説明

ケモカインα−5

【課題】αケモカインファミリーのメンバーである新規のCKα−5タンパク質、CKα−5ポリペプチド、特に、ヒトCKα−5タンパク質をコードする単離された核酸分子、CKα−5ポリペプチドを産生するためのベクター、宿主細胞、および組換え方法、ならびにCKα−5活性のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するためのスクリーニング方法を提供する。また、免疫系関連障害を検出するための診断方法および免疫系関連障害を処置するための治療方法を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列を有する完全アミノ酸配列、またはATCC受託番号209231としてプラスミドDNAとして寄託されたcDNAクローンによってコードされる完全アミノ酸配列、を有するCKα−5ポリペプチドの少なくとも一部をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ケモカインファミリーのメンバーであるポリペプチドをコードする、新規のヒト遺伝子に関する。より詳細には、ケモカインα−5(本明細書において、以下「CKα−5」という)と命名されたヒトポリペプチドをコードする単離された核酸分子が提供される。CKα−5ポリペプチドはまた、それらを産生するためのベクター、宿主細胞および組換え方法と同様に提供される。免疫系に関連する障害を検出するための診断方法およびこのような障害を処置するための治療方法もまた提供される。本発明はさらに、CKα−5活性のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するためのスクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
種々の細胞型の移動および「輸送(trafficking)」を制御する能力は、因子の部分集合、またはタンパク質(ケモカインがその例である)により制御される。
【0003】
ケモカインは、インタークライン(intercrine)サイトカインとも呼ばれ、構造的かつ機能的に関連する化学走性サイトカインのサブファミリーである。これらの分子は、通常、サイズが8〜10kdであるが、より大きな膜結合ケモカインポリペプチドが同定されている。一般に、ケモカインは、アミノ酸レベルで20%〜75%の相同性を示し、そして2つのジスルフィド結合を形成する4つの保存されたシステイン残基により特徴付けられる。最初の2つのシステイン残基の配列に基づき、ケモカインは2つのサブファミリー(αおよびβ)に分類されている。αサブファミリーにおいて、最初の2つのシステインは、1つのアミノ酸により分離されており、従って「C−X−C」サブファミリーと呼ばれる。βサブファミリーにおいて、この2つのシステインは、隣接する位置にあり、従って「C−C」サブファミリーと呼ばれる。これまでは、このファミリーの少なくとも16の異なるメンバーが、ヒトにおいて同定されている。
【0004】
インタークラインサイトカインは、広範な種類の機能を示す。顕著な特徴は、別個の細胞型(単球、好中球、Tリンパ球、好塩基球および繊維芽細胞を含む)の化学走性移動を導くというその能力である。多くのケモカインは、前炎症性活性を有し、そして炎症反応の間の多数の段階に関与する。これらの活性は以下を含む;ヒスタミン放出の刺激、リソソーム酵素放出およびロイコトリエン放出、内皮細胞への標的免疫細胞の付着増大、補体タンパク質の結合増強、顆粒球付着分子および補体レセプターの発現誘導、および呼吸バースト。炎症におけるケモカインの関連に加えて、特定のケモカインは他の活性を示すことが、示されてきた。例えば、マクロファージ炎症タンパク質1(MIP−1)は造血幹細胞増殖を抑制し得、血小板第4因子(PF−4)は内皮細胞増殖の強力なインヒビターであり、インターロイキン8(IL−8)はケラチノサイトの増殖を促進し、そしてGROは黒色腫細胞に関するオートクライン増殖因子である。
【0005】
種々の生物学的活性を考えると、ケモカインが多数の生理学的状態および疾患状態(リンパ球の輸送、創傷治癒、造血調節および免疫学的障害(例えば、アレルギー、喘息および関節炎)を含む)に関連していることは、驚くことではない。
【0006】
「C−C」ブランチのメンバーは、以下の細胞に対してその効力を発揮する;寄生生物を破壊することにより、寄生生物感染を弱め、そして呼吸系の気道における慢性の炎症を引き起こす好酸球;脊椎動物における腫瘍形成を抑制するマクロファージ;およびアレルギー性炎症において役割を果たすヒスタミンを放出する好塩基球。しかし、1つのブランチのメンバーは、他のブランチのケモカインに通常応答性である細胞に対して効果を発揮し得るので、従って、これらブランチのメンバーに正確な役割を結び付け得ない。
【0007】
C−Cブランチのメンバーが単核細胞に対して支配的に作用し、そしてC−X−Cブランチのメンバーが好中球に対して支配的に作用する一方、明確な化学誘引物質特性を、この指針に基いてケモカインに割り当て得ない。1つのファミリーからのいくつかのケモカインは、他のファミリーの特徴を示す。
【0008】
本発明のポリペプチドは、「C−X−C」領域の保存されたシステイン残基を有し、そして公知のケモカインに対してアミノ酸配列相同性を有する。
【0009】
従って、別個の細胞型の移動の調節因子、あるいは機能不全および疾患におけるそれらの役割の調節因子として機能する、ポリペプチドについての必要性が存在する。なぜなら、そのような調節の撹乱は、止血、新脈管形成、腫瘍転移、細胞移動、および排卵、ならびに神経発生に関する障害に関与し得るからである。従って、そのような障害を、検出、予防、寛解または矯正することにおいて役割を担い得る、そのようなヒトポリペプチドを同定して、そして特徴付ける必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、配列番号2に示される完全アミノ酸配列、または1997年8月29日にATCC受託番号209231としてプラスミドDNAとして寄託されたcDNAクローンによってコードされる完全アミノ酸配列、を有するCKα−5ポリペプチドの少なくとも一部をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子を提供する。ATCCは、10801 University Boulevard、Manassas、Virginia 20110〜2209にある。寄託されたCKα−5クローンを配列決定することにより決定されるヌクレオチド配列(これは、図1(配列番号1)に示される)は、254アミノ酸残基の完全ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ヌクレオチド542〜544位のN末端メチオニンをコードする開始コドンを含む)を含む。本発明の核酸分子は、配列番号2に示されるN末端メチオニンを除く完全アミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによってコードされるN末端メチオニンを除く完全アミノ酸配列(これらの分子はまた、CKα−5アミノ酸配列のN末端に融合されたさらなるアミノ酸をコードし得る)をコードする核酸分子を含む。
【0011】
本発明のポリペプチドは、公知のケモカインに対するアミノ酸配列相同性を有し、これは配列番号2のアミノ末端由来の最初のシステインから始まるという、αサブファミリーのケモカインの保存されたC−X−Cシステインパターンの特徴を含む。
【0012】
CKα−5はまた、いくつかのαケモカインにおいて見出される、最初のシステイン残基の直前にあるELRモチーフを欠き、このモチーフは好中球および内皮細胞の化学走性活性、ならびにIL−8の脈管形成活性のために必要であることが公知である。
【0013】
コードされたポリペプチドは、図1において下線を付けた27アミノ酸の推定リーダー配列を有し;そして推定成熟CKα−5タンパク質のアミノ酸配列はまた、図1において、配列番号2におけるアミノ酸残基28〜254およびアミノ酸残基1〜227として、示される。さらに、このポリペプチドは、図1の残基28〜205由来の配列(配列番号2の1〜178)を有する細胞外ドメイン、図1の残基206〜227由来の配列(配列番号2の179〜200)を有する膜貫通ドメイン、および図1の残基228〜254由来の配列(配列番号2の201〜227)を有する細胞内ドメインからなると推定される。
【0014】
従って、本発明の1つの局面は、以下からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドを提供する:(a)図1(配列番号2)の完全なアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列;(b)N末端メチオニンを除く図1(配列番号2)の完全アミノ酸配列(すなわち、配列番号2の−26位〜227位)を有するCKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(c)図1の28位〜254位(配列番号2の1〜227)のアミノ酸配列を有する推定成熟CKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(d)図1の28位〜205位(配列番号2の1〜178)のアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドの推定細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;(e)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全なアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(f)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされるN末端メチオニンを除く、完全なアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(g)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされる成熟CKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(h)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされるCKα−5の細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;および(i)上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)または(h)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列。
【0015】
本発明のさらなる実施態様には、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)または(i)の任意のヌクレオチド配列に、少なくとも90%同一、およびより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、または上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)または(i)のポリヌクレオチドにストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子が含まれる。ハイブリダイズするこのポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしない。本発明のさらなる核酸実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、または(h)のアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子に関する。
【0016】
本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、およびこの組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにこのようなベクターおよび宿主細胞を作製する方法、および組換え技術によるCKα−5ポリペプチドまたはペプチドの産生のためにこれらを用いる方法に関する。
【0017】
本発明はさらに、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む単離されたCKα−5ポリペプチドを提供する:(a)配列番号2に示される完全なアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全なアミノ配列を有する、完全長CKα−5ポリペプチドのアミノ酸配列;(b)N末端メチオニンを除く配列番号2に示される完全アミノ配列(すなわち、配列番号2の−26位〜227位)を有する完全長CKα−5ポリペプチドのアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされるN末端メチオニンを除く完全なアミノ酸配列;(c)残基1〜227として配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する成熟CKα−5ポリペプチドのアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされる成熟CKα−5のアミノ酸配列;および(d)残基1〜178として配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされるCKα−5の細胞外ドメインのアミノ酸配列。本発明のポリペプチドはまた、上記の(a)、(b)、(c)または(d)に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、そしてさらにより好ましくは95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびに上記のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の類似性、およびより好ましくは少なくとも95%の類似性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。上記の(a)、(b)、(c)または(d)に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、そしてさらにより好ましくは95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびに上記のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の類似性、およびより好ましくは少なくとも95%の類似性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0018】
本発明のこの局面のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)または(d)に記載されるアミノ酸配列を有する、CKα−5ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を含む、ペプチドまたはポリペプチドに関する。本発明のCKα−5ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプチドまたはポリペプチドは、少なくとも6または7個、好ましくは少なくとも9個、そしてより好ましくは少なくとも約30個のアミノ酸〜約50個のアミノ酸を有する、このようなポリペプチドの部分を含むが、上記の本発明のポリペプチドの全アミノ酸配列までおよびこれを含む任意の長さのエピトープ保有ポリペプチドもまた、本発明に含まれる。
【0019】
別の実施態様において、本発明は、上記の(a)、(b)、(c)または(d)に記載されるアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体を提供する。本発明はさらに、本明細書中に記載される通りのアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドに特異的に結合する抗体を単離するための方法を提供する。このような抗体は、下記の通りに診断的または治療的に有用である。
【0020】
本発明はまた、例えば、創傷治癒を刺激するため、固形腫瘍、微生物感染、自己免疫疾患、肝硬変、変形性関節症および肺線維症を処置するために用いられ得るCKα−5ポリペプチド、特にヒトCKα−5ポリペプチドを含む薬学的組成物を提供する。CKα−5ポリペプチドが必要な個体を処置する方法もまた提供される。
【0021】
本発明はさらに、インビトロの細胞、エクスビボの細胞、およびインビボの細胞、または多細胞生物への投与のためのCKα−5ポリヌクレオチドまたはCKα−5ポリペプチドを含む組成物を提供する。本発明のこの局面の特に好ましい特定の実施態様では、組成物は、疾患の処置のための、宿主生物におけるCKα−5ポリペプチドの発現のためのCKα−5ポリヌクレオチドを含む。これに関して特に好ましいのは、CKα−5の異常な内在活性に関連する機能不全の処置のための、ヒト患者における発現である。
【0022】
本発明はまた、CKα−5ポリペプチドの生物学的活性を増強または阻害し得る化合物を同定するためのスクリーニング方法を提供する。この方法は、CKα−5ポリペプチドにより増強されるレセプターを、CKα−5ポリペプチドの存在下で候補化合物と接触させる工程、候補化合物およびCKα−5ポリペプチドの存在下におけるこのレセプターを発現する細胞のカルシウム移動または化学走性活性をアッセイする工程、ならびにレセプター活性を標準レベルの活性と比較する工程(標準は、接触がレセプターとCKα−5ポリペプチドとの間で、候補化合物の非存在下で行なわれる場合にアッセイされる)を包含する。このアッセイでは、標準を超えるカルシウム移動および化学走性における増加は、候補化合物がCKα−5活性のアゴニストであることを示し、そして標準と比較したカルシウム移動および化学走性における減少は、化合物がCKα−5活性のアンタゴニストであることを示す。
【0023】
CKα−5が好中球においてだけではなく、単球、マクロファージ、肝臓、肺、精巣、小脳および松果体においてもまた発現することが見出されている。従って、本発明の核酸は、生物学的サンプル中に存在する組織または細胞型の差示的同定のためのハイブリダイゼーションプローブとして有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブを提供するために有用である。さらに、上記の(特に、免疫系の)組織または細胞の多くの障害については、「標準」のCKα−5遺伝子発現レベル(すなわち、免疫系の障害を有さない個体からの健常組織におけるCKα−5発現レベル)に対して有意に高いかまたは低いレベルのCKα−5遺伝子発現は、このような障害を有する個体から採取された特定の組織(例えば、ガン組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、もしくは髄液)において検出され得る。従って、本発明は、このような障害の診断の間に有用な診断方法を提供する。この方法は以下の工程を包含する:(a)個体の細胞または体液におけるCKα−5遺伝子の発現レベルをアッセイする工程:(b)CKα−5遺伝子の発現レベルを、標準のCKα−5遺伝子の発現レベルと比較し、それによって標準の発現レベルと比較して、アッセイされたCKα−5遺伝子の発現レベルの増加または減少は、免疫系における障害を示す、工程。
【0024】
本発明のさらなる局面は、身体におけるCKα−5活性のレベルの増加が必要な個体を処置する方法に関する。この方法は、このような個体に、本発明の単離されたCKα−5ポリペプチドまたはそのアゴニストの治療有効量を含有する組成物を投与する工程を包含する。
【0025】
本発明のなおさらなる局面は、身体におけるCKα−5活性のレベルの減少が必要な個体を処置するための方法に関する。この方法は、このような個体に、CKα−5アンタゴニストの治療有効量を含有する組成物を投与する工程を包含する。本発明において使用するのに好ましいアンタゴニストは、CKα−5特異的抗体である。
【0026】
上記に加え、本発明は、以下を提供する:
(項目1)以下からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含有する単離されたポリヌクレオチド:
(a)配列番号2の残基−27〜227をコードするヌクレオチド配列;
(b)配列番号2の残基−26〜227をコードするヌクレオチド配列;
(c)配列番号2の残基1〜227をコードするヌクレオチド配列;
(d)配列番号2の残基1〜178をコードするヌクレオチド配列;
(e)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされる完全長ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
(f)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるN末端メチオニンを除く完全なポリペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
(g)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされる成熟ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
(h)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;および
(i)上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)または(h)における任意のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列。
(項目2)前記ポリヌクレオチドが、配列番号1として示されるヌクレオチド配列を含有する、項目1に記載のポリヌクレオチド。
(項目3)前記ポリヌクレオチドが、配列番号2の残基−26〜227をコードする、配列番号1におけるヌクレオチド配列の部分を有する、項目1に記載のポリヌクレオチド。
(項目4)前記ポリヌクレオチドが、配列番号2の残基1〜178をコードする、配列番号1におけるヌクレオチド配列の部分を有する、項目1に記載のポリヌクレオチド。
(項目5)以下からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含有する単離されたポリヌクレオチド:
(a)配列番号2の残基n〜178のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、nは、−4〜11の範囲の整数である、ヌクレオチド配列;
(b)配列番号2の残基−4〜mのアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、mは、55〜178の範囲の整数である、ヌクレオチド配列;
(c)配列番号2の残基n〜mからなるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、nおよびmは、それぞれ、上記(a)および(b)において規定される整数である、ヌクレオチド配列;
(d)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされる完全CKα−5アミノ酸配列の部分からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、該部分は、該完全アミノ酸配列のアミノ末端から23〜約38のアミノ酸を除く、ヌクレオチド配列;
(e)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされる完全CKα−5アミノ酸配列の部分からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、該部分は、該完全アミノ酸配列のカルボキシ末端から24〜約172のアミノ酸を除く、ヌクレオチド配列;および
(f)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされる完全CKα−5アミノ酸配列の部分からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、該部分は、上記(d)および(e)における任意のアミノ末端欠失およびカルボキシ末端欠失の組み合わせを含む、ヌクレオチド配列。
(項目6)前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209231に含まれるcDNAの完全ヌクレオチド配列を有する、項目1に記載のポリヌクレオチド。
(項目7)前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるN末端メチオニンを除く完全アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有する、項目1に記載のポリヌクレオチド。
(項目8)前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるポリペプチドの細胞外ドメインをコードするヌクレオチドを有する、項目1に記載のポリヌクレオチド。
(項目9)項目1に記載の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)または(i)におけるヌクレオチド配列と同一なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであって、ここでハイブリダイズする前記ポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしない、ポリヌクレオチド。
