説明

ケラチン状態改善剤

【課題】健康なケラチン状態とすることを補助できるケラチン状態改善剤及び爪および毛髪・皮膚の化粧料等の外用剤。ケラチンの結合水量を向上させ、かつ表面の不要なケラチンを溶解させることにより、爪および毛髪・皮膚の白化抑制および表面状態改善および保湿性を向上させる効果にすぐれる化粧料を提供すること。さらには皮膚に刺激の少ないものを提供すること。
【解決の手段】ウマゴヤシ属アルファルファ(Medicago M.sativa)の水または極性溶媒またはその混液による抽出物を1種あるいは2種以上からなることを特徴としたケラチン状態改善剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪および毛髪・皮膚に代表されるケラチン組織の状態を改善するケラチン状態改善剤に関する。さらに詳しくはウマゴヤシ属アルファルファであり、これらの水または極性溶媒またはその混液による抽出物を有効成分とする、爪および毛髪・皮膚ケラチンの結合水量を増加させ、かつ表面の不要なケラチンを溶解させる作用を有する白化抑制および表面状態改善および保湿性を向上させる効果に優れた新規な外用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
爪および毛髪・皮膚は外界との接触により、表面の白化やざらつきを引き起こし、健康状態を損ねる。さらに爪およびその周辺皮膚の場合は、ネイルリムーバー中に含まれるアセトン等の脱水作用により、悪化することが知られている。また、毛髪に関してもパーマ、ヘアカラー等の普及及びブラッシングの回数の増加やドライヤーの熱等、毛髪にダメージを与える機会が増加し、損傷毛に悩む消費者も増えている。これらの原因は最外層に存在するケラチンの保湿性が低下し、本体から剥離を起こすことによると考えられている。
【0003】
従って、従来の保湿化粧料は、角質層に水分を多量に供給し、種々の保湿剤、例えば天然保湿成分である尿素や有機酸やアミノ酸が配合されている。
【0004】
このような皮膚保湿化粧料として、従来、有機酸である角質層柔軟化作用を有するα−オキシ酸およびそのアンモニウム塩やアミン塩を化粧料に配合したものが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。しかし、α−オキシ酸は、正常な皮膚生理を阻害するような低いpH領域(pH2〜4)でしかその効果を発揮しないという問題がある。また、アンモニウム塩やアミン塩を加えて中性pH領域に調整した化粧料の場合、多量に配合すると安定性を損なわせたり、皮膚のpH領域に適合させるのが困難であったりするため、化粧料の品質を一定にすることが困難であるという問題がある。また、これらを長期連用した場合、体質によってはアレルギーを起こすこともあり、安全性にも問題があった。
【0005】
また、爪のように硬いケラチンの場合、一度表面から剥離して生じるざらつきを保湿成分だけで改善することは困難であった。
【0006】
爪のケア用の製品として、ネイルトリートメント、キューティクルリムーバー、ネイルポリッシュ等がある。ネイルトリートメントは、ネイルエナメルやその除去用のエナメルリムーバーによって脱水、脱脂された爪に水分や油分を補給するために用いられ、キューティクルリムーバーは、爪甲上の古いキューティクル(甘皮)や汚れを除去するために用いられ、ネイルポリッシュは、爪甲の表面を研磨し滑らかにするために用いられる。
【0007】
しかしながら、従来のネイルトリートメント、キューティクルリムーバー、ネイルポリッシュを用いる場合、爪甲表面のみが外見的に美しくなるのみであって、爪甲そのものが根本的に美しく改善されるものではない。また、従来のネイルトリートメント、キューティクルリムーバー、ネイルポリッシュを用いる場合、爪甲表面を美しくするためには、これら3種の製品全てを用いる必要があり、爪の手入れには多くの手間と時間を要している。
【0008】
そこで、爪を外見的にも、そして根本からも美しくし、爪甲の保湿効果、甘皮除去効果、及び表面平滑化効果を得るための技術として、特許文献3がある。これはアミノ酸及び水溶性高分子を含むアルカリ水溶液を用いる組成物である。
アルカリ剤は、爪の汚れや古いキューティクル(甘皮)を除去し、アミノ酸は、爪母細胞に浸透し、爪甲形成を促進すると考えられる。更に、水溶性高分子は、爪甲表面に皮膜を形成し、滑らかさや、保湿効果を狙っている。
【0009】
しかし、アルカリ性であることによる刺激性や、アルカリ濃度によってアミノ酸や水溶性高分子の安定性が低下するため、好適な配合量や比率が限定されてしまうという問題点がある。
【0010】
