説明

ケージのトイレ構造

【目的】 洗浄するスノコ及びトレーの中継となる予備のスノコ及びトレーを円滑に用意できる構成を提供するものである。
【構成】 ケージ1の床2に半円形状の第1スノコ3を設け、第1スノコ3の下部に第1スノコ3を収納する半円形状の第1トレー4を設け、ケージ1の外部に半円形状の第2スノコ5を設け、第2スノコ5の下部に第2スノコ5を収納する半円形状の第2トレー6を設け、第2スノコ5及び第2トレー6は第1スノコ3及び第1トレー4と対称に配置し、第1トレー4及び第2トレー6を収納する円板7を設け、円板7の下部に台座8を設け、円板7の中心に第1軸9を固着し、台座8に第1軸9の下端を受ける第1軸受け10を設けるトイレ11を構成し、円板7の側面12に手を宛てがい円板7を回転させる様にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はケージに設けるトイレに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケージにスノコを設け、スノコを収納するためのトレーを設けるトイレを構成するもの、或いはトレーをケージに対して着脱できる様にしたものがある。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のトイレのものはスノコを収納するためのトレーを設け、トレーを引き出し式によりケージ対して着脱できる構成である。この構成によりスノコ及びトレーを洗浄する際はトレーをケージから分離することになるが、この状況下のケージ内のトイレの箇所は床が欠如した状態になる。つまり、この状況下のトイレの箇所に飼育動物が至近すれば転倒の危険が懸念される。又、この危険防止のためには洗浄するスノコ及びトレーの中継となる予備のスノコ及びトレーを用意する必要がある。
本発明は洗浄するスノコ及びトレーの中継となる予備のスノコ及びトレーを円滑に用意できる構成を提供することで転倒の危険防止を図ると共に、常に清潔な状態のトイレが実現できる様にする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ケージ1の床2に半円形状の第1スノコ3を設け、第1スノコ3の下部に第1スノコ3を収納する半円形状の第1トレー4を設け、ケージ1の外部に半円形状の第2スノコ5を設け、第2スノコ5の下部に第2スノコ5を収納する半円形状の第2トレー6を設け、第2スノコ5及び第2トレー6は第1スノコ3及び第1トレー4と対称に配置し、第1トレー4及び第2トレー6を収納する円板7を設け、円板7の下部に台座8を設け、円板7の中心に第1軸9を固着し、台座8に第1軸9の下端を受ける第1軸受け10を設けるトイレ11を構成し、円板7の側面12に手を宛てがい円板7を回転させる様にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
円板7の下部に台座8を設け、円板7の中心に第1軸9を固着し、台座8に第1軸9の下端を受ける第1軸受け10を設ける構成により第1トレー4及び第2トレー6を収納する円板7は第1軸9を中心に回転することができる。つまり、ケージ1内の第1スノコ3及び第1トレー4が排泄物により汚れてきた際は側面12を操作して円板7を半回転することで床2に第2スノコ5及び第2トレー6が配置されることになる。この時点においては第1スノコ3及び第1トレー4はケージ1外にあることで第1スノコ3及び第1トレー4をケージ1から分離できる状態になる。その後において第1スノコ3及び第1トレー4は洗浄を行う場所へ移動する様にし、洗浄後において第1スノコ3及び第1トレー4はケージ1外にある所定の箇所、つまり、洗浄のために摘出した時の箇所に戻される。
以上の様にして円板7が第1軸9により円滑な動作を呈して第1トレー4又は第2トレー6は交互にケージ1外に排出される度に洗浄作業に移行することになり、同時に予備の第1トレー4又は第2トレー6がケージ1内に容易に供給されてトイレ11は常に清潔な状態が保たれる。併せて、トイレ11の箇所には常に第1スノコ3又は第2スノコ5が存在し、床が欠如した状態が無いために安全である。なお、図1においては設置箇所の表記の必要性から第1軸9及び第1軸受け10を円板7から透視させ、第1軸9は点線により表記し、又、第1軸受け10は実線により表記している。
【実施例】
【0006】
又、トイレ11に透過できない素材から成る囲い状の第1壁13を設け、これにより第1壁13はトイレ11の存在を周囲から遮蔽し、飼育動物は周囲の気配を感じること無く排泄することができる。この観点からは第1壁13を覆う屋根14を設けることも適切である。なお、屋根14の真上から排泄状況を確認する目的により屋根14の素材は半透過性のものが良好である。
又、円板7の直径はケージ1の一辺を担う壁の間口程を有する様にする。
又、第1壁13以外のケージ1の周囲を囲う第2壁15は通気性に優れる金網類が適切である。なお、図1においては天井に設ける金網の記載は省略して、床2の状況が明瞭に把握できる様にしている。