(項目10)項目1に記載の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)または(i)におけるアミノ酸配列を有するCKα −5ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
(項目11)以下からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、項目10に記載の単離されたポリヌクレオチド;
(a)配列番号2のTyr−12〜Ser−24;
(b)配列番号2のCys−55〜Val−63;
(c)配列番号2のThr−91〜Pro−110;および
(d)配列番号2のSer−120〜Ile−145。
(項目12)項目1に記載の単離されたポリヌクレオチドをベクターに挿入する工程を包含する、組換えベクターを生成するための方法。
(項目13)項目12に記載の方法によって生成される、組換えベクター。
(項目14)項目13に記載の組換えベクターを宿主細胞に導入する工程を包含する、組換え宿主細胞を産生するための方法。
(項目15)項目14に記載の方法によって産生される、組換え宿主細胞。
(項目16)CKα−5ポリペプチドを生成するための組換え方法であって、該ポリペプチドが発現されるような条件下で項目15に記載の組換え宿主細胞を培養する工程、および該ポリペプチドを回収する工程を包含する、方法。
(項目17)以下からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたCKα−5ポリペプチド;
(a)配列番号2として示されるアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるアミノ酸配列;
(b)配列番号2の残基−26〜227として示されるアミノ酸、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるN末端メチオニンを除く完全アミノ酸配列;
(c)配列番号2の残基1〜227として示されるアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされる成熟CKα−5のアミノ酸配列;および
(d)配列番号2の残基1〜178として示されるアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列。
(項目18)項目10に記載のポリヌクレオチドによってコードされる、単離されたポリペプチド。
(項目19)項目18に記載のポリペプチドに対して特異的に結合する、単離された抗体。
(項目20)CKα−5ポリペプチドを必要とする個体を処置する方法であって、該個体に対して項目17に記載の単離されたポリペプチドを投与する工程を含む、方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(発明の詳細な説明)
本発明は、クローン化されたcDNAを配列決定して決定された、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、単離された分子を提供する。図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列は、2つのcDNAクローン:HMSCJ62およびHNFEM05を配列決定することにより得られた。HMSCJ62は、図1に示される全長配列を含み、そしてHuman Genome Sciences,Inc.,9410 Key West Ave.,Rockville,MD 20850に保管される。HNFEM05は、その最初の360ヌクレオチド(コード領域の全てを含む)を除いた全てを含み、そしてアメリカンタイプカルチャーコレクション(「ATCC」)受託番号209231(1997年8月29日付)として寄託される。ATCCは、10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110−2209に位置する。
【0028】
寄託されたクローンは、pBluescript SK(−)プラスミド(Stratagene,La,Jolla,CA)中に含まれる。
【0029】
本発明のポリペプチドは、公知のケモカインに対するアミノ酸配列の相同性を有し、それは配列番号2におけるアミノ末端からの最初のシステインより始まる、ケモカインのαサブファミリーに特徴的な、保存されたC−X−Cシステインパターンを含む。本発明のCKα−5タンパク質はまた、図2に示されるようなMIP1−β(配列番号3)についてのヒトmRNAの翻訳産物を特に含む、他のケモカインと配列相同性を共有する。
【0030】
αケモカインファミリーの公知のメンバーについて、大部分はELRモチーフを含み(例えば、IL−8、ENA−78、GCP2、GRO−α、PBP、CTAP−IIIおよびNAP−2)、そして他はELRモチーフを欠失している(例えば、IP−10、PF4およびMIG)。CKα−5は、最初のシステイン残基に直ちに先行するELRモチーフを欠失している。このELRモチーフは、好中球および内皮細胞の化学走性活性、ならびにIL−8の脈管形成活性に必要とされることが明らかに示された(Strieterら、J.Biol.Chem.,270:27348−27357(1995))。さらに、ELR−C−X−Cケモカインは、インビトロおよびインビボにおいて、脈管形成活性を有するが、その一方で、ELRモチーフを欠失しているC−X−Cケモカインは、実際には、脈管形成静止的(angiostatic)である(Strieterら、前述;Angiolilloら、J.Exp.Med.,182:155−162(1995);およびKochら、Science,258:1798−1801(1992))。腫瘍の脈管形成におけるそのような因子の可能な役割の点については、Smithら、J.Exp.Med.,179:1409−1415(1994)は、気管支原生癌腫瘍において、その腫瘍細胞から産生されるようであるIL−8のレベルの上昇を報告した。
【0031】
(核酸分子)
他に示されない限り、本明細書中でDNA分子を配列決定することによって決定されたすべてのヌクレオチド配列は、自動化DNA配列決定機(例えば、Applied Biosystems,Inc.,Foster City,CAからのModel 373)を使用して決定され、そして本明細書中で決定されるDNA分子によってコードされるポリペプチドのすべてのアミノ酸配列は、上記のように決定されるDNA配列の翻訳によって推定された。従って、この自動化アプローチによって決定された任意のDNA配列について当該分野において公知のように、本明細書中で決定される任意のヌクレオチド配列はいくつかの誤差を含み得る。自動化によって決定されるヌクレオチド配列は、配列決定されるDNA分子の実際のヌクレオチド配列に対して、代表的には少なくとも約90%同一、より代表的には少なくとも約95%から少なくとも約99.9%同一である。実際の配列は、当該分野において周知の手動DNA配列決定方法を含む他のアプローチによってさらに正確に決定され得る。当該分野においてまた公知のように、実際の配列と比較した、決定されるヌクレオチド配列における単一の挿入または欠失は、ヌクレオチド配列の翻訳においてフレームシフトを引き起こし、その結果、決定されるヌクレオチド配列によってコードされる推定アミノ酸配列は、配列決定されるDNA分子によって実際にコードされるアミノ酸配列とは完全に異なる。このような差異は、このような挿入または欠失の点にて始まる。
【0032】
核酸分子またはポリヌクレオチドの「ヌクレオチド配列」によって、DNA分子またはポリヌクレオチドについてはデオキシリボヌクレオチドの配列が、そしてRNA分子またはポリヌクレオチドについては対応するリボヌクレオチド(A,G,CおよびU)の配列(ここで、特定したデオキシリボヌクレオチド配列中のそれぞれのチミジンデオキシリボヌクレオチド(T)がリボヌクレオチドウリジン(U)により置換される)が、意図される。
【0033】
本明細書中に提供した情報、例えば、図1(配列番号1)のヌクレオチド配列を使用して、CKα−5ポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、標準のクローニングおよびスクリーニング手順(例えば、出発物質としてmRNAを使用してcDNAをクローン化する手順)を使用して入手され得る。本発明の実例として、図1(配列番号1)に記述される核酸分子は、主に免疫系組織由来のcDNAライブラリー中に発見された。クローンHMSCJ62は、単球のcDNAライブラリーから単離され、そしてHNFEM05は、好中球cDNAライブラリーから単離された。
【0034】
同じ遺伝子のさらなるクローンもまた、以下のヒト組織:結腸および骨巨細胞腫由来のcDNAライブラリーにおいて同定された。
【0035】
図1(配列番号1)のCKα−5 cDNAの決定されたヌクレオチド配列は、254アミノ酸残基のタンパク質(開始コドンを伴う、図1(配列番号1)中のヌクレオチド配列のヌクレオチドの542〜544位)をコードするオープンリーディングフレームを含む。配列番号2中に示されるCKα−5タンパク質のアミノ酸配列は、ラットマクロファージ炎症性タンパク質−1β(図2)(登録番号gi|459148で、GenBankにアクセスされ得る)と、約51%類似および約28%同一である。
【0036】
当業者に理解されるように、上記の配列決定の誤差の可能性に起因して、委託されるcDNAによりコードされる実際の完全CKα−5ポリペプチド(約254アミノ酸を含む)は、幾分より長く、またはより短くあり得る。より一般に、実際のオープンリーディングフレームは、図1(配列番号1)において示されるN末端のメチオニンコドンから推定されるアミノ酸の、±20アミノ酸の範囲内、より好ましくは±10アミノ酸の範囲内における任意のものであり得る。
【0037】
(リーダー配列および成熟配列)
完全CKα−5タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号2に示されるような、リーダー配列および成熟タンパク質を含む。より詳細には、本発明は、CKα−5タンパク質の成熟形態をコードする核酸分子を提供する。従って、シグナル仮説に従って、一旦、成長するタンパク質鎖の粗面小胞体を横切る輸送が開始されると、哺乳動物細胞によって分泌されたタンパク質は、シグナルまたは分泌リーダー配列を有し、これは完全ポリペプチドから切断されて、タンパク質の分泌される「成熟」形態を産生する。ほとんどの哺乳動物細胞、および昆虫細胞さえ、分泌されたタンパク質を同じ特異性で切断する。しかし、いくつかの場合において、分泌されたタンパク質の切断は、全体的に均一ではなく、タンパク質の2つ以上の成熟種を生じる。さらに、分泌されたタンパク質の切断特異性は、究極的には、完全タンパク質の一次構造によって決定されること、すなわち、ポリペプチドのアミノ酸配列に固有であることが公知である。それゆえ、本発明は、ATCC受託番号209231として同定されるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する、成熟CKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を提供する。「ATCC受託番号209231におけるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟CKα−5ポリペプチド」によって、寄託されたベクターに含まれるクローンのヒトDNA配列によってコードされる完全なオープンリーディングフレームの哺乳動物細胞(例えば、以下に記載のような、COS細胞)における発現によって産生されるCKα−5タンパク質の成熟形態が意味される。
【0038】
さらに、タンパク質が分泌リーダーならびにリーダー配列の切断点を有するか否かを推定するための方法が利用可能である。例えば、McGeoch(Virus Res.3:271−286(1985))の方法では、完全な(非切断の)タンパク質の短いN末端荷電領域、および引き続く非荷電領域からの情報が使用される。von Heinjeの方法(Nucleic Acids Res.14:4683−4690(1986))では、切断部位の周囲の残基(代表的には、残基−13〜+2、ここで、+1は成熟タンパク質のアミノ末端を示す)からの情報が使用される。これらの方法の各々に関する、公知の哺乳動物分泌タンパク質の切断点を推定する精度は、75〜80%の範囲にある(von Heinje、前述)。しかしこの2つの方法は、所定のタンパク質に関して同じ推定切断点を常に生じるとは限らない。
【0039】
本出願の場合において、完全CKα−5ポリペプチドの推定アミノ酸配列は、京都大学、化学研究所(Nakai,K.および Kanehisa,M.,Genomics 14:897−911(1992))のKenta Nakai博士より入手可能なコンピュータープログラム「PSORT」により解析された。PSORTはアミノ酸配列に基づくタンパク質の細胞性局在位置を推定するためのエキスパートシステムである。局在化のこのコンピューター推定の一部として、McGeochおよびvon Heinjeの方法が取りこまれる。上記のコンピューター解析は、配列番号2に示される完全アミノ酸配列内で、1つの可能性のある切断部位を予測し;すなわち、図1における残基27と残基28との間、および配列番号2における残基−1と残基1との間である。
【0040】
示されるように、本発明の核酸分子は、RNAの形態(例えばmRNA)で、またはDNAの形態(例えば、クローニングにより入手または合成的に生成されるcDNAおよびゲノムDNAを含む)であり得る。このDNAは二本鎖または一本鎖であり得る。一本鎖DNAまたはRNAは、センス鎖としてもまた知られる、コード鎖であり得るか、またはアンチセンス鎖とも言われる非コード鎖であり得る。
【0041】
「単離された」核酸分子によって、そのネイティブな環境から取り出された核酸分子(DNAまたはRNA)が意図される。例えば、ベクター中に含まれる組換えDNA分子は、本発明の目的のために単離されていると考えられる。単離されたDNA分子のさらなる例は、異種の宿主細胞において維持される組換えDNA分子、または溶液中の(部分的または実質的に)精製されたDNA分子を含む。単離されたRNA分子は、本発明のDNA分子のインビボまたはインビトロでのRNA転写物を含む。本発明に従う単離された核酸分子は、合成的に生成されたような分子をさらに含む。「単離された」とは、本発明者は、単離された染色体および酵母人工染色体(YAC)のような、非常に大きい遺伝物質片(200kb+)を特異的に排除することを意図している。
【0042】
本発明の単離された核酸分子は、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列の542〜544位の開始コドンを有するオープンリーディングフレーム(ORF)を含むDNA分子を含む。
【0043】
配列番号2の1〜227位に示される推定成熟CKα−5タンパク質に対するコード配列を含むDNA分子もまた、含まれる。
【0044】
さらに、本発明の単離された核酸分子は、上記の配列とは実質的に異なるが、遺伝コードの縮重により、なおCKα−5タンパク質をコードする配列を含むDNA分子を含む。もちろん、遺伝コードおよび種特異的コドン優先度は、当該分野で周知である。従って、例えば、特定の宿主に関してコドン発現を至適化する(例えば、ヒトmRNA中のコドンをE.coliのような細菌宿主に好ましいコドンに変更する)ために、上記の縮重改変体を作製することは当業者にとって慣用的である。
【0045】
別の局面において、本発明は、ATCC受託番号209231(1997年8月29日付)として受託されるプラスミドに含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードしている単離された核酸分子を提供する。
【0046】
好ましくは、この核酸分子は、上記の寄託されたcDNAクローンによってコードされる成熟ポリペプチドをコードする。
【0047】
本発明は、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列もしくは上記の寄託クローンに含まれるCKα−5 cDNAのヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子、または上記の配列の1つに相補的な配列を有する核酸分子をさらに提供する。このような単離した分子、特にDNA分子は、染色体とのインサイチュハイブリダイゼーションによる遺伝子地図作製に使用するプローブとして、およびヒト組織におけるCKα−5遺伝子の発現を(例えば、ノーザンブロット解析によって)検出するために有用である。
【0048】
本発明はさらに、本明細書中に記述されるヌクレオチド配列の一部をコードする核酸分子、ならびに本明細書中に記述した単離した核酸分子のフラグメントに関する。特に本発明は、配列番号1の1〜1303、542〜1303、622〜1303、625〜1303、628〜1303、631〜1303、634〜1303、637〜1303、640〜1303、643〜1303、646〜1303、649〜1303、652〜1303、652〜787、652〜817、652〜847、652〜877、652〜907、652〜937、652〜967、652〜997、652〜1027、652〜1057、652〜1087、652〜1117、652〜1147、652〜1177、652〜1207、652〜1237、または652〜1267位からなる配列番号1の一部を表しているヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。
【0049】
さらに、配列番号1の広範な部分に関連したヌクレオチド配列を有する、以下の核酸分子が同定された:クローンHNFCO09由来のHNFCO09R(配列番号4);クローンHNEDS26R由来のHNEDS26R(配列番号5);。クローンHOABD47由来のHOABD47R(配列番号6);クローンHTEIR41由来のHTEIR41R(配列番号7);クローンHMNAD36由来のHMNAD36R(配列番号8);およびクローンHTEDQ07由来のHTEDQ07RA(配列番号20)。
【0050】
配列番号1の一部に関連する、以下の公に利用可能なexpressed sequence tag「EST」もまた同定された:GenBank受託番号AA130776(配列番号9);GenBank受託番号AA290712(配列番号10);GenBank受託番号AA366329(配列番号11);GenBank受託番号AA121716(配列番号12);GenBank受託番号AA146672(配列番号13);GenBank受託番号AA149359(配列番号14);GenBank受託番号AA569970(配列番号21);およびGenBank受託番号AA994552(配列番号22)。
【0051】
本発明のポリヌクレオチドは、好ましくは、1以上の上記の配列1〜14および20〜22ではなく、そしてそれらを含むものではない。
【0052】
さらに本発明は、配列番号1のヌクレオチド542〜1303からの少なくとも約17ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約20、25、または30ヌクレオチド、そして最も好ましくは少なくとも約50ヌクレオチドの任意の部分を含むポリヌクレオチドを含む。
【0053】
本発明はまた、配列番号1の,好ましくは残基542〜1,303からの、少なくとも約500、好ましくは約600のヌクレオチドの任意の部分を含むポリヌクレオチドを含む。この点において、特に好ましいヌクレオチドフラグメントは、配列番号1におけるヌクレオチド622〜1,303からのフラグメントを含む。
【0054】
より一般的には、寄託したcDNAのヌクレオチド配列または図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子のフラグメントは、本明細書中に議論したような診断プローブおよびプライマーとして有用である、少なくとも約15nt、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、そしてなおより好ましくは、少なくとも約40nt長のフラグメントを意図する。もちろん、寄託したcDNAの、または図1(配列番号1)に示したヌクレオチド配列の全てではないが、ほとんどに対応するフラグメントとして、50〜1000nt長のより大きなフラグメントもまた、本発明に従って有用である。少なくとも20nt長のフラグメントは、例えば、寄託したcDNAのヌクレオチド配列または図1(配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列からの20以上の連続した塩基を含むフラグメントを意図する。本発明の好ましい核酸フラグメントは、図3に示されるJameson−Wolf抗原性指数から同定され、そして以下により詳細に記述されるCKα−5ポリペプチドのエピトープ保有部分をコードする核酸分子を含む。
【0055】
別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、上記の本発明の核酸分子(例えば、ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローン)中のポリヌクレオチドの一部に対してハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、以下:50%ホルムアミド、5×SSC(750mM NaCl、75mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート溶液、10%デキストラン硫酸、および20μg/mlの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中での42℃での一晩のインキュベーション、引き続く約65℃での0.1×SSC中でのフィルターの洗浄を意図する。
【0056】
ポリヌクレオチドの「部分」にハイブリダイズするポリヌクレオチドとは、参照ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、そしてなおより好ましくは約30〜70(例えば50)ntにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNAまたはRNAのいずれか)を意図する。これらは、上記で、そして以下でより詳細に議論されるように、診断用プローブおよびプライマーとして有用である。
【0057】
例えば、「少なくとも20nt長」のポリヌクレオチドの部分とは、参照ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列(例えば、寄託されたcDNA、または図1(配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列)からの20以上の連続したヌクレオチドを意図する。もちろん、ポリA配列(例えば図1(配列番号1)に示されるCKα−5 cDNAの3’末端ポリ(A)領域に、またはT(もしくはU)残基の相補的なストレッチのみにハイブリダイズするポリヌクレオチドは、本発明の核酸の一部にハイブリダイズするために使用される本発明のポリヌクレオチドに含まれない。なぜなら、このようなポリヌクレオチドは、ポリ(A)ストレッチを含む任意の核酸分子またはその相補体(例えば、現実的には任意の二本鎖cDNAクローン)にハイブリダイズするからである。
【0058】
示されるように、CKα−5ポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、それ自体で成熟ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子;および成熟ポリペプチドおよび付加配列についてのコード配列、例えば約27アミノ酸のリーダーまたは分泌配列(例えばプレ、またはプロ、またはプレプロタンパク質配列)をコードするもの;上記の付加コード配列を有する、または有さない成熟ポリペプチドのコード配列を含み得るがこれらに限定されない。
【0059】
本発明の核酸によって、例えば、イントロンおよび非コード5’および3’配列(例えば、転写、mRNAプロセッシング(スプライシングシグナルおよびポリアデニル化シグナルを含む)において役割を果すような、、転写されるが翻訳されない配列(例えば、リボソーム結合およびmRNAの安定性のための))を含むがこれらに限定されない付加的な非コード配列;付加的アミノ酸をコードする追付加的コード配列(例えば付加的な機能性を提供するもの)とともに上記のタンパク質配列もまたコードされる。
【0060】
従って、ポリペプチドをコードする配列は、マーカー配列(例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするペプチドをコードする配列)と融合され得る。本発明のこの局面の特定の好ましい実施態様において、このマーカーアミノ酸配列は、例えば、特にpQEベクター(QIAGEN,Inc.,9259 Eton
Avenue,Chatsworth,CA,91311)に提供されるタグのような、ヘキサヒスチジンペプチドであり、多くのものは市販されている。Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:821−824(1989)に記述されるように、例えば、ヘキサヒスチジンは融合タンパク質の簡便な精製のために提供される。「HA」タグは、Wilsonら、Cell 37:767(1984)に記載されるインフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来するエピトープと対応する、精製に有用な別のペプチドである。以下に議論するように、他のこのような融合タンパク質は、NまたはC末端でFcに融合したCKα−5を含む。
【0061】
(改変体および変異体ポリヌクレオチド)