一方、毛髪ケアとしては、アミノ酸やその誘導体、又はそれらと蛋白質等とを組み合わせたもの(例えば特許文献4参照)やケラチンやその加水分解物等(例えば特許文献5参照)が使用されているが、ある程度の効果は期待できるものの、十分な効果を発揮するには至っていないのが現状である。
【0011】
また、ウマゴヤシ属アルファルファに関しては、角層剥離作用について開示されているが(例えば特許文献6参照)、ケラチンの状態改善についてはなんら述べられていない。
【0012】
【特許文献1】特開昭55−19291号公報
【特許文献2】特公平2−31053号公報
【特許文献3】特開2006−52154号公報
【特許文献4】特開平9−278630号公報
【特許文献5】特開2006−124341号公報
【特許文献6】特開平9−25225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の目的は、ケラチン状態改善効果を発揮することにより、爪および毛髪・皮膚の表面状態改善および保湿性の向上を補助できる化粧料等の外用剤を提供することにある。詳しくは、ケラチンの結合水量を増加させ、不要なケラチンを溶解させる作用を有することにより、爪および毛髪・皮膚を健康に保つ効果にすぐれる化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ウマゴヤシ属アルファルファ(Medicago
M.sativa) が、ケラチンの状態を改善させる作用に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係るケラチン状態改善剤は、優れたケラチンの結合水量を増加させることによる保湿効果を有し、かつケラチン溶解作用を有するもので、爪および毛髪・皮膚化粧料等の外用剤に配合した場合、それらの乾燥を防ぎ、表面状態を改善することで、病理学的にも、美容的にも健やかな状態とすることができる。その結果、爪の白化や乾燥、毛髪の表面ざらつき、ドライスキンの防止になる。延いては角質層が異常に肥厚した疾患である乾癬又は角化症の外用治療剤等に利用できる。
【0016】
即ち、本願発明のケラチン状態改善剤は、爪の白化や乾燥による劣化、ドライスキンの防止・改善、乾癬又は角化症の治療を目的とする外用剤として有用である。
【0017】
本発明品の有効成分は、ウマゴヤシ属アルファルファを水、メタノールやエタノールのような低級アルコール、含水低級アルコールあるいは1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンまたは含水多価アルコール、ブタノール、アセトンなどの低極性溶媒等とともに抽出し、濾過して得られる。
【0018】
本発明品の有効成分であるアルファルファ(別名:ムラサキウマゴヤシ)は、牛などに与える放草として使われるほか、スプラウトの状態でサラダとして食されている。また、その栄養価の高さから近年はサプリメントとしても利用されている。
【0019】
本抽出物は、乾燥した植物をそのまま、または粉砕、あるいは水に漬けて膨潤した乾燥植物をそのまま、または粉砕したものを水抽出することによって得られ、この抽出液をそのまま用いてもよく、また凍結乾燥などにより乾燥粉末物として用いてもよい。
【0020】
このようにして得られた抽出物はそのままでもケラチン状態改善作用を有するが、色、匂い、安定性等の点で不都合な場合、精製することができる。蛋白分解酵素、活性炭・合成高分子吸着体(スチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤(HP-20:三菱化成社製))・イオン交換樹脂等(オクタデシルシラン処理シリカ(Chromatorex
ODS:富士シリシア化学製))の吸着剤、限外ろ過膜・逆浸透膜等の分画膜を使用することによって精製することができるが、特に限定するものではない。
【0021】
本発明において、アルファルファ抽出物の爪および毛髪・皮膚外用剤への配合量は、有効成分の乾燥重量が皮膚外用剤全体に対して0.0001〜0.1重量%が好ましく、0.0004〜0.01重量%がより好ましいが、特に限定されるものではない。
【0022】
以上のようにして調製した本発明品を一種又は二種以上組合せて配合した本発明を皮膚外用剤とする場合、医薬的あるいは化粧料的に許容し得る公知の剤型、例えばクリーム、軟膏、乳剤、ローション、乳液、エッセンス、パック、ゲルなどの形態に製剤化して使用でき、その基剤も皮膚使用上許容し得る公知の液状及び固形状の原料を幅広く使用できる。
【0023】
