説明

ケーブルの設置

第1の端部(6)と第2の端部(8)とを有する導管中にファイバーユニット(10)を設置するのに関連して使用されるための方法であって、この方法は、第1の端部中に挿入されたファイバーユニットが第2の端部に到達したときを検出するように構成され、ファイバーユニットを第1の端部から導管中に挿入して、このファイバーユニットを第2の端部へと設置する工程と、光源により第1の端部の所からファイバーユニット中に光を導入させる工程と、第1の端部の所で光検出器(32)によりファイバーユニット中の反射光を検出する工程と、ファイバーユニットが第2の端部に達していることを操作者が確認し得るように、反射光の変化を検出する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバーユニット、ワイヤー、又は電気ケーブル等のケーブルを設置することに関する。より詳細には、本発明は、予め敷設された導管中にファイバーユニットのケーブルを圧送することに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバーは、高速情報伝送用の通信システム内に広く使用されている。単一の光ファイバー又は複数の光ファイバーの束からなり得るファイバーユニットは、光ファイバー管を有する保護用の光導管中に一般に設置されている。これら光ファイバー管は、サーフェイスボックス又は検査チャンバ(inspection chambers)のような便利なアクセスポイント間に、通常連続的な範囲のような所望のルートに沿ってすでに敷設されている。
【0003】
これら光ファイバー管は、代表的にプラスチックからなり、代表的に3ないし6mm以上の内径を有し、通常は、保護外装中に一緒に保持された24本以上のチューブからなる束で与えられている。光導管の各光ファイバー管は、1つ以上の個々の光ファイバーを有する少なくとも1つのファイバーユニットを受け入れることができる。多くの光導管並びに光導管の束は、市内交換局と、支局ネットワークシステム内の加入者宅との間のアクセス網並びに供給網全体に渡って予め敷設されている。ファイバー・トゥ・ザ・プレミシーズ(FTTP)の出現により、光導管は、更に、商業施設や住宅地へと広がる。実際に、ほぼ全てのネットワークが、コアネットワークから出来るだけ多くのエンドカスタマーへと延びる光ファイバーを有する例えばUKでは、FTTPの奨励が基本である。これを果たすためには、光ファイバーの設置が、迅速であり、コストと労力を抑える必要がある。
【0004】
非常に多くの場合、専用のルートが、単一の長さの導管チューブで2つのポイント間に示されている。例外的な場合、導管のパスは、物理的に分離しチューブコネクタにより一緒に連続して接続されている複数の長さの導管チューブを有することもできる。一般的な場合、設置時に適切な導管チューブを選択することにより、ファイバーユニットが、他端部に現われる。
【0005】
しかし、ファイバーユニットが適切な目的場所に到達しないという問題が生じている。設置中、操作者には、通常、多くの導管チューブが示され、特に、操作者が、マンホールの下又は光が乏しい悪条件で作業している場合には、適切な導管を特定する際に間違いが起こり得る。このようなことは、導管が、操作者に適切な導管を指示するのを助ける色付きのコードでさえ、生じ得る。
【0006】
また、導管のルートが、操作者により使用される記録に間違って表記され、導管の一端部が、適切な目的場所に案内されない可能性もある。パスが、一緒に連続して接続された複数のチューブ長さを有する場合には、ネットワーク内の所定の長さの導管チューブ間の接続が破損してしまうという別の問題が生じ得る。この結果、ファイバーユニットは、設置中にシステム内で行方不明になってしまい、目的場所に決して現われることがない。また更なる問題としては、設置中のファイバーユニットが、不完全なコネクタ又は急なカーブ又は導管内での幾らかの他の摩擦源により妨げられる可能性があり、再び、目的場所に決して現われない。
【0007】
これら又は他の理由のために、ファイバーユニットは、不適切な場所に現われるか、現われることがない。これに加えて、ファイバーユニットが設置された下流の導管のルートの適切な長さについてはっきりと判らず、操作者は、何らかの異常が生じたときを適宜正確に知ることさえできない。
【0008】
ファイバーユニットを導管中へと設置する1つの方法は、ファイバーユニットを導管中に引くことである。しかし、テンションによる誘導により、ファイバーユニットにダメージが生じ、ファイバーユニットの動作パフォーマンスが損なわれる。知られた別の方法は、「ファイバー圧送」技術であり、圧縮空気のような圧縮流体が、ファイバーユニットを導管に沿って一端部から移送、即ち「圧送」するのに使用される。
【0009】
現在、ファイバー圧送方法を使用してファイバーユニットを設置するには、少なくとも2人の操作者が必要である。1人は、導管のヘッド端部に配置され、このヘッド端部で、設置中に、空気とファイバーユニットとが、導管の開口部中に導入される。もう1人は、導管の遠位端部に配置され、この遠位端部で、空気とファイバーユニットとが、導管の開口部から現われる。第2のこの遠位端部の所の操作者は、遠位端部が、ヘッド端部から幾らか、即ち1キロメーター以上まで離れている場合に、必要とされる。従って、ヘッド端部の所の操作者は、第2の操作者が遠位端部に配置されることなく、設置中に遠位端部の状態を知ることができない。
【0010】
ヘッド端部の所の操作者は、光ファイバーを導管中に供給し、かつ圧縮空気の供給を制御する、「圧送ヘッド」として本分野で知られるファイバー設置メカニズムをモニタ並びに操作する。操作者は、導管のヘッド端部の開口部中に空気を方向付けることにより、処理を開始する。空気が、適切な導管中に方向付けられている場合、遠位端部にいる操作者は、導管の端部に一時的に接続された風量計により、又は、より簡単には、空気流がかなり多い場合に、導管から出てくる空気流を手で感じることにより、空気の到達を検知する。そして、この操作者は、無線又は他の手段によりヘッド端部にいる操作者に空気の到達を伝え、ヘッド端部にいる操作者が適切な導管に空気を与えていることを、ヘッド端部にいる操作者に確認する。次に、ヘッド端部にいる操作者は、ファイバーユニットを導管中に挿入して、このファイバーユニットを導管の遠位端部へと圧送する。この後すぐ、遠位端部にいる操作者は、ファイバーユニットの到達を同僚に伝える。かくして、ヘッド端部にいる操作者は、空気の供給と圧送ヘッドとを停止し、処理を終了させる。
【0011】
このような処理は、最低でも2人の操作者が、単一の設置に従事しなければならないので、手間がかかる。ヘッド端部にいる操作者は、圧送ヘッドの操作技術を有する必要があり、一方、遠位端部にいる操作者は、遠位端部での設置状況を同僚に知らせる必要がある。
【0012】
導管のヘッド端部にいる1人の操作者が、導管の遠位端部にある光ファイバーの到達を検出し得る方法が、知られている。
【0013】
