説明

ケミカルピーリングのための処方

【課題】効果的なケミカルピーリングを達成し、治療対象の患者の皮膚に対する損傷の危険性を最小化することができるケミカルピーリングのための組成物の提供。
【解決手段】少なくとも1つの角質溶解剤(グリコール酸、酒石酸、サリチル酸などから選択される)とジメチルイソソルビドとを含むケミカルピーリングのための組成物である。さらにジメチルスルホンを含み、少なくとも1つの角質溶解剤とジメチルイソソルビドとを含むケミカルピーリングのための組成物である。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ケミカルピーリングを行うために使用された化合物の使用に基づいた製剤の効力および耐容性を増加させることができる新しい処方に関する。
【先行技術の状態】
【0002】
非常に表面的なピーリングは、角質層の自然な剥離を加速する一方、非常に深いレベルで作用するピーリングは、表皮、真皮乳頭層または真皮網状層の壊死および炎症を引き起こす。
【0003】
ケミカルピーリングは、以下の3つの機構を通して皮膚における明白な変化を生み出す:
1.角質層からの死細胞の除去による細胞回転率の刺激。
【0004】
2.損傷および変性した表皮細胞の除去(これらの細胞は正常な表皮細胞によって置換される)。この結果は、特に、光線性角化症および異常な色素沈着の治療において明らかである。
【0005】
3.新しいコラーゲン線維およびグリコサミノグリカンの生成を活性化する(真皮の機構を生き返らせる)炎症反応の導入および炎症媒介物の活性化(機構は未だにあまり理解されていない)。
【0006】
深い表皮レベルで作用するピーリング剤はまた、合併症および望まれない結果の危険性をもたらすので、できるだけ少ない危険性で優れた結果を達成する処理および治療を行うことが不可欠である。
【0007】
ケミカルピーリングは、特に以下のケースにおいて推奨される:
a) 角化症および皮膚老化
b) 色素障害(Dischromia)
c) ポスト座瘡瘢痕
d) 一般的な座瘡および酒さ
e) 放射線皮膚炎
f) 伸展線
g) 脂漏性皮膚炎
様々な種類のケミカルピーリングは、以下のように分類され得る:
− 非常に表面的なピーリング:このタイプのピーリングは、表面的な角質層のみを除去する;
− 表面的なピーリング:このタイプのピーリングは、表皮の基底層に達する上皮層の一部または全ての壊死を引き起こす;
− 平均的深さのピーリング:このタイプのピーリングは、表皮および真皮乳頭層の一部の壊死を引き起こす;
− 深いピーリング:このタイプのピーリングは、表皮および真皮乳頭層の壊死を引き起こし、真皮網状層にまで及ぶ。
【0008】
ケミカルピーリングのために、次の化学物質が一般に使用される:
1.レチノイン酸
2.5-フルオロウラシル(5-Fu)
3.Jessnerの溶液
4.レゾルシン
5.サリチル酸
6.トリクロロ酢酸
7.α-ヒドロキシ酸
8.α-ケト酸(例えば、ピルビン酸)
9.フェノール
【0009】
ピーリングの深さは、多数の因子、例えば:i)使用された物質の種類;ii)使用された物質の濃度、iii)皮膚の同一部分における選択された物質での工程の数、iv)適用技術、v)治療前の時期における皮膚の準備、vi)ピーリングに先行する時期における皮膚治療の種類、vii)患者の皮膚のタイプ、viii)処理された皮膚の領域、およびix)皮膚上での選択された化学薬剤に対する曝露時間に依存する。
【0010】
全てのこれらの変化を考慮すると、様々なタイプのピーリングに関する任意の分類には問題があることが容易に理解される。なぜなら、我々は、同一の物質をもって、あるタイプの皮膚では表面的な結果を得ることができるが、他のタイプの皮膚では中程度または深いピーリングを得ることができるからである。従って、皮膚に対する相当な損傷、すなわち、上述した変化によるしばしば予測するのが難しい損傷を引き起こすことは珍しくない。
【0011】
従って、本発明の中核にある問題は、一方では効果的なケミカルピーリングの達成し、他方では治療対象の患者の皮膚に対する損傷の危険性を最小化することができる処方を利用可能にすることである。
【0012】
このような問題は、添付されたクレーム中に記載されたケミカルピーリングのための処方によって解決される。
