グレーチング付き側溝の排水構造
【課題】側溝に流れ込んだ雨水が下流側へ円滑に向かうようにし、豪雨時にも、縦通溝での雨水スピードを速め、側溝の排水処理能力を高めることのできるグレーチング付き側溝の排水構造を提供する。
【解決手段】主部材50に連結材51を格子状に直交させてなる平面視長方形のグレーチング5と、底壁部2の左右両側に側壁部3を起立して、底壁部2と両側壁部3とで上面開口の縦通溝Rが形成され、さらに両側壁部3の上部に、グレーチング5が上面開口を塞いで載る平坦部33が対向配設される側溝本体1とを備えるグレーチング付き側溝の排水構造にあって、平坦部33よりも下方の側壁部3の縦通溝R側に張出部34eを形成して、張出部34eの上面部分に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けて、グレーチング5の側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水Wが、斜路F上を流れるようにした。
【解決手段】主部材50に連結材51を格子状に直交させてなる平面視長方形のグレーチング5と、底壁部2の左右両側に側壁部3を起立して、底壁部2と両側壁部3とで上面開口の縦通溝Rが形成され、さらに両側壁部3の上部に、グレーチング5が上面開口を塞いで載る平坦部33が対向配設される側溝本体1とを備えるグレーチング付き側溝の排水構造にあって、平坦部33よりも下方の側壁部3の縦通溝R側に張出部34eを形成して、張出部34eの上面部分に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けて、グレーチング5の側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水Wが、斜路F上を流れるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路脇等に設置される排水用のグレーチング付き側溝の排水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集中豪雨やゲリラ豪雨で予想を越える雨が降るようになり、その様子がニュース等で取り上げられて問題になっている。こうしたことから、排水性を良好にする側溝構造がいくつか提案されている(例えば特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−13890号公報
【特許文献2】特開平6−101262号公報
【特許文献3】特開2004−124690号公報
【0004】
特許文献1は、側溝本体に被着されるグレーチング等の蓋材の口に異物の堆積物が詰まらないようして、排水性を良好に保つ蓋材付き側溝を提案する。特許文献2も、グレーチングにゴミが詰まって集水能力が低下するのを改善し、豪雨等にあっても、集水及び排水機能を良好に維持する側溝ブロックを提案する。
また、特許文献3は、道路の流水表面を流れる雨水の呑み込み機能を強化した集水用グレーチング及びこれを用いた排水構造を提案する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、特許文献1〜3のいずれの発明も、側溝本体内に円滑に雨水を取り込む技術であった。グレーチング等の蓋材の口に異物の堆積物が詰まらないようしたり、道路の流水表面を流れる雨水の呑み込み機能を強化したりしても、側溝本体内で、雨水が縦通溝の排水流れ方向に円滑に流れる状態になっていないと、グレーチングへ雨水を流し込むこと自体が困難であった。ゲリラ豪雨等での雨水処理能力は、側溝本体内の流路を流れる雨水スピードが律速支配することもあった。テレビニュースでも、排水溝から水が溢れ出す様子が映し出されることがある。
【0006】
一方、従来型側溝として、側溝本体8を数珠つなぎに接続する側溝にあって、排水を川下へ流すべく、例えば図16のような自由勾配側溝と呼ばれる側溝本体8が用いられることがある。天板部81と側板部82とで側溝本体8を形成する。その側溝本体8の底面側に、縦通溝の排水流れ方向に向けて緩やかな傾斜をつけてコンクリート底面部83を現場施工で形成し、雨水が同図矢印のごとく下流側へ流れるようにしている。そのため、底面部の現場施工に手間とコストを要した。また、道路環境上、側溝本体に傾斜をつけることが困難な場合は、側溝本体の各末端に深い桝を設けて、ポンプアップによる雨水等の排水処理がなされていた。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するもので、コンクリート底面部を現場施工したりポンプアップ操作を用いたりせずに、側溝に流れ込んだ雨水が下流側へ円滑に向かうようにし、また、豪雨時にも、縦通溝での雨水スピードを速め、側溝の排水処理能力を高めることのできるグレーチング付き側溝の排水構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、主部材に連結材を格子状に直交させてなる平面視長方形のグレーチングと、底壁部の左右両側に側壁部を起立して、該底壁部と両側壁部とで上面開口の縦通溝が形成され、さらに両側壁部の上部に、前記グレーチングが該上面開口を塞いで載る平坦部が対向配設される側溝本体と、を備えるグレーチング付き側溝の排水構造にあって、前記平坦部よりも下方の側壁部の縦通溝側に張出部を形成して、該張出部の上面部分に、縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する斜路が設けられるか、又は側溝本体に載置される前記グレーチングの下部で、グレーチング盤の下面よりも垂直下方に延在する板片部から帯幅方向部分が縦通溝内へ突き出す一方、長手方向部分が縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部が設けられて、グレーチングの側板を横切ってグレーチング内に流れ込む水が、前記斜路上又は前記傾斜板部上を流れるようにしたことを特徴とするグレーチング付き側溝の排水構造にある。
請求項2の発明たるグレーチング付き側溝の排水構造は、請求項1で、縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する前記傾斜板部が、前記グレーチングの一端面又は一端面寄りから他端面又は他端面寄りまで配設されることを特徴とする。請求項3の発明たるグレーチング付き側溝の排水構造は、請求項2で、板片部から縦通溝内へ突き出す前記傾斜板部の帯幅方向部分が、縦通溝の中央に向けて下降傾斜することを特徴とする。請求項4の発明たるグレーチング付き側溝の排水構造は、請求項1で、側溝本体がコンクリート製側溝主部と金属製当て部材とを具備し、該当て部材が該側溝主部の上部に被着一体化すると共に縦通溝側に前記張出部を形成して、その上面部分に前記斜路が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のグレーチング付き側溝の排水構造は、コンクリート底面部を傾斜させたりポンプアップ操作を用いたりしなくても、斜路又は傾斜板部が備わることで、側溝に流れ込んだ雨水を自律的に下流側へ向かわせ、また、豪雨時にも、グレーチングの側板を横切ってグレーチング内に流れ込む雨水が、斜路上又は傾斜板部上を流れることによって、側溝流路の流れ方向に進む雨水のスピードが加速するので、縦通溝での雨水スピードを速め、側溝の排水処理能力がアップして、豪雨での路面浸水等を防ぐことができるなど優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1のグレーチング付き側溝の排水構造に係る側溝本体の斜視図である。
【図2】図1の側溝本体にグレーチングを載置した側面図である。
【図3】図2の要部拡大斜視図である。
【図4】図3に代わる他態様の側溝本体の斜視図である。
【図5】図2の側溝本体を連ねた汎用側溝にグレーチングを載置した概略縦断面図である。
【図6】図1に代わる他態様の側溝本体の斜視図である。
【図7】図6の側溝本体にグレーチングを載置した側面図である。
【図8】図1〜図7に代えて、コンクリート製側壁部を隆起させて斜路を形成する他態様の側溝本体である。
【図9】実施形態2のグレーチング付き側溝の排水構造に係るグレーチングの下面側から見た斜視図である。
【図10】側溝本体(又は側溝)に図9のグレーチングを載置した側面図である。
【図11】図10の側溝本体を連ねた側溝に図9のグレーチングを載置した概略縦断面図である。
【図12】図10の部分拡大図である。
【図13】図12に代わる他態様図である。
【図14】図9〜図12に代わる別態様のグレーチングの下面側から見た斜視図である。
【図15】公知の側溝本体(又は側溝)に図14のグレーチングを載置したグレーチング付き側溝の排水構造の側面図である。
【図16】図15の側溝本体を連ねた側溝に図14のグレーチングを載置したグレーチング付き側溝の排水構造の概略縦断面図である。
【図17】図9〜図12や図14〜図16に代わる他態様のグレーチングの斜視図である。
【図18】図17のグレーチングを公知の側溝本体(又は側溝)に載置したグレーチング付き側溝の排水構造の側面図である。
【図19】従来技術の説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るグレーチング付き側溝の排水構造について詳述する。
(1)実施形態1
図1〜図8は本発明の側溝本体側に斜路を設けたグレーチング付き側溝の排水構造の一形態で、図1はその側溝本体の斜視図、図2は図1の側溝本体にグレーチングを載置した側面図、図3は図2の要部拡大斜視図、図4は図3に代わる他態様の側溝本体の斜視図、図5は図2の側溝本体を連ねた側溝にグレーチングを載置した概略縦断面図、図6は図1に代わる他態様の側溝本体の斜視図、図7は図6の側溝本体にグレーチングを載置した側面図、図8は図1〜図7に代えて、コンクリート製側壁部を隆起させて斜路Fを形成する他態様の側溝本体を示す。
図面を判り易くするため、当て板部34の板厚を厚く描き、図5は要部のみを簡略図示する。
【0012】
グレーチング付き側溝の排水構造は、グレーチング5と側溝本体1を具備する。
