説明

ケモカイン受容体活性のモジュレーターとしてのN−ウレイドアルキル−ピペリジン

本発明は、喘息および他のアレルギー疾患、並びに自己免疫病理(例えば、関節リウマチおよびアテローム硬化症)の予防に有用な、式(I):


のケモカイン受容体活性のモジュレーター、並びにその製造方法および中間体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、ケモカイン受容体活性のモジュレーター、そのものを含有する医薬組成物、炎症性疾患(例えば、喘息およびアレルギー疾患)および自己免疫病理(例えば、関節リウマチおよびアテローム硬化症)の処置および予防のための薬剤としてのそのものの使用方法、並びにその製造方法および中間体に関する。
【0002】
(背景技術)
ケモカインは、分子量6〜15kDaの走化性サイトカインであり、このものは、広範囲の細胞によって放出されて他の細胞タイプのうちマクロファージ、TおよびBリンパ球、好酸球、好塩基球および好中球を誘引しそして活性化する(Lusterによる, New Eng. J. Med., 338, 436-445 (1998)およびRollinsによる, Blood, 90, 909-928 (1997)に概説されている)。アミノ酸配列における第1の2個のシステインが単一のアミノ酸(CXC)によって隔離されているかまたは近接する(CC)かに応じて、2つの大きなケモカインのクラス(CXCおよびCC)が存在する。CXCケモカイン(例えば、インターロイキン−8(IL−8))、好中球活性化タンパク質(NAP−2)およびメラノーマ増殖刺激活性タンパク質(MGSA)は、主に好中球およびTリンパ球に対して走化性であって、一方でCCケモカイン(例えば、RANTES、MIP−1α、MIP−1β、単球走化性タンパク質(MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、およびMCP−5)およびエオタキシン(−1、−2、および−3))は他の細胞タイプのうち、マクロファージ、Tリンパ球、好酸球、樹状細胞、および好塩基球に対して走化性である。ケモカインリンフォタクチン−1、リンフォタクチン−2(共にCケモカイン)およびフラクタルカイン(CXXXCケモカイン)(これは、該主なケモカインサブファミリーのいずれかにも属しない)もまた存在する。
【0003】
該ケモカインは、Gタンパク質共役の7個の膜貫通ドメインタンパク質のファミリーに属する特異的な細胞表面受容体(このものは、「ケモカイン受容体」と呼ばれる)と結合する(Horukによる, Trends Pharm. Sci., 15, 159-165 (1994)中に概説されている)。それらの同族リガンドと結合する際に、ケモカイン受容体は、関係する3量体Gタンパク質によって細胞内シグナルを形質導入し、その結果、他の応答のうち、細胞内カルシウム濃度の速い増大、細胞形態の変化、細胞接着分子の発現の増大、脱顆粒、および細胞移動の促進を生じる。以下の特性パターンを有してCCケモカインと結合しまたはそれに対して反応する少なくとも10個のヒトケモカイン受容体が存在する:CCR1(または、「CKR1」または「CC−CKR1」)[MIP−1α、MCP−3、MCP−4、RANTES](Ben-Barruchらによる, Cell, 72, 415-425 (1993), Lusterによる, New Eng. J. Med., 338, 436-445 (1998));CCR2AおよびCCR2B(または、「CKR2A」/「CKR2B」または「CC−CKR2A」/「CC−CKR2B」)[MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、MCP−5](Charoらによる, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 2752-2756 (1994), Lusterによる, New Eng. J. Med., 338, 436-445 (1998));CCR−3(または、「CKR−3」または「CC−CKR−3」)[エオタキシン−1、エオタキシン−2、RANTES、MCP−3、MCP−4](Combadiereらによる, J. Biol. Chem., 270, 16491-16494 (1995), Lusterによる, New Eng. J. Med., 338, 436-445 (1998));CCR−4(または、「CKR−4」または「CC−CKR−4」)[TARC、MIP−1α、RANTES、MCP−1](Powerらによる, J. Biol. Chem., 270, 19495-19500 (1995), Lusterによる, New Eng. J. Med., 338, 436-445 (1998));CCR5(または、「CKR5」または「CC−CKR5」)[MIP−1α、RANTES、MIP−1β](Sansonらによる, Biochemistry, 35, 3362-3367 (1996)):CCR−6(または、「CKR−6」または「CC−CKR−6」)[LARC](Babaらによる, J. Biol. Chem., 272, 14893-14898 (1997));CCR−7(または、「CKR−7」または「CC−CKR−7」)[ELC](Yoshieらによる, J. Leukoc. Biol. 62, 634-644 (1997));CCR−8(または、「CKR−8」または「CC−CKR−8」)[I−309、TARC、MIP−1β](Napolitanoらによる, J. Immunol., 157, 2759-2763 (1996), Bernardiniらによる, Eur. J. Immunol., 28, 582-588 (1998));およびCCR10(または、「CKR10」または「CC−CKR10」)[MCP−1、MCP−3](Boniniらによる, DNA and Cell Biol., 16, 1249-1256 (1997))。2個の最近のケモカイン受容体についての総説は、(i)A. ZlotnikおよびO. Yoshiによる, Immunity 2000, 12, 121-127;および(ii)P. H. Carterによる, Current Opinion in Chemical Biology 2002, 6, 510-52で知ることができる。
【0004】
哺乳動物ケモカイン受容体に加えて、哺乳動物サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルスおよびポックスウイルスは、感染細胞中で、ケモカイン受容体との結合性質を有するタンパク質を発現することが分かっている(WellsおよびSchwartzによる, Curr. Opin. Biotech., 8, 741-748 (1997)によって概説されている)。ヒトCCケモカイン(例えば、RANTESおよびMCP−3)は、これらのウイルスにコードされた受容体によって速いカルシウム動員を生じ得る。受容体発現は、正常な免疫系のサーベイランスおよび感染に対する応答を可能とすることによって、感染に対して許容され得る。加えて、ヒトケモカイン受容体(例えば、CXCR4、CCR2、CCR3、CCR5およびCCR8)は、微生物(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV))によって哺乳動物細胞の感染に対するコレセプターとして作用し得る。
【0005】
ケモカイン受容体は、炎症、感染症、免疫調節性の障害および疾患(例えば、喘息およびアレルギー疾患を含む)、並びに自己免疫病理(例えば、関節リウマチおよびアテローム硬化症)の重要なメディエーターとして関与する。例えば、ケモカイン受容体CCR−3は、好酸球をアレルギー性炎症の部位に誘引し、引き続いてこれらの細胞を活性化する際に中心的な役割を果たす。CCR−3に対するケモカインリガンドは、細胞内カルシウム濃度における速い増大、細胞接着分子の発現の増大、細胞脱顆粒、および好酸球の移動の促進を誘発する。従って、ケモカイン受容体をモジュレートする薬剤は、それらの障害および疾患において有用であろう。加えて、ケモカイン受容体をモジュレートする薬剤はまた、例えばHIVによるCCR3発現細胞の感染を遮断することによる感染性疾患において、またはウイルス(例えば、サイトメガロウイルス)による免疫細胞応答のマニピュレーションを防止する際に、有用でもあろう。
【0006】
置換ピペリジン、ピペリジノンおよびピロリジンに関する当該分野における実体は、過去数年間にわたって蓄積されている。これらの化合物は、様々な疾患の処置において関与している。
【0007】
米国特許第6,444,686号(2002年9月3日発行)は、一般式:
【化1】

を有する化合物を開示する。該例は、米国特許第6,444,686号中に示されているが、このものは本発明の一部であると考えない。
【0008】
先行技術は、ケモカイン受容体に対する活性を有するものとしてこれらの新規なN−ウレイドアルキル−ピペリジンを具体化する、構造的なフラグメントの特異的な組み合わせを開示も、示唆もしていない。
【0009】
(発明の概要)
従って、本発明の1態様は、CCR−3の新規な作動薬もしくは拮抗薬、またはその医薬的に許容し得る塩もしくはプロドラッグを提供することである。
【0010】
本発明は、医薬的に許容し得る担体、並びに本発明の化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはプロドラッグ形態の少なくとも1つの治療学的に有効な量を含有する、医薬組成物を提供する。
【0011】
本発明は、炎症性疾患およびアレルギー性疾患の処置方法を提供し、該方法は、該処置が必要な宿主に、本発明の化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはプロドラッグ形態の少なくとも1つの治療学的に有効な量を投与することを含む。
【0012】
本発明は、療法に使用するための新規なN−ウレイドアルキル−ピペリジンを提供する。
【0013】
本発明は、アレルギー性疾患の処置のための医薬の製造における、新規なN−ウレイドアルキル−ピペリジンの使用を提供する。
【0014】
これらおよび他の特徴(これらは、以下の詳細な記載中で明白となろう)は、式(I):
【化2】

[式中、
およびRは、以下に定義する]
で示される化合物、またはその立体異性体もしくは医薬的に許容し得る塩がケモカイン活性の有効なモジュレーターであるという、本発明者の発見によって達成された。
【0015】
(本発明の詳細な記載および実施態様)
[1]従って、第1の実施態様において、本発明は、新規な式(I):
【化3】

で示される化合物、またはその立体異性体もしくは医薬的に許容し得る塩を提供する。上記式中、
は、C1〜6アルキル、0〜5個のRで置換された(CH)−C3〜10炭素環残基;または、0〜3個のRで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜10員ヘテロ環式から選ばれ;
各Rは、NR4a4a、NR4fC(O)(CHR)4b、NR4fC(O)H、NR4fS(O)(CHR)4b、またはNR4fC(O)OR4bから選ばれ;
各R4aは、H、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、0〜5個のR4eで置換された(CH)−C3〜10炭素環残基;または、0〜2個のR4eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜10員ヘテロ環式から選ばれるか、あるいは、
2個のR4aは一緒になって、NまたはOから選ばれる0〜1個の更なるヘテロ原子を含有する5、6または7−員環を形成し、ここで、該環は0〜1個のC=Oを含有し、そして0〜1個のRで置換され;
各R4bは、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、C1〜3ペルフルオロアルキル、0〜3個のR4eで置換された(CH)−C3〜6炭素環残基;または、0〜2個のR4eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれ;
各R4eは、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、(CH)3〜6シクロアルキル、Cl、F、Br、I、CN、NO、(CF)CF、(CH)OC1〜5アルキル、OH、SH、(CH)SC1〜5アルキル、(CH)NR4f4f、または(CH)フェニルから選ばれ;
各R4fは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、またはフェニルから選ばれるか、あるいは、
4bおよびR4fは一緒になって、NまたはOから選ばれる0〜1個の更なるヘテロ原子を含有する5、6、または7−員環を形成し、ここで、該環は0〜1個のRで置換され、各Rは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、またはフェニルから選ばれ;
各Rは、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、(CH)−C3〜6シクロアルキル、Cl、Br、I、F、NO、CN、(CHR)NR5a5a、(CHR)OH、(CHR)O(CHR)5d、(CHR)SH、(CHR)C(O)H、(CHR)S(CHR)5d、(CHR)C(O)OH、(CHR)C(O)(CHR)5b、(CHR)C(O)NR5a5a、(CHR)NR5fC(O)(CHR)5b、(CHR)C(O)O(CHR)5d、(CHR)OC(O)(CHR)5b、(CHR)C(=NR5f)NR5a5a、(CHR)NHC(=NR5f)NR5f5f、(CHR)S(O)(CHR)5b、(CHR)S(O)NR5a5a、(CHR)NR5fS(O)(CHR)5b、C1〜6ハロアルキル、0〜3個のRで置換されたC2〜8アルケニル、0〜3個のRで置換されたC2〜8アルキニル、0〜3個のR5eで置換された(CHR)フェニル;または、0〜2個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜10員ヘテロ環式から選ばれ;
各R5aは、H、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、0〜5個のR5eで置換された(CH)−C3〜10炭素環残基;または、0〜2個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜10員ヘテロ環式から選ばれ;
各R5bは、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、0〜3個のR5eで置換された(CH)−C3〜6炭素環残基;または、0〜2個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれ;
各R5dは、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、0〜3個のR5eで置換されたC1〜6アルキル、0〜3個のR5eで置換された(CH)−C3〜10炭素環残基;または、0〜3個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれ;
各R5eは、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、(CH)3〜6シクロアルキル、Cl、F、Br、I、CN、NO、(CF)CF、(CH)OC1〜5アルキル、OH、SH、(CH)SC1〜5アルキル、(CH)NR5f5f、または(CH)フェニルから選ばれ;
各R5fは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、またはフェニルから選ばれ;
各Rは、HまたはC1〜6アルキルから選ばれ;
rは、0、1、2、3、4または5から選ばれ;そして、
pは、0、1、または2から選ばれる。
【0016】
[2]別の実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物を提供する。上記式中、
は、C1〜6アルキル、0〜5個のRで置換された(CH)−炭素環残基(ここで、該炭素環残基は、フェニル、C3〜6シクロアルキル、ナフチル、またはアダマンチルから選ばれる)、または0〜3個のRで置換された(CH)−ヘテロ環式(ここで、該ヘテロ環式は、ピリジニル、チオフェニル、フラニル、インダゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソチアジアゾリル、イソキサゾリル、4−オキソ−4,5−ジヒドロ−チアゾール−2−イル、ピペリジニル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、またはピリミジニルから選ばれる)から選ばれる。
【0017】
[3]別の実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物を提供する。上記式中、
各Rは、NR4a4a、NR4fC(O)R4b、またはNR4fS(O)4bから選ばれ;
各R4aは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、0〜3個のR4eで置換された(CH)フェニル;または、0〜2個のR4eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれるか;あるいは、
2個のR4aは一緒になって、NまたはOから選ばれる0〜1個の更なるヘテロ原子を含有する5、6または7−員環を形成し、ここで該環は、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、またはピペラジニルから選ばれ、該環は0〜1個のC=Oを含有し、そして0〜1個のRで置換され;
各R4bは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、または0〜3個のR4eで置換された(CH)フェニルから選ばれ;
各R4eは、C1〜6アルキル、Cl、F、Br、I、CN、NO、(CF)CF、OH、または(CH)OC1〜5アルキルから選ばれ;
各R4fは、H、C3〜6シクロアルキル、またはC1〜5アルキルから選ばれるか;あるいは、
4bおよびR4fは一緒になって5、6、または7−員環を形成し、ここで、該環は2−ピペリジノンから選ばれ、該環は0〜1個のRで置換され;
各Rは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルから選ばれ;そして、
rは、0、1、または2から選ばれる。
【0018】
[4]別の実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物を提供する。上記式中、
は、C1〜6アルキル(このものは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、またはブチルから選ばれる)、0〜3個のRで置換されたC3〜10炭素環残基(ここで、該炭素環残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、またはアダマンチルから選ばれる)、または0〜3個のRで置換された(CH)−ヘテロ環式(ここで、該ヘテロ環式は、ピリジニル、チオフェニル、フラニル、インダゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソチアジアゾリル、イソキサゾリル、4−オキソ−4,5−ジヒドロ−チアゾール−2−イル、ピペリジニル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、またはピリミジニルから選ばれる)から選ばれ;
各Rは、C1〜8アルキル、(CH)−C3〜6シクロアルキル、CF、Cl、Br、I、F、(CH)NR5a5a、NO、CN、OH、(CHR)OR5d、(CH)C(O)R5b、(CH)C(O)OR5d、(CH)C(O)NR5a5a、(CH)NR5fC(O)R5b、(CH)S(O)5b、(CH)S(O)NR5a5a、(CH)NR5fS(O)5b、0〜3個のR5eで置換された(CH)フェニル;または、0〜2個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれ;
各R5aは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、または0〜3個のR5eで置換された(CH)フェニルから選ばれ;
各R5bは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、または0〜3個のR5eで置換された(CH)フェニルから選ばれ;
各R5dは、C1〜6アルキルまたはフェニルから選ばれ;
各R5eは、C1〜6アルキル、Cl、F、Br、I、CN、NO、(CF)CF、OH、または(CH)OC1〜5アルキルから選ばれ;そして、
各R5fは、HまたはC1〜5アルキルから選ばれる。
【0019】
[5]別の実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物を提供する。上記式中、
は、C1〜6アルキル(このものは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、またはブチルから選ばれる)、0〜2個のRで置換されたC3〜10炭素環残基(ここで、該炭素環残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、またはアダマンチルから選ばれる)、または0〜3個のRで置換されたヘテロ環式(ここで、該ヘテロ環式は、ピリジニル、インダゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、2,3−ジヒドロインドリル、インドリル、インダゾリル、インドリニル、イソキサゾリル、4−オキソ−4,5−ジヒドロ−チアゾール−2−イル、ピラゾリル、ピリミジニル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、またはオキサゾリルから選ばれる)から選ばれ;
各Rは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、CF、Cl、Br、I、F、CN、OH、(CHR)OR5d、C(O)R5b、C(O)OR5d、C(O)NR5a5a、(CH)S(O)5b、(CH)NR5fS(O)5b、0〜3個のR5eで置換された(CH)フェニル;または、0〜2個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれ、ここで、該ヘテロ環式は、テトラゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピロリジニル、またはイソキサゾリルから選ばれ;
各R5aは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはヘキシルから選ばれ;
各R5bは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはヘキシルから選ばれ;
各R5dは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはヘキシルから選ばれ;そして、
各R5eは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはヘキシルから選ばれる。
【0020】
[6]別の実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物を提供する。上記式中、
各Rは、NR4a4a、NR4fC(O)R4b、またはNR4fS(O)4bから選ばれ;
各R4aは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから選ばれるか、あるいは、
2個のR4aは一緒になって、NまたはOから選ばれる0〜1個の更なるヘテロ原子を含有する5、6、または7−員環を形成し、ここで、該環は、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、またはピペラジニルから選ばれ、該環は、0〜1個のRで置換され;
各R4bは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはヘキシルから選ばれ;
各R4fは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから選ばれるか、あるいは、
4bおよびR4fは一緒になって、5、6、または7−員環を形成し、ここで、該環は、2−ピペリジノンから選ばれ、該環は0〜1個のRで置換され;そして、
各Rは、H、メチル、エチル、プロピル、またはi−プロピルから選ばれる。
【0021】
[7]別の実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物(該化合物は、表1および表2、並びに実施例から選ばれる)を提供する。
【0022】
別の実施態様において、本発明は、医薬的に許容し得る担体および治療学的に有効な量の本発明の化合物を含有する、医薬組成物を提供する。
【0023】
別の実施態様において、本発明は、治療学的に有効な量の本発明の化合物を処置が必要な患者に投与することを含む、ケモカイン受容体活性の調節方法を提供する。
【0024】
別の実施態様において、本発明は、医薬的に許容し得る担体、および治療学的に有効な量の本発明の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含有する、医薬組成物を提供する。
【0025】
別の実施態様において、本発明は、CCR3受容体を有効な阻害量の該化合物と接触させることを含む、ケモカイン受容体活性の調節方法を提供する。
【0026】
別の実施態様において、本発明は、CCR1受容体を有効な阻害量の該化合物と接触させることを含む、ケモカイン受容体活性の調節方法を提供する。
【0027】
別の実施態様において、本発明は、ケモカイン受容体活性の抑制はCCR−1活性を抑制することを含む、ケモカイン受容体活性の調節方法を提供する。
【0028】
別の実施態様において、本発明は、治療学的に有効な量の本発明の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を処置が必要な患者に投与することを含む、炎症性疾患の処置方法を提供する。
【0029】
別の実施態様において、本発明は以下の疾患の処置方法を提供する。ここで、該疾患は、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、特発性肺線維症、類天疱瘡、ぜん虫性寄生虫感染症、アレルギー性大腸炎、湿疹、結膜炎、移植、家族性好酸球増加症、好酸球性蜂窩織炎、好酸球性肺炎、好酸球性筋膜炎、好酸球性胃腸炎、薬物誘発型好酸球増加症、HIV感染症、嚢胞性線維症、チャーグ・ストラウス症候群、リンパ腫、ホジキン病、または結腸癌腫から選ばれる。
【0030】
別の実施態様において、本発明は、以下の疾患の処置方法を提供する。ここで、該疾患は、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、または炎症性腸疾患から選ばれる。
【0031】
別の実施態様において、本発明は、喘息の処置方法を提供する。
【0032】
別の実施態様において、本発明は、アレルギー性鼻炎の処置方法を提供する。
【0033】
別の実施態様において、本発明は、アトピー性皮膚炎の処置方法を提供する。
【0034】
別の実施態様において、本発明は、炎症性腸疾患の処置方法を提供する。
【0035】
別の実施態様において、本発明は、療法に使用するための新規なN−ウレイドアルキル−ピペリジン化合物を提供する。
【0036】
別の実施態様において、本発明は、HIV感染症の処置のための医薬の製造における新規なN−ウレイドアルキル−ピペリジン化合物の使用を提供する。
【0037】
別の実施態様において、本発明は、式(Ia):
【化4】

