説明

ケモカイン・モジュレーター(CCR)としての新規ピペリジン類

【課題】薬理活性を有するピペリジン誘導体、該誘導体の製造方法、該誘導体を含む医薬組成物、および活性な治療薬としての該誘導体の使用を提供することが本発明の課題である。
【解決手段】式(I):


は、所望によりハロゲン、シアノ、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルによって置換されているフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキル、またはC3−6シクロアルキルであり;そして
は、1.0から8.0のpKa(計算値もしくは測定値)を有する、NHもしくはOHを有する基である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供することにより、課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬理活性を有するピペリジン誘導体、該誘導体の製造方法、該誘導体を含む医薬組成物、および活性な治療薬としての該誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
薬学的に活性なN−(2−ヒドロキシプロパ−1−イル)ピペリジン誘導体は、WO 03/068743 に開示されている。
【0003】
ヒスタミンは、塩基性のアミンである2−(4−イミダゾリル)−エチルアミンであり、ヒスチジン デカルボキシラーゼによって、ヒスチジンから形成される。ヒスタミンは、身体の大部分の組織で見出されるが、肺、皮膚、および胃腸管において、高濃度で存在する。細胞レベルでは、肥満細胞や好塩基球のような炎症性細胞が、大量のヒスタミンを蓄えている。肥満細胞や好塩基球の脱顆粒と、続くヒスタミンの放出は、アレルギー過程の臨床的発症に対応する基本的なメカニズムであると認識されている。ヒスタミンは、H1、H2、およびH3の3つの主要なタイプからなる特異的ヒスタミン G−タンパク質結合受容体への効果によって、その作用を生じる。ヒスタミン H1 アンタゴニストは、アレルギー性疾患、特に鼻炎および蕁麻疹を有する患者の処置に用いられる薬物の最も大きなクラスを構成する。H1のアンタゴニストは、例えば毛細血管後の静脈平滑筋へのヒスタミンの作用をブロックし、その結果血管の透過性、滲出、および浮腫を減少させることによって、アレルギー応答を制御するのに有用である。該アンタゴニストはまた、c−タイプの痛覚神経線維上のH1 受容体へのヒスタミンの作用をブロックし、その結果かゆみとくしゃみを減少させる。
【0004】
ケモカインは、多くの種類の細胞によって放出され、マクロファージ、T細胞、好酸球、好塩基球、および好中球を炎症部位に引き寄せる走化性サイトカインであり、また免疫系の細胞の成熟にも役割を果たしている。ケモカインは、喘息、アレルギー性疾患、およびリウマチ性関節炎やアテローム硬化症のような自己免疫性疾病を含む、種々の疾患において、免疫応答および炎症応答に重要な役割を果たしている。これらの分泌された小分子は、保存された4個のシステイン・モチーフによって特徴付けられている8〜14kDaのタンパク質の増大しつつあるスーパーファミリーである。ケモカインのスーパーファミリーは、特徴的な構造モチーフを示す、Cys−X−Cys (C−X−C、またはα)ファミリーと Cys−Cys (C−C、またはβ)ファミリーの、2つの主要なグループに分類される。これらは、システイン残基のNH−隣接ペアの間への1個のアミノ酸の挿入、および配列の類似性に基づいて区別されている。
【0005】
C−X−Cケモカインは、インターロイキン−8(IL−8)や好中球活性化ペプチド 2(NAP−2)のような、幾つかの好中球の強力な走化性物質とアクチベーターを含む。
C−Cケモカインは、単球とリンパ球の強力な走化性物質を含むが好中球の走化性物質を含まず、例えばヒトの単球走化性タンパク質1−3(MCP−1、MCP−2、およびMCP−3)や、RANTES(Regulated on Activation, Normal T Expressed and Secreted)や、エオタキシンやマクロファージ炎症性タンパク質 1αおよび1β(MIP−1αおよびMIP−1β)である。
【0006】
ケモカインの作用が、CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、およびCXCR4と名付けられた受容体を含むGタンパク質結合受容体のサブファミリーによって、媒介されていることが証明されている。これらの受容体は、これらの受容体を調節する薬物が上記の疾患の処置に有用であることから、薬物開発上の好適なターゲットとなっている。
【0007】
ウイルス感染は、肺の炎症を引き起こすことが知られている。普通の風邪は、気道において、粘膜のエオタキシン産出を増大させることが実験的に示されている。鼻へのエオタキシンの滴下は、普通の風邪の幾つかの兆候と症状を模倣し得る (Greiff L et al Allergy (1999) 54(11) 1204-8 [Experimental common cold increase mucosal output of eotaxin in atopic individuals] および Kawaguchi M et al Int. Arch. Allergy Immunol. (2000) 122 S1 44 [Expression of eotaxin by normal airway epithelial cells after virus A infection] を参照のこと)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の化合物は、CCR3介在疾病状態(例えば喘息および/または鼻炎)の処置に有用であり、哺乳動物に存在する他の受容体、例えばG−蛋白質結合受容体(例えばα1アドレナリン受容体および5HT2B受容体)や、イオンチャネル(例えば:ヒトether-a-go-go-related gene (hERG) カリウム・チャネル)と比べて、CCR3受容体対して良好な特異性(例えば活性で100倍の差)を示す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、式(I):
【化1】

は、所望によりハロゲン、シアノ、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルによって置換されているフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキル、またはC3−6シクロアルキルであり;そして
は、1.0から8.0のpKa(計算値もしくは測定値)を有する、NHもしくはOHを有する基である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のある種の化合物は、異なる異性体の形態(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体もしくは互変異性体)で存在し得る。本発明は、全てのこのような異性体、および全ての割合でのそれらの混合物を含む。
【0011】
適当な塩は、酸付加塩を含み、例えば塩酸塩、二塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、二酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、またはp−トルエンスルホン酸塩である。塩はまた金属塩を含み、例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩もしくはカリウム塩)、またはアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム塩もしくはカルシウム塩)である。
【0012】
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば水和物)として存在してもよく、本発明は、全てのこのような溶媒和物を含む。
【0013】
式(I)の化合物のpKaは、ACD/Labs 6.00 software (Advanced Chemistry Development Inc, 90 Adelaide Street, West Toronto, Ontario, Canada)を用いて計算する。式(I)の化合物のpKaは、下記に示す方法の1つを用いて測定する。
【0014】
ハロゲンは、例えばフッ素もしくは塩素である。
アルキル基およびアルキル部分は、直鎖もしくは分枝鎖であり、例えば、メチル、エチル、−プロピル、イソ−プロピル、またはtert−ブチルである。
シクロアルキルは単環式であり、例えば、シクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0015】
ハロアルキルは、1個以上の(例えば1から6個の)ハロゲン(例えばクロロまたはフルオロ原子)を有するアルキル基であり、例えばCF、CHCFまたはCである。
フルオロアルキルは、1個以上の(例えば1から6個の)フルオロ原子を有するアルキルであり、例えば、CHF、CF、CHCFまたはCである。
【0016】
1つの態様において、本発明は、式(I)の化合物[式中、Rは所望によりハロゲン、シアノもしくはC1−4アルキルによって置換されているフェニルである]を提供する。
【0017】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物[式中、Rは、ハロゲン(例えばフルオロもしくはクロロ)、シアノ、またはC1−4アルキル(例えばメチル)の1個、2個、もしくは3個で置換されたフェニルであり;例えばRはフルオロ、クロロ、メチルもしくはシアノの1個、2個もしくは3個によって置換されているフェニルである]を提供する。別の態様において、Rは、フルオロ、クロロ、シアノ、またはメチル(例えばクロロ、シアノもしくはメチル)の1個、2個もしくは3個(例えば2個もしくは3個)によって置換されているフェニルである。Rは、例えば、3,4−ジクロロフェニル、2−メチル−3−クロロ−4−シアノフェニル、2−メチル−4−クロロフェニル、3−メチル−2,4−ジクロロフェニル、2−メチル−3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−シアノフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−フルオロ−4−クロロフェニル、または4−クロロフェニル(例えば2−メチル−4−クロロフェニル、3−メチル−2,4−ジクロロフェニル、2−メチル−3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−シアノフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−フルオロ−4−クロロフェニルもしくは4−クロロフェニル)である。いっそうさらなる態様において、Rは、3,4−ジクロロフェニルまたは3−クロロ−4−シアノフェニルである。
【0018】
本発明のさらなる態様において、Rは、クロロもしくはメチルの1個以上によって置換されている、かつ所望によりさらにフルオロによって置換されているフェニルである。例えば、Rは、2−メチル−4−クロロフェニル、3−メチル−2,4−ジクロロフェニル、2−メチル−3,4−ジクロロフェニル、3−フルオロ−4−クロロフェニル、4−クロロフェニル、または3,4−ジクロロフェニルである。
【0019】
本発明の別の態様において、Rは、3,4−ジクロロフェニル、2−メチル−4−クロロフェニル、3−メチル−2,4−ジクロロフェニル、2−メチル−3,4−ジクロロフェニル、または2−メチル−3−クロロ−4−シアノフェニルである。
【0020】
いっそうさらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物[式中、Rは水素またはC1−4アルキル(例えばメチル)である]を提供する。
本発明のさらに別の態様において、Rは水素である。
【0021】
の酸性のNH(1.0から8.0のpKa(計算値もしくは測定値)を有するNHである)は、環の一部であり得るか、またはそれはアリール環もしくは複素環における置換基の一部であり得る。Rの酸性のOH(1.0から8.0のpKa(計算値もしくは測定値)を有するOHである)は、置換基、またはアリール環もしくは複素環における置換基の一部(例えばカルボン酸基におけるOH)であり得る。従って、例えば、Rの酸性のOHは、酸性のフェノールの一部か、カルボン酸における、またはヒドロキシ芳香族性複素環(例えば互変異性によってピリドンと成り得るヒドロキシピリジン)におけるOHであり得る。
【0022】
アリールは、所望により置換されているフェニルおよびナフチルを含む。
複素環は、必要であれば窒素、酸素および硫黄を含む群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、所望により置換されている芳香族性もしくは非芳香族性5員環もしくは6員環;またはそのN−オキシド、またはそのS−オキシドもしくはS−ジオキシドである。複素環は、例えば、フリル、チエニル(チオフェニルとしても知られている)、ピロリル、2,5−ジヒドロピロリル、チアゾリル(例えば2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾリルにおける)、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(例えば1H−1,2,3−トリアゾリルにおける)、ピリジニル(例えば6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジニルにおける)、またはピリミジニルである。
【0023】
本発明の1つの態様において、Rの酸性のNHは、適当に置換されている環の一部(例えばピロリル、2,5−ジヒドロピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニルもしくはピリミジニル環の一部)、または適当に置換されているアリール(例えばフェニルもしくはナフチル)もしくは適当に置換されている複素環(例えばフリル、チエニル、ピロリル、2,5−ジヒドロピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニルもしくはピリミジニル)における置換基の一部である。
【0024】
本発明の別の態様において、Rの酸性のOHは、適当に置換されているアリール(例えばフェニルもしくはナフチル)もしくは適当に置換されている複素環(例えばフリル、チエニル、ピロリル、2,5−ジヒドロピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニルもしくはピリミジニル)における置換基または置換基の一部(例えばカルボン酸基におけるOH)である。従って、例えば、Rの酸性のOHは、酸性のフェノール(置換もしくは非置換)の一部か、カルボン酸における、もしくは適当に置換されているヒドロキシ芳香族性複素環(例えば互変異性によってピリドンと成り得るヒドロキシピリジン)におけるOHであり得る。適当に置換されているヒドロキシ芳香族性複素環のさらなる例は、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、およびヒドロキシベンゾイミダゾールである。
【0025】
本発明の1つの態様において、Rの酸性のNHが適当に置換されている環の一部である場合、それは、例えば、2−オキソ−チアゾール−5−イル、2−オキソ−オキサゾール−5−イル、2−オキソ−イミダゾール−5−イル、1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、4−オキソ−1H−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル、2,6−ジオキソ−1H−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル、6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イルもしくは2H−テトラゾール−5−イル環の一部である。
【0026】
本発明の別の態様において、Rの酸性のNHが適当に置換されている環の一部である場合、それは、例えば、2−オキソ−チアゾール−5−イル、1H−1,2,3−トリアゾール−4−イルもしくは6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル環である。
【0027】
本発明のさらなる態様において、Rの酸性のNHが置換基の一部である場合、それは、例えば、NHS(O)(C1−4アルキル)の一部である。
【0028】
別の態様において、本発明は、Rが3から6.5のpKa(計算値もしくは測定値)を有するNHもしくはOHを有する基である、式(I)の化合物を提供する。
【0029】
さらに別の態様において、本発明は、Rが、1.0から8.0(例えば3から6.5)のpKa(計算値もしくは測定値)を有するNHもしくはOHを有する基であって、ここで該基:Rは、例えば、
●4位に適当な電子吸引置換基{例えばC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、アリール基(例えば4−フルオロフェニル)、複素環(例えばピリジル)、またはCHS(O)(C1−4アルキル)}を有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
●4位に適当な電子吸引置換基{例えばC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、またはCHS(O)(C1−4アルキル)}を有する2−オキソ−オキサゾール−5−イル;
●5位に適当な置換基{例えばC1−4アルキル(例えばCHもしくはCH(CH))、C3−6シクロアルキル(例えばシクロプロピル)、C1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、S−R(ここで、RはC1−4アルキル[例えばCH]、C1−4フルオロアルキル[例えばCF、CHCFもしくはC]、またはC3−6シクロアルキル[例えばシクロプロピル]である)、NHS(O)(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)S(O)(C1−4アルキル)、アリール(例えば4−フルオロフェニル)、複素環(例えばピリジル)、またはCHS(O)(C1−4アルキル)}を有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;
●2位に適当な電子吸引置換基{例えばC1−4フルオロアルキル(例えばCFもしくはC)}を有する4−オキソ−1H−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル;
●3位に適当な置換基{例えばC1−4アルキル(例えばCH)、C3−6シクロアルキル(例えばシクロプロピル)、またはCH(C1−3フルオロアルキル)(例えばCHCF)}を有し、かつ1個以上の他の環の位置で所望により置換されている2,6−ジオキソ−1H−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル;
●2位および/または5位に適当な電子吸引置換基{例えばC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、シアノ、またはフェニル}を有し、かつ1個以上の他の環の位置で所望により置換されている6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
●環窒素上にCHCOHを有し、かつ1個以上の他の環の位置で所望により置換されている6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
●2H−テトラゾール−5−イル;
●所望により置換されているフェニル上の、所望により置換されているCHOフェニル上の、所望により置換されているナフチル環上の、もしくは所望により置換されているアシル化された(例えばC(O)(C1−4アルキル)を有する)ジヒドロイソキノリニル環上の基:COH、CHCOHもしくはOCHCOH;または
●所望により置換されている芳香族性複素環(例えばピリジニル、ピリミジニルもしくはチアゾリル)上の基:NHS(O)(C1−4アルキル)(例えばNHS(O)CH);
である式(I)の化合物、または可能であればその互変異性体を提供する。
【0030】
本発明の1つの態様において、アシル化された(例えばC(O)(C1−4アルキル)を有する)ジヒドロイソキノリニルは、7位にCOH、CHCOHまたはOCHCOHを有する。
【0031】
さらに別の態様において、本発明は、1.0から8.0(例えば3から6.5)のpKa(計算値もしくは測定値)を有する、NHまたはOHを有する基であって、ここで該基:Rは、例えば、
●4位に適当な電子吸引置換基{例えばC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、アリール(例えば4−フルオロフェニル)、複素環(例えばピリジル)、またはCHS(O)(C1−4アルキル)}を有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
●4位に適当な電子吸引置換基{例えばC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、またはCHS(O)(C1−4アルキル)}を有する2−オキソ−オキサゾール−5−イル;
●5位に適当な置換基{例えばC1−4アルキル(例えばCH)、C3−6シクロアルキル(例えばシクロプロピル)、C1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、S−R(ここで、Rは、C1−4アルキル[例えばCH]、C1−4フルオロアルキル[例えばCF、CHCFもしくはC]、またはC3−6シクロアルキル[例えばシクロプロピル]である)、NHS(O)(C1−4アルキル)、アリール(例えば4−フルオロフェニル)、複素環(例えばピリジル)、またはCHS(O)(C1−4アルキル)}を有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;
●2位に適当な電子吸引置換基{例えばC1−4フルオロアルキル(例えばCFもしくはC)}を有する4−オキソ−1H−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル;
●3位に適当な置換基{例えばC1−4アルキル(例えばCH)、C3−6シクロアルキル(例えばシクロプロピル)、またはCH(C1−3フルオロアルキル)(例えばCHCF)}を有する2,6−ジオキソ−1H−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル;
●2位もしくは5位に適当な電子吸引置換基{例えばC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、またはシアノ}を有し、かつ他の位置で所望により置換されている6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
●2H−テトラゾール−5−イル;
●所望により置換されているフェニル環もしくはナフチル環上の基:COH;または
●所望により置換されている芳香族性複素環(例えばピリジニル、ピリミジニルもしくはチアゾリル)上の基:NHS(O)(C1−4アルキル)(例えばNHS(O)CH);
である式(I)の化合物、または可能であればその互変異性体を提供する。
【0032】
上記のようにR中の複素環が、所望により置換されている場合、それは、所望により、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、C1−4アルキル(例えばメチル)、C3−6シクロアルキル(例えばシクロプロピル)、C1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、S−R(ここで、Rは、C1−4アルキル[例えばCH]、C1−4フルオロアルキル[例えばCF、CHCFもしくはC]、またはC3−6シクロアルキル[例えばシクロプロピル]である)、シアノ、S(O)(C1−4アルキル)(例えばS(O)CH)、またはS(O)NH(C1−4アルキル)(例えばS(O)NHCH)によって置換され得る。
【0033】
上記のようにR中のフェニル環もしくはナフチル環が、所望により置換されている場合、それは、所望により、例えば、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)}、OCF、SCF、ニトロ、S(C1−4アルキル)、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)NH(C1−4アルキル)、S(O)N(C1−4アルキル)、NHC(O)(C1−4アルキル)、NHS(O)(C1−4アルキル)によって置換され得る。
【0034】
本発明の1つの態様において、Rが、
●4位にC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)を有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
●5位に適当な置換基{例えばC1−4アルキル(例えばCH)、またはS−R(ここで、RはC1−4フルオロアルキル[例えばCF、CHCFもしくはC]である)}を有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;
●3位に適当な置換基{例えばC1−4アルキル(例えばCH)、またはC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)}を有する2,6−ジオキソ−1H−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル;
●2位もしくは5位に適当な電子吸引置換基{例えばC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、またはシアノ}を有し、かつ他の位置で所望により置換されている6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
●所望により置換されているナフチル環上の基:COH;または
●所望により置換されている芳香族性複素環(例えばピリジニル、ピリミジニルもしくはチアゾリル)上の基:NHS(O)(C1−4アルキル)(例えばNHS(O)CH);
または可能であればその互変異性体であり;
ここで、所望の置換基は、上記で定義した通りである。
【0035】
さらに別の態様において、本発明は、
が、
●4位に適当な電子吸引置換基{例えばC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、フェニル(例えば4−フルオロフェニル)、または複素環(例えばピリジル)}を有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
●5位に適当な置換基{例えばC1−4アルキル(例えばCHもしくはCH(CH))、C1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、S−R(ここで、RはC1−4アルキル[例えばCH]、またはC1−4フルオロアルキル[例えばCF、CHCFもしくはC]である)、N(C1−4アルキル)S(O)(C1−4アルキル)、またはフェニル(例えば4−フルオロフェニル)}を有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;または
●2位もしくは5位にC1−4フルオロアルキル(例えばCF、CHCFもしくはC)、またはシアノを有する6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
である、式(I)の化合物を提供する。
【0036】
別の態様において、本発明は、Rが、
●4位にCFもしくはCを有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
●5位にCF、C、SCF、SCHCFまたはSC(例えばCFもしくはSCHCF)を有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;または
●2位にCFもしくはCを有する6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
である、式(I)の化合物を提供する。
【0037】
さらに別の態様において、本発明は、2−ヒドロキシ基が、以下:
【化2】

