例示的な実施形態に従った個体モニターのダイアグラムを示す。
【0015】
【図5】図5は、本発明の例示的な実施形態に従った個体モニターを示す。
【0016】
【図6】図6は、本発明の例示的な実施形態に従った個体モニターを示す。
【0017】
【図7】図7は、本発明の例示的な実施形態に従った個体モニターを示す。
【0018】
【図8】図8は、本発明の例示的な実施形態に従ったモニタリングシステムのダイアグラムを示す。
【0019】
【図9】図9は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置を示す。
【0020】
【図10】図10は、本発明の例示的な実施形態に従った分析装置を示す。
【0021】
【図11】図11は、本発明の例示的な実施形態に従ったモニタリングシステムの一部のダイアグラムを示す。
【0022】
【図12】図12は、本発明の例示的な実施形態に従ったモニタリングのフローチャートを示す。
【0023】
【図13】図13は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0024】
【図14】図14は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0025】
【図15】図15は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0026】
【図16】図16は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0027】
【図17】図17は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0028】
【図18】図18は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0029】
【図19】図19は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0030】
【図20】図20は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0031】
【図21】図21は、本発明の例示的な実施形態に従ったベースステーションを示す。
【0032】
【図22】図22は、本発明の例示的な実施形態に従ったベースステーションを示す。
【0033】
【図23】図23は、本発明の例示的な実施形態に従ったベースステーションを示す。
【0034】
【図24】図24は、本発明の例示的な実施形態に従ったベースステーションのアンテナを示す。
【0035】
【図25】図25は、本発明の例示的な実施形態に従ったベースステーションを示す。
【0036】
【図26】図26は、本発明の例示的な実施形態に従ったベースステーションを示す。
【0037】
【図27】図27は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0038】
【図28】図28は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0039】
【図29】図29は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0040】
【図30】図30は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0041】
【図31】図31は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0042】
【図32】図32は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0043】
【図33A】図33Aは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0044】
【図33B】図33Bは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0045】
【図34】図34は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0046】
【図35A】図35Aは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0047】
【図35B】図35Bは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0048】
【図35C】図35Cは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0049】
【図35D】図35Dは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0050】
【図36A】図36Aは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0051】
【図36B】図36Bは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0052】
【図37A】図37Aは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0053】
【図37B】図37Bは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0054】
【図38】図38は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0055】
【図39】図39は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0056】
【図40】図40は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0057】
【図41】図41は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0058】
【図42A】図42Aは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0059】
【図42B】図42Bは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0060】
【図42C】図42Cは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0061】
【図42D】図42Dは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0062】
【図42E】図42Eは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0063】
【図42F】図42Fは、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0064】
【図43】図43は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0065】
【図44】図44は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0066】
【図45】図45は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0067】
【図46】図46は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0068】
【図47】図47は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0069】
【図48】図48は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0070】
【図49】図49は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0071】
【図50】図50は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0072】
【図51】図51は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0073】
【図52】図52は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0074】
【図53】図53は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0075】
【図54】図54は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0076】
【図55】図55は、本発明の例示的な実施形態に従った分析装置の表示部を示す。
【0077】
【図56】図56は、本発明の例示的な実施形態に従った分析装置の表示部を示す。
【0078】
【図57】図57は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0079】
【図58】図58は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0080】
【図59】図59は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【0081】
【図60】図60は、本発明の例示的な実施形態に従ったグループモニタリング装置の表示部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0082】
(発明の詳細な説明)
以下、添付の図面に例示される実施形態を参照しながら本発明を詳細に説明する。「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」等というときは、記載された実施形態が特定の特徴、構造または特性を含み得るが、全ての実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造または特性を含み得るわけではないことを示す。また、このような語句が必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。また、特定の特徴、構造または特性がある実施形態に結び付けて記載された場合、はっきり記載されてあるか否かにかかわらず、他の実施形態と結びつけることによりそのような特徴、構造または特性に影響を与えることは、当業者の知識の範囲内であることを示している。
【0083】
本明細書で使用される用語「発明」または「本発明」は、限定しない用語であり、特定の発明の任意の実施形態に言及することを意図せず、出願に記載されるようにあらゆる可能な実施形態を包含する。
【0084】
本発明の多様な局面またはその部分や機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、指示が記憶されている有形のコンピュータで読み取り可能または利用可能な記憶媒体、またはそれらの組み合わせを用いて実施することができ、1つ以上のコンピュータシステムまたはその他の処理システムにおいて実施することができる。
【0085】
運動活動に参加する個体及びトレーナー(例えばコーチ、医師あるいはその他の権限を与えられた個体)は、様々な理由で、運動活動のセッション中に共に作業することができる。例えば、トレーナーが個体のパフォーマンスをモニターし、個体のフィットネスレベルを最大にするために推奨したりパフォーマンスに影響を与えたりすることが所望され得る。あるいは、または加えて、トレーナーが、運動活動における個体の有効性が最大になるように助けるために、個体をモニターして影響を与えることが所望され得る。また、トレーナーが、運動活動における成功の確率が最大になるように助けるために、個体をモニターして影響を与えることが所望され得る(ここで成功とは、例えば、試合、例えばサッカー等において相手チームに勝つこと、または、運動活動に参加する1人以上の個体のフィットネスについて所望のレベルを達成する/維持することであり得る)。運動活動のセッションは、例えばトレーニングセッション(例えばフィールドセッション、ジムセッションやトラックセッション)、競争セッション(例えばサッカーやバスケットボールの試合)を含み得る。
【0086】
いくつかの例示的な実施形態において、トレーナーは、個体の健康及び安全を追跡及び維持するために、個体をモニターして影響を与えることができる。このような実施形態において、健康及び安全に関連する情報、例えば怪我、病気及び危険な状態について提供されれば、トレーナーにとって有益であろう。
【0087】
トレーナーは、このような目標を考え、個体をモニターし、個体の個人として、あるいはグループとしてのパフォーマンスに影響を与える決定をしなければならない。その際、トレーナーは、個体及び彼らが運動活動のセッションに参加している間のパフォーマンスに関する情報に依存する。トレーナーは、自分で直接観察可能なことに加えて情報を受け取ることで利益を得ることができる。本発明の例示的な実施形態によるグループモニタリングシステムは、直接観察できることの範囲を超えた運動活動に参加する個体に関する理解しやすい情報をトレーナーに提供することができ、それにより、運動活動において成功する確率を最大にするためのトレーナーによる迅速で効果的な意思決定が促進される。ある例示的な実施形態において、グループモニタリングシステムは、トレーナーが直接観察できないであろう危険な、または重要な状態、例えば個体の疲労や個体の心拍数が閾値を超えていること等について注意を与えるために、トレーナーに警告を与えることができる。
【0088】
ある例示的な実施形態において、例えば図1及び図11に図示されているグループモニタリングシステム100は、個体モニター200(図2参照)と、ベースステーション300と、少なくとも1つのグループモニタリング装置400(図3参照)と、を含む。個体モニター200は、図2に示すように個体10とつなげることができる。個体モニター200は、様々なセンサ202を含む、またはそれらと通信することができ、様々なセンサは、加速度計、歩数計、心拍数モニター、位置センサ、衝撃センサ、カメラ、磁力計、ジャイロスコープ、マイクロホン、温度センサ及び風センサを含むがこれらに限定されない。ある例示的な実施形態において、個体モニター200は、センサ衣服204、心拍数モニター206及び位置センサ208を含み得る。位置センサ208は、例えば、衛星を利用したポジショニングシステムと共に用いる位置センサ(例えばGPS(全地球測位システム))、ビーコンシステムと共に用いる位置センサ(例えばフィールドまたは活動エリア付近の既知の位置における三角測量及び/またはアンテナが受信したシグナルの時差を用いた位置決定)、その他の好適な位置決定システムと共に用いる位置センサを含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、グループモニタリング装置400は、図3に示すようにトレーナー20によって使用されて良い。ある例示的な実施形態において、個体モニター200は、モニタリングシステム、例えば米国特許出願番号12/467,944号及び12/467,948号に開示されるようなものを含んでいて良く、これら出願はその全体を引用することにより本明細書の一部をなす。
【0089】
一般的に、センサ202は、個体10が運動活動のセッションに参加する準備をする際に個体10に取り付けられる。特定の個体10に取り付けられたセンサ202は、個体モニター200に有線または無線でつながれ、個体モニター200もこの特定の個体10に取り付けられる。センサ202は、個体10が運動活動のセッションに参加する間、個体10の特徴を感知し、該特徴を示すデータを個体モニター200に送信する。次に個体モニター200が、運動活動のセッション中にデータをベースステーション300へ送信する。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態において、この送信はリアルタイムに生じる。本明細書で使用する「リアルタイム」は、送信技術特有の遅延、リソースを最適にするように設計された遅延、及び当業者には明らかなその他の特有のまたは望ましい遅延を含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、この送信はリアルタイムより遅れるか、または活動の完了後に生じても良い。ベースステーション300は、データを受信し、データから測定基準を決定するが、測定基準は、センサ202が測定した特徴を示すものであってもよく、またはアルゴリズム及びその他のデータ操作技術の使用によりデータから派生した更なる特徴を示すものであってもよい。次にベースステーション300は、運動活動のセッション中の測定基準をグループモニタリング装置400に送信し、グループモニタリング装置400は、測定基準を受信してそれを示すものを表示する。
【0091】
グループモニタリング装置400は、複数の個体10に関連する測定基準を受信することができ、それらが関連する個体10に関連する受信した測定基準を表示することができる。このように、運動活動のセッション中にグループモニタリング装置400を見ているトレーナー20は、複数の個体10についての詳細な情報を受け取り、必要である、または目的にかなっていると決定した時にその情報に従って行動することができ、それにより、運動活動のセッション中に個体10を効率的にモニタリング及び管理することができる。
【0092】