本実施形態のグレーチング5の方は公知品で、側溝本体1に斜路Fを形成する。グレーチング5は、主部材50に連結材51を格子状に直交させてなる平面視長方形の金属製グレーチングとする。全体形状が規格化された長方形盤状をなし、主部材50と連結材51と端板58,59と側板52とを備える公知のグレーチング5である。多数の金属製帯板からなる主部材50とこれに直交する連結材51とで格子状に形成して、その両側を側板52で塞ぐ(図3)。通称Iバーと呼ばれる断面I字状の帯板からなる主部材50は、図3のように幅方向を上下にして平行に複数配設される。主部材50の両端を端板58,59(図9参照)として、長方形盤のグレーチング5になっている。
ここでの連結材51は通称クロスバーとも呼ばれ、金属製棒状材を捩ったツイスト棒からなる。連結材51は、主部材50をその帯幅方向を垂直起立させ且つ所定ピッチで複数配設した後、これらと直交するようにして所定間隔離して主部材50の上面に載置される。その後、主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着して図2,図5ごとくの長方形盤に組み立てられる。符号SLは主部材50と連結材51とを格子状に配設することによってできるスリットを示す。後述する側溝本体1が複数接続されてなる側溝Aの上面開口Kに被着されるグレーチング5にあって、路面GLに降った雨は雨水Wとなって路面GLをはい、グレーチング5付き側溝Aへと向かう。そして、主に側板52を横切り、スリットSLを通って側溝本体1の斜路F(詳細後述)を経由した後、流路たる縦通溝R内へ流れ落ちる。
【0013】
側溝本体1は、側溝主部αと当て部材34とを具備するユニット製品である(図1)。側溝主部αはコンクリート製で、底壁部2の左右両側から側壁部3が起立して、底壁部2と両側壁部3とで上面開口Kの縦通溝Rを形成する側溝本体1の主要部になる。両側壁部3の上部32には、グレーチング5が上面開口Kを塞いで載る平坦部33が対向配設される。両側壁部3の主要部31から上面開口K側へ延びる両側壁部3に係る上部32の内側に、グレーチング5を連接又は近接して、図5のごとくグレーチング5を複数載置できる平坦部33が設けられる。
ここで、本発明でいう上方とは、側溝本体1が道路等の路面GLに埋設される図2の状態下で、紙面上方をいい、下方とは紙面下方を指す。また、水平方向や左右方向とは図2の紙面左右横方向をいう。縦通溝Rの排水流れ方向uは図2でいえば紙面垂直手前方向をいい、側壁部3の他端面39やグレーチング5の他端面59が紙面手前に現れ、側壁部3の一端面38やグレーチング5の一端面58は、側壁部3やグレーチング5に係る紙面奥方の図2に現れない端面になる。
【0014】
底壁部2と、その両脇で起立する側壁部3とで横断面略U字状の縦通溝Rを形成し、底壁部2下面に対し、両側壁部3を垂直起立させて側面視外形が略凵字状の上面開口Kのコンクリート製側溝主部αとする。そして、側壁部3の上部32を内側(縦通溝R側)に突出し、突出上面を平坦部33とする。両側溝本体1の上端面32aよりも一段下がった位置に、側溝主部αがつくる平坦部33が設けられる。図2でいえば、側壁部3の開口端たる上端面32aからその内面が略垂直に降下し、グレーチング5の盤厚みhの相当分まで下がった地点で、水平内側方向に突出して平坦部33が形成される。
【0015】
当て部材34は、側溝主部αの上部に被着一体化される金属製板状品である。当て部材34は、予め図1のような形状に成形加工される。側溝本体1の製造に際し、該当て部材34をインサートして、図1のごとく側溝主部αの上部表面を、一体成形で覆う当て部材34付きのコンクリート製側溝本体1を完成させる。符号37は当て部材34に固着したアンカーで、当て部材34を側溝主部αに一体強化する。両側壁部3の上部32表面を当て部材34が覆って、グレーチング5が上面開口Kを塞いで載る平坦部33が対向配設される側溝本体1になる。そして、平坦部33よりも下方の側壁部3で、その縦通溝R側に当て部材34がつくる金属製張出部34eを形成して、該張出部34eが側溝部3の内壁面から離れ、縦通溝R内へ図2のごとく水平突出する。該張出部34eの上面部分34e1に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。
【0016】
本実施形態の当て部材34は、側溝主部αの一端面38から他端面39までの長さを有する図1ごとくの長尺曲げ加工品である。
当て部材34は一の側溝主部αに一対配設され、両当て部材34は左右対称品である(図2)。当て部材34は平板のプレス成形品で、上板部34aと立板部34bと水平板部34cと垂下部34dと張出部34eと補強部34fとを備える。上板部34aと立板部34bと水平板部34cと補強部34fは、当て部材34の長手方向に向けて等断面形状になっている(図1,図2)。側溝本体1の成形に先立ち、当て部材34をインサートして側溝本体1を成形すると、当て部材34の上板部34aが両側壁部3に係る上端面32aの全域を覆う。側壁部3の上端面32aから側壁部3の内面がグレーチング盤5aの厚みh分だけ垂直降下するが、その垂直面を、上板部34aから縦通溝R側が屈曲、延設された立板部34bが覆う。さらに立板部34bの下縁から屈曲して縦通溝R側へ水平延設する水平板部34cが、側壁部3の平坦部33を覆って、上面開口Kをグレーチング5が塞いで直かに接して載る真の平坦部になる。また、前記側壁部3に係る上端面32aの外縁から側壁部外面が垂直下降するが、該側壁部外面の上端垂直部分を、上板部34aの外縁から屈曲延設された補強部34fが覆う。
一方、上板部34a,立板部34b,水平板部34cが当て部材34の長手方向等断面形状であるのに対し、垂下部34dは図1のごとく側壁部3の一端面38から他端面39に向けて徐々に帯幅が広くなる細長の帯板部になっている。側壁部3の平坦部33の内縁から側壁部内面が底壁部2へ向けて垂直降下するが、その垂直面の上方部を、水平板部34cから縦通溝R側が屈曲延設された垂下部34dが覆う。そして、垂下部34dの下縁から屈曲して縦通溝R側へ水平に張り出す張出部34eが設けられる。該張出部34eは、一定幅の長尺板部で、側壁部3の一端面38から他端面39に進むにしたがい徐々に帯幅が広くなる垂下部34dの下縁から、屈曲して縦通溝R側へ水平に突き出す。この張出部34eの突き出しで、該張出部34eの上面部分34e1に、側壁部3の一端面38から他端面39へ向けて傾斜勾配がつくすなわち斜路Fが形成される(図1,図2)。張出部34eの上面部分34e1に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。尚、張出部34eは垂下部34dから縦通溝R側へ水平に突き出したが、縦通溝Rの中央に向けて、後述する図13のごとく角度θ(15°>θ>0°)で下降傾斜させてもよい。
【0017】
一方、当て部材34は、さらに図4のような他態様の返し部34gを設けることもできる。図1〜図3に係る張出部34eの縦通溝R側の内縁から図4のごとく上方へ屈曲して上方延設する所定高さの細長板状返し部34gを形成する。側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水Wに土砂が混ざらない場合、斜路Fを使ってその水Wに速度エネルギを有効に与えるためである。
尚、図1〜図4の当て部材34に係る各上板部34a,立板部34b,水平板部34c,垂下部34d,張出部34e,補強部34f,返し部34gは、長手方向長さが図示のごとく側溝主部αの一端面38から他端面39までの長さを有する板部とする。
【0018】
かくのごとく、側溝本体1は側溝主部αと当て部材34とを有して、当て部材34に係る上板部34a,立板部34b,水平板部34c,垂下部34dが、側溝主部αに係る側壁部3の上部に当接一体化する。張出部34eは、側壁部3の内面に当接する垂下部34dの下縁から縦通溝R側へ突出し、一定幅の板幅で且つ側壁部3の一端面38から他端面39に向けて下降傾斜する板面をつくって、その板面を斜路Fとなす。ここでの張出部34eの板幅は、平坦部33が縦通溝R方向へ突き出す幅よりも大きくする。
施工現場では、本側溝本体1が複数用意され、一の側溝本体1に係る一端面38を他の側溝本体1に係る他端面39と突き合わせ、図5のごとく数珠つなぎに一列に接続して側溝Aとする。各側溝本体1(側壁部3)の他端面39側は下流側に向けられる。したがって、側溝Aを形成する各側溝本体1には、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。各側溝本体1の平坦部33に汎用グレーチング5を載せて上面開口Kを塞ぐと、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが、斜路F上を流れる本グレーチング付き側溝の排水構造となる。
【0019】
図6,図7は、別態様のグレーチング付き側溝の排水構造で、当て部材34の張出部34eについて、図1〜図5の側溝本体1に係る当て部材34の張出部34eよりも、その長手方向長さを短くする。上板部34a,立板部34b,水平板部34c,垂下部34dに比べ、張出部34eは加点F2側を図6,図7のごとく切欠き、短くする。当て部材34に係る上板部34a,立板部34b,水平板部34c,垂下部34dが、側溝主部αに係る側壁部3の上部に当接一体化する。張出部34eが側壁部3の内面に当接する垂下部34dの下縁から縦通溝R側へ突出し、その突出し幅は平坦部33が縦通溝R方向の突出す幅よりも大きい。張出部34eは側壁部3の一端面38寄りから他端面39寄りに向けて下降傾斜する板面をつくって、その板上面を斜路Fとなす。他の構成は図1〜図5のグレーチング付き側溝の排水構造と同様で、説明を省く。
【0020】
また、図1〜図7は当て部材34に斜路Fを形成したが、図8のように側溝主部αに斜路Fを直接形成した他態様のグレーチング付き側溝の排水構造とすることもできる。図8の側溝本体1は当て部材34をなしにし、側溝主部αがそのまま側溝本体1になる。