に示す立体化学を有する、式(I)の化合物を提供する。
【0038】
本発明の化合物は、以下の実施例で説明される。
本発明の化合物は、先行技術(例えば WO 03/068743)に記載された方法、または記載された方法と同様の方法によって製造され得る。このような方法における中間体は、先行技術(例えば WO 03/068743)に記載された方法、または当該記載された方法と同様の方法によって製造され得る。
【0039】
式(I)の化合物は、式(II):
【化3】

[式中、RおよびRは、上記で定義した通りである]の化合物を、式(III):
【化4】

[式中、Lは、脱離基(例えばヒドロキシもしくはクロロ脱離基)であり、そしてRは、上記で定義した通りである]の化合物と、塩基(例えばトリ(C1−6アルキル)アミン塩基(例えばトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン)もしくはN,N−ジメチルホルムアミド)の存在下で、適当な溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンもしくはジオキサン、または1個以上のこれら溶媒の混合物)の存在下で、所望によりカップリング剤(例えばブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート、PyBrOPまたはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート)の存在下で反応させることによって製造され得る。
【0040】
式(II)の化合物は、WO 00/58305 もしくは WO 01/77101 に記載された通りに、または式(IV):
【化5】

[式中、Rは上記で定義した通りである]の化合物を、
(i) 式(V):
【化6】

[式中、Lは、脱離基(例えばクロロもしくはノシルオキシ{3−NO−C−S(O)O−})である]の化合物と反応させ、次にアンモニアと、もしくはアミン:R−NHと反応させるか、またはアジ化ナトリウムと反応させて次に例えばトリフェニルホスフィンで還元することによって、または
(ii) 式(VI):
【化7】

