説明

ケーシング引抜装置

【課題】ケーシングが杭孔に強固に固着している場合でも油圧シリンダに過大な曲げ荷重が作用するのを回避すし、ケーシングを安全に引抜くことが可能なケーシング引抜装置を提供する。
【解決手段】地中に埋設され上部が地表Gに突出するケーシング102の直上に位置しクレーンと連結可能な水平横フレーム10と、横フレームの左右両端部で下方に延びる筒状の縦フレーム19と、横フレーム10の左右両端部側で縦フレーム19と上下に摺動可能に嵌合する筒状のガイド部22を有し、下端部を地表Gに設置するベース21と、横フレーム10の左右両端部側で上端部が横フレーム10に揺動可能に連結され、下端部がベース21に連結され、伸縮によりベース21に対して横フレームと10縦フレーム19とを上下方向に駆動する油圧シリンダ31と、横フレーム10に保持され地表Gから突出するケーシングの上部と連結可能な吊り具61とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭孔施工の際に地中に埋め込まれるケーシングを引抜くためのケーシング引抜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リバースサーキュレーション工法(以下、リバース工法という。)やアースドリル工法では、杭施工時に、スタンドパイプや表層ケーシングと呼ばれるケーシングを建て込み、地表近くの孔壁の崩壊防止などを図っている。リバース工法では、ケーシング内に水を注入し、ドリル先端の掘削ビットにより掘削すると共に、土砂を泥水と共に排水している。
【0003】
アースドリル工法では、図15に示すように、ケーシング102を建て込むために、ケーシング102の径を掘削できるリーマー付きドリリングバケット(図示略)で杭孔105を形成する。そして、クローラクレーンや揚重機能を有するアースドリル機などのクレーン80によってケーシング102を吊り上げて、杭孔105にケーシング102の上部が突出した状態で建て込みを終了する。
【0004】
その後、リーマーを取り外したドリリングバケットをケーシング102内に挿入して、ドリリングバケットの回転により地中を継続掘削し、掘削した土砂をドリリングバケット内に取り込む。そして、ドリリングバケットを引き上げて、掘削した土砂を地表G側に排出している。杭孔105の形成後は、杭孔105に鉄筋籠112を挿入して、コンクリート111を打設している。コンクリート111が所定の強度に達した後、杭孔105の埋戻し113を行う。そして、ケーシング102にワイヤーロープ103を連結し、クレーン80によって地中からケーシング102を引抜いている。
【0005】
ここで、ケーシング102の外周面には、杭孔105の内壁面側から大きな側圧が作用しており、ケーシング102をクレーン80によって容易に引く抜くことが難しいという問題があった。特に、ケーシング102を杭孔105に建て込んでいた期間が長い場合は、ケーシング102が杭孔105の内壁面に固着した状態となり、ケーシング102を杭孔102から引抜く際には、過大な荷重がワイヤーロープ103に作用し、ワイヤーロープ103が破断するおそれがあった。
【0006】
また、施工作業区域の狭い現場において、アースドリル工法で使用するアースドリル機を搬入した場合、重機などを吊り上げるクローラクレーンを同時に配置することが物理的に困難である。このため、ケーシングの引き抜きはアースドリル機の補助吊り機能(クレーン機能)を使用して引き抜いている。しかし、引き抜き力が比較的小さいため、引き抜き作業が容易にできない不具合があった。
【0007】
そこで、ケーシングの引き抜きで最大の引き抜き力を必要とする初期段階を、専用の引き抜き装置で行うことが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このケーシング引抜装置は、ケーシングの両側に一対の油圧シリンダを配置し、ケーシングの直上に張り渡された梁部材を油圧シリンダによって上昇させることにより、ケーシングを上方に引き抜くようにしている。この構成によれば、梁部材の両端に固定された固定台に、取付台を介して油圧シリンダが剛体接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−111763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1のケーシング引抜装置においては、梁部材に油圧シリンダが固定されているので、ケーシングが左右方向で均一に抜けない場合は、梁部材が上下方向に傾くことになり、油圧シリンダに過大な曲げ荷重が作用し、油圧シリンダが破損するおそれがある。また、油圧シリンダの両側に位置する板状のガイド板は、油圧シリンダ本体の外周面と摺動する構造となっているので、油圧シリンダの伸縮に伴い油圧シリンダ本体が磨耗するという問題もある。油圧シリンダ本体は、内側から高い圧力が作用する圧力容器であり、ケーシング引抜装置において油圧シリンダ本体が磨耗するような構造を採用することは、安全上問題がある。さらに、ガイド板は、梁部材の軸方向に対して直交する方向に延びているので、梁部材の上下方向の傾きを抑制することができない。そのため、ケーシングが杭孔に強固に固着している場合は、ケーシングを引抜く際に梁部材が不安定な姿勢となり、ケーシングを安全に引抜くことができないという問題がある。