いくつかの例示的な実施形態において、個体モニター200は、データに基づいて測定基準を計算し、データと共に、またはデータの代わりに測定基準をベースステーション300に転送する。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、測定基準と共に、または測定基準の代わりにデータをグループモニタリング装置400に送信する。いくつかの例示的な実施形態において、グループモニタリング装置400は、データに基づいて測定基準を計算する。
【0093】
ある例示的な実施形態において、図4に示すように、個体モニター200は、電池212、データポート214、位置モジュール216、心拍数モニターモジュール218、コントローラ220、ユーザーインターフェース222、トランシーバー223、アンテナ224、加速度センサモジュール226、メモリ228、ジャイロスコープモジュール230、磁力計モジュール232、及び温度センサモジュール233を含む。本明細書に記載のセンサ及び対応するモジュールは単なる例示であり、他のセンサ及びモジュールも本発明の実施形態と共に使用できる。電池212は、個体モニター200に電力を供給することができ、例えば、個体モニター200に内臓されていても、個体モニター200から取り外し可能であってもよく、再充電が可能であってもなくてもよい。データポート214は、個体モニター200との間の情報の転送を促進することができ、例えばユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートであってよい。いくつかの例示的な実施形態において、データポート214は、電池212を充電するために、追加的に、または二者択一的に電池212への電力の伝達を促進することができる。トランシーバー223は、データ送信/受信能力を含んでいてよく、単一の部品または別個の複数の部品を含んでいてよいことがわかるであろう。
【0094】
個体モニター200の要素は、様々な技術、例えばワイヤー、プリント基板、無線通信技術、シリアルポート、シリアル周辺機器インタフェース、その他の接続技術、またはその組み合わせを用いて相互接続してよい。各個体モニター200は、ベースステーション300に対してポータブルであり、運動活動に参加する個体10が携帯することができる。個体モニター200は、それ自体がセンサ202を含んでいてもよく、及び/または個体10が携帯し、個体モニター200から離れて位置するセンサ202と通信してもよい。各個体モニター200は、ベースステーション300と組み合わせ、個体10と関連させることができる。各個体モニター200は、固有の識別子を含み得る。固有の識別子は、例えば、個体モニター200の目に見える表面に刻まれた番号、あるいは個体モニター200上ボタンが押された時、またはベースステーション300からリクエスト信号を受け取った時に通信または表示されるデータであってよい。
【0095】
ベースステーション300と組み合わせるために、個体モニター200は、ベースステーション300のドッキングポート318に受けさせることができる(例えば図23参照)。そうするとベースステーション300は、個体モニター200の固有の識別子を記録し、個体モニター200に固有の暗号化キーを割り当てることができる。この暗号化キーは、運動活動のセッション中のデータの安全な送信をサポートするために使用できる。このようなデータの安全な送信は、例えば個体モニター200からベースステーション300へ、ベースステーション300から個体モニター200へ、及び1つの個体モニター200から1つ以上のその他の個体モニター200へのものであってよい。暗号化キーは、必要な時、または望ましい時に新しくすることができる(例えば各運動活動の新しいセッションのはじめに)。
【0096】
いくつかの例示的な実施形態において、個体モニター200の個体10への割り当ては、例えば図53に図示されるようなグループモニタリング装置400の使用によって促進され得る。例えば、グループモニタリング装置400の表示部402は、複数の個体10によるチームまたはその他のグループと共に、個体10に関連する個体モニター200のモニター識別情報242(個体モニター200固有の識別子を示す)を表示することができる。グループモニタリング装置400の使用者は、ある個体10に関連する特定の個体モニター200の識別情報242を選択し、その個体10に関連させるべき別の個体モニター200の識別情報242を入力することにより、関連付けを変えることができる。表示部402は、個体モニター200とベースステーション300の間の接続性または信号強度を示すものを表示することもできる。
【0097】
ベースステーション300の管理用インターフェース320を通じ(これは例えばベースステーション300上に配置された入力表示部であってよく、または例えばグループモニタリング装置400や分析装置600等の遠隔装置に組み込まれてもよい)、個体10の識別情報(例えば個体10の名前及び/または背番号)を、個体10が携帯する個体モニター200固有の識別子と関連付けることができる。一旦ベースステーション300と適切に組み合わせ、個体10と関連付ければ、個体モニター200は、ドッキングポート318から取り外して個体10に取り付けることができる。任意の外界センサ202を個体10に取り付けて個体モニター200と接続することができる。
【0098】
ある例示的な実施形態において、図4〜7に図示されるように、個体モニター200はポッドのような装置であり、個体モニター200の位置(従って個体モニター200を携帯する個体10の位置)を示すデータを決定するための位置モジュール216と;個体10の心拍数を示すデータを決定するための心拍数モニターモジュール218と;個体10の加速度を示すデータを決定するための三軸加速度センサモジュール226と;例えば競技場及び/またはベースステーション300に対する個体10の向きを示すデータを決定するためのジャイロスコープモジュール230と;ジャイロスコープモジュール230及び加速度センサモジュール226によって決定された身体動作データを較正するための磁力計モジュール232と、を含む。位置モジュール216、心拍数モニターモジュール218、加速度センサモジュール226、ジャイロスコープモジュール230及び磁力計モジュール232の各々は、それ自体が関連するセンサ(それぞれ例えばGPSセンサ、心拍数センサ、加速度センサ、ジャイロスコープ、及び磁力計)を含んでいてよく、あるいはそのような関連するセンサと通信してもよい。このような通信は有線であっても無線であってもよい。無線通信の場合、他の部品の通信が原因の誤通信や混信を避けるために、各モジュールは関連するセンサと通信上対になっていてよい。いくつかの例示的な実施形態においては、これら及びその他のモジュールのいくつかまたは全てが、単一のモジュールに含まれていてよい。
【0099】
ある例示的な実施形態において、複数のセンサ202のいくつかまたは全てが、センサ衣服204に組み込まれる。このような実施形態において、センサ衣服204に組み込まれたセンサ202は、やはりセンサ衣服204に組み込まれたワイヤーを通じて個体モニター200に接続してよい。
【0100】
個体10が運動活動のセッションに参加している間、センサ202は、個体10の様々な特徴を感知し、その特徴を示すデータを生成し、そのデータを個体モニター200のメモリ228に送信し、メモリ228にデータが保存される。同時に、個体モニター200はデータをベースステーション300に無線で送信する。帯域幅の最適化、電池寿命の最適化、または任意のその他の理由により、メモリ228におけるデータが保存される解像度とデータがベースステーション300に送信される解像度は異なってよい。例えば、個体10の心拍数は、心拍数モニターモジュール218によって200Hzでサンプリングしてよく、心拍数を示すデータは、200Hzで作成して200Hzでメモリ228に保存してよいが、2Hzで運動活動中にベースステーション300に無線で送信してよい。いくつかの実施形態において、メモリ228は、運動活動の単一のセッションからのデータ(例えば3時間のデータ収集)を保存するのに十分であり、いくつかの実施形態において、メモリ228は、運動活動の最大で5セッションまでのデータ(例えば最大で15時間のデータ収集)を保存するのに十分である。
【0101】
加速度センサモジュール226は、加速度を示すデータを決定することができ、これは、後で述べるが例えば速さ、距離及び測定基準を計算するのに使用できる。いくつかの例示的な実施形態において、加速度を示すデータは、例えば加速度計を歩数計として用いることにより位置データの正確性を高めるために、またはGPS信号の計算のフィルターを決定するために使用することができる。いくつかの例示的な実施形態において、加速度を示すデータは、個体10が行っている活動(例えばスポーツ、運動及び/または訓練)を決定するために、パターン認識ソフトウェアと共に使用できる。
【0102】
加えて、加速度センサモジュール226は、身体動作の測定を較正するために、磁力計モジュール232及びジャイロスコープモジュール230と共に使用できる。例えば、衝撃、動作の変化、重力及び歩数を示す情報が、加速度センサモジュール226を使用して得られる。角運動がジャイロスコープモジュール230を用いて得られ、絶対的な「北」の向きが磁力計モジュール232を用いて得られる。これらのセンサ信号は、例えば個体10の姿勢、重力、空間における個体10の向き、及び個体10の方向を決定するために使用できる。
【0103】
位置モジュール216は、例えば10Hzで絶対位置を示すデータを決定してもよい。加速度センサモジュール226は、例えば200Hzで加速度を示すデータを決定してもよい。ジャイロスコープモジュール230は、例えば200Hzで位置及び向きの変化を示すデータを決定してもよい。磁力計モジュール232は、例えば200Hzで向きを示すデータを決定してもよい。データは、無線周波数(RF)リンクを用いて個体モニター200から(アンテナ224経由で)ベースステーション300に送信されてよい。個体モニター200とベースステーション300の間のRFリンクは、予想される運動活動のエリア(例えば競技場30)をカバーするために十分に強くあるべきである。いくつかの例示的な実施形態において、RFリンクは、全ての動作条件下で50〜300メートルの距離をカバーするのに十分である。いくつかの例示的な実施形態において、RFリンクは、世界的に利用できるライセンス不要の帯域(例えば2.4GHzの周波数)を用いる。いくつかの例示的な実施形態において、RFリンクは、世界中で使用される複数のライセンス不要の帯域をカバーするように構成できる。後で更に詳しく説明するが、いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、複数の個体モニター、例えば最大で25個の個体モニター200、または最大で30個の個体モニター200と同時に接続するためにRFリンクを用いることができる。
【0104】
個体モニター200は、例えば図5〜7に図示されるようにポッドのような装置であってよく、例えば上述のモジュール等の個体モニター200の部品を含有するプラスチックハウジング234を含む。個体モニター200は、個体モニター200を例えばセンサ202に取り外し可能に接続するための導体への接続を提供し得るコネクタ236を含み得る。コネクタ236は、例えばスナップ、クリップ、ラッチ、または任意のその他の好適な技術によりセンサ202に取り外し可能に接続され得る。個体モニター200は、入力238を更に含んでよく、これはボタンであってよく、適切に操作された時に個体モニター200オンにしたりオフにしたりするように機能するものであってよい。入力238は背景光表示器を含んでよく、これは例えば個体モニター200の質を示す1つ以上の発光ダイオード(LED)であってよい。このような質は、例えば操作状態(例えばオン、オフ、動作中、動作していない、充電中、低バッテリー)、メモリの状態、及び電池の状態を含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、個体モニター200は、例えば液晶表示(LCD)スクリーンのような画像表示を含み、上述及びその他の情報を表示できる。
【0105】
個体モニター200は、ドッキングポート240を更に含み得、これは、個体モニター200をベースステーション300にドッキングした時に、ベースステーション300との有線通信を促進し、個体モニター200の電池212の充電を促進できる。個体モニター200のハウジング234は、個体モニター200の部品を収容しつつ、個体10の運動活動のパフォーマンスへの干渉が最小になるような大きさにすることができる。ハウジング234は、例えば衣服(例えばセンサ衣服204)のポケットまたは空洞に収まるような大きさにすることができる。いくつかの例示的な実施形態において、ハウジング234の寸法は70mm×55mm×11mmを超えない。
【0106】
いくつかの例示的な実施形態において、ハウジング234は耐水性があり、全ての開口部(例えばドッキングポート240やコネクタ236)は、運動活動中使用する間は密閉される。このような耐水性は、開口部にフィットするプラグ(例えばプラスチック製またはゴム製)の使用、耐水性の封止用化合物の使用、その他の技術、またはそれらの任意の組み合わせによって、個体モニター200(特にハウジング234)の露出する部分間をぴったり閉めることにより達成される。
【0107】
個体モニター200は、生データの整理及びフィルタリング等のデータ処理能力を含み得る。例えば、コントローラ220は、センサ202から生データを受信し、ベースステーション300に送信する前に個体モニター200においてデータを処理するように構成されてよい。例えば、心拍数モニターセンサ206が感知した電気的活動を表す生データを送信するのではなく、個体モニター200のコントローラ220は、生データを処理して心拍数、所定時間での心拍数、またはその他の目的の測定基準を計算してもよく、これらがベースステーション300に送信され得る。いくつかの例示的な実施形態において、個体モニター200のコントローラ220は、固有の暗号化キー(ベースステーション300のデータ処理モジュール304によって割り当てられる)を用いて、ベースステーション300にデータを安全に送信するためにデータを暗号化することができる。しかし、個体モニター200におけるこのようなデータ処理は必須ではなく、生データをこのような処理をせずにベースステーション300に直接送信することもできる。
【0108】
個体モニター200の操作は、個体モニター200に保存(例えばメモリ228に保存)したソフトウェアで制御してよい。このソフトウェアは必要時または適切な場合にアップデートできる。ソフトウェアはベースステーション300との通信によりアップデートでき、ベースステーション300はソフトウェアのアップデートを個体モニター200に無線で送信してよい。二者択一的、または追加的に、個体モニター200のソフトウェアは、個体モニター200のファームウェアを適切にフラッシュできるように、ドッキングポート318を通じたベースステーション300との直接的な接続によりアップデートしてもよい(後で述べる)。
【0109】
センサ202は、関連する個体10の測定基準を決定するためのベースを提供するように選択及び構成される。本明細書において「測定基準」とは、個体10または複数の個体10の1つ以上のグループに関連する特徴を示すものを指していてよく、例えば、生理学、パフォーマンスまたは位置に基づいていてよい。1つの「測定基準」は、単純にセンサ202の1つが感知した特徴を示すものであってよく、またはセンサ202の1つが測定した特徴を示すデータ由来の質を示すものであってもよい。例えば、加速度センサ210は加速度を感知し、この特徴を示すデータを提供する。このデータは、測定基準として表すことができる。加えて、このデータは、速さ、加速度の方向及び距離等の更なる測定基準を決定するために更に処理できる。特注設計の測定基準を含む、トレーナー20にとって有用であると決定された様々な測定基準を決定するために、センサ202から受信したデータ(異なるセンサ202からのデータを含む)及びその他のソースに作用する式及びアルゴリズムを伴う処理が使用できる。測定基準は、複数の個体10それぞれに関する有用な情報を提供でき、また、複数の個体10のグループに関する有用な情報を提供できる。測定基準はまた、例えば身長、体重、持久力及び最高速さ等、特定の個体10または複数の個体10のグループの特性を考慮に入れることもできる。
【0110】
ベースステーション300は、例えば図21〜26に図示される例示的な実施形態のように、本明細書に記載のベースステーション300の機能を果たすのに必要または所望される全てのハードウェアを含有する、内蔵型のポータブルシステムであってよい。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300の重さは25kg以下である。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、車のトランクまたは旅客機の頭上の収納スペースに容易に収まるような大きさにする。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、一方の端において1対の車輪322と、もう一方の端においてハンドル324と、を含み、ベースステーション300の可動性を促進する。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は防水性を有し、通常の使用及び移送に関連する衝撃に耐えられる。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、ハードシェルスタイルのケース328内に包含される。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、柔らかいダッフルバッグスタイルのケース328内に包含される。
【0111】
いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300はポータブルであるように構成される。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、活動場所において配置されるように構成される。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、様々な活動場所において配置できるように複数の活動場所間で移動できるように構成される。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、個体モニター200及びグループモニタリング装置400のうちの少なくとも1つに対してポータブルであるように構成される。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、個体モニター200及びグループモニタリング装置400の両方に対してポータブルであるように構成される。
【0112】
いくつかの例示的な実施形態においては、ベースステーション300自体が、例えばGPSセンサ(またはその他の位置センサ)、ジャイロスコープ、磁力計、温度センサ、湿度センサ、及び/または風センサ等のセンサを含む。このようなセンサは、後で述べるように、個体10に関連する測定基準を決定するためのアルゴリズムにおいて使用できる有益なデータを提供できる。
【0113】
いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は基準センサ334(例えばGPS基準センサ)を含み、これは、ベースステーション300内に物理的に含まれるか、またはベースステーション300から独立して、それに対して離れた既知の位置に配置されてよい。基準センサ334は、ベースステーション300と有線接続または無線接続できる。基準センサ334は、偏差信号を検出し、それを用いて受信した位置信号(例えばGPSデータ)の訂正信号を計算するために使用できる。この訂正信号は個体モニター200に送信できる(例えばベースステーション300経由で)。この訂正信号は個体モニター200の位置の決定を訂正するために使用でき、それにより正確性が高まる。このように訂正信号を決定してそれを個体モニター200に送信することにより、処理能力の効率的な使用が達成される。何故ならば、個体モニター200は、それ自体が訂正信号の決定という負担を負っておらず、単にベースステーション300または基準センサ334において決定された訂正信号を受信して使用するだけであるからである。
【0114】
ベースステーション300は、RF通信、WLAN通信、ISM通信、セルラー方式通信(例えばGSMブロードバンド2.5Gまたは3G)、その他の好適な通信、またはそれらの組み合わせのうち1つ以上用に構成されたアンテナ330を経由して、個体モニター200からのデータを送信及び受信してよい。ベースステーション300と個体モニター200の間の通信は、双方向でも一方向でもよい。アンテナ330は高利得アンテナであってよく、いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、複数の(例えば2つの)このようなアンテナ330を含む。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、衛星を利用したポジショニングシステム(例えばGPS)のもののような位置決め信号を送信及び/または受信するように構成されたアンテナを含む。そしてベースステーション300は、受信したデータから測定基準を決定できる。図8は、モニタリングシステム100の例示的な実施形態のダイアグラムを示す。図8に示すように、ベースステーション300は、データ受信モジュール302と、データ処理モジュール304と、中央同期(シンクロ)モジュール310と、論理モジュール312と、ウェブサーバモジュール314と、ベースステーションデータベース316と、を含む。
【0115】
上述の通り、ベースステーション300は、個体モニター200からのデータを受信する。ベースステーション300のデータ受信モジュール302は、動作中の各個体モニター200と通信することができる。いくつかの例示的な実施形態において、データ受信モジュール302は、上述のRFリンク経由で個体モニター200と通信するアンテナ330によって個体モニター200からのデータを受信する。データ受信モジュール302は、受信したデータをデータファイルに書き込むが、このファイルは例えばカンマで区切った(CSV形式)ファイルまたはタブ区切りファイルであってよい。ファイルは、例えばデータの書き込みに用いられる単一ファイル、または、例えば時間、エントリー数、サイズに基づくローリングファイル(rolling file)(ファイルロール(file roll))であってよい。データファイルは任意の好適な間隔及びパラメータを用いてアップデートできる。例えば、30個の個体モニター200が動作し、ほぼリアルタイムでデータファイルをアップデートするために、2Hzで5データポイントをアップデートすることができる。
【0116】
データ受信モジュール302は、受信したデータ上のデータの整合性のチェックを行い得る。いくつかの例示的な実施形態において、データ受信モジュール302は、受信したデータを復号する。いくつかの例示的な実施形態において、データ受信モジュール302は受信したデータに対して不可知論的(agnostic)であり、受信したデータを復号しない。いくつかの例示的な実施形態において、データ受信モジュール302は、必要に応じて内容をバッファリングする。
【0117】
データ受信モジュール302は、データファイルからデータを読み取ってそれをデータ処理モジュール304に送信するデータ読み取りモジュール332を含み得る。データ読み取りモジュール332は、任意の好適な間隔、例えば500ミリ秒おきに作動してデータファイルに書き込まれたデータにおける変更を読み取ることができる。
【0118】
運動活動のセッション中に個体10によって個体モニター200が使用される前に、各個体モニター200は、ベースステーション300に接続され(例えばドッキングポート318へのドッキングによって、または無線で)、データ処理モジュール304によって暗号化キーを割り当てられる。個体モニター200は、この暗号化キーを用いてデータ受信モジュール304に安全にデータを送信することができる。上述の通り、データ処理モジュール304はデータ受信モジュール302からデータを受信し、もし暗号化されていれば、特定の個体モニター200に対して割り当てられた固有の暗号化キーを用いてデータを復号する。データ処理モジュール304は、保存するために復号されたデータをベースステーションデータベース316に送信する。
【0119】
ベースステーションデータベース316は、好ましくは運動活動のセッション中に生成されたデータを短期保存するように構成される一方で、長期保存は、後で詳細を述べるようにウェブサーバシステム500によって得られる。ベースステーションデータベース316は、少なくとも運動活動の1セッションにおいて生成されると予想される全てのデータに十分な保存場所を含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーションデータベース316は、少なくとも運動活動の3セッションにおいて生成されると予想される全てのデータに十分な保存場所(例えば約2ギガバイト超)を含む。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーションデータベース316は長期保存向けに構成され、例えば少なくとも運動活動のモニタリングで10年使用して生成されると予想される全てのデータに十分な保存場所(例えば約600ギガバイト超)を含む。
【0120】
論理モジュール312は、ベースステーションデータベース316をポーリングし、ポーリングしたデータにアルゴリズムを適用して測定基準及び警告を決定する。論理モジュール312は、適切なアルゴリズムの適用により、特注設計の測定基準を含む多様な測定基準を決定できる。論理モジュール312は、このような測定基準をウェブサーバモジュール314に送信できる。例示的な測定基準及びその使用については、後でより詳細に述べる。
【0121】
いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は、イベントの発生をトレーナー20に知らせるために個体10への警告を作り出すことができる。このような警告は、例えば、トレーニングの有効性の測定、トレーニングの負荷の管理、トレーニングの目標達成の識別、または危険な状態の識別に使用できる。警告は、多数の測定基準、例えば距離(総距離及び/または特定の速さ範囲内の時間)、心拍数(現在の及び/または特定の心拍数域内の累積時間、特定の心拍数域外の心拍数)、及びパワー(power)またはトレーニングの負荷等に基づいて良い。このような警告は、一般的に全ての個体10に(個々にまたはグループに)適用でき、あるいは、特定の個体10に特有のものになるように適応させることができる。このような警告は、一般的に運動活動の全てのセッションに適用でき、あるいは、運動活動の特定のセッションに特有のものになるように適応させることができる。
【0122】
トレーナー20は、このような警告を管理装置を通じて作り出すことができ、管理装置は、後で詳細を述べるが、例えばグループモニタリング装置400や分析装置600等の装置であって良い。いくつかの例示的な実施形態において、警告はリモートコンピュータを用いて(例えばチームの監督や医療支援を行う人によって)作成でき、ベースステーション、及び任意の個体モニター200、グループモニタリング装置400または分析装置600に転送できる(例えばインターネット経由、及び/または本明細書に記載の任意の通信チャネル経由で)。トレーナーは、例えば測定基準の選択、条件(例えば目標測定基準値、目標測定基準値を維持する時間枠、目標達成の日数の範囲、目標測定基準の範囲)の選択、例外の特定、個体10(または複数の個体10のグループ)への警告の割り当て、及び警告を運動活動のセッションに関連付けることによって警告を作成できる。
【0123】
作成された警告は、関連する個体10のダッシュボード(例えばグループモニタリング装置400や分析装置600によって表示されるもの。図16及び20参照)を見たときに、関連する個体10と関連付けて見ることができる。個体10が警告を引き起こしそうになっていく状況(警告の条件が合致したときに警告が起こる)は、運動活動のセッション中にグループモニタリング装置400を通じてモニターできる。引き起こされた過去の警告は、個体10または複数の個体10のグループと関連付けて保存でき、これらの警告の履歴は、例えばグループモニタリング装置400や分析装置600を用いて見ることができる。可能な警告の例には、不規則な心拍を示していること、38℃を超える体温(異常高熱の兆候の可能性)を示していること、心拍数が最大値の85%以上を10分以上持続していること、900メートルの距離を6メートル/秒以上の速さで移動していること、トレーニングの負荷が700ワット以上であること、が含まれる。
【0124】
論理モジュール312は、個体10の運動活動中に、このような警告に関する情報(例えば、警告を引き起こしそうになっていく状況を示す情報や、警告されたことを示す情報を含む)を、グループモニタリング装置400に送信できる(ベースステーション300のウェブサーバモジュール314経由で)。このような警告に関する情報は、ベースステーションデータベース316に保存できる。
【0125】
ウェブサーバモジュール314は、個体10または複数の個体10(複数の個体10の複数のグループを含む)向けの論理モジュール312からの測定基準及び警告情報を受信できる。ウェブサーバモジュール314は、クライアント装置、例えばグループモニタリング装置400からの要求に基づいて表示コード(例えばhtml5(ハイパーテキストマークアップ言語5)に適合するコード)を与えることができる。いくつかの実施形態において、ウェブサーバモジュール314は、ジャバスクリプト(JavaScript)(登録商標)を用いてウェブソケットをオープン/維持する。ウェブサーバモジュール314はまた、要求するクライアント装置が正しく認証されていること、及び全てのデータがhttps(ハイパーテキスト転送プロトコルセキュア)を用いて送られていることを確認することにより、保護機能を果たすことができる。ウェブサーバモジュール314は、運動活動中、要求された測定基準及び生成された警告を、例えばAPI層経由でグループモニタリング装置400に提供することができる。
【0126】
グループモニタリング装置400は、測定基準、警告及びその他の情報(例えば個体10の識別情報や特性、個体10や広く運動活動に関わる統計値)を、ベースステーション300から無線で受信できる。単一のグループモニタリング装置400がベースステーション300と通信しても良いし、複数のグループモニタリング装置400が同時にベースステーション300と通信しても良い。グループモニタリング装置400は、ベースステーション300に対してポータブルであって良く、例えばWLAN(無線ローカルエリアネットワーク)、2.4GHzのISM(工業、科学、医療)バンド、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)(またはブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)ローエネルギー(Low Energy)(BTLE))、あるいはセルラープロトコルを経由してベースステーション300と通信できる。
【0127】
いくつかの例示的な実施形態において、グループモニタリング装置400は、表示されるべき1つ以上の操作モジュールの選択を可能にするモジュール選択素子446を含む。操作モジュールは、操作モジュールアイコンを用いて選択可能であって良い。いくつかの例示的な実施形態において、プランモジュールアイコン464の選択により、運動活動のセッションのプランを立てるために使用するように設計された特徴を含むプランモジュールが表示されて良い。いくつかの例示的な実施形態において、モニターモジュールアイコン466の選択により、本明細書で更に述べるように運動活動のセッション中にリアルタイムで運動活動のセッションをモニターするために使用するように設計された特徴を含むモニターモジュールが表示されて良い。いくつかの例示的な実施形態において、分析モジュールアイコン468の選択により、本明細書で更に述べるように運動活動のセッション中にリアルタイムで、または運動活動のセッション完了後に運動活動のセッションを分析するために使用するように設計された特徴を含む分析モジュールが表示されて良い。いくつかの例示的な実施形態において、レポートモジュールアイコン470の選択により、運動活動のセッションに関連するレポート(例えば印刷可能または表示可能な選択された情報の要約)を作成するために使用するように設計された特徴を含むレポートモジュールが表示されて良い。
【0128】
いくつかの例示的な実施形態において、グループモニタリング装置400は、例えば図9に示すように表示部402及び入力部404を含む。好ましい実施形態において、グループモニタリング装置400は、タブレット型コンピューティングスタイル装置(例えばタブレット型パーソナルコンピュータまたはアップル社(Apple Inc.(登録商標))が販売するiPad(登録商標))である。しかし、グループモニタリング装置400は、任意のその他の好適な装置、例えばラップトップ型コンピュータ、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子書籍リーダー、PDA(個人用デジタル補助装置)、スマートフォン、または情報の受信/表示と入力の受信ができるその他の類似の装置であっても良い。
【0129】
いくつかの例示的な実施形態において、運動活動のセッション中、トレーナー20はグループモニタリング装置400を使用して個体10についてのリアルタイムの情報を受信することができる。この情報は、トレーナー20がより容易に様々な目標を達成することを可能にし得る。運動活動がフィットネス運動の場合、例えば個体10のパフォーマンスを最適化し怪我の可能性を減らすデータに基づいたリアルタイムの決定を知らせるために、トレーナー20は、特定の個体10または複数の個体10のグループの疲労についての受信したリアルタイムのデータを活用することができる。例えば、トレーナー20は、グループモニタリング装置400から受信した情報に基づき、運動活動の現在のセッションを変更できる(例えばセッションのための活動スケジュールの短縮、延長、中断、終了、または変更)。トレーナー20は、特定の個体10、または複数の個体10のグループ向けのセッションを変更できる。運動活動の現在のセッションがモニタリング装置400のプランモジュールを用いて作成されている場合(本明細書で更に述べるように)、プランされたスケジュールは、リアルタイムに変更してトレーナー20の決定に対応させることができる。同様に、運動活動が試合(例えばサッカーの試合)である場合、トレーナー20は、例えば試合における成功の機会を最適化するデータに基づいたリアルタイムの決定を知らせるために、特定の個体10または複数の個体10のグループのパフォーマンスについての受信したリアルタイムのデータを活用することができる。ある例示的な実施形態において、グループモニタリング装置400は、1人の個体10を単独で、及び複数の個体10のグループをモニターするために使用できる。
【0130】
いくつかの例示的な実施形態において、グループモニタリング装置400は、例えば運動活動に参加する個体10についての視聴者情報を決定及び中継するために、運動活動の放送者によって使用され得る。
【0131】
表示部402は、個体10が運動活動のセッションに参加する間、個体10を示すもの(例えば識別情報、特性、測定基準及び警告を含む)を表示するように機能する。この示すものは、例えばチャート(図13及び14参照)、ダッシュボード(図16参照)、グラフ(図15参照)、マップ(図16参照)、カラー、記号、テキスト、画像及びアイコンを含む様々な形式をとり得る。