[式中、PおよびPは、単独でもしくは一体となって、適当な保護基(例えば一体となってフタルイミドを形成する)であるか、またはPまたはPの何れかがRである]の化合物と反応させ、次に、例えばPおよびPがフタルイミドを形成する場合はヒドラジンを用いて脱保護することによって製造され得る。
【0041】
式(V)の化合物は市販されているか、または文献に記載されている方法を用いて製造され得る。
式(VI)の化合物は、(R)もしくは(S)−グリシドールを、Mitsunobu 反応条件下で、例えばフタルイミド、1,1−(アゾジカルボニル)ジピペリジンおよびトリブチルホスフィンと反応させることによって製造され得る(Tetrahedron Lett. 1993, 34, 1639)。
【0042】
さらに、式(I)の化合物は、上記の経路、先行技術に記載された方法、または下記の実施例の通常の適合によって製造され得る。上に述べた中間体は、市販されているか、もしくは先行技術に記載された方法を用いるかもしくは適合させることによって製造され得る。
【0043】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の製造方法を提供する。
本発明の化合物は、医薬として、特にケモカイン受容体(例えばCCR3)活性のモジュレーターとして活性を有し、自己免疫性、炎症性、増殖性、もしくは過剰増殖性疾患、または免疫介在疾患(移植された臓器もしくは組織の拒絶反応および後天性免疫不全症候群(AIDS)を含む)の処置に用いられ得る。
【0044】
1つの態様において、これらの状態の例は、
(1)[呼吸管]
以下を含む気道の閉塞性疾患:慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば不可逆性COPD);喘息{例えば気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息または塵埃喘息、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発性喘息もしくは気道過剰症)};気管支炎{例えば好酸球性気管支炎};急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎、または慢性鼻炎(乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎もしくは薬物性鼻炎を含む);膜性鼻炎(クループ性鼻炎、フィブリン性鼻炎もしくは偽膜性鼻炎を含む)、または腺病性鼻炎;季節性鼻炎(神経性鼻炎(枯草熱)を含む)、または血管運動神経性鼻炎;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;鼻腔ポリープ症;類肺繊維症(fibroid lung)、特発性間質性肺炎、鎮咳活性、気道の炎症状態に関連する慢性咳の処置、または医原誘発性咳;
(2)[骨および関節]
以下を含む関節炎:リウマチ性、感染性、自己免疫性、血清反応陰性脊椎関節症(例えば強直性脊椎炎、乾癬性関節炎もしくはライター病)、ベーチェット病、シェーグレン症候群または全身性硬化症;
(3)[皮膚および眼]
乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎またはその他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、皮膚脈管炎(angiodermas)、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、ブドウ膜炎、円形脱毛症または春季結膜炎;
(4)[胃腸管]
セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸疾患、または腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎もしくは湿疹);
(5)[同種移植片拒絶反応]
例えば腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚もしくは角膜の移植後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;および/または
(6)[他の組織もしくは疾患]
アルツハイマー病、多発性硬化症、アテローム硬化症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、狼瘡疾患(例えばエリテマトーデスもしくは全身性エリテマトーデス)、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、I型糖尿病、ネフローゼ症候群、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、ハンセン病(例えばらい腫性らい)、歯周病、セザリー症候群、特発性血小板減少性紫斑、または月経周期異常;
である。
【0045】
本発明の化合物はまた、H1アンタゴニストであり、アレルギー性疾患の処置に用いられ得る。
本発明の化合物はまた、一般的に風邪と言われる徴候および/または症候(例えば普通の風邪もしくはインフルエンザもしくは他の呼吸器関連ウイルス感染の徴候および/または症候)を制御するために用いられ得る。
【0046】
本発明のさらなる特徴によって、治療(予防を含む)による、温血動物(例えばヒト)の処置方法に使用するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0047】
本発明のさらなる特徴によって、ケモカイン受容体活性を調節するまたはH1と拮抗する処置が必要な温血動物(例えばヒト)において、ケモカイン受容体活性(例えばCCR3受容体活性)を調節するまたはH1と拮抗する方法であって、該動物に、有効量の式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0048】
本発明はまた、医薬として使用するための、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を提供する。
別の態様において、本発明は、治療(例えば温血動物(例えばヒト)において、ケモカイン受容体活性(例えばCCR3受容体活性)を調節するまたはH1と拮抗する)に使用する医薬の製造における、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0049】
本発明は、さらに、温血動物(例えばヒト)における、
(1)[呼吸管]
以下を含む気道の閉塞性疾患:慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば不可逆性COPD);喘息{例えば気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息または塵埃喘息、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発性喘息もしくは気道過剰症)};気管支炎{例えば好酸球性気管支炎};急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎、または慢性鼻炎(乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎もしくは薬物性鼻炎を含む);膜性鼻炎(クループ性鼻炎、フィブリン性鼻炎もしくは偽膜性鼻炎を含む)、または腺病性鼻炎;季節性鼻炎(神経性鼻炎(枯草熱)を含む)、または血管運動神経性鼻炎;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;鼻腔ポリープ症;類肺繊維症(fibroid lung)、特発性間質性肺炎、鎮咳活性、気道の炎症状態に関連する慢性咳の処置、または医原誘発性咳;
(2)[骨および関節]
以下を含む関節炎:リウマチ性、感染性、自己免疫性、血清反応陰性脊椎関節症(例えば強直性脊椎炎、乾癬性関節炎もしくはライター病)、ベーチェット病、シェーグレン症候群または全身性硬化症;
(3)[皮膚および眼]
乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎またはその他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、皮膚脈管炎(angiodermas)、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、ブドウ膜炎、円形脱毛症または春季結膜炎;
(4)[胃腸管]
セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸疾患、または腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎もしくは湿疹);
(5)[同種移植片拒絶反応]
例えば腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚もしくは角膜の移植後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;および/または
(6)[他の組織もしくは疾患]
アルツハイマー病、多発性硬化症、アテローム硬化症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、狼瘡疾患(例えばエリテマトーデスもしくは全身性エリテマトーデス)、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、I型糖尿病、ネフローゼ症候群、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、ハンセン病(例えばらい腫性らい)、歯周病、セザリー症候群、特発性血小板減少性紫斑、または月経周期異常;
の処置に使用する医薬の製造における、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0050】
さらなる態様において、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩は、喘息{例えば気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息または塵埃喘息、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発性喘息もしくは気道過剰症)};または鼻炎{急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎、または慢性鼻炎(例えば乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎もしくは薬物性鼻炎);膜性鼻炎(クループ性鼻炎、フィブリン性鼻炎もしくは偽膜性鼻炎を含む)、または腺病性鼻炎;季節性鼻炎(神経性鼻炎(枯草熱)を含む)、または血管運動神経性鼻炎を含む}の処置に有用である。
【0051】
さらにさらなる態様において、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩は、喘息の処置に有用である。
本発明はまた、喘息もしくは鼻炎の処置に使用する医薬の製造における、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0052】
本発明は、さらに、温血動物(例えばヒト)における、ケモカイン介在疾病状態(例えばCCR3介在疾病状態、例えば喘息)を処置する方法であって、該処置が必要な哺乳動物に、有効量の式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0053】
温血動物(例えばヒト)の治療的処置、特にケモカイン受容体(例えばCCR3受容体)活性を調節するもしくはH1と拮抗するために本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を使用するために、該成分は、通常、製薬上の常法に従って、医薬組成物として製剤化される。
【0054】
従って、別の態様において、本発明は、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩(活性成分)、および薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体を含む医薬組成物を提供する。さらなる態様において、本発明は、該組成物の製造方法であって、活性成分を、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体と混合することを含む方法を提供する。投与方法に依存して、医薬組成物は、例えば0.05から99%w(重量パーセント)、例えば0.05から80%w、例えば0.10から70%w、例えば0.10から50%wの活性成分を含む。全ての重量パーセントは、組成物の全量に基づく。
【0055】
本発明の医薬組成物は、処置することが望ましい疾病状態に標準的な方法で、例えば、局所投与(例えば肺および/または気道に、または皮膚に)、経口投与、直腸投与、もしくは非経腸投与によって投与され得る。これらの目的のために、本発明の化合物は、当業者に既知の方法によって、例えばエアゾール、乾燥粉末製剤、錠剤、カプセル剤、シロップ、粉剤、顆粒、水性もしくは油性の溶液もしくは懸濁液、(脂質)エマルジョン、分散性粉末、坐剤、軟膏、クリーム、滴剤、および滅菌処理された注射可能な水性もしくは油性の溶液もしくは懸濁液の形態で、製剤化され得る。
【0056】
適当な本発明の医薬組成物は、単位投与形、例えば0.1mgから1gの活性成分を含む錠剤もしくはカプセル剤での経口投与に適当なものである。
別の態様において、本発明の医薬組成物は、静脈内、皮下、もしくは筋肉内注射に適当なものである。
【0057】
それぞれの患者は、例えば0.01mg/kgから100mg/kgの本発明の化合物、例えば0.1mg/kgから20mg/kgの本発明の化合物の、静脈内、皮下、もしくは筋肉内投与を受け得る(該組成物は、1日1回から4回投与され得る)。静脈内、皮下、および筋肉内投与は、ボラス注射によって行われてもよい。あるいは、静脈内投与は、一定時間に亘る連続注入によって行われてもよい。あるいは、それぞれの患者は、1日非経腸投与量のほぼ当量である1日経口投与量を受け得る(該組成物は、1日1回から4回投与され得る)。
【0058】
本発明は、さらに、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、上記の疾病状態の何れか1つの処置のための薬剤と同時に(可能であれば同一の組成物において)または連続して投与する、組み合わせ治療もしくは組み合わせ組成物に関する。
【0059】
特に、炎症性疾患、リウマチ性関節炎、乾癬、炎症性腸疾患、COPD、喘息、およびアレルギー性鼻炎の処置のために、本発明の化合物は、例えばTNF−α阻害剤(例えば抗TNFモノクローナル抗体(例えば Remicade、CDP-870 および D.sub2.E.sub7.)、またはTNF受容体免疫グロブリン分子(例えば Enbrel.reg.))、非選択性COX−1/COX−2阻害剤(例えばピロキシカムもしくはジクロフェナク;プロピオン酸類、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン(flubiprofen)、フェノプロフェン、ケトプロフェン、もしくはイブプロフェン;フェナメート類、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、もしくはアパゾン;ピラゾロン類、例えばフェニルブタゾン;またはサリチレート類、例えばアスピリン)、COX−2阻害剤(例えばメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ(valdecoxib)、もしくはエトリコキシブ(etoricoxib))、低用量メトトレキセート、レフノミド(lefunomide);シクレソニド(ciclesonide);ヒドロキシクロロキン(hydroxychloroquine)、d−ペニシラミン、もしくはオーラノフィン、または非経腸もしくは経口の金製剤と組み合わせ得る。
【0060】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、
●ロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤、または5−リポキシゲナーゼ活性化蛋白質(FLAP)アンタゴニスト、例えばジロートン(zileuton)、ABT-761、フェンレウトン(fenleuton)、テポキサリン(tepoxalin)、Abbott-79175、Abbott-85761、N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド類、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール ヒドラゾン類、メトキシテトラヒドロピラン類、例えば Zeneca ZD-2138、化合物 SB-210661、ピリジニル置換 2−シアノナフタレン化合物、例えば L-739,010;2−シアノキノリン化合物、例えば L-746,530;インドールもしくはキノリン化合物、例えば MK-591、MK-886、または BAY x 1005;
【0061】
●フェノチアジン−3−オン類、例えば L-651,392 からなる群から選択される、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、LTB.sub4.、LTC.sub4.、LTD.sub4.、もしくは LTE.sub4.;アミジノ化合物、例えば CGS-25019c;ベンゾキサラミン類(benzoxalamine)、例えばオンタゾラスト(ontazolast);ベンゼンカルボキシイミドアミド類、例えば BIIL 284/260;または化合物、例えばザフィルルカスト(zafirlukast)、アブルカスト(ablukast)、モンテルカスト(montelukast)、プランルカスト、ベルルカスト(verlukast)(MK-679)、RG-12525、Ro-245913、イラルカスト(iralukast)(CGP 45715A)、または BAY x 7195;
【0062】
●PDE4Dのアイソフォームの阻害剤を含むPDE4阻害剤;
●抗ヒスタミン性H.sub1.受容体アンタゴニスト、例えばセチリジン(cetirizine)、ロラタジン(loratadine)、デスロラタジン(desloratadine)、フェキソフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、またはクロルフェニラミン;
●胃保護H.sub2.受容体アンタゴニスト;
●α.sub1.−およびα.sub2.−アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮交感神経模倣薬、例えばプロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、シュードエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリン(xylometazoline)、または塩酸エチルノルエピネフリン;
【0063】
●抗コリン作用薬、例えば 臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、またはテレンゼピン;
●β.sub1.−からβ.sub4.−アドレナリン受容体アゴニスト、例えばメタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロール メシレート、もしくはピルブテロール;またはテオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンタニン(methylxanthanines);クロモグリク酸ナトリウム;またはムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニスト;
【0064】
●I型インシュリン様成長因子(IGF−1)模倣薬;
●全身の副作用の減少を伴う、吸入グルココルチコイド、例えばプレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド、トリアムシノロン アセトニド、ベクロメタゾン ジプロピオネート、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、またはフランカルボン酸モメタゾン;
【0065】
●マトリックス・メタロプロテイナーゼ(MMP)、例えばストロメライシン、コラゲナーゼ、もしくはゼラチナーゼ、もしくはアグリカナーゼ;例えばコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、またはストロメライシン−3(MMP−11)、またはMMP−12の阻害剤;
【0066】
●別のケモカイン受容体機能の、例えばCCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、およびCCR11(C−Cファミリーにおいて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、およびCXCR5(C−X−Cファミリーにおいて)、およびCXCR1(C−X−Cファミリーにおいて)のモジュレーター;
●骨粗鬆症薬、例えばラロキシフェン(roloxifene)、ドロロキシフェン(droloxifene)、ラソフォキシフェン、またはフォソマックス(fosomax);
●免疫抑制剤、例えばFK-506、ラパマイシン、シクロスポリン、アザチオプリン、またはメトトレキセート;
【0067】
●AIDSおよび/またはHIV感染の処置に有用な化合物、例えば:ウイルス性蛋白質gp120が宿主細胞CD4に結合するのを妨げるもしくは阻害する薬剤{例えば可溶性CD4(リコンビナント);抗CD4抗体(もしくは修飾/リコンビナント抗体)、例えばPRO542;抗group120抗体(もしくは修飾/リコンビナント抗体);またはgroup120からCD4の結合を妨げる他の薬剤、例えば BMS806};HIVウイルスによって用いられるCCR5以外のケモカイン受容体に結合するのを阻害する薬剤{例えばCXCR4アゴニストもしくはアンタゴニスト、または抗CXCR4抗体};HIVウイルス・エンベロープと細胞膜の間の融合を妨げる化合物{例えば抗group 41抗体;エンフュービルタイド(enfuvirtide)(T-20) もしくは T-1249};DC−SIGN阻害剤(CD209としても知られている) {例えば抗−DC−SIGN抗体もしくはDC−SIGN結合阻害剤};ヌクレオシド/ヌクレオチドアナログ逆転写酵素阻害剤{例えばジドブジン(AZT)、ネビラピン、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)、アバカビル、アデフォビル、またはテノフォビル(例えば遊離塩基として、もしくはフマル酸テノフォビル ジソプロキシルとして)};非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤{例えばネビラピン、デラビルジンもしくはエファビレンツ};プロテアーゼ阻害剤{例えばリトナビル、インジナビル、サキナビル(例えば遊離塩基として、もしくはメシレート塩として)、ネルフィナビル(例えば遊離塩基として、もしくはメシレート塩として)、アンプレナビル、ロピナビル、またはアタザナビル(例えば遊離塩基として、もしくは硫酸塩として)};リボヌクレオチド還元酵素阻害剤{例えばヒドロキシ尿素};または抗レトロウイルス薬{例えばエムトリシタビン};または
【0068】
●骨関節炎の処置のための現存する治療薬、例えば非ステロイド性抗炎症剤(以下NSAID)、例えばピロキシカムもしくはジクロフェナク、プロピオン酸類、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン(flubiprofen)、フェノプロフェン、ケトプロフェンもしくはイブプロフェン、フェナメート類、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、もしくはアパゾン、ピラゾロン類、例えばフェニルブタゾン、サリチレート類、例えばアスピリン、COX−2阻害剤、例えばセレコキシブ、バルデコキシブ(valdecoxib)、ロフェコキシブ、もしくはエトリコキシブ(etoricoxib)、鎮痛治療もしくは関節内治療、例えばコルチコステロイド、またはヒアルロン酸類、例えば hyalgan もしくは synvisc、またはP2X7受容体アンタゴニスト;
との組み合わせに関する。
【0069】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、(i)トリプターゼ阻害剤;(ii)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(iii)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;(iv)IMPDH阻害剤;(v)VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;(vi)カテプシン;(vii)MAPキナーゼ阻害剤;(viii)グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤;(ix)キニン−B.sub1.およびB.sub2.−受容体アンタゴニスト;(x)抗痛風薬、例えば、コルヒチン;(xi)キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えば、アロプリノール;(xii)尿酸排泄薬、例えば、プロベネシド、スルフィンピラゾン、もしくはベンズブロマロン;(xiii)成長ホルモン分泌促進薬;(xiv)トランスフォーミング増殖因子(TGFβ);(xv)血小板由来増殖因子(PDGF);(xvi)繊維芽細胞増殖因子、例えば、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF);(xvii)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);(xviii)カプサイシンクリーム;(xix)NKP-608C;SB-233412(タルネタント(talnetant));およびD-4418からなる群から選択されるタキキニンNK.sub1.およびNK.sub3.受容体アンタゴニスト;(xx)UT-77 および ZD-0892からなる群から選択されるエラスターゼ阻害剤;(xxi)TNFα変換酵素阻害剤(TACE);(xxii)誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤(iNOS);または(xxiii)TH2細胞で発現される化学誘引物質受容体相同分子(chemoattractant receptor-homologous molecule)(CRTH2アンタゴニスト)との組合せに関する。
【0070】
式(I)の化合物のpKaを、下記の方法の1つを用いて測定する。
方法A
用いられる装置は、DPAS(Dip Probe Absorption Spectroscopy)連結装置を有するSirius GLpKa 装置からなる。装置の重要部分は、Sirius pH電極、スターラー、滴定剤供給チューブ、マルチチップ・ディスペンサー、モーター駆動供給シリンジ、ファイバー光学UVプローブ、およびダイオード・アレイ検出器である。さらに、イオン強度調節(0.10M KCl)蒸留水、見かけ上(nominally)0.50M HCl、見かけ上0.50M KOH、および80%(v/v) メタノール:水の溶液を含むPTFEコンテナが装置に収納される。滴定溶液を、酸素を含まない窒素で定速通気する。水酸化カリウム溶液のリザーバーを、さらに、ソーダ石灰保護チューブによって外気汚染から保護する。サンプルを、滴定容器に入れ、次いで、可動式オートサンプラー・トレイ(最大容量 48サンプル)に移される。電極、スターラー、供給チューブ/チップ、およびDPASプローブを、滴定時に適当な滴定容器中にそれ自身の位置をソフトウェアによって制御された可動式自動化z−タワー・ユニットに収納する。Sirius GLpKa 装置を、アッセイのセットアップとその次のデータ分析のためのソフトウェアをサポートしている専用のPCに直接接続する。アッセイを、GlpKaControl ソフトウェアを用いてセットアップし、結果を、pKaLOGP and pKaUVソフトウェアを用いてPCで分析する。ソフトフェアはまた、複合カーブ・フィッティング分析を用いて多重式にpKの決定を可能にする。
【0071】
方法B:電位差滴定法
化合物のpK(複数を含む)を測定するために、2つのタイプの電位差滴定を行い得る:純粋な水性滴定(極めて水に溶けやすい化合物で推奨される)、および共溶媒滴定[メタノールの量を変えてサンプルに加え、さらにイオン強度を調節した水を加える](水に可溶ではない化合物で推奨される)。後者において、イオン強度を調節した純水中の化合物のpKの値を、Yasuda-Shedlovsky 法によって推定することが出来る。これは、3つの既知のメタノール:水の重量パーセントでの化合物の見かけのpKを測定し(媒体の誘電率の逆数に置き換えられる, 1/ε)、次に0%wt メタノール(1/ε=1.282×10−3)に外挿することを含む。
【0072】
GLpKa 装置ユニットはまた、2つの水洗浄液コンテナ(蒸留水を含む)、廃液ビーカー(余分の溶液を入れるための)、および滴定の間電極を浸すためのpH 7.00緩衝溶液を含むコンテナを収容している。その都度、1セットの滴定が行われ、これらの溶液は置き換えられる。オートサンプラー中の位置1は、pH 7.00緩衝溶液(各滴定1セットで交換)を含む滴定容器を含む。行うべきそれぞれの滴定1セットについて、位置2は、イオン強度を調節した水が入れられた(典型的には15.00ml)、滴定溶液を収容している。これは、次いで、水性HClでpH 1.80に調節され、さらに水性KOHを徐々に添加することによってpH 12.20まで滴定される。これをブランク滴定とし、そして、pH電極を較正し、かついわゆるfour-plus parameter法を用いてHCl溶液を標準化するために、pKaLogP software で使用する。定期的に(典型的には3月毎に、または滴定溶液が少なくなった場合に)、滴定溶液を置き換え、KOH溶液を、GLpKaControl software 中の標準化方法を用いてフタル酸水素カリウムに対して標準化した。1〜2mgの間のそれぞれのサンプルを、精密に秤量しなければならない。サンプルをガラスの滴定容器に入れる。化合物の重量は、GLpKaControl software に入らなければならない。入力する必要のある他のパラメーターは、化合物の分子量、アッセイのタイプ(水性, 共溶媒)、ビーカー中のアッセイの数(水滴定にたいして1), 共溶媒/混合溶媒滴定に対して3)、式(例えば塩として存在しない化合物についてX、もしくは塩酸塩として導入される化合物に対してXHCl)、pKの予測値(既知の構造より)、最小のpH(電極の最小作動値として1.80)、最大pH(電極の作動最大値として12.20)、第1アッセイの方向(塩基について推奨される高いpHより低いpHへ, 酸について推奨される低いpHより高いpHへ)、当初水相容積(純水の適定には最小8.00ml, 典型的には15.00ml、そして混合溶媒滴定には9.00ml)、およびポイント間のpH差(ΔpH=0.10単位が推奨される)である。化合物について混合溶媒滴定が行われるならば、入力される必要のあるさらなる情報は、第2および第3滴定についてのアッセイ方向(第1アッセイ方向参照)、および第2および第3のアッセイについて、さらなる水の溶液(共溶媒重量パーセント・ツールを用いた場合に自動的に計算される)である。
【0073】
一定数のサンプル(最大48)をオートサンプラー中に置き、それぞれの滴定について適当な情報(化合物の重量, 分子量など)を専用のPCから GLpKa 装置にダウンロードする。GLpKa 装置について“ラン・アッセイ”オプションを選択し、滴定を行う。操作完了後、滴定データをPCにアップロードし、pKaLOGP softwareを用いて分析する。分析された第1のサンプルはブランク滴定である。カーブ・フィッティング手順を用いて測定データを理論値のカーブにフィットさせ、HCl溶液の正確な濃度を導出し、またpHの関数として電極の挙動を特徴付ける様々なパラメーター(four-plus parameter)の値を導出する。これらのデータは、次に、続いて他のサンプルの分析に用いられる。サンプルの残りは、観測データを理論値のカーブにフィットさせることによって、化合物のpKを導き出すさらなるカーブ・フィッティング法を用いて分析される。共溶媒滴定について、異なるパーセンテージのメタノールでのそれぞれのサンプルから観測されたpKを、Yasuda-Shedlovsky法を用いて、100%水溶液中の真のpKに外挿する pKaLOGP software で分析する。
【0074】
方法C:DPAS(Dip Probe Absorption Spectroscopy)法
この方法は、pHの関数として化合物のUVスペクトルを測定することにより、pKを決定する。この方法は、イオン化の程度の変化がUVスペクトルの変化をもたらすような分子において、イオン化中心が芳香族もしくは共役系の近くに位置する化合物に最も適当である。UVスペクトルの感度が良好なため、この方法は、かなり溶けにくい化合物に適当である。
【0075】
この方法は、電位差滴定法と同様にブランク滴定を必要とする。しかし、サンプルについて、それぞれのサンプル当たり2つのバイアルが必要とされる。1つのバイアルには、滴定の際にある程度のpH安定性を得るために、いくらかのリン酸緩衝液(典型的には、0.2g オルトリン酸二水素カリウム、および100mlの0.1M KCl溶液から製造した100μLの水溶液)を加えた化合物のDMSO溶液を少量(典型的には50μlの1.5mM溶液)入れた。次に、滴定装置は、この溶液に水(典型的に10ml)を加えて、次にそれぞれのpHでUVスペクトルを測定しながらpH滴定をした。第2のバイアルは、当量の純粋なDMSOと当量のリン酸緩衝液を含む。次に、滴定は当量の水をこの溶液に加え、そして対照とするためにそれのUVスペクトルを測定する(これは、実際対応するサンプル溶液のpH滴定前に行う)。
【0076】
再度、分析される第1サンプルは、正確なHCl濃度およびfour-plus parameterの決定を可能にするブランク滴定である。次に pKaUV software を用いて本化合物のpKを、滴定の際に測定した3次元データ(吸光度, 波長, pH)から導き出す。ソフトウェアは複雑なアルゴリズム(標的因子分析)を用いて、生の3次元データから、分子のそれぞれのプロトン化状態のUVスペクトルを、および分子のそれぞれのpKaを導き出す。
【0077】
本発明は、以下の非制限的実施例によって説明される。ここで、異なる指定をしない限り、
(i) 示される場合は、H−NMRデータは、300MHzもしくは400MHzで測定され、異なる指定をしない限り重水素化DMSO−D6(CDSOCD)、メタノール−D4(CDOD)もしくはCDClを溶媒として用いた、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率で示される、主要な示性プロトンについてのδ値の形で示される;
(ii) 質量スペクトル(MS)を、70eVの電子エネルギーで、化学イオン化(CI)モードで、直接曝露プローブを用いて行った;ここで、示されたイオン化は、電子衝撃(EI)もしくは高速原子衝撃(FAB)もしくはエレクトロスプレー(ESI)によって行われた;m/zについての値は、一般的に親マスを示すイオンのみを示し、異なる指定をしない限り、示される質量イオンは、正側の質量イオン−(M+H)である;
(iii) 実施例および方法の表題化合物および副題化合物を、ACD/Index name program version 4.55 (Advanced Chemistry Development, Inc)を用いて命名した;
(iv) 異なる指定をしない限り、逆相HPLCは、Symmetry, NovaPak もしくは Xterra 逆相シリカ・カラムを用いて行われる;そして
(v) 下記の略号を用いる:
【表1】

