説明

グルーミング用ブラシ

【課題】ペットにダメージを与えることなくブラッシングができ、また、ブラシにからみついたペットなどの毛を確実に除去できるグルーミング用ブラシを提供する。
【解決手段】下方に第1の吸気口9を有するブラシ本体2と、前記第1の吸気口9に連通すると共に電気掃除機(図示せず)の吸引ホース(図示せず)に接続される連通管3と、前記第1の吸気口9の外周部に設けた複数の小孔10と、前記小孔10を貫通し出没自在に配置されたブラシ6とからなるもので、ブラシ6を第1の吸気口9の外周に設けることにより、広範囲のブラッシングを単時間で容易に行うことができる。また、出没自在のブラシ6を引っ込めるだけで、ブラシ6にからみついたペットの毛(図示せず)がこそぎ落とされ、瞬時に第1の吸気口9より吸引されるので、ブラッシング作業が容易で、しかも衛生的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物などの毛を漉くグルーミング用ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のグルーミング用ブラシの内、特にペット用ブラシとして、電気掃除機に接続されるブラシ本体と、ブラシ本体の中間部に配されると共に下部に櫛部を有するブラシ基部と、ブラシ本体に摺動自在に設けられ、櫛部が通る穴を有すると共にコイルバネで下方に付勢された内筒とを備え、ペットをブラッシングする際、内筒の下端を、コイルバネの付勢力に抗してペットの皮膚に押しつけることで、櫛部が突出し、使い終わると、コイルバネの付勢力で、内筒が下方に移動して、櫛部が自動的に収納され、抜けて櫛部にからみついた毛が、除去されると共に、その毛が電気掃除機に吸引されるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実開平7−39576号公報(実願平5−76752号のマイクロフイルム)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来のペット用ブラシの構成では、ブラシ本体を、コイルバネの付勢力に抗して、ペットの皮膚に当てて押しつける必要があり、毛の生え具合によっては、ペットの皮膚にダメージを与えてしまうという課題があった。これを改善するために、コイルバネの附勢力を、弱くすることも考えられるが、その付勢力が弱すぎると、櫛部にまとわり付いた毛を除去できなくなるという課題があった。
【0004】
また、櫛部がブラシ本体の中央に配置しているので、櫛部を配置する範囲が狭くなり、大きなペットの場合には、全身をブラッシングするのに時間がかかるといった課題もあった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決し、ペットなどの皮膚に、ダメージを与えることなく、効率的に、且つ容易にブラッシングができ、しかもブラシにからみついた毛を確実に除去できる使用勝手の良いグルーミング用ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明のグルーミング用ブラシは、下方に第1の吸気口を有するブラシ本体と、前記第1の吸気口に連通すると共に電気掃除機の吸引ホースに接続される連通管と、前記第1の吸気口の外周部に設けた複数の小孔と、前記小孔を貫通し出没自在に配置されたブラシとからなるもので、ブラシの小孔からの出代を、ペットの毛の長さに合わせて調整すれば、ペットの皮膚に、ダメージを与えることなくブラッシングができ、また、ブラシを第1の吸気口の外周に設けることにより、広範囲のブラッシングを単時間で容易に行うことができる。また、出没自在のブラシを引っ込めるだけで、ブラシにからみついたペットの毛が確実にこそぎ落とされ、瞬時に第1の吸気口より吸引されるので、ブラッシング作業が容易で、しかも衛生的である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のグルーミング用ブラシは、ブラシの小孔からの出代を、ペットの毛の長さに合わせて調整すれば、ペットの皮膚に、ダメージを与えることなくブラッシングができ、また、ブラシを第1の吸気口の外周に設けることにより、広範囲のブラッシングを単時間で容易に行うことができる。