【0132】
入力部404は、使用者、例えばトレーナー20が表示部402に表示された示すものを操作することを可能にするインターフェースである。好ましい実施形態において、入力部404はタッチパネル式の入力部である。しかし、入力部404は、任意のその他の好適な入力部、例えばキーボード、音声認識入力部、または押しボタン式入力部であって良い。入力部404は、様々な種類の入力部の組み合わせを更に含み得る。入力部404は、表示部402が所望の示すものを表示するように、トレーナー20が操作することができる。示すものは、上述の通りグループモニタリング装置400とベースステーション300が通信し、次にこれが運動活動に参加している個体10が身につけている個体モニター200と通信することにより、運動活動中にリアルタイムにアップデートできる。
【0133】
ある例示的な実施形態において、トレーナー20は、入力部404を通じて固有のログイン認証情報を入力することによりグループモニタリング装置400にアクセスする。あるいは、トレーナー20は、ログイン認証情報を入力せずにグループモニタリング装置400にアクセスする。グループモニタリング装置400にアクセスすると、トレーナー20は、入力部404を操作してグループモニタリング装置400を使用し、個体10をリアルタイムにモニターすることができる。グループモニタリング装置400の表示部402は完全にカスタマイズ可能であり、異なる表示部402を使用する異なる人が、別々にそれぞれの表示部をカスタマイズできる。複数のトレーナー20によって複数のモニタリング装置400が同時に使用でき、各々が他から独立してカスタマイズ可能である。複数のモニタリング装置400の各々が、異なる個体10またはグループをモニターできる。複数のモニタリング装置400の各々が、現在の異なる情報及び/または同じ情報でフォーマットが異なるものをモニターできる。複数のモニタリング装置400の各々が、異なる警告及び/またはマーカーを含むようにカスタマイズできる(本明細書に更に述べる)。このようにカスタマイズ可能なことにより、複数のトレーナー20のそれぞれが、複数の個体10またはグループの異なる局面に焦点を合わせてモニターすることが可能となる。本明細書に記載の各表示部の特徴は、表示部402の使用者(例えばトレーナー20)の選択により変更する、及び/または表示部402の特別な表示に含めることができる。しかし、説明を簡単にするために、本明細書において表示部402は、様々な異なる「ダッシュボード」を表すものとして示され、ダッシュボードは、1つ以上の要素を視覚的に示すものである。いくつかの例示的な実施形態において、ダッシュボードはデフォルトの表示として定義することができ、これは、使用者の選択によって使用または変更することができる。例えば、チーム表示ダッシュボードは、チームにおける各個体10に関連する情報及びチーム全体に関連する情報を表すことができる一方、個体表示ダッシュボードは、特定の個体10に関連する情報を表すことができる。
【0134】
ある例示的な実施形態において、グループモニタリング装置400の表示部402は、チーム表示ダッシュボードを示す(例えば図13、17、18、27〜32、33A、33B、34及び35A〜35Dの例示的表示部402を参照)。チーム表示ダッシュボードは、モニターされる運動活動に参加している全ての個体10またはそのグループの識別情報及び概略測定基準を同時に表示することができる。識別情報は、例えば個体の名前406及び個体の背番号408を含み得る。いくつかの実施形態において、各個体10の写真410も識別情報として含まれる(例えば図27、28、31、32及び33A参照)。チーム表示ダッシュボードに示される概略測定基準は、トレーナー20にとって最も適用可能または最も有益な測定基準であるように構成できる。図13の例示的な表示部402において、プレイヤーAからプレイヤーHまでの各々についての現在の心拍数、速さ、トレーニング負荷およびパワー(power)が示される(プレイヤーA〜プレイヤーHはモニターされる運動活動に参加している個体10である)。図13に示される測定基準は、数値として示されている。しかし、測定基準の表示は数値の表示に限定されない。測定基準は、当業者が理解するであろう他の好適な方式、例えばグラフ(例えば図15参照)やマップ形式(例えば図16及び17参照)で示しても良い。
【0135】
いくつかの例示的な実施形態、例えば図27の表示部402においては、プレイヤーAからプレイヤーLまでの各々についての心拍数、パワー、距離及び効率が示され、更なるプレイヤーについてのこれらの数値が、プレイヤーLより下にスクロールすることで見ることができる。また、プレイヤーAからプレイヤーLまでの各々について、警告及び備考のフィールドも示される。いくつかの例示的な実施形態において、例えば図27及び31に図示されるように、備考アイコン425及び警告アイコン432は備考及び警告の存在を示し得る。このような備考アイコン425及び警告アイコン432を選択することにより、関連する備考またはアイコンに関連する更なる情報を表示させることができる。例えば、図27のチーム表示ダッシュボードは、プレイヤーAが1つの警告を有し、プレイヤーEが3つの警告を有し、プレイヤーLが2つの警告を有すること、そしてプレイヤーA、D、E、I及びKの各々が彼らのエントリーに関連する備考を有することを示している。このような備考及び警告については、本明細書で更に詳細を述べる。
【0136】
いくつかの例示的な実施形態において、表示部402は、全てのモニターされる個体10のサブセットを表示する。このようにして、トレーナー20は特定の複数の個体10に焦点を合わせることができる。いくつかの例示的な実施形態において、表示される個体10のサブセットはトレーナー20が定義することができ、表示部402は、選択特徴、例えば図28及び29の選択特徴428を含み得、これが、見ることができるサブセットに特定の個体10を含めるか否かをトレーナー20が選択することを可能にする。
【0137】
更に、またはあるいは、チーム表示ダッシュボードは、モニターされる運動活動に参加している個体10のグループのグループ概略測定基準を示し得る。グループ概略測定基準は、グループに属する各個体10の対応する測定基準の平均であって良く、または、グループ概略測定基準は、グループ全体の所望の特性を反映するように設計された独自のアルゴリズムを用いて計算しても良い。図13の例示的な表示部402においては、チーム(すなわちプレイヤーA〜プレイヤーH)、及びチームのサブセットを含むグループ(すなわちプレイヤーA、プレイヤーC及びプレイヤーE)についての現在の平均心拍数、速さ、トレーニング負荷及びパワーが示されている。心拍数、速さ、トレーニング負荷及びパワーの値は、現在の値を反映させるために運動活動中にリアルタイムでアップデートできる。
【0138】
チーム表示ダッシュボードは、心拍数、速さ、トレーニング負荷及びパワーの表示に限定されず、4つの測定基準の表示に限定されない。チーム表示ダッシュボードは、トレーナー20にとって最も適用可能で最も有益な測定基準を表示するようにカスタマイズでき、各個体10について、例えば3〜5つの異なる測定基準を表示できる。いくつかの例示的な実施形態において、表示する測定基準は、運動活動の前、セットアップ手順の間にセットできる。いくつかの例示的な実施形態において、表示する測定基準は、運動活動の間に入力部404の操作によって変更できる。
【0139】
チーム表示ダッシュボードに表示された測定基準のうちの特定の測定基準を、メイン測定基準414として指定でき、これを他の測定基準よりも強調させて表示できる。メイン測定基準は、1人の個体10について、または複数の個体10のグループについて独立して指定できる(例えばトレーナー20により)。トレーナー20が、運動活動に参加している全ての個体10にわたってメイン測定基準を容易に一目で見ることができるように、メイン測定基準を他の測定基準に比べてより目立たせて、またはより詳しく表示できる。いくつかの例示的な実施形態において、メイン測定基準414は、入力部404の適切な操作によって運動活動のモニター中に任意の利用可能な測定基準に変更できる(例えば図30に示されるメイン測定基準オプション430のうちの1つを選択することにより、メインにしたい測定基準を選択する)。いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は、メイン測定基準の表示を切り替えることができる。
【0140】
メイン測定基準414は、様々な方法でメインにすることができる。例えば、他の表示された測定基準とは別の色(または背景色)で表示して良く;他の測定基準より大きく表示して良く;光らせたり点滅させて良く;他の測定基準よりも背景領域が大きくて良く;個体10の識別情報の最も近くに配置して良く;ステータスバー、チャートまたはグラフを含んで良く(例えばステータスバー462);あるいはこれらやその他の特性の組み合わせを示しても良い。図13の例示的な表示部402においては、他の測定基準よりも背景領域を大きくし、個体10の識別情報の最も近くに配置することで、心拍数をメインにしている。図27の例示的な表示部402においては、各個体10についてパワーのエントリーの隣にステータスバーを含めることにより、パワーをメインにしている。図30及び32の例示的な表示部では、他よりも大きなパワーを表す数値を追加的に表示することにより、パワーを更にフィーチャーしている。図31の例示的な表示部402では、ステータスバーを含め、他の数値よりも高い心拍数を表す数値を示すことにより、心拍数をメインにしている。
【0141】
もし個体10の測定基準について警告が設定されている場合、いくつかの例示的な実施形態は、測定基準の値が警告パラメータに関する特定のゾーン内にあるかどうかを示すものを含んでも良い。例えば、値がゾーン内であるかゾーン外であるかに基づいて、または値が閾値に近いことに基づいて測定基準の背景領域の色が変わっても良いし、アイコンが現れても良い。心拍数が最大値の85%以上を10分以上持続していることについての警告が設定されている例示的な実施形態においては、個体10の心拍数の値が最大値の85%以上である場合は、個体10の心拍数の値を含有する領域の背景は緑であり、心拍数が最大値の85%以上を10分以上持続している場合は、個体10の心拍数の値を含有する領域に星型のアイコンが現れ、グループモニタリング装置400のスピーカーから音声が流れる。いくつかの例示的な実施形態においては、例えば図31〜33Aに示すように、関連する個体10の名前の周りの領域の色が変わることにより、警告が引き起こされていることを示すことができ、警告を示す円形またはその他の警告アイコン432が現れて、個体10に関連する警告の存在及び/またはその数を示すことができる。色の変化は、警告が発動されている間ずっと維持されても良く、あるいは、警告が引き起こされた時に変わり、しばらくすると色が薄くなるか、または元の色に戻っても良い。いくつかの例示的な実施形態においては、個体モニター200は、例えば可聴ノイズを出す、振動する、または視覚的に示す(例えばLEDまたはLCD表示により)ことを通じて、関連する個体10に対する警告を示すことができる。
【0142】
いくつかの例示的な実施形態において、警告が引き起こされた場合、例えば図33A及び34に示すように、トレーナー20は、警告を示すものを選択することにより、その警告についての更なる情報にアクセスできる。いくつかの例示的な実施形態において、警告の表示を選択することにより、警告の引き金になった測定基準の詳しいチャートを見ることができる。いくつかの例示的な実施形態において、表示部402は、全てのモニターされる個体10またはそのサブセットについて、ある時点の、またはある期間中の全てのアクティブな警告を表示できる。いくつかの例示的な実施形態において、新しい警告は、例えば図33A、33B、34及び35A〜35Dの例示的な実施形態に示されるように、新しい警告に関する情報を示す点滅アイコンまたは一時的なポップアップ・ウィンドウ434によって示すことができる。
【0143】
いくつかの例示的な実施形態において、ポップアップ・ウィンドウ434は単一の警告についての情報を含む(例えば図33A)。いくつかの例示的な実施形態において、ポップアップ・ウィンドウ434は複数の警告についての情報を含む(例えば図33B)。複数の警告は任意の好適な基準に従って表示でき、例えば、複数の警告は、特定の個体10または複数の個体10のグループに関するアクティブな警告であって良く、または現時点より前のある期間内に引き起こされた警告であっても良い。いくつかの例示的な実施形態において、ポップアップ・ウィンドウ434は、引き起こされた警告の存在及び/またはその数を示す。この数には、例えば、全てのアクティブな警告、全ての見えない警告、または現時点より前のある期間内に引き起こされた警告の数が含まれ得る(例えば図35C)。いくつかの例示的な実施形態において、表示するべき警告の数がある閾値を超えた場合に、引き起こされた警告の数を示すポップアップ・ウィンドウ434は、更なる警告の情報を示すポップアップ・ウィンドウ434の場所に現れる。
【0144】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図35Dに図示されるように、警告管理アイコン448の選択に応じて警告管理ウィンドウ438が表示され得る。警告管理ウィンドウ438は、全てのアクティブな警告またはそのサブセットに関する情報を含み得、そのような警告の却下または承認を可能にし得る。
【0145】
いくつかの例示的な実施形態において、チーム表示ダッシュボードは、リアルタイムで並べ替え可能である。トレーナー20は、表示部402が所望の測定基準により並べ替えられた個体10の情報を示すように、入力部404を操作できる。例えば、トレーナー20は、表示された心拍数の測定基準を選択でき(例えば測定基準ラベルまたは測定基準に関連する並べ替えアイコンを選択することにより)、個体10の情報は、昇順または降順に示されるように再配置できる。例えば図19は、複数の個体10が、心拍数の最も低い個体10から心拍数の最も高い個体10へと再配置されたことを示す。心拍数の測定基準の更なる選択により、個体10の情報を昇順の表示から降順の表示に、及びその逆に変更できる。いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は、例えば名前406、空間での位置(例えばフィールドやコートでの位置)、チームでのポジション(例えばゴールキーパー、ディフェンダー、ポイントガード)、背番号408、生理学的状態、関連性の状態、またはアクティブな警告によって同様に並べ替えることができる。このような特性により、トレーナー20は、どの個体10が他の個体10に比べて高い/低い測定基準を有するかを容易に見ることが可能となる。
【0146】
いくつかの例示的な実施形態において、チーム表示ダッシュボードは、リアルタイムでフィルター可能である。トレーナー20は、表示部402が複数の個体10のサブセットの情報を示すように、入力部404を操作できる。例えば、トレーナー20は、複数の個体10のサブセットを表す1つ以上のグループを選択できる。グループは様々な方法で選択できる。いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は、グループラベルまたはグループに関連するフィルターアイコンを選択する。いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は、リアルタイムで個体を選択してグループを作る。いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は、グループのメンバーの識別に用いる情報、例えば特定の心拍数より高い全ての個体10、特定のトレーニング負荷のパーセンテージより高い全ての個体10、特定の位置に割り当てられた全ての個体10、または特定の生理学的状態を有する全ての個体10、といった情報を入力する。グループが選択されると、グループに含まれる個体10のみについての情報が表示されるように、表示が変化し得る。このような特性により、トレーナー20は、個体10のグループに関連する測定基準に容易に焦点を合わせることが可能となる。
【0147】
いくつかの例示的な実施形態において、チーム表示ダッシュボードは、個体モニター200のベースステーション300への接続状態をモニターするためにも使用できる。例えば、個体10がベースステーション300の範囲外に移動した場合、ベースステーション300は、その個体10の個体モニター200からの正常な送信を受信できない場合がある。チーム表示ダッシュボードは、例えば個体10の識別情報をグレー表示すること(例えば図27、31、32及び34のプレイヤーG参照)、個体10に関連する情報に取り消し線が引かれること、または個体10の識別情報に関連してアイコンを含むことにより、個体10についてベースステーション300がデータを受信していないことを示すことができる。
【0148】
いくつかの例示的な実施形態においては、代替的表示が、上述の図13の表示に代わることができるか、または選択可能な代替的表示として使用でき、それによりトレーナー20は、上述の表示と代替的表示の間での選択が可能となる。図17及び18の代替的表示は複数のパネルを含み、各々が特定の個体10の情報を示す。図17は、競技場30における個体10の現在の位置を示す位置コンポーネント412を含み、個体10はそれぞれの識別番号で示される。いくつかの例示的な実施形態においては、例えば図60に示されるように、個体10はそれぞれの写真で示される。図18は、各パネルの中央に目立つように表示されたメイン測定基準414(心拍数)と共に、各パネルの数値が何の測定基準を表しているかを示すキー416を含む。トレーナー20は、キー416において測定基準を選択し、それをメイン測定基準414として表示させることができる。図18はまた、現在モニターされていない個体10のリストも含む。トレーナー20は、このリストから個体10を選択してその個体をモニターするようにできる。図17及び18の代替的表示の操作は、上述の図13の表示の操作と同様である。