で示される化合物を提供する。
【0038】
別の実施態様において、本発明は、式(Ib):
【化5】

で示される化合物を提供する。
【0039】
別の実施態様において、本発明は、式(Ic):
【化6】

で示される化合物を提供する。
【0040】
別の実施態様において、本発明は、式(Id):
【化7】

で示される化合物を提供する。
【0041】
別の実施態様において、Rは、C1〜6アルキル、0〜3個のRで置換されたC3〜10炭素環残基(ここで、該炭素環残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、またはアダマンチルから選ばれる)、または0〜3個のRで置換された(CH)−ヘテロ環式(ここで、該ヘテロ環式は、ピリジニル、チオフェニル、フラニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソチアジアゾリル、イソキサゾリル、ピペリジニル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、またはピリミジニルから選ばれる)から選ばれる。
【0042】
別の実施態様において、Rは、C1〜6アルキル(これは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、またはブチルから選ばれる)、または0〜2個のRで置換されたC3〜10炭素環残基(ここで、該炭素環残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニルおよびアダマンチル、並びに0〜3個のRで置換されたヘテロ環式(ここで、該へテロ環式は、ピリジニル、インダゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、2,3−ジヒドロインドリル、インドリル、インダゾリル、インドリニル、イソキサゾリル、4−オキソ−4,5−ジヒドロ−チアゾール−2−イル、ピラゾリル、ピリミジニル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、およびオキサゾリルから選ばれる)から選ばれる。
【0043】
別の実施態様において、本発明は、式(IV):
【化8】

[式中、
各Pgは独立して、アミン保護基から選ばれる]
で示される化合物、またはその塩もしくは立体異性体の製造法に関し、該方法は、式(II):
【化9】

で示される化合物を脱ヨウ素化剤および還元剤と反応させて、式(III):
【化10】

で示される化合物を得て、そして、
式(III)で示される化合物を、還元的アミノ化を用いて式(IIa)
【化11】

で示されるアミンと反応させて式(II)で示される化合物を得る、工程を含む。
【0044】
別の実施態様において、本発明は、式(IV):
【化12】

[式中、
各Pgは独立して、アミン保護基から選ばれる]
で示される化合物、またはその塩もしくは立体異性体の製造法に関し、該方法は、式(III):
【化13】

で示される化合物を、還元的アミノ化を用いて式(IIa):
【化14】

で示されるアミンと反応させて式(II)で示される化合物を得る、工程を含む。
【0045】
別の実施態様において、本発明は式(III):
【化15】

[式中、
各Pgは独立して、アミン保護基から選ばれる]
で示される化合物、またはその塩もしくは立体異性体に関する。
【0046】
別の実施態様において、本発明は、式(V):
【化16】

[式中、
Pgは独立して、アミン保護基である]
で示される化合物に関する。
【0047】
別の実施態様において、本発明は、式(V)(式中、Pgはベンジルオキシカルボニル(Cbz)である)で示される化合物に関する。
【0048】
本発明は、本発明に寄与する精神または本質から逸脱することなく、他の具体的な形態に具現化し得る。本発明はまた、本明細書中に記載される本発明の別の態様の全ての組み合わせを包含する。本発明のいずれかおよび全ての実施態様は、本発明の更なる実施態様を記載するために、いずれかの他の実施態様と組み合わせて採用し得ることを理解すべきである。その上、実施態様のいずれかの要素は、更なる実施態様を記載するために該実施態様のいずれか由来のいずれかおよび全ての他の要素と組み合わせることを意図する。
【0049】
(定義)
本明細書中に記載する化合物は、不斉中心を有し得る。非対称的に置換された原子を含有する本発明の化合物は、光学的に活性な形態またはラセミ形態で単離し得る。光学的に活性な形態を製造する方法(例えば、ラセミ形態の分割または光学的に活性な出発物質からの合成)が当該分野においてよく知られる。オレフィン、C=N二重結合などの多数の幾何異性体もまた、本明細書中に記載する化合物中に存在し得て、そして該安定な異性体の全てが本発明に企図される。本発明の化合物のシスおよびトランスの幾何異性体が記載され、そしてこのものは異性体の混合物としてまたは分離された異性体形態として単離され得る。具体的な立体化学または異性体形態が特に示されていないならば、構造の全てのキラル、ジアステレオマー、ラセミ形態、および全ての幾何異性体形態を意図する。該ラセミ形態は、物理学的な方法(例えば、ジアステレオマー誘導体の分別結晶化、分離もしくは結晶化、またはキラルカラムクロマトグラフィーによる分離)によって分割することができる。該個々の光学異性体は、通常の方法(例えば、光学的に活性な酸との塩形成、続く結晶化)によって、ラセミ体から得ることができる。
【0050】
本明細書中で使用する用語「置換」とは、示す原子の通常の原子価を超えず、そして該置換により安定な化合物を与えるという条件で、示す原子上のいずれか1個以上の水素が、示す基からの選択肢で置き代えられることを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合には、該原子上の2個の水素が置換されている。
【0051】
いずれかの変数(例えば、R)が化合物についてのいずれかの構築または式中で1回以上存在する場合には、各々のその定義は、全ての他の出現におけるその定義とは独立している。従って、例えば基が0〜2個のRで置換されると示す場合には、該基は場合により2個までのR基で置換され得て、該各RはRの定義とは独立して選ばれる。また、置換基および/または変数の組み合わせは、該組み合わせにより安定な化合物を与える場合にのみ、許容し得る。
【0052】
置換基との結合が環内の2個原子を連結する結合と交差すると示す場合には、該置換基は該環上のいずれかの原子と結合し得る。置換基が示す式の化合物の残りの部分と結合することによって、該置換基が原子を示さずに例示される場合には、該置換基は該置換基内のいずれかの原子によって結合し得る。置換基および/または変数の組み合わせは、該組み合わせにより安定な化合物を与える場合にのみ、許容し得る。
【0053】
本明細書中で使用する「C1〜8アルキル」とは、指定した数の炭素原子を有する分枝および直鎖の両方の飽和の脂肪族炭化水素基を含むことを意図する。このものは例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、およびヘキシルを含むが、これらに限定されない。C1〜8アルキルは、C、C、C、C、C、C、CおよびCのアルキル基を含むことを意図する。「アルケニル」とは、直鎖または分枝のいずれかの立体配置であって、そして1個以上の不飽和の炭素−炭素結合(これは、該鎖に沿っていずれかの安定な位置で存在し得る)である炭化水素鎖を含むことを意図し、例えばエテニル、プロペニルなどが挙げられる。「アルキニル」とは、直鎖または分枝のいずれかの立体配置であって、そして1個以上の不飽和の三重炭素−炭素結合(これは、該鎖に沿っていずれかの安定な位置で存在し得る)である炭化水素鎖を含むことを意図し、例えばエチニル、プロピニルが挙げられる。「C3〜6シクロアルキル」とは、該環内に指定した数の炭素原子を有する飽和環基(例えば、単環式、二環式または多環式を含む)を含むことを意図し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、そしてC7シクロアルキルの場合にはシクロヘプチルが挙げられる。C3〜6シクロアルキルとは、C、C、C、およびCシクロアルキル基を含むことを意図する。
【0054】
本明細書中で使用する用語「アミン保護基」(または、「N−保護」)とは、アミン基の保護のために有機合成の分野において知られるいずれかの基を意味する。本明細書中で使用する用語「アミン保護基試薬」とは、アミン基の保護のために有機合成の分野において知られるいずれかの試薬(このものはアミンと反応して、アミン保護基で保護されたアミンを与え得る)を意味する。該「アミン保護基」は、他の反応条件と適合し得なければいけない。該アミン保護基としては、GreeneおよびWutsによる、「Protective Groups in Organic Synthesis」 John Wiley & Sons, New York (1991)」および「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 3, Academic Press, New York (1981)」(本発明の一部を構成する)中に例示されているものを含む。アミン保護基の例としては、以下のものを含むが、これらに限定されない:1)アシルタイプ(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、およびp−トルエンスルホニル);2)芳香族カルバメートタイプ(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニル)−1−メチルエトキシカルボニル、および9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc));3)脂肪族カルバメートタイプ(例えば、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、およびアリルオキシカルボニル);および、4)環状アルキルカルバメートタイプ(例えば、シクロペンチルオキシカルボニル、およびアダマンチルオキシカルボニル)。
【0055】
アミン保護基は、以下のものを含み得るが、これらに限定されない:2,7−ジ−t−ブチル[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオ−キサンチル)]メチルオキシカルボニル;2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル;2−フェニルエチルオキシカルボニル;1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルオキシカルボニル;1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルオキシカルボニル;ベンジルオキシカルボニル;p−ニトロベンジルオキシカルボニル;2−(p−トルエンスルホニル)エチルオキシカルボニル;m−クロロ−p−アシルオキシベンジルオキシカルボニル;5−ベンズイソキサゾリルメチルオキシカルボニル;p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルオキシカルボニル;m−ニトロフェニルオキシカルボニル;o−ニトロベンジルオキシカルボニル;3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル;3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルオキシカルボニル;N−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル;t−アミルオキシカルボニル;p−デシルオキシベンジルオキシカルボニル;ジイソプロピルメチルオキシカルボニル;2,2−ジメトキシカルボニルビニルオキシカルボニル;ジ(2−ピリジル)メチルオキシカルボニル;または、2-フラニルメチルオキシカルボニル。
【0056】
適当な選択的な「脱ヨウ素化剤(deiodinator)」(このものは、還元剤とも呼ばれる)とは、式(II)の化合物中のWまたはI基を他の置換基の性質を変えることなく、水素に選択的に還元する、試薬または試薬の組み合わせ(還元剤)である。適当な選択的な脱ヨウ素化剤とは、トリス−(トリメチルシリル)シラン、亜鉛金属、トリブチルスズヒドリド、および触媒的な改変物(例えば、Gregory Fuによる、Org. Syn. (2002), 78, 239-248(これは、本明細書の一部を構成する)を参照)、およびAIBN(2,2−アゾビスイソブチロニトリル)を含むが、これらに限定されない。
【0057】
本明細書中で使用する「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味し;そして、「ハロアルキル」とは、指定する数の炭素原子を有し、1個以上のハロゲンで置換された、分枝および直鎖の両方の飽和の脂肪族炭化水素基(例えば、−C(ここで、v=1〜3であり、そしてw=1〜(2v+1)である)を含むことを意図し、例えばCFを挙げられる。
【0058】
本明細書中で使用する「炭素環」または「炭素環残基」とは、いずれかの安定な3、4、5、6、もしくは7−員の単環もしくは二環、または7、8、9、10、11、12もしくは13−員の二環もしくは三環(これらのいずれかは、飽和、部分的に不飽和、または芳香族であり得る)を意味することを意図する。該炭素環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、またはテトラヒドロナフチル(テトラリン)を含むが、これらに限定されない。
【0059】
本明細書中で使用する用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環式」とは、安定な5、6もしくは7−員の単環もしくは二環、または7、8、9もしくは10員の二環のヘテロ環(このものは、飽和、部分的に不飽和、または不飽和(芳香族)であって、そして炭素原子、並びに、N、NH、OおよびSからなる群から独立して選ばれる1、2、3、または4個のヘテロ原子からなり、そして上で定義するヘテロ環のいずれかがベンゼン環と縮合したいずれかの二環を含む)を意味することを意図する。該窒素および硫黄のヘテロ原子は場合により、酸化され得る。該へテロ環は、いずれかのヘテロ原子または炭素原子上でそのペンダント基と結合して、安定な構造を与え得る。本明細書中に記載する該ヘテロ環は、得られる化合物が安定である場合には、炭素または窒素原子上で置換され得る。具体的に記載するならば、ヘテロ環中の窒素は場合により4級化し得る。ヘテロ環内のSおよびO原子の総数が1を超える場合には、これらのヘテロ原子は互いに近接しないことが好ましい。本明細書中で使用する用語「芳香族ヘテロ環式」は、安定な5−〜7−員の単環もしくは二環、または7−〜10−員の二環のヘテロ環状芳香環(これは、炭素原子、並びにN、OおよびSからなる群から独立して選ばれる1〜4個のヘテロ原子から構成される)を意味すると意図する。
【0060】
ヘテロ環の例としては、1H−インダゾール、2−ピロリドニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、2H−ピロリル、3H−インドリル、4−ピペリドニル、4aH−カルバゾール、4H−キノリジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾロニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、β−カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニルペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェンアルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル(phenoxathiinyl)、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、テトラゾリル、およびキサントレニルを含むが、これらに限定されない。好ましいヘテロ環としては例えば、ピリジニル、チオフェニル、フラニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、インドリル、イソイドリル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、およびピリミジニルを含むが、これらに限定されない。例えば、上記のヘテロ環を含有する縮合環およびスピロ化合物をも含む。
【0061】
本明細書中で使用する用語「医薬的に許容し得る」とは、正常な医学的な判断の範囲内にあり、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症がなくヒトもしくは動物の組織と接触して使用するのに適当であり、合理的な利点/危険の割合が釣り合った、化合物、物質、組成物、および/または剤形を意味するのに使用する。
【0062】
本明細書中で使用する「医薬的に許容し得る塩」とは、親化合物がその酸または塩基の塩をマスクすることによって改変された、開示する化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容し得る塩の例としては、塩基性残基(例えば、アミン)の無機または有機の酸の塩;酸性残基(例えば、カルボン酸)のアルカリもしくは有機の塩を含むが、これらに限定されない。該医薬的に許容し得る塩とは、例えば、非毒性の無機または有機の酸から生成する親化合物の通常の非毒性塩または4級アンモニウム塩を含む。例えば、該通常の非毒性塩とは、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸など)由来の塩;有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸など)から製造される塩を含む。
【0063】
本発明の医薬的に許容し得る塩は、塩基性または酸性の部分を含む親化合物から、通常の化学的な方法によって製造することができる。通常、該塩は、これらの化合物の遊離の酸または塩基の形態を、水もしくは有機溶媒、または該2つの混合物(通常、非水性の媒質(例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルが好ましい))中で定量の適当な塩基または酸と反応させることによって、製造することができる。適当な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17版, Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985, 頁1418(本発明の一部を構成する)中に記載されている。
【0064】
プロドラッグは医薬の多数の所望し得る性質(例えば、溶解度、バイオアベイラビリティ、製造など)を増大することが知られているので、本発明の化合物はプロドラッグ形態で運搬することができる。従って、本発明は、本特許請求する化合物のプロドラッグ、そのものの運搬方法、およびそのものを含有する組成物を包含することを意図する。「プロドラッグ」とは、該プロドラッグを哺乳動物被験者に投与する場合に、インビボで本発明の活性な親化合物を放出する、いずれかの共有結合した担体を含むことを意図する。本発明のプロドラッグは、改変部分がルーチンな操作またはインビボのいずれかで切断されて親化合物となるような様式で、該化合物中に存在する官能基を改変することによって製造する。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミノ、またはスルフリドリル基がいずれかの基と結合した本発明の化合物を含み、本発明のプロドラッグを哺乳動物の被験者に投与する場合に、そのものは切断されて、それぞれ遊離ヒドロキシル、遊離アミノ、または遊離スルフヒドリル基を与える。プロドラッグの例としては、本発明の化合物のアルコールおよびアミンの官能基のアセテート、ホルメート、およびベンゾエートの誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0065】
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物から有用な大きさの純度への単離に耐え、そして有効な治療学的な剤に製剤化するのに十分に強い、化合物を示唆すると意味する。安定な化合物だけを、本発明に想定する。
【0066】
「治療学的に有効な量」とは、本発明の化合物の単独の量、特許請求する化合物の組み合わせの量、または本明細書中に記載する炎症性疾患を処置するのに有効な他の活性成分と組み合わせた本発明の化合物の量を含むことを意図する。
【0067】
本明細書中で使用する「処置する」または「処置」とは、哺乳動物(特に、ヒト)における疾患−状態の処置を包含し、例えば、(a)哺乳動物中で疾患−状態が生じるのを防止すること(特に、該哺乳動物が、該疾患−状態に罹り易いが、それを有するものとは未だ診断されていない場合);(b)該疾患−状態を抑制すること(すなわち、その発症を抑止すること);および/または、(c)該疾患−状態を軽減すること(すなわち、該疾患−状態の後退を生じること)、を含む。
【0068】
(合成)
式Iの化合物は、以下に記載する反応及び技術を用いて製造することができる。該反応は、使用する試薬および物質に適当であって、且つ影響を及ぼす変換反応に適当である、溶媒中で行なう。該分子上に存在する官能性は提案する変換反応と一致するべきであると、有機合成の分野における当業者によって理解されるであろう。このことは、所望する本発明の化合物を得る目的で、合成段階の順序を改変したり、または別のものを超えて1つの特定の反応式を選択するための判断を、時には必要とする。この分野におけるいずれかの合成経路の計画における別の主要な考察は、本発明に記載する化合物中に存在する反応性の官能基の保護のために使用する保護基の賢明な選択であることも認められるであろう。当業者にとっての多数の代替物を記載する権威ある説明は、Greene and Wuts(Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley and Sons, 1999)である。
【0069】
米国特許第6,444,686号は、CCR−3インヒビターの合成を記載する。これらの化合物の合成は、本明細書の一部を構成する。
【0070】
本発明の化合物は、以下の反応式1〜5に要約される方法を用いて合成することができる。該商業的に入手可能な1,4−シクロヘキサンジオン、モノ−エチレンケタールを、NaHおよび炭酸ジエチルを用いて処理して、反応式1中に示すケトエステル1を得る。次いで、該ケトエステル1を、商業的に入手可能なキラルアミンであるR−(+)−α−メチルベンジルアミンと縮合して、エン−アミン2を得る。該エン−アミン2をトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB)またはPtO上での水素添加(250psi)を用いて該エン−アミン2を還元することにより、シスβ−アミノエステル3を得る。該シスのβ−アミノエステルを、THF中でtert−ブトキシナトリウムを用いてトランス異性体4に異性化する。該エステルを、水素化アルミニウムリチウム(LAH)を用いて還元して、アルコール5を得る。5のベンジルアミンを、Pd(OH)を用いて水素添加(50psiの水素)して、アミノアルコール6を得る。6の該アミノ基を、ベンジルクロロホルメートを用いる処理によってベンジルカルバメートとして保護して、反応式1中に示すCBZ保護アミン7を得る。別法として、他の適合し得るアミン保護基をCBZの代わりに使用して、アミンを保護することができる。反応式2に示す通りに、7のスワン酸化により、アルデヒド8を得る。該アルデヒドを3S−(4−F−ベンジル)ピペリジンを用いて還元的アミノ化を行なうことにより、対応するピペリジン9を得る。9の環状ケタールを、塩酸を用いて処理することによって除去して、ケトン10を得る(反応式2に概説する)。該ケトン10を還元的アミノ化を行なって、RおよびS異性体の混合物を得ることができる。得られる異性体の比率は、例えばメチルアミンを用いて反応式3に概説する通り使用する方法に依存する。還元剤としてSTABを用いることにより、反応を希釈溶液中で行なう場合には主にS異性体を、そしてより濃縮した反応条件下では約1:1の比率のR/Sアミン異性体を得る。還元剤としてNaCNBHを用いることにより、1:1の比率の異性体を得て、一方で、チタンイソプロポキシドおよびNaBHの使用により通常、主生成物としてR異性体、11を得る(反応式3に示す)。該アミン11を無水酢酸と反応させて、アミド12を得る。12の第1級アミン保護基を、メタノール中で接触水素化(10%Pd/C)を用いて除去して、遊離アミン13を得る(反応式4に示す)。該アミンを、フェニルカルバメートを用いてTHF中、室温で処理して、所望するウレア14を良い収率で得る。該ケトン中間体10を、広範囲な第2級アミン(HNR、反応式5)を用いる還元的アミノ化を行なって、第3級アミン15を得ることができる。使用した第2級アミンのいくつかは、ジメチルアミン、ピペリジン、モルホリン、およびピペラジノンを含む。次いで、第3級アミン15を水素添加してCBZ保護基を除去し、そして得られる遊離アミンをカルバメートまたはイソシアネートを用いて処理して、様々なウレア16を得ることができる(反応式5に示す)。別法として、該ケトン中間体10をアンモニアまたは第1級アミン(NH、反応式5)を用いて還元的アミノ化を行なって、対応する第1級または第2級アミン17を得ることができる。次いで、この第1級アミンをBocOまたはメタンスルホニルクロリドを用いて処理して、18(R=Bocまたはメシル)を得ることができる(反応式5に示す)。次いで、該アミン18を水素添加してCBZ保護基を除去して、そして該得られた遊離アミンをカルバメートまたはイソシアネートを用いて処理して、様々なウレア19を得ることができる。19のRがBoc基である場合には、このものをトリフルオロ酢酸を用いる処理によって除去して、遊離アミン(R=H)を得る。使用する該方法の詳細な例を、以下に示す。
【0071】
【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【0072】
(実施例)
本発明の化合物およびそれらの製造法は、更に以下の実施例によって理解することができる。これらの例は、本発明の例示であることを意味するものであって、そして限定するものとして採用するべきではない。
【0073】
実施例1
N−{(3S,4R)−3−[3S−(4−フルオロベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−4−[3−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−ウレイド]−(R)−シクロヘキシル}−N−メチル−アセトアミド
【化22】