図8の側溝本体1には、平坦部33よりも下方の両側壁部3で、該側壁部3の縦通溝R側を張出してコンクリート製張出部35が形成される。そして、両側壁部3に張出部35が対向配設され、各張出部35の上面部分351に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。張出部35の上面部分351は、平坦部33が縦通溝R方向の突出す幅とほぼ同程度の幅を有して水平に張り出し、且つ側壁部3の一端面38寄りから他端面39に向けて下降傾斜する斜路Fとなす。張出部35は側壁部3の一端面38側の箇所が切り欠かれる。さもないと、一の側溝本体1に係る一端面38を他の側溝本体1に係る他端面39と突き合わせて、複数の側溝本体1を一列に接続して側溝Aにした際、支障をきたすからである。グレーチング5の側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが、斜路F上を流れて、縦通溝Rの排水流れ方向uに進む水Wのスピードが加速するが、隣接する側溝本体1の一端面38に該水Wが衝突してそのスピードを落とすからである。図8の側溝本体1は、側壁部3の一端面38寄りから他端面39に向けて下降傾斜する横長状の斜路Fとなすが、これに代えて、上面部分351が側壁部3の一端面38又は一端面38寄りから他端面39寄りに向けて下降傾斜する斜路F用の張出部35を形成することもできる。同様の本発明効果が得られるからである。
【0021】
(2)実施形態2
図9〜図18はグレーチング5側に傾斜板部55を設けたグレーチング付き側溝の排水構造で、図9はそのグレーチング5の下面側から見た斜視図、図10は側溝本体1(又は側溝A)に図9のグレーチング5を載置した側面図、図11は図10の側溝本体1を連ねた側溝Aに図9のグレーチング5を載置した概略縦断面図、図12は図10の部分拡大図、図13は図12に代わる他態様図、図14は図9〜図12に代わる別態様のグレーチング5の下面側から見た斜視図、図15は側溝本体1(又は側溝A)に図14のグレーチング5を載置した側面図、図16は図15の側溝本体1を連ねた側溝Aに図14のグレーチング5を載置した概略縦断面図、図17は図9〜図12や図14〜図16に代わる他様のグレーチング5の斜視図、図18は図17のグレーチング5を側溝本体1(又は側溝A)に載置した側面図を示す。図面を判り易くするため、図11,図16は要部のみを簡略図示し、また、図11は図9のグレーチング5が一端面58から他端面59まで傾斜板部55を配設するのに対し、グレーチングの一端面58寄りから他端面59寄りまで傾斜板部55を配設するにとどめる。
【0022】
実施形態1は側溝本体1に斜路Fが設けられたが、本実施形態のグレーチング付き側溝の排水構造は、側溝本体1を公知品にして、グレーチング5の方に前記斜路Fに代わる傾斜板部55が設けられる。
【0023】
本実施形態の側溝Aを構成する側溝本体1は、図10のような側面視略凹字状の公知品である。底壁部2と両側壁部3とで上面開口Kの縦通溝Rが形成され、さらに両側壁部3の上部32に、グレーチング5が該上面開口Kを塞いで載る平坦部33を対向配設する。ここでは側壁部3の上端面32aが平坦部33になる。
【0024】
グレーチング5は、主部材50に連結材51を格子状に直交させてなる平面視長方形で、主部材50と連結材51と端板58,59と側板52とを備えた汎用グレーチングにもなるグレーチング盤5aとし、さらに板片部53,傾斜板部55を付加するものである。グレーチング5の下部で、グレーチング盤5aの下面よりも垂直下方に延在する板片部53から、帯幅方向部分55aが縦通溝R内へ水平に突き出すと共に、長手方向部分55bが縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部55が設けられる。
【0025】
ここでのグレーチング5は、アングル鍔付きタイプと称される市販グレーチングに、板片部53,傾斜板部55を追加工した金属製品である。帯板からなる主部材50が幅方向を上下にして所定ピッチで平行に複数配設され、且つこれらと直交するようにして、連結材51が所定間隔離して主部材50上面に載置される。その後、主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着して四角盤状のグレーチング盤5aに組み立てられる。両側板52の上縁部分から、平板部54をそれぞれ側面視L字状に外方へ屈曲、延設してアングル鍔とする。該平板部54が図10の側溝本体1の平坦部33に載る。主部材50の両端を端板58,59とする平面視長方形のグレーチング本体たるグレーチング盤5aが出来る。
【0026】
前記両側板52は、図9,図10のごとく水平方向に対し垂直下方向の長さを通常のアングル鍔付きグレーチングよりも長くし、該側板52の下部がグレーチング盤5aの下面よりも垂直下方に延在する板片部53となる。一方、グレーチング盤5aの長手方向長さに匹敵する長さの傾斜板部55用の細長帯板を用意する。その長手方向部分55bを縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜させ(図11)、該板片部53の縦通溝R側に細長帯板の一側縁を固着して、図9ごとくの帯状傾斜板部55が設けられる。該傾斜板部55はその帯幅方向部分55aを縦通溝R内(縦通溝Rの溝中心軸側)へ水平突出する。
【0027】
図9,図10で、傾斜板部55が、グレーチング5の一端面58から他端面59まで縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜させて配設される。これに代え、図11のごとく傾斜板部55がグレーチング5の一端面58寄りから他端面59寄りまでに限定して、傾斜板部55を配設する構成でもよい。少し短くしても、同様の本発明効果が得られるからである。
また、図13は図10〜図12に代わる他態様のグレーチング5である。図示のごとく、板片部53から縦通溝R内へ突き出す傾斜板部55の帯幅方向部分55aが縦通溝Rの中央(縦通溝Rの溝中心軸側)に向けて角度θ(15°>θ>0°)で下降傾斜すると、より好ましくなる。豪雨等でグレーチング5内に流れ込む土砂が傾斜板部55に堆積するのを防止できるからである。
【0028】
前記側溝本体1が複数用意され、一の側溝本体1に係る一端面38を他の側溝本体1に係る他端面39と突き合わせるようにして一列に接続すると、側溝Aが形成される(図11)。各グレーチング5は一端面58側を上流側に配する。そして、各側溝本体1の平坦部33に前記グレーチング5を載せて上面開口Kを塞ぐと、グレーチング5に縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する帯状傾斜板部55が設けられることで、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが傾斜板部55上を流れる本グレーチング付き側溝の排水構造となる。
符号551は傾斜板部55に流れ込む水を、最も高い地点で受け止める傾斜板部の上点、符号552は傾斜板部55の最も低い下点、符号6は傾斜板部55を板片部53に固着する溶接部を示す。図10〜図13における矢印は雨水等の水Wの流れを示す。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。実施形態1の符号と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0029】
図14〜図16は図9〜図12に代わる別態様のグレーチング5の下面側から見た斜視図を示す。図14のグレーチング5は一般型落し込みタイプのグレーチング5に適用される金属製品で、該グレーチング5は図15ごとく汎用コンクリート製側溝本体1の平坦部33、又は図1,図2の当て部材34に係る垂下部34d及び張出部34eをなしにした汎用側溝本体1の平坦部33(詳しくは水平板部34c)に載置される。
本グレーチング5も、帯板からなる主部材50が幅方向を上下にして平行に所定ピッチで複数配設され、且つこれらと直交するようにして、連結材51が所定間隔離して主部材50上面に載置される。その後、主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着してグレーチング盤5aに組み立てる。主部材50の両端を端板58,59とする平面視長方形のグレーチング盤5aになる。そして、側面視L形のアングル部材が一対用意される。一対のアングル部材に係る底板部55の外縁を図14のごとく両側板52の下縁に沿わせて、グレーチング盤5aの下面に固着する。このとき、側面視L形のアングル部材の起立部を、縦通溝R側に配して且つグレーチング盤5aの下方に向けて図15のごとく起立させる。該起立部がグレーチング盤5aの下面よりも垂直下方に延在する板片部53になる。さらに、グレーチング盤5aの長手方向長さに匹敵する長さの細長帯板を用意して、傾斜板部55が形成される。側溝本体1に載置されるグレーチング5の下部で、長手方向部分55bが縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜するよう、該板片部53の縦通溝R側に細長帯板の一側縁を固着してなる傾斜板部55が設けられる。図14で、傾斜板部55はグレーチング5の一端面58から他端面59に向けて下降傾斜する。傾斜板部55はその帯幅方向部分55aを縦通溝R内へ水平突出する。
図14の側溝本体1が複数用意され、一の側溝本体1を他の側溝本体1と突き合わせるようにして、図11と同様、一列に接続されると、図16ごとくの側溝Aが完成する。各グレーチング5は一端面58側を上流側に配する。そして、各側溝本体1の平坦部33に前記グレーチング5を載せて上面開口Kを塞ぐと、グレーチング5に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部55を設けたことで、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが傾斜板部55上を流れる本グレーチング付き側溝の排水構造となる。他の構成は図9〜図12のグレーチング付き側溝の排水構造と同様で、その説明を省く。
【0030】
また、図17,図18は図9〜図12や図14〜図16に代わる他態様のグレーチング5の斜視図を示す。図17のグレーチング5は嵩上げタイプのグレーチング5に適用した金属製品で、本グレーチング5は、図18のごとく嵩上げ部材56がある分、図15に比べて平坦部33が一段低い側溝本体1に使用される。