【0010】
そこでこの発明は、ケーシングが杭孔に強固に固着している場合でも油圧シリンダに過大な曲げ荷重が作用するのを回避することができ、しかもケーシングを安全に引抜くことが可能なケーシング引抜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、下方が地中に埋設され上部が地表から突出するケーシングの直上に配置可能で吊上げ可能な水平方向に延びる横フレームと、前記横フレームの左右両端部にそれぞれ設けられ下方に延びる筒状の縦フレームと、前記横フレームの左右両端部側にそれぞれ配置され前記縦フレームと上下方向に摺動可能に嵌合される筒状のガイド部を有し下端部が地表に接触可能なベースと、前記横フレームの左右両端部側にそれぞれ配置され、少なくとも上端部が前記横フレームに揺動可能に連結されるとともに下端部が前記ベースに連結され、伸縮により前記ベースに対して前記横フレームと縦フレームとを上下方向に駆動する油圧シリンダと、前記横フレームに保持され地表から突出する前記ケーシングの上部と連結可能な吊り具と、を備えたことを特徴とするケーシング引抜装置である。
【0012】
この発明によれば、吊り具をケーシングと連結した状態で、油圧シリンダを伸長させることにより、横フレームがベースのガイド部によってガイドされながら上方に移動し、ケーシングが上方へ引抜かれる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のケーシング引抜装置において、前記各油圧シリンダは、油圧回路の制御により独立して駆動可能であることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のケーシング引抜装置において、前記横フレームには、該横フレームを吊上げるためのワイヤーロープと連結可能な複数の吊り板が取り付けられており、前記各吊り板の取り付け角度は前記ワイヤーロープの吊り角度と同一に設定されていることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のケーシング引抜装置において、前記吊り具は、前記横フレーム側に揺動可能に連結される第1のアームと、該第1のアームと揺動可能に連結されるとともに前記ケーシングに連結可能な第2のアームを有しており、地表側から離れた位置まで吊上げられた前記ケーシングを傾倒させた状態で前記ケーシングの上端面と前記横フレームとの間に隙間が形成されるように構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、油圧シリンダの少なくとも上端部が横フレームに対し揺動可能に連結されているので、横フレームが上下方向に傾いたとしても、油圧シリンダに過大な曲げ荷重が作用するのを回避することができ、油圧シリンダの損傷を防止することができる。また、筒状の縦フレームはベースの筒状のガイド部と摺動可能に嵌合されるので、ケーシングが左右均一に抜けない場合でも、横フレームの姿勢が不安定になるのを防止することができる。すなわち、縦フレームとガイド部は、いずれも筒状に形成されているので、曲げ荷重に対する抗力を大に確保することができ、ケーシングを引抜く際に横フレームが不安定な姿勢となるのを回避することができ、ケーシングを安全に引抜くことが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、各油圧シリンダは油圧回路の制御により独立して駆動可能であるので、地表に段差が生じている場合でも、横フレームを水平な状態に維持することができ、ケーシングを真上に引抜くことができる。すなわち、地表に大きな段差がある場合は、左右いずれかの油圧シリンダ側の下部に敷物を介在させて横フレームを水平に保つ必要があるが、油圧シリンダは油圧回路の制御により独立して駆動可能であるので、敷物を介在させることなく横フレームの姿勢を修正することができ、作業能率を高めることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、各吊り板の取り付け角度はワイヤーロープの吊り角度と同一に設定されているので、横フレームが吊上げられる際に、各吊り板には過度の曲げ荷重が作用しなくなり、各吊り板の耐久性を高めることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、吊り具は、ケーシングを傾倒させた状態でケーシングの上端面と横フレームとの間に隙間が形成されるように構成されているので、横フレームとケーシングとの干渉を回避することができ、ケーシング引抜装置の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係わるケーシング引抜装置の概要を示す正面図である。