本発明品は単独使用のほか、発明の目的を損なわない範囲で、防腐剤、香料、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤など公知の各種添加剤を加えることもできる。例えば、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサンなどの保湿剤。メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコールなどの増粘剤。エタノール、1,3−ブチレングリコールなどの有機溶剤。ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸などの酸化防止剤。安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(エチルパラベン、ブチルパラベンなど)、ヘキサクロロフェンなどの抗菌防腐剤。クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸。ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体などのビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテートなどのビタミンC類、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネートなどのビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチンなどのビタミン類。ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニンなど)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、セファランチン、プラセンタエキスなどの各種薬剤。ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、タイム、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラなどの有機溶剤、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコールなどで抽出した天然エキス。その他に、香料、スクラブ剤、精製水などを配合することができる。
【実施例】
【0024】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。又、配合量は特に指定がない限り重量%で示す。
【0025】
まず、本発明のケラチン状態改善外用剤の評価をするために用いた試験法・基準を記載する。
【0026】
本発明に係る植物抽出物の製造例について説明する。
【0027】
[アルファルファ水抽出物の製造]
植物の細切物500gに水5L加え、60℃で5時間放置した。植物をろ別し、アルファルファの抽出液を得た。本抽出液を減圧下、溶媒を留去することによって、アルファルファの水抽出物を得た。
【0028】
[アルファルファ50%エタノール抽出物の製造]
植物の細切物100gに50%エタノール500mLを加え、室温で1週間放置した。ろ別し、アルファルファ50%エタノール抽出液を得た。本抽出液を減圧下、溶媒を留去することによって、アルファルファ50%エタノール抽出物を得た。
【0029】
[アルファルファ100%エタノール抽出物の製造]
植物の細切物100gに100%エタノール500mLを加え、室温で1週間放置した。ろ別し、アルファルファ100%エタノール抽出液を得た。本抽出液を減圧下、溶媒を留去することによって、アルファルファ100%エタノール抽出物を得た。
【0030】
[アルファルファ水抽出物の精製]
植物の水抽出物を合成高分子吸着体(スチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤(HP-20:三菱化成社製))の吸着剤を使用することによって精製し、抽出精製物を得た。
【0031】
[試験例1:ケラチン結合水量試験]
ヒト皮膚角層を細粉化したものを水に浸し、アミノ酸や尿素などの水溶性成分を完全に除去したものを凍結乾燥して水分を完全に除去した角層をケラチン試料とした。試験はケラチン試料10mgを各サンプル溶液1g中に浸し、5℃、4時間放置したのち、表面を洗浄して、凍結乾燥したものを水分量0wt%試料とし、それぞれ各水分量に調節した。結合水量の測定は、Journal of Investigative Dermatology 87, 574-576,
1986に準じてDSC測定を用いて行った。この結果を表1に示す。コントロールとして用いた精製水の結果を100%として各サンプルのパーセンテージを算出した。
なお、本試験では便宜のためにヒト皮膚角層をケラチン試料として結合水量の評価をしたが、爪および毛髪・皮膚を構成しているケラチンタンパク質を対象とした試験でも、同様の結果が得られるものと推定できる。
【0032】
【表1】