本グレーチング5も、帯板からなる主部材50が幅方向を上下にして平行に所定ピッチで複数配設され、且つこれらと直交するようにして、連結材51が所定間隔離して主部材50の上面に載置される。主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着してグレーチング盤5aに組み立てる。主部材50の両端を端板58,59とする平面視長方形のグレーチング盤5aになる。そして、四角筒形した嵩上げ部材56を一対用意する。一対の嵩上げ部材56の外縁を図17のごとく両側板52に沿わせて、グレーチング盤5aの下面に固着する。嵩上げ部材56に係るグレーチング中央側筒壁の板部が、グレーチング盤5aの下面よりも垂直下方に延在する板片部53になる。別途、グレーチング盤5aの長手方向長さに匹敵する長さの細長帯板が用意され、これを板片部53に固着して傾斜板部55を形成する。側溝本体1に載置されるグレーチング5の下部で、長手方向部分55bが縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜するよう、両板片部53の縦通溝R側に細長帯板の一側縁を固着してなる帯状の傾斜板部55が一対設けられる。図17で、傾斜板部55はグレーチング5の一端面58から他端面59に向けて下降傾斜する。傾斜板部55はその帯幅方向部分55aを縦通溝R内へ水平突出する。
【0031】
汎用側溝本体1が複数用意され、一の側溝本体1を他の側溝本体1に突き合わせるようにして、図11と同じように一列に接続されると、側溝Aが完成する。各グレーチング5は一端面58側を上流側に配する。各側溝本体1の平坦部33にグレーチング5を載せて上面開口Kを塞ぐと、該グレーチング5に縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部55を設けたことで、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが、傾斜板部55上を流れる本グレーチング付き側溝の排水構造となる。他の構成は図9〜図12のグレーチング付き側溝の排水構造と同様で、その説明を省く。
【0032】
(3)効果
このように構成したグレーチング付き側溝の排水構造は、豪雨等で、路面GLをはい、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水が、斜路F上又は傾斜板部55上の坂を滑るようにして流れるので、縦通溝Rの排水流れ方向uに進むその水Wのスピードが加速する。斜路F上又は傾斜板部55上を雨水等の水Wが流れると、その傾斜勾配で水Wに加速度がつき、その加速度をつけた状態で、水Wが斜路Fの下点F2(又は傾斜板部の下点552)から縦通溝Rの底板部上面21へと流れ落ちる。縦通溝Rを流れる単位時間あたりの水量が増加するので、側溝A(側溝本体1)に導かれた排水Wは迅速処理される。したがって、側溝A内の流路(縦通溝R)を流れる雨水スピードが従来のように律速支配して、側溝Aから水Wが溢れ出すような事態を回避できる。特に水難事故等につながり易い豪雨時の路面GL浸水を、比較的簡便な構造で解消でき、極めて有益となる。
【0033】
また、日常の排水処理において、自由勾配側溝8を採用し、図19のごとく縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて緩やかな傾斜をつけてコンクリート底面部83を現場施工し、雨水Wが下流側へ流れるようにしたり、ポンプアップによる外力に頼ったりしなくても済む。側溝本体1をそのまま水平に配設した後、平坦部33にグレーチング5を単に載置する実施形態1又は2のグレーチング付き側溝の排水構造にするだけで足りる。実施形態1の斜路F、又は実施形態2の傾斜板部55が、自由勾配側溝本体8に現場施工で傾斜をつけたコンクリート底面部83や、ポンプアップの外力に代わる役割を果たす。さらにいえば、斜路Fや傾斜板部55は自由勾配側溝8の傾斜底面部83よりもその勾配を大きくすることが容易であり、より円滑な排水処理を可能とする。ポンプアップに頼ることもないので、電力等の外部エネルギも必要としない。電力が届かない山間部や僻地でも使用でき、頗る便利になる。側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水Wが保有する位置エネルギ(落差エネルギ)が、斜路F上又は傾斜板部55上を流れる過程で運動エネルギに転換して、縦通溝Rの排水流れ方向uに進むその水Wのスピードが加速するので、ポンプアップや自由勾配側溝8の底面部83に頼らなくても、十分対応できる。従来のポンプアップや自由勾配側溝等に代わる画期的なグレーチング付き側溝の排水構造となる。
【0034】
さらに、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する傾斜板部55が、グレーチング5の一端面58又は一端面58寄りから他端面59又は他端面59寄りまで配設されると、グレーチング5の長手方向長さ全体を有効活用できる。グレーチング5の一端面58を隣接するグレーチング5の他端面59に接続させて、各グレーチング5に係る傾斜板部55の長手方向部分55bが、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜するので、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水Wが傾斜板部55上を流れた後、その隣のグレーチング5の傾斜板部55より下方の地点552からスピードを上げて流れ落ちるので、本グレーチング5を接続しても何ら問題ない(図11,図16)。極めて理にかなったグレーチング付き側溝の排水構造になっている。
【0035】
側溝本体1,側溝Aが敷設された状態にあっても、実施形態2のグレーチング5を使用すれば、簡単に本グレーチング付き側溝の排水構造となり、作業負担やコスト負担が少ない。既に施工され、側溝Aに被せられた従来型グレーチングを本グレーチング5に置き換えるだけで、上述効果を発揮でき、適用範囲が広い。
【0036】
また、側溝本体1がコンクリート製側溝主部αと金属製当て部材34とを具備し、当て部材34が側溝主部αの上部に被着一体化すると共に縦通溝R側に張出部34eを形成して、その上面部分に斜路Fが設けられるようにすれば、グレーチングだけでなく、側溝主部αを既存形態に保って、簡単に前記効果を発揮する自立排水機能型の側溝本体を造ることができる。
【0037】
加えて、図13のように板片部53から縦通溝R内へ突き出す傾斜板部55の帯幅方向部分55aが、縦通溝Rの中央に向けて下降傾斜する構成であると、グレーチング5の側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水Wに土砂等が混ざっても、帯幅方向部分55aが縦通溝Rの中央へ向けて下降傾斜するので堆積せず、洗い流してくれる。傾斜板部55に自浄作用をもたせることができる。かくのごとく、上述した数々の優れた効果を発揮し、実用的且つ有意義なグレーチング付き側溝の排水構造になっている。
【0038】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。側溝本体1,底壁部2,側壁部3,当て部材34,張出部34e,グレーチング5,主部材50,連結材51,傾斜板部55等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば、実施形態1,2では、上面開口Kの全ての範囲で、文字通り上面開口Kを有する側溝本体1が用いられたが、コンクリート製上面部を一部に有して、中央部にのみ上面開口Kが設けられる図19の側溝本体1の場合にも適用できる。斯かる場合も、底壁部2の左右両側に側壁部3を起立して、該底壁部2と両側壁部3とで上面開口Kの縦通溝Rが形成され、さらに両側壁部3の上部に、グレーチング5が該上面開口Kを塞いで載る平坦部33が対向配設される側溝本体1とみなす。本グレーチング付き側溝の排水構造にできるからである。
【符号の説明】
【0039】
1 側溝本体
2 底壁部
3 側壁部
32 上部
33 平坦部
34 当て部材
34e 張出部
34e1 上面部分
35 張出部
351 平坦部
5 グレーチング
5a1 下面
50 主部材
51 連結材
53 板片部
55 傾斜板部
55a 帯幅方向部分
55b 長手方向部分
58 一端面(端板)
59 他端面(端板)
F 斜路
K 上面開口
R 縦通溝
u 排水の流れ方向
W 水(雨水)
α 側溝主部
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路脇等に設置される排水用のグレーチング付き側溝の排水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集中豪雨やゲリラ豪雨で予想を越える雨が降るようになり、その様子がニュース等で取り上げられて問題になっている。こうしたことから、排水性を良好にする側溝構造がいくつか提案されている(例えば特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−13890号公報
【特許文献2】特開平6−101262号公報
【特許文献3】特開2004−124690号公報
【0004】
特許文献1は、側溝本体に被着されるグレーチング等の蓋材の口に異物の堆積物が詰まらないようして、排水性を良好に保つ蓋材付き側溝を提案する。特許文献2も、グレーチングにゴミが詰まって集水能力が低下するのを改善し、豪雨等にあっても、集水及び排水機能を良好に維持する側溝ブロックを提案する。
また、特許文献3は、道路の流水表面を流れる雨水の呑み込み機能を強化した集水用グレーチング及びこれを用いた排水構造を提案する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、特許文献1〜3のいずれの発明も、側溝本体内に円滑に雨水を取り込む技術であった。グレーチング等の蓋材の口に異物の堆積物が詰まらないようしたり、道路の流水表面を流れる雨水の呑み込み機能を強化したりしても、側溝本体内で、雨水が縦通溝の排水流れ方向に円滑に流れる状態になっていないと、グレーチングへ雨水を流し込むこと自体が困難であった。ゲリラ豪雨等での雨水処理能力は、側溝本体内の流路を流れる雨水スピードが律速支配することもあった。テレビニュースでも、排水溝から水が溢れ出す様子が映し出されることがある。