【図2】図1のケーシング引抜装置の平面図である。
【図3】図1のケーシング引抜装置の側面図である。
【図4】図1のケーシング引抜装置の詳細を示す正面図である。
【図5】図4のA−A線に沿う断面図である。
【図6】図1のケーシング引抜装置における油圧シリンダが伸長した状態を示す側面図である。
【図7】図1のケーシング引抜装置における吊り具の使用状態を示す側面図である。
【図8】図7の吊り具の変形例を示す側面図である。
【図9】図1のケーシング引抜装置における油圧回路図である。
【図10】図1のケーシング引抜装置によるケーシングの引抜き作業の手順を示す正面図であって、(a)はケーシングを引抜く前の状態を示す正面図、(b)はケーシングと吊り具とを連結した状態を示す正面図、(c)はケーシングの引抜き状態を示す正面図、(d)は地中から引抜いたケーシングをクレーンによって引き上げる状態を示す正面図である。
【図11】図1のケーシング引抜装置によるケーシングの傾倒作業の手順を示す正面図であって、(a)はケーシングを地中から引抜いた状態を示す正面図、(b)はケーシングを傾倒させる途中の状態を示す正面図、(c)はケーシングの傾倒完了状態を示す正面図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係わるケーシング引抜装置における吊り具の正面図である。
【図13】図12の吊り具の側面図である。
【図14】図12の吊り具を用いてケーシングを傾倒させた状態を示す正面図である。
【図15】従来のアースドリル工法において杭孔からケーシングを抜取る状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1ないし図11は、この発明の実施の形態1を示している。図1は、ケーシング101またはケーシング102を地中から引抜くためのケーシング引抜装置1の全体を示している。図1においては、ケーシング101とケーシング102は、同心状に埋設されている状態を示しているが、ケーシング引抜装置1の直下には、実際は一つのケーシングのみが埋設されている。この発明の実施の形態1においては、一つのケーシング引抜装置1で種々の大きさのケーシングを引抜くことができるので、図1ないし図6においては、例えば2つのケーシング101、102を図示している。
【0023】
ケーシング101、102は、下方が地中に埋設され上部が地表Gから突出している。図2に示すように、ケーシング101は外径がD1に設定されており、ケーシング102は外径がD1よりも大であるD2に設定されている。ケーシング引抜装置1は、地表Gから突出するケーシング101、102の直上に配置可能となっており、例えば外径がD1〜D2までの大きさのケーシングを引抜くことが可能となっている。
【0024】
ケーシング引抜装置1は、主として横フレーム10と、縦フレーム19と、ベース21と、油圧シリンダ31と、油圧ユニット40と、吊り具61を有している。横フレーム10は、水平方向に延びる主ビーム11を有している。主ビーム11は、図5に示すように、断面形状がI型に形成されている。主ビーム11の両側面部は、複数のリブ11aによって補強されている。主ビーム11の左右方向の両端面には、第1の保持板12が固定されている。第1の保持板12の上端部には、垂直荷重を受け止めるための段差部12aが形成されている。第1の保持板12の下部は、主ビーム11の下端面よりも下方に延びている。主ビーム11の下面には、所定の間隔をもって第1の保持板12と対向する位置に第2の保持板13が固定されている。
【0025】
主ビーム11の上面には、第1の吊り板14aと、第2の吊り板14bと、第3の吊り板14cが固定されている。第3の吊り板14cは、主ビーム11の左右方向の中央部に配置されている。第2の吊り板14bは、第3の吊り板14cを中心として左右にそれぞれ配置されている。第1の吊り板14aは、第3の吊り板14cを中心として左右にそれぞれ配置されており、第2の吊り板14bよりも外側に配置されている。第1の吊り板14aは、外径の大きなケーシングD2を引抜き際に用いられ、第2の吊り板14bは、外径が小であるケーシングD1を引抜き際に用いられる。中央に位置する第3の吊り板14cは、ケーシング引抜装置1自体を吊上げて移動させる際に用いられる。
【0026】
各吊り板14a〜14cには、ワイヤーロープ70の端部に取り付けられたシャックルなどの連結具71と連結するための連結孔14dが形成されている。一対の吊り板14a、14aの主ビーム11の上面に対する取り付け角度は、ワイヤーロープ70の主ビーム11の上面に対する角度と同一になるように設定されている。すなわち、ワイヤーロープ70によって主ビーム11が吊上げられる際に、過度の曲げ荷重が作用しないように取付け角度がワイヤーロープ70の吊り角度と一致するように、主ビーム11に固定されている。