【0033】
表1に示したようにアルファルファ抽出物・抽出精製物にケラチン中の結合水量を増加させる作用があることを見出した。
【0034】
[試験例2: ケラチン溶解試験]
ケラチン (Powder) (東京化成工業株式会社製) 100mgに対して各サンプル溶液1gを加え、均一になじませて37℃、24時間放置する。24時間後、試料を遠心分離して不溶なケラチンを沈殿させ、上澄みを用いてケラチン溶解量を測定する。ケラチン溶解量の測定はBradford法により595nmの吸光度を測定することにより定量した。この結果を表2に示す。コントロールとして用いた精製水の結果を100%として各サンプルの吸光度からパーセンテージを算出した。
なお、本試験では便宜のために市販のケラチン試薬を用いて溶解力の評価をしたが、爪および毛髪・皮膚を構成しているケラチンタンパク質を対象とした試験でも、同様の結果が得られるものと推定できる。
【0035】
【表2】

【0036】
表2に示したようにアルファルファ抽出物・抽出精製物にケラチンを溶解させる働きがあることを見出した。
【0037】
[試験例3: ヒト爪に対する白化改善試験]
20才〜50才代の男女パネラー10名に対して、手爪をアセトンで拭き白化させ、その後各々表2に示した外用剤を塗布して爪の白化改善効果を判定した。
【0038】
[有用性の評価]
◎:改善度で10名中、症状の改善が7名以上。
○:改善度で10名中、症状の改善が5〜6名。
△:改善度で10名中、症状の改善が3〜4名。
×:改善度で10名中、症状の改善が2名以下。
【0039】
実施例1〜2、比較例1〜3、表3に示した処方の水溶液を調製して、上記の手法によりその有用性を評価した。その結果を併せて表3に示した。
【0040】
【表3】

【0041】
表3に示すように、角層ケラチン状態改善力を有する植物抽出物を配合した本発明の外用剤は、各比較例の水溶液に比べ、爪の白化・表面状態の改善効果に優れていた。各実施例使用群では、皮膚刺激性反応又は皮膚感作性反応を示したパネラーは存在せず、使用時に痛みや刺激感を訴えたパネラーも存在しなかった。
【0042】
[試験例4: ヒト皮膚に対するドライスキン・かさつき改善試験]
20才〜50才代の男女パネラー20名に対して、全顔に各々表4に示した皮膚外用剤を1日に2回塗布して4週間後に使用開始前と使用終了後のマイクロスコープを用いた観察により、皮膚表面の乾燥およびかさつきの度合いを判定した。
【0043】
[有用性の評価]
◎:改善度で20名中、症状の改善が14名以上。
○:改善度で20名中、症状の改善が10〜13名。
△:改善度で20名中、症状の改善が6〜9名。
×:改善度で20名中、症状の改善が5名以下。
【0044】
表4に示した実施例3〜4、比較例4〜5の処方のローションタイプの皮膚外用剤を調製して、上記の手法によりその有用性を評価した。その結果を併せて表4に示した。
外用剤はNo.1からNo.9の成分を混合し、均一に溶解して使用した。
【0045】
【表4】