また、出没自在のブラシを引っ込めるだけで、ブラシにからみついたペットの毛が確実にこそぎ落とされ、瞬時に第1の吸気口より吸引されるので、ブラッシング作業が容易で、しかも衛生的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、下方に第1の吸気口を有するブラシ本体と、前記第1の吸気口に連通すると共に電気掃除機の吸引ホースに接続される連通管と、前記第1の吸気口の外周部に設けた複数の小孔と、前記小孔を貫通し出没自在に配置されたブラシとからなるもので、ブラシの小孔からの出代を、ペットの毛の長さに合わせて調整すれば、ペットの皮膚に、ダメージを与えることなくブラッシングができ、また、ブラシを第1の吸気口の外周に設けることにより、広範囲のブラッシングを単時間で容易に行うことができる。また、出没自在のブラシを引っ込めるだけで、ブラシにからみついたペットの毛が確実にこそぎ落とされ、瞬時に第1の吸気口より吸引されるので、ブラッシング作業が容易で、しかも衛生的である。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明のブラシを、ブラシ本体の内部を上下に移動可能に設けられた基部に一体に設けたもので、ブラシと、ブラシ本体内部を上下動する基部を一体成形で形成できるので、部品点数が少なく、メンテナンスも容易である。
【0010】
第3の発明は、特に、第1又は2の発明のブラシをブラシ本体から取り外し可能に構成したもので、ブラシの交換が可能となり、ペットに合ったブラシを選択して、使用することができる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の第1の吸気口の開口縁を、ブラシ本体の外周に沿うように形成し、前記第1の吸気口を囲うようにブラシを配置したもので、ブラシの本数を増すことが出来ると共に、第1の吸気口の近傍にブラシを配置することにより、ブラシを引っ込ませたときに、スムーズにペット毛を吸引することができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明の小孔からのブラシの出代を調整可能としたもので、ペットの毛の長さに応じてブラシの出代を調整することにより、ブラシ本体がペットの皮膚や毛に密着して、グルーミング用ブラシのブラッシング操作が重くなったり、ブラシの出すぎにより、毛の吸引性能が低下することが無く、最適な吸引性能で、しかも容易にブラッシング操作をすることが出来る。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか一つの発明の第1の吸気口の外周に、連通管に連通する第2の吸気口を略C字状に設け、ブラシの出没に応じ前記第2の吸気口の吸気量が変化するように構成し、前記ブラシの出代が最大の時、前記第1の吸気口の吸引力が最低となると共に、前記第2の吸気口の吸引力が最大になるようにしたもので、第2の吸気口の吸引力が最大になるので、毛の間に入り込んだフケやノミ等を効率よく吸い込むことができ、また、ブラシの出代が小さい時は、第1の吸気口からも空気が吸引されて、第2の吸気口の吸引力が小さくなるので、ペットの肌への吸い付きを低減でき操作性が向上する。
【0014】
第7の発明は、特に、第6の発明の第2の吸気口を複数に分割して設けたもので、ブラシ本体の底面の強度が増すので、耐久性を向上させることができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるグルーミング用ブラシの斜視図、図2は、同グルーミング用ブラシの裏面斜視図、図3は、同グルーミング用ブラシの分解斜視図、図4は、同グルーミング用ブラシの分解断面図。図5は、同グルーミング用ブラシの動作を説明するための部分断面図(開口部2cの中央を中心にブラシ本体の前方から見た断面)である。
【0017】
図1〜5において、本実施の形態におけるグルーミング用ブラシ1のブラシ本体2は、上カバー2aと下カバー2bの2部品から構成され、そのブラシ本体2の後部には、上カバー2aと下カバー2bのそれぞれの後部の部分で形成され電気掃除機(図示せず)の吸引ホース(図示せず)に連結される連通管3が形成されている。この連結管3は、グルーミング用ブラシ1を操作する時の握り部を兼ねている。本実施の形態では、上カバー2aと下カバー2bとは、図示しないネジで結合されているが、上カバー2aと下カバー2bのいずれ一方に突起(図示せず)を設け、他方に、前記突起に嵌合する凹部(図示せず)を設けるようにしても良く、そうすれば、上カバー2aと下カバー2bの分解が、工具無しでできるようになり便利である。