【0149】
いくつかの例示的な実施形態において、位置コンポーネント412は、競技場における個体10の現在の位置を示し、複数の個体10のうちの1人の表示を選択することにより、その選択された個体10の現在のステータスに関する情報を表示するステータスボックスが表示される。いくつかの例示的な実施形態においては、例えば図60に示されるように、位置コンポーネント412はヒートマップ413を含み得、これが競技場のエリアにおける個体10の集中を視覚的に示し、この情報が、トレーナー20が個体10を再分布するか否かを決定する際の一助となり得る。このような視覚的表示は、個体10の集中度がより高いエリアを、個体10の集中度がより低いエリアとは別の色で示すことを含み得る。位置コンポーネント412は、個体10をリアルタイムでモニターするために使用でき、あるいは、過去の運動活動のセッションまたは現在の運動活動のセッションのより早い段階での個体10の位置を見直すためにも使用できる。
【0150】
ある例示的な実施形態において、グループモニタリング装置400の表示部402は、個人表示ダッシュボードを示す(例えば図16、36A、36B、37A、37B及び38〜41の例示的な表示部402参照)。トレーナー20は、例えばチーム表示ダッシュボードにおいて個体10を選択することにより個人表示ダッシュボードにアクセスできる。個人表示ダッシュボードは、選択された個体10に関する情報、例えば個人情報(例えば写真410、名前406、背番号408、ポジション)、特性(例えば身長、体重)、測定基準(例えば活動時間、心拍数、速さ、移動距離、強度レベル、トレーニング負荷、効率、位置)、統計値(例えば得点)、警告、備考、及び状態(例えば活動状態、健康、リハビリテーション)を示し得る。いくつかの例示的な実施形態において、個人表示ダッシュボードは、図16の実施形態に示されたものとは異なる選択された個体10に関する情報を示す。
【0151】
いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20が情報のエントリーを選択すると、その情報の詳しい表示が表示され得る。例えば、トレーナー20が、図16に示されるプレイヤーAについて個人表示ダッシュボード上で「心拍数」を選択すると、表示部402は、現在の運動活動を通じてのプレイヤーAの心拍数の履歴を示す詳しいチャート及び/またはグラフ418を表示することができる(例えば図20参照)。いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は個人表示ダッシュボード上で「パワー」インジケーターを選択でき、表示部402は、選択されたプレイヤーのパワーの履歴を示す詳しいチャート及び/またはグラフ418を表示することができる(例えば図36A参照)。
【0152】
いくつかの例示的な実施形態において、選択された個体10についての選択された測定基準に特有の任意の適用可能な警告情報(例えばトレーニングゾーン、閾値)が詳しく表示される。例えば、図20及び36Aの詳細表示に示されるように、プレイヤーAの心拍数についてのトレーニングゾーン420が、プレイヤーAの心拍数のグラフ418に重ねられる。いくつかの例示的な実施形態において、ゾーン420のエリアは、例えば図36Bに示されるように、グラフ418のデータと一致する部分がハイライトで示され得る。また、例えば図36Aの詳細図に示されるように、トレーニングゾーン420(例えばプレイヤーの速さについて)は、円グラフとして表示できる。いくつかの例示的な実施形態において、特定の測定基準に関連する警告は、その測定基準を示すチャート及び/またはグラフと関連させて表示されるアイコンによって示すことができる。例えば、図39の詳細表示において、ある警告アイコン432は、プレイヤーの心拍数に関連する警告を示し、ある警告アイコン432は、プレイヤーに全般的に関連する3つの警告を示す。
【0153】
これらの警告を選択することにより、例えば図40に示されるようにポップアップグラフィック434の形式で警告に関するより詳細な情報を表示できる。いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は複数の情報エントリーを選択でき、表示部402は、選択された複数の情報エントリーに関する情報を詳細表示に組み込むことができる。例えば、図20は、表示部402のグラフ418に示されるプレイヤーAの速さを示す。いくつかの例示的な実施形態において、表示部402は、主要なチャート及び/またはグラフ418を表示しながら更なる詳細なチャート及び/またはグラフ436を表示できる。いくつかの例示的な実施形態において、更なる詳細なチャート及び/またはグラフ436は、例えば図36A及び39に示すように、主要なチャート及び/またはグラフ418より目立たないように(例えばより小さく)表示される。いくつかの例示的な実施形態において、チャート及び/またはグラフ418上のあるエリアが選択されると(例えばトレーナー20によって)、表示された測定基準に関するより詳細な情報が表示され得る。例えば、折れ線グラフ上の特定のポイントの付近を選択することにより、そのポイントにおける1つ以上の測定基準の値を示すグラフィック474を表示させることができる(例えば図37B及び38参照)。いくつかの例示的な実施形態において、チャート及び/またはグラフ418は、1つより多い測定基準を示す情報を含み得る。例えば、チャート及び/またはグラフ418は、同じチャート及び/またはグラフ上にパワー及び心拍数を含み得る(例えば図37A及び37B参照)。
【0154】
いくつかの例示的な実施形態において、チャート及び/またはグラフ418は、過去の運動活動のセッションについての測定基準情報を含み得、これは、グループモニタリング装置400内に保存されていても、例えばベースステーション300によってそこに送信されても良い。いくつかの例示的な実施形態において、チャート及び/またはグラフ418は、1つ以上の測定基準について、1つより多い期間を示す情報を含み得る。例えば、チャート及び/またはグラフ418は、同じチャート及び/またはグラフ上に、1つ以上の以前の運動活動のセッションについての心拍数の情報とは別に、またはその上に重ねて、現在または最も最近の運動活動のセッションについての心拍数の情報を含み得る。
【0155】
いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は、例えば図16及び41に示すように、個人表示ダッシュボードの備考フィールド422を選択することにより、特定の個体10、複数の個体10のグループ、またはチームについての備考を入力できる。いくつかの例示的な実施形態において、備考フィールド422は、備考の存在を示し、備考を表示し、及び/または新しい備考を作成するためのオプションまたは入力を提供することができる。いくつかの例示的な実施形態において、備考フィールド422の選択、あるいは備考追加機能へのアクセスにより、例えば図44に示すように、表示部402に備考作成ウィンドウ438を表示させることができ、これによりトレーナー20は備考を入力できる。
【0156】
備考フィールド422の選択により、フリーテキスト備考エントリーフィールドが現れ、トレーナー20はこれにテキストを入力することができる。いくつかの実施形態において、備考フィールド422の選択により、グループモニタリング装置400内のマイクロホンが作動してトレーナー20の音声入力を記録し、これによりトレーナー20は音声による備考を記録できる。トレーナー20は、例えば個体10の心拍数を詳しくモニターするようにとのリマインダ、個体10が脱水状態であるようだとのリマインダ、個体10のナイスプレーを称えるべきとの決定、またはチームがある特定のプレイを練習するべきとの決定等、所望の情報を備考フィールド422に入力することができる。いくつかの例示的な実施形態において、備考は、例えば備考が関連する時間、あるいは備考が作成または修正された時間等を示す時間の情報を含み、これは、記録されたデータと備考を後で関連付けるのに有用であり得る。このような時間の情報は、手動で入力しても自動的に決定されても良い。
【0157】
いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は、マーカー440を選択してセッションタイムライン424に含めることができる。このようなマーカー440は、運動活動前、運動活動中、または運動活動後に選択できる(例えば本明細書で更に述べるようにプランモジュールを用いて)。セッションタイムライン424は、運動活動のセッション、あるいは運動活動のセッションのサブセットまたは合間における経過時間または残り時間を追跡でき、例えば図13、16、19、20及び27−44に示されるように、数値(例えば数値450)や、総セッション時間を表すライン上の動くポイントによって表すことができる。マーカー440は、トレーニングセッション内のイベントを識別するために使用できる。トレーナー20は、例えばマーカー追加ボタン426(例えば図13、16、20及び42A参照)の選択や、セッションタイムライン424上のポイントの選択により、マーカー440を選択できる。
【0158】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図42E及び43に示すように、マーカー追加ボタン426の選択により、表示部402がマーカー追加ウィンドウ442を表示し、これによりマーカーを定義するためのパラメータの入力が可能となる。マーカー追加ウィンドウ442は、備考入力エリア444を含み得、トレーナー20は、ここにマーカー440に関連する備考を入力できる。マーカー440は、チーム全体、個体10のサブグループ、または特定の個体10と関連し得る。マーカー440を選択すると、トレーナー20はマーカーのタイプを指定することができ、これは、例えば活動が開始するポイントを指定する「活動開始」マーカー、活動が停止するポイントを指定する「活動停止」マーカー、または特定のイベントが起こるポイントを指定する「フラグマーカー」であり得る。活動ベースのマーカーでは、マーカーの特性は、例えば活動の種類(例えば有酸素運動、練習、強度、回復、その他)及び活動の名称を含み得る。フラグベースのマーカーでは、マーカーの特性は、フラグの種類(例えば怪我、休息、場外、範囲外)を含み得る。
【0159】
いくつかの例示的な実施形態において、マーカー440は、例えばマーカー440が関連する時間やマーカー440が作成及び/または変更された時間を示す時間情報を含み、これは、記録されたデータとマーカーを後で関連付けるのに有用であり得る。このような時間情報は、手動で入力しても自動的に決定しても良い。いくつかの例示的な実施形態において、トレーナー20は、マーカーまたはセッションタイムライン424上の特定のポイントと関連させるべき備考を入力できる。いくつかの例示的な実施形態においては、例えば図27及び31に示すように、セッションタイムライン424上のポイントに位置する備考アイコン425は、そのような備考を表すことができる。マーカー440の特性は、トレーナーがリアルタイムに指定しても、予め定義しておいても良い。マーカー440は、それが作成された時間においてセッションタイムライン424と関連付けることができ、また、セッションタイムライン424上の任意のその他の時間と関連付けることもできる。トレーナー20が、前後関係の情報を特定の時間及び個体と関連付けることにより運動活動中及び運動活動後に個体10のパフォーマンス分析する際に、マーカーは有用であり得る。いくつかの例示的な実施形態において、セッションの一部が活動マーカーでマークされると、個体10の同じ種類の活動の過去のデータが検索され、その個体10のより最近の(現在作成中のものを含む)データで上書きされ得、それにより、個体10についてのデータの比較が促進される。本明細書に記載されるマーカー440及びその使用は、特定の個体10、または複数の個体10のグループ(例えば個体10の1つ以上のチームまたはリーグ、あるいは個体10の1つ以上のチームまたはリーグにおける1つ以上のサブグループ)に適用できる。
【0160】
いくつかの例示的な実施形態において、分析マーカー440は、ユーザー(例えばトレーナー20)によって定義及び操作され得る。分析マーカー440は、間隔パラメータの関数(function)として、測定基準情報のサブセットを定義するための境界として使用できる。これによりグループモニタリング装置400は、分析マーカー440によって定義された測定基準情報のサブセットのみに相当する測定基準情報(例えば心拍数等のパフォーマンス測定基準情報)を表示できる。分析マーカー440は、特定の個体10についても、複数の個体10のグループについても定義できる。間隔パラメータは、指定された第1ポイント及び第2ポイントを有し得る任意のパラメータであって良く、これは例えば第1分析マーカー440及び第2分析マーカー440によって指定でき、これによりパフォーマンス測定に好適な間隔を定義することができる。例えば、間隔パラメータは時間または距離であって良い。
【0161】
いくつかの例示的な実施形態において、分析マーカー440は、個体10が従事する運動活動の一部を定義する。運動活動の一部は、例えば、特定のスポーツについてのウォーミングアップ、練習、ライブでのプレイ、クールダウン、ラインドリル、ダッシュ、ダッシュの繰り返し、コンディショニング練習、筋力トレーニングのための練習、戦術的練習、または技術練習であって良い。例えば、コンディショニング練習が、運動活動の10分のところで始まり、運動活動の15分のところで終わった場合、第1分析マーカー440は、運動活動の10分のところの時間を指定でき、第2分析マーカー440は、運動活動の15分のところの時間を指定でき、これにより、コンディショニング練習に対応する5分の間隔が定義される。
【0162】
いくつかの例示的な実施形態において、分析マーカー440は、運動活動のセッション後に入力部404を操作することにより(例えば過去の間隔を定義する)、過去の測定基準情報に基づいて定義できる。いくつかの例示的な実施形態において、分析マーカー440は、運動活動のセッション中に入力部404を操作することにより(例えば、運動活動中リアルタイムで開始ポイントを、次にリアルタイムで終了ポイントを定義する)、現在の測定基準情報に基づいて定義できる。いくつかの例示的な実施形態において、分析マーカー440は、運動活動のセッション前に入力部404を操作することにより(例えば計画された運動活動のセッション中の時間における予想される開始ポイント及び終了ポイントを定義する)、予想される未来の測定基準情報または予想される活動に基づいて定義できる。
【0163】
予想される未来の測定基準情報に基づいて定義した場合、グループモニタリング装置400は、特定の運動活動の間隔をスケジューリングすることにより、計画された運動活動のセッションをコーディネートするために使用できる。例えば、分析マーカー440は、コンディショニング練習を運動活動の最初の5分間で行い、筋力トレーニングのための練習を次の5分間で、技術練習を次の5分間で行うと定義できる。グループモニタリング装置400は、トレーナー20に対し、間隔がいつ開始しいつ終了するようにスケジューリングされているか、及び間隔の間の移行がいつ起こるようにスケジューリングされているかを示すことができ、トレーナー20は、この情報を個体10に伝えることができる。いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は、個体モニター200に対し、間隔の間の移行あるいは特定の間隔の開始または終了を示す信号を送ることができ、個体モニター200は、例えば可聴ノイズ、振動または視覚的表示(例えばLEDまたはLCD表示)により、この情報を個体10に伝えることができる。このように、個体10には、定義された間隔に対応する運動活動の一部の開始または終了に関して警告を与えることができる。
【0164】
いくつかの例示的な実施形態において、運動活動のセッションの計画を促進するために、表示部402はプランモジュールを表示することができ、これは、例えば図45〜51に示すように、運動活動のセッションの計画に使用できるユーティリティを含み得る。表示部402は、セッション継続時間482を含み得、これは、運動活動のセッションの継続時間を定義するためにユーザーが操作できる。表示部402はセッションタイムライン424を表示でき、これは計画された運動活動のセッションのタイムラインを示し得る。トレーナー20は、選択された時間においてスケジューリングされた運動活動の間隔を定義するために、セッションタイムライン424のポイント及び部分を選択できる。運動活動のこのような間隔は、個体10のチーム全体、個体10のその他のグループ、または単一の個体10についてスケジューリングできる。例示的な実施形態において、例えば図45に示すように、運動活動の間隔は個体10の複数のグループについてスケジューリングされ、これらのグループは、それぞれ独自のタイムライン478で表示される。いくつかの例示的な実施形態において、例えば図46に示すように、セッションタイムライン424上のポイントを選択した時、またはポイントに相当する時間になった時に、ラインまたはその他のインジケーター494がタイムライン478上の相当するポイントまで延びるように、タイムライン478はセッションタイムライン424とそろえて並べられる。
【0165】