工程a.8−オキソ−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−7−カルボン酸エチルエステル(1a):
【化23】

2Lの3つ口フラスコに、NaH(60%分散;60g、1.56mol)を加え、そしてヘキサン(700mL)(2×)を用いて洗浄し、THF(1L)中に懸濁し、そして炭酸ジエチル(150g、1.25mol)を用いて処理した。該懸濁液を加熱還流し、そしてこのものをTHF(300mL)中のケトン(80.0g、0.51mol)の溶液を用いて滴下処理した。該添加が完結後に、該懸濁液を更に4時間加熱還流した。該混合物を0℃まで氷浴中で冷却し、次いでこのものを、氷(1.5L)、水(100mL)および酢酸(150mL)の混合物中に激しく撹拌しながら注いだ。得られる混合物をヘキサン(総計3L)を用いて抽出し、そして該抽出物を水およびブラインを用いて洗浄した。該ヘキサン抽出物をNaSOを用いて乾燥し、ろ過し、そして濃縮して淡黄色油状物のエステル生成物1aを得た。このものを更に精製することなく使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (TMS): 12.25 (s, 1 H), 4.20 (q, J = 7 Hz, 2 H), 4.06 - 3.96 (m, 4 H), 2.53 - 2.48 (m, 4 H), 1.84 (t, J = 6.6 Hz, 2 H), 1.29 (t, J = 7 Hz, 3 H)。
【0074】
工程b:8−(R−1−フェニル−エチルアミノ)−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−7−エン−7−カルボン酸エチルエステル(1b):
【化24】

ベンゼン(500mL)中の粗エステル1aの溶液を、(R)−1−フェニル−エチルアミン(61.8g、0.51mol)およびYb(OTf)触媒(0.8g)を用いて処理し、そしてディーンスタークトラップを用いて水を除去しながら、2〜3時間加熱還流した。該得られる溶液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、黄色固体を得た。このものを、ヘキサン中の20%イソプロピルアルコール(300mL)を用いてトリチュレートして、ほとんど白色の固体を得た。該固体をヘキサン(300mL)から再結晶して、結晶性のエン−アミン1b(108g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 9.41 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.35 - 7.20 (m, 5 H), 4.64 - 4.58 (m, 1 H), 4.14 (q, J = 7 Hz, 2 H), 4.02 - 3.88 (m, 4 H), 2.57 - 2.49 (m, 3 H), 2.25 - 2.15 (m, 1 H), 1.72 - 1.65 (m, 2 H), 1.48 (d, J = 7.4 Hz, 3 H), 1.28 (t, J = 7 Hz, 3 H)。
【0075】
工程c:(7S,8R)−8−(R−1−フェニル−エチルアミノ)−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−7−カルボン酸エチルエステル(3):
【化25】

アセトニトリル(700mL)および酢酸(350mL)中のエン−アミン1b(380g、1.14mol)の溶液を氷浴中で冷却し、そしてこのものをNaBH(OAc)粉末(360g、1.71mol)を用いて処理し、30分間撹拌し、氷浴を除き、そして室温で終夜撹拌した。該溶液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、そして該残渣をCHCl中に溶解し、そしてこのものを2倍の時間、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、可能なかぎり多くの酢酸を除去した。該残渣をCHCl(2L)中に溶解し、そしてこのものを2等分に分割した。冷浴中で冷却しそして該溶液中に氷を加えながら、該溶液の各部を、激しく撹拌しながら50%NaOH(205g)をゆっくりと加えることによって中和した。得られる混合物を分離し、そして該有機相を水およびブラインを用いて洗浄し、NsSOを用いて乾燥し、ろ過し、そしてロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、濃厚な油状物であるシスエステルアミン(380g)を得た。該粗生成物を更に精製することなく使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 7.34 - 7.21 (m, 5 H), 4.18 (q, J = 7 Hz, 2 H), 3.95 - 3.88 (m, 4 H), 3.73 (q, J = 7 Hz, 1 H), 3.14 (m, 1 H), 2.81 (m, 1 H), 2.08 (m, 1 H), 1.80 - 1.38 (m, 6 H), 1.32 - 1.25 (m, 6 H)。
【0076】
工程d:(7R,8R)−8−(R−1−フェニル−エチルアミノ)−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−7−カルボン酸エチルエステル(4):
【化26】

THF(1L)中のナトリウムt−ブトキシド(185g、1.92mol)溶液を調製し、そして0℃まで冷却し、そしてこのものを氷浴中で冷却しながら、粗シスアミノエステル1cの溶液に加えた。混合後に、氷浴を除き、そして該混合物を室温で4時間撹拌した。次いで、該溶液を冷1N HCl(2L)および酢酸エチル(2L)の混合物中に激しく撹拌しながらそそいだ。該pHを、1N NaOHを用いてわずかに塩基性にまで調節し、そして該有機相を分離した。該水相を酢酸エチルを用いて抽出し、そして該酢酸エチル抽出物を合わせて水およびブラインを用いて洗浄し、次いでロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、濃厚な油状物(380g)を得た。このものを2個の等分にわけてクロマトグラフィー精製(シリカゲル2.5kg、50%酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出)を行なって、油状物のほとんどトランスの異性体(総計280g)を得て、このものは放置するとゆっくりと固化した。このものを更に、冷蔵庫中で冷却後に再結晶(ヘキサンから)によって精製して、結晶性固体の1d(210mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 7.30 - 7.21 (m, 5 H), 4.22 - 4.14 (m, 2 H), 3.93 - 3.87 (m, 4 H), 3.80 (q, J = 7 Hz, 1 H), 2.82 - 2.77 (m, 1 H), 2.56 - 2.47 (m, 1 H), 1.86 - 1.32 (m, 7 H), 1.32 - 1.25 (m, 6 H)。
【0077】
工程e:[(7R,8R)−8−(R−1−フェニル−エチルアミノ)−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−7−イル]−メタノール:
【化27】

エーテル(1.5L)中のアミノエステル1d(397g、1.19mol)溶液を氷浴中で0℃まで冷却し、そして最初にLAHペレット(25g、1回で)を用いてゆっくりと処理し、次いでLAH粉末(41g、数回にわけて;総計66g、1.73mol)を用いて処理した。添加が完結後に、該混合物を更に45分間撹拌し、次いでこのものを水(66mL)、続いて1N NaOH(注意:激しく発泡する)(264mL)を滴下することによってクエンチした。得られた懸濁液を氷浴中で1〜2時間撹拌して、顆粒状の白色懸濁液を得て、このものをブフナーろうとを用いてろ過した。該固体をエーテルを用いて洗浄し、そして該エーテルろ液を合わせて濃縮して、無色シロップのアルコール1e(346g)を得た。このものを、更に精製することなく使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 7.35 - 7.25 (m, 5 H), 3.95 - 3.90 (m, 4 H), 3.60 - 3.47 (m, 3 H), 2.61 - 2.48 (m, 1 H), 2.12 - 2.04 (m, 1 H), 1.87 - 1.42 (m, 4 H), 1.39 (d, J = 6 Hz, 3 H), 1.25 - 1.16 (m, 2 H)。
【0078】
工程f:((7R,8R)−8−アミノ−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−7−イル)−メタノール:
【化28】

MeOH(500mL)中の粗アミノアルコール1e(347g、1.19mol)の溶液を、20%Pd(OH)/C(50g)を用いて処理し、そして55psiで終夜水素添加した。該混合物をセライトを用いてろ過し、そしてロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、シロップのアミノアルコール1fを得た。このものを更に精製することなく使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 3.96 (bs, 4 H), 3.58 (d, J = 7 Hz, 2 H), 2.94 (bs, 3 H), 2.57 (m, 1 H), 1.84 - 1.48 (m, 6 H), 1.20 (t, J = 13 Hz, 1 H)。
【0079】
工程g:((7R,8R)−7−ヒドロキシメチル−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−カルバミン酸ベンジルエステル:
【化29】

CHCl(1L)中の粗アミノアルコール(223g、1.19mol)溶液を、KCO(200g、1.45mol)を用いて処理し、そしてこのものを氷浴中で冷却した。該混合物を、ベンジルクロロホルメート(225g、1.3mol)をゆっくりと加えながら、激しく撹拌した。添加が完結後に、該混合物を更に30分間撹拌した。該有機相を分離し、そして水およびブラインを用いて洗浄し、そして濃縮して粗生成物(390g)を得た。このものをへキサンから再結晶して、N−CBZアミノアルコール1g(270g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 7.36 - 7.32 (s, 5 H), 5.11 (s, 2 H), 4.82 (d, J = 8 Hz, 1 H), 3.96 - 3.88 (m, 4 H), 3.72 (m, 1 H), 3.53 (m, 1 H), 3.32 (m, 2 H), 1.95 - 1.52 (m, 7 H)。
【0080】
工程h:((7R,8R)−7−ホルミル−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−カルバミン酸ベンジルエステル
【化30】