【0006】
一方、従来型側溝として、側溝本体8を数珠つなぎに接続する側溝にあって、排水を川下へ流すべく、例えば図16のような自由勾配側溝と呼ばれる側溝本体8が用いられることがある。天板部81と側板部82とで側溝本体8を形成する。その側溝本体8の底面側に、縦通溝の排水流れ方向に向けて緩やかな傾斜をつけてコンクリート底面部83を現場施工で形成し、雨水が同図矢印のごとく下流側へ流れるようにしている。そのため、底面部の現場施工に手間とコストを要した。また、道路環境上、側溝本体に傾斜をつけることが困難な場合は、側溝本体の各末端に深い桝を設けて、ポンプアップによる雨水等の排水処理がなされていた。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するもので、コンクリート底面部を現場施工したりポンプアップ操作を用いたりせずに、側溝に流れ込んだ雨水が下流側へ円滑に向かうようにし、また、豪雨時にも、縦通溝での雨水スピードを速め、側溝の排水処理能力を高めることのできるグレーチング付き側溝の排水構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、主部材に連結材を格子状に直交させてなる平面視長方形のグレーチングと、底壁部の左右両側に側壁部を起立して、該底壁部と両側壁部とで上面開口の縦通溝が形成され、さらに両側壁部の上部に、前記グレーチングが該上面開口を塞いで載る平坦部が対向配設される側溝本体と、を備えるグレーチング付き側溝の排水構造にあって、前記平坦部よりも下方の側壁部の縦通溝側に張出部を形成して、該張出部の上面部分に、縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する斜路が設けられるか、又は側溝本体に載置される前記グレーチングの下部で、グレーチング盤の下面よりも垂直下方に延在する板片部から帯幅方向部分が縦通溝内へ突き出す一方、長手方向部分が縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部が設けられて、グレーチングの側板を横切ってグレーチング内に流れ込む水が、前記斜路上又は前記傾斜板部上を流れるようにしたことを特徴とするグレーチング付き側溝の排水構造にある。
請求項2の発明たるグレーチング付き側溝の排水構造は、請求項1で、縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する前記傾斜板部が、前記グレーチングの一端面又は一端面寄りから他端面又は他端面寄りまで配設されることを特徴とする。請求項3の発明たるグレーチング付き側溝の排水構造は、請求項2で、板片部から縦通溝内へ突き出す前記傾斜板部の帯幅方向部分が、縦通溝の中央に向けて下降傾斜することを特徴とする。請求項4の発明たるグレーチング付き側溝の排水構造は、請求項1で、側溝本体がコンクリート製側溝主部と金属製当て部材とを具備し、該当て部材が該側溝主部の上部に被着一体化すると共に縦通溝側に前記張出部を形成して、その上面部分に前記斜路が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のグレーチング付き側溝の排水構造は、コンクリート底面部を傾斜させたりポンプアップ操作を用いたりしなくても、斜路又は傾斜板部が備わることで、側溝に流れ込んだ雨水を自律的に下流側へ向かわせ、また、豪雨時にも、グレーチングの側板を横切ってグレーチング内に流れ込む雨水が、斜路上又は傾斜板部上を流れることによって、側溝流路の流れ方向に進む雨水のスピードが加速するので、縦通溝での雨水スピードを速め、側溝の排水処理能力がアップして、豪雨での路面浸水等を防ぐことができるなど優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1のグレーチング付き側溝の排水構造に係る側溝本体の斜視図である。
【図2】図1の側溝本体にグレーチングを載置した側面図である。
【図3】図2の要部拡大斜視図である。
【図4】図3に代わる他態様の側溝本体の斜視図である。
【図5】図2の側溝本体を連ねた汎用側溝にグレーチングを載置した概略縦断面図である。
【図6】図1に代わる他態様の側溝本体の斜視図である。
【図7】図6の側溝本体にグレーチングを載置した側面図である。
【図8】図1〜図7に代えて、コンクリート製側壁部を隆起させて斜路を形成する他態様の側溝本体である。
【図9】実施形態2のグレーチング付き側溝の排水構造に係るグレーチングの下面側から見た斜視図である。
【図10】側溝本体(又は側溝)に図9のグレーチングを載置した側面図である。
【図11】図10の側溝本体を連ねた側溝に図9のグレーチングを載置した概略縦断面図である。
【図12】図10の部分拡大図である。
【図13】図12に代わる他態様図である。
【図14】図9〜図12に代わる別態様のグレーチングの下面側から見た斜視図である。
【図15】公知の側溝本体(又は側溝)に図14のグレーチングを載置したグレーチング付き側溝の排水構造の側面図である。
【図16】図15の側溝本体を連ねた側溝に図14のグレーチングを載置したグレーチング付き側溝の排水構造の概略縦断面図である。
【図17】図9〜図12や図14〜図16に代わる他態様のグレーチングの斜視図である。
【図18】図17のグレーチングを公知の側溝本体(又は側溝)に載置したグレーチング付き側溝の排水構造の側面図である。
【図19】従来技術の説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るグレーチング付き側溝の排水構造について詳述する。
(1)実施形態1
図1〜図8は本発明の側溝本体側に斜路を設けたグレーチング付き側溝の排水構造の一形態で、図1はその側溝本体の斜視図、図2は図1の側溝本体にグレーチングを載置した側面図、図3は図2の要部拡大斜視図、図4は図3に代わる他態様の側溝本体の斜視図、図5は図2の側溝本体を連ねた側溝にグレーチングを載置した概略縦断面図、図6は図1に代わる他態様の側溝本体の斜視図、図7は図6の側溝本体にグレーチングを載置した側面図、図8は図1〜図7に代えて、コンクリート製側壁部を隆起させて斜路Fを形成する他態様の側溝本体を示す。
図面を判り易くするため、当て板部34の板厚を厚く描き、図5は要部のみを簡略図示する。
【0012】
グレーチング付き側溝の排水構造は、グレーチング5と側溝本体1を具備する。
本実施形態のグレーチング5の方は公知品で、側溝本体1に斜路Fを形成する。グレーチング5は、主部材50に連結材51を格子状に直交させてなる平面視長方形の金属製グレーチングとする。全体形状が規格化された長方形盤状をなし、主部材50と連結材51と端板58,59と側板52とを備える公知のグレーチング5である。多数の金属製帯板からなる主部材50とこれに直交する連結材51とで格子状に形成して、その両側を側板52で塞ぐ(図3)。通称Iバーと呼ばれる断面I字状の帯板からなる主部材50は、図3のように幅方向を上下にして平行に複数配設される。主部材50の両端を端板58,59(図9参照)として、長方形盤のグレーチング5になっている。
ここでの連結材51は通称クロスバーとも呼ばれ、金属製棒状材を捩ったツイスト棒からなる。連結材51は、主部材50をその帯幅方向を垂直起立させ且つ所定ピッチで複数配設した後、これらと直交するようにして所定間隔離して主部材50の上面に載置される。その後、主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着して図2,図5ごとくの長方形盤に組み立てられる。符号SLは主部材50と連結材51とを格子状に配設することによってできるスリットを示す。後述する側溝本体1が複数接続されてなる側溝Aの上面開口Kに被着されるグレーチング5にあって、路面GLに降った雨は雨水Wとなって路面GLをはい、グレーチング5付き側溝Aへと向かう。そして、主に側板52を横切り、スリットSLを通って側溝本体1の斜路F(詳細後述)を経由した後、流路たる縦通溝R内へ流れ落ちる。
【0013】
側溝本体1は、側溝主部αと当て部材34とを具備するユニット製品である(図1)。側溝主部αはコンクリート製で、底壁部2の左右両側から側壁部3が起立して、底壁部2と両側壁部3とで上面開口Kの縦通溝Rを形成する側溝本体1の主要部になる。両側壁部3の上部32には、グレーチング5が上面開口Kを塞いで載る平坦部33が対向配設される。両側壁部3の主要部31から上面開口K側へ延びる両側壁部3に係る上部32の内側に、グレーチング5を連接又は近接して、図5のごとくグレーチング5を複数載置できる平坦部33が設けられる。
ここで、本発明でいう上方とは、側溝本体1が道路等の路面GLに埋設される図2の状態下で、紙面上方をいい、下方とは紙面下方を指す。また、水平方向や左右方向とは図2の紙面左右横方向をいう。縦通溝Rの排水流れ方向uは図2でいえば紙面垂直手前方向をいい、側壁部3の他端面39やグレーチング5の他端面59が紙面手前に現れ、側壁部3の一端面38やグレーチング5の一端面58は、側壁部3やグレーチング5に係る紙面奥方の図2に現れない端面になる。
【0014】
底壁部2と、その両脇で起立する側壁部3とで横断面略U字状の縦通溝Rを形成し、底壁部2下面に対し、両側壁部3を垂直起立させて側面視外形が略凵字状の上面開口Kのコンクリート製側溝主部αとする。そして、側壁部3の上部32を内側(縦通溝R側)に突出し、突出上面を平坦部33とする。両側溝本体1の上端面32aよりも一段下がった位置に、側溝主部αがつくる平坦部33が設けられる。図2でいえば、側壁部3の開口端たる上端面32aからその内面が略垂直に降下し、グレーチング5の盤厚みhの相当分まで下がった地点で、水平内側方向に突出して平坦部33が形成される。
【0015】