様々なパラメータが計画された運動活動のセッション及び/またはその間隔と関連付け手定義でき、例えば、マーカー、トレーニング目標、警告及び強度レベルを含む。いくつかの例示的な実施形態において、このようなパラメータは、例えば図45〜47に示すようにオプション及び/またはメニュー480を用いた選択によって定義でき、この選択により、例えば図49に示すように、トレーニング目標及び警告ウィンドウ486を表示させることができる。トレーニング目標及び警告ウィンドウ486は、測定基準(例えば心拍数、パワー、速さ)の選択、及び測定基準の最大値のパーセンテージに関するトレーニングまたは警告ゾーンの定義を可能にし得る。トレーニング目標及び警告ウィンドウ486はまた、測定基準の確定値によって制限されたトレーニングまたは警告ゾーンの定義も可能にし得る。いくつかの例示的な実施形態において、計画された運動活動のセッションと関連させて定義されたマーカー440は、例えば図42Eに示すように、運動活動のセッション中にセッションタイムライン424上に表示できる。表示部402は、運動活動のセッション中にトレーナー20がこのようなマーカー440を変更、追加、または削除できるように構成され得る。
【0166】
いくつかの例示的な実施形態において、このようなパラメータ(例えばマーカー、トレーニング目標、警告、強度レベル)は、例えば図47に示すように、タイムライン478上のポイントの選択によって定義できる。いくつかの例示的な実施形態において、タイムライン478上のポイントのこのような選択により、選択したポイントに対応する時間または間隔におけるポイントに関連するマーカー、トレーニング目標、警告及び/または強度レベルを入力するためのオプション及び/またはメニュー481の表示が可能となる。いくつかの例示的な実施形態において、タイムライン478上のポイントのこのような選択により、選択したポイントに対応する時間または間隔におけるポイントに関連する警告またはマーカーを入力するためのウィンドウの表示が可能となる。
【0167】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図48に示すように、表示部402は活動編集ウィンドウ484を表示し、これは、運動活動のセッションの間隔に関連する活動の様々な局面の定義を促進するオプション及び入力を含む。様々な活動(例えば練習、試合、テスト、トレーニング要素)が、データベース(例えばベースステーションデータベース316、またはグループモニタリング装置400に含有されるメモリ)内に保存できる。活動編集ウィンドウ484は、トレーニング要素(例えばウォームアップ、練習、競争)の選択、強度レベル(例えば低、中、高)の選択、及び関与するプレイヤーの数の選択により、ユーザーによる活動の検索を可能にし得る。活動編集ウィンドウ484は、入力した検索基準にマッチする活動を示す結果を提供し得る。活動編集ウィンドウ484は、得られた活動を個体10またはそのグループに割り当てる、及び割り当てられた活動を管理する監督またはトレーナー20を選択するオプションを提供し得る。活動編集ウィンドウはまた、このような活動を時間及び継続時間と関連付けることを可能にし、それにより運動活動のセッションの間隔をスケジューリングできる。このような活動は、例えば図42Eに示すように、運動活動のセッション中にマーカー440によって指定し、セッションタイムライン424上に表示することができる。このような活動は、運動活動のセッション前(例えばグループモニタリング装置400のプランモジュールを用いて)、運動活動のセッション中、または運動活動のセッション後に指定することができる。
【0168】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図50に示すように、表示部402は、設定された期間(例えば1週間、1ヶ月、5日間、1日)についてスケジューリングされた運動活動のセッション及びその間隔を示すカレンダー488を表示できる。表示される期間は、ユーザーが定義できる。表示部402は、過去、現在及び/または未来についてスケジューリングされた運動活動のセッション及びその間隔を表示できる。いくつかの例示的な実施形態において、表示される運動活動のセッション及びその間隔の種類は、ユーザーが入力または選択する基準に従ってフィルターにかけることができる。
【0169】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図51に示すように、カレンダー488内に表示された特定の期間(例えば特定の日)を選択することにより、選択された期間についてのスケジューリングされたイベントを詳しく表示することができる。例えば、スケジュール詳細ウィンドウ490は、選択された期間についてスケジューリングされた運動活動のセッション全体と共に、その運動活動のセッションの間隔及び特性(例えば間隔の種類、特定のグループまたは個体10への間隔の適用可能性、間隔の開始及び終了時間、間隔中に行うべき活動の説明、間隔の位置)を表示できる。
【0170】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図52に示すように、表示部402はセッションリスト492を表示し、これは、スケジューリングされた運動活動のセッションのリストと共に、それに関連する運動活動の間隔を示すことができる。セッションリスト492は、経過した時間についてスケジューリングされた、現在(例えば現在の時間または本日)についてスケジューリングされた、及び未来についてスケジューリングされた運動活動のセッションを表示できる。
【0171】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図42A及び42Bに示すように、表示部402はセッション制御モニター452を表示でき、これは、過去の、進行中の、または未来の運動活動のセッションに関連する情報を提供し得る。運動活動のセッション中に使用した場合、例えば図42A及び42Fに示すように、セッション制御モニター452は、個体10に関する情報の提供に加え、セッション情報特徴454の提供により、トレーナー20がセッションを促進するのを助けることができる。セッション情報特徴454は、例えば運動活動の現在の間隔に関する情報を提供できる。いくつかの例示的な実施形態において、セッション情報特徴454は、例えば特定のプレイやその他の戦略的活動中において意図される個体10の動きを図示するダイアグラム456を含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、セッション情報特徴454は、例えば特定のプレイやその他の戦略的活動についての説明458を含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、セッション情報特徴454は、例えば過去の、及び/または来るべき運動活動の間隔のスケジュール460を含み得る。
【0172】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図42Fに示すように、スケジュール460における入力を選択することにより、その入力に関連するセッション情報特徴454を表示することができる。セッションタイムライン上のポイントを選択することによりセッションにおけるそのポイントに関連する情報(例えば選択した時間、選択した時間についてスケジューリングされた運動活動の間隔)を表示できるように、セッションタイムライン424は、スケジュール460内に表示される情報を含み得る。例えば図42C及び42Dに示すように、このような情報は、例えばタイムライン情報ウィンドウ476内に表示できる。この情報は、トレーナー20が進行中の運動活動のセッションを促進するのに有用であり得、運動活動のセッションより前に定義できる。いくつかの例示的な実施形態において、セッション情報特徴454内の情報は、過去の運動活動のセッションの後で定義して、それに適用することができ、例えばトレーナー20が過去のセッションを分析する助けとなるように使用できる。
【0173】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図54に示すように、表示部402はステータスアイコン496を含み、これを選択することによりステータスメニュー498が表示される。ステータスメニュー498は、グループモニタリングシステム100の様々なコンポーネントのステータスに関する情報を表示できる。ステータスメニュー498は、例えばグループモニタリング装置400またはベースステーション300における残りの電池寿命、グループモニタリング装置400とベースステーション300の間の接続性及び/または信号強度、グループモニタリング装置400とインターネットまたはその他のネットワークの間の接続性及び/または信号強度、及びベースステーション300に接続された個体の数に関する情報を含み得る。
【0174】
本発明の例示的な実施形態は、図12に示されるようなデータの流れを含み得、図12は、リアルタイムモニタリングの流れ950、セッション後のデータの整合性の流れ960、及びセッション後の分析の流れ970を含むデータの流れを図示する。図12のボックス902において、ベースステーション300のデータ処理モジュール304は、暗号化キーを各個体モニター200(「プレイヤーポッド」とも言う)に割り当て、各個体モニター200は、センサ202に接続される。ボックス904において、センサ202は、モニターされる個体10の特性を示す生データ(例えば生理学的特性、パフォーマンス特性、位置特性、及び/または向き特性を示すデータ)を決定する。ボックス906において、センサ202は、有線または無線接続を通じて個体モニター200に生データを送信する。ボックス908において、個体モニター200は、無線接続を通じてリアルタイムにベースステーション300のデータ受信モジュール302にデータを送信する。ボックス942において、カメラ(例えばカメラモニタリングシステム700、ビデオ供給カメラ804)は画像データを決定する。ボックス944において、カメラは、ベースステーション300のデータ受信モジュール302に画像データを送信する。
【0175】
ボックス910において、ベースステーション300のデータ受信モジュール302は、データをファイルに書き込む。ボックス912において、ベースステーション300のデータ受信モジュール302は、ベースステーション300のデータ処理モジュール304にファイルを送信する。ボックス914において、ベースステーション300のデータ処理モジュール304は、データを認証し、復号する。ボックス916において、ベースステーション300のデータ処理モジュール304は、ベースステーションデータベース316内に復号したデータを保存する。ボックス918において、ベースステーション300の論理モジュール312は、復号したデータにアクセスし、アルゴリズムを用いて測定基準及び警告を決定する。ボックス920において、ベースステーション300の論理モジュール312は、ベースステーション300のウェブサーバ314に測定基準を送信する。ボックス922において、ベースステーション300のウェブサーバ314は、ライブモニタリング装置400に測定基準を送信する。
【0176】
ボックス924において、ベースステーション300の論理モジュール312は、ベースステーションデータベース316内に測定基準及び警告を保存する。ボックス926において、個体モニター200は、有線接続を通じてベースステーション300に接続され、ベースステーション300のデータ受信モジュール302にデータをアップロードする。ボックス928において、ベースステーション300のデータ受信モジュール302は、データをファイルに書き込む。ボックス930において、ベースステーション300のデータ受信モジュール302は、ベースステーション300のデータ処理モジュール304にファイルを送信する。ボックス932において、ベースステーション300のデータ処理モジュール304は、データを認証し、復号する。ボックス934において、ベースステーション300のデータ処理モジュール304は、必要に応じてデータのフィルタリング(例えばデータの重複除外)を行い、ベースステーションデータベース316内に復号したデータを保存する。ボックス936において、ベースステーション300の中央同期(シンクロ)モジュール310は、ウェブサーバシステム500にアクセスし、復号したデータ、測定基準及び警告(「セッションデータ」)を送信する。ボックス930において、ウェブサーバシステム500は、ウェブサーバシステム500のウェブサーバデータベース502内にセッションデータを保存する。ボックス940において、ウェブサーバシステム500は、分析装置600にセッションデータを送信する。
【0177】
グループモニタリングシステム100は、任意の好適な数のコンポーネント、例えば個体モニター200、ベースステーション300、グループモニタリング装置400、または分析装置600を含み得る。例示的な実施形態において、グループモニタリングシステムは、30個の個体モニター200、1個のベースステーション300及び2個のグループモニタリング装置400を含む。
【0178】
運動活動のセッションの終了後、個体10は、ベースステーション300の複数のドッキングポート318のうちの1つに個体モニター200をドッキングできる。ドッキングポート318にドッキングすると、個体モニター200の電池212が充電でき、データを個体モニター200からベースステーション300に転送できる。上述の通り、個体モニター200は、運動活動中に感知したデータを保存し、また、感知したデータをベースステーション300に無線で転送する。帯域幅を最も効率的に使用するために、データは、感知されるときよりも低い解像度で運動活動中に無線で転送し、個体モニター200に保存できる。通信エラーが原因で、データが個体モニター200からベースステーション300にきちんと送信されない場合がある(例えば、個体がベースステーション300の範囲を超えて移動した場合)。よって、運動活動のセッションの終わりに個体モニター200に保存されたデータが、ベースステーションデータベース316に保存されたデータよりも完全または正確である場合がある。
【0179】
いくつかの例示的な実施形態において、データは、最大解像度で(すなわち生データ)個体モニター200からベースステーション300に転送でき、同様に最大解像度でベースステーションデータベース316(及び/またはウェブサーバデータベース502;そこに一旦転送された場合)に保存できる。各セッションについて各個体10のこのような生データを保存することは、例えば、測定基準の再計算または新たな及び異なるアルゴリズムを用いた新たな及び異なる測定基準の計算を行うための次のデータ分析にとって有用であり得る。
【0180】
いくつかの例示的な実施形態において、データ及び測定基準は、一般的なデータベース(例えば、本明細書に記載の数個のシステムが共有するデータベース、または個体用の一般的なスポーツデータベース)に保存できる。
【0181】
ベースステーション300のドッキングポート318にドッキングしている間、個体モニター200は、保存されたデータをデータ処理モジュール304に直接送信できる(データ受信モジュール302を介して)。次に、データ処理モジュール304は、個体モニターから受信したデータのフィルタリングを行い(例えば、データ処理モジュール304は、ベースステーションデータベース316に重複したデータを保存することを避けるために、データの重複除外を行うことができる)、ベースステーションデータベース316にデータを保存することができる。
【0182】
いくつかの例示的な実施形態において、ベースステーション300は中央同期(シンクロ)モジュール310を含む。ベースステーション300の中央同期(シンクロ)モジュール310は、インターネット接続を通じてウェブサーバシステム500と通信でき、ウェブサーバシステム500はベースステーション300の外部にある。ベースステーション300がイーサネット(登録商標)接続(またはその他の有線接続)を通じてインターネットに接続される場合、このような通信はイーサネット接続(またはその他の有線接続)上で行える。ベースステーション300がイーサネット接続(またはその他の有線接続)を通じてインターネットに接続されているのではない場合、通信は、例えばセルラーネットワーク(例えばGSM(登録商標)ブロードバンド2.5Gまたは3G)上にて無線で行える。中央同期(シンクロ)モジュール310は、モニターされた運動活動に関するセッションデータ、またはベースステーション300及びその他のコンポーネントに関する診断情報をアップロードするため、並びに例えばドッキングポート240を通じて個体モニター200にインストールするべきアップデートされたファームウェアや、ベースステーション300で使用するためのアップデートされたソフトウェア等のユーザーデータをダウンロードするためのデータアップロード/ダウンロード機能を含む。中央同期(シンクロ)モジュール310は、ベースステーションデータベース316に保存されたデータをウェブサーバシステム500にアップロードできる。このようなデータは、運動活動中に生成されたデータ、測定基準及び警告を含み得る。このようなデータを受信した場合、ウェブサーバシステムは、それをウェブサーバデータベース502に保存できる。
【0183】
ウェブサーバシステム500は、例えば分析装置600等のクライアント装置からの要求に基づいて、表示コード(例えばhtml5に適合するコード)を与えることができる。ウェブサーバシステム500はまた、要求を出しているクライアント装置が適切に認証されているか、及び全てのデータがhttpを用いて送られているかを確認することにより、セキュリティー機能も提供できる。ウェブサーバシステム500は、ウェブサーバデータベース502に保存された要求された測定基準及び生成された警告を、例えばAPI層経由で分析装置600に提供することができる。
【0184】