メチレンクロリド(450mL)中のDMSO(100g、1.2mol)溶液を−78℃(ドライアイス−アセトン浴)にまで冷却し、そしてこのものに塩化オキサリル(126g、1.0mol)を用いて滴下処理した。該添加が完結後に、溶液を30分間撹拌し、次いでこのものをメチレンクロリド(200mL)中のアルコール1g(96g、0.29mL)溶液を用いて滴下ろうとから滴下処理した。該添加が完結し、そして該溶液を40分間撹拌後に、このものをトリエチルアミン(182g、1.8mol)の250mLを用いて処理し、30分間撹拌し、冷浴を除去し、そして室温で1時間撹拌した。該混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(1L)を用いてクエンチし、そして該有機相を分離し、そして水およびブラインを用いて連続して洗浄し、次いでNaSOを用いて乾燥した。該乾燥物をろ過し、そして該溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去して、明黄色固体の粗アルデヒド1h(96g)を得て、このものは更に精製することなく使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 9.61 (d, 1.5 hz, 1 H), 7.36 - 7.27 (m, 5H), 5.07 (m, 2 H), 4.83 (bd, J = 7 Hz, 1 H), 3.95 (bs, 4 H), 2.54 (m, 1 H), 2.05 (m, 1 H), 1.89 - 1.57 (m, 6 H)。
【0081】
工程i:{((7S,8R)−7−[3S−(4−フルオロベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イル]−カルバミン酸ベンジルエステル
【化31】

メチレンクロリド(700mL)中の粗アルデヒド1h(46.8g、0.146mol)および3S−(4−フルオロベンジル)ピペリジン(33.0g、0.171mol)溶液を氷浴中で冷却し、そしてNaBH(OAc)(46.41g、0.219mol)を用いて処理した。次いで、得られる混合物を室温で終夜撹拌した。反応液を、1N NaOH(2L)を用いてクエンチして、室温で1時間撹拌した。該有機相を分離し、そして水およびブラインを用いて洗浄した。該溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去して、油状物の粗アミン1i(73g)を得て、このものを更に精製することなく使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 7.86 (s, 1 H), 7.36 - 7.29 (m, 5 H), 6.87 (d, J = 8 Hz, 4 H), 5.08 (m, 2 H), 3.92 - 3.89 (m, 4 H), 3.11 (m, 1 H), 2.83 (m, 1 H), 2.60 - 2.29 (m, 4 H), 2.10 - 1.20 (m, 16 H), 0.90 (m, 1 H)。MS ESI (M+H)+ = 497.3。
【0082】
工程j:{(1R,2S)−2−[3S−(4−フルオロベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−4−オキソ−シクロヘキシル}−カルバミン酸ベンジルエステル
【化32】

アセトン(300mL)中の粗ケタール1i(73g、0.146mol)溶液を、1N HCl(200mL)を用いて処理し、そして4時間加熱還流した。該アセトンのほとんどをロータリーエバポレーターを用いて除去し、そして該水性残渣を1N NaOHを用いて塩基性とした。該得られる懸濁液をCHCl中に抽出して、そして該有機抽出物を水およびブラインを用いて洗浄した。該溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去して、そして該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー精製(50%酢酸エチル/ヘキサンを使用)を行なって、濃厚な油状物のケトン1j(55g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 7.98 (bs, 1 H), 7.37 - 7.26 (m, 5 H), 6.88 (m, 4 H), 5.11 (m, 2 H), 3.54 (m, 1 H), 2.87 - 1.39 (m, 20 H), 0.90 (m, 1 H)。
【0083】
工程k:{(1R,2S)−2−[3S−(4−フルオロベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−4−メチルアミノ−シクロヘキシル}−カルバミン酸ベンジルエステル
【化33】

CHCl(25mL)中のケトン(1.67、3.7mol)溶液を、メチルアミン(2mL、4mmol)の2M THF溶液およびNaBH(OAc)(1.17g、5.5mmol)を用いて処理し、そして室温で3時間撹拌した。反応液を1N NaOH(25mL)を用いてクエンチし、そして室温で1時間撹拌した。該有機相を分離し、そして水およびブラインを用いて洗浄した。該溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去して、そして該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー精製(0.2:1.8:98 − 0.7:6.3:93のNHOH/MeOH/CHClを用いる)を行なって、2個の異性体を得た。
油状物のS異性体(0.8g)が最初に溶出した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 7.39 - 7.25 (m, 6 H), 6.91 - 6.80 (m, 4 H), 5.08 (m, 2 H), 3.15 (m, 1 H), 2.81 (m, 1 H), 2.72 (m, 1 H), 2.56 (m, 1 H), 2.46 - 2.22 (m, 3 H), 2.35 (s, 3 H), 2.21 - 1.98 (m, 2 H), 1.90 - 1.25 (m, 12 H), 1.19 (m, 1 H), 0.90 (m, 1 H)。
【0084】
R異性体1kが二番目に溶出して、白色固体(0.4g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 7.86 (bs, 1 H), 7.37 - 7.27 (m, 5 H), 6.95 - 6.80 (m, 4 H), 5.08 (m, 2 H), 3.06 (m, 1 H), 2.80 (m, 1 H), 2.60 - 2.50 (m, 6 H), 2.41 (s, 3 H), 2.08 (m, 1 H), 1.95 - 0.78 (m, 14 H)。
【0085】
【化34】

メタノール(100mL)中のケトン(4.4g、9.7mmol)の溶液を、メチルアミン塩酸(6.75g、100mmol)を用いて処理し、そしてこのものを全ての塩が溶解するまで撹拌した。該溶液をNaCNBHを用いて処理して、そして室温で終夜撹拌した。該溶液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、そして該残渣を1N NaOHを用いて処理し、CHCl中に抽出し、そして水およびブラインを用いて洗浄した。該溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去し、そして該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー精製(0.2:1.8:98 − 0.7:6.3:93のNHOH/MeOH/CHClを用いる)を行なって、2個の異性体を得た。該S異性体が最初に溶出して油状物(1.3g)を得て、そして該R異性体が第2番目に溶出して、白色固体の1k(1.3g)を得た。
【0086】
【化35】

ケトン1j(17.0g、37.6mmol)をチタン(IV)イソプロポキシド(23mL、21.5g、75.6mol)中に溶解し、そしてメチルアミン塩酸(5.1g、75.5mmol)を用いて処理した。十分な量のメタノールを該混合物に加えて、数分間撹拌後に、該塩を溶解した。該得られた溶液を室温で5時間撹拌した。該溶液をメタノール(50mL)を用いて希釈し、そしてこのものをNaBHカプレット(caplet)(2.85g、75mmol)を用いて2時間かけて非常にゆっくりと処理した[注意:激しい発泡が起こる]。該溶液を室温で終夜撹拌した。該溶液を0.2N NaOHを用いてクエンチし、そして得られたスラリーをCHCl(1L)を用いて希釈し、そしてこのものを分液ろうと中で十分に振り混ぜた。得られる乳液をセライトを用いてろ過し、そして該固体ケーキをCHClを用いて2回洗浄した。該ろ液を合わせてロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、褐色油状物(17g)を得て、このものをクロマトグラフィー精製(シリカゲルの1.5kg、1:9:90のNHOH/MeOH/CHClを用いて溶出)を行なって、2個の異性体を得た。該S異性体が最初に溶出して、油状物(4.0g)を得て、そして該R異性体が第2番目に溶出して、白色固体(8.0g)を得た。該R異性体1kは、更に再結晶(アセトニトリルから)によって精製することができた。
【0087】
工程l:{(1R,2S,4R)−4−(アセチル−メチル−アミノ)−2−[3S−(4−フルオロベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸ベンジルエステル
【化36】

CHCl(350mL)中のアミン1k(41.8g、89mmol)の溶液を氷浴中で冷却し、そしてこのものを無水酢酸(10.0g、98mmol)を用いて滴下処理した。該溶液を30分間撹拌し、次いでこのものを飽和炭酸水素ナトリウム、0.5N NaOHおよびブラインを用いて連続して洗浄した。該溶液を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そして該溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去して、白色発泡体のアミド11(46g)を得て、このものを更に精製することなく使用した。NMRは、シスおよびトランスの異性体(3:1)の混合物を示した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 7.90 (bs, 1 H), 7.37 - 7.27 (m, 5 H), 6.91 - 6.80 (m, 4 H), 5.08 (m, 2 H), 4.56 (m, 0.75 H), 3.60 (m, 0.25 H), 3.03 (m, 1 H), 2.90 - 2.70 (m, 1 H), 2.81 (s, 2.25 H), 2.77 (s, 0.75 H), 2.60 - 2.25 (m, 7 H), 2.09 (s, 0.75 H), 2.08 (m, 1 H), 2.07 (s, 2.25 H), 1.95 - 0.81 (m, 11 H)。
【0088】
工程m:N−{(3R,4R)−4−アミノ−3−[3S−(4-フルオロベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−シクロヘキシル}−N−メチル−アセトアミド
【化37】

メタノール(100mL)中の粗カルバメート(45.3g、89mmol)の溶液を、10%Pd/C(10g)を用いて処理し、そして室温で20時間水素添加(60psi)した。該触媒をろ過し、そして該溶媒をロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、白色発泡体のアミン1m(34g)を得て、このものを更に精製することなく使用した。
【0089】
工程n:N−{(3S,4R)−3−[3S−(4−フルオロベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−4−{3−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−ウレイド}−(R)−シクロヘキシル}−N−メチル−アセトアミド
【化38】

THF(400mL)中の粗アミン1m(33.4g、89mmol)の溶液を、(4−メチル−チアゾール−2−イル)−カルバミン酸フェニルエステル(21.9g、93mmol)を用いて処理し、そして室温で終夜撹拌した。該溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去し、そして得られる固体をCHCl中に溶解し、そしてこのものをクロマトグラフィー精製(シリカゲル2kg、0.2:1.8:98のNHOH/MeOH/CHClを用いる)を行なって、未反応のカルバメートおよびフェノールを除去した。次いで、0.8:7.2:92のNHOH/MeOH/CHClを用いて溶出して、所望するウレア(38g)を得た。該ウレアを更に、再結晶(アセトニトリル(400mL)から)によって精製して、結晶性固体(34.2g)を得た。NMRは、シス/トランスのアミド異性体(3:1の比率)の混合物を示した。
mp 191℃。[α]25=+9.7°(c=0.640 メタノール)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(TMS): 8.10 (bs, 0.25 H), 7.83 (bs, 0.75 H), 7.04 - 6.99 (m, 2 H), 6.80 - 6.72 (m, 2 H), 6.41 (m, 1 H), 4.55 (m, 0.75 H), 3.60 (m, 0.25 H), 3.26 (m, 1 H), 2.80 - 2.77 (m, 1 H), 2.82 (s, 2.25 H), 2.77 (s, 0.75 H), 2.60-2.25 (m, 8 H), 2.20 - 2.00 (m, 1 H), 2.11 (s, 3 H), 1.95 - 0.74 (m, 13 H)。MS ESI (M+H)+ = 516.5。分析(C2738FNSとして計算)計算値:C, 62.89; H, 7.43; N, 13.58。実測値: C, 62.79; H, 7.45; N, 13.43。
【0090】
必要なフェニルカルバメートは、以下に記載する方法を用いて製造した。
方法1:フェニル 4−メチル−チアゾール−2−イルカルバメートの製造
【化39】

CHCl中の2−アミノ−4−メチル−チアゾール(11.42g、0.10mol)溶液を氷浴中で0℃まで冷却し、そしてEtN(12.1g、0.12mol)を用いて処理した。撹拌しながら、該混合物をフェニルクロロホルメート(15.6g、0.10mol)を用いて滴下ろうとから滴下処理した。該添加が完結後に、該混合物を10分間撹拌した。該反応混合物を飽和NaHCO、水およびブラインを用いて洗浄し、次いでMgSOを用いて乾燥した。該溶液をろ過し、そして該溶媒をロータリーエバポレーター中、真空下で除去し、そして得られる固体をシリカゲルクロマトグラフィー精製(40%酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出)を行なって、白色固体の所望するカルバメート(12g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 12.38 (bs, 1 H), 7.47 - 7.40 (m, 2 H), 7.30 - 7.19 (m, 3 H), 6.52 (d, J = 1.1 Hz, 1 H), 2.41 (d, J = 0.8 Hz, 3 H)。
【0091】
方法2:フェニル 5−アセチル−4−メチルチアゾール−2−イルカルバメートの合成:
【化40】

丸底フラスコ中、鉱油中の60%分散NaH(3.07g、77mmol)をヘキサン(2×)を用いて洗浄し、そしてDMF中に懸濁した。次いで、2−アミノ−5−アセチル−4−メチル−チアゾール(10.0g、64mmol)を加え、そして氷浴中で冷却しながら撹拌した。次いで、該NaHが消費されるまで、撹拌を続けた。炭酸ジフェニル(34mg、160mmol)を冷却しながら加え、該添加が完結後に、該反応混合物を室温で更に30分間撹拌した。該DMFをロータリーエバポレーター(高真空、40℃)を用いて除去して、褐色残渣を得た。この残渣をCHCl(1L)中に溶解し、そして0.5N HCl(2L)、水(2×1L)、最後にブライン(1L)を用いて連続して洗浄した。該水性部をCHCl(300mL)を用いて2回抽出し直した。該有機画分を合わせて無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そしてロータリーエバポレーターを用いて濃縮して白色固体を得た。このものをシリカゲルクロマトグラフィー精製(15%〜70%のEtOAc/ヘキサンを用いる)を行なって、白色固体の所望するカルバメート(15g)を得た。
Mp 180〜182℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 11.42 (bs, 1 H), 7.47 - 7.40 (m, 2 H), 7.33 - 7.27 (m, 1 H), 7.22 - 7.18 (m, 2 H), 2.72 (s, 3 H), 2.50 (s, 3 H)。ESI MS: (M+H)+ = 277.1。分析(C1312Sとして計算)計算値:C, 56.51; H 4.39; N, 10.14; S, 11.60。実測値:C, 56.42; H, 4.31; N, 10.11; S, 11.74。
【0092】
実施例1について上に記載するのと同様な方法を用いて、表1に例示する他の実施例の全てを製造した。
【化41】

【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【0093】
式Iの化合物はまた、反応式6〜7に概説する通りに製造することもできる。5−置換シクロヘキシル化合物の場合には、3−エトキシ−2−シクロヘキセン−1−オン20を、2当量の炭酸ジエチルおよび2当量のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドを用いてアシル化して、ケトエステル21を得た。該エノールエーテルを70%酢酸を用いて加水分解してジケトエステル22を得て、このものをベンゼン中で1.05当量のエチレングリコールおよび触媒量のp−トルエンスルホン酸を用いて、ケタール−ケト−エステル23に変換した。次いで、該中間体23を、ベンゼン中、酢酸の存在下でR−(+)−α−メチルベンジルアミンを用いて処理して、エナミン24を得た。該エナミンを、エチレングリコールの存在下、ジクロロメタン中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元して、(1R,2S)−シス−アミノエステル25を得た。次いで、該エステルを、THF中でtert−ブトキシナトリウムを用いて異性化して、(1R,2R)−トランス−アミノエステル26を得て、このものを水素化アルミニウムリチウムを用いて対応するアルコール27に還元した。キラル補助基を接触水素化反応条件下で水酸化パラジウムを用いて除去することにより、(1R,2R)−アミノ−アルコール28を得た。
【化42】

【0094】
置換基Rの導入を、反応式7に示す。(1R,2R)−アミノ−アルコール28を、炭酸ナトリウム水溶液の存在下でベンジルクロロホルメートを用いて窒素上で選択的に保護して、CBz−保護アミノ−アルコール29を得た。該アルコールのスワン酸化により、対応するアルデヒド30を得た。次いで、このものをトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いる還元的アミノ化によって(3S)−3−(4−フルオロベンジル)ピペリジンとカップリングして、2−[3−(4−フルオロベンジル)ピペリジニル]メチル−シクロヘキシルアミン誘導体31を得た。該中間体31のケタールを、アセトニトリル中の1N HClを用いて加水分解して、ケトン32を得た。ケトン32を、ジクロロメタン、ジクロロエタンおよびメタノール中でメチルアミンまたはメチルアミン塩酸、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元的アミノ化を行なうことにより、メチルアミン誘導体31(R=CH、R=H)を得た。該メチルアミノ基を、適当なアシル化剤またはスルホニル化剤を用いてアミドまたはスルホンアミドに変換することができる。他のR基は、ケトン32または対応するアルコール(このものは、ケトン32の還元によって得ることができる)のいずれかから直接的に導入することができる。
【0095】
中間体の31のアミンのCBz保護基を、接触水素化によって除去して遊離アミン32を得て、このものをイソシアネート、チオイソシアネートまたはフェニルカルバメートと反応させて、ウレア33、式Iの化合物を得る。実施例210を、この反応式に従って製造した。
【化43】

【0096】
実施例292
N−(1R,2S,5R)−{4−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−3−[3−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−ウレイド]−シクロヘキシル}−N−メチル−アセトアミド
【化44】

工程a.4−メトキシ−2−オキソ−シクロヘキサ−3−エン−カルボン酸エチルエステル
【化45】

無水THF(750mL)中のa(50g)および炭酸ジエチル(86.6mL、2当量)の撹拌溶液に−78℃で、THF中のLiHMDS(720mL)を1.5時間かけて滴下し、次いで温度を室温まで徐々に昇温させた。そのものを室温で2日間撹拌し、そしてこのものを1N HCl(1L)および氷(〜700g)の混合物中に撹拌しながらそそいだ。該生成物をEtOAc(3×)を用いて抽出し、そして該抽出物を合わせて、ブライン、飽和NaHCO、およびブラインを用いて洗浄した。そのものをNaSOを用いて乾燥し、蒸発して固体の残渣を得た。そのものをEtOAcから結晶化して、純粋なケト−エステル292a(65g、87%収率)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 5.39 (s, 1H), 4.22 (q, 2H, J = 7.0 Hz), 3.92 (q, 2H, J = 7.0 Hz), 3.32 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 5.1 Hz), 2.62 - 2.12 (m, 4H), 1.37 (t, 3H, J = 7.0 Hz), 1.29 (t, 3H, J = 7.0 Hz)。
【0097】
工程b.2,4−ジオキソ−シクロへキサンカルボン酸エチルエステル:
【化46】