【発明の説明】
【0013】
驚くべきことに、角質溶解剤とジメチルイソソルビドとの組み合わせが、角質溶解作用をもつ化合物の吸収速度の向上を達成することができることが解かった;この事実は、同一かまたはそれ以上の効果的および効率的な角質溶解作用を達成するにも関わらず、通常使用される量よりも少ない量の角質溶解剤の使用を導く。
【0014】
より少ない量の角質溶解剤の使用は、結果として表皮および真皮に対する損傷の認識可能な副作用の劇的な減少をもたらす。
【0015】
本発明は、より具体的にはジメチルイソソルビドと組み合わせた角質溶解薬を含むケミカルピーリングのための処方である。ジメチルイソソルビドは、前記角質溶解剤単独の使用と比較した場合に、前記角質溶解剤の吸収速度の増加を達成する程度の量で存在する。吸収速度の増加は、以下に示すように、すなわちHPLCによるSCE膜を通して透過させることができる角質溶解剤の量を決定することによって評価される。
【0016】
好ましい角質溶解化合物は、飽和および不飽和のモノカルボン酸、飽和および不飽和のジカルボン酸、トリカルボン酸、モノカルボン酸のα-ヒドロキシ酸およびβ-ヒドロキシ酸、ジカルボン酸のα-ヒドロキシ酸およびβ-ヒドロキシ酸、トリカルボン酸のα-ヒドロキシ酸およびβ-ヒドロキシ酸、多カルボン酸、多ヒドロキシモノカルボン酸、多ヒドロキシジカルボン酸、多ヒドロキシトリカルボン酸のケト酸、α-ケト酸、β-ケト酸の化学群から選択される。特に好ましい角質溶解剤は、グリコール酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、乳酸、ピルビン酸、グルコン酸、グルクロン酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酢酸、フェノール、レゾルシン、レチノイン酸、アダパレン、トリクロロ酢酸、5-フルオロウラシル、アゼライン酸を含む群から選択される。本発明の範囲内で構成された角質溶解剤はまた、上記に挙げられた化合物の塩、エステル、可能なシスまたはトランス形態、ラセミック混合物および/または相対的な右旋性または左旋性形態である。このような物質は、単独でまたは互いに関連して使用され得る。
【0017】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、1以上の角質溶解剤を含むジメチルイソソルビドの薬学的および/または化粧品学的組成物は、さらにジメチルスルホンを含む。
【0018】
角質溶解剤と組み合わせたジメチルスルホンは、薬剤それ自体によって導入された紅斑を減少させることができる。この実施形態によれば、炎症、過敏および紅斑の減少は、「ピーリング」効果を得るために使用された角質溶解剤の量がジメチルイソソルビドの作用のおかげで減少するという事実とともに、ジメチルスルホンの活性の組み合わせを通して得られる。ジメチルイソソルビドは角質溶解剤の経皮吸収速度を増加させ、目的とする作用のためにより利用可能にする。
【0019】
第3の特に好ましい実施形態は、ジメチルイソソルビドおよびジメチルスルホンと組み合わせた角質溶解剤および/または混合された角質溶解剤が、角質溶解活性をもつ酸のエステルと結び付けられる。
【0020】
結び付けて使用されるとき、ジメチルイソソルビドおよび角質溶解剤および/または角質溶解剤の混合物は、それぞれ1〜99重量%の量で、好ましくは5〜40重量%で構成された量で組成物中に含まれ得る。より好ましくは、ジメチルイソソルビドおよび角質溶解剤は、1:4〜4:1で構成された重量比で組成物中に存在するであろう。
【0021】
結び付けて使用されるとき、ジメチルスルホンを含むジメチルイソソルビドおよび角質溶解剤および/または角質溶解剤の混合物は、それぞれ1〜99重量%の量で、好ましくは5〜70重量%で構成された量で組成物中に含まれ得る。より好ましくは、ジメチルイソソルビドおよび角質溶解剤は、1:4〜4:1で構成された比で組成物中に存在するであろう。ジメチルスルホンは、好ましくは角質溶解剤に対して2〜70重量%、より好ましくは10〜65重量%で構成された量で存在するであろう。
【0022】
