説明

ケモカイン受容体活性のモジュレーターとしてのスピロ環式化合物

本発明は、式(I):


のケモカイン受容体活性のモジュレーター、またはその立体異性体もしくは医薬的に許容される塩を開示する。さらに、喘息およびアレルギー性疾患といった炎症性疾患ならびに関節リウマチおよび移植片拒絶といった自己免疫病態の、式(I)の化合物を用いた治療方法および予防方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケモカイン受容体活性のモジュレーターとしてのスピロ環式化合物、該化合物を含む医薬組成物、ならびに炎症性疾患、アレルギー性疾患および自己免疫疾患、特に関節リウマチおよび移植片拒絶の治療および予防に該化合物を用いる方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
ケモカインは分子量6−15kDaの走化性サイトカインであり、多くの細胞型、取分け、単球、マクロファージ、TおよびBリンパ球、好酸球、好塩基球および好中球を誘引および活性化するために、様々な細胞により放出される。アミノ酸配列の最初の2つのシステインが1個のアミノ酸で分けられている(CXC)か、隣接している(CC)かにより、ケモカインには2つの大きな種類、CXCおよびCCが存在する。CXCケモカイン、例えば、インターロイキン−8(IL−8)、好中球活性化タンパク質−2(NAP−2)およびメラノーマ増殖刺激活性タンパク質(MGSA)は主に好中球およびTリンパ球に対し化学走化的である一方、CCケモカイン、例えば、RANTES、MIP−1α、MIP−1β、単球走化性タンパク質(MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、およびMCP−5)およびエオタキシン(−1および−2)は、他の細胞型、取分け、マクロファージ、Tリンパ球、好酸球、樹状細胞、および好塩基球に対し化学走化性を有する。
【0003】
ケモカインは、「ケモカイン受容体」と呼ばれる、Gタンパク質共役型7回膜貫通ドメインタンパク質ファミリーに属する特異的な細胞表面の受容体に結合する。そのコグネイトリガンドが結合すると、ケモカイン受容体は、結合した三量体のGタンパクを介して細胞内シグナルを伝達し、多くの細胞応答、取分け、細胞内カルシウム濃度の急速な上昇、細胞形態の変化、細胞接着分子の発現の上昇、脱顆粒、および細胞遊走の促進を引き起こす。CCケモカインに結合または応答する少なくとも10種類のヒトケモカイン受容体が存在し、以下の特徴的なパターンを有する:CCR−1(または「CKR−1」または「CC−CKR−1」)[MIP−1α、MCP−3、MCP−4、RANTES]CCR−2AならびにCCR−2B(または「CKR−2A」/「CKR−2B」または「CC−CKR−2A」/「CC−CKR−2B」)[MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、MCP−5];CCR−3(または「CKR−3」または「CC−CKR−3」)エオタキシン[エオタキシン−1、エオタキシン−2、RANTES、MCP−3、MCP−4];CCR−4(または「CKR−4」または「CC−CKR−4」)[TARC、MDC];CCR−5(または「CKR−5」または「CC−CKR−5」)[MIP−1α、RANTES、MIP−1β];CCR−6(または「CKR−6」または「CC−CKR−6」)[LARC];CCR−7(または「CKR−7」または「CC−CKR−7」)[ELC];CCR−8(または「CKR−8」または「CC−CKR−8」)[I−309];CCR−10(または「CKR−10」または「CC−CKR−10」)[MCP−1、MCP−3];ならびにCCR−11[MCP−1、MCP−2、およびMCP−4]。
【0004】
哺乳類のケモカイン受容体に加え、哺乳類サイトメガロウィルス、ヘルペスウィルスおよびポックスウィルスは、感染した細胞において、ケモカイン受容体の結合特性を有するタンパク質を発現することが示されている。RANTESおよびMCP−3などのヒトCCケモカインは、これらのウィルスがコードする受容体を介してカルシウムの急速な動員を引き起こすことが出来る。受容体の発現は、正常な免疫系監視および感染に対する応答を破壊することにより、感染を可能にすると考えられる。さらに、CXCR4、CCR2、CCR3、CCR5およびCCR8などのヒトケモカイン受容体は、例えば、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)などの微生物による哺乳類細胞の感染の共受容体として機能することが出来る。
【0005】
ケモカインおよびそれらのコグネイト受容体は、炎症性、感染性、および免疫調節性障害および疾患、例えば、喘息およびアレルギー性疾患、ならびに関節リウマチおよびアテローム性動脈硬化症などの自己免疫疾患の重要なメディエーターであることが示唆されている(レビュー:Carter, P.H., Current Opinion in Chemical Biology 2002, 6, 510;Trivedi et al., Ann. Reports Med. Chem. 2000, 35, 191;Saunders et al., Drug Disc. Today 1999, 4, 80;Premack et al., Nature Medicine 1996, 2, 1174)。例えば、ケモカインであるマクロファージ炎症性タンパク質−1(MIP−1α)およびその受容体CCケモカイン受容体1(CCR−1)は、白血球の炎症部位への誘引およびそれに続くこれらの細胞の活性化に重要な役割を果たす。ケモカインMIP−1αはCCR−1に結合し、細胞内カルシウムの急速な上昇、細胞接着分子の発現の上昇、および白血球遊走の促進を引き起こす。
【0006】
さらに、ヒトにおけるMIP−1αの化学走化性は実験的に立証されている。ヒトの対象において、MIP−1αを皮内投与された場合、注射部位への白血球の速やかかつ著しい流入が見られる(Brummet, M.E., J. Immun. 2000, 164, 3392−3401)。
【0007】
MIP−1α/CCR−1相互作用の重要性の実証は、遺伝子改変マウスを用いた実験により提供される。MIP−1α −/−マウスは正常な数の白血球を有するが、ウィルス感染部位への免疫チャレンジ後の単球の動員を行うことができない。近年、MIP−1α −/−マウスがコラーゲン抗体誘発性関節炎に抵抗性を有することが示された。同様に、CCR−1 −/−マウスは、インビボにおいてMIP−1αを負荷された場合に好中球の動員ができない;さらに、CCR−1ヌルマウスの末梢血中の好中球はMIP−1αに応答して遊走することができず、故に、MIP−1α/CCR−1相互作用の特異性が実証された。MIP−1α −/−およびCCR−1 −/−動物が概して正常な健康状態にあることは、MIP−1α/CCR−1相互作用の破壊が生理的な危機を招かないということにおいて、特記に値する。合わせると、これらのデータは、MIP−1αの作用をブロックする分子は多くの炎症性障害および自己免疫性障害の治療に有用であろうという1つの結論を導く。この仮説は今や、以下に記載されるように、多くの異なる動物疾患モデルにおいて実証されている。
【0008】
MIP−1αが関節リウマチ患者の滑液および血液で上昇していることが知られている。さらに、いくつかの研究により、関節リウマチの治療におけるMIP−1α/CCR1相互作用のアンタゴニズムの潜在的な治癒的価値が証明されている。
【0009】
CCR−1がケモカインRANTES、MCP−3、HCC−1、Lkn−1/HCC−2、HCC−4、およびMPIF−1の受容体でもあることは記しておくべきである(Carter, P.H., Curr. Opin Chem. Bio. 2002, 6, 510−525)。本明細書で開示される新たな式(I)の化合物はCCR−1受容体に結合することによりMIP−1αをアンタゴナイズすると推定されるため、この化合物はCCR−1が仲介する上記のリガンドの作用の有効なアンタゴニストでもあり得る。かくして、本明細書中における「MIP−1αのアンタゴニズム」の言及は、「CCR−1のケモカイン刺激のアンタゴニズム」と同義であると見做される。
【0010】
近年、多くのグループがMIP−1αの低分子アンタゴニストの開発を記している(レビュー:Carson, K.G. et al., Ann. Reports Med. Chem. 2004, 39, 149−158)。
【発明の概要】
【0011】
かくして、本明細書は式:
【化1】

またはその立体異性体もしくは医薬的に許容される塩である、MIP−1αまたはCCR−1受容体活性の新たなアンタゴニストまたはパーシャルアゴニスト/アンタゴニストを提供する。
【0012】
本発明は、医薬的に許容される担体、および治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0013】
本発明は、治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を治療が必要なホストに投与することを特徴とする、関節リウマチおよび移植片拒絶の治療方法を提供する。
【0014】
本発明は、治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を治療が必要なホストに投与することを特徴とする、炎症性疾患の治療方法を提供する。
【0015】
本発明は治療に用いるための新たなスピロ環式化合物を提供する。
【0016】
本発明は、炎症性疾患の治療薬の製造における新たなスピロ環式化合物の使用を提供する。
【0017】
(発明の詳細な説明)
一実施態様において、本発明は式(I):
【化2】

[式中、
点線は任意の二重結合を表し;
環Aは適宜置換されていてもよい3から9員の単環式または二環式ヘテロ環式環であり;
Tは、
【化3】

であり;
Wは−OHであり;
ZはOまたはSであり;
RおよびRは、独立して、水素、アルキル、ハロ、C=Oまたは−COアルキルであり;
は水素、アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、各出現において、独立して、水素またはアルキルであり;
は、各出現において、独立して、水素、ハロ、ヒドロキシまたはアルキルであり;
は、各出現において、独立して、水素、ハロ、アルキルまたはシクロアルキルであり;
mは、各出現において、0−2であり;
nは、各出現において、0−2である]
の新たな化合物、またはその立体異性体もしくは医薬的に許容される塩を提供する。
【0018】
別の一実施態様において、本発明の化合物、またはその立体異性体もしくは医薬的に許容される塩は、式(Ia):
【化4】

[式中、
環Aは適宜置換されていてもよい5から7員のヘテロ環式環であり;
Tは、
【化5】

であり;
Wは−OHであり;
RおよびRは、独立して、水素、アルキル、ハロ、C=Oまたは−COアルキルであり;
はC−Cアルキルまたはシクロアルキルであり;
は、各出現において、独立して、水素またはアルキルであり;
は、各出現において、独立して、ヒドロキシまたはC−Cアルキルであり;
は、各出現において、ハロゲン原子であり;
mは、各出現において、0−2であり;
nは、各出現において、0−2である]
の化合物、またはその立体異性体もしくは医薬的に許容される塩である。
【0019】
さらに別の一実施態様において、本発明の化合物またはその立体異性体もしくは医薬的に許容される塩は、式(Ib):
【化6】

