説明

ケラチン結合エフェクター分子、およびその生成方法

本発明は、ケラチン結合エフェクター分子を生成する方法、本発明の方法の中間生成物および最終生成物、ならびに前記方法により生成したケラチン結合エフェクター分子の皮膚化粧料における使用に関する。本発明はさらに、皮膚化粧料活性成分を皮膚および/または毛髪に使用する方法ならびに活性物質が皮膚および毛髪上に滞留する時間を増加させる方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのヒドロキシ官能基またはアミノ官能基を担持しているエフェクター分子(i)をケラチン結合ポリペプチド(ii)上に、チオエステル結合、エステル結合、チオエーテル結合、エーテル結合およびアミド結合からなる群から選択される結合ができる少なくとも2つのカップリング官能基を有するリンカー分子(iii)を使用してカップリングすることによって、ケラチン結合エフェクター分子を生成する方法であって、
(a)第1のカップリングステップにおいて、まず前記エフェクター分子(i)を、エステル結合またはアミド結合を介して、前記リンカー分子(iii)に結合させ、
(b)さらなるカップリングステップにおいて、(a)からの反応生成物を、前記リンカー分子(iii)のまだ遊離のカップリング官能基を介して、前記ケラチン結合ポリペプチド(ii)と結合させる、上記方法。
【請求項2】
前記リンカー分子(iii)と(a)に記載した前記エフェクター分子(i)とのカップリングが、カルボジイミド、無水物または酸塩化物によって媒介されるエステル化反応である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エフェクター分子(i)が、色素、光防護剤、ビタミン、プロビタミン、カロテノイド、抗酸化剤および過酸化物分解剤からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ケラチン結合ポリペプチド(ii)が、ヒトの皮膚、毛髪または爪のケラチンに対して結合親和性を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
使用される前記ケラチン結合ポリペプチド(ii)が、
(a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、146、150、153、156、157、158、160、162、164、166、168または170により示される配列の少なくとも1つを含み、または
(b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、146、150、153、156、157、158、160、162、164、166、186または170により示される配列の少なくとも1つと少なくとも40%同一でありかつケラチンに結合することができるポリペプチドに相当する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
使用される前記ケラチン結合ポリペプチド(ii)が、
(a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、146、150、153、156、157、158、160、162、164、166、168または170に示される配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子、
(b)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、145、149、152、159、161、163、165、167または169に示される配列の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む核酸分子、
(c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、146、150、153、156、157、158、160、162、164、166、168または170の配列により示されるポリペプチドをコードする核酸分子、
(d)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、145、149、152、159、161、163、165、167または169により示される配列の少なくとも1つに相当する核酸配列を有する核酸分子、またはこの核酸分子から置換、欠失または挿入によって誘導される、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、146、150、153、156、157、158、160、162、164、166、168または170により示される配列の少なくとも1つと少なくとも40%同一でありかつケラチンに結合することができるポリペプチドをコードする核酸分子、
(e)(a)〜(c)に記載の核酸分子によりコードされるポリペプチドに対するモノクローナル抗体によって認識されるポリペプチドをコードする核酸分子、
(f)ストリンジェントな条件下で(a)〜(c)に記載の核酸分子とハイブリダイズする、ケラチン結合タンパク質をコードする核酸分子、
(g)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、少なくとも15ヌクレオチドを含む(a)〜(c)に記載の核酸分子またはその部分断片をプローブとして使用してDNAバンクから単離することができる、ケラチン結合タンパク質をコードする核酸分子、
(h)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、146、150、153、156、157、158、160、162、164、166、168または170に示されるアミノ酸配列の1つを逆翻訳することによって生成することができる核酸分子
からなる群から選択される少なくとも1つの核酸分子を含む核酸分子によりコードされる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記リンカー分子(iii)が、少なくとも2つの異なるカップリング官能基を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記リンカー分子(iii)が、マレイミド基を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
使用されるリンカー分子(iii)が、式1:
【化1】

(式中、「n」は0〜40の整数に相当する)のカルボン酸担持マレイミドである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記リンカー分子(iii)がマレイミドカプロン酸である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(h)使用される前記ケラチン結合ポリペプチドが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、146、150、153、156、157、158、160、162、164、166、168または170により示される配列の1つを含み、
(i)使用される前記リンカー分子(iii)が、マレイミドカプロン酸であり、かつ
(j)前記エフェクター分子(i)が、パントテン酸、パンテノール、パンテノールのエステル、パンテノールのエーテル、およびカチオン誘導化パンテノールからなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記エフェクター分子(i)が、リンカー分子(iii)を介して前記ケラチン結合ポリペプチド(ii)と間接的にカップリングしており、ただし、前記ケラチン結合エフェクター分子の生成の間に、マレイミドがリンカー分子(iii)として使用されておらず、配列番号166により示されるポリペプチドがケラチン結合ポリペプチド(ii)として使用されておらず、かつ蛍光色素がエフェクター分子(ii)として使用されていない、ケラチン結合エフェクター分子。
【請求項13】
請求項11により生成されたケラチン結合エフェクター分子。
【請求項14】
皮膚化粧料における、請求項12および13に記載の前記ケラチン結合エフェクター分子、または請求項1〜11により生成された前記ケラチン結合エフェクター分子の使用。
【請求項15】
前記皮膚化粧料が、皮膚保護組成物、スキンケア組成物、皮膚洗浄組成物、毛髪保護組成物、ヘアケア組成物、毛髪洗浄組成物、毛髪着色剤または装飾用化粧品である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
皮膚化粧用活性エフェクター分子を、皮膚、毛髪、ならびに/または指の爪および足指の爪に塗布する方法であって、
(k)皮膚化粧用活性成分を、ケラチン結合ポリペプチドにカップリングさせ、かつ
(l)(k)によるケラチン結合エフェクター分子を、皮膚化粧用調製物の成分として皮膚、毛髪、ならびに/または指の爪および足指の爪に塗布する、
上記方法。
【請求項17】
皮膚、毛髪、および/または指の爪もしくは足指の爪上で皮膚化粧用活性成分の滞留時間を増加させる方法であって、
(m)皮膚化粧用活性成分を、ケラチン結合ポリペプチドにカップリングさせ、
(n)(m)による前記ケラチン結合エフェクター分子を、皮膚化粧用調製物の成分として皮膚、毛髪、および/または指の爪もしくは足指の爪に塗布し、かつ
(o)前記活性成分が、ケラチン結合ドメインを介して、皮膚、毛髪、および/または指の爪もしくは足指の爪に間接的に結合する、
上記方法。
【請求項18】
式2:
【化2】

(式中、「n」は0〜40の整数である)の化合物。
【請求項19】
請求項12および13に記載の前記ケラチン結合エフェクター分子、または請求項1〜11により生成された前記ケラチン結合エフェクター分子を含む皮膚化粧料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−517361(P2009−517361A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541699(P2008−541699)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068470
【国際公開番号】WO2007/147445
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】