【実施例】
【0078】
製造法1
(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール
【化8】

【0079】
段階1:4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン
4−ヒドロキシピペリジン(50g)を、撹拌しながら、THF(900ml)中のカリウム tert−ブトキシド(110.9g)の懸濁液に、室温、窒素下で、少しずつ加えた。混合物を還流し、1,2−ジクロロ−4−フルオロベンゼン(98g)を30分にわたって滴下した。混合物をさらに1時間還流しながら撹拌し、次に室温まで冷却し、酢酸エチル(500ml)で希釈し、水(500ml)で洗浄した。有機相をさらに酢酸エチル(500ml)で希釈し、1M 塩酸(200ml)で抽出した。水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、水性抽出物をpH 10以上に調節し、tert−ブチルメチル エーテル(750ml)で2回抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、副題化合物を暗色の油状物として得た。それをそのまま次の段階に用いた。
MS (ESI+ve) 246/248 [M+H]+
1H NMR δ (CDCl3) 1.60-1.70 (2H, m), 1.97-2.03 (2H, m), 2.75 (2H, td), 3.15 (2H, dt), 4.29-4.37 (1H, m), 6.78 (1H, dd), 7.00 (1H, d), 7.31 (1H, d).
【0080】
段階2:(2S)−1−アジド−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール
DMF(300ml)中の(2R)−オキシラン−2−イルメチル 3−ニトロベンゼンスルホネート(21.1g)を、トリエチルアミン(22.6ml)で、次に4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ピペリジン(20g)で処理した。混合物を60℃で終夜撹拌した。アジ化ナトリウム(16g)を混合物に加えた。反応物をさらに72時間撹拌した。溶液を注意深く真空下で濃縮し、残渣を水(600ml)で希釈し、酢酸エチル(1500ml)で抽出した。有機層を、水(500ml)で2回、次に塩水(200ml)で洗浄し、真空下で濃縮し、油状物を得た。
【0081】
段階3:(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール
段階2の油状物を、水分を含むテトラヒドロフラン(225ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン(53.3g)で処理した。反応物を60℃で加熱し、4時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を2N 塩酸(1L)に再度溶解し、水層を酢酸エチル(3×700ml)で抽出した。水相を2N 水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にし、DCM(3×1L)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の物質をクロマトグラフィー(8%のDCM中の7N アンモニア−メタノール)によって精製し、表題化合物を黄色の油状物として得た(17g)。
MS (APCI+ve) 319/321 [M+H]+
1H NMR δ (CDCl3) 1.90-1.72 (2H, m), 2.06-1.91 (2H, m), 2.46-2.21 (3H, m), 2.60-2.49 (1H, m), 2.65 (1H, d), 2.72-2.61 (1H, m), 2.82 (1H, d), 2.94-2.84 (1H, m), 3.74-3.62 (1H, m), 4.0 (1H, app. sept.), 6.75 (1H, dd), 7.00 (1H, d), 7.31 (1H, d).
【0082】
製造法2
(2R)−1−アミノ−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール
【化9】

製造法1で記載された通りに、4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)−ピペリジンを用いて製造した。
MS (APCI+ve) 333/335 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.92-1.75 (2H, m), 2.08-1.90 (2H, m), 2.72-2.57 (1H, m), 2.93-2.72 (4H, m), 3.35-3.24 (2H, m), 3.88-3.71 (1H, m), 4.54-4.37 (1H, m), 6.94 (2H, d), 7.25 (2H, d).
【0083】
製造法3
(R)−1−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−メチルアミノ−プロパン−2−オール
【化10】

製造法1の段階2で記載された通りに製造し、DMFから濃縮した4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1−[(2R)−オキシラン−2−イルメチル]ピペリジン(1.0g)の溶液、およびエタノール(15ml)中のメチルアミン(2.56ml, 40%(v/v)水性)を、60℃で、密封した容器中で、16時間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、8%のDCM中の7M メタノール性アンモニアで溶出し、表題化合物を得た(0.875g)。
MS (APCI+ve) 333/335 [M+H]+
1H NMR δ (CDCl3) 2.38-2.27 (3H, m), 2.46 (3H, s), 2.48-2.42 (2H, m), 2.54 (1H, dd), 2.56-2.51 (2H, m), 2.65 (1H, dd), 2.71-2.65 (2H, m), 2.91-2.86 (1H, m), 3.86-3.80 (1H, m), 4.32-4.26 (1H, m), 6.75 (1H, dd), 6.99 (1H, d), 7.31 (1H, d).
【0084】
製造法4
(R)−1−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−(メチルアミノ)プロパン−2−オール
【化11】

製造法2および3に記載された通りに、4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジンから製造し、表題化合物を得た。
1H NMR δ (CDCl3) 1.58 - 2.00 (4H, m), 2.28 - 2.71 (10H, m), 2.46 (3H, s), 2.87 - 2.95 (1H, m), 3.49 (1H, s), 3.82 - 3.88 (1H, m), 4.33 - 4.39 (1H, m), 6.75 (1H, d), 7.19 (1H, d).
【0085】
実施例1
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
【化12】

6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(Organic Process Research and Development 1997, 1, 370 - 378;0.50g)を、塩化チオニル(10ml)に溶解し、3時間還流した。溶媒を蒸発させ、残渣をトルエン(10ml)と共に共沸した。得られた薄黄色の固体を酢酸エチル(10ml)に溶解し、DCM(25ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.770g)およびトリエチルアミン(1.68ml)の溶液に滴下した。混合物を室温で18時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。残渣をメタノール(20ml)に溶解し、18時間還流した。溶媒を蒸発させ、RPHPLC(Novapak, 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル)によって精製し、表題化合物を無色の固体として得た(0.520g)。
表題化合物は、pKa=5.9(方法Bを用いて測定)、およびpKa=6.3(ACDによって計算)を有する。
MS (APCI+ve) 508/510 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.89 - 1.78 (2H, m), 2.10 - 1.99 (2H, m), 2.65 - 2.51 (4H, m), 2.99 - 2.87 (2H, m), 3.40 - 3.34 (1H, m), 3.48 (1H, dd), 4.04 - 3.96 (1H, m), 4.50 - 4.42 (1H, m), 6.84 (1H, d), 6.92 (1H, ddd), 7.14 (1H, dd), 7.41 (1H, dd), 7.75 (1H, d).
【0086】
実施例2
N−{(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
【化13】

6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(0.100g)を、塩化チオニル(2ml)に溶解し、3時間還流した。溶媒を蒸発させ、残渣をトルエン(5ml)と共に共沸した。得られた薄黄色の固体をテトラヒドロフラン(2ml)に溶解し、DCM(5ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.161g)、およびトリエチルアミン(0.337ml)の溶液に滴下した。混合物を室温で18時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。残渣をメタノール(10ml)に溶解し、3時間還流した。溶媒を蒸発させ、RPHPLC(Symmetry, 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル)によって精製し、表題化合物を無色の固体として得た(0.520g)。
表題化合物は、pKa=6.3(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 522/524 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.97 - 2.23 (4H, m), 2.48 (3H, s), 2.81 - 3.07 (4H, m), 3.12 - 3.24 (2H, m), 3.31 - 3.52 (2H, m), 4.08 - 4.18 (1H, m), 4.62 - 4.69 (1H, m), 6.89 (1H, d), 7.02 (1H, d), 7.31 (1H, d), 7.80 (1H, d).
【0087】
実施例3
5−ブロモ−N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
【化14】

【0088】
段階1:5−ブロモ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル
四塩化炭素中の6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル(Organic Process Research and Development 1997, 1, 370 - 378;0.10g)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(0.083g)を加えた。混合物を80℃で24時間加熱した。蒸発させ、フラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製し、副題化合物を無色の固体として得た(0.10g)。
MS (ES -ve) 311/313 [M-H]-
1H NMR δ (CDCl3) 1.38 (3H, t), 4.39 (2H, q), 8.34 (1H, s)
【0089】
段階2:5−ブロモ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸
5−ブロモ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル(0.25g)を、30%水性塩酸に懸濁し、4日間還流した。冷却し、濾過し、副題化合物を得た(0.210g)。
1H NMR δ (DMSO-d6) 8.40 (1H, s), 13.40 (1H, s), 13.70 (1H, s).
【0090】
段階3:5−ブロモ−N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
実施例1の方法によって、5−ブロモ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(0.10g)、塩化チオニル(2ml)、(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.112g)、およびトリエチルアミン(0.244ml)を用いて製造し、表題化合物を無色の固体として得た(0.096g)。
表題化合物は、pKa=4.5(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI-ve) 586 [M-H]-
1H NMR δ (CD3OD) 1.99 - 2.13 (2H, m), 2.14 - 2.28 (2H, m), 2.97 - 3.28 (4H, m), 3.30 - 3.50 (4H, m), 4.13 - 4.22 (1H, m), 4.63 - 4.70 (1H, m), 6.98 (1H, dd), 7.22 (1H, d), 7.44 (1H, d), 7.88 (1H, s).
【0091】
実施例4
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド
【化15】

【0092】
段階1:2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボン酸
THF(20ml)中の2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボン酸エチル(Bionet Research, 2.0g)の溶液に、水(20ml)中の水酸化リチウム(0.696g)の溶液を加えた。混合物を50℃で72時間撹拌し、室温まで冷却し、濾過した。ろ液を酢酸エチル(10ml)で洗浄し、希塩酸を用いてpH 3まで酸性にし、酢酸エチル(2×25ml)で抽出した。合わせた有機抽出液を、水(2×50ml)で、飽和塩水溶液で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空で濃縮し、副題化合物を無色の固体として得た(1.583g)。
MS (APCI-ve) 212 [M-H]-
13C NMR δ (CDCl3) 171.3 (s), 161.1 (s), 129.8 (q, 39.8 Hz), 122.3 (q, 272.4 Hz), 115.1 (q, 3.0 Hz).
【0093】
段階2:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド
実施例1に記載した通りに、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボン酸を用いて製造し、表題化合物をクリーム色の泡沫として得た(0.183g)。
表題化合物はpKa=4.7(方法Bを用いて測定)を有する。
MS (APCI-ve) 512/514 [M-H)]-
1H NMR δ (CD3OD) 2.06 - 1.94 (2H, m), 2.22 - 2.08 (2H, m), 3.00 - 2.86 (2H, ddd), 3.14 - 3.00 (2H, m), 3.30 - 3.18 (2H, m), 3.42 - 3.32 (2H, ddd), 4.11 - 4.03 (1H, m), 4.64 - 4.56 (1H, m), 6.94 (1H, dd), 7.18 (1H, d), 7.41 (1H, d).
【0094】
実施例5
N−{(2S)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−N−メチル−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化16】

実施例1の通りに、(2R)−1−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−(メチルアミノ)プロパン−2−オール(150mg, 0.45mmol)および2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(0.096g)を用いて製造し、表題化合物を無色の固体として得た(0.085g)。
表題化合物はpKa=6.27(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 528/530 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6, 90℃) 1.79 - 1.62 (2H, m), 2.03 - 1.88 (2H, m), 2.62 - 2.45 (2H, m), 2.93 - 2.82 (4H, m), 3.00 (3H, s), 3.24 (1H, dd), 3.52 (1H, dd), 3.91 (1H, quintet), 4.45 (1H, septet), 6.96 (1H, dd), 7.20 (1H, d), 7.46 (1H, d).
【0095】
実施例6
N−{(2S)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−N−メチル−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化17】

実施例1の通りに、(2R)−1−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−(メチルアミノ)プロパン−2−オール(0.156g)、および2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(0.096g)を用いて製造し、表題化合物を無色の固体として得た(0.091g)。
表題化合物はpKa=6.3(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 542/544 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6, 90℃) 1.83 - 1.67 (2H, m), 2.01 - 1.87 (2H, m), 2.41 (3H, s), 2.61 - 2.50 (2H, m), 2.93 - 2.78 (4H, m), 2.99 (3H, s), 3.24 (1H, dd), 3.52 (1H, dd), 3.91 (1H, quintet), 4.47 (1H, septet), 7.05 (1H, d), 7.31 (1H, d).
【0096】
実施例7
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(ペンタフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化18】

【0097】
段階1:2−オキソ−4−(ペンタフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸
THF(6ml)中の2−オキソ−4−(ペンタフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸エチル(J.Het.Chem. 22 1985 1621 - 1630; 0.240g)を、水(5ml)中の水酸化リチウム(0.120g)で処理し、混合物を50℃で4日間加熱した。混合物を濾過し、残渣を水で洗浄した。ろ液を酢酸エチルで洗浄した。水層を希塩酸で酸性にし、次に酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。有機抽出物を、水で、そして塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させ、副題化合物を固体として得た(0.13g)。
【0098】
段階2:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(ペンタフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
実施例1の通りに、(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.158g)、および2−オキソ−4−(ペンタフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(0.130g)を用いて製造し、表題化合物を無色の固体として得た(0.074g)。
表題化合物は、pKa=6.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 564/566 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.86 - 1.72 (2H, m), 2.08 - 1.96 (2H, m), 2.84 - 2.59 (4H, m), 3.10 - 2.90 (1H, m, 不明瞭), 3.28 - 3.16 (3H, m), 3.85 (1H, quintet), 4.53 (1H, septet), 6.98 (1H, dd), 7.23 (1H, d), 7.47 (1H, d), 7.48 (1H, s).
【0099】
実施例8
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化19】

実施例1の通りに、5−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(Berichte 1963 96, 802 - 812;0.060g)を用いて製造し、表題化合物を無色の固体として得た(0.063mg)。
表題化合物は、pKa=7.5(方法Bを用いて測定)、およびpKa=7.5(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 428/430[M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.73 - 1.60 (2H, m), 1.97 - 1.86 (2H, m), 2.41 - 2.28 (4H, m), 2.45 (3H, s), 2.79 - 2.67 (2H, m), 3.43 - 3.24 (2H, m), 3.78 (1H, quintet), 4.39 (1H, septet), 6.95 (1H, dd), 7.18 (1H, d), 7.44 (1H,d), 7.90 (1H, t).
【0100】
実施例9
N−{(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化20】

実施例1の通りに、(2R)−1−アミノ−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.158g)および5−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸を用いて製造し、表題化合物を無色の固体として得た(0.037g)。
表題化合物はpKa=7.5(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 442/444 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6, 90 ℃) 1.78 - 1.65 (2H, m), 1.97 - 1.86 (2H, m), 2.43 - 2.32 (4H, m), 2.41 (3H, s), 2.45 (3H, s), 2.79 - 2.67 (2H, m), 3.28 (1H, dt), 3.40 (1H, dt), 3.78 (1H, quintet), 4.43 (1H, septet), 7.03 (1H, d), 7.30 (1H, d), 7.89 (1H, t).
【0101】
実施例10
5−シアノ−N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
【化21】

5−シアノ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(Farmaco 1997, 52(5), 331 - 337;0.115g)を、塩化チオニル(3ml)に溶解し、2時間還流した。溶媒を蒸発させ、残渣をトルエン(10ml)と共に共沸した。得られた固体をTHF(5ml)に溶解し、DCM(5ml)中の(2R)−1−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ピペリジン−1−イル]−3−メチルアミノ−プロパン−2−オール(0.150g)およびトリエチルアミン(0.3ml)の溶液に滴下した。混合物を室温で18時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。RPHPLC(Novapak, 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル)、そして順相クロマトグラフィー(NH/メタノール/DCM)によって精製し、表題化合物を無色の固体として得た(0.123g)。
表題化合物は、pKa=3.4(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 533/535 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 2.13 - 1.99 (2H, m), 2.28 - 2.13 (2H, m), 3.10 (2H, dt), 3.34-3.14(2H, m), 3.50-3.36(4H, m), 4.21-4.12 (1H, m), 4.71-4.63 (1H, m), 6.96 (1H, dd), 7.21 (1H, d), 7.42 (1H, d), 7.85 (1H, s).
【0102】
実施例11
5−シアノ−N−{(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
【化22】

実施例1の通りに、(2R)−1−アミノ−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オールを用いて製造し、表題化合物を無色の固体として得た(0.121g)。
表題化合物は、pKa=3.0(方法Bを用いて測定)、およびpKa=3.4(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 547/549 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6+ND4OD) 1.72 - 1.61 (2H, m), 1.93 - 1.84 (2H, m), 2.37 - 2.24 (4H, m), 2.40 (3H, s), 2.72 - 2.63 (2H, m), 3.07 (1H, dd), 3.23 (1H, dd), 3.71 (1H, quintet), 4.48 (1H, septet), 7.10 (1H, d), 7.34 (1H, d), 7.66 (1H, s).
【0103】
実施例12
5−シアノ−N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
【化23】

5−シアノ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(European Journal of Medicinal Chemistry 24(5), 517 - 519, 1989;0.112g)を、塩化チオニル(4ml)に溶解し、2時間還流した。溶媒を真空で除去し、残渣をトルエン(10ml)と共に共沸した。得られた薄黄色の固体をTHF(4ml)に溶解し、DCM(2ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.150g)およびトリエチルアミン(0.7ml)の溶液に滴下した。混合物を室温で終夜撹拌し、揮発成分を真空で除去した。残渣をアセトニトリル(6ml)に溶解し、RPHPLC(Novapak, 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル)によって精製し、表題化合物を白色の固体として得た(0.025g)。
表題化合物は、pKa=3.0(方法Bを用いて測定)、およびpKa=6.3(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 541/543 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.54 - 1.64 (2H, m), 1.84 - 1.95 (2H, m), 2.12 - 2.35 (4H, m), 2.62 - 2.73 (2H, m), 2.92 - 3.00 (1H, m), 3.11 - 3.20 (1H, m), 3.53 - 3.61 (1H, m), 4.38 - 4.49 (1H, m), 4.56 - 4.76 (1H, br s), 6.98 (1H, dd), 7.25 (1H, d), 7.42 - 7.53 (6H, m), 8.11 (1H, t), 8.23 (1H, s).
【0104】
実施例13
5−シアノ−N−{(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
【化24】