最も簡単な方法では、導管のルートの長さが、知られていて、操作者は、ファイバーユニットの必要な長さが展開されたときに、光ファイバーが遠位端部に到達したことを知ることができる。これには、最新で適切な導管のルートが記録された地図が頼りであり、十分に円滑で障害物のない導管のルートが想定される。実際には、これらのどちらも補償されることができない。
【0014】
他の知られた形態は、導管の遠位端部に位置され、かつ空気は通すがファイバーユニットの更なる前進は阻止する「エアーストーン(airstone)」のような多孔性材料からなるバリアを、導管の遠位端部に設置することである。このような前進の中断は、圧送ヘッドにより検出されて、更なる前進が停止される。しかし、ファイバーユニットの前進が中断されたときでさえ、ヘッド端部にいる操作者は、ファイバーユニットが、導管の端部にある多孔性のバリアに達したこと、又は、ファイバーユニットが導管の長さ方向に沿ったある場所で障害物に引っかかってしまった場合を確信することができない。
【0015】
WO9103756に記載されているように、1つの解決策は、導管の遠位端部に光源を配置し、ヘッド端部に光検出器を配置することである。光ファイバーの遠位端部への到達は、ヘッド端部にある光検出器による光の検出により表示される。この方法が有する1つの問題は、迷光が、ヘッド端部と遠位端部との間の所定の場所で、例えば開いた検査チャンバの所から導管中に何らかの事情で導入されてしまった場合、光ファイバーの到達の早期の、即ち「誤った」表示が、生じ得ることである。この方法は、また、光ファイバーの前端部中にカップリングされ光検出器により検出される光に依存し、しかし、このカップリング処理は、効率が悪く、通常の減衰特性により光ファイバーの長さに比例して更に低下する。従って、この方法は、光ファイバーの長さが長い場合には、実用的でないかもしれない。この文献に記載されている第2の方法は、以前に設置された光ファイバーを使用して、圧送された光ファイバーにより光の「回路」の一部を形成する。この方法は、第1の光ファイバーを導管中へと設置するのに適していない。更に、以前に設置されたファイバーユニットは、動作中の通信データの流れを支持し、更なるファイバーユニットの設置用に利用可能ではない。
【0016】
他の知られた方法は、WO/9812588に記載されているような圧送ヘッドを使用することである。この圧送ヘッドは、ファイバーユニットの導管中での移動が、障害物により減速又は停止されたことを検知したときに、ファイバーユニットの動きを停止させるように構成されている。シールされた遠位端部と組み合わせて使用されるとき、ファイバーユニットは、最終的な目的場所に達したときに、移動をやめる。しかし、シールされた端部が、ファイバーユニットが導管のルートで遭遇し得る障害のたった1つのタイプである場合、この方法は、遠位端部に移動して視覚で検査することなく、ファイバーユニットが遠位端部に到達してこの遠位端部で導管から現われた時を、積極的に特定することができない。
【発明の開示】
【0017】
従って、一般的な態様では、本発明は、ファイバーユニットのようなケーブルの導管チューブ中への設置に関連し、かつ、1人の操作者が、導管中に供給された空気が意図した目的場所に到達しているかどうかと、導管中に供給されたファイバーユニットが目的場所に到達しているかどうか及びその時との少なくとも一方を確認するように、自身で実質的に動作することができる態様の方法並びにデバイスを提供している。本発明は、操作者が、複数の導管のうちの1つを選択しなければならない場合、又は、単一の導管であるが、空気とファイバーユニットが意図した目的場所に到達していることを明確に確認することが望ましい場合に、使用されることができる。
【0018】
本発明の第1の態様は、第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するのに関連して使用されるための方法を提供している。この方法は、第1の端部中に挿入されたファイバーユニットが、前記第2の端部に到達したときを検出するように構成され、
前記ファイバーユニットを前記第1の端部から導管中に挿入して、このファイバーユニットを第2の端部へと設置する工程と、
前記第1の端部の所から光源により前記ファイバーユニット中に光を導入させる工程と、
前記第1の端部の所で光検出器により、前記ファイバーユニットの面での光の反射により生じたファイバーユニット中の反射光を検出する工程と、
前記ファイバーユニットが第2の端部に到達したことを操作者が確認し得るように、前記反射光の変化を検出する工程とを有する。
【0019】
この方法を使用することにより、操作者は、ファイバーユニットが導管の遠位端部に到達したかどうか及び到達したときを確認することができる。操作者は、ファイバーユニットの下流に光を照らす工程と、ファイバーユニットが遠位端部に到達していることを操作者が確信したときに、ファイバーユニットが光を反射しているかどうかをモニタする工程とを行うことができる。代わって、この工程は、ファイバーユニットが導管チューブ中を移動している間に行われることもできる。ファイバーユニット中の反射光量の減少は、ファイバーユニットが遠位端部に到達したことを示す。
【0020】
本発明の第2の態様は、第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するのに関連して使用されるためのデバイスを提供している。このデバイスは、第1の端部中に挿入されたファイバーユニットが、第2の端部に到達したときを検出するように構成され、
ファイバーユニット中の反射光レベルに変化を生じさせるように、ファイバーユニットを介して第2の端部の所又は近くに受け入れられた光を分散させるための光分散手段を有し、これにより、前記第1の端部の所に配置された光検出手段が、前記ファイバーユニット中の反射光レベルの変化を検出することができる。
【0021】
導管チューブの遠位端部に配置されることが好ましいこのようなデバイスを使用することにより、操作者は、ファイバーユニットが遠位端部に到達したときを知ることができる。ファイバーユニットがデバイスに到達するまで、ヘッド端部の所でファイバーユニット中に導入された光は、遠位端部へとファイバーユニットの下流に移動して、ファイバーの一端部から後方へと反射される。このファイバーの一端部は、遠位端部にあるデバイスに達したとき、光分散物質中に浸漬される。この光分散物質のポイントで、ファイバーユニット中の反射光は減少し、従って、ヘッド端部にいる操作者に、ファイバーユニットが遠位端部に到達したことを知らせる。
【0022】
本発明の第3の態様は、第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するのに関連して使用されるための装置を提供している。この装置は、第1の端部中に挿入されたケーブルが、第2の端部に到達したときを検出するように構成され、
ファイバーユニットの面での光の反射により生じたファイバーユニット中の反射光を検出するための光検出手段と、
ファイバーユニット中の反射光レベルの変化を検出するための手段とを有している。
【0023】