[式中、
環Aは適宜置換されていてもよい5から6員のヘテロ環式環であり;
RおよびRは、独立して、水素、アルキル、ハロ、C=Oまたは−COアルキルであり;
はC−Cアルキルであり;
は、各出現において、独立して、水素またはアルキルであり;
は、各出現において、独立して、C−Cアルキル;
は、各出現において、−Clであり;
mは、各出現において、0−2であり;
nは、各出現において、0−2である]
の化合物、またはその立体異性体もしくは医薬的に許容される塩である。
【0020】
代表的な本発明の化合物は、以下:
(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−8−オキサ−6−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド;
(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド;
N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−1−カルボキシアミド;
(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2−オキソ−1−オキサ−3−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド;
(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド;
(3R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3’−メチル−6’−オキソ−2’,5’,6’,7’−テトラヒドロ−スピロ[シクロペンタン−1,4’−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン]−3−カルボキシアミド;
(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド;
(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド;
(7R)−3−クロロ−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド;
(7R)−1−アセチル−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド;
N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−オキサスピロ[2.4]ヘプタン−5−カルボキシアミド;および
N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−オキサスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシアミド
である。
【0021】
別の一実施態様において、本発明は、医薬的に許容される担体および治療上の有効量の本発明の化合物を含む医薬組成物に関連する。
【0022】
別の一実施態様において、本発明は、治療上の有効量の本発明の化合物を患者に投与することを特徴とする、ケモカインまたはケモカイン受容体活性のモジュレーション方法に関連する。
【0023】
別の一実施態様において、本発明は、治療上の有効量の本発明の化合物を患者に投与することを特徴とする、CCR−1受容体活性のモジュレーション方法に関連する。
【0024】
別の一実施態様において、本発明は、治療上の有効量の本発明の化合物を患者に投与することを特徴とする、CCR−1受容体が仲介するMIP−1α、MCP−3、MCP−4、RANTES活性、好ましくはMIP−1α活性のモジュレーション方法に関連する。
【0025】
別の一実施態様において、本発明は、治療上の有効量の本発明の化合物を患者に投与することを特徴とする、障害(ここで、該障害は変形性関節症、動脈瘤、発熱、心血管系の障害、クローン病、うっ血性心不全、自己免疫疾患、HIV感染、HIV関連認知症、乾癬、特発性肺線維症、移植後動脈硬化、物理的または化学的に誘発された頭部外傷、炎症性腸疾患、肺胞炎、大腸炎、全身性エリテマトーデス、腎毒性血清腎炎、糸球体腎炎、喘息、多発性硬化症、、アテローム動脈硬化症、関節リウマチ、再狭窄、臓器移植、乾癬性関節炎、多発性骨髄腫、アレルギー、例えば、眼結膜炎における皮膚および肥満細胞の脱顆粒、肝細胞癌、骨粗鬆症、腎線維症ならびに癌から選択され、好ましくは、クローン病、乾癬、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、関節リウマチ、多発性骨髄腫、アレルギー、例えば、眼結膜炎における皮膚および肥満細胞の脱顆粒、肝細胞癌、骨粗鬆症ならびに腎線維症から選択される)の治療方法に関連する。
【0026】
別の一実施態様において、本発明は、治療上の有効量の本発明の化合物を患者に投与することを特徴とする、炎症性疾患、例えば、少なくとも部分的にCCR−1により仲介される炎症性疾患の治療方法に関連する。
【0027】
別の一実施態様において、本発明は、治療上の有効量の本発明の化合物を患者に投与することを特徴とする、CCR−1活性のモジュレーション方法に関連する。
【0028】
別の一実施態様において、本発明は、障害(ここで、該障害は、変形性関節症、動脈瘤、発熱、心血管系の障害、クローン病、うっ血性心不全、自己免疫疾患、HIV感染、HIV関連認知症、乾癬、特発性肺線維症、移植後動脈硬化、物理的または化学的に誘発された頭部外傷、炎症性腸疾患、肺胞炎、大腸炎、全身性エリテマトーデス、腎毒性血清腎炎、糸球体腎炎、喘息、多発性硬化症、アテローム動脈硬化症、関節リウマチ、再狭窄、臓器移植、乾癬性関節炎、多発性骨髄腫、アレルギー、例えば、眼結膜炎における皮膚および肥満細胞の脱顆粒、肝細胞癌、骨粗鬆症、腎線維症ならびに癌から選択され、好ましくは、クローン病、乾癬、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、関節リウマチ、多発性骨髄腫、アレルギー、例えば、眼結膜炎における皮膚および肥満細胞の脱顆粒、肝細胞癌、骨粗鬆症ならびに腎線維症から選択される)の治療薬の製造における本発明の化合物の使用に関連する。
【0029】
別の一実施態様において、本発明は、治療に使用するための本発明の化合物に関連する。
【0030】
別の一実施態様において、本発明は、本発明の化合物および1つまたはそれ以上の活性成分を含む医薬組成物に関連する。
【0031】
別の一実施態様において、本発明は、本発明の化合物および1つまたはそれ以上の活性成分を含む治療上の有効量の医薬組成物を患者に投与することを特徴とする、ケモカインまたはケモカイン受容体活性のモジュレーション方法に関連する。
【0032】
別の一実施態様において、本発明は、本発明の化合物および1つまたはそれ以上の活性成分を含む治療上の有効量の医薬組成物を患者に投与することを特徴とする、CCR−1受容体活性のモジュレーション方法に関連する。
【0033】
さらに別の一実施態様において、本発明は、本発明の化合物および1つまたはそれ以上の活性成分を含む治療上の有効量の医薬組成物を患者に投与することを特徴とする、少なくとも部分的にCCR−1により仲介されるMIP−1α、MCP−3、MCP−4、RANTES活性、好ましくはMIP−1α活性のモジュレーション方法に関連する。
【0034】
別の一実施態様において、本発明は、本発明の化合物および1つまたはそれ以上の活性成分を含む治療上の有効量の医薬組成物を患者に投与することを特徴とする、障害(ここで、該障害は、変形性関節症、動脈瘤、発熱、心血管系の障害、クローン病、うっ血性心不全、自己免疫疾患、HIV感染、HIV関連認知症、乾癬、特発性肺線維症、移植後動脈硬化、物理的または化学的に誘発された頭部外傷、炎症性腸疾患、肺胞炎、大腸炎、全身性エリテマトーデス、腎毒性血清腎炎、糸球体腎炎、喘息、多発性硬化症、アテローム動脈硬化症、関節リウマチ、再狭窄、臓器移植、乾癬性関節炎、多発性骨髄腫、アレルギー、例えば、眼結膜炎における皮膚および肥満細胞の脱顆粒、肝細胞癌、骨粗鬆症、腎線維症ならびに癌から選択され、好ましくは、クローン病、乾癬、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、関節リウマチ、多発性骨髄腫、アレルギー、例えば、眼結膜炎における皮膚および肥満細胞の脱顆粒、肝細胞癌、骨粗鬆症ならびに腎線維症から選択される)の治療方法に関連する。
【0035】
さらに別の一実施態様において、本発明は、本発明の化合物および1つまたはそれ以上の活性成分を含む治療上の有効量の医薬組成物を患者に投与することを特徴とする、炎症性疾患、好ましくは、少なくとも部分的にCCR−1により仲介される炎症性疾患の治療方法に関連する。
【0036】
別の一実施態様において、本発明は、本発明の化合物および1つまたはそれ以上の活性成分を含む治療上の有効量の医薬組成物を患者に投与することを特徴とする、CCR−1活性のモジュレーション方法に関連する。
【0037】
別の一実施態様において、本発明は、本発明の化合物および1つまたはそれ以上の活性成分を含む医薬組成物の、障害(ここで、該障害は、変形性関節症、動脈瘤、発熱、心血管系の障害、クローン病、うっ血性心不全、自己免疫疾患、HIV感染、HIV関連認知症、乾癬、特発性肺線維症、移植後動脈硬化、物理的または化学的に誘発された頭部外傷、炎症性腸疾患、肺胞炎、大腸炎、全身性エリテマトーデス、腎毒性血清腎炎、糸球体腎炎、喘息、多発性硬化症、アテローム動脈硬化症、関節リウマチ、再狭窄、臓器移植、乾癬性関節炎、多発性骨髄腫、アレルギー、例えば、眼結膜炎における皮膚および不満細胞の脱顆粒、肝細胞癌、骨粗鬆症、腎線維症ならびに癌から選択され、好ましくは、クローン病、乾癬、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、関節リウマチ、多発性骨髄腫、アレルギー、例えば、眼結膜炎における皮膚および不満細胞の脱顆粒、肝細胞癌、骨粗鬆症ならびに腎線維症から選択される)の治療薬の製造における使用に関連する。
【0038】
さらに別の一実施態様において、本発明は、本発明の化合物および1つまたはそれ以上の活性成分を含む医薬組成物の使用に関連する。
【0039】
別の一実施態様において、本発明は、炎症性疾患の治療に用いるための本発明の化合物を提供する。
【0040】
別の一実施態様において、本発明は、同時に、別々にまたは連続して治療に用いるための、本発明の化合物およびさらなる治療薬(複数可)の合剤を提供する。
【0041】
別の一実施態様において、本発明は、同時に、別々にまたは連続して炎症性疾患の治療に用いるための、本発明の化合物およびさらなる治療薬(複数可)の合剤を提供する。
【0042】
別の一実施態様において、本発明は、(a)第1の容器;(b)第1の容器内にある医薬組成物(ここで、該組成物は、本発明の化合物を含む第1の治療薬を含む);および(c)該医薬組成物が炎症性疾患の治療に用いられ得ることが記載されたパッケージ挿入物を含む新たな製造物を提供する。
【0043】
別の好ましい一実施態様において、本発明は、さらに(d)第2の容器(ここで、構成要素(a)および(b)は第2の容器内に位置し、構成要素(c)は第2の容器内または容器外に位置する)を含む新たな製造物を提供する。
【0044】
別の一実施態様において、(a)第1の容器;(b)第1の容器内に位置する医薬組成物(ここで、該組成物は、本発明の化合物を含む第1の治療薬を含む);および(c)該組成物が、第2の治療薬と組み合わせて炎症性疾患の治療に用いられ得ることが記載されたパッケージ挿入物を含む、新たな製造物を提供する。
【0045】
本発明は、本発明の精神または本質から逸脱することなく別の特定の形態で具体化されてもよい。本発明はまた、本明細書中に記載される代替的な態様の全ての組み合わせを包含する。本発明の任意のおよび全ての実施態様が他の任意の実施態様と組み合わされて本発明のさらなる実施態様が記載され得ることは明らかである。さらに、実施態様の任意の要素は任意の実施態様の任意のおよび全ての要素と組み合わされ、さらなる実施態様が記載され得る。
【0046】
定義
以下の用語の定義が本明細書で用いられる。特に断らない限り、基または用語に最初に与えられた定義は、本明細書を通して個々にまたは別の基の一部として該基または該用語に適用される。
【0047】
本明細書で開示される化合物は非対称中心を有していてもよい。非対称に置換された原子を含む本発明の化合物は、光学活性な形態またはラセミ体の形態で単離されてもよい。光学活性な形態の調製方法、例えば、ラセミ体の分割または光学活性な出発物質からの合成は当該分野で周知である。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体も本発明の化合物において存在し得、かかる全ての安定な異性体が本発明に包含される。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体も記載され、異性体の混合物または別々の異性体の形態で単離されてもよい。特定の立体化学または異性体の形態が特に指定されない限り、構造の全てのキラルな、ジアステレオマーの、ラセミ体の形態および全ての幾何異性体の形態が包含される。
【0048】
式(I)の化合物の1つのエナンチオマーが他のエナンチオマーと比べて優れた活性を示すことがある。故に、全ての立体化学が本発明の一部と見做される。必要な場合、ラセミ物質の分離は、キラルカラムを用いたHPLC、またはYoung, S.D. et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 2602−2605 (1995)に記載されるようなカンフォニッククロリド(camphonic chloride)などの分割試薬を用いたラセミ物質の分割により行うことができる。
【0049】
用語「置換された」は、本明細書で用いられるように、指定された原子上の1つまたはそれ以上の水素が指定された基から選択されたもので置き換えられていることを意味するが、ただし、指定された原子または環原子の通常の原子価を超えないものとし、置換により安定な化合物が得られるものとする。置換基がケト(即ち、=O)の場合、該原子上の2つの水素が置き換えられる。
【0050】
任意の変数(例えば、R)が任意の化合物の成分または式中に1回以上出現する場合、各出現における定義は他の全ての出現における定義と独立しているものとする。故に、例えば、ある基が(Rで置換され、mが0−3と指定される場合、該基は最大3個までのR基で置換され、各出現におけるRは独立してRの定義から選択される。また、置換基および/または変数の組み合わせは、かかる組み合わせにより安定な化合物が得られる場合においてのみ許容される。
【0051】
置換基への結合が環上の2つの原子を結ぶ結合の交差するように示されている場合、かかる置換基は環上の任意の原子に結合していてもよい。置換基と与えられた式の化合物の残りの部分との結合を介する原子が指示されることなく置換基が示される場合、かかる置換基は該置換基における任意の原子を介して結合していてもよい。置換基および/または変数の組み合わせは、かかる組み合わせにより安定な化合物が得られる場合においてのみ許容される。
【0052】
本明細書で用いられるように、「アルキル」は、直鎖内に1から20個の炭素、好ましくは1から10個の炭素、より好ましくは1から8個の炭素を含む、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチル−ペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、それらの様々な分枝鎖の異性体といった分枝鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素を含むと意図され、かかる基は、ハロ(例えば、F、Br、Cl、もしくはI、またはCF)、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリール(アリール)またはジアリール、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、アミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アシル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールオキシアリール、アルキルアミド、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ハロアルキル、トリハロアルキル、および/またはアルキルチオといった1から4個の置換基を適宜含んでいてもよい。
【0053】
特に断らない限り、用語「アルケニル」は、本明細書で用いられるように、それ自体または別の基の一部として、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、3−オクテニル、3−ノネニル、4−デセニル、3−ウンデセニル、4−ドデセニル、4,8,12−テトラデカトリエニルなどといった、直鎖中に2から20個の炭素、好ましくは2から12個の炭素、より好ましくは1から8個の炭素を含み、直鎖中に1から6個の二重結合を含む直鎖または分枝鎖の基を意味し、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アミノ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、アルカノイルアミノ、アルキルアミド、アリールカルボニル−アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、アルキルチオ、および/または本明細書中に記載される任意のアルキル置換基といった1から4個の置換基で適宜置換されていてもよい。
【0054】
特に断らない限り、用語「アルキニル」は、本明細書で用いられるように、それ自体または別の基の一部として、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ブチニル、4−ペンチニル、3−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、2−へプチニル、3−へプチニル、4−へプチニル、3−オクチニル、3−ノニニル、4−デシニル、3−ウンデシニル、4−ドデシニルなどといった、直鎖中に2から20個の炭素、好ましくは2から12個の炭素、より好ましくは2から8個の炭素を含み、直鎖中に1個の三重結合を含む直鎖または分枝鎖の基を意味し、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アミノ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヒドロキシ、アルカノイルアミノ、アルキルアミド、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、および/またはアルキルチオ、および/または本明細書中に記載される任意のアルキル置換基といった1から4個の置換基で適宜置換されていてもよい。
【0055】
特に断らない限り、用語「シクロアルキル」は、本明細書で用いられるように、単独または別の基の一部として、飽和または一部分不飽和(1または2個の二重結合を含む)の1から3個の環を含む環状炭化水素基を含み、例えば、環を形成する総数3から20個の炭素、好ましくは3から10個の炭素を含み、アリールで記載される1または2個の芳香環と縮合していていてもよい単環式アルキル、二環式アルキル(またはビシクロアルキル)および三環式アルキルである。
【0056】
シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシルおよびシクロドデシル、シクロヘキセニルであり、そのいずれも、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、シクロアルキル、アルキルアミド、アルカノイルアミノ、オキソ、アシル、アリールカルボニルアミノ、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、および/またはアルキルチオ、および/または任意のアルキル置換基といった1から4個の置換基で、適宜置換されていてもよい。
【0057】
前述のアルキル基が、他の基と結合する単結合を2つの異なる炭素原子において有する場合、それらは「アルキレン」基と呼ばれ、前記の「アルキル」の定義と同様に適宜置換されていてもよい。
【0058】
上と同義のアルケニル基とアルキニル基が、それぞれ、結合するための単結合を2つの異なる炭素原子において有する場合、それらは、それぞれ、「アルケニレン基」および「アルキニレン基」と呼ばれ、前記の「アルケニル」および「アルキニル」の定義と同様に適宜置換されていてもよい。
【0059】
「ハロ」または「ハロゲン」は、本明細書で用いられるように、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味し;「ハロアルキル」は、指定された数の炭素原子を含み、1つまたはそれ以上のハロゲンで置換された分枝鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基、例えば、CFを含むと意図される。
【0060】
特に断らない限り、用語「アリール」は、本明細書で用いられるように、単独または別の基の一部として、6から10個の炭素を環部分(フェニルまたはナフチル(1−ナフチルおよび2−ナフチルを含む)など)に含み、炭素環またはヘテロ環(アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、またはシクロヘテロアルキル環など)と縮合した1から3個のさらなる環(例えば、
【化7】