5−シアノ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸 (European Journal of Medicinal Chemistry 24 (5), 517 - 519, 1989; 0.112g)を、塩化チオニル(4ml)に溶解し、2時間還流した。溶媒を真空で除去し、残渣をトルエン(10ml)と共に共沸した。得られた薄黄色の固体をTHF(4ml)に溶解し、DCM(2ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.150g)およびトリエチルアミン(0.7ml)の溶液に滴下した。混合物を室温で終夜撹拌し、揮発成分を真空で除去した。残渣をアセトニトリル(6ml)に溶解し、RPHPLC(Novapak, 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル)によって精製し、表題化合物を乾燥黄色粉末として得た(0.011g)。
表題化合物は、pKa=6.3(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 555/557 [M+H]+
1H NMR δ(CDCl3) 1.92 - 2.01 (2H, m), 2.06 - 2.21 (3H, m), 2.47 (3H, s), 2.50 - 2.56 (2H, m), 2.76 - 2.83 (1H, m), 2.87 (1H, td), 2.96 - 3.05 (2H, m), 3.06 - 3.15 (1H, m), 3.35 - 3.43 (1H, m), 4.50 - 4.55 (1H, m), 6.33 - 6.39 (1H, m), 6.74 (1H, d), 7.22 (1H, d), 7.47 - 7.51 (5H, m), 7.51 - 7.57 (1H, m), 8.22 (1H, s)
【0105】
実施例14
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−3−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキサミド
【化25】

【0106】
段階1:3−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボン酸
副題化合物を、Pharmazie 48 1993, H. 11 861 - 862 に記載された手順に従って合成した。
【0107】
段階2:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−3−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキサミド
3−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボン酸(Pharmazie 48 1993, H. 11, 861 - 862;0.173g)を塩化チオニル(8ml)に溶解し、2時間還流した。溶媒を真空で除去し、残渣をトルエン(10ml)と共に共沸した。得られた薄黄色の固体をTHF(4ml)に溶解し、DCM(4.5ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.325g)、およびトリエチルアミン(1.56ml)の溶液に滴下した。混合物を室温で終夜撹拌し、揮発成分を真空で除去した。残渣をアセトニトリル(6ml)に溶解し、RPHPLC(Novapak, 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル)によって精製し、次にDCMでトリチュレートし、表題化合物を黄色の粉末として得た(0.008g)。
表題化合物は、pKa=6.9(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 471/473 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.26 - 1.36 (2H, m), 1.78 - 1.85 (2H, m), 1.99 - 2.05 (2H, m), 2.55 - 2.60 (2H, m), 2.83 - 2.95 (2H, m), 3.11 - 3.14 (1H, m), 3.32 (3H, s), 3.49 - 3.52 (1H, m), 3.89 - 4.01 (1H, m), 4.41 - 4.47 (1H, m), 5.58 (1H, s), 5.78 (1H, d), 6.88 - 6.91 (1H, m), 7.11 (1H, d), 7.38 (1H, d).
【0108】
実施例15
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,6−ジオキソ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキサミド
【化26】

【0109】
段階1:2,6−ジオキソ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボン酸
副題化合物を、Pharmazie 48 1993, H. 11 861 - 862 に記載された手順に従って合成した。
【0110】
段階2:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,6−ジオキソ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキサミド
乾燥DMF(3ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.134g)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.14ml)、2,6−ジオキソ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボン酸(0.100g)、およびHATU(0.178g)を加えた。反応混合物を0℃で窒素雰囲気下で20分間撹拌し、次に飽和重炭酸ナトリウム溶液(10ml)でクエンチし、終夜放置した。混合物を酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。合わせた有機物を塩水(2×10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、揮発成分を真空で除去し、油状物を得た(0.205g)。RPHPLC(Novapak, 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル)によって精製し、表題化合物を乾燥黄色粉末として得た(0.028g)。
表題化合物は、pKa=5.9(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 539/541(M+H)+
1H NMR (CD3OD) δ 1.83 - 1.68 (2H, m), 2.03 - 1.90 (2H, m), 2.29- 2.24(1H, m), 2.45 - 2.34 (1H, m), 2.69 - 2.51 (4H, m), 2.97 - 2.84 (2H, m), 3.03 (1H, quintet), 3.26 - 3.23 (1H, m), 3.34 - 3.32 (1H, m), 3.37 - 3.35 (1H, m), 3.90 (1H, quintet), 4.40 (1H, quintet), 5.39 (1H, s), 5.93 (1H, s), 6.82 (1H, dd), 7.04 (1H, d) 7.30 (1H, d).
【0111】
実施例16
5−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1−ピペリジニル]−2−ヒドロキシプロピル]−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−3−ピリジンカルボキサミド
【化27】

塩化チオニル(2.5ml)中の5−シアノ−2−シクロプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(0.080g)(J. Med. Chem. 2002, 45, 1887)の溶液を、撹拌しながら、2時間還流した。塩化チオニルを冷却した溶液から真空で除去した。残渣をTHF(4ml)に溶解し、この溶液を、室温でDCM(2ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.125g)およびトリエチルアミン(0.7ml)の溶液に滴下した後、終夜撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、9:1 アセトニトリル/水(4ml)に再度溶解した後、RPHPLC(濃度勾配:0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50%)にかけ、白色の固体を得た(0.022g)。
表題化合物は、pKa=3.8(方法Bを用いて測定)、およびpKa=7.5(ACDを用いて計算)を有する。
MS (ES+ve) 505/507 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.02 - 1.08 (2H, m), 1.11 - 1.17 (2H, m), 1.57 - 1.68 (2H, m), 1.89 - 1.97 (2H, m), 2.30 - 2.43 (4H, m), 2.53 - 2.61 (1H, m), 2.72 - 2.85 (2H, m), 3.05 - 3.14 (1H, m), 3.74 - 3.81 (1H, m), 4.42 - 4.49 (1H, m), 6.98 (1H, dd), 7.26 (1H, d), 7.50 (1H, d), 8.10 (1H, s), 8.32 (1H, t); 〜3.3 (1H, m) での共鳴は、HDOにより不明瞭。
【0112】
実施例17
5−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)−1−ピペリジニル]−2−ヒドロキシプロピル]−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−3−ピリジンカルボキサミド
【化28】

表題化合物は、pKa=7.5(ACDを用いて計算)を有する。
MS (ES+ve) 519/521 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.00 - 1.07 (2H, m), 1.10 - 1.17 (2H, m), 1.62 - 1.73 (2H, m), 1.86 - 1.93 (2H, m), 2.30 - 2.39 (4H, m), 2.40 (3H, s), 2.52 - 2.61 (1H, m), 2.66 - 2.78 (2H, m), 3.04 - 3.13 (1H, m), 3.73 - 3.80 (1H, m), 4.46 - 4.54 (1H, m), 7.10 (1H, d), 7.35 (1H, d), 8.07 (1H, s), 8.29 (1H, t); 〜3.3 (1H, m)での共鳴は、HDOにより不明瞭。
【0113】
実施例18
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド
【化29】

【0114】
段階1:6−クロロ−N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド
THF(3ml)中の、塩化 4−トリフルオロメチル−6−クロロニコチノイル(0.585g)の溶液を、室温で、撹拌しながら、DCM(2ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.735g)およびトリエチルアミン(0.7ml)の溶液に滴下した。18時間後、反応混合物を真空で濃縮し、フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(溶出液=96:4 ジクロロメタン/メタノール中7N アンモニア)にかけ、黄色の油状物を得た(1.02g)。少量(0.1g)を、9:1 アセトニトリル/水(4ml)に再度溶解し、RPHPLC(濃度勾配:0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から5%)にかけ、白色の固体を得た(0.025g)。
MS (ES+ve) 526/528 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.66 - 1.80 (2H, m), 1.87 - 2.00 (2H, m), 2.42 - 2.57 (4H, m), 2.76 - 2.90 (2H, m), 3.27 (1H, dd), 3.44 (1H, dd), 3.86 - 3.95 (1H, m), 4.30 - 4.41 (1H, m), 6.80 (1H, dd), 7.02 (1H, d), 7.29 (1H, d), 7.78 (1H, s), 8.56 (1H, s).
【0115】
段階2:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド
N−メチル−2−ピロリジノン中の、6−クロロ−N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(0.28g)、メタンスルホンアミド(0.12g)、および炭酸カリウム(0.148g)の溶液を、撹拌しながら、マイクロ波照射(100W)下で、100℃で15分間加熱した。反応混合物を真空で濃縮し、4:1:1 アセトニトリル/水/酢酸(6ml)に再度溶解し、RPHPLC(濃度勾配:0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から5%)にかけ、白色の固体を得た(0.025g)。
表題化合物は、pKa=5.3(方法Bを用いて測定)を有する。
MS (ES+ve) 585/587 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.86 - 2.02 (2H, m), 2.06 - 2.20 (2H, m), 2.74 - 2.98 (4H, m), 3.07 - 3.22 (2H, m), 3.24 (3H, s), 3.36 - 3.56 (2H, m), 4.05 - 4.16 (1H, m), 4.52 - 4.62 (1H, m), 6.95 (1H, dd), 7.12 (1H, s), 7.18 (1H, d), 7.42 (1H, d), 8.44 (1H, s)
【0116】
実施例19
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化30】

【0117】
段階1:1−(4−メトキシベンジル)−5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル
水素化ナトリウム(0.018g)を、乾燥DMF(1.5ml)中の3,3,3−トリフルオロエタノール(0.060ml)の溶液に加えた。室温で30分間撹拌後、乾燥DMF(1ml)中の5−クロロ−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル(0.20g, J.Chem. Soc. Perkin I, 1982, 627)の溶液を加えた。混合物を80℃で18時間加熱し、次に冷却し、ジエチルエーテル(50ml)および水(50ml)の層間に分配した。水層をジエチルエーテル(2×50ml)で再度抽出し、合わせた抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。真空で濃縮し、シリカのクロマトグラフィー(濃度勾配:0〜50% EtOAc/イソヘキサン)にかけ、副題化合物を得た(0.127g)。
MS (ES+ve) 376 [M+H]+
1H NMR δ (CDCl3) 1.44 (3H, t), 3.66 (2H, q), 3.78 (3H, s), 4.46 (2H, q), 5.62 (2H, s), 6.89-6.83 (2H, m), 7.29-7.24 (2H, m).
【0118】
段階2:5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル
1−(4−メトキシベンジル)−5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル(0.127g)を、トリフルオロ酢酸(2ml)に溶解し、65℃で4時間加熱した。トリフルオロ酢酸を真空で蒸発させ、残渣をトルエン(3×10ml)と共に共沸し、次に真空下で乾燥し、副題化合物を得た(0.086g)。
MS (ES-ve) 234 [M-HF]-
1H NMR δ(CDCl3) 1.44 (3H, t), 3.89 (2H, q), 4.46 (2H, q).
【0119】
段階3:5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸
5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル(0.086g)を、1N 水酸化ナトリウム水溶液に懸濁し、70℃で3時間加熱した。反応混合物を濾過し、次に濃塩酸で酸性にした。真空で濃縮し、無色の固体を得て、それを氷冷した水で洗浄し、副題化合物を得た(0.080g)。
MS (ES-ve) 226 [M-H]-
1H NMR δ (DMSO-d6) 4.09-4.22 (2H, m), 13.51 (1H, s), 15.75 (1H, s).
【0120】
段階4:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(0.080g)を、DCM(2ml)に溶解し、塩化オキサリル(0.060ml)およびDMF(1滴)で処理した。溶液を室温で1時間撹拌し、次に真空で濃縮し、無水トルエン(5ml)と共に共沸した。残渣を乾燥THFに再度溶解し、DCM中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.108g)およびトリエチルアミン(0.142ml)の溶液に、撹拌しながら滴下した。混合物を1時間撹拌し、溶媒を真空で蒸発させ、生成物をRPHPLC(濃度勾配:0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 50%から5%)によって精製し、表題化合物を無色の固体として得た(0.058g)。
表題化合物は、pKa=5.2(方法Bを用いて測定)、およびpKa=4.6(ACDを用いて計算)を有する。
MS (ES+ve) 528/530 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.92 - 1.84 (2H, m), 2.09 - 1.98 (2H, m), 2.92 - 2.72 (4H, m), 3.13 - 3.04 (2H, m), 3.42 - 3.32 (2H, m) , 3.82 (2H, q), 4.03 - 3.97 (1H, m), 4.50 - 4.43 (1H, m), 6.83 (1H, dd), 7.07 (1H, d), 7.30 (1H, d).
【0121】
実施例20
4−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)−カルボニル]−1−ナフトエ酸
【化31】

N−メチル−2−ピロリジノン(20ml)中の、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸(0.100g)、(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.147g)、およびトリエチルアミン(0.193ml)の溶液に、PyBrOP(0.258g)を加えた。反応混合物を16時間撹拌し、溶媒を真空で除去した。残渣をRPHPLC(Symmetry, 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル)によって精製し、表題化合物を無色の固体として得る(0.050g, 20%)。
表題化合物は、pKa=3.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 517/519 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 2.02 - 2.30 (4H, m), 3.09 - 3.20 (2H, m), 3.22 - 3.30 (2H, m), 3.38 - 3.47 (2H, m), 3.51 - 3.67 (2H, m), 4.26 - 4.35 (1H, m), 4.66 - 4.73 (1H, m), 6.99 (1H, dd), 7.23 (1H, d), 7.45 (1H, d), 7.53 - 7.59 (2H, m), 7.64 (1H, d), 7.69 (1H, d), 8.23 - 8.26 (1H, m), 8.57 - 8.60 (1H, m).
【0122】
実施例21
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化32】

【0123】
段階1:2−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−カルボン酸
THF(12ml)中の、エチル−2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾール カルボキシレート(1.2g)およびトリエチルアミン(2.1ml)の溶液に、撹拌しながら、メタンスルホン酸無水物(1.74g)を、室温で少量ずつ加えた。2時間後、反応混合物を真空で濃縮し、残渣をジオキサン(5ml)および1N 水性NaOH(5ml)中で16時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、水(20ml)およびTHF(30ml)中の残渣に、水酸化リチウム一水和物(1.8g)を加えた後、50℃で12時間加熱した。冷却した反応混合物に、1N 水性塩酸(30ml)を加え、EtOAc(2×25ml)に抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。
1H NMR δ (DMSO-d6) 3.26 (3H, m).
【0124】
段階2:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
塩化チオニル(3ml)中の、2−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(0.145g)の溶液を、撹拌しながら、2時間還流した。塩化チオニルを冷却した溶液から真空で除去した。残渣をTHF(4ml)に溶解し、この溶液を、室温で、DCM(2ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.144g)およびトリエチルアミン(0.7ml)の溶液に滴下した後、終夜撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、9:1 アセトニトリル/水(4ml)に再度溶解した後、RPHPLC(Novapak, 濃度勾配:0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50%)にかけ、白色の固体を得た(0.028g)。
保持時間: 1.46分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
表題化合物は、pKa=7.5(方法Bを用いて測定)を有する。
MS (ES+ve) 591/593 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.88 - 2.04 (2H, m), 2.05 - 2.19 (2H, m), 2.82 (3H, s), 2.97 (1H, t), 3.10 (1H, d), 3.14 - 3.41 (4H, m), 4.05 - 4.14 (1H, m), 4.55 - 4.62 (1H, m), 6.87 (1H, dd), 7.12 (1H, d), 7.32 (1H, d), 共鳴:2は、不明瞭。
【0125】
実施例22
N−{(2R)−3−[4−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化33】

実施例4の通りに、(2R)−1−アミノ−3−[4−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)−ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール[WO 2003068743(A1)]から製造し、白色の固体を得た(0.046g)。
保持時間: 1.37分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
表題化合物は、pKa=6.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (ES+ve) 494/496 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.97 - 2.10 (2H, m), 2.11 - 2.21 (2H, m), 2.22 (3H, s), 2.93 (1H, dd), 3.02 (1H, dd), 3.08 - 3.21 (2H, m), 3.21 - 3.30 (2H, m), 3.33 - 3.42 (2H, m), 4.06 - 4.13 (1H, m), 4.57 - 4.63 (1H, m), 6.92 (1H, d), 7.11 (1H, dd), 7.15 (1H, d).
【0126】
実施例23
[5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−1(2H)−イル]酢酸
【化34】