当て部材34は、側溝主部αの上部に被着一体化される金属製板状品である。当て部材34は、予め図1のような形状に成形加工される。側溝本体1の製造に際し、該当て部材34をインサートして、図1のごとく側溝主部αの上部表面を、一体成形で覆う当て部材34付きのコンクリート製側溝本体1を完成させる。符号37は当て部材34に固着したアンカーで、当て部材34を側溝主部αに一体強化する。両側壁部3の上部32表面を当て部材34が覆って、グレーチング5が上面開口Kを塞いで載る平坦部33が対向配設される側溝本体1になる。そして、平坦部33よりも下方の側壁部3で、その縦通溝R側に当て部材34がつくる金属製張出部34eを形成して、該張出部34eが側溝部3の内壁面から離れ、縦通溝R内へ図2のごとく水平突出する。該張出部34eの上面部分34e1に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。
【0016】
本実施形態の当て部材34は、側溝主部αの一端面38から他端面39までの長さを有する図1ごとくの長尺曲げ加工品である。
当て部材34は一の側溝主部αに一対配設され、両当て部材34は左右対称品である(図2)。当て部材34は平板のプレス成形品で、上板部34aと立板部34bと水平板部34cと垂下部34dと張出部34eと補強部34fとを備える。上板部34aと立板部34bと水平板部34cと補強部34fは、当て部材34の長手方向に向けて等断面形状になっている(図1,図2)。側溝本体1の成形に先立ち、当て部材34をインサートして側溝本体1を成形すると、当て部材34の上板部34aが両側壁部3に係る上端面32aの全域を覆う。側壁部3の上端面32aから側壁部3の内面がグレーチング盤5aの厚みh分だけ垂直降下するが、その垂直面を、上板部34aから縦通溝R側が屈曲、延設された立板部34bが覆う。さらに立板部34bの下縁から屈曲して縦通溝R側へ水平延設する水平板部34cが、側壁部3の平坦部33を覆って、上面開口Kをグレーチング5が塞いで直かに接して載る真の平坦部になる。また、前記側壁部3に係る上端面32aの外縁から側壁部外面が垂直下降するが、該側壁部外面の上端垂直部分を、上板部34aの外縁から屈曲延設された補強部34fが覆う。
一方、上板部34a,立板部34b,水平板部34cが当て部材34の長手方向等断面形状であるのに対し、垂下部34dは図1のごとく側壁部3の一端面38から他端面39に向けて徐々に帯幅が広くなる細長の帯板部になっている。側壁部3の平坦部33の内縁から側壁部内面が底壁部2へ向けて垂直降下するが、その垂直面の上方部を、水平板部34cから縦通溝R側が屈曲延設された垂下部34dが覆う。そして、垂下部34dの下縁から屈曲して縦通溝R側へ水平に張り出す張出部34eが設けられる。該張出部34eは、一定幅の長尺板部で、側壁部3の一端面38から他端面39に進むにしたがい徐々に帯幅が広くなる垂下部34dの下縁から、屈曲して縦通溝R側へ水平に突き出す。この張出部34eの突き出しで、該張出部34eの上面部分34e1に、側壁部3の一端面38から他端面39へ向けて傾斜勾配がつくすなわち斜路Fが形成される(図1,図2)。張出部34eの上面部分34e1に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。尚、張出部34eは垂下部34dから縦通溝R側へ水平に突き出したが、縦通溝Rの中央に向けて、後述する図13のごとく角度θ(15°>θ>0°)で下降傾斜させてもよい。
【0017】
一方、当て部材34は、さらに図4のような他態様の返し部34gを設けることもできる。図1〜図3に係る張出部34eの縦通溝R側の内縁から図4のごとく上方へ屈曲して上方延設する所定高さの細長板状返し部34gを形成する。側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水Wに土砂が混ざらない場合、斜路Fを使ってその水Wに速度エネルギを有効に与えるためである。
尚、図1〜図4の当て部材34に係る各上板部34a,立板部34b,水平板部34c,垂下部34d,張出部34e,補強部34f,返し部34gは、長手方向長さが図示のごとく側溝主部αの一端面38から他端面39までの長さを有する板部とする。
【0018】
かくのごとく、側溝本体1は側溝主部αと当て部材34とを有して、当て部材34に係る上板部34a,立板部34b,水平板部34c,垂下部34dが、側溝主部αに係る側壁部3の上部に当接一体化する。張出部34eは、側壁部3の内面に当接する垂下部34dの下縁から縦通溝R側へ突出し、一定幅の板幅で且つ側壁部3の一端面38から他端面39に向けて下降傾斜する板面をつくって、その板面を斜路Fとなす。ここでの張出部34eの板幅は、平坦部33が縦通溝R方向へ突き出す幅よりも大きくする。
施工現場では、本側溝本体1が複数用意され、一の側溝本体1に係る一端面38を他の側溝本体1に係る他端面39と突き合わせ、図5のごとく数珠つなぎに一列に接続して側溝Aとする。各側溝本体1(側壁部3)の他端面39側は下流側に向けられる。したがって、側溝Aを形成する各側溝本体1には、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。各側溝本体1の平坦部33に汎用グレーチング5を載せて上面開口Kを塞ぐと、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが、斜路F上を流れる本グレーチング付き側溝の排水構造となる。
【0019】
図6,図7は、別態様のグレーチング付き側溝の排水構造で、当て部材34の張出部34eについて、図1〜図5の側溝本体1に係る当て部材34の張出部34eよりも、その長手方向長さを短くする。上板部34a,立板部34b,水平板部34c,垂下部34dに比べ、張出部34eは加点F2側を図6,図7のごとく切欠き、短くする。当て部材34に係る上板部34a,立板部34b,水平板部34c,垂下部34dが、側溝主部αに係る側壁部3の上部に当接一体化する。張出部34eが側壁部3の内面に当接する垂下部34dの下縁から縦通溝R側へ突出し、その突出し幅は平坦部33が縦通溝R方向の突出す幅よりも大きい。張出部34eは側壁部3の一端面38寄りから他端面39寄りに向けて下降傾斜する板面をつくって、その板上面を斜路Fとなす。他の構成は図1〜図5のグレーチング付き側溝の排水構造と同様で、説明を省く。
【0020】
また、図1〜図7は当て部材34に斜路Fを形成したが、図8のように側溝主部αに斜路Fを直接形成した他態様のグレーチング付き側溝の排水構造とすることもできる。図8の側溝本体1は当て部材34をなしにし、側溝主部αがそのまま側溝本体1になる。
図8の側溝本体1には、平坦部33よりも下方の両側壁部3で、該側壁部3の縦通溝R側を張出してコンクリート製張出部35が形成される。そして、両側壁部3に張出部35が対向配設され、各張出部35の上面部分351に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。張出部35の上面部分351は、平坦部33が縦通溝R方向の突出す幅とほぼ同程度の幅を有して水平に張り出し、且つ側壁部3の一端面38寄りから他端面39に向けて下降傾斜する斜路Fとなす。張出部35は側壁部3の一端面38側の箇所が切り欠かれる。さもないと、一の側溝本体1に係る一端面38を他の側溝本体1に係る他端面39と突き合わせて、複数の側溝本体1を一列に接続して側溝Aにした際、支障をきたすからである。グレーチング5の側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが、斜路F上を流れて、縦通溝Rの排水流れ方向uに進む水Wのスピードが加速するが、隣接する側溝本体1の一端面38に該水Wが衝突してそのスピードを落とすからである。図8の側溝本体1は、側壁部3の一端面38寄りから他端面39に向けて下降傾斜する横長状の斜路Fとなすが、これに代えて、上面部分351が側壁部3の一端面38又は一端面38寄りから他端面39寄りに向けて下降傾斜する斜路F用の張出部35を形成することもできる。同様の本発明効果が得られるからである。
【0021】
(2)実施形態2
図9〜図18はグレーチング5側に傾斜板部55を設けたグレーチング付き側溝の排水構造で、図9はそのグレーチング5の下面側から見た斜視図、図10は側溝本体1(又は側溝A)に図9のグレーチング5を載置した側面図、図11は図10の側溝本体1を連ねた側溝Aに図9のグレーチング5を載置した概略縦断面図、図12は図10の部分拡大図、図13は図12に代わる他態様図、図14は図9〜図12に代わる別態様のグレーチング5の下面側から見た斜視図、図15は側溝本体1(又は側溝A)に図14のグレーチング5を載置した側面図、図16は図15の側溝本体1を連ねた側溝Aに図14のグレーチング5を載置した概略縦断面図、図17は図9〜図12や図14〜図16に代わる他様のグレーチング5の斜視図、図18は図17のグレーチング5を側溝本体1(又は側溝A)に載置した側面図を示す。図面を判り易くするため、図11,図16は要部のみを簡略図示し、また、図11は図9のグレーチング5が一端面58から他端面59まで傾斜板部55を配設するのに対し、グレーチングの一端面58寄りから他端面59寄りまで傾斜板部55を配設するにとどめる。
【0022】
実施形態1は側溝本体1に斜路Fが設けられたが、本実施形態のグレーチング付き側溝の排水構造は、側溝本体1を公知品にして、グレーチング5の方に前記斜路Fに代わる傾斜板部55が設けられる。
【0023】
本実施形態の側溝Aを構成する側溝本体1は、図10のような側面視略凹字状の公知品である。底壁部2と両側壁部3とで上面開口Kの縦通溝Rが形成され、さらに両側壁部3の上部32に、グレーチング5が該上面開口Kを塞いで載る平坦部33を対向配設する。ここでは側壁部3の上端面32aが平坦部33になる。
【0024】
グレーチング5は、主部材50に連結材51を格子状に直交させてなる平面視長方形で、主部材50と連結材51と端板58,59と側板52とを備えた汎用グレーチングにもなるグレーチング盤5aとし、さらに板片部53,傾斜板部55を付加するものである。グレーチング5の下部で、グレーチング盤5aの下面よりも垂直下方に延在する板片部53から、帯幅方向部分55aが縦通溝R内へ水平に突き出すと共に、長手方向部分55bが縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部55が設けられる。