【0027】
また、吊り板14b、14bの取り付け角度は、吊り板14aに使用するワイヤーロープ70と同一寸法のワイヤーロープ70を使用した際に、取付け角度がワイヤーロープ70の吊り角度と一致するように、主ビーム11に固定されている。ここで、吊り板14aと吊り板14bを吊り上げるロープの寸法を2種類にすると、ワイヤーロープの吊り角度と吊り板の取り付け角度とが一致しないワイヤーロープを間違ってセッティングしてしまう恐れがある。1種類のワイヤーロープを使用することで、ワイヤーロープの誤使用を防止できる。そして、主ビーム11の左右方向中央部における側面には、主ビーム11の上下方向の傾きを表示する水準器18が取り付けられている。
【0028】
横フレーム10は、縦フレーム19と油圧シリンダ31とを連結するための端部金具15を有している。図3に示すように、端部金具15は、第1の連結板16と第2の連結板17を有している。第1の連結板16および第2の連結板17は、主ビーム11のウエブを中心として主ビーム11の幅方向両側にそれぞれ配置されている。第1の連結板16は、上下方向に延びており、第2の連結板17は水平方向に延びている。第1の連結板16と第2の連結板17は、端部補強板16aと中間部補強板16bとによって連結されている。1枚の板である第1の連結板16は、第1の保持板12にボルト(図示略)を介して連結されている。図5に示すように、第1の連結板16には、主ビーム11を中心として右側および左側に軽減孔16cが形成されている。
【0029】
ここで、第1の連結板16の上端部は、第1の保持板12の段差部12aと上下方向に係合している。これは、ケーシング101またはケーシング102の引抜き時に、第1の連結板16の第1の保持板12との締結部に大きな剪断力が作用するが、第1の連結板16と第1の保持板12とを垂直方向に係合させることにより、第1の保持板12と第1の連結板16との連結強度を高めることができる。
【0030】
横フレーム10の端部金具15の下部には、一対の縦フレーム19が連結されている。各縦フレーム19は、主ビーム11のウエブを中心として主ビーム11の幅方向両側にそれぞれ配置されている。縦フレーム19は、下方に延びる円筒状の金属部材から構成されている。縦フレーム19は、上端部に固定板19aを有しており、固定板19aを端部金具15の第2の連結板17にボルト(図示略)で締結することにより、横フレーム10と一体化されている。縦フレーム19は、軸心が中間部補強板16bとほぼ一致するように端部金具15に連結されており、これにより縦フレーム19の横フレーム10に対する連結強度が高められている。
【0031】
横フレーム10の左右両端部側には、ベース21がそれぞれ配置されている。ベース21は、ガイド部22と、下部連結板23と、下部ベース板24と、側部ベース板25と、補強板26を有している。ガイド部22は、上方に延びる筒状の金属部材から構成されている。ガイド部22は、縦フレーム19の内側に進入可能となっており、外周面が縦フレーム19の内周面と摺動可能となっている。ガイド部22の下端部には、下部連結板23が固定されている。下部連結板23は、ボルト(図示略)を介して下部ベース板24と連結されている。下部ベース板24は、水平方向に延びており、下面が地表Gと接触可能となっている。下部ベース板24におけるケーシング101、102と対向する端部には、上下方向に延びる側部ベース板25が設けられている。側部ベース板25は、補強板26を介して下部ベース板24と連結されている。下部ベース板24の底面は、ケーシング101、102を地中から引抜きために必要な面積を有しており、下部ベース板24の底面全体が地表Gに対して接触可能となっている。
【0032】
横フレーム10の左右両端部側には、油圧シリンダ31がそれぞれ配置されている。油圧シリンダ31は、ロッド33の上端部に位置する先端金具34が連結ピン35を介して横フレーム10の端部金具15に連結されている。すなわち、端部金具15の左右の端部補強板16aには、連結ピン35が挿入されており、油圧シリンダ31の先端金具34は連結ピン35を介して端部金具15と連結されている。油圧シリンダ31のロッド33は、シリンダ本体32に移動可能に嵌合されている。ロッド33は、シリンダ本体32内に供給される圧油によって軸方向に移動可能となっている。シリンダ本体32の下端部32aは、ベース21の下部ベース板24に固定されている。このように、油圧シリンダ31は、先端金具34と連結ピン35によって横フレーム10の軸方向に対し揺動可能に連結されており、横フレーム10が例えば上下方向に傾いたとしても、油圧シリンダ31には過大な曲げ荷重が作用しないようになっている。
【0033】