【0127】
段階1:1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−6−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸
メタノール(5ml)中の、6−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(0.207g)および炭酸カリウム(0.553g)の懸濁液に、撹拌しながら、ブロモ酢酸メチル(0.104ml)を室温で加えた。16時間後、反応が完了していなかったので、さらにブロモ酢酸メチル(0.15ml)を加えた。さらに16時間後、混合物を真空で濃縮した後、1N 水性塩酸(30ml)を添加し、酢酸エチル(3×25ml)に抽出し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空で濃縮し、白色の固体を得た(300mg)。
MS (ES-ve) 278 [M-H]-
1H NMR δ (DMSO-d6) 3.70 (3H, s), 4.88 (2H, s), 6.91 (1H, d), 8.68 (1H, d), 13.25 (1H, br s).
【0128】
段階2:[5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−1(2H)−イル]酢酸メチル
塩化チオニル(4ml)中の、1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−6−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(0.140g)の溶液を、撹拌しながら、2時間還流した。塩化チオニルを、冷却した溶液から、真空で除去した。残渣をTHF(4ml)に溶解し、この溶液を、室温で、DCM(2ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.144g)およびトリエチルアミン(0.7ml)の溶液に滴下した後、終夜撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、次の段階に直接用いた。
【0129】
段階3:[5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−1(2H)−イル]酢酸
THF(3ml)および水(1ml)中の、[5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−1(2H)−イル]酢酸メチル(0.1g)、および水酸化リチウム(0.022g)の溶液を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、9:1 アセトニトリル/水(4ml)に再度溶解し、酢酸でpH 5まで酸性にした後、逆相HPLC(Novapak, 濃度勾配:0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50%)にかけ、白色の固体を得た(0.032g)。
保持時間: 1.29分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
表題化合物は、pKa=3.6(ACDを用いて計算)を有する。
MS (ES+ve) 566/568 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.97 - 2.07 (2H, m), 2.08 - 2.23 (2H, m), 2.93 (1H, dd), 3.03 (1H, dd), 3.06 - 3.16 (2H, m), 3.21 - 3.29 (2H, m), 3.36 (1H, dd), 3.45 (1H, dd), 4.08 - 4.15 (1H, m), 4.58 (2H, d), 4.59 - 4.65 (1H, m), 6.85 (1H, s), 6.95 (1H, dd), 7.19 (1H, d), 7.41 (1H, d), 8.07 (1H, s).
【0130】
実施例24
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化35】

表題化合物を実施例4の通りに製造し、白色の固体として得た(0.10g)。
表題化合物は、pKa=6.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 528/530 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.87 - 2.02 (2H, m), 2.02 - 2.21 (2H, m), 2.25 (3H, s), 2.79 - 2.97 (2H, m), 2.97 - 3.20 (2H, m), 3.22 - 3.33 (4H, m), 4.00 (1H, td), 4.54 (1H, s), 6.87 (1H, d), 7.21 (1H, dd).
【0131】
実施例25
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化36】

【0132】
段階1:4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
J.Het.Chem. 22, 1985, 1621-30 によって、(2E)−3−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸メチル[Angew. Chem. 2003, 42(8), 913-6]を用いて製造した。黄色の固体として得られた(3.67g)。
保持時間: 2.62分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50% (3分); 流速 2ml/分).
MS (ES-ve) 252 [M-H]-
【0133】
段階2:4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸
実施例4の通りに製造した。薄黄色の固体として得た(0.38g)。
MS (ES+ve) 240 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 7.24 - 7.33 (2H, m), 7.57 - 7.64 (2H, m), 12.10 (1H, s).
【0134】
段階3:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
実施例4の通りに製造した。白色の固体として得た(0.06g)。
表題化合物は、pKa=7.4(方法Bを用いて測定)を有する。
MS (APCI+ve) 538/540 [M+H]+
1H NMR δ(DMSO-d6) 1.51 - 1.63 (2H, m), 1.83 - 1.93 (2H, m), 2.15 - 2.29 (4H, m), 2.59 - 2.71 (2H, m), 2.97 - 3.04 (1H, m), 3.15 - 3.21 (1H, m), 3.60 (1H, quintet), 4.42 (1H, septet), 4.60 (1H, s), 6.98 (1H, dd), 7.25 (1H, d), 7.26 - 7.34 (3H, m), 7.49 (1H, d), 7.56 (2H, q).
【0135】
実施例26
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−(4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化37】

【0136】
段階1:5−(4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチル
ナトリウム(0.25g)を、徐々に、無水エタノールに加えた(4.6ml)。3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロパン酸メチル(1.44g)を加え、次にアジ化 4−メトキシベンジルを加えた。混合物を18時間還流し、次に冷却し、真空で濃縮した。混合物を氷水に注ぎ、希塩酸で酸性にした。得られた沈殿物を濾過し、乾燥し、黄色の固体を得た。これを65℃でトリフルオロ酢酸(8ml)中で8時間加熱した。混合物を真空で濃縮し、トルエンと共に共沸し、次に酢酸エチルで処理し、濾過し、表題化合物を黄色の固体として得た(0.5g)。それを精製することなく用いた。
【0137】
段階2:5−(4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸
実施例8の通りに製造した。白色の固体として得た。
保持時間: 0.87分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50% (3分); 流速 2ml/分).
MS (ES-ve) 206 [M-H]-
【0138】
段階3:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−(4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
実施例8の通りに製造した。白色の固体を得た(0.10g)。
表題化合物は、pKa=6.1(方法Bを用いて測定)を有する。
MS (APCI+ve) 508/510 [M+H]+
1H NMR δ(DMSO-d6) 1.59 - 1.70 (2H, m), 1.87 - 1.97 (2H, m), 2.28 - 2.46 (4H, m), 2.67 - 2.82 (2H, m), 3.24 - 3.41 (2H, m), 3.81 (1H, quintet), 4.45 (1H, septet), 4.86 (1H, s), 6.98 (1H, dd), 7.26 (1H, t), 7.29 (2H, tt), 7.49 (1H, d), 7.99 - 8.04 (2H, m), 8.44 (1H, t).
【0139】
実施例27
N−{(2R)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化38】

表題化合物は、白色の固体として得た(0.07g)。
表題化合物は、pKa=6.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 505/507 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.69 - 1.82 (2H, m), 1.95 - 2.06 (2H, m), 2.51 - 2.67 (4H, m), 2.87 - 2.95 (2H, m), 3.15 - 3.29 (2H, m), 3.80 (1H, quintet), 4.65 (1H, septet), 7.10 (1H, dd), 7.30 (1H, d), 7.52 (1H, s), 7.79 (1H, d).
【0140】
実施例28
N−{(2S)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化39】

表題化合物を白色の固体として得た(0.14g)。
表題化合物は、pKa=6.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 514/516(M+H)+
1H NMR δ (DMSO-d6 90℃) 1.69 - 1.82 (2H, m), 1.92 - 2.06 (2H, m), 2.52 - 2.75 (4H, m), 2.88 - 3.13 (2H, m), 3.83 (1H, quintet), 4.50 (1H, septet), 6.98 (1H, dd), 7.23 (1H, d), 7.47 (1H, d), 7.53 (1H, s).
【0141】
実施例29
N−{(2S)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−N−メチル−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化40】

表題化合物は、白色の固体として得た(0.13g)。
表題化合物は、pKa=6.3(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 519/521 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6 90℃) 1.65 - 1.79 (2H, m), 1.91 - 2.03 (2H, m), 2.35 - 2.59 (4H 不明瞭, m), 2.80 - 2.89 (2H 不明瞭, m), 3.00 (3H 不明瞭, s), 3.23 (1H, dd), 3.53 (1H, dd), 3.90 (1H, quintet), 4.62 (1H, septet), 7.09 (1H, dd), 7.30 (1H, d), 7.79 (1H, d).
【0142】
実施例30
N−{(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化41】

表題化合物は、白色の固体として得た(0.08g)。
表題化合物は、pKa=6.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 528/530 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.74 - 1.87 (2H, m), 1.93 - 2.05 (2H, m), 2.41 (3H, s), 2.51 - 2.72 (4H, m), 2.88 - 2.98 (2H, m), 3.14 - 3.30 (2H, m), 3.82 (1H, quintet), 4.52 (1H, septet), 7.07 (1H, d), 7.32 (1H, d), 7.54 (1H, s).
【0143】
実施例31
N−{(2R)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−イソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化42】

【0144】
段階1:5−イソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル
実施例8の通りに、4−メチル−3−オキソペンタン酸エチルを用いて製造した。それを精製することなく用いた。
【0145】
段階2:5−イソ−プロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸
実施例8の通りに製造し、琥珀色の油状固体を得た。
MS (ES+ve)156 [M+H]+
保持時間: 0.49分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50% (3分); 流速 2ml/分).
【0146】
段階3:N−{(2R)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−イソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
表題化合物を実施例8の通りに製造し、白色の固体として得た(0.04g)。
表題化合物は、pKa=7.3(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 447/449 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6, 90℃) 1.25 (6H, d), 1.64 - 1.74 (2H, m), 1.89 - 1.99 (2H, m), 2.30 - 2.43 (4H, m), 2.68 - 2.79 (2H, m), 3.29 (1H, dt), 3.39 (1H, dt), 3.65 (1H, septet), 3.78 (1H, quintet), 4.57 (1H, septet), 4.58 (1H, s), 7.08 (1H, dd), 7.28 (1H, d), 7.78 (1H, d), 7.96 (1H, s).
【0147】
実施例32
N−{(2S)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−イソプロピル−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化43】

表題化合物を実施例8の通りに製造し、白色の固体として得た(0.03g)。
表題化合物は、pKa=8.0(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 461/463 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.22 (6H, d), 1.54 - 1.70 (2H, m), 1.83 - 1.95 (2H, m), 2.19 - 2.39 (4H, m), 2.56 - 2.76 (2H, m), 3.09 (3H, s), 3.18 - 3.35 (2H, m), 3.68 (1H, dd), 3.87 (1H, s), 4.54 (1H, s), 7.07 (1H, dd), 7.26 (1H, s), 7.78 (1H, d).
【0148】
実施例33
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化44】

【0149】
段階1:5,5,5−トリフルオロ−3−オキソペンタン酸ベンジル
乾燥THF(50ml)中の3,3,3−トリフルオロプロパン酸(5g)を、N,N−カルボニルジイミダゾール(7.6g)で処理し、混合物を室温で6時間撹拌した。2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(5.63g)およびトリエチルアミン(5.4ml)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。硫酸水素カリウム水溶液(10%(w/v))を加え、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を分離し、水で、次に塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。溶媒を真空で濃縮し、薄黄色の固体を得た。トルエンを加え、次にベンジルアルコールを加えた。混合物を80℃で6時間加熱し、次に真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(溶出液 5:95 酢酸エチル/イソヘキサン)によって精製し、表題化合物をベージュ色の固体として得た(3.1g)。
MS (ES-ve) 259 [M-H]-
1H NMR δ (CDCl3) 3.41 (2H, q), 3.58 (2H, s), 5.19 (2H, s), 7.30 - 7.42 (5H, m).
【0150】
段階2:(2E)−3−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタ−2−エン酸ベンジル
エタノール(15ml)中の5,5,5−トリフルオロ−3−オキソペンタン酸ベンジル(2.1g)を、酢酸アンモニウム(2g)で処理した。混合物を80℃で18時間加熱し、次に真空で濃縮した。水およびDCMを加えた。有機相を分離し、重炭酸ナトリウム溶液で、そして水で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。溶媒を真空で濃縮し、表題化合物を無色の油状物として得た(0.71g)。
保持時間: 3.34分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50% (3分); 流速 2ml/分).
MS 258 [M-H]- (ES-).
1H NMR δ (CDCl3) 3.41 (2H, q), 3.58 (2H, s), 5.19 (2H, s), 7.30 - 7.42 (5H, m).
【0151】
段階3:2−オキソ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸ベンジル
J.Het.Chem. 22, 1985, 1621-30 に従って、(2E)−3−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタ−2−エン酸ベンジルを用いて製造した。薄黄色の固体として得た(0.61g)。
保持時間: 3.10分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
MS 318 (ES+ve) [M+H]+
1H NMR δ (CDCl3) 3.93 (2H, q), 5.28 (2H, s), 7.33 - 7.42 (5H, m), 9.47 (1H, s).
【0152】
段階4:2−オキソ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸
エタノール中の2−オキソ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸ベンジル(0.6g)を、5% パラジウム/炭素で処理し、3barで8日間水素化した。濾過後、溶媒を蒸発させ、表題化合物を無色の油状物として得た(0.15g)。
保持時間: 0.37分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100):Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50% (3分); 流速 2ml/分).
MS (ES-ve) 226 [M-H]-
【0153】
段階5:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
実施例4の通りに製造した。白色の固体として得た(0.12g)。
表題化合物は、pKa=6.6(方法Bを用いて測定)を有する。
MS (APCI+ve) 528/530 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.56 - 1.68 (2H, m), 1.86 - 1.96 (2H, m), 2.23 - 2.39 (4H, m), 2.65 - 2.79 (2H, m), 3.09 - 3.27 (2H, m), 3.73 (1H, quintet), 3.97 (2H, q), 4.44 (1H, septet), 4.75 (1H, s), 6.98 (1H, dd), 7.26 (1H, d), 7.49 (1H, d), 7.81 (1H, t).
【0154】
実施例34
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化45】

【0155】
段階1:(2E)−3−アミノ−3−ピリジン−2−イル アクリル酸エチル
実施例33段階2の通りに製造し、3−オキソ−3−ピリジン−2−イルプロパン酸エチルを用いて製造し、表題化合物を褐色の油状物として得た(2.5g)。
保持時間: 2.92分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50% (3分); 流速 2ml/分).
1H NMR δ (CDCl3) 1.32 (3H, t), 4.21 (2H, q), 5.34 (1H, s), 7.34 (1H, ddd), 7.75 (2H, td), 8.63 (1H, dt).
【0156】
段階2:2−オキソ−4−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸エチル
J.Het.Chem. 22, 1985, 1621-30 に従って製造した。
MS (ES+ve) 251 [M+H]+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.08 (3H, t), 4.09 (2H, q), 7.51 (1H, ddd), 7.82 (1H, dt), 7.92 (1H, td), 8.67 (1H, dq), 12.32 (1H, s).
【0157】
段階3:2−オキソ−4−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸
実施例4の通りに製造し、表題化合物を薄黄色の固体として得た。
保持時間: 0.49分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50% (3分); 流速 2ml/分).
MS (ES+ve) 223 [M+H]+
【0158】
段階4:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
実施例15段階2の通りに製造し表題化合物を白色の固体として得た(0.032g)。
表題化合物は、pKa=7.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 523/525(M+H)+
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.52 - 1.65 (2H, m), 1.82 - 1.94 (2H, m), 2.20 - 2.34 (4H, m), 2.61 - 2.73 (2H, m), 3.05 - 3.17 (1H, m), 3.42 (1H, dt), 3.72 (1H, quintet), 4.42 (1H, septet), 4.83 (1H, s), 6.97 (1H, dd), 7.25 (1H, d), 7.49 (1H, d), 7.56 (1H, dd), 7.85 (1H, d), 8.04 (1H, td), 8.71 (1H, d), 10.85 (1H, s), 11.96 (1H, s).
【0159】
実施例35
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(ペンタフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
【化46】

【0160】
段階1:6−オキソ−2−(ペンタフルオロエチル)−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル
クロロベンゼン(40ml)中の、アクリルアミド(4.11g)、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−3−オキソペンタン酸エチル(16.5g)、およびp−トルエンスルホン酸(0.120g)の懸濁液を、30分間超音波処理し、次にマイクロ波照射(150W, 120℃)によって、3時間加熱した。反応混合物を真空で濃縮し、フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(溶出液 1:3 酢酸エチル/イソヘキサン)にかけ、無色の固体を得た(0.697g)。
MS (ES-ve) 286 [M-H]+
1H NMR δ(CDCl3) 7.13 (s, 1H), 4.25 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.79 - 2.73 (m, 2H), 2.62 - 2.57 (m, 2H), 1.30 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0161】
段階2:6−オキソ−2−(ペンタフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル
四塩化炭素(5ml)中の、6−オキソ−2−(ペンタフルオロエチル)−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル(0.690g)、およびN−ブロモスクシンイミド(0.427g)の懸濁液を、80℃で20時間加熱した。反応混合物を真空で濃縮し、フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(溶出液 1:3 酢酸エチル/イソヘキサン)にかけ、無色の固体を得た(0.30g)。
MS (ES-ve) 284 [M-H]-
1H NMR δ (CDCl3) 1.36 (3H, t), 4.37 (2H, q), 6.93 (1H, d), 7.90 (1H, d).
【0162】
段階3:6−オキソ−2−(ペンタフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸
濃塩酸(10ml)中の、6−オキソ−2−(ペンタフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル(0.300g)の懸濁液を20時間還流した。反応混合物を冷却し、無色の固体を濾過して取った(0.30g)。
MS (ES-ve) 256 [M-H]-
1H NMR δ (DMSO-d6) 6.98 (1H, d), 8.04 (1H, d), 12.03 (1H, s).
【0163】
段階4:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(ペンタフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
塩化チオニル(5ml)中の、6−オキソ−2−(ペンタフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(0.105g)の溶液を、撹拌しながら、3時間還流した。塩化チオニルを冷却した溶液から真空で除去した。残渣をTHF(4ml)に溶解し、この溶液を、室温で、DCM(5ml)中の、(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.130g)、およびトリエチルアミン(0.4ml)の溶液に滴下した後、終夜撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、9:1 アセトニトリル/水(4ml)に再度溶解した後、RPHPLC(濃度勾配:0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50%)にかけ、表題化合物を白色の固体として得た(125mg)。
表題化合物は、pKa=6.3(ACDを用いて計算)を有する。
MS (ES+ve) 558/560 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.69 - 1.79 (2H, m), 1.90 - 1.99 (2H, m), 2.48 - 2.60 (4H, m), 2.81 - 2.91 (2H, m), 3.26 (1H, dd), 3.35 (1H, dd), 3.87 - 3.93 (1H, m), 4.34 - 4.39 (1H, m), 6.77 (1H, d), 6.81 (1H, dd), 7.02 (1H, d), 7.29 (1H, d), 7.64 (1H, d).
【0164】
実施例36
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−(メチルチオ)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化47】