分析装置600が図10に示されるが、表示部502及び入力部504を含む。例示的な実施形態において、分析装置600は、タブレット型コンピューティングスタイル装置(例えばタブレット型パーソナルコンピュータまたはアップル社(Apple Inc.(登録商標))が販売するiPad(登録商標))である。しかし、分析装置600は、任意のその他の好適な装置、例えばラップトップ型コンピュータ、スマートフォン、またはパーソナルコンピュータであっても良い。分析装置600は、ウェブサーバデータベース502内のデータにアクセスし、分析装置600のユーザー(例えばトレーナー20)に対して情報を表示できる。分析装置600とグループモニタリング装置400について、本明細書では別々に説明しているが、いくつかの例示的な実施形態においては、グループモニタリング装置400と分析装置600は同一の装置である。
【0185】
いくつかの例示的な実施形態において、分析装置600は、ベースステーション300または関連する運動活動に対して離れた位置に配置でき、リアルタイムでデータ及び測定基準にアクセスして表示するために使用できる。このような実施形態において、上述のように分析装置600がデータ及び測定基準にアクセスして表示できるように、ベースステーション300は、ウェブサーバ500にデータ及び測定基準をリアルタイムで送ることができる。このような実施形態は、ユーザーが進行中の運動活動のセッションを離れた場所からモニターするのに有用であり得る(例えば、試合の場にいることのできないトレーナー20や、その場に居ないでトレーニングセッションをモニターしたいと所望するチームオーナー等)。
【0186】
運動活動のセッションの終了後、トレーナー20は、分析装置600を使用して個体10に関する情報を検討及び分析することができ、この情報には、過去の運動活動のセッション中の個体10の過去のパフォーマンスに関する情報が含まれる。ウェブサーバデータベース502においてデータが利用可能な過去の運動活動のセッションの数によっては、分析装置600を使用したセッション後の個体10の分析は、トレーナー20に対し、グループモニタリング装置400が運動活動中に提供する情報よりも長期に及ぶ情報を提供できる。トレーナー20は、分析装置600を使用してデータにアクセスして見ることができるが、グループモニタリング装置400について上述した方法とほぼ同じである。例えば、分析装置600は、グループモニタリング装置400について先に述べたように、チーム表示ダッシュボード及び個人表示ダッシュボードを表示するように構成され得る。分析装置600のチーム表示ダッシュボード及び個人表示ダッシュボードのいくつかの例示的な実施形態に適用可能ないくつかの相違点には、分析装置600を使用する場合には表示される情報はリアルタイムでアップデートできない場合があること、表示される情報は複数の運動活動のセッションに及び得ること、そして複数のセッションにわたるデータに適用される警告を作成できること、が含まれる。
【0187】
更に、分析装置600のチーム表示ダッシュボード及び個人表示ダッシュボードはカスタマイズ可能であり得る。カスタマイズされた表示ダッシュボードを作るために、トレーナー20は、表示コンポーネント(例えば個体10の写真410、全個体10のリスト、競技場における複数の個体10の位置のマップを示す位置コンポーネント412、詳しいチャート及び/またはグラフ418)を加えたり除去したりでき、これは、保存して後で参照できる。いくつかの実施形態において、カスタマイズされた表示ダッシュボードは、グループモニタリング装置400に送信する、あるいはグループモニタリング装置400によって使用することができ、それによりトレーナー20は、カスタム形式でリアルタイムデータを見ることが可能となる。
【0188】
いくつかの例示的な実施形態において、分析装置600は、例えばチャート形式またはグラフ形式で測定基準を詳しく表示する分析チャート表示を含む。トレーナー20は、分析チャート表示用の所望のパラメータを入力部602を通じて入力できる。例えば、トレーナー20は、2010年8月中にプレイヤーAが行った全ての練習についてのデータを示すために分析チャート表示を作成するべきであることを示すパラメータを入力できる。あるいは、分析装置600は、トレーナー20が入力したパラメータに対応する全てのデータエントリーのリストをトレーナー20に示すことができ、これによりトレーナー20は、分析チャート表示に含むことを所望するエントリーを選択することが可能となる。トレーナー20にはまた、分析チャート表示の種類を選択するというオプションも与えることができる。例えば、トレーナー20は、重ね表示(stacked view)(それぞれが異なる測定基準に関するいくつかのチャートまたはグラフが重ねられている)、またはオーバーレイビュー(複数の測定基準が単一のチャートまたはグラフに表示されている)から選択することが可能であり得る。いくつかの例示的な実施形態において、オーバーレイビューは、ある期間のデータ(例えば現在のデータや最も最近のデータ)に別の期間のデータ(例えばより昔のデータ)をかぶせたものをトレーナー20が見ることを可能にし、それにより、異なる期間におけるパフォーマンスの容易な比較が可能となる。
【0189】
いくつかの例示的な実施形態において、1つ以上の運動活動のセッションの分析を容易にするために、グループモニタリング装置400の表示部402または分析装置600の表示部406は、分析モジュールを表示でき、これは、例えば図55に示すように、運動活動のセッションの分析に使用できるユーティリティーを含み得る。分析装置600の表示部602は、測定基準を比較して表示するチャートまたはグラフ618を表示できる。例えば、グラフ618は、運動活動のセッションにわたって、または任意のその他の期間にわたってプロットした個体10の心拍数を表示できる。また、その他の測定基準、例えば個体10のトレーニング衝撃や機械力も同じグラフ610上にプロットして表示できる。同じグラフ618上に複数の測定基準をプロットすることにより、分析装置600は、これらの測定基準の比較を容易にでき、個体10のパフォーマンスのモニタリングにおいてトレーナー20にとって有用であり得る相関関係を証明できる。
【0190】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図56に示すように、分析装置600の表示部602は、1人以上の個体の測定基準情報を1人以上のその他の個体のものと比較し、1人以上の個体が基礎値から外れている特定の測定基準値を示したのが何時であるかを決定するための異常値分析620を表示できる。異常値分析620は様々な方法で提供することができ、複数の個体10の比較を容易にする場面において複数の個体10のデータを提供する上で有用であり得る。いくつかの例示的な実施形態において、測定基準の平均を上回る、または下回るパーセンテージまたは値(またはその他の基準値)を示す棒グラフ622を表示できる。いくつかの例示的な実施形態において、1人以上の個体10の様々な測定基準のパーセンテージまたは値を示す星型グラフ624を表示できる。
【0191】
いくつかの例示的な実施形態において、分析装置600は、新しいアルゴリズムに基づいて過去のデータを再計算でき、それにより、測定基準の計算を精密化したり新しい測定基準を定義することができる。いくつかの例示的な実施形態において、分析装置600は、過去のデータに新しい警告を適用できる。このような特性は、個体10のデータの履歴の研究や分析を促進することによりトレーナー20にとって有用であり得る。
【0192】
いくつかの例示的な実施形態において、分析装置600は、個体10の未来のパフォーマンスを予測するために、トレーナー20が使用することができる。適切なアルゴリズムを過去のデータに適用でき、それにより、特定のプレイヤーまたはグループの未来のセッションのデータの予測が生成される。例えば、あるパフォーマンスの傾向が認識されれば、その傾向は未来の運動活動のセッションで継続し得ると予測できる。トレーナー20は、未来の運動活動のセッションに関する決定を与えるために、この情報を使用できる。
【0193】
いくつかの例示的な実施形態において、例えば図57に示すように、グループモニタリング装置400はレポートモジュールを含み得、これはレポートジェネレーター403を含み得、レポートジェネレーター403は、ユーザーによる個体10のデータ及び測定基準に基づいたレポートの作成を可能にする。所望の情報を作成するために、レポートを事前に定義、またはカスタマイズできる。例えば個々のプレイヤーの概要、ヘッドコーチ向けに設計されたレポート、チームのサブグループのコーチ(例えばゴールキーパーのコーチ)向けに設計されたレポート、毎日のパフォーマンスのアップデートレポート、怪我レポート、セッションの概要レポート、及びチーム状態のレポート等、様々な種類のレポートが作成できる。例えば図58及び59に示すように、毎日のパフォーマンスのアップデートは、最高のパフォーマンスをする個体10に関する情報を含み得る。このような毎日のパフォーマンスのアップデートは、トップスプリンター、パワーが最高の者、効率が最高の者、距離が最高である者である個体10を示すリスト405を含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、過去のレポートを保存でき、過去のレポートメニュー401からそれにアクセスできる。このような毎日のパフォーマンスのアップデートはまた、チームを構成する個体10のグループの現在の情報を示すチームチャート407も含み得る。チームチャート407は、表示された情報と以前のレポートで表示された情報の間に存在し得る、表示された情報における相違点を更に示し得、それにより個体10のパフォーマンスの変化を示すことができる。
【0194】
本明細書において、「コンピュータで利用可能な媒体」等の用語は、取り外し可能な記憶装置やハードディスク・ドライブにインストールされるハードディスク等の媒体を一般的に指して使用できる。コンピュータで利用可能な媒体は、メインメモリや二次メモリ等のメモリをも指すことができ、これはメモリ半導体(例えばDRAM)であって良い。これらのコンピュータプログラム製品は、本発明のコンピュータシステム及びその他のコンポーネントにソフトウェアを提供する。
【0195】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御論理とも呼ばれる)は、メインメモリ及び/または二次メモリに記憶され得る。コンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して受信することも可能である。こうしたコンピュータプログラムは、実行された際、本発明のコンピュータシステムが本明細書に記載される実施形態を実行するのを可能にし得る。ソフトウェアを用いて実施形態を実行する場合、このソフトウェアは、コンピュータプログラム製品に記憶させることができ、例えば取り外し可能な記憶ドライブ、インターフェース、ハードドライブ及び/または通信インターフェースを用いてコンピュータシステムにロードできる。
【0196】
本明細書の記載に基づき、関連する技術分野の当業者は、コンピュータプログラムは、実行すると、1つ以上のプロセッサによる例えば運動活動に従事する個体10に関する情報の決定、記録及び送信や、本明細書に記載の任意のユーザーへの表示可能または聞き取れる要素(例えば運動活動に従事する個体10に関する情報)の提示等、上述のプロセスの実行を可能にし得ることを認識するであろう。本明細書に記載の任意のモジュール、機能または特徴(例えばプランモジュール、モニターモジュール、分析モジュール、レポートモジュール)を維持する及び/または与えるための情報及び/または指示(例えばコンピュータプログラム製品)は、本明細書に記載の任意のコンポーネント(例えばベースステーション300、個体モニター200、グループモニタリング装置400、ウェブサーバシステム500、分析装置600、カメラモニタリングシステム700、及び/またはビデオ供給システム800)のコンピュータで使用可能な媒体(例えばメモリまたはデータベース)に記憶させることができる。
【0197】
いくつかの例示的な実施形態において、1つ以上のプロセッサは、クラスタ化されたコンピュータ環境またはサーバー・ファームに組み込まれた計算装置の一部であって良い。いくつかの例示的な実施形態において、クラスタ化されたコンピュータ環境により行われる計算プロセスは、同じまたは異なる位置に配置された複数のプロセッサにわたって行われて良い。いくつかの例示的な実施形態において、1つ以上のプロセッサは、本明細書に記載のコンポーネント(例えばベースステーション300、個体モニター200、グループモニタリング装置400、ウェブサーバシステム500、分析装置600)のうちの任意のものの一部であって良い。いくつかの例示的な実施形態において、プランモジュール、モニターモジュール、分析モジュール、及びレポートモジュールのうちの1つ以上は、例えばスマートフォン等のデバイス用のアプリケーションを含み得、全体または一部がダウンロードされるように構成され得る。
【0198】
本発明のソフトウェアは、任意のコンピュータで使用可能な媒体に記憶させることができる。このようなソフトウェアは、1つ以上のデータプロセシング装置、例えば本明細書に記載の任意の好適なコンポーネント(例えばベースステーション300、個体モニター200、グループモニタリング装置400、ウェブサーバシステム500、分析装置600)等において実行された時に、該データプロセシング装置が本明細書に記載の通りに作動するようにする。本発明の実施形態は、現在公知の、または将来的に公知となるであろう任意のコンピュータで使用可能な、または読み取り可能な媒体を採用する。コンピュータで使用可能な媒体の例には、一次記憶装置(例えば任意の種類のランダム・アクセス・メモリまたは読み取り専用メモリ)、二次記憶装置(例えばハードドライブ、フレキシブルディスク、CD ROM、ジップディスク、テープ、磁気記憶装置、光記憶装置、MEMS、ナノテクノロジー記憶装置、メモリーカード、またはその他の取り外し可能な記憶装置等)、及び通信媒体(例えば有線及び無線通信ネットワーク、ローカルエリア・ネットワーク、広域ネットワーク、イントラネット等)が含まれるがこれらに限定されない。
【0199】
いくつかの例示的な実施形態において、グループモニタリングシステムはカメラモニタリングシステム700を含み、これは、例えば、個体10の動きを示す画像データを記録するために競技場30に向けられた1つ以上のビデオカメラを含み得る。この画像データは、ベースステーション300に(例えばベースステーション300のデータプロセシングモジュール304に)送信でき、個体モニター200から送信されるデータに関して既に述べたのとほとんど同じ方法で、測定基準の決定に使用できる。この画像データは、ベースステーションデータベース316に記憶させることができ、ウェブサーバシステム500に送ることができ(例えば中央同期モジュール310を介して)、ビデオ供給システム800がそれにアクセスして、ビデオ供給システム800のビデオ表示部802が表示することができる。
【0200】
いくつかの例示的な実施形態において、ビデオ供給システム800はビデオ供給カメラ804を含む。ビデオ供給カメラ804はまた、画像データを記録するために競技場30に向けることもできる。この画像データは、読み出してビデオ供給システム800のビデオ表示部802によって後で見れるように、ウェブサーバシステム500に送信できる。
【0201】
カメラモニタリングシステム700及び/またはビデオ供給システムによって記録された画像データは、分析装置600によってウェブサーバシステム500からアクセスし、分析装置600の表示部602に表示できる。
【0202】
いくつかの例示的な実施形態において、カメラモニタリングシステム700は、個体10の位置を決定するために使用できる。カメラモニタリングシステム700により生成された画像データは、ベースステーション300によって受信し、個体10及び/またはその他の目的の対象/エリアの位置を決定するために分析できる。カメラモニタリングシステム700は、位置センサ208の代わりとなる、またはそれを補うためにこのように使用することができ、屋内のエリア、またはこれでなければGPSやその他の位置信号が受信できない(または弱い信号しか受信できない)エリアにおける位置を決定するのに特に有用であり得る。
【0203】
いくつかの例示的な実施形態において、カメラモニタリングシステム700で生成した画像データは、本明細書に記載のデータ及び測定基準でオーバーレイまたは識別できる。このような実施形態において、画像データは、表示装置(例えばグループモニタリング装置400や分析装置600)により、またはそれと連動して、データ及び測定基準と同調させて表示することができる。これは、データ及び測定基準を個体10の実際の画像と相互に関連付けるのに役立ち得る。
【0204】
測定基準は、上述の通り感知された個体10の特徴を示すデータを示すものであって良く、または、このようなデータから派生した特徴を示すものであっても良い。一般的に、グループモニタリングシステム100は、マルチレベル分析ツールとして作動できる。ある例示的な実施形態において、グループモニタリングシステム100は、加速度計、GPSセンサ、心電計(ECG)、ジャイロスコープ、時計、及び磁力計からの信号を使用して、各モニターされる個体10に関連する心拍数、位置、向き、活動、及び時間を示すデータを直接決定することができる。このデータは、機械力、機械力ゾーン、スピード、スピードゾーン、代謝力、代謝力ゾーン、動作状態及び距離を含む測定基準を計算するために処理できる。これらの測定基準は、疲労、トレーニング衝撃(TRIMPS)、加速度ゾーン、加速度仕事(acceleration work)、効率、総距離、及び加速度を含む測定基準を計算するために、時間、各個体10の集団、及び各個体10の動作状態を示す値と連動させて処理できる。
【0205】
記載した例示的な実施形態との関連で特定の測定基準について説明したが、これら特定の測定基準は単なる例示であり、記載した例示的な実施形態においては、これら特別に開示したものに加えてその他の測定基準も使用できる。測定基準の例を以下の表1に示す。
【0206】
【表1】



【0207】