)を適宜含む単環式および二環式芳香族基を意味し、利用可能な炭素原子において、1、2、または3個の置換基、例えば、水素、ハロ、ハロアルキル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキニル、シクロアルキル−アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシ、アリールチオ、アリールアゾ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、1または2個の置換基(アルキル、アリール、または定義で言及した任意のアリール化合物)を含む置換されたアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アリールチオアルキル、アルコキシアリールチオ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキル−アミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアミノまたはアリールスルホンアミノカルボニル、および/または本明細書中に記載される任意のアルキル置換基で適宜置換されていてもよい。
【0061】
特に断らない限り、用語「低級アルコキシ」、「アルコキシ」、「アリールオキシ」または「アラルコキシ」は、本明細書中で用いられるように、単独または別の基の一部として、酸素原子に結合した前記の任意のアルキル、アラルキル、またはアリール基を包含する。
【0062】
特に断らない限り、用語「アミノ」は、本明細書で用いられるように、単独または別の基の一部として、同一または異なっていてもよい1または2個の置換基、例えば、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、またはチオアルキルで置換されていてもよいアミノを意味する。これらの置換基は、カルボン酸および/または任意のR基もしくは上と同義のR用の置換基で置換されていてもよい。さらに、該アミノ置換基は、それらが結合した窒素原子と共に、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−アゼピニル、4−モルホリニル、4−チアモルホリニル、1−ピペラジニル、4−アルキル−1−ピペラジニル、4−アリールアルキル−1−ピペラジニル、または4−ジアリールアルキル−1−ピペラジニルを形成してもよく、その全ては、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、トリフルオロメチル、またはヒドロキシで適宜置換されていてもよい。
【0063】
特に断らない限り、用語「低級アルキルチオ」、「アルキルチオ」、「アリールチオ」または「アラルキルチオ」は、本明細書中で用いられるように、単独または別の基の一部として、硫黄原子に結合した任意の前記のアルキル、アラルキル、またはアリール基を包含する。
【0064】
特に断らない限り、用語「低級アルキルアミノ」、「アルキルアミノ」、「アリールアミノ」または「アリールアルキルアミノ」は、本明細書中で用いられるように、単独または別の基の一部として、窒素原子に結合した任意の前記のアルキル、アリール、またはアリールアルキル基を包含する。
【0065】
本明細書で用いられるように、用語「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環系」は、飽和、一部分不飽和、または不飽和(芳香族)の安定な5、6、または7員の単環式もしくは二環式、または7、8、9、または10員の二環式ヘテロ環式環(炭素原子、ならびにN、NH、OおよびSからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を含み、上と同義の任意のヘテロ環式環がベンゼン環と縮合した任意の二環式環基を含む)を意味すると意図される。窒素および硫黄ヘテロ原子は適宜酸化されていてもよい。ヘテロ環式環は、安定な構造が得られる任意のヘテロ原子または炭素原子においてそのペンダント基と結合していてもよい。本明細書中に記載されるヘテロ環式環は、その結果生じる化合物が安定であるなら、炭素または窒素原子上において置換されていてもよい。特に指示される場合、ヘテロ環の窒素は適宜四級化されていてもよい。ヘテロ環内のSおよびO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いと隣接していないことが好ましい。本明細書中で用いられるように、用語「芳香族ヘテロ環形」または「ヘテロアリール」は、安定な5から7員の単環式もしくは二環式、または7から10員の二環式ヘテロ環式芳香環(炭素原子、ならびにN、OおよびSからなる群より独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含み、芳香族の性質を有する)を意味すると意図される。
【0066】
ヘテロ環の例は、例えば、限定されないが、1H−インダゾール、2−ピロリドニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、2H−ピロリル、1H−インドリル、4−ピペリドニル、4aH−カルバゾール、4H−キノリジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダザロニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、β−カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニルペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、テトラゾリル、およびキサンテニルである。本発明の別の一態様において、ヘテロ環は、例えば、限定されないが、ピリジニル、チオフェニル、フラニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、インドリル、イソインドリル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、およびピリミジニルである。例えば、上記のヘテロ環を含む縮合環およびスピロ化合物も包含される。
【0067】
ヘテロアリールの例は、1H−インダゾール、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、インドリル、4aH−カルバゾール、4H−キノリジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダザロニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、β−カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニルペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニルフェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピラゾロトリアジニル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、テトラゾリル、およびキサンテニルである。本発明の別の一態様において、ヘテロアリールの例は、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダザロニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソキノリニル イソアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピラゾロトリアジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、チアゾリル、チエニル、およびテトラゾリルである。
【0068】
用語「ヘテロシクリルアルキル」または「ヘテロシクリル」は、本明細書で用いられるように、単独または別の基の一部として、C原子またはヘテロ原子を介してアルキル鎖に結合した上と同義のヘテロシクリル基を意味する。
【0069】
用語「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアリールアルケニル」は、本明細書で用いられるように、単独または別の基の一部として、C原子またはヘテロ原子を介して上と同義のアルキル鎖、アルキレン、またはアルケニレンと結合した上と同義のヘテロアリール基を意味する。
【0070】
用語「シアノ」は、本明細書で用いられるように、−CN基を意味する。
【0071】
用語「ニトロ」は、本明細書で用いられるように、−NO基を意味する。
【0072】
用語「ヒドロキシ」は、本明細書で用いられるように、OH基を意味する。
【0073】
成句「医薬的に許容される」は、本明細書で用いられるように、適切な医学的判断の範囲内において、ヒトおよび動物の組織と接触する使用において過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または別の問題もしくは合併症を引き起こすことなく妥当なベネフィット/リスク比に見合って適切である化合物、物質、医薬組成物および/または投与剤形を意味する。
【0074】
本明細書で用いられるように、「医薬的に許容される塩」は、親化合物が酸または塩基塩を調製することにより修飾された本明細書で開示される化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容される塩の例は、例えば、限定されないが、アミンなどの塩基性残基の鉱酸または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩;などである。医薬的に許容される塩は、親化合物の一般的な無毒な塩または4級アンモニウム塩、例えば、無毒な無機酸または有機酸から形成されるものを含む。例えば、かかる一般的な無毒な塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸に由来する塩;酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミジン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機酸から調製される塩である。
【0075】
本発明の化合物の医薬的に許容される塩は、塩基性または酸性部位を含む親化合物から一般的な化学的方法により合成することができる。一般的に、かかる塩はこれらの化合物の遊離酸または遊離塩基の形態を化学量論量の適当な塩基または酸と水中、有機溶媒中、またはそれらの混合物中で反応させることにより調製され;一般的に、非水性の媒体は、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルが好ましい。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, publ, p. 1418 (1985)に記載され、引用により該開示を本明細書中に取り込む。
【0076】
本発明は本発明の化合物に存在し得る全ての原子の同位体を包含すると意図される。同位体は、同じ原子数を有するが異なる質量数を有する原子である。一般的な例として、限定されないが、水素の同位体は重水素およびトリチウムを含む。炭素の同位体は13Cおよび14Cを含む。本発明の同位体標識化合物は、当業者に周知の一般的な技法、または通常用いられる非標識試薬の代わりに適当な同位体標識試薬を用い、本明細書で開示されるものと類似の方法を用いて製造することができる。
【0077】
インビボにおいて変換されて活性な薬剤(即ち、式(I)の化合物)を提供することができる全ての化合物は、本発明の範囲および精神に包含されるプロドラッグである。
【0078】
用語「プロドラッグ」は、本明細書で用いられるように、当業者に周知の製造方法を用いて式(I)の化合物の1つまたはそれ以上のヒドロキシルをアルキル、アルコキシ、またはアリール置換アシル化試薬を反応させて酢酸塩、ピバル酸塩、メチルカルボン酸塩、安息香酸塩などを得ることにより形成されるエステル、カルバミン酸塩および炭酸塩を包含する。
【0079】
プロドラッグの様々な形態は当該分野で周知であり:
【0080】
a)Wermuth, C.G. et al., The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31, Academic Press, publ. (1996);
【0081】
b)Bundgaard, H., ed., Design of Prodrugs, Elsevier, publ. (1985);
【0082】
c)Krause, B.R. et al., Chapter 6:「ACAT Inhibitors: Physiologic Mechanisms for Hypolipidemic and Anti−Atherosclerotic Activities in Experimental Animals」, Inflammation: Mediators and Pathways, CRC Press, Inc., publ., Ruffolo, Jr., R.R. et al., eds., pp. 173−198 (1995);
【0083】
d)Testa, B. et al., Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism, Wiley−VCH, publ. (2003)に記載される。
【0084】
これらの引用文献を引用により本明細書中に取り込む。
【0085】
さらに、式(I)の化合物は、製造後、好ましくは単離、精製されることにより、99重量%以上の量の式(I)の化合物(「実質的に純粋(ピュア)な式(I)の化合物」)が得られ、それは、次いで、本明細書中に記載されるように用いられるか、製剤化される。かかる「実質的にピュア」な式(I)の化合物もまた、本明細書中の範囲内にあると理解される。
【0086】
混合物、またはピュアな、または実質的にピュアな形態の本発明の化合物の全ての立体異性体が考慮される。本発明の化合物は、任意の1つのR置換基を含むいずれの炭素原子において非対称中心を有する可能性、および/または多形を示す可能性がある。従って、式(I)の化合物は、エナンチオマー、またはジアステレオマーの形態、またはそれらの混合物で存在し得る。製造工程ではラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーを出発物質として利用する。ジアステレオマーまたはエナンチオマーの生成物が製造される場合、それらは一般的な方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別再結晶により分離することができる。
【0087】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から用いられ得る純度のものへの単離、および有効な治療薬への製剤化に耐える十分に強固な化合物を意味する。本発明は安定な化合物を具体化すると意図される。
【0088】
「治療上の有効量」は、MIP−1αの阻害、または炎症性障害の治療もしくは予防に有効な、本発明の化合物単独の量、請求される化合物の組み合わせの量、または別の活性成分との組み合わせにおける本発明の化合物の量を含むと意図される。
【0089】
本明細書で用いられるように、「治療の」または「治療」は、哺乳類、特にヒトにおける疾患状態の治療を包含し:(a)哺乳類、特に疾患状態に罹患しやすい状態にありながら未だ罹患していると診断されていない哺乳類において、疾患状態の発症を予防すること;(b)疾患状態を阻害すること、即ち、その進行を停止させること;および/または(c)疾患状態を緩和すること、即ち、疾患状態の退縮を引き起こすことを含む。
合成
本発明の化合物は、有機合成分野の当業者に周知の数多くの経路により製造することが出来る。本発明の化合物は、以下に記載される方法を合成有機化学分野で周知の合成方法、または当業者により為されるそれらの変法と共に用いて合成することができる。好ましい方法は、例えば、限定されないが、以下に記載されるものである。本明細書で引用される全ての文献を引用により本明細書中に取り込む。
本発明の新規化合物は本段落に記載される反応および技法を用いて製造されてもよい。反応は用いられる試薬および材料に適した溶媒中で行われ、行われる変換に適切なものである。また、以下に記載される合成方法の記載において、全ての提案される反応条件、例えば、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験時間およびワークアップ方法は、その反応について標準的であるとして選択されるものであり、それは当業者には明らかである。分子上の様々な位置に存在する官能基が、提案される試薬および反応に適合するものでなければならないことは、有機合成の分野の当業者に自明である。反応条件に適合する置換基におけるかかる制約は当業者に明らかであり、その場合、別の方法が用いられなければならない。これにより、時として、所望の本発明の化合物を得るために、合成工程の順序を改変する判断または特定のプロセスのスキームを他のスキームから選択する判断が必要となる。この分野における任意の合成経路の企図における他の重要な熟慮すべき事柄が、本発明の化合物に存在する反応性の官能基の保護に用いられる保護基の慎重な選択であることも認識しておくべきであろう。熟練した施術者のための多くの選択肢を記載する信頼できる説明書は、Greene and Wuts(Protective Groups In Organic Synthesis, Third Edition, Wiley and Sons, 1999)である。
【化8】

タイプ1iの本発明の化合物はスキーム1に示されるようにして合成することができる。トリエチルアミンなどの塩基ならびにBOPまたはEDACおよびHOBtなどのカップリング試薬の存在下におけるケト酸1aとアミン1b(WO2007092681)のカップリングにより、タイプ1cの化合物が得られる。タイプ1aのケト酸は市販のものであってもよく、当該分野で周知の方法により製造されたものでもよい(例えば、WO2007092681を参照)。ケトン1cのアミノアリル化(例えば、M. Sugiura, J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 7182参照)により、1dが得られる。1dのアミンの適当な保護基(例えば、BocOまたはベンジルオキシカルボニルクロリドを用いるtert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニル)による保護、次いで、例えば、OsO/NaIOまたはオゾンガスを用いる酸化的切断により、アルデヒド1fが得られる。アルデヒド1fの対応するアルコール1gへの還元は水素化ホウ素ナトリウムなどの還元試薬を用いて行うことができ、次いで、アミノ保護基の脱保護(例えば、Boc基ではHClなどの酸を用いる)により、アミノアルコール1hが得られる。カルボニルジイミダゾールまたはジメチルカルボネートといったカルボニルの供給源を用いた環化により、対応するスピロ環式オキサゾリジン1iが得られる。
【化9】

タイプ2hの本発明の化合物は、スキーム2に示されるようにして合成することができる。ケトベンジルエステル2aのアミノアリル化(例えば、M. Sugiura, J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 7182を参照)により、タイプ2bの化合物が得られる。タイプ2aのケトベンジルエステルは、当該分野で周知の方法により製造することができる(例えば、WO2007092681を参照)。適当な保護基(例えば、BocOまたはベンジルオキシカルボニルクロリドを用いるtert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニル)による2bのアミンの保護、次いで、例えば、OsO/NaIOまたはオゾンガスを用いる二重結合の酸化的切断により、アルデヒド2dが得られる。2dの還元的アミノ化(例えば、D. Dube, Tetrahedron Lett. 1999, 40, 2295を参照)、次いで、アミノ保護基の脱保護(例えば、Boc基ではHClなどの酸を用いる)により、ジアミン2eが得られる。カルボニルジイミダゾールまたはジメチルカルボネートなどのカルボニルの供給源を用いた環化により、対応するスピロ環式オキサゾリジノン2fが得られる。標準的な水素化条件下における2fの脱ベンジル化により、対応する酸2gが得られる。トリエチルアミンなどの塩基ならびにBOPまたはEDACおよびHOBtなどのカップリング試薬の存在下における酸2gとアミン1b(WO2007092681)のカップリングにより、タイプ2hの化合物が得られる。
【化10】

タイプ3iの本発明の化合物は、スキーム3に示されるようにして合成することができる。ケトエチルエステル3aのエステル交換(例えば、J. Matsuo, Tetrahedron:Asymmetry 2007, 18, 1906参照)により、ベンジルエステル3bが得られる。タイプ3aのケトエチルエステルは市販のものでもよく、あるいは当該分野で周知の方法により製造されたものでもよい。3bのアリル化(例えば、C. Li, Tetrahedron 1998, 54, 2347)、次いで、例えば、OsO/NaIOまたはオゾンガスを用いた二重結合の酸化的切断により、アルデヒド3dが得られる。3dの還元的アミノ化(例えば、D. Dube, Tetrahedron Lett. 1999, 40, 2295)、次いで、標準的な水素化条件下における脱ベンジル化により、酸3fが得られる。トリエチルアミンなどの塩基ならびにBOPまたはEDACおよびHOBtなどのカップリング試薬の存在下における酸3fとアミン1b(WO2007092681)のカップリングにより、3gが得られる。HClなどの酸を用いた(Boc基の場合)3gのアミノ保護基の脱保護、次いで、カルボニルジイミダゾールまたはジメチルカルボネートなどのカルボニル供給源を用いた環化により、対応するスピロ環式オキサゾリジノン3iが得られる。
【化11】

タイプ4eの本発明の化合物は、スキーム4に示されるようにして合成することができる。2aのアリル化により、ホモアリルアルコール4a(例えば、S. Silver, Eur. J. Org. Chem. 2005, 1058)が得られる。4aにおける二重結合の酸化により、酸4b(例えば、R. Almquist, J. Med. Chem. 1985, 28, 1062)が得られる。4bのクルチウス転位により、中間体イソシアネートが得られ、それが分子内環化を行うとオキサゾリジノン4cが得られる。標準的な水素化条件下における脱ベンジル化により酸4dが得られる。トリエチルアミンなどの塩基ならびにBOPまたはEDACおよびHOBtなどのカップリング試薬の存在下における酸4dとアミン1b(WO2007092681)により、タイプ4eの化合物が得られる。
【化12】

タイプ5eの本発明の化合物はスキーム5に示されるようにして合成することができる。例えば、オゾンガスを用いた4aにおける二重結合の酸化的切断により、アルデヒド5aが得られる。5aの還元的アミノ化(例えば、D. Dube, Tetrahedron Lett. 1999, 40, 2295)により、アミン5bが得られる。カルボニルジイミダゾールまたはジメチルカルボネートなどのカルボニル供給源を用いた5bの環化により、対応するスピロ環式オキサゾリジノン5cが得られ、標準的な水素化条件下におけるその脱ベンジル化により、酸5dが得られる。トリエチルアミンなどの塩基ならびにBOPまたはEDACおよびHOBtなどのカップリング試薬の存在下における酸5dとアミン1b(WO2007092681)カップリングにより、タイプ5eの化合物が得られる。
【化13】

タイプ6cの本発明の化合物はスキーム6に示されるようにして合成することができる。(V. Lipson, Chemistry of Heterocyclic Compounds, 2007, 43, 490)に記載される条件下におけるケトベンジルエステル2aのアミノピラゾールによる処理により、6aが得られる。標準的な水素化条件下における6aの脱ベンジル化により、酸6bが得られる。トリエチルアミンなどの塩基ならびにBOPまたはEDACおよびHOBtなどのカップリング試薬の存在下における酸6bとアミン1b(WO2007092681)のカップリングにより、タイプ6cの化合物が得られる。
【化14】

タイプ7cの本発明の化合物はスキーム7に示されるようにして合成することができる。シアン化ナトリウムおよび炭酸アンモニウムを用いたケトベンジルエステル2aの処理(例えば、P. Kiviranta, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2007, 17, 2448)により、ヒダントイン7aが得られる。標準的な水素化条件下における7aの脱ベンジル化により、酸7bが得られる。トリエチルアミンなどの塩基ならびにBOPまたはEDACおよびHOBtなどのカップリング試薬を用いた酸7bとアミン1b(WO2007092681)のカップリングにより、タイプ7cの化合物が得られる。
【化15】

タイプ8cの本発明の化合物はスキーム8に示されるようにして合成することができる。シアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムなどのシアン化物の供給源およびメチルアミンなどのアミンを用いた改変したストレッカー条件下におけるケトベンジルエステル2aの処理により中間体アミノニトリルが得られ、シアン酸カリウムを用いたその環化および加水分解により、ヒダントイン8aが得られる(例えば、G. Carrera, Journal of Heterocyclic Chemistry, 1992, 29, 847)。標準的な水素化条件下における8aの脱ベンジル化により、酸8bが得られる。トリエチルアミンなどの塩基ならびにBOPまたはEDACおよびHOBtなどのカップリング試薬の存在下における酸8bとアミン1b(WO2007092681)にカップリングにより、タイプ8cの化合物が得られる。
【化16】

タイプ9d、9eおよび9fの本発明の化合物はスキーム9に示されるようにして合成することができる。2bの塩化フェニルセレン誘導性環化により9aが得られる。標準的な水素化条件下における9aの脱ベンジル化により、排他的に酸9cが得られるか、あるいは、クロロ酸9bが得られる。トリエチルアミンなどの塩基ならびにBOPまたはEDACおよびHOBtなどのカップリング試薬の存在下において、酸9bおよび9cをアミン1b(WO2007092681)と別個にカップリングさせることにより、タイプ9dおよび9eの化合物が得られる。標準的なアセチル化条件下における9eのアセチル化により、タイプ9fの化合物が得られる。
【実施例】
【0090】
実施例で用いられる略語は、「2x」:2回、「3x」:3回、「℃」:摂氏、「g」:グラム、「mmol」:ミリモル濃度、「mL」:ミリリットル、「M」:モル濃度、「min」:分、「mg」:ミリグラム、「h」:時間、「LC」:液体クロマトグラフィー、「HPLC」:高速液体クロマトグラフィー、「MS」:質量分析、「RT」:室温、「THF」:テトラヒドロフラン、「EtO」:ジエチルエーテル、「EtOAc」:酢酸エチル、「NaSO」:硫酸ナトリウム、「CHCl」:塩化メチレン、「TFA」:トリフルオロ酢酸、「sat.」:飽和、「NaHCO」:炭酸水素ナトリウム、「N」:規定濃度、「NaOH」:水酸化ナトリウム、「MeOH」;メタノール、「MgSO」:硫酸マグネシウム、「Hex」:ヘキサン、「HO」:水、「HCl」:塩酸、「v/v」:体積比、「D」、「L」、「R」および「S」:当業者に周知の立体化学記号と定義される。化学名はChemDraw Ultra、バージョン8.0.8を用いて決定した。問題の該構造の化学名がこのプログラムによって不明であった場合、該プログラムが用いたものと同じ方法論を用い、適当な化学名を割り当てた。
実施例1
(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−8−オキサ−6−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド
【化17】

工程A:(R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3−オキソシクロペンタンカルボキシアミド
【化18】

(R)−2−アミノ−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン、塩酸塩(WO2007092681、300mg、0.799mmol)のTHF(2mL)溶液に(R)−3−オキソシクロペンタンカルボン酸(WO2007092681、102mg、0.799mmol)、トリエチルアミン(0.223mL、1.599mmol)およびBOP(354mg、0.799mmol)を室温で加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(15mL)および1N 塩酸(1mL)で分液処理した。有機層を水(3mL)、ブライン(2mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をプレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH、90%HO、0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH、10%HO、0.1%TFA;波長:220nm)で精製した。目的のフラクションを濃縮し、凍結乾燥し、(R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3−オキソシクロペンタンカルボキシアミド(300mg、0.668mmol、収率84%)を固形物として得た。
MS (ESI+) m/z 449 M +
工程B:(1R)−3−アリル−3−アミノ−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)シクロペンタンカルボキシアミド
【化19】