図9は、油圧シリンダ31を駆動させるために油圧回路を示している。図9に示すように、油圧シリンダ31は、油圧ユニット40から供給されるオイル(圧油)によって駆動される。実施の形態1においては、油圧ユニット40は、ケーシング引抜装置1に対して所定の距離だけ離れた地表G側に配置されており、油圧ユニット40とケーシング引抜装置1は、油圧ホース(図示略)を介して接続されている。
【0034】
油圧ユニット40は、オイルを貯留するオイルタンク41を有している。オイルタンク41内には、ストレーナ(フィルタ)42が設けられている。ストレーナ42には、油圧ポンプ44が接続されている。油圧ポンプ44は、モータ43によって回転駆動される。油圧ポンプ44の下流側に位置する管路Y1には、管路Y1内の圧力が所定以上になった際に、管路Y1内の一部のオイルをオイルタンク41側に逃がすリリーフ弁45が接続されている。管路Y1の下流側には、手動式の方向切替弁46が接続されている。方向切替弁46の一方のポートには、管路Y2が接続されている。方向切替弁46の他方のポートには、管路Y3が接続されている。
【0035】
この実施の形態1においては、油圧ユニット40とケーシング引抜装置1とを分離可能にするため、各管路を容易に接続または切り離すことができる接続具(クイックジョイント)を採用している。すなわち、管路Y2には、接続具47、51を介して管路Y4が接続されている。同様に、管路Y3には、接続具48、52を介して管路Y5が接続されている。接続具47、51は、互いに接続状態にある場合はオイルの流れを許容する機能を有しており、切り離した場合はオイルの流れを阻止する機能を有している。同様に、接続具48、52は、互いに接続状態にある場合はオイルの流れを許容する機能を有しており、切り離した場合はオイルの流れを阻止する機能を有している。このように、油圧ユニット40とケーシング引抜装置1とを分離した状態では、管路Y2〜Y5からのオイルの漏れが回避できるようになっている。
【0036】
管路Y4には、接続具51の他に接続具55が接続されている。ここで、接続具51は、左側の油圧シリンダ31側に設けられており、接続具55は右側の油圧シリンダ31側に設けられている。同様に、管路Y5には、接続具52の他に接続具56が接続されている。接続具52は、左側の油圧シリンダ31側に設けられており、接続具56は右側の油圧シリンダ31側に設けられている。接続具55は、油圧ユニット40側の接続具47と接続可能となっており、接続具56も油圧ユニット40側の接続具48と接続可能となっている。このように、油圧ユニット40側からのオイル供給は、ケーシング引抜装置1の右側または左側のいずれからも可能であり、現場作業における最適な方向からのオイル供給が可能となっている。
【0037】
接続具51の下流側には、仕切り弁53、57が設けられている。仕切り弁53は、管路Y6を介して左側の油圧シリンダ31に接続されている。仕切り弁57は、管路Y8を介して右側の油圧シリンダ31に接続されている。接続具52の下流側には、仕切り弁54、58が設けられている。仕切り弁54は、管路Y7を介して左側の油圧シリンダ31に接続されている。仕切り弁58は、管路Y9を介して右側の油圧シリンダ31に接続されている。左側の油圧シリンダ31は、仕切り弁53、54により右側の油圧シリンダ31に対して独立して駆動可能となっている。同様に、右側の油圧シリンダ31は、仕切り弁57、58により左側の油圧シリンダ31に対して独立して駆動可能となっている。
【0038】
管路Y7には、管路Y7内の圧力を測定する荷重計59が設けられている。管路Y9には、管路Y9内の圧力を測定する荷重計60が設けられている。荷重計59、60は、油圧を荷重に換算する目盛が付与されている。すなわち、実施の形態1においては、オイルの圧力と油圧シリンダ31の径に基づき、ケーシング101またはケーシング102を地中から引抜く際の荷重が荷重計59、60を介して把握することができる。
【0039】
横フレーム10の左右両端側には、地表Gから突出するケーシング101またはケーシング102の上部と連結可能な吊り具61が保持されている。吊り具61は、図7、8に示すように、保持軸62と、座金63と、第1のアーム64と、第1の連結ピン66と、第2のアーム67と、第2の連結ピン68と、ストッパーピン69を有している。保持軸62は、主ビーム11側の各保持板12、13に保持されている。保持軸62には、各保持板12、13に対する保持軸62の軸方向の動きを規制する座金63が取り付けられている。保持軸62には、第1のアーム64が取り付けられている。第1のアーム64は、保持軸62の軸心を中心として主ビーム11の軸方向と直交する方向に揺動可能となっている。また、第1のアーム64は、保持軸62の軸方向に移動可能であり、ケーシング101またはケーシング102の外径に応じた位置に静止可能となっている。
【0040】