この装置は、導管チューブのヘッド端部に配置されることが好ましい。このような装置により、操作者は、反射光量が存在しているかどうか、並びに、このような反射光のレベルに変化があるかどうか、ファイバーユニットをモニタすることができる。好ましい実施形態では、この装置は、光源と一体的に形成されることができる。
【0024】
本発明の第4の態様は、第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するのに関連して使用され、また、請求項に記載されているようなデバイスに関連して使用されるためのビードを提供している。このビードは、前記ファイバーユニットを収容するためのチャンバを有し、このチャンバは、ファイバーユニットの前端部を光分散手段に露出させるように構成された開口部を有している。
【0025】
導管チューブに沿って設置されるファイバーユニットにこのようなビードを取り付けることにより、ファイバーユニットの一端部は、保護され、この一端部は、遠位端部にあるデバイスの光分散物質と効果的に相互作用するように露出される。
【0026】
本発明の第5の態様は、第1の端部と第2の端部とを有する導管中にケーブルを設置するのに関連して使用されるためのキットを提供している。このキットは、第1の端部中に挿入されたケーブルが、第2の端部に到達したときを検出するように構成され、
前記ケーブルは、ケーブル中に導入された光を第1の端部から第2の端部に伝送して、この光を第2の端部から第1の端部へと反射させるように構成され、
請求項に記載されているような、前記第2の端部に配置されたデバイスと、
請求項に記載されているような、前記第1の端部に配置された装置とを有している。
【0027】
前記デバイスと装置とを一緒に使用することにより、操作者は、ファイバーユニットが導管チューブの遠位端部に到達したときを知ることができる。これは、操作者が、ヘッド端部からファイバーユニットの下流に光を照らして、ファイバーユニットの一端部が遠位端部で光分散物質と作用することにより、操作者が反射光レベルの減少を認識するまで、遠位端部から反射された光をモニタすることにより、果たされる。好ましい実施形態では、このキットは、ファイバーの一端部を、装置の光分散物質と効果的に相互作用させるように露出させるように構成されたビードの使用を含んでいる。
【0028】
本発明の第6の態様は、第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するための方法を提供している。この方法は、
(i)空気が導管中に導入されたときに、第2の端部からの空気の流れが妨げられるように、第2の端部を実質的に閉塞し、
第1の端部中に空気の流れを導入し、そして、
導管中の空気流レベルの変化の検出時に、空気が第2の端部から流れているかどうかを確認することにより、
第1の端部の所から導管中に導入された空気が、第2の端部から導管の外に流れているかどうかを確認する工程と、
(ii)請求項に記載されているような方法を使用して、ファイバーユニットが第2の端部に到達したことを検出する工程とを有している。
【0029】
この方法で、導管チューブ中にファイバーユニットを設置するファイバー圧送技術を使用する操作者は、最初に、導管中の空気流レベルの状態をモニタすることにより、操作者が適切なチューブを選択してこのチューブ中にヘッド端部の所から空気を導入しているかどうかを確認することができる。そして、空気が適切な遠位端部に対して流れていることを確認するとすぐに、操作者は、ファイバーユニットが空気により導かれるパスに続くことが判っている導管チューブ中にファイバーユニットを導入することができる。そして、操作者は、ファイバーユニット中の反射光の変化をモニタすることによりファイバーユニットの遠位端部への到達を検出することができる。
【0030】
本発明の第7の態様は、第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するためのデバイスを提供している。このデバイスは、
デバイスが接続可能な導管中に第1の端部の所から導入され、かつ使用時にこの導管から装置中に流れる空気が、第2の端部から導管の外に流れているかどうかを確認するための確認手段であって、空気圧レベルの変化に応答するように構成された圧力検知手段を有する確認手段と、
請求項に記載されているような、第2の端部の所でのファイバーユニットの到達を検出するための検出手段とを有している。
【0031】
導管チューブの遠位端部に位置されることが好ましいこのデバイスを使用することにより、操作者は、チューブ中の空気流が変化して、ファイバーの端部が光分散物質と作用し、従ってファイバーユニット中の反射光量が減少したときに、空気流とファイバーユニットとが遠位端部に到達したことを確認することができる。
【0032】
本発明の第8の態様は、第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを導入するための装置を提供している。この装置は、
第1の端部の所から導管中に導入された空気流が、第2の端部から導管の外に流れているかどうかを確認するための確認手段であって、この確認手段は、前記導管に接続可能であり、導管中の空気流レベルの変化と導管中の空気圧レベルの変化との少なくとも一方を検出する検知手段を有する、確認手段と、
請求項に記載されているような、前記第2の端部でのファイバーユニットの到達を検出するための検出手段とを有している。
【0033】
導管チューブのヘッド端部に位置されることが好ましいこのような装置を使用することにより、操作者は、チューブ中の空気流が変化して、ファイバーユニット中の反射光量が減少するようにファイバーの一端部が光分散物質と作用したときに、空気流及びファイバーが遠位端部に到達したことを確認することができる。
【0034】
本発明の更なる態様は、第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するためのキットを提供している。このキットは、
(i)第1の端部の所から導管中に導入された空気流が、第2の端部から導管の外に流れているかどうかを確認するための確認手段であって、導管に接続可能であり、
空気圧レベルの変化に応答するように構成された感圧性の手段を有し、前記第2の端部の所又は近くに配置されたデバイスと、
導管中の空気流レベルの変化と導管中の空気圧レベルの変化との少なくとも一方を検出する検知手段を有し、前記第1の端部の所又は近くに配置された装置とを有する確認手段と、
(ii)請求項に記載されているような、前記第2の端部でのファイバーユニットの到達を検出するための検出手段とを有している。
【0035】
このようなキットを使用することにより、操作者は、チューブ中の空気流が変化して、ファイバーユニット中の反射光量が減少するようにファイバーユニットの一端部が光分散物質と作用したときに、空気流及びファイバーユニットが遠位端部に到達したことを確認することができる。この実施形態により、ファイバーユニットは、遠位端部での空気流の到達の検出の後すぐに、導入されることができる。このとき、操作者は、ヘッド端部の位置から移動する必要がなく、また、空気又はファイバーユニットの到達が、例えば無線伝達により操作者に合図される必要もなく、即ち、第2の操作者が遠位端部にいる必要がない。