70%の酢酸(694mL)中のケト−エステル292a(60.3g)の溶液を60℃で6時間撹拌し、そしてこのものを室温まで冷却した。該酸および水を減圧下で留去し、そしてシロップ状の残渣をベンゼンと一緒に共沸(3回)することによって乾燥して、粗ジケトン−エステル292bを得た。
【0098】
工程c:7−オキソ−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸エチルエステル:
【化47】

ベンゼン(710mL)中のジケトン−エステル292bの溶液に、エチレングリコール(16.6mL、10.5当量)およびp−トルエンスルホン酸モノ水和物(0.69g、0.013当量)を加え、そしてそのものをディーン−スタックトラップ下で2時間還流した。室温まで冷却後に、そのものを飽和NaHCOを用いて塩基性とし、そして該生成物をEtOAc(3×)を用いて抽出した。該抽出物を合わせてブラインを用いて洗浄し、NaSOを用いて乾燥し、そして蒸発してシロップ状の残渣を得た。そのものを、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、15%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、明黄色油状物のケタール−ケト−エステル292c(35g、2工程で54%収率)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 12.21 (s, 1H), 4.22 (q, 2H, J = 7.0 Hz), 4.00 (s, 4H), 2.53 (s, 2H), 2.41 (t, 2H, J = 6.6 Hz), 1.77 (t, 2H, J = 6.6 Hz, 1.30 (t, 3H, J = 7.0 Hz)。
【0099】
工程d:7−(1−フェニル−エチルアミノ)−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−7−エン−8−カルボン酸エチルエステル:
【化48】

ベンゼン(1L)中のケタール−ケト−エステル292c(54g)の溶液に、(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(31.7mL、1.04当量)および酢酸(27mL、2当量)を加え、そしてそのものをディーン−スタックトラップ下で2時間還流した。室温まで冷却後に、そのものを撹拌しながら、飽和NaHCO(1L)に加え、そして該有機相を分離した。そのものをブラインを用いて洗浄し、NaSOを用いて乾燥し、そして蒸発して粗エンアミン292dのシロップ状残渣を得た。そのものを更にベンゼンと一緒に共沸(3回)することによって乾燥し、そして更なる工程に精製することなく使用した。
【0100】
工程e:(1R,2S)−7−(1−フェニル−エチルアミノ)−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸エチルエステル:
【化49】

無水CHCl(1L)中のエナミン292dの溶液に、エチレングリコール(69.4mL、5当量)および酢酸(158mL、11.1当量)を0℃で加え、そしてこのものにまた、Na(OAc)BH(211g、4当量)を5つの等量部で2時間かけて加えた。該混合物を室温で14時間撹拌し、次いでこのものを飽和NaCOを用いて塩基性とした。該有機相を分離し、そして該水溶液をCHCl(2×200mL)を用いて抽出した。該抽出物を合わせて水洗し、MgSOを用いて乾燥し、蒸発して油状物の残渣を得た。該残渣を、EtOAcおよびヘキサンの1:1混合物(800mL)中に溶解し、水(4×150mL)およびブライン(2×100mL)を用いて洗浄して、エチレングリコールおよび過剰量のメチルベンジルアミンを除去した。該溶液をNaSOを用いて乾燥し、そして蒸発して、(1R,2S)−および(1S,2R)−ジアステレオマーの〜3:1混合物である粗シスアミノ−エステル292eのシロップ状の残渣を得た。そのものを更にベンゼンと一緒に共沸(3回)することによって乾燥し、そして更なる工程に精製することなく使用した。
【0101】
工程f:((1R,2R)−7−(1−フェニル−エチルアミノ)−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸エチルエステル:
【化50】

工程f:無水THF(900mL)中のシスアミノ−エステル292eの溶液に、t−ブトキシナトリウム(23.8g、1当量)を加え、そして該混合物を室温で5.5時間撹拌した。次いで、そのものを1N HCl(350mL)および氷(約500g)の激しく撹拌した混合物中にそそいだ。5分間撹拌後に、そのものを飽和NaHCO(250mL)を用いて塩基性とし、そしてEtOAc(500mL)を用いて抽出した。該抽出物を飽和NaHCOおよびブラインを用いて洗浄した。該水相を合わせてEtOAc(300mL)を用いて再び抽出し、そしてブラインを用いて洗浄した。該EtOAc抽出物を組み合わせてNaSOを用いて乾燥し、そして蒸発して、トランスアミノ−エステル292f[(1R,2R)−および(1S,2S)−ジアステレオマーの3:1混合物として]およびシスアミノ−エステル292e[(1S,2R)−および(1R,2S)−ジステレオマーの3:1混合物として]の〜3:1混合物を得た。トランスアミノ−エステルの(1S,2S)−ジアステレオマー(R=0.17、40%EtOAc/ヘキサン)を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、15〜40%EtOAc/ヘキサン)によって他のジアステレオマー(R>0.3、40%EtOAc/ヘキサン)から分離した。(1R,2R)−トランスアミノ−エステル292f(R=0.33、40%EtOAc/ヘキサン)を含有する画分を合わせて、そして蒸発してシロップ状残渣(39.4g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.30 - 7.20 (m, 5H), 4.18 (q, 2H, J = 7.3 Hz), 3.87 - 3.78 (m, 5H), 3.07 (dt, 1H, J1 = 9.8 Hz, J2 = 3.3 Hz), 2.20 (dt, 1H, J1 = 9.8 Hz, J2 = 3.3 Hz), 1.92 - 1.42 (m, 6H), 1.29 (t, 3H, J = 6.6 Hz), 1.28 (d, 3H, J = 6.6 Hz)。
【0102】
工程g:((1R,2R)−[7−(1−フェニル−エチルアミノ)−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イル]−メタノール:
【化51】

無水ジエチルエーテル(600mL)中の粗(1R,2R)−トランスアミノ−エステル292f(39.4g)の溶液に0℃で、THF中の1MのLiAlH溶液(132mL、1.1当量)を滴下し、そして該混合物を同じ温度で1.5時間撹拌した。該反応液をNaSO・10HO(〜50g)をゆっくり加えることによってクエンチし、そして45分間撹拌した。そのものをセライトのプラグを通してろ過し、そして蒸発して結晶性固体を得た。そのものをEtOAcおよびヘキサンから再結晶して、(1R,2R)−トランスアミノ−アルコール292g(28.7g、4工程で39.7%収率)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.35 - 7.23 (m, 5H), 3.92 - 3.88 (m, 4H), 3.71 - 3.65 (m, 2H), 2.82 (td, 1H, J1 = 11.7 Hz, J2 = 4.0 Hz), 2.08 (dt, 1H, J1 = 12.7 Hz, J2 = 2.5 Hz), 1.73 - 1.12 (m, 7H), 1.41 (d, 3H, J = 6.6 Hz)。
【0103】
工程h:((1R,2R)−(7−アミノ−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−メタノール:
【化52】

メタノール(100mL)中の(1R,2R)−トランスアミノ−アルコール292g(10g、34.3mmol)の溶液に、窒素下でPd(OH)(1g)を加えた。該混合物を、パール水素添加機を用いてH(60psi)を用いて48時間処理した。該触媒をろ過して除き、そして該ろ液を蒸発させて油状物のアミノ−アルコール292hを得て、このものを精製することなく次の反応に使用した。
【0104】
工程i:(1R,2R)−{8−ヒドロキシメチル−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−7−イル}−カルバミン酸ベンジルエステル:
【化53】

CHCl(200mL)および飽和NaHCO(125mL)中の(1R,2R)−トランスアミノアルコール292h(34.3mmol)の溶液に0℃で、ベンジルクロロホルメート(6.1mL、1.25当量)を滴下し、そして該混合物を0.5時間撹拌した。次いで、該CHCl相を分離し、そして該水相をCHClを用いて抽出した。該抽出物を合わせて水洗し、MgSOを用いて乾燥し、そして蒸発して固体の残渣を得た。そのものをEtOAcおよびヘキサンから結晶化して、純粋なCbz保護アミノ−アルコール292i(9.7g、2工程で収率88%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.35 (s, 5H), 5.1 (s, 2H), 4.92 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 3.94 (s, 4H), 3.80 - 3.69 (m, 2H), 3.47 (t, 1H, J = 10.9 Hz), 3.15 (m, 1H), 2.06 - 1.20 (m, 6H)。
【0105】
工程j:{(7R,8R)−(8−ホルミル−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−7−イル)−カルバミン酸ベンジルエステル
【化54】

無水CHCl(190mL)中の塩化オキサリル(5.51mL、1.5当量)の撹拌溶液に−65℃で、DMSO(4.8mL、1.6当量)を10分間かけて滴下した。該混合物を−65〜−60℃で20分間撹拌した。次いで、無水CHCl(95mL)中の純粋なCBz保護アミノ−アルコール292i(13.54g)の溶液を、−70〜−60℃で20分間かけて滴下した。−60〜−50℃で40分間撹拌後に、トリエチルアミン(17.6mL、3当量)を10分間かけて滴下し、そして該混合物を−50〜0℃で1.25時間撹拌を続けた。次いで、ジエチルエーテル(500mL)を加えた。該有機相を水(2×150mL)およびブライン(100mL)を用いて洗浄した。そのものをNaSOを用いて乾燥し、そして蒸発して固体の残渣を得た。再結晶(EtOAcから)することにより、アルデヒド292j(13.2g、98%収率)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 9.67 (s, 1H), 7.35 (m, 5H), 5.62 (bs, 1H), 5.10 (m, 2H), 4.37 (m, 1H), 3.98 (m, 4H), 2.50 (m, 1H), 1.92 (m, 2H), 1.61 (m, 4H)。
【0106】
工程k:{(7R,8S)−{8−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−7−イル}−カルバミン酸ベンジルエステル
【化55】

CHCl(200mL)中の3S−(4−フルオロベンジル)ピペリジン・マンデル酸塩(15.1g、1.2当量)の溶液に、1N NaOH(87.4mL)を加え、そして該混合物を室温で15分間撹拌した。該CHClを蒸発した。該水相をCHCl(2×)を用いて抽出した。CHCl相を合わせて水およびブラインを用いて洗浄し、MgSOを用いて乾燥し、そして蒸発して油状物残渣を得た。CHCl(325mL)中のこの遊離塩基および粗アルデヒド17(11.6g、0.346mol)の溶液を氷水中で冷却し、そしてNa(OAc)BH(15.43g、72.78mmol)を用いて処理した。得られる混合物を室温で2時間撹拌した。そのものを飽和NaCO(220mL)を用いてクエンチし、そして該生成物をCHCl(2×)を用いて抽出した。該抽出物を合わせてブラインを用いて洗浄し、MgSOを用いて乾燥し、そして蒸発して油状物の残渣を得た。そのものをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc)によって精製して、純粋なアミノ−ケタール292k(15g、83%収率)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.67 (s, br 1H), 7.33 (m, 5H), 6.91 (m, 4H), 5.08 (s, 2H), 3.93 (bs, 4H), 3.47 (m, 1H), 2.83 (m, 1H), 2.60 -1.24 (m, 19H)。
【0107】
工程l.(1R,2S)−{2−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−5−オキソ−シクロヘキシル}−カルバミン酸ベンジルエステル:
【化56】

CHCN(145mL)中のアミノ−ケタール292k(12.0g)の溶液に、1N HCl(q)(242mL)を加え、そして該混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、そのものを飽和NaCOを用いて塩基性とし、そしてEtOAc(2×)を用いて抽出した。該抽出物を合わせてブラインを用いて洗浄し、MgSOを用いて乾燥し、そして蒸発して油状物の粗アミノ−ケトン292l(10.92g)を得て、このものを精製することなく更なる工程に使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.86 (s, br 1H), 7.35 (m, 5H), 6.91 (m, 4H), 5.09 (s, 2H), 3.48 (m, 1H), 3.14 (m, 1H), 2.89 (m, 1H), 2.60 (m, 1H), 2.48 - 1.36 (m, 16H), 0.95 (m, 1H)。
【0108】
工程m.(1R,2S,5R)−{5−(アセチル−メチル−アミノ)−2−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸ベンジルエステル:
工程m1.(1R,2S,5R)−{2−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−5−メチルアミノ−シクロヘキシル}−カルバミン酸ベンジルエステル
【化57】

MeOH(10mL)中のアミノ−ケトン292l(958mg)の溶液に、メチルアミンHCl塩(1.43g)を加え、そして該混合物を15分間撹拌した。次いで、Na(OAc)BH(266mg)を加え、そして得られる混合物を室温で20時間撹拌した。該反応液を飽和NaCO(10mL)を用いてクエンチし、そしてEtOAc(2×)を用いて抽出した。該抽出物を合わせてブラインを用いて洗浄し、NaSOを用いて乾燥し、そして蒸発して(5R)−および(5S)−ジアステレオマーの〜1:1混合物を得た。(1R,2S,5R)−異性体を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0.5:5:95のcNHOH/CHOH/CHCl)によって分離して、油状物の(5R)−N−メチルアセトアミド292m1(329.5mg)を得た。
(5R)−異性体:1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.81 (brs, 1H), 7.36 (m, 5H), 6.90 (m, 4H), 5.10 (m, 2H), 3.15 (m, 2H), 2.81 (m, 2H), 2.42 (s, 3H), 0.89 - 2.64 (m, 18H)。
【0109】
工程m2.(1R,2S,5R)−{5−(アセチル−メチル−アミノ)−2−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸ベンジルエステル
【化58】

無水CHCl(7mL)中の1−メチルアミン292m1(329.5g)の溶液に、無水酢酸(80μL、1.2当量)およびトリエチルアミン(196.4μL、2当量)を加え、そして該混合物を室温で2時間撹拌した。該反応液をMeOHを用いてクエンチし、そしてEtOAc(2×)を用いて抽出した。該抽出物を合わせてブラインを用いて洗浄し、NaSOを用いて乾燥し、そして蒸発した。該粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、油状物の5−N−メチルアセトアミド292m2(200mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.03 (s, br 1H), 7.37 (m, 5H), 6.90 (m, 4H), 5.08 (s, 2H), 5.08 (m, 2H), 4.51 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.20 (m, 2H), 2.80 (d, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.60 - 1.3 (m, 18H)。
【0110】
工程n.(1R,2S,5R)−N−{3−アミノ−4−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−シクロヘキシル}−N−メチル−アセトアミド(21)
【化59】

メタノール(25mL)中の5R−5−N−メチルアセトアミド292m2(467.8mg)の溶液に、窒素下で10%Pd/C(200mg)を加え、そして該混合物をパール上にH(60psi)を用いて18時間置いた。該触媒をろ過して除き、そして該ろ液を濃縮して、透明油状物のシクロヘキシルアミン292n(350mg)を得た。
【0111】
工程o.(1R,2S,5R)−N−{4−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−3−[3−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−ウレイド]−シクロヘキシル}−N−メチル−アセトアミド:
【化60】

無水THF(2mL)中のジ置換シクロヘキシルアミン292n(60mg)の溶液に、(4−メチル−チアゾール−2−イル)−カルバミン酸フェニルエステル(41.2mg)を加え、そして該混合物を室温で終夜撹拌した。該溶媒を留去後に、該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、90%CHCl/MeOH)によって精製して、アモルファス固体のシクロヘキシルウレア292oを得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ(TMS): 7.05 (m, 2H), 6.89 (m, 2H), 6.52 (d, 1H), 4.42 (m, 1H), 3.78 (m, 1H), 3.48 (m, 2H), 2.88 (s, 1.5H), 2.76 (s, 1.5H), 2.40 (m, 4H), 2.30 (s, 3H), 2.15 (s, 1.5H), 2.08 (s, 1.5H), 2.03 - 0.91 (m, 14H)。MS ESI (M+H)+ = 516.4。
【0112】
実施例292について上で記載するのと同じ方法を用いて、表2中に例示する全ての他の実施例を製造した。
【化61】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【0113】
本発明の選別した化合物の別の合成法を、反応式8に示す。公知の保護されたβ−アミノエステル36(Kobayashiらによる, Tetrahedron Lett. 1984, 25, 2557;AbellおよびGardinerによる, Org. Lett. 2002, 4, 3663;WipfおよびWangによる, Tetrahedron Lett. 2000, 41, 8747)を容易に加水分解し、次いでこのものをアンモニアとカップリングしてアミド37を得て、このものを更にアシルカルバメート38に変換することができた。38のリチオアニオンをヨウ素を用いて環化することにより、39を得た(関連する反応については、Taguchiらによる, J. Org. Chem. 1997, 62, 7330を参照)。化合物39を脱ヨウ素化して、そして還元して40を得て、このものを様々なアミンを用いる還元的アミノ化によって官能化することができた。本発明の場合には、3−(パラ−フルオロベンジル)ピペリジンとカップリングすることにより、化合物41を得た。上記の反応式および実施例中に記載する通り、化合物41を容易に官能化して、構造式42で一般化される本発明の化合物を得た。例えば、実施例83の合成の場合には、化合物41を、第1にTFAを用いて処理してtert−ブチルカルバメート保護基を除去し、そして得られるアミンを無水酢酸を用いてアセチル化して、アセトアミドを得る。該ベンジルカルバメートの水素添加により第1級アミンを得て、このものを5−アセチル−4−メチル−チアゾール−2−イルカルバメート(合成は、上記の実施例中に記載する)と反応させて、実施例83の化合物を得ることができた。
【化62】