本発明はさらに、本発明の核酸分子の改変体に関し、これはCKα−5タンパク質の一部、アナログまたは誘導体をコードする。改変体は、天然の対立遺伝子改変体のように天然に存在し得る。「対立遺伝子改変体」とは、生物の染色体上の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のいくつかの代替的な形態のひとつを意図する。Genes II,Lewin,B.編、John Wiley & Sons,New York(1985)。天然に存在しない改変体は、当該分野において公知の変異誘発技術を使用して産生され得る。
【0062】
そのような改変体は、ヌクレオチドの置換、欠失または付加により産生される改変体を含む。置換、欠失または付加は1つ以上のヌクレオチドを含み得る。この改変体は、コード領域、非コード領域または両方で変更され得る。コード領域での変化は、保存的または非保存的のアミノ酸の置換、欠失または付加を産生し得る。これらの中で特に好ましいものは、サイレントな置換、付加および欠失であり、これはCKα−5タンパク質またはその一部の特性および活性を変化させない。この点について、また特に好ましいものは、保存的置換である。
【0063】
最も高度に好ましいものは、アミノ末端メチオニンをコードするように改変され得るか、または他のN−もしくはC−末端融合ペプチドもしくはポリペプチドをコードするように改変され得るかのいずれかの配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する成熟タンパク質または、寄託したcDNAクローンによりコードされる成熟CKα−5アミノ酸配列をコードする核酸分子である。
【0064】
さらなる実施態様は、以下ものからなる群から選択される核酸配列と少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドを含む:(a)配列番号2として示されるCKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)配列番号2の残基−26〜227として示されるCKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(c)配列番号2の残基1〜227として示される推定成熟CKα−5をコードするヌクレオチド配列;(d)配列番号2の残基1〜178として示されるCKα−5ポリペプチドの推定細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;(e)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全アミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(f)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされる、N末端メチオニンを除く完全アミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(g)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有する成熟CKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(h)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;および(i)上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)または(h)における任意のヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列。
【0065】
本発明のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)もしくは(i)の任意のヌクレオチド配列に、少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、または上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)もしくは(i)のポリヌクレオチドにストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を含む。ハイブリダイズするこのポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしない。本発明のさらなる核酸実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、もしくは(h)のアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子に関係する。
【0066】
本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、およびこの組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにそのようなベクターおよび宿主細胞を作製する方法、および組換え技術によりCKα−5ポリペプチドまたはペプチドを産生するためにそれらを使用するための方法に関する。
【0067】
CKα−5ポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列に、例えば、少なくとも95%「同一の」ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドとは、そのポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、CKα−5ポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異をポリヌクレオチド配列が含み得ることを除いて、参照配列に同一であることを意図する。換言すれば、参照ヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列における5%までのヌクレオチドが欠失され得るか、もしくは別のヌクレオチドで置換され得るか、または参照配列において全ヌクレオチドの5%までの数のヌクレオチドが、参照配列中に挿入され得る。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端位置において、またはこれらの末端位置の間の任意の位置で、参照配列中のヌクレオチド間で個々に、もしくは参照配列内の1以上の連続した群においての、いずれかで散在されて生じ得る。
【0068】
実際問題として、任意の特定の核酸分子が、例えば図1に示されるヌクレオチド配列または寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるか否かは、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix(登録商標),Genetics Computer Group,University Research
Park,575 Science Drive,Madison,WI53711)のような公知のコンピュータープログラムを使用して従来どおり決定され得る。Bestfitは、SmithおよびWaterman( Advances in Applied Mathematics 2:482−489(1981))の局所的相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の最も相同性の高いセグメントを見出す。特定の配列が、例えば、本発明に従う参照配列と95%同一か否かを決定するために、Bestfitまたは任意の他の配列整列化プログラムを使用する場合、パラメーターは、もちろん、参照ヌクレオチド配列の全長にわたって同一性のパーセンテージが計算されるように、そして参照配列のヌクレオチドの総数の5%までの、相同性におけるギャップが可能であるように設定される。
【0069】
本出願は、図1(配列番号1)に示される核酸配列または寄託されたcDNAの核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である核酸分子に関し、それらがCKα−5活性を有するポリペプチドをコードするか否かとは無関係である。これは、特定の核酸分子がCKα−5活性を有するポリペプチドをコードしない場合でさえ、当業者にはなお、例えばハイブリダイゼーションプローブまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーとしての核酸分子の使用方法が公知であるからである。CKα−5活性を有するポリペプチドをコードしない本発明の核酸分子の使用としては、とりわけ、以下が挙げられる:(1)cDNAライブラリーにおけるCKα−5遺伝子またはその対立遺伝子改変体の単離;(2)Vermaら,Human Chromosomes:A Manual of Basic Techniques,Pergamon Press,New York(1988)に記載される、CKα−5遺伝子の正確な染色体位置を提供するための中期染色体展開物に対するインサイチュハイブリダイゼーション(例えば、「FISH」);および特定の組織でのCKα−5 mRNA発現を検出するためのノーザンブロット解析。
【0070】
しかし、図1(配列番号1)に示される核酸配列、または実際に、CKα−5タンパク質活性を有するポリペプチドをコードする寄託されたcDNAの核酸配列に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一の配列を有する核酸分子が好ましい。「CKα−5活性を有するポリペプチド」とは、完全CKα−5タンパク質の細胞外部分の活性に、類似するが同一である必要はない活性を提示するポリペプチドを意図する。そのようなポリペプチドに保持されると考えられる、そのような1つの活性は、ヒトケモカインHCC−1が行うような、骨髄前駆細胞のコロニー形成を調節する能力である。骨髄性前駆細胞の阻害の程度を測定するためのインビトロにおけるコロニー形成アッセイは、Youngら、The Journal of Immunology 155:2661−2667(1995)に記載される。手短には、アッセイは、ヒトまたはマウス骨髄細胞を収集し、そして寒天上にそれらをプレートして、1以上の成長因子、および(1)CKα−5タンパク質(または候補ポリペプチド)を含むトランスフェクトさせた宿主細胞上清または(2)トランスフェクトされてない宿主細胞上清コントロールのいずれかを添加し、そしてマウスおよびヒトのCFU顆粒球マクロファージ(CFU−GM)によるか、ヒトの赤芽球バースト形成細胞(BFU−E)によるか、あるいはヒトCFU顆粒球赤血球マクロファージ巨核球(CFU−GEMM)によるコロニー形成の影響を測定することを含む。このような活性は、化学療法間の骨髄前駆細胞を保護するために有用である。
【0071】
CKα−5タンパク質は、上記アッセイにおいて用量依存様式で免疫系細胞増殖および分化を調節する。従って、「CKα−5タンパク質活性を有するポリペプチド」は、用量依存様式で、上記アッセイにおいて任意の同じ骨髄性前駆体調節活性をまた提示するポリペプチドを含む。用量依存活性の程度は、CKα−5タンパク質の用量依存活性と同一である必要はないが、好ましくは「CKα−5タンパク質活性を有するポリペプチド」は、CKα−5タンパク質と比較する場合、所定の活性において実質的に類似の用量依存性を提示する(すなわち、候補ポリペプチドは、参照CKα−5タンパク質と比較して、より高い活性、または約25分の1未満でない活性、および好ましくは約10分の1未満でない活性を提示する)。
【0072】
他のCXCケモカインのように、CKα−5は、例えば、単球、リンパ球、好中球を含む白血球において活性を示す。この理由のために、CKα−5は、これらの細胞型の増殖,分化、移動を指向するにおいて活性である。このような活性は、免疫増強または抑制、骨髄保護、幹細胞動員、急性および慢性の炎症制御ならびに白血病の処置に対して有用である。そのような活性を測定するためのアッセイは、当該分野で公知である。例えば、Petersら、Immun.Today 17:273(1996);Youngら、J.Exp.Med.182:1111(1995);Cauxら、Nature 390:258(1992);およびSantiago−Schwarzら、Adv.Exp.Med.Biol.378:7(1995)を参照のこと。上記の学術論文の各々からのアッセイおよびプロトコールは、本明細書に参考として援用される。
【0073】
もちろん遺伝コードの縮重に起因して、寄託したcDNAの核酸配列または図1(配列番号1)に示される核酸配列に対して、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である配列を有する大多数の核酸分子が「CKα−5タンパク質活性を有する」ポリペプチドをコードすることを、当業者は直ちに認識する。実際、これらのヌクレオチド配列の縮重改変体は全て同じポリペプチドをコードするので、このことは上記の比較アッセイを実施しなくとも当業者に明らかである。縮重改変体でない核酸分子についても、妥当な数のものがまたCKα−5タンパク質活性を有するポリペプチドをコードすることは、当該分野においてさらに認識される。これは、以下にさらに記述するように、タンパク質の機能を有意にもたらすようであるか、またはもたらさないようであるかのいずれかのアミノ酸置換(例えば、一つの脂肪族アミノ酸を第二の脂肪族アミノ酸で置換すること)を当業者らは十分に承知しているからである。
【0074】
(ベクターおよび宿主細胞)
本発明はまた、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、この組換えベクターで遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術によるCKα−5ポリペプチドまたはそのフラグメントの産生に関する。ベクターは、例えば、ファージベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベクターであり得る。レトロウイルスベクターは、複製コンピテントまたは複製欠損であり得る。後者の場合、ウイルス増殖は、一般的に相補的な宿主細胞においてのみ起こる。
【0075】
ポリヌクレオチドは、宿主における増殖のために、選択マーカーを含むベクターに結合され得る。一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈澱物のような沈澱物か、または荷電された脂質との複合体で導入される。ベクターがウイルスである場合、ベクターは、適切なパッケージング細胞株を用いてインビトロでパッケージングされ得、次いで宿主細胞に形質導入され得る。
【0076】
DNAインサートは、例えば、ファージλPLプロモーター、E.coli lac、trp、phoA、およびtacプロモーター、SV40初期および後期プロモーター、ならびにレトロウイルスLTRのプロモーターなどのような、適切なプロモーターに作動可能に結合されるべきである。他の適切なプロモーターは、当業者に公知である。発現構築物は、転写開始のための部位、終結のための部位、および転写された領域において翻訳のためのリボソーム結合部位をさらに含む。構築物によって発現される転写物のコード部分は、好ましくは、翻訳されるポリペプチドの最初の翻訳開始コドンおよび翻訳されるポリペプチドの最後に適切に位置する終止コドン(UAA、UGAまたはUAG)を含む。
【0077】
示されたように、発現ベクターは、好ましくは、少なくとも1つの選択マーカーを含む。このようなマーカーとしては、真核生物細胞培養についてはジヒドロ葉酸レダクターゼ、G418、またはネオマイシン耐性、ならびにE.coliおよび他の細菌における培養についてはテトラサイクリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、またはアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。適切な宿主の代表的な例としては、細菌細胞(例えば、E.coli細胞、Streptomyces細胞、およびSalmonella typhimurium細胞);真菌細胞(例えば酵母細胞);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、293細胞、およびBowes黒色腫細胞);ならびに植物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は当該分野で公知である。
【0078】
細菌における使用に好ましいベクターの中には、QIAGEN,Inc.前出から入手可能なpQE70、pQE60、およびpQE−9;Stratageneから入手可能なpBSベクター、Phagescriptベクター、Bluescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A;ならびにPharmaciaから入手可能なptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5が含まれる。好ましい真核生物ベクターの中には、Stratageneから入手可能なpWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、およびpSG;ならびにPharmaciaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVLがある。他の適切なベクターは、当業者に容易に明らかである。
【0079】
宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法によってもたらされ得る。このような方法は、多くの標準的研究室マニュアルに記載されている(例えば、Davisら, Basic Methods In Molecular Biology(1986))。
【0080】
ポリペプチドは、融合タンパク質のような改変された形態で発現され得、そして分泌シグナルだけでなく、さらなる異種の機能的領域も含み得る。例えば、さらなるアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、宿主細胞においてか、精製の間か、または続く取り扱いおよび保存の間の、安定性および持続性を改善するために、ポリペプチドのN末端に付加され得る。また、ペプチド部分が、精製を容易にするためにポリペプチドへ付加され得る。そのような領域は、ポリペプチドの最終調製の前に除去され得る。とりわけ、分泌または排出を生じるため、安定性を改善するため、および精製を容易にするためのペプチド部分のポリペプチドへの付加は、当該分野でよく知られており、そして慣用的な技術である。好ましい融合タンパク質は、タンパク質の安定化および精製のために有用な免疫グロブリン由来の異種領域を含む。例えば、EP−A−O 464 533(カナダ対応出願第2045869号)は、別のヒトタンパク質、またはその一部とともに免疫グロブリン分子の定常領域の種々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質中のFc部分は、治療および診断における使用に十分に有利であり、従って、例えば改善された薬物動態学的特性を生じる(EP−A 0232 262)。一方、いくつかの使用について、融合タンパク質が、記載される有利な様式で、発現され、検出され、そして精製された後に、Fc部分を欠失し得ることが望ましい。これは、Fc部分が、治療および診断における使用に対して障害となると判明する場合(例えば、融合タンパク質が免疫のための抗原として使用されるべき場合)である。薬物探索において、例えば、hIL−5のようなヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニストを同定するための高処理能力スクリーニングアッセイの目的で、Fc部分と融合されている。Bennett,D.ら, J. Molecular Recognition 8:52−58(1995);およびK.Johanson,ら, J. Biol. Chem. 270:9459−9471(1995)を参照のこと。
【0081】
CKα−5タンパク質は、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され、そして精製され得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために用いられる。本発明のポリペプチドは以下を含む:天然の供給源からの精製産物(直接的に単離されたか、または培養されたかのいずれかの、体液、組織、および細胞を含む);化学合成手順の産物;および原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む)から組換え技術によって産生された産物。組換え産生手順において用いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリコシル化されていてもよく、またはグリコシル化されていなくてもよい。さらに、本発明のポリペプチドはまた、いくつかの場合、宿主媒介プロセスの結果として、最初の改変された開始メチオニン残基を含み得る。従って、翻訳開始コドンによってコードされているN末端メチオニンは、一般的に、すべての真核細胞において翻訳後に任意のタンパク質から高い効率で除去されることが当該分野において周知である。大部分の原核細胞においても、大部分のタンパク質上のN末端メチオニンはまた、効率的に除去されるが、いくつかのタンパク質では、この原核生物の除去プロセスは、N末端メチオニンが共有結合しているアミノ酸の性質に依存して、非効率的である。
【0082】
(ポリペプチドおよびフラグメント)
本発明はさらに、寄託されたcDNAによってコードされるアミノ酸配列、または配列番号2のアミノ酸配列を有する、単離されたCKα−5ポリペプチド、あるいは上記ポリペプチドの一部を含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。
【0083】
(改変体および変異体ポリペプチド)
CKα−5ポリペプチドの特徴を改善または変化させるために、タンパク質工学が利用され得る。当業者に公知である組換えDNA技術が、新規な変異体タンパク質もしくは「ムテイン」(単一または複数のアミノ酸置換、欠失、付加を含む)、または融合タンパク質を作製するために使用され得る。このような改変されたポリペプチドは、例えば、活性の増強または安定性の増加を示し得る。さらに、それらは高収量で精製され得、そして少なくとも特定の精製および貯蔵条件下で、対応する天然のポリペプチドよりもより良好な可溶性を示す。
【0084】
(N末端およびC末端欠失変異体)
例えば、膜結合タンパク質の細胞外ドメインまたは分泌タンパク質の成熟型を含む多くのタンパク質について、生物学的な機能の実質的な損失なしにN末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸を欠失させ得ることが、当該分野において公知である。例えば、Ronら(J.Biol.Chem.268:2984−2988(1993))は、3、8、または27のN末端アミノ酸残基が欠失した場合でさえ、ヘパリン結合活性を有した改変KGFタンパク質を報告した。今回の場合、本発明のタンパク質がケモカインポリペプチドファミリーのメンバーであるので、ジスルフィド架橋の形成に必要とされる最初の「Cys」までのN末端アミノ酸の欠失は、レセプター結合または標的細胞活性の調節のようないくらかの生物学的活性を保持し得る。図1の38位(配列番号2の11位)でのシステイン残基を含むさらなるN末端欠失を有するポリペプチドは、このような生物学的活性を保持することは期待されない。なぜなら、ケモカイン関連ペプチドにおけるこの残基は、レセプター結合およびシグナル伝達に必要とされる構造安定性を提供するジスルフィド架橋を形成することに必要とされることが、公知であるからである。
【0085】
しかし、タンパク質のN末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、タンパク質の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じるとしても、他の生物学的活性はなお保持され得る。従って、短縮化されたタンパク質の、タンパク質の完全な形態または成熟形態を認識する抗体を誘導する能力および/またはその抗体に結合する能力は、タンパク質の完全な形態または成熟形態の残基の大部分より少ない残基がN末端から除去された場合には、一般的に保持される。完全なタンパク質のN末端残基を欠く特定のポリペプチドがこのような免疫学的活性を保持するかどうかは、本明細書中に記載される慣用的な方法、およびそうでなければ当該分野において公知の慣用的な方法によって、容易に決定され得る。
【0086】
従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるCKα−5タンパク質のアミノ酸配列のアミノ末端から1つ以上の残基(11位のシステイン残基まで)を欠失したポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。特に本発明は、配列番号2の残基n〜178のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここでnは−4〜11の範囲の整数であり、そしてシステイン11は、CKα−5タンパク質のレセプター結合活性に必要とされると考えられる、CKα−5ポリペプチド(配列番号2に示される)の細胞外ドメインのN末端からの最初の残基の位置である。
【0087】
より詳細には、本発明は、配列番号2の−4〜178、−3〜178、−2〜178、−1〜178、1〜178、2〜178、3〜178、4〜178、5〜178、6〜178、7〜178、8〜178、9〜178、10〜178、および11〜178、全部からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0088】
同様に、生物学的に機能的なC末端欠失ムテインの多くの例が公知である。例えば、インターフェロンγは、タンパク質のカルボキシ末端から8〜10アミノ酸残基を欠失することにより10倍まで高い活性を示す(Dobeliら、J.