(R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3−オキソシクロペンタンカルボキシアミド(工程Aから、300mg、0.668mmol)にアンモニア(954μL、6.68mmol)、次いで2−アリル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(168mg、1.0mmol)を室温で加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をプレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA;波長:220nm)で精製した。目的のフラクションを集めて濃縮し、酢酸エチル(20mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で分液処理した。有機層を無水NaSOで乾燥し、減圧濃縮し、(1R)−3−アリル−3−アミノ−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)シクロペンタンカルボキシアミド(150mg、0.30mmol、収率45.8%)を固形物として得た。
MS (ESI+) m/z 490 M +
工程C:tert−ブチル (3R)−1−アリル−3−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)シクロペンチルカルバメート
【化20】

(1R)−3−アリル−3−アミノ−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)シクロペンタンカルボキシアミド(工程Bから、60mg、0.122mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に二炭酸ジ−tert−ブチル(32mg、0.147mmol)およびトリエチルアミン(0.034mL、0.245mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、次いで、1N塩酸(1mL)、水(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮し、tert−ブチル (3R)−1−アリル−3−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)シクロペンチルカルバメート(70mg、0.119mmol、収率97%)を透明な油状物として得た。
MS (ESI+) m/z 590 M +
工程D:tert−ブチル (3R)−3−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−1−(2−オキソエチル)シクロペンチルカルバメート
【化21】

Tert−ブチル(3R)−1−アリル−3−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)シクロペンチルカルバメート(工程Cから、70mg、0.119mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、青色が持続されるまで−78℃でオゾン処理した。青色が消失するまで反応混合物に窒素をパージした。反応混合物にトリエチルアミン(0.5mL)を加え、内容物を室温に昇温し、室温でさらに1時間撹拌した。反応混合物を4gシリカゲルカートリッジに通し(酢酸エチルで溶出)、溶出物を濃縮し、t−ブチル(3R)−3−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−1−(2−オキソエチル)シクロペンチルカルバメート(60mg、0.101mmol、収率85%)を油状物として得た。
MS (ESI+) m/z 592 M +
工程E:tert−ブチル(3R)−3−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−1−(2−ヒドロキシエチル)シクロペンチルカルバメート
【化22】

tert−ブチル(3R)−3−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−1−(2−オキソエチル)シクロペンチルカルバメート(工程Dから、60mg、0.101mmol)のMeOH(2mL)溶液(−78℃)にNaBH(7.67mg、0.203mmol)を加えた。得られた混合物を−78℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣に酢酸エチル(10mL)を加えた。得られた混合物を水(2mL)、ブライン(2mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮し、t−ブチル(3R)−3−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−1−(2−ヒドロキシエチル)シクロペンチルカルバメート(58mg、0.098mmol、収率96%)を固形物として得た。
MS (ESI+) m/z 594 M +
工程F:(1R)−3−アミノ−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3−(2−ヒドロキシエチル)シクロペンタンカルボキシアミド
【化23】

t−ブチル(3R)−3−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−1−(2−ヒドロキシエチル)シクロペンチルカルバメート(58mg、0.098mmol)に塩酸(4M/ジオキサン、0.5mL)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、(1R)−3−アミノ−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3−(2−ヒドロキシエチル)シクロペンタンカルボキシアミド、塩酸塩(50mg、0.094mmol、収率97%)を油状物として得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
MS (ESI+) m/z 494 M +
工程G:(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−8−オキサ−6−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド
【化24】

(1R)−3−アミノ−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3−(2−ヒドロキシエチル)シクロペンタンカルボキシアミド(工程Fから、30mg、0.061mmol)のTHF(1mL)溶液にカルボニル ジイミダゾール(14.77mg、0.091mmol)およびトリエチルアミン(0.021mL、0.152mmol)を加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、プレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA;波長:220nm)で精製し、目的生成物をジアステレオマーの混合物として得た。ジアステレオマーの混合物をキラルプレパラティブHPLC(カラム:ChiralPak ASH,250x3cm,5μm;流速:120mL/分;移動相:CO/MeOH=80/20;インジェクション量=2.0mL、波長=220nM;異性体1、保持時間=5.75分;異性体2、保持時間=9.10分)で精製し、ここのジアステレオマー(各異性体2mg、3.85μmol、収率6.33%)を固形物として得た。
異性体1:MS(ESI+) = 520 M+ ;純度:>95%;1H NMR (500 MHz, CHLOROFORM−d) [回転異性体、積分値は総数74個のプロトン(OHのプロトンは除く)について回転異性体aおよびbの分離不可能な1:1の混合物に基づき帰属した] δ ppm 0.77 (s, 6 H) 0.81 − 0.99 (m, 12 H) 1.05 (d, J=6.87 Hz, 3 H) 1.41 − 2.24 (m, 27 H) 2.53 − 2.72 (m, J=17.91, 13.52, 13.52, 4.81 Hz, 2 H) 2.76 − 2.95 (m, J=9.83, 9.59, 9.59, 4.54 Hz, 1 H) 3.18 (td, J=13.06, 2.75 Hz, 1 H) 3.38 (dd, J=13.20, 1.37 Hz, 1 H) 3.61 (d, J=13.47 Hz, 1 H) 3.64 − 3.71 (m, 1 H) 3.94 (dd, J=14.16, 2.89 Hz, 1 H) 4.11 (dd, J=13.20, 1.65 Hz, 1 H) 4.21 − 4.37 (m, 2 H) 4.65 (dd, J=12.37, 4.12 Hz, 1 H) 4.96 (td, J=9.14, 5.64 Hz, 2 H) 6.47 (d, J=8.80 Hz, 1 H) 6.55 (d, J=8.80 Hz, 1 H) 6.99 (s, 1 H) 7.13 (s, 1 H) 7.29 − 7.50 (m, 8 H);RP−HPLC: 保持時間 = 3.1分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;4分間のグラジエント, 実行時間 8分間, 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4);
異性体2:MS(ESI+) = 520 M+ ;純度:>95%;RP−HPLC: 保持時間 = 3.1分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;4分間のグラジエント, 実行時間 8分間, 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4.
実施例2
(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド
【化25】

工程A:(1R)−ベンジル 3−アリル−3−アミノシクロペンタンカルボキシレート
【化26】

(R)−ベンジル 3−オキソシクロペンタンカルボキシレート(WO2007092681、1g、4.58mmol)のメタノール(5mL)溶液に2−アリル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.155g、6.87mmol)およびアンモニア(7N溶液/MeOH、8mL)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をプレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA;波長:220nm)で精製した。目的のフラクションを収集し、濃縮し、酢酸エチル(20mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で分液処理した。有機層を無水NaSOで乾燥し、減圧濃縮し、(1R)−ベンジル 3−アリル−3−アミノシクロペンタンカルボキシレート(616mg、2.38mmol、収率52%)を得た。
MS (ESI+) m/z 260 (M+H) +
工程B:(1R)−ベンジル 3−アリル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンタンカルボキシレート
【化27】

(1R)−ベンジル 3−アリル−3−アミノシクロペンタンカルボキシレート(工程Aから、370mg、1.427mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液にトリエチルアミン(0.398mL、2.85mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(374mg、1.712mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物にジクロロメタン(20mL)を加え、得られた混合物を1N塩酸(5mL)、水(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮し、(1R)−ベンジル 3−アリル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−シクロペンタンカルボキシレート(480mg、1.335mmol、収率94%)を油状物として得た。
MS (ESI+) m/z 382 (M+Na) +
工程C:(1R)−ベンジル 3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−オキソエチル)シクロペンタンカルボキシレート
【化28】

(1R)−ベンジル 3−アリル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンタンカルボキシレート(工程Bから、100mg、0.278mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、青色が持続するまで−78℃でオゾン処理した。青色が消失するまで反応混合物に窒素ガスをパージした。反応混合物にトリエチルアミン(0.5mL)を加え、内容物を室温に昇温し、室温でさらに1時間撹拌した。反応混合物を4gシリカゲルカートリッジ(酢酸エチルで溶出)に通し、溶出物を濃縮し、(1R)−ベンジル 3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−オキソエチル)シクロペンタンカルボキシレート(80mg、0.221mmol、収率80%)を油状物として得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
工程D:(1R)−ベンジル 3−アミノ−3−(2−アミノエチル)シクロペンタンカルボキシレート
【化29】

(1R)−ベンジル 3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2−オキソエチル)シクロペンタンカルボキシレート(工程Cから、80mg、0.221mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液にtert−ブチル カルバメート(78mg、0.664mmol)、トリエチルシラン(77mg、0.664mmol)およびトリフルオロ酢酸(1.705μL、0.022mmol)を加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮して油状物を得、それを室温において塩酸(4M/ジオキサン、1mL)で処理した。反応物を室温で1時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、プレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA;波長:220nm)で精製した。目的のフラクションを減圧濃縮し、(1R)−ベンジル 3−アミノ−3−(2−アミノエチル)シクロペンタンカルボキシレート、2トリフルオロ酢酸塩(56.1mg、0.114mmol、2工程で収率51.7%)を油状物として得た。
MS (ESI+) m/z 263 (M+H) +
工程E:(2R)−ベンジル 7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート
【化30】

(1R)−ベンジル 3−アミノ−3−(2−アミノエチル)シクロペンタン−カルボキシレート(工程Dから、30mg、0.114mmol)のトルエン(2mL)溶液にトリエチルアミン(0.048mL、0.343mmol)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(37.1mg、0.229mmol)を加えた。得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(10mL)を加え、得られた混合物を1N 塩酸(1mL)、水(2mL)、ブライン(2mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧濃縮し、(2R)−ベンジル 7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(20mg、0.069mmol、収率60.7%)を油状物として得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
MS (ESI+) m/z 288 M +
工程F:(2R)−7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸
【化31】

(2R)−ベンジル 7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(工程Eから、20mg、0.069mmol)のメタノール(2mL)溶液にパラジウム(Pd/C、10%wt.、7.38mg、6.94μmol)を加えた。得られた混合物を水素バルーン下で30分間撹拌した。反応混合物を濾過した。濾液を減圧濃縮し、(2R)−7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸(10mg、0.050mmol、収率72.7%)を油状物として得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
MS m/z 199 (M+H) +
工程G:(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド
【化32】

(2R)−7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸(工程Fから、10mg、0.050mmol)のTHF(1mL)溶液に(R)−2−アミノ−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン、塩酸塩(34.2mg、0.091mmol)、トリエチルアミン(7.03μL、0.050mmol)およびBOP(22.31mg、0.050mmol)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をプレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA;波長:220nm)で精製した。目的生成物を減圧濃縮、凍結乾燥し、(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド(4mg、固形物、7.71μmol、収率15.27%)をジアステレオマーの混合物として得た。
RP−HPLC: 保持時間 = 3.19分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;4分間のグラジエント, 実行時間 8分間, 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4);純度:>95%;MS (ESI+) m/z 519 M+
実施例3
N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−1−カルボキシアミド
【化33】

工程A:ベンジル 2−オキソシクロペンタンカルボキシレート
【化34】

エチル 2−オキソシクロペンタンカルボキシレート(4g、25.6mmol)にベンジルアルコール(3.6g、33.3mmol)を加え、得られた混合物を175℃で1時間加熱した。高真空ポンプで反応混合物を減圧濃縮し、ベンジル 2−オキソシクロペンタンカルボキシレート(5.2g、23.84mmol、収率93%)を油状物として得た。この化合物をさらに精製することなく次工程に用いた。
工程B:ベンジル 2−アリル−2−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシレート(ホモキラル)
【化35】

ベンジル 2−オキソシクロペンタンカルボキシレート(工程Aから、5g、22.91mmol)のメタノール(20ml)および水(60.00ml)混合物溶液に3−ブロモプロプ−1−エン(8.31g、68.7mmol)およびインジウム(1.081mL、68.7mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1N塩酸(15mL)を加え、室温で5分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)および水(4mL)で分液処理した。酢酸エチル層をブライン(4mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をプレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA;波長:220nm)で精製した。目的の生成物を収集し、減圧濃縮し、目的生成物をジアステレオマーの混合物として得た。ジアステレオマーの混合物をキラルプレパラティブHPLCで精製し、4つの個々の異性体を得た。第2の異性体に対応するフラクションを濃縮し、凍結乾燥し、固形物を得た(800mg、3.08mmol、収率13.4%)。
キラルHPLC方法:カラム:ChiralPak AD−H, 250X3cm, 5μm;流速:130mL/min;移動相:CO2/MeOH=70/30;インジェクション量 = 0.7mL, 波長 = 220nm, :保持時間 = 3.18分. MS(ESI+) = 283 (M+Na)+
工程C:ベンジル 2−ヒドロキシ−2−(2−オキソエチル)シクロペンタンカルボキシレート(ホモキラル)
【化36】

ベンジル 2−アリル−2−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシレート(工程Bから、150mg、0.576mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、青色が持続するまで−78℃でオゾン処理した。青色が消失するまで反応混合物に窒素ガスをパージした。反応混合物にトリエチルアミン(0.5mL)を加え、内容物を室温に昇温し、室温でさらに1時間撹拌した。反応混合物を4gシリカゲルカートリッジに通し(酢酸エチルで溶出)、溶出物を濃縮し、ベンジル 2−ヒドロキシ−2−(2−オキソエチル)シクロペンタンカルボキシレート(120mg、0.457mmol、収率79%)を油状物として得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
工程D:ベンジル 2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)−2−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシレート(ホモキラル)
【化37】

ベンジル 2−ヒドロキシ−2−(2−オキソエチル)シクロペンタンカルボキシレート(工程Cから、120mg、0.457mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液にtert−ブチル カルバメート(214mg、1.830mmol)、トリエチルシラン(213mg、1.830mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.070mL、0.915mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、プレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA;波長:220nm)で精製した。目的のフラクションを濃縮、凍結乾燥し、ベンジル 2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)−2−ヒドロキシシクロペンタン−カルボキシレート(70mg、0.193mmol、収率42.1%)を固形物として得た。
MS(ESI+) = 386 (M+Na)+
工程E:2−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)−2−ヒドロキシシクロペンタンカルボン酸(ホモキラル)
【化38】

ベンジル 2−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)−2−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシレート(工程D、70mg、0.193mmol)のMeOH(3mL)溶液にパラジウム(10%wt Pd/C、20.50mg、0.019mmol)を加えた。得られた混合物を水素バルーン下で30分間撹拌した。反応混合物を濾過した。濾液を減圧濃縮し、2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)−2−ドロキシシクロペンタンカルボン酸(50mg、0.183mmol、収率95%)を油状物として得た。
MS = 273 (M+H)+
工程F:t−ブチル 2−(2−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−1−ヒドロキシシクロペンチル)エチルカルバメート
【化39】

(R)−2−アミノ−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン、塩酸塩(68.7mg、0.183mmol)のTHF(2mL)溶液に2−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)−2−ヒドロキシシクロペンタンカルボン酸(工程Eから、50mg、0.183mmol)、トリエチルアミン(0.051mL、0.366mmol)およびBOP(81mg、0.183mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧除去した。残渣に酢酸エチル(20mL)を加え、反応混合物を水(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧濃縮し、tert−ブチル 2−(2−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−1−ヒドロキシシクロペンチル)エチルカルバメートを油状物として得た(100mg、0.168mmol、収率92%)。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
MS(ESI+) = 494 (M−Boc)+
工程G:2−(2−アミノエチル)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシアミド
【化40】

t−ブチル 2−(2−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−1−ヒドロキシシクロペンチル)エチルカルバメート(工程Fから、100mg、0.168mmol)に塩酸(4M/ジオキサン、0.5mL)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(10mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)で分液処理した。酢酸エチル層を減圧濃縮し、残渣をプレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA;波長:220nm)で精製した。目的の生成物を減圧濃縮、凍結乾燥し、2−(2−アミノエチル)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシアミド、トリフルオロ酢酸塩(60mg、0.099mmol、収率58.6%)を固形物として得た。
MS(ESI+) = 494 M+
工程H:N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−1−カルボキシアミド
【化41】