【0114】
化合物39のジアステレオマーを得る方法は、同時係属出願10/776,828(2004年2月11日出願)(該方法の記載は、本明細書の一部を構成する)中に記載されている。化合物39を、該特許出願中に記載されている通りに脱ヨウ素化することができる。該ラクタムカルボニルを、当該分野の当業者にとって知られる様々な還元剤を用いて還元することができる。還元剤の例は、DIBAL−H、LiEtBH(スーパーヒドリド)およびLAHが挙げられる。他の還元剤もまた、本反応において使用することができる。該反応は、典型的にエーテル溶媒(例えば、ジエチルエーテルまたはTHF)、もしくはメチレンクロリド、または他の非反応性溶媒中で行なう。該反応は典型的に、約−78℃〜約0℃の温度で行なう。
【0115】
化合物40の41への還元的アミノ化は、当該分野の当業者にとって知られる様々な方法によって生じ得る。該還元的アミノ化は、典型的にNa(OAc)BH、NaCNBH、またはNaBHと一緒のTi(iPrO)を用いて行なう。具体的な試薬に依存して、該反応は、ハロゲン化溶媒(例えば、メチレンクロリドまたはジクロロエタン)またはアルコール性溶媒(例えば、メタノールまたはエタノール)中で行なうことができる。
【0116】
より一般的には、該化合物は、反応式9:
【化63】