DCM(2ml)中の5−(メチルチオ)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸[J. Chem. Soc. Perkin. Trans. 1 1982, 627](0.085g)の懸濁液に、撹拌しながら、塩化オキサリル(0.09ml)を、次にDMF(1滴)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残渣をTHF(2ml)に溶解し、この溶液を、室温で、DCM(5ml)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.169g)およびトリエチルアミン(0.22ml)の溶液に滴下した。1時間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮し、メタノール(4ml)に再度溶解した後、RPHPLC(濃度勾配:0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50%)にかけ、白色の固体を得た(0.091g)。
表題化合物は、pKa=5.5(方法Bを用いて測定)を有する。
MS (ES+ve) 460/462 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 1.76 - 1.88 (2H, m), 1.93 - 2.06 (2H, m), 2.45 (3H, s), 2.63 - 2.77 (4H, m), 2.92 - 3.04 (2H, m), 3.35 (2H, t), 3.91 - 3.99 (1H, m), 4.38 - 4.46 (1H, m), 6.82 (1H, dd), 7.05 (1H, d), 7.30 (1H, d).
【0165】
実施例37
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−カルボキサミド
【化48】

2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−カルボン酸エチル(0.3g)[EP 0 027 020 A1]を、3:1 THF/水(6ml)に溶解させた水酸化リチウム溶液で処理し、50℃で1時間加熱した。反応混合物を、水(10ml)および酢酸エチル(10ml)の層間に分配した。水相を希塩酸を用いてpH 3まで酸性にし、次に酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。有機物を合わせ、水(2×10ml)で、そして塩水(10ml)で洗浄し、次に乾燥し(NaSO)、濾過し、真空で濃縮し、該酸を灰白色の固体として得た(0.175g)。アミン樹脂上で、メタノールでフラッシュして不純物を除き、次に5%蟻酸/メタノールで精製を行い、生成物を単離した。塩化チオニル(4ml)中の2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−カルボン酸(0.032g)の溶液を、撹拌しながら、2時間還流した。過剰の塩化チオニルを冷却した溶液から真空で除去した。残渣をTHF(2ml)に溶解し、この溶液を、室温で、DCM(1ml)中の、(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(0.051g)およびトリエチルアミン(0.24ml)の溶液に滴下した後、終夜撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残渣を、水、メタノールおよび酢酸をそれぞれ2〜3滴含むアセトニトリルに再度溶解した後、それを、RPHPLC Novapak (濃度勾配:0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50%)にかけ、次に順相にかけ、3/17 メタノール中7N NH/ジクロロメタンの混合物で溶出した。これより、望ましい生成物を黄色の固体として得た(0.016g)。
表題化合物は、pKa=5.8(ACDを用いて計算)を有する。
MS (ES-ve) 498/496 [M-H]-
1H NMR δ (CD3OD) 1.77 (s, 1H), 2.07 (s, 1H), 2.94 - 2.91 (m, 1H), 3.02 - 2.98 (m, 1H), 3.18 - 3.06 (m, 3H), 3.42 - 3.36 (m, 3H), 3.74 - 3.69 (m, 1H), 4.62 (quintet, 1H) , 5.25 (s, 1H), 5.43 (s, 1H), 5.53 (s, 1H), 5.70 (s, 1H), 6.95 (dd, 2.8 Hz, 1H), 7.18 (d, 1H), 7.40 (d, 1H).
【0166】
実施例38
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化49】

【0167】
段階1:5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸
5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル(0.312g)を、N 水性水酸化ナトリウム(3.8ml)中で撹拌し、90分間還流した。冷却した溶液を水性塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。抽出物を塩水で洗浄し、次に乾燥し、蒸発させ、無色の固体を得た(0.226g)。
MS (ES-ve) 180 [M-H]-
【0168】
段階2:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
実施例8の方法によって製造し、表題化合物を得た(0.113g)。
表題化合物は、pKa=4.0(方法Bを用いて測定)を有する。
MS (APCI+ve) 482/484/486 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 2.04 (4H, m), 2.99 (1H, m), 3.13 (3H, m), 3.32 (2H, m), 3.39 (2H, m), 4.10 (1H, m), 4.58 (1H, m), 6.88 (1H, dd), 7.13 (1H, d), 7.34 (1H, d).
【0169】
実施例39
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化50】

【0170】
段階1:5−アミノ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル
シアノ酢酸エチル(1.96ml)を、ナトリウム(0.423g)およびエタノール(45ml)から製造した、ナトリウム エトキシドの溶液に加え、溶液を30分間撹拌した。エタノール(5ml)中の4−メトキシベンジルアジド(3.0g)の溶液を滴下し、混合物を5時間還流した。冷却した混合物を水に注ぎ、希塩酸で酸性にし、次に酢酸エチルで抽出した。抽出物を、水で、塩水で洗浄し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン 1:9、次に15:85)によって精製し、生成物を薄黄色の固体として得た(0.85g)。
MS (APCI-ve) 275 [M-H]+
【0171】
段階2:1−(4−メトキシベンジル)−5−[(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸
5−アミノ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル(0.85g)および塩化メタンスルホニル(0.72ml)を、ピリジン(20ml)中で4日間撹拌した。さらに塩化メタンスルホニル(0.72ml)を加え、撹拌を24時間続けた。さらに塩化メタンスルホニル(0.5ml)を加え、撹拌を24時間続けた。混合物を真空で濃縮した。残渣を希塩酸に懸濁し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を希塩酸で洗浄し、次に水を蒸発させた。残渣をエタノール(70ml)および2M 水酸化ナトリウム溶液(70ml)に溶かし、18時間撹拌した。混合物をほぼ半量まで濃縮し、希塩酸で酸性にした。混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を、水で、そして塩水で洗浄し、次に乾燥し、蒸発させ、白色の固体を得た(0.90g)。
1H NMR δ (CD3OD) 3.15 (3H, s), 3.79 (3H, s), 5.63 (2H, s), 6.92 (2H, d), 7.32 (2H, d).
【0172】
段階3:1−(4−メトキシベンジル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチル
1−(4−メトキシベンジル)−5−[(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(0.9g)、および炭酸カリウム(1.15g)を、乾燥DMF(10ml)中で撹拌した。ヨウ化メチル(0.83ml)を加え、混合物を5時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を、希塩酸で、水で、そして塩水で洗浄し、次に乾燥し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/DCM 1:9)によって精製し、副題化合物を褐色の固体として得た(0.54g)。
MS (APCI+ve) 355 [M+H]+
【0173】
段階4:5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチル
1−(4−メトキシベンジル)−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチル(0.54g)を、トリフルオロ酢酸(5ml)中で、60℃で、6時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残渣をトルエンと共に共沸した。フラッシュクロマトグラフィー(1:49 メタノール/DCM)によって精製し、ゴム状物質として副題化合物を得た(0.36g)。
MS (APCI+ve) 235 [M+H]+
【0174】
段階5:5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸
5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチル(0.36g)を、2N 水酸化ナトリウム水溶液(1.7ml)を含むTHF(5ml)中で18時間撹拌した。混合物を真空で濃縮した。水性残渣に希酢酸を加え、これを酢酸エチル(2×15ml)で抽出した。抽出物を、水で、そして塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、副題化合物を得た(0.07g)。
MS (APCI-ve) 219 [M-H]-
【0175】
段階6:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(0.07g)を用いて、実施例8の方法によって製造し、表題化合物を得た(0.25g)。
表題化合物は、pKa=4.2(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI-ve) 519 [M-H]-
1H NMR δ(CD3OD) 1.95-2.06 (2H, m), 2.08-2.22 (2H, m), 2.94 (1H, m), 3.01 (1H, m), 3.06 (3H, s), 3.07-3.15 (1H, m), 3.18-3.29 (3H, m), 3.33 (3H, s), 3.49 (2H, d), 4.12 (1H, m), 4.60 (1H, m), 6.94 (1H, dd), 7.18 (1H, d), 7.41 (1H, d).
【0176】
実施例40
N−{(2R)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化51】

【0177】
段階1:2−クロロ−4−ヒドロキシ−3−メチルベンゾニトリル
N−メチル−2−ピロリジノン(5ml)中の、4−ブロモ−3−クロロ−2−メチルフェノール(0.427g)、シアン化亜鉛(0.271g)、およびテトラキス[トリフェニルホスフィン]パラジウム(0.056g)の溶液を、撹拌しながら、マイクロ波照射(150W)下で、130℃で、35分間加熱した。反応混合物を無水硫酸マグネシウムを通じて濾過し、1:2 酢酸エチル/ジエチルエーテル(15ml)と水(15ml)の層間に分配した。水相を1:2 酢酸エチル/ジエチルエーテル(2×15ml)で再度抽出した。有機物を合わせ、水(2×20ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。本化合物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、1:9 酢酸エチル/イソヘキサンを溶出液として用いて、望ましい生成物を桃色の固体として得た(174mg, 54%)。
保持時間: 1.60分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
MS (ES-ve) 166/168 [M-H]+
1H NMR δ (CD3OD) 2.27 (s, 3H), 6.82 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.8 Hz, 1H).
【0178】
段階2:tert−ブチル 4−(3−クロロ−4−シアノ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
特許 WO 0220484 A1 の方法に従って製造した。
保持時間: 2.83分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
1H NMR δ (CDCl3) 1.48 (s, 9H), 1.86 - 1.75 (m, 2H), 1.99 - 1.89 (m, 2H), 2.32 (s, 3H), 3.51 - 3.42 (m, 2H), 3.65 - 3.57 (m, 2H), 4.64 - 4.57 (m, 1H), 6.80 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.7 Hz, 1H)
【0179】
段階3:2−クロロ−3−メチル−4−(ピペリジン−4−イルオキシ)ベンゾニトリル
製造法1段階2に従って製造した。
保持時間: 1.17分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
MS (ES+ve) 251/253 [M+H]+
1H NMR δ (CDCl3) 1.80 - 1.70 (m, 2H), 2.06 - 1.96 (m, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.83 - 2.75 (m, 2H), 3.18 - 3.09 (m, 2H), 4.54 - 4.47 (m, 1H), 6.79 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.7 Hz, 1H).
【0180】
段階4:4−({1−[(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]ピペリジン−4−イル}オキシ)−2−クロロ−3−メチルベンゾニトリル
製造法1段階3に従って製造した。
保持時間: 1.20分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
MS (ES+ve) 324/326 [M+H]+
1H NMR δ (CDCl3) 1.29 - 1.22 (m, 2H), 1.94 - 1.81 (m, 2H), 2.08 - 1.95 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.46 - 2.33 (m, 3H), 2.67 - 2.59 (m, 3H), 2.90 - 2.80 (m, 2H), 3.73 - 3.66 (m, 1H), 4.51 - 4.44 (m, 1H), 6.79 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.7 Hz, 1H).
【0181】
段階5:N−{(2R)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
実施例4の方法に従って製造した。
保持時間: 1.18分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
表題化合物は、pKa=4.7(方法Bを用いて測定)、およびpKa=6.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (ES+ve) 519/521 [M+H]+, (ES-ve) 517/519 [M-H]-
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.81 - 1.91 (m, 2H), 2.02 - 2.10 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.54 - 2.70 (m, 4H), 2.88 - 2.95 (m, 2H), 3.24 - 3.31 (m, 1H), 3.34 - 3.41 (m, 1H), 3.87 (quintet, 1H), 4.63 - 4.69 (m, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.54 - 7.64 (m, 1H), 7.68 (d, 1H).
【0182】
実施例41
N−{(2R)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化52】

実施例31の方法によって製造し、表題化合物を得た(0.64g)。
表題化合物は、pKa=2.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 473/475 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD) 2.39-2.67 (4H, m), 3.44 (1H, m), 3.55-3.90 (6H, m), 3.84 (1H, m), 7.45 (1H, dd), 7.65 (1H, d), 8.08 (1H, d).
【0183】
実施例42
2−クロロ−5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]安息香酸
【化53】

【0184】
段階1:3−tert−ブチル 1−メチル 4−クロロイソフタレート
tert−ブチル 5−ブロモ−2−クロロベンゾエート(1.9g)(WO 2003 095430)を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2ml)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)(0.134g)を含むメタノール(18ml)に溶解した。混合物を85℃で12時間カルボニル化した。冷却した溶液を蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、5:95 酢酸エチル/イソヘキサンで溶出し、副題化合物を無色の油状物として得た(0.67g)。
1H NMR δ (CDCl3) 1.62 (9H, s), 3.94 (3H, s), 7.49 (1H, dd), 8.02 (1H, dd), 8.35 (1H, d).
【0185】
段階2:3−(tert−ブトキシカルボニル)−4−クロロ安息香酸
THF(5ml)中の、3−tert−ブチル 1−メチル 4−クロロイソフタレート(0.37g)を、水(5ml)中の水酸化リチウム(0.17g)で処理し、混合物を18時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。水および酢酸エチルを加えた。水性抽出物を分離し、希塩酸で酸性にした。生成物を酢酸エチルに抽出した。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させ、副題化合物を白色の固体として得た(0.32g)。
保持時間: 1.98分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95%から50% (3分); 流速 2ml/分).
MS (ES-ve) 255 [M-H]-
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.56 (9H, s), 7.69 (1H, d), 8.03 (1H, dd), 8.18 (1H, d).
【0186】
段階3:tert−ブチル 2−クロロ−5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]ベンゾエート
実施例15段階2の通りに製造し副題化合物を無色の油状物として得た(0.14g)。
保持時間: 2.93分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
MS (ES+ve) 571 [M+H]+
【0187】
段階4:2−クロロ−5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]安息香酸
DCM(5ml)中の、tert−ブチル 2−クロロ−5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]ベンゾエート(0.14g)を、トリフルオロ酢酸(1.5ml)で処理し、混合物を1.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。生成物をRPHPLC(Symmetry, 0.1%酢酸アンモニウム/アセトニトリル)によって精製し、表題化合物を白色の固体として得た(0.05g)。
表題化合物は、pKa(測定値)=2.3を、そしてpKa(計算値)=2.6(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI-ve) 513/517[M-H]-
1H NMR δ (CD3OD + NaOD) 1.79 - 1.91 (2H, m), 1.98 - 2.09 (2H, m), 2.34 (3H, s), 2.47 - 2.58 (2H, m), 2.52 (2H, d), 2.75 - 2.87 (2H, m), 3.43 (1H, dd), 3.53 (1H, dd), 4.02 (1H, quintet), 4.44 - 4.53 (1H, m), 6.95 (1H, d), 7.31 (1H, d), 7.49 (1H, d), 7.77 (1H, dd), 7.96 (1H, d).
【0188】
実施例43
4−クロロ−3−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]安息香酸
【化54】

【0189】
段階1:4−クロロ−3−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]安息香酸メチル
実施例15段階2の通りに、2−クロロ−5−(メトキシカルボニル)安息香酸(FR2842805)、および(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オールを用いて製造し、無色の油状物として得た(0.1g)。
保持時間: 2.42分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
MS (ES-ve) 529/531 [M-H]-
【0190】
段階2:4−クロロ−3−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]安息香酸
実施例23段階3の通りに製造し、白色の固体として得た(0.022g)。
表題化合物は、pKa=3.7(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI-ve) 513/517[M-H]-
1H NMR δ (CD3OD) 1.78 - 1.89 (2H, m), 1.97 - 2.08 (2H, m), 2.34 (3H, s), 2.47 - 2.62 (4H, m), 2.79 - 2.90 (2H, m), 3.49 (2H, ddd), 4.03 (1H, quintet), 4.46 (1H, septet), 6.95 (1H, d), 7.30 (1H, d), 7.48 (1H, d), 8.00 (1H, dd), 8.06 (1H, d).
【0191】
実施例44
4−クロロ−3−[2−({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)−2−オキソエトキシ]安息香酸
【化55】