2−(2−アミノエチル)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシアミド(工程Gから、30mg、0.061mmol)のTHF(0.5mL)溶液にトリエチルアミン(0.017mL、0.121mmol)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(14.77mg、0.091mmol)を室温で加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物をプレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。個々のジアステレオマーに対応するフラクションを回収し、濃縮し、凍結乾燥し、異性体1(8mg、0.015mmol、収率25%)、異性体2(6mg、0.011mmol、収率19%)を得た。
異性体1:分析RP−HPLC: 保持時間 =2.96 分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;グラジエント 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4). 純度:>95%;MS (ESI+) = 520 M+
異性体2:分析RP−HPLC:保持時間 = 3.07 分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;グラジエント 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4);1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM−d) [回転異性体、積分値は総数74個のプロトン(OHのプロトンは除く)について回転異性体aおよびbの分離不可能な1:1の混合物に基づき帰属した] δ ppm 0.76 (s, 3 H) 0.80 (s, 3 H) 0.84 (s, 3 H) 0.86 (s, 3 H) 0.88 − 0.98 (m, 9 H) 1.03 (d, J=6.53 Hz, 3 H) 1.45 (d, J=14.05 Hz, 1 H) 1.60 (d, J=13.55 Hz, 1 H) 1.66 − 2.31 (m, 13 H) 2.31 − 2.46 (m, 2 H) 2.55 − 2.77 (m, 4 H) 3.05 − 3.27 (m, 2 H) 3.42 (d, J=13.30 Hz, 4 H) 3.55 − 3.80 (m, 2 H) 3.93 − 4.15 (m, 4 H) 4.26 (br. s., 2 H) 4.64 (d, J=13.80 Hz, 2 H) 4.92 − 5.05 (m, 3 H) 6.60 (d, 1 H) 6.90 − 7.11 (m, 1 H) 7.28 − 7.44 (m, 8 H);MS (ESI+) = 520 M+
実施例4
(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2−オキソ−1−オキサ−3−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド
【化42】

工程A:(1R)−ベンジル 3−アリル−3−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシレート
【化43】

(R)−ベンジル 3−オキソシクロペンタンカルボキシレート(1g、4.58mmol)のTHF(10mL)溶液に亜鉛粉末(2.098mL、229mmol)、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、次いで、3−ブロモプロプ−1−エン(1.663g、13.75mmol)をゆっくりと室温で加えた。得られた混合物を80℃で3時間加熱し、室温でさらに12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣に酢酸エチル(20mL)を加え、得られた混合物を水(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧濃縮し、(1R)−ベンジル 3−アリル−3−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシレート(580mg、2.228mmol、収率48.6%)を油状物として得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
MS (ESI+) m/z 283 (M+Na)+
工程B:2−((3R)−3−(ベンジルオキシカルボニル)−1−ヒドロキシシクロペンチル)酢酸
【化44】

ベンジル 3−アリル−3−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシレート(工程Aから、150mg、0.576mmol)の酢酸エチル(5mL)溶液に酸化ルテニウム(IV)水和物(104mg、0.691mmol)、次いで10%wt.過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(〜3mL)を加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。イソプロピルアルコール(3mL)を加えて反応物をクエンチした。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮し、2−(3−(ベンジルオキシカルボニル)−1−ヒドロキシシクロペンチル)酢酸(130mg、0.467mmol、収率81%)を油状物として得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
MS (ESI+) m/z 301 (M+Na) +
工程C:(7R)−ベンジル 2−オキソ−1−オキサ−3−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシレート
【化45】

2−((3R)−3−(ベンジルオキシカルボニル)−1−ヒドロキシシクロペンチル)酢酸(工程Bから、130mg、0.467mmol)のトルエン(2mL)およびテトラヒドロフラン(1.0mL)混合物溶液にトリエチルアミン(0.098mL、0.701mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(154mg、0.561mmol)を室温で加えた。得られた混合物を80℃で45分間加熱した。反応混合物を濃縮し、残渣をプレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。ここのジアステレオマーに対応するフラクションを回収し、濃縮し、凍結乾燥した。
異性体1:20mg、0.073mmol、収率15.5%、MS (ESI+) m/z 276 (M+H)+
異性体2:20mg、0.073mmol、収率15.5%、MS (ESI+) m/z 276 (M+H)+
工程D:(7R)−2−オキソ−1−オキサ−3−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸
【化46】

(7R)−ベンジル 2−オキソ−1−オキサ−3−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシレート(20mg、0.073mmol)のメタノール(3mL)溶液にパラジウム炭素(10%wt.、15.46mg、0.015mmol)を加えた。得られた混合物を水素バルーン下で30分間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を(7R)−2−オキソ−1−オキサ−3−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(各異性体につき13mg、0.070mmol、収率97%)を油状物として得た。
工程E:(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2−オキソ−1−オキサ−3−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド
【化47】

(R)−2−アミノ−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン、塩酸塩(26.3mg、0.070mmol)のTHF(1mL)溶液に(7R)−2−オキソ−1−オキサ−3−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(13mg、0.070mmol)、トリエチルアミン(9.78μL、0.070mmol)およびBOP(31.0mg、0.070mmol)を加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(10mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4mL)で分液処理した。酢酸エチル層を減圧濃縮し、残渣をプレパラティブHPLC (Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。目的のフラクションを収集し、濃縮し、凍結乾燥し、(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2−オキソ−1−オキサ−3−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド(各異性体につき15mg、0.030mmol、収率42.2%)を固形物として得た。
異性体1:分析RP−HPLC: 保持時間 = 3.12 分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;グラジエント 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4);純度:>95%;MS (ESI+) = 506 M+
異性体2:分析RP−HPLC:保持時間 = 3.16 分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;グラジエント 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4); 純度:>95%;1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM−d) [回転異性体、積分値は総数70個のプロトン(OHのプロトンは除く)について回転異性体aおよびbの分離不可能な1:1の混合物に基づき帰属した] δ ppm 0.76 (d, J=2.01 Hz, 6 H) 0.87 (d, J=4.27 Hz, 6 H) 0.95 (td, J=12.42, 6.78 Hz, 9 H) 1.05 (d, J=6.53 Hz, 3 H) 1.49 (d, J=14.31 Hz, 1 H) 1.60 (d, J=14.05 Hz, 1 H) 1.84 − 2.37 (m, 12 H) 2.56 − 2.77 (m, J=13.99, 13.83, 13.83, 4.77 Hz, 2 H) 3.11 (d, J=12.80 Hz, 1 H) 3.14 − 3.28 (m, 1 H) 3.44 (d, J=12.80 Hz, 1 H) 3.53 − 3.79 (m, 5 H) 4.02 (d, J=11.04 Hz, 1 H) 4.11 (d, J=12.80 Hz, 1 H) 4.56 − 5.07 (m, 10 H) 6.13 − 6.36 (m, 1 H) 7.19 (d, J=9.03 Hz, 1 H) 7.28 − 7.49 (m, 8 H);MS (ESI+) = 506 M+
実施例5
(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド
【化48】

工程A:(1R)−ベンジル 3−ヒドロキシ−3−(2−オキソエチル)シクロペンタンカルボキシレート
【化49】

(1R)−ベンジル 3−アリル−3−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシレート(実施例04、工程Aから、200mg、0.768mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、青色が持続するまで−78℃でオゾン処理した。青色が消失するまで反応混合物に窒素ガスをパージした。反応混合物にトリエチルアミン(0.5mL)を加え、内容物を室温に昇温し、さらに室温で1時間撹拌した。反応混合物を4gシリカゲルカートリッジに通し(酢酸エチルで溶出)、溶出物を減圧濃縮し、(1R)−ベンジル 3−ヒドロキシ−3−(2−オキソエチル)シクロペンタンカルボキシレート(100mg、0.381mmol、収率49.6%)を油状物として得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
工程B:(1R)−ベンジル 3−(2−アミノエチル)−3−ヒドロキシシクロペンタンカルボキシレート
【化50】

(1R)−ベンジル 3−ヒドロキシ−3−(2−オキソエチル)シクロペンタンカルボキシレート(工程Aから、100mg、0.381mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液にtert−ブチル カルバメート(134mg、1.144mmol)、トリエチルシラン(133mg、1.144mmol)およびトリフルオロ酢酸(2.94μL、0.038mmol)を加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで、塩酸(4M/ジオキサン、2mL)で処理した。反応物を室温で30分間撹拌後、反応混合物を濃縮し、プレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。目的のフラクションを収集し、濃縮し、凍結乾燥し、(1R)−ベンジル 3−(2−アミノエチル)−3−ヒドロキシシクロペンタン−カルボキシレート、トリフルオロ酢酸塩(40mg、0.106mmol、収率27.8%)を固形物として得た。
MS (ESI+) = 264 M+
工程C:(2R)−ベンジル 7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート
【化51】

(1R)−ベンジル 3−(2−アミノエチル)−3−ヒドロキシシクロペンタン−カルボキシレート、トリフルオロ酢酸塩(工程Bから、35mg、0.093mmol)のTHF(0.5mL)溶液にトリエチルアミン(0.026mL、0.186mmol)、次いで1,1’−カルボニルジイミダゾール(22.56mg、0.139mmol)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、プレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。目的のフラクションを収集し、濃縮し、凍結乾燥し、(2R)−ベンジル 7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(22mg、0.076mmol、収率82%)を固形物として得た。
MS (ESI+) = 312 (M+Na)+
工程D:(2R)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸
【化52】

(2R)−ベンジル 7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(工程Cから、22mg、0.076mmol)のMeOH(1mL)溶液にパラジウム炭素(10%wt.、8.09mg、7.60μmol)を加えた。得られた混合物を水素バルーン下で30分間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮し、(2R)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸(15mg、0.075mmol、収率99%)を油状物として得た。
MS = 200 (M+H)+
工程E:(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド
【化53】

(2R)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸(工程Dから、18mg、0.090mmol)のTHF(0.5mL)溶液に(R)−2−アミノ−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン、塩酸塩(33.9mg、0.090mmol)、トリエチルアミン(0.025mL、0.181mmol)およびBOP(40.0mg、0.090mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、プレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。目的のフラクションを回収し、濃縮し、凍結乾燥し、目的生成物をジアステレオマーの混合物として得た。ジアステレオマーの混合物をキラルプレパラティブHPLC(カラム:ChiralPak AD−H,250x3cm,5μm;流速:110mL/分;移動相:CO/IPA=65/35;インジェクション量 =2.0mL,波長=220nm;異性体1、保持時間 = 4.04分;異性体2、保持時間 = 13.80分)で精製し、個々の異性体(異性体1:20mg、0.038mmol、収率33.3%;異性体2:18mg、0.035mmol、収率30.0%)を固形物として得た。
異性体1:分析RP−HPLC:保持時間 = 3.07分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;4分間のグラジエント, 実行時間 8分間, 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4). 純度:>95%;MS (ESI+) m/z 520 M+
異性体2:分析RP−HPLC:保持時間 = 3.14分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;4分間のグラジエント, 実行時間 8分間, 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4). 純度:>95%;MS (ESI+) m/z 520 M+
実施例6
(3R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3’−メチル−6’−オキソ−2’,5’,6’,7’−テトラヒドロ−スピロ[シクロペンタン−1,4’−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン]−3−カルボキシアミド
【化54】

工程A:(3R)−ベンジル 3’−メチル−6’−オキソ−2’,5’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[シクロペンタン−1,4’−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン]−3−カルボキシレート
【化55】

(R)−ベンジル 3−オキソシクロペンタンカルボキシレート(0.4g、1.833mmol)にN−メチルピロリドン(3mL)、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(0.264g、1.833mmol)および3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン(0.178g、1.833mmol)を順に室温で加えた。内容物を80℃(油浴温度)で75分間加熱し、室温でさらに48時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(40mL)および1N塩酸(15mL)で分液処理した。酢酸エチル層を分離し、1N水酸化ナトリウム(15mL)、ブライン(20ml)で順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、プレパラティブHPLC(Phenomex Luna AXIA 30x100mm;10分間、グラジエント;溶媒A=10%MeOH,90%HO,0.1%TFA,溶媒B=90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。目的生成物に対応するフラクションを単離し、濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(20ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分液処理した。ジクロロメタン層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、固形物(33mg、0.097mmol、5.31%)を得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
MS (ESI) m/z 340.16 (M+H )+
工程B:(3R)−3’−メチル−6’−オキソ−2’,5’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[シクロペンタン−1,4’−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン]−3−カルボン酸
【化56】

(3R)−ベンジル 3’−メチル−6’−オキソ−2’,5’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[シクロペンタン−1,4’−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン]−3−カルボキシレート(工程Aから、0.033g、0.097mmol)の酢酸エチル(5mL)溶液にPd−C(10%wt.、0.020g、0.019mmol)を窒素雰囲気下で加えた。水素バルーンを用い、内容物を室温で1.5時間水素化した。反応混合物を濃縮し;メタノール(5mL)、次いでさらなるPd−C(0.020g、0.019mmol)を加えた。内容物を25psiで1時間水素化した。反応混合物をWhatman濾紙(FN MB 25 MM 0.45 uM)で濾過し、メタノール(2x10mL)で洗浄した。濾液を減圧濃縮し、油状物(0.017g)を得、THF(2x10mL)で共沸し、さらに精製することなく次工程に用いた。
MS (ESI) m/z 250.19 (M+H )+
工程C:(3R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3’−メチル−6’−オキソ−2’,5’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[シクロペンタン−1,4’−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン]−3−カルボキシアミド
【化57】

(R)−2−アミノ−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン,HCl(0.023g、0.060mmol)/DMF(2mL)に(3R)−3’−メチル−6’−オキソ−2’,5’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[シクロペンタン−1,4’−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン]−3−カルボン酸(工程Bから、0.015g、0.060mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.021mL、0.120mmol)およびBOP(0.027g、0.060mmol)を室温で順に加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し(高真空ポンプ)、プレパラティブHPLC(Phenomex Luna AXIA 30x100mm;10分間、グラジエント;溶媒A=10%MeOH,90%HO,0.1%TFA,溶媒B=90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。目的生成物に対応するフラクションを単離し、濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(20ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で分液処理した。ジクロロメタン層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、(3R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3’−メチル−6’−オキソ−2’,5’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[シクロペンタン−1,4’−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン]−3−カルボキシアミド(0.008g、0.014mmol、収率23.32%)をジアステレオマーの混合物として得た。
分析RP−HPLC:保持時間 = 3.24 分(YMC S5 Combi ODS 4.6 x 50 mm;4分間.グラジエント;溶媒A = 10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4, 溶媒B = 90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4). 純度:> 95%.
MS (ESI) m/z 570.31 (M+H )+
実施例7
(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド
【化58】

工程A:(7R)−ベンジル 2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシレート
【化59】

(R)−ベンジル 3−オキソシクロペンタンカルボキシレート(0.5g、2.291mmol)/エタノール(5mL)にシアン化ナトリウム(0.281g、5.73mmol)、炭酸アンモニウム(2.86g、29.8mmol)および水(5.00mL)を室温で順に加えた。内容物を70℃(油浴温度)で3時間加熱した。反応混合物を10分間室温に維持した。固形物が析出した。固形物を濾取し、水(3x10mL)で洗浄した。固形物を終夜減圧乾燥し(155mg、0.538mmol、23.5%)、さらに精製することなく次工程に用いた。
MS (ESI) m/z 289.16 (M+H)+
工程B:(7R)−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸
【化60】

(7R)−ベンジル 2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシレート(工程Aから、0.14g、0.486mmol)/メタノール(10mL)にPd−C(0.030g、0.282mmol)を窒素雰囲気下で加えた。内容物を10psiで3時間水素化した。反応混合物をWhatman濾紙(FN MB 25 MM 0.45 uM)で濾過し、メタノール(2x5mL)で洗浄した。濾液を減圧濃縮し、固形物(0.09g、0.454mmol、収率94%)を得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
MS m/z 197.3 (M−H)+
工程C:(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド
【化61】

(R)−2−アミノ−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン,HCl(工程Bから、0.085g、0.227mmol)/THF(2mL)に(7R)−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(工程B、0.045g、0.227mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.079mL、0.454mmol)およびBOP(0.100g、0.227mmol)を順に室温で加えた。内容物を室温で20時間撹拌した。反応混合物をプレパラティブHPLC(Phenomex Luna AXIA 30x100mm;10分間、グラジエント;溶媒A=10%MeOH,90%HO,0.1%TFA,溶媒B=90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製し、目的生成物に対応するフラクションを単離し、濃縮した。残渣をジクロロメタン(20ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)で分液処理した。ジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、固形物(0.095g、0.183mmol、収率81%)を得た。
分析RP−HPLC:保持時間 = 3.15 分(YMC S5 Combi ODS 4.6 x 50 mm;4 分間.グラジエント;溶媒A = 10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4, 溶媒B = 90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4);純度:> 95%;回転異性体の混合物;MS (ESI) m/z 519 (M+H )+
実施例8
(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド
【化62】

工程A:(7R)−ベンジル 1−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシレート
【化63】

(R)−ベンジル 3−オキソシクロペンタンカルボキシレート(0.5g、2.291mmol)に、エタノール(1.0mL)、水(0.5mL)およびメチルアミン塩酸塩(0.155g、2.291mmol)を順に加えた。内容物を室温で20分間撹拌した。次いで、シアン化カリウム(0.149g、2.291mmol)を室温で加え、内容物を室温で60時間撹拌した。反応混合物に2.3mLの1.0N塩酸を加え、室温で25mLの丸底フラスコに取り、次いで、0.23mLの濃塩酸を室温で加えた。反応混合物を90℃で1時間加熱した。反応混合物を減圧濃縮し、水(5mL)および酢酸エチル(15mL)で分液処理した。酢酸エチル層を濃縮し、プレパラティブHPLC(Phenomex Luna AXIA 30x100mm;10分間、グラジエント;溶媒A=10%MeOH,90%HO,0.1%TFA,溶媒B=90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。目的生成物に対応するフラクションを濃縮し、酢酸エチル(15mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で分液処理した。酢酸エチル層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、(7R)−ベンジル 1−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシレート(0.105g、0.347mmol、収率15.16%)を油状物として得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
MS (ESI) m/z 303.14 (M+H )+
工程B:(7R)−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸
【化64】