第1のアーム64には、第1の連結ピン66を介して第2のアーム67が連結されている。第2のアーム67は、第1の連結ピン66の軸心を中心として主ビーム11の軸方向と直交する方向に揺動可能となっている。第2のアーム67の下端部には、第2の連結ピン68が取り付けられている。第2の連結ピン68は、ケーシング101またはケーシング102に形成された連結孔(図示略)に挿入可能となっている。第2のアーム67には、ストッパーピン69が設けられている。ストッパーピン69は、第1の連結ピン66と第2の連結ピン68との間に位置しており、ケーシング102の上端面102aと接触可能となっている。
【0041】
ストッパーピン69の外周面側には、ケーシング102に対する第2のアーム67の揺動角θを調整するためのリング状のカラー69aが装着可能となっている。吊り具61は、ケーシング102に揺動可能に連結されることで、クレーン80によって地表G側から離れた位置まで吊上げられたケーシング102を傾倒させることが可能となっている。そして、ケーシング102を完全に傾倒させた状態では、ケーシング102の上端面102aと横フレーム10の主ビーム11との間には、隙間H1または隙間H2が形成されるようになっている。ストッパーピン69の外周面側にカラー69aを装着した状態では、図7に示すように、ケーシング102に対する第2のアーム67の揺動角はθ1となる。また、ストッパーピン69からカラー69aを取外した状態では、図8に示すように、ケーシング102に対する第2のアーム67の揺動角はθ2となる。
【0042】
つぎに実施の形態1におけるケーシング引抜装置1の使用方法および作用について説明する。
【0043】
図10は、ケーシング引抜装置1によりケーシング102の引抜き作業を示している。図10(a)に示すように、まずケーシング引抜装置1の横フレーム10にワイヤーロープ70を連結し、ワイヤーロープ70の上部をクレーン80のフック81に引っ掛ける。つぎに、クレーン80の吊上げロープ82を巻き上げ装置で巻き取ることにより、ケーシング引抜装置1を地表Gから吊上げ、ケーシング引抜装置1をケーシング102が埋設されている所定の位置に降ろす。
【0044】
図10(b)は、ケーシング引抜装置1を所定の位置に着地させた状態を示している。この状態では、ケーシング引抜装置1はケーシング102を跨いでおり、横フレーム10はケーシング102の直上に位置している。ここで、ケーシング102の周囲の地表Gの一部に段差G1が生じているので、右側の油圧シリンダ31のみを伸長させ、横フレーム10の姿勢を水平状態に修正する。先ず、方向切替弁46をニュートラルの位置に保持したまま、左側の油圧シリンダ31を操作する仕切り弁53、54を閉じるとともに、右側の油圧シリンダ31を操作する仕切り弁57、58を開いた状態にする。そして、水準器18を目視で確認しながら方向切替弁46を操作し、管路Y9に圧油が供給されるように方向切替弁46の流路を切替える(図9では左側に切替)。この方向切替弁46の操作を徐々に行うことにより、油圧シリンダ31の上昇を緩やかに行える。ここで、方向切替弁46を手動式でなく電磁式にすると共にリモコンで操作可能にすれば、水準器18の直前で操作できるため横フレームの水平調整作業が容易である。
【0045】
その後、吊り具61を矢印F方向(図1を参照)に移動し、吊り具61を所定の位置に静止させた状態で、第2の連結ピン68をケーシング102の連結孔(図示略)に挿入し、吊り具61とケーシング102との連結を行う。
【0046】
このように、左右の油圧シリンダ31は、図9の油圧回路の制御により独立して駆動可能であるので、地表Gに段差G1が生じている場合でも、横フレーム10を水平に維持することができ、ケーシング102を真上に引抜くことができる。通常、地表Gに大きな段差G1がある場合は、左右の油圧シリンダ31のいずれかのベース21側に敷物を介在させて横フレーム10を水平にする必要があるが、油圧シリンダ31は油圧回路の制御により独立して駆動可能であるので、敷物を介在させる必要がなく、作業能率を高めることができる。
【0047】
つぎに、吊り具61とケーシング102との連結を完了させて、仕切り弁53、54、57、58を開く。そして、方向切替弁46内の流路をニュートラルから管路Y7、Y9へ圧油を供給する側に切り替えて(図では左側に切替)、図10(c)に示すように、左右の油圧シリンダ31を伸長させる。これにより、ケーシング102は杭孔105から引き上げられ、ケーシング102が地中から縁切りされることになる。当然であるが、この引き抜き量は油圧シリンダ31のストローク長を最大とする。ケーシング102が杭孔105から引抜かれる際の引抜き荷重は、荷重計59、60によって読み取ることがでる。ケーシング102が杭孔105の内壁面に強固に固着している場合は、ケーシング102の引抜き荷重は増加することになり、横フレーム10には大きな荷重が作用することになるが、これをリアルタイムに読み取ることができるため、荷重の掛け過ぎを阻止することもできる。
【0048】