又、図1に示す様に円板7の側面12は台座8よりも手前に突出して配置することの方が操作性に優れるが、そのための構成を図2に示すものである。つまり、円板7の底に台座8に収まる程度の範囲で、且つ、円板7の同心円に沿う複数の車輪16を設け、これにより突出した側面12を操作して円板7を台座8上で安定的に回転させることができる。なお、図2においては車輪16を4輪均等に配置するが、正面に位置する車輪16及び、背面に位置する車輪16の記載は省略して、第1軸9及び第1軸受け10の状況が明瞭に把握できる様にしている。
又、図3に示すものは第1トレー4及び第2トレー6の分岐上にある円板7の直径に第3壁17を設け、円板7及び第3壁17が一体で第1軸9を中心に回転する様にするものである。つまり、ケージ1内の第1スノコ3及び第1トレー4が排泄物により汚れてきた際は側面12を操作して円板7を半回転することになるが、同時にケージ1内にあった第3壁17の壁面が半回転して側面12を操作する者と対面する状況になる。これにより第3壁17の壁面の付着物を手前から拭き取ることが可能になる。
又、図1に示す囲い状の壁の構成にする目的により囲い状の壁の縁に相当する第4壁18を設ける様にする。この第4壁18は床2上の固定型の壁である。なお、図3においては第2壁15の表記は為されないが、第3壁17及び第4壁18以外のケージ1の周囲を囲う第2壁15は通気性に優れる金網類が適切である。
又、ケージ1外の第3壁17の壁面の前面空間及び、ケージ1外の円板7の上面空間を覆うカバー19を設ける。つまり、側面からはL字形状に見えるカバー19は洗浄後の衛生管理の徹底を図るためのものであるが、カバー19の表面に穴20を網羅することでカバー19の装着状態においての洗浄後の第1スノコ3及び第1トレー4又は、第2スノコ5及び第2トレー6、或いは洗浄後の第3壁17の壁面に付着した水滴の乾燥促進を図る様にする。
又、カバー19とケージ1との固定手段としてはカバー19側に設ける第1スライド部21がケージ1側に設ける第2スライド部22と噛み合う様にすると共に、カバー19側に設ける凸部23がケージ1側に設ける凹部24と噛み合う様にする。
又、図4に示す様に円板7及び第3壁17の中心を貫通する第1軸9を設けて第3壁17に第1軸9を固着し、円板7の下部に設ける台座8に第1軸9の下端を受ける第1軸受け10を設け、第3壁17の上部に設けるフレーム25に第1軸9の上端を受ける第1軸受け10を設け、第1軸9はフレーム25に設ける第1軸受け10を貫通させ、第1軸9の端部にハンドル26を設けることでハンドル26を操作して円板7及び第3壁17が一体で第1軸9を中心に回転する様にする。なお、ハンドル26を設ける構成により図1の様な円板7の側面12を台座8よりも手前に突出して配置するという手段は不要になる。
又、第3壁17の両側に設ける第4壁18上部のフレーム25に第3スライド部27を設け、第3スライド部27が屋根14と噛み合う様にすることで屋根14がスライドにより開閉する構成にして上方向からトイレ11周囲の洗浄ができる様にする。なお、図4においては第1軸9及び第1軸受け10を透視して示すと共に、図2と同様に正面に位置する車輪16及び、背面に位置する車輪16の記載は省略して、第1軸9及び第1軸受け10の状況が明瞭に把握できる様にしている。
又、図5に示すものは円板7の直径に設ける第3壁17は円板7の中心を起点に直径の中程から曲折させて円板7内に囲い状の壁を形成し、第3壁17と対称に配置される囲い状の第5壁28を設け、円板7の下部に台座8を設け、第3壁17及び第5壁28の上部にフレーム25を設け、円板7の中心及び、第3壁17と第5壁28との間を貫通する第1軸9を設けて第3壁17及び第5壁28に第1軸9を固着し、台座8に第1軸9の下端を受ける第1軸受け10を設け、フレーム25に第1軸9の上端を受ける第1軸受け10を設ける構成にすることで、第3壁17又は第5壁28のコーナーにおける第1スノコ3又は第2スノコ5の面積が確保できる様にするものである。
又、第3壁17又は第5壁28の囲い状の壁の縁に相当する部位の延長上にあり、第3壁17又は第5壁28と繋がらない第6壁29を床2上に設ける様にする。この第6壁29は第3壁17又は第5壁28と同様に透過できない素材により造作すると共に、ケージ1の周囲を囲う第2壁15に繋がる様にする。
又、図5においては円板7の側面12は台座8よりも両側面に突出して配置し、両手を宛てがい円板7を回転させる操作を行う様にしている。
又、図5においてはケージ1内の第3壁17又は第5壁28を覆う屋根14は屋根14に設ける第2軸30と第6壁29に設ける第2軸受け31により構成し、屋根14が第2軸30を中心に回転することで開閉する様にしている。
【発明の効果】
【0007】
(a) 本発明の構成により飼育動物に対する安全性を確保しつつ、トイレ11の衛生状態を良好に維持することができる。