(7R)−ベンジル 1−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシレート(工程Aから、0.1g、0.331mmol)/酢酸エチル(10mL)にPd−C(0.035g、0.033mmol)を窒素雰囲気下で加えた。内容物を20psiで1時間水素化した。反応混合物をWhatman濾紙(FN MB 25 MM 0.45 uM)で濾過し、酢酸エチル(2x5mL)で洗浄した。濾液を減圧濃縮し、油状物(0.05g、0.236mmol、71.2%)を得、さらに精製することなく次工程に用いた。
MS m/z 211.3 (M−H)+
工程C:(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド
【化65】

(R)−2−アミノ−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン,HCl(0.088g、0.236mmol)/THF(2mL)に(7R)−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(工程Bから、0.05g、0.236mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.082mL、0.471mmol)およびBOP(0.104g、0.236mmol)を室温で順に加えた。内容物を室温で20時間撹拌した。反応混合物をプレパラティブHPLC(Phenomex Luna AXIA 30x100mm;10分間、グラジエント;溶媒A=10%MeOH,90%HO,0.1%TFA,溶媒B=90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製し、目的生成物に対応するフラクションを単離し、濃縮した。残渣をジクロロメタン(20ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)で分液処理した。ジクロロメタン層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、目的生成物をジアステレオマーの混合物として得た。ジアステレオマーの混合物をキラルプレパラティブHPLC(カラム:ChiralPak OD−H,3x25cm;流速:70mL/分;移動相:CO/MeOH=80/20;波長=220nm;異性体1,保持時間=14.62分;異性体2,保持時間=21.05分)で精製し、個々の異性体(異性体1:7mg、0.013mmol、収率15.5%;異性体2:11mg、0.021mmol、収率24.4%)を固形物として得た。
異性体1:分析RP−HPLC:保持時間 = 3.20分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;4分間のグラジエント, 実行時間 8分間, 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4). 純度:>95%;MS (ESI+) m/z 533.21 M+
異性体2:分析RP−HPLC:保持時間 = 3.15分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;4分間のグラジエント, 実行時間 8分間, 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4). 純度:>95%;MS (ESI+) m/z 533.23 M+
実施例9
(7R)−3−クロロ−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド
【化66】

(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド
【化67】

工程A:(7R)−ベンジル 3−クロロ−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシレート
【化68】

フェニルセレニルクロリド(0.199g、1.041mmol)に、アセトニトリル(2mL)に溶解した(1R)−ベンジル 3−アリル−3−アミノシクロペンタンカルボキシレート(実施例2、工程Aから、0.090g、0.347mmol)を加えた。内容物を80℃で18時間加熱した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(20ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で分液処理した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣にメタノール(5mL)を加えた。分離してきた固形物を濾取し、メタノール(2mL)で洗浄した。濾液に4.0N 塩酸/ジオキサン(1mL)を加え、内容物を濃縮した。酢酸エチルを加え、得られた混合物を減圧濃縮した。メタノール(5mL)を加えると、固形物が析出した。液体を注意深くピペットで取り出してHPLCバイアルに入れ、プレパラティブHPLC(Phenomex Luna AXIA 30x100mm;10分間、グラジエント;溶媒A=10%MeOH,90%HO,0.1%TFA,溶媒B=90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。目的生成物に対応するフラクションを単離し、濃縮した。残渣をジクロロメタン(20ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)で分液処理した。ジクロロメタン層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、(7R)−ベンジル 3−クロロ−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシレート(0.051g、0.174mmol、収率50.0%)を油状物として得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
MS (ESI) m/z 294.14 (M+H )+
工程B:(7R)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(B−1)および(7R)−3−クロロ−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(B−2)
【化69】

(7R)−ベンジル 3−クロロ−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシレート(工程Aから、0.051g、0.174mmol)/メタノール(8mL)にPd−C(0.020g、0.019mmol)(10%)を窒素雰囲気下で加えた。内容物を40psi、室温で3.5時間水素化した。反応混合物をWhatman濾紙(FN MB 25 MM 0.45 uM)で濾過し、メタノール(2x5mL)で洗浄した。濾液を減圧濃縮し、B−1およびB−2の混合物(0.039g)を得た。それをさらに精製することなく次工程に用いた。
工程C:(7R)−3−クロロ−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド(ピーク1およびピーク2)および(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド(ピーク3)
【化70】

B−1およびB−2の混合物(工程Bから、0.039g、0.191mmol)/DMF(1mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.100mL、0.574mmol)、(R)−2−アミノ−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン,HCl(0.072g、0.191mmol)およびBOP(0.093g、0.211mmol)を室温で順に加えた。内容物を室温で60時間撹拌した。反応混合物をプレパラティブHPLC(Phenomex Luna AXIA 30x100mm;10分間、グラジエント;溶媒A=10%MeOH,90%HO,0.1%TFA,溶媒B=90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製し、目的生成物に対応するフラクションを単離し、濃縮した。残渣をジクロロメタン(20ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)で分液処理した。ジクロロメタン層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、固形物を得た。この固形物をさらに、以下の条件(カラム:Princeton CN,250 x 3cm,5μm;流速:150mL/分;移動相:CO/MeOH+0.1%TEA=88/12;インジェクション量=0.5mL、波長=220nm;ピーク1、保持時間=3.83分;ピーク2、保持時間=3.98分;ピーク3、保持時間=4.11分)のプレパラティブHPLCで分離した。ピーク1および2はクロロ化合物に対応する。ピーク3はデスクロロ化合物に対応する。各フラクションを別々に濃縮した(ピーク1:0.014g、0.027mmol、収率13.94%;ピーク2:0.024g、0.046mmol、収率23.89%;ピーク3:0.014g、0.029mmol、収率14.92%)。
ピーク1:分析RP−HPLC:保持時間 = 2.86 分(YMC S5 Combi ODS 4.6 x 50 mm;4 分.グラジエント;溶媒A = 10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4, 溶媒B = 90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4). 純度:> 95%.;MS (ESI) m/z 524.29 (M+H)+
ピーク2:分析RP−HPLC:保持時間 = 2.82 分(YMC S5 Combi ODS 4.6 x 50 mm;4 分.グラジエント;溶媒A = 10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4, 溶媒B = 90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4. 純度:> 95%.;MS (ESI) m/z 524.30 (M+H)+
ピーク3:分析RP−HPLC:保持時間 = 2.82 分(YMC S5 Combi ODS 4.6 x 50 mm;4 分.グラジエント;溶媒A = 10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4, 溶媒B = 90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4. 純度:> 95%.;MS (ESI) m/z 490.30 (M+H)+
実施例10
(7R)−1−アセチル−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド
【化71】

(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド(実施例9、工程C、ピーク3から、13mg、0.027mmol)のジクロロメタン(0.5mL)溶液にトリエチルアミン(7.39μL、0.053mmol)および無水酢酸(4.06mg、0.040mmol)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をプレパラティブHPLC(Shimadzu VP−ODS 20x100mm、8分間、グラジエント、溶媒A:10%MeOH,90%HO,0.1%TFA;溶媒B:90%MeOH,10%HO,0.1%TFA)で精製した。目的生成物に対応するピークを収集し、濃縮し、凍結乾燥し、(7R)−1−アセチル−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド(6mg、0.011mmol、収率42.5%)を固形物として得た。
分析RP−HPLC: 保持時間 =3.44 分(YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm;グラジエント 溶媒A:10% MeOH, 90% H2O, 0.2% H3PO4;溶媒B:90% MeOH, 10% H2O, 0.2% H3PO4). 純度:>95%;MS (ESI) m/z 532 M+
実施例11
N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−オキサスピロ[2.4]ヘプタン−5−カルボキシアミド
【化72】

工程A:エチル 3−メチレンシクロペンタンカルボキシレート
【化73】

以下の反応を、15mLの密閉チューブ内において、安全シールド後で行った。2−((トリメチルシリル)メチル)アリルアセテート(2.227mL、10.73mmol)/トルエン(2mL)に、エチル アクリレート(2.92mL、26.8mmol)、亜リン酸トリイソプロピル(1.474mL、6.44mmol)および酢酸パラジウム(II)(0.241g、1.073mmol)を順に加えた。内容物に窒素ガスを5分間パージし、100℃で45時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。液体を50mLの丸底フラスコに移し、高真空ポンプを用いて蒸留した。50℃で留出したフラクションを回収し、濃縮し、1.317g(80%)のエチル 3−メチレンシクロペンタンカルボキシレートを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.90 − 4.85 (m, 2 H), 4.14 (q, 2 H, J=7.0 Hz), 2.87 − 2.78 (m, 1 H), 2.61 −2.53 (m, 2 H), 2.51 − 2.23 (m, 2 H), 2.09 − 1.82 (m, 2 H), 1.29 − 1.23 (t, 3 H, J=7.2 Hz).
工程B:リチウム 3−メチレンシクロペンタンカルボキシレート
【化74】

エチル 3−メチレンシクロペンタンカルボキシレート(900mg、5.84mmol)および水酸化リチウム(280mg、11.67mmol)のTHF(15mL)および水(6mL)混合物を65℃で18時間加熱した。TLCによる分析により、出発物質のエステルが完全に消費されたことが示された。有機溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残った水性の溶液を凍結乾燥し、リチウム 3−メチレンシクロペンタンカルボキシレートを得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 4.84 − 4.73 (m, 2 H), 2.71 − 2.59 (m, 1 H), 2.57 − 2.35 (m, 3 H), 2.29 − 2.16 (m, 1 H), 2.01 − 1.91 (1 H, m), 1.84 − 1.72 (m, 1 H,).
工程C:N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3−メチレンシクロペンタンカルボキシアミド
【化75】

リチウム 3−メチレンシクロペンタンカルボキシレート(0.770g、5.83mmol)、およびヒューニッヒ塩基(3.56mL、20.40mmol)のDMF(10mL)混合物を(R)−2−アミノ−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン,HCl(2.188g、5.83mmol)、次いで、BOP(2.84g、6.41mmol)で処理し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を85:15 酢酸エチル/ヘキサン(200mL)に注ぎ、濁った溶液を水で3回、ブラインで1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。40gシリカゲルカラムを用い、40mL/分の20%、次いで55%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するMPLCで残渣を精製し、N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3−メチレンシクロペンタンカルボキシアミド(1.89g、4.23mmol、収率72.5%)をガラス状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) (NMRはいくつかの回転異性体を示す) δ ppm 7.49 (d, 1 H, J=8.8 Hz), 7.46 (d, 1 H, J=8.4 Hz), 7.34− 7.27 (m, 2 H), 4.86 − 4.82 (m, 2 H + H2O), 4.60 − 4.51 (m, 0.7 H), 4.13 − 4.00 (m, 0.4 H + residual ethyl acetate), 3.66 − 3.55 (m, 1 H), 3.52 (d, 0.6 H, J=12.7 Hz), 3.17 (td, 0.6 H, J=13.1, 2.9 Hz), 3.11 (d, 0.5 H, J=12.3 Hz), 2.90 − 2.78 (m, 1 H), 2.70 (td, 0.5 H, J=13.6, 4.8 Hz), 2.61 (td, 0.7 H, J=13.5, 5.1 Hz), 2.56 − 2.40 (m, 3 H), 2.39 − 2.22 (m, 1 H), 2.16 (dddd, 0.5 H, J=13.7, 6.8, 6.7, 6.6 Hz), 2.09 − 1.67 (m, 2.7 H + residual ethyl acetate), 1.60 (d, 0.5 H, J=14.1 Hz), 1.51 (d, 0.5 H, J=13.6 Hz), 1.32 (d, 0.6 H, J=5.7 Hz), 1.04 (d, 1.4 H, J=6.6 Hz), 0.99 (dd, 1.4 H, J=6.8, 1.1 Hz), 0.92 (d, 3.2 H, J=6.6 Hz), 0.81 (d, 3 H, J=4.8 Hz), 0.75 (d, 3 H, J=4.8 Hz).
LCMSの方法
インジェクション量:10μL;開始%B=50;最終%B=100
グラジエント時間=4分間;流速=4mL/分;波長=220nM
溶媒A=10:90 メタノール:水+0.1%TFA;溶媒B=90:10 メタノール:水+0.1%TFA;カラム=Waters Sunfire C18 4.6x50mm
保持時間=3.10分
MS (ESI+) = 448.1 (M+H)+.
工程D:実施例11
N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3−メチレンシクロペンタンカルボキシアミド(535mg、1.197mmol)および炭酸水素ナトリウム(141mg、1.676mmol)の塩化メチレン(4mL)および水(2mL)混合物を5℃に冷却し、m−CPBA(318mg、1.436mmol)で処理した。混合物を5℃で1時間撹拌し、室温に昇温し、18時間撹拌した。混合物を5℃に冷却し、飽和硫酸ナトリウムで処理し、室温で30分間撹拌した。層を分離し、水層を塩化メチレンで3回抽出した。有機層を合わせて減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルにとった。該溶液を飽和炭酸ナトリウムで3回、水で1回、ブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、ガラス状物質の表題化合物をジアステレオマーの混合物として得た(535mg、1.155mmol、収率97%)。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) (NMRはいくつかの回転異性体を示す) δ ppm 7.54 − 7.40 (m, 2 H), 7.37 − 7.26 (m, 2 H), 4.90 − 4.82 (m, 1 H + H2O), 4.63 − 4.48 (m, 0.6 H), 4.12 − 3.96 (m, 1 H + residual ethyl acetate), 3.68 − 3.46 (m, 1.6 H), 3.23 − 3.02 (m, 1.6 H), 2.98 − 2.90 (m, 0.4 H), 2.90 − 2.77 (m, 2 H), 2.76 −2.53 (m, 1 H), 2.31 − 1.79 (m, 6 H + residual ethyl acetate), 1.79 − 1.64 (m, 1.6 H), 1.60 (bd, 0.4 H, J=14.1 Hz), 1.57 − 1.48 (m, 0.6 H), 1.04 (dd, 1.4 H, J=6.6, 3.1 Hz), 1.00 (t, 1.6 H, J=6.4 Hz), 0.96 − 0.90 (m, 3.2 H), 0.87 − 0.79 (dd, 3 H, J=5.5, 3.0 Hz), 0.79− 0.71 (m, 3 H).
LCMSの方法
開始%B=0;最終%B=95;グラジエント時間=2分間
流速=4mL/分;波長=220nm
溶媒A=10:90 アセトニトリル:水+NHOAc;溶媒B=90:10 アセトニトリル:水+NHOAc;カラム=Phenomenex Luna C18 4.6x30mm 3μ
保持時間=0.92分
MS (ESI+) = 463.1 (M+H)+.
実施例12
N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−オキサスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシアミド
【化76】