ここで、左右の油圧シリンダ31の少なくとも上端部が横フレーム10に対し揺動可能に連結されているので、ケーシング102が杭孔105の内壁面に強固に固着している場合でも、油圧シリンダ31に過大な曲げ荷重が作用するのを回避することができ、油圧シリンダ31の損傷を防止することができる。また、筒状の縦フレーム19はベース21の筒状のガイド部22と摺動可能に嵌合されるので、ケーシング102が左右均一に抜けない場合でも、横フレーム10の姿勢が不安定になるのを防止することができる。すなわち、縦フレーム19とガイド22部は、いずれも筒状に形成されているので、曲げ荷重に対する抗力を大に確保することができ、ケーシング102を引抜く際に横フレーム10が不安定な姿勢となるのを回避することができ、ケーシング102を安全に引抜くことが可能となる。
【0049】
油圧シリンダ31による引抜が完了したら、管路Y6、Y8へ圧油を供給する側に方向切替弁46の流路を切替えて(図では右側に切替)、両方の油圧シリンダ31を収縮させ、ケーシング引抜装置1のベース21を地表Gから上昇させる。ケーシング102が地中から縁切り(ケーシング102と杭孔105との固着状態の解消)された状態では、ケーシング102と杭孔105の内壁面との摩擦抵抗が小となっているので、ケーシング引抜装置1に変えてクレーン80により、引き続きケーシング102の引抜を行う。この際、クレーン80はケーシング102を吊った状態のケーシング引抜装置1を吊り上げることになる。これにより、図10(d)に示すように、ケーシング102は、クレーン80によって杭孔105から完全に引抜かれる。
【0050】
図11は、杭孔105から引抜かれたケーシング102を地表G側において傾倒させる手順を示している。図11(a)は、クレーン80によってケーシング102を地表G側に引抜いた状態を示している。つぎに、図11(b)に示すように、ケーシング102の下端を地表G側に設けられた受け台106に載せた状態でケーシング引抜装置1を横方向に移動させることにより、ケーシング102を受け台106を中心として傾倒させる。そして、ケーシング102が完全に横倒しとなった状態では、ケーシング102の上部が別の受け台107によって受け止められる。図7は、ケーシング102を横倒した状態における吊り具61とケーシング102との関係を示している。図7に示すように、この状態では、ストッパーピン69に装着されたカラー69aがケーシング102の上端面102aに当接するので、主ビーム11とケーシング102の上端面102aとの間の距離はH1に保たれ、主ビーム11とケーシング102の上端面102aとの干渉が防止される。
【0051】
ここで、図7のように、ストッパーピン69にカラー69aを装着した場合の第2のアーム67の揺動角はθ1となる。また、図8に示すように、ストッパーピン69からカラー69aを取外した場合は、揺動角θ2は図7の揺動角θ1よりも大となる。その後、クレーン80によってケーシング引抜装置1を地表G側に着地させる。
【0052】
実施の形態1においては、各吊り板14a、14bの主ビーム11の上面に対する取り付け角度は、ワイヤーロープ70の主ビーム11の上面に対する角度と同一になるように設定されているので、ワイヤーロープ70によって主ビーム11が吊上げられる際に、各吊り板14a、14bには過度の曲げ荷重が作用しなくなり、吊り板14a、14bの耐久性を高めることができる。また、油圧シリンダ31のシリンダ本体32をベース21に固定しているので、従来技術(特開平9−111763号公報)のように、ロッドを地表側に配置する場合に比べて、ケーシング引抜装置1の重心位置を低くすることができ、特に保管時の安定性を高めることができる。
【0053】
(実施の形態2)
図12ないし図14は、この発明の実施の形態2を示している。実施の形態2が実施の形態1と異なるところは、吊り具61の構成のみであり、その他の部分は実施の形態1に準じるので、準じる部分に実施の形態1と同一の符号を付すことにより、準ずる部分の説明を省略する。
【0054】
実施の形態1においては、合計2本の第2の連結ピン68によってケーシング102と連結するようにしていたが、実施の形態2においては、合計4本の第2の連結ピン75を用いてケーシング102を引抜くようにしている。これは、吊り穴102bが一つである場合は、ケーシング102の吊り穴102bの周囲に過大な荷重が作用し、ケーシング102が破損するおそれがあるからである。すなわち、ケーシン102が小径である場合は、ケーシング102の肉厚も薄くなり、ケーシング102を引抜く際に1個の吊り穴102bの周囲に荷重が集中してケーシング102が破損するおそれがあるため、吊り具61に2つの第2の連結ピン75を設け、合計4本の第2の連結ピン75を用いてケーシング102を引抜くようにしている。
【0055】