(b) ケージ1外に飼育動物を移動させること無くトイレ11を洗浄できる構成により手間が掛からない。或いは洗浄の際にケージ1内の飼育動物に接近することが無いために飼育動物にストレスを与える懸念が無い。
(c) 従来のものは洗浄の際のトレーの出し入れをケージに対して前後の着脱行為により行うのに対して、本発明のものはトレーの出し入れをケージ1外において上下の着脱行為により行うために作業効率を高めることができる。併せて、本発明のものは中継となる予備のトレーを円滑に用意することができる。以上、(a)から(c)の3事項により快適なペットライフを過こすことができる。
(d) 飼育動物にトイレ11の箇所を自習させるためにはある程度の匂いの籠もりは残留させるべきであるが、このために囲い状の第1壁13又は、第3壁17及び第4壁18の併用、或いは円板7内に設ける囲い状の第3壁17又は第5壁28を活用することができる。なお、屋根14がスライドにより開閉する構成、或いは屋根14に第2軸30を設けて開閉する構成により上方向からのトイレ11周囲の洗浄と共に、匂いの残留の度合いの調整が可能になる。
(e) 円板7の直径はケージ1の一辺を担う壁の間口程を有する様にすることである程度広範囲のトイレ11のエリアが確保できるために例えば老齢及び、病弱の飼育動物に見受けられるトイレ11の箇所の自覚認識度の低下傾向に対処することができる。
(f) 例えばウサギはトイレ11から出る際に蹴りにより排泄物を飛散させる状況があるが、これに直面するケージ1内の第3壁17又は第5壁28をケージ1外から容易に洗浄できる様にした構成は便利である。
(g) 第3壁17又は第5壁28により円板7内に囲い状の壁を形成することでコーナーにおける第1スノコ3又は第2スノコ5の面積が確保できるために例えばケージ1のコーナーに排泄する性癖がある飼育動物にも対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平面図
【図2】 円板7周辺を示す透視側面図
【図3】 第3壁17周辺を示す平面図
【図4】 第3壁17の正面図
【図5】 図3の実施例を示す平面図
【符号の説明】
1 ケージ 2 床 3 第1スノコ
4 第1トレー 5 第2スノコ 6 第2トレー
7 円板 8 台座 9 第1軸
10 第1軸受け 11 トイレ 12 側面
13 第1壁 14 屋根 15 第2壁
16 車輪 17 第3壁 18 第4壁
19 カバー 20 穴 21 第1スライド部
22 第2スライド部 23 凸部 24 凹部
25 フレーム 26 ハンドル 27 第3スライド部
28 第5壁 29 第6壁 30 第2軸
31 第2軸受け

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケージ(1)の床(2)に半円形状の第1スノコ(3)を設け、第1スノコ(3)の下部に第1スノコ(3)を収納する半円形状の第1トレー(4)を設け、ケージ(1)の外部に半円形状の第2スノコ(5)を設け、第2スノコ(5)の下部に第2スノコ(5)を収納する半円形状の第2トレー(6)を設け、第2スノコ(5)及び第2トレー(6)は第1スノコ(3)及び第1トレー(4)と対称に配置し、第1トレー(4)及び第2トレー(6)を収納する円板(7)を設け、円板(7)の下部に台座(8)を設け、円板(7)の中心に第1軸(9)を固着し、台座(8)に第1軸(9)の下端を受ける第1軸受け(10)を設けるトイレ(11)を構成するケージのトイレ構造。
【請求項2】
ケージ(1)の床(2)に半円形状の第1スノコ(3)を設け、第1スノコ(3)の下部に第1スノコ(3)を収納する半円形状の第1トレー(4)を設け、ケージ(1)の外部に半円形状の第2スノコ(5)を設け、第2スノコ(5)の下部に第2スノコ(5)を収納する半円形状の第2トレー(6)を設け、第2スノコ(5)及び第2トレー(6)は第1スノコ(3)及び第1トレー(4)と対称に配置し、第1トレー(4)及び第2トレー(6)を収納する円板(7)を設け、第1トレー(4)及ひ第2トレー(6)の分岐上にある円板(7)の直径に第3壁(17)を設け、第3壁(17)は円板(7)の中心を起点に直径の中程から曲折させて円板(7)内に囲い状の壁を形成し、第3壁(17)と対称に配置される囲い状の第5壁(28)を設け、円板(7)の下部に台座(8)を設け、第3壁(17)及び第5壁(28)の上部にフレーム(25)を設け、円板(7)の中心及び、第3壁(17)と第5壁(28)との間を貫通する第1軸(9)を設けて第3壁(17)及び第5壁(28)に第1軸(9)を固着し、台座(8)に第1軸(9)の下端を受ける第1軸受け(10)を設け、フレーム(25)に第1軸(9)の上端を受ける第1軸受け(10)を設けるトイレ(11)を構成するケージのトイレ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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