【0046】
表4に示すように、ケラチン状態改善力を有する植物抽出物を配合した本発明の外用剤は、各比較例の化粧水に比べ、乾燥・かさつき度の改善効果に優れていた。各実施例使用群では、皮膚刺激性反応又は皮膚感作性反応を示したパネラーは存在せず、使用時に痛みや刺激感を訴えたパネラーも存在しなかった。
【0047】
以下に種々の剤型の本発明による爪白化・表面状態改善および皮膚の乾燥・かさつき改善外用剤の実施例を示すが、各実施例の外用剤は、その具体的な剤型に応じて常法により製造した。また、各実施例で得られた外用剤に上記の試験・評価を施したところ、全て上記の有用性評価は「◎」であった。
【0048】
次に本発明に係る植物抽出物を用いた具体的な外用剤について説明する。
【0049】
以下に本発明の処方例を挙げる。
<処方例1>化粧水
(重量%)
a)アルファルファ 水抽出精製物 0.001
b)アルファルファ 水抽出物 0.0004
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0.) 1.5
d)エタノール 10.0
e)防腐剤・酸化防止剤 適量
f)香料 適量
g)精製水 残部
製法:a)〜g)までを混合し、よく撹拌し均一に溶解する。
【0050】
<処方例2>化粧用クリーム
(重量%)
a)ミツロウ 2.0
b)ステアリルアルコール 5.0
c)ステアリン酸 8.0
d)スクワラン 10.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0.) 1.0
g)アルファルファ 100% エタノール抽出物 0.001
h)アルファルファ 水抽出物 0.0004
i)プロピレングリコール 5.0
j)防腐剤・酸化防止剤 適量
k)精製水 残部
l)水酸化カリウム 0.3
製法:a)〜f)までを加熱溶解し、80℃に保つ。g)〜k)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)〜f)に加えて乳化する。その後、予めk)の一部で溶解させておいたl)を加え、撹拌しながら冷却し、40℃まで撹拌しながら冷却する。
【0051】
<処方例3>乳液
(重量%)
a)スクワラン 8.0
b)ワセリン 2.0
c)ミツロウ 0.5
d)ソルビタンセスキオレエート 0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.0) 1.2
f)アルファルファ 水抽出精製物 0.0004
g)プロピレングリコール 0.5
h)カルボキシビニルポリマー 0.2
i)防腐剤・酸化防止剤 適量
j)水酸化カリウム 0.1
k)精製水 残部
l)エタノール 7.0
m)アルファルファ エタノール抽出物 0.0001

製法:a)〜e)までを加熱溶解し、80℃に保つ。f)〜k)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)〜e)に加えて乳化し、50℃まで撹拌しながら冷却する。予めl)とm)を混合し溶解させ、50℃で添加し、40℃まで冷却する。

【0052】
<処方例4>パック剤
(重量%)
a)アルファルファ 水抽出精製物 0.0004
b)ポリビニルアルコール 10.0
c)グリセリン 5.0
d)酢酸ビニル樹脂エマルジョン 15.0
e)エタノール 5.0
f)香料 適量
g)防腐剤・酸化防止剤 適量
h)精製水 残部
製法:a)b)h)を撹拌しながら80℃で溶解し、40℃まで撹拌しながら冷却する。d)を添加した後、f)g)をe)に溶解させ添加し均一に混合する。


【0053】
<処方例5>軟膏
(重量%)
a)アルファルファ 水抽出精製物 0.0004
b)パラジメチルアミノ安息香酸オクチル 4.0
c)ブチルメトキシベンゾイルメタン 4.0
d)ステアリルアルコール 18.0
e)モクロウ 20.0
f)グリセリンモノステアリン酸エステル 0.3
g)ワセリン 33.0
h)防腐剤・酸化防止剤 適量
i)精製水 残部
製法:加熱しながらa)〜i)を加え混合し、軟膏剤を調製する。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明に係る優れたケラチン状態改善力を有する外用剤は、爪および毛髪・皮膚化粧料等の外用剤に配合した場合、それらの保湿性を向上させ、かつ表面状態を改善し、生理学的にも、美容的にも健やかな状態とすることができる。また、本発明に係るケラチン状態改善剤のように、皮膚にとっての負担も少なく、安全性の高い爪および毛髪・皮膚化粧料等の外用剤を提供できる。









【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウマゴヤシ属アルファルファ(Medicago M.sativa)を水または極性溶媒またはその混液により抽出した抽出物の1種あるいは2種以上からなることを特徴とするケラチン状態改善剤。
【請求項2】
ウマゴヤシ属アルファルファ(Medicago M.sativa)を水または極性溶媒またはその混液により抽出した抽出物の1種あるいは2種以上からなることを特徴とする爪白化・表面状態改善剤。






























【公開番号】特開2009−221173(P2009−221173A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69790(P2008−69790)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(591230619)株式会社ナリス化粧品 (200)
【Fターム(参考)】