図12に示すように、第2のアーム64には第1の連結ピン66を介して一対のブラケット70が揺動自在に連結されている。一対のブラケット70は、下端が連結板72を介して連結されている。また、一対のブラケット70は、上下方向の中間部が補強板71を介して連結されている。連結板72には、2本のボルト74が回動自在に挿入されている。各ボルト74の頭部は、連結板72に対して軸方向に係合している。各ボルト74のネジ側には、第2のアーム73がそれぞれ連結されている。第2のアーム73は、ボルト74を介して連結板72に回動自在に保持されている。
【0056】
第2のアーム73には、連結穴73aが形成されており、連結穴73aには第2の連結ピン75が挿入可能となっている。吊り具61における2つの第2の連結ピン75は、ケーシング102の2つの吊り穴102bにそれぞれ挿入可能となっている。第2の連結ピン75の先端部には、抜止め用のナット75aが螺合可能となっている。
【0057】
このように構成された実施の形態2においては、1つの吊り具61に2本の第2の連結ピン75を用いているので、ケーシン102が小径で肉厚が薄い場合であっても、引抜く際の荷重を分散させることができ、ケーシング102が破損するのを防止することができる。また、図14に示すように、ケーシング102を傾倒させた状態では、主ビーム11とケーシング102の上端面102aとの間には、隙間H3が形成され、主ビーム11とケーシング102の上端面102aとの干渉を防止することができる。
【0058】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1においては、油圧シリンダ31を駆動するための油圧ユニット40を地表G側に配置したが、油圧ユニット40を地表G側ではなくクレーン80側に搭載する構成としてもよい。これにより、クレーン80側での油圧回路の操作が可能となり、作業能率を高めることが可能となる。また、油圧ユニット40に代えてクレーン80側の油圧機器を駆動する油圧発生源を利用して油圧シリンダ31を駆動する構成としてもよい。
【0059】
また、実施の形態1においては、上端部のみ横フレーム10に対し揺動可能に連結される構成としたが、下端部もベース21側に揺動可能に連結する構成としてもよい。さらに、水準器18を電気的に傾きを検出する構成とし、水準器18からの電気信号に基づき各油圧シリンダ31を制御して横フレーム10の傾斜を自動的に修正する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 ケーシング引抜装置
10 横フレーム
11 主ビーム
18 水準器
19 縦フレーム
21 ベース
22 ガイド部
31 油圧シリンダ
32 シリンダ本体
33 ロッド
34 先端金具(上端部)
40 油圧ユニット
44 油圧ポンプ
46 方向切替弁
59 荷重計
60 荷重計
61 吊り具
64 第1のアーム
67 第2のアーム
80 クレーン
101 ケーシング
102 ケーシング
105 杭孔
G 地表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方が地中に埋設され上部が地表から突出するケーシングの直上に配置可能で吊上げ可能な水平方向に延びる横フレームと、
前記横フレームの左右両端部にそれぞれ設けられ下方に延びる筒状の縦フレームと、
前記横フレームの左右両端部側にそれぞれ配置され前記縦フレームと上下方向に摺動可能に嵌合される筒状のガイド部を有し下端部が地表に接触可能なベースと、
前記横フレームの左右両端部側にそれぞれ配置され、少なくとも上端部が前記横フレームに揺動可能に連結されるとともに下端部が前記ベースに連結され、伸縮により前記ベースに対して前記横フレームと縦フレームとを上下方向に駆動する油圧シリンダと、
前記横フレームに保持され地表から突出する前記ケーシングの上部と連結可能な吊り具と、
を備えたことを特徴とするケーシング引抜装置。
【請求項2】
前記各油圧シリンダは、油圧回路の制御により独立して駆動可能であることを特徴とする請求項1に記載のケーシング引抜装置。
【請求項3】
前記横フレームには、該横フレームを吊上げるためのワイヤーロープと連結可能な複数の吊り板が取り付けられており、前記各吊り板の取り付け角度は前記ワイヤーロープの吊り角度と同一に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のケーシング引抜装置。
【請求項4】
前記吊り具は、前記横フレーム側に揺動可能に連結される第1のアームと、該第1のアームと揺動可能に連結されるとともに前記ケーシングに連結可能な第2のアームを有しており、地表側から離れた位置まで吊上げられた前記ケーシングを傾倒させた状態で前記ケーシングの上端面と前記横フレームとの間に隙間が形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のケーシング引抜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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