トリメチルスルホキソニウムヨージド(67.8mg、0.308mmol)のtert−ブタノール(2mL)懸濁液をカリウム tert−ブトキシド(34.6mg、0.308mmol)で処理した。混合物を50℃で1時間加熱し、次いで、N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−オキサスピロ[2.4]ヘプタン−5−カルボキシアミド(46mg、0.099mmol)で処理し、反応物を50℃で2日間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム(1mL)でクエンチし、混合物を酢酸エチル(15mL)に注いだ。層を分離し、有機相を水で3回、ブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗物質を以下の条件のプレパラティブLC/MSで精製した:
カラム:Waters SunFire C18, 19 x 150 mm, 5−μm粒子;ガードカラム:なし;移動相 A:5:95 アセトニトリル:水、10−mM 酢酸アンモニウム;移動相 B:95:5 アセトニトリル:水、10−mM 酢酸アンモニウム;グラジエント:15−100% B、15 分間、次いで100% Bで5分間ホールド;流速:20 mL/分。
目的生成物を含むフラクションを合わせ、遠心エバポレーションにより乾燥した。ジアステレオマーの混合物としての目的生成物の収量は15.4mgであり、純度は96%であった。分析LC/MSに2回インジェクションして最終純度を決定した。
インジェクション1の条件:カラム:Supelco Ascentis Express C18, 4.6 x 50 mm, 2.7−μm粒子;移動相 A:5:95 アセトニトリル:水、10 mM 酢酸アンモニウム;移動相 B:95:5 アセトニトリル:水、10 mM 酢酸アンモニウム;温度:45 ℃;グラジエント:0−100% B、5.3分間、次いで、100% Bで1.7分間ホールド;流速:3 mL/分.保持時間 = 2.91.
インジェクション2の条件:カラム:Waters XBridge C18, 4.6 x 50 mm, 2.5−μm粒子;移動相 A:5:95 アセトニトリル:水、0.1% 水酸化アンモニウム;移動相 B: 95:5 アセトニトリル:水、0.1% 水酸化アンモニウム;温度:45 ℃;グラジエント:0−100% B 、7分間、次いで、100% Bで1分間ホールド;流速:3 mL/分. 保持時間 = 3.79 分.
プロトンNMRは重水素化メタノール中で得た。
MS (ESI+) = 476.9 (M+H)+.
1H NMR (400 MHz, CD3OD) (NMRはいくつかの回転異性体を示す) δ ppm 7.53− 7.42 (m, 2 H), 7.36 − 7.26 (m, 2 H), 4.83 − 4.76 (m, 1 H), 4.58 − 4.42 (m, 2 H), 4.13 − 3.98 (m, 1 H), 3.66 − 3.58 (bd, 1 H, J=13.3 Hz), 3.58 − 3.46 (m, 1 H), 3.22 − 3.06 (m, 1 H), 2.95 − 2.86 (m, 0.4 H), 2.83 − 2.56 (m, 3.2 H), 2.38 − 1.69 (m, 7 H), 1.59 (d, 0.5 H, J=14.3 Hz), 1.51 (d, 0.5 H, J=14.6 Hz), 1.47 − 1.42 (m, 0.2 H), 1.04 (d, 1.5 H, J=6.5 Hz), 0.98 (t, 1.5 H, J=6.2 Hz), 0.92 (d, 3 H, J=5.3 Hz), 0.81 (d, 3 H, J=4.8 Hz), 0.75 (br. s, 3 H.).
【0091】
有用性
概して、前述の実施例で開示される特定の化合物のような本発明の化合物は、ケモカイン受容体活性のモジュレーターであることが示されている(例えば、下記のような結合アッセイにおいて<10,000nMのKi値を示すことにより)。ケモカイン受容体活性のモジュレーターとしての活性を示すことにより、本発明の化合物はケモカインおよびそれらのコグネイト受容体が関連する疾患の治療に有用であることが期待される。
【0092】
CCR1リガンド結合シンチレーション近接アッセイ(Scintillation Proximity Assay、SPA)
放射標識リガンド競合実験用に、最終濃度1x10個のTHP−1単球性白血病細胞を100μgのLS WGA PSビーズ(Amersham、カタログ#:RPNQ 0260)/40μl アッセイバッファー(フェノールレッド不含RPMI 1640、50mM HEPES、5mM MgCl、1mM CaCl、0.1% BSA)と混合した。THP−1細胞/ビーズ混合物を、3倍に段階希釈した試験化合物(最終濃度が8μMから140pMの範囲にある)を含む384ウェルアッセイプレート(PerkinElmer、カタログ#:6007899)の各ウェルに加えた。最終濃度0.1nMの[125I]−MIP−1α(PerkinElmer, カタログ# NEX298)/20μlアッセイバッファーを反応物に加えた。アッセイプレートを密閉し、室温で12時間インキュベートし、次いでLEADseeker(登録商標)で分析した。
【0093】
試験化合物(I)の広い濃度範囲における競合データを、試験化合物の非存在下における放射標識リガンドの特異的結合のパーセント阻害(総シグナルのパーセント)としてプロットした。非特異的結合の補正後、IC50値を決定した。IC50値は、[125I]−MIP−1αの特異的結合の50%の減少に必要な試験化合物濃度として定義され、ノーマライズしたデータにフィットさせるための4パラメーターロジスティック式を用いて算出した。Ki値は、IC50値にCheng−Prusoff式を適用して決定した(ここで、Ki=IC50/(1+リガンド濃度/Kdである)。THP−1細胞における[125I]−MIP−1αのKdは0.1nMであった。各実験はデュプリケートで行った。
【0094】
本発明の化合物を上記のアッセイで試験し、その結果を表1に示す。
【表1】

【0095】
哺乳類のケモカイン受容体は、ヒトなどの哺乳類において、免疫細胞の機能に干渉、または亢進するための標的となる。ケモカイン受容体の機能を阻害または促進する化合物は、治療を目的とした免疫細胞の機能のモジュレーションに、特に有用である。
【0096】
かくして、本発明は、様々な炎症性、感染性、および免疫調節性の障害および疾患、た、喘息およびアレルギー性疾患、病原性微生物による感染(定義によれば、ウィルスを含む)、ならびに自己免疫疾患(関節リウマチおよびアテローム動脈硬化症など)の予防および/または治療に有用な化合物に関連する。
【0097】
例えば、哺乳類のケモカイン受容体(例えば、ヒトケモカイン受容体)の1つまたはそれ以上の機能を阻害する本発明の化合物は、炎症性または感染性の疾患を阻害(即ち、軽減または予防)するために投与される。結果として、1つまたはそれ以上の炎症プロセス、例えば、白血球遊出、接着、ケモタキシス、エキソサイトーシス(例えば、酵素、ヒスタミンの)または炎症性メディエーター放出が阻害される。
【0098】
同様に、哺乳類のケモカイン受容体(例えば、ヒトケモカイン)の1つまたはそれ以上の機能を促進する本発明の化合物は、白血球遊出、接着、ケモタキシス、エキソサイトーシス(例えば、酵素、ヒスタミンの)または炎症性メディエーター放出といった免疫または炎症反応を刺激(誘導または増強)するために投与され、炎症プロセスの有益な刺激が引き起こされる。例えば、好酸球は寄生虫感染に対抗するために動員される。さらに、ケモカイン受容体の取り込みの誘導による細胞の受容体発現の減少を引き起こすに十分な化合物の送達、または細胞の遊走を間違った方向に導くような様式における化合物の送達を企図する場合、哺乳類のケモカイン受容体の1つまたはそれ以上の機能を促進する本発明の化合物は、前記の炎症性、アレルギー性および自己免疫疾患の治療についても企図することができる。
【0099】
ヒトなどの霊長類に加え、他の様々な哺乳類が本発明の方法に従い治療され得る。哺乳類、例えば、限定されないが、乳牛、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラットまたは別のウシ、ヒツジ属、ウマ科、イヌ科、ネコ科、げっ歯類またはマウス類も治療することができる。しかしながら、該方法は他の種、例えばトリにおいても実践することができる。前記の方法で治療される対象は、ケモカイン受容体活性のモジュレーションが望ましい哺乳類(オスまたはメス)である。「モジュレーション」は、本明細書で用いられるように、アンタゴニズム、アゴニズム、パーシャルアンタゴニズムおよび/またはパーシャルアゴニズムを包含する。
【0100】
ケモカイン受容体機能の阻害剤で治療され得るヒトまたは他の種における疾患または病状は、例えば、限定されないが、炎症性またはアレルギー性の疾患または病状、例えば、呼吸器のアレルギー性疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性肺臓炎、好酸球性蜂巣炎(例えば、ウェルズ症候群)、好酸球性肺炎(例えば、レフラー症候群、慢性好酸球性肺炎)、好酸球性筋膜炎(例えば、シャルマン症候群)、遅延型過敏症、間質性肺疾患(ILD)(例えば、特発性肺線維症、または関節リウマチを伴うILD、全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎、全身性強皮症、シェーグレン症候群、多発性筋炎 または皮膚筋炎)など;全身性アナフィラキシーまたは過敏性応答、薬物アレルギー(例えば、ペニシリン、セファロスポリンに対するもの)、汚染されたトリプトファンの摂取による好酸球増加−筋痛症候群、虫刺されアレルギー;関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、若年性糖尿病といった自己免疫疾患;糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、ベーチェット病;移植片拒絶(例えば、移植における)、例えば、同種移植片拒絶または移植片対宿主病;クローン病および潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患;脊椎関節症;強皮症;乾癬(T細胞が仲介する乾癬を含む)なら、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、じんま疹といった炎症性皮膚疾患;血管炎(例えば、壊死性、皮膚性、および過敏性血管炎);好酸球性筋炎、好酸球性筋膜炎;皮膚または臓器における白血球の浸潤を伴う癌である。望ましくない炎症反応が阻害されるべき別の疾患または病状、例えば、限定されないが、再灌流障害、アテローム動脈硬化症、いくつかの血液系腫瘍、サイトカイン誘発毒性(例えば、敗血症性ショック、エンドトキシンショック)、多発性筋炎、皮膚筋炎も治療され得る。ケモカイン受容体機能の阻害剤で治療することができるヒトまたは他の種の感染性の疾患または病状は、例えば、限定されないが、HIVである。
【0101】
ケモカイン受容体機能の促進剤で治療することができるヒトまたは他の種の感染性の疾患または病状は、例えば、限定されないが、AIDSまたは他のウィルスに感染している免疫不全症の個体、免疫抑制を引き起こすような放射線療法、化学療法、自己免疫疾患の治療もしくは薬物療法(例えば、副腎皮質ステロイド療法)を行っている個体における免疫抑制;先天的な受容体機能不全または他の要因による免疫抑制;および寄生虫症、例えば、限定されないが、蠕虫感染(線虫(回虫)感染症、鞭虫症、蟯虫症、回虫症、鉤虫症、糞線虫症、旋毛虫症、フィラリア症);吸虫(fluke)(住血吸虫症、肝吸虫症)、条虫(tape worm)(エキノコックス症、無鉤条虫症、嚢虫症);内臓の寄生虫、内臓幼虫移行症(visceral larva migraines)(例えば、トキソカラ)、好酸球性胃腸炎(例えば、アニサキス(anisaki sp.)、シュードテラノーバ(Phocanema sp.))、皮膚幼虫移行症(ブラジル鉤虫、イヌ鉤虫)といった感染性の疾患である。従って、本発明の化合物は様々な炎症性、感染性および免疫調節性の障害および疾患の予防および治療に有用である。
【0102】
さらに、ケモカイン受容体取り込みの誘導による細胞の受容体発現の減少を引き起こすに十分な化合物の送達、または細胞の遊走を間違った方向に導くような様式における化合物の送達を企図する場合、前記の炎症性、アレルギー性および自己免疫疾患の治療は、哺乳類のケモカイン受容体の1つまたはそれ以上の機能を促進剤についても企図することができる。
【0103】
別の一態様において、本発明はGタンパク質共役型受容体の特異的アゴニストまたはアンタゴニストと推定されるものの評価に用いられてもよい。本発明はかかる化合物の、ケモカイン受容体活性をモジュレートする化合物のスクリーニングアッセイの準備および実行における使用に関連する。さらに、本発明の化合物は、他の化合物のケモカイン受容体結合部位の確立または決定に、例えば、競合阻害により、またはその既知の活性と未知の活性を有する化合物を比較するアッセイにおけるリファレンスとして、有用である。新しいアッセイまたはプロトコルを開発する際、本発明の化合物をそれらの効能の評価に用いることができる。特に、かかる化合物は市販のキット、例えば、前述の疾患に関わる医薬品研究において用いるためのものにおいて提供することができる。本発明の化合物はまた、ケモカイン受容体の特異的なモジュレーターと推定されるものの評価に有用である。さらに、結合しない化合物の例として、または特異的な相互作用部位の決定を補助するこれらの受容体に対して活性な化合物の構造変異体として、ケモカイン受容体ではないと思われるGタンパク質共役型受容体の特異性の評価に利用することができる。
【0104】
本発明の化合物は、関節リウマチ、変形性関節症、敗血症性ショック、アテローム動脈硬化症、動脈瘤、発熱、心血管系の障害、出血性ショック、敗血症症候群、虚血後再灌流障害、マラリア、クローン病、炎症性腸疾患、マイコバクテリア感染症、髄膜炎、乾癬、うっ血性心不全、線維症性疾患、悪液質、移植片拒絶、自己免疫疾患、皮膚炎症性疾患、多発性硬化症、放射線障害、過酸素性肺胞障害、HIV、HIV認知症、インスリン非依存性糖尿病、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、特発性肺線維症、水疱性類天疱瘡、蠕虫性寄生虫症、アレルギー性大腸炎、湿疹、結膜炎、移植、家族性好酸球増加症、好酸球性蜂巣炎、好酸球性肺炎、好酸球性筋膜炎、好酸球性胃腸炎、薬剤誘発性好酸球増加症、嚢胞性線維症、チャーグ・ストラウス症候群、リンパ腫、ホジキン病、結腸癌、フェルティー症候群、サルコイドーシス、ぶどう膜炎、アルツハイマー病、糸球体腎炎、および全身性エリテマトーデスから選択される障害の治療または予防に用いられる。
【0105】
別の一態様において、該化合物は、関節リウマチ、変形性関節症、アテローム動脈硬化症、動脈瘤、発熱、心血管系の障害、クローン病、炎症性腸疾患、乾癬、うっ血性心不全、多発性硬化症、自己免疫疾患、皮膚炎症性疾患から選択される炎症性障害の治療または予防に用いられる。
【0106】
別の一態様において、該化合物は、関節リウマチ、変形性関節症、アテローム動脈硬化症、クローン病、炎症性腸疾患、および多発性硬化症から選択される炎症性障害の治療または予防に用いられる。
【0107】
炎症性、感染性および免疫調節性の障害および疾患、例えば、喘息およびアレルギー性疾患、ならびに自己免疫疾患(関節リウマチおよびアテローム動脈硬化症など)、ならびに前述の病理の治療または予防のための組み合わせ療法は、本発明の化合物およびかかる有用性を有することが知られている別の化合物の組み合わせで説明される。例えば、炎症の治療または予防において、本発明の化合物は、抗炎症剤または鎮痛剤(オピエートアゴニストなど)、リポキシゲナーゼ阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、インターロイキン阻害剤(インターロイキン−1阻害剤など)、腫瘍壊死因子阻害剤、NMDAアンタゴニスト、一酸化窒素阻害剤もしくは一酸化窒素合成阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬、ホスホジエステラーゼ阻害剤、またはサイトカイン抑制性抗炎症剤、例えば、アセとアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛薬、スフェンタニル、スリンダク、インターフェロンアルファなどと組み合わせて用いられてもよい。同様に、本発明の化合物は、鎮痛剤;カフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムといったポテンシエーター;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボデスオキシ−エフェドリンといったうっ血除去薬;および、コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン、またはデキストラメトルファンといった鎮咳薬;利尿薬;および鎮静性または非鎮静性の抗ヒスタミン薬と共に投与されてもよい。同じように、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用な疾患または病状の治療/予防/抑制または改善に用いられる別の薬剤と組み合わせて投与されてもよい。かかる別の薬剤は、通常用いられる経路および量において、本発明の化合物と同時または時間差で投与されてもよい。本発明の化合物が1つまたはそれ以上の別の薬剤と同時に用いられる場合、本発明の化合物に加えてかかる別の薬剤を含む医薬組成物が用いられてもよい。故に、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1つまたはそれ以上の活性成分を含む。
【0108】
別々、または同じ医薬組成物において投与される、本発明の化合物と組み合わされ得る別の活性成分は、例えば、限定されないが、(a)セレクチン、ICAMおよびVLA−4などに対するもののようなインテグリンアンタゴニスト;(b)ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン、およびヒドロコルチゾンといったステロイド類;(c)シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシンおよび他のFK−506型免疫抑制剤といった免疫抑制剤;(d)ブロモフェニラミン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジンなどといった抗ヒスタミン薬(H1−ヒスタミンアンタゴニスト);(e)b2−アゴニスト(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール、およびピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエンアンタゴニスト(ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト、SKB−102,203)、ロイコトリエン生合成阻害剤(ジロートン、BAY−1005)といった非ステロイド性抗喘息薬;(f)プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロクス酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク(oxpinac)、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、およびゾメピラク)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルミン酸およびトルフェナム酸)、鼻フェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサル)、オキシカム類(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカム)、サリチル酸類(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン誘導体(アパゾン、ベズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)といった非ステロイド性抗炎症薬(NSAID);(g)シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤;(h)4型ホスホジエステラーゼ(PDE−IV)阻害剤;(i)ケモカイン受容体の他のアンタゴニスト;(j)HMG−COAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ならびに他のスタチン類)、捕捉剤(コレスチラミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレートおよびベンザフィブレート)、およびプロブコールといったコレステロール低下薬;(k)インスリン、スルホニル尿素、ビグアナイド(メトホルミン)、グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース)およびグリタゾン(トログリタゾンおよびピオグリタゾン)といった抗糖尿病薬;(l)インターフェロン製剤(インターフェロンアルファ−2a、インターフェロン−2B、インターフェロンアルファ−N3、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンベータ−1b、インターフェロンガンマ−1b);(m)エファビレンツ、ネビラピン、インジナビル、ガンシクロビル、ラミブジン、ファムシクロビル、およびザルシタビンといった抗ウィルス化合物;(n)5−アミノサリチル酸、その誘導体といった別の化合物、アザチオプリンおよび6−メルカプトプリンといった代謝拮抗薬、細胞傷害性の癌の化学療法薬である。本発明の化合物の第2の活性成分に対する重量比は様々であり、各成分の有効量に依存するであろう。
【0109】
一般的に、それぞれの有効量が用いられるであろう。故に、例えば、本発明の化合物がNSAIDと組み合わせて用いられる場合、本発明の化合物のNSAIDに対する重量比は、通常約1000:1から約1:1000の範囲にあるか、あるいは約200:1から約1:200の範囲にある。本発明の化合物と別の活性成分の組み合わせも通常は上記の範囲内にあるが、各場合において、各活性成分の有効量が用いられるべきである。
【0110】
化合物は治療上の有効量において哺乳類に投与される。「治療上の有効量」は、単独またはさらなる治療薬と組み合わせて哺乳類に投与された際に、血栓塞栓性疾患の病状または疾患の進行の予防または回復に効果的な式(I)の化合物の量を意味する。
【0111】
用量および製剤
本発明の化合物は、錠剤、カプセル剤(それぞれ、徐放性製剤または時間放出製剤を含む)、丸薬、散剤、顆粒、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁液、シロップ剤および乳剤といった経口投与剤形において投与されてもよい。それらはまた、静脈内(ボーラスまたは点滴)、腹腔内、皮下、筋肉内の形態で投与してもよく、これには医薬分野の当業者に周知の全ての投与剤形が用いられる。それらは単独で投与されてもよいが、一般的には、投与経路および標準的な製薬基準に基づき選択される医薬的担体と共に投与されるであろう。
【0112】
本発明の化合物の投与レジメンは、当然のことながら、特定の薬剤の薬物動態学的性質およびその投与経路;レシピエントの種、年齢、性別、健康状態、医学的状態、および体重;症状の性質および度合い;併用されている療法;治療頻度;投与経路、患者の腎機能および肝機能、ならびに目的の効果といった既知の因子に依存して異なる。医師または獣医師は、血栓塞栓性障害の進行の予防、逆行、または停止に必要な薬剤の有効量を決定し、処方することができる。
【0113】
一般的な指針として、各活性成分の1日当たりの経口用量は、所定の効果を得るために用いられる場合、約0.001から1000mg/kg体重の範囲内にあるか、約0.01から100mg/kg体重/日の間であるか、あるいは、約1.0から20mg/kg/日の間である。静脈内投与では、持続定量点滴期間中、用量は約1から約10mg/kg/分である。本発明の化合物は1日1回投与でもよく、あるいは、1日当たりの総用量を1日2、3、または4回に分割して投与してもよい。
【0114】
本発明の化合物は、適切な鼻腔内媒体を用いて鼻腔内剤形で、あるいは経皮パッチを用いて経皮経路で投与されてもよい。経皮送達システムの形態で投与される場合、投薬は、当然のことながら、投与レジメンを通して間欠的ではなく継続的なものとなろう。
【0115】
化合物は、典型的には、意図する投与形態(即ち、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤など)に応じ、標準的な製薬基準と一致して適切に選択される適切な医薬的希釈剤、賦形剤、または担体(本明細書では医薬的担体と総称する)との混合物において投与される。
【0116】
例えば、錠剤またはカプセル剤の剤形における経口投与用に、活性薬剤成分は無毒な医薬的に許容される不活性な担体、例えば、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトールなどと組み合わせて投与されてもよく;液剤の剤形における経口投与用に、経口薬剤成分はいずれの経口の無毒な医薬的に許容される不活性な担体、例えば、エタノール、グリセロール、水などと組み合わせて投与されてもよい。さらに、望ましい、または必要な場合、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色料も混合物に組み込まれてもよい。適切な結合剤は、例えば、デンプン、ゼラチン、天然糖(グルコースまたはベータ−ラクトースなど)、トウモロコシ甘味料、天然および合成ゴム(アカシア粘液、トラガカント、またはアルギン酸ナトリウムなど)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどである。これらの投与剤形に用いられる滑沢剤は、例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどである。崩壊剤は、例えば、限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどである。
【0117】
本発明の化合物はまた、小単ラメラ小胞、大単ラメラ小胞、多重膜小胞といったリポソーム送達システムの形態で投与されてもよい。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンなどのリン脂質から形成することができる。
【0118】
本発明の化合物はまた、標的指向化可能な薬物担体としての可溶性ポリマーと組み合わせて投与されてもよい。かかるポリマーは、例えば、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリジンである。さらに、本発明の化合物は、薬剤の放出制御が達成されるような種類の生物分解性のポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸およびポリグリコール酸の共重合体、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシブタン酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロック共重合体と組み合わせてもよい。
【0119】
投与に適した投与剤形(医薬組成物)は、投与単位当たり約1ミリグラムから約100ミリグラムの活性成分を含んでいてもよい。これらの医薬組成物において、活性成分は通常、該組成物の総重量に対し約0.5−95%の量において存在する。
【0120】
ゼラチンカプセルは、活性成分および粉末の担体(ラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸など)を含んでいてもよい。同様の希釈剤が圧縮錠剤の製造に用いることができる。錠剤およびカプセル剤は、共に、薬物の放出が長時間に亘る持続放出を提供する持続放出製剤として製造することができる。任意の不快な味覚をマスクし、錠剤を外気から保護するため、圧縮錠剤は糖衣またはフィルムコーティングを施されてもよく、あるいは、消化管内において選択的に崩壊させるため、腸溶性コーティングを施されてもよい。
【0121】
経口投与用の液体投与剤形は、患者の服薬の改善のため、着色料および香料を含んでいてもよい。
【0122】
一般的に、水、適切な油脂、生理食塩水、デキストロース(グルコース)水溶液、および関連する糖の溶液、ならびに、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールといったグリコール類は非経口溶液に適した担体である。非経口投与用の溶液は、活性成分の水溶性の塩、適切な安定化剤、および、必要な場合、緩衝物質を含んでいてもよい。亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸は、単独または組み合わせにおいて、適切な安定化剤である。クエン酸およびその塩、ならびにEDTAナトリウムも用いられる。さらに、非経口溶液は、塩化ベンザルコニウム、メチル−またはプロピルパラベン、およびクロロブタノールといった防腐剤を含んでいてもよい。
【0123】
適切な医薬的担体は、この分野の標準的な参考文献である、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Companyに記載される。
【0124】
本発明の化合物の投与に有用な医薬投与剤形の代表的なものを以下に例示する。
【0125】
カプセル剤
標準的な2ピース硬ゼラチンカプセルに、それぞれ100ミリグラムの粉末の活性成分、150ミリグラムのラクトース、50ミリグラムのセルロース、および6ミリグラムのステアリン酸マグネシウムを充填することにより、大量の単位カプセルを製造することができる。
【0126】
軟ゼラチンカプセル
活性成分の大豆油、綿実油またはオリーブ油などの消化可能な油脂中の混合物を調製し、容積式ポンプでゼラチンに注入することにより、100ミリグラムの活性成分を含んだ軟ゼラチンカプセルを形成することができる。カプセルは洗浄、乾燥しなければならない。
【0127】
錠剤
錠剤は、投与単位が、100ミリグラムの活性成分、0.2ミリグラムの二酸化ケイ素コロイド、5ミリグラムのステアリン酸マグネシウム、275ミリグラムの結晶セルロース、11ミリグラムのデンプンおよび98.8ミリグラムのラクトースとなるよう、一般的な方法により製造することができる。服薬を改善もしくは吸収を遅延させるため、適当なコーティングを適用してもよい。
【0128】
注射剤
注射による投与に適した非経口組成物は、1.5重量%の活性成分を10容量%のプロピレングリコールおよび水中で撹拌することにより調製することができる。溶液は塩化ナトリウムで等張にしなければならず、滅菌されるべきである。
【0129】
懸濁液
経口投与用の水性の懸濁液は、各5mLが、100mgの微粒子化した活性成分、200mgのナトリウムカルボキシメチルセルロース、5mgの安息香酸ナトリウム、1.0gのソルビトール溶液、U.S.P.、および0.025mLのバニリンを含むよう調製することができる。
【0130】
本発明の化合物が別の抗凝固薬と組み合わされる場合、例えば、1日当たりの用量は、患者の体重1キログラム当たり約0.1から100ミリグラムの式(I)の化合物および約1から7.5ミリグラムの第2の抗凝固薬であってもよい。錠剤の投与剤形の場合、本発明の化合物は、投与単位当たり約5から10ミリグラム、第2の抗凝固薬は約1から5ミリグラムの量において存在していてもよい。
【0131】
2つまたはそれ以上の前記の第2の治療薬が式(I)の化合物と共に投与される場合、一般的に、典型的な1日当たりの用量および典型的な投与剤形における各成分の量は、組み合わせて投与された場合の治療薬の相加的または相乗的効果の観点から、その薬剤が単独で投与される場合の通常の用量に比べて低減されてもよい。特に単一投与単位として提供される場合、組み合わされた活性成分間の化学的相互作用が起こる可能性がある。このため、式(I)の化合物および第2の治療薬が単一の投与単位に組み合わされる場合、それらは、活性成分が単一の投与単位に組み合わされるが、活性成分間の物理的接触は最小限に抑えられる(即ち、軽減される)ように単一投与単位に製剤化される。例えば、1つの活性成分が腸溶性コーティングされてもよい。1つの活性成分を腸溶性コーティングすることにより、組み合わされた活性成分間の物理的接触が最小限になるだけでなく、これらの成分の1つは胃で放出されずに小腸で放出されるようになり、これらの成分の1つを消化管内において放出制御することが可能となる。活性成分の1つは、消化管内を通し持続放出に作用し、組み合わされた活性成分の物理的接触を最小限にするようにも働く物質によりコーティングされてもよい。さらに、持続放出成分は、該成分の放出が小腸でのみ起こるようにさらに腸溶性コーティングされてもよい。さらなる別のアプローチは、1つの成分を持続および/または腸放出ポリマーでコーティングし、活性成分をさらに分離するため、他の成分を低粘度グレードのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)もしくは当業者に周知の別の物質などのポリマーでコーティングした組み合わせ産物の製剤に関連する。該ポリマーコーティングは、他の成分との相互作用に対するさらなるバリアーとして機能する。
【0132】
本発明の組み合わせ製剤における成分間の接触を最小限にするためのこれらのならびに別の方法は、単一投与剤形で投与されるか、または別々の剤形だが同時に同じ方法で投与されるかにかかわらず、本開示に触れた当業者には容易に明らかとなろう。
【0133】
本発明を詳細かつその特定の実施態様に関連して記載してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更や改変が為され得ることは当業者に明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
点線は任意の二重結合を表し;
環Aは適宜置換されていてもよい3から9員の単環式または二環式のヘテロ環式環であり;
Tは、
【化2】