角質溶解剤/ジメチルイソソルビドおよび角質溶解剤/イソソルビド/ジメチルスルホンに基づいた本発明の組成物において、100%までの重量バランスは、溶媒−例えば水(特に鉱質除去された水)、アルコール(例えばエチルアルコール)またはグリコール(例えば、エチレングリコールまたはプロピレングリコール)−および/または賦形剤、例えば乳化剤、酸化防止剤、脂質賦形剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤の添加によって達成されるであろう。特に、エマルジョン、ゲル、クリーム、軟膏等の調製のために使用される賦形剤は当業者に広く知られており、それゆえに任意のさらなる詳細については記載しない。
【0023】
ジメチルイソソルビドの存在中における角質溶解剤の経皮吸収についての有利な効果の評価に関する実験が、本発明を確証するために報告される。
【0024】
これらの実験の目的は、角質溶解剤が水およびプロピレングリコール(溶液GC1)中で溶解されている処方、および他には、角質溶解剤がジメチルイソソルビド(溶液GC2)を使用して運搬される処方中に含まれたグリコール酸の、単離されたヒト皮膚を横切るインビトロ経皮吸収を評価することである。実験は、角質表皮膜層(SCE膜)をもつFranzセルの系を使用して行われ、この実験の手順は文献中で既に広く記載されている。
【0025】
SCE膜の調製
角質表皮膜層(SCE)の調製は、文献に既に記述された技術を使用し、復元形成外科を受けた32〜45歳で構成される被験者由来のヒト皮膚のサンプルを使用して行われた。
【0026】
これらの皮膚サンプルにおいて、皮下の脂肪層からの分離し、かつ数分間にわたって60℃の温度で蒸留水中に浸漬した後、真皮を切り離して本研究で使用されるSCE膜を得た。真皮の除去は必要である。なぜなら、親油性物質の経皮吸収のインビトロでの評価において、この組織がインビボでの皮膚浸透プロセスについての「身代り」および追加の障壁になり得るからである。このように調製されたSCE膜を乾燥させ、適切なデシケーター中に静置した。これらの膜を、約4℃の温度でアルミニウムシート中に保存し、使用の際、浸透実験の開始1時間前に蒸留水への浸漬によって再水和させた。皮膚浸透実験を進める前、使用されるSCE膜の健全性を評価する目的で、トリチウム化された水の透過性(Kp)の係数をSCE膜の各サンプルについて決定した。この値は、前記膜の健全性を示すのに十分なパラメーターである。
【0027】
皮膚浸透実験
処方GC1およびGC2からのグリコール酸のインビトロでの経皮吸収の程度の評価のために、一連の6つのFranzセル(LGA, Berkeley, CA)を使用した。各Franzセルは、「ドナー」と「レセプター」によって構成され、その間にSCE膜が静置されており、角質層が「ドナー」に面している。セルの「レセプター」の体積は、4.7mlであり、「ドナー」中の膜の表面積(すなわち、製品と接触する潜在的な皮膚表面積)は、0.75cm2であった。
【0028】
35〜36℃の温度で撹拌および調温された「レセプター」の区画に、0.9%(w/v)NaClの食塩水を供給した。
【0029】
浸透実験のために、グリコール酸を含む200mg/cm2の各処方GC1およびGC2を、最初に各SCE膜上に堆積させた。
【0030】
浸透プロセスのモニタリングは、「ドナー」への製品の適用後、適切なHPLC方法によって、角質表皮(SCE)膜層を通して24時間にわたって浸透したグリコール酸の量を決定することによって行われた。この実験を行うために、6人の異なる被験者(n=6)由来のSCE膜のサンプルを使用し、それぞれの浸透実験を二重に行った。結果を、24時間以内に皮膚1cm2当りに浸透したグリコール酸の量として表わした。
【0031】
HPLCの決定
処方GC1およびGC2の適用24時間後にFranzセルのレセプター相中に存在するグリコール酸の量の決定を、文献中に報告された適切なHPLC方法を使用して行った。
【0032】
結果
処方GC1およびGC2からのグリコール酸の皮膚浸透の研究において得られた結果(表1を参照)は、GC2処方が、SCE膜を横切って浸透したグリコール酸の量を、GC1処方と比べて2倍(p<0.01)にすることができることを実証した。
【0033】
表1−24時間以内に6人の異なる被験者(A−F)由来のヒト皮膚(SCE)膜を横切って処方GC1およびGC2から浸透したグリコール酸の量(μg/cm2で表現)。
【表1−1】