【0025】
ここでのグレーチング5は、アングル鍔付きタイプと称される市販グレーチングに、板片部53,傾斜板部55を追加工した金属製品である。帯板からなる主部材50が幅方向を上下にして所定ピッチで平行に複数配設され、且つこれらと直交するようにして、連結材51が所定間隔離して主部材50上面に載置される。その後、主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着して四角盤状のグレーチング盤5aに組み立てられる。両側板52の上縁部分から、平板部54をそれぞれ側面視L字状に外方へ屈曲、延設してアングル鍔とする。該平板部54が図10の側溝本体1の平坦部33に載る。主部材50の両端を端板58,59とする平面視長方形のグレーチング本体たるグレーチング盤5aが出来る。
【0026】
前記両側板52は、図9,図10のごとく水平方向に対し垂直下方向の長さを通常のアングル鍔付きグレーチングよりも長くし、該側板52の下部がグレーチング盤5aの下面よりも垂直下方に延在する板片部53となる。一方、グレーチング盤5aの長手方向長さに匹敵する長さの傾斜板部55用の細長帯板を用意する。その長手方向部分55bを縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜させ(図11)、該板片部53の縦通溝R側に細長帯板の一側縁を固着して、図9ごとくの帯状傾斜板部55が設けられる。該傾斜板部55はその帯幅方向部分55aを縦通溝R内(縦通溝Rの溝中心軸側)へ水平突出する。
【0027】
図9,図10で、傾斜板部55が、グレーチング5の一端面58から他端面59まで縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜させて配設される。これに代え、図11のごとく傾斜板部55がグレーチング5の一端面58寄りから他端面59寄りまでに限定して、傾斜板部55を配設する構成でもよい。少し短くしても、同様の本発明効果が得られるからである。
また、図13は図10〜図12に代わる他態様のグレーチング5である。図示のごとく、板片部53から縦通溝R内へ突き出す傾斜板部55の帯幅方向部分55aが縦通溝Rの中央(縦通溝Rの溝中心軸側)に向けて角度θ(15°>θ>0°)で下降傾斜すると、より好ましくなる。豪雨等でグレーチング5内に流れ込む土砂が傾斜板部55に堆積するのを防止できるからである。
【0028】
前記側溝本体1が複数用意され、一の側溝本体1に係る一端面38を他の側溝本体1に係る他端面39と突き合わせるようにして一列に接続すると、側溝Aが形成される(図11)。各グレーチング5は一端面58側を上流側に配する。そして、各側溝本体1の平坦部33に前記グレーチング5を載せて上面開口Kを塞ぐと、グレーチング5に縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する帯状傾斜板部55が設けられることで、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが傾斜板部55上を流れる本グレーチング付き側溝の排水構造となる。
符号551は傾斜板部55に流れ込む水を、最も高い地点で受け止める傾斜板部の上点、符号552は傾斜板部55の最も低い下点、符号6は傾斜板部55を板片部53に固着する溶接部を示す。図10〜図13における矢印は雨水等の水Wの流れを示す。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。実施形態1の符号と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0029】
図14〜図16は図9〜図12に代わる別態様のグレーチング5の下面側から見た斜視図を示す。図14のグレーチング5は一般型落し込みタイプのグレーチング5に適用される金属製品で、該グレーチング5は図15ごとく汎用コンクリート製側溝本体1の平坦部33、又は図1,図2の当て部材34に係る垂下部34d及び張出部34eをなしにした汎用側溝本体1の平坦部33(詳しくは水平板部34c)に載置される。
本グレーチング5も、帯板からなる主部材50が幅方向を上下にして平行に所定ピッチで複数配設され、且つこれらと直交するようにして、連結材51が所定間隔離して主部材50上面に載置される。その後、主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着してグレーチング盤5aに組み立てる。主部材50の両端を端板58,59とする平面視長方形のグレーチング盤5aになる。そして、側面視L形のアングル部材が一対用意される。一対のアングル部材に係る底板部55の外縁を図14のごとく両側板52の下縁に沿わせて、グレーチング盤5aの下面に固着する。このとき、側面視L形のアングル部材の起立部を、縦通溝R側に配して且つグレーチング盤5aの下方に向けて図15のごとく起立させる。該起立部がグレーチング盤5aの下面よりも垂直下方に延在する板片部53になる。さらに、グレーチング盤5aの長手方向長さに匹敵する長さの細長帯板を用意して、傾斜板部55が形成される。側溝本体1に載置されるグレーチング5の下部で、長手方向部分55bが縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜するよう、該板片部53の縦通溝R側に細長帯板の一側縁を固着してなる傾斜板部55が設けられる。図14で、傾斜板部55はグレーチング5の一端面58から他端面59に向けて下降傾斜する。傾斜板部55はその帯幅方向部分55aを縦通溝R内へ水平突出する。
図14の側溝本体1が複数用意され、一の側溝本体1を他の側溝本体1と突き合わせるようにして、図11と同様、一列に接続されると、図16ごとくの側溝Aが完成する。各グレーチング5は一端面58側を上流側に配する。そして、各側溝本体1の平坦部33に前記グレーチング5を載せて上面開口Kを塞ぐと、グレーチング5に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部55を設けたことで、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが傾斜板部55上を流れる本グレーチング付き側溝の排水構造となる。他の構成は図9〜図12のグレーチング付き側溝の排水構造と同様で、その説明を省く。
【0030】
また、図17,図18は図9〜図12や図14〜図16に代わる他態様のグレーチング5の斜視図を示す。図17のグレーチング5は嵩上げタイプのグレーチング5に適用した金属製品で、本グレーチング5は、図18のごとく嵩上げ部材56がある分、図15に比べて平坦部33が一段低い側溝本体1に使用される。
本グレーチング5も、帯板からなる主部材50が幅方向を上下にして平行に所定ピッチで複数配設され、且つこれらと直交するようにして、連結材51が所定間隔離して主部材50の上面に載置される。主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着してグレーチング盤5aに組み立てる。主部材50の両端を端板58,59とする平面視長方形のグレーチング盤5aになる。そして、四角筒形した嵩上げ部材56を一対用意する。一対の嵩上げ部材56の外縁を図17のごとく両側板52に沿わせて、グレーチング盤5aの下面に固着する。嵩上げ部材56に係るグレーチング中央側筒壁の板部が、グレーチング盤5aの下面よりも垂直下方に延在する板片部53になる。別途、グレーチング盤5aの長手方向長さに匹敵する長さの細長帯板が用意され、これを板片部53に固着して傾斜板部55を形成する。側溝本体1に載置されるグレーチング5の下部で、長手方向部分55bが縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜するよう、両板片部53の縦通溝R側に細長帯板の一側縁を固着してなる帯状の傾斜板部55が一対設けられる。図17で、傾斜板部55はグレーチング5の一端面58から他端面59に向けて下降傾斜する。傾斜板部55はその帯幅方向部分55aを縦通溝R内へ水平突出する。
【0031】
汎用側溝本体1が複数用意され、一の側溝本体1を他の側溝本体1に突き合わせるようにして、図11と同じように一列に接続されると、側溝Aが完成する。各グレーチング5は一端面58側を上流側に配する。各側溝本体1の平坦部33にグレーチング5を載せて上面開口Kを塞ぐと、該グレーチング5に縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部55を設けたことで、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが、傾斜板部55上を流れる本グレーチング付き側溝の排水構造となる。他の構成は図9〜図12のグレーチング付き側溝の排水構造と同様で、その説明を省く。
【0032】
(3)効果
このように構成したグレーチング付き側溝の排水構造は、豪雨等で、路面GLをはい、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水が、斜路F上又は傾斜板部55上の坂を滑るようにして流れるので、縦通溝Rの排水流れ方向uに進むその水Wのスピードが加速する。斜路F上又は傾斜板部55上を雨水等の水Wが流れると、その傾斜勾配で水Wに加速度がつき、その加速度をつけた状態で、水Wが斜路Fの下点F2(又は傾斜板部の下点552)から縦通溝Rの底板部上面21へと流れ落ちる。縦通溝Rを流れる単位時間あたりの水量が増加するので、側溝A(側溝本体1)に導かれた排水Wは迅速処理される。したがって、側溝A内の流路(縦通溝R)を流れる雨水スピードが従来のように律速支配して、側溝Aから水Wが溢れ出すような事態を回避できる。特に水難事故等につながり易い豪雨時の路面GL浸水を、比較的簡便な構造で解消でき、極めて有益となる。
【0033】