【0192】
段階1:3−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−4−クロロ安息香酸メチル
DMF(6ml)中の、4−クロロ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル[Chem. Pharm. Bull. 1994, 42(11), 2365-9](0.73g)、炭酸セシウム(1.27g)、およびtert−ブチルブロモアセテート(0.58ml)を加熱し、60℃で3時間撹拌した。水を加え、生成物を酢酸エチルに抽出した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。得られた油状物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1:10 酢酸エチル/イソヘキサンを溶出液として用いて、副題化合物を無色の油状物として得た(1.25g)。
1H NMR δ (CDCl3) 1.49 (9H, s), 3.91 (3H, s), 4.66 (2H, s), 7.45 (1H, d), 7.48 (1H, d), 7.62 (1H, dd).
【0193】
段階2:[2−クロロ−5−(メトキシカルボニル)フェノキシ]酢酸
実施例42段階4の通りに、副題化合物を灰白色の固体として得た(0.18g)。
1H NMR δ (DMSO-d6) 3.86 (3H, s), 4.93 (2H, s), 7.48 (1H, d), 7.56 (1H, dd), 7.62 (1H, d), 13.21 (1H, s).
MS (ES-ve) 243 [M-H]-
【0194】
段階3:4−クロロ−3−[2−({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)−2−オキソエトキシ]安息香酸メチル
実施例15段階2の通りに、[2−クロロ−5−(メトキシカルボニル)−フェノキシ]酢酸および(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オールを用いて製造し、副題化合物を無色の油状物として得た(0.084g)。
MS (ES+ve) 561/3 [M+H]+
保持時間: 2.58分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
【0195】
段階4:4−クロロ−3−[2−({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)−2−オキソエトキシ]安息香酸
実施例23段階3の通りに製造した。表題化合物を白色の固体として得た(0.02g)。
表題化合物は、pKa=3.8(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI-ve) 545/547[M-H]-
1H NMR δ (CD3OD) 1.98 - 2.13 (2H, m), 2.16 - 2.31 (2H, m), 2.34 (3H, s), 2.94 - 3.11 (2H, m), 3.15 - 3.26 (2H, m), 3.34 (2H, s), 3.40 (2H, d), 4.10 - 4.17 (1H, m), 4.64 - 4.70 (1H, m), 4.71 (2H, d), 6.99 (1H, d), 7.32 (1H, d), 7.41 (1H, d), 7.58 (1H, dd), 7.59 (1H, s).
【0196】
実施例45
{2−クロロ−5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]フェノキシ}酢酸
【化56】

【0197】
段階1:3−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−4−クロロ安息香酸
9:1 tert−ブタノール:水中の、3−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−4−クロロ安息香酸メチル(0.7g)を、Antarctica B リパーゼに6日間かけた。濾過し、溶媒を蒸発させ、副題化合物を灰白色の固体として得た(0.6g)。
MS (ES-ve) 285 [M-H]-
1H NMR δ (DMSO-d6) 1.42 (9H, s), 4.88 (2H, s), 7.45 (1H, d), 7.54 (1H, dd), 7.58 (1H, d).
【0198】
段階2:tert−ブチル {2−クロロ−5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]フェノキシ}アセテート
実施例15段階2の通りに、3−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−4−クロロ安息香酸および(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オールを用いて製造し、副題化合物を無色の油状物として得た(0.14g)。
MS (ES+ve) 603/5 [M+H]+
保持時間: 2.98分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
【0199】
段階3:{2−クロロ−5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]フェノキシ}酢酸
実施例42段階4の通りに製造し表題化合物を白色の固体として得た(0.085g)。
表題化合物は、pKa=3.0(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI-ve) 543/547[M-H]-
1H NMR δ (CD3OD + NaOD) 1.74 - 1.86 (2H, m), 1.95 - 2.05 (2H, m), 2.31 (3H, s), 2.41 - 2.52 (4H, m), 2.74 - 2.84 (2H, m), 3.32 - 3.38 (1H, m), 3.50 (1H, dd), 3.98 (1H, quintet), 4.42 (1H, septet), 4.54 (2H, s), 6.91 (1H, d), 7.27 (1H, d), 7.37 (1H, dd), 7.38 (1H, s), 7.44 (1H, d).
【0200】
実施例46
3−[2−({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)−2−オキソエトキシ]安息香酸
【化57】

【0201】
段階1:3−[2−({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)−2−オキソエトキシ]安息香酸メチル
実施例15段階2の通りに、[3−(メトキシカルボニル)フェノキシ]酢酸 [Asian Journal of Chemistry 1992, 4(4), 920-3]および(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オールを用いて製造し、副題化合物を薄黄色の油状物として得た(0.11g)。
MS (ES+ve) 525/527 [M+H]+
保持時間: 2.35分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
【0202】
段階2:3−[2−({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)−2−オキソエトキシ]安息香酸
実施例23段階3の通りに製造した。表題化合物を白色の固体として得た(0.049g)。
表題化合物は、pKa(測定値)=2.6、およびpKa(計算値)=4.0(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI-ve) 509/511[M-H]-
1H NMR δ (CD3OD + NaOD) 1.73 - 1.85 (2H, m), 1.94 - 2.03 (2H, m), 2.30 (3H, s), 2.33 - 2.47 (4H, m), 2.68 - 2.78 (2H, m), 3.32 - 3.44 (2H, m), 3.90 (1H, quintet), 4.37 - 4.46 (1H, m), 4.57 (2H, s), 6.92 (1H, d), 7.04 - 7.08 (1H, m), 7.24 - 7.34 (2H, m), 7.56 - 7.61 (2H, m).
【0203】
実施例47
{3−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]フェノキシ}酢酸
【化58】

【0204】
段階1:tert−ブチル {3−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]フェノキシ}アセテート
実施例15段階2の通りに、3−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)安息香酸[WO 00/78317 A1]および(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オールを用いて製造し、副題化合物を白色の固体として得た(0.11g)。
MS (ES+ve) 567/569 [M+H]+
保持時間: 2.65分 (逆相分析HPLC (Hewlett Packard Series 1100): Waters “Symmetry” C8 カラム 3.5μm; 4.6 x 50mm カラム; 濃度勾配 0.1% 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 75%から5% (3分); 流速 2ml/分).
【0205】
段階2:{3−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]フェノキシ}酢酸
実施例42段階4の通りに、表題化合物を白色の固体として得た(0.063g)。
表題化合物は、pKa=3.1(ACDを用いて計算)を有する。
MS (APCI+ve) 511/513 [M+H]+
1H NMR δ (CD3OD + NaOD) 1.75 - 1.87 (2H, m), 1.96 - 2.05 (2H, m), 2.31 (3H, s), 2.42 - 2.54 (4H, m), 2.75 - 2.85 (2H, m), 3.37 (1H, dd), 3.50 (1H, dd), 3.99 (1H, quintet), 4.47 (3H, s), 6.91 (1H, d), 7.08 - 7.12 (1H, m), 7.27 (1H, dd), 7.32 - 7.40 (3H, m).
【0206】
実施例48
薬理学的な分析:カルシウム・フラックス [Ca2+]アッセイ
ヒトの好酸球
ヒトの好酸球を、前述(Hansel et al., J. Immunol. Methods, 1991, 145, 105-110)のように、EDTA抗凝固性末梢血から単離した。細胞を再度懸濁(5×10個/ml)し、低カリウム溶液 (LKS;NaCl 118mM, MgSO 0.8mM, グルコース 5.5mM, NaCO 8.5mM, KCl 5mM, HEPES 20mM, CaCl 1.8mM, BSA 0.1%, pH 7.4)中で、5μMの FLUO-3/AM+Pluronic F127 2.2μl/ml(Molecular Probes)で、室温で1時間負荷した。負荷後、細胞を200Gで5分間遠心分離し、LKS中で、2.5×10個/mlで再度懸濁した。次に、細胞を96ウェル FLIPr プレート(5μM フィブロネクチンと共に2時間プレインキュベートしたポリ−D−リジン プレート, Becton Dickinson)に、25μl/ウェルで移した。プレートを200Gで5分間遠心分離し、細胞をLKS(200μl;室温)で2回洗浄した。
【0207】
実施例の化合物を、DMSOに前もって溶解し、最終濃度0.1%(v/v) DMSOで加えた。アッセイをA50濃度のエオタキシンを添加することによって開始し、fluo-3 蛍光(λEx=490nm, λEm=520nm)における一過性の増大を、FLIPR(Fluorometric Imaging Plate Reader, Molecular Devices, Sunnyvale, U.S.A.)を用いてモニターした。
【0208】
実施例の化合物は、エオタキシン(選択的CCR3アゴニスト)によって誘発される蛍光の増大が濃度依存で阻害された場合、アンタゴニストであることが見出された。50%までの蛍光を阻害するのに必要なアンタゴニストの濃度は、CCR3受容体でのアンタゴニストに対して、IC50を決定するために用い得る。
【0209】
実施例49
ヒトの好酸球の走化性
ヒトの好酸球は、前述(Hansel et al., J. Immunol. Methods, 1991, 145, 105-110)のように、EDTA抗凝固性末梢血から単離した。細胞を、200IU/mlのペニシリン、200μg/mlの硫酸ストレプトマイシンを含むRPMI中で、10×10個/mlで再度懸濁し、10%のHIFCSを室温で加えた。
【0210】
好酸球(700μl)を、7μlの賦形剤もしくは化合物(10% DMSO中、100×望ましい最終濃度)の何れかと共に、15分間37℃でプレインキュベートした。走化性プレート(ChemoTx, 孔径3μl, Neuroprobe)を、一定濃度の実施例の化合物もしくは溶媒を含む、28μlの一定濃度のエオタキシン (0.1から100nM)を、走化性プレートの下方のウェルに添加することによって負荷した。次にフィルターをウェルの上に置き、25μlの好酸球懸濁液を、フィルターの上部に加えた。プレートを、95% 空気/5% COの加湿雰囲気中で、37℃で1時間インキュベートして、ケモタキシスを行わせた。
【0211】
移動しなかった細胞を含む培地を、注意深くフィルター上で吸引し、除去した。フィルターを、5mM EDTAを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1回洗浄し、全ての接着細胞を除去した。フィルターを介して移動した細胞を、遠心分離(300G, 5分, 室温)によってペレットにし、フィルターを除去し、上清を96−ウェルプレート(Costar)のそれぞれのウェルに移した。ペレットにした細胞を、0.5% Triton x100 を含む、28μlのPBSを添加することによって溶解し、凍結/解凍を2サイクル行った。次に、細胞のライセート(lysate)を上清に加えた。移動した好酸球の数は、Strath et al., J. Immunol. Methods, 1985, 83, 209 の方法に従って、上清中の好酸球のペルオキシダーゼ活性を測定することによって定量した。
【0212】
実施例の化合物は、エオタキシンに対する濃度応答がコントロールのカーブより右にシフトした場合に、エオタキシン介在ヒト好酸球走化性のアンタゴニストであることが見出された。化合物の存在下もしくは非存在下における50%走化性を与えるのに必要なエオタキシンの濃度を測定することが、本化合物のCCR3への見かけの親和性を計算することを可能とする。または、アッセイが、前持って定められたエオタキシンの濃度に対する、定められた化合物の濃度での、化合物の活性を決定するために用いられ得る。
【0213】
実施例50
モルモットの摘出された気管(例えば, Harrison, R.W.S., Carswell, H. & Young, J.M. (1984) European J. Pharmacol., 106, 405-409 参照)
オスのアルビノの Dunkin-Hartley モルモット(250g)を、頸部の脱臼によって殺し、全ての気管を取り出した。随伴する結合組織を除いた後、気管をそれぞれ3個の軟骨のバンドの幅で、6個の環状のセグメントに切り、次に、下記の組成(mM):NaCl 117.6、NaHPO 0.9、NaHCO 25.0、MgSO 1.2、KCl 5.4、CaCl 2.6、およびグルコース 11.1の Krebs-Henseleit 溶液を含む、20mlの器官浴中で懸濁した。緩衝液を37℃に保ち、酸素中の5% COで処理した。インドメタシン(2.8μM)を、Krebs 溶液に加え、シクロオキシゲナーゼ生成物の合成のために、平滑筋の緊張(tone)を妨げる。気管を2つの平行なタングステンのワイヤーフック(一方は Ormed beam isometric force transducer に接着し、他方は器官浴中で静止した支持体に接着している)の間に懸架した。等長力(isometric force)の変化を、2-channel Sekonic flat bed chart recorders で記録した。
【0214】
実験プロトコル
それぞれの実験の開始時に、1gの力を組織に加え、安定な休止状態に達するまで、これを60分間の平衡時間で回復させた。次に、それぞれの組織において、0.5・log10単位の増加で累積ヒスタミン濃度効果(E/[A])カーブを描いた。次に、組織を洗浄し、約30分後、試験化合物または賦形剤(20% DMSO)を添加した。60分間のインキュベーション後、ヒスタミンに対する第二のE/[A]カーブを描いた。
萎縮応答を、第一カーブの最大値のパーセンテージとして記録した。
【0215】
データ分析
実験のE/[A]カーブデータは、試験化合物の存在下または非存在下での、ヒスタミンの活性(p[A50]値)を推定する目的で分析した。試験化合物の親和性の値(pA)は、次に下記の式:
log(r−1)=log[B]+pA
[式中、r=[A]50(試験化合物存在下)/[A]50(アンタゴニスト非存在下)であり;
[B]は、試験化合物の濃度である]を用いて計算した。実施例の化合物は、H1アンタゴニストであることが見出された。
【0216】
実施例51
本発明の化合物のヒスタミン H1 受容体結合活性は、アッセイ緩衝液(2mM MgCl、250mM スクロース、および100mM NaClを含む50mM Tris(pH 7.4))中で、ヒトのH1受容体を発現させたリコンビナントのCHO−K1細胞(Euroscreen SA, Brussels, Belgium, product code ES-390-M)から調製された2μgの膜に対する、1nM [3H]−ピリラミン(Amersham, Bucks, Product code TRK 608, 比活性 30Ci/mmol)の、1時間、室温での競合置換によって評価した。
【0217】
下記の本発明の化合物は以下の[3H]−ピリラミン(pyrilimine)結合の阻害を示した。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

は、所望によりハロゲン、シアノ、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルによって置換されているフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキル、またはC3−6シクロアルキルであり;そして
は、1.0から8.0のpKa(計算値もしくは測定値)を有する、NHもしくはOHを有する基であり:
●4位にC1−4フルオロアルキル、置換されたフェニル基、置換された複素環基、またはCHS(O)(C1−4アルキル)を有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
●4位にC1−4フルオロアルキルまたはCHS(O)(C1−4アルキル)を有する2−オキソ−オキサゾール−5−イル;
●5位にC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4フルオロアルキル、S−R(ここで、RはC1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、またはC3−6シクロアルキルである)、NHS(O)(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)S(O)(C1−4アルキル)、フェニル基、複素環基、またはCHS(O)(C1−4アルキル)を有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;
●2位にC1−4フルオロアルキルを有する4−オキソ−1H−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル;
●3位にC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、またはCH(C1−3フルオロアルキル)を有し、かつ1個以上の他の環の位置で所望により置換されている2,6−ジオキソ−1H−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル;
●2位および/または5位にC1−4フルオロアルキル、シアノ、またはフェニルを有し、かつ1個以上の他の環の位置で所望により置換されている6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
●環窒素上にCHCOHを有し、かつ1個以上の他の環の位置で所望により置換されている6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
●2H−テトラゾール−5−イル;
●COH、CHCOHもしくはOCHCOHの少なくとも1個により置換されている、フェニル、CHOフェニル、ナフチルまたはアシル化されたジヒドロイソキノリニル環;または
●少なくともNHS(O)(C1−4アルキル)により置換されている芳香族性複素環:
から選択され、
ここで、上記のようにR中の複素環が所望により置換されているとき、当該所望の置換基はフルオロ、クロロ、ブロモ、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4フルオロアルキル、S−R(ここで、Rは、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、またはC3−6シクロアルキルである)、シアノ、S(O)(C1−4アルキル)、またはS(O)NH(C1−4アルキル)から選択され;
ここで、上記のようにR中のフェニル環もしくはナフチル環が、所望により置換されているとき、当該所望の置換基はハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルキル、OCF、SCF、ニトロ、S(C1−4アルキル)、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)NH(C1−4アルキル)、S(O)N(C1−4アルキル)、NHC(O)(C1−4アルキル)、NHS(O)(C1−4アルキル)から選択される]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、または可能であればその互変異性体。

【公開番号】特開2009−19055(P2009−19055A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226791(P2008−226791)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【分割の表示】特願2006−551005(P2006−551005)の分割
【原出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】