【0036】
本発明の好ましい実施形態は、単なる一例として、添付図面を参照して説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1A並びに1Bは、本発明の実施形態の基本的な部材と動作原理とを示しており、図1Aは、導管の第1の端部、即ちヘッド端部6の所2の装置を示し、また、図1Bは、導管の第2の端部、即ち遠位端部8の所4を示している。
【0038】
設置中に、操作者は、光ファイバーを導管中に挿入する前に、最初に、導管のヘッド端部中に導入された空気が、所望の遠位端部に確かに流れていることを確認する。操作者は、ヘッド端部の所に位置されたコンプレッサー14を作動させ、全てが良好である(即ち、操作者が、適切な導管を選択している、導管のルートの地図が、正しく作成されている等の)場合に、空気が、図1Bに示されているような導管の遠位端部8へと導管を通って矢印12の方向に流れる。
【0039】
図1Bに示されている実施形態では、空気が、導管の開口部から出て、導管に接続されたデバイス16中へと流れる。本発明の好ましい実施形態に係わるデバイス16は、空気が所望の遠位端部に達していることを確認するためと、空気が所望の導管の遠位端部から外に流れていることを確認するためとの両方に使用されることができる。操作者は、ファイバーユニットが導管中に導かれる前に、このことを確認する。更なる態様では、デバイスは、また、圧送されたファイバーユニット10が、導管の遠位端部8に到達したときを検出することができる。
【0040】
空気が適切な遠位端部に実際に流れていることを操作者が確認した後に、光ファイバーユニット10が、導管のヘッド端部中に挿入される。この光ファイバーユニットは、導管に沿って流れる空気により発生される粘性抵抗と、この分野で知られるような圧送ヘッドの駆動ホイール(図示されず)との組み合わせにより、導管に沿って駆動される。光ファイバー用の代表的な導管は、3ないし6mmの内径を有することができるが、他のサイズが、また、一般に使用される。
【0041】
図1Bでは、デバイス16が、導管の遠位端部の開口部に位置されるようにして、示されている。これは、好ましい位置であるが、デバイスは、以下に十分に説明されるように、本発明の利益を実現するように他の場所に位置されることもできる。
【0042】
図1Bに示されているように、このデバイス16は、コネクタ18により導管の前記遠位端部8に接続されたハウジング17を有している。この実施形態では、ハウジング17が、屈折率整合流体22を収容したリザーバ20と、ダイヤフラム24とを有している。
【0043】
図2は、前記導管の遠位端部8に装着されたデバイス16を断面図で詳細に示している。前記ハウジング17の内部は、使用時等に外されることのできるキャップ19により保護される。本発明のこの実施形態のダイヤフラムは、感圧性であり、ハウジング中に空気を閉じ込める部材として機能している。この実施形態では、ダイヤフラムが、ハウジング17の内壁と一緒になって実質的に気密のスペース21を規定している部分を有している。尚、このスペース中には、遠位端部8から来る空気流26が入る。使用時に、前記ダイヤフラムは、デバイス中の空気圧の閾値に反応して、ハウジング内のスペース21を拡大するように移動又は破断されることができる。このダイヤフラムは、ハウジング17の内面と一体的であり得るかこの内面に装着され得る支持リング34により、所定の位置に保持されている。このダイヤフラム24とハウジング17の内面との間の良好なシールを確実にするように、ダイヤフラム24の外周部分は、ダイヤフラムが破断されるように設計されている場合に、剛性であり得る。かくして、前記空気圧の閾値が達したときに、中央部分だけが破断する。
【0044】
前記リザーバ20は環状であるが、このリザーバは、前記ファイバーユニットの前端部(advancing end)28が、屈折率整合流体中に浸漬された後に、ダメージを受けることなくリザーバを通るのを可能にする任意の形状であって良い。代わって、リザーバ20は、ファイバーユニット10がデバイス16を通過するのを阻止する、閉じられた後面を有することができる。どちらの場合も、リザーバ20中に収容された屈折率整合流体22の、ファイバーユニットの前端部28に対する作用は、同じである。更に、リザーバ20は、空気流36が、このリザーバの周りを容易に通り得るように、前記ハウジング17の内径よりも小さな外径を有することができる。また、このリザーバは、リザーバ20をハウジング17内の中央に保持するように剛性であるが空気流36を邪魔することのないスポークのようなアンカー手段38により支持されている。このリザーバは、デバイスが使用されていないときに内部並びに中身を保護するように、カバー19を有することができる。
【0045】
前記ハウジング17は、代表的に、直径約3cmの円筒形部分を有し、プラスチック射出モールド成形のような低コストの処理により成形されることができる。このハウジング17の全長は、代表的に約4又は5cmであり、前記導管の外径のような要因によって決まる。
【0046】
一実施形態では、前記デバイス16は、一度使用された後に処分されるように意図されている。このような場合、前記ダイヤフラムは、デバイスの製造中に取り付けられることが好ましい。代わって、図3,4A,並びに4Bに示されているように、デバイスは、ダイヤフラムがもろい場合に、再利用可能であり得る。このような場合、ダイヤフラムは、光ファイバーユニットを導入するためにデバイスを使用している間に操作者に与えられる製造部品であることが好ましい。フランジが、もろくなく、単にデバイス中の空気圧の変化に応じて移動する場合、操作者は、ダイヤフラムを、再利用のために元の位置に戻すことができる。
【0047】
図3に示されている実施形態では、前記ダイヤフラム24は、「スナップ装着」されたリテイナー40と支持リング34とにより所定の位置に保持され、このため、もろいダイヤフラムを有する実施形態では、使用済みのダイヤフラムは、操作者により外されて交換されることができる。破断したダイヤフラムを外すことにより、操作者は、リザーバにアクセスして、必要に応じて、リザーバに屈折率整合流体を再充填することができる。
【0048】
もろいダイヤフラムは、以下の特性を有している。ダイヤフラムの外周部分は、デバイス16のハウジング17に接続する場所が、剛性であることが好ましい。更に、ダイヤフラムの中央部分は、圧力の閾値が達したときに破断し得る材料からなることが好ましい。この中央部分を形成するのに適した材料には、プラスチック、紙、薄い金属箔等が含まれる。この材料の選択が特別であると、ダイヤフラム24は、適切な圧力で破断することができ、また、ダイヤフラムは、屋外の動作状況での使用に適した気象耐性を有する。
【0049】