本発明による処方の幾つかの例を、以下に本明細書中に報告した。
【0034】
処方の例
【表1−2】

調製の方法:01と02とを混合
【表2】

【0035】
調製の方法:03を01に溶解し、得られた溶液に02を混合した。
【表3】

【0036】
調製の方法:01と02とを混合
【表4】

【0037】
調製の方法:03を01に溶解し、得られた溶液に02を混合した。
【表5】

【0038】
調製の方法:02を01に混合した。
【表6】

【0039】
調製の方法:03を01に溶解し、得られた溶液に02を混合した。
【表7】

【0040】
調製の方法:02を01に混合した。
【表8】

【0041】
調製の方法:03を01に溶解し、得られた溶液に02を混合した。
【表9】

【0042】
調製の方法:02を01に溶解し、得られた溶液に03+04を混合した。
【表10】

【0043】
調製の方法:02を01に溶解した。得られた溶液を03と混合した。
【表11】

【0044】
調製の方法:02+03を01に溶解した。得られた溶液を02に混合した。
【表12】

【0045】
調製の方法:02+03を04に溶解し、得られた溶液に01を混合した。
【表13】

【0046】
調製の方法:02+03を05に溶解し、得られた溶液に01を混合した。
【表14】

【0047】
調製の方法:01+05を混合し、得られた溶液中に02+03+04を溶解した。
【表15】

【0048】
調製の方法:03+04を01に溶解し、得られた溶液に02+05+06+07を混合した。
【表16】

【0049】
調製の方法:03+04を01に溶解し、得られた溶液に02+05+06+07を混合した。
【表17】

【0050】
調製の方法:03+04を01に溶解し、得られた溶液に02+05+06+07を混合した。
【表18】

【0051】
調製の方法:03+04を01に溶解し、得られた溶液に02+05+06+07を混合した。
【表19】

【0052】
調製の方法:フェーズA)を75℃まで加熱し;フェーズCを+75℃まで加熱し;溶液を撹拌均質化しながらフェーズAをフェーズCと混合し;+45℃まで冷却し;その後、25℃で撹拌および冷却しながらフェーズBと混合した。
【表20】

【0053】
調製の方法:フェーズA)を75℃まで加熱し;フェーズCを+75℃まで加熱し;溶液を撹拌均質化しながらフェーズAをフェーズCと混合し;+45℃まで冷却し;その後、25℃で撹拌および冷却しながらフェーズBと混合した。
【表21】