本明細書に記載の測定基準は、個体(例えば個体10)、ベースステーション(例えばベースステーション300)、任意の関連する運動用器材、あるいは可能な、必要な、または所望の範囲までのその他の人または対象に関するものであって良い。当業者は理解するであろうが、本明細書に記載の測定基準は例示的なものであり、開示されたものの他の測定基準も本発明において使用可能である。
【0208】
本発明を、例示的な実施形態を用いて説明してきた。よって、本発明は、上述の例示的な実施形態のうちのいかなるものによっても制限されるべきではないが、以下の請求項及びその相当物によってのみ定義されるべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
活動に従事する複数の個体をモニタリングするシステムであって、該システムは:
ベースステーションと;
該ベースステーションと無線で通信するように構成された複数の個体モニターと;
複数のセンサであって、各センサは1つの個体モニターと通信し、各々が個体とつながるように構成され、各々が個体の特徴を感知し、活動中に該特徴を示すデータを個体モニターに送信するように構成された複数のセンサと;
ベースステーションと無線で通信するように構成されたグループモニタリング装置と、を含み、
各個体モニターは、活動中にデータをベースステーションに送信するように構成され、
ベースステーションは、データを受信し、活動中にデータに基づく測定基準をグループモニタリング装置に送信するように構成され、
グループモニタリング装置は、測定基準を示すものを表示するように構成される、システム。
【請求項2】
各個体モニターが、活動中にデータに基づく測定基準をベースステーションに送信するように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ベースステーションが、活動中にデータをグループモニタリング装置に送信するように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
グループモニタリング装置が、データを示すものを表示するように更に構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
複数の個体モニターが、ベースステーションと双方向で通信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記データが、個体の心拍数、速さ、移動距離、加速度、位置、向き及び方角から成る群から選択される少なくとも1つを示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記測定基準が、個体の心拍数、速さ、移動距離、加速度、位置、向き、方角、エネルギー消費量、パワー及びパフォーマンス有効性から成る群から選択される少なくとも1つを表す、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
個体に関連する画像情報を得、活動中に該画像情報をベースステーションに送信するように構成されたカメラを更に含み、データが該画像情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ベースステーションが、ベースステーションデータベースを含み、データ及びベースステーションデータベース中の測定基準のうち少なくとも1つを保存するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
ベースステーションデータベースが第1個体の測定基準の閾値を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
ベースステーションが、第1個体の測定基準が閾値を越えたことに応じて通知をグループモニタリング装置に送信するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
閾値が1つの範囲を含み、ベースステーションが、第1個体の測定基準が該範囲外であることに応じて通知をグループモニタリング装置に送信するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
サーバデータベースを含むウェブサーバシステムであって、ベースステーションから測定基準を受信し、該測定基準をサーバデータベースに保存するように構成されるウェブサーバシステムを更に含む請求項1に記載のシステムであって、
ウェブサーバシステムが、測定基準を外部分析装置で利用可能にするように構成され、
ベースステーションが、測定基準をウェブサーバに送信するように更に構成される、システム。
【請求項14】
ウェブサーバシステムが、ビデオ画像を受信するように更に構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
ベースステーションが、ビデオ画像をウェブサーバシステムに送信するように更に構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
複数の個体モニタリング装置のうちの1つの個体モニタリング装置が、データに基づき測定基準を計算するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
ベースステーションが、データに基づき測定基準を計算するように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
グループモニタリング装置が、データに基づき測定基準を計算するように更に構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項19】
活動に従事する複数の個体をモニタリングするシステムであって、該システムは:
ベースステーションと;
該ベースステーションと無線で通信するように構成された複数の個体モニターと;
複数のセンサであって、各センサは1つの個体モニターと通信し、各々が個体とつながるように構成され、各々が個体の特徴を感知するように構成された複数のセンサと;
ベースステーションと無線で通信するように構成されたグループモニタリング装置と、を含む、システム。
【請求項20】
ベースステーションがポータブルである、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
ベースステーションが、該ベースステーションの第1端に配置された1対の車輪と、該ベースステーションの第2端に配置されたハンドルと、を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
ベースステーションが、接続された時に個体モニターに電力を供給するように構成される複数のドッキングステーションを更に含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
ベースステーションが複数のドッキングステーションを更に含み、ここで、ベースステーションが、複数の個体モニターのうちの1つの個体モニターが複数のドッキングステーションのうちの1つのドッキングステーションに接続された時、有線接続を通じて、該個体モニターからのデータを受信するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
ベースステーションが取り外し可能な電池を更に含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
ベースステーションが無線通信用のアンテナを更に含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記アンテナが、WLAN(無線ローカルエリアネットワーク)及びISM(工業、科学、医療)バンド通信のうちの少なくとも1つ向けに構成された伸縮アンテナである、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
ベースステーションが、GPS(全地球測位システム)センサ、ジャイロスコープ及び磁力計のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項28】
ベースステーションが、湿度センサ、温度センサ及び風センサのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項29】
個体モニターが、ベースステーションに対してポータブルである、請求項19に記載のシステム。
【請求項30】
グループモニタリング装置が、ベースステーションに対してポータブルである、請求項19に記載のシステム。
【請求項31】
各個体モニターが1人の個体とつながるように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項32】
活動に従事する複数の個体をモニタリングするシステムであって、該システムは:
ベースステーションと;
該ベースステーションと無線で通信するように構成された複数の個体モニターであって、複数の個体モニターの各々が、関連する個体モニターの位置を決定するように構成された位置センサを含む、複数の個体モニターと;
ベースステーションと通信するように構成され、偏差信号を検出し、受信した位置データの訂正信号を計算するように更に構成される基準センサと、を含む、システム。
【請求項33】
前記基準センサが、ベースステーションから離して配置される独立ポジショニングセンサである、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
基準センサが、訂正信号をベースステーションに送信するように更に構成され、
ベースステーションが、訂正信号を複数の個体モニターの各々に送信するように構成され、
複数の個体モニターの各々が、決定された位置を訂正信号を用いて訂正するように構成される、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
ベースステーションが基準センサを含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項36】
位置センサ及び基準センサがGPS(全地球測位システム)センサである、請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
位置センサの位置を決定する方法であって、
第1位置センサにおいて第1位置信号を受信する工程と;
基準センサにおいて偏差信号を受信する工程と;
偏差信号を用いて訂正信号を決定する工程と;
基準センサから第1位置センサへ訂正信号を送信する工程と;
第1位置信号及び訂正信号を用いて第1位置センサの位置を決定する工程と、を含む、方法。
【請求項38】
第2位置センサにおいて第2位置信号を受信する工程と;
基準センサから第2位置センサへ訂正信号を送信する工程と;
第2位置信号及び訂正信号を用いて第2位置センサの位置を決定する工程と、を更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
第1位置信号及び偏差信号がGPS(全地球測位システム)信号である、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
運動活動に従事する複数の個体のモニタリングを促進する方法であって、該方法は、
第1個体及び第2個体の運動活動中に第1個体の特徴を示す第1データを第1個体モニタリング装置において受信する工程であって、第1個体モニタリング装置は第1個体につながれている、工程と;
運動活動中に第2個体の特徴を示す第2データを第2個体モニタリング装置において受信する工程であって、第2個体モニタリング装置は第2個体につながれている、工程と;
運動活動中に第1データ及び第2データをベースステーションに無線で送信する工程と;
ベースステーションにおいて、第1個体の測定基準及び第2個体の測定基準をそれぞれ第1データ及び第2データに基づいて決定する工程と;
運動活動中に、第1個体の測定基準及び第2個体の測定基準をグループモニタリング装置に無線で送信する工程と;
測定基準を示すものをグループモニタリング装置に表示する工程と、を含み、
グループモニタリング装置はベースステーションに対してポータブルである、方法。
【請求項41】
ベースステーションにおいて第1個体の測定基準及び第2個体の測定基準を保存する工程を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
第1個体モニタリング装置において、運動活動中に、第1データに基づいて第1個体の測定基準を決定する工程と;
第2個体モニタリング装置において、運動活動中に、第2データに基づいて第2個体の測定基準を決定する工程と;
運動活動中に、第1個体モニタリング装置において決定した第1個体の測定基準及び第2個体モニタリング装置において決定した第2個体の測定基準をベースステーションに送信する工程と、を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
運動活動中に、第1データ及び第2データをグループモニタリング装置に無線で送信する工程を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
グループモニタリング装置にデータを示すものを表示する工程を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記データが、個体の心拍数、速さ、移動距離、加速度、位置、向き及び方角から成る群から選択される少なくとも1つを示す、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記測定基準が、個体の心拍数、速さ、移動距離、加速度、位置、向き、方角、エネルギー消費量、パワー及びパフォーマンス有効性から成る群から選択される少なくとも1つを表す、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
第1個体の測定基準が閾値を越えたことに応じて通知をグループモニタリング装置に送信する工程を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
第1個体の測定基準が決定された範囲外であることに応じて通知をグループモニタリング装置に送信する工程を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項49】
第1個体の測定基準及び第2個体の測定基準をウェブサーバシステムに送信する工程を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項50】
運動活動のビデオ画像をウェブサーバシステムに送信する工程を更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
活動場所において活動に従事する複数の個体をモニタリングするシステムであって、該システムは:
ポータブルなベースステーションと;
該ベースステーションと通信するように構成された複数の個体モニターであって、各個体モニターがベースステーションに対してポータブルである、複数の個体モニターと;
複数のセンサであって、各センサは1つの個体モニターと通信し、各々が個体とつながるように構成され、各々が個体の特徴を感知し、活動中に該特徴を示すデータを個体モニターに送信するように構成された複数のセンサと;
ベースステーションと通信し、ベースステーションに対してポータブルであるグループモニタリング装置と、を含み、
各個体モニターは、活動中にデータをベースステーションに送信するように構成され、
ベースステーションは、データを受信し、活動中にデータに基づく測定基準をグループモニタリング装置に送信するように構成され、
グループモニタリング装置は、測定基準を示すものを表示するように構成され、
ベースステーションは活動場所に対してポータブルである、システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図35D】
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【図36A】
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【図36B】
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【図37A】
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【図37B】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42A】
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【図42B】
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【図42C】
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【図42D】
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【図42E】
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【図42F】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【公開番号】特開2012−213630(P2012−213630A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−80617(P2012−80617)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【出願人】(510204998)アディダス アーゲー (30)