図4A並びに図4Bに示されている実施形態は、再利用可能であり、従って、使い捨てを意味していない。デバイス16の前記ハウジング17は、2つのモジュール、即ち、リザーバ20を収容している第1のモジュール44と、ダイヤフラム24を収容している第2のモジュール46とに分けられている。これら2つのモジュールは、例えば、ねじ部(図示されている)、締まりばめ、又はクリップ等により、一緒に接続されることができる。第2のモジュール46内のダイヤフラム24は、もろくて破断した場合に、使用後その都度交換されることができ、さもなければ、ダイヤフラムは、再使用のために再配置され、リザーバ20には、必要に応じて屈折率整合流体が再充填される。図4Bに示されているデバイスの実施形態には、空気が通ることのできる排気用導管60が更に含まれている。
【0050】
図4Bは、デバイス中の部材を明瞭に示している図である。この実施形態では、デバイスが使い捨て可能である場合のように、リザーバ20が、デバイスの中央に配置されるように、デバイスにアンカー66で支持されている。この図のアンカーは、リザーバとデバイスの内壁との間でホイールスポークの形態をなしているが、他の適切な形態をなすこともできる。基本的に、アンカー手段は、空気64が、導管の遠位端部8から例えば前記排気用導管60へと、リザーバの周りを実質的にスムーズに通過するのを可能にしている。かくして、前記ヘッド端部の所から導管中に供給された空気は、導管の長さ全体に渡って移動し、矢印64の方向で遠位端部の所に現われ、そして、排気導管の所にスムーズに出てくる。
【0051】
空気流の検出−概要
上述されたように、デバイスは、2つの主な目的のために、即ち、導管のヘッド端部中に供給された空気が、適切な遠位端部に流れているかどうかを確認するためと、ファイバーユニットが、遠位端部に到達したことを確定するために、操作者により使用されることができる。以下の説明は、本発明の第1の目的に関する。
【0052】
空気流12が、コンプレッサー14により与えられる空気圧と一致する空気導入速度で、ヘッド端部6の所から導管中へと導入されると、空気圧が、導管中で上昇する。この導管8は、気密スペース21を規定しているダイヤフラム24を有するデバイスのハウジング17に接続されているので、空気は、遠位端部の所でデバイスから逃げることはできない。空気が、導管とデバイス16とを徐々に満たし、空気圧が、導管の長さ全体に渡って徐々に均一になる。導管に入っていく空気が、空気圧の上昇により高まる抵抗を受け、ヘッド端部6の所の空気流12が、徐々に減少する。ハウジング17は、導管に接続されているので、気密スペース21中の空気圧は、この段階で、導管中の空気圧と実質的に同じである。
【0053】
前記ハウジング中のダイヤフラム24は、圧力の変化に敏感である。このダイヤフラムは、前記スペース21中の空気圧が閾値に達したとき、例えば、スペース21中の圧力レベルが、ダイヤフラムを超える領域23の圧力レベルに比べて上昇したときに反応するように構成されている。ダイヤフラム24が破断されるように設定されている閾値は、導管のヘッド端部6に与えられる空気圧と、導管のディメンションとに従って選択される。代表的な設置においては、10barの空気圧が、ヘッド端部に与えられることができ、この場合、デバイス16により閉塞されたスペース21内で時間の経過とともに上昇する空気圧も、また、10barに達する。好ましくは、ダイヤフラム24は、1bar(雰囲気圧力)ないし10barのスペース21中の圧力を受けて破断するように設計されている。好ましくは、ダイヤフラムは、破断が、破裂よりも穏やかであることを確実にするように、1barよりもわずかに高い圧力、例えば2barで破断する。このダイヤフラムは、デバイスの動作とファイバーの設置とに干渉しない形態で破断されるように構成されていることが好ましい。例えば、ダイヤフラムは、多くの破片ではなく実質的に単一のピースで残るように破断するように構成されていることが好ましく、このとき、単一のピースは、ダイヤフラムの剛性の外周部分についたままであることが好ましい。
【0054】
前記スペース21中の空気圧が、閾値に達して、この閾値で、ダイヤフラム24が破断したとき、スペース内の空気圧は、雰囲気レベルに急速に低下する。これにより、ヘッド端部の所から導管中に入る空気によりもたらされる抵抗が、減じられ、この場合、導管中の空気流12が、上昇する。
【0055】
空気流の検出−空気流を検知する
本発明のこの態様では、前記ヘッド端部の場所2にいる操作者(図示されず)は、導管中の空気流の移動のレベルとパターンとをモニタして、ヘッド端部6中に導入された空気が適切な遠位端部の導管に対して流れているかどうかを確認する。これは、導管のヘッド端部に位置されることが好ましい空気流センサーを使用することにより、果たされる。この空気流センサー15は、知られた空気流ゲージのような空気流検知手段であって良く、前記空気コンプレッサー14と一体的であり得ることが好ましい。
【0056】
本発明に係われば、適切な目的場所への空気の流れを特徴付ける空気流パターンでは、空気流レベルが、漸進的に低下し、その後、比較的急速に上昇する。前記空気流センサー15により検知された空気流が、ほぼ一定で開始時から変わらない場合、操作者は、デバイス16が目的の遠位端部で導管に接続されていないので、空気流がスムーズであり、従って、空気は、他の(知られていない)目的場所に自由に流れていると、結論付けることができる。このようにして、不適切な導管中へのファイバーユニットの設置が、回避され得る。
【0057】
この実施形態のハウジングは、端部13が開いているように図1Bに示されている。これは、ダイヤフラム24が、デバイス内のスペース21を規定し続けている限り、ハウジングが、良好に閉じられ得るので、本発明にとって重要なことではない。スペース21内の空気圧レベルが、閾値レベルに達したとき、ダイヤフラムは、例えば押圧されて、ハウジング17内で、例えば空気が流れる方向に沿って第1の位置から第2の位置に移動する、即ち摺動又は「突出(popping)」する。これにより、空気を収容しているデバイス内のスペースが、比較的素早い方法で拡大される。かくして、空気流レベルは、最初に低下して、比較的急速に導管全体に渡って上昇し、かくして上述された特徴的な空気流パターンに従う。このような変化は、遠位端部、又は導管の長さ方向に沿ったいずれかの場所で検出されることができるが、ヘッド端部にいる操作者が、空気流センサー15を使用して検出し得ることが好ましい。
【0058】
前記ダイヤフラムの移動は、(例えば、拡大されたスペース21中に空気を流して、適切な遠位の導管への空気の流れを合図し得るだけ十分)わずか、又は、(前記端部13が十分に開いている場合に、ファイバーユニットが、移動されたダイヤフラムを最低限の抵抗で通り越してデバイス中を移動し得る程度に)大きい。
【0059】
前記遠位端部の空気圧の低下の結果により、ダイヤフラムの移動の前に徐々に低下したヘッド端部の空気流レベルが、平衡、即ち定常状態レベルに上昇する。この定常状態レベルは、導管のヘッド端部の例えば10barの代表的な空気圧レベルに一致した最初の流量で導管(並びにデバイス)を通る空気の実質的にスムーズな流れを意味している。
【0060】
異なる実施形態では、ダイヤフラムは、上述されたように、もろくて破断するように構成されている。この場合のハウジングは、また、端部13が開いていても良いし閉じられていても良く、ダイヤフラムが破断されたとき、特徴的な空気流パターンが、導管に沿って、再び好ましくはヘッド端部の場所で検出されることができる。