Biotechnology 7:199−216;(1988))。今回の場合、本発明のタンパク質がケモカインポリペプチドファミリーのメンバーであるので、配列番号2の55位のシステインまでのC末端アミノ酸の欠失は、レセプター結合または標的細胞活性の調節のようないくらかの生物学的活性を保持し得る。図1の82位(配列番号2の55位)のシステイン残基を含むさらなるC末端欠失を有するポリペプチドは、このような生物学的活性を保持することは期待されない。なぜなら、ケモカイン関連ポリペプチドにおけるこの残基が、レセプター結合およびシグナル伝達に必要とされる構造安定性を提供するジスルフィド架橋を形成するのに必要であることが公知であるからである。
【0089】
しかし、タンパク質のC末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、タンパク質の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じるとしても、他の生物学的活性はなお保持され得る。従って、短縮化されたタンパク質の、タンパク質の完全な形態または成熟形態を認識する抗体を誘導する能力および/またはその抗体に結合する能力は、完全なまたは成熟したタンパク質の残基の大部分より少ない残基がC末端から除去される場合、一般的に保持される。完全なタンパク質のC末端残基を欠く特定のポリペプチドが、このような免疫学的活性を保持するかどうかは、本明細書中に記載される慣用的な方法およびそうでなければ当該分野において公知の方法によって、容易に決定され得る。
【0090】
従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるCKα−5のアミノ酸配列のカルボキシ末端から1つ以上の残基(配列番号2の55位のシステイン残基まで)を有するポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。特に本発明は、配列番号2のアミノ酸配列の残基−4〜mのアミノ酸配列を有するポリペプチドを提供し、ここでmは55〜178の範囲の任意の整数であり、そしてシステイン残基55は、CKα−5タンパク質のレセプター結合および標的細胞調節活性に必要とされると考えられる、完全CKα−5ポリペプチド(配列番号2に示される)のC末端からの最初の残基の位置である。
【0091】
より詳細には、本発明は、配列番号2の残基−4〜55、−4〜56、−4〜57、−4〜58、−4〜59、−4〜60、−4〜61、−4〜62、−4〜63、−4〜64、−4〜65、−4〜66、−4〜67、−4〜68、−4〜69、−4〜70、−4〜71、−4〜72、−4〜73、−4〜74、−4〜75、−4〜76、−4〜77、−4〜78、−4〜79、−4〜79、−4〜80、−4〜81、−4〜82、−4〜83、−4〜84、−4〜85、−4〜86、−4〜87、−4〜88、−4〜89、−4〜90、−4〜91、−4〜92、−4〜93、−4〜94、−4〜95、−4〜96、−4〜95、−4〜96、−4〜97、−4〜98、−4〜99、−4〜100、−4〜101、−4〜102、−4〜103、−4〜104、−4〜105、−4〜106、−4〜107、−4〜108、−4〜109、−4〜110、−4〜111、−4〜112、−4〜113、−4〜114、−4〜115、−4〜116、−4〜117、−4〜118、−4〜119、−4〜120、−4〜121、−4〜122、−4〜123、−4〜124、−4〜125、−4〜126、−4〜127、−4〜128、−4〜129、−4〜130、−4〜131、−4〜132、−4〜133、−4〜134、−4〜135、−4〜136、−4〜137、−4〜138、−4〜139、−4〜140、−4〜141、−4〜142、−4〜143、−4〜144、−4〜145、−4〜146、−4〜147、−4〜148、−4〜149、−4〜150、−4〜151、−4〜152、−4〜153、−4〜154、−4〜155、−4〜156、−4〜157、−4〜158、−4〜159、−4〜160、−4〜161、−4〜162、−4〜163、−4〜164、−4〜165、−4〜166、−4〜167、−4〜168、−4〜169、−4〜170、−4〜171、−4〜172、−4〜173、−4〜174、−4〜175、−4〜176、−4〜177、−4〜178、全部からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0092】
本発明はまた、可溶型(細胞外ドメイン)のアミノ末端およびカルボキシ末端の両方から1つ以上のアミノ酸を欠失したポリペプチドを提供し、これは配列番号2の残基n〜mを有するものとして一般的に記載され得る。ここでnおよびmは上記で述べたような整数である。特に好ましくは、配列番号2の11〜55、11〜56、10〜57、10〜58、10〜59、10〜60、10〜61、10〜62、9〜63、9〜64、9〜65、9〜66、9〜67、9〜68、9〜69、9〜70、9〜71、9〜72、9〜73、8〜74、8〜75、8〜76、8〜77、8〜78、8〜79、8〜79、8〜80、8〜81、8〜82、8〜83、8〜84、7〜85、7〜86、7〜87、7〜88、7〜89、7〜90、7〜91、7〜92、7〜93、7〜94、7〜95、7〜96、7〜95、7〜96、7〜97、7〜98、7〜99、7〜100、6〜101、6〜102、6〜103、6〜104、6〜105、6〜106、6〜107、6〜108、6〜109、6〜110、6〜111、6〜112、6〜113、6〜114、6〜115、6〜116、6〜117、6〜118、6〜119、6〜120、6〜121、6〜122、6〜123、6〜124、6〜125、6〜126、6〜127、6〜128、6〜129、6〜130、6〜131、6〜132、6〜133、6〜134、6〜135、6〜136、6〜137、6〜138、6〜139、6〜140、6〜141、6〜142、6〜143、6〜144、6〜145、6〜146、6〜147、6〜148、6〜149、6〜150、6〜151、6〜152、6〜153、6〜154、6〜155、6〜156、6〜157、5〜158、5〜159、5〜160、5〜161、5〜162、5〜163、5〜164、5〜165、5〜166、5〜167、5〜168、5〜169、4〜170、4〜171、4〜172、4〜173、4〜174、4〜175、4〜176、4〜177、および4〜178、全部からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドである。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0093】
また、ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全なCKα−5のアミノ酸の一部分からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、この部分は、ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされるCKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ末端から23〜約37のアミノ酸、あるいはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされる細胞外ドメインのカルボキシ末端から49〜約172アミノ酸、または上記のアミノ末端およびカルボキシ末端欠損の任意の組み合わせを除外する。上記の欠失変異ポリペプチド形態の全部をコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0094】
(他の変異体)
上記で議論したタンパク質の末端欠失形態に加えて、CKα−5ポリペプチドのいくつかのアミノ酸配列がタンパク質の構造または機能の顕著な効果なしで改変され得ることもまた、当業者に認識される。配列におけるこのような差異が意図される場合、活性を決定するタンパク質の重要な領域が存在するということが、思い出されるべきである。
【0095】
従って、本発明はさらに、実質的なCKα−5ポリペプチド活性を示すか、または以下で議論するタンパク質部分のようなCKα−5タンパク質の領域を含む、CKα−5ポリペプチドのバリエーションを含む。このような変異体は、活性にほとんど効果を有さないような、当該分野において公知の一般的な規則に従って選択された、欠失、挿入、逆位、反復、およびタイプ置換を含む。例えば、表現型的にサイレントなアミノ酸置換を作製する方法に関するガイダンスが、Bowie.J.U.ら、「Deciphering the Message in Protein Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions」Science 247:1306−1310(1990)に提供されており、その中で著者らは、変化に対するアミノ酸配列の寛容性を研究するための2つの主なアプローチが存在することを示す。第1の方法は進化の過程に依存し、ここで変異は自然選択によって受け入れられるか、または拒絶されるかのいずれかである。第2のアプローチは、遺伝子操作を使用して、クローニングされた遺伝子の特定の位置にアミノ酸の変化を導入し、そして選択またはスクリーニングを使用して機能性を維持する配列を同定する。
【0096】
著者らがいうように、これらの研究は、タンパク質がアミノ酸置換に対して驚くべきほど寛容であることを明らかにしてきた。著者らはさらに、どのアミノ酸変化がタンパク質の特定の位置において許容的である可能性があるかを示す。例えば、大部分の埋没したアミノ酸残基は、非極性側鎖を必要とするが、一方、表面側鎖の特徴は一般的にほとんど保存されていない。他のこのような表現型的にサイレントな置換は、Bowie,J.U.ら(前出)およびそこに引用される参考文献中に記載される。代表的には、保存的な置換とみなされるものを表1に示す。
【0097】
従って、配列番号2のポリペプチドのフラグメント、誘導体またはアナログ、あるいは寄託されたcDNAによってコードされるものは、(i)1つ以上のアミノ酸残基は、保存されたアミノ酸残基または保存されていないアミノ酸残基(好ましくは保存されたアミノ酸残基)で置換され、そしてそのような置換されたアミノ酸残基は、遺伝コードによってコードされたものであってもよく、またはそうでなくてもよいもの、あるいは(ii)1つ以上のアミノ酸残基が、置換基を含むもの、あるいは(iii)成熟ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような、別の化合物と融合しているもの、あるいは(iv)IgG Fc融合領域ペプチドまたはリーダーもしくは分泌配列、または上記の形態のポリペプチドの精製に利用される配列、またはプロタンパク質配列のような、さらなるアミノ酸が、ポリペプチドの上記の形態に融合しているものであり得る。このようなフラグメント、誘導体、およびアナログは、本明細書中の教示から、当業者の範囲内であるとみなされる。
【0098】
従って、本発明のCKα−5は、天然の変異または人為的操作のいずれか由来の、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、または付加を含み得る。示されるように、変化は、好ましくは、マイナーな性質のものであり、例えばタンパク質のフォールディングまたは活性に顕著な影響を与えない保存的アミノ酸置換である(表1を参照のこと)。
【0099】
【表1】

【0100】
本発明のCKα−5タンパク質の機能に必須のアミノ酸は、当該分野で公知の方法(例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャン変異誘発(CunninghamおよびWells、Science 244:1081−1085(1989))により同定され得る。後者の手順は、分子のすべての残基に単一のアラニン変異を導入する。次いで、得られた変異体分子は、生物学的活性(例えば、レセプター結合あるいはインビトロまたはインビトロでの増殖活性)について試験される。
【0101】
特に興味深いのは、荷電したアミノ酸を、高度に所望の改善された特徴(例えば、より少ない凝集)を有するタンパク質を産生し得る、他の荷電したアミノ酸または中性アミノ酸で置換することである。凝集は、活性を低下させるだけではなく、薬学的処方物を調製する場合にもまた問題ともなり得る。なぜなら、凝集物は免疫原性であり得るからである(Pinckardら、Clin.Exp.Immunol.2:331−340(1967);Robbinsら、Diabetes 36:838−845(1987);Clelandら、Crit.Rev.Therapeutic Drug Carrier Systems 10:307−377(1993))。
【0102】
アミノ酸の置き換えはまた、細胞表面レセプターに対するリガンドの結合の選択性を変化させ得る。例えば、Ostadeら、Nature 361:266−268(1993)は2つの公知のタイプのTNFレセプターの1つのみへのTNF−αの選択的な結合を生じる特定の変異を記載する。リガンド−レセプター結合について決定的である部位はまた、構造解析(例えば、結晶化、核磁気共鳴法または光親和性標識)により決定され得る(Smithら、J.Mol.Biol.224:899−904(1992);およびde Vosら、Science 255:306−312(1992))。
【0103】
上記のように、CKα−5は、ELRモチーフを欠損する。このようなモチーフが関連したケモカインにおいて代表的に見出されるような位置で、ELRモチーフを含むように、CKα−5において特定の変異体を作成することにより、CKα−5は、アンタゴニストとして作用し、従って、脈管形成活性を有する。従って、本発明のポリペプチドは、CKα−5−ELR変異体を含む。このようなCKα−5−ELR変異体は、全長CKα−5タンパク質または好ましくは、成熟CKα−5タンパク質を含む。さらに、CKα−5は、ケモカイン関連タンパク質ファミリーのメンバーであるので、CKα−5の生物学的活性を完全に除去するよりむしろ調整するために、好ましくは、変異が、CKα−5細胞外ドメインにおける、すなわち、配列番号2の1〜178位において、より好ましくは、ケモカインファミリーの全てのメンバーで保存されていないこの領域中の残基において、アミノ酸をコードする配列中に作成される。当該分野で公知であるように、4つの空間的に保存されたシステインは、全てのケモカインに存在し、CKα−5の11位、13位、41位、および55位は、2つのジスルフィド架橋の形成に必要とされる。従って、配列番号2の11位、13位、41位および55位に位置する4つのシステイン残基のいずれかの改変は、好ましくない。また、本発明の一部分を形成するものは、上記CKα−5変異体をコードする核酸配列を含む単離されたポリヌクレオチドである。
【0104】
好ましくは、本発明のポリペプチドは、単離された形態で提供され、そして好ましくは、実質的に精製される。CKα−5ポリペプチドの組換え的に産生されたバージョンは、SmithおよびJohnson、Gene 67:31〜40(1988)に記載された一工程の方法により実質的に精製され得る。本発明のポリペプチドはまた、タンパク質精製の分野で周知である方法において、本発明の抗CKα−5抗体を用いて、天然または組換えの供給源から精製され得る。
【0105】
本発明はさらに、(a)配列番号2に示す完全なアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンにコードされる完全なアミノ酸配列を有する全長CKα−5ポリペプチドのアミノ酸配列;(b)N末端メチオニンを除く配列番号2に示す完全なアミノ酸配列(すなわち、配列番号2の−26〜227位)、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンにコードされるN末端メチオニンを除く完全なアミノ酸配列を有する全長CKα−5ポリペプチドのアミノ酸配列;(c)残基1〜227として配列番号2に示すアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンにコードされる成熟CKα−5のアミノ酸配列を有する成熟CKα−5ポリペプチドのアミノ酸配列;および(d)残基1〜178として配列番号2に示すアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンにコードされるCKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む単離されたCKα−5ポリペプチドを提供する。
【0106】
本発明のさらなるポリぺプチドは、上記のポリペプチドに対して、少なくとも90%類似性、より好ましくは、少なくとも95%類似性、およびなおより好ましくは、少なくとも96%、97%、98%、または99%類似性を有するポリぺプチドを含む。本発明のポリぺプチドはまた、寄託されたcDNAによってコードされるポリぺプチドもしくは配列番号2のポリぺプチドに対して、少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%もしくは95%同一、なおより好ましくは少なくとも96%、97%、98%、もしくは99%同一であるポリぺプチドを含み、そしてまた、少なくとも30アミノ酸、そしてより好ましくは少なくとも50アミノ酸を有するこのようなポリぺプチドの一部分を含む。このような改変体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0107】
2つのポリぺプチドについての「%類似性」によって、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix(登録商標), Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)および類似性を決定するためのデフォルト設定を使用して2つのポリぺプチドのアミノ酸配列を比較することによって生成される類似性スコアが意図される。Bestfitは、SmithおよびWaterman(Advances in Applied Mathematics 2:482−489, 1981)の局所的相同性アルゴリズムを使用して、2つの配列間の類似性の最良のセグメントを見い出す。
【0108】
CKα−5ポリペプチドの参照アミノ酸配列に、少なくとも、例えば、95%「同一」であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドにより、ポリぺプチドのアミノ酸配列が、ポリぺプチド配列がCKα−5ポリペプチドの参照アミノ酸の各100アミノ酸あたり5アミノ酸の変化までを含み得ることを除いて、参照配列に同一であることが意図される。換言すれば、参照アミノ酸配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドを得るためには、参照配列のアミノ酸残基の5%までが、欠失され得るか、または別のアミノ酸で置換され得るか、あるいは、参照配列の総アミノ酸残基の5%までの数のアミノ酸が、参照配列に挿入され得る。参照配列のこれらの改変は、参照アミノ酸配列のアミノ末端位置もしくはカルボキシ末端位置で、またはこれらの末端位置の間のどこかで、参照配列中の残基の間に個々に散在してか、または参照配列内で1つ以上の連続する群の中に散在してかのいずれかで、起こり得る。
【0109】
実際に、任意の特定のポリぺプチドが、例えば、配列番号2に示すアミノ酸配列に対してか、または寄託されたDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるか否かは、Bestfit program(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix(登録商標),Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711)のような公知のコンピュータプログラムを使用して従来的に決定され得る。特定の配列が、本発明による参照配列と、例えば、95%同一であるか否かを決定するためにBestfitまたは任意の他の配列アラインメントプログラムを使用する場合、当然、パラメータは、同一性のパーセンテージが、参照アミノ酸配列の全長にわたって算定されるように、そして相同性中のギャップが参照配列におけるアミノ酸残基の総数の5%まで許容するように、設定される。
【0110】
本発明のポリぺプチドは、当業者に周知の方法を使用してSDS−PAGEゲル上でまたは分子ふるいゲルろ過カラム上で分子量マーカーとして、使用され得る。
【0111】
以下に詳細に記載されるように、本発明のポリぺプチドはまた、以下に記載されるCKα−5タンパク質発現を検出するためのアッセイにおいて、またはCKα−5タンパク質機能を増強もしくは阻害し得るアゴニストおよびアンタゴニストとして有用である、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を惹起するために使用され得る。さらに、このようなポリぺプチドは、酵母ツーハイブリッド系において、本発明による候補アゴニストおよびアンタゴニストでもあるCKα−5タンパク質結合タンパク質を「捕捉」するために使用され得る。酵母ツーハイブリッド系は、FieldsおよびSong(Nature 340:245−246(1989))に記載される。
【0112】
(エピトープ保有部分)
別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ保有部分を含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチド部分のエピトープは、本発明のポリペプチドの免疫原性または抗原性エピトープである。「免疫原性エピトープ」とは、全体としてのタンパク質が免疫原である場合、抗体応答を誘発するタンパク質の一部として定義される。一方では、抗体が結合し得るタンパク質分子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義される。タンパク質の免疫原性エピトープの数は、一般には、抗原性エピトープの数よりも少ない。例えば、Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998−4002(1983)を参照のこと。
【0113】