【0054】
調製の方法:フェーズA)を75℃まで加熱し;フェーズCを+75℃まで加熱し;溶液を撹拌均質化しながらフェーズAをフェーズCと混合し;+45℃まで冷却し;その後、25℃で撹拌および冷却しながらフェーズBと混合した。
【0055】
本発明において、角質溶解剤および/または角質溶解剤の混合液と結び付き、ジメチルスルホンと一緒のジメチルイソソルビドの混合液は、角質溶解剤のエステル、好ましくはエチルエステルと併用することができる。角質溶解剤エステル単独および/または組み合わせの使用は、いったん皮膚に吸収されると、これらは酸およびアルコールを遊離しながら加水分解されるという事実によって正当化される。従って、酸の形態は、あまり激しくないがより長期間にわたって角質溶解作用を継続させることができるだろう。角質溶解剤のエステルの例は、ピルビン酸エチル、グリコール酸エチル、クエン酸トリエチル、レゾルシン酸エチル、レチノイン酸のエチルエステル、サリチル酸エチル、サリチル酸メチル、マロン酸エチル(ethyl malnate)、酢酸エチル、酒石酸エチルである。
【0056】
本発明のさらなる目的は、好ましくは上述した群から選択された1以上の角質溶解剤と、角質溶解剤エステルとで構成されるケミカルピーリングのための処方である。角質溶解剤のエステルは、好ましくは上記に挙げられた群から選択され、かつ酸形態で使用された同じ角質溶解剤のエステルかまたは異なる角質溶解剤のエステルとすることができる。このような角質溶解剤エステルは、角質溶解剤(または角質溶解剤の混合物)に対して、好ましくは3重量%〜60重量%で構成された量、より好ましくは15重量%〜50重量%で構成された量で組成物中に存在する。
【0057】
角質溶解剤エステルに代わって、他の誘導体またはプロドラッグを、上記に示した同じ割合で使用することができ、生物学的条件下での投与後に、処理部位内に角質溶解剤を解離することができる。
【0058】
また、1以上の角質溶解剤と上記に定義されたこれらの誘導体またはプロドラッグとの組み合わせを、ジメチルイソソルビドまたはジメチルスルホンが存在しない組成物に適用することができる。つまり、いかなる場合でも、より長期間にわたりかつ同時にあまり急性的ではないケミカルピーリングを達成するための所望の効果を得るであろうし、その結果、強烈で急性的な処理によって引き起こされる刺激的現象の減少をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの角質溶解剤とジメチルイソソルビドとを含むケミカルピーリングのための組成物。
【請求項2】
前記角質溶解剤(単独または2以上の角質溶解剤の混合物として)と前記ジメチルイソソルビドとを、それぞれ1重量%〜99重量%の量で含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記角質溶解剤(単独または2以上の角質溶解剤の混合物として)と前記ジメチルイソソルビドとを、それぞれ5%〜40%で構成された量で含む請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記角質溶解剤(単独または2以上の角質溶解剤の混合物として)と前記ジメチルイソソルビドとを、1:4〜4:1で構成された重量比で含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つの角質溶解剤が、飽和および不飽和のモノカルボン酸、飽和および不飽和のジカルボン酸、トリカルボン酸、モノカルボン酸のα-ヒドロキシ酸およびβ-ヒドロキシ酸、ジカルボン酸のα-ヒドロキシ酸およびβ-ヒドロキシ酸、トリカルボン酸のα-ヒドロキシ酸およびβ-ヒドロキシ酸、ケト酸、α-ケト酸、β-ケト酸、多カルボン酸、多ヒドロキシモノカルボン酸、多ヒドロキシジカルボン酸、多ヒドロキシトリカルボン酸、これらの塩、エステル、可能なシスまたはトランス形態、ラセミック混合物および/または相対的な右旋性または左旋性形態から選択される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つの角質溶解剤が、グリコール酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、乳酸、ピルビン酸、グルコン酸、グルクロン酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酢酸、フェノール、レゾルシン、レチノイン酸、アダパレン、トリクロロ酢酸、5-フルオロウラシル、アゼライン酸から選択される請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
化粧品学的または薬学的に許容可能な溶剤および/または化粧品学的または薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記溶剤が水、アルコールまたはグリコールから選択され、かつ前記賦形剤が乳化剤、酸化防止剤、脂質賦形剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤から選択される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、ジメチルスルホンをさらに含む請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記ジメチルスルホンを、角質溶解剤に対して2重量%〜70重量%で構成された量で含む請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記ジメチルスルホンを、角質溶解剤に対して10重量%〜65重量%で構成された量で含む請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
投与後に、治療のための部位の生物学的条件下で角質溶解剤を遊離することができる前記少なくとも1つの角質溶解剤の誘導体またはプロドラックをさらに含む請求項1ないし11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記誘導体またはプロドラックが、前記少なくとも1つの角質溶解剤のエステルであって、前記組成物中に使用された同じ角質溶解剤のエステルかまたは異なる角質溶解剤のエステルである請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの角質溶解剤の前記エステルが、ピルビン酸エチル、グリコール酸エチル、クエン酸トリエチル、レゾルシン酸エチル、レチノイン酸のエチルエステル、サリチル酸エチル、サリチル酸メチル、マロン酸エチル、酢酸エチル、酒石酸エチルから選択される請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1つの角質溶解剤の前記誘導体またはプロドラッグを、角質溶解剤に対して3重量%〜60重量%で構成された量で含む請求項12ないし14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1つの角質溶解剤の前記誘導体またはプロドラッグを、角質溶解剤に対して15重量%〜50重量%で構成された量で含む請求項12ないし14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
角質溶解剤を含むケミカルピーリングのための組成物の調製のためのジメチルイソソルビドの使用であって、前記角質溶解剤の吸収速度を増加させるための使用。
【請求項18】
ケミカルピーリングのための組成物の調製におけるジメチルスルホンの使用であって、抗炎症剤、抗刺激剤および抗紅斑剤としての使用。
【請求項19】
少なくとも1つの角質溶解剤と、投与後に、治療のための部位の生物学的条件下で角質溶解剤を遊離することができる角質溶解剤の誘導体またはプロドラッグとを含むケミカルピーリングのための組成物。
【請求項20】
前記誘導体またはプロドラッグが、角質溶解剤のエステルである請求項19に記載の組成物。

【公開番号】特開2009−137939(P2009−137939A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−278702(P2008−278702)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【分割の表示】特願2005−500189(P2005−500189)の分割
【原出願日】平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願人】(505442989)
【Fターム(参考)】