【0061】
本発明の好ましい実施形態では、デバイスの前記端部13は、開いている。このような場合、空気は、ダイヤフラムが破断するとすぐに、導管を通り抜けて遠位端部の所に流れ出る。そして、流れレベルは、導管を通る空気の実質的にスムーズな流れを意味する平衡、即ち定常状態のレベルに回復し、更なる空気が、コンプレッサーによりヘッド端部の所から導管中に供給される。
【0062】
本発明のこの実施形態により、操作者は、空気が適切な遠位端部に流れていることを確定した後すぐにファイバーユニットを導管中に挿入することにより、設置処理を効果的に続けることができる。本発明の他の実施形態では、1人の操作者が、ファイバーユニットを導入し続け得る前に、デバイスを遠位端部から取り外す更なる工程を行う必要がある。この工程には、ヘッド端部から遠位端部までの移動が含まれ得る。これは、さもなければ、ダイヤフラムが、実質的に所定の位置にとどめられて、空気の流れと、更に重要なことには、ファイバーユニットのデバイス中への前進とを部分的に阻止してしまうためである。しかし、このような方法でさえも、1人の操作者が、同時に2つの場所にいる必要がある従来の方法とは違って、1人で作業することができる。
【0063】
熟練者は、ダイヤフラムの多くの異なる実施形態が、本発明の範囲内で存在することを、認識している。例えば、ダイヤフラムは、前記スペース内の空気圧が所定の閾値に達したときに、デバイス16から突出され得るように、デバイス16の開口端部13を覆うエンドキャップ19の形態であっても良い。
【0064】
熟練者は、また、本発明の利点並びに効果を実現するように、導管の遠位端部の開口部以外の場所で、デバイスを導管に接続することが可能であり得ることを理解している。即ち、デバイスの「摺動する」又は「突出する」実施形態は、例えば、中央部分、実際には、ヘッド端部のある場所又はこの場所近くでさえも、導管に接続されることができる。しかし、これには、導管の遠位端部を閉じる別の更なる工程が必要である。このデバイス中のダイヤフラムの動作は、(例えば、空気が、不適切な導管の下流に供給され、偶然、この不適切な導管が、また、何らかの理由で閉塞されていた場合に)空気が所望の遠位端部から流れているという決定的な証拠にならないかもしれない。
【0065】
空気流の検出−空気圧を検知する
ダイヤフラムの使用に関して上述された概念、実施形態、並びに変形例は、また、空気流の代わりに空気圧の変化を検知することにより同じ目的を達成するために、操作者により使用されることができる。
【0066】
本発明の使用を特徴付けている代表的には空気圧レベルのパターンは、導管中の空気圧レベルが、(空気が、導管とデバイスとを徐々に充填するときに)上昇して、(ダイヤフラムが移動、破断、又は変位したときに)比較的急速に低下することを、主に特徴としている。非常に多くのファイバー圧送の設置において、空気圧レベルの変化は、デバイスのハウジング17中のスペース21内でのみ実質的に検出されることができる。従って、空気圧センサー(通常の空気圧ゲージであり得る)が、この実施形態では、スペース21内の圧力レベルを例えばデバイス16の中又は近くでモニタし得るように配置される。
【0067】
図1Bに示されている実施形態では、デバイスは、遠位端部8の所で導管に接続されている。上述されたように、圧力センサーは、遠位端部近くに配置されると考えられ、従って、上述された空気圧レベルの変化のパターンが検出されるとすぐに、例えば無線又は他の伝達手段により、ヘッド端部にいる操作者の元に圧力レベルの変化を知らせる方法が、含まれなければならない。
【0068】
空気流がモニタされる実施形態のように、デバイスを導管に沿ったいずれかの場所に配置することも、本発明の範囲内であるが、この場合、再び、導管の遠位端部は、別の方法で閉じられなければならない。
【0069】
空気圧の変化が導管中の他の場所で検出され得るまれな状況では、これに応じて、圧力ゲージが、その場所の空気圧レベルをモニタするように位置されることができる。
【0070】
ファイバーの到達の検出−反射の検出
ファイバーユニット10の設置中に、光が、半導体レーザーのようなレーザーであることが好ましい光源30により、ファイバーユニット10中に導入される。この光は、この光を散在させる背景光から比較的容易に区別し得るように、連続的であっても良いし、周期的に調整(即ち、変調)されても良い。
【0071】
光ファイバーは、代表的に、空気よりも大きな屈折率を有するガラスからなっている。導管中に導入されたファイバーユニットの端部は、劈開面(cleaved surface)を有するように加工されている。このような劈開面からの反射が強いことが、特徴的である。この劈開面が空気に曝されると、ファイバーユニットの劈開された前端部28は、光源30からファイバーユニット10に沿って光を伝搬する鏡のように作用する。このため、光の一部分は、前方に伝送され、一方、光のかなりの部分は、光源へと反射される。このような反射は、光検出器32により検出されることができる。この光検出器32は、光検出手段の任意のタイプであって良く、通信分野で一般的であり、かつ前記光源30に使用される装置と相補的である種類の半導体光装置を用いることが好ましい。最も簡単な形態では、この光検出器は、ファイバーの設置手順中に、操作者並びにフィールドエンジニアにより一般に使用される種類の屈折力測定装置(即ち、光強度測定器)であり得る。比較的高度なレベルで、この光検出器は、例えば、劈開された端部からの反射の存在を検出、表示、又は指示することのできる光時間領域反射計(optical time domain reflectometer)であり得る。
【0072】
前記ファイバーユニットの前端部28が、導管の遠位端部に到達したとき、この前端部は、屈折率整合流体22中に浸漬されるようにリザーバ20に入る。この屈折率整合流体22は、ファイバーユニット10の屈折率にほぼ等しい屈折率を有する流体である。この適用例に使用されるのに適した屈折率整合流体は、一般的なものであり、この屈折率整合流体の例には、Techoptics社製のNorland Index Matching Liquid type 150、並びにNyeOptical社製のNye SmartGel type OCF-446が含まれる。
【0073】
前記ファイバーユニットの前端部28が、屈折率整合流体22に入ると、鏡のような前端部の特性は、ファイバーユニット10を伝搬するほとんどの光が前端部28により反射されずに、屈折率整合流体22に伝搬されて分散されるように、実質的に減じられる。このようにして、光検出器32により検出される反射光量は、ファイバーユニットの前端部28が屈折率整合流体22中に浸漬されたときに、実質的に減じられ、ファイバーが導管の遠位端部の目的場所に到達したという正の表示を、ヘッド端部にいる操作者に与える。
【0074】
効果的には、ファイバーユニット10が遠位端部に到達したときを操作者に知らせる無線送信機のような別の通信手段を、遠位の場所4に使用する必要はない。ファイバー自体が、ヘッド端部で検出された反射光が減じられたときに、ヘッド端部の所2の操作者にその情報を伝える。無線通信機のような高価で精巧な設備が、遠位の場所4に放置される必要がなく、かくして、第2の操作者を遠位の場所におく必要性は、全くない。