抗原性エピトープを保有する(すなわち、抗体が結合し得るタンパク質分子の領域を含む)ペプチドまたはポリペプチドの選択に関して、タンパク質配列の一部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、部分的に模倣されたタンパク質と反応する抗血清を慣用的に誘発し得ることが当該分野で周知である。例えば、Sutcliffe,J.G.、Shinnick,T.M.、Green,N.およびLearner,R.A.(1983)「Antibodies that react with predetermined sites on proteins」Science 219:660−666を参照のこと。タンパク質反応性血清を誘発し得るペプチドは、タンパク質の一次配列で頻繁に示され、一連の単純な化学的法則により特徴付けられ得、そしてインタクトなタンパク質の免疫優性領域(すなわち、免疫原性エピトープ)にも、アミノ末端またはカルボキシル末端にも、制限されない。それゆえ、本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗体(モノクローナル抗体を含む)を惹起するために有用である。例えば、Wilsonら、Cell 37:767−778(1984)の777頁を参照のこと。
【0114】
本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列内に含まれる、好ましくは少なくとも7個、より好ましくは少なくとも9個、そして最も好ましくは約15〜約30個の間のアミノ酸の配列を含む。CKα−5特異的抗体を生成するために使用され得る抗原性ポリぺプチドまたはペプチドの非限定的な例には、以下が含まれる:配列番号2における約Tyr−12〜約Ser−24のアミノ酸残基を含むポリペプチド、配列番号2における約Cys−55〜約Val−63のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2における約Thr−91〜約Pro−110のアミノ酸残基を含むポリペプチド;および約Ser−120〜約Ile145のアミノ酸残基を含むポリペプチド。これらのポリぺプチドフラグメントは、上記の図3に示すように、Jameson−Wolf抗原性指標の分析によりCKα−5タンパク質の抗原性エピトープを保有することが決定されている。
【0115】
本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、任意の従来の手段により産生され得る。例えば、Houghten R.A.ら(1985)「General method for the rapid solid−phase synthesis of large numbers of peputides:specificity of antigen−antibody interaction at the level of individual amino acids」Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:5131−5135;この「Simultaneous Multiple Peptide Synthesis(SMPS)」プロセスは、Houghtenら(1986)の米国特許第4,631,211号にさらに記載されている。
【0116】
本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリぺプチドは、当該分野で周知の方法に従って抗体を誘導するために使用される。例えば、Sutcliffeら、前出;Wilsonら、前出;Chow,M.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:910−914;およびBittle,F.J.ら、J.Gen.Virol.66:2547−2354(1985)を参照のこと。本発明の免疫原性エピトープ保有ペプチド(すなわち、全体としてのタンパク質が免疫原である場合、抗体応答を誘発するタンパク質のその部分)は、当該分野で公知の方法に従って同定される。例えば、Geysenら(前出)を参照のこと。さらになお、Geysen(1990)の米国特許第5,194,392号は、目的の抗体の特定のパラトープ(抗原結合部位)に相補的であるエピトープ(すなわち、「ミモトープ」)の位相幾何学的等価物であるモノマー(アミノ酸または他の化合物)の配列を検出または決定する一般的な方法を記載する。より一般的には、Geysen(1989)の米国特許第4,433,092号は、目的の特定のレセプターのリガンド結合部位に相補的なリガンドの位相幾何学的等価物であるモノマーの配列を検出または決定する方法を記載する。同様に、Peralkylated Oligopeptide MixturesのHoughten,R.A.(1996)らの米国特許第5,480,971号は、直線状のC1〜C7アルキルペルアルキル化オリゴペプチドならびにこのようなペプチドのセットおよびライブラリー、ならびにこのようなオリゴペプチドのセットおよびライブラリーを、目的のアクセプター分子に優先的に結合するペルアルキル化オリゴペプチドの配列を決定するために使用する方法を開示する。従って、本発明のエピトープ保有ペプチドの非ペプチドアナログはまた、これらの方法によって慣用的に作製され得る。
【0117】
(融合タンパク質)
当業者が理解するように、本発明のCKα−5ポリペプチドおよびその上記のエピトープ保有フラグメントは、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの部分と組み合わせられ得、キメラポリペプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精製を容易にし、そしてインビボで半減期の増加を示す。これは、例えば、ヒトCD4−ポリペプチドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質について示されている(EP A 394,827;Trauneckerら、Nature 331:84−86(1988))。IgG部分によるジスルフィド結合二量体構造を有する融合タンパク質はまた、単量体CKα−5タンパク質またはタンパク質フラグメント単独よりも、他の分子の結合および中和においてより効率的であり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.270:3958−3964(1995)。
【0118】
(抗体)
本発明における使用のためのCKα−5タンパク質特異的抗体は、インタクトなCKα−5タンパク質またはその抗原性ポリぺプチドフラグメントに対して惹起され得、これは、アルブミンのようなキャリアタンパク質とともに、またはそれが十分に長ければ(少なくとも約25アミノ酸)、キャリアなしに、動物系(例えば、ウサギまたはマウス)に対して提示され得る。
【0119】
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」(Mab)は、インタクトな分子、ならびにCKα−5タンパク質に特異的に結合し得る抗体フラグメント(例えば、FabおよびF(ab’)2フラグメント)を含むことが意図される。FabおよびF(ab’)2フラグメントは、インタクトな抗体のFcフラグメントを欠失し、循環からより迅速に除去され、そしてインタクトな抗体のより非特異的でない組織結合を有し得る(Wahlら、J.Nucl.Med.24:316−325(1983))。従って、これらのフラグメントが好ましい。
【0120】
本発明の抗体は、任意の種々の方法によって調製され得る。例えば、CKα−5タンパク質またはその抗原性フラグメントを発現する細胞は、ポリクローナル抗体を含有する血清の産生を誘導するために動物に投与され得る。好ましい方法において、CKα−5タンパク質の調製物が、天然の夾雑物を実質的に含まないようにするために調製および精製される。次いで、このような調製物は、より比活性の大きいポリクローナル抗血清を産生するために動物に導入される。
【0121】
最も好ましい方法において、本発明の抗体は、モノクローナル抗体(またはそのCKα−5タンパク質結合フラグメント)である。このようなモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術を使用して調製され得る(Kohlerら、Nature 256:495(1975);Kohlerら、Eur.J.Immunol.6:511(1976);Kohlerら、Eur.J.Immunol.6:292(1976);Hammerlingら、Monoclonal
Antibodies and T−Cell Hybridomas,Elsevier,N.Y.(1981)、563〜681頁)。一般に、このような手順は、CKα−5タンパク質抗原またはより好ましくはCKα−5タンパク質発現細胞を使用した、動物(好ましくはマウス)の免疫を含む。適切な細胞は、抗CKα−5タンパク質抗体に結合するそれらの能力によって認識され得る。このような細胞は、任意の適切な組織培養培地において培養され得る;しかし、10%胎児ウシ血清(約56℃で非働化)を補充し、そして約10g/lの非必須アミノ酸、約1,000U/mlのペニシリン、および約100μg/mlのストレプトマイシンを補充したEarleの改変Eagle培地において細胞を培養することが好ましい。このようなマウスの脾細胞を抽出し、そして適切なミエローマ細胞株と融合する。任意の適切なミエローマ細胞株は、本発明に従って利用され得る;しかし、American Type Culture Collection,Rockville,Marylandから入手可能である親ミエローマ細胞株(SP2O)を利用することが好ましい。融合後、得られるハイブリドーマ細胞を、HAT培地において選択的に維持し、次いで、Wands(Gastroenterology 80:225−232(1981))に記載されるように、限界希釈によってクローン化する。次いで、このような選択によって得られるハイブリドーマ細胞を、CKα−5タンパク質抗原に結合し得る抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイする。
【0122】
あるいは、CKα−5タンパク質抗原に結合し得るさらなる抗体を、抗イディオタイプ抗体の使用を介して2工程手順において産生し得る。このような方法は、抗体がそれ自身抗原であり、そしてそれゆえ第2の抗体に結合する抗体を得ることが可能であるという事実を利用する。この方法に従って、CKα−5タンパク質特異的抗体を、動物(好ましくはマウス)を免疫するために使用する。次いで、このような動物の脾細胞を、ハイブリドーマ細胞を産生するために使用し、そしてそのハイブリドーマ細胞を、CKα−5タンパク質特異的抗体に結合する抗体能力がCKα−5タンパク質抗原によってブロックされ得る抗体を産生するクローンを同定するためにスクリーニングする。このような抗体は、CKα−5タンパク質特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、そして動物を免疫してさらなるCKα−5タンパク質特異的抗体の形成を誘導するために使用し得る。
【0123】
本発明の抗体のFabおよびF(ab’)2ならびに他のフラグメントは、本明細書中で開示される方法に従って使用され得ることが理解される。このようなフラグメントを、代表的には、パパイン(Fabフラグメントを生成するために)またはペプシン(F(ab’)2フラグメントを生成するために)のような酵素を用いる、タンパク質分解的切断によって生成する。あるいは、CKα−5タンパク質結合フラグメントを、組換えDNA技術を適用することによって、または合成化学によって産生し得る。
【0124】
ヒトにおける抗CKα−5のインビボでの使用のために、「ヒト化」キメラモノクローナル抗体を使用することが好ましくあり得る。このような抗体は、上記のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来する遺伝子構築物を使用して産生され得る。キメラ抗体を産生する方法は、当該分野で公知である。総説について、Morrison、Science 229:1202(1985);Oiら、BioTechniques 4:214(1986);Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Taniguchiら、EP 171496;Morrisonら、EP 173494;Neubergerら、WO 8601533;Robinsonら,WO 8702671;Boulianneら、Nature 312:643(1984);Neubergerら、Nature 314:268(1985)を参照のこと。
【0125】
(免疫系関連障害)
(診断)
本発明者らは、CKα−5が、好中球および単球において発現されることを発見した。多くの免疫系関連障害について、「標準」CKα−5遺伝子発現レベル、すなわち免疫系障害を有さない個体からの免疫系組織または体液におけるCKα−5発現レベルと比較して、実質的に変化した(増大または減少した)レベルのCKα−5遺伝子発現が、このような障害を有する個体から採取した免疫系組織または他の細胞または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、または髄液)において、検出され得る。従って、本発明は、免疫系障害の診断の間に有用である診断方法を提供し、この方法は、個体からの免疫系組織または他の細胞または体液において、CKα−5タンパク質をコードする遺伝子の発現レベルを測定する工程、および測定された遺伝子発現レベルを標準的なCKα−5遺伝子発現レベルと比較する工程であって、それにより標準と比較した遺伝子発現レベルの増大または減少が、免疫系障害の指標である、工程を包含する。
【0126】
特に、ガン(特に、骨肉種)を有する哺乳動物における特定の組織が、対応する「標準」レベルと比較した場合に、有意に変化したレベルのCKα−5タンパク質およびCKα−5タンパク質をコードするmRNAを発現すると考えられる。さらに、変化されたレベルのCKα−5タンパク質は、ガンを有さない同一の種の哺乳動物からの血清と比較した場合、このようなガンを有する哺乳動物由来の特定の体液(例えば、血清、血漿、尿、および髄液)において、検出され得ると考えられている。
【0127】
従って、本発明は、免疫系障害(骨格系および免疫系のガンを含む)の診断の間に有用である診断方法を提供し、この方法は、個体由来の免疫系組織もしくは骨格系組織または他の細胞または体液においてCKα−5タンパク質をコードする遺伝子の発現レベルを測定する工程、およびその測定された遺伝子発現レベルを標準的なCKα−5遺伝子発現レべルと比較する工程であって、それにより標準と比較した遺伝子発現レベルにおける増大または減少が、免疫系障害の指標である、工程、を包含する。
【0128】
腫瘍の診断を含む、免疫系における障害の診断が、従来の方法に従ってすでに行われている場合、本発明は、予後指標として有用であり、これにより、増強または抑制されたCKα−5遺伝子発現を示す患者が、標準的なレベルにより近いレベルで遺伝子を発現する患者に比較して、より悪い臨床的結果を経験する。
【0129】
「CKα−5タンパク質をコードする遺伝子の発現レベルをアッセイする」により、第一の生物学的サンプルにおいて、CKα−5タンパク質のレベルまたはCKα−5タンパク質をコードするmRNAのレベルを、直接的に(例えば、絶対的タンパク質レベルまたはmRNAレベルを決定または概算することによって)、あるいは相対的に(例えば、第二の生物学的サンプルにおけるCKα−5タンパク質レベルまたはmRNAレベルに対して比較することによって)、定性的または定量的に測定するかまたは概算することを意図する。好ましくは、第一の生物学的サンプルにおけるCKα−5タンパク質レベルまたはmRNAレベルが測定または概算され、そして標準的なCKα−5タンパク質レベルまたはmRNAレベルに対して比較される。この標準は、障害を有さない個体から得られる第2の生物学的サンプルから採取されるか、または免疫系の障害を有さない個体の集団からのレベルを平均化することによって決定される。当該分野で理解されるように、一旦標準的なCKα−5タンパク質レベルまたはmRNAレベルが知られると、それは比較のための標準として反復して使用され得る。
【0130】
「生物学的サンプル」により、個体から得られる任意の生物学的サンプル、体液、細胞株、組織培養物、またはCKα−5タンパク質もしくはmRNAを含有する他の供給源が意図される。示されるように、生物学的サンプルは、遊離のCKα−5タンパク質を含有する体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、免疫系組織、骨格系組織および全長成熟CKα−5またはCKα−5レセプターを発現することが見出されている他の組織供給源を含む。哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は、当該分野で周知である。生物学的サンプルがmRNAを含むべきである場合には、組織生検が好ましい供給源である。
【0131】
本発明は、哺乳動物(好ましくはヒト)における種々の免疫系関連障害の診断または処置のために有用である。このような障害には、腫瘍、ガン、肉腫(例えば、骨肉種)、間隙性肺疾患(例えば、ランゲルハンス細胞肉芽腫症)、および免疫細胞機能の任意の調節障害(自己免疫、関節炎、白血病、リンパ腫、免疫抑制、免疫、体液性免疫、炎症性腸疾患、骨髄抑制などが含まれるがこれらに限定されない)が含まれる。
【0132】
細胞総RNAは、ChomczynskiおよびSacchi(Anal. Biochem. 162:156−159(1987))に記載される一工程グアニジン−チオシアネート−フェノールクロロホルム法のような任意の適切な技術を使用して生物学的サンプルから単離され得る。次いで、CKα−5タンパク質をコードするmRNAのレベルは、任意の適切な方法を使用してアッセイされる。これらには、ノーザンブロット分析、S1ヌクレアーゼマッピング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT−PCR)、およびリガーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT−LCR)が含まれる。
【0133】
生物学的サンプルにおけるCKα−5タンパク質レベルのアッセイは、抗体に基づく技術を用いて行い得る。例えば、組織でのCKα−5タンパク質発現は、古典的な免疫組織学的方法を用いて研究され得る(Jalkanen M.ら、J. Cell. Biol. 101:976−985(1985); Jalkanen M.ら、J. Cell. Biol. 105:3087−3096(1987))。CKα−5タンパク質遺伝子発現を検出するために有用なその他の抗体に基づく方法は、イムノアッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)および放射イムノアッセイ(RIA))を包含する。適切な抗体アッセイ標識は、当該分野で公知であり、そしてグルコースオキシダーゼのような酵素標識、ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、イオウ(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112In)、およびテクネチウム(99mTc)のような放射性同位体、ならびにフルオレセインおよびローダミンのような蛍光標識、ならびにビオチンを含む。
【0134】
個体から得た生物学的サンプルにおいてCKα−5タンパク質レベルをアッセイするのに加えて、CKα−5タンパク質はまた、画像化によってインビボで検出され得る。CKα−5タンパク質のインビボ画像化のための抗体標識またはマーカーは、X線撮影法、NMR、またはESRによって検出可能なものを含む。X線撮影法について、適切な標識には、検出可能な放射線を放射するが、被験体には明白に有害ではないバリウムまたはセシウムのような放射性同位体が含まれる。NMRおよびESRのための適切なマーカーには、関連するハイブリドーマの栄養素を標識することによって抗体中に取り込まれ得る、検出可能特徴を有するスピンを有するもの(例えば、重水素)が含まれる。
【0135】
放射性同位体(例えば、131I、112In、99mTc)、放射線不透過性物質、または核磁気共鳴によって検出可能な物質のような適切な検出可能な画像化部分で標識したCKα−5タンパク質特異的抗体または抗体フラグメントは、免疫系障害について検査される哺乳動物中に導入される(例えば、非経口的に、皮下に、または腹腔内に)。被験体のサイズおよび使用される画像化系が、診断画像を生成するために必要とされる画像化部分の量を決定することが当該分野において理解される。放射性同位体部分の場合、ヒト被験体について、注入される放射能の量は、通常、99mTcの約5〜20ミリキュリーの範囲である。次いで、標識された抗体または抗体フラグメントは、CKα−5タンパク質を含有する細胞の位置に優先的に蓄積する。インビボ腫瘍画像化は、S.W.Burchielら「Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Atibodies and Their Fragments」に記載されている(Tumor Imaging:The Radiochemical Detection of Cancer 第13章、Burchiel,S.W.およびRhodes,B.A.編、Masson Publishing Inc. (1982))。
【0136】
(処置)
上記のように、CKα−5ポリヌクレオチドおよびポリぺプチドは、CKα−5活性の異常に高いかまたは低い発現を伴う状態の診断に有用である。CKα−5が発現される細胞および組織ならびにCKα−5によって調節された活性が与えられれば、標準的なすなわち「正常な」レベルに比較して、個体における実質的に変化した(増大または減少した)レベルのCKα−5の発現は、CKα−5が発現され、および/または活性である身体の系に関連する病理的状態を生じることが容易に明らかである。
【0137】
本発明のCKα−5タンパク質は、ケモカインファミリーのメンバーであるので、このタンパク質の成熟分泌形態は、タンパク質分解によってCKα−5を発現する細胞から可溶性形態で放出され得ることもまた、当業者に理解される。従って、CKα−5が外因性供給源から、個体の細胞、組織または身体に添加される場合、そのタンパク質は、その個体の標的細胞においてその生理的活性を発揮する。また、この膜貫通タンパク質を発現する細胞は、個体の細胞、組織または身体に添加され得、そしてこれらの添加された細胞は、CKα−5に対するレセプターを発現する細胞に結合し、それによってCKα−5を発現する細胞は、レセプターを有する標的細胞に対して作用(例えば、細胞刺激)を生じ得る。
【0138】
それゆえ、個体における標準的または正常なレベルのCKα−5活性における減少によって引き起こされる状態(特に、免疫系の障害)は、CKα−5ポリぺプチドを、可溶性細胞外ドメインの形態、または完全タンパク質を発現する細胞の形態で投与することによって処置され得ることが理解される。従って、本発明はまた、増大したレベルのCKα−5活性を必要とする個体の処置の方法を提供し、この方法は、このような個体に、このような個体においてCKα−5活性レベルを増大させるのに有効な量の本発明の単離されたCKα−5ポリぺプチドを含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0139】