【0018】
5は、ブラシ本体2内に上下動自在に配された基部で、基部5には、複数のブラシ6が一体に垂下形成されている。基部5は、上カバー2aと下カバー2bを分解すれば、容易に取り出せるようになっている。
【0019】
下カバー2bの底面の前部中央部には、連通管3に連通すると共に、開口縁がブラシ本体2の外周に沿うように第1の吸気口9が配され、その第1の吸気口9の外周に、ブラシ6が貫通する小孔10が複数設けられ、更に、小孔10の外周で、連通管3に連通すると共に、ブラシ本体2の外周に沿うように、略C字状に複数の第2の吸気口11が形成されている。
【0020】
基部5は、複数の開口部5aを有するフランジ5bと、基部5を最も下方に下げたときに第1の吸気口9を閉塞する閉塞部5cを備えている。また、基部5を最も下方に下げたときに、開口部5aと、第2の吸気口11がそれぞれ重なるように、すなわち、第2の吸気口11とブラシ本体2内部との連通状態が維持されるようになっている。
【0021】
13は、上カバー2aに設けた開口部2cに回動自在に設けられ、基部5を上下させて、ブラシ6の小孔10からの出代を調整する出代調整つまみである。
【0022】
以上のように構成された本実施の形態におけるグルーミング用ブラシの動作、作用は以下の通りである。
【0023】
最初に、毛の短いペットのグルーミングを行なうときは、図5(a)に示すように、出代調整つまみ13を回動して、基部5を上に上げて、ブラシ6の出代を小さくする。この状態では、グルーミングを行なっているときに抜けた毛は、矢印で示すように、第1の吸気口9または第2の吸気口11から吸引される。
【0024】
逆に、毛の長いペットのグルーミングを行なうときは、図5(b)に示すように、出代調整つまみ13を回動して、基部5を下げ、ブラシ6の出代を大きくする。特に、基部5を最も下まで下げると、同図に示すように、第1の吸気口9が、基部5の閉塞部5cで閉塞され、矢印で示すように、毛は、空気と共に、第2の吸気口11を経て開口部5aからのみ吸引される。
【0025】
以上のように、ブラシ6の出代を調整した後、グルーミング用ブラシ1を図示しない電気掃除機のホースの先端に接続し、電気掃除機を運転しながら、グルーミング用ブラシ1をペットの皮膚に沿って移動させる。
【0026】
通常、ブラシ6で梳かれたときに抜けた毛は、瞬時に、第1の吸気口9又は第2の吸気口11から吸引され、ホースを通って、電気掃除機内の集塵室(図示せず)で捕集されるが、毛の一部が、図5(b)に示すように、吸引されず、ブラシ6にからみついたまま残ることがある。このときは、図5(c)に示すように、出代調整つまみ13を回動して、ブラシ6の下端を、小孔10の端面まで引っ込めると、ブラシ6にからみついた毛は、こそぎ取られ、瞬時に第1の吸気口9又は、第2の吸気口11から吸引される。
【0027】
以上のように、本実施の形態によれば、ブラシ6を第1の吸気口9の外周に出没自在に設けることにより、広範囲のブラッシングを単時間で容易に行うことができる。また、出没自在のブラシ6を引っ込めるだけで、ブラシ6にからみついたペットの毛がこそぎ落とされ、瞬時に第1の吸気口9又は第2の吸気口11より吸引されるので、ブラッシング作業が容易で、しかも衛生的である。
【0028】
また、ブラシ6と、ブラシ本体2内部を上下動する基部5を一体形成しているので、部品点数が少なく、メンテナンスも容易である。
【0029】
また、ブラシ本体2の上カバー2aと下カバー2bを分解するだけで、基部5を簡単に交換できるので、種類の異なるペットを飼っている場合、ペットに合わせて、ブラシ6の形状(例えば、太さや、長さ)の異なる基部5を複数準備しておけば、ペットに合った基部5を選択して、使用することができる。
【0030】
さらに、第1の吸気口9の開口縁を、ブラシ本体2の外周に沿うように形成し、第1の吸気口9を囲うようにブラシ6を配置することで、ブラシ6の本数を増すことが出来ると共に、第1の吸気口9の近傍にブラシ6を配置することにより、ブラシ6を引っ込ませたときに、スムーズに毛を吸引することができる。
【0031】