【0075】
前記ファイバーユニットの前端部28がデバイス16に到達したのを確認してから、操作者は、手動で圧送ヘッドを非係合することと空気コンプレッサーを停止させることとの少なくとも一方を行って、設置作業を終了することができる。また、設置作業は、検出光のレベルの特徴的な低下を識別して、自動的に空気コンプレッサー14の動作を停止させることと圧送ヘッドを非係合することとの少なくとも一方を行うように、プロセッサを使用して自動的に終了することができる。このようなプロセッサは、前記光検出器32に組み込まれることができる。この処理を自動的に行う他の方法は、上述されたWO/9812588の圧送ヘッドを使用することである。この圧送ヘッドは、閉じられた端部13又は破断していないダイヤフラム24を有するデバイス16、若しくは閉じられた後面を有するリザーバ20を備えた開成端部のデバイスに関連し、従って、圧送ヘッドは、前端部がこれら障害物の1つに当ったときに、ファイバーユニットを前進させるのを停止する。
【0076】
熟練者は、本発明の範囲内の変形例が可能であることを認識している。例えば、ファイバー中に光を導入して、ファイバーユニットが光を反射しているかどうかをモニタする工程が、ファイバーユニットが移動をやめたとき(例えば、ファイバーユニットの前端部が、例えば図2のデバイス中の例えばエンドキャップ19の形態の後壁に達したとき、又は、さもなければ、操作者が、ファイバーユニットが遠位端部に到達したと確信したとき)にのみ、実行され得る。
【0077】
ファイバーの到達の検出−ファイバーのビード
図5に示されているように、ファイバーの前端部に「ビード(bead)」49を取り付けることが、現在のやり方である。ビードを使用する目的は、主に、ファイバーユニットの劈開面を設置中に保護するためである。特に、ファイバーユニットの端部は、導管の内面との衝突から保護される。さもなければ、ファイバーユニットの端部は、遠位端部の所に配置され、(例えば、遠位端部の開口部にカップリングされたエアーストーン(airstone)の形態の)閉じられた壁部に達したときにダメージを受けるかもしれない。ビードの丸い先端部は、また、ファイバーユニットの前端部の導管に沿った前進を容易にしている。
【0078】
本発明の更なる態様では、ビード50が、更に、本発明の実施形態の装置並びにファイバー検出方法と共に使用されるように構成されている。特に、本発明の実施形態に係わるビードは、ファイバーの劈開端部28の面が、設置手順中に清潔なままであることを確実にするようにファイバーの劈開端部28の面を保護し、ファイバーユニットが屈折率整合流体に達したときに十分に露出され、かくして、劈開面が流体に実質的に接触するのを確実にする。
【0079】
図6並びに7は、ファイバーユニット10の劈開端部28に直接取り付けられたビード50を示している。図6のファイバーユニットは、裸であり、外側の保護コーティング材を有していない。図7では、ファイバーユニット10が、外側の保護コーティング材54中に収容されている。このコーティング材は、ファイバーユニット10を保護する役割を果たし、ファイバーユニット10に機械的な支持を与えている。このコーティングは、導管に沿ってファイバーを圧送する処理を助けるように、ファイバーユニットの外面の粘性抵抗を上昇させるように設計されるかもしれない。
【0080】
両方の場合のビードは、実質的に同一であり、適切な軽量材料で製造されることができ、また、接着剤、締まりばめ、又は他の手段によりファイバーユニット10又はファイバーユニットのコーティング材54に取り付けられ得るように、プラスチック又は同等のものであることが好ましい。上述されたように、ビードは、現在知られるビードにほぼ類似しているが、以下の変形例を有することができる。
【0081】
図6並びに7のビード50は、壁部52a,52bと開口部52cとにより規定された円筒形のチャンバ52を有している。壁部52bは、ファイバーユニット10又はファイバーユニットのコーティング材54を受け入れるための開口部(図示されず)を更に有している。かくして、ファイバーユニットの前端部28は、設置中に導管の側面と衝突することから防止される。圧送されたファイバーユニット10が、導管の遠位に到達して、リザーバ20に入ったとき、屈折率整合流体22が、前記開口部52cを介してチャンバ52中に入る。従って、ファイバーユニットの前端部28は、屈折率整合流体22中に浸漬される。
【0082】
前記ビード50は、接着剤、締まりばめ、又は他の手段により、ファイバーユニット10又はファイバーユニットのコーティング材54に取り付けられることができる。接着剤は、図7に示されているような接着剤用ホール56を介して与えられることができる。ファイバーユニット10を導管中に設置する処理が終了すると、ビード50は、除去される、即ちケーブルカッター又は同等のものでファイバーの端部から切断され、ファイバーの端部は、ネットワーク設備に接続されるように通常の方法で準備され得る。
【0083】
上に説明され図面に示された方法、デバイス、並びに構造は、単に説明を容易にするためのものであり、本発明を特定の実施形態に限定することを意味するものではない。上述された方法並びにデバイスの様々なシーケンス並びに順序が、開示されているような本発明の範囲内で可能であり、同様に、本発明が、同様の様々な適用例で様々なケーブルのタイプに使用され得ることは、熟練者に理解されるだろう。特に、空気流の検出に関連した装置並びに方法と、ファイバー到達の検出に関連した方法並びに装置とが、好ましい実施形態で一緒に使用されるように、この明細書に示されている。しかし、これら装置並びに方法は、夫々の発明の効果を実現するように、互いに別々に動作する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1A】本発明の実施形態に係わる装置を示している概略図である。
【図1B】本発明の実施形態に係わる装置を示している概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係わるデバイスの断面図である。
【図3】本発明の更なる実施形態に係わるデバイスを示している。
【図4A】本発明の更なる実施形態に係わるデバイスを示している。
【図4B】本発明の更なる実施形態に係わるデバイスを示している。
【図5】光ファイバーユニットケーブルの設置に関連して使用される従来技術のビードを示している。
【図6】本発明に係わるビードの実施形態を示している。
【図7】本発明に係わるビードの実施形態を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するのに関連して使用されるための方法であって、
この方法は、前記第1の端部中に挿入された前記ファイバーユニットが、前記第2の端部に到達したときを検出するように構成され、
前記ファイバーユニットを前記第1の端部から導管中に挿入して、このファイバーユニットを前記第2の端部へと設置する工程と、