CKα−5は、ELRモチーフを欠いているので、CKα−5はまた、新脈管形成因子ではなく脈管形成停止(angiostatic)因子でもあるはずである。さらに、CKα−5は、内皮細胞機能を阻害するので、広範な抗炎症活性を有する。CKα−5は、抗新血管形成因子として使用されて、宿主防禦細胞(例えば、細胞傷害性T細胞およびマクロファージ)の侵襲および活性化を刺激すること、および腫瘍の脈管形成を阻害することによって固形腫瘍を処置し得る。当業者は、血管増殖が所望されない他の非ガン状態を認識する。また、それらを使用して、殺菌性白血球の誘引および活性化を介して、耐性の慢性感染および急性感染(例えば、ミコバクテリア(myobacterial)感染)に対する宿主防禦を増強し得る。CKα−5をまた使用して、IL−2生合成の阻害によって、T細胞媒介自己免疫疾患およびリンパ球白血病の処置のために、T細胞増殖を阻害し得る。CKα−5をまた使用して、細胞砕片の除去および結合組織促進炎症性細胞の補充を介して、ならびに過剰なTGF媒介線維症のその制御を介しての両方で、創傷治癒を刺激し得る。これと同様に、CKα−5をまた使用して、肝硬変、変形性関節症、および肺線維症を含む他の線維性障害を処置し得る。CKα−5は、住血吸虫症、旋毛虫症および回虫症の際に組織に侵入する寄生生物の幼虫を殺傷する顕著な機能を有する好酸球の存在を増加する。また、これを使用して、例えば、種々の造血性前駆細胞の活性化および分化を調節して、化学療法(すなわち、幹細胞動員)後に骨髄から成熟白血球を放出させることによって、造血を調節し得る。また、CKα−5を使用して、敗血症を処置し得る。また、ELRモチーフを含む特定の変異体を作製することによって、CKα−5−ELRは、新脈管形成が利益がある(すなわち、創傷治癒、創傷もしくは疾患からの損傷四肢の再血管生成、当業者に公知の他のものを促進する)場合に、疾患状態の全てを処置するために有用である。
【0140】
(処方物)
CKα−5ポリペプチド組成物は良好な医療行為に一致した様式で、個々の患者の臨床状態(特に、CKα−5ポリペプチド単独での処置の副作用)、CKα−5ポリペプチド組成物の送達部位、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮しつつ処方され、そして投与される。従って、本明細書における目的のためのCKα−5ポリペプチドの「有効量」は、このような考慮事項によって決定される。
【0141】
一般的な提案として、1用量あたりに非経口的に投与されるCKα−5ポリペプチドの薬学的に有効な総量は、患者の体重あたり約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲であるが、上記のように、これは治療上の裁量を受ける。より好ましくは、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日、そしてヒトについて最も好ましくは、このホルモンについて約0.01と1mg/kg/日との間である。連続投与される場合、CKα−5ポリペプチドは、代表的には、約1μg/kg/時間〜約50μg/kg/時間の用量速度で、1日あたり1〜4回の注射によって、または、例えば、ミニポンプを使用する継続的皮下注入によってのいずれかで投与される。静脈内点滴用バッグ溶液もまた使用され得る。変化を観察するに必要な処置の長さ、および応答が生じるための処置の後の間隔は、所望の効果に応じて変動するようである。
【0142】
本発明のCKα−5を含有する薬学的組成物は、経口、直腸内、非経口、槽内、腟内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、液滴、または経皮パッチによるような)、口腔に(bucally)、または経口もしくは経鼻スプレーとして投与され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性固体、半固体、または液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料、または任意の型の処方補助剤を意味する。本明細書で使用される場合、用語「非経口(的)」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内(intrasternal)、皮下、および関節内の注射および注入を包含する、投与様式をいう。
【0143】
CKα−5ポリペプチドもまた、徐放系によって適切に投与される。徐放性組成物の適切な例は、成型製品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態における半透過性のポリマーマトリクスを含む。徐放性マトリクスは、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481号)、L−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタミン酸のコポリマー(Sidman、U.ら、Biopolymers 22:547−556(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(R.Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15:167−277(1981)、およびR.Langer、Chem.Tech.12:98−105(1982))、エチレン酢酸ビニル(R.Langerら、前出)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)を含む。徐放性CKα−5ポリペプチド組成物はまた、リポソームに捕捉されたCKα−5ポリペプチドを含む。CKα−5ポリペプチドを含むリポソームは、それ自体が公知の方法によって調製される:DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)82:3688−3692(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)77:4030−4034(1980);EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP143,949;EP142,641;日本国特許出願83−118008;米国特許第4,485,045号、および同4,544,545号;およびEP102,324を参照のこと。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)単層型であり、ここで脂質含有率は、約30モル%コレステロールより多く、選択された部分は、最適なCKα−5ポリペプチド治療について調整される。
【0144】
非経口投与について、1つの実施態様において、CKα−5ポリペプチドは、一般には、所望の程度の純度で、このポリペプチドを単位用量注入可能な形態(溶液、懸濁液または乳濁液)で、薬学的に受容可能なキャリア(すなわち、使用された投薬量および濃度においてレシピエントに対して非毒性であり、そして処方物の他の成分と適合性であるもの)とを混合することによって処方される。例えば、この処方物は、好ましくは、酸化剤およびポリペプチドにとって有害であることが公知である他の化合物を含まない。
【0145】
一般に、処方物は、CKα−5ポリペプチドを、液体キャリアまたは細かく粉砕した固体キャリアまたは両方と、均一にかつしっかりと接触させることによって調製される。次いで、必要である場合、産物は、所望の処方物へと成型される。好ましくは、キャリアは、非経口キャリアであり、より好ましくは、レシピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビヒクルの例は、水、生理食塩水、リンゲル液、およびデキストロース溶液を含む。非水性ビヒクル(例えば、不揮発油およびオレイン酸エチル)もまた、本明細書において、リポソームと同様に有用である。
【0146】
キャリアは、等張性および化学的安定性を増強する物質のような微量の添加物を適宜含む。このような物質は、使用された投薬量および濃度においてレシピエントに対して非毒性であり、そしてリン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、および他の有機酸またはそれらの塩のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化剤;低分子量(約10残基未満の)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまたはトリペプチド);タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチン、またはイムノグロブリン);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、またはアルギニン);単糖、二糖および他の炭水化物(セルロースまたはその誘導体、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む);キレート剤(例えば、EDTA);糖アルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール);対イオン(例えば、ナトリウム);および/または非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート、ポロキサマー)、またはPEGを含む。
【0147】
CKα−5ポリペプチドは、代表的に、このようなビヒクル中で約0.1mg/ml〜100mg/mlの濃度で、好ましくは1〜10mg/mlの濃度で、pH約3〜8で処方される。上記の特定の賦形剤、キャリア、または安定化剤の使用は、CKα−5ポリペプチド塩の形成をもたらすことが理解される。
【0148】
治療的な投与について使用されるCKα−5ポリペプチドは、滅菌されなければならない。滅菌性は、滅菌濾過メンブレン(例えば、0.2ミクロンメンブレン)を通しての濾過により容易に達成される。治療的CKα−5ポリペプチド組成物は、一般に、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針によって穿孔可能なストッパーを有する静脈溶液バッグまたはバイアルへ配置される。
【0149】
CKα−5ポリペプチドは、通常、単位または多用量容器、例えば、密封アンプルまたはバイアルにおいて、水溶液または再構成のための凍結乾燥処方物として貯蔵される。凍結乾燥処方物の例として、10mlバイアルに、5mlの滅菌濾過1%(w/v)水性CKα−5ポリペプチド溶液を満たし、そして得られた混合物を凍結乾燥する。注入溶液を、静菌注射用水を用いて凍結乾燥したCKΑ−5ポリペプチドを再構成することによって調製する。
【0150】
本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1以上の成分を満たした1以上の容器を含む薬学的パックまたはキットを提供する。薬学的産物または生物学的産物の製造、使用または販売を規制する政府当局によって規定される形式の通知が、このような容器にともなう。この通知は、ヒトへの投与のための製造、使用または販売の当局による承認を反映する。さらに、本発明のポリペプチドは、他の治療化合物とともに使用され得る。
【0151】
(アゴニストおよびアンタゴニスト − アッセイおよび分子)
本発明はまた、レセプター分子のようなCKα−5結合分子との相互作用のような、細胞に対するCKα−5の作用を増強またはブロックする化合物を同定する化合物のスクリーニング方法を提供する。アゴニストは、CKα−5の天然の生物学的機能を増強させるか、またはCKα−5と類似する様式で機能する化合物であり、他方、アンタゴニストは、このような機能を減少または消去する。
【0152】
この実施態様の別の局面において、本発明は、CKα−5ポリペプチドに特異的に結合するレセプタータンパク質または他のリガンド結合タンパク質を同定するための方法を提供する。例えば、細胞区画(例えば、メンブレンまたはその調製物)は、CKα−5を結合する分子を発現する細胞から調製され得る。調製物は、標識されたCKΑ−5とインキュベートされる。CKΑ−5がレセプターもしくは他の結合タンパク質に結合した複合体は、当該分野で公知の慣用方法に従って単離および特徴づけされる。あるいは、CKΑ−5ポリペプチドは、固体支持体に結合され得、その結果、細胞から可溶化された結合分子は、カラムに結合し、次いで溶出され、そして慣用方法に従って特徴づけされる。
【0153】
アゴニストまたはアンタゴニストについての本発明のアッセイにおいて、細胞区画(例えば、メンブレンまたはその調製物)は、CKα−5を結合する分子(例えば、CKα−5によって調節されるシグナル経路または調節経路の分子)を発現する細胞から調製され得る。調製物は、CKα−5アゴニストまたはアンタゴニストであり得る候補分子の非存在または存在下で標識されたCKα−5とインキュベートされる。候補物質が結合分子を結合する能力は、標識されたリガンドの結合の減少を反映する。無償に、すなわちCKα−5結合分子との結合に対するCKα−5の効果を誘導することなく、結合する分子が、おそらく良好なアンタゴニストである。良好に結合し、そしてCKα−5と同一または密接に関連する効果を惹起する分子はアゴニストである。
【0154】
可能性のあるアゴニストおよびアンタゴニストのCKα−5様の効果は、例えば、細胞または適切な細胞調製物と候補分子との相互作用後にセカンドメッセンジャー系の活性を決定すること、およびCKα−5またはCKα−5と同一の効果を惹起する分子と効果を比較することによって測定され得る。この点に関して有用であり得るセカンドメッセンジャー系は、AMPグアニル酸シクラーゼ、イオンチャネル、またはホスホイノシチド加水分解物セカンドメッセンジャー系を含むがこれらに限定されない。
【0155】
CKα−5アンタゴニストについてのアッセイの別の例は、CKα−5および可能性のあるアンタゴニストと、メンブレン結合CKα−5レセプター分子または組換えCKα−5レセプター分子とを、競合阻害アッセイについて適切な条件下で合わせる競合アッセイである。CKα−5は、レセプター分子に結合したCKα−5分子の数を正確に決定して可能性のあるアンタゴニストの有効性を評価し得るように、例えば、放射能で標識され得る。
【0156】
可能性のあるアンタゴニストは、本発明のポリペプチドに結合し、それによってその活性を阻害するかまたは消去する、有機低分子、ペプチド、ポリペプチド、および抗体を含む。可能性のあるアンタゴニストはまた、有機低分子、ペプチド、ポリペプチド(例えば、結合分子(例えば、レセプター分子)上の同一の部位にCKα−5誘導性活性を誘導せずに結合し、それによりCKα−5が結合することを排除することによってCKα−5の作用を妨害する、密接に関連するタンパク質または抗体)であり得る。
【0157】
他の潜在的なアンタゴニストは、アンチセンス分子を含む。アンチセンス技術を用いて、アンチセンスDNAまたはRNAを介して、あるいは三重らせん形成を介して遺伝子発現を制御するために使用され得る。アンチセンス技術は、例えば以下において考察される:Okano、J.Neurochem.56:560(1991);「Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression.」CRC Press、Boca Raton、FL(1988)。三重らせん形成は、例えば以下においてに考察される:Leeら、Nucleic Acids Research 6:3073(1979);Cooneyら、Science 241:456(1988);およびDervanら、Science 251:1360(1991)。この方法は、相補的DNAまたはRNAに対するポリヌクレオチドの結合に基づく。例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの5’コード部分を使用して、約10〜40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計し得る。DNAオリゴヌクレオチドを、転写に関与する遺伝子の領域に相補的であるように設計し、それにより、転写およびCKα−5の産生を妨害する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボでmRNAにハイブリダイズし、そしてmRNA分子のCKα−5ポリペプチドへの翻訳をブロックする。上記のオリゴヌクレオチドはまた、アンチセンスRNAまたはDNAがインビボで発現されてCKα−5タンパク質の産生を阻害するように細胞へと送達され得る。
【0158】
アゴニストおよびアンタゴニストは、例えば上記のような薬学的に受容可能なキャリアとの組成物において使用され得る。
【0159】
アンタゴニストは、例えば、特定の自己免疫性および慢性炎症性および感染性疾患における、マクロファージおよびその前駆体、ならびに好中球、好塩基球、Bリンパ球およびいくつかのT細胞サブセット(例えば、活性化およびCD8細胞傷害性T細胞およびナチュラルキラー細胞)の走化性および活性化を阻害するために使用され得る。自己免疫疾患の例としては、多発性硬化症、およびインスリン依存性糖尿病が挙げられる。アンタゴニストはまた、単核食細胞の補充および活性化を防ぐことによる、珪肺症、サルコイドーシス、特発性肺線維症を含む感染性疾患の処置に使用され得る。アンタゴニストはまた、好酸球産生および移動を妨げることによって、特発性好酸球増多症候群を処置するために使用され得る。エンドトキシンショックもまた、アンタゴニストによって、マクロファージの移動および本発明のヒトケモカインポリペプチドの産生を妨害することにより処置され得る。このアンタゴニストはまた、動脈壁において単球侵襲を妨害することによってアテローム性硬化症を処置するために使用され得る。このアンタゴニストはまた、ヒスタミン媒介アレルギー反応および後期アレルギー反応、慢性蕁麻疹、およびアトピー性皮膚炎を含む免疫学的障害を、ケモカイン誘導マスト細胞および好塩基球分解およびヒスタミンの放出を阻害することによって処置するために用いられ得る。IgE媒介性アレルギー反応(例えば、アレルギー性喘息、鼻炎、および湿疹)もまた処置され得る。また、アンタゴニストを使用して、創傷領域への単球の誘引を妨害することによって慢性炎症および急性炎症を処置し得る。また、アンタゴニストを使用して、正常な肺マクロファージ集団を調節し得る。なぜなら、慢性炎症性肺疾患および急性炎症性肺疾患は、肺における単核食細胞の分離と関連するからである。また、アンタゴニストを使用して、患者の関節における滑液への単球の誘引を妨害することによって慢性関節リウマチを処置し得る。単球流入および活性は、変性関節症および炎症性関節症の両方の病原において重要な役割を果たしている。このアンタゴニストを使用して、IL−1およびTNFへ主に寄与する有害なカスケードを妨害し得る。これは、他の炎症性ケモカインの生合成を予防する。このようにして、このアンタゴニストを使用して炎症を予防し得る。また、このアンタゴニストを使用して、ケモカインによって誘発されるプロスタグランジン非依存性の発熱を阻害し得る。また、このアンタゴニストを使用して、骨髄不全(例えば、再生不良性貧血および骨髄形成異常症候群)の症例を処置し得る。また、このアンタゴニストを使用して、肺における好酸球蓄積を妨げることによって喘息およびアレルギーを処置し得る。また、このアンタゴニストを使用して、喘息肺の顕著な特徴である上皮下基底膜線維症を処置し得る。CKα−5に対する抗体を使用して、CKα−5活性に結合しそして阻害して、損傷後に肺への好中球の侵襲を予防することによって、ARDSを処置し得る。上記のアンタゴニストのいずれかを、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、本明細書以下に記載されるようなもの)との組成物中で使用され得る。
【0160】
(遺伝子マッピング)
本発明の核酸分子はまた、染色体同定に有用である。この配列は、個々のヒト染色体上の特定の位置に特異的に標的化され、そしてその位置とハイブリダイズし得る。さらに、染色体における特定の部位を同定することへの必要性が現在存在する。実際の配列データ(反復多型性)に基づく染色体マーキング試薬は現在、染色体位置をマークするのにはほどんと利用可能ではない。本発明に従う染色体へのDNAのマッピングは、それらの配列を、疾患に関連した遺伝子と相関づけることにおいて重要な第一段階である。
【0161】
この点における特定の好ましい実施態様において、本明細書中で開示されるcDNAは、CKα−5タンパク質遺伝子のゲノムDNAをクローニングするために用いられる。これは、一般的に市販されている、種々の周知の技術およびライブラリーを用いて達成され得る。次いで、この目的のための周知の技術を用いて、インサイチュ染色体マッピングのためにゲノムDNAが用られる。
【0162】
さらに、いくつかの場合において、配列は、cDNAからPCRプライマー(好ましくは、15〜25bp)を調製することにより、染色体にマッピングされ得る。遺伝子の3’非翻訳領域のコンピューター分析を用いて、ゲノムDNAにおいて1より多いエキソンにまたがらず、従って、増幅プロセスを複雑化しないプライマーを迅速に選択する。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含有する体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングのために用いられる。中期染色体スプレッドに対するcDNAクローンの蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(「FISH」)を用いて、一工程で、正確な染色体位置を提供し得る。この技術は、50または60bp程度の短いcDNA由来のプローブと共に用いられ得る。(この技術の概説については、Vermaら、Human Chromosomes:A Manual of Basic Techniques, Pergamon Press, New York(1988)を参照のこと)。
【0163】
一旦、配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上の配列の物理的な位置は、遺伝子マップデータと相関づけられ得る。このようなデータは、例えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance In Man(Johns Hopkins University, Welch Medical Libraryからオンラインで入手可能である)に見出される。次いで、同じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との間の関係が、連鎖解析(物理的に隣接した遺伝子の同時遺伝)によって同定される。