に示す方法を用いて製造することができる。ここで、Pgはアミン保護基であり、このものは式(IV)の化合物から選択的に除去し得て、その結果、該アミンは更に選択的に反応して、式(I)の化合物を得ることができる。
【0117】
(有用性)
好酸球またはケモカイン受容体を発現するセルラインの移動のインヒビターとしての本発明に記載の化合物の有用性は、当該分野において知られる方法論(例えば、Baconらによる, Brit. J. Pharmacol., 95, 966-974 (1988)によって開示されている走化性アッセイ)によって実証され得る。特に、本発明の化合物は、上記のアッセイにおける好酸球の移動の抑制における活性を有する。本明細書中で使用する「活性」とは、上記のアッセイにおいて測定する場合にIC50濃度が10μMまたはそれ以下を示す化合物を意味すると意図する。その結果は、ケモカイン受容体活性のモジュレーターとしての該化合物の固有活性の指標である。ヒト好酸球走化性アッセイプロトコールを以下に示す。
【0118】
(ヒト好酸球走化性アッセイ)
ニューロプローブ(Neuroprobe)・ポリビニルピロリドン−フリーポリカーボネートPFD5 5−ミクロンフィルターを適所に有するニューロプローブMBA96 96−ウェルケモタキシス・チャンバーを、アッセイ前に37℃のインキュベーター中で加温した。例えばHanselら(1991)によって記載されている方法などの方法に従って単離される新たに単離したヒト好酸球を、1×10細胞/mLで0〜1%ウシ血清アルブミンを有するRPMI 1640中に懸濁し、そしてこのものをアッセイ前に37℃のインキュベーター中で加温した。0.1%ウシ血清アルブミンを有するRPMI 1640中のヒトエオタキシンの20nM溶液を、アッセイ前に37℃のインキュベーター中で加温した。好酸球懸濁液および20nMエオタキシン溶液を各々、所望する最終濃度の2倍である被験化合物の希釈物のあるなしで、0.1%ウシ血清アルブミンを有する予め温めたRPMI 1640と1:1で混合した。これらの混合物は、アッセイ前に37℃のインキュベーター中で加温した。該フィルターを、予め加温したニューロプローブ・ケモタキシス・チャンバーから分離し、そして該エオタキシン/化合物の混合物を、ポリフィルトニックス(Polyfiltronics)MPC96ウェルプレート(これは、ニューロプローブ・ケモタキシス・チャンバーの底部に置く)中に置いた。およそ容量は370マイクロリットルであり、そして予製後に正のメニスカスとすべきである。該フィルターを96ウェルプレート上に置き、ゴム製ガスケット(gasket)を該上部のチャンバーの底と結合し、そして該チャンバーを構築した。該細胞懸濁液/化合物の混合物の200μL容量を、該上部のチャンバーの適当なウェルに加えた。該上部のチャンバーをプレートシーラーで覆い、そして該構築したユニットを37℃のインキュベーター中に45分間置いた。インキュベート後に、該プレートシーラーを除き、そして全ての残りの細胞懸濁液を吸引して除去した。該チャンバーを取り外し、その間、該フィルターを90度の面で保ち、非移動細胞をスクォートボトル(squirt bottle)から分配したリン酸緩衝化生理食塩水の静かな流れを用いて洗浄して除去し、次いで該フィルターをゴムを先端に付けたスキージ(squeegee)を用いてふいた。該フィルターをほぼ乾燥させ、そしてこのものをライト染色中で30〜45秒間、完全に浸漬した。該フィルターを蒸留水を用いて7分間すすぎ、水を用いて1回簡単にすすぎ、そしてこのものを乾燥した。移動細胞を、顕微鏡観察によって数え上げた。
【0119】
ケモカイン受容体活性のモジュレーターとしての本発明に記載する化合物の有用性は、当該分野において知られる方法論(例えば、CCR−1リガンド結合についてアッセイ)によって実証され得る。特に、本発明の化合物は、上記のアッセイにおいてCCR−1受容体との結合において活性を有する。本明細書中で使用する「活性」とは、上記のアッセイ中で測定する場合に、IC50が10μMまたはそれ以下を示す化合物を意味することを意図する。該結果は、ケモカイン受容体活性のモジュレーターとしての該化合物の固有活性の指標である。通常の結合プロトコールを以下に記載する。
【0120】
A.細胞
CCR1発現細胞
a.THP−1細胞
THP−1細胞はATCC(Manassas, VA)から購入し、そしてこのものをRPMI−1640培地(このものは、2mM L−グルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%FBSを用いて補足する)中の懸濁液として培養した。細胞を5%CO/95%空気下、湿度100%の37℃で増殖し、そしてこのものを週に2回、1:5で継代培養し、そしてこのものを1×10細胞/mLで収集した。THP−1細胞はCCR1を発現し、そしてこのものはCCR1結合アッセイおよび機能アッセイ中で使用することができる。
【0121】
b.CCR1−形質移入CHO細胞
ヒトCCR1 cDNAをATCCから購入し、このものをpcDNA3発現ベクター(Introgen, San Diego, CA)中にクローニングした。CCR1−pcDNA3は、エレクトロポレーションによってCHO細胞(ATCC)中に導入し、そして安定な組み込み体(integrants)をG418−含有培地中での増殖によって選別した。高発現セルラインは、放射線リガンド結合アッセイによって同定し、引き続いてこのものを10%FBSおよび200μg/mLのG418を有するDMEM中に維持した。
【0122】
c.単離ヒト単球
単球を、ヒトの健康なドナーの末梢血液から磁気ベッド分離(magnetic bead separation)を用いて単離した。フィコール勾配分離によって単核画分を単離した直後に、細胞をPBSを用いて洗浄し、そして赤血球を標準的な方法を用いて溶解した。残りの細胞を磁気ベッド(Miltenyi Biotech, Auburn, CA)と結合させた抗−CD14抗体を用いて標識化した。標識細胞をAutoMACS(Miltenyi, Aubum, CA)を通し、そして該陽性画分を収集した。単球はCCR1を発現し、そしてこのものはCCR1結合アッセイおよび機能アッセイにおいて使用することができる。
【0123】
B.アッセイ
CCR1リガンド結合の阻害
a.ホールセル結合
CCR1-発現細胞を遠心分離し、そしてこのものをアッセイ緩衝液(RPMI 1640〜20mM HEPES pH 7.4、0.1%ウシ血清アルブミンを有する)中で、濃度が1.7×10細胞/mLまで再懸濁した。化合物をアッセイ緩衝液中で希釈し、そして0.05mLをアッセイプレートに加えた。次いで、等量の細胞懸濁液を加えて、最終密度が2.5×10 THP−1細胞/ウェルを得た。アッセイ緩衝液中で最終濃度40pMまで希釈した125I標識ヒトMIP−1α(NEN/Perkin Elmer;Boston, MA)(0.05mL)(ウェル当たり30,000cpmを与える)を加え、そして該プレートを室温で約60分間インキュベートした。反応液を、真空細胞収集器(Packard Instruments; Meriden, CT)上の0.3%ポリエチレンイミン(PEI)溶液中に予め浸漬したGF/Bガラスフィルター上に吸引した。シンチレーション液(50μL;Microscint 20, Packard Instruments)を各ウェルに加え、該プレートを封し、そして放射活性をトップカウントシンチレーションカウンター(Packard Instruments)中で測定した。コントロールウェルは、希釈物のみ(全ての結合の場合)または過剰量のMIP−1α(非特異的な結合の場合)のいずれかを含む。特異的な結合の阻害パーセントは、二組のウェルから算出した。1グレードの化合物群の濃度を使用する場合には、阻害パーセントは、コンピューターソフトウェア(GraphPad Prism, San Diego, CA)を用いて、化合物濃度に対してプロットし、そしてIC50を得た。
【0124】
b.膜結合
方法はホールセルの場合と同様であるが、しかし、ヒトCCR1(Amersham, Piscataway, NJ)を用いて安定に形質移入したCHO細胞からの膜を使用する。希釈した化合物を含有するウェルに、膜(0.05mL)を加えて、最終濃度を950μg/mLとした。125I標識MIP−1αを、ホールセル細胞の場合と同じ濃度で加え、そして該プレートを室温で約60分間インキュベートした。インキュベート後に、該プレートを緩衝液(RPMI 1640、0.1%ウシ血清アルブミンおよび0.4M NaClを有する20mM HEPES)を用いて洗浄し、吸引し、そして風乾した。該プレートを、ガンマカウンター(Packard Instruments)中でカウントした。
【0125】
好酸球またはケモカイン受容体を発現するセルラインの移動のインヒビターとしての、本発明に記載する化合物の有用性は、当該分野において知られる方法論(例えば、Baconらによる, Brit. J. Pharmacol., 95, 966-974 (1988)によって開示されている走化性アッセイ)によって実証され得る。特に、本発明の化合物は、該上記のアッセイにおいて好酸球の移動の阻害において活性を有する。本明細書中で使用する「活性」とは、上記のアッセイにおいて測定する場合に、IC50が10μMまたはそれ以下を示す化合物を意味すると意図する。該結果は、ケモカイン受容体活性のモジュレーターとしての該化合物の固有活性の指標である。ヒト好酸球走化性アッセイプロトコールを、以下に記載する。
【0126】
(走化性アッセイ)
THP−1細胞(3×10)を細胞培地中でカルセイン−AM蛍光色素(Molecular Probes; Eugene, OR)と一緒に37℃で30分間ロードし、そしてこのものを予め加温した走化性緩衝液(RPMI 1640フェノールレッドなし、0.1%ウシ血清アルブミンを有する)を用いて洗浄した。該アッセイを96−ウェル走化性プレート(BD Falcon Fluoroblok, Bedford, MA)中で行ない、ここで、各ウェルは、ポリカーボネート、ポリビニルピロリドン−コーティングしたフィルター(8ミクロン直径の穴を含有する)によって分離された上方および下方のチャンバーを含む。下方チャンバーは各々、MIP−1α(すなわち、1〜100ng/mL)および化合物を含有する緩衝液(225μL)と一緒にロードした。トップチャンバーを、各々5×10細胞を含有する緩衝液(50μL)と一緒にロードした。該プレートを、37℃で30〜60分間インキュベートした。該フィルターを通過する細胞の走化性の移動は、励起波長が485nmおよび発光波長が530nmのサイトフロー(Cytofluor)(PE Biosystems, Stafford, TX)を用いて、下方チャンバー中での蛍光のレベルを測定することによって、あるいは顕微鏡を用いて該フィルターの底面上での細胞を直接的にカウントするかのいずれかによって、定量化する。
【0127】
哺乳動物ケモカイン受容体は、哺乳動物(例えば、ヒト)における免疫細胞機能を妨害したりまたは促進するための標的を供する。ケモカイン受容体の機能を阻害したりまたは促進する化合物は特に、治療学的な目的のために免疫細胞の機能をモジュレートするのに有用である。従って、本発明は、様々な炎症、感染症、免疫調節性の障害および疾患(例えば、喘息およびアレルギー疾患、病原性微生物(定義によれば、ウイルスを含む)による感染症を含む)、並びに自己免疫病理(例えば、関節リウマチ、およびアテローム硬化症)の予防および/または処置において有用である化合物に関する。
【0128】
例えば、哺乳動物ケモカイン受容体(例えば、ヒトケモカイン受容体)の1個以上の機能を阻害する本発明の化合物は、炎症性疾患または感染症疾患を抑制する(すなわち、軽減するかまたは予防する)のに投与することができる。結果として、1個以上の炎症プロセス(例えば、白血球の遊出、接着、走化性、エキソサイトーシス(例えば、酵素、ヒスタミンのもの)、または炎症メディエーターの放出)が、抑制される。例えば、炎症部位への好酸球の浸潤(例えば、喘息またはアレルギー性鼻炎の場合)は、本発明の方法に従って抑制することができる。特に、以下の実施例の化合物は、上記のアッセイにおける適当なケモカインを用いて、CCR−3受容体を発現する細胞の移動を遮断する際の活性を有する。本明細書中で使用する「活性」とは、上記のアッセイにおいて測定する場合に、IC50が10μMまたはそれ以下を示す化合物を意味することを意図する。該結果はまた、ケモカイン受容体活性のモジュレーターとしての該化合物の固有活性の指標である。
【0129】
同様に、哺乳動物ケモカイン受容体(例えば、ヒトケモカイン)の1個以上の機能を促進する本発明の化合物を投与して、免疫もしくは炎症の応答(例えば、白血球の遊出、接着、走化性、エキソサイトーシス(例えば、酵素、ヒスタミンのもの)または炎症メディエーターの放出)を刺激し(誘発しまたは増大する)、そのことにより、炎症プロセスの有利な刺激を得る。例えば、好酸球は、寄生虫感染症と闘うのに補充することができる。加えて、ケモカイン受容体の内部移行の誘発による細胞上の受容体の発現の低下を引き起こすのに十分な化合物の運搬、または細胞の移動の誤った指図を生じる様式での化合物の運搬を企図する場合には、上記の炎症性疾患、アレルギー性疾患および自己免疫疾患の処置はまた、該哺乳動物ケモカイン受容体の1個以上の機能を促進する本発明の化合物の場合に企図することができる。
【0130】
霊長類(例えば、ヒト)に加えて、様々な他の哺乳動物を本発明の方法に従って処置し得る。例えば、哺乳動物(例えば、乳牛、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット、または他のウシ、ヒツジ、ウマ科、イヌ科、ネコ科、げっ歯類、もしくはマウス種を含むが、これらに限定されない)を処置することができる。しかしながら、該方法はまた、他の種(例えば、トリ種)において実施することができる。上記の方法において処置する被験者は、ケモカイン受容体活性の調節が所望される、雄性または雌性の哺乳動物である。本明細書中で使用する「調節」とは、拮抗性、作動性、部分的な拮抗性、および/または部分的な作動性を含むことを意図する。
【0131】
ケモカイン受容体機能のインヒビターを用いて処置することができるヒトまたは他の種の疾患または病気としては、以下のものを含むが、これらに限定されない:炎症性またはアレルギー性の疾患および病気(例えば、呼吸性アレルギー疾患(例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性間質性肺炎、好酸球性蜂窩織炎(例えば、ワイル症候群)、好酸球性肺炎(例えば、レフレル(Loeffler's)症候群、慢性好酸球性肺炎)、好酸球性筋膜炎(例えば、シュールマン(Shulman's)症候群)、遅延型過敏性、間質性肺疾患(ILD)(例えば、特発性肺線維症または関節リウマチ関連ILD)、全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎、全身性強皮症、シェーグレン症候群、多発性筋炎、または皮膚筋炎)を含む);全身性アナフィラキシーまたは過敏性応答、薬物アレルギー(例えば、ペニシリン、セファロスポリンに対するもの)、混入トリプトファンの摂取が原因の好酸球増加症−筋肉痛症候群、昆虫の毒針のアレルギー;自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、若年発症糖尿病);糸球体腎炎、自己免疫甲状腺炎、ベーチェット病);移植片拒絶(例えば、移植時)(例えば、同種移植片拒絶または移植片対宿主病);炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎);脊椎関節症;強皮症;乾癬(例えば、T−細胞媒介性乾癬を含む)および炎症皮膚疾患(例えば、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、じんま疹;血管炎(例えば、壊死性、皮膚性、および過敏性の血管炎));好酸球性筋肉炎、好酸球性筋膜炎;皮膚または臓器の白血球浸潤を伴う癌。所望しない炎症応答が抑制される他の疾患または病気を処置することができ、例えば、再灌流損傷、アテローム硬化症、特定の血液学的な悪性度、サイトカイン−誘発性毒性(例えば、敗血症ショック、内毒素ショック)、多発性筋炎、皮膚筋炎、ヒトまたは他の種の感染性疾患または病気(これは、ケモカイン受容体の機能のインヒビターを用いて処置することができる)(例えば、HIVを含むが、これに限定されない)を含むが、これらに限定されない。
【0132】
ケモカイン受容体の機能のインヒビターを用いて処置することができるヒトまたは他の種の別の疾患または病気としては、以下のものを含むが、これらに限定されない:アルツハイマー疾患、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性関節炎、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、痛風、同種移植片拒絶、異種移植片拒絶、ループス(例えば、全身性エリテマトーデスを含む)、アテローム硬化症、再狭窄、虚血性再灌流損傷、血栓症、ウェジェナー(Wegener's)症候群、グッドパスチャー症候群、巨細胞動脈炎、結節性多発性動脈炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、多発性硬化症、全身性強皮症、肝臓硬化症、肺線維症、嚢胞性線維症、放射線またはブレオマイシンによる線維症、特発性肺線維症、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸性窮迫症候群、乳児の呼吸性窮迫症候群、免疫複合体肺胞炎、喘息、アナフィラキシー、天疱瘡、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、膵炎関連性損傷、うっ血性心不全、肺気腫、ウイルス誘発型脳脊髄炎もしくは脱髄(demylination)、神経変性疾患(例えば、プリオン病、HIV関連性痴呆、サンドホッフ病、肺もしくは肝臓のウイルス炎症、インフルエンザウイルス肺炎、重度の急性呼吸性症候群、C型肝炎、住血吸虫症、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、真菌 髄膜炎、ライム病およびマラリアを含む)。
【0133】
ケモカイン受容体の機能のプロモーターを用いて処置することができるヒトまたは他の種の疾患または病気としては、以下のものを含むが、これらに限定されない:免疫抑制(例えば、免疫不全症症候群(例えば、AIDSまたは他のウイルス感染症)を有する個体、放射線療法、化学療法、自己免疫疾患のための療法もしくは薬物療法(例えば、コルチコステロイド療法)(これにより、免疫抑制を生じる)を受けている個体における場合);受容体機能における先天性欠損症もしくは他の病因に起因する免疫抑制;および感染症疾患(例えば、寄生虫疾患)。該寄生虫疾患としては例えば、ぜん虫(helminth)感染症(例えば、線虫(nematodes)(回虫(round worms));(鞭虫症(Trichuriasis)、ぎょう虫症(Enterobiasis)、回虫症、鈎虫症(Hookworm)、糞線虫症、旋毛虫症、フィラリア症);吸虫類(trematode)(吸虫(flukes))(住血吸虫症、肝吸虫症)、条虫(さなだむし(tape worms))(エキノコックス症、無鈎条虫症(Taeniasis saginata)、嚢虫症(Cysticercosis));内臓(visceral)虫症、内臓幼虫偏頭痛(visceral larva migraines)(例えば、トキソカラ)、好酸球性胃腸炎(例えば、アニサキス症、フォカネマ種(Phocanema sp.))、皮膚性幼虫偏頭痛(ブラジルこう虫(Ancylostona braziliense)、イヌこう虫(Ancylostoma caninum))を含むが、これらに限定されない。従って、本発明の化合物は、広範囲の炎症性、感染症性、および免疫調節性の障害および疾患の予防および処置において有用である。加えて、上記の炎症性、アレルギー性および自己免疫性の疾患の処置はまた、ケモカイン受容体の内部移行の誘発による細胞上の受容体発現の低下を生じるのに十分な化合物の運搬、または細胞の移動の誤った指図を生じる様式での化合物の運搬を企図する場合には、ケモカイン受容体の機能のプロモーターとして企図することもできる。
【0134】
別の態様において、本発明はGタンパク質共役受容体の推定上の特異的な作動薬または拮抗薬を評価するのに使用することができる。本発明は、ケモカイン受容体の活性をモジュレートする化合物についてのスクリーニングアッセイの調製および遂行におけるこれらの化合物の使用に関する。その上、本発明の化合物は、例えば競争的な阻害によってまたは未知の活性を有する化合物と公知の活性を比較するアッセイにおいて参照物質として、ケモカイン受容体に対する他の化合物の結合部位を決定しまたは測定するのに有用である。新規なアッセイまたはプロトコールを開発する場合には、本発明の化合物はそれらの有効性を試験するのに使用することができる。具体的には、該化合物は、商業的なキット(例えば、上記の疾患が関与する医薬的な研究における使用)で供することができる。本発明の化合物はまた、ケモカイン受容体の推定上の特異的なモジュレーターの評価のために有用である。加えて、結合しない化合物の例としてまたはこれらの受容体上で活性な化合物の構造的な改変体としてのいずれかとして機能することによって、ケモカイン受容体であるとは考えられないGタンパク質共役受容体の特異性を調べるために、本発明の化合物を使用することができ、これにより、相互作用の特異的な部位を画定するのを助けることができる。
【0135】
炎症性、感染症性、免疫調節性の障害および疾患(例えば、喘息およびアレルギー疾患を含む)、並びに自己免疫病理(例えば、関節リウマチおよびアテローム硬化症)および上記の病理を予防しおよび治療するための併用療法は、本発明の化合物および該有用性について知られる他の化合物との組み合わせによって例示される。例えば、炎症の治療または予防において、本発明の化合物は、抗炎症薬または鎮痛薬(例えば、オピエート作動薬、リポキシゲナーゼインヒビター、シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター、インターロイキンインヒビター(例えば、インターロイキン−1インヒビター)、腫瘍壊死因子インヒビター、NMDA拮抗薬、酸化窒素のインヒビターもしくは酸化窒素の合成のインヒビター、非ステロイド性抗炎症剤、ホスホジエステラーゼインヒビター、またはサイトカイン抑制性抗炎症剤)(例えば、アセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタイニル(fentaynl)、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛薬、スフェンタニル、スンリダック(sunlindac)、インターフェロンアルファなどの化合物)と組み合わせて使用することができる。同様に、本発明の化合物は、痛みの軽減剤(reliever);増強剤(例えば、カフェイン、H2−拮抗薬、シメチコン(simethicone)、水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウム);うっ血除去薬(例えば、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン(pseudophedrine)、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、またはレボデスオキシ−エフェドリン(levodesoxy-ephedrine));鎮咳薬(例えば、コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン、またはデキストロメトルファン);利尿薬;および、鎮静薬または非鎮痛性抗ヒスタミン薬と一緒に投与することができる。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患または病気の治療/予防/抑制または軽減において使用される他の薬物と組み合わせて使用することができる。該他の薬物は、通常使用される経路および量によって、本発明の化合物と同時にまたは連続して、投与することができる。本発明の化合物を1個以上の他の薬物と同時に使用する場合には、本発明の化合物に加えて該他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1個以上の他の活性成分をも含むものを含む。別々にまたは同じ医薬組成物中でのいずれかで投与される、本発明の化合物と組み合わせ得る他の活性成分の例としては以下のものを含むが、これらに限定されない。(a)インテグリン拮抗薬(例えば、セレクチン、ICAMs、およびVLA−4についてのもの);(b)ステロイド(例えば、ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン、およびヒドロコルチゾン);(c)免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、および他のFK−506タイプの免疫抑制剤);(d)抗ヒスタミン薬(H1−ヒスタミン拮抗薬)(例えば、ブロムフェニラミン(bromopheniramine)、クロルフェニラミン、デキスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレンアミン(tripelennmine)、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメパラジン(trimeprazine)、アザタディン、シプロヘプタジン、アンタゾリン(antazoline)、フェニラミン、ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロタラジン(descarboethoxyloratadine)など;(e)非ステロイド性抗喘息薬(例えば、b2−作動薬(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン(isoetharine)、アルブテロール(albuteral)、およびピルブテロール)、テオフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、アトロピン、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエン拮抗薬(ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト(iralukast)、ポビルカスト(pobilukast)、SKB−102,203)、ロイコトリエン生合成インヒビター(ジロートン、BAY−1005);(f)非−ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)(例えば、プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベンキサプロフェン(benxaprofen)、ブクロキシ(bucloxic)酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン(fluprofen)、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン(miroprofen)、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン(pirprofen)、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、およびチオキサプロフェン(tioxaprofen))、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク(fenclofenac)、フェンクロダ(fenclozic)酸、フェンチアザク、フロフェナク(furofenac)、イブフェナック、イソキセパック(isoxepac)、オキシピナック(oxpinac)、スリンダク、チオピナック(tiopinac)、トルメチン、ジドメタシン(zidometacin)、およびゾメピラック(zomepirac))、フェナミン(fenamic)酸誘導体(フルフェナミン酸、メクロフェナミン(meclofenamic)酸、メフェナム酸、ニフルミック酸、およびトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサール)、オキシカム(oxicam)(イソキシカム(isoxicam)、ピロキシカム、スドキシカム(sudoxicam)、およびテノキシカム(tenoxican))、サリチル酸(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)、およびピラゾロン(アパゾン、ベンズピペリオン(bezpiperylon)、フェプラゾン、モフェブタゾン(mofebutazone)、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン);(g)シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)インヒビター;(h)ホスホジエステラーゼタイプIV(PDE−IV)のインヒビター;(i)ケモカイン受容体の他の拮抗薬;(j)コレステロール低下剤(例えば、HMG−COAレダクターゼインヒビター(ロバスタチン、シンバスタチン、およびプラバスタチン、フルバスタチン、アトルブサタチン(atorvsatatin)、および他のスタチン)、捕捉剤(コレスチラミンおよびコレスチポール)、ニコチン(nicotonic)酸、フェノフィブル(fenofibric)酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート、およびベンザフィブレート(benzafibrate))、およびプロブコール;(k)抗糖尿病剤(例えば、インスリン、スルホニルウレア、ビグアナイド(メトホルミン)、a−グルコシダーゼインヒビター(アカルボース)、およびグリタゾン(glitazones)(トログリタゾンおよびピオグリタゾン);(l)インターフェロンの製剤(インターフェロンアルファ−2a、インターフェロン−2B、インターフェロンアルファ−N3、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンベータ−1b、インターフェロンガンマ−1b);(m)抗ウイルス化合物(例えば、エファビレンツ、ネビラピン(nevirapine)、インジナビル、ガンシクロビル、ラミブジン、ファムシクロビル、およびザルシタビン);(o)他の化合物(例えば、5−アミノサリチル酸、およびそのプロドラッグ)、代謝拮抗薬(例えば、アザチオプリンおよび6−メルカプトプリン)、および細胞毒性癌化学療法剤。第2の活性成分に対する該本発明の化合物の重量比は、変えることができ、そして各成分の有効用量に依存し得る。通常、各々の有効量を使用する。従って、例えば本発明の化合物をNSAIDと組み合わせて使用する場合には、NSAIDに対する該本発明の化合物の重量比は通常、約1000:1〜約1:1000(約200:1〜約1:200が好ましい)の範囲である。本発明の化合物および他の活性成分の組み合わせは通常、上記の範囲内であるが、個々の場合に各々の活性成分の有効量を使用するべきである。
【0136】
公知のCCR−3インヒビターと比較して薬理学的な性質が改善された新規な化合物を発見することが所望される。例えば、CCR−3阻害活性および他のGタンパク質共役受容体(すなわち、5HT2A受容体)に対するCCR−3の選択性が改善された新規な化合物を発見することが所望される。以下の分類の1個以上における性質が有利でありそして改善された化合物を発見することもまた所望される。
(a)医薬的な性質(すなわち、溶解度、透過度、徐放性製剤への容易さ(amenability));
(b)用量の要件(例えば、低用量および/または1日1回用量);
(c)血中濃度のピーク時から最小時への特性を低下する因子(すなわち、分布のクリアランスおよび/または大きさ);
(d)受容体での活性薬物の濃度を増加する因子(すなわち、タンパク質結合、分布の大きさ);
(e)臨床的な薬物−薬物相互作用の傾向を低下する因子(チトクロームP450酵素の阻害または誘発(例えば、CYP 2D6の阻害)、GK Dresser, JD Spence, DG Baileyによる, Clin. Pharmacokinet. 2000, 38, 41-57(これは、本明細書の一部を構成する)を参照);
(f)有害な副作用に対する能力を低下する因子(すなわち、Gタンパク質共役受容体を超える薬理学的な選択性、潜在的な化学的もしくは代謝的な反応性、CNSの浸透の限度);
(g)製造コストもしくは実施可能性を改善する因子(すなわち、合成の困難さ、キラル中心の数、化学的安定性、取り扱いの容易さ)。
【0137】
該化合物を、治療学的に有効な量で哺乳動物に投与する。「治療学的に有効な量」とは、単独でまたは別の治療学的な薬剤と組み合わせて哺乳動物に投与する場合に、炎症疾患または該疾患の進行を予防しまたは軽減するのに有効である、式Iの化合物の量を意味する。
【0138】
(用量および製剤化)
本発明の化合物は、経口剤形(例えば、錠剤、カプセル剤(これらの各々は、徐放性または遅延型の製剤を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁剤、シロップ剤、および乳剤)で投与することができる。それらはまた、静脈内(ボーラスまたは注射)、腹腔内、皮下、または筋肉内の形態でも投与することができる(すべて、製薬の分野における当業者にとってよく知られる剤形を用いる)。それらは単独で投与することができるが、しかし、通常、投与の選択した経路および標準的な薬務に基づいて選ばれた医薬的な担体と一緒に投与する。
【0139】
当然に、本発明の化合物についての投与レジメは、公知の因子、例えば特定の薬剤の薬力学的な性質、並びに投与の様式および経路;レシピエントの種類、年齢、性別、健康、医学的な病態、および体重;症状の性質および大きさ;同時処置の種類;処置の回数;投与の経路;患者の腎臓および肝臓の機能、並びに所望する効果に依存して変わる。医師または獣医師は、血栓塞栓性障害の進行を予防し、逆転し(counter)、または抑止するのに必要とされる薬物の有効な量を決定しそして処方することができる。
【0140】
一般的な指針によって、指図する効果のために使用する場合には、各活性成分の1日経口用量は、1日当たり約0.001〜1000mg/体重kgの範囲であり、約0.01〜100mg/体重kgの間が好ましく、約1.0〜20mg/kg/日の間が最も好ましい。静脈内の場合には、最も好ましい用量は、一定の割合の注入の間で約1〜約10mg/kg/分の範囲である。本発明の化合物は1回の1日用量で投与することができ、あるいは1日用量の総量を1日に2、3、または4回の分割量で投与することができる。
【0141】
本発明の化合物は、適当な鼻腔内ビヒクルの局所使用によるかまたは経皮皮膚パッチを用いる経皮経路によって、鼻腔内形態で投与することができる。経皮運搬システムの形態で投与する場合には、用量投与は当然に、用量レジメの間に中断するよりもむしろ連続的であり得る。
【0142】
該化合物は典型的に、投与の意図する形態に関して適当に選択した適当な医学的な希釈物、賦形剤または担体(本明細書中では、医薬的な担体としてまとめて呼ぶ)(すなわち、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤など)(これは、通常の薬務と一致する)との混合物で投与する。
【0143】
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与の場合には、活性薬物成分は、経口の非毒性の医薬的に許容し得る不活性担体(例えば、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸ジカルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトールなど)と組み合わせることができ;液体形態での経口投与の場合には、該経口薬物成分は、いずれかの経口の非毒性の医薬的に許容し得る不活性担体(例えば、エタノール、グリセロール、水など)と組み合わせることができる。その上、所望するかまたは必要である場合には、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤をまた、混合物中に取り込むことができる。適当な結合剤としては例えば、デンプン、ゼラチン、天然糖類(例えば、グルコース、またはベータ−ラクトース、コーン甘味料、天然および合成のガム(例えば、アカシア、トラガント)、またはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなど)を含む。これらの剤形において使用する滑沢剤としては例えば、オレイン酸ナトリウム、ステリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなど)を含む。崩壊剤としては例えば、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどを含むが、これらに限定されない。
【0144】
本発明の化合物はまた、リポソーム運搬システムの形態(例えば、小単層べシクル、大単層べシクル、および多層ベシクル)で運搬することができる。リポソームは、様々なリン脂質(例えば、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリン)から生成することができる。
【0145】
本発明の化合物はまた、可溶性の高分子(例えば、標的可能な薬物担体)と結合することができる。該高分子としては例えば、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリシンを含み得る。その上、本発明の化合物は、薬物の徐放を達成するのに有用な生分解性高分子のクラス(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体、ポリエプシロンカプロラクトン(polyepsilon caprolactone)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、および架橋または両親媒性のヒドロゲルのブロック共重合体)と結合することができる。
【0146】
投与に適当な剤形(医薬組成物)は、用量単位当たり活性成分の約1ミリグラム〜約100ミリグラムを含み得る。これらの医薬組成物において、活性成分は通常、該組成物の総重量基準で約0.5〜95重量%の量で存在する。
【0147】
ゼラチンカプセル剤は、活性成分および粉末担体(例えば、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸など)を含み得る。同様な希釈剤を用いて、圧縮錠剤を製造することができる。錠剤およびカプセル剤の両方を、徐放製品として製造することができて、数時間にわたって薬物の連続的な放出を与えることができる。圧縮錠剤は、いずれかの望まない味覚をマスクしそして空気から錠剤を防止するために糖衣コーティングしまたはフィルムコーティングしたり、あるいは胃腸管中での選択的な崩壊のために腸溶コーティングすることができる。
【0148】
経口投与のための液体剤形は、患者の受け入れを増大するために着色剤および芳香剤を含み得る。
【0149】
通常、水、適当な油、生理食塩水、デキストロース(グルコース)水溶液、関連する糖溶液およびグリコール(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)は、非経口溶液の適当な担体である。非経口投与のための溶液としては、活性成分の水溶性塩、適当な安定化剤、および必要ならば緩衝物質を含み得る。抗酸化剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸)の単独または組み合わせのいずれかは、適当な安定化剤である。クエン酸およびその塩、並びにナトリウムEDTAもまた使用する。加えて、非経口溶液は、保存剤(例えば、ベンザルコニウムクロリド、メチル−またはプロピル−パラベン、およびクロロブタノール)を含み得る。
【0150】
適当な医薬的な担体は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company(これは、この分野における標準的な教科書である)中に記載されている。
【0151】
本発明の化合物の投与のための代表的な有用な医薬的な剤形は、以下の通り例示することができる。
(カプセル剤)
多数の単位カプセル剤は、粉末の活性成分(100ミリグラム)、ラクトース(150ミリグラム)、セルロース(50ミリグラム)、およびステアリン酸マグネシウム(6ミリグラム)で標準的な2ピースの硬カプセル剤の各々を充填することによって製造することができる。
【0152】
(軟カプセル剤)
消化可能な油(例えば、大豆油、綿実油、またはオリーブ油)中の活性成分の混合物を調製し、そしてこのものをプラス置換ポンプ(positive displacement pump)の手法によってゼラチンへ注入して、活性成分(100ミリグラム)を含有する軟カプセル剤を得ることができる。該カプセル剤は、洗浄しそして乾燥すべきである。
【0153】
(錠剤)
錠剤は、用量単位が活性成分(100ミリグラム)、コロイド状二酸化ケイ素(0.2ミリグラム)、ステリン酸マグネシウム(5ミリグラム)、微結晶性セルロース(275ミリグラム)、デンプン(11ミリグラム)およびラクトース(98.8ミリグラム)となるような、通常の方法によって製造することができる。適当なコーティング剤を、嗜好性を増大しまたは吸収を遅延するのに使用することができる。
【0154】
(注射剤)
注射による投与に適当な非経口組成物は、10容量%のプロピレングリコールおよび水中で1.5重量%の活性成分を撹拌することによって、製造することができる。該溶液は、塩化ナトリウムと等張性とし、そして減菌とするべきである。
【0155】
(懸濁剤)
経口投与のための水性懸濁剤は、各々5mLが細かく分けた活性成分(100mg)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(200mg)、安息香酸ナトリウム(5mg)、ソルビトール溶液U.S.P.(1.0g)、およびバニリン(0.025mL)を含むように、製造することができる。
【0156】
本発明の化合物を他の抗凝固剤と組み合わせる場合には、例えば1日用量は、患者の体重のキログラム当たり、式Iの化合物の約0.1〜100ミリグラム、および第2の抗凝固剤の約1〜7.5ミリグラムであり得る。錠剤剤形の場合には、本発明の化合物は通常、用量単位当たり約5〜10ミリグラムの量で存在し得て、そして該第2の抗凝固剤は用量単位当たり約1〜5ミリグラムの量で存在し得る。
【0157】
上記の第2の治療学的な薬剤の2個以上を式Iの化合物と一緒に投与する場合には、通常、典型的な1日用量および典型的な剤形中での各成分の量は、単独で投与する場合の該薬剤の通常の用量に対して、組み合わせて投与する場合には該治療学的な薬剤の相加的なまたは相乗的な効果の観点から減少することができる。
【0158】
特に1回用量単位として供する場合には、組み合わせた活性成分の間の化学的な相互作用の可能性が存在する。このために、式Iの化合物および第2の治療学的な薬剤を1回用量単位中で組み合わせる場合には、活性成分は1回用量単位中で組み合わせるが、該活性成分の間の物理学的な接触が最小となる(すなわち、減少する)ように、それらは製剤化する。例えば、1活性成分は腸溶であり得る。該活性成分の1つを腸溶とすることによって、そのものは組み合わせた活性成分の間の接触を最小とすることが可能となるだけではなく、そのものはまた、胃腸管中でのこれらの成分の1つの放出をコントロールすることができ、その結果、これらの成分の1つは胃中では放出されず、むしろ腸中で放出される。該活性成分の1つはまた、胃腸管中で徐放を効果的とする物質を用いてコーティングすることができ、そしてまたこのことは組み合わせた活性成分の間での物理学的な接触を最小とするのに役立つ。その上、徐放成分を更に腸溶とすることができ、その結果、この成分の放出は腸中でだけ起こる。更に別の方法は、該活性成分を分離するために、組み合わせ製品(ここでは、該1成分は徐放性および/または腸溶性放出の高分子を用いてコーティングし、そして他の成分はまた、高分子(例えば、低粘性グレードのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)または当該分野において知られる他の適当な物質)を用いてコーティングする)の製剤化を含む。該高分子のコーティングは、他の成分との相互作用に対する別の障壁となるのに役立つ。
【0159】
1回投与形態でまたは別個の形態で投与する(同じ様式による同時ではない)場合に、本発明の組み合わせ製品の成分間の接触を最小とするこれらの方法並びに他の方法は、一旦本発明の開示を得た後には、当分野の当業者にとって容易に明白であろう。
【0160】
当該分野の当業者にとって明白である通り、本発明の多数の修飾および改変が上記の教示に照らして可能である。従って、特許請求の範囲内で、本発明は本明細書中に具体的に記載する以外に実施することができることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