であり;
Wは−OHであり;
ZはOまたはSであり;
RおよびRは、独立して、水素、アルキル、ハロ、C=Oまたは−COアルキルであり;
は水素、アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、各出現において、独立して、水素またはアルキルであり;
は、各出現において、独立して、水素、ハロ、ヒドロキシまたはアルキルであり;
は、各出現において、水素、ハロ、アルキルまたはシクロアルキルであり;
mは、各出現において、0−2であり;
nは、各出現において、0−2である]
の化合物、またはその立体異性体もしくは医薬的に許容される塩の形態。
【請求項2】
式(Ia):
【化3】

[式中、
環Aは適宜置換されていてもよい5から7員のヘテロ環式環であり;
Tは、
【化4】

であり;
Wは−OHであり;
RおよびRは、独立して、水素、アルキル、ハロ、C=Oまたは−COアルキルであり;
はC−Cアルキルまたはシクロアルキルであり;
は、各出現において、独立して、水素またはアルキルであり;
は、各出現において、独立して、ヒドロキシまたはC−Cアルキルであり;
は、各出現において、独立して、ハロゲン原子であり;
mは、各出現において、0−2であり;
nは、各出現において、0−2である]
の化合物。
【請求項3】
式(Ib):
【化5】

[式中、
環Aは適宜置換されていてもよい5から6員のヘテロ環式環であり;
RおよびRは、独立して、水素、アルキル、ハロ、C=Oまたは−COアルキルであり;
はC−Cアルキルであり;
は、各出現において、独立して、水素またはアルキルであり;
は、各出現において、独立して、C−Cアルキルであり;
は、各出現において、−Clであり;
mは、各出現において、0−2であり;
nは、各出現において、0−2である]
の化合物。
【請求項4】
該化合物が、
(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−8−オキサ−6−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド、
(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド、
N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−1−カルボキシアミド、
(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2−オキソ−1−オキサ−3−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド、
(2R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−7−オキソ−6−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシアミド、
(3R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−3’−メチル−6’−オキソ−2’,5’,6’,7’−テトラヒドロ−スピロ[シクロペンタン−1,4’−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン]−3−カルボキシアミド、
(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド、
(7R)−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド、
(7R)−3−クロロ−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド、
(7R)−1−アセチル−N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボキシアミド、
N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−オキサスピロ[2.4]ヘプタン−5−カルボキシアミド、および
N−((R)−1−((S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−1−オキサスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシアミド
から選択される、請求項1の化合物、またはその立体異性体もしくは医薬的に許容される塩の形態。
【請求項5】
医薬的に許容される担体、および治療上の有効量の1つまたはそれ以上の請求項1の化合物を含む医薬組成物。
【請求項6】
治療上の有効量の1つまたはそれ以上の請求項1の化合物を患者に投与することを特徴とする、ケモカインまたはケモカイン受容体の活性のモジュレーション方法。
【請求項7】
ケモカインまたはケモカイン受容体の活性がCCR−1またはCCR−1受容体の活性である、請求項6の方法。
【請求項8】
治療上の有効量の1つまたはそれ以上の請求項1の化合物を患者に投与することを特徴とする、障害(ここで、該障害は、変形性関節症、動脈瘤、発熱、心血管系障害、クローン病、うっ血性心不全、自己免疫疾患、HIV感染、HIV関連認知症、乾癬、特発性肺線維症、移植後動脈硬化、物理的または化学的に誘発された頭部外傷、炎症性腸疾患、肺胞炎、大腸炎、全身性エリテマトーデス、腎毒性血清腎炎、糸球体腎炎、喘息、多発性硬化症、アテローム動脈硬化症、関節リウマチ、再狭窄、臓器移植、および癌から選択される)の治療方法。
【請求項9】
治療上の有効量の1つまたはそれ以上の請求項1の化合物を患者に投与することを特徴とする、炎症性疾患の治療方法。
【請求項10】
治療上の有効量の1つまたはそれ以上の請求項1の化合物を患者に投与することを特徴とする、少なくとも部分的にCCR−1により仲介される炎症性疾患の治療方法。
【請求項11】
1つまたはそれ以上の請求項1の化合物を製剤化することを特徴とする、変形性関節症、動脈瘤、発熱、心血管系障害、クローン病、うっ血性心不全、自己免疫疾患、HIV感染、HIV関連認知症、乾癬、特発性肺線維症、移植後動脈硬化、物理的または化学的に誘発された頭部外傷、炎症性腸疾患、肺胞炎、大腸炎、全身性エリテマトーデス、腎毒性血清腎炎、糸球体腎炎、喘息、多発性硬化症、アテローム動脈硬化症、および関節リウマチの治療剤の製造方法。
【請求項12】
治療上の有効量の1つまたはそれ以上の請求項1の化合物を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、治療が必要な患者の治療方法。
【請求項13】
治療上の有効量の請求項5の組成物を患者に投与することを特徴とする、CCR−1受容体活性のモジュレーション方法。
【請求項14】
治療上の有効量の請求項5の組成物を患者に投与することを特徴とする、障害(ここで、該障害は、変形性関節症、動脈瘤、発熱、心血管系障害、クローン病、うっ血性心不全、自己免疫疾患、HIV感染、HIV関連認知症、乾癬、特発性肺線維症、移植後動脈硬化、物理的または化学的に誘発された頭部外傷、炎症性腸疾患、肺胞炎、大腸炎、全身性エリテマトーデス、腎毒性血清腎炎、糸球体腎炎、喘息、多発性硬化症、アテローム動脈硬化症、関節リウマチ、再狭窄、臓器移植、および癌から選択される)の治療方法。
【請求項15】
治療上の有効量の請求項5の組成物を患者に投与することを特徴とする、炎症性疾患の治療方法。

【公表番号】特表2013−507370(P2013−507370A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533266(P2012−533266)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/051577
【国際公開番号】WO2011/044197
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】