前記第1の端部の所から光源により前記ファイバーユニット中に光を導入させる工程と、
前記第1の端部の所で光検出器により、前記ファイバーユニットの面による前記光の反射により生じた反射光を検出する工程と、
前記ファイバーユニットが前記第2の端部に到達したことを操作者が確認し得るように、前記反射光の変化を検出する工程とを具備する方法。
【請求項2】
前記光を導入させる工程と、前記反射光を検出する工程とは、前記ファイバーユニットが、前記第1の端部から第2の端部へと設置される間に果たされる請求項1の方法。
【請求項3】
前記反射光の変化を検出する工程は、光検出手段により検出された反射光量が減少したときを検出することを有する請求項1又は2の方法。
【請求項4】
第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するのに関連して使用されるためのデバイスであって、このデバイスは、前記第1の端部中に挿入されたファイバーユニットが、前記第2の端部に到達したときを検出するように構成され、
前記第1の端部の所に位置された光検出手段が、前記ファイバーユニット中の反射光レベルの変化を検出し得るように、ファイバーユニットを介して前記第2の端部の所又は近くに受け入れられた光を分散させるための光分散手段を具備しているデバイス。
【請求項5】
前記光分散手段は、前記ファイバーユニットの屈折率と実質的に同じ屈折率を有する物質を含んでいる請求項4のデバイス。
【請求項6】
前記物質は、管状のリザーバ中に収容され、前記ファイバーユニットの一端部がこのリザーバ中の流体と相互作用し得るように位置されている請求項5のデバイス。
【請求項7】
第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するのに関連して使用されるための装置であって、この装置は、第1の端部中に挿入された前記ファイバーユニットが、前記第2の端部に到達したときを検出するように構成され、
前記ファイバーユニット中の反射光を検出するための光検出手段と、
前記ファイバーユニット中の反射光レベルの変化を検出するための手段とを具備している装置。
【請求項8】
前記ファイバーユニット中に光を導入するための光源を更に具備している請求項7の装置。
【請求項9】
第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するのに関連して使用され、また、請求項4ないし7のいずれか1のデバイスに関連して使用されるためのビードであって、このビードは、前記ファイバーユニットを収容するためのチャンバを具備し、このチャンバは、前記ファイバーユニットの前端部を光分散手段に露出させるように構成された開口部を有している、ビード。
【請求項10】
第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するのに関連して使用されるためのキットであって、このキットは、第1の端部中に挿入された前記ファイバーユニットが、前記第2の端部に到達したときを検出するように構成され、
前記ファイバーユニットは、このファイバーユニット中に導入された光を前記第1の端部から第2の端部に伝送して、この光を第2の端部から第1の端部へと反射するように構成され、
前記第2の端部の所に配置された請求項4ないし6のいずれか1のデバイスと、
前記第1の端部の所に配置された請求項7又は8の装置とを具備している、キット。
【請求項11】
請求項9のビードを更に具備している請求項10のキット。
【請求項12】
第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するための方法であって、
(i)空気が、前記導管中に導入されているときに、前記第2の端部からの空気の流れが妨げられるように、この第2の端部を実質的に閉塞し、
前記第1の端部中に空気の流れを導入し、そして、
前記導管中の空気の流れのレベルの変化の検出時に、空気が、前記第2の端部から流れているかどうかを確認することにより、
前記第1の端部の所から前記導管中に導入された空気が、前記第2の端部から導管の外に流れているかどうかを確認する工程と、
(ii)請求項1ないし3のいずれか1の方法を使用して、前記第2の端部への前記ファイバーユニットの到達を検出する工程とを具備する、方法。
【請求項13】
第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するためのデバイスであって、
このデバイスが接続可能な前記導管中に第1の端部の所から導入され、使用時に導管からデバイス中に流れる空気が、前記第2の端部から導管の外に流れているかどうかを確認するための確認手段であって、空気圧レベルの変化に応答するように構成され、かつ空気圧レベルの変化に応答するように構成されている、確認手段と、
請求項4ないし6のいずれか1のデバイスを有する、前記第2の端部への前記ファイバーユニットの到達を検出するための検出手段とを具備しているデバイス。
【請求項14】
第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するための装置であって、
第1の端部の所から前記導管中に導入された空気流が、前記第2の端部から導管の外に流れているかどうかを確認するための確認手段であって、この確認手段は、前記導管と接続可能であり、導管中の空気流レベルの変化と、導管中の空気圧レベルの変化との少なくとも一方を検出する検出手段を有する、確認手段と、
請求項7又は請求項8の装置を有する、前記第2の端部への前記ファイバーユニットの到達を検出するための検出手段とを具備している、装置。
【請求項15】
第1の端部と第2の端部とを有する導管中にファイバーユニットを設置するためのキットであって、
(i)第1の端部の所から前記導管中に導入された空気が、前記第2の端部から導管の外に流れているかどうかを確認するための確認手段であって、この確認手段は、導管に接続可能であり、
空気圧レベルの変化に応答するように構成された圧力検知手段を有し、前記第2の端部の所又は近くに位置されたデバイスと、
前記導管中の空気流レベルの変化と導管中の空気圧レベルの変化との少なくとも一方を検出する検知手段を有し、前記第1の端部の所又は近くに位置された装置とを有する、確認手段と、
(ii)請求項10又は11のキットを有する、前記ファイバーユニットの前記第2の端部への到達を検出するための検出手段とを具備しているキット。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−529700(P2009−529700A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557814(P2008−557814)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000455
【国際公開番号】WO2007/104910
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】