また、ペットの毛の長さに応じて、出代調整つまみ13で、小孔10からのブラシ6の出代を調整することができるので、ブラシ本体2がペットの皮膚や毛に密着して、グルーミング用ブラシ1のブラッシング操作が重くなったり、ブラシ6の出すぎにより、毛の吸引性能が低下することが無く、最適な吸引性能で、しかも容易にブラッシング操作をすることが出来る。
【0032】
また、ブラシ6の出代が最大の時は、第1の吸気口9が塞がれて、第1の吸気口9の吸引力が最低となると共に、第2の吸気口11の吸引力が最大になるので、毛の間に入り込んだフケやノミ等を効率よく吸い込むことができる。また、ブラシの出代が小さい時は、第1の吸気口9からも空気が吸引されて、第2の吸気口11の吸引力が小さくなるので、グルーミング用ブラシ1のペットの肌への吸い付きを低減でき操作性が向上する。
【0033】
また、第2の吸気口11を複数に分割して設けたので、ブラシ本体2の底面の強度が増し、耐久性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明にかかるグルーミング用ブラシは、ペットなどの皮膚にダメージを与えることなくブラッシングができ、また、広範囲のブラッシングを単時間で容易に行うことができる。また、出没自在のブラシを引っ込めるだけで、ブラシにからみついたペットの毛が確実にこそぎ落とされ、瞬時に第1の吸気口より吸引されるので、ブラッシング作業が容易で、しかも衛生的なもので、家庭用、業務用の各種グルーミング用ブラシに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるグルーミング用ブラシの斜視図
【図2】同グルーミング用ブラシの裏面斜視図
【図3】同グルーミング用ブラシの分解斜視図
【図4】同グルーミング用ブラシの分解断面図
【図5】(a)同グルーミング用ブラシの部分断面図(ブラシの出代が小さい場合)、(b)同グルーミング用ブラシの部分断面図(ブラシの出代が最大の場合)、(c)同グルーミング用ブラシの部分断面図(ブラシを引っ込めた状態)
【符号の説明】
【0036】
1 グルーミング用ブラシ
2 ブラシ本体
3 連通管
5 基部
6 ブラシ
9 第1の吸気口
10 小孔
11 第2の吸気口
13 出代調整つまみ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に第1の吸気口を有するブラシ本体と、前記第1の吸気口に連通すると共に電気掃除機の吸引ホースに接続される連通管と、前記第1の吸気口の外周部に設けた複数の小孔と、前記小孔を貫通し出没自在に配置されたブラシとからなるグルーミング用ブラシ。
【請求項2】
ブラシを、ブラシ本体の内部を上下に移動可能に設けられた基部に一体に設けたことを特徴とする請求項1に記載のグルーミング用グ。
【請求項3】
ブラシをブラシ本体から取り外し可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のグルーミング用ブラシ。
【請求項4】
第1の吸気口の開口縁を、ブラシ本体の外周に沿うように形成し、前記第1の吸気口を囲うようにブラシを配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグルーミング用ブラシ。
【請求項5】
小孔からのブラシの出代を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のグルーミング用ブラシ。
【請求項6】
第1の吸気口の外周に、連通管に連通する第2の吸気口を略C字状に設け、ブラシの出没に応じ前記第2の吸気口の吸気量が変化するように構成し、前記ブラシの出代が最大の時、前記第1の吸気口の吸引力が最低となると共に、前記第2の吸気口の吸引力が最大になることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のグルーミング用ブラシ。
【請求項7】
第2の吸気口を複数に分割して設けた請求項6に記載のグルーミング用ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−66341(P2009−66341A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240562(P2007−240562)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】