で示される化合物、またはそれらの立体異性体もしくは医薬的に許容し得る塩。
[式中、
は、C1〜6アルキル、0〜5個のRで置換された(CH)−C3〜10炭素環残基;または、0〜3個のRで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜10員ヘテロ環式から選ばれ;
各Rは、NR4a4a、NR4fC(O)(CHR)4b、NR4fC(O)H、NR4fS(O)(CHR)4b、またはNR4fC(O)OR4bから選ばれ;
各R4aは、H、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、0〜5個のR4eで置換された(CH)−C3〜10炭素環残基;または、0〜2個のR4eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜10員ヘテロ環式から選ばれるか、あるいは、
2個のR4aは一緒になって、NまたはOから選ばれる0〜1個の更なるヘテロ原子を含有する5、6または7−員環を形成し、ここで、該環は0〜1個のC=Oを含有し、そして0〜1個のRで置換され;
各R4bは、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、C1〜3ペルフルオロアルキル、0〜3個のR4eで置換された(CH)−C3〜6炭素環残基;または、0〜2個のR4eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれ;
各R4eは、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、(CH)3〜6シクロアルキル、Cl、F、Br、I、CN、NO、(CF)CF、(CH)OC1〜5アルキル、OH、SH、(CH)SC1〜5アルキル、(CH)NR4f4f、または(CH)フェニルから選ばれ;
各R4fは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、またはフェニルから選ばれるか、あるいは、
4bおよびR4fは一緒になって、NまたはOから選ばれる0〜1個の更なるヘテロ原子を含有する5、6、または7−員環を形成し、ここで、該環は0〜1個のRで置換され、各Rは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、またはフェニルから選ばれ;
各Rは、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、(CH)−C3〜6シクロアルキル、Cl、Br、I、F、NO、CN、(CHR)NR5a5a、(CHR)OH、(CHR)O(CHR)5d、(CHR)SH、(CHR)C(O)H、(CHR)S(CHR)5d、(CHR)C(O)OH、(CHR)C(O)(CHR)5b、(CHR)C(O)NR5a5a、(CHR)NR5fC(O)(CHR)5b、(CHR)C(O)O(CHR)5d、(CHR)OC(O)(CHR)5b、(CHR)C(=NR5f)NR5a5a、(CHR)NHC(=NR5f)NR5f5f、(CHR)S(O)(CHR)5b、(CHR)S(O)NR5a5a、(CHR)NR5fS(O)(CHR)5b、C1〜6ハロアルキル、0〜3個のRで置換されたC2〜8アルケニル、0〜3個のRで置換されたC2〜8アルキニル、0〜3個のR5eで置換された(CHR)フェニル;または、0〜2個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜10員ヘテロ環式から選ばれ;
各R5aは、H、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、0〜5個のR5eで置換された(CH)−C3〜10炭素環残基;または、0〜2個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜10員ヘテロ環式から選ばれ;
各R5bは、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、0〜3個のR5eで置換された(CH)−C3〜6炭素環残基;または、0〜2個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれ;
各R5dは、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、0〜3個のR5eで置換されたC1〜6アルキル、0〜3個のR5eで置換された(CH)−C3〜10炭素環残基;または、0〜3個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれ;
各R5eは、C1〜6アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、(CH)3〜6シクロアルキル、Cl、F、Br、I、CN、NO、(CF)CF、(CH)OC1〜5アルキル、OH、SH、(CH)SC1〜5アルキル、(CH)NR5f5f、または(CH)フェニルから選ばれ;
各R5fは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、またはフェニルから選ばれ;
各Rは、HまたはC1〜6アルキルから選ばれ;
rは、0、1、2、3、4または5から選ばれ;そして、
pは、0、1、または2から選ばれる]
【請求項2】
は、C1〜6アルキル、0〜5個のRで置換された(CH)−炭素環残基(ここで、該炭素環残基は、フェニル、C3〜6シクロアルキル、ナフチル、またはアダマンチルから選ばれる)、または0〜3個のRで置換された(CH)−ヘテロ環式(ここで、該ヘテロ環式は、ピリジニル、チオフェニル、フラニル、インダゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソチアジアゾリル、イソキサゾリル、4−オキソ−4,5−ジヒドロ−チアゾール−2−イル、ピペリジニル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、またはピリミジニルから選ばれる)から選ばれる、
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
各Rは、NR4a4a、NR4fC(O)R4b、またはNR4fS(O)4bから選ばれ;
各R4aは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、0〜3個のR4eで置換された(CH)フェニル;または、0〜2個のR4eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれるか;あるいは、
2個のR4aは一緒になって、NまたはOから選ばれる0〜1個の更なるヘテロ原子を含有する5、6または7−員環を形成し、ここで該環は、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、またはピペラジニルから選ばれ、該環は0〜1個のC=Oを含有し、そして0〜1個のRで置換され;
各R4bは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、または0〜3個のR4eで置換された(CH)フェニルから選ばれ;
各R4eは、C1〜6アルキル、Cl、F、Br、I、CN、NO、(CF)CF、OH、または(CH)OC1〜5アルキルから選ばれ;
各R4fは、H、C3〜6シクロアルキル、またはC1〜5アルキルから選ばれるか;あるいは、
4bおよびR4fは一緒になって5、6、または7−員環を形成し、ここで、該環は2−ピペリジノンから選ばれ、該環は0〜1個のRで置換され;
各Rは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルから選ばれ;そして、
rは、0、1、または2から選ばれる、
請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
は、C1〜6アルキル(このものは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、またはブチルから選ばれる)、0〜3個のRで置換されたC3〜10炭素環残基(ここで、該炭素環残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、またはアダマンチルから選ばれる)、または0〜3個のRで置換された(CH)−ヘテロ環式(ここで、該ヘテロ環式は、ピリジニル、チオフェニル、フラニル、インダゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、イソチアジアゾリル、イソキサゾリル、4−オキソ−4,5−ジヒドロ−チアゾール−2−イル、ピペリジニル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、またはピリミジニルから選ばれる)から選ばれ;
各Rは、C1〜8アルキル、(CH)−C3〜6シクロアルキル、CF、Cl、Br、I、F、(CH)NR5a5a、NO、CN、OH、(CHR)OR5d、(CH)C(O)R5b、(CH)C(O)OR5d、(CH)C(O)NR5a5a、(CH)NR5fC(O)R5b、(CH)S(O)5b、(CH)S(O)NR5a5a、(CH)NR5fS(O)5b、0〜3個のR5eで置換された(CH)フェニル;または、0〜2個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれ;
各R5aは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、または0〜3個のR5eで置換された(CH)フェニルから選ばれ;
各R5bは、H、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、または0〜3個のR5eで置換された(CH)フェニルから選ばれ;
各R5dは、C1〜6アルキルまたはフェニルから選ばれ;
各R5eは、C1〜6アルキル、Cl、F、Br、I、CN、NO、(CF)CF、OH、または(CH)OC1〜5アルキルから選ばれ;そして、
各R5fは、HまたはC1〜5アルキルから選ばれる、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項5】
は、C1〜6アルキル(このものは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、またはブチルから選ばれる)、0〜2個のRで置換されたC3〜10炭素環残基(ここで、該炭素環残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、またはアダマンチルから選ばれる)、または0〜3個のRで置換されたヘテロ環式(ここで、該ヘテロ環式は、ピリジニル、インダゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、2,3−ジヒドロインドリル、インドリル、インダゾリル、インドリニル、イソキサゾリル、4−オキソ−4,5−ジヒドロチアゾール−2−イル、ピラゾリル、ピリミジニル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、またはオキサゾリルから選ばれる)から選ばれ;
各Rは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、CF、Cl、Br、I、F、CN、OH、(CHR)OR5d、C(O)R5b、C(O)OR5d、C(O)NR5a5a、(CH)S(O)5b、(CH)NR5fS(O)5b、0〜3個のR5eで置換された(CH)フェニル;または、0〜2個のR5eで置換された、N、OもしくはSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する(CH)5〜6員ヘテロ環式から選ばれ、ここで、該ヘテロ環式は、テトラゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピロリジニル、またはイソキサゾリルから選ばれ;
各R5aは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはヘキシルから選ばれ;
各R5bは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはヘキシルから選ばれ;
各R5dは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはヘキシルから選ばれ;そして、
各R5eは、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはヘキシルから選ばれる、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項6】
各Rは、NR4a4a、NR4fC(O)R4b、またはNR4fS(O)4bから選ばれ;
各R4aは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから選ばれるか、あるいは、
2個のR4aは一緒になって、NまたはOから選ばれる0〜1個の更なるヘテロ原子を含有する5、6、または7−員環を形成し、ここで、該環は、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、またはピペラジニルから選ばれ、該環は、0〜1個のRで置換され;
各R4bは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはヘキシルから選ばれ;
各R4fは、H、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから選ばれるか、あるいは、
4bおよびR4fは一緒になって、5、6、または7−員環を形成し、ここで、該環は、2−ピペリジノンから選ばれ、該環は0〜1個のRで置換され;そして、
各Rは、H、メチル、エチル、プロピル、またはi−プロピルから選ばれる、
請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項7】
化合物は、表1および表2の化合物から選ばれる、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
医薬的に許容し得る担体、および治療学的に有効な量の請求項1〜7記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含有する、医薬組成物。
【請求項9】
治療学的に有効な量の請求項1〜7記載の化合物を処置が必要な患者に投与することを含む、ケモカイン受容体活性の調節のための方法。
【請求項10】
治療学的に有効な量の請求項1〜7記載の化合物を処置が必要な患者に投与することを含む、喘息の処置方法。
【請求項11】
ケモカイン受容体活性の調節は、CCR−3受容体を有効な阻害量の該化合物と接触することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
治療学的に有効な量の請求項1〜7記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を処置が必要な患者に投与することを含む、炎症性疾患の処置方法。
【請求項13】
治療学的に有効な量の請求項1〜7記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を処置が必要な患者に投与することを含む、疾患の処置方法であって、
該疾患は、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、特発性肺線維症、類天疱瘡、ぜん虫性寄生虫感染症、アレルギー性大腸炎、湿疹、結膜炎、移植、家族性好酸球増加症、好酸球性蜂窩織炎、好酸球性肺炎、好酸球性筋膜炎、好酸球性胃腸炎、薬物誘発型好酸球増加症、HIV感染症、嚢胞性線維症、チャーグ・ストラウス症候群、リンパ腫、ホジキン病、または結腸癌腫から選ばれる、該方法。
【請求項14】
疾患は、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、または炎症性腸疾患から選ばれる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
疾患は喘息である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
治療学的に有効な量の請求項1〜7記載の化合物を処置が必要な患者に投与することを含む、ケモカイン受容体活性の抑制方法。
【請求項17】
ケモカイン受容体活性の抑制はCCR−1活性を抑制することを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
治療学的に有効な量の請求項1〜7記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を処置が必要な患者に投与することを含む、疾患の処置方法であって、
該疾患は、関節リウマチ、移植、または多発性硬化症から選ばれる、該方法。
【請求項19】
式(V):
【化2】

[式中、
Pgは、アミン保護基である]
で示される化合物。
【請求項20】
Pgはベンジルオキシカルボニル(CBz)である、請求項19記載の化合物。

【公表番号】特表2007−500758(P2007−500758A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533816(P2006−533816)
【出願日】平成16年6月12日(2004.6.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/020006
【国際公開番号】WO2004/110993
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】