【0164】
次に、罹患個体と非罹患個体との間でのcDNAまたはゲノム配列における差異を決定することが必要である。変異がいくつかまたは全ての罹患個体において認められるが、いずれの正常個体にも認められない場合、その変異は、疾患の原因因子である可能性が高い。
【0165】
本発明を一般的に記載してきたが、本発明は、以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるが、以下の実施例は、例示の目的で提供され、限定として意図されない。
【0166】
(実施例)
(実施例1(a):E.coliにおける「Hisタグ化」CKα−5の発現および精製)
細菌性発現ベクターpQE60を、本実施例において、細菌性発現のために使用する(QIAGEN, Inc., 9259 Eton Avenue, Chatsworth, CA, 91311)。pQE60はアンピシリン抗生物質耐性(「Ampr」)をコードし、そして細菌の複製起点(「ori」)、IPTG誘導性プロモーター、リボソーム結合部位(「RBS」)、QUIAGEN, Inc.,前出から市販されているニッケルニトリロトリ酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂を使用するアフィニティー精製を可能にするヒスチジン残基をコードする6つのコドン、および適切な単一の制限酵素切断部位を含む。これらのエレメントは、ポリペプチドをコードする挿入されたDNAフラグメントが、そのポリペプチドのカルボキシル末端に共有結合した6つのHis残基(すなわち、「6×Hisタグ」)を有するそのポリペプチドを発現するように、配置される。
【0167】
疎水性リーダー配列および膜貫通ドメインを欠くCKα−5タンパク質の所望の部分をコードするDNA配列を、CKα−5タンパク質の所望の部分のアミノ末端配列およびcDNAコード配列の3’に対する寄託された構築物における配列にアニールするPCRオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、寄託されたcDNAクローンから増幅する。pQE60ベクターにおけるクローニングを容易にするために制限部位を含むさらなるヌクレオチドを、それぞれ5’および3’配列に加える。
【0168】
成熟タンパク質をクローニングするために、5’プライマーは、下線を付したNcoI制限部位を含む、配列5’GCGCCATGGAATGGCAACGAGGGCAGC3’(配列番号15)を有する。当業者は、当然ながら、タンパク質コード配列における5’プライマーが開始する点が、タンパク質の成熟形態よりもより短いかまたはより長い完全CKα−5タンパク質の任意の所望の部分をコードするDNAセグメントを増幅するよう変化させ得ることを認識する。3’プライマーは、下線を付したHindIII制限部位を含む、配列5’CGCAAGCTTTTATGTGGCTGATGTCCTGGC3’(配列番号16)を有する。
【0169】
増幅されたCKα−5 DNAフラグメントおよびベクターpQE60を、NcoIおよびHindIIIで消化し、次いで消化したDNAを互いに連結する。CKα−5 DNAの制限されたpQE60ベクターへの挿入は、IPTG誘導性プロモーターから下流の、および開始AUGおよび6つのヒスチジンコドンにインフレームのCKα−5タンパク質コード配列を配置する。
【0170】
あるいは、好ましい細菌発現ベクターである、アンピシリン耐性遺伝子を含む「pHE4−5」をこの実施例において使用し得る。pHE4−5/MPIFD23ベクタープラスミドDNAは、独特の制限酵素部位NdeIとAsp718との間の充填インサートを含み、そして、アメリカンタイプカルチャーコレクション、12301 Park Lawn Drive、Rockeville、Maryland 20852に、1997年9月30日に寄託し、そして受託番号209311を付与された。本明細書中で記載されたNdeIおよびAsp718についての制限酵素部位をそれぞれのプライマーにおいてNcoIおよびHindIIIに置換した5’プライマーおよび3’プライマーを使用して、pHE4−5へサブクローニングするためのDNAフラグメントをコードする適切なCKα−5を増幅し得る。pHE4−5/MPIFD23におけるスタッファーDNAインサートは、CKα−5フラグメントのpHE4−5への連結の前に除去されるべきである。pHE4−5は、ほとんどの異種タンパク質の高収量を可能にする強力な細菌プロモーターを含む。
【0171】
連結混合液を、Sambrookら,Molecular Cloning:
a Laboratory Manual, 2nd Ed.; Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold
Spring Harbor, NY (1989)に記載のような標準的な手順を使用してコンピテントなE. coli細胞に形質転換する。プラスミドpREP4(lacリプレッサーを発現し、そしてカナマイシン耐性を付与する(「Kanr」))の多コピーを含むE. coli株M15/rep4を、本明細書に記載される例示的な実施例を実行するために使用する。CKα−5タンパク質を発現するのに適切な多くの内の1つにすぎないこの株は、QIAGEN, Inc.,前出から市販されている。形質転換体を、アンピシリンおよびカナマイシンの存在下でLBプレート上で生育するそれらの能力によって同定する。プラスミドDNAを、耐性コロニーから単離し、そしてクローン化されたDNAの同一性を、制限分析、PCR、およびDNA配列決定によって確認する。
【0172】
所望の構築物を含むクローンを、アンピシリン(100μg/ml)およびカナマイシン(25μg/ml)を補充したLB培地における液体培養物中で一晩(「O/N」)増殖させる。O/N培養物を用いて約1:25〜1:250の希釈率で大規模培養物に接種した。細胞を、0.4と0.6との間の600nmでの光学密度(「OD600」)にまで増殖させる。次いで、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(「IPTG」)を添加して1mMの最終濃度にし、lacIリプレッサーを不活化することにより、lacリプレッサー感受性プロモーターからの転写を誘導する。細胞をさらに3時間から4時間の間引き続きインキュベートする。次いで細胞を遠心分離により採集する。
【0173】
次いで細胞を3〜4時間4℃にて、6M 塩酸グアニジン、pH 8中で撹拌する。細胞細片を遠心分離によって除去し、そしてCKα−5を含む上清を、ニッケルニトリロトリ酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂カラム(QUIAGEN, INC.,前出から入手可能)にロードする。6×Hisタグを有するタンパク質は、Ni−NTA樹脂に高いアフィニティーで結合し、そして簡単な一工程の手順で精製され得る(詳細には、QIAexpressionist, 1995, QUIAGEN, Inc., 前出を参照のこと)。簡潔には、上清を6M 塩酸グアニジン、pH 8中でカラムにロードし、カラムを最初に10容量の6M 塩酸グアニジン、pH 8で洗浄し、次いで10容量の6M 塩酸グアニジン、pH 6で洗浄し、そして最後にCKα−5を6M 塩酸グアニジン、pH 5で溶出させる。
【0174】
次いで精製したタンパク質を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)または50mM Na−酢酸、pH 6緩衝液および200mM NaClに対して透析することによって再生させる。あるいは、タンパク質を、Ni−NTAカラム上に固定されている間に首尾よく再折り畳みし得る。推奨される条件は、以下の通りである:プロテアーゼインヒビターを含む、500mM NaCl、20%グリセロール、20 mM Tris/HCl pH 7.4中での直線状6M−1M尿素グラジエントを用いる再生。再生を1.5時間以上の時間にわたって行うべきである。再生後、タンパク質を250mMイミダゾールの添加によって溶出し得る。イミダゾールを、PBSまたは50mM酢酸ナトリウムpH 6緩衝液および200mM NaClに対する最終透析工程によって除去する。精製したタンパク質を4℃に保存するか、または−80℃にて凍結させる。
【0175】
以下の代替的な方法は、それが封入体の形態で存在する場合の、E. coliにおいて発現されたCKα−5を精製するために使用され得る。他に特定されない限り、すべての以下の工程は4〜10℃で行われる。
【0176】
E. coli発酵の生産相の完了に際して、細胞培養物を、4〜10℃に冷却し、そして細胞を15,000rpmにおける連続的な遠心分離(Heraeus Sepatech)によって収穫する。細胞ペーストの単位重量あたりのタンパク質の予測される収量および必要とされる精製タンパク質の量に基づいて、細胞ペーストの適切な量(重量による)を、100mM Tris、50mM
EDTA、pH 7.4を含む緩衝溶液中に懸濁する。細胞を、高剪断ミキサーを使用して均質な懸濁液に分散させる。
【0177】
次いで、ミクロフルーダイザー(Microfluidics, Corp.
またはAPV Gaulin, Inc.)に溶液を通過させる(4000〜6000psi、2回)ことにより、細胞を溶解させる。次いでホモジネートを、NaCl溶液と混合して最終濃度0.5 M NaClにし、その後7000×gで15分間遠心分離する。生ずるペレットを、再度0.5 M NaCl、100mM Tris、50mM EDTA、pH 7.4を用いて洗浄する。
【0178】
得られる洗浄した封入体を、1.5M 塩酸グアニジン(GuHCl)で2〜4時間可溶化する。7000×gで15分間遠心分離後、ペレットを捨て去り、そしてCKα−5ポリペプチドを含む上清を4℃で一晩インキュベートし、さらなるGuHCl抽出を可能にする。
【0179】
不溶性粒子を取り除くための高速遠心分離(30,000×g)の後、GuHCl可溶化タンパク質を、GuHCl抽出物と20容量の50mM ナトリウム、pH 4.5、150mM NaCl、2mM EDTAを含む緩衝液を、激しく撹拌しながら迅速に混合することによって、再折り畳みさせる。再折り畳みした希釈タンパク質溶液を、さらなる精製工程の前の12時間、混合することなく4℃に保つ。
【0180】
再折り畳みしたCKα−5ポリペプチド溶液を清澄化するために、あらかじめ準備した、適切な表面領域に0.16μmメンブレンフィルターを備える、40mM 酢酸ナトリウム、pH6.0で平衡化した接線流濾過ユニット装置(例えば、Filtron)を使用する。濾過した試料を、陽イオン交換樹脂(例えば、Poros HS−50, Perseptive Biosystems)にロードする。カラムを、40mM酢酸ナトリウム、pH 6.0、で洗浄し、そして同じ緩衝液中の250mM、500mM、1000mM、および1500mM NaClで、段階的な様式で溶出する。溶出液中の280nmにおける吸光度を、連続的にモニターする。画分を収集し、そしてSDS−PAGEによってさらに分析する。
【0181】
次いで、CKα−5ポリペプチドを含む画分をプールし、そして4容量の水と混合する。次いで希釈した試料を、あらかじめ準備した強陰イオン交換樹脂(Poros HQ−50, Perseptive Biosystems)のカラムおよび弱陰イオン交換樹脂(Poros CM−20, Perseptive Biosystems)のカラムの直列のセットにロードする。カラムを、40mM酢酸ナトリウム、pH 6.0で平衡化する。両方のカラムを、40mM酢酸ナトリウム、pH 6.0、200mM NaClで洗浄する。次いで
CM−20カラムを、0.2M NaCl、50mM酢酸ナトリウム、pH 6.0〜1.0M NaCl、50mM酢酸ナトリウム、pH 6.5の範囲の10カラム容量の直線状勾配を用いて溶出する。溶出液の一定のA280モニタリング下で画分を回収する。次にCKα−5ポリペプチドを含む画分(例えば、16%SDS−PAGEによって決定する)をプールする。
【0182】
得られるCKα−5ポリペプチドは、上記の再折り畳みおよび精製工程後に95%より高い純度を示す。5μgの精製タンパク質をロードする場合に、クマシーブルー染色16%SDS−PAGEゲルで主要な混在バンドは観察されない。精製したタンパク質は、エンドトキシン/LPS混入についてまた試験され、そして代表的にはLPS含量は、LALアッセイに従って0.1ng/ml未満である。
【0183】
(実施例2:バキュロウイルス発現系におけるCKα−5タンパク質のクローニングおよび発現)
この例示的実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2を用いて、その天然に付随する分泌シグナル(リーダー)配列を含む、完全タンパク質をコードするクローニングされたDNAを、成熟CKΑ−5タンパク質を発現するためにバキュロウイルスに、Summersら、A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures、Texas Agricultural Experimental Station Bulletin 第1555号(1987)に記載のような標準的な方法を用いて挿入する。この発現ベクターは、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーターを含み、続いてBamHI、XbaIおよびAsp718のような都合良い制限部位を含む。シミアンウイルス40(「SV40」)のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために用いる。組換えウイルスの平易な選択のために、プラスミドは、同じ方向で、弱いDrosophilaプロモーターの制御下で、E.coli由来のβガラクトシダーゼ遺伝子を含み、続いて、ポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルを含む。挿入された遺伝子には、野生型ウイルスDNAとの細胞媒介性相同組換えのためにウイルス配列が両側に隣接して、クローニングされたポリヌクレオチドを発現する生存可能なウイルスを産生する。
【0184】
当業者に容易に理解されるように、構築物が、必要ならば、シグナルペプチドおよびインフレームAUGを含む、転写、翻訳、分泌などのための適切に配置されたシグナルを提供する限り、多くの他のバキュロウイルスベクターを、上記のベクターの代わりに用い得る(例えば、pAc373、pVL941、およびpAcIM1)。このようなベクターは、例えば、Luckowら、Virology 170:31〜39(1989)に記載される。
【0185】
寄託されたクローン中に、全長CKα−5タンパク質をコードするcDNA配列(AUG開始コドン、および配列番号2に示される天然に付随するリーダー配列を含む)を、遺伝子の5’配列および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。5’プライマーは、下線を付したBamHI制限酵素部位、Kozak,M.,J.Mol.Biol.196:947−950(1987)に記載されるような真核生物細胞において翻訳の開始のための効率的なシグナルをむ、配列5’CGCGGATCCGCCATCATGGGACGGGACTTGCGG3’(配列番号17)を有する。3’プライマーは、下線を付したXbaI制限部位を含む、配列5’GCGTCTAGATCAGGTATTAGAGTCAGG3’(配列番号18)を有する。当業者は、他のプライマーを使用してより短いポリペプチドをコードする核酸フラグメントを生成し得ることを認識する。例えば、上記の5’プライマー(配列番号19)と、以下の3’プライマーとともに使用して、可溶性細胞外ドメインをコードする核酸フラグメントを増幅し得る:
5’GCGTCTAGATTATGTGGCTGATGTCCTGGC3’(配列番号19)。3’プライマーは下線を付したXbaI部位を含む。
【0186】
増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc., La Jolla, Ca)を用いて、1%アガロースゲルから単離する。次いで、このフラグメントを、BamHIおよびXbaIで消化し、そして、再度1%アガロースゲル上で精製する。
【0187】
このプラスミドを、制限酵素BamHIおよびXbaIで消化し、そして必要に応じて、当該分野で公知の慣用技術を用いて、仔ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化し得る。次いで、このDNAを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc., La Jolla, Ca)を用いて1%アガロースゲルから単離する。
【0188】
フラグメントおよび脱リン酸化プラスミドを一緒に、T4 DNAリガーゼで連結する。E.coli HB101またはXL−1 Blue(Stratagene Cloning Systems, La Jolla, CA)細胞のような他の適切なE.coli宿主を、連結混合物で形質転換し、そして培養プレートに塗布する。BamHIおよびXbaIを用いて個々のコロニーからのDNAを消化すること、次いでゲル電気泳動による消化産物の分析によってヒトCKα−5遺伝子を有するプラスミドを含む細菌を同定する。クローニングされたフラグメントの配列を、DNA配列決定によって確認する。このプラスミドを、本明細書中で、pA2GPCKα−5と称する。
【0189】
5μgのプラスミドpA2GPCKα−5を、Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417(1987)によって記載されたリポフェクション法を用いて、1.0μgの市販の線状化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculovirus DNA」, Pharmingen, San Diego, CA.)とともに同時トランスフェクトする。1μgのBaculoGoldTMウイルスDNAおよび5μgのプラスミドpA2GPCKα−5を、50μlの無血清グレース培地(Life Technologies Inc., Gaithersburg, MD)を含むマイクロタイタープレートの滅菌ウェル中で混合する。その後、10μlのリポフェクチンおよび90μlのグレース培地を添加し、混合し、そして室温にて15分間インキュベートする。次いで、このトランスフェクション混合物を、無血清グレース培地1mlを有する35mm組織培養プレート内に播種されたSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下する。次いでプレートを、27℃で5時間インキュベートする。次いで、トランスフェクション溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ胎児血清を補充した1mlのグレース昆虫培地を添加する。次いで培養を、27℃で4日間継続する。
【0190】
4日後、上清を収集し、そしてSummersおよびSmith、前出に記載されるようにプラークアッセイを行う。「Blue Gal」(Life Technologies Inc., Gaithersburg)を有するアガロースゲルを用いて、青色染色されたプラークを生じるgal発現クローンの簡素な同定および単離を可能にする。(このタイプの「プラークアッセイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.、 Gaithersburg、で配布される昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学のための使用者ガイド(9〜10頁)においても見い出され得る)。適切なインキュベーション後、青色染色されたプラークをマイクロピペッター(例えば、Eppendorf)のチップで拾う。次いで、組換えウイルスを含む寒天を、200μlのグレース培地を含む微小遠心管中に再懸濁する。そして、組換えバキュロウイルスを含む懸濁液を用いて、35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染させる。例えば制限酵素分析を用いてプラスミドpC4に挿入されたフラグメントを含む細菌を同定する。
【0191】
活性なDHFR遺伝子を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トランスフェクションのために使用する。5μgの発現プラスミドpC4を、リポフェクチン法(Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSVneoとともに同時トランスフェクトする。プラスミドpSV2−neoは、優性選択マーカー(G418を含む一群の抗生物質に対する耐性を与える酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子)を含む。細胞を、1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、そして10、25、または50ng/mlのメトトレキサートおよび1mg/ml
G418を補充したαマイナスMEM中のハイブリドーマクローニングプレート(Greiner, Germany)に播種する。約10〜14日後、単一のクローンをトリプシン処理し、次いで異なる濃度のメトトレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を用いて、6ウェルペトリ皿または10mlフラスコに播種する。次いで、最高濃度のメトトレキサートで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサート(1μM、2μM、5μM、10μM、20μM)を含む新たな6ウェルプレートに移す。同じ手順を、100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得られるまで繰り返す。所望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS−PAGEおよびウェスタンブロット分析または逆相HPLC分析によって分析する。
【0192】
(実施例4:CKα−5 mRNA発現の組織分布)