また、日常の排水処理において、自由勾配側溝8を採用し、図19のごとく縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて緩やかな傾斜をつけてコンクリート底面部83を現場施工し、雨水Wが下流側へ流れるようにしたり、ポンプアップによる外力に頼ったりしなくても済む。側溝本体1をそのまま水平に配設した後、平坦部33にグレーチング5を単に載置する実施形態1又は2のグレーチング付き側溝の排水構造にするだけで足りる。実施形態1の斜路F、又は実施形態2の傾斜板部55が、自由勾配側溝本体8に現場施工で傾斜をつけたコンクリート底面部83や、ポンプアップの外力に代わる役割を果たす。さらにいえば、斜路Fや傾斜板部55は自由勾配側溝8の傾斜底面部83よりもその勾配を大きくすることが容易であり、より円滑な排水処理を可能とする。ポンプアップに頼ることもないので、電力等の外部エネルギも必要としない。電力が届かない山間部や僻地でも使用でき、頗る便利になる。側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水Wが保有する位置エネルギ(落差エネルギ)が、斜路F上又は傾斜板部55上を流れる過程で運動エネルギに転換して、縦通溝Rの排水流れ方向uに進むその水Wのスピードが加速するので、ポンプアップや自由勾配側溝8の底面部83に頼らなくても、十分対応できる。従来のポンプアップや自由勾配側溝等に代わる画期的なグレーチング付き側溝の排水構造となる。
【0034】
さらに、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する傾斜板部55が、グレーチング5の一端面58又は一端面58寄りから他端面59又は他端面59寄りまで配設されると、グレーチング5の長手方向長さ全体を有効活用できる。グレーチング5の一端面58を隣接するグレーチング5の他端面59に接続させて、各グレーチング5に係る傾斜板部55の長手方向部分55bが、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜するので、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水Wが傾斜板部55上を流れた後、その隣のグレーチング5の傾斜板部55より下方の地点552からスピードを上げて流れ落ちるので、本グレーチング5を接続しても何ら問題ない(図11,図16)。極めて理にかなったグレーチング付き側溝の排水構造になっている。
【0035】
側溝本体1,側溝Aが敷設された状態にあっても、実施形態2のグレーチング5を使用すれば、簡単に本グレーチング付き側溝の排水構造となり、作業負担やコスト負担が少ない。既に施工され、側溝Aに被せられた従来型グレーチングを本グレーチング5に置き換えるだけで、上述効果を発揮でき、適用範囲が広い。
【0036】
また、側溝本体1がコンクリート製側溝主部αと金属製当て部材34とを具備し、当て部材34が側溝主部αの上部に被着一体化すると共に縦通溝R側に張出部34eを形成して、その上面部分に斜路Fが設けられるようにすれば、グレーチングだけでなく、側溝主部αを既存形態に保って、簡単に前記効果を発揮する自立排水機能型の側溝本体を造ることができる。
【0037】
加えて、図13のように板片部53から縦通溝R内へ突き出す傾斜板部55の帯幅方向部分55aが、縦通溝Rの中央に向けて下降傾斜する構成であると、グレーチング5の側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水Wに土砂等が混ざっても、帯幅方向部分55aが縦通溝Rの中央へ向けて下降傾斜するので堆積せず、洗い流してくれる。傾斜板部55に自浄作用をもたせることができる。かくのごとく、上述した数々の優れた効果を発揮し、実用的且つ有意義なグレーチング付き側溝の排水構造になっている。
【0038】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。側溝本体1,底壁部2,側壁部3,当て部材34,張出部34e,グレーチング5,主部材50,連結材51,傾斜板部55等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば、実施形態1,2では、上面開口Kの全ての範囲で、文字通り上面開口Kを有する側溝本体1が用いられたが、コンクリート製上面部を一部に有して、中央部にのみ上面開口Kが設けられる図19の側溝本体1の場合にも適用できる。斯かる場合も、底壁部2の左右両側に側壁部3を起立して、該底壁部2と両側壁部3とで上面開口Kの縦通溝Rが形成され、さらに両側壁部3の上部に、グレーチング5が該上面開口Kを塞いで載る平坦部33が対向配設される側溝本体1とみなす。本グレーチング付き側溝の排水構造にできるからである。
【符号の説明】
【0039】
1 側溝本体
2 底壁部
3 側壁部
32 上部
33 平坦部
34 当て部材
34e 張出部
34e1 上面部分
35 張出部
351 平坦部
5 グレーチング
5a1 下面
50 主部材
51 連結材
53 板片部
55 傾斜板部
55a 帯幅方向部分
55b 長手方向部分
58 一端面(端板)
59 他端面(端板)
F 斜路
K 上面開口
R 縦通溝
u 排水の流れ方向
W 水(雨水)
α 側溝主部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主部材に連結材を格子状に直交させてなる平面視長方形のグレーチングと、底壁部の左右両側に側壁部を起立して、該底壁部と両側壁部とで上面開口の縦通溝が形成され、さらに両側壁部の上部に、前記グレーチングが該上面開口を塞いで載る平坦部が対向配設される側溝本体と、を備えるグレーチング付き側溝の排水構造にあって、
前記平坦部よりも下方の側壁部の縦通溝側に張出部を形成して、該張出部の上面部分に、縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する斜路が設けられるか、又は側溝本体に載置される前記グレーチングの下部で、グレーチング盤の下面よりも垂直下方に延在する板片部から帯幅方向部分が縦通溝内へ突き出す一方、長手方向部分が縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部が設けられて、
グレーチングの側板を横切ってグレーチング内に流れ込む水が、前記斜路上又は前記傾斜板部上を流れるようにしたことを特徴とするグレーチング付き側溝の排水構造。
【請求項2】
縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する前記傾斜板部が、前記グレーチングの一端面又は一端面寄りから他端面又は他端面寄りまで配設される請求項1記載のグレーチング付き側溝の排水構造。
【請求項3】
前記板片部から縦通溝内へ突き出す前記傾斜板部の帯幅方向部分が、縦通溝の中央に向けて下降傾斜する請求項2に記載のグレーチング付き側溝の排水構造。
【請求項4】
前記側溝本体がコンクリート製側溝主部と金属製当て部材とを具備し、該当て部材が該側溝主部の上部に被着一体化すると共に縦通溝側に前記張出部を形成して、その上面部分に前記斜路が設けられる請求項1記載のグレーチング付き側溝の排水構造。
【請求項1】
主部材に連結材を格子状に直交させてなる平面視長方形のグレーチングと、底壁部の左右両側に側壁部を起立して、該底壁部と両側壁部とで上面開口の縦通溝が形成され、さらに両側壁部の上部に、前記グレーチングが該上面開口を塞いで載る平坦部が対向配設される側溝本体と、を備えるグレーチング付き側溝の排水構造にあって、
前記平坦部よりも下方の側壁部の縦通溝側に張出部を形成して、該張出部の上面部分に、縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する斜路が設けられるか、又は側溝本体に載置される前記グレーチングの下部で、グレーチング盤の下面よりも垂直下方に延在する板片部から帯幅方向部分が縦通溝内へ突き出す一方、長手方向部分が縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部が設けられて、
グレーチングの側板を横切ってグレーチング内に流れ込む水が、前記斜路上又は前記傾斜板部上を流れるようにしたことを特徴とするグレーチング付き側溝の排水構造。
【請求項2】
縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する前記傾斜板部が、前記グレーチングの一端面又は一端面寄りから他端面又は他端面寄りまで配設される請求項1記載のグレーチング付き側溝の排水構造。
【請求項3】
前記板片部から縦通溝内へ突き出す前記傾斜板部の帯幅方向部分が、縦通溝の中央に向けて下降傾斜する請求項2に記載のグレーチング付き側溝の排水構造。
【請求項4】
前記側溝本体がコンクリート製側溝主部と金属製当て部材とを具備し、該当て部材が該側溝主部の上部に被着一体化すると共に縦通溝側に前記張出部を形成して、その上面部分に前記斜路が設けられる請求項1記載のグレーチング付き側溝の排水構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
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【図5】
【図6】
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【図8】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−256571(P2011−256571A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130944(P2010−130944)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(599147218)東北岡島工業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(599147218)東北岡島工業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
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