ノーザンブロット分析を、とりわけ上記に引用したSambrookらによって記載される方法を用いて行って、ヒト組織におけるCKα−5遺伝子発現の調査を実施する。CKα−5タンパク質の全ヌクレオチド配列(配列番号1)を含むcDNAプローブを、rediprimeTM DNA標識系(Amersham Life Science)を製造者の説明書に従って使用して32Pで標識する。標識後、プローブを、CHROMA SPIN−100TMカラム(Clontech Laboratories, Inc.)を製造者のプロトコル番号PT1200−1に従って使用して精製する。次いで、精製した標識プローブを用いて、種々のヒト組織をCKα−5 mRNAについて調べる。
【0193】
種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含むMultiple
Tissue Northern(MTN)ブロットを、Clontechから入手し、そしてExpressHybTMハイブリダイゼーション溶液(Clontech)を製造者のプロトコル番号PT1190−1に従って使用し標識化プローブを用いて調べる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄後、ブロットをマウントし、そして−70℃にて一晩フィルムに曝し、そして標準的な手順に従って、フィルムを現像する。
【0194】
本発明は前述の詳細な説明および実施例に特に記載されたものとは他の方法で実施され得ることが明らかである。本発明の多数の改変および変更は、上述の教示に照らして可能であり、それゆえ添付の請求の範囲の範囲内である。
【0195】
本明細書中に引用した全ての刊行物(特許、特許出願、雑誌論文、実験室マニュアル、本、または他の文書を含む)の全ての開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0196】
さらに、本明細書とともに提出したハードコピーおよびその電子的形態での配列表は、両方とも本明細書において参考として援用される。
マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Biochem J. 227:277−279(1991);Bebbingtonら、Bio/Technology 10:169−175(1992))。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地において増殖させ、そして最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は染色体に組み込まれた増幅された遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびNSO細胞は、タンパク質の産生にしばしば使用される。
【0197】
発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LTR)(Cullenら、Mol. Cell. Biol., 438−447(1985))およびCMVエンハンサーのフラグメント(Boshartら、Cell 41:521−530(1985))を含む。複数のクローニング部位(例えば、制限酵素切断部位BamHI、XbaI、およびAsp718を有する)は、目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクターはさらに、ラットプレプロインシュリン遺伝子の3’イントロン、ポリアデニル化シグナル、および終結シグナルを含む。
【0198】
(実施例3(a):COS細胞におけるクローニングおよび発現)
発現プラスミドpCKα−5HAを、CKα−5タンパク質の細胞外ドメインをコードするcDNAの一部を発現ベクターpcDNAI/AmpまたはpcDNAIII(これは、Invitrogen, Inc.から入手し得る)へクローニングすることによって作製する。
【0199】
発現ベクターpcDNAI/ampは以下を含む:(1)E.coliおよび他の原核生物細胞における増殖に有効なE.coli複製起点;(2)プラスミド含有原核生物細胞の選択のためのアンピシリン耐性遺伝子;(3)真核生物細胞における増殖のためのSV40複製起点;(4)CMVプロモーター、ポリリンカー、SV40イントロン;(5)cDNAが都合良くCMVプロモーターの発現制御下におかれ、そしてポリリンカーにおける制限部位によってSV40イントロンおよびポリアデニル化シグナルに作動可能に連結され得るように配置された、赤血球凝集素フラグメントをコードするいくつかのコドン(すなわち、精製を容易にするための「HA」タグ)に続く終止コドンおよびポリアデニル化シグナル。HAタグは、Wilsonら、Cell 37:767(1984)によって記載されたインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応する。標的タンパク質へのHAタグの融合は、HAエピトープを認識する抗体を用いた、組換えタンパク質の容易な検出および回収を可能にする。pcDNAIIIはさらに、選択可能なネオマイシンマーカーを含む。
【0200】
CKα−5ポリペプチドの可溶性細胞外ドメインをコードするDNAフラグメントを、組換えタンパク質発現がCMVプロモーターによって指向されるように、ベクターのポリリンカー領域にクローン化する。プラスミド構築戦略は、以下のとおりである。寄託されたクローンのCKα−5 cDNAを、E.coliにおけるCKα−5発現のためのベクターの構築について先に記載されるのとほとんど同じように、都合の良い制限部位を含むプライマーを用いて増幅する。適切なプライマーは、以下の本実施例に使用されたプライマーを含む。5’プライマーは、下線を付したBamHI部位、コザック配列、およびAUG開始コドンを含み、以下の配列を有する:配列5’CGCGGATCCGCCATCATGGGACGGGACTTGCGG3’(配列番号17)を有する。3’プライマーは、下線を付したXbaIを含み、以下の配列5’GCGTCTAGATCAGGTATTAGAGTCAGG3’(配列番号19)を有する。
【0201】
PCR増幅DNAフラグメントおよびベクターpcDNAI/Ampを、BamHIおよびXbaIで消化し、次いで連結する。連結混合物で、E.coli株SURE(Stratagene Cloning Systems, 11099 North Torrey Pines Road,La Jolla, CA 92037より入手可能)に形質転換し、そして形質転換培養物を、アンピシリン培地プレートへプレーティングし、次いで、インキュベートしてアンピシリン耐性コロニーを増殖させる。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、そしてCKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインをコードするフラグメントの存在について制限分析または他の手段によって試験する。
【0202】
組換えCKα−5の発現のために、COS細胞を、例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: a Laboratory Manual, Cold Spring Laboratory Press,
Cold Spring Harbor, New York(1989)に記載のようにDEAE−dextranを用いて、上記のように発現ベクターでトランスフェクトする。細胞を、ベクターによるCKα−5の発現のための条件下でインキュベートする。
【0203】
CKα−5−HA融合タンパク質の発現を、例えば、Harlowら, Antibodies: A Laboratory Manual,第2版; Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York(1988)に記載の方法を用いて放射標識化および免疫沈降法によって検出する。この目的のため、トランスフェクションの2日後に、細胞を、35S−システインを含む培地中で8時間インキュベートすることによって標識する。細胞および培地を採取し、そして細胞を洗浄し、そしてWilsonら(上記に引用される)に記載されるように界面活性剤含有RIPA緩衝液:150mM NaCl、1% NP−40、0.1% SDS、1% NP−40、0.5% DOC、50mM TRIS、pH 7.5で溶解する。タンパク質を、HA特異的モノクローナル抗体を用いて細胞溶解物および培養培地から沈降する。次いで、沈降されたタンパク質を、SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーによって分析する。期待されるサイズの発現産物は、細胞溶解物において観察され、これはネガティブコントロールにおいては見られない。
【0204】
(実施例3(b):CHO細胞におけるクローニングおよび発現)
本実施例において、ベクターpC4を、CKα−5ポリペプチドの発現のために使用する。プラスミドpC4は、プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である。このプラスミドは、SV40初期プロモーターの制御下で、マウスDHFR遺伝子を含む。これらのプラスミドでトランスフェクトされているジヒドロ葉酸活性を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞または他の細胞は、化学療法剤メトトレキサートを補充した選択培地(αマイナスMEM、Life Technologies)中で細胞を増殖させることによって選択され得る。メトトレキサート(MTX)に耐性である細胞におけるDHFR遺伝子の増幅は、十分に考証されている(例えば、Alt,F.W.、Kellems,R.M.、Bertino,J.R.、およびSchimke,R.T.、1978,J.Biol.Chem.253:1357−1370、Hamlin,J.L.およびMa,C. 1990, Biochem. et Biophys. Acta, 1097:107−143;Page,M.J.およびSydenham,M.A. 1991, Biotechnology 9:64−68を参照のこと)。漸増濃度のMTXにおいて増殖した細胞は、DHFR遺伝子の増幅の結果として、標的酵素DHFRを過剰産生することによって薬物への耐性を生じる。第2の遺伝子がDHFR遺伝子と連鎖する場合、通常、同時増幅され、そして過剰発現される。増幅した遺伝子の1,000を超えるコピーを有する細胞株を開発するためにこのアプローチを使用し得ることは、当該分野において公知である。続いて、メトトレキサートが取り除かれると、宿主細胞の1つ以上の染色体に組み込まれた増幅遺伝子を含む細胞株が得られる。
【0205】
プラスミドpC4は、目的の遺伝子の発現のために、ラウス肉腫ウイルス(Cullenら、Mol. Cell. Biol.,1985:438−447)の長末端反復(LTR)の強力なプロモーター、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)(Boshartら、Cell 41:521−530 (1985))の前初期遺伝子のエンハンサーから単離されたフラグメントを含む。プロモーターの下流には、遺伝子の組み込みを可能にする以下の単一の制限酵素切断部位が存在する:BamHI、XbaI、およびAsp718。これらのクローニング部位の後ろに、プラスミドは、ラットプレプロインスリン遺伝子の3’イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。他の高効率プロモーター(例えば、ヒトβアクチンプロモーター、SV40初期もしくは後期プロモーター、または他のレトロウイルス(例えば、HIVおよびHTLVI)由来の長末端反復)もまた、発現のために使用され得る。ClontechのTet−OffおよびTet−On遺伝子発現系および類似する系は、哺乳動物細胞において調節された方法でCKα−5ポリペプチドを発現するために使用され得る(Gossen,M.およびBujard,H. 1992, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547−5551)。mRNAのポリアデニル化のために、他のシグナル(例えば、ヒト成長ホルモンまたはグロビン遺伝子由来)も、同様に使用され得る。染色体に組み込まれた目的の遺伝子を有する安定な細胞株もまた、選択マーカー(例えば、gpt、G418、またはハイグロマイシン)との同時トランスフェクションに際して選択され得る。最初は、1つより多い選択マーカー(例えば、G418およびメトトレキサート)を使用することが、有利である。
【0206】
プラスミドpC4を、制限酵素BamHIおよびXbaIで消化し、次いで仔ウシ腸ホスファターゼを用いて、当該分野で公知の手順によって脱リン酸化する。次いで、ベクターを、1%アガロースゲルから単離する。
【0207】
CKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインをコードするDNA配列を、遺伝子の所望の部分の5’および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。5’プライマーおよび3’プライマーは、上記の実施例3(a)において使用されたものと同一である。
【0208】
増幅させたフラグメントを、エンドヌクレアーゼであるBamHIおよびXbaIで消化し、次いで1%アガロースゲルで再度精製する。次いで、単離したフラグメントおよび脱リン酸化ベクターを、T4 DNAリガーゼで連結する。次いで、E.coli HB101またはXL−1 Blue細胞を形質転換し、そして例えば制限酵素分析を用いてプラスミドpC4に挿入されたフラグメントを含む細菌を同定する。
【0209】
活性なDHFR遺伝子を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トランスフェクションのために使用する。5μgの発現プラスミドpC4を、リポフェクチン法(Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSVneoとともに同時トランスフェクトする。プラスミドpSV2−neoは、優性選択マーカー(G418を含む一群の抗生物質に対する耐性を与える酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子)を含む。細胞を、1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、そして10ng/ml、25ng/ml、または50ng/mlのメトトレキサートおよび1mg/ml G418を補充したαマイナスMEM中のハイブリドーマクローニングプレート(Greiner, Germany)に播種する。約10〜14日後、単一のクローンをトリプシン処理し、次いで異なる濃度のメトトレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を用いて、6ウェルペトリ皿または10mlフラスコに播種する。次いで、最高濃度のメトトレキサートで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサート(1μM、2μM、5μM、10μM、20μM)を含む新たな6ウェルプレートに移す。同じ手順を、100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得られるまで繰り返す。所望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS−PAGEおよびウェスタンブロット分析または逆相HPLC分析によって分析する。
【0210】
(実施例4:CKα−5 mRNA発現の組織分布)
ノーザンブロット分析を、とりわけ上記に引用したSambrookらによって記載される方法を用いて行って、ヒト組織におけるCKα−5遺伝子発現の調査を実施する。CKα−5タンパク質の全ヌクレオチド配列(配列番号1)を含むcDNAプローブを、rediprimeTM DNA標識系(Amersham Life Science)を製造者の説明書に従って使用して32Pで標識する。標識後、プローブを、CHROMA SPIN−100TMカラム(Clontech Laboratories, Inc.)を製造者のプロトコル番号PT1200−1に従って使用して精製する。次いで、精製した標識プローブを用いて、種々のヒト組織をCKα−5 mRNAについて調べる。
【0211】
種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含むMultiple
Tissue Northern(MTN)ブロットを、Clontechから入手し、そしてExpressHybTMハイブリダイゼーション溶液(Clontech)を製造者のプロトコル番号PT1190−1に従って使用し標識化プローブを用いて調べる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄後、ブロットをマウントし、そして−70℃にて一晩フィルムに曝し、そして標準的な手順に従って、フィルムを現像する。
【0212】
本発明は前述の詳細な説明および実施例に特に記載されたものとは他の方法で実施され得ることが明らかである。本発明の多数の改変および変更は、上述の教示に照らして可能であり、それゆえ添付の請求の範囲の範囲内である。
【0213】
本明細書中に引用した全ての刊行物(特許、特許出願、雑誌論文、実験室マニュアル、本、または他の文書を含む)の全ての開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0214】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1A】図1A〜Cは、CKα−5のヌクレオチド配列(配列番号1)および推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。約27アミノ酸の推定リーダー配列に下線を付す。図1のリーダー配列の開始メチオニン残基は、位置番号+1で示され、これに対し配列番号2の対応する配列中のリーダー位置は、負の位置番号で称されることに注意のこと。従って、図1のリーダー配列1〜27位は、配列番号2の−27〜−1位に対応する。
【図1B】図1A〜Cは、CKα−5のヌクレオチド配列(配列番号1)および推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。約27アミノ酸の推定リーダー配列に下線を付す。図1のリーダー配列の開始メチオニン残基は、位置番号+1で示され、これに対し配列番号2の対応する配列中のリーダー位置は、負の位置番号で称されることに注意のこと。従って、図1のリーダー配列1〜27位は、配列番号2の−27〜−1位に対応する。
【図1C】図1A〜Cは、CKα−5のヌクレオチド配列(配列番号1)および推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。約27アミノ酸の推定リーダー配列に下線を付す。図1のリーダー配列の開始メチオニン残基は、位置番号+1で示され、これに対し配列番号2の対応する配列中のリーダー位置は、負の位置番号で称されることに注意のこと。従って、図1のリーダー配列1〜27位は、配列番号2の−27〜−1位に対応する。
【図2】図2は、Bestfit(Wisconsin Sequence Analysis Package、Version 8 for Unix(登録商標)、Genetics Computer Group、University Research Park、575 Science Drive、Madison、WI 53711)によってデフォールトパラメーターを用いて決定した、CKα−5タンパク質と、MIP1−βに関するラットmRNAの翻訳産物(配列番号3)とのアミノ酸配列間の同一性の領域を示す。
【図3】図3は、CKα−5アミノ酸配列の分析を示す。α、β、ターン、およびコイル領域;親水性および疎水性;両親媒性領域;可撓性領域;抗原性指標、および表面確率が示されている。「抗原性指標−Jameson−Wolf」のグラフにおいて、正のピークは、CKα−5タンパク質の高度に抗原性の領域(すなわち、本発明のエピトープ保有ペプチドが得られ得る領域)の位置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含有する単離されたポリヌクレオチド:
(a)配列番号2の残基−27〜227をコードするヌクレオチド配列;
(b)配列番号2の残基−26〜227をコードするヌクレオチド配列;
(c)配列番号2の残基1〜227をコードするヌクレオチド配列;
(d)配列番号2の残基1〜178をコードするヌクレオチド配列;
(e)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされる完全長ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
(f)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるN末端メチオニンを除く完全なポリペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
(g)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされる成熟ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
(h)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;および
(i)上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)または(h)における任意のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−94863(P2006−94863A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334620(P2005−334620)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【分割の表示】特願2000−522220(P2000−522220)の分割
【原出願日】平成10年11月18日(1998.11.18)
【出願人】(597018381)ヒューマン ジノーム サイエンシーズ, インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】Human Genome Sciences, Inc.
【住所又は居所原語表記】9410 Key West Avenue, Rockville, Maryland 20850, United States of America
【Fターム(参考)】